【実施例】
【0019】
本発明に係るアッパーキャビネットの実施例を
図1、2において説明する。実施例のアッパーキャビネット1は、キッチン等の壁面に設置されて使用される。アッパーキャビネット1は、
図1(a)〜(c)に示すように、前面が開放するように箱状に形成されており、内部を収納部とするキャビネット本体部2と、前面扉3と、を備えている。
【0020】
キャビネット本体部2は、
図1(a)〜(c)に示すように、左右の側板6と、天板7と、底板8と、底板8より下方に設けられた収納棚9と、を備えている。キャビネット本体部2内には、収納用棚板11が1段または複数段(本実施例では2段)取り付けられている。
【0021】
キャビネット本体部2の後面側には、上下に水平の桟板12が設けられており、桟板12の前面には薄板13が張り付けられている。この薄板13によって、キャビネット本体部2の後面開口を閉じている。
【0022】
前面扉3は、キャビネット本体部2の前面側に開閉可能に取り付けられている。具体的には、前面扉3は、キャビネット本体部2の側板6または天板7のいずれかに沿った軸を中心として回動し、開閉可能に取り付けられている。
【0023】
本実施例では、前面扉3は左右2枚備えており、それぞれ左右の側板6の前端にヒンジ16によって左右に開閉可能(観音開き可能)に設けられている。図示はしないが、前面扉3を天板7に沿った軸を中心として回動可能に取り付ける構成としてもよい。その場合は、天板7の前端にヒンジによって取り付ける構成とすればよい。また、前面扉が1枚で、片開きの構成とすることもできる。
【0024】
底板8は、キャビネット本体部2の下部において側板6の前端まで延び、キャビネット本体部2の下方への開口を閉じるように設けられている。
【0025】
底板8の下方に設けられた収納棚9は、
図1(b)、(c)に示すように、その下面が前面扉3の下端及び側板6の下端と同一高さに揃えられ、かつその前面端17の少なくとも横幅方向の一部、換言すると横幅方向の全域または一部が、底板8及び側板6等キャビネット本体部2の他の部分の前面端18よりも後退した位置に設けられている。
【0026】
収納棚9の前面端17が、キャビネット本体部2の他の部分の前面端18よりも後退した位置に設けられていると、前面扉3を閉めた状態では、前面扉3と収納棚9との間には隙間21が残るので、その隙間21から手を入れて前面扉3の下端後面に手を掛けて開閉する手掛かり部が形成される。
【0027】
図2(a)に示す例では、収納棚9の前面端17は、その横幅方向の全域が、底板8及び側板6等、キャビネット本体部2の他の部分の前面端18よりも後退した位置となるように形成されており、前面扉3との間にキャビネット本体部2の横幅方向の全域に手掛かり部を形成する隙間21が設けられる。
【0028】
手掛かり部を形成する隙間21が横幅方向の全域に設けられている構成の場合は、収納棚9は、一律に側板6の前面端から後退した位置となるような奥行き寸法に形成されている。
【0029】
図2(a)に示す例では、収納棚9の前面端17は、その横幅方向の全域が、側板6等、キャビネット本体部2の他の部分の前面端18よりも後退した位置となるように形成されており、前面扉3との間にキャビネット本体部2の横幅方向の全域に手掛かり部を形成する隙間21が設けられる。
【0030】
図2(b)に示す例では、収納棚9の前面端17の横幅方向の一部、即ち左右の前面扉3に対応して2カ所が底板8及び側板6等、キャビネット本体部2の他の部分の前面端18よりも後退した位置となるように構成され、前面扉3との間に手掛かり部を形成する隙間21は、横幅方向の一部、即ち左右の前面扉3に対応して2カ所に設けられている。
【0031】
このような構成とするために、収納棚9には、左右の隙間21が形成される一部について前面端17から後方に向けて、左右の隙間21の横幅及び縦幅に相当する左右の切り欠き24が形成されており、収納棚9の前面端17の他の部分は、底板8及び側板6等、キャビネット本体部2の他の部分の前面端18と同じ位置となるようにに形成されている。
【0032】
このように、収納棚9は、その前面端17の横幅方向の少なくとも一部、換言すると横幅方向の全域または一部が、キャビネット本体部2の他の部分の前面端よりも後退した位置となるように構成され、手掛かり部を形成する隙間21は、横幅方向の少なくとも一部、換言すると横幅方向の全域または一部に設けられている。
【0033】
複数段の収納用棚板11は、キャビネット本体部2内を区画して複数の収納スペース22を形成している。これら複数の収納スペース22の高さ寸法よりも、収納棚9とキャビネット本体部2の底板8との間の収納スペース25の高さ寸法は、小さく設定されている。
【0034】
例えば、底板8は収納棚9の上方50〜60mm程度の位置に設けることで、収納棚9とキャビネット本体部2の底板8との間の収納スペース25の高さ寸法は、50〜60mm程度である。このような収納スペース25は、例えば、お盆や書籍等のように比較的に平坦で厚みのない物品を収納する場合に適している。
【0035】
前面扉3における下端から底板8の下面までの下端部内面26が、前面扉3を開く際に手を掛けることのできる部分となる。従って、上記のとおり、底板8は収納棚9の上方50〜60mm程度の位置に設けた構成とすれば、前面扉3の下端部内面26についても、十分に手を掛けることができる程度の寸法が確保できる。
【0036】
前面扉3を閉めた状態において、キャビネット内に埃、水、湿気、虫等が入りにくくなるように、左右の側板6の前面端、底板8の前面端、天板7の前面端、及び左右の前面扉3の互いの合わせ面の一方等には、パッキン23が貼り付けられている。しかし、収納棚9の前面には、横幅方向の一部または全域に手掛かり部を形成する隙間21が設けられているので、パッキンを貼り付ける必要はない。
【0037】
なお、前面扉3と収納棚9の前面端17の間には、横幅方向の一部または全域に手掛かり部を形成する隙間21が設けられているが、その上方において、底板8でキャビネット本体部2は閉止されているので、隙間21を通して埃、水、湿気、虫等が入っても、キャビネット本体部2の収納スペース22内には入り込むことはない。
【0038】
(作用)
以上の構成からなるアッパーキャビネット1の作用をその使用態様を通して、以下に説明する。アッパーキャビネット1が、
図1(a)〜(c)に示すように閉じた状態から前面扉3を開く場合は、手掛かり部を形成する隙間21に手を入れて、前面扉3の下端部内面26に手を掛けて前方に引けばよい。
【0039】
そして、収納棚9に物品を載置すれば、収納棚9と底板8の間に形成された収納スペース25に収納することができ、また容易に取り出すことができる。
【0040】
本発明のアッパーキャビネット1では、収納棚9の前面端17の少なくとも横幅方向の一部を、キャビネット本体部2の底板8及び側板6等の前面端18よりも後退した位置に設けることで、隙間21を残すという簡単な構成で、前面扉3を開閉するための手掛かり部を形成するとともに、隙間21を設けたことにより生じる、収納棚9と底板8との間のデッドスペースを収納スペースとして使用できる。
【0041】
手掛かり部を形成する隙間21を設けても、底板8よって遮蔽しているので、下方からキャビネット本体部2の収納スペース22内に埃、水分、湿気、虫等が入ることはない。
【0042】
以上、本発明に係るアッパーキャビネットを実施するための実施の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。