(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6395277
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】フレグランス容器載置台及び装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/12 20060101AFI20180913BHJP
B65D 23/00 20060101ALI20180913BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
A61L9/12
B65D23/00 M
B65D83/00 F
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-31401(P2018-31401)
(22)【出願日】2018年2月24日
【審査請求日】2018年3月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
【審査官】
佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭55−131244(JP,U)
【文献】
特開2002−160720(JP,A)
【文献】
特開2016−042872(JP,A)
【文献】
実公昭36−016491(JP,Y1)
【文献】
特開2011−139645(JP,A)
【文献】
特開昭58−212737(JP,A)
【文献】
実開昭61−008046(JP,U)
【文献】
実開昭54−128751(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/12
B65D 23/00−25/56
B65D 83/00
B65D 85/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレグランス容器を載置する載置台であって、
上面部は前記フレグランス容器を載置するための平面状の載置部と、載置台の外形寸法D0を前記載置部の大きさより大きくすることで、前記載置部から外側に延在した押下げ部を有し、
下面部は面を形成した安定部と当該安定部から周縁部に向けて上方に傾斜した斜面部を有し、
前記載置台の上面部側に設けた押下げ部を指で押すと、当該載置台が傾き、その指を離すと当該載置台が元に戻るものであり、前記斜面部の水平方向の長さが前記安定部の径又は幅に対して、0.5〜2.0倍の範囲であることを特徴とするフレグランス容器載置台。
【請求項2】
前記載置部は前記フレグランス容器を収容する収容凹部を有していることを特徴とする請求項1記載のフレグランス容器載置台。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフレグランス容器載置台と前記載置部に載置したフレグランス容器とからなるフレグランス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生活空間に設置して香りを楽しんだり、環境改善に利用されるフレグランス容器の載置台に関する。
【背景技術】
【0002】
香り付きの液体が入った容器に、例えばウッドスティック等のスティック状のディフューザーや、木の皮を用いて花の形等、各種形状に造形したディフューザーを差し込み、空間に香りを漂わせるルームフレグランスのニーズが高まっている。
この場合に、フレグランスも用途に合せて各種販売されている。
例えば、作業部屋では集中力を高めるレモンやグレープフルーツ等の柑橘系があり、寝室等ではリラックス効果の高いラベンダー,サンタルウッド等が提案されている。
また、洗面所等においては、抗菌,殺菌効果のあるものが提案されている。
いずれの場合にも、ただルームフレグランスを置いただけでは、香りの拡散に変化が無くなる恐れがあった。
【0003】
特許文献1には芳香箱を重心の偏りにより回転するスイング式芳香箱を開示し、特許文献2には略半球状体の台座の中央表面にマグネットを用いて、スイング可能に容器を磁着するスイング式球体芳香容器を開示する。
しかし、いずれも構造が複雑で、しかも専用の容器が必要である課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3050583号公報
【特許文献2】実用新案登録第3087867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、構造が簡単で、色々なフレグランス容器に適用できる載置台、及びそれを用いたフレグランス装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るフレグランス容器載置台は、フレグランス容器を載置する載置台であって、上面部は前記フレグランス容器の載置部と、その外側に押下げ部を有し、下面部は安定部と当該安定部から周縁部に向けて上方に傾斜した斜面部を有し、前記載置台の上面部側に設けた押下げ部を指で押すと、当該載置台が傾き、その指を離すと当該載置台が元に戻るものであることを特徴とする。
【0007】
ここで、容器の載置部は、市販されている各種フレグランス容器を載置することができる。
この場合に、載置部は前記フレグランス容器を収容する収容凹部を有していてもよい。
【0008】
本発明に係る載置台の下面部は、フレグランス容器を載せて部屋に置いた際に安定部により安定して置くことができ、載置台の端部の押下げ部を指先等にて軽く押し下げると、この載置台が傾く。
例えば、茶托のように外周部に斜面部を形成してもよく、平面視で各種矩形形状の台座の一端部に斜面部を形成したものでもよい。
また、下面部中央部に設けた平坦部と、その周囲を球面形状にした曲面形状等でもよい。
このような構造として、前記斜面部の水平方向の長さが前記安定部の径又は幅に対して、0.5〜2.0倍の範囲であるのが好ましい。
【0009】
本発明に係るフレグランス容器載置台は、各種フレグランス容器と組み合せることで、フレグランス装置となる。
ここでフレグランス装置とは、載置台の端部の押下げ部を指等で軽く押し下げることで、香りの拡散を楽しむ装置をいう。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るフレグランス容器載置台は、フレグランス容器から香りが漂う状態にして、このフレグランス容器を載置台に載置することができ、載置台の端部を指先等で軽く押し下げるだけで容器が揺れ、新たな香りが拡散される。
液体を用いたフレグランスの場合に、揺動することで程よく撹拌される。
フレグランスによっては、成分の親和性や比重差により液体が分離する場合もあるが、その場合にも揺動することで撹拌され香りの均一性が保たれる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係るフレグランス容器載置台の構造例(実施例1)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るフレグランス容器載置台(以下単に載置台と表現する)10の構造例を、以下図に基づいて説明する。
図1に実施例1を示す。
載置台10は上面部にフレグランス容器1の載置部11と、その外側に押下げ部11aを有する。
下面部は中央部側の平坦な安定部12aと、その外側に上方に向けて傾斜した斜面部12bを有する。
実施例1は外形が円形状になっている。
これにより、載置台10の周縁部を指先等で軽く押し下げると、載置台10がこの斜面部12bに沿って傾き、指先を離すと元に戻る。
この動きにより、フレグランス容器1が揺れる。
フレグランス容器1には、開口部1aからスティック状のディフューザー2が複数本差し込まれており、これが揺れることで香りが拡散する。
これにより自然に香りが広がるのに比較して、多く、且つ広く拡散させることができる。
ここで、フレグランス容器の形状、構造等に制限がなく、容器自体が芳香材で形成されていてもよい。
【0013】
図1の実施例において、載置台10の下面部に設けた中央部の安定部は円形状の平坦な面に形成した例であり、その直径をD
1とすると、その大きさはフレグランス容器1の外径の大きさSよりも小さい。
斜面部12bの外周縁の直径D
0は、上記寸法のD
1の0.5〜2.0倍程度が好ましい。
D
1の大きさをフレグランス容器1の大きさSより小さくすることで指で押し上げるのが小さな力で済む。
また、上面部に形成した載置部11の大きさよりも載置台の外径寸法となるD
0を大きくすることで、この載置部11の外側に指で押し上げるための押下げ部11aを形成することができる。
斜面部12bの水平方向の寸法は大きい方が指で押し下げる力が小さくてよいが、指を押下げ部11aから離した際の載置台10の安定性を良くするために、D
0の寸法をD
1の0.5〜2.0倍程度に設定したものである。
【0014】
図2に実施例を示す。
実施例2は載置台の下面部に形成する安定部の形状として同心円状に3点以上の突起部12cを形成した例である。
突起部12cは同心円状に3点以上あれば、それらの先端部で形成された面が安定部として作用する。
この場合に押下げ部11aを指で軽く押し下げると、この突起部12cを支点にして傾くことになる。
【0015】
図3は実施例3を示す。
本実施例は外形が平面視で略長方形に形成した例である。
この場合に安定部12aの幅D
2と斜面部の水平方向の幅D
3とで外径寸法D
0となる。
D
3の寸法がD
2の0.5〜2.0倍が好ましい。
【0016】
図4は実施例4を示す。
本実施例は花びら形状のディフューザー2aとした例であり、載置台10の上面部に凹部形状の載置部11cにした例である。
この凹部形状は
図5に実施例5を示すように、周壁部11dを立設し、フレグランス容器の底部を収納させてもよい。
本実施例4,5は、実施例1の平坦な安定部に対してゆるやかな曲面に形成した準安定部12e,12dを設けた例である。
フレグランス容器1が納まる載置部11に対して、その外周側に延びた押下げ部11aを形成することで押下げ部11aを軽く指で押し下げ、その指を離すと準安定な状態を保ちながら揺動する。
この場合に準安定部の半径R
1に対して載置台の半径R
0となり、R
0>R
1となる。
【符号の説明】
【0017】
1 フレグランス容器
2 ディフューザー
11 載置部
11a 押下げ部
12a 安定部
12b 斜面部
【要約】
【課題】構造が簡単で、色々なフレグランス容器に適用できる載置台、及びそれを用いたフレグランス装置の提供を目的とする。
【解決手段】フレグランス容器を載置する載置台であって、上面部は前記フレグランス容器の載置部と、その外側に押下げ部を有し、下面部は安定部と当該安定部から周縁部に向けて上方に傾斜した斜面部を有し、前記載置台の上面部側に設けた押下げ部を指で押すと、当該載置台が傾き、その指を離すと当該載置台が元に戻るものであることを特徴とする。
【選択図】
図1