(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
壁面に対して発光パネルを支持する下地金具であって、前記壁面に固定される固定部と、前記固定部に接続され、前記発光パネルの前記壁面と反対側を向く面に当接して前記発光パネルを支持する前側支持部と、を備える下地金具と、
前記前側支持部によって支持される発光パネルと、
前記発光パネルに対して前記壁面に沿った方向に並んで配置される化粧パネルと、
前記発光パネルに対して前記壁面と交差する方向に重なる位置に配置され、前記前側支持部に固定される透明パネルと、
前記透明パネルと前記化粧パネルとの間に配置され、前記前側支持部に固定される目地材と、を備え、
前記化粧パネルは、前記壁面から離れた側の面の前記壁面と交差する方向の位置が、前記透明パネルの前記壁面から離れた側の面に対して面一となるように配置される発光パネル支持構造。
【発明を実施するための形態】
【0031】
《第一実施形態》
以下、本発明に係る第一実施形態について
図1から
図5を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る発光パネル支持構造1は、壁面Wに対して発光パネル2を取り付ける。本実施形態の発光パネル支持構造1は、
図1に示すように、建築物の室内の既設の壁面Wに複数の発光パネル2を取り付けて、壁面Wよりも室内側に内装壁面W1を形成する。
【0032】
図2から
図4に示すように、本実施形態の発光パネル支持構造1は、面光源である発光パネル2と、壁面Wに対して発光パネル2等を支持する下地金具3と、下地金具3に固定される透明パネル4と、透明パネル4と並んで配置される化粧パネル5と、透明パネル4と化粧パネル5との間に配置される目地材6と、化粧パネル5と壁面Wとの間に配置される木下地材7と、発光パネル支持構造1の端部を形成する端部材8と、下地金具3や端部材8を壁面Wに固定する固定部材9とを備える。
【0033】
なお、本実施形態の発光パネル支持構造1は、複数の発光パネル2を有しており、それぞれの発光パネル2に対応するように下地金具3、透明パネル4、目地材6が設けられている。本実施形態の発光パネル支持構造1は、複数の透明パネル4や化粧パネル5が組み合わさることで、建築物等の壁面Wとは異なる内装壁面W1を形成している。
【0034】
また、本実施形態の発光パネル支持構造1では、一つの下地金具3や端部材8に対応して複数の固定部材9が設けられており、一つ化粧パネル5に対応して一つの木下地材7が設けられている。
【0035】
発光パネル2は、平板状をなす面光源であり、発光する発光面2aが形成されている。本実施形態の発光パネル2としては、例えば、厚さ2.5mm程度の矩形状の有機EL照明パネルを用いる。本実施形態の発光パネル2には、前面をなす発光面2aの外縁部分に発光しない額縁部(不図示)が所定の幅で形成されている。本実施形態の発光パネル2は、発光面2aと反対側を向く裏面における額縁部に相当する部分から給電用の配線21が延びている。この配線21は、発光パネル2と接続されていない側の端部にコネクタ22が設けられており、コネクタ22を介して線長の長い他の配線に接続され、電力を供給する屋内のコンセント等の電源部(不図示)に接続されている。
【0036】
本実施形態における発光パネル2として、
図2から
図4に示すように、直方形状の発光パネル2を例に挙げて具体的に説明する。なお、以下、他の部材の説明時についても、この発光パネル2を支持する場合を例に挙げて説明する。
【0037】
本実施形態の発光パネル2は、壁面Wに取り付けられた状態で、壁面Wと交差する方向である前後方向の前側に発光面2aを向けて配置される。本実施形態の発光パネル2は、壁面Wに取り付けられた状態で、水平方向に延びる長方形状をなしている。本実施形態の発光パネル2では、給電用の配線21は、壁面Wに取り付けられた状態で鉛直方向の上方側の長辺の中心部分から延びている。なお、本実施形態では、発光パネル2を壁面Wに取り付ける際に、
図4に示すように、発光パネル2の配線21が接続されている部分に対応する壁面Wに、円形状に窪む凹部Cが形成されている。
【0038】
下地金具3は、壁面Wに固定され、壁面Wに対して発光パネル2を支持する。本実施形態の下地金具3は、一つの発光パネル2に対して、その四辺にそれぞれ配置されている。本実施形態の下地金具3は、アルミの押出成形によって形成され、同一断面形状をなして延在している。具体的には、本実施形態の下地金具3は、発光パネル2の端部を支持する第一下地金具3aと、第一下地金具3aが支持した端部とは交差する方向の端部を支持する第二下地金具3bとを有する。
【0039】
第一下地金具3aは、発光パネル2の長辺方向の両端を支持する。具体的には、本実施形態の第一下地金具3aは、発光パネル2の水平方向の両端を支持するように、発光パネル2の水平方向の幅に合わせて壁面W上で水平方向に互いに離間して、一対配置されている。本実施形態の第一下地金具3aは、壁面Wに対して鉛直方向の延在した状態で固定部材9によって固定される。本実施形態の第一下地金具3aは、
図5に示すように、矩形平板状をなすベース部31と、ベース部31から突出する第一突出部32と、断面形状が第一突出部32と反対側を向いた状態でベース部31から突出する第二突出部33とを有する。
【0040】
ベース部31は、壁面Wに当接して固定される。本実施形態のベース部31は、第一下地金具3aの延在する方向と交差する方向の断面形状が、壁面Wに沿って延びる長方形状をなす平板状に形成されている。具体的には、本実施形態のベース部31は、断面形状における中央部分を形成する固定部311と、断面形状における両端部分を形成する二つの壁側支持部312とを有する。
【0041】
固定部311は、固定部材9によって壁面Wに固定される。本実施形態の固定部311は、不図示の貫通孔が複数形成されている。本実施形態の固定部311は、壁面W側を向く固定部壁側面311aと、固定部壁側面311aの反対側を向く固定部前側面311bとが形成されている。
【0042】
固定部壁側面311aは、ベース部31の延在する方向に延びる直方形状をなしている。固定部壁側面311aは、第一下地金具3aが壁面Wに固定された状態で、壁面Wに当接する面である。
【0043】
固定部前側面311bは、壁面W側の反対側である前後方向の前側を向いて形成されている。固定部前側面311bは、固定部壁側面311aと平行に形成されている。固定部前側面311bは、ベース部31の延在する方向に延びる直方形状をなしている。
【0044】
壁側支持部312は、固定部311に接続され、発光パネル2の裏面に当接して発光パネル2を支持する。本実施形態の壁側支持部312は、固定部311の両端で固定部311と一体に接続され、矩形平板状のベース部31を形成している。本実施形態の壁側支持部312は、ベース部31において、第一突出部32や第二突出部33が突出する部分よりも外側の領域である。具体的には、本実施形態の壁側支持部312は、壁面W側を向く壁固定面312aと、壁固定面312aの反対側を向く壁側当接面312bとがそれぞれ形成されている。
【0045】
壁固定面312aは、ベース部31の延在する方向に延びる直方形状をなして固定部壁側面311aの両側に形成され、固定部壁側面311aと一体の平面を形成している。壁固定面312aは、第一下地金具3aが壁面Wに固定された状態で、壁面Wに当接する面である。
【0046】
壁側当接面312bは、壁面W側の反対側である前後方向の前側を向いて形成されている。壁側当接面312bは、壁固定面312aと平行にそれぞれ形成されている。壁側当接面312bは、ベース部31の延在する方向に延びる直方形状をなしている。壁側当接面312bは、第一下地金具3aによって発光パネル2を支持した状態で、発光パネル2の裏面と当接する面である。
【0047】
第一突出部32は、ベース部31から前後方向の前側に向かって突出している。本実施形態の第一突出部32は、ベース部31と一体に形成されている。本実施形態の第一突出部32は、第一下地金具3aの延在する方向と交差する方向の断面形状が、L字形状をなしている。本実施形態の第一突出部32は、固定部311において貫通孔が形成可能な幅だけ断面の中心部分よりも外側にずれた位置から、外側に向かうようにL字形状をなして突出している。本実施形態の第一突出部32は、ベース部31から前後方向の前側に向かって延びる接続部321と、接続部321の前側の端部から壁面Wに沿って延びる前側支持部322とを有する。
【0048】
接続部321は、ベース部31と一体に形成されている。具体的には、本実施形態の接続部321は、固定部前側面311bから前後方向の前方に向かって矩形平板状をなして延びている。本実施形態の接続部321は、固定部311側を向く接続部内側面321aと、接続部内側面321aの反対側を向く接続部外側面321bとが形成されている。
【0049】
接続部内側面321aは、固定部前側面311bから垂直に延びている。接続部内側面321aは、第一突出部32の延在する方向に延びる長方形状をなしている。
【0050】
接続部外側面321bは、接続部内側面321aと平行となるように、固定部前側面311bから垂直に延びている。接続部321外周面は、固定部311側と反対側である壁側支持部312の先端側を向いて形成されている。接続部外側面321bは、第一突出部32の延在する方向に延びる長方形状をなしている。
【0051】
前側支持部322は、発光パネル2の壁面Wと反対側を向く面である発光面2aに当接して、発光パネル2を支持する。前側支持部322は、前後方向の前側に壁側支持部312よりも壁面Wから離れた位置で、壁側支持部312の延びる方向に沿った平板状をなして延びている。前側支持部322は、接続部321からの距離が壁側支持部312よりも壁側支持部312の延びる方向に向かって長く形成されている。本実施形態の前側支持部322は、壁側支持部312から所定の間隔だけ前方に離れた位置で、壁側支持部312と平行になるように形成されている。本実施形態における所定の間隔とは、発光パネル2を壁側支持部312と前側支持部322とによって挟持することが可能な間隔であり、発光パネル2の厚みに対応した間隔である。本実施形態の前側支持部322は、接続部321の前後方向の前側の端部から、壁面Wに沿うように壁側支持部312の先端側に向かって延びている。本実施形態の前側支持部322は、壁面W側を向く前側当接面322bと、壁面Wの前側を向くパネル固定面322aとが形成されている。
【0052】
前側当接面322bは、壁側当接面312bと対向するように、接続部外側面321bに対して垂直に形成されている。前側当接面322bは、接続部外側面321bから距離が壁固定面312aと比べて長く、第一突出部32の延在する方向に延びる長方形状に形成されている。前側当接面322bは、第一下地金具3aによって発光パネル2を支持した状態で、発光パネル2の発光面2aと当接する面である。
【0053】
パネル固定面322aは、壁面W側の反対側である前後方向の前側を向いて形成されている。パネル固定面322aは、前側当接面322bと平行になるように、接続部内側面321aから垂直に形成されている。パネル固定面322aは、第一突出部32の延在する方向に延びる長方形状をなしている。パネル固定面322aは、後述する透明パネル4や化粧パネル5や目地材6が固定される面である。
【0054】
第二突出部33は、第一突出部32と同様に、ベース部31から前後方向の前側に向かって突出している。本実施形態の第二突出部33も、ベース部31と一体に形成されている。本実施形態の第二突出部33は、第一下地金具3aの延在する方向と交差する方向の断面形状が、第一突出部32とは反対を向くL字形状をなしている。本実施形態の第二突出部33は、固定部311において貫通孔を挟んで中心部分よりも、第一突出部32が突出している側とは反対側の外側にずれた位置から、外側に向かうようにL字形状をなして突出している。即ち、本実施形態の第二突出部33は、固定部311を介して第一突出部32と対称となるような断面形状をなしている。したがって、本実施形態の第二突出部33も、接続部321と、前側支持部322とを有している。
【0055】
第二下地金具3bは、第一下地金具3aが支持する発光パネル2の両端と交差する方向の両端を支持する。本実施形態に第二下地金具3bは、発光パネル2の短辺方向の両端を支持する。具体的には、本実施形態の第二下地金具3bは、発光パネル2の鉛直方向の両端を支持するように、発光パネル2の鉛直方向の幅に合わせて壁面W上で鉛直方向に互いに離間して、一対配置されている。
【0056】
本実施形態の第二下地金具3bは、第一下地金具3aと異なり、壁面Wに対して水平方向の延在した状態で固定部材9によって固定される。本実施形態の第二下地金具3bは、延在する方向と交差する方向の断面形状が第一下地金具3aと同一の形状をなしている。本実施形態の第二下地金具3bは、延在する方向の長さが発光パネル2の長辺の長さに合わせて、第一下地金具3aよりも長く形成されている。即ち、本実施形態の第二下地金具3bも、第一下地金具3aと同じ断面形状のベース部31、第一突出部32、及び第二突出部33を有している。
【0057】
また、下地金具3である第一下地金具3a及び第二下地金具3bは、壁面Wに対して発光パネル2を支持している状態で、壁面Wからパネル固定面322aまでの距離が2mmから6mmの範囲で形成されることが好ましい。具体的には、本実施形態の第一下地金具3a及び第二下地金具3bでは、ベース部31、第一突出部32、及び第二突出部33は押出成形によって一体に形成されており、各部位が1mm程度の肉厚で加工されている。そのため、本実施形態の第一下地金具3a及び第二下地金具3bでは、壁固定面312aからパネル固定面322aまでが4.5mm程度の厚みで形成されている。
【0058】
なお、第一下地金具3a及び第二下地金具3bにおいて、第一突出部32と第二突出部33のどちらの前側支持部322で発光パネル2を支持してもよいが、本実施形態では、一例として、発光パネル2を壁面Wに設置した状態で、発光パネル2を支持する側を第一突出部32とし、発光パネル2を支持しない側を第二突出部33とする。
【0059】
透明パネル4は、発光パネル2に対して壁面Wと交差する方向である前後方向に重なる位置に配置され、前側支持部322に固定される。本実施形態の透明パネル4は、発光パネル2を囲む一対の第一下地金具3aと、一対の第二下地金具3bとによって、発光パネル2の前方に固定されている。本実施形態の透明パネル4は、発光パネル2の外径よりも一回り大きい矩形平板状をなしている。本実施形態の透明パネル4は、無色透明の部材である。具体的には、本実施形態の透明パネル4は、前後方向の前側を向く透明パネル前面4aと、前後方向の壁面W側を向く透明パネル固定面4bと、外周面である透明パネル側端面4cとが形成されている。本実施形態の透明パネル4は、透明パネル固定面4bの外縁部分が、第一下地金具3a及び第二下地金具3bの第一突出部32側の前側支持部322のパネル固定面322aに不図示の接着剤を介して当接されることで固定されている。透明パネル4は、透明パネル前面4aと、透明パネル固定面4bとの前後方向の距離である厚みについて限定されるものではない。本実施形態では、例えば、6mm、12mm、15mm、18mmの厚みの透明パネル4が用いられることが好ましい。特に、本実施形態の透明パネル4は、その厚みが6mm程度に形成されている。
【0060】
また、本実施形態の透明パネル4は、無色透明の部材として形成されているが、完全に無色透明であることに限定されるものではなく、発光パネル2の光が透過させることができればよい。例えば、透明パネル4は、パネル固定面322aに模様が形成されていたり、文字・矢印等の情報表示が形成されていたりしてもよい。また、透明パネル4は、透過性が確保される程度に色が付いていてもよい。
【0061】
化粧パネル5は、壁面Wから離れた側の面の位置が、透明パネル4の壁面Wから離れた側の面と前後方向の位置が面一となるように配置されている。化粧パネル5は、第一下地金具3a、第二下地金具3b、木下地材7及び端部材8によって固定される。化粧パネル5は、発光パネル2に対して壁面Wに沿った方向である水平方向や鉛直方向に並んで配置される。本実施形態の化粧パネル5は、配置される場所ごとに異なる大きさの矩形平板状に形成されている。
【0062】
具体的には、本実施形態の化粧パネル5は、前後方向の前側を向く化粧パネル前面5aと、前後方向の壁面W側を向く化粧パネル固定面5bと、外周面である化粧パネル側端面5cとが形成されている。したがって、本実施形態の化粧パネル5は、化粧パネル前面5aの前後方向の位置が透明パネル前面4aの前後方向の位置と同程度の位置となるように、壁面Wに沿って水平方向や鉛直方向に透明パネル4と並んで配置されている。化粧パネル5では、化粧パネル前面5aと、化粧パネル固定面5bとの前後方向の距離である厚みについて限定されるものではない。本実施形態では、例えば、6mm、12mm、15mm、18mmの厚みの化粧パネル5が用いられることが好ましい。特に、本実施形態の化粧パネル5は、透明パネル4と同じ厚みである6mm程度に形成されている。
【0063】
本実施形態の化粧パネル5は、
図5に示すように、第一下地金具3aや第二下地金具3bを固定している固定部材9に対して前後方向の位置が重なるように、透明パネル4側を向く化粧パネル側端面5cが、第二突出部33側の前側支持部322の接続部内側面321aから飛び出して配置される。したがって、本実施形態の化粧パネル5は、透明パネル4側の化粧パネル固定面5bの外縁部分が第二突出部33側のパネル固定面322aからはみ出した状態で不図示の接着剤を介して当接され、第一下地金具3aや第二下地金具3bに対して固定部材9を隠すように固定されている。
【0064】
また、本実施形態の化粧パネル5は、透明パネル4側以外の化粧パネル固定面5bの外縁部分の一部が端部材8に不図示の接着剤を介して当接することで固定されている。さらに、本実施形態の化粧パネル5は、化粧パネル固定面5bの中央部分の一部が、後述する木下地材7に不図示の接着剤を介して当接することで固定されている。
【0065】
目地材6は、透明パネル4と化粧パネル5との間に配置され、前側支持部322に固定されている。本実施形態の目地材6は、透明パネル側端面4cと、化粧パネル側端面5cとに対して隙間をあけて配置されている。本実施形態の目地材6は、第一突出部32側の前側支持部322のパネル固定面322aに固定されている。本実施形態の目地材6は、C形状のような矩形環状の一方の面が開口された断面形状をなして長手方向に延在している。本実施形態の目地材6は、前後方向の前側に開口が向いた状態でパネル固定面322aの延びる延在方向に長手方向を合わせて配置され、壁面W側がパネル固定面322aに固定されている。具体的には、本実施形態の目地材6は、
図5に示すように、透明パネル4を固定している第一突出部32側のパネル固定面322aの接続部内側面321a側に、透明パネル4と並んで接着されている。
【0066】
木下地材7は、化粧パネル5を壁面W側から支持している。木下地材7は、壁面Wに沿って並んだ下地金具3同士の間や、下地金具3と端部材8との間に配置されている。本実施形態の木下地材7は、矩形平板状をなしており、壁面Wと化粧パネル5とに当接する厚みで形成されている。本実施形態の木下地材7は、壁面Wや化粧パネル5に対して不図示の接着剤で接着されて固定されている。
【0067】
端部材8は、内装壁面W1における鉛直方向や水平方向の端部を形成する。本実施形態の端部材8は、化粧パネル5を固定している。本実施形態の端部材8は、アルミの押出成形によって形成され、同一断面形状をなして延在している。本実施形態の端部材8は、壁面Wに固定される端部材固定部81と、端部材固定部81の端部から前後方向の前方に向かって延びる側部82と、側部82に接続されて化粧パネル5を支持する端部材前側支持部83と、を有する。
【0068】
端部材固定部81は、固定部材9によって壁面Wに固定される。本実施形態の端部材固定部81は、端部材8の延在する方向と交差する方向の断面形状が、壁面Wに沿って延びる長方形状なす平板状に形成されている。本実施形態の端部材固定部81は、第一下地金具3aや第二下地金具3bのベース部31と同じ厚みで、ベース部31よりも幅広に形成されている。本実施形態の端部材固定部81は、不図示の貫通孔が複数形成されている。具体的には、本実施形態の端部材固定部81は、壁面W側を向く端部材壁固定面81aと、端部材壁固定面81aの反対側を向く端部材壁側当接面81bとが形成されている。
【0069】
端部材壁固定面81aは、端部材8の延在する方向に延びる長方形状をなしている。端部材壁固定面81aは、端部材8が壁面Wに固定された状態で、壁面Wに当接する面である。
【0070】
端部材壁側当接面81bは、壁面W側の反対側である前後方向の前側を向いて形成されている。端部材壁側当接面81bは、端部材壁固定面81aと平行に形成されている。端部材壁側当接面81bは、端部材8の延在する方向に延びる長方形状をなしている。
【0071】
側部82は、端部材固定部81及び端部材前側支持部83に接続され、端部材固定部81及び端部材前側支持部83よりも外側に形成される。側部82は、端部材固定部81と一体に形成されている。本実施形態の側部82は、端部材固定部81の長方形状をなす断面の一方の端部から、前後方向の前方に向かって矩形平板状をなして延びている。本実施形態の側部82は、第一下地金具3aや第二下地金具3bの接続部321よりも前側に長くに形成されている。具体的には、本実施形態の側部82は、前後方向の長さが第一下地金具3aにおける接続部321と前側支持部322に固定された目地材6とを合わせた長さと同程度に形成されている。本実施形態の側部82は、端部材固定部81側を向く側部内側面82aと、側部内側面82aの反対側を向く側部外側面82bとが形成されている。
【0072】
側部内側面82aは、端部材壁側当接面81bの一方の端部から垂直に前後方向の前方に向かって延びている。側部内側面82aは、端部材8の延在する方向に延びる長方形状をなしている。
【0073】
側部外側面82bは、端部材固定部81側と反対側である外側を向いて形成されている。側部外側面82bは、側部内側面82aと平行となるように、端部材壁固定面81aから垂直に延びている。側部外側面82bは、端部材8の延在する方向に延びる長方形状をなしている。
【0074】
端部材前側支持部83は、化粧パネル5の端部を支持する。端部材前側支持部83は、前後方向の前側に端部材固定部81よりも壁面Wから離れた位置で、端部材固定部81の延びる方向に沿った平板状をなして側部82から延びている。端部材前側支持部83は、側部82からの距離が端部材固定部81よりも壁側支持部312の延びる方向に短く形成されている。本実施形態の端部材前側支持部83は、前側支持部322と同様に、所定の間隔だけ端部材固定部81から前方に離れた位置で、端部材固定部81と平行になるように形成されている。具体的には、本実施形態の端部材前側支持部83は、側部内側面82aの前後方向の途中から、壁面Wに沿うように側部内側面82aに対して直交して延びている。本実施形態の端部材前側支持部83は、壁面W側を向く端部材前側当接面83bと、壁面Wの前側を向く端部材パネル固定面83aとが形成されている。
【0075】
端部材前側当接面83bは、端部材壁側当接面81bと対向するように、側部内側面82aの前後方向の途中から垂直に形成されている。端部材前側当接面83bは、端部材8の延在する方向に延びる長方形状をなしている。端部材前側当接面83bは、側部内側面82aから距離が端部材壁固定面81aと比べて短く形成されている。
【0076】
端部材パネル固定面83aは、壁面W側の反対側である壁面Wの前側を向いて形成されている。端部材パネル固定面83aは、端部材前側当接面83bと平行になるように、側部内側面82aから垂直に形成されている。端部材パネル固定面83aは、化粧パネル固定面5bが当接する面である。
【0077】
固定部材9は、下地金具3や端部材8を壁面Wに対して固定する部材である。本実施形態の固定部材9は、例えば、木ネジを用いる。
なお、固定部材9は、下地金具3や端部材8を壁面Wに対して固定できればよく、本実施形態で用いた木ネジに限定されるものでない。例えば、釘を用いたり、木下地材7を固定する場合と同様に接着剤を用いたり、建築用の両面テープを用いてもよい。
【0078】
次に、上記第一実施形態の下地金具3の施工方法について説明する。
第一実施形態の発光パネル支持構造1を壁面Wに取り付ける際には、事前に壁面Wに対して発光パネル2を設置するための部材を準備する(準備工程S10)。具体的には、上述したように、複数の発光パネル2、第一下地金具3a、第二下地金具3b、透明パネル4、化粧パネル5、目地材6、木下地材7、端部材8、及び固定部材9を準備する。
【0079】
次に、準備した第一下地金具3a及び第二下地金具3bに対して目地材6を固定する(目地材固定工程S20)。具体的には、本実施形態では、第一下地金具3a及び第二下地金具3bのパネル固定面322aに対して、目地材6を固定する。より具体的には、本実施形態では、パネル固定面322aの延在方向に目地材6の長手方向の向きを合わせて、開口を前後方向の前側に向けてパネル固定面322aに目地材6を固定する。
【0080】
その後、発光パネル2を設置する予め定めた複数の位置に対して、目地材6が固定された一対の第一下地金具3aと、鉛直方向の下方側に配置される第二下地金具3bとを予め壁面Wに固定する(下地金具固定工程S30)。具体的には、一対の第一下地金具3aを、設置する発光パネル2の水平方向の幅に対応するように離間して配置し、固定部材9を不図示の貫通孔に挿通することで壁面Wに固定する。第二下地金具3bを、固定された第一下地金具3aの鉛直方向の下方側の発光パネル2の鉛直方向の幅に対応する位置に配置し、固定部材9を不図示の貫通孔に挿通することで壁面Wに固定する。
【0081】
壁面Wに固定されている下地金具3に対して、目地材6の長手方向に対して発光パネル2のいずれか一方の辺を平行に合わせて配置し、発光パネル2を前側支持部322で支持する(発光パネル支持工程S40)。具体的には、第一下地金具3aに固定された目地材6の長手方向に対して発光パネル2の短辺を平行に合わせて配置する。より具体的には、一対の第一下地金具3a及び鉛直方向の下方側に配置された第二下地金具3bに対して、第一突出部32側の前側支持部322と壁側支持部312との間に発光パネル2の端部を挿入して、スライドさせることで嵌め込まれる。発光パネル2が嵌め込まれた状態で、第二下地金具3bが、発光パネル2の鉛直方向の上端を第一突出部32側の前側支持部322と壁側支持部312との間に挿入するように鉛直方向の上方側から嵌め込まれて壁面Wに固定される。これにより、発光パネル2が、その四方の辺が目地材6の長手方向と平行に配置された状態で下地金具3によって支持され、壁面Wに対して位置が固定される。
【0082】
発光パネル2が設置された状態で、発光パネル2から延びる配線21は、コネクタ22を介して線長の長い他の配線に接続され、前側支持部322よりも前後方向の前側に出ないように引き回されて、不図示の屋内のコンセント等の電源部に接続される(配線引き回し工程S50)。具体的には、例えば、配線21は、発光パネル2を支持している第一突出部32と隣接する第二突出部33の前側支持部322と壁面Wとの間に収容されたり、隣接する他の第一下地金具3aや第二下地金具3bの前側支持部322と壁面Wとの間に収容されたりして引き回されている。また、配線21は、化粧パネル5の化粧パネル固定面5bと壁面Wとの間に収容されて引き回されていてもよい。
【0083】
なお、使用する発光パネル2の裏面から延びている給電用の配線21の裏面からの突出量が大きい場合には、壁面Wの対応する箇所に凹部Cを形成したり、鉛直方向の上方側から取り付けられる第二下地金具3bの第一突出部32側の壁側支持部312の一部に配線21を通すための切り欠きを形成したりしてもよい。
【0084】
また、端部材8は、形成する内装壁面W1の外縁に合わせて配置され、固定部材9が不図示の貫通孔を挿通することで壁面Wに固定されている(端部材固定工程S60)。また、水平方向や鉛直方向に並んだ第一下地金具3aや第二下地金具3bと端部材8との間には、木下地材7が接着剤によって壁面Wに固定されている(木下地材固定工程S70)。
【0085】
壁面Wに固定された下地金具3や端部材8や木下地材7に対して、透明パネル4や化粧パネル5が固定されている。具体的には、透明パネル4は、第一突出部32側のパネル固定面322aに対して外縁部分が接着されることで、発光パネル2の前方に重なるように固定されている(透明パネル固定工程S80)。透明パネル4は、第一突出部32側のパネル固定面322a上に目地材6と並んで配置される。したがって、一つの前側支持部322のパネル固定面322a上に、透明パネル4と目地材6とが僅かに隙間を設けた状態で並んで固定されている。これにより、目地材6は、透明パネル4の四方を取り囲むように配置される。
【0086】
また、化粧パネル5は、透明パネル4に対して、化粧パネル前面5aの前後方向の位置が透明パネル前面4aの前後方向の位置と面一となるように、壁面Wに沿って水平方向や鉛直方向に並んで配置されている(化粧パネル固定工程S90)。化粧パネル5では、化粧パネル固定面5bの外縁部分のうち、透明パネル4側の化粧パネル固定面5bの外縁部分が第一下地金具3aや第二下地金具3bを固定している固定部材9を隠すように固定部311側に飛び出して、第二突出部33側のパネル固定面322aに接着されている。さらに、化粧パネル5では、透明パネル4側以外の化粧パネル固定面5bの外縁部分の一部が、側部内側面82aに対して化粧パネル側端面5cが僅かな隙間を設けた状態で、端部材パネル固定面83a上に接着されている。また、化粧パネル5では、化粧パネル固定面5bの中央部分の一部が、木下地材7にも接着され、壁面Wに対して支持されている。
【0087】
その結果、設置された発光パネル支持構造1では、第一下地金具3a及び第二下地金具3bによって壁面Wに対して発光パネル2を支持している状態で、透明パネル前面4a及び化粧パネル前面5aと壁面Wとの距離が10.5mm程度となる。したがって、壁面Wから内装壁面W1までの突出量が12mm以下とされている。
【0088】
なお、壁面Wに対して発光パネル2を支持している状態で、透明パネル前面4a及び化粧パネル前面5aと壁面Wとの距離は6mmから24mmの範囲で形成されることが好ましい。透明パネル前面4a及び化粧パネル前面5aと壁面Wとの距離は、用いる透明パネル4や化粧パネル5の厚みや、支持する発光パネル2の厚みによって調整することができる。例えば、本実施形態の第一下地金具3a及び第二下地金具3bに、厚みが18mmの透明パネル4や化粧パネル5を用いた場合には、透明パネル前面4a及び化粧パネル前面5aと壁面Wとの距離が22.5mmとなる。また、透明パネル4を用いずに、本実施形態で用いている厚み6mmの化粧パネル5を直接壁面Wに貼り付けて固定した場合には、化粧パネル前面5aと壁面Wとの距離が6mmとなる。さらに、支持する発光パネル2である有機EL照明パネルの厚みが1mm程度と非常に薄く、厚みが6mm以下の透明パネル4や化粧パネル5を用いた場合には、透明パネル前面4a及び化粧パネル前面5aと壁面Wとの距離が6mm以下とすることも可能となる。
【0089】
また、透明パネル4の透明パネル前面4aに対する化粧パネル5の化粧パネル前面5aの前後方向の前側の位置が面一となり、内装壁面W1を形成している。そして、発光パネル2が発光することで、内装壁面W1のうち、透明パネル4が配置された部分からの光が室内に取り入れられる。
【0090】
上記のような第一実施形態の下地金具3によれば、固定部311によって壁面Wに固定された第一突出部32側の前側支持部322の前側当接面322bに発光パネル2の発光面2aを当接させて支持することで、既設の壁面Wに対して発光パネル2を安定して設置することができる。具体的には、固定部材9によって固定部311が固定部壁側面311aを壁面Wに当接して固定された状態で、第一突出部32側の前側当接面322bによって発光パネル2の壁面Wと反対側を向く発光面2aを抑えて支持している。そのため、発光パネル2が壁面Wに対して前後方向の前方側へ倒れてしまうことを抑制し、既設の壁面Wに対して発光パネル2を安定して支持することができる。これにより、壁面Wに対して第一下地金具3aや第二下地金具3bを固定するだけで、発光パネル2を容易に後付設置することができる。
【0091】
また、第一下地金具3aや第二下地金具3bが壁面Wに対して発光パネル2を支持している状態で、壁面Wからパネル固定面322aまでの距離が4.5mmとなるようにアルミの押出加工によって形成されていることで、壁面Wから大きく突出させずに発光パネル2を支持することができる。さらに、仮に、本実施形態のようにパネル固定面322aに透明パネル4や化粧パネル5等の部材を取り付けても、壁面Wから厚みを12mm以内に収めることができる。
【0092】
平板状をなす前側支持部322と、平板状をなす壁側支持部312とによって発光パネル2を挟持することで、発光パネル2を安定して支持する構造を容易に形成することができる。具体的には、平板状をなす前側支持部322の前側当接面322bと、平板状をなす壁側支持部312の壁側当接面312bとの間に発光パネル2を挟み込んで支持することで、発光パネル2の厚みに応じて、前側当接面322bと壁側当接面312bとの間隔を調整することができる。そのため、発光パネル2が壁面Wから離れる方向へ倒れてしまうことを高い精度で抑制することができる。したがって、既設の壁面Wに対して発光パネル2をより安定して支持することができる。
【0093】
また、壁面Wと発光パネル2の裏面との間に、壁側支持部312が介在していることで、前側当接面322bと壁側当接面312bとの間で発光パネル2をスライドさせて、前側支持部322と壁側支持部312とによって挟持させても、発光パネル2の裏面が壁面Wと擦れて損傷することを低減できる。これらにより、壁面Wに対して第一下地金具3aや第二下地金具3bを固定するだけで、発光パネル2をより容易に後付設置することができる。
【0094】
平板状をなす前側支持部322が、平板状をなす壁側支持部312に比べて、壁側支持部312の延びる方向に長く形成されていることで、壁面Wと前側当接面322bとの間の空間を広く形成することができる。即ち、前側支持部322のみが延びている領域では、壁側支持部312が無い分だけ、壁面Wと前側当接面322bとの間の空間を広く形成することができる。そのため、前側支持部322と壁側支持部312とが平行に延びている領域では、前側当接面322bと壁側当接面312bとの間で発光パネル2を安定して挟持しながら、発光パネル2とは厚みの異なる配線21等の部材を壁面Wと前側当接面322bとの間の空間に収めて配置することができる。これにより、配線21を引き回すために必要な壁面Wへの凹部C等の加工が抑えられ、発光パネル2を壁面Wに設置する際の工数が低減される。
【0095】
また、有機ELのような発光パネル2では、種類や形状によって発光面2aの外縁部分に形成される発光しない額縁部の幅が変わってくる。ところが、前側支持部322が壁側支持部312よりも長く形成されることで、前側当接面322bと壁側当接面312bとで発光パネル2を安定して挟持しながら、前側支持部322によって額縁部を隠すことができる。さらに、前側支持部322が平板状に形成されていることで、額縁部を隠した前側支持部322のパネル固定面322aに目地材6等の他の部材を取り付けることができる。これにより、発光パネル2の額縁部のような発光せずに意匠性を損なう部分を削減し、内装壁面W1の意匠性を向上することができる。
【0096】
さらに、上記のような発光パネル支持構造1によれば、第一下地金具3aや第二下地金具3bによって化粧パネル5が、発光パネル2に対して水平方向や鉛直方向に並んで配置することができる。そのため、化粧パネル5で意匠性を向上させた内装壁面W1を形成しながら、壁面Wに対して発光パネル2を取り付けることができる。
【0097】
また、第一下地金具3aや第二下地金具3bが壁面Wに対して発光パネル2を支持している状態で、壁面Wから透明パネル前面4a及び化粧パネル前面5aまでの距離を6mmから24mmの範囲内とすることで、室内に対して大きく突出して室内空間を圧迫することなく、壁面Wに発光パネル2が組み込まれた内装壁面W1を形成することができる。特に、本実施形態では、第一下地金具3aや第二下地金具3bに透明パネル4や化粧パネル5を固定した状態で、壁面Wから透明パネル前面4a及び化粧パネル前面5aまでの距離を10.5mm以下としている。そのため、壁面Wに対して発光パネル2を支持した第一下地金具3aや第二下地金具3bを隠しつつ、内装壁面W1を壁面Wから大きく突出させずに形成することができる。これにより、より意匠性の高い発光パネル2が組み込まれた内装壁面W1を形成することができる。
【0098】
また、発光パネル2の前後方向の前側に重なる位置に透明パネル4が配置されることで、発光パネル2の発光面2aが外部から触れられることを防止して、壁面Wに取り付けた発光パネル2を保護することができる。
【0099】
さらに、第一下地金具3aや第二下地金具3bによって、透明パネル4の透明パネル前面4aと化粧パネル5の化粧パネル前面5aとが、前後方向の位置を面一となるように支持されることで、室内空間の意匠性が損なわれることを抑制できる。具体的には、透明パネル前面4aと化粧パネル前面5aとの前後方向の位置を面一となるように、透明パネル4と化粧パネル5とをパネル固定面322aで支持することで、部分的に室内空間を狭めるような大きな凹凸が内装壁面W1に形成されることを抑制することができる。これにより、室内空間を圧迫することなく、意匠性の保たれた内装壁面W1を容易に形成することができる。
【0100】
また、発光パネル2として有機EL照明パネルを用いることで、発光パネル2自体を薄くすることができる。そのため、発光パネル2を支持するために必要なスペースを抑えることができ、第一下地金具3aや第二下地金具3bによって発光パネル2を壁面Wに取り付けた状態での壁面Wからの突出量をより抑えることができる。
【0101】
さらに、透明パネル4と化粧パネル5との間に目地材6を配置することで、化粧パネル5と透明パネル4とが異なる材料や大きさで形成されていても、化粧パネル5や透明パネル4を安定してパネル固定面322aに固定することができる。具体的には、室内の温度や湿度の変化に伴って透明パネル4と化粧パネル5とがそれぞれ伸びる。特に、化粧パネル5と透明パネル4との材料・大きさ・形状等が異なっている場合には、化粧パネル5と透明パネル4とが異なる割合で伸びてしまう。そのため、部分的に透明パネル側端面4cと化粧パネル側端面5cとの距離が変化して、接触してしまうおそれがある。ところが、透明パネル4と化粧パネル5との間に配置されるようにパネル固定面322aに目地材6を固定することで、目地材6によって透明パネル側端面4c及び化粧パネル側端面5cの伸びを吸収することができる。これにより、透明パネル側端面4cと化粧パネル側端面5cとが接触してしまうことを抑制して、化粧パネル5や透明パネル4の損傷を抑制することができる。
【0102】
また、壁面Wと化粧パネル5とに当接する厚みで形成された木下地材7によって、化粧パネル5を壁面W側から支持することができる。そのため、化粧パネル5が水平方向や鉛直方向に大きく形成された場合であっても、中央部分で壁面W側に向かって撓んだり変形したりすることを抑制できる。
【0103】
さらに、上記のような下地金具3の施工方法によれば、第一下地金具3aや第二下地金具3bを壁面Wの任意の箇所に取り付けることができるため、壁面Wに対して発光パネル2を自由に設置することができる。具体的には、第一下地金具3aや第二下地金具3bに対して目地材6を固定した後に、目地材6の長手方向に合わせて発光パネル2を配置することができるため、発光パネル2の位置や傾きを調整して設置することが容易にできる。これにより、大規模な構造部材を用いずに、壁面Wに対して事後的に発光パネル2を任意の場所に容易に設置することができる。
【0104】
《第二実施形態》
次に、
図6を参照して第二実施形態の発光パネル支持構造1について説明する。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第二実施形態の発光パネル支持構造1は、下地金具3として端部材8を用いて発光パネル2を支持する点について第一実施形態と相違する。
【0105】
第二実施形態の発光パネル支持構造1では、
図6に示すように、端部材8と目地材6とによって下地金具3と同等の形状を構成し、発光パネル2を支持する。具体的には、第二実施形態の発光パネル支持構造1は、第一実施形態と同形状の端部材8と、第一実施形態の目地材6とは形状の異なる変形目地材60を有する。
【0106】
第二実施形態の発光パネル支持構造1では、端部材固定部81によって、第一下地金具3aの固定部311と壁側支持部312との機能を有する構造を形成している。また、第二実施形態の発光パネル支持構造1では、端部材前側支持部83と後述する変形目地材60の目地材支持部62とによって、第一下地金具3aの前側支持部322の機能を有する構造を形成している。
【0107】
変形目地材60は、端部材8の端部材前側支持部83に固定されている。変形目地材60は、発光面2aに当接して発光パネル2を支持する。変形目地材60は、透明パネル固定面4bに当接して透明パネル4を支持する。本実施形態の変形目地材60は、端部材8とともに前側支持部322に相当する構造を形成して、発光パネル2の水平方向の一方の端部を支持する。本実施形態の変形目地材60は、第一実施形態の目地材6と同形状をなす変形目地材本体61と、発光パネル2を支持しながら、透明パネル4を支持する目地材支持部62とを有する。
【0108】
目地材支持部62は、変形目地材本体61と一体に形成されている。目地材支持部62は、変形目地材本体61が端部材前側支持部83の端部材パネル固定面83aに固定されることで、所定の間隔だけ端部材固定部81から前方に離れた位置に、端部材固定部81と平行に配置される。これにより、目地材支持部62は、端部材前側支持部83とともに、第一下地金具3aや第二下地金具3bの前側支持部322に相当する形状を形成している。具体的には、本実施形態の目地材支持部62は、C形状のような矩形環状の一方の面が開口する断面形状をなす変形目地材本体61の開口と反対側の面であって、変形目地材本体61の端部材パネル固定面83aに固定される面の角部に形成されている。本実施形態の目地材支持部62は、変形目地材60が端部材8に固定された状態で、変形目地材本体61の端部材パネル固定面83aに固定される面から、端部材固定部81側に突出し、かつ、壁面Wに沿って側部82から遠ざかるように平板状をなして延びている。本実施形態の目地材支持部62は、変形目地材本体61が端部材パネル固定面83aに固定された状態で、端部材パネル固定面83aと前後方向の位置が同じ位置となる目地材パネル固定面62aと、端部材前側当接面83bと前後方向の位置が同じ位置となる目地材前側当接面62bと、が形成されている。
【0109】
目地材パネル固定面62aは、壁面W側の反対側である前後方向の前側を向いて形成されている。目地材パネル固定面62aは、変形目地材60が端部材8に固定された状態で、端部材壁側当接面81bと平行になるように形成されている目地材パネル固定面62aは、変形目地材60の延在する方向に延びる長方形状をなしている。目地材パネル固定面62aは、透明パネル4が固定される面である。
【0110】
目地材前側当接面62bは、変形目地材60が端部材8に固定された状態で、端部材壁側当接面81bと対向するように形成されている。目地材前側当接面62bは、変形目地材60の延在する方向に延びる長方形状をなして壁面W側を向いて形成されている。目地材前側当接面62bは、端部材8とともに発光パネル2を支持した状態で、発光パネル2の発光面2aと当接する面である。
【0111】
また、第二実施形態の端部材前側支持部83は、目地材支持部62とともに、壁面Wに対して発光パネル2を支持している状態で、壁面Wからパネル固定面322aまでの距離が2mmから6mmの範囲で形成されることが好ましい。具体的には、第二実施形態の端部材前側支持部83では、第一実施形態の第一下地金具3aや第二下地金具3bと同様に、端部材壁固定面81aから端部材パネル固定面83aや目地材パネル固定面62aまでが4.5mm程度の厚みで形成されている。
【0112】
上記のような第二実施形態の端部材8によれば、端部材固定部81によって壁面Wに固定された端部材前側支持部83の端部材前側当接面83b及び目地材支持部62の目地材前側当接面62bに発光パネル2の発光面2aを当接させて支持することで、既設の壁面Wに対して発光パネル2を安定して設置することができる。具体的には、側部82が形成された端部材8の端部材前側支持部83の端部材前側当接面83bより、端部材8に固定された目地材支持部62の目地材前側当接面62bによって発光パネル2の壁面Wと反対側を向く発光面2aを抑えて支持している。そのため、側部82によって内装壁面W1の端面を形成しながら、発光パネル2が壁面Wに対して前後方向の前方側へ倒れてしまうことを抑制し、既設の壁面Wに対して発光パネル2を安定して支持することができる。これにより、内装壁面W1の端部で、壁面Wに対して発光パネル2を容易に後付設置することができる。
【0113】
また、端部材前側支持部83及び目地材支持部62が壁面Wに対して発光パネル2を支持している状態で、壁面Wから端部材パネル固定面83aまでの距離が4.5mmとなるように形成されていることで、壁面Wから大きく突出させずに発光パネル2を支持することができる。さらに、仮に、本実施形態のように端部材パネル固定面83aに変形目地材60や透明パネル4等の部材を取り付けても、壁面Wから厚みを12mm以内に収めることができる。これにより、室内空間を圧迫せずに、鉛直方向や水平方向の端部に発光パネル2が組み込まれた内装壁面W1を形成することができる。
【0114】
平板状をなす端部材前側支持部83や目地材支持部62と、平板状をなす端部材固定部81とによって発光パネル2を挟持することで、発光パネル2を安定して支持する構造を容易に形成することができる。具体的には、平板状をなす端部材前側支持部83の端部材前側当接面83b及び目地材支持部62の目地材前側当接面62bと、平板状をなす端部材固定部81の端部材壁側当接面81bとの間に発光パネル2を挟み込んで支持することで、発光パネル2の厚みに応じて、端部材前側当接面83b及び目地材前側当接面62bと端部材壁側当接面81bとの間隔を調整することができる。そのため、発光パネル2が壁面Wから離れる方向へ倒れてしまうことを高い精度で抑制することができる。したがって、既設の壁面Wに対して発光パネル2をより安定して支持することができる。
【0115】
さらに、上記のような端部材8を用いた発光パネル支持構造1によれば、端部材8の側部82によって内装壁面W1の端面を形成しながら、発光パネル2を支持することができるために、内装壁面W1の外縁であっても発光パネル2を取り付けることができる。そのため、壁面Wに対して発光パネル2をより自由に設置することができる。即ち、大規模な構造部材を用いずに、壁面Wに対する発光パネル2を設置する場所の自由度を向上させ、事後的に壁面Wの任意の場所に対して容易に設置することができる。
【0116】
また、端部材8や変形目地材60によって、発光パネル2の前後方向の前側に重なる位置に透明パネル4が配置されることで、発光パネル2の発光面2aが外部から触れられることを防止して、壁面Wに取り付けられて発光パネル2を保護することができる。
【0117】
さらに、端部材8や変形目地材60によって、透明パネル4の透明パネル前面4aと化粧パネル5の化粧パネル前面5aとが、前後方向の位置を面一となるように支持されることで、内装壁面W1の端部においても室内空間の意匠性が損なわれることを抑制できる。具体的には、透明パネル前面4aと化粧パネル前面5aとの前後方向の位置を面一となるように、透明パネル4と化粧パネル5とをパネル固定面322aで支持することで、部分的に室内空間を狭めるような大きな凹凸が内装壁面W1の鉛直方向や水平方向の端部に形成されることを抑制することができる。これにより、室内空間を圧迫することなく、端部まで意匠性の保たれた内装壁面W1を容易に形成することができる。
【0118】
なお、第二実施形態においては、変形目地材60を有していることに限定されるものではなく、変形目地材60を有しておらず、端部材8のみで発光パネル2を挟持する構造としてもよい。具体的には、変形目地材60を有していない場合には、端部材8の端部材固定部81と端部材前側支持部83とによって発光パネル2を支持してもよい。この際、端部材固定部81が壁側支持部312と同形状に形成され、端部材前側支持部83が前側支持部322と同形状に形成されていることが好ましい。
【0119】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0120】
なお、本実施形態では、第一下地金具3aや第二下地金具3bは、前側支持部322と壁側支持部312とを有していたが、このような形状に限定でされるものではなく、発光パネル2の発光面2aを支持する前側支持部322を有していればよい。即ち、例えば、第一下地金具3aや第二下地金具3bのベース部31において、壁側支持部312が形成されておらず、固定部311のみを有していてもよい。このような形状とした場合には、壁面Wや前側当接面322bと発光パネル2との間に緩衝材等の他の部材を設けて、壁面Wと前側当接面322bとの隙間の大きさと発光パネル2の厚みとのガタツキを抑える構造とすることが好ましい。
【0121】
また、本実施形態では、第一下地金具3aや第二下地金具3bは、第一突出部32と第二突出部33とを有していたが、このような形状に限定にされるものではなく、いずれか一方のみを有していてもよい。
【0122】
さらに、本実施形態では、化粧パネル5の化粧パネル前面5aと透明パネル4の透明パネル前面4aとの前後方向の位置が面一となるように形成されているが、前後方向の位置が完全に同じ位置であることに限定されるものではなく、数mm程度ずれていてもよい。
【0123】
また、本実施形態における目地材6は、透明パネル4と化粧パネル5との間に配置されていたが、このような配置に限定されるものではなく、化粧パネル5同士の間に配置されていてもよい。即ち、化粧パネル5が水平方向か延方向に隣接して配置されており、化粧パネル側端面5c同士の隙間に目地材6が配置されていてもよい。
【0124】
さらに、目地材6は、本実施形態のようにC形状のような矩形環状の一方の面が開口された断面形状をなすものに限定されるものではなく、他の形状やコーキング等の一般的な目地材6を用いてもよい。
【0125】
また、本実施形態では、発光パネル支持構造1は、建築物の室内の壁面Wの一部に配置されたが、このような実施形態に限定されるものではない。例えば、壁面Wの全面を覆って内装壁面W1を構成するように用いられてもよく、屋外の壁面Wに用いられてもよい。