(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0023】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の空気調和機について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の空気調和機の冷媒回路図である。
図2は、本発明の第1の実施形態の空気調和機の室外機の外周パネルを外した状態の模式的な斜視図である。
図3は、本発明の第1の実施形態の空気調和機の室外側コントローラの模式的な正面図である。
図4は、本発明の第1の実施形態の空気調和機の室外側コントローラの模式的な縦断面図である。
図5は、本発明の第1の実施形態の冷却ブロックの模式的な斜視図である。
図6は、本発明の第1の実施形態の冷却ブロックの模式的な正面図である。
図7は、
図6におけるA−A断面図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の空気調和機1は、圧縮機2、四方切換弁3、室外熱交換器5、電子膨張弁(EEV)6、室内熱交換器8、およびアキュームレータ9を備え、これらの機器間が冷媒配管10(冷却管)によって接続されることで、閉サイクルの冷凍サイクル11が構成されている。
【0025】
圧縮機2は、冷媒を圧縮する機器である。
四方切換弁3は、冷媒の循環方向を切り替える機器である。
室外熱交換器5は、冷媒と室外ファン4からの外気とを熱交換させる機器である。
電子膨張弁(EEV)6は、冷媒を断熱膨張させる機器である。
室内熱交換器8は、冷媒と室外ファン7からの室内空気とを熱交換させる機器である。
アキュームレータ9は、蒸発器で蒸発し切れなかった冷媒を分離し、冷媒が圧縮機2に流入するのを防止する機器である。
【0026】
さらに、空気調和機1は、リモコン等の操作部からの運転指令に基づいて空気調和機1の運転を制御するコントローラ12を備える。
コントローラ12は、例えば、圧縮機2の回転数を制御するインバータを搭載するとともに、運転モードに応じて四方切換弁3を切り換え、さらに室外ファン4、7の回転数、電子膨張弁6の開度等を制御する機能を備える。
【0027】
コントローラ12には、インバータを構成するアクティブコンバータ、ダイオードモジュール、パワートランジスタ等の電子部品が含まれている。これらの電子部品は、発熱性の電子部品であるため、コントローラ12は冷却される必要がある。
本実施形態では、冷凍サイクル11の冷媒配管10のうち、電子膨張弁6と室内熱交換器8との間に設けられた冷媒配管10A(冷却管)をコントローラ12に接触させることにより、コントローラ12が冷却される。
空気調和機1は、冷房運転時には、冷媒配管10A内を流れる、電子膨張弁6で絞られた低圧の気相二相冷媒でコントローラ12を冷却する。また、空気調和機1は、暖房運転時には、冷媒配管10A内を流れる、室内熱交換器8で凝縮液化された高圧液冷媒でコントローラ12を冷却する。
【0028】
なお、コントローラ12に接触配置される冷媒配管10は、上述のように、電子膨張弁6と室内熱交換器8との間の冷媒配管10Aである必要はなく、コントローラ12上に設けられている発熱性の電子部品等を冷却できる温度に保たれる他の冷媒配管10でもよい。例えば、電子膨張弁6と室外熱交換器5との間の冷媒配管10でもよい。また、低圧ガス冷媒配管等、他の配管部分であってもよい。
【0029】
図2に示すように、コントローラ12は、空気調和機1における圧縮機2、四方切換弁3、室外ファン4、室外熱交換器5、電子膨張弁6、アキュームレータ9等が収容される室外機13内に配置されている。
本実施形態では、室外機13は、室外ファン4および室外熱交換器5が設置される熱交換器室14と、圧縮機2、四方切換弁3、電子膨張弁6、アキュームレータ9等が設置される機械室15とを備える。熱交換器室14と機械室15とは、室外機13の内部において、仕切り板16によって仕切られている。
本実施形態におけるコントローラ12は、一例として、機械室15のうちの上部領域に、ブラケット17を介して設置されている。
【0030】
図3に模式的に示すように、コントローラ12は、コントローラ本体18と、コントローラ本体18上に固定される基板21(回路基板)とを備える。
図4に示すように、基板21は、その上辺部および下辺部がそれぞれ支持具19、20を介してコントローラ本体18に着脱可能に固定されている。
支持具20は、基板21の下辺部を回動可能に支持するヒンジ部20Aを備える。
支持具19は、ヒンジ部20Aを中心にコントローラ本体18に向かって回動する基板21の上辺部の回動位置を着脱可能に固定する固定部19Aを備える。本実施形態では、固定部19Aで固定された基板21は、鉛直面に沿って配置されたコントローラ本体18と略平行(平行の場合を含む)である。このため、基板21はコントローラ本体18に対して固定された際、鉛直面に略沿う(鉛直面に整列する場合も含む)姿勢で縦置きされることになる。
基板21は、本実施形態では、自然対流による放熱性、あるいは配置スペースの都合などによって縦置きされている。このため、基板21の姿勢は、放熱性や配置スペースに支障がない範囲において、厳密な鉛直面から傾いていてもよい。
なお、基板21が鉛直面に略沿って配置されるのは一例である。後述する冷却ブロック25の排水性能が損なわれない角度であれば、基板21は鉛直面に対して適宜角度傾斜するように配置されてもよい。
固定部19Aは、例えば、弾性爪やねじなどを利用した適宜の基板固定構造を採用することができる。
【0031】
以下、基板21に関連する各部材の配置の説明では、簡単のため、基板21を支持具19、20で固定した取り付け状態における位置関係(「取付時位置」と称する)に基づいて説明する場合がある。また、取付時位置では、基板21上の相対位置を説明する場合、支持具19の方を上側、支持具20の方を下側と称する。
【0032】
基板21上には、各種制御回路、および制御回路に用いる種々の電子部品等が実装されている。このような電子部品には、例えば、圧縮機2の電動モータを駆動するインバータの構成部品であるアクティブコンバータ、ダイオードモジュール、パワートランジスタ等の複数の発熱性の電子部品等が含まれる。これらの発熱性の電子部品は、DIPタイプ、SIPタイプ等の種々のパッケージ、あるいはパッケージに接続する放熱板を備えることが可能である。
図3、4には、一例として、DIPタイプの発熱性電子部品22(第1の発熱部材)と、SIPタイプの発熱性電子部品23(第2の発熱部材)とを示している。
なお、発熱性電子部品22、23は、例えば、アクティブコンバータ、ダイオードモジュール、パワートランジスタ等のいずれの電子部品でもよいし、発熱するものであれば、例示した以外の電子部品でもよい。
【0033】
図4に示すように、発熱性電子部品22は、チップを収容し、放熱を行う直方体状のパッケージ本体22Aと、パッケージ本体22Aの側方から基板21に向かって延びるリードピン22Bとを備える。
発熱性電子部品22は、パッケージ本体22Aの天面22aをコントローラ本体18に向けて基板21上に配置される。発熱性電子部品22は、リードピン22Bが基板21の回路に電気的に接続されている。
本実施形態では、発熱性電子部品22は、取付時位置において、パッケージ本体22Aの両側から延びるリードピン22Bが、基板21上における上側および下側に延びる姿勢で配置される。このため、上側に向かってリードピン22Bが延びる発熱性電子部品22の側面22bは、取付時位置において、パッケージ本体22Aの上端面になっている。
また、発熱性電子部品22が基板21に接続された状態では、天面22aが基板21の表面と平行である。このため、取付時位置においては、発熱性電子部品22の天面22aもまた、略鉛直面に沿っている。
【0034】
発熱性電子部品23は、チップを収容し、放熱を行うパッケージ本体23Aと、パッケージ本体23Aの一方の側方から延びるリードピン22Bとを備える。パッケージ本体23Aは、放熱板を含む構成が可能である。
発熱性電子部品23は、パッケージ本体23Aの取付面23aが基板21の下辺と平行かつ基板21と直交する姿勢で基板21上に配置される。取付時位置において、取付面23aは下側に向いている。
発熱性電子部品23は、リードピン23Bが基板21の回路に電気的に接続されている。
【0035】
発熱性電子部品22の天面22aと、発熱性電子部品23の取付面23aには、発熱性電子部品22、23の冷却を行うため冷却ブロック25が接触して配置されている。
冷却ブロック25は、略台形形状が一方に延ばされた四角柱状の形状を有する。冷却ブロック25の長さは、基板21上の複数の発熱性電子部品を当接させることができる適宜長さが可能である。本実施形態では、冷却ブロック25の長さは、一例として、基板21の横幅よりもわずかに長い(
図3参照)。
【0036】
図4に示すように、冷却ブロック25の外周面は、発熱性電子部品22を接触させる第1面25a(第1伝熱部)と、発熱性電子部品23を接触させる第2面25b(第2伝熱部)と、第1面25aに平行で第1面25aよりも狭い第3面25cと、第1面25aに対しては鋭角θで、第3面25cに対しては鈍角(180°−θ)で交わる傾斜面からなる第4面25dと備える。以下、第1面25aと第4面25dとのなす角θを、第4面25dの傾斜角θと称する場合がある。傾斜角θは、取付時位置において、鉛直面と交差する角と略一致(一致する場合も含む)する。
第4面25dの傾斜角θは、特に制限はないが、本実施形態では、一例として、45°としている。
第1面25a、第2面25b、第3面25c、および第4面25dは、周方向にこの順に隣り合って配置されている。これらのうち互いに隣り合う2面は、境界部に角RまたはC面取りが設けられていてもよい。
【0037】
冷却ブロック25は、発熱性電子部品22、23と接触するように取り付けると、ブラケット17に向かって凸状になるため、コントローラ本体18には、発熱性電子部品23および冷却ブロック25を貫通させる開口部18aが形成されている。
コントローラ本体18の裏側には、ブラケット17が、コントローラ本体18から一定距離離間して配置されている。
【0038】
第1面25aは、略矩形状の平面からなり、発熱性電子部品22をねじ止めするためのねじ穴25h(
図6、7参照)が形成されている。
【0039】
第2面25bは、外周が略矩形状とされ、第1面25aと直交する平面からなり、取付時位置においては上側に向いている。
第2面25bには、第1面25aから第3面25cに向かって延びる複数の溝部25j(溝)が形成されている。このため、第2面25bは、各溝部25jによって分断され、細長い平行格子状である(
図5参照)。
図5、6には、一例として、8条の溝部25jが描かれているが、溝部25jの本数は、これには限定されない。
【0040】
図7に示すように、溝部25jの溝底には、第1面25aから第3面25cに向かうにつれて第2面25bから離れるように傾斜する傾斜面25e(傾斜部)が形成されている。このため、傾斜面25eは、取付時位置において、第1面25aから第3面25cに向かうにつれて下方に傾斜する傾斜面になっている。
溝部25jは、第1面25aの適宜位置から形成することができるが、発熱性電子部品22のパッケージ本体22Aの上端面である側面22b以下の高さから形成することが好ましい。本実施形態では、取付時位置において、パッケージ本体22Aの側面22bと、傾斜面25eの上端部とは、同じ高さになっている。
さらに、溝部25jの上端部は、第2面25bよりも低くなっている。このため、第1面25aには、溝部25jの上端が開口する切欠き部25fが形成されている。
傾斜面25eの傾斜角度は、取付時位置において、溝部25j内に結露などして凝集した水が下方に流れやすい適宜角度にすることができる。本実施形態では、傾斜面25eは取付時位置おける水平面に対して鋭角αだけ傾斜している。
【0041】
図5、6には、溝部25jの溝幅、配列ピッチがいずれも一定である場合の例が図示されているが、これは一例である。
溝部25jの溝幅、配列ピッチは、場所により変化していてもよい。例えば、特に結露しやすい部位で溝幅を広くしたり、発熱性電子部品23の接触面積を広くするため、発熱性電子部品23の取付部位で配列ピッチを広げたりしてもよい。
また、複数の溝部25jは、非平行に設けてもよい。
【0042】
図5、6に示すように、第2面25bには、発熱性電子部品23を固定する位置に、発熱性電子部品23をねじ止めするためのねじ穴25iが形成されている。
【0043】
図4に示すように、第3面25cは、取付時位置おいて、冷却ブロック25が、ブラケット17と干渉しないように形成されている。このため、取付時位置において基板21上の天面22aからブラケット17までの距離が、充分に広い場合には、第3面25cを削除して、冷却ブロック25を三角柱状に形成してもよい。
【0044】
第4面25dにおいて、第1面25aと第3面25cとの中間部には、冷媒配管10Aを熱的に接触させるため、冷却ブロック25の長手方向に延びる冷却管当接溝25k(排熱部)が形成されている。ここで、熱的に接触させるとは、熱伝導可能に接触させるという意味であり、冷媒配管10Aが直接的に接触する場合と、熱伝導体を介して間接的に接触する場合とを含む。
冷却管当接溝25kの形状は、冷媒配管10Aの外形や配置経路に応じて適宜の形状を選択できる。
本実施形態では、冷却ブロック25に接触させる冷媒配管10Aが、取付時位置における基板21と平行な水平方向に延びて配置されている。このため、冷却管当接溝25kも、冷却ブロック25の長手方向に真直に延ばされている。
また、本実施形態では、冷媒配管10Aは、ブラケット17に固定された三角柱状の支持部材31(冷却管保持部)の斜面31b上に形成された半円状の凹溝31aに嵌め込まれている。支持部材31の斜面31bは、ブラケット17から突出するにつれて、上方から可能に向かって傾斜しており、ブラケット17に対する傾斜角は、φである。傾斜角φは、取付時位置において、支持部材31が冷却ブロック25と干渉しない角度にすればよいが、本実施形態では、第4面25dの傾斜角θと同一である。
【0045】
さらに、支持部材31から突出した冷媒配管10Aの表面およびその周囲には、放熱用のシリコンシート33が配置されている。このため、本実施形態では、冷媒配管10Aは、シリコンシート33を介して、冷却ブロック25と間接的に接触する。
したがって、冷却管当接溝25kは、凹溝31aから突出する冷媒配管10Aに、シリコンシート33の厚さを追加した凸形状が嵌る半円状の溝形状を採用している。
また、取付時位置において、第4面25dと支持部材31の斜面31bとの間には、シリコンシート33と同程度の隙間が形成されるようにする。
【0046】
なお、冷却ブロック25と冷媒配管10Aとを精度よく直接的に接触させることができれば、シリコンシート33は省略することもできる。
また、冷却管当接溝25kは、できるだけ広い面積で冷媒配管10Aと直接的または間接的に接触させることが好ましいが、接触面積が足りていれば、凹溝31aからの冷媒配管10Aの突出部の全周にわたって接触しなくてもよい。このため、冷却管当接溝25kは、シリコンシート33で覆われた冷媒配管10Aあるいは冷媒配管10Aの外径よりも大きく開口することも可能である。この場合、基板21を回動して、シリコンシート33で覆われた冷媒配管10Aあるいは冷媒配管10Aを接触させる際、回動位置の誤差の影響を受けにくくなって、円滑に接触させることが可能となる。
【0047】
冷却ブロック25の材質としては、熱伝導率が高い適宜の金属材料を採用することができる。冷却ブロック25に好適な材料としては、例えば、アルミニウム合金、銅、銀などを挙げることができる。
【0048】
このような構成の冷却ブロック25を固定するには、
図4に示すように、発熱性電子部品22の天面22aと第1面25aとが密着し、かつ発熱性電子部品23の取付面23aと第2面25bとが密着した状態とする。そして、発熱性電子部品22、23に形成された図示略の貫通孔にねじ24を挿通する。そして、各ねじ24をねじ穴25h、25iにねじ止めすることにより、発熱性電子部品22、23と冷却ブロック25とを固定する。
このとき、発熱性電子部品22、23と、冷却ブロック25との間の伝熱性能を向上するため、放熱グリスなどを塗布してからねじ止めすることが好ましい。
冷却ブロック25は、発熱性電子部品22、23を基板21に接続する前に組み立ててもよいし、基板21にねじ止め用の孔部等を設けておけば、基板21に発熱性電子部品22、23を接続した後に組み立ててもよい。
【0049】
このようにして冷却ブロック25が取り付けられた基板21をブラケット17に取り付けるには、
図4に二点鎖線で示すように、基板21の下辺部を、ヒンジ部20Aに係止する。次に、ヒンジ部20Aを中心として基板21を回動し、基板21の上辺部を固定部19Aに固定する。
これにより、基板21から突出する発熱性電子部品23、冷却ブロック25は、コントローラ本体18の開口部18aの内部に挿通される。
冷却ブロック25は、予めブラケット17に固定された支持部材31および冷媒配管10Aと対向する位置に移動される。これにより、シリコンシート33に覆われた冷媒配管10Aが、冷却ブロック25の冷却管当接溝25kに嵌り込む。また、冷却ブロック25の第4面25dと、支持部材31の斜面31bとの間にシリコンシート33が挟まれる。
このようにして、冷媒配管10Aが、シリコンシート33を介して冷却ブロック25と間接的に接触し、冷却ブロック25と冷媒配管10Aとの間の熱伝導が可能となる。
【0050】
次に、このような構成の空気調和機1の作用について、冷却ブロック25の作用を中心として説明する。
図1に示すように、空気調和機1が暖房運転されると、冷媒は、圧縮機2から四方切換弁3を介して、室内熱交換器8、電子膨張弁6、室外熱交換器5、四方切換弁3、アキュームレータ9を経て圧縮機2に戻る回路を循環する。また、圧縮機2が冷房運転されると、冷媒は、圧縮機2から四方切換弁3を介して、室外熱交換器5、電子膨張弁6、室内熱交換器8、四方切換弁3、アキュームレータ9を経て、圧縮機2に戻る回路を循環する。
【0051】
空気調和機1が冷・暖房運転されている間、コントローラ12は、例えば、インバータを介して圧縮機2の駆動用モータの回転数を制御する等、空気調和機1の各種機器を制御する。その際、コントローラ12に搭載されているインバータのアクティブコンバータ、ダイオードモジュール、およびパワートランジスタ等の電子部品である発熱性電子部品22、23が駆動され、発熱する。例えば、インバータを長期にわたり安定的に運転し、良好な性能を保つには、これら発熱性電子部品22、23を適切に冷却し、オーバーヒートしないようにする必要がある。
【0052】
発熱性電子部品22、23で発生した熱は、それぞれの天面22a、取付面23aを通して、冷却ブロック25の第1面25a、第2面25bに放熱される。
一方、空気調和機1が冷・暖房運転されている間、冷凍サイクル11の冷媒配管10A内を流れる冷媒の温度は、発熱性電子部品22、23の発熱温度に比べて充分低い。このため、冷却ブロック25において、第1面25a、第2面25bから流入する熱は、冷却管当接溝25kを通して、冷媒配管10Aに放熱(排熱)される。
このようにして、空気調和機1が冷・暖房運転されている間、冷却ブロック25は発熱性電子部品22、23よりも低温のヒートシンクとして機能するため、発熱性電子部品22、23を許容温度以下に冷却することができる。このため、インバータを長期にわたって安定的に機能させることができる。
【0053】
このようにして、空気調和機1の運転を続けると、低温に保たれる冷却ブロック25に結露が起きやすくなる。冷却ブロック25に結露した凝縮水は、重力によって、下方側に流れて集積する。冷却ブロック25には、溝部25jが設けられているため、ほとんどの凝縮水は溝部25jに集積する。このため、凝縮水は、溝部25jの底部の傾斜面25eに沿って下方に流れ、傾斜面25eの下端部から第4面25dの外部に排出される。傾斜面25eの下端部は、本実施形態では、支持部材31の斜面31bに面するため、斜面31bに沿って支持部材31の下側に排出される。
したがって、冷却ブロック25に結露した凝縮水は、発熱性電子部品22から遠ざかる方向に流れ、コントローラ本体18とブラケット17の間において、冷却ブロック25よりも下方に落下する。このため、凝縮水が発熱性電子部品22上に流れ込むことを防止できる。
この結果、冷媒冷却方式であっても、結露による凝縮水が基板21上に流出することを抑制できる。これにより、基板21のショートや漏電などを防止できる。
【0054】
また、空気調和機1によれば、冷却ブロック25に結露する凝縮水は、自重で流れて、支持部材31側に排出され続け、冷却ブロック25上に凝縮水がたまることが防止できる。このため、例えば、基板21をメンテナンスしたり交換したりするため、基板21を回動して取り外す際に、凝縮水が機械室15内、および種々の電装部分に飛散することを防止できる。
【0055】
また、空気調和機1によれば、冷却ブロック25の上部の第2面25bに、発熱性電子部品23を固定して、発熱性電子部品23も冷却することができる。このように、冷却ブロック25によれば、SIPタイプの発熱性電子部品23に対して、基板21の面積を専有することなく広い放熱スペースを設けることが可能になる。
この場合、発熱性電子部品23は、冷却ブロック25の最上部に位置するため、結露による凝縮水が、発熱性電子部品23にふれることを確実に防止することができる。
【0056】
[第1変形例]
次に、本実施形態の変形例(第1変形例)の冷却ブロックについて説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態の変形例(第1変形例)の冷却ブロックの模式的な断面図である。
【0057】
図8に示すように、本変形例の冷却ブロック25Aは、上記第1の実施形態の冷却ブロック25の傾斜面25eに代えて、傾斜面25E(傾斜部)を備える。
図3に示すように、冷却ブロック25Aは、冷却ブロック25に代えて、空気調和機1に用いることができる。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0058】
傾斜面25Eは、傾斜面25eと同様、第1面25aから第3面25cに向かうにつれて第2面25bから離れるように傾斜する傾斜面であるが、上端部および下端部の位置が傾斜面25eとは異なる。
取付時位置において、傾斜面25Eの上端部は、発熱性電子部品22の上端面である側面22bよりも下側に形成される。このため、切欠き部25fは、より下方に延びた切欠き部25Fになっている。切欠き部25Fには、パッケージ本体22Aの一部が露出しており、天面22aによって切欠き部25Fの下部が塞がれている。
傾斜面25Eの下端部は、冷却管当接溝25kに貫通して接続する位置に形成されている。
このため、本変形例では、傾斜面25Eは、取付時位置おける水平面に対して鋭角βだけ傾斜している。角度βは、上記第1の実施形態の角度αと同様、溝部25j内に結露などして凝集した水が下方に流れやすい適宜角度にすることができる。
本変形例では、傾斜面25Eの下端部が冷却管当接溝25kに貫通して接続する位置に形成されているため、角度βは、上記第1の実施形態の角度αよりも大きな角度に設定することが可能である。
【0059】
本変形例の冷却ブロック25Aによれば、傾斜面25Eの上端部が、発熱性電子部品22の側面22bよりも低いため、傾斜面25Eを通して、より確実に、結露した凝縮水を側面22bの下方に流すことができる。
【0060】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の空気調和機について説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態の空気調和機の主要部の構成を示す模式的な縦断面図である。
図10は、
図9におけるD視図である。
図11は、本発明の第2の実施形態の冷却ブロックの構成を示す模式的な斜視図である。
【0061】
図9に示すように、本実施形態の空気調和機61は、上記第1の実施形態の空気調和機1のコントローラ12に代えて、コントローラ62を備える。
また、
図9に示すように、空気調和機61は、上記第1の実施形態の空気調和機1の支持部材31に代えて、上部支持板63および押え部材64(冷却管保持部)を備える。なお、支持部材31が削除されるため、支持部材31を固定する部材としてのブラケット17は不要になる。
このような構成により、空気調和機61は、冷媒配管10Aの保持形態を変えている。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0062】
図9に示すように、コントローラ62は、上記第1の実施形態におけるコントローラ12の冷却ブロック25に代えて、冷却ブロック65を備える。
【0063】
冷却ブロック65は、四角柱の一隅が長手方向にわたって約4分の1程度の角断面を欠如したような柱状の形状を有する。このため、冷却ブロック65の長手方向に直交する断面は、略L字状である。
冷却ブロック65の長さは、上記第1の実施形態の冷却ブロック25と同様である。
【0064】
冷却ブロック65の外周面は、発熱性電子部品22を接触させる第1面65a(第1伝熱部)と、発熱性電子部品23を接触させる第2面65b(第2伝熱部)と、第1面65aに平行で第1面65aよりも狭い第3面65cと、第2面65bに平行で第2面65bよりも狭い第4面65dと、第1面65aと平行で第1面65aよりも狭い第5面65eと、第2面65bと平行で第2面65bよりも狭い第6面65fとを備える。
第1面65a、第2面65b、第3面65c、第4面65d、第5面65e、および第6面65fは、周方向にこの順に隣り合って配置されている。これらのうち互いに隣り合う2面のなす角は、いずれも90°である。また、これらのうち互いに隣り合う2面は、第4面65dおよび第5面65eを除いて、境界部に角RまたはC面取りが設けられていてもよい。
第4面65dおよび第5面65eは、冷却ブロック65において、四角柱の欠如部分の表面を構成している。
上記第1の実施形態と同様の基板21の取付時位置において、冷却ブロック65の第2面65bは、鉛直上方に向けられる。
【0065】
第4面65dと第5面65eとの間には、冷媒配管10Aを当接させるため、冷却ブロック65の長手方向に延びる冷却管当接溝65g(排熱部)が形成されている。
冷却管当接溝65gの形状は、冷媒配管10Aの外形や配置経路に応じて適宜の形状を選択できる。
本実施形態では、後述するように、冷媒配管10Aが、取付時位置における基板21と平行な水平方向に延びて配置される。このため、冷却管当接溝65gも、冷却ブロック65の長手方向に真直に延ばされている。
また、本実施形態では、上記第1の実施形態におけるシリコンシート33を削除し、冷媒配管10Aと、冷却ブロック65とを直接的に接触させる。
そこで、冷却管当接溝65gの長手方向に直交する断面は、冷媒配管10Aの外径に等しい略半円形状の底面部に有するとともに冷媒配管10Aの外径よりもわずかに広い開口部を有するU字状としている。
冷却管当接溝65gの開口は、取付時位置において基板21から離れていく斜め下方向(
図9の図示右斜め下方向)に向いている。
【0066】
第1面65aは、上記第1の実施形態における第1面25aと同様、略矩形状の平面からなり、発熱性電子部品22をねじ止めするためのねじ穴25hが形成されている。
【0067】
図10、11に示すように、第2面65bには、第1面65aから第3面65cに向かって延びる複数の溝部65j(溝)が形成されている。このため、第2面65bは、各溝部65jによって分断され、平行格子状である。
本実施形態では、溝部65jは、発熱性電子部品23の下面には形成されない。これにより、第2面65bにおいて、発熱性電子部品23を配置する領域は、発熱性電子部品23よりも広幅とされ、他の領域の第2面65bの幅よりも広い。以下では、この広幅の第2面65bを電子部品取付部65n(取付部)と称する。
電子部品取付部65nには、上記第1の実施形態と同様のねじ穴25i(
図11参照)が形成されている。
【0068】
図9に示すように、溝部65jの溝底には、第1面65aから第3面65cに向かうにつれて第2面65bから離れるように傾斜する傾斜面65k(傾斜部)が形成されている。このため、傾斜面65kは、取付時位置において、第1面65aから第3面65cに向かうにつれて下方に傾斜する傾斜面になっている。
溝部65jは、第1面65aの適宜位置から形成することができるが、発熱性電子部品22の側面22b以下の高さから形成することが好ましい。本実施形態では、取付時位置において、側面22bと、傾斜面65kの上端部とは、同じ高さになっている。
さらに、溝部65jの上端部は、第2面65bよりも低くなっている。このため、第1面65aには、溝部65jの上端が開口する切欠き部65mが形成されている。
傾斜面65kの傾斜角度は、取付時位置において、溝部65j内に結露などして凝集した水が下方に流れやすい適宜角度にすることができる。
本実施形態では、一例として、傾斜面65kの下端部は、冷却管当接溝65gに貫通する位置に形成されている。傾斜面65kは取付時位置おける水平面に対して鋭角γだけ傾斜している。
【0069】
本実施形態では、第3面65cおよび第4面65dには、溝部65jが貫通している。このため、第3面65cおよび第4面65dは、第2面65bと同様に、溝部65jによって分断された平行格子状である。
【0070】
本実施形態では、第1面65aの形状は、上記第1の実施形態の冷却ブロック25における第1面25aと同一である。すなわち、冷却ブロック65における取付時位置の鉛直方向の幅(第2面65bと第6面65fとの距離)は、冷却ブロック25の同方向の幅と同一である。
【0071】
冷却ブロック65の材質は、上記第1の実施形態の冷却ブロック25に用いることができる材料を同様に採用することができる。
【0072】
上部支持板63は、後述する押え部材64を回動可能に吊り下げた状態で、コントローラ本体18に固定するための部材である。
上部支持板63は、固定部63a、平板部63b、および係止板部63cを備える。
【0073】
固定部63aは、開口部18aの上方において、上部支持板63をコントローラ本体18と固定する形状部分である。本実施形態では、コントローラ本体18を貫通するねじ66を螺合するための図示略のねじ穴が形成されている。
平板部63bは、固定部63aから、取付時位置の基板21と反対側に向かって、取付時位置の冷却ブロック65を上方から覆う範囲に延ばされている。
係止板部63cは、取付時位置の冷却ブロック65の先端部よりもわずかに水平方向に突出する位置から、下方に折り曲げられている。係止板部63cには、後述する押え部材64を吊り下げるための係止孔63dが貫通されている。
図9は断面図のため、係止孔63dが1つしか図示されていないが、係止孔63dは、図示奥行き方向に複数設けられることが好ましい。
【0074】
押え部材64は、取付時位置おいて、開口部18aから突出する冷却ブロック65を斜め下方から覆うことにより、冷却ブロック65の冷却管当接溝65gに、冷媒配管10Aを押しつけて固定する板状部材である。
押え部材64は、第1先端押え部64a、第1下端押え部64b、冷却管押え部64c、第2先端押え部64d、第2下端押え部64e、固定部64f、および係止爪64gを備える。
以下、押え部材64の形状について、
図9に示すように、取付時位置に配置された冷却ブロック65を固定する場合の位置関係に基づいて説明する。
【0075】
第1先端押え部64aは、冷却ブロック65の第3面65cに沿って延びる平板部である。
第1下端押え部64bは、冷却ブロック65の第4面65dに沿って延びる平板部である。
【0076】
冷却管押え部64cは、冷却ブロック65の冷却管当接溝65gの開口部を覆うように対向する平板部である。冷却管押え部64cの位置は、押え部材64を上部支持板63に係止するとともにコントローラ本体18に固定した際に、冷媒配管10Aを冷却管当接溝65gに押圧できる位置とする。すなわち、冷媒配管10Aを外して押え部材64を固定したとき、冷却管押え部64cと冷却管当接溝65gの底面部との距離が、冷媒配管10Aの外径よりもわずかに小さくなる位置とする。
【0077】
第2先端押え部64dは、冷却ブロック65の第5面65eに沿って延びる平板部である。
第2下端押え部64eは、冷却ブロック65の第6面65fに沿って延びる平板部である。
【0078】
固定部64fは、開口部18aの上方において、押え部材64をコントローラ本体18と固定する形状部分である。固定部64fは、第2下端押え部64eから下方に延ばされ、コントローラ本体18の表面に当接する平板部からなる。本実施形態では、コントローラ本体18を貫通するねじ67を螺合するための図示略のねじ穴が形成されている。
【0079】
係止爪64gは、押え部材64を上部支持板63の係止孔63dに係止する形状部分である。本実施形態では、係止爪64gは、第1先端押え部64aの上端部から片状に延ばされてから下方に折り曲げられたフック状に形成される。
【0080】
このような構成の押え部材64は、弾性変形可能な金属板をプレス加工して形成することができる。
なお、
図9は模式図のため、押え部材64が、冷却ブロック65の外表面に密接しているように描かれている。しかし、押え部材64は、上部支持板63に係止し、コントローラ本体18に固定された状態で、冷媒配管10Aを冷却管当接溝65gに向けて押圧することができれば、冷却管押え部64cを除く部位は、冷却ブロック65と当接していなくてもよい。
【0081】
次に、空気調和機61における基板21の取り付け方法について説明する。
まず、押え部材64を取り外した状態で、基板21を、図示略の支持具19、20を用いて固定し、冷却ブロック65を取付時位置に配置する。
次に、押え部材64の係止爪64gを、上部支持板63の係止孔63dに挿通して、係止板部63cから押え部材64を吊り下げる。
これにより、押え部材64は、係止孔63dと係止爪64gとの接触位置を中心として、回動可能に支持される。
【0082】
作業者は、冷媒配管10Aを、冷却ブロック65の冷却管当接溝65gに嵌め込む。次に、この状態で、押え部材64を図示時計回りに回動して、冷却ブロック65の斜め下方から、押え部材64を冷却ブロック65に押しつけていく。
これにより、第1先端押え部64a、第1下端押え部64b、第2先端押え部64d、および第2下端押え部64eが、それぞれ冷却ブロック65の第3面65c、第4面65d、第5面65e、第6面65fに沿って近接する位置に移動する。
このとき、固定部64fがコントローラ本体18に近接して、ねじ67の螺合が可能となるともに、冷却管押え部64cが冷媒配管10Aに当接する。
作業者が、ねじ67を固定部64fのねじ穴に螺合していくと、冷媒配管10Aが、冷却管当接溝65gに押し込まれて、冷却管当接溝65gと冷却管押え部64cとの間に挟まれる。
ねじ67のねじ締めが終了すると、冷媒配管10Aは、冷却管当接溝65gに押圧された状態で、冷却管当接溝65gと冷却管押え部64cとの間に挟持される。
以上で、基板21の取り付けが終了する。基板21を取り外す場合には、上記の各動作を逆の順に行えばよい。
【0083】
上述したように、本実施形態の空気調和機61は、基板21の発熱性電子部品22、23に冷却ブロック65を接触させるとともに、冷却ブロック65に冷媒配管10Aを接触させる。これにより、上記第1の実施形態の空気調和機1と同様にして、発熱性電子部品22、23を冷却することができる。このため、冷媒冷却方式であっても、結露による凝縮水が基板21上に流出することを抑制できる。これにより、基板21のショートや漏電などを防止できる。
【0084】
また、本実施形態では、冷却ブロック65と冷媒配管10Aとを、コントローラ本体18上に設けられる上部支持板63および押え部材64によって固定する。このため、冷媒配管10Aを支持する部材をコントローラ本体18から離れた部位に支持しなくてよいため、構成が簡素になる。
また、コントローラ本体18と離れた位置に配置された冷媒配管10Aに対して、冷却ブロックを押圧する場合に比べて、冷却ブロック65と冷媒配管10Aの位置関係を保ちやすい。このため、冷却ブロック65と冷媒配管10Aとをより確実に接触させ、冷却効率を高めることができる。
【0085】
[第2変形例]
次に、本実施形態の変形例(第2変形例)の冷却ブロックについて説明する。
図12は、本発明の第2の実施形態の変形例(第2変形例)の冷却ブロックの模式的な断面図である。
【0086】
図12に示すように、本変形例の冷却ブロック85は、上記第2の実施形態の冷却ブロック65が略L字状の断面形状を有していたのに対して、略矩形状の断面形状を備える。具体的には、冷却ブロック85は、冷却ブロック65において第5面65eよりも先端に突出する部位を切除したのと同様な略矩形状の断面形状を備える。
以下、上記第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0087】
冷却ブロック85の外周面は、冷却ブロック65と同様の第1面65a(第1伝熱部)と、冷却ブロック65の第6面65fと同幅の第2面85b(第2伝熱部)と、第1面65aと平行な第3面85cと、冷却ブロック65の第6面65fと同様の第4面85dとを備える。
第1面65a、第2面85b、第3面85c、および第4面85dは、周方向にこの順に隣り合って配置されている。これらのうち互いに隣り合う2面のなす角は、いずれも90°である。また、これらのうち互いに隣り合う2面は、境界部に角RまたはC面取りが設けられていてもよい。
上記第2の実施形態と同様の基板21の取付時位置において、冷却ブロック85の第2面85bは、鉛直上方に向けられる。
【0088】
第3面85cの中間部には、冷媒配管10Aを当接させるため、冷却ブロック85の長手方向に延びる冷却管当接溝85e(排熱部)が形成されている。
冷却管当接溝85eの形状は、冷媒配管10Aの外径と等しい半円断面が冷却ブロック85の長手方向に真直に延ばされた形状からなる。
【0089】
第2面85bには、第1面65aから第3面85cに向かって延びる点を除いて、上記第2の実施形態における溝部65jと同様の構成を有する溝部85j(溝)が形成されている。このため、第2面85bの図示略の平面視の形状は、上記第2の実施形態における第2面65bと同様に、各溝部85jによって分断され、平行格子状である。
第2面85bには、上記第2の実施形態における第2面65bの電子部品取付部65nと同様の部位に、発熱性電子部品23を固定するためのねじ穴25iが設けられている。
ただし、冷却ブロック85を用いる空気調和機の回路基板に、発熱性電子部品23が設けられていない場合には、ねじ穴25iは省略してもよい。
【0090】
溝部85jの溝底には、上記第2の実施形態におけるのと同様の傾斜面65k(傾斜部)が形成されている。ただし、本変形例の傾斜面65kは、取付時位置において、第1面65aから第3面85cに向かうにつれて下方に傾斜する傾斜面である。また、傾斜面65kの下端部は、冷却管当接溝85eの端部に接続する位置に形成されている。
【0091】
このように、本変形例の冷却ブロック85は、上記第2の実施形態の冷却ブロック65の長手方向に直交する断面形状が略L字状であるのに対して、長手方向に直交する断面形状が略矩形状である点が異なる。
このため、このような外形の相違に応じて、上記第2の実施形態における上部支持板63および押え部材64の形状を変えた部材を用いて、コントローラ本体18に着脱可能に取り付けることができる。
したがって、本変形例の冷却ブロック85は、上部支持板63および押え部材64の形状を適宜変更することにより、上記第2の実施形態の空気調和機61のコントローラ62に用いることができる。
【0092】
冷却ブロック85を空気調和機61のコントローラ62に用いる場合、冷却ブロック85は、冷却ブロック65と同様の傾斜面65kを有するため、冷媒冷却方式であっても、結露による凝縮水が基板21上に流出することを抑制できる。これにより、基板21のショートや漏電などを防止できる。
【0093】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上記各実施形態、各変形例に説明した構成要素は、適宜組み合わせたり、削除したりして実施することができる。
【0094】
なお、上記各実施形態、各変形例の説明では、第1の発熱部材がDIPタイプの発熱性電子部品22、第2の発熱部材がSIPタイプの発熱性電子部品23の場合の例で説明した。しかし、第1の発熱部材と第2の発熱部材との相違は、冷却ブロックと接触する部位が、それぞれ第1伝熱部であるか第2伝熱部であるかによる。
このため、パッケージのタイプは一例であり、第1および第2の発熱部材は、DIPタイプでもよいし、SIPタイプでもよい。
【0095】
上記各実施形態、各変形例の説明では、第1伝熱部と第2伝熱部とが互いに直交する方向に延びている場合の例で説明したが、第2伝熱部は、第1伝熱部と交差する方向に延びていれば、互いのなす角度は、90°には限定されない。
【0096】
上記各実施形態、各変形例の説明では、傾斜部を有する溝が複数設けられている場合の例で説明したが、冷却ブロックの長さや溝の幅によっては、溝は1つ設けるだけでもよい。
また傾斜部は、溝の底部に設けることは必須ではない。例えば、冷却ブロックの端部などにおいて、傾斜面が外側に開放されることにより、傾斜部が段状に設けられていてもよい。
【0097】
上記各実施形態、各変形例の説明では、傾斜部が傾斜した平面からなる場合の例で説明したが、傾斜部は、湾曲面からなっていてもよいし、斜め下方向に延びるV字溝、U字溝などから構成されていてもよい。