(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記渦室ユニットには、前記渦室としての第2渦室が、前記整流路としての第2整流路を通して前記第2液室に連通し、前記連通孔としての第2連通孔を通して前記第1液室に連通する第2渦室ユニットが複数備えられている請求項1から6のいずれか1項に記載の防振装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、本願発明者は鋭意検討した結果、前記仕切り部材として、前記両液室を連通する渦室ユニットが設けられた構成を採用することにより、構造の簡素化および製造の容易化を図ることができるという知見を得るに至った。
この防振装置では、前記渦室ユニットに、渦室と、整流路と、連通孔と、を備えさせている。前記渦室は、内部に流入する液体を旋回させる。前記整流路は、前記両液室のうち、一方の液室と渦室とを連通し、渦室内に、渦室の周方向に向けて開口する。前記連通孔は、前記両液室のうち、他方の液室と渦室とを連通する。また前記渦室を、整流路から流入する液体の流速に応じて液体の旋回流を形成し、この液体を連通孔から流出させるように構成する。
この防振装置に振動が入力されると、液体が、渦室ユニットを通して両液室間を流通する。このとき、整流路から渦室に流入された液体の流速が十分に高められて渦室内で液体の旋回流が形成されると、この振動が吸収および減衰される。そこで前記防振装置では、この防振装置に所望の振動が入力されたときに、渦室内で液体の旋回流が形成されて振動が吸収および減衰されるように、渦室ユニットを設計している。
【0005】
なお、渦室ユニットを設計するときには、まず、前述の所望の振動が入力されたときに渦室内で液体の旋回流が形成されるような特定の渦室ユニットの形状を設計する。その後、この渦室ユニットの大きさを、例えば減衰および吸収の程度などに応じて変更する。渦室ユニットの大きさを変更するときには、整流路において液室に開口する開口部の形状を、この形状と相似をなす他の形状に拡大または縮小した上で、渦室の内径を、開口部の相似比に応じて大きくまたは小さくする。これにより、渦室ユニットの大きさによらず、同種の振動を吸収および減衰することができる。
【0006】
しかしながら、前記防振装置では、前述の所望の振動のうち、振幅が小さいものが入力されたときには、渦室内で液体が旋回し難く、この防振装置の減衰特性が精度良く発揮されない可能性がある。
【0007】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、減衰特性を高精度に発揮させることができる防振装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受部のうちの一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、これらの両取付け部材を連結する弾性体と、液体が封入される前記第1取付け部材内の液室を、第1液室および第2液室に仕切る仕切り部材と、を備えている。前記第1液室および前記第2液室の両液室のうちの少なくとも1つは、前記弾性体を壁面の一部に有する。前記仕切り部材には、前記両液室を連通する渦室ユニットが設けられている。前記渦室ユニットには、内部に流入する液体を旋回させる渦室と、前記両液室のうち、一方の液室と前記渦室とを連通し、前記渦室内に、前記渦室の周方向に向けて開口する整流路と、前記両液室のうち、他方の液室と前記渦室とを連通する連通孔と、が備えられている。前記渦室は、前記整流路から流入する液体の流速に応じて液体の旋回流を形成し、この液体を前記連通孔から流出させる。
前記渦室ユニットには、前記渦室としての第1渦室が、前記整流路としての第1整流路を通して前記第1液室に連通し、前記連通孔としての第1連通孔を通して前記第2液室に連通する第1渦室ユニットが複数備えられ
、前記仕切り部材は、前記液室を前記第1取付け部材の軸線方向に仕切り、前記渦室の軸線は、前記第1取付け部材の軸線に交差する交差面に沿って延びている。
【0009】
この発明では、所望の振動が入力されたときに、この振動が複数の第1渦室ユニットそれぞれによって吸収および減衰されるように、各第1渦室ユニットを設計しておく。
ここでこの防振装置では、渦室ユニットに、第1渦室ユニットが複数備えられているので、複数の第1渦室ユニットの各整流路において第1液室に開口する開口部の大きさを小さく抑えつつ、これらの開口部の開口面積の総和を、第1渦室ユニットが1つのみである場合における整流路の開口部の開口面積と同等に確保することができる。
また前述のように、複数の第1渦室ユニットの各整流路の開口部の大きさを小さく抑えることができるので、複数の第1渦室ユニットの各渦室の容積も小さく抑えることができる。これにより、これらの渦室の容積の総和を、渦室ユニットとして第1渦室ユニットが1つのみ備えられている場合における渦室の容積よりも小さくすることができる。
以上より、この防振装置では、第1渦室ユニットが1つのみである場合に比べて、複数の第1渦室ユニットの全体で、整流路の開口部の開口面積を同等に確保しつつ渦室の容積を小さくすることができる。
そしてこのように、複数の第1渦室ユニットの全体で、整流路の開口部の開口面積を同等に確保することができるので、渦室の容積が小さくても、第1渦室ユニットが1つのみである場合と同程度に振動を減衰および吸収することができる。
また前述のように、複数の第1渦室ユニットの全体で、渦室の容積を小さくすることができるので、所望の振動のうち、振幅が小さいものが入力されたときに、液体を各第1渦室ユニットにおける渦室内で、第1渦室ユニットが1つのみである場合に比べて感度良く旋回させることができる。これにより、振動を吸収および減衰させ易くすることが可能になり、この防振装置の減衰特性を高精度に発揮させることができる。
さらに渦室の軸線が、交差面に沿って延びているので、仕切り部材に多くの渦室ユニットを形成し易くすることが可能になり、この防振装置のスペース効率を高めることができる。
【0010】
また、前記仕切り部材には、前記両液室を連通し、共振周波数が第1振動の周波数と同等とされた制限通路が設けられ、前記整流路の共振周波数は、前記第1振動よりも周波数が高い第2振動の周波数と同等とされていてもよい。
【0011】
この発明では、第1振動の入力時には、例えばこの第1振動の振幅などに応じ、単位時間あたりに多量の液体が第1渦室内に流入する。このとき例えば、内部に流入した液体の慣性力により第1渦室内を旋回するように流れが形成され、この流れが発達して渦となることで、第1渦室ユニットを通した両液室間の流通抵抗が上昇する。これにより、液体が、両液室間で制限通路を通して優先的に流通し、制限通路内で共振が生じて第1振動が吸収および減衰される。
一方、第2振動の入力時には、例えばこの第2振動の振幅などに応じ、単位時間あたりに少量の液体が第1渦室内に流入することから、内部に流入した液体により第1渦室内の渦流が十分に発達せず、第1渦室ユニットを通した両液室間の流通抵抗が低く抑えられる。これにより、液体に、第1渦室ユニットを積極的に流通させることが可能になり、第1整流路内で共振が生じて第2振動が吸収および減衰される。
以上のように、前記従来技術のようなプランジャ部材に代えて渦室ユニットを設けることで、互いに周波数が異なる第1振動および第2振動の両方を吸収および減衰させることが可能になり、防振装置の構造の簡素化および製造の簡便化を図ることができる。
【0014】
また、前記渦室の軸線は、前記第1取付け部材の周方向に沿って延び、前記渦室ユニットは、前記第1取付け部材の周方向に複数配置されていてもよい。
【0015】
この場合、渦室ユニットが、第1取付け部材の周方向に複数配置されているので、仕切り部材に一層多くの渦室ユニットを形成し易くすることが可能になり、この防振装置のスペース効率を更に高めることができる。
【0016】
また、前記仕切り部材には、前記渦室ユニットが形成された渦室部材が備えられ、前記渦室部材は、前記第1取付け部材の軸線に交差して延びる分割面によって、前記第1取付け部材の軸線方向に分割され、前記分割面は、全ての前記渦室ユニットそれぞれの前記渦室を前記第1取付け部材の軸線方向に分割し、前記整流路は、前記第1取付け部材の軸線方向に延び、前記仕切り部材において前記第1取付け部材の軸線方向の外側を向く端面に開口していてもよい。
【0017】
この場合、分割面が、全ての渦室ユニットそれぞれの渦室を第1取付け部材の軸線方向に分割し、かつ、整流路が、第1取付け部材の軸線方向に延びて仕切り部材の端面に開口している。したがって、渦室部材が分割面によって分割されてなる分割体を金型によって形成する場合、この金型を分割体から第1取付け部材の軸線方向に容易に脱型し易くすることが可能になり、この防振装置を簡便に形成することができる。
【0018】
また、前記連通孔は、前記渦室を画成する壁面のうち、この渦室の軸線方向を向く端面から前記渦室内に開口していてもよい。
【0019】
この場合、連通孔が、渦室の端面から渦室内に開口しているので、液体の旋回流を安定して生じさせることが可能になり、振動を効果的に減衰および吸収することができる。
【0020】
また、前記連通孔は、前記渦室の軸線と同軸に配置されていてもよい。
【0021】
この場合、連通孔が、渦室の軸線と同軸に配置されているので、渦室で形成される液体の旋回流の旋回方向に沿った長さを大きく確保して液体を渦室内で滞留させ易くすることが可能になり、振動をより効果的に減衰および吸収することができる。
【0022】
また、前記渦室ユニットには、前記渦室としての第2渦室が、前記整流路としての第2整流路を通して前記第2液室に連通し、前記連通孔としての第2連通孔を通して前記第1液室に連通する第2渦室ユニットが複数備えられていてもよい。
【0023】
この場合、渦室ユニットに第1渦室ユニットと第2渦室ユニットとが備えられている。したがって、第1液室から第2液室に流通する液体に、第1渦室ユニットを流通させることで、振動を吸収および減衰するとともに、第2液室から第1液室に流通する液体に、第2渦室ユニットを流通させることで、振動を吸収および減衰することが可能になり、振動を効果的に吸収および減衰することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る防振装置によれば、減衰特性を高精度に発揮させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る防振装置の第1実施形態を、
図1から
図7を参照しながら説明する。
この防振装置10は、
図1に示すように、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材11、および他方に連結される第2取付け部材12と、これらの両取付け部材11、12同士を互いに連結する弾性体13と、液体が封入される第1取付け部材11内の液室を、弾性体13を壁面の一部に有する主液室(第1液室)14、および副液室(第2液室)15に仕切る仕切り部材16と、を備えている。
【0027】
図示の例では、第2取付け部材12は柱状に形成されるとともに、弾性体13は筒状に形成され、第1取付け部材11、第2取付け部材12および弾性体13は、共通軸と同軸に配設されている。以下、この共通軸を軸線O(第1取付け部材の軸線)といい、軸線O方向(第1取付け部材の軸線方向)に沿う主液室14側を一方側といい、副液室15側を他方側という。軸線Oに直交する方向を径方向(第1取付け部材の径方向)といい、軸線O回りに周回する方向を周方向(第1取付け部材の周方向)という。
【0028】
なお、この防振装置10が例えば自動車に装着される場合には、第2取付け部材12が振動発生部としてのエンジンに連結される一方、第1取付け部材11が図示しないブラケットを介して振動受部としての車体に連結され、エンジンの振動が車体に伝達するのを抑える。この防振装置10は、第1取付け部材11の前記液室に、例えばエチレングリコール、水、シリコーンオイル等の液体が封入された液体封入型である。
【0029】
第1取付け部材11は、軸線O方向に沿って、一方側に位置する一方側外筒体21と、他方側に位置する他方側外筒体22と、を備えている。
一方側外筒体21における一方側の端部には、前記弾性体13が液密状態で連結されていて、この弾性体13により一方側外筒体21の一方側の開口部が閉塞されている。一方側外筒体21のうち、他方側の端部21aは、他の部分より大径に形成されている。そして、一方側外筒体21の内部が前記主液室14となっている。なお一方側外筒体21において、弾性体13が連結された部分に対して他方側から連なる部分には、全周にわたって連続して延びる環状溝21bが形成されている。
【0030】
他方側外筒体22における他方側の端部には、ダイヤフラム17が液密状態で連結されていて、このダイヤフラム17により他方側外筒体22における他方側の開口部が閉塞されている。他方側外筒体22のうち、一方側の端部22aは、他の部分より大径に形成されていて、前記一方側外筒体21における他方側の端部21a内に嵌合されている。また他方側外筒体22内には、仕切り部材16が嵌合されていて、仕切り部材16とダイヤフラム17との間に、前記副液室15が設けられている。なお他方側外筒体22は、ダイヤフラム17と一体に形成されたゴム膜によって、ほぼ全域にわたって被覆されている。
【0031】
第2取付け部材12における一方側の端面には、軸線Oと同軸に雌ねじ部12aが形成されている。第2取付け部材12は、第1取付け部材11から一方側に突出している。第2取付け部材12には、径方向の外側に向けて突出し、かつ全周にわたって連続して延びるフランジ部12bが形成されている。フランジ部12bは、第1取付け部材11における一方側の端縁から他方側に離れている。
【0032】
弾性体13は、弾性変形可能な例えばゴム等の材料等で形成され、一方側から他方側に向かうに従い漸次拡径された筒状に形成されている。弾性体13のうち、一方側の端部が、第2取付け部材12に連結され、他方側の端部が、第1取付け部材11に連結されている。なお、第1取付け部材11の一方側外筒体21の内周面は、弾性体13と一体に形成されたゴム膜により、ほぼ全域にわたって覆われている。
【0033】
仕切り部材16は、前記液室を軸線O方向に仕切る。仕切り部材16には、装着部材41と、渦室部材42と、が備えられている。装着部材41は、第1取付け部材11に装着されている。装着部材41は、軸線Oと同軸の環状に形成されて他方側外筒体22内に嵌合されている。装着部材41の他方側の端部内には、支持部材43が設けられている。支持部材43は、この防振装置10を軸線O方向から見た平面視において、十字状に形成されていて、支持部材43の端部は、装着部材41の内周面に連結されている。渦室部材42は、装着部材41内に液密に嵌合されている。渦室部材42は、支持部材43により他方側から支持されている。
【0034】
ここで仕切り部材16には、両液室14、15を連通する渦室ユニット31a、31bと、制限通路44と、が設けられている。
図1から
図4に示すように、渦室ユニット31a、31bは、渦室33a、33bと、整流路34a、34bと、連通孔32a、32bと、を備えている。
【0035】
渦室33a、33bの内周面は、円形状をなしている。整流路34a、34bは、両液室14、15のうち、一方の液室と渦室33a、33bとを連通する。整流路34a、34bは、渦室33a、33b内に、渦室33a、33bの周方向に向けて開口している。連通孔32a、32bは、両液室14、15のうち、他方の液室と渦室33a、33bとを連通する。
図3および
図4に示すように、連通孔32a、32bは、渦室33a、33bを画成する壁面のうち、この渦室33a、33bの軸線L方向を向く端面(軸方向端面、底面)から渦室33a、33b内に開口している。連通孔32a、32bは、渦室33a、33bの軸線Lと同軸に配置されている。
【0036】
図2に示すように、渦室ユニット31a、31bは、渦室部材42に多数形成されている。多数の渦室部材42の各渦室33a、33bの軸線Lは、軸線Oに交差する交差面に沿って延び、図示の例では、周方向に沿って延びていて、後述する分割面42b上に位置する。多数の渦室部材42の各整流路34a、34bは、軸線O方向に直線状に延び、仕切り部材16の渦室部材42において軸線O方向の外側を向く端面に開口している。
渦室ユニット31a、31bは、周方向に複数配置されていて、軸線Oと同軸の環状をなすユニット列35を形成している。ユニット列35は、互いに直径を異ならせて2列配置されている。
【0037】
ここで渦室ユニット31a、31bには、複数の第1渦室ユニット31aと、複数の第2渦室ユニット31bと、が備えられている。
図2および
図3に示すように、複数の第1渦室ユニット31aは、互いに同等の形状でかつ同等の大きさに形成されている。第1渦室ユニット31aでは、渦室としての第1渦室33aが、整流路としての第1整流路34aを通して主液室14に連通し、連通孔としての第1連通孔32aを通して副液室15に連通する。
複数の第2渦室ユニット31bは、互いに同等の形状でかつ同等の大きさに形成されている。第2渦室ユニット31bでは、渦室としての第2渦室33bが、整流路としての第2整流路34bを通して副液室15に連通し、連通孔としての第2連通孔32bを通して主液室14に連通する。
【0038】
図2に示すように、第1渦室ユニット31aおよび第2渦室ユニット31bは、互いに同数設けられていて、周方向に交互に配置されている。図示の例では、第1渦室ユニット31aおよび第2渦室ユニット31bは60個ずつ設けられていて、径方向の内側のユニット列35に20個ずつ、径方向の外側のユニット列35に40個ずつ配置されている。
【0039】
図3および
図4に示すように、周方向に隣り合う一組の第1渦室ユニット31aおよび第2渦室ユニット31bは、周方向に延びる連通路36を通して接続されている。連通路36は、第1渦室33aと第2渦室33bとの間に配置され、これらの両渦室33a、33bを連通している。
【0040】
連通路36の内周面は円形状に形成されている。連通路36は、第1渦室33aおよび第2渦室33bの端面から各渦室33a、33b内に開口している。そして連通路36のうち、第1渦室33aに開口する開口部が前記第1連通孔32aとされ、第2渦室33bに開口する開口部が前記第2連通孔32bとなっている。
【0041】
なお、前述の一組の第1渦室ユニット31aおよび第2渦室ユニット31bでは、第1渦室ユニット31aの第1連通孔32aは、第2渦室ユニット31bを通して副液室15に連通し、第2渦室ユニット31bの第2連通孔32bは、第1渦室ユニット31aを通して主液室14に連通している。これらの第1渦室ユニット31aおよび第2渦室ユニット31bは、主液室14と副液室15とを連通する連絡流路30を構成している。連絡流路30は、仕切り部材16に多数形成されているが、
図2では、図面の見易さのため、各ユニット列35について1つの連絡流路30のみを点線で示している。
【0042】
図5に示すように、渦室33a、33bは、内部に流入する液体を旋回させる。渦室33a、33bは、整流路34a、34bから流入する液体の流速に応じて液体の旋回流を形成し、この液体を連通孔32a、32bから流出させる。整流路34a、34bは、渦室33a、33bの内周面から、この内周面の接線方向に沿って延在していて、整流路34a、34bから渦室33a、33bに流入された液体は、渦室33a、33bの内周面に沿って流動することで旋回する。なお
図6に示すように、液体が、連通孔32a、32bから渦室33a、33bに流入された場合には、液体は、渦室33a、33b内で旋回せずに単に通過する。
【0043】
図1に示すように、制限通路44は、連絡流路30とは独立して設けられ、図示の例では装着部材41の外周面に設けられている。制限通路44の共振周波数は、シェイク振動(第1振動)(例えば、周波数が14Hz以下、振幅が±0.5mmより大きい)の周波数と同等とされ、シェイク振動の入力に対して共振(液柱共振)を生じさせる。
【0044】
なお制限通路44の共振周波数は、整流路34a、34bの共振周波数よりも低くなっている。整流路34a、34bの共振周波数は、シェイク振動よりも周波数が高くかつ振幅が小さいアイドル振動(第2振動)(例えば、周波数が15Hz〜40Hz、振幅が±0.5mm以下)の周波数と同等となっている。整流路34a、34bは、アイドル振動の入力に対して共振(液柱共振)を生じさせるオリフィスとして機能する。
【0045】
渦室部材42は、軸線O方向に2つの分割体42aに分割されている。渦室部材42は、軸線Oに交差して延びる分割面42bによって分割されている。分割面42bは、軸線Oに直交している。分割面42bは、全ての渦室ユニット31a、31bそれぞれの渦室33a、33bおよび連通孔32a、32bを軸線O方向に分割している。なお分割面42bの外周縁は、渦室部材42の外周面に到達しているが、
図2では、図面の見易さのため、分割面42bの図示を省略している。
【0046】
次に、前記防振装置10の作用について説明する。
この防振装置10では、シェイク振動が入力されたときに、このシェイク振動が複数の第1渦室ユニット31aおよび複数の第2渦室ユニット31bそれぞれによって吸収および減衰されるように、渦室ユニット31a、31bが設計されている。
【0047】
すなわち、この防振装置10に軸線O方向にシェイク振動が入力されると、両取付け部材11、12が弾性体13を弾性変形させながら相対的に変位して主液室14の液圧が変動する。すると、このシェイク振動の振幅に応じて、主液室14内の液体が単位時間当たり多量に、第1整流路34aを通して第1渦室33a内に流入する。つまり
図5に2点鎖線で示すように、シェイク振動の入力時には流速が高められた液体が第1渦室33a内へ流入するため、例えば、内部に流入した液体の慣性力により第1渦室33a内を旋回するように流れが形成され、この流れが発達して渦となる。またこのとき、シェイク振動の振幅に応じて、副液室15内の液体が単位時間あたり多量に、第2整流路34bを通して第2渦室33b内に流入し、内部に流入した液体の慣性力により第2渦室33b内を旋回するように流れが形成され、この流れが発達して渦となる。
以上により、各連絡流路30を通した主液室14と副液室15との間の流通抵抗が上昇することから、液体が、主液室14と副液室15との間で制限通路44を通して優先的に流通し、制限通路44内で液注共振が生じてシェイク振動が吸収および減衰される。
【0048】
一方、この防振装置10に軸線O方向にアイドル振動が入力されると、前述のように主液室14の液圧が変動したときに、このアイドル振動の振幅に応じた少量の液体が渦室33a、33b内に流入する。その結果、渦室33a、33bの内部に流入した液体により渦室33a、33b内の渦流が十分に発達せず、
図7に2点鎖線で示すように、渦室33a、33b内を流動する液体は旋回することなく、あるいは旋回量が少なく通過する。これにより、各連絡流路30を通した主液室14と副液室15との間の流通抵抗が低く抑えられる。したがって、液体に、連絡流路30を積極的に流通させることが可能になり、整流路34a、34b内で共振が生じてアイドル振動が吸収および減衰される。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係る防振装置10によれば、前記従来技術のようなプランジャ部材に代えて渦室ユニット31a、31bを設けることで、シェイク振動およびアイドル振動の両方を吸収および減衰させることが可能になり、防振装置10の構造の簡素化および製造の簡便化を図ることができる。
【0050】
また、渦室ユニット31a、31bに、第1渦室ユニット31aが複数備えられているので、
図2に示すように、複数の第1渦室ユニット31aの各整流路34aにおいて主液室14に開口する開口部の大きさを小さく抑えつつ、これらの開口部の開口面積の総和を、第1渦室ユニット31aが1つのみである場合における整流路34aの開口部の開口面積と同等に確保することができる。
また前述のように、複数の第1渦室ユニット31aの各整流路34aの開口部の大きさを小さく抑えることができるので、複数の第1渦室ユニット31aの各渦室33aの容積も小さく抑えることができる。これにより、これらの渦室33aの容積の総和を、渦室ユニットとして第1渦室ユニット31aが1つのみ備えられている場合における渦室33aの容積よりも小さくすることができる。
以上より、この防振装置10では、第1渦室ユニット31aが1つのみである場合に比べて、複数の第1渦室ユニット31aの全体で、整流路34aの開口部の開口面積を同等に確保しつつ渦室33aの容積を小さくすることができる。
そしてこのように、複数の第1渦室ユニット31aの全体で、整流路34aの開口部の開口面積を同等に確保することができるので、渦室33aの容積が小さくても、第1渦室ユニット31aが1つのみである場合と同程度に振動を減衰および吸収することができる。
また前述のように、複数の第1渦室ユニット31aの全体で、渦室33aの容積を小さくすることができるので、所望の振動のうち、振幅が小さいものが入力されたときに、液体を各第1渦室ユニット31aにおける渦室33a内で、第1渦室ユニット31aが1つのみである場合に比べて感度良く旋回させることができる。これにより、振動を吸収および減衰させ易くすることが可能になり、この防振装置10の減衰特性を高精度に発揮させることができる。
【0051】
また、渦室ユニット31a、31bに第1渦室ユニット31aと第2渦室ユニット31bとが備えられている。したがって、主液室14から副液室15に流通する液体に、第1渦室ユニット31aを流通させることで、振動を吸収および減衰するとともに、副液室15から主液室14に流通する液体に、第2渦室ユニット31bを流通させることで、振動を吸収および減衰することが可能になり、振動を効果的に吸収および減衰することができる。
【0052】
また連通孔32a、32bが、渦室33a、33bの端面から渦室33a、33b内に開口しているので、液体の旋回流を安定して生じさせることが可能になり、振動を効果的に減衰および吸収することができる。
さらに連通孔32a、32bが、渦室33a、33bの軸線Lと同軸に配置されているので、渦室33a、33bで形成される液体の旋回流の旋回方向に沿った長さを大きく確保して液体を渦室33a、33b内で滞留させ易くすることが可能になり、振動をより効果的に減衰および吸収することができる。
【0053】
また渦室33a、33bの軸線Lが、交差面に沿って延びているので、仕切り部材16に多くの渦室ユニット31a、31bを形成し易くすることが可能になり、この防振装置10のスペース効率を高めることができる。
さらに渦室ユニット31a、31bが、周方向に複数配置されているので、仕切り部材16に一層多くの渦室ユニット31a、31bを形成し易くすることが可能になり、この防振装置10のスペース効率を更に高めることができる。
【0054】
また、分割面42bが、全ての渦室ユニット31a、31bそれぞれの渦室33a、33bを軸線O方向に分割し、かつ、整流路34a、34bが、軸線O方向に延びて仕切り部材16の端面に開口している。したがって、分割体42aを金型によって形成する場合、この金型を分割体42aから軸線O方向に容易に脱型し易くすることが可能になり、この防振装置10を簡便に形成することができる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態に係る防振装置を、
図8を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0056】
図8に示すように、この防振装置50では、主液室14と副液室15とが、連絡流路30のみを通して連通されていて、制限通路44が設けられていない。そして、シェイク振動およびアイドル振動などの通常の振動が入力されたときに、この振動が複数の第1渦室ユニット31aおよび複数の第2渦室ユニット31bそれぞれによって吸収および減衰されるように、第1渦室ユニット31a、31bが設計されている。
【0057】
すなわち、アイドル振動は、比較的振幅が小さいものの周波数が高く、シェイク振動は、周波数が低いものの振幅が大きいことから、このような通常の振動が入力されたときには、主液室14から第1整流路34aを通して第1渦室33a内に流入する液体の流速をいずれも一定以上に高めることができる。したがって、本実施形態に係る渦室ユニット31a、31bの形状を、前記実施形態に係る防振装置10の渦室ユニット31a、31bとは異ならせることで、シェイク振動およびアイドル振動のいずれの振動が入力されたときであっても、
図5に2点鎖線で示すように、第1渦室33a内で液体の旋回流を形成することができる。
【0058】
その結果、例えば、液体の粘性抵抗や、旋回流を形成することによるエネルギー損失、液体と第1渦室33aの壁面との間の摩擦によるエネルギー損失などを起因として、液体の圧力損失が高められ、これにより振動が吸収および減衰される。なおこのとき、液体の流速の上昇に伴って第1渦室33a内に流入する液体の流量が顕著に上昇し、第1渦室33a内に流入した液体により形成された旋回流で第1渦室33a内が満たされた状態で、さらに液体が第1渦室33a内に流入しようとする場合、液体の圧力損失を大きく確保することができる。
【0059】
第1渦室33a内で旋回させられた液体は、その後、第1連通孔32aから流出され、連通路36および第2渦室ユニット31bを通して副液室15に流入する。このとき
図6に2点鎖線で示すように、第2連通孔32bから第2渦室33b内に流入した液体は旋回することなく、第2渦室33b内を単に通過して副液室15に流入する。
【0060】
また副液室15内の液体が、連絡流路30を通して主液室14側に向けて流動しようとすると、この液体はまず、第2整流路34bを通して第2渦室33b内に流入する。このときも、液体の流速が一定以上の高さである場合には、
図5に2点鎖線で示すように、第2渦室33b内で液体の旋回流を形成することが可能になり、液体の圧力損失が高められて振動が吸収および減衰される。なお図示の例では、第2渦室33b内の旋回流は、第1渦室33a内の旋回流と周方向に沿って同一方向に向けて旋回する。
【0061】
そして、第2渦室33b内で旋回させられた液体は、その後、第2連通孔32bから流出され、連通路36および第1渦室ユニット31aを通して主液室14に流入する。このとき
図6に2点鎖線で示すように、第1連通孔32aから第1渦室33a内に流入した液体は旋回することなく、第1渦室33a内を単に通過して主液室14に流入する。
【0062】
ところでこの防振装置50には、例えば想定よりも周波数が高く振幅が極めて小さい微振動などが意図せず入力されることがある。微振動が入力されたときには、整流路34a、34bを通して各渦室33a、33b内に流入する液体の流速が低いことから、
図7に2点鎖線で示すように、各渦室33a、33b内での液体の旋回が抑制される。そして、各渦室33a、33bで液体の旋回流が生じない場合には、液体が渦室33a、33bを単に通過して円滑に流通することから、動ばね定数の上昇が抑えられる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態に係る防振装置50によれば、渦室33a、33b内で液体の旋回流を形成することで、液体の圧力損失を高めて振動を吸収および減衰することができる。その結果、例えばアイドル振動やシェイク振動などの通常の振動が入力されたときに、振動の周波数によらず液体の流速に応じて振動を吸収および減衰することができる。したがって、互いに周波数が異なる複数種類の振動を吸収および減衰しつつ、構造の簡素化および製造の容易化を図ることができる。
【0064】
また、流速が低く渦室33a、33b内での液体の旋回が抑制された状態下では、動ばね定数の上昇が抑えられる。したがって、例えば、通常の振動よりも周波数が高く振幅が極めて小さい微振動などの意図しない振動が入力されたとき等、通常の振動が入力されたときよりも液体の流速が低いときには、動ばね定数の上昇を抑えることが可能になり、この防振装置50の製品特性を確保し易くすることができる。
【0065】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態に係る防振装置を、
図9から
図12を参照して説明する。
なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0066】
図9から
図12に示すように、この防振装置60では、制限通路44が、連絡流路30と独立して設けられるのに代えて、連絡流路30に接続されている。制限通路44は、多数の連絡流路30それぞれに1つずつ設けられている。各制限通路44は、連絡流路30における連通路36に接続されている。
【0067】
制限通路44には、第1制限通路44aと、第2制限通路44bと、が備えられている。第1制限通路44aは、連通路36と主液室14とを連通する。第2制限通路44bは、連通路36と副液室15とを連通する。第1制限通路44aおよび第2制限通路44bは、多数の連絡流路30に対して周方向に交互に配置されていて、周方向に隣り合う連絡流路30には、互いに異なる種類の制限通路44が設けられている。
【0068】
各制限通路44a、44bは、横通路61と、縦通路62と、を備えている。横通路61は、連通路36から径方向に向けて延びている。横通路61の軸線は、前記分割面42b上に位置する。縦通路62は、横通路61から軸線O方向の外側に向けて延び、主液室14または副液室15に開口する。
【0069】
前記防振装置60にシェイク振動が入力されて主液室14から連絡流路30に液体が流入しようとすると、前述のように第1渦室33a内で渦が発生する。その結果、主液室14内の液体が、第1制限通路44a、連通路36および第2渦室ユニット31bを通して副液室15に流入する。またこのとき、副液室15から連絡流路30内に液体が流入しようとすると、前述のように第2渦室33b内で渦が発生する。その結果、副液室15内の液体が、第2制限通路44b、連通路36および第1渦室ユニット31aを通して副液室15に流入する。
以上のように、シェイク振動の入力時に、液体が第1制限通路44aや第2制限通路44bを流通することで、振動を吸収および減衰することができる。
【0070】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0071】
ここで前記実施形態では、防振装置10、50は、アイドル振動およびシェイク振動の両方を吸収および減衰するが、本発明はこれに限られない。本発明は、第1振動と、この第1振動よりも周波数が高い第2振動と、の両振動を吸収および減衰する他の構成に適宜変更してもよい。
【0072】
また前記実施形態では、整流路34a、34bは、各渦室ユニット31a、31bに1つずつ設けられているが、本発明はこれに限られない。例えば、整流路は、各渦室ユニットに複数ずつ設けられていてもよい。
【0073】
また前記実施形態では、第1渦室33aと第2渦室33bとが、連通路36を通して連通されているが、これに限られない。例えば、第1渦室と第2渦室とが、薄板状の壁部を介して周方向に隣接していて、両渦室が、前記壁部に周方向に貫設された孔部を通して連通していてもよい。この場合、第1連通孔および第2連通孔それぞれを、共通の前記孔部により構成することができる。
【0074】
また前記実施形態では、渦室33a、33bの軸線Lが、周方向に沿って延び、交差面に沿って延びているが、本発明はこれに限られない。例えば渦室の軸線が、第1取付け部材の軸線方向に延びていてもよい。
さらに前記実施形態では、整流路34a、34bは、軸線O方向に延びているが、本発明はこれに限られない。例えば整流路が、第1取付け部材の径方向に延びていてもよい。
さらに本発明の変形例では、分割面が、全ての渦室ユニットそれぞれの渦室を第1取付け部材の軸線方向に分割していなくてもよい。
【0075】
また前記実施形態では、第1連通孔32aは、第2渦室ユニット31bを通して副液室15に連通しているが、本発明はこれに限られない。例えば第1連通孔が、副液室に直接開口していてもよい。この場合、例えば第1連通孔ではなく第1整流路が、第2渦室ユニットを通して主液室に連通していてもよい。
【0076】
また前記実施形態では、第2連通孔32bは、第1渦室ユニット31aを通して主液室14に連通しているが、本発明はこれに限られない。例えば第2連通孔が、主液室に直接開口していてもよい。この場合、例えば第2連通孔ではなく第2整流路が、第1渦室ユニットを通して副液室に連通していてもよい。
【0077】
また前記実施形態では、渦室ユニット31a、31bには、第1渦室ユニット31aおよび第2渦室ユニット31bが備えられているが、本発明はこれに限られない。例えば渦室ユニットとして、複数の第1渦室ユニットのみが備えられていてもよい。つまり本発明の変形例では、渦室ユニットに、渦室としての第1渦室が、整流路としての第1整流路を通して第1液室に連通し、連通孔としての第1連通孔を通して第2液室に連通する第1渦室ユニットが複数備えられた他の構成に適宜変更することができる。
さらに前記実施形態では、防振装置10、50に、第1液室としての主液室14が備えられ、第2液室としての副液室15が備えられているが、本発明はこれに限られない。例えば、防振装置に、第1液室としての副液室が備えられ、第2液室としての主液室が備えられた他の構成などに適宜変更してもよい。
【0078】
また前記実施形態では、仕切り部材16が、第1取付け部材11内の液室を、弾性体13を壁面の一部に有する主液室14、および副液室15に仕切るが、本発明はこれに限られない。例えば、前記ダイヤフラムを設けるのに代えて、弾性体を軸線方向に一対設けて、副液室を設けるのに代えて、弾性体を壁面の一部に有する受圧液室を設けてもよい。つまり仕切り部材が、液体が封入される第1取付け部材内の液室を、第1液室および第2液室に仕切り、第1液室および第2液室の両液室のうちの少なくとも1つが、弾性体を壁面の一部に有する他の構成に適宜変更してもよい。
【0079】
また渦室ユニット31a、31bは、前記実施形態に示したものに限られず、整流路から流入する液体の流速に応じて液体の旋回流を形成し、この液体を連通孔から流出させる渦室を有する他の構成に適宜変更してもよい。
【0080】
また前記実施形態では、エンジンを第2取付け部材12に接続し、第1取付け部材11を車体に接続する場合の説明をしたが、逆に接続するように構成してもよい。
【0081】
さらに、本発明に係る防振装置10、50は、車両のエンジンマウントに限定されるものではなく、エンジンマウント以外に適用することも可能である。例えば、建設機械に搭載された発電機のマウントにも適用することも可能であり、或いは、工場等に設置される機械のマウントにも適用することも可能である。
【0082】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。