(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6395353
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】金融カードによって指示される種々のアクションの実施(取引の実施に応答して所望のアクションを行うためのコンピュータによって実行される方法、システム、および、プログラム)
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/34 20120101AFI20180913BHJP
G06Q 50/00 20120101ALI20180913BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20180913BHJP
【FI】
G06Q20/34 430
G06Q50/00 300
G06Q30/06
【請求項の数】24
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-156357(P2013-156357)
(22)【出願日】2013年7月29日
(65)【公開番号】特開2014-35769(P2014-35769A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2016年7月19日
(31)【優先権主張番号】13/569588
(32)【優先日】2012年8月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108501
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・フレデリック・ブルン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ウィリアム・キャンピオン
【審査官】
加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/016199(WO,A2)
【文献】
特開2003−132395(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0010254(US,A1)
【文献】
特表2013−543605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融カードを用いる取引の実施に応答して所望のアクションを行うための、コンピュータによって実行される方法であって、
前記金融カードを用いる取引の実施から独立して、コントロールをユーザインターフェース上に生成させることであって、前記コントロールは複数の独立した情報セットを記憶するメモリにアクセスし、前記コントロール上でのユーザ入力に従って前記複数の独立した情報セットを変更することができるように構成され、前記複数の独立した情報セットのそれぞれが、
前記金融カードを用いる取引に関連付けられた情報を公開または半公開することを含む1以上のアクションであって、それぞれが前記公開または半公開を行う1以上のエンティティを特定する、1以上のアクションと、
対応するアクションが実行において従うべき設定とを含む、生成させることと、
取引の実施に関連する販売時点管理装置から、当該取引に用いる金融カードに関連付けられた複数のインジケータのうちの1つであって、前記複数の情報セットからユーザが選択した情報セットに対応するものを受信することと、
前記インジケータのうちの1つを受信したことに応じて、前記受信したインジケータに関連付けられた前記複数の独立した情報セットのうちの1つを検索することと、
前記検索された情報セットに含まれる前記アクションを前記対応する設定に従って実行することと
を含む、コンピュータによって実行される方法。
【請求項2】
前記受信したインジケータに関連付けられた前記複数の独立した情報セットのうちの1つに含まれる前記アクションは、ソーシャルメディアネットワークに自動的に投稿することを含み、前記設定は、前記ソーシャルメディアネットワークのための設定を含み、前記受信したインジケータに関連付けられた前記複数の独立した情報セットのうちの1つに含まれる前記アクションを実行することは、
前記取引に関連付けられた情報を前記設定に従って自動的に前記ソーシャルメディアネットワークに投稿して、前記ソーシャルメディアネットワーク内の選択されたエンティティに前記取引の発生を通知することを含む、請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項3】
前記金融カードは、異なるアクションの実行についてのそれぞれの独立した情報セットに各々が関連付けられた複数のストレージ媒体を含み、前記インジケータを受信することは、
前記ストレージ媒体のうちの適切な1つから、所望のアクションに対応する前記情報セットに関連付けられた前記インジケータを取得することを含む、請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項4】
前記ストレージ媒体は、磁気ストリップを含む、請求項3に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項5】
前記ストレージ媒体は、電子メモリ回路を含む、請求項3に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項6】
前記金融カードは、各々が個人識別番号を含み、かつ、異なるアクションの実行のためのそれぞれ独立した情報セットに関連付けられた、複数のインジケータに関連付けられ、前記インジケータを受信することは、
所望のアクションに対応する前記情報セットに関連付けられた適切な個人識別番号を受信することを含む、請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項7】
前記インジケータは、前記販売時点管理装置により利用されているプロトコルに従って前記取引に関する支払いを可能にする、アカウント番号及び個人識別番号を含む、請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項8】
前記インジケータは、前記販売時点管理装置において複数の個人識別番号から選択された個人識別番号の識別子を含み、各々の前記個人識別番号の前記識別子は、前記個人識別番号を除外したものである、請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項9】
金融カードを用いる取引の実施に応答して所望のアクションを行うためのシステムであって、
前記金融カードを用いる取引の実施から独立して、コントロールをユーザインターフェース上に生成させることであって、前記コントロールは複数の独立した情報セットを記憶するメモリにアクセスし、前記コントロール上でのユーザ入力に従って前記複数の独立した情報セットを変更することができるように構成され、前記複数の独立した情報セットのそれぞれが、
前記金融カードを用いる取引に関連付けられた情報を公開または半公開することを含む1以上のアクションであって、それぞれが前記公開または半公開を行う1以上のエンティティを特定する、1以上のアクションと、
対応するアクションが実行において従うべき設定とを含む、生成させることと、
取引の実施に関連する販売時点管理装置から、当該取引に用いる金融カードに関連付けられた複数のインジケータのうちの1つであって、前記複数の情報セットからユーザが選択した情報セットに対応するものを受信することと、
前記インジケータのうちの1つを受信したことに応じて、前記受信したインジケータに関連付けられた前記複数の独立した情報セットのうちの1つを検索することと、
前記検索された情報セットに含まれる前記アクションを前記対応する設定に従って実行することと
を実施するように構成されたプロセッサを含む、システム。
【請求項10】
前記受信したインジケータに関連付けられた前記複数の独立した情報セットのうちの1つに含まれる前記アクションは、ソーシャルメディアネットワークに自動的に投稿することを含み、前記設定は、前記ソーシャルメディアネットワークのための設定を含み、前記受信したインジケータに関連付けられた前記複数の独立した情報セットのうちの1つに含まれる前記アクションは、
前記取引に関連付けられた情報を前記設定に従って自動的に前記ソーシャルメディアネットワークに投稿して、前記ソーシャルメディアネットワーク内の選択されたエンティティに前記取引の発生を通知することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記金融カードは、異なるアクションの実行についてのそれぞれの独立した情報セットに各々が関連付けられた複数のストレージ媒体を含み、所望のアクションに対応する前記情報セットに関連付けられた前記インジケータは、前記ストレージ媒体のうちの適切な1つから取得される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記ストレージ媒体は、磁気ストライプを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ストレージ媒体は、電子メモリ回路を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記金融カードは、各々が個人識別番号を含み、かつ、異なるアクションの実行のためのそれぞれ独立した情報セットに関連付けられた、複数のインジケータに関連付けられ、前記プロセッサは、所望のアクションに対応する前記情報セットに関連付けられた適切な個人識別番号を受信する、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記インジケータは、前記販売時点管理装置により利用されているプロトコルに従って前記取引の支払いを可能にする、アカウント番号及び個人識別番号を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記インジケータは、前記販売時点管理装置において複数の個人識別番号から選択された個人識別番号の識別子を含み、各々の前記個人識別番号の前記識別子は、前記個人識別番号を除外したものである、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
金融カードを用いる取引の実施に応答して所望のアクションを行うためのコンピュータ・プログラムであって、
前記金融カードを用いる取引の実施から独立して、コントロールをユーザインターフェース上に生成させることであって、前記コントロールは複数の独立した情報セットを記憶するメモリにアクセスし、前記コントロール上でのユーザ入力に従って前記複数の独立した情報セットを変更することができるように構成され、前記複数の独立した情報セットのそれぞれが、
前記金融カードを用いる取引に関連付けられた情報を公開または半公開することを含む1以上のアクションであって、それぞれが前記公開または半公開を行う1以上のエンティティを特定する、1以上のアクションと、
対応するアクションが実行において従うべき設定とを含む、生成させることと、
取引の実施に関連する販売時点管理装置から、当該取引に用いる金融カードに関連付けられた複数のインジケータのうちの1つであって、前記複数の情報セットからユーザが選択した情報セットに対応するものを受信することと、
前記インジケータのうちの1つを受信したことに応じて、前記受信したインジケータに関連付けられた前記複数の独立した情報セットのうちの1つを検索することと、
前記検索された情報セットに含まれる前記アクションを前記対応する設定に従って実行することと
をコンピュータが実施するように構成されたコンピュータ可読プログラム・コードを含む、コンピュータ・プログラム。
【請求項18】
前記受信したインジケータに関連付けられた前記複数の独立した情報セットのうちの1つに含まれる前記アクションは、ソーシャルメディアネットワークに自動的に投稿することを含み、前記設定は、前記ソーシャルメディアネットワークのための設定を含み、前記受信したインジケータに関連付けられた前記複数の独立した情報セットのうちの1つに含まれる前記アクションを実行することは、
前記取引に関連付けられた情報を前記設定に従って自動的に前記ソーシャルメディアネットワークに投稿して、前記ソーシャルメディアネットワーク内の選択されたエンティティに前記取引の発生を通知することを含む、請求項17に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項19】
前記金融カードは、異なるアクションの実行についてのそれぞれの独立した情報セットに各々が関連付けられた複数のストレージ媒体を含み、前記インジケータを受信することは、
前記ストレージ媒体のうちの適切な1つから、所望のアクションに対応する前記情報セットに関連付けられた前記インジケータを受信することを含む、請求項17に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項20】
前記ストレージ媒体から前記インジケータを受信することは、前記金融カード上に配置された磁気ストリップから前記インジケータを受信することを含む、請求項19に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項21】
前記ストレージ媒体から前記インジケータを受信することは、前記金融カード上の電子メモリ回路から前記インジケータを受信することを含む、請求項19に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項22】
前記金融カードは、各々が個人識別番号を含み、かつ、異なるアクションの実行のためのそれぞれ独立した情報セットに関連付けられた、複数のインジケータに関連付けられ、前記インジケータを受信することは、
所望のアクションに対応する前記情報セットに関連付けられた適切な個人識別番号を受信することを含む、請求項17に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項23】
前記インジケータを受信することは、前記インジケータから、前記販売時点管理装置により利用されているプロトコルに従って前記取引に関する支払いを可能にするアカウント番号及び個人識別番号を受信することを含む、請求項17に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項24】
前記インジケータは、前記販売時点管理装置において複数の個人識別番号から選択された個人識別番号の識別子を含み、各々の前記個人識別番号の前記識別子は、前記個人識別番号を除外したものである、請求項17に記載のコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、金融取引に関し、より具体的には、金融取引に応答して、金融カードにより指示される種々のアクションを実施することに関する。これらのアクションは、金融カード(クレジット又はデビットカード)による金融取引(品物及び/又はサービスの購入)に関する情報を公開又は半公開的フォーラム、例えばソーシャルメディア環境に提供することを含むことができる。
【背景技術】
【0002】
金融カードによって行った取引に関する情報の投稿は既に開発されている。しかしながら、現在普及している技術には、多くの異なる要因による限界がある。例えば、幾つかのシステムは、消費者の金融カード記録に第三者がアクセスすることを要し、この記録を分析して、その後で関連情報を投稿することができる。取引記録の分析と取引の投稿との間の遅延は、スピードが重視されるマーケティング戦略に悪影響を与えかねない。他のシステムは、何を投稿すべきかを決定するための販売時点管理(POS)機構を有していない。さらに、既存の手法は、投稿と引き換えに割り戻し及びその他のインセンティブの影響力を行使することができないので、その結果、自動的に取引を投稿するシステムの採用は低迷している。
【0003】
より多くの情報交換に対応し、カード所有者が取引中に付加的な情報を入力するか又は提供することを可能にするPOS機構の提供を達成することは可能ではあるが、販売時点での適切なプロトコルを実装するにはハードウェアの交換及び/又はソフトウェアのアップグレードという代償が伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、金融取引に応答して、金融カードにより指示される種々のアクションを実施することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの実施形態によると、取引の支払いを申し出る金融カードに関連付けられたインジケータを販売時点管理装置から受信する。ストレージ装置は、金融カードに関連付けられた独立した情報セットを格納する。情報セットは、実行される異なるアクション及び該アクションに対応する設定を指示する。販売時点管理装置から受信したインジケータは、独立した情報セットのうちの1つに関連付けられる。受信したインジケータに関連付けられたアクションは、金融カードによる取引の実施に応答して、対応する設定に従って実行される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明を具体化することができる分散処理環境の略ブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態に適した例示的な金融カードの実施形態の図である。
【
図3】本発明を具体化することができるソーシャルメディアの投稿を伴う金融取引の手続フローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態においてユーザ定義ソーシャルメディア・アクションを構成することができるユーザコントロールの図である。
【
図5】本発明の実施形態においてユーザ定義ソーシャルメディア・アクションを構成することができるユーザコントロールの別の図である。
【
図6】本発明の実施形態による割り戻し取引の手続フローチャートである。
【
図7】本発明を具体化することができるソーシャルメディアの投稿を伴うジオタグ付けされた金融取引の手続フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態は、金融取引に応答して行うアクションを指示する金融カードを提供する。アクションは、金融取引に関する情報をソーシャルメディアサイトに投稿すること、及び/又は、特定の分類、メタデータ、タグ又はマークをその取引に関連付けることを含むことができる。従って、本発明の実施形態は、販売時点管理ソーシャルメディア統合化を提供して、消費者が販売時点で決定を下すことを可能にする。これらのアクティビティは、既存の販売時点管理プロトコル、基本的な交換及び金融清算の機構を用いて達成される。
【0008】
本発明の概念は、本明細書において添付の図面を参照して詳細に説明される特定の実施形態を通して最も良く説明され、図中、全体を通して同様の参照符号が同様の特徴を指す。「発明」という用語は、本明細書において用いられる場合、後述の実施形態自体のみならず、実施形態の基になる発明の概念も内包することが意図されるものと理解されたい。一般的な本発明の概念は、後述の例示的な実施形態に限定されるものではなく、以下の説明はその点を考慮して読むべきであることをさらに理解されたい。
【0009】
さらに、「例示的な」という用語は、本明細書において用いられる場合、「例、事例、又は例証として役立つ」ということを意味することが意図される。本明細書において例示的なものであると明示された構造、プロセス、設計、技術等のいずれの実施形態も、必ずしも他のそのような実施形態よりも好ましいもの又は有利なものであると解釈すべきではない。本明細書において例示的であると示された例の個別の質又は適合性は、意図されたものではなく、推論すべきものでもない。
【0010】
本明細書において用いられる他の用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書において用いられる場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示していない限り、複数形も同様に含むことが意図される。「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有する(have)」、「有している(having)」、「伴う(with)」などの用語は、この明細書において用いられる場合、言明された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことが、さらに理解されるであろう。
【0011】
図1は、本発明を具体化することができる分散処理システム100の略ブロック図である。処理システム100は、以下で個別に説明される幾つかの相互運用される処理ユニットを含み、この処理ユニットは、本明細書において代表してネットワークインターフェース103と呼ばれるネットワークインターフェース103a−103gと、本明細書において代表してプロセッサ105と呼ばれるプロセッサ105a−105gと、本明細書において代表して1つ又は複数のメモリ107と呼ばれるメモリ107a−107gとを含む。ネットワークインターフェース103は、処理ユニットがそれにより通信ネットワーク110上で互いに通信する、通信機構を実装する。ネットワーク110は、任意の数のいずれかの適切な通信機構及び媒体、例えば、広域ネットワーク(WAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、インターネット、イントラネット等によって実装することができる。
【0012】
プロセッサ105は、それぞれの処理ユニットのデータ処理機能を実装することができ、並びに、個々の処理ユニットが自律的に動作すると共に他の処理ユニットと相互運用することができるようにする機能を制御することができる。例えば、プロセッサ105は、これが結合されたメモリ107内に格納されたプロセッサ命令を実行するマイクロプロセッサとすることができる。プロセッサ命令に加えて、メモリ107は、データ処理動作が実行される対象のデータも格納することができる。ネットワークインターフェース103、プロセッサ105及びメモリ107は、広範な固定のプログラム可能回路で構築することが可能であり、本発明はそのいずれかの特定の実装形態に限定されるものではないことを理解されたい。当業者であれば、本開示を検討することにより、これらの各々の要素の役割を容易に認識するであろう。
【0013】
本発明は、品物及びサービスの支払いがクレジットカード、デビットカード、ギフトカードなどの金融カードで行われるような、電子的支払いインフラストラクチャを利用することができる。従って、処理システム100は、販売時点管理(POS)端末120を含むことができ、ユーザ101による支払はそこで始動される。そのために、ユーザ101に対して発行される金融カードは、例えば、磁気ストライプ、無線周波数識別(RFID)又は近接場通信(NFC)装置のようなコンピュータ可読媒体を組み込むことができ、これはPOS端末120内の例えば磁気ストライプ又はスマートカードリーダ122のような適切な装置によって読み取ることができる。POS端末120は、データ入力パッド124をさらに含むことができ、入力が要求されると、消費者101はこのデータ入力パッドで個人識別番号(PIN)を入力する。
【0014】
POS端末120は、POS端末120を用いる加盟店(merchant)に代わって金融取引を行う加盟店銀行サーバ140に、ネットワーク110を介して通信可能に結合することができる。カード発行銀行サーバ160もまたネットワーク110に通信可能に結合しており、消費者101とカード発行銀行との間で確立されたカード所有者の合意によって、消費者に代わって金融取引を行うことができる。
【0015】
本発明の実施形態における支払いインフラストラクチャと重なって、例えば、TWITTER、FACEBOOK、LINKEDIN等によって実装されるような1つ又は複数のソーシャルコンテンツ配信システムが存在する。本発明の実施形態は、消費者101が、POS端末での使用のためのPINが割り当てられた、消費者自身の例えばデビットカード又はクレジットカードなどの金融カードアカウントに関連付けられた特徴を用いて、代表してソーシャルメディアサーバ170で示されるソーシャルメディアサイトに配信取引情報を関連付けることを可能にする。特定の実装において、加盟店は、該加盟店の銀行及び/又はカード発行銀行に割増交換手数料又は追加手数料を支払って、消費者に対して、実際に行った購入に関してソーシャルメディアサイトに投稿することに対するインセンティブ、例えば、割引、報酬、割り戻し等として割引が与えられるようにすることができる。カード発行者も同様にその割引の何割かを得るか、又はそのようなサービスを小売店に提供することに対する手数料を課金することができる。これらの割引は、加盟店とカード発行者とが同じ銀行を利用している場合に利用可能なものとすることができ、又は、カード発行銀行は、加盟店銀行に請求される付加的な交換手数料と引き換えにそのようなサービスを提供することができる。従って、加盟店銀行サーバ140上には、インセンティブ・プログラムをそれに関するカード発行銀行の機構と協働して追跡及び促進する、プログラム関与データを格納することができる。
【0016】
本発明の実施形態は、消費者101が一意のPINを金融カードに割り当てることを可能にし、又は、購入用のPINで保護されていないクレジットカードの場合には、カードは、該カードの別々の縁部に1つずつ異なる磁気ストライプを有することができる。そのような金融カードは、本明細書においてまとめて
図2と呼ばれる
図2(A)−
図2(B)に示される。
図2(A)は、金融カード200の表側210の図であり、
図2(B)は、金融カード200の裏側250の図である。そのような金融カードに一般的であるように、金融カード200は、顧客名及びカード番号などの顧客情報214、銀行のロゴなどの発行銀行情報216、及び、顧客の署名が本人確認の目的で記録される署名ストリップ230を含むことができる。金融カード200は、本明細書においては代表してストライプ212と呼ばれる1つ又は複数の磁気ストライプ212a−212dを含むことができる。各ストライプ212上には、それにより金融取引を行うことができるデータ、並びに、ソーシャルウェブサイトへの投稿のような第三者への金融取引の開示に関する顧客の選択肢及び基本設定に関連付けられた付加的情報を格納することができる。
図2に示されるように、カード200は4つのストライプ212を含んでおり、従って顧客は、そのような第三者に対して、どのように、どこで、及び何を開示するかについて4組の設定を構成することができる。ストライプ212を互いに区別し易くするために、カード200は、顧客が個々のストライプ212にラベル表示することができる小さい書き込みフィールド222a−222dを含むことができる。カード200はまた、視覚障害のある顧客がそれによってカードの縁部を区別することができる、三角形220a、十字形220b、四角形220c及び円形220dなどの4つの異なる隆起形状を含むことができる。
図2に示されるように、一組の形状、例えば三角形220a及び十字形220bが一方の側210に隆起し、残りの組の形状、例えば矩形220c及び円220dが裏側250に隆起する。
【0017】
単一のストライプ212がカード200上に配置された本発明の実施形態、又は単一のPINがカードに割り当てられている場合には、金融取引は、従来の方式で行うことができる。別のPIN又はストライプ212がカード200に関連付けられた実施形態においては、PIN又はストライプ212を用いて取引が開始されたときに、ユーザ選択のアクションを実行することができる。例えば、そのようなアクションの1つは、取引に関するユーザ選択の詳細が、例えば1つ又は複数の選択されたソーシャルサイトに投稿することにより、公開的又は半公開的に開示されることを可能にする。カード200の縁部上の専用のPIN又はストライプ212を用いることにより、消費者は、彼らのソーシャルコミュニティに対して、例えば、彼らが特定のコーヒーショップでコーヒーを飲んでいるところであり、そのコーヒーショップがどこに位置するかを通知する。本発明の実施形態は、金融カード200に割り当てられた余分のPINを通して、又は金融カード200上に配置された付加的なストライプ212により、特定の取引をどのように扱うかについての異なる設定を構成する大きな自由度を与える。例えば、他のアクションは、取引が弁済可能であるかどうかマークを付けること、販売時点で他の弁済分類を作成すること、又は、例えば法人クレジットカードが1つの部署か又は別の部署に課金することを許容する場合などに、異なるアカウントコードで取引にマークを付けること、を含むことができる。消費者は、販売時点で、所与の取引に関連付けられたどのアクションを実行するかを決定する。本明細書で説明される例示的な実施形態は、ソーシャルメディアを背景として、取引詳細を投稿することを基本アクションとして提示されるが、当業者は、本開示を検討することにより、実行することができる多数のアクション及びそのようなアクションを実行することができるその他の多数の背景を認識するであろうことを理解されたい。
【0018】
本発明の実施形態は、カード所有者が、ユーザデータベース172内に格納されているであろう自身のソーシャルメディア・アカウント情報を加盟店とシェアすることを承認することを可能にする。このことは、金融カード200に関連付けられたPIN/ストライプを介して構成可能であり得る。加盟店は、例えばカード発行者から、消費者のソーシャルメディア情報へのアクセスを提供するサービスを購入することができる。加盟店は、随意に、そのようなアクセスを許可することと引き換えに消費者に割引を提案することができる。これらの割引は、カード所有者が取引を通して彼らの基本的なソーシャルメディア情報をシェアすることを奨励するように、販売時点で提案するか又は宣伝することができる。加盟店がこのサービスについてカード発行者に登録しており、カード所有者も同様に彼らのPIN又はストライプ212の1つ又は複数に関連付けられた設定の使用を通してシェアを承認しているという条件で、加盟店は、そのカード所有者に関する基本的なソーシャルメディア・アカウント情報を受け取り、この情報を利用するウェブレポートへのアクセスを有することができる。カード発行者としては、加盟店によって設定されたなんらかの適用可能な割引額があればそれを自動的にカード所有者に貸方記入し、そして、消費者への割引自体の費用に加えて、付加的な交換手数料、又は加盟店とカード発行者の銀行が同じである場合には追加手数料をその取引に対して課金することができる。
【0019】
図1に戻ると、カード発行銀行サーバ160のメモリ107内には、顧客名及び住所、口座番号、口座残高、並びに購入及びその他の金融取引、請求等を行うための他の金融及び個人データなどのような顧客データ162を格納することができる。カード発行銀行サーバ160は、各顧客の金融カードに関する情報を含むカード構成データ166も格納することができる。そのような情報は、PINデータ、及び、どんな情報が各ストライプ212上に記録されているか、例えば、ストライプがカードリーダ122に通されたときに特定のアクションに関連付けることができるストライプの識別子など、を含むことができる。カード発行銀行サーバ160上のアクションサーバデータ164は、以下に説明するように顧客によって指定されたアクションを促進するアクションサーバ150に関する情報を含むことができる。アクションサーバデータ164は、アクションサーバ150のネットワークアドレス、並びに、ユーザインターフェース165を通して提示されるウェブページのようなユーザコントロールを含むことができ、そのユーザコントロールによりユーザ指定のアクションを構成することができる。カード発行者はまた、ソーシャルメディアサイトに投稿された取引を追跡することもできる。そのような情報及び設定は、ウェブサーバを実装することができるユーザインターフェース165を通してカード所有者にとって利用可能なものにすることができ、顧客データベース162に格納することができる。
【0020】
アクションサーバ150は、カードリーダ122に通すこと及び/又は入力パッド上でのPIN入力のような金融カード関連の入力に応答して実行されるアクションを促進する。特定の実施形態において、アクションサーバ150は、カード発行銀行サーバ160のコンポーネントとすることができる。カード発行銀行サーバ160のメモリ107f内のアクションサーバデータ164は、アクションサーバ150との通信をそれにより行うことができる、ネットワークアドレス及びプロトコル情報のようなデータを含むことができる。他の実施形態において、アクションサーバ150は、本明細書においてはアクションサービスと呼ばれる第三者サービスによって操作及び制御することができ、そのように具体化された場合には、アクションサービスアカウント所有者によってユーザインターフェース155を通してアクセス可能とすることができる。アクションサーバ150は、ソーシャルメディアデータをメモリ107d内に格納することができ、このソーシャルメディアデータは、1つ又は複数のソーシャルメディアサーバ170のネットワークアドレス、及び、異なるソーシャルメディアサイトに対する投稿をフォーマットするためのメッセージテンプレートを含むことができる。さらに、メモリ107dは、ソーシャルメディアアカウントデータなどのユーザ情報を含むユーザデータベース154を含むことができる。
【0021】
図3は、本発明を具体化することができるソーシャルメディア開示方法300を示す。動作305において、POS端末120がカード200からのデータを要求することによって取引が開始され、このデータは、動作310において、カードリーダ122にカード200を通すことなどによって、POS端末120に提供される。動作315において、POS端末120は、消費者101からのPINを要求することができ、このPINは、動作320において、消費者101により、入力パッド124などを通してPOS端末120に提供される。すなわち、消費者101は、行われるアクションのタイプに関連付けられたPINを入力する。その代わりに又はそれに加えて、消費者101は、行われるアクションに対応する磁気ストライプ212が配置されたカード200の特定の縁部をカードリーダに通すことができる。ひとたびPIN又はストライプ情報が得られると、動作325において、POS端末120は、適切にフォーマットされた取引承認要求を加盟店銀行サーバ140に送る。加盟店銀行サーバ140は、カード発行銀行サーバ160に承認要求を転送し、カード発行銀行サーバ160は、顧客データ162を調べて、特に、有効なPINが入力されたかどうか、又は承認要求が有効であるかどうか、及び、取引を完結するのに十分な資金が利用可能であるかどうか判断する。そのような判断、すなわち取引が承認された又は拒絶されたという結果は、動作365において、カード発行銀行サーバ160から加盟店銀行サーバ140に提供され、次いで動作370においてPOS端末120に提供される。
【0022】
前述の金融取引に加えて、開示アクションを同時に行うことができる。動作335において、取引のタイプ、及び承認に用いられる対応するPIN又はその識別子がアクションサーバ150に提供される。このような情報を受け取ると、アクションサーバ150は、動作345において、PINに関連付けられた顧客の基本設定を要求し、顧客の基本設定を得ることができる。動作350において、取引が行われた加盟店に関する情報のような他の情報に対する要求が始動される。加盟店情報は、動作355において取得することができる。動作360において、動作340−355で収集された全ての関連情報は、適切なメッセージにフォーマットされ、ソーシャルメディアサーバ170のような適当な第三者システムに伝送され、そこでユーザの基本設定に従って取引情報が投稿される。
【0023】
集積回路を保持するスマートカードが用いられるような特定の実施形態においては、取引プロトコルは、カード発行銀行サーバ160によるPIN確認を要求することなく、PINをPOS端末120で確認することを可能にする。カード上のメモリ(図示せず)は、デジタル証明データのようなセキュリティ情報を含むことができ、これにより、POS端末120でユーザの身元を確認することができる。このように具体化された場合、取引プロトコルは、スマートカードチップ上の情報からPOS端末120により生成されたテキストのストリングを、カード発行銀行サーバ160又はアクションサーバ150に送ることができる。そのようなストリングは、カード発行銀行が取引を確認するための情報だけでなく、用いられたPINに関連付けられた識別子も含むことができるが、セキュリティ上の理由のため、実際のPINは除外される。例えば、承認要求は、例えば、「ユーザはPINとして1234を入力した」の代わりに「ユーザはPIN#1を入力した」のようなテキストストリングを含むことができる。ここで、カード内の集積回路は、1234はPIN#1であるという知識を伴って構成され、これがPOS端末120で確認され、かつ、カード発行銀行サーバ160又はアクションサーバ150は、PIN#1の識別子と特定のアクションの組との関連を格納しており、この特定のアクションの組は、実際のPIN自体の確認を要求することなく実行される。
【0024】
図4は、情報配信基本設定に対するユーザ制御を与える、モバイルアプリケーションインターフェースによって実装することもできるウェブページ400の形態のユーザコントロールの図を示す。ウェブページ400は、カード所有者がそれによりPOS端末120におけるアクティビティに対する応答を構成することができる、1つ又は複数のアクションセット410を含む。カード所有者は、リンク済みアカウント・コントロール430に示されたソーシャルメディア・アカウントを、特定のPIN又はカードストライプ212の1つに割り当てられたアクション又はアクション群とリンクさせることができる。ウェブページ400及びその他のユーザコントロールは、アクションサーバ150によって制御される独立したユーザインターフェースとすることができ、又は、プログラマティックサービスインターフェースを通してアクションサーバ150と通信するカード発行銀行サーバのアカウント管理機能に統合することができる。その代わりに又はそれに加えて、ユーザインターフェースは、例えばユーザインターフェース155を介して、アクションサービスによって描画することができ、カード発行銀行のウェブサイトコントロールに動的に含めることができる。
【0025】
アクションセット・コントロール410は、取引情報を配信するためにユーザによって前もって構成されたアクションをリスト表示する。新規アクションは、新規アクション・コントロール415をアクティブ化することにより作成することができ、既存のアクションは、名称変更コントロール420をアクティブ化することにより名称変更することができ、削除コントロール422をアクティブ化することにより削除することができ、アクション設定コントロール424をアクティブ化することにより編集することができる。PINは、PIN#リセットコントロール426をアクティブ化することによりリセットすることができ、異なる磁気ストライプ212に対するアクションの割り当ては、ストライプコントロール428により変更することができる。
【0026】
ユーザは、データ入力コントロール(図示せず)をインスタンス化することができる新規アカウントリンク・コントロール434を作動させることによりリンク済みアカウントのリストに追加することができ、このデータ入力コントロールにより、ソーシャルメディア・アカウント情報、例えばユーザ名、パスワード、URL(Uniform Resource Locater)、インターネットプロトコルアドレス等を与えることができる。リンク済みソーシャルメディア・アカウントは、次いで承認コントロール432をアクティブ化することによって承認することができ、これにより、ユーザの基本設定に従ってそのアカウントに投稿することが可能になる。
【0027】
図5は、それによりアクションが構成されるウェブページ500の形態の別のユーザインターフェースコントロールを示す。
図5の例においては、
図4に示されたお気に入りアクションセットのアクション設定コントロール424がアクティブ化されて、アクション構成コントロール510がインスタンス化されている。アクション構成コントロール510は、ユーザが、取引情報をどのように広めるかを確立することができるコントロール520と、ユーザが、どの情報を公表するかを確立することができるコントロール525と、ユーザが、情報を公表するコミュニティを指定することができるコントロール530とを含むことができる。各コントロール520、525及び530は、アクティブ化されると、対応するフィールドに対して利用可能な幾つかの選択肢をリスト表示する選択肢コントロール535をインスタンス化することができる。
図5には数個の選択肢しか示されていないが、本発明の精神及び意図した範囲から逸脱することなく、本発明の実施形態において多数の選択肢を実装することができることを、当業者は認識するであろう。
【0028】
図6は、ソーシャルメディア・アカウントへの投稿の結果として消費者クレジット(貸方)が発行されるプロセス600のフロー図である。プロセス600は、取引プロセス、例えば
図3に示されるプロセス300の直後に実行することもでき、又は、ある程度の時間が経過した後に、アクションサーバ150が元の投稿が依然として公表されていることを消費者のソーシャルメディア・アカウントから判定してから実行することもできる。
図6に示されるように、アクションサーバ150は、動作610において、加盟店がアカウントを有しており、プロモーションを設定しているかどうか判断する。プロモーションは、加盟店が、ソーシャルメディア・アカウントに対するユーザの投稿と引き換えに払い戻し又はその他のプロモーション対価を指定することを可能にする。例えば、加盟店は、取引に関する投稿と引き換えに消費者が5%の返金を得ること、又は、投稿された取引10回ごとに特定の額まで無料にすることを指定することができる。消費者がその資格を得ることができるプロモーションは、動作612において取得することができる。消費者に対するなんらかのクレジットを計算すると、アクションサーバ150は、動作614において、消費者が受け取る資格がある額をカード発行銀行サーバ160に通知し、動作616において、割り戻し要求などを加盟店銀行サーバ140に送る。加盟店銀行サーバ140は、次いで加盟店に対して、クレジットを発行するか又は課金若しくは入金相殺を調整することができる。特定の実施形態において、加盟店は、アクションサービスによるアカウントを構成することができ、割り戻しは、実際には加盟店に対する新規の課金とすることができ、又は元の取引に対する入金相殺とすることができる。カード発行銀行は、次いで、適正な額を消費者の貸方残高に借方記入する。加盟店に対する課金又は入金相殺は、借方金額と等しい必要はないことを理解されたい。カード発行銀行は、アクションサービスを通して設定された事前合意に従って、貸方金額より少ない借方を発行することにより、有効に加盟店に課金することができる。
【0029】
再び
図1を参照すると、ユーザ101は、スマートフォン、モバイルコンピュータ等などのモバイル機器130を所有することができるように図示されている。モバイル機器130は、モバイルネットワークインターフェース132を含むことができ、それによりセルラー通信ネットワーク(図示せず)などの無線通信ネットワーク上で通信を行うことができる。セルラーネットワークは、適切なゲートウェイなどによってネットワーク110に通信可能に結合することができる。モバイル機器130は、ユーザインターフェース136を実装することができ、消費者101はこのユーザインターフェースを通して、モバイル機器130を操作し、ネットワーク110上で通信し、アプリケーションと対話し、そのためのコードは、アプリケーションプロセッサ命令138としてメモリ107b内に格納することができる。さらに、モバイル機器130は、モバイル機器130の位置、そしておそらくは消費者101の位置をそれにより確認することができる、全地球測位システム(GPS)受信機などの位置識別装置134を含むことができる。そのように具体化された場合、モバイル機器130上で実行されているモバイルアプリケーション138は、位置ID装置134により提供される位置データをソーシャルメディアストリームに組み込むことを可能にすることができる。
図7は、そのような位置データをどのように組み込むことができるかのフロー図であり、ここで動作705−745及び動作750−770は、
図3を参照して示され説明された対応する動作と同様の方法で行うことができる。本発明の実施形態は、加盟店がその所在地を、ソーシャルメディアの投稿にジオタグが付けられる、すなわち位置固有データを含めるという付加的な利益のために、カード発行銀行サーバ160及び/又はアクションサーバ150に登録することを可能にすることができる。動作770において、アクションサーバ150は、位置データについてモバイル機器130に照会し、動作775において、モバイルアプリケーション138は、カード発行銀行サーバ160に対して機器位置で応答する。カード所有者は、ゼロ又はそれ以上の専用のPIN及び/又はストライプを、ジオタグ付けサービスを利用できるように設定することができる。例えば、プリセットされたPIN又はストライプのうち1つだけがジオタグ付け用に構成されており、かつ、そのようなPIN又はストライプが取引中に選択された場合にのみ、カード発行者は機器位置を要求する。他のPIN/ストライプを用いて行われる取引は、機器に対するプッシュ通知を始動しない。関連した機構を用いて、モバイル機器130の物理的位置が取引が実施された位置と近接していることを確認することにより、従来型(brick and mortar)加盟店における不正行為を防止することもできる。
【0030】
以下の特許請求の範囲における全ての「手段又はステップと機能との組み合わせ(ミーンズ又はステップ・プラス・ファンクション)」要素の対応する構造、材料、動作及び均等物は、その機能を、明確に特許請求されているように他の特許請求された要素と組み合わせて実行するための、いかなる構造、材料又は動作をも含むことが意図される。本発明の説明は、例示及び説明の目的で提示されたものであるが、網羅的であることを意図するものではなく、本発明を開示された形態に限定することを意図するものでもない。本発明の範囲及び精神から逸脱することのない多くの変更及び変形が、当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の原理及び実際の用途を最も良く説明するため、及び、当業者が本発明を種々の変更を有する種々の実施形態について企図される特定の使用に適したものとして理解することを可能にするために、選択され、説明された。
【0031】
当業者により認識されるように、本発明の態様は、システム、方法又はコンピュータ・プログラム(製品)として具体化することができる。従って、本発明の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又はソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形態をとることができ、本明細書においては、これら全てを一般的に「回路」、「モジュール」又は「システム」と呼ぶことがある。さらに、本発明の態様は、具体化されたコンピュータ可読プログラム・コードを有する、(1つ又は複数のコンピュータ可読媒体内に具体化された)コンピュータ・プログラム(製品)の形態をとることができる。
【0032】
1つ又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを用いることができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読ストレージ媒体とすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、例えば、これらに限定されるものではないが、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、若しくは半導体のシステム、装置、若しくはデバイス、又は上記のいずれかの適切な組み合わせとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)として、1つ又は複数の配線を有する電気的接続、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュ・メモリ)、光ファイバ、ポータブル・コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、又は上記のもののいずれかの適切な組み合わせが挙げられる。本明細書の文脈において、コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令処理システム、装置若しくはデバイスによって又はこれらと関連して用いるためのプログラムを収容又は格納することができる任意の有形媒体とすることができる。
【0033】
コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読プログラム・コードが、例えばベースバンド内に、又は搬送波の一部としてその中に具体化された、伝搬データ信号を含むことができる。このような伝搬信号は、これらに限定されるものではないが、電磁気、光又はこれらのいずれかの適切な組み合わせを含む、種々の異なる形態のいずれかを取ることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではなく、かつ、命令処理システム、装置若しくはデバイスによって又はこれらと関連して用いるためのプログラムを通信、伝搬、又は搬送することができる、任意のコンピュータ可読媒体とすることができる。
【0034】
コンピュータ可読媒体上に具体化されたプログラム・コードは、これらに限定されるものではないが、無線、有線、光ファイバ・ケーブル、RFなど、又は上記のもののいずれかの適切な組み合わせを含む、任意の適切な媒体を用いて伝送することができる。
【0035】
本発明の態様のための動作を実行するためのコンピュータ・プログラム・コードは、Java、Smalltalk、C++などのようなオブジェクト指向型プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。プログラム・コードは、完全にユーザのコンピュータ上で実行されるか、一部がユーザのコンピュータ上で、独立型ソフトウェア・パッケージとして実行されるか、一部がユーザのコンピュータ上で実行され、一部が遠隔コンピュータ上で実行されるか、又は完全に遠隔コンピュータ若しくはサーバ上で実行される場合がある。後者のシナリオにおいては、遠隔コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)若しくは広域ネットワーク(WAN)を含むいずれかのタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続されるか、又は、(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを用いたインターネットを通じて)外部コンピュータへの接続がなされる場合がある。
【0036】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)及びコンピュータ・プログラム(製品)のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ・プログラム命令によって実装できることが理解されるであろう。これらのコンピュータ・プログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに与えて、マシンを製造し、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実装するための手段を生成するようにすることができる。
【0037】
これらのコンピュータ・プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他の装置を特定の方式で機能させるように指示することができるコンピュータ可読媒体内に格納し、その結果、そのコンピュータ可読媒体内に格納された命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実装する命令を含む製品を生成するようにすることができる。
【0038】
コンピュータ・プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他の装置上にロードして、そのコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他の装置上で行われる一連の動作ステップによりコンピュータ実装プロセスを生成し、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能装置上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実装するためのプロセスをもたらすようにすることもできる。
【0039】
図面内のフローチャート及びブロック図は、本発明の種々の実施形態による、システム、方法及びコンピュータ・プログラムの可能な実装の、アーキテクチャ、機能及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つ又は複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことができる。幾つかの代替的な実装において、ブロック内に記載された機能は、図面に記された順序とは異なる順序で行われることもあることにも留意すべきである。例えば、連続して図示された2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行されることもあり、又はこれらのブロックは、関与する機能に応じて、ときには逆順で実行されることもある。ブロック図及び/又はフローチャート図内の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図内のブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作を実行する専用ハードウェア・ベースのシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装することができることにも留意されたい。
【符号の説明】
【0040】
100:分散処理システム
101:ユーザ
200:金融カード
210:表側
212a−212d:ストライプ
214:顧客情報
216:発行銀行情報
220a−220d:隆起形状
222a−222d:書き込みフィールド
230:署名ストリップ
250:裏側
400、500:ウェブページ
410:アクションセット・コントロール
415:新規アクション・コントロール
420:名称変更コントロール
422:削除コントロール
424:アクション設定コントロール
426:PIN番号リセットコントロール
428:ストライプコントロール
430:リンク済みアカウント・コントロール
432:承認コントロール
434:新規アカウントリンク・コントロール
510:アクション構成コントロール
520、525、530:コントロール
535:選択肢コントロール