【実施例1】
【0012】
先ず、
図1〜
図5を用いて本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成について説明する。
【0013】
<画像形成装置>
図1に本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す。本実施形態の画像形成装置22として電子写真方式のレーザビームプリンタの一例を用いて説明する。
図1に示す画像形成装置22は、OPC(Organic Photo Conductor;有機光半導体)やアモルファスシリコン(a−Si)等の光導電層を有して静電潜像を担持する像担持体としての感光ドラム1を備えている。
【0014】
感光ドラム1は、画像形成装置22本体によって回転可能に支持されており、図示しないモータによって
図1の矢印D方向に所定の速度で回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、該感光ドラム1の回転方向に沿って該感光ドラム1の表面を均一に帯電させる帯電手段となる帯電ローラ2が設けられる。更に、図示しないパイル織物からなる清掃ブラシ回転体が帯電ローラ2の表面に所定の圧力で押圧されている。
【0015】
清掃ブラシ回転体は帯電ローラ2が回転することにより該帯電ローラ2の表面を清掃する。また、清掃ブラシ回転体に付着した外添剤やトナーを除去する図示しない清掃部材が設けられている。
【0016】
更に、帯電ローラ2により均一に帯電された感光ドラム1の表面に画像情報に応じてレーザ光3aを照射して静電潜像を形成するための像露光手段となるレーザースキャナ3が設けられている。更に、感光ドラム1の表面に形成されて担持された静電潜像に現像剤となるトナーを供給してトナー像として現像する現像手段となる現像装置4が設けられている。
【0017】
更に、記録材となる紙等のシートP上(記録材上)に感光ドラム1の表面上(像担持体上)のトナー像を転写するための転写手段となる転写ローラ5が設けられている。更に、感光ドラム1の表面上に残留する未転写トナーをクリーニングブレード6aによって回収するクリーニング手段となるクリーニング装置6が設けられている。
【0018】
図1に示す画像形成装置22本体の下部には、シートPを収容した給送カセット7が配置されており、感光ドラム1の上部にはシートPに転写させたトナー像を該シートPに定着する定着手段となる定着装置8が配置されている。本実施形態の定着装置8は定着回転体となる定着フィルム12(加熱手段)と、加圧回転体となる加圧ローラ11(加圧手段)とを有して構成される。定着フィルム12と加圧ローラ11との定着ニップ部N2にシートPを案内する定着入口ガイド20が設けられている。
【0019】
定着入口ガイド20は定着フィルム12と加圧ローラ11とのニップ線aよりも定着フィルム12側(定着回転体側)に設けられている。尚、定着フィルム12と加圧ローラ11とのニップ線aとは、定着フィルム12の回転中心と、加圧ローラ11の回転中心とを結んだ直線に直交し、定着ニップ部N2を通る直線をいう。
【0020】
そして、画像形成装置22本体の背面には画像形成動作等を制御する制御手段となる制御部9と、帯電ローラ2や現像装置4等に高電圧を印加する高電圧電源10が配置されている。制御部9には画像形成動作等を実行する指令を出す本体CPU(Central Processing Unit;中央演算装置)9aが設けられる。更に、定着装置8の温度制御等を実行する定着CPU9b、及び実行プログラム等が格納された記憶手段となるメモリ9cが搭載されている。
【0021】
画像形成装置22の画像形成動作は、制御部9の各種本体CPU9a、定着CPU9b及びメモリ9cから必要なプログラムを読み出して各種制御を実行することによって実現される。
【0022】
高電圧電源10には、帯電ローラ2に帯電バイアス電圧を印加する直流電源と交流電源とによって構成される帯電バイアス電源10aが設けられる。更に、現像剤担持体となる現像スリーブ4aに現像バイアス電圧を印加する直流電源と交流電源とによって構成され現像バイアス電源10bが設けられている。
【0023】
更に、転写ローラ5に感光ドラム1の表面上(像担持体上)のトナー像と逆極性の転写バイアス電圧を印加する正と負の各々の直流電源によって構成される転写バイアス電圧印加手段となる転写バイアス電源10cが設けられている。制御部9は転写バイアス電源10cにより印加する転写バイアス電圧を制御する転写バイアス電圧制御手段を兼ねる。
【0024】
感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1の近傍でシートPの搬送方向下流には、感光ドラム1からトナー像をシートPに転写させた後に該シートPを感光ドラム1から分離させる分離手段となる除電針14が設けられている。除電針14には分離バイアス電圧印加手段となる分離バイアス電源10dから感光ドラム1上のトナー像と同極性の分離バイアス電圧が印加される。制御部9は分離バイアス電源10dにより印加する分離バイアス電圧を制御する分離バイアス電圧制御手段を兼ねる。
【0025】
画像形成装置22本体内(画像形成装置の本体内)には、該画像形成装置22本体内の温度や湿度等の環境情報を検知する環境検知手段となる環境検知センサ24が設けられている。メモリ9cは環境検知センサ24により検知される環境情報に対応して予め設定された転写ローラ5に印加する転写バイアス電圧と、除電針14に印加する分離バイアス電圧とを記憶する。
【0026】
<画像形成動作>
次に画像形成装置22の画像形成動作について帯電動作、像露光動作、現像動作、転写動作、分離動作、定着動作及びクリーニング動作の順に沿って説明する。
【0027】
<帯電動作>
本実施形態では、接触帯電方式の帯電ローラ2が、図示しないモータによって
図1の矢印D方向に回転駆動される感光ドラム1の表面に所定の押圧力により接触している。帯電ローラ2は、感光ドラム1に従動回転して
図1の矢印E方向に回転する。
【0028】
そして、高電圧電源10の帯電バイアス電源10aから所定の直流電圧(DC帯電方式)が帯電ローラ2の金属製の回転軸を通して帯電ローラ2に帯電バイアス電圧として印加される。或いは、所定の直流電圧と所定の交流電圧とを重畳した電圧(AC+DC帯電方式)が帯電ローラ2の金属製の回転軸を通して帯電ローラ2に帯電バイアス電圧として印加される。
【0029】
これにより、所定の速度で回転駆動している感光ドラム1の表面が所定の極性の電位に一様に接触帯電される。本実施形態の帯電バイアス電圧は、−500V〜−800Vの範囲に設定されている。
【0030】
帯電ローラ2は、導電性支持体となる芯金からなるローラ軸体を有する導電性弾性ローラで構成される。ローラ軸体の両端部のそれぞれの軸受け部材を介して回転自在に支持させ、ローラ軸体の軸線を感光ドラム1のドラム軸線に対して略並行に配置して感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力で接触させて配設されている。
【0031】
<露光動作>
帯電ローラ2により表面が一様に帯電された感光ドラム1は、その表面に対して像露光手段となるレーザースキャナ3によって画像情報に基づくレーザ光3aを照射することにより画像露光がなされ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。尚、本実施形態では波長が780nmの半導体レーザの走査露光によって露光がなされる。尚、感光ドラム1の表面上を露光できる方式であれば半導体レーザーでなくてもLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)アレイによる露光であっても構わない。
【0032】
<現像動作>
レーザースキャナ3による露光によって形成された感光ドラム1の表面上の静電潜像は現像装置4によってトナーが供給されて現像される。本実施形態の現像装置4は、アルミニウム製のローラの表面にブラスト加工やカーボンをコートして所定の表面粗度を有して構成した現像剤担持体となる現像スリーブ4aを有している。現像スリーブ4aに高電圧電源10の現像バイアス電源10bから所定の直流電圧と所定の交流電圧とを重畳した現像バイアス電圧(AC+DC帯電方式)を印加して感光ドラム1の表面上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像(顕像化)する。
【0033】
尚、本実施形態での現像方式は、一成分磁性ネガトナーを用いた一成分反転ジャンピング現像方式である。他に、感光ドラム1の表面に対して接触状態で現像する方法(一成分接触現像方式)がある。更に、トナーに対して磁性キャリアを混合した二成分現像剤を磁気力により搬送して感光ドラム1の表面に対して接触状態で現像する方法(二成分接触現像方式)がある。更に、上記二成分現像剤を感光ドラム1の表面に対して非接触状態で現像する方法(二成分非接触現像方式)があり、何れも好適に用いることが出来る。
【0034】
<転写動作>
現像装置4により感光ドラム1の表面上に現像されたトナー像は感光ドラム1の回転駆動によって転写ローラ5に対向する位置まで回転移動する。このタイミングに合わせて給送カセット7に収容されたシートPは図示しない給送ローラと分離手段との協働作用により一枚づつ繰り出される。更に、搬送ローラ19によって搬送されてレジセンサ16により検知された後、一旦、停止したレジストローラ23のニップ部に先端が突き当たって斜行が補正される。そして、所定のタイミングでシートPがレジストローラ23に挟持搬送されて感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1に搬送される。
【0035】
そして、転写ニップ部N1にシートPが搬送されるタイミングで高電圧電源10の転写バイアス電源10cから転写ローラ5に現像剤と反対極性の所定の直流電圧が印加される。これにより感光ドラム1の表面に付着したトナー像がシートPに順次静電的に転写される。本実施形態では、トナーがマイナス極性であるため、その逆極性に当たるプラス極性(第1の極性)の直流電圧(+2kV)を転写ローラ5に印加している。
【0036】
本実施形態では、転写ローラ5が感光ドラム1と接触する接触転写ローラ方式を用いている。他に、タングステンや金製のワイヤに20kV〜30kVの高電圧を印加して放電させる非接触コロナ放電転写方式でも良い。また、ITB(Intermediate Transfer Belt:中間転写ベルト)からなる転写ベルトにトナー像を転写させた後にシートPへ転写させる中間転写ベルト方式でも構わない。
【0037】
<除電動作>
転写ローラ5により感光ドラム1の表面上のトナー像がシートPに静電的に転写された直後のシートPは高電圧を印加したことにより強帯電している。本実施形態では転写バイアス電圧はプラス極性の直流電圧(+2kV)を転写ローラ5に印加しているためシートPの帯電極性はプラス帯電となる。そのとき、感光ドラム1の表面は、転写ローラ5から印加された直流電圧の逆極性に一様に帯電している。
【0038】
このため静電吸着力が作用してシートPが感光ドラム1の表面に貼り付く。シートPと感光ドラム1との静電吸着力を除去するために転写ローラ5に印加される転写バイアス電圧(プラス極性の直流電圧(+2kV))とは逆極性の分離バイアス電圧を除電針14に印加する。本実施形態では転写ローラ5に印加する転写バイアス電圧がプラス極性(第1の極性)なので、その逆極性に当たるマイナス極性の直流電圧(−1300V)を除電針14に印加している。これによりシートPの転写ニップ部N1における転写による帯電を順次除去し、静電的に感光ドラム1とシートPとを分離する。
【0039】
<搬送ガイド>
本実施形態では、
図1の定着装置8の定着ニップ部N2の記録材となるシートPの搬送方向上流に配置される搬送ガイドとなる定着入口ガイド20は以下のように構成される。主にポリブチレンテレフタレート(PBT;Polybutylene terephthalate)を用いて構成される。ポリブチレンテレフタレートは耐熱性に優れた低抵抗部材の主要構成部材である。定着入口ガイド20は、定着装置8の定着フィルム12と加圧ローラ11との定着ニップ部N2を通り、定着フィルム12と加圧ローラ11との回転中心を結んだ直線に対して垂直となるニップ線aよりも定着フィルム12側(
図1の左側)に設置する。
【0040】
これにより定着入口ガイド20はシートPを定着装置8の定着ニップ部N2に案内する役割を有する。更に、定着ニップ部N2に定着フィルム12側からシートPを搬送することで定着ニップ部N2の手前でシートPを予熱する。これにより定着爆発現象の軽減や定着性を向上させる役割を有する。
【0041】
尚、定着爆発現象とは、シートPの搬送方向に垂直な線画部の下端に発生する現象である。シートP上に転写されたトナー像が定着装置8の垂直方向の圧力を受けて定着プロセスが完了する。その前に紙等のシートPが含有する水分が定着装置8の熱によって水蒸気化する。そして、空気的な圧力によってトナー像が崩されることによって起こるものと考えられる。
【0042】
しかし、定着爆発現象の軽減や定着性向上のために定着入口ガイド20を定着フィルム12に近づけると、定着フィルム12の加熱温度による雰囲気温度の影響を受け易くなる。結果として、定着爆発現象の軽減や定着性向上のために定着入口ガイド20を定着フィルム12に近づければ近づけるほど、定着入口ガイド20のシートPの搬送方向下流側の先端部でのトナー固着がより顕著に発生する。更に、定着入口ガイド20をシートPの後端部が抜ける際のバタつきが大きくなる。
【0043】
また、剥離放電現象による水玉模様等の画像不良は主に定着入口ガイド20がマイナス極性に帯電することによって発生する現象である。このため、例えば、定着入口ガイド20をプラス極性に帯電する部材に変更した場合でも定着入口ガイド20のシートPの搬送方向下流側の先端部にトナーが固着する。そして、定着入口ガイド20のトナー固着部とシートPとが擦れることでトナー固着部がマイナス極性に帯電し、剥離放電現象による水玉模様等の画像不良を防止する有効な対策とはなり得ない。
【0044】
また、現在の市場動向として、低融点トナーを用いた画像形成装置22が開発されている。このことから定着入口ガイド20の先端部のトナー固着が増し、剥離放電現象による水玉模様等の画像不良の発生頻度は今後、上昇傾向となることが予想される。
【0045】
本実施形態では、定着入口ガイド20の材料として低抵抗部材であるPBTを用いている。他に、基材に用いられる樹脂材料としてはポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体が適用出来る。更に、ポリカーボネート(PC;polycarbonate)、ポリエチレンテレフタレート(PET;Polyethylene Terephthalate)が適用出来る。更に、塩化ビニル系樹脂が適用出来る。
【0046】
更に、ABS樹脂{アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ブタジエン(Butadiene)、スチレン(Styrene)の共重合合成樹脂}が適用出来る。更に、ポリメチルメタクリレート(PMMA;Poly methyl methacrylate)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリアミド(PA;polyamide)等が挙げられる。
【0047】
これらは単独で、或いは、2種以上併せて用いられる。これらの中でも、耐久性に優れ、難燃性があるポリカーボネート(PC)を含み2種以上併せた材料が好適に用いられ、何れも好適に用いることが出来る。
【0048】
<定着動作>
次に
図1を用いて定着装置8の構成について説明する。感光ドラム1の表面から静電的にトナー像が転写されたシートPは、ループ量検知センサ18によりループ量が検知された後、
図1に示す定着入口ガイド20に沿って定着装置8の定着ニップ部N2に搬送される。
【0049】
定着装置8は、ステイホルダの外周面に摺動して回転自在に設けられた筒状の定着フィルム12と、加圧ローラ11とを有して構成され、加圧ローラ11は図示しないモータにより回転駆動される。定着フィルム12は加圧ローラ11に従動回転する。ステイホルダにはトナー像が担持されたシートPを加熱する抵抗体とアルミナで構成される発熱体となるヒータ13が設けられている。
【0050】
定着フィルム12は、表層にPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)をコートした厚さ40μm〜100μmのポリイミドフィルムにより構成される。或いは、表層にポリテトラフルオロエチレン(PTFE;Polytetrafluoroethylene)をコートした厚さ40μm〜100μmのポリイミドフィルムにより構成される。
【0051】
加圧ローラ11は、弾性部材からなり、回転する金属製の軸体上に基層となるEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)ゴムやシリコンゴム、或いは、フッ素ゴムを発泡させたスポンジゴム層12bが設けられる。更に、シリコーンゴムやフッ素ゴム、或いは、フッ素樹脂等の耐熱性を有する樹脂により形成される表層12cを有して構成される。
【0052】
画像形成装置22がプリント信号を受信すると、定着CPU9bはヒータ13を所定温度に昇温するように指示し、定着CPU9bは、図示しない温度検知手段となるサーミスタが所定の温度を検知するまでヒータ13に通電を行う。これにより定着ニップ部N2にて加熱をし、トナーをシートPに定着させた後にシートPは図示しない機外に設けられた排出トレイ上に排出される。本実施形態では、オンデマンド定着方式を用いている。しかし、これに限定されるものではなく、トナーをシートP上に定着させるものであればヒートローラ方式でも電磁誘導加熱方式でも構わない。
【0053】
<クリーニング動作>
一方、
図1に示すようにトナー像がシートPに転写された後の感光ドラム1は、シートPに転写されないで感光ドラム1の表面に残ったトナーがクリーニング装置6のクリーニングブレード6aによって除去される。クリーニング装置6内に捕集された廃トナーは図示しない搬送スクリューによって機外に排出されて図示しない回収トナーボックス内に搬送される。本実施形態のクリーニングブレード6aは注型タイプを用いたブレード型のクリーニング装置6である。
【0054】
上記各動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行うことができる。
【0055】
<シート検知手段>
次に
図1を用いて、シートPの先後端位置を検知するシート検知手段となるレジセンサ16の構成について説明する。更に、感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1から定着フィルム12と加圧ローラ11との定着ニップ部N2までの間のシートPの姿勢を検知するループ量検知センサ18の構成について説明する。
【0056】
<シート検知センサ>
図1に示すように、給送カセット7から図示しない給送ローラにより繰り出されたシートPは搬送ローラ19によって更に下流へと搬送される。下流へと搬送されたシートPはレジセンサフラグ15の背面に突き当たる。そして、図示しないレジセンサバネの付勢力に抗してレジセンサフラグ15を図示しない回動中心を中心に
図1の反時計回り方向に回動させながら座屈することなく更に下流のレジストローラ23へ搬送される。
【0057】
シートPの搬送が進むにつれてレジセンサフラグ15の先端部は、図示しない回動中心を中心に
図1の反時計回り方向に回動して押し倒される。それに伴って、回動中心に対して先端部と反対側に設けられた遮光部がフォトインタラプタからなるレジセンサ16のLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)光の光路を遮断する。これによりレジセンサ16はシートPが搬送されて来たこと、即ち、シートPの先端を検知する。
【0058】
シートPはレジセンサフラグ15を倒したまま停止したレジストローラ23のニップ部に先端が突き当たり、自身の腰の力によりループを形成する。その後、所定のタイミングでレジストローラ23が回転駆動してシートPがレジストローラ23に挟持搬送されて感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1へと搬送される。その後、シートPの後端がレジセンサフラグ15を抜け始めるにつれて、該レジセンサフラグ15は図示しないレジセンサバネの付勢力によって所定のホームポジション位置へと戻され、次のシートPが搬送されて来るのを待つ。
【0059】
これによりシート検知手段となるレジセンサ16によりシートPの後端が感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1よりも上流に位置するタイミングを検知することが出来る。
【0060】
本実施形態では、フォトインタラプタからなるレジセンサ16を用いている。他に、シートPの後端を検知できるか、若しくは、判断できるものであれば回帰反射型フォトセンサ(OHTセンサ)方式でも良い。或いは、搬送手段によるシートPの搬送速度に基づいてシートPの給送開始からのタイミングを予想する制御方式、感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1にシートPが存在するか否かを転写ローラ5の抵抗変動により検知する方式でも構わない。
【0061】
<ループ量検知センサ>
本実施形態ではオンデマンドによる定着方式を採用している。このため定着フィルム12が加圧ローラ11に従動回転している。これにより加圧ローラ11の膨張によらずシートPの挙動を制御する必要がある。そのためループ量検知センサ18のループセンサフラグ17によるシートPのループ制御動作について説明する。
【0062】
シートPがループ量検知センサ18のループセンサフラグ17を押したときからシートPのループ制御が行なわれる。シートPがループ量検知センサ18を通過する際にシートPに形成されるループに追従してループセンサフラグ17が図示しない回動中心を中心に揺動する。そして、図示しない回動中心を中心にループセンサフラグ17の先端部とは反対側の遮光部がフォトインタラプタからなるループ量検知センサ18のLED光の光路を遮断状態から透光状態に切り替える。これによりループ量検知センサ18がOFF状態からON状態になる。
【0063】
シートPが定着装置8の定着ニップ部N2に突入する際は、該定着装置8の加圧ローラ11と定着フィルム12とにより挟持搬送されるシートPの搬送速度は105mm/secである。一方、感光ドラム1と転写ローラ5とにより挟持搬送されるシートPの搬送速度は110mm/secに設定されており、定着装置8の加圧ローラ11と定着フィルム12とにより挟持搬送されるシートPの搬送速度のほうが遅い設定にしている。
【0064】
このため、感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1と、定着装置8の定着ニップ部N2との間のシートPのループは次第に大きくなる。ループ量検知センサ18のON状態が50msec続いたとき定着装置8の加圧ローラ11と定着フィルム12とにより挟持搬送されるシートPの搬送速度を以下のように切り替える。即ち、感光ドラム1と転写ローラ5とにより挟持搬送されるシートPの搬送速度である110mm/secよりも速い120mm/secになるように切り替える。
【0065】
これにより感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1と、定着装置8の定着ニップ部N2との間のシートPのループは次第に小さくなる。
【0066】
シートPのループが次第に小さくなると、シートPのループに追従して揺動するループセンサフラグ17の揺動により、ループ量検知センサ18がON状態からOFF状態となる。
【0067】
ループ量検知センサ18のOFF状態が50msec続いたときは定着装置8の加圧ローラ11と定着フィルム12とにより挟持搬送されるシートPの搬送速度を以下のように切り替える。即ち、感光ドラム1と転写ローラ5とにより挟持搬送されるシートPの搬送速度である110mm/secよりも遅い100mm/secになるように切り替える。
【0068】
これにより感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1と、定着装置8の定着ニップ部N2との間のシートPのループは次第に大きくなる。
【0069】
上記動作を繰り返すことによりシートPのループを一定の範囲内に維持することが出来る。そして、シートPの後端が感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1を抜け、シートPがループ量検知センサ18を通過すると、ループ量検知センサ18はシートPのループを検知できなくなり、定着装置8は一定速度でシートPを搬送して排出する。
【0070】
本実施形態では、ループ量検知センサ18を用いて感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1から定着装置8の定着ニップ部N2までの間のシートPのループを制御する方式を用いている。しかし、シートPのループを制御するものであれば、加圧ローラ11の回転数を制御してシートPの挙動を一定にしても構わない。
【0071】
本実施形態の定着入口ガイド20は、定着フィルム12と加圧ローラ11とのニップ線aよりも定着フィルム12側に配置する。これによりシートPを定着装置8の定着ニップ部N2に案内する役割と、定着ニップ部N2に定着フィルム12側からシートPを搬送し、定着ニップ部N2に進入する前にシートPを予熱することで定着爆発現象の軽減や定着性向上を行なう役割を持っている。
【0072】
例えば、定着入口ガイド20によってシートPは定着装置8の定着ニップ部N2に加圧ローラ11側から案内される。このとき、シートPと定着入口ガイド20との摺擦による摩擦帯電が発生する。このとき定着入口ガイド20はシートPとの帯電系列によりマイナス極性に帯電する。本実施形態では、定着入口ガイド20の帯電量は−1200Vである。
【0073】
感光ドラム1からトナー像が転写された後のシートPの電位は、感光ドラム1からシートPへトナー像を引き付けるために高電圧からなる転写バイアス電圧を転写ローラ5に印加している。これによりシートPはプラス極性に帯電している。本実施形態では、転写後のシートPの帯電量は+200Vである。
【0074】
定着装置8へ案内する定着入口ガイド20がマイナス極性に帯電している状態で、転写ニップ部N1から抜けてフリーになったシートPの後端がバタつき、プラス極性に帯電したシートPが定着入口ガイド20から剥離する。このとき、定着入口ガイド20とシートPとの間の電位差が大きいため剥離放電現象が発生する。
【0075】
本実施形態では、定着入口ガイド20の帯電量と、転写後のシートPの帯電量との電位差は1400Vである。剥離放電現象によりシートP上に転写された未定着トナー像を乱すことで、水玉模様等の画像不良が発生する。水玉模様等の画像不良現象は、定着入口ガイド20の帯電量と、転写後のシートPの帯電量との電位差が大きいほど顕著に現われる。
【0076】
図1に示すように、定着入口ガイド20を定着フィルム12と加圧ローラ11とのニップ線aよりも定着フィルム12側に設置するほどシートPと定着入口ガイド20との摺動摩擦力が増し、摩擦帯電量が増す。このため定着入口ガイド20の帯電量と、転写後のシートPの帯電量との電位差が大きくなり水玉模様等の画像不良現象が顕著に現われる。
【0077】
低温低湿環境において、高抵抗のシートPが搬送されたとき、定着入口ガイド20との摺動により発生する摩擦帯電による電荷発生量が多くなる。このため定着入口ガイド20は通常環境(常温常湿環境)よりも帯電量が大きくなる。例えば、常温常湿環境では定着入口ガイド20の帯電量が−1200Vであるのに対し、低温低湿環境では定着入口ガイド20の帯電量が−2kVとなる。このため定着入口ガイド20の帯電量と、転写後のシートPの帯電量との電位差が大きくなる。
【0078】
そのため低温低湿環境側になることで剥離放電現象がより悪化する傾向となる。また、シートPに両面印刷するときのように定着装置8によってシートPが一度温められ、紙等のシートPに含有されている水分が奪われるような状態のとき、シートPの表面抵抗が上昇する。
【0079】
これによりシートPと定着入口ガイド20との摩擦帯電による電荷発生量が多くなる。そのため定着入口ガイド20はシートPの搬送により帯電し、転写後のシートPとの電位差が大きくなり、水玉模様等の画像不良が悪化する傾向となる。
【0080】
例えば、常温常湿環境で片面印刷時の定着入口ガイド20の帯電量と、転写後のシートPの帯電量との電位差が−1200Vである。これに対して、常温常湿環境で両面印刷時の定着入口ガイド20の帯電量と、転写後のシートPの帯電量との電位差は−2kVである。更に、低温低湿環境で両面印刷時の定着入口ガイド20の帯電量と、転写後のシートPの帯電量との電位差は−2300Vである。
【0081】
本実施形態では、転写バイアス電源10cから転写ローラ5に印加する転写バイアス電圧がプラス極性(第1の極性)である。そこで、転写バイアス電圧とは逆極性に当たるマイナス極性の直流電圧として通常の除電時(−1200V)よりも強い(絶対値が大きな電圧値)分離バイアス電圧(−2750V)を分離バイアス電源10dから除電針14に印加する。これにより通常であればシートPがプラス極性に帯電(+200V程度)するのに対して、シートPをマイナス極性に帯電(−2kV程度)させる。これにより静電的に感光ドラム1とシートPとを分離し、且つ、定着入口ガイド20とシートPとの剥離放電現象を防止する。
【0082】
しかし、転写バイアス電源10cから転写ローラ5に印加する転写バイアス電圧(プラス極性)とは逆極性のマイナス極性の分離バイアス電圧を分離バイアス電源10dから除電針14に印加する。
【0083】
本実施形態では転写バイアス電源10cから転写ローラ5に印加する転写バイアス電圧がプラス極性(第1の極性)である。そして、その逆極性に当たるマイナス極性の直流電圧を通常の除電時(−1200V)よりも強い(絶対値が大きな電圧値)分離バイアス電圧(−2750V)を分離バイアス電源10dから除電針14に印加する。そのとき、転写バイアス電圧と分離バイアス電圧との間で流れ込みが増える。これにより転写不足による画像不良発生のリスクが高まる。
【0084】
そのため転写バイアス電源10cから転写ローラ5にトナーと逆極性の所定の直流電圧を印加する。これにより感光ドラム1の表面に付着したトナー像がシートPに順次静電的に転写される所定の転写バイアス電圧(+1500V)よりも更に直流電圧値の出力を上げた以下のように絶対値が大きな電圧値に変更する。即ち、転写バイアス電圧(+1900V=1500V+400V)を印加する。制御部9が変更する転写バイアス電圧及び分離バイアス電圧は同極性方向に変更する。これにより分離バイアス電圧を大きくした際の転写バイアス電圧の出力不足による画像不良発生を防止する。
【0085】
図2は本実施形態の制御系の構成を示すブロック図である。制御手段となる制御部9には、転写制御と分離制御を行うCPU(Central Processing Unit;中央演算装置)29が設けられている。更に、メモリ9c内にはROM(Read Only Memory;リードオンリメモリ)30を有している。ROM30には、後述する以下に示す制御手順に対応するプログラム等が格納されている。CPU29は、このプログラムを読み出しながら各部の制御を行うようになっている。
【0086】
メモリ9c内には、作業用データや入力データが格納されたRAM(Randon Access Memory;ランダムアクセスメモリ)31も有している。CPU29は、前述のプログラム等に基づいてRAM31に収納されたデータを参照して制御を行うようになっている。更に、制御部9にはレジセンサフラグ15により動作するレジセンサ16が接続されている。また、制御部9には環境検知センサ24が接続されている。制御部9のメモリ9cには転写出力テーブル25及び分離出力テーブル26が記憶されている。
【0087】
一方、高電圧電源10には転写バイアス電源10c、分離バイアス電源10dが設けられている。メモリ9cに記憶された転写出力テーブル25を参照してCPU29により転写バイアス電源10cを制御して転写ローラ5に印加する転写バイアス電圧を含む転写制御を行なう。また、メモリ9cに記憶された分離出力テーブル26を参照してCPU29により分離バイアス電源10dを制御して除電針14に印加する分離バイアス電圧を含む分離制御を行なう。
【0088】
次に
図3のフローチャートを用いて本実施形態のCPU29が実施する制御動作について説明する。ステップS1において、ユーザによって画像形成装置22に設けられたコピーキーをONする。或いは、プリントジョブを受信する。
【0089】
次に、ステップS2においてイニシャル動作を実施する。その後、ステップS3において、画像形成装置22本体内部に設置されている環境検知センサ24によって画像形成装置22本体内の環境情報を検知する。
【0090】
次に、ステップS4において、環境検知センサ24によって検知した環境結果に応じてトナーと逆極性の直流電圧である第一の転写バイアス電圧(+1500V)を決定する。更に、トナーと同極性の直流電圧である第一の分離バイアス電圧(−1200V)を決定する。
図2に示す制御部9のメモリ9cに予め記憶している各転写出力テーブル25及び分離出力テーブル26を参照して決定する。
【0091】
更に、トナー像と逆極性の直流電圧である第一の転写バイアス電圧(+1500V)よりもトナーと逆極性側に大きくした第二の転写バイアス電圧(+1900V=1500V+400V)を決定する。更に、トナー像と同極性の直流電圧である第一の分離バイアス電圧(−1200V)よりもトナーと同極性側に大きくした第二の分離バイアス電圧(−2750V=−1200V−1550V)を決定する。
【0092】
そして、
図1において、シートPが搬送されてレジセンサフラグ15を倒す。そして、レジセンサ16がONになったとき、ステップS5において印字動作を実行する。更に、ステップS6において転写バイアス電源10cから転写ローラ5に第一の転写バイアス電圧(+1500V)を印加する。そして、分離バイアス電源10dから除電針14に第一の分離バイアス電圧(−1200V)を印加する。
【0093】
その後、シートPが搬送され、ステップS7においてシートPの後端がレジセンサフラグ15を越えたとき、レジセンサ16がOFFとなる。レジセンサ16がOFFになった時点から460
msec後に、ステップS8において第一の転写バイアス電圧(+1500V)から第二の転写バイアス電圧(+1900V)に変更する。レジセンサ16がOFFになった時点から460
msec後とは、シートPの後端から内側に2mmの位置が、転写ニップ部N1の位置にあるときである。
【0094】
更に、
このとき、第一の分離バイアス電圧(−1200V)から第二の分離バイアス電圧(−2750V)に変更する。
【0095】
そして、シートPが転写ニップ部N1を通過するまで分離バイアス電源10dから除電針14に分離バイアス電圧を印加し続け、図示しない排出ローラによってシートPが画像形成装置22本体から完全に排出されて印字動作を終了する(ステップS9)。
【0096】
即ち、本実施形態では、環境検知センサ24により検知される環境情報として低温低湿環境を検知する。そのとき、制御手段となる制御部9によりメモリ9cに記憶された転写バイアス電圧の転写出力テーブル25と、分離バイアス電圧の分離出力テーブル26とに基づいて転写バイアス電圧と分離バイアス電圧を決定する。
【0097】
そして、シートPの後端が感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1よりも上流に位置するタイミングで転写バイアス電圧と分離バイアス電圧とを、それぞれ以下のバイアス電圧に変更する。
【0098】
制御部9は、転写ローラ5が転写する転写領域となる転写ニップ部N1を搬送されているシートPの後端が転写ニップ部N1を通過する前に以下の変更を行なう。即ち、トナー像を転写中の第一転写バイアス電圧(+1500V)と、第一の分離バイアス電圧(−1200V)よりも、それぞれ大きな電圧値に変更する。即ち、絶対値が大きな電圧値となる第二の転写バイアス電圧(+1900V)と、第二の分離バイアス電圧(−2750V)に変更する。
【0099】
図4(a)はレジセンサ16がONになった後の所定のタイミングで転写バイアス電圧と分離バイアス電圧との絶対値が大きくなるように変更する様子を示す。
【0100】
図4(a),(b)に示すように、レジセンサ16がONになった後の所定のタイミング(シートPの後端から内側の2mmの位置が転写ニップ部N1に到達した時点)t1で以下のように変更される。即ち、転写バイアス電圧V1(
1300V)が転写バイアス電圧V2(
1700V)に変更される。更に、
このとき、分離バイアス電圧V3(−1200V)が分離バイアス電圧V4(−2750V)に変更される。
【0101】
尚、
図4(b)に示す比較例としては、転写バイアス電圧は1300V一定で、分離バイアス電圧は−1200V一定の一例である。
【0102】
シートPを連続して両面印刷を行なう場合は、前記ステップS2〜S9に示す一連の動作を繰り返し実施する。
【0103】
つまり、定着入口ガイド20から剥離するシートPの後端部のシートPの電位に関し、転写ローラ5から印加する転写バイアス電圧と、除電針14から印加する分離バイアス電圧とをシートPの後端位置基準で同時に変更する。これによりシートPに対するトナー像の転写性を維持しつつシートPの帯電量を定着入口ガイド20の帯電量に近づける。これにより定着入口ガイド20とシートPとの電位差を減らし、シートPの後端部での剥離放電現象による画像不良を防止する。以上の一連の動作により、水玉模様等の画像不良を一切発生させず、且つ、転写性を低下させない画像形成装置22を提供できる。
【0104】
転写ローラ5に印加する転写バイアス電圧と、除電針14に印加する分離バイアス電圧に関しては以下の通りである。シートPに印字中の転写バイアス電圧及び分離バイアス電圧よりもシートPの後端が感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1よりも上流に位置するタイミングで該転写バイアス電圧と分離バイアス電圧の両方を大きくする(絶対値を大きくする)。
【0105】
これによりシートPに対するトナー像の転写性を維持しつつシートPの電位を制御することで感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1を通過した後に発生する剥離放電現象を防止することが出来る。これにより水玉模様等の画像不良がなく高品質な画質を得ることができる。
【0106】
尚、本実施形態では転写バイアス電圧と分離バイアス電圧の両方を大きくするタイミングをシートPの後端2mmの位置と説明した。他に、シートPの後端余白10mmを超えたシートPの後端から20mmまでの上流方向に変更しても効果が有ると共に問題無いことを確認した。
図5は本実施形態と特許文献1との比較を示す。「○」は有りや良好を示し、「×」は無しや不良を示す。
【実施例2】
【0107】
次に、
図6及び
図7を用いて本発明に係る画像形成装置の第2実施形態の構成について説明する。前記第1実施形態との違いは、環境情報により記録材後端の高圧変更の実施を変えていることである。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
【0108】
低温低湿環境において、高抵抗のシートPが搬送されたとき、摩擦帯電による電荷発生量が多くなり定着入口ガイド20は通常環境よりも帯電量が増加し、トナー像が転写された後のシートPと定着入口ガイド20との電位差が大きくなる。
【0109】
更に、両面印刷時のように、定着装置8によって一度温められ、紙等のシートPに含有される水分が奪われるような状態のとき、シートPの表面抵抗性が上昇する。このとき、シートPと定着入口ガイド20との摩擦帯電による電荷発生量が多くなる。
【0110】
そのため、環境検知センサ24により検知される環境情報が低温低湿環境を検知したときで、且つ、両面印刷時においては、以下の通りである。定着入口ガイド20は、画像形成装置22の使用開始直後のシートPの搬送時よりも帯電量が増加し、トナー像を転写した後のシートPと定着入口ガイド20との電位差が大きくなる。
【0111】
図6は本実施形態と比較例とについて、シートPの表面抵抗と定着入口ガイド20の帯電量と、シートPの後端の帯電量と、定着入口ガイド20とシートPとの電位差とをそれぞれ比較した結果を示す。
【0112】
定着入口ガイド20とシートPとの電位差(絶対値)が1500V以上あるときに水玉模様等の画像不良現象が顕著に現われる。このことから環境検知センサ24により検知した検知結果が低温低湿環境(2.1g/kg(DA)以下)の場合がある。更に、定着装置8によって一度温められ、紙等のシートPに含有される水分が奪われた高抵抗のシートPを使用する場合がある。このとき、剥離放電現象による画像不良が発生するリスクが高くなる。尚、ここで、絶対湿度は、乾き空気1kgに含まれている水分の量で、単位は[g/kg(DA)]で表わされる。
【0113】
つまり、本実施形態において、低温低湿環境(2.1g/kg(DA)以下)で且つ、両面印刷のシートPの二面目を定着装置8へ案内する定着入口ガイド20がシートPと摩擦することにより定着入口ガイド20がマイナス極性に帯電している。そこで、転写バイアス電源10cから転写ローラ5に印加する転写バイアス電圧とは逆極性の分離バイアス電圧を分離バイアス電源10dから除電針14に印加する。
【0114】
本実施形態においては、転写ローラ5に印加する転写バイアス電圧がプラス極性である。そして、その逆極性に当たるマイナス極性の直流電圧を通常の除電時の分離バイアス電圧(−1200V)よりも強い(絶対値が大きい)分離バイアス電圧(−2750V)を除電針14に印加する。
【0115】
これにより通常であればシートPがプラス極性(+200V程度)に帯電するのに対し、シートPをマイナス極性に帯電(−2kV程度)させ、静電的に感光ドラム1とシートPとを分離し、且つ、定着入口ガイド20とシートPとの剥離放電現象を防止する。
【0116】
しかし、除電針14に分離バイアス電圧(−1550V)を印加したとき、転写ローラ5に印加するプラス極性の転写バイアス電圧(+1500V)と、除電針14に印加するマイナス極性の分離バイアス電圧(−2750V)との間で流れ込みが増える。これにより転写不足による画像不良発生のリスクが高まる。
【0117】
そのため、本実施形態における剥離放電防止制御時において、転写ローラ5にトナーと反対極性の所定の直流電圧が印加される。これにより感光ドラム1に付着したトナー像がシートPに順次静電的に転写される所定の第一の転写バイアス電圧(+1500V)よりも更に直流電圧値を上げた第二の転写バイアス電圧(+1900V=1500V+400V)を印加する。これにより転写バイアス電圧の不足による画像不良発生を防止する。
【0118】
図7に示すフローチャートを用いて本実施形態の制御動作について説明する。ステップS11において、ユーザによってコピーキーをONするか、或いは、プリントジョブを受信すると、ステップS12においてイニシャル動作を実施する。その後、ステップS13において、画像形成装置22本体内部に設置されている環境検知センサ24によって画像形成装置22本体内の環境情報を検知する。
【0119】
次に、ステップS14において、環境検知センサ24によって検知した環境結果が低温低湿環境(2.1g/kg(DA)以下)で、且つ、ステップS11において両面印刷ジョブを受信した場合がある。その場合は、ステップS15に進み、制御部9のメモリ9cに予め記憶している転写出力テーブル25及び分離出力テーブル26を参照してトナーと逆極性の直流電圧である第一の転写バイアス電圧(+1500V)を決定する。更に、トナーと同極性の直流電圧である第一の分離バイアス電圧(−1200V)を決定する。
【0120】
更に、トナー像と逆極性の直流電圧である第一の転写バイアス電圧(+1500V)よりもトナーと逆極性側に大きくした第二の転写バイアス電圧(+1900V=1500V+400V)を決定する。更に、トナー像と同極性の直流電圧である第一の分離バイアス電圧(−1200V)よりもトナーと同極性側に大きくした第二の分離バイアス電圧(−2750V=−1200V−1550V)を決定する。
【0121】
図1に示すシートPが搬送されてレジセンサフラグ15を倒してレジセンサ16がONになったとき、ステップS16において、印字動作を実行する。そして、ステップS17において、転写バイアス電源10cから転写ローラ5に第一の転写バイアス電圧(+1500V)を印加し、更に、分離バイアス電源10dから除電針14に第一の分離バイアス電圧(−1200V)を印加する。
【0122】
その後、ステップS18において、シートPが搬送されてシートPの後端がレジセンサフラグ15を越えたとき、レジセンサ16がOFFとなる。そして、環境検知センサ24の検知結果が低温低湿環境を検知し、且つ、両面印刷の二面目のシートPが搬送される。そのときのみ、ステップS19において、レジセンサ16がOFFになってから460
msec後に第一の転写バイアス電圧(+1500V)から第二の転写バイアス電圧(+1900V)に変更する。ここで、レジセンサ16がOFFになってから460
msec後とは、シートPの後端から内側に2mmの位置が、転写ニップ部N1の位置にあるときである。
【0123】
シートPが転写ローラ5と感光ドラム1との転写ニップ部N1を通過するまで分離バイアス電圧を印加し続け、図示しない排出ローラによって、シートPが画像形成装置22本体から完全に排出されると印字動作を終了する(ステップS20)。
【0124】
前記ステップS14において、環境検知センサ24によって検知した環境結果が低温低湿環境(2.1g/kg(DA)以下)では無い場合がある。その場合は、制御部9のメモリ9cに予め記憶している転写出力テーブル25及び分離出力テーブル26を参照してトナーと逆極性の直流電圧である転写バイアス電圧(+1500V)を決定する。更に、トナーと同極性の直流電圧である分離バイアス電圧(−1200V)を決定する。
【0125】
そして、ステップS22において印字動作を実行する。そして、ステップS23において、転写バイアス電源10cから転写ローラ5に転写バイアス電圧(+1500V)を印加する。更に、分離バイアス電源10dから除電針14に分離バイアス電圧(−1200V)を印加する。そして、シートPが転写ローラ5と感光ドラム1との転写ニップ部N1を通過するまで分離バイアス電圧を印加し続ける。そして、図示しない排出ローラによってシートPが画像形成装置22本体から完全に排出されると印字動作を終了する(ステップS20)。
【0126】
シートPの両面印刷を連続して実施するときは、上記一連の動作を繰り返し実施する。以上の一連の動作により、水玉模様等の画像不良を一切発生させず、且つ、転写性を低下させない画像形成装置22を提供できる。
【0127】
本実施形態では、環境検知センサ24によって低温低湿環境を検知し、且つ、両面印刷時の二面目のときのみ転写バイアス電圧と、分離バイアス電圧とを共に変更している。
【0128】
他に、両面印刷時の二面目のみの実施や環境検知結果によらずシートPが高抵抗を検知したときのみ転写バイアス電圧と、分離バイアス電圧とを共に変更することでも良い。或いは、環境検知センサ24によって低温低湿環境を検知したときのみ転写バイアス電圧と、分離バイアス電圧とを共に変更する構成でも良い。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例3】
【0129】
次に、
図8〜
図12を用いて本発明に係る画像形成装置の第3実施形態の構成について説明する。前記第1実施形態との違いは、記録材となるシートPの後端に接触する揺動部材21でシートPの電位を調整していることである。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
【0130】
図8を用いて本実施形態の画像形成装置22の帯電動作、像露光動作、現像動作、転写動作、分離動作、定着動作、クリーニング動作、シートPの位置検知動作に加えて、シートPの帯電電位を制御する帯電制御手段となる揺動部材21の構成について説明する。
【0131】
<帯電制御手段>
感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1よりもシート搬送方向下流にはシートPと接触し得る揺動部材21が設けられている。揺動部材21は
図8〜
図11に示すように、支軸21aを中心に回動可能に設けられている。揺動部材21は駆動源となる
図9に示す揺動動作装置27により
図11(a),(b)に示すように搬送ガイドとなる搬送台28に沿って
図11の上方向に搬送されるシートPに接離可能に揺動される。そして、シートPと接触する圧力または接触面の少なくとも一つが変更可能に構成される。
【0132】
揺動部材21は、
図8及び
図10に示すように、シートPの搬送経路において転写ローラ5と定着装置8との間に設置される。揺動部材21の材料としては、シートPと摺擦したときにシートPをマイナス極性に帯電するポリカーボネート/アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(PC−ABS)を用いることでシートPをマイナス極性に帯電させる。また、揺動部材21は、レジセンサ16と連動して、シートPとの接触面、若しくは、接触圧をシートPの印字中に変更できる揺動可能な構成を有する。
【0133】
本実施形態において揺動部材21の材料は、シートPをマイナス極性に帯電するPC−ABSを用いている。他に、揺動部材21とシートPとの帯電系列の配列関係が{揺動部材21>シートP}の順序であれば、揺動部材21の材料として種々の材質が適用可能である。
【0134】
また、本実施形態における剥離放電現象は、マイナス極性に帯電した定着入口ガイド20と、プラス極性に帯電したシートPとの間で発生している現象である。そこで、シートPをマイナス極性に帯電することで剥離放電現象の防止対策を実施している。しかし、定着入口ガイド20がプラス極性に帯電したときに発生する剥離放電現象を防止する場合は、揺動部材21とシートPとの帯電系列の配列関係が{揺動部材21>シートP}の順序であれば良い。
【0135】
ここで、帯電系列とは、異なる複数の物質を相互に接触、摩擦させたときに生じる電荷の極性(プラス、マイナス)を比較し、プラス極性に帯電し易い物質からマイナス極性に帯電し易い物質まで順に配列したものである。(例えば、帯電系列の配列関係において、A材>B材であれば、A材はプラス極性、B材はマイナス極性に帯電することを意味する。)
【0136】
図12のフローチャートを用いて本実施形態の制御動作について説明する。ステップS31において、ユーザによってコピーキーをONするか、或いは、プリントジョブを受信する。次にステップS32において、イニシャル動作を実施した後、ステップS33において、画像形成装置22本体内部に設置されている環境検知センサ24によって画像形成装置22本体内部の環境情報を検知する。
【0137】
次にステップS34において、環境検知センサ24によって検知された環境結果に応じてトナーと逆極性の直流電圧である転写バイアス電圧(+1500V)を決定する。更に、トナーと同極性の直流電圧である分離バイアス電圧(−1200V)を決定する。これらは制御部9のメモリ9cに予め記憶している転写出力テーブル25及び分離出力テーブル26を参照して決定する。
【0138】
そして、シートPが搬送されてレジセンサフラグ15を倒してレジセンサ16がONになる。そのとき、ステップS35において印字動作を実行する。更に、ステップS36において転写バイアス電圧(+1500V)と、分離バイアス電圧(−1200V)とを印加する。
【0139】
その後、シートPが搬送されて、ステップS37において、シートPの後端がレジセンサフラグ15を越えたとき、レジセンサ16がOFFとなる。次に、ステップS38において、レジセンサ16がOFFになった時点から
460
msec後、揺動部材21が揺動して転写後に未定着トナーが載ったシートPの非印字面側に接触する。ここで、レジセンサ16がOFFになった時点から
460
msec後とは、シートPの後端から内側に2mmの位置が
転写ニップ部N1の位置にあるときである。
【0140】
即ち、シートPの後端が感光ドラム1と転写ローラ5との転写ニップ部N1よりも上流に位置するタイミングで揺動部材21によってシートPと接触する圧力または接触面の少なくとも一つ以上を変更する。
【0141】
次にシートPが転写ローラ5を通過した後、転写バイアス電圧(+1500V)と、分離バイアス電圧(−1200V)とを順次OFFする。そして、シートPが揺動部材21を通加した後、該揺動部材21はシートPと接触しない位置に揺動して退避し、収容されて印字動作が終了する(ステップS39)。連続印刷時や両面印刷時においては、前記ステップS32〜S39の一連の動作を繰り返し実施する。
【0142】
次に、揺動部材21の揺動実行を決定する理由について説明する。
【0143】
定着装置8へシートPを案内する定着入口ガイド20がシートPと摺擦することによりマイナス極性に帯電している。これによりレジセンサ16によって検知した剥離放電現象が発生しているシートPの後端位置に合わせて揺動部材21を揺動させる。これにより揺動部材21がシートPに接触する接触面と接触圧とを大きくする位置に変更する。シートPをマイナス極性に帯電(−2.0kV程度)させ、定着入口ガイド20とシートPとの剥離放電現象を防止する。また、シートPの非画像面に揺動部材21を接触させることで未定着のトナー像が乱される二次弊害を防止する。
【0144】
つまり、レジセンサ16によって検知された剥離放電現象が発生しているシートPの後端位置に合わせて揺動部材21を揺動させる。これにより揺動部材21がシートPに接触する接触面と接触圧とを大きくする位置に変更し、シートPの非画像面に揺動部材21を接触させる。これによりトナー像が乱される二次弊害なく剥離放電現象による画像不良を防止する。
【0145】
尚、揺動部材21に高電圧を印加することで、積極的にシートPの電位をマイナス側に印加させても良い。
【0146】
上記一連の動作により、水玉模様等の画像不良を一切発生させず、且つ、転写性を低下させない画像形成装置22を提供出来る。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。