特許第6395384号(P6395384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6395384
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20180913BHJP
   G09F 13/20 20060101ALI20180913BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180913BHJP
【FI】
   F21S2/00 482
   G09F13/20 H
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-10807(P2014-10807)
(22)【出願日】2014年1月23日
(65)【公開番号】特開2015-138715(P2015-138715A)
(43)【公開日】2015年7月30日
【審査請求日】2017年1月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】514020747
【氏名又は名称】中井 孝和
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】中井 孝和
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−092010(JP,A)
【文献】 特開平09−153682(JP,A)
【文献】 特開2013−153117(JP,A)
【文献】 特開平11−307884(JP,A)
【文献】 実開昭60−078166(JP,U)
【文献】 特開2005−115372(JP,A)
【文献】 特開平09−321439(JP,A)
【文献】 特開2001−332654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21S 8/04
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のガラス繊維シートと、
前記第一のガラス繊維シートに積層された第二のガラス繊維シートと、
前記第一のガラス繊維シートの少なくとも一方の面に形成された第一の配線パターンと、
前記第二のガラス繊維シートの少なくとも一方の面に形成された第二の配線パターンと、
前記第一の配線パターンに沿って前記第一のガラス繊維シートの前記第二のガラス繊維シートとは反対側の面に配置された複数の第一の発光素子と、
前記第二の配線パターンに沿って前記第二のガラス繊維シートの前記第一のガラス繊維シート側の面に配置された複数の第二の発光素子と、を備え、
前記第二の発光素子は、前記第一のガラス繊維シートに形成された露出孔を介して露出され、
前記第一のガラス繊維シートには、前記第一の配線パターンに沿って、前記第一の発光素子と前記露出とが交互に並んで配置され、
前記第二のガラス繊維シートには、前記第二の配線パターンに沿って、前記第一のガラス繊維シートに形成された前記露出に対応する位置に前記第二の発光素子が配置されている照明装置。
【請求項2】
ガラス繊維シートと、
前記ガラス繊維シートの一方の面に形成された二本一組の第一の配線パターンと、
前記ガラス繊維シートの他方の面に形成された二本一組の第二の配線パターンと、
前記第一及び第二の配線パターンに沿って前記ガラス繊維シートの前記一方の面に配置された複数の発光素子と、を備え、
前記第二の配線パターンは、前記第一の配線パターンに沿って、平面視において前記第一の配線パターンに隣り合うように配置されており、
前記複数の発光素子は、電極が前記第一の配線パターンに電気的に接続されている複数の第一の発光素子と、電極が前記第二の配線パターンに電気的に接続されている複数の第二の発光素子と、から構成されている照明装置。
【請求項3】
前記発光素子は、発光ダイオードである請求項1または2に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス繊維シートを光源の基材に用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス繊維シートは、不燃性等の優れた特性のために、種々の用途に用いることが提案されている。例えば、特許文献1、2では、駅構内、ホテル、デパート等に設置されている広告パネル等を形成するための画像シートの基材としてガラス繊維シートを用いることが開示され、特許文献3では、光源からの光を拡散させる光拡散シートとしてガラス繊維シートを用いることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−203724号公報
【特許文献2】特開2010−42587号公報
【特許文献3】特開2001−55646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ガラス繊維シートを光源の基材として使用し、柔軟で不燃性の照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の照明装置の特徴構成は、
第一のガラス繊維シートと、
前記第一のガラス繊維シートに積層された第二のガラス繊維シートと、
前記第一のガラス繊維シートの少なくとも一方の面に形成された第一の配線パターンと、
前記第二のガラス繊維シートの少なくとも一方の面に形成された第二の配線パターンと、
前記第一の配線パターンに沿って前記第一のガラス繊維シートの前記第二のガラス繊維シートとは反対側の面に配置された複数の第一の発光素子と、
前記第二の配線パターンに沿って前記第二のガラス繊維シートの前記第一のガラス繊維シート側の面に配置された複数の第二の発光素子と、を備え、
前記第二の発光素子は、前記第一のガラス繊維シートに形成された露出孔を介して露出され、
前記第一のガラス繊維シートには_、前記第一の配線パターンに沿って、前記第一の発光素子と前記露出とが交互に並んで配置され、
前記第二のガラス繊維シートには、前記第二の配線パターンに沿って、前記第一のガラス繊維シートに形成された前記露出に対応する位置に前記第二の発光素子が配置されている点にある。
【0006】
この構成によれば、ガラス繊維シートを基材としているため、容易に変形可能であり、しかも不燃性の照明装置を実現することができる。また、配線パターンの形状は特に限定されないため、配線パターンの形状を適宜変更することで、任意の絵柄や図柄で照明を灯す(画像を形成する)ことができる。
【0007】
なお、配線パターンは、通常、2本以上の配線で構成される。発光素子は、配線パターンを構成する配線の少なくとも一つに沿って配置されていればよい。また、発光素子は、ガラス繊維シートの配線パターンが形成された面に配置されてもよいし、その逆側の面に配置されてもよい。後者の場合、ガラス繊維シートにスルーホールを形成し、該スルーホールを介して発光素子と配線パターンとを導通させればよい。
【0009】
発光素子を配置する間隔は配線パターンの間隔に依存するため、発光素子を密に配置するためには、微細な配線パターンを形成することが必要となる。インクジェットでパターニングするという方法等である程度は微細な配線パターンを形成できるが、それでも、現状では4mm程度の間隔が限界である。これに対し、この構成では、配線パターンが形成された2枚のガラス繊維シートを積層することで、発光素子を配置する間隔をパターニングの解像度以上に狭くすることができるため、発光素子を密に配置し、より高精細な画像を形成することが可能となる。
【0010】
発明の照明装置の特徴構成は、
ガラス繊維シートと、
前記ガラス繊維シートの一方の面に形成された二本一組の第一の配線パターンと、
前記ガラス繊維シートの他方の面に形成された二本一組の第二の配線パターンと、
前記第一及び第二の配線パターンに沿って前記ガラス繊維シートの前記一方の面に配置された複数の発光素子と、を備え、
前記第二の配線パターンは、前記第一の配線パターンに沿って、平面視において前記第一の配線パターンに隣り合うように配置されており、
前記複数の発光素子は、電極が前記第一の配線パターンに電気的に接続されている複数の第一の発光素子と、電極が前記第二の配線パターンに電気的に接続されている複数の第二の発光素子と、から構成されている点にある。
これらの構成によっても、発光素子を配置する間隔をパターニングの解像度以上に狭くすることができるため、発光素子を密に配置し、より高精細な画像を形成することが可能となる。
【0013】
本発明の照明装置の特徴構成は、
ガラス繊維シートと、
前記ガラス繊維シートの一方の面に形成された第一の配線パターンと、
前記第一の配線パターンに対応するパターンで、前記ガラス繊維シートの他方の面に形成された第二の配線パターンと、
前記第一及び第二の配線パターンに沿って前記ガラス繊維シートの前記一方の面に配置された複数の発光素子と、
を備え、
前記第一の配線パターンと前記第二の配線パターンとの一方は、行方向に延びる複数の行方向配線パターンで構成され、且つ、他方は、前記行方向配線パターンに平面視で交差して列方向に延びる複数の列方向配線パターンで構成され、
前記発光素子は、前記行方向配線パターンと前記列方向配線パターンとの平面視における交点部分に配置されるとともに、一方の電極が前記行方向配線パターンに、他方の電極が前記列方向配線パターンに電気的に接続され点にある。
【0014】
この構成によれば、行方向配線パターン及び列方向配線パターンに選択的に電気信号を送ることで任意の発光素子を発光させることができるため、画像を動かしたり変形させたりするといった動的な画像表示を行うことが可能となる。
【0015】
なお、行方向配線パターンと列方向配線パターンとの平面視における交点部分とは、行方向配線パターンと列方向配線パターンとの平面視における交点と、その交点近傍とを包含するものである。
【0016】
また、行方向配線パターン及び列方向配線パターンを離間させる方法は特に限定されず、片面に配線パターンが形成された2枚のガラス繊維シートを積層し、行方向配線パターン及び列方向配線パターンの一方を第一のガラス繊維シートに、他方を第二のガラス繊維シートに形成する方法(行方向配線パターン及び列方向配線パターンの一方を第一の配線パターンとし、他方を第二の配線パターンとする方法)であってもよいし、行方向配線パターン及び列方向配線パターンの一方をガラス繊維シートの表面に、他方をガラス繊維シートの裏面に形成する方法(行方向配線パターン及び列方向配線パターンの一方を表面側配線パターンとし、他方を裏面側配線パターンとする方法)であってもよいし、行方向配線パターンと列方向配線パターンとの間に絶縁層を設ける方法であってもよい。絶縁層を設ける方法では、絶縁層にスルーホールを形成し、該スルーホールを介して発光素子と裏面に配置した配線とを導通させればよい。
【0017】
本発明の更なる特徴構成は、前記発光素子は、発光ダイオード(LED)である点にある。
【0018】
この構成によれば、照明装置の省電力化、省スペース化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態1の照明装置を示す平面模式図である。
図2図1中のII−II線に沿った断面模式図である。
図3】実施形態2の照明装置を示す平面模式図である。
図4図3中のIV−IV線に沿った断面模式図である。
図5】実施形態3の照明装置を示す平面模式図である。
図6図5中のVI−VI線に沿った断面模式図である。
図7】実施形態4の照明装置を示す断面模式図である。
図8】実施形態5の照明装置を示す断面模式図である。
図9】実施形態6の照明装置を示す平面模式図である。
図10図9中のX−X線に沿った断面模式図である。
図11】実施形態7の照明装置を示す平面模式図である。
図12図11中のXII−XII線に沿った断面模式図である。
図13】実施形態8の照明装置を示す平面模式図である。
図14図13中のXIV−XIV線に沿った断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の照明装置について説明する。
【0021】
[実施形態1]
図1は、実施形態1の照明装置を示す平面模式図であり、図2は、図1中のII−II線に沿った断面模式図である。図1、2に示すように、照明装置10は、ガラス繊維シート11と、ガラス繊維シート11の表面に形成された配線パターン12と、配線パターン12に沿ってガラス繊維シート11の表面に配置された複数のLED13と、LED13を作動させる電源(不図示)とを備える。配線パターン12は、平面視で並走する同形状の2本の配線(配線12a、12b)で構成される。配線12aは電源のプラス端子に、配線12bは電源のマイナス端子に電気的に接続される。LED13は、アノードが配線12aに、カソードが配線12bに電気的に接続される。
【0022】
ガラス繊維シート11は、ガラス織布が樹脂材料でコーティングされた構成を有する。ガラス織布は、例えば、多数本の単繊維を用いて構成された60〜80TEX(TEX=1000×糸の重さ(g)/糸の長さ(m))のガラス繊維糸を用いて、所定の織密度(具体的には、経糸が45〜55本/25mm、緯糸が45〜55本/25mm)で構成されたものを使用できる。樹脂材料は、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂を使用できる。また、ガラス織布をウレタン系樹脂でコーティングした後、更にその表面をアクリル系樹脂でコーティングするといったように、ガラス織布を複数種の樹脂材料でコーティングしてもよい。
【0023】
ガラス繊維シート11の厚みは特に限定されないが、適度な柔軟性を確保するという点から、150〜300μmが好ましい。
【0024】
配線パターン12は、金属等の導電層で構成される。導電層に使用する金属としては特に限定されないが、銅、鉄、アルミニウム、インジウム、スズ等が挙げられる。なかでも、導電性に優れるという点から、銅が好ましい。
【0025】
配線パターン12の形成方法は特に限定されないが、高精細な配線パターン12を形成可能であるという点から、以下に示す方法が好ましい。
【0026】
まず、ガラス繊維シート11に粘着剤が塗布された銅箔等の金属箔を熱プレスによって圧着する。熱プレスの温度は金属箔を圧着できる温度であればよく、通常は100℃以上(好ましくは300℃以上)に設定すればよい。
【0027】
次に、インクジェット又はディスペンサによって金属箔の所定の領域に防食処理を施してから、エッチング液で金属箔の不要な部分を溶解させる。銅箔の場合、エッチング液は塩化第二鉄溶液等を使用できる。その後、金属箔上に残存した防食処理剤を洗浄で除去することで、配線パターン12を所望の形状で形成することができる。
【0028】
こうして形成された配線パターン12に沿って複数のLED13を配置することで、任意の絵柄や図形で照明を灯す(画像を形成する)ことができる。図1では配線パターン12を単純な四角形状に形成した場合を示しているが、バラの花等、複雑な形状にすることも可能である。
【0029】
なお、本実施形態では、配線パターン12が2本の配線で構成された場合を示しているが、配線パターン12を構成する配線の本数は特に限定されず、LED13を作動させる回路を形成可能な範囲で適宜変更してもよい。後述する他の実施形態でも同様である。
【0030】
[実施形態2]
図3は、実施形態2の照明装置を示す平面模式図であり、図4は、図3中のIV−IV線に沿った断面模式図である。図3、4に示すように、照明装置20は、2枚のガラス繊維シート11a、11bが積層された構成を有する。ガラス繊維シート11a、11bの積層前の状態が図4(a)に、ガラス繊維シート11a、11bの積層後の状態が図4(b)にそれぞれ対応する。ガラス繊維シート11a(第一のガラス繊維シート)の表面(上方の面)には第一の配線パターン12が、ガラス繊維シート11b(第二のガラス繊維シート)の上方の面(ガラス繊維シート11a側の面)には第二の配線パターン14が形成されている。LED13は、ガラス繊維シート11aの表面と、ガラス繊維シート11bの上方の面とに配置されており、ガラス繊維シート11a、11bを積層することで、ガラス繊維シート11aに配置されたLED13とガラス繊維シート11bに配置されたLED13とが平面視で交互に並んでドットマトリクス状に配置される。図3では、ガラス繊維シート11aに配置されたLED13をグレーの丸で、ガラス繊維シート11bに配置されたLED13を白の丸で記載し、両者を区別している。ガラス繊維シート11bに配置されたLED13は、ガラス繊維シート11aに形成された露出孔15を介して露出される。ガラス繊維シート11aにおいて、露出孔15は、平面視でLED13と重なる領域で、LED13と同形状で同数形成される。
【0031】
第一の配線パターン12は、並走する同形状の2本の配線(配線12a、12b)で構成される。同様に、第二の配線パターン14も、並走する同形状の2本の配線(配線14a、14b)で構成される。第一の配線パターン12及び第二の配線パターン14は、平面視で重なるように配置される。配線12a、14aは電源のプラス端子に、配線12b、14bは電源のマイナス端子に接続される。ガラス繊維シート11aに配置されたLED13は、アノードが配線12aに、カソードが配線12bに電気的に接続され、ガラス繊維シート11bに配置されたLED13は、アノードが配線14aに、カソードが配線14bに電気的に接続される。ガラス繊維シート11bに配置されたLED13と第一の配線パターン12との間には、必要に応じてこれらの導通を遮断する絶縁膜が形成される。
【0032】
本実施形態では、LED13が配置された2枚のガラス繊維シート11a、11bを重ねることで、LED13を密集させ、面光源の照明装置にすることができる。これにより、高輝度の照明装置を実現することができる。
【0033】
なお、本実施形態では、第一の配線パターン12がガラス繊維シート11aの表面に形成される場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、第一の配線パターン12がガラス繊維シート11aの裏面(下方の面)に形成されてもよい。第一の配線パターン12がガラス繊維シート11aの裏面に形成される場合、ガラス繊維シート11aにスルーホールを形成し、該スルーホールを介してLED13と第一の配線パターン12とを導通させればよい。第二の配線パターン14についても同様である。
【0034】
また、本実施形態では、LED13が、ガラス繊維シート11aの表面と、ガラス繊維シート11bの上方の面とに配置される場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、全てのLED13をガラス繊維シート11aの表面に配置してもよい。以下の実施形態3でこの形態について説明する。
【0035】
[実施形態3]
図5は、実施形態3の照明装置を示す平面模式図であり、図6は、図5中のVI−VI線に沿った断面模式図である。図5、6に示すように、照明装置30は、実施形態2と同様、2枚のガラス繊維シート11a、11bが積層された構成を有し、LED13は、ガラス繊維シート11aの表面(上方の面)に配置されている。ガラス繊維シート11aの表面には第一の配線パターン12が、ガラス繊維シート11bの下方の面(ガラス繊維シート11aとは逆側の面)には第二の配線パターン14が形成されている。ガラス繊維シート11a、11bには、第二の配線パターン14とLED13とを導通させるためのスルーホール16(第二の配線パターン用スルーホール)が形成される。スルーホール16を介してLED13の電極と第二の配線パターン14とが電気的に接続される。
【0036】
第一の配線パターン12及び第二の配線パターン14は、平面視において、重ならず、かつ並走するように配置され、そして、第一の配線パターン12を構成する配線と第二の配線パターン14を構成する配線とが平面視で1本ずつ交互に配置される。図5、6においては、ガラス繊維シート11の中心から外側に向かって、第一の配線パターン12を構成する配線12a、第二の配線パターン14を構成する配線14a、第一の配線パターン12を構成する配線12b、第二の配線パターン14を構成する配線14bの順に配置される。配線12a、12bは電源のプラス端子に、配線14a、14bは電源のマイナス端子に接続される。LED13は、アノードが配線12aに、カソードが配線14aに電気的に接続されたもの、アノードが配線12bに、カソードが配線14bに電気的に接続されたもの、の2種類が存在する。
【0037】
本実施形態では、互いに並走する第一の配線パターン12及び第二の配線パターン14に沿ってLED13を配置することにより、LED13を密集させることができるため、実施形態1と比較して高精細な図柄や図形で照明を灯す(画像を形成する)ことができる。
【0038】
[実施形態4]
図7は、実施形態4の照明装置を示す断面模式図である。平面模式図は実施形態3と同様のため、記載を省略する。図7に示すように、照明装置40では、第二の配線パターン14がガラス繊維シート11bの上方の面(ガラス繊維シート11a側の面)に形成されている。ガラス繊維シート11aには、第二の配線パターン14とLED13とを導通させるためのスルーホール16(第二の配線パターン用スルーホール)が形成される。スルーホール16を介してLED13の電極と第二の配線パターン14とが電気的に接続される。
【0039】
本実施形態によっても、実施形態3と同様、実施形態1と比較して高精細な図柄や図形で照明を灯す(画像を形成する)ことができる。
【0040】
[実施形態5]
図8は、実施形態5の照明装置を示す断面模式図である。平面模式図は実施形態3と同様のため、記載を省略する。図8に示すように、照明装置50は、ガラス繊維シート11と、ガラス繊維シート11の表面に形成された表面側配線パターン12と、ガラス繊維シート11の裏面に形成された裏面側配線パターン14と、表面側配線パターン12及び裏面側配線パターン14に沿ってガラス繊維シート11の表面に配置された複数のLED13と、LED13を作動させる電源(不図示)とを備える。ガラス繊維シート11には、裏面側配線パターン14とLED13とを導通させるためのスルーホール16(裏面側配線パターン用スルーホール)が形成される。スルーホール16を介してLED13の電極と裏面側配線パターン14とが電気的に接続される。
【0041】
本実施形態によっても、実施形態3、4と同様、実施形態1と比較して高精細な図柄や図形で照明を灯す(画像を形成する)ことができる。
【0042】
[実施形態6]
図9は、実施形態6の照明装置を示す平面模式図であり、図10は、図9中のX−X線に沿った断面模式図である。図9、10に示すように、照明装置60は、表面側配線パターン12及び下側配線パターン14の配置が実施形態5と異なり、表面側配線パターン12と裏面側配線パターン14とが平面視で2本ずつ交互に配置される。
【0043】
本実施形態によっても、実施形態3〜5と同様、実施形態1と比較して高精細な図柄や図形で照明を灯す(画像を形成する)ことができる。
【0044】
なお、本実施形態で示した表面側配線パターン12及び裏面側配線パターン14の配置関係は、実施形態3、4のように2枚のガラス繊維シート11a、11bを積層する場合にも適用可能である。
【0045】
[実施形態7]
図11は、実施形態7の照明装置を示す平面模式図であり、図12は、図11中のXII−XII線に沿った断面模式図である。図11、12に示すように、照明装置70は、ガラス繊維シート11と、行方向に延びる複数の行方向配線パターンLOWと、行方向配線パターンLOWから離間し、行方向配線パターンLOWに平面視で交差して列方向に延びる複数の列方向配線パターンCOLと、行方向配線パターンLOWと列方向配線パターンCOLとの平面視における交点部分に配置された複数の赤色LED13R、緑色LED13G、青色LED13Bと、赤色LED13R、緑色LED13G、青色LED13Bを作動させる電源(不図示)と、赤色LED13R、緑色LED13G、青色LED13Bの点灯を制御する駆動回路(不図示)とを備える。行方向配線パターンLOWはガラス繊維シート11の裏面(下方の面)に、列方向配線パターンCOLはガラス繊維シート11の表面(上方の面)に形成される。赤色LED13R、緑色LED13G、青色LED13Bは、それぞれ列方向配線パターンCOLに沿ってガラス繊維シート11の表面に列状に配置される。ガラス繊維シート11には、ガラス繊維シート11の裏面に形成された行方向配線パターンLOWと赤色LED13R、緑色LED13G、青色LED13Bとを導通させるためのスルーホール16が形成される。赤色LED13R、緑色LED13G、青色LED13Bは、一方の電極がスルーホール16を介して行方向配線パターンLOWに、他方の電極が列方向配線パターンCOLに電気的に接続される。
【0046】
本実施形態では、行方向配線パターンLOW及び列方向配線パターンCOLに選択的に電気信号を送ることで任意の発光素子を発光させる、すなわち、パッシブマトリクス方式で発光素子を駆動させることができる。これにより、動的な画像表示を行うことができる。
【0047】
また、本実施形態のようにRGBの3色の発光素子を使用することで、任意の色を表現することが可能となる。そのため、発光素子の数を調整し、テレビ等の表示装置として使用することもできる。
【0048】
なお、本実施形態ではパッシブマトリクス方式で発光素子を駆動させる場合について説明したが、発光素子毎に薄膜トランジスタ(TFT)等のアクティブ素子を配置し、アクティブマトリクス方式で発光素子を駆動させることも可能である。
【0049】
また、本実施形態では1枚のガラス繊維シートを使用しているが、2枚のガラス繊維シートを積層して使用してもよい。以下の実施形態8でこの形態について説明する。
【0050】
[実施形態8]
図13は、実施形態8の照明装置を示す平面模式図であり、図14は、図13中のXIV−XIV線に沿った断面模式図である。図13、14に示すように、照明装置80は、ガラス繊維シート11a、11bが積層された構成を有する。ガラス繊維シート11a、11bの積層前の状態が図14(a)に、ガラス繊維シート11a、11bの積層後の状態が図14(b)にそれぞれ対応する。赤色LED13R、緑色LED13G、青色LED13Bは、それぞれ列方向配線パターンCOLに沿って、ガラス繊維シート11aの表面に列状に配置される。ガラス繊維シート11bの表面にも赤色LED13R等が同様に配置されており、ガラス繊維シート11a、11bを積層することで、ガラス繊維シート11aに配置された赤色LED13R等とガラス繊維シート11bに配置された赤色LED13R等とが平面視で交互に並んでドットマトリクス状に配置される。図13では、ガラス繊維シート11aに配置された赤色LED13R等をグレーの丸で、ガラス繊維シート11bに配置された赤色LED13R等を白の丸で記載し、両者を区別している。ガラス繊維シート11aには、露出孔15がガラス繊維シート11bに配置された赤色LED13R等と同形状で同数形成されており、露出孔15を介してガラス繊維シート11bに配置された赤色LED13R等が露出される。行方向配線パターンLOWはガラス繊維シート11a、11bの下方の面に、列方向配線パターンCOLはガラス繊維シート11a、11bの上方の面に形成される。ガラス繊維シート11aに形成された行方向配線パターンLOWとガラス繊維シート11bに形成された列方向配線パターンCOLとの間には、これらの導通を遮断する絶縁層(不図示)が形成される。ガラス繊維シート11aに配置された赤色LED13R等はガラス繊維シート11aに形成された行方向配線パターンLOW及び列方向配線パターンCOLによって駆動され、ガラス繊維シート11bに配置された赤色LED13R等はガラス繊維シート11bに形成された行方向配線パターンLOW及び列方向配線パターンCOLによって駆動される。ガラス繊維シート11bに配置された赤色LED13R等とガラス繊維シート11aに形成された行方向配線パターンLOW及び列方向配線パターンCOLとの間には、必要に応じてこれらの導通を遮断する絶縁膜が形成される。その他は実施形態7と同様である。
【0051】
本実施形態によれば、赤色LED13R等を密集させ、実施形態7と比較して高精細な図柄や図形で照明を灯す(画像を形成する)ことができる。
【0052】
なお、ガラス繊維シート11a、11bを積層する場合であっても、実施形態3、4のようにスルーホール16を形成した上で、全ての発光素子をガラス繊維シート11aに配置してもよい。
【0053】
以上、説明したように、本発明の照明装置によれば、柔軟で不燃性であるという優れた特性を有しながら、任意の絵柄や図柄で照明を灯す(画像を形成する)ことができる。本発明の照明装置は、交通施設、スポーツ施設等における案内用の電光掲示板や、遊戯施設等の広告看板に好適である。
【符号の説明】
【0054】
10、20、30、40、50、60、70、80 照明装置
11、11a、11b ガラス繊維シート
12 配線パターン(第一の配線パターン、表面側配線パターン)
12a、12b、14a、14b 配線
13 LED
13R 赤色LED
13G 緑色LED
13B 青色LED
14 第二の配線パターン(裏面側配線パターン)
15 露出孔
16 スルーホール
COL 行方向配線パターン
ROW 列方向配線パターン
図1
図2
図3
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図5
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図8
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図11
図12
図13
図14