特許第6395387号(P6395387)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6395387
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】コンバーター
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20180913BHJP
【FI】
   H02M3/155 R
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-15822(P2014-15822)
(22)【出願日】2014年1月30日
(65)【公開番号】特開2014-187861(P2014-187861A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2016年10月7日
(31)【優先権主張番号】13160435.7
(32)【優先日】2013年3月21日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ロラン・フーブ
(72)【発明者】
【氏名】ギョーム・ルフェーブル
【審査官】 遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−245143(JP,A)
【文献】 特開2011−055612(JP,A)
【文献】 特開昭61−092162(JP,A)
【文献】 特開2000−324811(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0207185(US,A1)
【文献】 特開平07−095762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00−3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1及び第2のスイッチ、第1のインダクター(L1)、第1のコンデンサー(C2)並びに少なくとも第1及び第2のダイオード(D1、D2)と、前記第2のスイッチを保護するスナバー回路とからなる3レベルブーストコンバーターであって、
前記スナバー回路は、第2のインダクター(LSN)と、第2のコンデンサー(CSN)と、第3及び第4のダイオード(DSN1、DSN2)とからなり、
前記第1のスイッチの第1の端子は、前記第1のインダクターの第2の端子と、前記第1のダイオードのアノードとに接続され、
前記第1のスイッチの第2の端子は、前記第1のコンデンサーの第1の端子に接続され、
前記第2のスイッチの第2の端子は、該コンバーターの第1の入力端子に接続され、
前記第1のインダクターの第1の端子は、該コンバーターの第2の入力端子に接続され、
前記第1のダイオードのカソードは、前記第1のコンデンサーの第2の端子に接続され、
前記第2のダイオードのカソードは、該コンバーターの第1の出力端子に接続され、
前記第2のインダクターの第1の端子は、前記第1のスイッチの第2の端子と、前記第1のコンデンサーの第1の端子とに接続され、
前記第2のインダクターの第2の端子は、前記第3のダイオードのアノードと、前記第2のスイッチの第1の端子とに接続され、
前記第3のダイオードのカソードは、前記第4のダイオードのアノードと、前記第2のコンデンサーの第1の端子とに接続され、
前記第2のコンデンサーの第2の端子は、該コンバーターの第1の入力端子と、前記第2のスイッチの第2の端子とに接続され、
前記第4のダイオードのカソードは、前記第1のコンデンサーの第2の端子に接続され、
前記コンバーターの第2の出力端子は、前記コンバーターの第1の入力端子に接続され、
前記第2のダイオードのアノードは、前記第4のダイオードのカソードに接続され、
前記第2のインダクターの放電は、前記第2のコンデンサーと前記第2のインダクターとからなる共振回路の共振周波数に対応する周期の最大で半分の時間期間中は前記第2のコンデンサーを通じて行われ、該時間期間後は前記第1のコンデンサーにおいて行われることを特徴とする、3レベルブーストコンバーター。
【請求項2】
少なくとも第1及び第2のスイッチ、第1のインダクター(L1)、第1のコンデンサー(C2)並びに少なくとも第1及び第2のダイオード(D1、D2)と、前記第2のスイッチを保護するスナバー回路とからなる3レベルブーストコンバーターであって、
前記スナバー回路は、第2のインダクター(LSN)と、第2のコンデンサー(CSN)と、第3及び第4のダイオード(DSN1、DSN2)とからなり、
前記第1のスイッチの第1の端子は、前記第1のインダクターの第2の端子と、前記第1のダイオードのアノードとに接続され、
前記第1のスイッチの第2の端子は、前記第1のコンデンサーの第1の端子に接続され、
前記第2のスイッチの第2の端子は、該コンバーターの第1の入力端子に接続され、
前記第1のインダクターの第1の端子は、該コンバーターの第2の入力端子に接続され、
前記第1のダイオードのカソードは、前記第1のコンデンサーの第2の端子に接続され、
前記第2のダイオードのカソードは、該コンバーターの第1の出力端子に接続され、
前記第1のスイッチの第2の端子は、前記第1のコンデンサーの第1の端子と、前記第3のダイオードのアノードと、前記第2のスイッチの第1の端子とに接続され、
前記第3のダイオードのカソードは、前記第4のダイオードのアノードと、前記第2のコンデンサーの第1の端子とに接続され、
前記第2のコンデンサーの第2の端子は、該コンバーターの第1の入力端子と、前記第2のスイッチの第2の端子とに接続され、
前記第1のコンデンサーの第2の端子は、前記第2のインダクターの第1の端子に接続され、
前記第2のインダクターの第2の端子は、前記第4のダイオードのカソードに接続され、
前記第2のダイオードのアノードは、前記第4のダイオードのカソードに接続され、
前記第2のインダクターの放電は、前記第2のコンデンサーと前記第2のインダクターとからなる共振回路の共振周波数に対応する周期の最大で半分の時間期間中は前記第2のコンデンサーを通じて行われ、該時間期間後は前記第1のコンデンサーにおいて行われることを特徴とする、3レベルブーストコンバーター。
【請求項3】
少なくとも第1及び第2のスイッチ、第1のインダクター(L1)、第1のコンデンサー(C2)並びに少なくとも第1及び第2のダイオード(D1、D2)と、前記第2のスイッチを保護するスナバー回路とからなるブーストコンバーターであって、
前記スナバー回路は、第2のインダクター(LSN)と、第2のコンデンサー(CSN)と、第3及び第4のダイオード(DSN1、DSN2)とからなり、
前記第1のスイッチの第1の端子は、前記第1のインダクターの第2の端子と、前記第1のダイオードのアノードとに接続され、
前記第1のスイッチの第2の端子は、前記第1のコンデンサーの第1の端子に接続され、
前記第2のスイッチの第2の端子は、該コンバーターの第1の入力端子に接続され、
前記第1のインダクターの第1の端子は、該コンバーターの第2の入力端子に接続され、
前記第1のダイオードのカソードは、前記第1のコンデンサーの第2の端子に接続され、
前記第2のダイオードのカソードは、該コンバーターの第1の出力端子に接続され、
前記第2のスイッチの第1の端子は、前記第2のインダクターの第2の端子と、前記第3のダイオードのアノードとに接続され、
前記第3のダイオードのカソードは、前記第4のダイオードのアノードと、前記第2のコンデンサーの第1の端子とに接続され、
前記第2のコンデンサーの第2の端子は、該コンバーターの第1の入力端子と、前記第2のスイッチの第2の端子とに接続され、
前記第2のインダクターの第1の端子は、前記第1のコンデンサーの第1の端子に接続され、
前記第4のダイオードのカソードは、前記第1のコンデンサーの第2の端子に接続され、
前記第2のダイオードのアノードは、前記第4のダイオードのカソードに接続され、
前記第2のインダクターの放電は、前記第2のコンデンサーと前記第2のインダクターとからなる共振回路の共振周波数に対応する周期の最大で半分の時間期間中は前記第2のコンデンサーを通じて行われ、該時間期間後は前記第1のコンデンサーにおいて行われることを特徴とする、ブーストコンバーター。
【請求項4】
前記スナバー回路は、第1の端子が前記第4のダイオードのアノードに接続され、第2の端子が前記第2のダイオードのカソードに接続される、別のコンデンサー(CSN22)を更に備えることを特徴とする、請求項に記載のブーストコンバーター。
【請求項5】
少なくとも第1及び第2のスイッチ(S21、S22)、第1のインダクター(L21)、第1のコンデンサー(C22)並びに少なくとも第1及び第2のダイオードと、前記第2のスイッチを保護するスナバー回路とからなるバックコンバーターであって、
前記スナバー回路は、第2のインダクター(LSN)と、第2のコンデンサーと、第3及び第4のダイオード(DSN21、DSN22)とからなり、
前記第1のスイッチの第1の端子は、該コンバーターの第1の入力端子に接続され、
前記第3のダイオードのアノードは、前記第4のダイオードのカソードと、前記第2のコンデンサーの第1の端子とに接続され、
前記第3のダイオードのカソードは、前記第2のインダクターの第1の端子と、前記第1のスイッチの第2の端子とに接続され、
前記第2のダイオードのカソードは、前記第4のダイオードのアノードと、前記第1のダイオードのアノードと、前記第1のコンデンサーの第1の端子とに接続され、
前記第1のコンデンサーの第2の端子は、前記第2のインダクターの第2の端子と、前記第2のスイッチの第1の端子とに接続され、
前記第2のスイッチの第2の端子は、前記第1のダイオードのカソードと、前記第1のインダクターの第1の端子とに接続され、
前記第1のインダクターの第2の端子は、該コンバーターの第1の出力端子に接続され、
前記第2のコンデンサーの第2の端子は、該コンバーターの第2の入力端子及び第2の出力端子と、前記第2のダイオードのアノードとに接続され、
前記第2のインダクターの放電は、前記第2のコンデンサーと前記第2のインダクターとからなる共振回路の共振周波数に対応する周期の最大で半分の時間期間中は前記第2のコンデンサーを通じて行われ、該時間期間後は前記第1のコンデンサーにおいて行われることを特徴とする、バックコンバーター。
【請求項6】
前記スナバー回路は、第1の端子が前記第3のダイオードのアノードに接続され、第2の端子が前記第1のスイッチの第1の端子に接続される、別のコンデンサーを更に備えることを特徴とする、請求項に記載のバックコンバーター。
【請求項7】
少なくとも第1〜第4のスイッチ、第1のインダクター、第1のコンデンサー並びに少なくとも第1〜第4のダイオードと、前記第2及び第4のスイッチを保護するスナバー回路とからなる双方向コンバーターであって、
前記スナバー回路は、第2のインダクターと、第2及び第3のコンデンサーと、第5及び第6のダイオードとからなり、
前記第1のスイッチの第1の端子は、前記第3のスイッチの第2の端子と、前記第1のインダクターの第1の端子と、前記第1のダイオードのカソードと、前記第3のダイオードのアノードとに接続され、
前記第1のスイッチの第2の端子は、前記第2のスイッチの第1の端子と、前記第1のコンデンサーの第2の端子と、前記第1のダイオードのアノードと、前記第2のダイオードのカソードと、前記第6のダイオードのアノードとに接続され、
前記第2のスイッチの第2の端子は、前記第2のダイオードのアノードと、前記第3のコンデンサーの第2の端子と、該コンバーターの第2の入力端子及び第2の出力端子とに接続され、
前記第3のスイッチの第1の端子は、前記第1のコンデンサーの第1の端子と、前記第3のダイオードのカソードと、前記第2のインダクターの第1の端子とに接続され、
前記第4のスイッチの第1の端子は、前記第4のダイオードのカソードと、前記第2のコンデンサーの第1の端子と、該コンバーターの第1の入力端子とに接続され、
前記第4のスイッチの第2の端子は、前記第4のダイオードのアノードと、前記第2のインダクターの第2の端子と、前記第5のダイオードのカソードとに接続され、
前記第1のインダクターの第2の端子は、該コンバーターの第1の出力端子に接続され、
前記第2のコンデンサーの第2の端子は、前記第3のコンデンサーの第1の端子と、前記第5のダイオードのアノードと、前記第6のダイオードのカソードとに接続され、
前記第2のインダクターの放電は、前記第2のコンデンサーと前記第2のインダクターとからなる共振回路の共振周波数に対応する周期の最大で半分の時間期間中は前記第2のコンデンサーを通じて行われ、該時間期間後は前記第1のコンデンサーにおいて行われることを特徴とする、双方向コンバーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、少なくとも第1及び第2のスイッチ、第1のインダクター、第1のコンデンサー並びに少なくとも2つのダイオードと、第2のスイッチを保護するスナバー回路とからなるコンバーターに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、太陽エネルギーを電気エネルギーに直接変換する。太陽電池によって生成される電気エネルギーは、経時的に抽出し、電力の形態で用いることができる。太陽電池によって提供される直流電力は、DC−DCコンバーター回路及びDC/ACインバーター回路のような変換装置に提供される。
【0003】
しかしながら、太陽電池の電流−電圧ドループ特性によって、太陽電池から引き出される電流に対し非線形に出力電力が変化する。光照射レベル及び動作温度のような気候変動に応じて電力−電圧曲線が変化する。
【0004】
太陽電池アレイを動作させる近最適点は、電力が最大となる電流−電圧曲線の領域又はその近くにある。この点は最大電力点(MPP:Maximum Power Point)と呼ばれる。
【0005】
太陽電池の発電効率を最適にするように太陽電池をMPP付近で動作させることが重要である。
【0006】
気候変動に応じて電力−電圧曲線が変化すると、MPPも気候変動に応じて変化する。
【0007】
このため、任意の時点でMPPを特定可能である必要がある。
【0008】
そのために、DC−DCコンバーターを任意の入力電圧及び/又は入力電流に適応させるためにDC−DCコンバーター回路のスイッチのデューティサイクルが変更される。
【0009】
DC−DCコンバーターは寄生容量又は浮遊容量を有する(parasitic or stray)インダクター及びスイッチを含むので、電流フローを急に遮断することにより、ファラデーの法則に従ってスイッチングデバイスの両端の電圧が急上昇することになる。この過渡事象は電磁干渉源となり得る。さらに、デバイスの両端に生成される電圧が、デバイスが耐えることを意図される電圧を超える場合、この電圧によってデバイスが損傷又は破壊する場合がある。スナバーが電流スイッチングデバイスを迂回する短期的な代替の電流経路を与え、それにより誘導性素子をより安全にかつ静かに放電することができる。
【発明の概要】
【0010】
そのために、本発明は、少なくとも第1及び第2のスイッチ、第1のインダクター、第1のコンデンサー並びに少なくとも2つのダイオードと、第2のスイッチを保護するスナバー回路とからなるDC−DCコンバーターに関する。このDC−DCコンバーターは、スナバー回路が、第2のインダクターと、少なくとも第2のコンデンサーと、第3のダイオード及び第4のダイオードとからなることと、第2のインダクターの放電が、第2のコンデンサーと第2のインダクターとからなる共振回路の期間の最大で半分の時間期間中に第2のコンデンサーを通じて、この時間期間後は第1のコンデンサーにおいて行われることとを特徴とする。
【0011】
このため、電流フローを急に遮断することにより第2のスイッチの両端の電圧が急上昇することが回避される。
【0012】
特定の特徴によれば、上記DC−DCコンバーターは3レベルブーストコンバーターである。
【0013】
第1の実現態様によれば、
第2のインダクターの第1の端子は、第1のスイッチの端子と、第1のコンデンサーの端子とに接続され、
第2のインダクターの第2の端子は、第3のダイオードのアノードと、第2のスイッチの第1の端子とに接続され、
第3のダイオードのカソードは、第4のダイオードのアノードと、第2のコンデンサーの端子とに接続され、
第2のコンデンサーの第2の端子は、DC−DCコンバーターの入力端子と、第2のスイッチの第2の端子とに接続され、
第4のダイオードのカソードは、第1のコンデンサーの第2の端子に接続される。
【0014】
このため、電流フローを急に遮断することにより第2のスイッチの両端の電圧が急上昇することが回避される。
【0015】
第2の実現態様によれば、
第1のスイッチの端子は、第1のコンデンサーの端子と、第3のダイオードのアノードと、第2のスイッチの第1の端子とに接続され、
第3のダイオードのカソードは、第4のダイオードのアノードと、第2のコンデンサーの端子とに接続され、
第2のコンデンサーの第2の端子は、DC−DCコンバーターの入力端子と、第2のスイッチの第2の端子とに接続され、
第1のコンデンサーの第2の端子は、第2のインダクターの第1の端子に接続され、
インダクターの第2の端子は、第4のダイオードのカソードに接続される。
【0016】
このため、電流フローを急に遮断することにより第2のスイッチの両端の電圧が急上昇することが回避される。
【0017】
特定の特徴によれば、DC−DCコンバーターはブーストコンバーターである。
【0018】
特定の特徴によれば、
第2のスイッチの第1の端子は、第1のコンデンサーの端子と、第3のダイオードのアノードとに接続され、
第3のダイオードのカソードは、第4のダイオードのアノードと、第2のコンデンサーの第1の端子とに接続され、
第2のコンデンサーの第2の端子は、DC−DCコンバーターの入力端子と、第2のスイッチの第2の端子とに接続され、
第2のインダクターの第1の端子は、第2のコンデンサーの第1の端子に接続され、
第4のダイオードのカソードは、第2のインダクターの第2の端子に接続される。
【0019】
このため、電流フローを急に遮断することにより第2のスイッチの両端の電圧が急上昇することが回避される。
【0020】
特定の特徴によれば、スナバー回路は、第1の端子が第4のダイオードのアノードに接続され、第2の端子が第2のダイオードのアノードに接続される別のコンデンサーを更に備える。
【0021】
特定の特徴によれば、DC−DCコンバーターはバックコンバーターである。
【0022】
特定の特徴によれば、
第1のスイッチの第1の端子は、DC−DCコンバーターの第1の入力に接続され、
第3のダイオードのアノードは、第4のダイオードのカソードと、第3のコンデンサーの第1の端子とに接続され、
第3のダイオードのカソードは、第2のインダクターの第1の端子と、第1のスイッチの第2の端子とに接続され、
第3のダイオードのアノードは、第4のダイオードのアノードと、第2のダイオードのカソードと、第2のコンデンサーの第1の端子とに接続され、
第2のコンデンサーの第2の端子は、第2のインダクターの第2の端子と、第2のスイッチの第1の端子とに接続され、
第2のスイッチの第2の端子は、第2のダイオードのカソードと、第1のインダクターの第1の端子とに接続され、
第1のインダクターの第2の端子は、DC−DCコンバーターの第1の出力端子に接続され、
第4のコンデンサーの第2の端子は、DC−DCコンバーターの第2の入力端子及び第2の出力端子と、第2のダイオードのアノードとに接続される。
【0023】
このため、電流フローを急に遮断することにより第2のスイッチの両端の電圧が急上昇することが回避される。
【0024】
特定の特徴によれば、スナバー回路は、第1の端子が第3のダイオードのアノードに接続され、第2の端子が第1のスイッチの第1の端子に接続される別のコンデンサーを更に備える。
【0025】
特定の特徴によれば、コンバーターは双方向コンバーターであり、双方向コンバーターは、第3及び第4のスイッチと、第3及び第4のダイオードとを更に備え、スナバー回路は第4のスイッチを更に保護し、スナバー回路は第3のコンデンサーを更に備える。
【0026】
本発明の特性は、実施形態の一例の以下の説明を読むことから更に明らかになり、その説明は添付の図面に関して作成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1a】本発明が実施される3レベルブーストコンバーターの第1の例を示す図である。
図1b】本発明が実施される3レベルブーストコンバーターの第2の例を示す図である。
図1c】本発明が実施されるブーストコンバーターの第3の例を示す図である。
図1d】本発明が実施されるバックコンバーターの第4の例を示す図である。
図1e】本発明が実施される双方向コンバーターの例を示す図である。
図2】本発明が実施される3レベルコンバーター又は3レベル双方向コンバーターを備える装置の例を表す図である。
図3a】3レベルブーストコンバーターのスイッチが導通状態から非導通状態に移るときの第1段階中の等価電気回路を表す図である。
図3b】3レベルブーストコンバーターのスイッチが導通状態から非導通状態に移るときの第2段階中の等価電気回路を表す図である。
図3c】3レベルブーストコンバーターのスイッチが導通状態から非導通状態に移るときの第3段階中の等価電気回路を表す図である。
図4】3レベルブーストコンバーターのスイッチが導通状態から非導通状態に移るときの第1段階、第2段階及び第3段階中の電流変動及び電圧変動を表す図である。
図5a】3レベルブーストコンバーターのスイッチが非導通状態から導通状態に移るときの第4段階中の等価電気回路を表す図である。
図5b】3レベルブーストコンバーターのスイッチが非導通状態から導通状態に移るときの第5段階中の等価電気回路を表す図である。
図5c】3レベルブーストコンバーターのスイッチが非導通状態から導通状態に移るときの第6段階中の等価電気回路を表す図である。
図6】3レベルブーストコンバーターのスイッチが非導通状態から導通状態に移るときの第4段階、第5段階及び第6段階中の電流変動及び電圧変動を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1aは、本発明が実施される3レベルブーストコンバーターの第1の例である。
【0029】
3レベルブーストコンバーターは、インダクターL、2つのダイオードD及びD、3つのコンデンサーC、C及びC、第1のスイッチS及び第2のスイッチSと、本発明によるスナバー回路とからなる。
【0030】
スナバー回路は、インダクターLSNと、2つのダイオードDSN1及びDSN2と、コンデンサーCSNとからなり、スイッチSの導通/非導通状態の変化中のインダクターLSNの脱磁(demagnetisation)を可能にし、コンデンサーCSNの低速な充電/放電を可能にする。
【0031】
3レベルブーストコンバーターは、2つの入力端子10a及び11aを有する。例えば、3レベルブーストコンバーターは太陽光電池モジュールに接続される。本発明はまた、任意のDC電源において適用可能である。
【0032】
例えば、入力端子10aは電源の正極に接続され、入力端子11aは電源の負極に接続される。
【0033】
コンデンサーCは入力端子10a及び11aと並列に接続される。
【0034】
インダクターLの第1の端子は、入力端子10aに接続される。インダクターLの第2の端子は、スイッチSの第1の端子と、ダイオードDのアノードとに接続される。
【0035】
スイッチSの第2の端子は、スナバー回路のインダクターLSNの第1の端子と、コンデンサーCの第1の端子とに接続される。
【0036】
インダクターLSNは、スイッチSの第1の端子と、ダイオードDSN1のアノードとに接続される。スイッチSの第2の端子は入力端子11aに接続される。
【0037】
コンデンサーCの第2の端子は、ダイオードDのカソードと、ダイオードDのアノードとに接続される。
【0038】
ダイオードDのカソードは、3レベルブーストコンバーターの第1の出力端子l2aに接続される。
【0039】
ダイオードDSN1のカソードは、ダイオードDSN2のアノードと、コンデンサーCSNの第1の端子とに接続される。
【0040】
ダイオードDSN2のカソードは、ダイオードDのアノードに接続される。
【0041】
コンデンサーCSNの第2の端子は、3レベルブーストコンバーターの入力端子11aと、第2の出力端子13aとに接続される。
【0042】
コンデンサーCは、出力端子12a及び13aと並列に接続される。
【0043】
図1bは、本発明が実施される3レベルブーストコンバーターの第2の例である。
【0044】
3レベルブーストコンバーターは、インダクターL、2つのダイオードD及びD、3つのコンデンサーC、C及びC、第1のスイッチS及び第2のスイッチSと、本発明によるスナバー回路とからなる。
【0045】
スナバー回路は、インダクターLSNと、2つのダイオードDSN1及びDSN2と、コンデンサーCSNとからなり、スイッチSの導通/非導通状態の変化中のインダクターLSNの脱磁を可能にする。
【0046】
3レベルブーストコンバーターは、2つの入力端子10b及び11bを有する。例えば、3レベルブーストコンバーターは太陽光電池モジュールに接続される。本発明はまた、任意のDC電源において適用可能である。
【0047】
例えば、入力端子10bは電源の正極に接続され、入力端子11bは電源の負極に接続される。
【0048】
コンデンサーCは入力端子10b及び11bと並列に接続される。
【0049】
インダクターLの第1の端子は、入力端子10bに接続される。インダクターLの第2の端子は、スイッチSの第1の端子と、ダイオードDのアノードとに接続される。
【0050】
スイッチSの第2の端子は、スイッチSの第1の端子と、コンデンサーCの第1の端子と、ダイオードDSN1のアノードとに接続される。スイッチSの第2の端子は入力端子11bに接続される。
【0051】
コンデンサーCの第2の端子は、ダイオードのDのカソードと、インダクターLSNの第1の端子とに接続される。
【0052】
インダクターLSNの第2の端子は、ダイオードDのアノードと、ダイオードDSN2のカソードとに接続される。
【0053】
ダイオードDのカソードは、3レベルブーストコンバーターの第1の出力端子l2bに接続される。
【0054】
ダイオードDSN1のカソードは、ダイオードDSN2のアノードと、コンデンサーCSNの第1の端子とに接続される。
【0055】
ダイオードDSN2のカソードは、ダイオードDのアノードに接続される。
【0056】
コンデンサーCSNの第2の端子は、3レベルブーストコンバーターの入力端子11bと、第2の出力端子13bとに接続される。
【0057】
コンデンサーCは、出力端子12b及び13bと並列に接続される。
【0058】
ここで、一実現形態では、図1bのスナバーは、図1aに開示される3レベルブーストコンバーターのインダクターLSNと同じ場所に位置する第2のインダクターLSN’を有することができることに留意すべきである。そのような実現形態の変形において、インダクターLSN’及びインダクターLSNは磁気結合される。
【0059】
図1cは、本発明が実施されるブーストコンバーターの第3の例である。
【0060】
ブーストコンバーターは、インダクターL、2つのダイオードD及びD、3つのコンデンサーC、C及びC、第1のスイッチS11及び第2のスイッチS12と、本発明によるスナバー回路とからなる。
【0061】
スナバー回路は、インダクターLSNと、2つのダイオードDSN1及びDSN1と、2つのコンデンサーCSN11及びCSN12とからなり、スイッチSの導通/非導通状態の変化中のインダクターLSNの脱磁を可能にする。
【0062】
ブーストコンバーターは2つの入力端子10c及び11cを有する。例えば、ブーストコンバーターは太陽光電池モジュールに接続される。本発明はまた、任意のDC電源において適用可能である。
【0063】
例えば、入力端子10cは電源の正極に接続され、入力端子11cは電源の負極に接続される。
【0064】
コンデンサーCは、入力端子10c及び11cと並列に接続される。
【0065】
インダクターLの第1の端子は、入力端子10cに接続される。インダクターLの第2の端子は、スイッチS11の第1の端子とダイオードDのアノードとに接続される。
【0066】
スイッチS11の第2の端子は、スナバー回路のインダクターLSNの第1の端子と、コンデンサーCの第1の端子とに接続される。
【0067】
インダクターLSNは、スイッチS22の第1の端子と、ダイオードDSN1のアノードとに接続される。スイッチS22の第2の端子は入力端子11cに接続される。
【0068】
コンデンサーCの第2の端子は、ダイオードDのカソードと、ダイオードDのアノードとに接続される。
【0069】
ダイオードDのカソードは、ブーストコンバーターの第1の出力端子12cに接続される。
【0070】
ダイオードDSN1のカソードは、ダイオードDSN2のアノードと、コンデンサーCSN11の第1の端子とに接続される。
【0071】
ダイオードDSN12のカソードは、ダイオードDのアノードに接続される。
【0072】
コンデンサーCSN11の第2の端子は、ブーストコンバーターの入力端子11cと第2の出力端子13cとに接続される。
【0073】
コンデンサーCSN12の第1の端子は、コンデンサーCSN11の第1の端子と、ダイオードDのカソードとに接続される。
【0074】
コンデンサーCSN11及びコンデンサーCSN12の挙動は相補的であることに留意しなくてはならない。コンデンサーCSN11が充電するときコンデンサーCSN12は放電し、コンデンサーCSN11が放電するときコンデンサーCSN12は充電する。
【0075】
ここで、一実現形態では、図1cのスナバーは、図1aに開示される3レベルブーストコンバーターのインダクターLSNと同じ場所に位置する第2のインダクターLSN’を有することができることに留意すべきである。そのような実現形態の変形において、インダクターLSN’及びインダクターLSNは磁気結合される。
【0076】
コンデンサーCは、出力端子12c及び13cと並列に接続される。
【0077】
図1dは、本発明が実施されるバックコンバーターの第4の例である。
【0078】
バックコンバーターは、インダクターL21、4つのダイオードD2122,D23,D24、1つのコンデンサーC22、第1のスイッチS21及び第2のスイッチS22と、本発明によるスナバー回路とからなる。
【0079】
スナバー回路は、インダクターLSN21と、2つのダイオードDSN21及びDSN22と、2つのコンデンサーCSN21及びCSN22とからなり、スイッチS22の導通/非導通状態の変化中のインダクターLSNの脱磁を可能にする。
【0080】
バックコンバーターは2つの入力端子10d及び11dを有する。例えば、バックコンバーターは太陽光電池モジュールに接続される。本発明はまた、任意のDC電源において適用可能である。
【0081】
例えば、入力端子10dは電源の正極に接続され、入力端子11dは電源の負極に接続される。
【0082】
コンデンサーCSN21の第1の端子は、入力端子10dと、スイッチS21の第1の端子とに接続される。
【0083】
コンデンサーCSN21の第2の端子は、ダイオードDSN21のアノードと、コンデンサーCSN22の第1の端子と、ダイオードDSN22のカソードとに接続される。
【0084】
ダイオードDSN21のカソードは、インダクターLSNの第1の端子と、スイッチS21の第2の端子とに接続される。
【0085】
コンデンサーCSN22の第2の端子は、入力端子11dと、出力端子13dとに接続される。
【0086】
ダイオードDSN22のアノードは、ダイオードD22のカソードと、コンデンサーC22の第1の端子と、ダイオードD21のアノードとに接続される。
【0087】
コンデンサーC22の第2の端子は、インダクターLSNの第2の端子と、スイッチS22の第1の端子とに接続される。
【0088】
スイッチS22の第2の端子は、ダイオードD21のカソードと、インダクターL21の第1の端子とに接続される。
【0089】
インダクターL21の第2の端子は、出力端子12dと、コンデンサーCの第1の端子とに接続される。
【0090】
コンデンサーCの第2の端子は出力端子13dに接続される。
【0091】
コンデンサーCSN11及びコンデンサーCSN12の挙動は相補的であることに留意しなくてはならない。コンデンサーCSN11が充電するとき、コンデンサーCSN12は放電し、コンデンサーCSN11が放電するとき、コンデンサーCSN12は充電する。
【0092】
実現形態の一変形において、図1dのスナバーは、ダイオードD22のカソードとダイオードD21のアノードとの間に配置された第2のインダクターLSN’を有する場合があることに留意しなくてはならない。そのような実現形態の変形において、第2のインダクターLSN’及びインダクターLSNは磁気結合されている。
【0093】
図1eは、本発明が実施される双方向コンバーターの例である。
【0094】
双方向コンバーターは、インダクターL31、4つのダイオードD31、D31’、D32及びD32’、1つのコンデンサーC32、第1のスイッチS31、第2のスイッチS32、第3のスイッチS31’及び第4のスイッチS32’と、本発明によるスナバー回路とからなる。
【0095】
スナバー回路は、インダクターLSN31と、2つのダイオードDSN31及びDSN32と、2つのコンデンサーCSN31及びCSN32とからなり、スイッチS32及びS32’の導通/非導通状態の変化中にインダクターLSNの脱磁を可能にする。
【0096】
双方向コンバーターは2つの端子10e及び11eを有する。例えば、双方向コンバーターはバッテリに接続される。
【0097】
双方向コンバーターは2つの端子12e及び13eを有する。例えば、双方向コンバーターはAC/ACコンバーターに接続される。
【0098】
コンデンサーCSN31の第1の端子は、端子10eと、ダイオードD32’のカソードと、スイッチS21の第1の端子とに接続される。
【0099】
コンデンサーCSN31の第2の端子は、コンデンサーCSN32の第1の端子と、ダイオードDSN31のアノードと、ダイオードDSN32のカソードとに接続される。
【0100】
スイッチS32’の第2の端子は、インダクターLSNの第1の端子と、ダイオードD32’のアノードと、ダイオードDSN31のカソードとに接続される。
【0101】
インダクターLSNの第2の端子は、ダイオードD31’のカソードと、スイッチS31’の第1の端子と、コンデンサーC32の第1の端子とに接続される。
【0102】
スイッチS31’の第2の端子は、ダイオードD31’のアノードと、ダイオードD31のカソードと、インダクターL31の第1の端子と、スイッチS31の第1の端子とに接続される。
【0103】
スイッチS31の第2の端子は、ダイオードD31のアノードと、ダイオードD32のカソードと、ダイオードDSN32のアノードと、スイッチS32の第1の端子とに接続される。
【0104】
スイッチS32の第2の端子は、ダイオードD32のアノードと、コンデンサーC32の第2の端子と、端子11e及び13fとに接続される。
【0105】
スナバー回路は、スイッチS32及びS32’を保護する。
【0106】
インダクターL31の第2の端子は、端子12eに接続される。
【0107】
図2は、本発明が実施される3レベルコンバーター又は3レベル双方向コンバーターを備える装置の例である。
【0108】
装置20は、例えば、バス201によって互いに接続される構成要素と、プログラムによって制御されるプロセッサ200とに基づくアーキテクチャーを有する。3レベルブーストコンバーター205の制御された出力電圧Vout又は制御された入力電圧Vinを提供するために、プログラムは、スイッチS及びSの制御を可能にする。
【0109】
ここで、一変形形態において、装置20は、本明細書において以下で開示するようなプロセッサ200によって実行される動作と同じ動作を実行する1つ又はいくつかの専用集積回路の形態で実装されることに留意されたい。
【0110】
バス201は、プロセッサ200を、読取り専用メモリROM(:read only memory)202と、ランダムアクセスメモリRAM(:random access memory)203と、アナログ/デジタルコンバーターADC(:analogue to digital converter)306と、
図1a若しくは図1bに開示されるような3レベルブーストコンバーター又は
図1cに開示されるようなブーストコンバーター又は
図1dに開示されるようなバックコンバーター又は
図1eに開示されるような双方向コンバーターとに連結する。
【0111】
読取り専用メモリROM202はプログラム命令を含み、これらのプログラム命令は、装置20の電源がオンにされるとランダムアクセスメモリRAM203に転送される。
【0112】
アナログ/デジタルコンバーター206は3レベルブーストコンバーター205に接続され、出力電圧Voutを表す電圧をバイナリ情報に変換する。
【0113】
図3aは、3レベルブーストコンバーターのスイッチが導通状態から非導通状態に移るときの第1段階中の等価電気回路を表す。
【0114】
図3に与えられる等価回路は、図1aに与えられる第1の例のために用いられる。図1b、図1c及び図1dに与えられる例のために、図3の教示から同様の等価回路を容易に導出することができる。
【0115】
ここで、図3及び図5に開示される等価回路は、スイッチSのデューティサイクルが1/2以上であるときに与えられることに留意しなくてはならない。
【0116】
電流源IL1はインダクターLによって提供される電流であり、電圧源VC2はコンデンサーCの電圧である。インダクターLの放電は、インダクターLSNと、ダイオードDSN1と、コンデンサーCSNとを通じて行われる。電圧VS2はスイッチSの第1の端子と第2の端子との間の電圧である。
【0117】
スイッチSが導通状態から非導通状態に変化するとき、還流ダイオード(freewheeling diode)Dは逆ブロック(reverse blocke)されたままであるので、インダクターLの電流IL1は一定であり、コンデンサーCSNは充電される。
【0118】
ダイオードDSN2の端子間の電圧は、コンデンサーCの電圧を負にしたものに等しく、コンデンサーCSNにおける電圧はゼロである。
【0119】
電流IL1がコンデンサーCSNに流れる。
【0120】
ダイオードDにおける電圧VD2は以下の式に等しい。
D2=−VC2−Vout−VCSN
式中、VCSNはコンデンサーCSNにおける電圧である。
【0121】
ここで、CSN値は、図1c及び図1dの例においてそれぞれ、CSN11値とCSN12値との和、CSN11値とCSN12値との和によって置き換えられるべきであることに留意しなくてはならない。
【0122】
ここで、Lは、図1dの例ではL21によって置き換えられることにも留意しなくてはならない。
【0123】
電流IL1は以下の式に等しい。
L1=CSN*dVCSN/dt
このとき、VCSN(t)=IL1・t/CSNである。式中、tは時間でありdは導関数である。
【0124】
SNがVD2−Voutに達するとき、VD2=0である。
【0125】
t=CSN*(VC2−Vout)/IL1のとき、第1段階が終了する。
【0126】
図3bは、3レベルブーストコンバーターのスイッチが導通状態から非導通状態に移るときの第2段階中の等価電気回路を表す。
【0127】
電流源IL1は、インダクターLによって提供される電流であり、電圧源VC2はコンデンサーCの電圧であり、電圧源Voutは3レベルブーストコンバーターの出力における電圧である。インダクターLの放電は、インダクターLSN、ダイオードDSN1及びコンデンサーCSNを通じて行われる。電圧VS2は、スイッチSの第1の端子と第2の端子との間の電圧である。
【0128】
第1段階が終了すると、ダイオードDは導通するが、ダイオードDSN2は依然として逆ブロックされている。インダクターLSN及びコンデンサーCSNは、ダイオードDSN2が導通するまで振動する。しかしながら、LSN及びCSNの共振期間の半分よりも前にLSNが完全に放電される場合、第2段階は終了することがある。
【数1】
式中、ωSNはインダクターLSN及びコンデンサーCSNの角周波数であり、ILSNはLSNの電流である。
【数2】
【0129】
このとき、スイッチSの両端の電圧はVS2=VCSNである。
【0130】
【数3】
となると、第3段階が開始する。
【0131】
図3cは、3レベルブーストコンバーターのスイッチが導通状態から非導通状態に移るときの第3段階中の等価電気回路を表す。
【0132】
電流源IL1はインダクターLによって提供された電流であり、電圧源VC2はコンデンサーCの電圧であり、電圧源Voutは3レベルブーストコンバーターの出力における電圧である。ダイオードDSN2は導通する。
【0133】
【数4】
の場合、第3段階が開始する。
【0134】
インダクターLSNは、電圧−VC2が適用されると脱磁する。
【数5】
【0135】
このとき、スイッチSの両端の電圧はVS2=Voutである。
【0136】
このとき、第3段階が終了すると、ダイオードDSN1は逆バイアスされ、VS2=Vout−VC2となる。
【0137】
図4は、3レベルブーストコンバーターのスイッチが導通状態から非導通状態に移るときの第1段階、第2段階及び第3段階中の電流変動及び電圧変動を表す。
【0138】
図4の(a)は、図3a〜図3cに開示される3つの段階中の、40で表される電流ILSN及び41で表される電流ICSNの展開を表す。
【0139】
図4の(b)は、図3a〜図3cに開示される3つの段階中の、45で表される電圧VCSN及び46で表される電圧VS2の展開を表す。
【0140】
図4において42で表される第1段階の前に、電流ICSNはゼロ値に等しい。スイッチSがオフにされると、電流ICSNはILSNに等しくなる。コンデンサーCSNは充電され、Sにおける電圧VS2は電圧VCSNとともに大きくなる。t=CSN*(VC2−Vout)/IL1となったとき、第1段階は終了する。
【0141】
図4において43で表される第2段階中、ダイオードDは導通しているがダイオードDSN2は依然として逆ブロックされている。インダクターLSN及びコンデンサーCSNは、ダイオードDSN2が導通するまで振動する。電流ICSN及びILSNは減少する。
【0142】
電圧VCSNとしての電圧VS2はVoutの電圧値に達する。
【0143】
【数6】
になると、図4の44で示す第3段階が開始する。電流ILSNはコンデンサーCに流れ始め、電圧VS2はVout−VC2に等しくなり、電圧VC2はVoutに等しくなる。
【0144】
ここで、コンデンサーCの値は、少なくともコンデンサーCSNの値の100倍に等しいことに留意しなくてはならない。コンデンサーCは充電されているにもかかわらず、コンデンサーCの電圧値は、スイッチSのデューティサイクルを変更することによって一定に保たれる。
【0145】
スイッチS及びSは同じタイプでない場合があることに留意しなくてはならない。例えば、スイッチSは最大でVC2まで動作することができ、スイッチSは最大でVoutまで動作することができる。スイッチSのスイッチング時間はスイッチSのスイッチング時間よりもはるかに短い場合がある。
【0146】
例えば、スイッチS及びスイッチSは、MOSFET又はIGBTとすることができる。
【0147】
図5aは、3レベルブーストコンバーターのスイッチが非導通状態から導通状態に移るときの第4段階中の等価電気回路を表す。
【0148】
電流源IL1はインダクターLによって提供される電流であり、電圧源VC2はコンデンサーCの電圧であり、電圧源VoutはコンデンサーCの電圧である。
【0149】
スイッチSは導通状態に切り替えられ、これは誘導性ターンオン効果に対応する。
【数7】
【0150】
このとき、LSN・ILSN/dt=Vout−VC2≧0であり、次にインダクターLSNが磁化される。
【0151】
L1がダイオードDではなくスイッチSに流れるとき、Dは逆ブロックされ、両端の電圧は他の素子に依拠して展開する可能性がある。
【0152】
第4段階の持続期間は、Δta=LSN・IL1/(Vout−VC2)に等しい。
【0153】
図5bは、3レベルブーストコンバーターのスイッチが非導通状態から導通状態に移るときの第5段階中の等価電気回路を表す。
【0154】
電流源IL1は、インダクターLによって提供される電流であり、電圧源VC2は、コンデンサーCの電圧である。
【0155】
第4段階が終了すると、ダイオードDはブロックされ、コンデンサーCSNの両端の電圧VCSNは、電圧VC2よりも高く、VC2、LSN及びDSN2を通じて放電する傾向がある。第2段階に開示されるのと同じ共振が生じ、散逸エネルギー伝達は存在しない。
【0156】
以下の初期条件を考える。
CSN=Vout及びILSN=IL1
【数8】
【0157】
スナバーコンデンサーCSNは、TSN/2の前に放電しなくてはならない。TSNはCSN及びLSNからなる共振回路の期間であり、これはVout≧VC2*2を意味する。
【0158】
CSN=0となると、第5段階が終了し、第6段階が開始する。
【0159】
図5cは、3レベルブーストコンバーターのスイッチが非導通状態から導通状態に移るときの、3レベルブーストコンバーターのインダクター放電の第6段階中の等価電気回路を表す。
【0160】
電流源IL1はインダクターLによって提供される電流であり、電圧源VC2はコンデンサーCの電圧であり、電圧源VoutはコンデンサーCの電圧である。
【0161】
正電流がダイオードDSN2に流れ続け、ダイオードDSN1は、電圧VCSNがゼロ値に達すると導通する。
【0162】
第6段階は、以下となる前に開始する。
【数9】
【0163】
次に、インダクターLSNは脱磁される。
【数10】
【0164】
図6は、3レベルブーストコンバーターのスイッチが非導通状態から導通状態に移るときの第4段階、第5段階及び第6段階中の電流変動及び電圧変動を表す。
【0165】
図6の(a)は、図5a〜図5cに開示される3つの段階中の、60で表される電流ILSN及び61で表される電流ICSNの展開を表す。
【0166】
図6の(b)は、図5a〜図5cに開示される3つの段階中の、65で表される電圧VCSN及び66で表される電圧VS2の展開を表す。
【0167】
図6において62で表される第4段階の前に、スイッチSは非導通状態から導通状態に移る。
【数11】
【0168】
このとき、LSN・ILSN/dt=Vout−VC2≧0であり、次にインダクターLSNが磁化される。
【0169】
L1がダイオードDではなくスイッチSに流れるとき、Dは逆ブロックされ、両端の電圧は他の素子に依拠して展開する可能性がある。
【0170】
第4段階の持続時間は、Δta=LSN・IL1/(Vout−VC2)に等しい。
【0171】
図6において63で表される第4段階が終了すると、第5段階が開始する。ダイオードDはブロックされ、コンデンサーCSNの両端の電圧VCSNは電圧VC2よりも高く、VC2、LSN、及びDSN2を通じて放電する傾向がある。第2段階において開示されるのと同じ共振が生じ、散逸エネルギー伝達は存在しない。
【0172】
以下の初期条件を考える。
CSN=Vout及びILSN=IL1
【数12】
【0173】
スナバーコンデンサーCSNは、TSN/2の前に放電しなくてはならず、ここでTSNはCSN及びLSNからなる共振回路の期間であり、これはVout≧VC2*2を意味する。
【0174】
CSN=0となると、第5段階が終了し、第6段階が開始する。
【0175】
電流源IL1はインダクターLによって提供される電流であり、電圧源VC2はコンデンサーCの電圧であり、電圧源VoutはコンデンサーCの電圧である。
【0176】
正電流がダイオードDSN2に流れ続け、ダイオードDSN1は、電圧VCSNがゼロ値に達すると導通する。
【0177】
第6段階は、以下となる前に開始する。
【数13】
【0178】
次に、インダクターLSNは脱磁される。
【数14】
【0179】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に対して多くの変更を行うことができる。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5a
図5b
図5c
図6