【文献】
マインドジャック MIND JACK,電撃PlayStation 第17巻 第5号,株式会社アスキー・メディアワークス,2011年 1月27日,第17巻
【文献】
エアロダンシング4 new generation,電撃PlayStation 第8巻 第18号,メディアワークス,2002年 8月30日,第8巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記仮想カメラ制御手段は、前記第1操作部の変位量が増加するほど、前記仮想カメラのズーム率を大きくし、かつ、前記遊び領域を拡大させる、請求項3に記載のゲームプログラム。
請求項1〜6の何れかに記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、該プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータと、を備えたゲームシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のゲームではズーム率が固定されており、ユーザが所望するズーム率で表示を拡大することはできない。また、ガンシューティングゲームなどのアクションゲームでは、敵キャラクタの存在を素早く把握したり、遠方のターゲットを正確に狙撃したりすることが必要とされる場合がある。そのためユーザにおいては、ゲームの状況に応じて所望の任意のズーム率で拡大表示したり、そのための操作を素早く行えたりすることが望ましい。
【0006】
そこで本発明は、仮想ゲーム空間を撮影する仮想カメラを、ユーザが所望するズーム率に調整できると共に、そのズーム率の調整をユーザが直感的に素早く行えるゲームを実現するゲームプログラム及びゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るゲームプログラムは、コンピュータを、三次元の仮想ゲーム空間を撮影する仮想カメラを制御する仮想カメラ制御手段、撮影された画像に基づいてゲーム画像を生成するゲーム画像生成手段、及び、ユーザが操作する第1操作部の物理的かつ連続的な変位量を取得する第1操作取得手段、として機能させ、前記仮想カメラ制御手段は、前記第1操作部の変位量の連続的な変化に応じて、前記仮想カメラのズーム率を連続的に変化させる。
【0008】
これにより、第1操作部を変位させることで、ユーザが所望するズーム率に調整することができる。しかも、例えばボタンの長押し操作などとは違い、第1操作部の物理的かつ連続的な変位量に応じてズーム率が連続的に変化する。そのため、ユーザは、極めて短時間の直感的な操作で所望のズーム率に調整することができる。
【0009】
また、前記コンピュータを、ユーザによる第2操作部への操作を取得する第2操作取得手段、として機能させ、前記ゲーム画像生成手段は、前記ゲーム画像中に照準マークを表示すると共に、ユーザによる前記第2操作部への操作に応じて前記照準マークを移動させ、前記仮想カメラ制御手段は、前記第2操作部が操作されると前記仮想カメラの向きを前記照準マークに追従して変更すると共に、前記第2操作部が操作されたときの前記第1操作部の変位量に応じて前記追従の態様を変更することとしてもよい。
【0010】
これにより、第2操作部が操作されたときの仮想カメラのズーム率に応じた、当該仮想カメラの向きの変更動作を実現することができる。
【0011】
また、前記仮想カメラ制御手段は、前記照準マークを含むように所定の遊び領域を前記ゲーム画像中に設定し、前記第2操作部の操作による前記照準マークの移動先が、前記遊び領域内になる場合には、前記仮想カメラの向きを固定したまま前記照準マークを移動させ、前記第2操作部の操作による前記照準マークの移動先が、前記遊び領域外になる場合には、前記照準マークの移動に伴って前記仮想カメラの向きを追従させ、前記第1操作部の変位量に応じ、前記遊び領域を連続的にあるいは段階的に拡縮変形させることとしてもよい。
【0012】
このような遊び領域を設定することにより、第2操作部を操作しても、仮想カメラの向きを変更させず照準マークのみを移動させることができる。また、第1操作部の変位量に応じて遊び領域を拡縮変形させることにより、ズーム率に応じた適切な遊び領域を設定することができる。
【0013】
また、前記仮想カメラ制御手段は、前記第1操作部の変位量が増加するほど、前記仮想カメラのズーム率を大きくし、かつ、前記遊び領域を拡大させることとしてもよい。
【0014】
これにより、仮想カメラのズーム率が大きくなるほど、照準マークのみが移動する遊び領域が拡大し、ズーム率が小さくなるほど、第2操作部の操作に応じて照準マークの位置および仮想カメラの向きが連動しやすくなる。従って、ズーム率が大きい状態では、仮想カメラの動きが少なくなって精密射撃を行いやすくなり、ズーム率が小さい状態では、ユーザによる第2操作部の操作に応じて仮想カメラの向きをすばやく変更でき、仮想ゲーム空間内の広い範囲をすばやく視認することができる。
【0015】
また、前記コンピュータを、前記仮想ゲーム空間内で、前記仮想カメラが向けられた方向へ被射出体を射出する射出手段、として機能させ、前記射出手段は、前記第1操作部の変位量に応じて、前記被射出体の到達地点の散らばり具合を示す集弾率を連続的に変化させることとしてもよい。
【0016】
これにより、例えばズーム率を大きくしたときには集弾率を高くして、精密な射撃を行えるようにできる。また、ズーム率を小さくしたときには集弾率を低くして、広範囲に弾を撃てるようにできる。このように、ズーム率と集弾率とを連動させることができる。
【0017】
また、前記第1操作部は、所定方向へ付勢された操作子を有するものであってもよい。
【0018】
これにより、操作子を変位させるという極めて短時間で行える直感的な操作によって、ユーザが所望するズーム率に調整することができる。
【0019】
また、本発明に係るゲームシステムは、上述した何れかに記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、該プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータと、を備えている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、仮想ゲーム空間を撮影する仮想カメラを、ユーザが所望するズーム率に調整できると共に、そのズーム率の調整をユーザが直感的に素早く行えるゲームを実現するゲームプログラム、及びゲームシステムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係るゲームプログラム及びゲームシステムについて、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施の形態では、ユーザが仮想ゲーム空間内のプレイヤキャラクタの行動を操作し、敵キャラクタに対して射撃をしつつ目的地へ向けて移動していくガンシューティングゲームを例にして説明する。
【0023】
(ハードウェア構成)
図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、ゲーム装置2及びサーバ装置3を備えている。ゲーム装置2は、他のゲーム装置2及びサーバ装置3との間で、インターネット又はLANなどの通信ネットワークNWを介して互いに通信可能である。このゲーム装置2は、その動作を制御するコンピュータであるCPU10を備え、このCPU10にはバス11を介して、ディスクドライブ12、メモリカードスロット13、プログラム記憶部を成すHDD14及びROM15、並びにRAM16が接続されている。
【0024】
ディスクドライブ12には、DVD−ROM等のディスク型記録媒体30が装填可能である。該ディスク型記録媒体30には、本実施の形態に係るゲームプログラム30a及びゲームデータ30bが記録されている。このゲームデータ30bには、各キャラクタや仮想ゲーム空間の形成に必要なデータなど、本ゲームの進行に必要な各種のデータが含まれる。また、メモリカードスロット13にはカード型記録媒体31が装填でき、ゲームの途中経過等のプレイ状況を示すセーブデータを、CPU10からの指示に応じて記録可能である。
【0025】
HDD14はゲーム装置2が内蔵する大容量記録媒体であって、ディスク型記録媒体30から読み込んだゲームプログラム30a及びゲームデータ30b、更にはセーブデータ等を記録する。ROM15は、マスクROM又はPROMなどの半導体メモリであり、ゲーム装置2を起動する起動プログラムや、ディスク型記録媒体30が装填されたときの動作を制御するプログラムなどを記録している。RAM16は、DRAM又はSRAMなどから成り、CPU10が実行すべきゲームプログラム30aや、その実行の際に必要になるゲームデータ30bなどを、ゲームのプレイ状況に応じてディスク型記録媒体30又はHDD14から読み込んで一時的に記録する。
【0026】
また、CPU10には更に、バス11を介してグラフィック処理部17、オーディオ合成部20、無線通信制御部23、及びネットワークインタフェース26が接続されている。
【0027】
このうちグラフィック処理部17は、CPU10の指示に従って仮想ゲーム空間や各キャラクタ等を含むゲーム画像を描画する。すなわち、仮想ゲーム空間中に設定した仮想カメラの位置、向き、ズーム率(画角)等を調整し、仮想ゲーム空間を撮影する。そして、撮影した画像をレンダリング処理し、表示用の二次元のゲーム画像を生成する。また、グラフィック処理部17には、ビデオ変換部18を介して外部のディスプレイ(表示部)19が接続されている。グラフィック処理部17にて描画されたゲーム画像は、ビデオ変換部18において動画形式に変換され、このディスプレイ19にて表示される。
【0028】
オーディオ合成部20は、CPU10の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生及び合成する。また、オーディオ合成部20にはオーディオ変換部21を介して外部のスピーカ22が接続されている。従って、オーディオ合成部20にて再生及び合成されたゲーム音声は、オーディオ変換部21にてアナログ形式にデコードされ、スピーカ22から外部へ出力される。
【0029】
無線通信制御部23は、2.4GHz帯の無線通信モジュールを有し、ゲーム装置2に付属するコントローラ24との間で無線により接続され、データの送受信が可能となっている。ユーザは、このコントローラ24に設けられたボタン等の操作部25(
図2参照)を操作することにより、ゲーム装置2へ信号を入力することができ、ディスプレイ19に表示されるプレイヤキャラクタの動作を制御する。
【0030】
図2は、コントローラ24の構成を説明する図面である。コントローラ24は、上記無線通信制御部23との間で通信する通信部24aの他、複数の操作部25(251〜253)を有している。具体的に説明すると、操作部25には、ボリュームスイッチ式の第1操作部251、スティック式の第2操作部252、更に、オン/オフ式の第3操作部253が含まれている。
【0031】
ボリュームスイッチ式の第1操作部251は、ユーザ操作によって、物理的かつ連続的に変位するよう構成されている。そして、ユーザによる操作量(第1操作部251の物理的な変位量)とその出力信号値(例えば、電圧値又は周波数など)とが一対一の関係にある。典型的には、
図2中のグラフに示すように、第1操作部251の操作量と出力信号値とは比例関係にある。従って、CPU10は、第1操作部251からの出力信号に基づき、ユーザによる第1操作部251の操作量を一義的に取得できる。本実施の形態に係るゲームシステム1では、この第1操作部251の変位量の連続的な変化に応じて、少なくとも仮想カメラのズーム率が連続的に変化する(詳細は後述する)。
【0032】
第1操作部251の具体的な構成例としては、
図2に示すように、弾性体等によって突出方向に付勢された操作子251aを採用できる。このような構成の場合、突出状態(非操作位置)にある操作子251aを、例えば人差し指で押し込むように操作すると、所定位置(最大操作位置)まで押し込むことができる。また、人差し指の押し込み圧力を緩和すると、操作子251aは付勢力によって初期状態へと復帰する。そして、第1操作部251は、非操作位置(変位量;0%)から最大操作位置(変位量;100%)までの間の任意の位置(変位量;x%)において、非操作位置からの操作子251aの変位量(操作量)に応じた出力信号値を出力する。
【0033】
スティック式の第2操作部252は、例えばユーザの親指で操作されるスティック状の操作子252aを有する。この操作子252aは、直立状態の基準位置を中心とする360度の全方位へ傾倒操作できる。この第2操作部252を操作すると、その傾倒方向に応じて、例えばプレイヤキャラクタが移動したり、仮想ゲーム空間中に表示された射撃用の照準マークが移動したり、仮想ゲーム空間を撮影する仮想カメラの向きが変更したりする。
【0034】
オン/オフ式の第3操作部253は、例えばユーザの親指で操作されるボタン状の操作子253aを有する。この第3操作部253は、ユーザの操作時にオン信号を出力し、非操作時にはオフ信号を出力する(あるいは、オン信号を出力しない)。第3操作部253は、例えばコンフィグ画面における各種設定事項の決定や、照準へ向けた射撃などのプレイヤキャラクタの所定の動作の実行(決定)などに用いられる。
【0035】
なお、各形式の操作部251〜253は1つに限られず、夫々が複数備えられていてもよい。また、上述した各操作部251〜253の構成は一例であって、具体的な構成はこれに限られず、適宜他の構成を採用できる。
【0036】
図1の説明に戻り、ネットワークインタフェース26は、インターネット又はLANなどの通信ネットワークNWに対してゲーム装置2を接続するものであり、他のゲーム装置2及びサーバ装置3との間で通信可能である。そして、ゲーム装置2を、通信ネットワークNWを介して他のゲーム装置2と接続し、互いにデータを送受信することにより、同一のゲーム空間内で同期して複数のプレイヤキャラクタを表示させることができる。従って、複数人が共同してゲームを進行させるマルチプレイが可能になっている。
【0037】
(ゲーム装置の機能的構成)
図3は、ゲームシステム1が備えるゲーム装置2の機能的な構成を示すブロック図である。ゲーム装置2は、本発明のゲームプログラムを実行することで、ゲーム空間生成部40、キャラクタ制御部41、ゲーム画像生成部42、カメラ制御部43、操作取得部44、及びゲーム進行制御部45として機能する。なお、このような各機能は、ハード的には
図1に示すCPU10,HDD14,ROM15,RAM16,グラフィック処理部17,ビデオ変換部18等から構成されている。
【0038】
ゲーム空間生成部40は、プレイヤキャラクタが行動する舞台となる三次元の仮想ゲーム空間を生成する。例えば、フレームレートに応じて1フレーム経過ごとに、オブジェクトの位置やテクスチャを決定し、光源の設定を決定し、フォグや火の粉などのエフェクトの設定を決定するなどして、仮想ゲーム空間を生成する。
【0039】
キャラクタ制御部41は、ユーザが行動を操作するプレイヤキャラクタと、ユーザが操作できないノンプレイヤキャラクタとを仮想ゲーム空間中に生成する。また、ユーザによる操作部25の操作に応じてプレイヤキャラクタの動作を制御したり、ゲームの状況に応じてノンプレイヤキャラクタの動作を制御したりする。例えば、ユーザが第2操作部252をある方向へ傾倒操作すると、プレイヤキャラクタの姿勢をその方向へ変えたり、プレイヤキャラクタをその方向へ移動させたりする。また、ユーザが第3操作部253を押下操作すると、プレイヤキャラクタに所定の攻撃行動を実行させる。
【0040】
攻撃行動の一例として、プレイヤキャラクタは、火器を用いて遠方の敵キャラクタに対して射撃することができる。このような火器による攻撃を実現するため、キャラクタ制御部41は火器射出部(射出手段)41aを有している。すなわち、火器射出部41aは、ユーザが第3操作部253を押下操作すると、仮想ゲーム空間内で仮想カメラが向けられた方向へ弾丸(被射出体)を射出する。また、火器射出部41aは、第3操作部253が押下操作されたときの第1操作部251の操作量(変位量)に応じて、被射出体の到達地点の散らばり具合を示す集弾率を変化させる(詳しくは後述する)。
【0041】
なお、火器としては、拳銃、ライフル銃、ショットガンなどの小銃の他、弓矢、ボウガン、戦車の大砲やミサイルなど、いかなる射出式武器であっても採用できる。また、遠方の目標に対して何らかの作用を生じさせる魔法などの攻撃手段も、射出式武器に含められる。更に、プレイヤキャラクタがナイフや手りゅう弾などを投てきする場合には、投てき行動をするプレイヤキャラクタ自身が射出手段となり得る。なお、火器の種類によって、第1操作部251が操作されたときの集弾率あるいは最大ズーム率を異ならせてもよい。
【0042】
ゲーム画像生成部42は、仮想カメラが撮影した画像に基づき、ディスプレイ19に表示するゲーム画像を所定のフレームレートで生成する。例えば、ゲーム空間生成部40によって生成された仮想ゲーム空間に基づき、仮想カメラで撮影した二次元のゲーム画像を得るためにレンダリング処理を行う。このレンダリング処理では、ソリッド処理、抜き処理、トランスペアレンシー処理、エフェクト処理、及び、スクリーン処理などの公知の画像処理を、必要に応じて適宜行う。また、本ゲームでは、プレイヤキャラクタの遠隔攻撃をアシストするために、ゲーム画像中に照準を表す照準マークを表示する。そこで、ゲーム画像生成部42は、プレイヤキャラクタが火器を構えた場合などに、ゲーム画像に照準マークを表示する処理を行う。
【0043】
カメラ制御部43は、仮想ゲーム空間を撮影する仮想カメラを制御する。例えば、ユーザが第1操作部251を操作すると、その操作量(物理的な変位量)に応じて、仮想カメラのズーム率(画角)を変更する。また、ユーザが第2操作部252をある方向へ傾倒操作すると、その方向へ仮想カメラの向きを変更する。
【0044】
操作取得部44は、第1操作取得部44a、第2操作取得部44b、及び第3操作取得部44cを有し、ユーザによる各操作部25への操作の有無、及び操作量を取得する。すなわち、第1操作取得部44aは、ボリュームスイッチ式の第1操作部251について、ユーザによる操作量(物理的な変位量)を取得する。第2操作取得部44bは、スティック式の第2操作部252について、スティックの傾倒操作の有無と傾倒方向とを取得する。第3操作取得部44cは、オン/オフ式の第3操作部253について、押下操作の有無を取得する。
【0045】
ゲーム進行制御部45は、ユーザの操作及びゲーム内時間の経過等に応じて、ゲームの進行を制御する。例えば、ユーザの操作によりプレイヤキャラクタが所定の動作を行なった場合に、所定のイベントを発生させて一定期間だけ所定のプリレンダリングムービーを再生する。また、ゲーム内時間の経過に伴って、仮想ゲーム空間内の環境を変化させる。更に、プレイヤキャラクタの所在等に応じて、仮想ゲーム空間の各所に敵キャラクタを出現させる。
【0046】
(ゲームシステムの動作)
次に、ユーザによるコントローラ24の操作に応じたゲームシステムの動作について説明する。
【0047】
[動作例1]
図4(a)は、ゲームシステム1の動作例1に係る制御内容を示すフローチャートであり、
図4(b)は、動作例1を説明するための模式図である。この動作例1では、第1操作部251の変位量に応じて仮想カメラのズーム率を連続的に変化させる態様を説明する。
【0048】
図4(a)に示すように、ゲームシステム1は、第1操作部251がユーザにより操作されたか否かを判断する(ステップS1)。操作された場合には(ステップS1:YES)、第1操作部251の変位量の連続的な変化に応じて、仮想カメラのズーム率を連続的に変化させる(ステップS2)。
【0049】
より詳述すると、本ゲームでは、第1操作部251が物理的かつ連続的に変位する範囲と、仮想カメラのズーム率が連続的に変化する範囲とが対応付けられている。そして、第1操作部251の任意の変位量に対し、固有のズーム率が割り当てられている。具体的には、第1操作部251の変位量が増加するほど、仮想カメラのズーム率が大きくなるように設定されている。そのため、
図4(b)に示すようにユーザが第1操作部251を操作すると、その操作量(変位量)に応じたズーム率で撮影されたゲーム画像が、ディスプレイ19に表示される。
【0050】
これにより、ユーザは、第1操作部251の変位量を変更するだけで、仮想カメラのズーム率を任意に変更できる。従って、ズーム率を大きく変更する場合であっても、例えば操作部を長押しする場合のように時間を費やさずに、直感的かつ速やかにズーム率の変更を達成することができる。また、変更後のズーム率を更に変更することも、第1操作部251の物理的な変位量を変更するだけで実現できる。
【0051】
[動作例2]
図5(a)は、ゲームシステム1の動作例2に係る制御内容を示すフローチャートであり、
図5(b)は、動作例2を説明するための模式図である。この動作例2では、第1操作部251の変位量に応じて、ズーム率と射撃時の集弾率とを連続的に変化させる態様を説明する。
【0052】
図5(a)に示すステップS11〜S12の内容は、動作例1で説明したステップS1〜S2の内容と同様である。動作例2では、ステップS12に続いて、プレイヤキャラクタに射撃を実行させる第3操作部253の操作が、ユーザによって行われたか否かを判断する(ステップS13)。ユーザが第3操作部253を押下操作すると、ゲームシステム1は第3操作部253が操作されたと判断する(ステップS13:YES)。すると、第3操作部253が操作されたときの第1操作部251の変位量(操作位置)に応じて集弾率(射出された弾丸の到達地点の散らばり具合)が決定され(ステップS14)、その集弾率に基づく射撃が実行される(ステップS15)。
【0053】
本ゲームでは、第1操作部251が連続的に変位する範囲に対し、ズーム率の変化範囲に加えて、射撃時の集弾率の変化する範囲も対応付けられている。そして、集弾率に関しては、第1操作部251の任意の変位量に対して固有の集弾率が割り当てられている。具体的には、第1操作部251の変位量が増加するほど、集弾率が高くなるように設定されている。なお、ズーム率については動作例1と同様の設定になっている。そのため、
図5(b)に示すようにユーザが第3操作部253を押下すると、そのときの第1操作部251の変位量(操作位置)に応じた集弾率に基づき、弾丸は射出される。そして、第1操作部251を操作してズーム率を大きくすると集弾率が高くなり、ズーム率を小さくすると集弾率は低くなる。なお、
図5(b)では、集弾率の高低を模式的に示すために、着弾地点の散らばる範囲を、ゲーム画像中に破線の仮想円50で表示している。この仮想円50が大きいほど集弾率が低く、小さいほど集弾率が高いことを意味している。
【0054】
これにより、第1操作部251の変位量を変更するという、直感的かつ速やかな操作によって、射撃時の集弾率を任意に変更することができる。また、ズーム率と共に集弾率を変化させることにより、任意のズーム率に適した集弾率での射撃を実現することができる。例えば、第1操作部251の変位量を小さくして第3操作部253を押下したとする。この場合、ズーム率は小さく(画角が広く)なり集弾率は低くなるため、広い範囲に対して射撃するのに適している。また、第1操作部251の変位量を大きくして第3操作部253を押下したとする。この場合には、ズーム率が大きく(画角が狭く)なり集弾率は高くなるため、小さい目標を正確に射撃するのに適している。
【0055】
[動作例3]
図6は、ゲームシステム1の動作例3に係る制御内容を示すフローチャートであり、
図7は、動作例3を説明するための模式図である。この動作例3では、第2操作部252が操作されると、ゲーム画像中に表示した照準マークを移動させると共に、仮想カメラの向きもこれに追従して移動させる。更に、第2操作部252が操作されたときの第1操作部251の変位量に応じ、仮想カメラの追従の態様を変更する。以下、詳述する。
【0056】
図6に示すステップS21〜S22の内容は、動作例1で説明したステップS1〜S2の内容と同様である。動作例3では、ステップS22に続いて、ゲーム画像中の照準マークを移動させるために、スティック式の第2操作部252がユーザによって操作されたか否かを判断する(ステップS23)。すなわち、
図7に示すように、ディスプレイ19に表示されたゲーム画像の中央付近には、射撃をアシストするための照準マーク51が表示されている。そして、ユーザは、第2操作部252を傾倒操作することにより、仮想ゲーム空間内でその傾倒方向に対応する方向へ照準マーク51を移動させることができる。
【0057】
第2操作部252が操作されたと判断すると(ステップS23:YES)、そのときの第1操作部251の変位量(操作位置)に応じて、照準マーク51を含むように所定の遊び領域52がゲーム画像中に設定される(ステップS24)。この遊び領域52は、第2操作部252が操作されたときに、仮想カメラの向きを固定しつつ照準マーク51のみを移動させる領域として設定される。また、遊び領域52は、第1操作部251の変位量に応じて、ゲーム画像(あるいは、ディスプレイ19の表示面積)に対する占有面積が拡縮変形するよう設定されている。本ゲームでは、第1操作部251の変位量が大きいほど(ズーム率が大きいほど)遊び領域52は大きく、変位量が小さいほど(ズーム率が小さいほど)遊び領域52は小さくなる。第1操作部251を変化させた場合の遊び領域52の変形は、連続的であってもよいし段階的に変化させてもよい。なお、第1操作部251が操作されていない(変位量:ゼロ)場合、遊び領域52は実質的に存在しない。また、このような遊び領域52は、ゲーム画像に表示してユーザに視認させる必要はないが、
図7では便宜的に長方形状の破線によって図示している。
【0058】
次に、ユーザによる第2操作部252の操作に基づき、ゲーム画像中の照準マーク51の移動先を取得する(ステップS25)。より具体的には、仮に仮想カメラの向きを不変とした状態で、第2操作部252の操作に応じて照準マーク51を移動させた場合に、照準マーク51(例えば、その中心点)がゲーム画像中のどこに来るかを取得する。そして、その移動先が遊び領域52内であるか否かを判断する(ステップS26)。移動先が遊び領域52内となる場合は(ステップS26:YES)、仮想カメラの向きは固定したままで照準マーク51のみを移動させる(ステップS27)。一方、移動先が遊び領域52外となる場合は(ステップS26:NO)、照準マーク51の移動に伴って仮想カメラの向きを追従させる(ステップS28)。すなわち、ステップS28では、仮想カメラの向きを追従させることで、照準マーク51に遊び領域52を追従移動させ、照準マーク51が遊び領域52の外に出てしまわないようにしている。本ゲームシステム1は、このような処理を1フレームごとに実行する。なお、「照準マーク51に遊び領域52を追従移動させる」とは、照準マーク51と遊び領域52とが一体となって同時に移動する態様を含む。
【0059】
これにより、仮想カメラを固定して照準マーク51のみを移動させる遊び領域52を、仮想カメラのズーム率に応じて拡縮変形することができる。本ゲームでは、ズーム率が小さいときには遊び領域52も小さいため、第2操作部252の操作に対して仮想カメラの向きを応答性よく変更できる。従って、仮想ゲーム空間内の広い範囲を素早く視認することができる。一方、ズーム率が大きいと遊び領域52も大きいため、ゲーム画像を固定した状態で照準マーク51のみを移動できる。従って、目標に対して照準マーク51を合わせやすく、正確な射撃を行うことができる。
【0060】
(変形例1)
プレイヤキャラクタがドアを開いてその向こう側へ移動する途中、つまり、ドアが半開きの状態のときに、第1操作部251の変位量に応じて、プレイヤキャラクタの姿勢や、ドアの向こうへ向けた仮想カメラのズーム率を、連続的に変化させてもよい。換言すれば、第2操作部252の操作量に応じて、遮蔽物(ドアや柵など)の手前側から向こう側へ、多段階的あるいは無段階的にプレイヤキャラクタを前進させる。そして、その途中で第1操作部251が操作された場合には、その変位量に応じて、プレイヤキャラクタの姿勢及び/又は仮想カメラのズーム率を連続的に変更させてもよい。
【0061】
例えば、スティック式の第2操作部252の操作に応じて、プレイヤキャラクタを移動させてドアを開かせる。このとき、ドアを全閉及び全開の二者択一的に変化させず、ドアの手前側から向こう側へ至る間に、プレイヤキャラクタの位置とこれに対応するドアの開度とを予め多段階的(あるいは、無段階的)に設定しておく。すなわち、第2操作部252への操作に応じて、任意のドアの開度と、それに対応するプレイヤキャラクタの位置及び姿勢を実現し得るようにする。そして、ドアの開き具合が途中の状態で第1操作部251を操作すると、その変位量に応じて、プレイヤキャラクタの姿勢、又は仮想カメラのズーム率を変化させる。例えば、第1操作部251の変位量が増加するほど、ドア手前のプレイヤキャラクタがドアの向こう側へ頭部を露出させ。また、これに伴って、ドアの向こうへ向けた仮想カメラのズーム率を増加させてもよい。
【0062】
これにより、ユーザが所望するドアの開き具合のときに、プレイヤキャラクタの頭部をドアの向こうへ、ユーザの所望する分だけ露出させることができる。また、同時に仮想カメラのズーム率を増加させることにより、プレイヤキャラクタの頭部の露出量の増加に応じて、ドア向こうをより広く視認することができる。このように、仮想ゲーム空間に設けられた遮蔽物を超えてその向こう側を確認したい場合に、ユーザが所望する態様で視認することができる。
【0063】
なお、第1操作部251を操作したときのプレイヤキャラクタの姿勢の変更は、公知のアニメーションやブレンド技術によって実現することができる。
【0064】
(変形例2)
スティック式の第1操作部251の変位量に応じて、射撃時の弾丸の連射サイクル(連射速度)を連続的に変更するようにしてもよい。例えば、オン/オフ式の第3操作部253に対する押下操作を維持すると、所定のサイクルで弾丸が射出されるようにする。そして、この状態で第1操作部251を操作すると、その変位量が増加するほど、短いサイクルで弾丸が射出されるようにする。これにより、ユーザは、状況に応じて連射サイクルを任意に変更することができる。例えば、敵キャラクタが突然に眼前に現れた場合には、第1操作部251の変位量を大きくして、短時間で多量の弾丸を敵キャラクタへ向かって打ち込むことができる。あるいは、使用できる総弾数に制限がある場合には、残弾数が少なくなってきたら連射サイクルを長くして、弾切れを回避することができる。
【0065】
また、プレイヤキャラクタが、ショットガンなどのように比較的広範囲へ被射出体を射出する武器を使用する場合には、第1操作部251の変位量に応じて、射出範囲を連続的に変化させてもよい。例えば、第1操作部251の変位量が増加するほど、射出範囲が広がるようにしてもよい。
【0066】
以上では、本発明に係る「第1操作部」としてボリュームスイッチ式の第1操作部251を例示したが、これに限定されない。例えば、キネクト(KINECT)(登録商標)のように、カメラなどで検知したユーザの動きに基づいてゲームを進行させるシステムが知られている。このようなシステムの場合、動作するユーザ自身が「第1操作部」であり、ユーザの動きを検知する手段が本発明に係る「第1操作取得手段」に該当する。