(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一方の枠部材の端面を他方の枠部材の内側面に当接させ、これら枠部材同士を直交状態に連結するために一方の枠部材の金具挿入穴に挿入されて該金具挿入穴の所定位置に配置され、該所定位置において他方の枠部材の外側面から通した取付ネジで固定されるように用いられるものであって、金具挿入穴に挿入可能な外形状および外寸法を有する主部と、常態においてこの主部の外面から外方に突出すると共に外力によって金具挿入穴内に収まるように弾性変形可能な突出部とを有し、突出部は主部上面縁部の対向箇所から上方且つ斜め外方に延長しており、金具挿入穴に挿入された状態において弾性変形した突出部の外面が金具挿入穴の内面に圧接することを特徴とする枠連結金具。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の好適な一実施形態による枠連結金具について、
図1〜
図4を参照して以下に詳述する。この枠連結金具10は、上枠20と縦枠30とがいわゆる縦勝ちに連結された枠連結構造(
図1)を得るために取付ネジ40と共に用いられるものである。
【0020】
図1と共に
図2を参照して、上枠20には、端面21で開口してその長手方向(枠体幅方向X)に所要長さ延長する一対の上枠ネジ挿入穴22,23が枠体奥行方向Yに所定間隔をおいてあらかじめ形成されている。上枠ネジ挿入穴22,23は水平な軸心を有して平行に延長する。また、上枠ネジ挿入穴22,23の内径は取付ネジ40より若干大きく形成される。
【0021】
さらに、上枠表面24で開口する金具挿入穴25,26が、上枠ネジ挿入穴22,23が形成されている長さ範囲内においてそれらの直上位置に各々形成され、上枠ネジ挿入穴22,23より深くまで下方に延長している。これら金具挿入穴25,26は垂直な軸心を有する。したがって、上枠20の厚み内において、上枠ネジ挿入穴22は金具挿入穴25と直交状に交差し、上枠ネジ挿入穴23は金具挿入穴26と直交状に交差している。符号24は、上枠20の上面を示す。
【0022】
図2に示すように、上枠20にはその幅方向両端に上枠ネジ挿入穴22,23および金具挿入穴25,26が同様に形成されており、後述する枠連結金具10により上枠20と左右縦枠30,30とを連結する。
【0023】
縦枠30には、その上端近くを厚み方向(枠体幅方向X)に貫通するネジ挿通穴31,32が枠体奥行方向Yに所定間隔(上枠ネジ挿入穴22,23と同間隔)をおいてあらかじめ形成されている。縦枠ネジ挿通穴31,32の内径は取付ネジ40より若干大きく形成され、たとえば上枠ネジ挿入穴22,23と同径であって良い。縦枠ネジ挿通穴31,32の枠体奥行方向Yにおける位置は、上枠20と縦枠30とを縦勝ちに連結したときに、上枠ネジ挿入穴22,23と整列する位置関係となるように設計されている。縦枠ネジ挿通穴31,32の縦枠外面36側の開口部33,34は、取付ネジ40の頭部41を受容するため、頭部41の径に応じて拡径されている。符号35は、上枠20の端面21と接合される縦枠30の内面を示す。符号37は、縦枠30の上端面を示す。
【0024】
図1に示す枠連結構造を得るために取付ネジ40と共に用いられる枠連結金具10は、一例として、
図3に示す形状を有する。
図3の枠連結金具10は、概して円柱状に形成される主部11を有する。主部11の外径は、上枠20の金具挿入穴25,26の内径と略同一に形成される。主部11の下面周囲には面取り12が施され、金具挿入穴25,26への挿入を容易にしている。主部11には、その軸方向と直交する方向に延長して主部11の側面を貫通するネジ挿入穴13が形成される。ネジ挿入穴13の内径は取付ネジ40より若干大きく形成される。さらに、ネジ挿入穴13と軸心を同じにして板状ナット14が内設される。この実施形態では、板状ナット14が主部11に一体に固定されているが、従来技術として引用した特許文献1,2に示すように、主部11の下面にスリットを形成して、主部11とは別部材として形成した板状ナット14を該スリットから挿入してネジ挿入穴13と同心位置に配置しても良い。板状ナット14は、取付ネジ40を確実に螺合して緩みを防止する観点から、取付ネジ40と同質の材料で形成することが好ましく、たとえば金属製の取付ネジ40に対しては金属製の板状ナット40とすることが好ましい。
【0025】
主部11の上面には、弾性変形可能な突出部15が主部11と一体的に形成される。この実施形態では、主部11の頂部に、常態においては主部11の円柱側面から外方に向けて傾斜状に突出しているが、外圧を受けたときには主部11の外径と略同一外径となるように収縮可能である(
図4参照)一対の突出部15,15が対向して設けられるものとして示されている。各突出部15は略半月状の横断面形状および略平行四辺形の縦断面形状を有し、その傾斜内面15a同士を向き合わせ、傾斜弧状面15bが主部11の上端から斜め上方に向かうにつれて主部11の円柱側面から外方に徐々に突出する。
【0026】
なお、突出部15,15は比較的薄く且つその幅寸法も主部11の全周に対して比較的小さな割合で形成されているので、主部11をたとえば硬質PVC、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの合成樹脂で形成することにより、突出部15,15を上述したように弾性変形可能とすることができる。また、図においては誇張的に示されているが、突出部15,15の傾斜角度は実際には3〜5度程度で十分である。常態における各突出部15の突出長さ(その上端が主部11の円柱側面から突出する径方向の長さ)は、上枠20の金具挿入穴25,26の内径が10mmである場合、これより0.2〜1.0mm程度大きくなるものであれば良い。この突出長さが0.2mm未満であると金具挿入穴25,26内での不慮の回転を起こしやすくなり、1.0mmを超えると金具挿入穴25,26に挿入しにくくなる。
【0027】
主部11の上面には、さらに、一対の突出部15,15の間に平板状の突起16が形成される。この突起16は、後述するようにして枠連結金具10を上枠20の金具挿入穴25,26に挿入したときに所定の向きとなるように適宜回転させるため、および、枠連結構造を得た後に破損などにより交換が必要となったときに該破損した枠連結金具10を金具挿入穴25,26から引き抜くために、ラジオペンチなどで突起16を摘んで挿入または引き抜きを容易に行うことができるようにするものである。この実施形態では、前後左右のいずれからもラジオペンチなどを差し込んで摘むことができるように平板状の突起16として形成されている。また、突起16はネジ挿入穴13と同方向に延長する長尺体として形成されているので、これを枠体幅方向Xに合わせることにより、上枠20の金具挿入穴25,26に挿入した枠連結金具10の向きを上枠ネジ挿入穴22,23の軸心C(
図1)に略一致させることが容易である。
【0028】
突出部15,15および突起16を含めた主部11の軸方向長さは、枠連結金具10を上枠20の金具挿入穴25,26に挿入して板状ナット14の雌ネジ14aの軸心を上枠ネジ挿入穴22,23の軸心に合わせたときに、上枠20の表面24から突出部15,15および突起16が突出せず、好ましくは表面24と略面一とすることができるような寸法に形成される。特に、この主部11の軸方向の全長を金具挿入穴25,26の深さと略同一とし、枠連結金具10を金具挿入穴25,26の奥底まで挿入したときに、その軸心が自動的に上枠ネジ挿入穴22,23の軸心と整列するように、各部の寸法を設定することが好ましい。すなわち、雌ネジ14aの軸心は枠連結金具10の上面から距離h(
図1(b))の位置にあり、上枠ネジ挿入穴22,23の軸心Cと一致している。
【0029】
この枠連結金具10を取付ネジ40と共に用いて
図1の枠連結構造を得るには、上枠20と縦枠30とを、上枠20の表面24が縦枠30の上端面37と面一になるように縦勝ちにした位置関係とし、この位置関係において水平方向に整列状態となっている縦枠ネジ挿通穴31,32と上枠ネジ挿入穴22,23に対して各々取付ネジ40を挿入する。
【0030】
枠連結金具10はあらかじめ上枠20の金具挿入穴25,26と上枠ネジ挿入穴22,23との交点位置にセットされていても良いし、枠連結構造を組み立てる現場で上記交点位置にセットしても良いが、いずれの場合も、上枠表面24に開口する金具挿入穴25,26の開口から目視しながら、ラジオペンチなどで突起16を摘んでその向きが枠体幅方向Xと略平行になるように適宜回転させて仮位置合わせを行っておく。枠連結金具10の上端には一対の弾性変形可能な突出部15,15が形成されているので、金具挿入穴25,26に挿入していくときに突出部15,15がその弾性により金具挿入穴25,26の内径と略同一外径に自動的に収縮し、一旦金具挿入穴25,26に挿入されればその内壁に突出部15,15が圧接するので、容易には移動も回転もしないように維持される。したがって、金具挿入穴25,26内において仮位置合わせされた枠連結金具10は、ラジオペンチなどで突起16を摘んで引き抜いたり回転させたりしない限り、その位置(上下方向および雌ねじ14aの軸心)が不慮に変わることはない。
【0031】
この状態で、取付ネジ40を上枠ネジ挿入穴22,23に挿入し、さらに頭部41に形成したプラスまたはマイナスの溝(図示せず)にドライバーの先端を差し込んで締め付け方向に回転させながら挿入していくと、取付ネジ40が、上記交点位置にセットされた枠連結金具10の雌ネジ14aに螺合される。
【0032】
上記仮位置合わせにおいては、突起16の向きを枠体幅方向Xと厳密に平行にする(言い換えれば、上記交点位置にセットした枠連結金具10の雌ネジ14aの軸心を、挿入される取付ネジ40の軸心と厳密に一致させる)必要はない。枠連結金具10の外径は上枠20の金具挿入穴25,26と略同一に形成されているので、それほど厳密に方向合わせを行わなくても、大雑把な方向合わせを行っておけば、取付ネジ40が雌ネジ14aに螺合する際に枠連結金具10を金具挿入穴25,26内で自動的に回転させてそれらの軸心を合致させる作用(自動調心作用)が働いて、取付ネジ40を雌ネジ14aに確実に螺合させることができる。突出部15,15はその弾性によって金具挿入穴25,26の内壁に圧接しているが、大きな外力が加われば金具挿入穴25,26内で回転することができるので、この自動調心作用を何ら損なうものではない。
【0033】
図1の枠連結構造を得るために取付ネジ40と共に用いられる枠連結金具10の他の実施形態が
図5に示されている。
図5の枠連結金具10は、主部11の上端に設けられる突出部15および突起16において、
図3の枠連結金具10と異なっている。これら以外の部分ないし要素は
図3の枠連結金具10と同一であるので、それらには同一の符号を付して説明を省略する。また、この枠連結金具10を用いて枠連結構造を得る際の作業や作用効果(自動調心作用や、突出部15が金具挿入穴25,26の内壁に圧接することにより不慮の回転や位置ずれを防止する作用など)も基本的に既述したものと同様であるので、説明を省略する。
【0034】
この実施形態において主部11の上面に一対対向して形成される弾性変形可能な突出部15は、各々、垂直内面15cと、主部11の円柱側面から外方に向けて傾斜すると共に主部11の円柱側面と同心に若干大径を有するものとして形成される傾斜弧状面15dと、これらの間に形成される一対の垂直側面15eとからなり、さらに、傾斜弧状面15dとその両側の垂直側面15eとに亘って高さ方向中間に切欠15fが形成されている。各突出部15は略半月状の横断面形状および略台形状の縦断面形状を有し、その垂直内面15c同士を向き合わせ、傾斜弧状面15dが主部11の上端から斜め上方に向かうにつれて主部11の円柱側面から外方に徐々に突出する。したがって、常態においては、突出部15の傾斜弧状面15dが主部11の円柱側面から外方に向けて傾斜状に突出しているが、外圧を受けたときには主部11の外径と略同一外径となるように収縮可能である(
図6参照)。切欠15fは、この弾性変形を容易にする作用を果たす。
【0035】
また、この実施形態における突起16は、
図3の枠連結金具10における突起16より幅広の平板状突起16とされ、その幅方向中央に溝16aが刻設されている。したがって、この溝16aにマイナスドライバーを(溝16aをプラス形状にした場合はマイナスまたはプラスのドライバー)差し込んで枠連結金具10を回転させることができるので、この枠連結金具10を上枠20の金具挿入穴25,26と上枠ネジ挿入穴22,23との交点位置にセットする際の仮位置合わせ(軸心合わせ)において、ネジ挿入穴13を金具挿入穴25,26の軸心に合わせる作業を容易に行うことができる。また、ラジオペンチなどで突起16を摘んで枠連結金具10を金具挿入穴25,26から引き抜くことも容易である。
【0036】
図1の枠連結構造を得るために取付ネジ40と共に用いられる枠連結金具10のさらに他の実施形態が
図7に示されている。
図7の枠連結金具10は、主部11の上端に設けられる突出部15および突起16において、
図3の枠連結金具10と異なっている。これら以外の部分ないし要素は
図3の枠連結金具10と同一であるので、それらには同一の符号を付して説明を省略する。また、この枠連結金具10を用いて枠連結構造を得る際の作業や作用効果(自動調心作用や、突出部15が金具挿入穴25,26の内壁に圧接することにより不慮の回転や位置ずれを防止する作用など)も基本的に既述したものと同様であるので、説明を省略する。
【0037】
この実施形態において主部11の上面に一対対向して形成される弾性変形可能な突出部15は、
図3の枠連結金具10における突起部15と略同一であるが、その上端部を内側に向けて延長させて上面部15gを形成した点で異なっている。各突出部15は略鉤状の縦断面形状を有し、その傾斜内面15a同士を向き合わせ、傾斜弧状面15bが主部11の上端から斜め上方に向かうにつれて主部11の円柱側面から外方に徐々に突出する。したがって、常態においては、突出部15の傾斜弧状面15bが主部11の円柱側面から外方に向けて傾斜状に突出しているが、外圧を受けたときには主部11の外径と略同一外径となるように収縮可能である(
図8参照)。
【0038】
また、
図3および
図5の枠連結金具10の上面には突出部15,15間に突起16が形成されているが、この実施形態の枠連結金具10には突起16が存在しない。この枠連結金具10の突出部15,15の上面部15g,15g同士の間には隙間15hが形成されており、突出部15,15が内方に弾性変形したときにこの隙間15hの間隔が小さくなる(
図8)ので、この小さくなった隙間15h’にマイナスドライバーを差し込んで枠連結金具10を回転させることができる。したがって、突起16を形成しなくても、この枠連結金具10を上枠20の金具挿入穴25,26と上枠ネジ挿入穴22,23との交点位置にセットする際の仮位置合わせにおいて、ネジ挿入穴13を金具挿入穴25,26の軸心に合わせる作業を行うことができる。また、先端がT字状やL字状などの工具を隙間15h’から差し込んで上面部15g,15gに引っ掛けることにより、枠連結金具10を金具挿入穴25,26から引き抜くことも容易である。
【0039】
以上において幾つかの実施例を挙げて本発明の枠連結金具について詳述したが、本発明はこれら実施例の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に定義される発明の範囲内において様々に変形ないし変更して実施可能である。
【0040】
本発明の枠連結金具10は、工場であらかじめ枠部材(実施例では上枠20)の金具挿入穴25,26と上枠ネジ挿入穴22,23の交点位置に軸心合わせを済ませた状態で収容配置させておくことができる。該交点位置で一旦軸心合わせを完了させれば、その後の輸送時や施工時の通常作業で振動が生じても、突出部16が金具挿入穴25,26の内面に圧接しているので、不慮の抜け落ちや回転が生じない。このようにすることで現場での作業手間を省くことができる優位性を有するものであるが、既述したように、枠連結金具10を枠部材とは別に用意して、現場で該交点位置に収容させた後に軸心合わせを行うようにしても良いことは言うまでもない。
【0041】
また、既述した実施例では、縦勝ちで枠組みされる枠連結構造の上枠に本発明の枠連結金具10を用いるものとしているが、他の横枠(中横枠や、四方枠であれば下枠)に用いても良いし、横勝ちで枠組みされる枠連結構造の縦枠に用いても良い。枠連結構造の形状や枠部材の形状・材質は特に限定されない。
【0042】
本発明の枠連結金具10は、突出部15が金具挿入穴25,26の内壁に圧接することにより不慮の回転や位置ずれを防止するという作用効果を発揮すると共に、金具挿入穴25,26と上枠ネジ挿入穴22,23の交点位置に挿入して仮位置決めとしての軸心合わせを行うために突起16(
図3〜
図4,
図5〜
図6)や隙間15h’(
図8)を用いて回転させることを可能にし、また、取付ネジ40がネジ挿入穴13に挿入されるときには自動的に軸心合わせ(自動調心作用)が行われるように金具挿入穴25,26内で回転することを妨げないものである必要がある。言い換えれば、積極的な外力を作用させない限り、枠連結金具10は金具挿入穴25,26内で回転することなくその向き(軸心)を不変に維持するが、ラジオペンチやマイナスドライバーなどを用いて回転力を与えたり、雌ネジ14aに取付ネジ40が螺合することによる自動調心が行われるときには、金具挿入穴25,26内壁に圧接することによる回転規制力を上回る外力が作用するので、抵抗を受けながらも金具挿入穴25,26内で回転可能である。このような要求性能は、主として、枠連結金具10の外面と金具挿入穴25,26との間の摩擦抵抗に依存すると考えられるので、突出部16の径方向突出長さやその形状による弾性変形の程度などを適宜に設計することによって実現可能である。その外面(傾斜弧状面15b,15d)や主部11の外面に凹凸を形成すれば回転規制力が増大する。また、これら外面に低摩擦係数材料や高摩擦係数材料をコーティングしても良い。当業者によれば、これらを勘案して、本発明の上記作用を実現するための回転規制力と回転許容力との適正バランスを取ることが可能である。
【0043】
既述実施例では、枠連結金具10が、金具挿入穴25,26の内径と略同一の外径を有する略円柱形状の主部11を有するものとして示されているが、主部11は、金具挿入穴25,26に挿入可能な外形状および外寸法を有するものであれば良く、これに限定されない。金具挿入穴25,26は円柱形状、円錐形状、円錐台形状、角柱形状などであっても良く、その横断面形状は円形、三角形、四角形などであっても良い。あるいは、たとえば下部が円柱形状で上部が円錐形状ないし円錐台形状や、下部が角柱形状で上部が角錐形状ないし角錐台形状などの特殊な形状を有するものであっても良い。枠連結金具10の主部11は、金具挿入穴25,26に挿入可能な形状であり、略同一形状とすることができるが、たとえば下部が円柱形状や角柱形状で上部が円錐/円錐台形状や角錐/角錐台形状の金具挿入穴25,26の場合は、その下部形状に対応する円柱形状や角柱形状の主部11を有するものとしても良い。
【0044】
既述実施例では、主部11の上部に一対の突出部15,15が対向する位置に設けられているが、突出部の位置および個数は限定的ではなく、既述したような回転規制および回転許容の作用を両立させるものであれば良い。たとえば、突出部15の高さ方向の形成位置については、主部11の高さ方向中間部や下部に突出部15を設けても良いし、周方向の形成位置については、主部11の側面から突出するように単一の突出部15を設けたり、120度間隔に3つの突出部15を設けたり、90度間隔に4つの突出部15を設けたりしても良い。
【0045】
既述実施例の枠連結金具10の主部11には、取付ネジ40と螺合するネジ挿入穴13が形成され、このネジ挿入穴13に雌ネジ14aを備える板状ナット14が固定されているが、既述したように、主部11の下面にネジ挿入穴13に通じるスリットを形成し、このスリットから板状ナット14を挿入して所定位置に配置するようにしても良いし、ネジ挿入穴13自体に雌ネジ14aを設けて取付ネジ40を螺着するようにしても良い。あるいは、ネジ挿入穴13や雌ネジ14aを有しない主部11としても良い。この場合は、取付ネジ40としては先端が尖った形状のネジ(木ネジなど)を用いて、縦枠ネジ挿通穴31,32に通した取付ネジ40を枠連結金具10の主部11にねじ込んで締結することになるので、既述した自動調心作用は働かない。
【0046】
既述実施例の枠連結金具10の突出部15(および突起16)は、雌ネジ14aの軸心方向と略平行に延長する細長状部材として形成され、この延長方向を上枠20の上面に開口する金具挿入穴25,26の開口から目視することにより雌ネジの軸心方向を確認することができるので、金具挿入穴に挿入した枠連結金具の大まかな位置合わせ(取付ネジまたはその挿通穴との軸心合わせ)作業が容易になる作用効果を発揮するが、突出部15(および突起16)を雌ネジ14aの軸心に対して略直交する方向に延長する細長状部材として形成することによっても、同様の作用効果を発揮することができる。