特許第6395457号(P6395457)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社大一商会の特許一覧

<>
  • 特許6395457-遊技機 図000002
  • 特許6395457-遊技機 図000003
  • 特許6395457-遊技機 図000004
  • 特許6395457-遊技機 図000005
  • 特許6395457-遊技機 図000006
  • 特許6395457-遊技機 図000007
  • 特許6395457-遊技機 図000008
  • 特許6395457-遊技機 図000009
  • 特許6395457-遊技機 図000010
  • 特許6395457-遊技機 図000011
  • 特許6395457-遊技機 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6395457
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20180913BHJP
【FI】
   A63F7/02 310C
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-120981(P2014-120981)
(22)【出願日】2014年6月11日
(65)【公開番号】特開2016-106(P2016-106A)
(43)【公開日】2016年1月7日
【審査請求日】2017年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148922
【氏名又は名称】株式会社大一商会
(74)【代理人】
【識別番号】100098741
【弁理士】
【氏名又は名称】武蔵 武
(72)【発明者】
【氏名】市原 高明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 義浩
(72)【発明者】
【氏名】青柳 拓也
【審査官】 眞壁 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−222869(JP,A)
【文献】 特開2007−105235(JP,A)
【文献】 特開2007−068865(JP,A)
【文献】 特開2009−000447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外枠と、
前記外枠に設けられた本体部と、
前面に遊技領域を有すると共に前記本体部に着脱可能に取り付けられた遊技盤と、
前記本体部に対し、閉状態と開状態とに変化可能な前面部と、
外部に露出する特別演出部材と、を備えてなる遊技機であって、
前記特別演出部材は、前記遊技盤に接続されるものであり、前記遊技盤が前記本体部に取り付けられた状態で前記前面部が前記閉状態になった後、所の配置領域に位置するように移動して当該遊技機の前面側の装飾の一部を構成することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技領域を有する着脱可能な遊技盤を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に遊技機は、四角く枠組みされた外枠と、該外枠に設けられた本体部(「前枠」とも称される。)と、本体部に着脱可能に取り付けられた遊技盤と、本体部の前面を覆う開閉可能な前面部(「前面扉」とも称される。)と、を備えている。
かかる遊技機の中には、例えば特許文献1に記載されているように、前面部における球皿付近の適宜な場所に、遊技者が直に触れて遊技用の入力を行うための接触型操作部(特許文献1ではプッシュボタン)が配置されているものがある。このような接触型操作部は、入力したリアルな感覚があるため、良い結果が得られた場合の達成感が大きく、したがってゲームの興趣を増大させ得る効果が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−8312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、遊技機は、ある程度使用すると遊技盤を異なるゲーム内容のものに交換して遊技の興趣を増大させ、もって稼働率を向上させるようにしている。
ところが新しい遊技盤の遊技仕様を、既設遊技仕様に適合させようとすると、ゲームの創作の自由度が制限される問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、その目的は遊技盤のゲームの創作の自由度を大きく確保することが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため本発明は、
外枠と、
前記外枠に設けられた本体部と、
前面に遊技領域を有すると共に前記本体部に着脱可能に取り付けられた遊技盤と、
前記本体部に対し、閉状態と開状態とに変化可能な前面部と、
外部に露出する特別演出部材と、を備えてなる遊技機であって、
前記特別演出部材は、前記遊技盤に接続されるものであり、前記遊技盤が前記本体部に取り付けられた状態で前記前面部が前記閉状態になった後、所の配置領域に位置するように移動して当該遊技機の前面側の装飾の一部を構成する遊技機を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば遊技盤のゲームの創作の自由度を大きく確保することが可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】要部の拡大図を含む遊技機の斜視図である。
図2】前面部の下半部を開いた状態を示す遊技機の斜視図である。
図3】要部の拡大図を含む遊技盤の斜視図である。
図4】遊技機の要部縦断面図である。
図5】遊技機の要部縦断面図である。
図6図4の接触型操作部を省略し、さらに要部の拡大図を含む遊技機の要部縦断面図である。
図7】遊技機の制御構成を概略的に示すブロック図である。
図8】要部の拡大図を含む遊技盤交換後の遊技機の斜視図である。
図9】他の形態を示す遊技機の要部縦断面図である。
図10】他の形態を示す遊技機の要部縦断面図である。
図11】他の形態を示す遊技機の要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1に示したように遊技機1は、外枠2と、外枠2に設けられた本体部3と、該本体部3に着脱可能に取り付けられた遊技盤4と、本体部3の前面を覆う開閉可能な前面部5と、を備えている。
【0010】
[外枠]
外枠2は、木製又は合成樹脂製であって四角く枠組みされており、遊技場の島設備に釘などで連結される。
【0011】
[本体部]
本体部3は、外枠2の前面にほぼ整合する形状であって、該外枠2の一側上下位置(通常、正面向かって左側上下位置)に設けられているヒンジ金具6に扉状に開閉可能なように取り付けられている。
また、本体部3は、図示しないが、前面側に前記遊技盤4が整合して収まる遊技盤装着部を有すると共に後面側に、球タンク、球導出樋、景品球払出装置101(図7参照。)、景品球放出樋などをユニット化した機構盤が装着され、さらにその機構盤の後面側に、図7のブロック図に示したように景品球払出装置101による景品球の払出制御や、後述する打球発射装置9による遊技球の発射制御を行う本体側制御装置100等が取り付けられている。
また、本体部3には、前記遊技盤装着部の下側に遊技盤4の下辺を受け且つ該遊技盤4の表面と面一に連なる発射基板7が形成されており、その発射基板7に、図2に示したように、前記遊技盤4の後述する遊技領域4aに向けて遊技球を打ち出すための発射レール8やソレノイド等による電動駆動方式の打球発射装置9が設けられている。
【0012】
[遊技盤]
遊技盤4は、木製又は合成樹脂製の遊技基板4bと、その遊技基板4bの前面を略円形に囲うレール部4cで概略構成され、そのレール部4cで囲われた内側を遊技領域4aとして、そこに例えば、液晶等の画像表示装置4d、一般入賞口4e1、始動入賞口4e2、可変入賞装置4e3等が設けられている。
また、遊技盤4にはその後面側に、図7のブロック図に示したように、一般入賞口4e1や可変入賞装置4e3に入賞した遊技球を検出する入賞球センサー4s1や、始動入賞口4e2に入った遊技球を検出する始動球センサー4s2の各検出信号を受けて処理すると共に画像表示装置4dの表示や可変入賞装置4e3の動作等を制御する盤側制御装置200が取り付けられている。
さらにまた、遊技盤4には、遊技基板4bの下側に補助片4fが延設されており、その補助片4fに、遊技者が直に触れて遊技用の入力を行うための接触型操作部40が取り付けられている。したがって、この補助片4fが、接触型操作部40を取り付けるために遊技盤4に設けられた取付部である。
【0013】
[遊技盤−補助片]
遊技盤4の補助片4fは、遊技基板4bと一体であり、本体部3の遊技盤装着部に装着された状態で前記発射基板7の前面に重合位置する。したがって、実施形態では補助片4fの後面に、発射基板7の前面との間に発射通路空間4gを設け、その発射通路空間4gに前記発射レール8を通して遊技球の発射を妨げないようにしている。
【0014】
[遊技盤−接触型操作部]
接触型操作部40は、前記前面部5の前面外部に露出する操作主部41と、該操作主部41と一体の連結アーム42と、からなる。この連結アーム42は、側面視略クランク形状であって、該連結アーム42の前方上腕部42aで操作主部41の下面を受け支えている。一方、連結アーム42は、垂直連接腕部42bの下端に突設された後方下腕部42cの両側に回動軸43,43を有しており、該回動軸43を、遊技盤4の前記補助片4fに突設された支持具10,10の孔10aに回動可能に挿通させ、そうして前記操作主部41が補助片4fの前面で揺動し得るようにしている。実施形態の支持具10の孔10aは、逆L字型の長孔であり、したがって接触型操作部40は、孔10aの逆L字に沿って前後方向と上下方向に移動自在であり且つ回動自在である。
一方、遊技盤4の補助片4fの前面と、接触型操作部40の操作主部41の後面には、図4に示したように止め具11の雄型部11aと雌型部11bが取り付けられている。この止め具11は、雄型部11aの強制的な抜き差し動作で固定と解除が簡単に行える周知のロータリーキャッチであり、接触型操作部40を起立姿勢に支持するものである。
【0015】
図1図4に示した接触型操作部40の操作主部41は、機械式の押しボタンであって、図4図7に示したように遊技盤4の裏側に引き出したケーブル12を介して前記盤側制御装置200に接続されており、例えば遊技領域4aの画像表示装置4dに三列のドラム画像が変動表示されている状況下で、その変動表示の停止を実質的に又は演出的に入力するようになっている。
なお、前記ケーブル12は、図4に示したように接触型操作部40が起立位置にある状態で補助片4fの下辺より下にはみ出ているが、該ケーブル12は、常時補助片4fの下辺より下にはみ出ないように設定するか、或は、接触型操作部40を起立位置に置いたとき補助片4fの下辺より下にはみ出ないよう、例えば補助片4fと連結アーム42の間の空間などに収納されるようにしてもよい。そうすることにより、接触型操作部40を有する遊技盤4を運搬したり床に並べたりする際に、床に擦れたり補助片4fに挟まれるなどしてケーブル12が破損する、というようなトラブルが起きにくい。
また、ここでは接触型操作部40にケーブル12を接続するようにしたが、例えば図9に示したように接触型操作部40と遊技盤4に、接触型操作部40が使用位置(起立位置)にあるとき結合し得るコネクタ11c(好ましくは、結合が容易なドロワーコネクタ)を設けて接触型操作部40と盤側制御装置200を電気的に接続するようにしてもよい。そうすることにより前記止め具11に代えてコネクタ11cで接触型操作部40の起立姿勢を支持することができる。さらにこの場合、補助片4fの下側のケーブル類をなくすることができるため、遊技盤4を運搬したり床に並べたりする際に、床に擦れたり補助片4fに挟まれるなどしてケーブル類が破損する、というようなおそれもない。
【0016】
[前面部]
前面部5は、本体部3の前面にほぼ整合する形状であって、外枠2に設けられている前記ヒンジ金具6で扉状に開閉可能なように取り付けられている。したがって前面部5は、本体部3の前面を覆う閉状態と、本体部3の前面を露出する開状態とに変化し得る。実施形態の前面部5は、遊技盤4の遊技領域4aに対応する上半部5aと、本体部3の発射基板7に対応する下半部5bとに分割されており、それぞれが独立した状態で開閉し得る。もっとも上半部5aと下半部5bは、双方の連結部分が、上半部5aの下縁の前方に下半部5bの上縁が重なる合わせ構造になっており、具体的には、図5に示したように上半部5aの下縁のコ字状鉤部13に、下半部5bの上縁の差込み片14が前面側から嵌り込む合わせ構造になっている。したがって上半部5aは、下半部5bによって閉位置にロックされ、下半部5bを先行して開かなければ開かない。
【0017】
[前面部−上半部]
前面部5の上半部5aは、遊技盤4の遊技領域4aをガラスや合成樹脂等の透明板15で覆うものであり、額縁状のフレーム16に図4図5に示したように透明板15を嵌め込んだいわゆるガラス扉枠である。
【0018】
[前面部−下半部]
前面部5の下半部5bは、図2図4に示したように本体部3の発射基板7の前面を覆うものであり、前記した景品球払出装置101からの遊技球を蓄える球皿17aと、該球皿17aからオーバーフローする遊技球を蓄える下球皿17bと、球皿17aの遊技球を一列に整列させて流下させる球供給路17cと、該球供給路17cの終端に接続されてそこから供給される遊技球を前記発射レール8の発射位置18(図2参照)に一個ずつ供給する発射球供給装置19と、遊技用のスイッチ入力や各種表示等を行うために球皿17aに形成された操作パネル20と、を備えている。
【0019】
実施形態では、下半部5bの操作パネル20の所定領域たる略中央上面に、前面部5の後側から前側に連通する連絡部たる凹状の受凹部21が形成されている。この受凹部21は、遊技盤4に設けた前記接触型操作部40の操作主部41の底面と連結アーム42の前面とが整合する形状になっており、下半部5bを閉じた状態で該受凹部21に接触型操作部40が操作主部41を外部に露出させた状態で嵌まり込む。
なお、下半部5bを閉じた状態で接触型操作部40は、該下半部5bの受凹部21に嵌っているが、この状態で接触型操作部40の操作主部41は後面の上部が前面部5の上半部5aの下縁前方に被さるようになっている。
【0020】
ところで上記のように下半部5bの受凹部21は、球皿17aの球供給路17cを横断する位置に設けられているため、球皿17aと発射球供給装置19を結ぶ球供給路17cが接触型操作部40で遮断される。そのため実施形態では、連結アーム42の前方上腕部42aにトンネル状の連絡横断通路44を設けて球供給路17cの流路が遮断されないようになっている。このように接触型操作部40に遊技球を通す連絡横断通路44を設けるようにすれば、球供給路17cの配置による制約を殆ど受けることなく接触型操作部40を比較的自由に設計することができる。
【0021】
一方、上記のように受凹部21で分断される球供給路17cを接触型操作部40の連絡横断通路44で橋渡しするようにした場合、前面部5の下半部5bを図2のように開いたとき、接触型操作部40が離れて球供給路17cの中間部分が欠落するため、もし球皿17aに遊技球があれば受凹部21に流出してそのまま下方に落下するおそれがある。
【0022】
本実施形態では、そのような事態を回避するため、図2図4図6に示したように、球供給路17cの受凹部21との境界部に、下半部5bの開閉動作に連動して流路を開閉する球止手段22が設けられている。
該球止手段22は、受凹部21の内壁面に形成した窪み部22aに回転可能に軸着されたストッパー22bと、そのストッパー22bの回転を制御する丸棒状のスライダー22cと、からなる。
前記ストッパー22bは、前記窪み部22aに嵌まる円板型であり、円周の一部を切り欠いて球通過口22dとしたものである。
一方、前記スライダー22cは、その一端をピン22eによってストッパー22bに回転可能に軸着すると共に、他端を下半部5bの後面に突出させて水平方向に往復摺動可能とし、さらに図示しないスプリングによって下半部5bの後面から外部に突出する向きに付勢されている。
【0023】
そして、下半部5bが閉じた図4図6の状態では、スライダー22cの突出側端部が遊技盤4の補助片4fに当たって押されており、このときストッパー22bは、図6実線のように球通過口22dが球供給路17cに対応するようになっている。したがって、下半部5bが閉じた状態で球供給路17cは、球皿17aから発射球供給装置19に至るまで連通している。
【0024】
一方、図2のように下半部5bを開くと、遊技盤4の補助片4fに当たって押されていたスライダー22cが、該補助片4fから離れるため、図6二点鎖線のように、前記スプリングの付勢で下半部5bの後面側にスライドする。このスライダー22cの動きに引っ張られてストッパー22bが図6において反時計回りに回動するため、球通過口22dが球供給路17cから外れる。したがって、球供給路17cがストッパー22bで遮断されるため、下半部5bが開いて受凹部21から接触型操作部40が外れても、球皿17aにある遊技球が零れない。
【0025】
そして、前面部5の下半部5bを元の閉じた位置に戻すと、スライダー22cの突出端部が遊技盤4の補助片4fに当たって前方にスライドし、そのスライダー22cの動きでストッパー22bが回動して球通過口22dが再び球供給路17cに対応する。
【0026】
なお、球止手段22は、上記のように前面部5の下半部5bの開閉動作にリンク機構で連動させる場合の他、ストッパー22bをモーターやソレノイドで電動駆動させるようになし、下半部5bの開閉動作をセンサーで検出して連動させるようにしてもよい。
【0027】
また、前面部5の下半部5bを開いたときの球零れの不具合は、接触型操作部40の連絡横断通路44に遊技球がある場合にも生じ得るため、連絡横断通路44の少なくとも下流側の端に対しても、下半部5bの開動作に連動して流路を閉じ、閉動作に連動して流路を開く球止手段を設けるとよい。
【0028】
また、球止手段22の開閉動作と前面部5の下半部5bの開閉動作を上記のように連動させなくとも、例えば、前記ストッパー22bを手動で操作し得るようにして下半部5bを開く前に球供給路17cを手動で閉じ、その状態でストッパー22bから下流にある少数の遊技球を下球皿17bに移動させてから下半部5bを開くようにしてもよい。この場合、好ましくはストッパー22bが球供給路17cを開いているとき、該ストッパー22bで下半部5bの開きがロックされるようにするとよい。そうすることにより、下半部5bを開く操作と球供給路17cを閉じる操作がワンセットになるため、球供給路17cを閉め忘れるおそれがない。
【0029】
[遊技機の制御構成]
前記のように実施形態の遊技機1は、図7のブロック図に示したように遊技盤4側の盤側制御装置200と、本体部3側の本体側制御装置100を備えており、主として遊技動作(遊技の進行)、発射動作、払出動作の各制御が両制御装置100,200によって分担して行われている。
【0030】
[盤側制御装置]
前記盤側制御装置200は、主制御基板201と、周辺制御基板202とを備えている。
そして、主制御基板201は、一般入賞口4e1や可変入賞装置4e3に入賞した遊技球を検出する入賞球センサー4s1や、始動入賞口4e2に入った遊技球を検出する始動球センサー4s2の各検出信号を受けて遊技動作(遊技の進行)を制御する。
一方、周辺制御基板202は、周辺制御部203と液晶制御部204を備えており、周辺制御部203で前記主制御基板201からのコマンド及び接触型操作部40による遊技者からの直接的な入力等に基いて遊技中の各種演出を制御すると共に、該周辺制御部203からのコマンドに基いて液晶制御部204で画像表示装置4dでの演出画像の表示を制御する。
【0031】
[本体側制御装置]
前記本体側制御装置100は、払出制御基板102を備えている。そして、該払出制御基板102は、払出制御部103と発射制御部104を備えており、前記主制御基板201側からの入賞球に関する検出信号を受けてこの払出制御部103で景品球払出装置101による景品球の払出を制御し、一方、発射制御部104で、発射球供給装置19の供給タイミング及び打球発射装置9の打球タイミング並びに下半部5bに設けたハンドル90の調節量に対応する打力を制御する。
【0032】
その他、図4において符合140は、接触型操作部40の操作主部41の後面に突設した差込み片であり、下半部5bの前記差込み片14の、前記受凹部21を設けたことによって生じた欠落部分を補うものである。これにより下半部5b側の差込み片14と、上半部5a側のコ字状鉤部13の合わせ構造が操作主部41の差込み片140を介してほぼ間断なく連続するため、上半部5aと下半部5bの継ぎ目を狙った異物の不正挿入を有効に防止することができる。
また、図3において符合25は、補助片4fの遊技基板4bとの境界部に設けた切欠であり、前記発射通路空間4gの出口側を広げて発射球の安定通過を確保するためのものである。
また、図1図2において符合26は、前面部5の下半部5bの自由端側に設けた錠装置であり、かかる錠装置26によって下半部5bはもちろん、上記した合わせ構造によって上半部5aをも施錠することができる。
【0033】
実施形態の遊技機1は、以上のように構成されているため、遊技盤4を別のものに交換する場合は、先ず、図2及び図4二点鎖線のように、前面部5の下半部5bを開く。
次に、接触型操作部40を支持具10の孔10aに沿って手前に引く。この動作で止め具11の接触型操作部40側の雄型部11aが、発射基板7側の雌型部11bから抜ける。続けて接触型操作部40を支持具10の孔10aに沿って下降させ、その下降位置で図4二点鎖線に示したように前傾させる。
次に、前面部5の上半部5aを開き、本体部3の遊技盤装着部から遊技盤4を引き出して外す。
そして、別の遊技盤4を本体部3の遊技盤装着部に嵌めて固定し、先ほどとは逆の手順で前面部5の上半部5aを閉じて接触型操作部40を起立させ、その起立姿勢が止め具11で維持されている状態で前面部5の下半部5bを閉じる。
【0034】
図6は、遊技盤4を交換した後の遊技機1を示すものである。この場合の遊技盤4は、例えば釣りを題材にしたゲームに関するもので、接触型操作部40には画像表示装置4dに表示される釣りの映像に合わせて「食いつき」や「引き」の感触を遊技者に伝える(出力する)レバー45が設けられている。また、レバー45は入力装置にもなっており、レバー45を釣り竿のように操って首尾良く魚を釣り上げた場合に大当りの確率が向上し、一方、逃がした場合には「ハズレ」になるように設定されている。なお、遊技盤4の遊技領域4aと接触型操作部40の操作主部41のモチーフは遊技内容に合わせて共通化されている。
【0035】
このように本発明の遊技機1は、接触型操作部40を遊技盤4に設けて該遊技盤4と一体に着脱し得るようにしたため、遊技盤4の遊技仕様と接触型操作部40の遊技仕様を常にマッチさせることができる。したがって交換する遊技盤4のゲームの創作の自由度が、接触型操作部40の存在によって制約を受けるおそれがなく、比較的自由にゲームを創作することができる。
また、接触型操作部40を遊技盤4に設けて該遊技盤4と一体に着脱可能な構成としつつも、従来と同様に前面部5における球皿17aの近傍に接触型操作部40を設けることが可能であり、遊技者に違和感を与えたり、操作性が低下してしまうことも防止できる。
また、本発明の遊技機1は、遊技盤4の下部に補助片4fを設けて該補助片4fに接触型操作部40を取り付けるようにしたため、通常の遊技盤では設置スペースの確保が困難な例えば遊技領域の中心下方に近いような場所にも安定的に設置することができる。すなわち、通常の遊技盤は、遊技基板の下部に、発射球が進入する進入口や発射レール、あるいはアウト口が設けられており、直下に下辺があるため、所定の大きさを有する接触型操作部40を保持・設置するための空きスペースの確保が困難である。これに対し、本発明の遊技機1のように遊技基板4bの下部に補助片4fを設け、この補助片4fを接続部材として利用して遊技基板4bに接触型操作部40を間接的に組み付けることで、遊技基板4bに従来と同等の遊技領域4aを形成可能としつつ、遊技基板4bの比較的自由な位置に比較的自由な形状・大きさの接触型操作部40を安定的に設置することが可能となる。なお、補助片4fは、上述した実施形態のように、遊技基板4bの後面側や、あるいは前面側で接合して組み付けるように遊技基板4bと別体の部材としてもよいし、別形態として、遊技基板4bの下部を延設した成形(遊技基板4bと一体)によるものとしてもよい。
【0036】
上記実施形態から、次のような技術的思想が抽出できる。
[技術的思想]
外枠と、
前記外枠に設けられた本体部と、
前面に遊技領域を有すると共に前記本体部に着脱可能に取り付けられた遊技盤と、
前記本体部の前面を覆う閉状態と、前記本体部の前面を露出する開状態とに変化可能な前面部と、
遊技者が直に触れて遊技用の入力を行うための接触型操作部と、を備えてなる遊技機であって、
前記遊技盤の下部には、前記接触型操作部を取り付けるための補助片が設けられており、
前記接触型操作部は、前記補助片に取り付けられ、前記遊技盤とともに前記本体部に対し着脱可能であって、前記遊技盤が前記本体部に取り付けられた状態で前記前面部が前記閉状態になった際に、前記前面部の後側から前側にかけて形成される連絡部を介して該前面部の前面に露出することを特徴とする遊技機。
【0037】
以上、本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では接触型操作部40を単に受凹部21に嵌め込む構成としたが、図9及び図2の二点鎖線に示したように接触型操作部40の外周面と、受凹部21の内周面の一方に凸条23を突設し、他方に該凸条23に噛合する凹溝24を形成し、前面部5の下半部5bを閉じる動作で凸条23と凹溝24が噛合するようにしてもよい。これにより接触型操作部40と受凹部21との隙間を狙った異物の不正挿入が困難になる。また、図のように凸条23と凹溝24を山型のテーパ状又は半円状にすることで接触型操作部40と前面部5の下半部5bの密着度が高まるため、接触型操作部40の安定度が増す。
【0038】
また、実施形態では、遊技盤4の補助片4fに発射レール8を回避する発射通路空間4gを設けるようにしたが、例えば、発射位置を正面向かって左側にした場合には、前記発射通路空間4gは設けなくてもよい。
【0039】
また、実施形態では、前面部5が閉じた状態で、接触型操作部40の操作主部41の後面上部が、前面部5の上半部5aの下縁前方に被さるようにしたが、接触型操作部40が前面部5の上半部5aに被さらないように設定してもよい。もっとも、実施形態のように接触型操作部40の一部が前面部5の上半部5aの一部に被さるようにした場合には、前面部5の上半部5aを開くのに必然的に接触型操作部40を動かす必要があるため、前面部5の不正開放が行われ難くなるという防犯上有利な効果を発揮する。
【0040】
また、実施形態では、接触型操作部40の操作主部41を、連結アーム42の前方上腕部42aの上面に設けたが、図10に示したように連結アーム42の前方上腕部42aを板状の上向き上腕板420aに変更し、その上向き上腕板420aに対して操作主部41を上下摺動自在に装着するようにしてもよい。この場合、前面部5の下半部5bを開閉させるときには操作主部41を図10二点鎖線のように上昇位置におき、下半部5bを閉じてから操作主部41を下降させて使用位置にセットする。かかる構成によれば、接触型操作部40の操作主部41を、球皿17aの球供給路17cの上方を跨いでセットすることができる。したがって、球皿17aの球供給路17cが接触型操作部40で分断されないから、上記で説明した前面部5の下半部5bを開いたときの球零れ対策を省略することができる。
【0041】
また、実施形態では、遊技盤4に設けた盤側制御装置200に接触型操作部40を直接接続するようにしたが、該接触型操作部40を本体部3に設けた中継基板(図示せず)を介して盤側制御装置200に接続するようにしてもよい。図11は、その場合の構成の一例を示したものであり、前面部5の下半部5b(図11では受凹部21の内面)に本体部3側の前記中継基板に接続されたコネクタ27aを設置し、一方、接触型操作部40の前方上腕部42aに該コネクタ27aと対をなすコネクタ27bを設置し、接触型操作部40を使用位置にセットして下半部5bを閉じたとき、コネクタ27a,27b同士が結合して接触型操作部40が前記中継基板を介して盤側制御装置200に接続されるようになっている。従来の遊技機は、前記のように接触型操作部が前面部に設けられていて、本体部側の中継基板を介して盤側制御装置200に接続されていたため、本発明の接触型操作部40の配線経路をこれと同様にすることにより、従来の制御構成に殆ど変更を加える必要がないメリットがある。
【0042】
また、実施形態では、遊技盤4の遊技基板4bと補助片4fを一体に形成したが、例えば、遊技基板4bと補助片4fをヒンジ部で連結して少なくとも補助片4fが前方蹴上げり方向に折れ曲がり得るようにしてもよい。そうすることにより、補助片4fや接触型操作部40をコンパクトに折り曲げて遊技盤4を自立させることができる。
【0043】
また、実施形態では、接触型操作部40を前面部5の下半部5b略中央に配置するために補助片4fを遊技基板4bの図2に示す位置に設けたが、接触型操作部40を配置する箇所および補助片4fを設ける位置はこれに限らず、他の位置としてもよい。たとえば、接触型操作部40を前面部5の下半部5bの左右何れか一方に偏らせて配置するように補助片4fを遊技基板4bに設けたり、或いは複数の接触型操作部40を前面部5の下半部5bの左右方向の複数個所に夫々配置するように複数の補助片4fを遊技基板4bに設けるようにしてもよい。
【0044】
また、実施形態では、前面部5を上半部5aと下半部5bに分割したが、一枚構造にしてもよい。この場合、望ましくは、接触型操作部40を通す前面部5の連絡部をシャッター付きにして操作主部41の大きさに応じて開口サイズを変更させ得るようにするのがよい。
【符号の説明】
【0045】
1 …遊技機
2 …外枠
3 …本体部
4 …遊技盤
4a …遊技領域
4f …補助片(取付部)
40 …接触型操作部
5 …前面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11