(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6395508
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】タイヤを組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
B29D 30/26 20060101AFI20180913BHJP
B29D 30/36 20060101ALI20180913BHJP
B29D 30/20 20060101ALI20180913BHJP
B29D 30/32 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
B29D30/26
B29D30/36
B29D30/20
B29D30/32
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-169645(P2014-169645)
(22)【出願日】2014年8月22日
(65)【公開番号】特開2015-47872(P2015-47872A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2017年8月22日
(31)【優先権主張番号】61/871,604
(32)【優先日】2013年8月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513158760
【氏名又は名称】ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ マイケル ストイラ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィスカード バルドーニ
(72)【発明者】
【氏名】ティエリ ロワイエ
(72)【発明者】
【氏名】デイル ユージン ウェルス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス アラン セルズ
【審査官】
増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05268057(US,A)
【文献】
米国特許第03929540(US,A)
【文献】
特開2002−067184(JP,A)
【文献】
特開平07−024931(JP,A)
【文献】
米国特許第03833444(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/26
B29D 30/20
B29D 30/32
B29D 30/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ組立ドラム上にタイヤを組み立てる方法であって、
内側部と、中央部と、外側部とを有するドラムであって、前記内側部が、回転スピンドルと、該スピンドルの内部をスライド可能なスライド軸とを有するとともに、前記スピンドルに取り付けられた、半径方向に拡張可能なビードロックを有し、前記中央部が、前記スライド軸に取り付けられたハブに取り付けられているとともに、該中央部に取り付けられた、半径方向に拡張可能な複数のタイルを有し、前記ドラムの前記外側部が、前記スライド軸の遠位端に取り付けられているとともに、半径方向に拡張可能なビードロックをさらに有し、前記中央部および前記外側部が、前記スライド軸のスライドによって、軸方向に移動可能である、ドラムの上に、1つ以上のタイヤ組立部品を貼り付けて、カーカス端部を有するタイヤカーカスを形成するステップと、
前記タイヤカーカスの前記カーカス端部が前記ビードの横方向外側に延びるように、前記ドラム上の前記タイヤカーカスの周りに、第1および第2のビードを配置するステップと、
前記第1および第2のビードと係合するように、前記第1および第2のビードロックを半径方向外側に拡張させるステップと、
前記外側部の前記ビードロックだけを前記内側部に向かって軸方向内側に移動させながら、前記タイヤ組立ドラムの前記中央部を半径方向に拡張させることによって、前記ビードロック同士の間に配置された前記カーカスを半径方向外側に拡張させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ビードロックの半径方向移動が、前記中央部の半径方向移動から独立している、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビードロックが、該ビードロックと前記中央部の前記タイルとの間に配置されたリンクレバーに接続されている、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記中央部の半径方向移動が、前記ドラムの軸方向移動から独立している、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2のビードロックが、互いに独立して作動する、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記中央部を軸方向に移動させるステップが、1つ以上のピニオンギアを回転させることによるものであり、前記ピニオンギアは、該1つ以上のピニオンギアの回転が前記ハブを軸方向にスライドさせるように、前記スライド軸に固定された移動ラックと前記スピンドルに取り付けられた固定ラックとに係合するように取り付けられている、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ドラムの前記中央部が、該中央部に取り付けられたハブと前記スライド軸との間に取り付けられたピニオンギアを回転させることで軸方向に移動可能であり、前記ピニオンギアが、前記内側部に接続された固定ラックと係合し、前記ピニオンギアの回転が、前記ハブを軸方向の内側および外側へと軸方向にスライドさせる、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記内側部が、所定の位置で軸方向に固定されている、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
タイヤ組立ドラム上にタイヤを組み立てる方法であって、
内側部と、中央部と、外側部とを有するドラムであって、前記内側部が、回転スピンドルと、該スピンドルの内部をスライド可能なスライド軸とを有するとともに、前記スピンドルに取り付けられた、前記ドラム半体内部の半径方向に拡張可能なビードロックを有し、前記中央部が、前記スライド軸に取り付けられたハブを有するとともに、半径方向に拡張可能な複数のタイルを有することをさらに特徴とし、前記ドラムの前記外側部が、前記スライド軸の遠位端に取り付けられているとともに、ドラム半体内部の半径方向に拡張可能なビードロックをさらに有し、前記外側部が、前記スライド軸のスライドによって、軸方向に移動可能である、ドラムの上に、1つ以上のタイヤ組立部品を貼り付けて、カーカス端部を有するタイヤカーカスを形成するステップと、
前記タイヤカーカスの前記カーカス端部が前記ビードの横方向外側に延びるように、前記ドラム上の前記タイヤカーカスの周りに、第1および第2のビードを配置するステップと、
前記第1および第2のビードと係合するように、前記第1および第2のビードロックを半径方向外側に拡張させるステップと、
クラウンレバーを移動させるとともに、前記外側部の前記ビードロックを含むドラム半体を前記内側部に向かって軸方向内側に移動させながら、前記タイヤ組立ドラムの中央部を半径方向に拡張させることによって、前記ビードロック同士の間に配置された前記カーカスを半径方向外側に拡張させるステップであって、前記ビードロックを含む前記ドラム半体を軸方向内側に移動させるステップが、前記中央部と前記スライド軸とに固定されたハブに取り付けられたピニオンギアを回転させることで発生し、前記ピニオンギアは、該ピニオンギアの回転が、前記スライド軸の内側で前記外側部に固定された移動ラックと、前記外側部とを軸方向にスライドさせるように、前記移動ラックと係合する、前記カーカスを半径方向外側に拡張させるステップと、
を含むことを特徴とするタイヤを組み立てる方法。
【請求項10】
前記ハブの軸方向移動によって前記ドラムの前記中央部を軸方向に移動させるステップを含むことをさらに特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1つ以上のピニオンギアが、前記ハブと前記スライド軸との間に取り付けられているとともに、前記スピンドルに接続された前記固定ラックと前記スライド軸に接続された前記移動ラックとに係合するように配置され、前記スライド軸の軸方向移動は、前記ハブが軸方向にスライドするように、前記1つ以上のピニオンギアを回転させる、ことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記固定ラックが、前記スピンドルに接続されている、ことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記固定ラックが、前記ハブと前記スライド軸との間に配置されている、ことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ピニオンギアの1回転に対して、前記ドラムの前記外側部の軸方向移動距離が、前記中央部の軸方向移動距離よりも大きい、ことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記ピニオンギアの1回転に対して、前記ドラムの前記外側部の軸方向移動距離が、前記中央部の軸方向移動距離の2倍大きい、ことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの組み立てに関し、特に、大型のオフロードタイヤの組み立てに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ、特に大型タイヤの製造は、多くの工程を含んでいる。サイズがR57インチ以上の超大型タイヤの場合、製造プロセスは、一般に、バンド組立機上での「バンド」の作製を含んでいた。バンドは、一般に、ライナー、スキージー、インサート、およびプライを有している。バンドは、作製された後、一般に、バンド組立機から取り除かれ、ラックに保管される。バンド保管の1つの問題は、バンドが、一般に収縮することである。この問題を克服するために、保管されたバンドは、バンドエキスパンダに搬送され、そこで拡張されて、その後、第1段階のドラム上に取り付けられた。そして、第1段階のドラムは、生カーカス上にビードを付加することでバンドを処理する。その後、カーカスは、取り除かれ、第2段階のドラムに転送される。そして、第2段階のドラムは、カーカスを成形し、ベルトを貼り付け、その後、トレッドを貼り付ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こうして、従来技術のプロセスは、複数の組立段階と機械間での構成部品の移動とを必要とする。そのため、全段階型タイヤ組立ドラムは、上述のような非効率性を解消することが望まれている。これには、タイヤ組立ドラムが、半径方向の拡張/収縮だけでなく、軸方向の拡張および収縮も可能であることが必要である。さらに、タイヤ成形を含むタイヤ組立プロセスの全体を通して、確かなビード固定を維持することが重要であり、これにより、プライコードの長さが維持され、タイヤの良好な均一性がもたらされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のタイヤ組立ドラム上にタイヤを組み立てる方法は、内側部と、中央部と、外側部とを有するドラムであって、内側部が、回転スピンドルと、該スピンドルの内部をスライド可能なスライド軸とを有するとともに、スピンドルに取り付けられた、半径方向に拡張可能なビードロックを有し、中央部が、スライド軸に取り付けられたハブに取り付けられているとともに、該中央部に取り付けられた、半径方向に拡張可能な複数のタイルを有し、ドラムの外側部が、スライド軸の遠位端に取り付けられているとともに、半径方向に拡張可能なビードロックをさらに有し、中央部および外側部が、スライド軸のスライドによって、軸方向に移動可能である、ドラムの上に、1つ以上のタイヤ組立部品を貼り付けて、カーカス端部を有するタイヤカーカスを形成するステップと、タイヤカーカスのカーカス端部がビードの横方向外側に延びるように、ドラム上のタイヤカーカスの周りに、第1および第2のビードを配置するステップと、第1および第2のビードと係合するように、第1および第2のビードロックを半径方向外側に拡張させるステップと、外側部のビードロックだけを内側部に向かって軸方向内側に移動させながら、タイヤ組立ドラムの中央部を半径方向に拡張させることによって、ビードロック同士の間に配置されたカーカスを半径方向外側に拡張させるステップと、を含む。
【0005】
(定義)
本開示の理解を容易にするために、以下の用語が定義される。
【0006】
「エイペックス」は、ビードの半径方向上方に配置され、プライとプライターンアップとの間に挿入されたエラストマー製のフィラーを意味する。
【0007】
「軸方向の」および「軸方向に」は、タイヤ組立ドラムの長手方向の回転軸と平行または一直線に並んだ、ラインまたは方向を意味する。
【0008】
「ビード」は、プライコードによって包まれた、「ビードコア」として一般に呼ばれる環状引張部材であって、フリッパー、チッパー、エイペックス、トゥーガード、およびチェーファーのような他の補強部材の有無にかかわらず、設計リムに適合するように成形された環状引張部材を有する、タイヤの一部を意味する。
【0009】
「ベルト構造」または「補強ベルト」は、織布または不織布であって、トレッドの下に存在し、ビードに固定されておらず、左右のコード角度が共にタイヤの赤道面に対して17°から27°の範囲にある、互いに平行なコードからなる少なくとも2つの環状の層またはプライを意味する。
【0010】
「カーカス」は、円筒形状またはトロイダル形状に接合するのに適した長さに切断されるかあるいはすでに接合されたタイヤプライ材料と他のタイヤ構成部品とからなる未加硫積層体を意味する。追加の構成部品が、加硫されて成形タイヤになる前のカーカスに付加されていてよい。
【0011】
「ケーシング」は、トレッドを除く、タイヤカーカスと関連するタイヤ構成部品とを意味する。
【0012】
「チェーファー」は、ビードの外側周囲に配置され、コードプライをリムから保護し、リムの上方でたわみを分散させ、タイヤを密閉する、幅の狭い材料ストリップを指す。
【0013】
「周方向」は、軸方向に垂直な環状トレッドの表面の周囲に沿って延びるラインまたは方向を意味する。
【0014】
「コード」は、タイヤ内のプライを構成する補強ストランドの1つを意味する。
【0015】
「赤道面(EP)」は、タイヤの回転軸に垂直でタイヤのトレッドの中心を通る平面を意味する。
【0016】
「インナーライナー」は、チューブレスタイヤの内面を形成し、タイヤの内部に膨張流体を収容する、エラストマーまたは他の材料からなる層を意味する。
【0017】
「インサート」は、通常タイヤのサイドウォール領域に配置され、補強部材として使用される、エラストマー製の部材を意味する。
【0018】
「プライ」は、ゴムで被覆された互いに平行なコードからなる連続した層を意味する。
【0019】
「半径方向の」および「半径方向に」は、タイヤ組立ドラムの回転軸に向かって放射状に延びる方向、あるいは回転軸から離れるように放射状に延びる方向を意味する。
【0020】
「ラジアルプライタイヤ」は、ベルトで締め付けられているか、あるいは周方向に制限された空気入りタイヤであって、プライの少なくとも1つの層が、タイヤの赤道面に対して65°から90°までの間のコード角度でビードからビードへと延びるプライコードを有する、空気入りタイヤを意味する。
【0021】
「ショルダー」は、トレッド縁部の直下の、サイドウォールの上部を意味する。
【0022】
「サイドウォール」は、タイヤのトレッドとビードとの間にある部分を意味する。
【0023】
「トレッド」は、タイヤカーカスへの結合時に、標準タイヤ圧および標準荷重においてタイヤが道路に接触する部分を含む、ゴム製の構成部品を意味する。
【0024】
「トレッド幅」は、軸方向、すなわちタイヤの回転軸に平行な平面におけるトレッド面の円弧長を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】軸方向に拡張した形態にあることを示す、本発明のタイヤ組立ドラムの正面断面図である。
【
図2】
図1のタイヤ組立ドラムの斜視断面図である。
【
図3】タイヤ組立のためにさまざまな位置にあるタイヤ組立ドラムを示す図である。
【
図4】タイヤ組立のためにさまざまな位置にあるタイヤ組立ドラムを示す図である。
【
図5】タイヤ組立のためにさまざまな位置にあるタイヤ組立ドラムを示す図である。
【
図6】タイヤ組立のためにさまざまな位置にあるタイヤ組立ドラムを示す図である。
【
図7】拡張した位置にあることを示す、スライド軸の側面図である。
【
図8】軸方向に収縮した位置にあることを示す、スライド軸の側面図である。
【
図12】
図8の方向12−12における断面図である。
【
図13】ピニオンとラックの組立体を示す、
図11の円で囲まれた領域の拡大図である。
【
図14】ビード機構およびタイルが拡張した形態にあることを想像線で示す、ドラムの外側端部の断面図である。
【
図15】中央デッキアクチュエータ機構の分解斜視図である。
【
図16a】
図17の中央デッキ機構の方向16a−16aにおける断面図である。
【
図16b】
図17の中央デッキ機構の方向16b−16bにおける断面図である。
【
図17】
図15の中央のデッキ機構の外側端部の側面図である。
【
図19a】ブラダー組立体が作動状態にあることを示す、ビードロックとブラダーの組立体の拡大図である。
【
図20】ブラダー組立体の第2の実施形態を示す図である。
【
図21b】ビードロック組立体の第2の実施形態を示す図である。
【
図22a】
図22bのビードロック機構のためのシールの第3の実施形態を示す図である。
【
図22b】ビードロック組立体の第3の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明について、添付の図面を参照して、例を挙げて説明する。
【0027】
図面を参照すると、本発明の全段階型タイヤ組立てドラム10が図示されている。ドラム10は、軸方向に固定された内側部12と、軸方向に移動可能な中央部13と、ドラムを拡張および収縮させるために、内側部12に向かって軸方向に移動するとともに、内側部12から離れるように軸方向に移動する外側部14とを有している。これら3つの部分12,13,14は、ドラム部の回転と軸方向移動とを可能にする内部サポート組立体30に取り付けられている。
図7から
図9に示す内部サポート組立体30は、回転スピンドル20と、中央デッキハブ50と、スライド軸32とを有している。内部サポート組立体30は、ドラムが軸方向に拡張および収縮する際に中心線を調整するための内部機構を有している。以下、これらの部分のすべてについて、より詳細に説明する。
【0028】
(内側部)
図1により具体的に示すように、ドラムの内側部12は、ドラムの内側端部に配置され、所定の位置で軸方向に固定されている。内側部は、ドラム組立体10全体を回転させる機能を備えた円筒形状の主スピンドル20を有している。主スピンドルは、軸受(図示せず)を介してタレットの主スピンドルに連結された駆動機構によって回転駆動される。内側のビードロックおよびターンアップユニット40は、主スピンドル20に取り付けられ、ターンアップユニットがスピンドルと一体で回転するように、鍵で固定されている。内側のビードロックおよびターンアップユニット40も軸方向に固定されている。主スピンドル20は、内部に取り付けられたスライド軸32を支持し、スライド軸は、ドラムの幅を変更するために、軸方向にスライド可能である。主スピンドルは、スライド軸がスピンドルと共に回転することを可能にするとともに、スライド軸が軸方向に移動することを可能にするスプラインハブ(図示せず)によって、スライド軸32に接続されている。
【0029】
(中央部)
ドラム10の中間部13は、スライド軸32に取り付けられた中央デッキハブ50を有している。中間部13は、2つのセクションリング(図示せず)によって、中央デッキハブに固定されている。
図11から
図13に示すように、中央デッキハブ50は、回転可能なピニオンギア組立体52と可動ラック82と可動軸(図示せず)内のスロットに適合した鍵とによって、スライド軸32に固定されている。中央デッキハブは、ドラムが軸方向に拡張または収縮すると、スライド軸が移動する軸方向距離の半分を移動する。中央デッキハブも、スライド軸と共に回転する。中央デッキハブは、固定ラック80と可動ラック82とに係合する、少なくとも2つ、好ましくは3つの回転可能なピニオンギア52を有している。固定ラックは、主スピンドルに強固に接続され、それにより、固定ラックは、軸方向には移動しないが、スピンドルの回転に伴って回転する。固定ラック80は、スライド軸32の外面を覆うように取り付けられている。移動ラック82は、スライド軸の内部に取り付けられている。移動ラック82は、外側ユニット60の内部に固定された一端部81を有し、それにより、移動ラック82の軸方向移動は、外側ユニットも移動させる。ハブピニオンギア52は、固定ラック80と移動ラック82とに機械的に係合するように取り付けられている。スライド軸は、ピニオンギアと固定ラックと移動ラック82との間の伝達を可能にするスロット83を有している。1つ以上、好ましくは2つ以上のピニオンギア52が、中央ハブ50に取り付けられている。スライドハブとしても知られている中央デッキハブ50の断面図が、
図12に示されている。1つ以上のピニオン52は、固定ラックおよび可動ラックの嵌合歯とかみ合う歯を有している。1つ以上のピニオンギアが回転すると、ピニオン歯は、スライド軸32に取り付けられた可動ラック82の歯と係合し、固定ラック80とも係合する。固定ラックに対するピニオンギアの回転方向に応じて、この回転は、回転方向に応じたスライドハブ50の軸方向内側または外側へのスライドを引き起こす。可動軸32は、外部ヨークとボールねじの組立体(図示せず)によって、軸方向に移動する。
【0030】
ドラムのラックおよびピニオン装置32,80,82,52は、スライド軸の軸方向移動を相殺する。このラックおよびピニオン装置により、中央デッキユニットは、ドラムの中心に置かれた状態を維持することができる。可動軸32は、1測定単位だけ移動すると、中央スライドハブ50を同じ方向に1/2測定単位だけ移動させる。例えば、外側のビードロックおよびターンアップユニット60が内側端部に向かって軸方向に100mm移動する(ドラム幅を100mmだけ減少させる)場合、中央部は、ドラムの中心に再び位置するように、同じ方向に50mmだけ移動することになる。したがって、ドラムが軸方向に拡張した位置にある
図3を、
図6の軸方向に縮んだドラムと比較すると、内側ユニットが軸方向に固定されたままであったことは明らかである。また、中央部デッキ部が内側ユニットに当接するように軸方向に移動したことも明らかである。スライド軸は、軸方向内側に移動して、外側端部を中央デッキに当接させた。外側端部は、中央部の2倍の距離を移動した。このように、ピニオンギアが回転すると、外側端部は軸方向に2単位移動し、その一方で、中央ハブ部は同じ方向に1単位だけ軸方向に移動する。
【0031】
(中央部)
中央デッキハブ50には、タイヤ組立ドラムの中間部の形成に寄与する中央デッキユニット70が取り付けられている。中央デッキユニット70は、さまざまな構成部品を貼り付ける際にドラム表面を平坦にするために、内側ユニット40と外側ユニット60との間に延びている。中央デッキユニットは、内側および外側ユニットの複数のタイルと重なり合う複数のタイル71を有している。タイル71は、中央デッキユニット70の半径方向を向いた通路74,75の内側に取り付けられた2つのガイドロッド72,73に取り付けられている。それぞれの外側ガイドロッド73には、カムフォロア軸受77が取り付けられている。主ディスク73の外側に隣接してタイミングリング78が取り付けられ、タイミングリング78は、複数のタイミングスロット79を有している。カムフォロア軸受77は、それぞれのタイミングスロット79内をスライドするように取り付けられ、それにより、ガイドロッド73が空気ピストン(図示せず)によって半径方向外側に作動する際に、タイミングリングは、外側ガイドロッドがすべて一緒に移動することを確保することができる。
【0032】
中央ガイドロッド72,73は、図示されていないが、1組で、中央タイル71の1つに真空チャンバーを形成するための内部掘削および外部接続の独特な1つのセットを有している。タイル71の表面上のこの真空チャンバーは、インナーライナーのゴム材料を貼り付けるために使用される。
【0033】
(内側および外側のビードロックおよびターンアップユニット)
内側のビードロックおよびターンアップユニットは、主スピンドルに取り付けられている。内側ユニット40と外側ユニット60とは、内部ドラムハブを除いて同じである。各ユニットは、半径方向に拡張する複数のビードロック45,65から形成されたビードロック機構を有している。ビードロック45,65は、円錐アクチュエータ48,68によって半径方向に拡張可能であり、周方向の空気圧シリンダ49Ba,69Bによって半径方向外側に作動し、シリンダ49aおよび69aによって半径方向内側に作動する。
【0034】
図14および
図18に示すように、ビードロックは、ビードを収容する湾曲したビード座部64を有している。湾曲したビード座部64の表面には、シール膜100の第1の端部102が取り付けられている。シール膜100は、環状であることが好ましい。シール膜100は、ビードロックからドラム本体まで延びるシール膜であって、カーカスの膨張を維持する機能と、カーカスを成形する空気がブラダー膨張システムに進入することを防止する機能とを有する非常に特殊なシール膜である。第1の端部102は、ビード座部64上の嵌合レセプタクル104の内部に収容された拡大脚部103を有している。膜100は、第2の端部106を有し、第2の端部106は、ビードロックに隣接した、ビードロックおよびターンアップユニットの内部の嵌合レセプタクル108内に収容された第2の拡大脚部107を有している。膜は、ビードロックの半径方向を向いた表面上の嵌合レセプタクル内に収容された第3の脚部110を含んでいる。拡大脚部103,107,110は、補強材、好ましくはスチールプライからなる1つ以上の層で補強されていることが好ましい。さらに、膜は、拡張部112を有し、膜は、ビードロックが作動したときに膜が半径方向および周方向に拡張することを可能にするように、互いに隣接して積層された1つ以上の折り畳みを有している。シール膜100は、第1の端部から第2の端部まで織物プライで補強されたゴムで形成されている。さらに、シール膜の拡張部112は、スチールプライからなる1つ以上の層を有し、このスチールプライは、ビードロックの移動中のシール膜の収縮時に反発して元の位置に戻るばねのように機能する。
【0035】
図14および
図18に示すように、クライミングブラダー206が、シール膜100の一部を覆うように配置されている。クライミングブラダーは、ビード座部64に取り付けられた踵部204を有する第1の端部202を有している。踵部204は、補強材、好ましくはスチール補強材からなる1つ以上の層で補強されていることが好ましい。クライミングブラダー200は、シール膜の一部を覆うようにビード座部64を横切って延び、そして、タイヤ組立ドラムの上面に沿って軸方向にさらに延びている。クライミングブラダーは、支持ビーム210の第1の端部つまりノーズ208に巻き付けられた第2の端部207を有している。クライミングブラダーは、補強プライ、好ましくは、プライとの交差角が+10°と−10°で配置された織物で補強された補強プライで形成されていることが好ましい。
【0036】
支持ビーム210は、プライを折り返すために膨張している間、クライミングブラダー200が半径方向に上昇することを容易にする。支持ビームは、補強されたエラストマーまたはゴム、好ましくはスチール補強プライからなる1つ以上の層で補強されたエラストマーまたはゴムから形成されている。交差したスチールプライからなる少なくとも2つの層が好ましく、スチール補強材が、±5〜±30°の範囲の低角度、より好ましくは±5〜±12°の範囲の低角度で交差していることが好ましい。支持ビームの第2の端部は、支持カラー214の内側に取り付けられている。第2の端部は、支持ビームの表面上でクライミングブラダーを折り畳むことを容易にするために、角度が付けられていることが好ましい。支持ビームの第1の端部つまりノーズは、好ましくは階段形状209を備えた、実質的に減少した断面積を有している。ノーズの断面積は、支持ビームの断面積の約30%〜60%の範囲、より好ましくは40%〜60%の範囲にあることが好ましい。支持ビームの減少した断面積によって、ノーズは曲がることが可能になり、クライミングブラダーの半径方向外側への移動が容易になる。さらに、支持ビームのノーズ208は、支持ビームのノーズの曲げをさらに容易にするために、半径方向外面に鋸歯状縁部つまり切り込み203を任意に有していてもよい。ノーズ208上の切り込みにより、折り返しの前には、ノーズが半径方向内側に曲がることが容易になり、折り返しの間には、ノーズが半径方向上方に曲がることが容易になる。この支持ビームのノーズの曲げは、チッパーおよびチェーファーのタイヤ構成部品におけるしわまたは折り目の問題を解決する。曲がったり、降伏したりすることができる薄型のノーズによって、チッパーおよびチェーファーは、それらの端部が、ブラダーとターンアップとが膨張している間に厚型のノーズと係合することによって延びて円錐形状になるという傾向を軽減することができる。チッパーおよびチェーファーの端部が折り返しの間にその降伏点を超えて伸びると、それらは、元の形状に戻らなくなり、その結果、不均一になる。薄型のノーズによって、チッパー/チェーファーが降伏を超えて伸びなくなることが可能になり、その結果、チッパーおよびチェーファーは、しわのない状態に維持される。
【0037】
支持ビーム210は、膨張式プッシャー300の作動により、支持カラー214を中心に旋回する。支持カラー214の近傍において、支持ビーム210は、クライミングブラダー206の適切な折り畳みを容易にするテーパー面215を有している。膨張式プッシャー300は、支持ビームの半径方向内側に位置し、膨張時には、支持ビームをその第2の端部の周りで旋回させ、第1の端部208を半径方向外側に向かわせる。クライミングブラダーが膨張している間、支持ビーム210のノーズ208は、プライの折り返しを容易にするために、クライミングブラダーの第2の端部207を、第1の端部の半径方向外側に持ち上げる。クライミングブラダーも膨張し、それにより、クライミングブラダーの中央部211は、ビードの周りでプライを折り返すための強大な力を発揮することができる。支持ビームは、半径方向にクライミングブラダーの外側端部を持ち上げることによって、クライミングブラダーの助けとなる。さらに、ノーズが(ビームの長手方向軸に垂直な軸を中心に)後方に曲がることは、折り返しを容易にするように、クライミングブラダーが半径方向へ拡張する一因となる。
【0038】
膨張式プッシャー300を、
図20に示すように、支持ビームと係合して支持ビームを持ち上げるために上昇および下降するメカデッキに置き換えることができる。メカデッキ500は、金属製であってよく、空気圧によって作動してタイヤドラムの内側から延び、支持ビームを作動させる。メカデッキ500は、第1および第2の端部を有する分厚い管状部材のような形をしており、任意には、第2の端部をテーパー状にすることができる。
【0039】
図14に示すように、内側および外側ドラムユニットはそれぞれ、固定部91と伸縮部94とを有する複数の伸縮式タイル90を有している。個々のタイル90は、リンクレバー92によってビードロックに連結されている。リンクレバー92により、組立シーケンス全体を通じて、ビードからビードまでのドラム上の材料長さが一定であることが確保される。各タイル90は、デッキがドラム幅変動および範囲の全体をカバーすることを可能にする伸縮部94によって、軸方向に拡張可能である。伸縮部94は、固定タイル91の上面上をスライド可能であり、内部ばね(図示せず)によって、案内ユニットの内側に自動的に拡張される。
【0040】
完全なクラウン位置のために、タイルユニットは、円錐アクチュエータ98によって作動する半径方向エキスパンダ96を有している。円錐アクチュエータは、エアチャンバー99およびエアチャンバー101による作動時に、中央部に向かって軸方向内側にスライドし、チャンバー69aの後頭部に取り付けられ、チャンバー101の後頭部で停止した機械的なストッパ(図示せず)に係合するまでスライドする。円錐アクチュエータが軸方向内側にスライドすると、半径方向エキスパンダ96は、円錐アクチュエータの外面に配置された、角度付けられたガイドレール97上をスライドする。円錐アクチュエータが中央部に向かって軸方向内側にスライドすると、半径方向エキスパンダは、タイルを完全なラジアルクラウンに拡張させるために、半径方向外側に移動する。
【0041】
タイル90がリンクレバー92によってビードロック部65に連結されているため、ビードロックは、エアチャンバー101により軸方向内側に移動することができる。ビードロックチャンバー69aが圧力下にあるときに、ビードロックは拡張し、リンクレバーを解除して、タイルがビードロックのストロークによって展開することを可能にする。
【0042】
タイヤドラムが、
図5に示す軸方向に縮んだ位置にあるときに、伸縮式タイル90は、完全に格納され、中央デッキのタイル71の真下に配置されている。また、内側ユニットおよび外側ユニットの、ビードロックの(中央部に対して)軸方向内側に配置された部分は、中央部のタイル71の内側に位置している。
【0043】
以下、本発明のドラムを利用した例示的なタイヤの組立シーケンスについて説明する。後述するタイヤドラムは、全段階型タイヤ組立ドラム上で超大型のタイヤを組み立てることができる。ドラムは、タイヤを組み立てるために、必要に応じて逆または正クラウン位置に調整することができる。軸方向へのドラムの動き、半径方向へのドラムの動き、ビードロックの動き、およびドラムの回転は、独立して設定され、調整可能である。タイヤ組立は、完全に自動化された方法で行うことができ、あるいは、操作員がタイヤ組立部品をドラムに貼り付けることが可能な手動モードで行うことができる。ドラムに貼り付けられる構成部品は、特定のタイヤの構造のために変更することができるが、それらを以下で記載して、ドラムの動作を説明する。まず、ドラムが、
図1に示す開始位置に設定される。ドラム開始位置では、ドラムは、軸方向に拡張した形態にあり、軸方向の幅が最大で、半径方向の寸法が最小である。しかしながら、開始時点での軸方向の幅は、タイヤサイズに応じて変わってもよい。中央部70および外側部40,60は、半径方向で最も内側の位置にあり、ビードロックは、半径方向に拡張されていない位置にある。次に、例えば、インナーライナー、スキージー、チェーファー、インサートパッド、チッパー、ゴムストリップなどのタイヤ構成部品。タイヤ組立部品のそれぞれは、一般に、スピンドル20によってドラムが回転しているときに、供給器によって別個に貼り付けられる。
【0044】
次に、ドラムの中央部が、半径方向に拡張されて、
図3に示すクラウン位置になる。中央部のタイル71は、チャンバー101によってもたらされる運動とガイドロッド72,73の作動とによって、半径方向に拡張されている。中央部が半径方向に拡張された後、プライが、クラウン状態のドラムに貼り付けられる。次に、ビードが、ビードローダーによって、ビードロック45,65の上方に配置される。その後、エイペックスが、ビードやドラムに貼り付けられる。あるいは、別個の構成部品の代わりに、ビードエイペックス部分組立体を使用することもできる。周方向の空気圧シリンダ49B、69Bによって駆動される円錐アクチュエータ48,68の作動により、ビードロックが、
図4に示すように、半径方向に拡張されてビードを固定する。ビードロックがビードを固定すると、中央部のタイル71および伸縮式タイルが、ガイドロッド72,73の作動と円錐アクチュエータの作動とにより、半径方向にさらに拡張されて、それぞれ半径方向エキスパンダをスライドさせる。その後、例えばゴムストリップやウェッジなどの追加のタイヤ構成部品が貼り付けられてもよい。
【0045】
次に、ドラムの中心が高クラウン位置の状態にあるときに、中央部70および外側部60が、
図5に示すように、内側部40に向かって軸方向内側方向に移動する。内側部は、このドラム動作中に、軸方向に移動することはない。中央部70は、軸方向へのスライド軸32に固定されたハブ50に取り付けられている。ハブのピニオンギア52は、スライド軸に取り付けられた可動ラック82に係合し、可動ラックおよびスライド軸を軸方向内側つまり内側部に向かって移動させる。中央部も、固定ラック80上のピニオンギアの回転により内側部に向かって移動する。中央部の軸方向移動は、固定ラックと可動ラックのギア比のために、外側部の移動の半分である。タイヤドラムが、
図5に示す軸方向に縮んだ位置にあるときに、伸縮式タイル90は、完全に格納され、中央デッキのタイル71の真下に配置されている。さらに、内側および外側ユニットの、円錐アクチュエータ98および半径方向エキスパンダ96は、中心部のタイル70の内側に位置している。
【0046】
ドラムが、
図5に示すクラウン位置および軸方向に縮んだ位置にあるときに、カーカスが拡張する。次に、プライが、クライミングブラダーを作動させることによって折り返される。クライミングブラダーは、膨張式プッシャーによって作動する。
【0047】
カーカスプライターンアップおよびサイドウォールがすでに中央部およびカーカスプライの上に取り付けられていると、ブラダーは、カーカスプライターンアップおよびサイドウォールを丸める。タイヤのターンアップ端部が折り畳まれると、例えば、サイドウォール、トレッドベース、トレッドキャップ、およびベルトパッケージなどのタイヤ構成部品を貼り付けることができる。次に、ビードロックがロック解除位置に駆動され、タイヤカーカスが収縮し、中央部が半径方向内側に移動して、生タイヤの取り外しが可能になる。
【0048】
図21aおよび
図21bは、本発明のビードロック機構の第2の実施形態に関する。
図21bに示すように、ビード座部600は、さらに、第1および第2の成形部材610,620を任意に有していてもよい。第1の成形部材610は、
図21aに示すように台形の形状に成形される場合、高弾性シリコーンまたはシリコーンゴム混合物で形成されていることが好ましい。その台形が湾曲したビード座部に取り付けられると、第1の成形部材は形が変化して、下唇に類似した湾曲片になる。第2の部材620は、第1の部材の上に層状に重ねられ、同様に、高弾性シリコーンまたはシリコーンゴム混合物を有していることが好ましい。第2の部材620は、リンク機構92の上方に延びる第1の端部622を有している。第2の部材は、支持ビーム210のノーズ206と重なり合う第2の端部623有している。第1および第2の部材は、ビードロック機構によるビードの圧縮時にビード部材の圧力負荷を分散するように機能する。
【0049】
図22aから
図22cは、本発明のビードロック機構の第3の実施形態に関する。
図22bに示すように、ビード座部700は、さらに、第1および第2の成形部材720,722を任意に有していてもよい。この実施形態では、ビードロックの外面702が変更されている。外面は、ビードが固定されたときにビードの直下に位置する第1の領域を有している。第1の領域705は、ほぼ平坦であるが、約60〜150の範囲、より好ましくは80〜110の範囲の非常に大きな曲線半径を有している。第1の領域は、第1の領域に隣接してその両側に位置する第2および第3の領域704,706を有している。軸方向外側の第2の領域706は、実質的に小さい半径を有し、約30〜60の範囲、より好ましくは約40〜50の範囲にある。第1の領域に隣接して反対側に位置する軸方向内側の第3の領域704は、実質的に平坦である。第1および第2の弾性部材720,722は、ビード座部700に収容されている。第1の弾性部材720は、所望の形状に成形された、高弾性シリコーンまたはシリコーンゴム混合物で形成されていることが好ましい。弾性部材720の形状は、
図22aに示すように、互いに反対側を向いた2つのテーパー端部724,726を備えた細長いストリップである。ストリップの底部は、着座時にビードの下に位置する拡大突部728を有している。第2の部材722は、第1の部材の上に層上に重ねられ、同様に、高弾性シリコーンまたはシリコーンゴム混合物を有していることが好ましい。第2の部材は、ビードロックの表面を横切って延びるのに十分な長さを有している。第1および第2の部材は、ビードロック機構によるビードの圧縮時にビード部材の圧力負荷を分散するように機能する。
【0050】
本発明を説明するために、特定の代表的な実施形態および詳細を示しているが、当業者には、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなくさまざまな変更および修正が実施可能であることが明らかであろう。
【符号の説明】
【0051】
10 ドラム
12 内側部
13 中央部
14 外側部
20 回転スピンドル
32 スライド軸
45、65 ビードロック
50 ハブ
71 タイル