(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記再充電パラメータのグループが、前記電源への総電流、前記電気モータのグループ内の電気モータからの電流、又は前記電気モータの電圧のうちの少なくとも1つを含み、前記総電流は、前記電源の最大電流以下である請求項1に記載の装置。
前記再充電パラメータのグループが、前記電気モータのグループ内の電気モータからの電流を含み、前記コントローラが、前記電流を制御すべく前記電気モータによって生成される前記電流のデューティーサイクルを制御するように構成されている請求項1に記載の装置。
前記コントローラが、前記電動航空機が前記再充電状態にあるときの事象に応答して前記電気モータのグループについて前記再充電パラメータのグループ内の再充電パラメータを特定するように構成され、前記事象は、前記電動航空機の前記再充電状態への移行、或る時間期間の満了、又は前記電気モータのグループにおける変化のうちの少なくとも1つから選択される請求項1に記載の装置。
前記再充電パラメータのグループが、前記電源への総電流、前記電気モータのグループ内の電気モータからの電流、又は前記電気モータの電圧のうちの少なくとも1つを含み、前記総電流は、前記電源の最大電流以下である請求項9に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0034】
例示の実施形態では、1つ以上の異なる考慮事項を認識し、考慮に入れる。例えば、例示の実施形態では、航空機が電気モータを使用して飛行することができる時間、距離、或いは時間及び距離の両方を、いくつかの異なる方法で増やすことができる旨を認識し、考慮に入れる。例えば、電気モータが、電源としてバッテリシステムを使用する場合、そのバッテリシステムを再充電することができる。さらに、例示の実施形態では、バッテリシステムのこの再充電を、航空機が航空機のための指定の再充電場所から離れているときにも行うことができる旨を認識し、考慮に入れる。
【0035】
例示の実施形態では、航空機用の電気モータが、エネルギ収穫装置を備えることができる旨を認識し、考慮に入れる。エネルギ収穫装置は、航空機が航空機のための指定の再充電場所から離れているときにバッテリシステムを再充電するために電気エネルギを生成することができる。この説明用の例において、エネルギ収穫装置は、さまざまな形態をとることができる。例えば、エネルギ収穫システムを、太陽電池、熱電発電装置、圧電性結晶、アンテナ、及び航空機のバッテリシステムを再充電するように構成された他の適切な種類の装置のうちの1つから選択することができる。
【0036】
さらに、例示の実施形態では、エネルギ収穫装置を航空機の別途の構成要素として追加することが、場合によっては望まれるよりも多くの重量及び複雑さを付加することになりかねないことを認識し、考慮に入れる。さらに、例示の実施形態では、航空機の推進に使用される電気モータを、エネルギ収穫装置としても使用できることを認識し、考慮に入れる。特に、プロペラと組み合わせられた電気モータを、航空機のバッテリシステムの再充電に使用することができる電流を生み出すために運動エネルギの形態で利用することができる風力エネルギを収穫するために使用することができる。しかしながら、例示の実施形態では、いくつかの現在使用されている推進システムが、航空機の移動及び再充電の両方をもたらす能力を有し得ないことを認識し、考慮に入れる。
【0037】
したがって、例示の実施形態では、電源を再充電するための方法及び装置を提供する。1つの説明用の例では、装置がコントローラを備える。コントローラは、航空機の状態を特定し、いくつかの電気モータのための再充電パラメータのグループを特定するように構成される。いくつかの電気モータは、再充電状態が航空機について存在するときに空中で航空機を移動させるように構成される。コントローラが、再充電状態が航空機について存在するときに、前記パラメータのグループを使用して航空機の電源を再充電し、電気モータのグループによる電源の再充電を制御するようにさらに構成される。
【0038】
次に、図面を参照する。特に
図1を参照すると、例示の実施形態に従う電動航空機の環境の図が示されている。この説明用の例においては、電動航空機の環境100が、電動航空機101が働くことができる環境の一例である。
【0039】
この説明用の例では、電動航空機101がクアッドコプタ102の形態をとる。クアッドコプタ102は、この説明用の例においては4組のプロペラによって上昇及び推進する航空機の一種類である。この説明用の例において、「組」は、1つ以上の構成部品を含む。したがって、プロペラの組は、1つ以上のプロペラを含む。
【0040】
図示のとおり、クアッドコプタ102は、電気推進システム104を使用して飛行し、電動航空機の環境100において種々の動作を実行する。例えば、クアッドコプタ102は、監視任務のための動作を実行することができる。監視任務のための動作として、建物106を含む対象の画像の生成を挙げることができる。これらの画像は、静止画像、映像、又はこれらの何らかの組み合わせであってよい。
【0041】
加えて、監視任務は、道路108上の交通の画像の生成をさらに含むことができる。例えば、クアッドコプタ102は、道路108上を移動している車両110の画像を生成することができる。
【0042】
これらの説明用の例において、クアッドコプタ102は、選択された時間期間にわたって飛行するように構成される。クアッドコプタ102の飛行の時間は、クアッドコプタ102の電源の容量及び必要とされる性能の水準に基づく。この説明用の例では、性能の水準として、所望のとおりに任務を実行するために必要なエネルギの水準を挙げることができる。結果として、クアッドコプタ102は、クアッドコプタ102の電源を再充電するために、何らかの時間期間の後で再充電場所112に戻ることができる。例えば、クアッドコプタ102はクアッドコプタ102のバッテリシステムの再充電のために再充電場所112に戻ることができる。
【0043】
いくつかの場合には、クアッドコプタ102の任務の時間を延ばすことが望まれるかもしれない。換言すると、より長い時間期間にわたる飛行、電動航空機の環境100についてのより多くの情報の生成、さらなる動作の実行、或いはこれらの何らかの組み合わせをクアッドコプタ102にとって可能にする量のエネルギの使用が望まれるかもしれない。
【0044】
クアッドコプタ102の任務の時間を、いくつかの異なる方法で延ばすことができる。例えば、クアッドコプタ102を、任務の実行中に或る時間期間にわたって電動航空機の環境100内の構造物上に停めておくことができる。
【0045】
1つの説明用の例では、クアッドコプタ102が、屋根114を見晴らしのよい地点として使用し、任務のうちの屋根114上に位置するときの部分の実行に使用される電力を少なくすることができる。例えば、屋根114は、クアッドコプタ102が道路108を移動している車両110の画像を道路108に沿って飛行することなく生成することができる場所であってよい。この方法で、クアッドコプタ102は、バッテリの持ち時間を節約し、任務の時間を延ばすことができる。
【0046】
別の説明用の例では、クアッドコプタ102が、エネルギ収穫システムを使用して電源を再充電することによって、任務の時間を延ばすことができる。特に、クアッドコプタ102は、二重の用途のエネルギ収穫システムを使用することができる。換言すると、エネルギ収穫システムは、電源の再充電に加えて、他の機能を実行することができる。
【0047】
この例に示されているとおり、電気推進システム104は、クアッドコプタ102の電源を再充電するためのエネルギ収穫システムとして機能することもできる。クアッドコプタ102のエネルギ収穫システムを、いくつかの異なる方法で作動させることができる。例えば、クアッドコプタ102を、空調ユニット116上に着陸させることができる。
【0048】
図示のように、空調ユニット116から流れる空気でプロペラ118を回転させ、クアッドコプタ102の電源の再充電に使用することができる電気エネルギを生み出すことができる。この方法で、電気推進システム104が、エネルギ収穫システムとしての二重の目的を有することができ、したがってクアッドコプタ102において別途のエネルギ収穫システムを不要にすることができる。結果として、これらの説明用の例におけるクアッドコプタ102について、重量、複雑さ、又は他の因子のうちの少なくとも1つを軽減することができる。
【0049】
本明細書において使用されるとき、「・・・のうちの少なくとも1つ」という表現は、事項の列挙とともに使用されるとき、挙げられた事項のうちの1つ以上からなる種々の組み合わせを使用することができ、列挙の各事項が1つだけしか必要とされなくてもよいことを意味する。例えば、「事項A、事項B、又は事項Cのうちの少なくとも1つ」は、これらに限られるわけではないが、事項A、事項Aと事項B、又は事項Bを含むことができる。さらに、この例は、事項Aと事項Bと事項C、又は事項Bと事項Cを含むことができる。当然ながら、これらの事項の任意の組み合わせも存在できる。他の例では、「・・・のうちの少なくとも1つ」が、例えば、これらに限られるわけではないが、2つの事項Aと1つの事項Bと10個の事項C、4つの事項Bと7つの事項C、及び他の適切な組み合わせであってよい。事項は、特定の物体、事物、又は分類であってよい。換言すると、「・・・のうちの少なくとも1つ」は、列挙のなかから任意の事項の組み合わせ及び事項の数を使用することができ、必ずしも列挙された事項のすべてが必要ではないことを意味する。
【0050】
他の説明用の例では、クアッドコプタ102を、適切な風量が周囲の環境に存在する別の構造物に着陸させることができる。例えば、クアッドコプタ102を、屋根114上に、プロペラが相対の風ベクトルの方向に面するように着陸させることができる。次いで、この風を、クアッドコプタ102の電源の再充電に使用することができる。
【0051】
図1における電動航空機の環境100の図は、例示の実施形態のための実施の例として意図されているにすぎない。他の説明用の例では、クアッドコプタ102に加え、或いはクアッドコプタ102に代えて、1つ以上の電動航空機を使用することができる。
【0052】
他の例では、任務を、建物106の場所以外の他の場所で実行することができる。例えば、任務を、パイプラインの調査、森林火災についての情報の取得、及び他の適切な種類の任務のために、実行することができる。
【0053】
次に、
図2を参照すると、例示の実施形態に従う電動航空機のブロック図が示されている。
図1のクアッドコプタ102が、
図2にブロックの形態で示される電動航空機200の1つの物理的な実現の例である。
【0054】
この説明用の例では、電動航空機200が、いくつかの構成要素を含む。図示のとおり、電動航空機200は、機体202と、電気推進システム204と、エネルギ収穫システム206と、電源208と、コントローラ210とを含む。電動航空機200は、種々の説明用の例において示される構成要素に加え、或いは代えて、他の構成要素を有してもよい。
【0055】
図示のとおり、機体202は、電動航空機200のための機械的な構造体である。機体202を、フレーム、胴体、又は電動航空機200の他の構成要素に関連付けることができる何らかの他の物理的な構造物のうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0056】
或る構成要素が別の構成要素に「関連付けられる」場合、関連付けは、図示の例では物理的な関連付けである。例えば、第1の構成要素は、第2の構成要素への固定、第2の構成要素への接着、第2の構成要素への搭載、第2の構成要素への溶接、第2の構成要素への締め付け、又は何らかの他の適切な方法での第2の構成要素への接続のうちの少なくとも1つによって、第2の構成要素に物理的に関連付けられると考えることができる。また、第1の構成要素を、第3の構成要素を使用して第2の構成要素に接続してもよい。第1の構成要素を、第2の構成要素の一部としての形成、第2の構成要素の延長、などによって第2の構成要素に物理的に組み合わせられると考えることもできる。
【0057】
図示のとおり、電気推進システム204は、プロペラのグループ212及び電気モータのグループ214を備える。ここで使用されるとき、「・・・のグループ」は、事項について使用される場合に、その事項が1つ以上であることを意味する。例えば、プロペラのグループ212は、1つ以上のプロペラである。
【0058】
この説明用の例においては、プロペラのグループ212が、電気モータのグループ214に物理的に関連付けられる。電気モータのグループ214は機体202に物理的に関連付けられる。
【0059】
電気モータのグループ214が、プロペラのグループ212を回転させ、電動航空機200の機体202を移動させるように構成される。電気推進システム204による電動航空機200の移動は、地上、空中、又はこれらの組み合わせであってよい。
【0060】
この説明用の例においては、エネルギ収穫システム206も、プロペラのグループ212及び電気モータのグループ214を備える。換言すると、プロペラのグループ212及び電気モータのグループ214が、この説明用の例においては、電気推進システム204又はエネルギ収穫システム206のいずれかとして機能することができる。
【0061】
図示のとおり、電源208が、電流216が電源208と電気モータのグループ214との間を流れるように、電気モータのグループ214に接続される。この説明用の例においては、電源208がバッテリシステム209である。他の説明用の例では、電源208を、燃料電池及び他の適切な種類の再充電可能な電源のうちの1つから選択することができる。
【0062】
バッテリシステム209は、バッテリのグループ218と、バッテリシステム209を動作させるように構成された他の適切な構成要素とで構成される。例えば、いくつかの説明用の例においては、バッテリシステム209が、バッテリシステム209内の1つ以上のバッテリの充電状態を監視するように構成されたバッテリバランサ回路を備えることができる。他の説明用の例では、このバッテリバランサ回路が、バッテリシステム209に存在しなくてもよい。
【0063】
この図示の例では、プロペラのグループ212及び電気モータのグループ214が電気推進システム204として機能するとき、電流216が電源208から電気モータのグループ214に流れる。プロペラのグループ212及び電気モータのグループ214が電源208を再充電すべくエネルギ収穫システム206として機能するとき、電流216が電気モータのグループ214から電源208に流れる。
【0064】
この説明用の例においては、電源208の再充電が、寄生再充電(parasitic recharging)の形態をとることができる。電流216が電気モータのグループ214から電源208に流れるとき、電流216は回生電流(regenerative current)であってよい。
【0065】
この説明用の例において、寄生再充電は、非伝統的な電源からエネルギを取り出すプロセスを指す。換言すると、寄生再充電は、主たる機能が電力の供給ではない出所からもたらされる。例えば、エネルギ収穫システム206が、電源208を充電するために空調ユニットの排気から生じる風の機械的なエネルギを使用する場合、このプロセスを、寄生再充電と称することができる。
【0066】
この説明用の例においては、コントローラ210が、電動航空機200の動作を制御するように構成される。図示のとおり、コントローラ210を、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせにて実現することができる。ソフトウェアが使用される場合、コントローラ210によって実行される動作を、プロセッサーユニット上で実行されるように構成されたプログラムコードにて実現することができる。ファームウェアが使用される場合、コントローラ210によって実行される動作を、プログラムコード及びデータにて実現することができ、プロセッサーユニット上で実行されるように持続性のメモリに保存することができる。ハードウェアが使用される場合、ハードウェアは、コントローラ210における動作を実行するように動作する回路を含むことができる。
【0067】
この説明用の例において、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又はいくつかの動作を実行するように構成された何らかの他の適切な種類のハードウェアの形態をとることができる。プログラマブル論理デバイスにおいては、デバイスを、いくつかの動作を実行するように設定することができる。デバイスは、後の時点において設定の変更が可能であってよく、或いはいくつかの動作を実行するように恒久的に設定されてもよい。
【0068】
プログラマブル論理デバイスの例として、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイロジック、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスが挙げられる。さらに、プロセスは、無機の構成要素に一体化された有機の構成要素において実現されてよく、完全に人間を除く有機の構成要素で構成されてよい。例えば、プロセスを、有機半導体における回路として実現することができる。
【0069】
説明用の例においては、コントローラ210が、インパルス幅変調コントローラ(IWMC)であってよい。この図示の例では、インパルス幅変調コントローラが、インパルス幅変調(IWM)を使用して直流(DC)モータの巻線の電流を制御する。インパルス幅変調は、「H」ブリッジのスイッチングの構成によってモータの巻線における電流の四象限の制御をもたらすデジタルのアルゴリズム的方法である。この「H」ブリッジを、これらの説明用の例において、パワーインバータと称することもできる。
【0070】
各々のデューティーサイクルにおいて、フィードバックが、1つのスイッチブリッジのスイッチについて、電流の所望の正又は負の変化をもたらすためにオン又はオフとなるべき適切な時間を決定する。デューティーサイクルを変化させることによって、電流216を所望の水準に近付くように駆動すべく、電流216の大きさが操作される。他の説明用の例では、個々の実施例に応じて、コントローラ210に他の種類のコントローラを使用することができる。
【0071】
この図示の実施形態においては、コントローラ210が、電気モータのグループ214の状態220を特定するように構成される。状態220は、これらの説明用の例においては、動作状態であってよい。例えば、状態220を、電気モータのグループ214の動作、電気モータのグループ214の再充電、待機、又は何らかの他の適切な状態のうちの1つから選択することができる。
【0072】
さらに、コントローラ210は、状態220に基づいて電気推進システム204における電気モータのグループ214の再充電パラメータのグループ222を特定するように構成される。図示のとおり、コントローラ210は、電動航空機200について状態220に基づいて電気モータのグループ214による電源208の再充電を制御するために再充電パラメータのグループ222を使用して電源208を再充電するように構成される。
【0073】
この説明用の例においては、再充電パラメータのグループ222が、さまざまな形態をとることができる。例えば、再充電パラメータのグループ222を、電源208への総電流、電気モータのグループ214の電気モータ224からの電流、電気モータ224についての電圧、又は他の適切なパラメータのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0074】
図示のとおり、総電流は、電源208の再充電に使用される電気モータのグループ214からの電流のグループの合計である。換言すると、電気モータのグループ214から生成される総電流が、電流216を形成する。電気モータのグループ214の各々の電気モータが、電流を生成することができる。
【0075】
この説明用の例においては、電気モータのグループ214の各々のモータに対応する電流の水準が、他の電気モータと同じであっても、異なってもよい。例えば、第1の電気モータが第1の電流を生成できる一方で、第2の電気モータが、第1の電流とは異なる第2の電流を生成することができる。
【0076】
他の例では、第1の電流及び第2の電流が、実質的に同じであってよい。いくつかの説明用の例においては、電気モータのグループ214にモータが1つだけ存在してもよい。この場合、総電流、すなわち電流216は、電気モータ224によって生成される電流である。
【0077】
いくつかの場合には、総電流を、電源208の最大電流以下となるように選択することができる。この最大電流は、最大許容電流であってよい。最大の許容される総電流の選択は、電源208の充電状態又は電源208の健康状態に基づいて時間とともに変化してもよい。さらに、最大の許容される総電流の値を、電源208の寿命の延長、電源208の保守の軽減、又はこれらの何らかの組み合わせをもたらすように選択することができる。総電流について、より大きな電流を、電源208をより短い時間で充電するために選択することができるが、電源208の寿命を縮める可能性がある。
【0078】
図示のとおり、再充電パラメータのグループ222が電気モータのグループ214内の電気モータ224からの電流を含む場合、コントローラ210を、デューティーサイクル226を制御するように構成することができる。この説明用の例においては、デューティーサイクル226が、電気モータ224におけるいくつかのスイッチが「オン」又は「閉」状態である時間の割合を表す。換言すると、デューティーサイクル226は、電気モータ224内のいくつかのスイッチが電気モータ224に電流をもたらすべく動作している時間について、考慮中の総時間に対する割合としての量である。
【0079】
この説明用の例においては、コントローラ210が、電動航空機200の状態220に基づき、事象228に応答して、電気モータのグループ214のための再充電パラメータのグループ222内の再充電パラメータを特定するように構成される。説明用の例においては、事象228が、電動航空機200の再充電状態への移行、或る時間期間の満了、電気モータのグループ214の変化、又は何らかの他の適切な事象のうちの少なくとも1つから選択される。
【0080】
このようにして、電動航空機200は、エネルギ収穫システム206を使用して自身を再充電することができる。エネルギ収穫システム206は、電動航空機200の設計に重量又は複雑さを加えることなく機能する。エネルギ収穫システム206を使用して電源208を再充電できる場合、電動航空機200に使用される電源208のサイズ、重量、及びコストを減らすことができる。
【0081】
さらに、エネルギ収穫システム206を使用することで、電動航空機200は、電動航空機のいくつかの構成と比べて、より長い時間期間にわたって動作することができる。さらに、電動航空機200が、指定の再充電場所に戻ることなく、より複雑かつ時間のかかる任務を実行することができる。コントローラ210を、電源208を再充電するために、任務中に現場において電気推進システム204からエネルギ収穫システム206への切り換えを行うように構成することができる。
【0082】
図2における電動航空機200の図は、例示の実施形態を実現できる方法についての物理的又は構造的な限定を示唆することを意図していない。図示の構成要素に加え、或いは代えて、他の構成様子を使用することができる。一部の構成要素は、不要であるかもしれない。また、各ブロックは、いくつかの機能的な構成様子を示すために提示されている。これらのブロックのうちの1つ以上は、例示の実施形態において実現されるとき、種々のブロックへの組み合わせ、分割、或いは組み合わせ及び分割が可能である。
【0083】
例えば、コントローラ210が、機体202に物理的に関連付けられるものとして示されている。いくつかの説明用の例においては、コントローラ210を、2つ以上の位置に分散させることができる。例えば、コントローラ210の一部分を、機体202に物理的に関連付けることができる一方で、コントローラ210の別の一部分が、地上の施設、別の航空機、又は何らかの他の適切な位置など、別の場所に位置できる。この例においては、コントローラ210の種々の部分を、コンピュータシステム211において実現することができる。コンピュータシステム211は、無線通信リンクなどの通信媒体を介して互いに通信する1つ以上のコンピュータを含むことができる。
【0084】
別の例として、電動航空機200は、この図に示した形態とは異なる形態をとることができる。電動航空機200の一例が、
図1のクアッドコプタ102に関して説明されているが、電動航空機200は、別の形態をとることができる。例えば、電動航空機200を、飛行機、ヘリコプタ、回転翼機、及び無人の空中輸送手段(UAV)、並びに他の適切な種類の電動航空機のうちの1つから選択することができる。
【0085】
別の説明用の例においては、コントローラ210を、インパルス幅変調コントローラ以外の他の種類のコントローラを使用して実現することができる。例えば、コントローラ210を、パルス幅変調(PWM)コントローラとして実現することができる。
【0086】
さらに別の説明用の例においては、エネルギ収穫システム206を用いた電源208の再充電を、電源208の回生再充電に加え、或いは代えて実行することができる。電源208の回生再充電は、コントローラ210がプロペラのグループ212の方向を変化させる場合、プロペラのグループ212の回転の速度を下げる場合、又はこれらの何らかの組み合わせにおいて生じることができる。換言すると、電気モータのグループ214の制動を、電源208の回生再充電に使用することができる。
【0087】
次に、
図3を参照すると、例示の実施形態に従う電動航空機の動作のための状態機械のブロック図が示されている。この説明用の例において、状態機械300は、
図2の電動航空機200が任務302の実行に移行することができる状態220を示している。この説明用の例において、電動航空機200の状態220は、動作状態304及び再充電状態306の一方から選択される。
【0088】
電動航空機200は、動作状態304にて出発する。いくつかの説明用の例においては、動作状態304を、「モータ動作(motoring)」状態又は
図2の電気推進システム204が動作中の状態と称することができる。電動航空機200の状態220が動作状態304であるとき、電動航空機200は、任務302のための動作を実行する。これらの動作として、例えば、或る場所への飛行、その場所における対象の画像の生成、その場所における荷物の投下、その場所における標的への武器の発射、基地への帰投、又は他の適切な動作のうち少なくとも1つを挙げることができる。動作状態304において、
図2の電気モータのグループ214が、移動のために使用される。
【0089】
電動航空機200は、状態220を再充電状態306に変化させることによって任務302の継続時間を増やすことができる。この状態において、電動航空機200は、
図2のエネルギ収穫システム206を使用して電源208を再充電することができる。
【0090】
再充電状態306にあるとき、電動航空機200は、任務302のための動作も実行することができる。例えば、地上で電源208を再充電しているときに、電動航空機200は、依然として画像を生成でき、電動航空機200が移動していないときに実行することができる他の動作を実行することができる。
【0091】
電源208の再充電後に、電動航空機200のための状態機械300は、動作状態304に戻ることができる。この方法で、電動航空機200は、任務302のための動作を実行し続けることができる。この説明用の例においては、電動航空機200が、任務302の実行中に任意の回数だけ動作状態304と再充電状態306との間を移動することができる。
【0092】
次に、
図4を参照すると、例示の実施形態に従う電気モータシステムのための情報の流れ図が示されている。この説明用の例では、コントローラ400が、電源402及び電気モータのグループ404に関連付けられている。コントローラ400は、
図2のコントローラ210の一例である。電気モータのグループ404は、
図2における電気モータのグループ214の一例である。コントローラ400、電源402、及び電気モータのグループ404は、この説明用の例においては互いに通信する。
【0093】
図示のとおり、コントローラ400は、航空機のフライトコンピュータである。コントローラ400は、コマンド406及び情報408を受信するように構成される。
【0094】
この説明用の例において、コマンド406は、オートパイロットコマンド、パイロットコマンド、又は何らかの他の適切な種類のコマンドであってよい。コマンド406は、この説明用の例においては、電気モータのグループ404のためのコマンドである。例えば、コマンド406は、電気モータのグループ404の1つ以上の電気モータの動作のための毎分の回転数(RPM)又は推力のコマンドを指定することができる。
【0095】
図示のとおり、情報408は、航空機の種々の監視システムによってもたらされる情報である。情報408は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、情報408は、対気速度、高度、向き、又は航空機についての他の適切な情報の形態をとることができる。情報408を、この説明用の例においてはコントローラ400によって電気モータのグループ404の動作を制御するために使用することができる。
【0096】
電源402が、この図示の例ではコントローラ400と通信する。電源402は、この説明用の例においてはコントローラ400に充電状態410をもたらす。充電状態410は、電源402の残量の水準であってよい。例えば、電源402がバッテリシステムである場合、充電状態410は、バッテリシステムの残りの電荷を表すバッテリ充電状態であってよい。
【0097】
この図示の例では、コントローラ400が、電源402によって送信される充電状態410を使用して、電源402の再充電の必要性を判断する。電源402が再充電を必要とするか否かについての判断は、いくつかの再充電パラメータに基づくことができる。例えば、電源402の残量がしきい値に達し、或いはバッテリの端子をまたぐ電圧が所定の値よりも低くなるとき、コントローラ400は、電気モータのグループ404の状態を、動作状態から再充電状態に切り換えることができる。換言すると、充電状態410が所定の値に達したとき、電気モータのグループ404を、電源402を再充電すべく再充電状態にすることができる。
【0098】
さらに、充電状態410は、電源402のための回生電流の最大量を含むことができる。例えば、充電状態410は、電気モータのグループ404によって電源402に送り返される電流の最大許容値を特定することができる。別の例では、電源402及びコントローラ400が、電源402を任務の完了にとって充分な状態まで再充電するために必要な電流を特定することができる。
【0099】
電気モータのグループ404は、この説明用の例においては4つの電気モータを含む。特に、電気モータのグループ404は、この説明用の例においては、電気モータ412、電気モータ414、電気モータ416、及び電気モータ418を備える。電気モータのグループ404は、動作状態にあるときに電源402から電流を受け取り、再充電状態にあるときに電源402に電流を送る。
【0100】
特に、電気モータ412が電流420を受け取り、電気モータ414が電流422を受け取り、電気モータ416が電流424を受け取り、電気モータ418が電流426を受け取る。電流420、電流422、電流424、及び電流426は、再充電状態においては反対の方向に流れることができる。いくつかの例では、個々の実施例に応じて、一方向に流れる電流が、反対方向に流れる電流と同じでも、違ってもよい。
【0101】
この図示の例では、コントローラ400が、電気モータのグループ404にいくつかのモータコマンドを送信する。例えば、コントローラ400が、電気モータ412にモータコマンド428を送信し、電気モータ414にモータコマンド430を送信し、電気モータ416にモータコマンド432を送信し、電気モータ418にモータコマンド434を送信する。
【0102】
この説明用の例においては、モータコマンド428、モータコマンド430、モータコマンド432、及びモータコマンド434を、毎分の回転数、推力、動作状態、再充電状態、スイッチング周波数、回生電圧、回生電流、又は何らかの他の適切なコマンドのうちの少なくとも1つから選択することができる。次いで、これらのモータコマンドを、電気モータのグループ404によって実施することができる。
【0103】
電気モータのグループ404は、この説明用の例においては、コントローラ400にフィードバックを送信することができる。特に、電気モータ412がフィードバック436を送信し、電気モータ414がフィードバック438を送信し、電気モータ416がフィードバック440を送信し、電気モータ418がフィードバック442を送信する。フィードバック436、フィードバック438、フィードバック440、及びフィードバック442は、毎分の回転数、回生電流、又は何らかの他の適切な種類のフィードバックのうちの少なくとも1つを含むことができる。フィードバック436、フィードバック438、フィードバック440、及びフィードバック442を、この説明用の例においてはそれぞれのモータの各々のいくつかのセンサーによって生成することができる。
【0104】
この図示の例では、フィードバックが、コントローラ400によって処理され、電気モータのグループ404に送信される未来のコマンドを調節するために使用される。いくつかの場合には、フィードバックを、電気モータのグループ404のうちの1つの電気モータにおける問題を特定するための診断ツールとして使用することができる。例えば、フィードバックを、電気モータのグループ404のうちの1つの電気モータが所望のとおりに働いているかどうかを判断するために使用することができる。
【0105】
次に、
図5を参照すると、例示の実施形態に従う電気モータシステムのための情報の流れの別の図が示されている。この図示の例では、
図4からの電気モータ412のさらに詳細な図が示されている。
【0106】
図示のとおり、電気モータ412は、モータコントローラ500と、電圧コントローラ502と、パワーインバータ(すなわち、「H」ブリッジ)504と、モータ506とを備える。この説明用の例においては、モータコントローラ500が、
図4に示したモータコマンド428をコントローラ400から受信するように構成される。モータコントローラ500を、インパルス幅変調コントローラ、パルス幅変調コントローラ、又は何らかの他の適切な種類のコントローラから選択することができる。
【0107】
モータコントローラ500は、電圧コントローラ502へのコマンド510及びパワーインバータ504へのコマンド517を送信する。電圧コントローラ502は、動作状態において電気モータ412に加えられる電圧を調節し、再充電状態において電源に加えられる電圧を調節するように構成された装置であってよい。例えば、電圧コントローラ502は、電気モータ412が所望の様相で電源402を充電できるよう、再充電状態にあるときに電源402を充電するための適切な電圧を選択する。パワーインバータ504が、指令された大きさで電源402に電流を供給するように制御される。換言すると、電圧コントローラ502が充電電圧を制御する一方で、パワーインバータ504が、電源402に供給される電流の大きさを制御する。電圧コントローラ502は、電源402について所望の充電設定をもたらすために、指令された電圧にかかわらずに電源402に加えられる電圧を制御することができる。
【0108】
この説明用の例においては、コマンド510及び/又はコマンド517が、電気モータ412を動作状態から再充電状態に切り換え、或いは再充電状態から動作状態に切り換えるためのコマンドであってよい。コマンド510及びコマンド517を、電圧コントローラ502及びパワーインバータ504のうちの1つ以上における回路が所望の方法での電流の流れを可能にする状態となるように、構成することができる。
【0109】
コマンド517に基づき、パワーインバータ504は、電流512を送り出し、或いは受け取ることができる。特に、電気モータ412が動作状態にあるとき、パワーインバータ504が、電流512をモータ506に送り出す。電気モータ412が再充電状態にあるとき、パワーインバータ504が、モータ506から電流512を受け取る。モータ506は、この説明用の例においては電気モータ412の機械部分である。
【0110】
図示のとおり、電圧コントローラ502及びパワーインバータ504は、モータコントローラ500のためのフィードバック514及びフィードバック516をそれぞれもたらす。例えば、フィードバック514は、電気モータ412から電源402のために回生された電圧を含むことができる。
【0111】
同様の方法で、モータ506は、モータコントローラ500のためのフィードバック518を生成する。フィードバック518は、モータ506に流れる電流及びモータ506から流れる電流の測定値、モータ506の位置情報、又は他の適切な種類のフィードバックを含むことができる。次いで、モータコントローラ500が、このフィードバックを使用し、コントローラ400への
図4に示されるフィードバック436を生成し、コントローラ400からのモータコマンド428に基づいて電気モータ412の動作をさらに制御し、或いは他の適切な種類の動作を実行する。
【0112】
この図示の例では、電気モータの構成要素が電気モータ412に関して説明されているが、電気モータ414、電気モータ416、及び電気モータ418も、本明細書に記載のように、電気モータ412と同様の構成要素を含むことができる。他の説明用の例においては、電気モータのグループ404ののうちの1つ以上の電気モータが、必要とされる機能に応じて、異なる構成要素を含むことができる。
【0113】
次に、
図6を参照すると、例示の実施形態に従う動作状態の電気モータについての情報の流れ図が示されている。この図示の例では、動作状態にある
図4からの電気モータ412が示されている。この図に示されている電流の流れは、
図3の動作状態304における電流の流れの一例であってよい。
【0114】
図示のとおり、電源402が電気モータ412に電流420をもたらす一方で、コントローラ400が電気モータ412にモータコマンド428を送信する。電流420を、これらの説明用の例においては一定の電圧で供給することができる。
【0115】
この説明用の例では、電圧コントローラ502が、電流420を受け取る。モータコントローラ500が、モータコマンド428を受信する。次いで、モータコントローラ500は、電圧制御コマンド600及び電流制御コマンド602を生成する。
【0116】
図示のとおり、電圧制御コマンド600は、電圧コントローラ502を制御するように構成される。電圧コントローラ502は、電圧制御コマンド600によって指令される電圧でパワーインバータ504に加えられる電圧を制御するように構成される。出力電圧604が、パワーインバータ504に加えられる。電圧コントローラ502の出力電圧604及びモータコントローラ500からの電流制御コマンド602に基づいて、出力電圧606がモータ508に加えられる。出力電圧606が、これらの説明用の例においてはモータコントローラ500から指令された電圧及び指令された電流にて加えられる。
【0117】
この図示の例では、モータ506が、この出力電圧606を機械的な出力608に変換する。この機械的な出力は、これらの説明用の例においては出力シャフトの動力である。機械的な出力608が、航空機の移動を生じさせる。例えば、機械的な出力608が、プロペラ610を回転させることができる。この方法で、電気モータ412及び電気モータのグループ404におけるさらなるモータが、動作状態にあるときに航空機の移動をもたらすことができる。
【0118】
次に、
図7を参照すると、例示の実施形態に従う再充電状態の電気モータについての情報の流れ図が示されている。この図示の例では、再充電状態にある
図4からの電気モータ412が示されている。この図に示されている電流の流れは、
図3の再充電状態306における電流の流れの一例であってよい。
【0119】
図示のとおり、コントローラ400が、モータコントローラ500に対して、電気モータ412を動作状態から再充電状態に切り換えるように指令している。この説明用の例においては、機械的な力700を、プロペラ610を回転させる風力エネルギから生成することができる。モータ506が機械的な力700を受け取り、電力に変換する。
【0120】
図示のとおり、出力電圧702がパワーインバータ504に送られる。パワーインバータ504が、電流制御コマンド602を使用し、所望の電流の水準の出力電圧704を生成する。次いで、出力電圧704が、電圧コントローラ502に送られる。電圧制御コマンド600に基づき、電圧コントローラ502は、電源402を再充電するために指令された水準の電圧及び電流にて電源402に電流420を送り返す。
【0121】
この方法で、電気モータ412は、電源402を再充電するために所望の水準の電流をもたらす。同様の方法で、電気モータ414、電気モータ416、及び電気モータ418も、電源402を再充電するための電流をもたらすことができる。
【0122】
次に、
図8を参照すると、例示の実施形態に従う電源及び電流コントローラのブロック図が示されている。電源402は、この説明用の例ではバッテリ800の形態をとる。
【0123】
電源402は、この説明用の例においては、バッテリバランサ回路802及び指令電流計算器804を備える。バッテリバランサ回路802は、バッテリ800の容量を増やすためにバッテリ800内の種々のセルからの電荷をバランスさせるように構成される。さらに、バッテリバランサ回路802は、バッテリ800内のセルを望ましくない過充電から保護するように構成される。
【0124】
この説明用の例においては、
図4の電気モータのグループ404の各々のモータからの電流が、バッテリ800に送られる。例えば、第1の電流801が
図4の電気モータ412から送られ、第2の電流803が電気モータ414から送られ、第3の電流805が電気モータ416から送られ、第4の電流807が電気モータ418から送られる。これらの電流が、これらの説明用の例においてバッテリ800を再充電するために使用される。
【0125】
図示のとおり、第1の電流801、第2の電流803、第3の電流805、及び第4の電流807のうち1つ又は複数の受け取りに応答して、バッテリ充電状態806がバッテリ800からバッテリバランサ回路802に送信される。バッテリ充電状態806は、現在の時点におけるバッテリ800についての充電状態である。
【0126】
この説明用の例においては、バッテリバランサ回路802が、バッテリ充電状態806を使用して、指令電流808及び指令電圧810を決定する。指令電流808は、電気モータのグループ404のうちの1つ以上の電気モータの動作のための電流の水準である。この電流は、バッテリ800の電流のニーズによって決定される。指令電圧810は、電気モータのグループ404のうちの1つ以上の電気モータの動作のための電圧の水準である。この電圧は、バッテリ800の電圧のニーズによって決定される。
【0127】
図示のとおり、バッテリバランサ回路802は、指令電流計算器804に指令電流808及び指令電圧810を送信する。指令電流計算器804は、電気モータのグループ404からのいくつかの入力812、指令電流808、及び指令電圧810を受信し、いくつかの入力812を使用して電気モータのグループ404の各々の電気モータについて所望の指令電流の水準を決定するように構成される。
【0128】
この説明用の例においては、いくつかの入力812が、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、いくつかの入力812は、電圧の測定値、電流の測定値、平均デューティーサイクル、これらの組み合わせ、及び電気モータのグループ404からの他の種類の情報の形態をとることができる。
【0129】
この図示の例では、指令電流計算器804が、電気モータ412、電気モータ414、電気モータ416、及び電気モータ418から、平均デューティーサイクル809、平均デューティーサイクル811、平均デューティーサイクル813、及び平均デューティーサイクル822をそれぞれ受け取る。平均デューティーサイクル809、平均デューティーサイクル811、平均デューティーサイクル813、及び平均デューティーサイクル822は、電気モータ412、電気モータ414、電気モータ416、及び電気モータ418のそれぞれについて所定の時間期間にわたって測定されたデューティーサイクルの平均であってよい。
【0130】
さらに、指令電流計算器804は、電気モータ412、電気モータ414、電気モータ416、及び電気モータ418から電流814、電流815、電流816、及び電流817をそれぞれ受け取る。電流814、電流815、電流816、及び電流817は、この説明用の例では、電気モータ412、電気モータ414、電気モータ416、及び電気モータ418のそれぞれの実際の電流出力であってよい。
【0131】
いくつかの入力812から、指令電流計算器804は、電気モータ412のための指令電流818、電気モータ414のための指令電流819、電気モータ416のための指令電流820、及び電気モータ418のための指令電流821を生成する。この説明用の例においては、指令電流計算器804が、コントローラ400内に位置する。いくつかの説明用の例においては、指令電流計算器804が、電動航空機内、電動航空機に対して遠方、又はこれらの何らかの組み合わせの異なる構成要素に位置することができる。
【0132】
次に、
図9を参照すると、例示の実施形態に従って指令電流を計算するための式が示されている。この図示の例では、式900を、
図8からの指令電流計算器804によって、
図4の電気モータのグループ404のための指令電流を計算するために使用することができる。
【0133】
図示のとおり、式900は、指令電流計算器804によって電気モータのグループ404の各々の電気モータについての実効電流(i
n/100% DC)を決定するために使用され、ここでi
nfbが、モータについて測定された電流である一方で、DC
nfbは、モータの平均デューティーサイクルである。電気モータのグループ404内のすべてのモータについて1つの実効電流が計算され、これらの実行電流を式902への入力とし、総実効電流(i
tot/100% DC)を割り出すことができる。
【0134】
次に、指令電流(i
ncmd)が、式904を使用して決定される。式904において、i
cmd, totは、電気モータのグループ404についての合計の指令電流である。電気モータのグループ404の各々の電気モータについての指令電流は、電気モータのグループ404の各々の電気モータについて測定された電流に比例する。この方法で、動作状態及び再充電状態の両方において所望の方法で電動航空機を動作させるべく、電気モータのグループ404についての指令電流を決定することができる。
【0135】
次に、
図10を参照すると、例示の実施形態に従う電気モータのための電圧コントローラ及びパワーインバータの回路図が示されている。この図示の例では、電圧コントローラ502及びパワーインバータ504の回路図が示されている。
【0136】
パワーインバータ504は、この説明用の例においてはモータ506内のコイル1000に関連付けられている。モータコントローラ500が、所望の方法で電気モータ412を動作させるためにコイル1000への電流を制御するように構成されている。
【0137】
この図示の例では、電圧コントローラ502が、スイッチ1002、インダクター1004、及びダイオード1006を使用してパワーインバータ504に物理的に関連付けられている。スイッチ1002が、電圧コントローラ502とパワーインバータ504との間の電流の流れを導くために開閉するように構成されている。次いで、パワーインバータ504が、この説明用の例においてはコイル1000のうちの1つ以上に電流をもたらす。
【0138】
図示のとおり、インダクター1004及びダイオード1006は、スイッチ1002の位置に応じて両方の方向に電流を流す能力を電圧コントローラ502及びパワーインバータ504に付加するように構成されている。換言すると、電気モータ412の状態が変化するとき、スイッチ1002が開位置から閉位置に移行する。
【0139】
例えば、電気モータ412が動作状態にあるとき、スイッチ1002が閉じられ、電流が電気モータ412に推進をもたらすためにパワーインバータ504及びコイル1000に流れる。電気モータ412が再充電状態にあるとき、スイッチ1002が開かれ、電流がこれらの説明用の例においては電源を再充電するためにインダクター1004及びダイオード1006を通って電圧コントローラ502に流れる。
【0140】
図11から
図15が、例示の実施形態に従う電気モータのための電圧コントローラ及びパワーインバータの回路図を示している。特に、
図11から
図15は、動作の種々の段階における電気モータ412の電圧コントローラ502、パワーインバータ504、及びモータ506を通る電流の流れを示している。
図11から
図13が、動作状態における電流の流れを示している一方で、
図14及び
図15は、再充電状態における電流を示している。
【0141】
図11を参照すると、例示の実施形態に従う電圧コントローラを通る電流の流れ図が示されている。この図示の例では、電圧コントローラ502がスイッチ1100を備える一方で、パワーインバータ504がいくつかのスイッチ1108を備える。スイッチ1100は、スイッチ1101、スイッチ1102、スイッチ1103、及びスイッチ1105を含む。
【0142】
図示のとおり、スイッチ1100のうちのスイッチ1101及びスイッチ1102が、電流1104が電圧コントローラ502を通って流れるように閉じられている。スイッチ1002も、この図示の例では閉じられている。電流1104を、インダクター1106を「充電」するように構成することができる。換言すると、インダクター1106が、エネルギを磁界として一時的に蓄えることができる。コイル1000のためのいくつかのスイッチ1108は、この説明用の例においては開いたままである。
【0143】
図12には、例示の実施形態に従う電圧コントローラを通る電流の流れ図が示されている。この説明用の例では、スイッチ1102が閉じられている。電流1104が、コンデンサー1200に流れる。コンデンサー1200が、エネルギを電界に蓄えるように構成されている。
【0144】
図示のとおり、コンデンサー1200の充電は、いくつかのスイッチ1108が所望の電圧で動作できるよう、いくつかのスイッチ1108をまたぐ電圧を変化させる。電圧コントローラ502のスイッチ1100のデューティーサイクルを制御することによって、パワーインバータ504をまたぐ電圧を迅速かつ自動的に制御することができる。この説明用の例では、スイッチ1100のデューティーサイクルの制御が、パワーインバータ504をまたぐ電圧を電流制御のための所望の動作電圧に駆動する。典型的には、この電圧は、いくつかのスイッチ1108におけるデューティーサイクルが100パーセントに近いデューティーサイクルで動作するような電圧である。デューティーサイクルのパーセンテージが高いほど、システムの動作がより効率的である。したがって、いくつかのスイッチ1108が100パーセントに近いデューティーサイクルで動作する場合、システムは最も効率的な動作の態様で動作している。
【0145】
図13を参照すると、例示の実施形態に従う電圧コントローラ及びパワーインバータの図が示されている。この説明用の例においては、コンデンサー1200からの電荷が、パワーインバータ504を駆動するために使用される。特に、電流1300がコンデンサー1200によって供給される。
【0146】
コンデンサー1200が電流1300を供給しているとき、コンデンサー1200の電圧は低下し始める。応答して、モータコントローラ500が、パワーインバータ504をまたぐ所望の電圧を維持するために、追加の電流1104をコンデンサー1200に供給する。この図示の例では、電流1300が、電気モータ412に推進をもたらすためにいくつかのスイッチ1108及びコイル1000に流れる。
【0147】
図14には、例示の実施形態に従う電圧コントローラ及びパワーインバータを通る逆方向の電流の流れ図が示されている。この図示の例では、電気モータ412が、電源402を再充電すべく再充電状態で動作するように構成されている。したがって、この説明用の例においてはスイッチ1002が開かれ、電流をインダクター1004及びダイオード1006を通って電圧コントローラ502に流している。
【0148】
図示のとおり、コイル1000からの起電力が、いくつかのダイオード1402を通る電流1400を駆動する電圧を生じさせる。電流が、インダクター1004及びダイオード1006を通って流れ、電圧コントローラ502のコンデンサー1200を充電する。コンデンサー1200をまたぐ電圧が、充電電圧に維持される。
【0149】
この段階においては、スイッチ1002が開かれているため、電流が電源402に流れることはない。結果として、コンデンサー1200が、所望の電圧に達するまで充電され続ける。
【0150】
次に
図15を参照すると、例示の実施形態に従う電圧コントローラ及びパワーインバータの図が示されている。この図示の例では、電圧コントローラ502内のスイッチ1103が今や閉じられている。
【0151】
図示のとおり、コンデンサー1200が放電し、電流1500が電圧コントローラ502を通って電源402に流れ戻る。この方法で、電圧コントローラ502が、電流1500がコンデンサー1200によって出力される電圧で電源402に流れ戻ることができるようにスイッチ1100を制御する。結果として、電源402を、電源402を傷める危険を減らしつつ再充電することができる。
【0152】
図4から
図15に示した種々の構成要素は、
図2及び
図3にブロックの形態で示した構成要素をどのように実現できるかについての説明用の例であってよい。さらに、
図4から
図15における構成要素の一部は、
図2及び
図3における構成要素と組み合わせること、
図2及び
図3における構成要素と一緒に使用すること、又は両者の組み合わせが可能である。
【0153】
例えば、電動航空機200をクアッドコプタに関して説明したが、電動航空機200は、ヘリコプタであってもよい。この場合、機械的なモータ構成要素を、
図2から
図15に示したとおりの電気モータ構成要素によって置き換えることができる。例として、固定ピッチの尾部ロータを備えるヘリコプタを、電気モータによって駆動することができる。
【0154】
この説明用の例では、駆動シャフト又はギアボックスなどの機械的な構成要素がなくなることで、ヘリコプタの製造における重量、コスト、及び複雑さを大きく減らすことができる。さらに、機械的な構成要素が電気的な構成要素で置き換えられる場合、機械的な構成要素の故障の箇所を減らし、或いは無くすことができ、モータシステムの信頼性を向上させることができる。
【0155】
この図示の例では、ヘリコプタにおいて、インパルス幅変調コントローラを電気モータを制御するために使用することができ、エネルギ収穫システムを電源を再充電するために使用することができる。インパルス幅変調コントローラを使用することで、ヘリコプタを可変の速度で動作させることができる。
【0156】
さらに他の説明用の例では、
図4に示した電気モータのグループ404に4つ以上のモータが存在してもよい。例えば、5つのモータ、10個のモータ、15個のモータ、又は何らかの他の適切な数のモータを、推進システム及びエネルギ収穫システムに使用することができる。
【0157】
次に、
図16を参照すると、例示の実施形態に従う四象限制御の図が示されている。コントローラ210を、
図2の電動航空機200の電気モータ224を制御して、グラフ1600によって示されるとおりの四象限にて動作させるために使用することができる。コントローラ210が、グラフ1600に示される四象限のうちの1つ以上において電気モータ224の動作を制御するように構成される。
【0158】
図示のとおり、グラフ1600は、速度対トルクを示している。X軸1602が、速度を表している。Y軸1604が、トルクを表している。この説明用の例においては、第一象限1606、第二象限1608、第三象限1610、及び第四象限1612が示されている。第一象限1606は、速度が第1の方向にあり、トルクが第1の方向にあるモータの加速を表している。第二象限1608は、トルクが正方向にある一方で、速度が逆方向にあるモータの制動を表している。第三象限1610は、第2の方向のトルク及び第2の方向の速度によるモータの加速を表している。第四象限1612は、逆回転するモータの減速を表している。この象限においては、速度が正方向である一方で、トルクが逆方向である。
【0159】
説明用の例における種々の電気モータを、
図16において説明される4つの異なる象限のうちの1つ以上において動作するように制御することができる。例えば、
図2のコントローラ210が、第一象限1606、第二象限1608、第三象限1610、及び第四象限1612のうちの1つ以上において動作するように電気モータ224を制御することができる。
【0160】
次に、
図17を参照すると、例示の実施形態に従う電動航空機の制御のためのプロセスのフロー図が示されている。
図17に示されるプロセスを、
図2の電動航空機200において実施することができる。特に、種々の動作のうちの1つ以上を、電動航空機200において
図2のコントローラ210を使用して実施することができる。
【0161】
プロセスは、電動航空機の状態を特定することによって始まる(動作1700)。例えば、
図2の電動航空機200の状態220を、コントローラ210によって特定することができる。状態220は、この説明用の例においては、動作状態304又は再充電状態306であってよい。
【0162】
次に、状態が電動航空機について存在する再充電状態である場合、再充電パラメータのグループが、電気モータのグループについて特定される(動作1702)。例えば、再充電状態306が電気モータのグループ214のグループについて存在するとき、再充電パラメータのグループ222を、電気モータのグループ214について特定することができる。この図示の例では、電気モータのグループ214が、電動航空機200を動かすように構成されている。
【0163】
次いで、再充電状態が電動航空機について存在するとき、電気モータのグループによる電源の再充電を制御するために再充電パラメータのグループを使用して、電動航空機の電源が再充電され(動作1704)、その後にプロセスが終了する。この説明用の例においては、電動航空機200の電源208が、再充電状態306が電動航空機200について存在するときに電気モータのグループ214による電源208の再充電を制御するために再充電パラメータのグループ222を使用して再充電される。例えば、1つの説明用の例においては、再充電パラメータのグループ222を、バッテリシステム209を再充電するために使用することができる。
【0164】
図示の種々の実施形態におけるフロー図及びブロック図は、例示の実施形態における装置及び方法のいくつかの考えられる実施例の構成、機能、及び動作を示している。この点で、フロー図又はブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、並びに/或いは動作又は工程の一部を表すことができる。
【0165】
例示の実施形態のいくつかの代案の実施例においては、ブロックにて示した1つ以上の機能が、図中の順序とは異なる順序で生じてもよい。例えば、いくつかの場合には、関係する機能に応じて、相次いで示されている2つのブロックを実質的に同時に実行してもよく、場合によってはブロックを逆順で実行してもよい。また、フロー図又はブロック図に示したブロックに加えて、他のブロックを追加してもよい。
【0166】
次に、
図18を参照すると、ブロック図の形態のデータ処理システムの図が、例示の実施形態に従って示されている。データ処理システム1800を、
図2のコンピュータシステム211の1つ以上のコンピュータを実現するために使用することができる。図示のとおり、データ処理システム1800は、プロセッサーユニット1804、記憶装置1806、通信ユニット1808、入力/出力ユニット1810及び表示装置1812の間の通信をもたらす通信構造1802を備える。いくつかの場合においては、通信構造1802を、バスシステムとして実現することができる。
【0167】
プロセッサーユニット1804が、いくつかの動作を実行するためのソフトウェアのためのインストラクションを実行するように構成される。プロセッサーユニット1804は、実施例に応じて、いくつかのプロセッサー、マルチプロセッサーコア、及び/又は何らかの他の種類のプロセッサーを備えることができる。いくつかの場合には、プロセッサーユニット1804が、回路システム、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又は何らかの他の適切な種類のハードウェアユニットなど、ハードウェアユニットの形態をとることができる。
【0168】
プロセッサーユニット1804によって実行されるオペレーティングシステム、アプリケーション、及び/又はプログラムのためのインストラクションを、記憶装置1806に位置させることができる。記憶装置1806は、通信構造1802を介してプロセッサーユニット1804と通信することができる。本明細書において使用されるとき、記憶装置は、コンピュータ可読記憶装置とも称されるが、情報を一時的及び/又は恒久的に保存することができる任意のハードウェアである。この情報として、これらに限られるわけではないが、データ、プログラムコード、及び/又は他の情報を挙げることができる。
【0169】
メモリ1814及び恒久的な記憶装置1816が、記憶装置1806の例である。メモリ1814は、例えばランダムアクセスメモリ或いは何らかの種類の揮発又は不揮発記憶装置の形態をとることができる。恒久的な記憶装置1816は、任意の数の構成要素又は装置を含むことができる。例えば、恒久的な記憶装置1816は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書き換え可能な光ディスク、書き換え可能な磁気テープ、又は上記の何らかの組み合わせを備えることができる。恒久的な記憶装置1816によって使用される媒体は、リムーバブルであっても、リムーバブルでなくてもよい。
【0170】
通信ユニット1808により、データ処理システム1800が、他のデータ処理システム及び/又は装置と通信することができる。通信ユニット1808は、物理的及び/又は無線の通信リンクを使用して通信をもたらすことができる。
【0171】
入力/出力ユニット1810が、データ処理システム1800に接続された他の装置からの入力の受信、及びデータ処理システム1800に接続された他の装置への出力の送信を可能にする。例えば、入力/出力ユニット1810は、キーボード、マウス、及び/又は何らかの他の種類の入力装置を介したユーザ入力の受信を可能にできる。別の例として、入力/出力ユニット1810は、データ処理システム1800に接続されたプリンタへの出力の送信を可能にできる。
【0172】
表示装置1812が、ユーザへと情報を表示するように構成される。表示装置1812は、例えば、これらに限られるわけではないが、モニタ、タッチスクリーン、レーザディスプレイ、ホログラフィックディスプレイ、仮想ディスプレイ装置、及び/又は何らかの他の種類の表示装置を備えることができる。
【0173】
この説明用の例においては、種々の例示の実施形態のプロセスを、コンピュータによって実行されるインストラクションを使用してプロセッサーユニット1804によって実行することができる。これらのインストラクションを、プログラムコード、コンピュータ使用可能なプログラムコード、又はコンピュータ可読プログラムコードと称することができ、プロセッサーユニット1804内の1つ以上のプロセッサーによって読み出して実行することができる。
【0174】
これらの例において、プログラムコード1818は、選択的に取り外すことができるコンピュータ可読媒体1820上に関数形式(functional form)で位置し、プロセッサーユニット1804による実行のためにデータ処理システム1800にロード又は転送されてよい。プログラムコード1818及びコンピュータ可読媒体1820が協働して、コンピュータプログラム製品1822を形成する。この説明用の例においては、コンピュータ可読媒体1820は、コンピュータ可読記憶媒体1824又はコンピュータ可読信号媒体1826であってよい。
【0175】
コンピュータ可読記憶媒体1824は、プログラムコード1818を伝播させ、或いは伝送する媒体ではなく、プログラムコード1818の保存に使用される物理的又は実体のある記憶装置である。コンピュータ可読記憶媒体1824は、例えば、これらに限られるわけではないが、データ処理システム1800に接続された光又は磁気ディスク或いは恒久的な記憶装置であってよい。
【0176】
或いは、プログラムコード1818を、コンピュータ可読信号媒体1826を使用してデータ処理システム1800に伝送してもよい。コンピュータ可読信号媒体1826は、例えばプログラムコード1818を含んで伝播するデータ信号であってよい。
【0177】
図18のデータ処理システム1800の図は、例示の実施形態を実現することができる方法について構造的な限定をもたらすことを意図していない。種々の例示の実施形態を、構成要素をデータ処理システム1800について示した構成要素に加え、或いは代えて含むデータ処理システムにて実現することができる。さらに、
図18に示した構成要素を、図示の説明用の例から変更することが可能である。
【0178】
本発明の例示の実施形態を、
図19に示されるとおりの航空機の製造及び保守点検方法1900並びに
図20に示されるとおりの航空機2000の文脈において説明することができる。最初に
図19を参照すると、例示の実施形態に従う航空機の製造及び保守点検方法のブロック図が示されている。製造の前段階において、航空機の製造及び保守点検方法1900は、
図20に航空機2000の仕様及び設計1902並びに材料調達1904を含むことができる。
【0179】
製造において、
図20の航空機2000の構成要素及び部分組立品の製造1906並びにシステム統合1908が行われる。その後に、
図20の航空機2000を、認証及び搬送1910を経て就航1912させることができる。顧客による就航中1912の際に、
図20の航空機2000について、改良、設定変更、改修、並びに他の整備及び保守点検を含むことができる定期的な整備及び保守点検1914が計画される。
【0180】
航空機の製造及び保守点検方法1900の各プロセスを、システムインテグレータ、第三者、及び/又は運用者によって実行又は実施することができる。これらの例において、運用者は顧客であってよい。この説明の目的において、システムインテグレータは、これらに限られるわけではないが、任意の数の航空機メーカー及び主要なシステムの下請け業者を含むことができ、第三者は、これらに限られるわけではないが、任意の数の製造供給元、下請け業者、及びサプライヤを含むことができ、運用者は、航空会社、リース企業、軍、サービス組織(service organization)、などであってよい。
【0181】
次に
図20を参照すると、例示の実施形態を実施することができる航空機のブロック図が示されている。この例では、航空機2000が、
図19の航空機の製造及び保守点検方法1900によって製造され、複数のシステム2004及び内部2006を有する機体2002を備えることができる。航空機2000は、例示の実施形態に従う電動航空機であってよい。
【0182】
システム2004の例として、推進システム2008、電気システム2010、油圧システム2012、及び環境システム2014のうちの1つ以上が挙げられる。任意の数の他のシステムもが含まれてよい。航空宇宙の例が示されているが、別の例示の実施形態は、自動車産業などの他の産業に適用可能である。本明細書において具現化される装置及び方法を、
図19の航空機の製造及び保守点検方法1900の各段階のうちの少なくとも1つにおいて使用することができる。
【0183】
1つの説明用の例では、
図19の構成要素及び部分組立品の製造1906において製造される構成要素又は部分組立品を、航空機2000が
図19の就航中1912であるときに製造される構成要素及び部分組立品と同様の方法で製作又は製造することができる。さらに別の例として、1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせを、
図19における構成要素及び部分組立品の製造1906並びにシステム統合1908などの製造の各段階において利用することができる。1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせを、
図19における航空機2000の就航中1912並びに/或いは整備及び保守点検1914の際に利用することができる。いくつかの種々の例示の実施形態の使用は、航空機2000の組み立てを大いに促進でき、さらに/又は航空機2000のコストを大きく削減することができる。
【0184】
特に、
図2からの電気モータ224及び電気モータ224の構成要素を、航空機の製造及び保守点検方法1900の各段階のうちの任意の1つにおいて組み込むことができる。例えば、これに限られるわけではないが、電気モータ224及び電気モータ224の構成要素を、構成要素及び部分組立品の製造1906、システム統合1908、定期的な整備及び保守点検1914、或いは航空機の製造及び保守点検方法1900の何らかの他の段階のうちの少なくとも1つにおいて組み込むことができる。さらに、電気推進システム204、エネルギ収穫システム206、及びコントローラ210を、所望の方法で航空機2000を制御するために就航中1912に使用することができる。
【0185】
このように、例示の実施形態は、バッテリシステムの再充電のための方法及び装置を提供する。1つの説明用の例では、装置がコントローラを備える。コントローラは、航空機の状態を特定し、いくつかの電気モータの再充電パラメータのグループを特定するように構成される。いくつかの電気モータは、再充電状態が航空機について存在するときに空中で航空機を移動させるように構成される。さらにコントローラは、再充電状態が航空機について存在するときに、パラメータのグループを使用して航空機のバッテリシステムを再充電し、電気モータのグループによるバッテリシステムの再充電を制御するように構成される。
【0186】
例示の実施形態は、電動航空機が現場にあるときに電動航空機を再充電することを可能にできる。基地に戻るよりもむしろ、電動航空機が休止の場所を発見し、自身の推進システムを風力からエネルギを生成するためのエネルギ収穫システムとして使用する。この方法で、電動航空機の電源を再充電でき、任務を現在使用されている電動航空機よりも長く続けることができる。さらに、電圧コントローラ及びパワーインバータの使用により、電力を、バッテリシステムなどの電源へと、再充電の際に電源を傷めてしまう可能性が低くなるように、所望の電圧及び電流の水準で供給することができる。
【0187】
例示の実施形態の回路の形態は、電動航空機の製造において重量、複雑さ、コスト、又はこれらの組み合わせを実質的に増加させることなく、所望の水準の電流が2つの方向に流れることを可能にする。さらに、電源及び電気モータのグループと通信するように構成されたコントローラが、1つ以上の電気モータの継続的な動作のための電流コマンドの決定に役立つようにフィードバックを常に受け取る。結果として、電動航空機の推進及び再充電のために、電気モータの四象限制御を実現することができる。
【0188】
種々の例示の実施形態の説明を、例示及び説明の目的で提示したが、それらはすべてを述べ尽くそうとするものでも、本発明を開示の形態の実施形態に限定しようとするものでもない。多数の改良及び変種が、当業者にとって明らかであろう。さらに、種々の例示の実施形態は、他の例示の実施形態と比べて異なる特徴を提供することができる。選択された1つ以上の実施形態は、実施形態の原理及び実際の応用を最も上手く説明するとともに、当業者が種々の実施形態についての開示を想定される個々の用途に適した種々の変更と併せて理解することができるように、選択されて説明されている。