特許第6395556号(P6395556)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6395556混合装置、現場吹付け型発泡機及び混合方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6395556
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】混合装置、現場吹付け型発泡機及び混合方法
(51)【国際特許分類】
   B29B 7/76 20060101AFI20180913BHJP
   B01F 3/08 20060101ALI20180913BHJP
   B01F 5/00 20060101ALI20180913BHJP
   B01F 15/02 20060101ALI20180913BHJP
   B01F 15/04 20060101ALI20180913BHJP
   B05B 7/24 20060101ALI20180913BHJP
   F04B 53/10 20060101ALI20180913BHJP
   F04B 49/12 20060101ALI20180913BHJP
   B29K 75/00 20060101ALN20180913BHJP
【FI】
   B29B7/76
   B01F3/08 Z
   B01F5/00 D
   B01F15/02 A
   B01F15/04 D
   B05B7/24
   F04B53/10 H
   F04B49/12
   B29K75:00
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-211169(P2014-211169)
(22)【出願日】2014年10月15日
(65)【公開番号】特開2016-78304(P2016-78304A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000117102
【氏名又は名称】旭有機材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(72)【発明者】
【氏名】金井 督
【審査官】 ▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−342944(JP,A)
【文献】 特開2006−328232(JP,A)
【文献】 特開2002−106443(JP,A)
【文献】 実開昭59−172286(JP,U)
【文献】 特開2013−151124(JP,A)
【文献】 特開2007−181827(JP,A)
【文献】 特開2000−084968(JP,A)
【文献】 特開平04−359024(JP,A)
【文献】 特開2014−172984(JP,A)
【文献】 特開平10−110056(JP,A)
【文献】 特開2011−201065(JP,A)
【文献】 特開2006−289276(JP,A)
【文献】 特開昭48−092904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 7/00− 11/16
F04B 53/00− 53/22
B05B 7/00− 9/08
C08G 18/00− 18/87
C08G 71/00− 71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体と、前記液体の圧力に応じて定められる量の発泡剤とを混合させる混合装置であって、
前記液体を流す液体流路と、
前記液体流路内の圧力を測定する液体流路圧力計と、
前記発泡剤を流す発泡剤流路と、
前記発泡剤を前記発泡剤流路内に供給する発泡剤ポンプと、
前記発泡剤流路内の圧力を測定する発泡剤流路圧力計と、
前記発泡剤流路を前記液体流路と接続する開閉弁と、
前記発泡剤ポンプの吐出量を制御する発泡剤ポンプ制御部と、前記開閉弁の動作を制御する開閉弁制御部とを有する制御装置と、
を備え、
前記開閉弁制御部は、前記発泡剤流路圧力計によって計測された圧力が、前記液体流路圧力計によって計測された圧力よりも高いときに、前記開閉弁を開弁し、前記開閉弁を開弁後、予め定められた時間経過後に閉弁して、前記開閉弁の開閉を繰り返すように制御し、
前記発泡剤ポンプ制御部は、前記開閉弁の開弁中、前記発泡剤ポンプの吐出量を所定の値に制御する、
混合装置。
【請求項2】
前記発泡剤ポンプ制御部は、前記発泡剤流路内の圧力を前記液体流路内の圧力よりも高く、かつ前記発泡剤流路内と前記液体流路内の圧力差を所定の値にするように、前記発泡剤ポンプの吐出量を制御する、
請求項に記載の混合装置。
【請求項3】
前記発泡剤ポンプは容積型ポンプである、
請求項1または2に記載の混合装置。
【請求項4】
前記発泡剤ポンプは、モータを含み、前記モータによって駆動されるものであり、
前記発泡剤ポンプ制御部は、前記モータの回転数を制御することによって前記発泡剤ポンプの吐出量を制御する、
請求項に記載の混合装置。
【請求項5】
前記発泡剤ポンプは可変容量形ポンプである、
請求項に記載の混合装置。
【請求項6】
前記発泡剤ポンプは定容量形ポンプである、
請求項に記載の混合装置。
【請求項7】
前記発泡剤ポンプはプランジャポンプである、
請求項のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項8】
前記発泡剤ポンプは回転斜板形アキシャル式プランジャポンプである、
請求項に記載の混合装置。
【請求項9】
前記混合装置はさらに前記液体を前記液体流路内に供給する液体ポンプを含み、
前記液体ポンプはプランジャポンプであり、
前記開閉弁制御部は、前記液体ポンプのプランジャが上死点に達したときに、前記開閉弁を開弁する、
請求項1〜のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか1項に記載の混合装置を備える現場吹付け型発泡機。
【請求項11】
前記液体は、ポリオール又はイソシアネートである、
請求項10に記載の現場吹付け型発泡機。
【請求項12】
液体と、前記液体の圧力に応じて定められる量の発泡剤とを混合させる混合方法であって、
前記液体を液体流路に所定の圧力で供給する工程と、
前記液体流路内の圧力を測定する工程と、
前記発泡剤を発泡剤流路に供給する工程と、
前記発泡剤流路内を前記液体流路内よりも高い圧力に加圧する工程と、
前記発泡剤流路内の圧力が前記液体流路内の圧力よりも高いときに、前記発泡剤流路を前記液体流路と接続すると共に、前記発泡剤の流量を予め定めた値に制御する流路接続工程と、
前記流路接続工程が開始してから予め定められた時間経過後に、前記発泡剤流路の前記液体流路との接続を遮断する流路遮断工程と、
を含
前記流路接続工程と前記流路遮断工程とが繰り返される、混合方法。
【請求項13】
前記流路接続工程は、前記発泡剤流路内を加圧して、前記発泡剤流路内を前記液体流路内よりも高い圧力に維持する工程をさらに含む、
請求項12に記載の混合方法。
【請求項14】
前記液体は、ポリオール又はイソシアネートである、
請求項12または13に記載の混合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体と当該液体の圧力に応じて定められる量の発泡剤とを混合させる混合装置及び混合方法、並びに当該混合装置を備える現場吹付け型発泡機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、液化二酸化炭素を加圧する第1ポンプ装置と、液化二酸化炭素を外部に供給する供給通路と、供給通路を開閉する開閉弁(導入弁)とを備え、プランジャポンプによって送り込まれた液体が流入する混合用通路に開閉弁を介して接続される液化二酸化炭素供給装置において、供給通路内の液圧と混合用通路内の液圧との差圧を検出し、プランジャポンプのプランジャの移動方向の切換タイミングを検出し、そのタイミングの検出時に、そのタイミングとそのタイミングの一回前に検出されたタイミングとの間の差圧を取得し、取得された差圧に基づいて、混合用通路内の液圧が供給通路内の液圧以上であると判定された場合に、差圧取得時に開閉弁を開弁することによって、液化二酸化炭素を好適に混合用通路に供給することが可能となる混合装置(液化二酸化炭素供給装置)、及び当該混合装置を備えるポリウレタンフォーム発泡機(製造装置)が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示の発明では、プランジャポンプのプランジャの移動方向の切換タイミング、つまりプランジャの移動方向が下死点から上死点への方向から、上死点から下死点への方向に切り換わり、ポンプの脈動により混合用通路内の圧力が低下したときに、開閉弁を開弁することによって、発泡剤である液化二酸化炭素を混合用通路に供給できることが開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、二酸化炭素を発泡剤とし、ポリオール(ポリオール化合物)とポリイソシアネートとを混合して作製するウレタンフォームの製造方法及び製造装置であって、供給されるポリオールについて二酸化炭素の超臨界状態を維持する温度および圧力条件に制御するとともに、液化二酸化炭素を前記圧力以上に加圧し液体状態で該ポリオールに混合後、該混合流体をポリイソシアネートと攪拌混合するウレタンフォームの製造方法及び製造装置が開示されている。
【0005】
特許文献2に開示の発明では、流量圧力調節部によってポリオールに混合する、発泡剤である二酸化炭素の流量を調節することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−151124号公報
【特許文献2】特開2006−328232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示の混合装置では、供給する発泡剤よりも混合用通路内の圧力が高いため、混合用通路内の圧力が低下するときのみしか、発泡剤を混合用通路内に供給することができない。この場合、発泡剤を混合流路に供給する時間を十分に取ることができない場合がある。この場合では、所望の量の発泡剤を、混合用通路内を流れる液体に混合させることができない。つまり、混合流路内の液体の圧力が小さくなると、発泡剤の比率が大きくなりすぎてしまい、その反対に、混合流路内の液体の圧力が大きくなると、発泡剤の比率が小さくなりすぎてしまう。
【0008】
また、こうした混合装置では、発泡剤を供給するために用いられるポンプに、ガス圧駆動のプランジャポンプが用いられていた。この種のポンプは、ガス圧によりシリンダ内の発泡剤を高圧で一度に押し出すために、ポンプの吐出量を調節するには、混合装置を停止させた上で、シリンダの容積を変更する必要があった。そのため、混合装置の稼働中に混合流路内の液体の圧力の変動に応じた吐出量の調整はできなかった。
【0009】
さらに、特許文献2に開示のウレタンフォームの製造方法及び製造装置のように、流量圧力調節部により、ポリオール等の液体に混合する発泡剤の流量を設定する場合では、安定した流量に調節することが困難である。そのため、ポンプを継続的に稼働させて供給する液化二酸化炭素の圧力の安定性を確保するために、発泡剤を流す発泡剤流路に循環流路を設ける必要があり、そのため混合装置が複雑になってしまうおそれがある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、液体の圧力に応じて適切な量の発泡剤を液体に混合させる混合装置及び混合方法、並びに当該混合装置を含む現場吹付け型発泡機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明によれば、液体と、前記液体の圧力に応じて定められる量の発泡剤とを混合させる混合装置であって、前記液体を流す液体流路と、前記液体流路内の圧力を測定する液体流路圧力計と、前記発泡剤を流す発泡剤流路と、前記発泡剤を前記発泡剤流路内に供給する発泡剤ポンプと、前記発泡剤流路内の圧力を測定する発泡剤流路圧力計と、前記発泡剤流路を前記発泡剤流路と接続する開閉弁と、前記発泡剤ポンプの吐出量を制御する発泡剤ポンプ制御部と、前記開閉弁の動作を制御する開閉弁制御部とを有する制御装置と、を備え、前記開閉弁制御部は、前記発泡剤流路圧力計によって計測された圧力が、前記液体流路圧力計によって計測された圧力よりも高いときに、前記開閉弁を開弁するように、前記開閉弁を制御し、前記発泡剤ポンプ制御部は、前記開閉弁の開弁中、前記発泡剤ポンプの吐出量を所定の値に制御する、混合装置が提供される。
【0012】
すなわち、請求項1の発明では、発泡剤流路内圧力が液体流路内の圧力よりも高くなるように発泡剤ポンプの吐出量を制御しつつ、発泡剤流路内の圧力が液体流路内の圧力よりも高いときに、開閉弁を開弁することによって、混合装置を稼働させながら液体流路内の圧力によらず、液体流路に液体流路内の圧力に応じた量の発泡剤を安定して供給することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、前記開閉弁制御部は、前記開閉弁を開弁後、予め定められた時間経過後に閉弁する、請求項1に記載の混合装置が提供される。
【0014】
すなわち、請求項2の発明では、発泡剤流路内の圧力が液体流路内の圧力よりも高いときに、開閉弁を開弁することによって、任意の時間長さだけ、例えば特許文献1に開示の発明のように液体を供給するプランジャポンプのプランジャの移動方向の切換タイミングに関わらず、液体流路内に発泡剤を混合させることができる。それにより、所定の量の発泡剤を液体に安定して混合させることができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、前記発泡剤ポンプ制御部は、前記発泡剤流路内の圧力を前記液体流路内の圧力よりも高く、かつ前記発泡剤流路内と前記液体流路内の圧力差を所定の値にするように、前記発泡剤ポンプの吐出量を制御する、請求項1又は2に記載の混合装置。
【0016】
すなわち、請求項3の発明では、発泡剤流路内と液体流路内との圧力差を所定の値に制御することにより、液体流路に液体流路内圧力に応じた量の発泡剤をより安定して供給することができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、前記発泡剤ポンプは容積型ポンプである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の混合装置が提供される。
【0018】
すなわち、請求項4の発明では、混合装置を稼働させながら液体流路内の圧力によらず確実に、液体流路に液体流路内の圧力に応じた量の発泡剤を供給することができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、前記発泡剤ポンプは、モータを含み、前記モータによって駆動されるものであり、前記発泡剤ポンプ制御部は、前記モータの回転数を制御することによって前記発泡剤ポンプの吐出量を制御する、請求項4に記載の混合装置が提供される。
【0020】
すなわち、請求項5の発明では、発泡剤ポンプに含まれるモータの回転数を制御することにより発泡剤ポンプの吐出量を制御することによって、液体流路内の圧力に応じた量の発泡剤を液体に安定して混合させることができると共に、特許文献2に開示の発明のように循環流路を形成する必要がないので、混合装置を簡素化することができる。
【0021】
請求項6の発明によれば、前記発泡剤ポンプは可変容量形ポンプである、請求項4に記載の混合装置が提供される。
【0022】
すなわち、請求項6の発明では、発泡剤ポンプが可変容量形ポンプであるので、発泡剤ポンプの吐出量を制御することができる。その結果、液体流路内の圧力に応じた量の発泡剤を液体に安定して混合させることができる。さらに、特許文献2に開示の発明のように循環流路を形成する必要がないので、混合装置を簡素化することができる。
【0023】
請求項7の発明によれば、前記発泡剤ポンプは定容量形ポンプである、請求項4に記載の混合装置が提供される。
【0024】
すなわち、請求項7の発明では、発泡剤ポンプが定容量形ポンプであるので、ポンプの構造が可変容量形ポンプに比べ単純であり、混合装置をより小型化することができる。
【0025】
請求項8の発明によれば、前記発泡剤ポンプはプランジャポンプである、請求項4〜7のいずれか1項に記載の混合装置が提供される。
【0026】
すなわち、請求項8の発明では、混合装置を稼働させながら液体流路内の圧力によらず確実に、液体流路内の圧力に応じた量の発泡剤を液体に混合させることができる。
【0027】
請求項9の発明によれば、前記発泡剤ポンプは回転斜板形アキシャル式プランジャポンプである、請求項8に記載の混合装置。
【0028】
すなわち、請求項9の発明では、発泡剤ポンプが回転斜板形アキシャル式プランジャポンプであるので、装置の構造を簡易にすることができ、かつ斜板の回転軸とプランジャが平行であるため装置を小型化することができる。
【0029】
請求項10の発明によれば、前記混合装置はさらに前記液体を前記液体流路内に供給する液体ポンプを含み、前記液体ポンプはプランジャポンプであり、前記開閉弁制御部は、前記液体ポンプのプランジャが上死点に達したときに、前記開閉弁を開弁する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の混合装置が提供される。
【0030】
すなわち、請求項10の発明では、液体ポンプのプランジャが上死点に達したとき、すなわち液体ポンプの脈動によって液体流路内の圧力が低下するときに開閉弁を開弁して、発泡剤を液体流路により低圧で供給することができ、ひいては発泡剤ポンプにかかる負荷を減少させることができる。
【0031】
請求項11の発明によれば、請求項1〜10のいずれか1項に記載の混合装置を備える現場吹付け型発泡機が提供される。
【0032】
すなわち、請求項11の発明では、上述の混合装置を備えることにより、発泡材料の原液である液体への発泡剤の混合が均等にされるので、均等に発泡した発泡材料を生成することができる。
【0033】
請求項12の発明によれば、前記液体は、ポリオール又はイソシアネートである、請求項11に記載の現場吹付け型発泡機が提供される。
【0034】
すなわち、請求項12の発明では、上述の混合装置によって、ポリオール又はイソシアネートの一方に発泡剤を混合させたものを、ポリオール又はイソシアネートの他方と混合撹拌させて吹付けることによって、均等に発泡したポリウレタンフォームを生成することができる。
【0035】
請求項13の発明によれば、液体と、前記液体の圧力に応じて定められる量の発泡剤とを混合させる混合方法であって、前記液体を液体流路に所定の圧力で供給する工程と、前記液体流路内の圧力を測定する工程と、前記発泡剤を発泡剤流路に供給する工程と、前記発泡剤流路内を前記液体流路内よりも高い圧力に加圧する工程と、前記発泡剤流路内の圧力が前記液体流路内の圧力よりも高いときに、前記発泡剤流路を前記液体流路と接続すると共に、前記発泡剤の流量を予め定めた値に制御する流路接続工程とを含む混合方法が提供される。
【0036】
すなわち、請求項13の発明では、発泡剤流路内の圧力が液体流路内の圧力よりも高いときに、発泡剤流路を液体流路と接続することにより、混合装置を稼働させながら液体流路内の圧力によらず、液体流路内の圧力に応じた量の発泡剤を液体に安定して混合させることができる。
【0037】
請求項14の発明によれば、さらに、前記流路接続工程が開始してから予め定められた時間経過後に、前記発泡剤流路の前記液体流路との接続を遮断する工程を含む、請求項13に記載の混合方法が提供される。
【0038】
すなわち、請求項14の発明では、発泡剤流路内の圧力が液体流路内の圧力よりも高いときに、発泡剤流路を液体流路と接続することにより、任意の時間長だけ、例えば特許文献1のように液体を供給するプランジャポンプのプランジャの移動方向の切換タイミングに関わらず、液体流路内に発泡剤を混合させることができる。それにより、所定の量の発泡剤を液体に安定して混合させることができる。
【0039】
請求項15の発明によれば、前記流路接続工程は、前記発泡剤流路内を加圧して、前記発泡剤流路内を前記液体流路内よりも高い圧力に維持する工程をさらに含む、請求項13又は14に記載の混合方法が提供される。
【0040】
すなわち、請求項15の発明では、発泡剤流路を液体流路と接続させると、発泡剤流路内の圧力が下がることになるが、発泡剤流路内を加圧して発泡剤流路内を液体流路内よりも高い圧力に維持することによって、発泡剤を液体に安定して混合させることができる。
【0041】
請求項16の発明によれば、前記液体は、ポリオール又はイソシアネートである、請求項13〜15のいずれか1項に記載の混合方法が提供される。
【0042】
すなわち、請求項16の発明では、所定の量の発泡剤をポリオール又はイソシアネートに混合させることができるので、発泡剤が混合されたポリオール又はイソシアネートを利用することによって、均等に発泡したポリウレタンフォームを生成することができる。
【発明の効果】
【0043】
請求項1〜8の発明によれば、混合装置を稼働させながら液体流路内の圧力によらず、液体流路内の圧力に応じた量の発泡剤を液体に安定して混合させることのできる混合装置を提供することができる。
【0044】
請求項9及び10の発明によれば、均等に発泡したポリウレタンフォーム等の発泡材料を生成する現場吹付け型発泡機を提供することができる。
【0045】
請求項11〜14の発明よれば、混合装置を稼働させながら液体流路内の圧力によらず、液体流路内の圧力に応じた量の発泡剤を液体に安定して供給する混合方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の実施形態に係る混合装置及び当該混合装置を含む現場吹付け型発泡機の概略図。
図2】本発明の実施形態に係る混合装置の作用を説明するタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の実施形態について図面に示す実施例を参照して説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0048】
これより、図1を参照しつつ、本発明の実施形態に係る混合装置及び当該混合装置を含む現場吹付け型発泡機について説明する。本実施形態に係る現場吹付け型発泡機1は、混合装置10によって発泡剤が混合されたポリオールと、イソシアネートとを混合撹拌させて、ポリウレタンフォームを生成することのできる移動式の発泡機である。
【0049】
現場吹付け型発泡機1は、イソシアネートを収容するイソシアネートタンク3と、イソシアネートタンク3からイソシアネートをイソシアネート流路5に供給するイソシアネートポンプ7とを備える。現場吹付け型発泡機1はさらに、イソシアネート流路5を流れるイソシアネートと、混合装置10によって発泡剤が混合された、後述するポリオール流路13を流れるポリオールとを混合撹拌させることによって得られたウレタンフォームを所望の箇所に吹付け発泡させることのできるスプレーガン9を備える。
【0050】
混合装置10は、本実施形態では発泡剤をポリオールに混合させるものであって、ポリオールを収容するポリオールタンク11と、ポリオールタンク11からポリオールをポリオール流路13に供給する、本実施形態では複動型のプランジャポンプであるポリオールポンプ15と、ポリオール流路内の圧力を測定するポリオール流路圧力計17とを備える。
【0051】
混合装置10はさらに、本実施形態では二酸化炭素である発泡剤を収容する発泡剤タンク21と、発泡剤タンク21から発泡剤を発泡剤流路23に供給する発泡剤ポンプ25と、発泡剤流路内の圧力を測定する発泡剤流路圧力計27とを備える。
【0052】
二酸化炭素は、液体状(亜臨界状態及び超臨界状態を含む)でポリオールと混合されるものであり、発泡剤タンク21内では液体状でも気体状でもよく、気体状の場合は発泡剤流路23に冷却装置を設けて、液化させてもよい。なお、二酸化炭素を単独、又は混合して使用する場合は、発泡剤タンク21と発泡剤ポンプ25との間の配管も高圧にする必要があり、発泡剤ポンプ25は、吐出側だけでなく、入口側も高圧(3MPa〜7MPa)に耐え得る必要がある。
【0053】
本実施形態では、発泡剤ポンプ25は、それぞれ2つのプランジャ及びシリンダを有する回転斜板形アキシャル式プランジャポンプである。発泡剤ポンプ25が回転斜板形アキシャル式プランジャポンプであるので、当該ポンプのモータに連結されている斜板の回転数を制御することによって、発泡剤の発泡剤流路23からポリオール流路13への吐出量を制御することができる。また、本実施形態では、発泡剤ポンプ25は、2つの、つまり複数のプランジャ及びシリンダを有しており、それによりポンプの脈動を効果的に抑制することができ、その結果、吐出量の精度を高くすることができる。これらの結果、発泡剤ポンプ25によって、発泡剤流路23の内圧を制御することができる。
【0054】
また、本発明では、発泡剤は二酸化炭素に限定されるものではなく、液体状態のCFC系、HCFC系、HFC系、HFO系発泡剤、又はこれらの混合物であってもよい。
【0055】
混合装置10はさらに、弁を開閉させることによって発泡剤流路23をポリオール流路13と接続及び遮断することのできるように発泡剤流路23に取り付けられた、本実施形態では電磁弁である開閉弁29とを備える。また、本実施形態では、発泡剤がポリオール流路13から発泡剤流路23に逆流しないように、発泡剤流路23の開閉弁29よりも下流側に逆止弁31がさらに設けられている。
【0056】
混合装置10はさらに、発泡剤ポンプ25の吐出量を制御する発泡剤ポンプ制御部33pと、開閉弁29の動作を制御する開閉弁制御部33vとを有する制御装置33を備える。制御装置33はさらに、ポリオール流路圧力計17及び発泡剤流路圧力計27の測定値を随時受信できるように、これら圧力計17、27と接続されている。なお、本実施形態では、制御装置33は、CPU(マイクロプロセッサ)、メモリ、入力ポート、出力ポートなどを備えたPLC(プログラマブルロジックコントローラ)であるが、これはアナログ式制御回路又は機械式制御を行うものであってもよい。
【0057】
これより、図2を参照しつつ、混合装置10によって発泡剤のポリオールへの混合を制御する方法の実施形態について説明する。なお、図2のタイムチャートにおける「流路内圧力」の項目では、ポリオール流路13内の圧力Ppを点線で、発泡剤流路23内の圧力Pbを実線で示している。
【0058】
混合装置10を使用するにあたっては予め、ポリオール流路13内の圧力Ppに対応する、ポリオール流路13に供給する発泡剤の適切な量、すなわち発泡剤ポンプ25の適切な吐出量(発泡剤流路23を流れる発泡剤の流量に相当する)の値を予め決定しておき、その情報を制御装置33の発泡剤ポンプ制御部33pに入力しておく。
【0059】
最初に、時点T1において、現場吹付け型発泡機1の運転スイッチをONにし、ポリオールポンプ15によってポリオールをポリオール流路13に所定の圧力Pp’で供給する。同様に、イソシアネートポンプ7によってイソシアネートをイソシアネート流路5に所定の圧力で供給する。上記所定の圧力Pp’は、一般的には、6〜8MPaである。
【0060】
同時に時点T1において、発泡剤ポンプ25を駆動させることで、発泡剤タンク21から発泡剤流路23に発泡剤が供給され、ひいては発泡剤流路23内の圧力Pbが上昇する。
【0061】
次に、時点T2において、発泡剤流路圧力計27によって計測された発泡剤流路23内の圧力Pbが、ポリオール流路圧力計17によって計測されたポリオール流路13内の圧力Ppよりも所定の値だけ大きくなると、制御装置33の発泡剤ポンプ制御部33pによって発泡剤ポンプ25を停止する。なお、発泡剤ポンプ制御部33pは、発泡剤流路23内の圧力Pbを、ポリオール流路13内の圧力Ppよりも常時所定の値だけ、本実施形態では0.2MPaほど高くするように設定されている。当該所定の値は、本実施形態では0.2MPaが選択されているが、本発明ではこの値に限らず、0.05〜5.0MPaであると好ましく、0.1〜3.0MPaであるとより好ましく、0.15〜1.0MPaであるとさらに好ましい。
【0062】
その後、時点T3において、開閉弁29を開弁して、発泡剤流路23をポリオール流路13と接続して、発泡剤を発泡剤流路23からポリオール流路13に供給する。これと並行して、現場吹付け型発泡機1はポリウレタンフォームを生成するために、イソシアネートポンプ7及びポリオールポンプ15を駆動させて、イソシアネート流路5及びポリオール流路13にイソシアネート及びポリオールを連続的にそれぞれ供給する。このとき、ポリオールポンプ15は本実施形態ではプランジャポンプであるので、ポリオール流路13内の圧力Ppは、図2に示すように一定周期で脈動する。これと同様に、時点T3において、発泡剤流路23がこれよりも圧力の低いポリオール流路13と接続するので、発泡剤流路23内の内圧が下がることになる。このとき、制御装置33の発泡剤ポンプ制御部33pによって、発泡剤ポンプ25を駆動させて、発泡剤ポンプ25の回転斜板の回転数を制御することによって発泡剤ポンプ25の吐出量を、時点T3におけるポリオール流路13内の圧力Ppに応じて、制御装置33の発泡剤ポンプ制御部33pに予め入力されている値に制御する。それにより、前記発泡剤流路23内を加圧して、発泡剤流路23内をポリオール流路13内よりも高い圧力に維持する。このように、発泡剤ポンプ制御部33pよって発泡剤流路23内の圧力を制御することができることから、特許文献2に開示の発明のように発泡剤流路23に循環流路を設ける必要がないので、混合装置10を簡素化することができる。
【0063】
また、制御装置33の発泡剤ポンプ制御部33pにより、発泡剤ポンプ25を、発泡剤流路23内の圧力がポリオール流路13内の圧力よりも上記所定の値だけ高くなるように、吐出量を制御しつつ駆動させる。この様にすることで、発泡剤流路23内とポリオール流路13内との圧力差を安定させることができ、その結果、より精度よく、発泡剤をポリオール流路13内に供給することができる。
【0064】
本実施形態では、時点T3は、ポリオールポンプ15のプランジャが上死点に達したときである。このため、本実施形態では、制御装置33はさらに、ポリオールポンプ15のプランジャの位置が検出できるように、ポリオールポンプ15と接続されており、ポリオールポンプ15のプランジャが上死点に達したときに開閉弁29を開弁するように開閉弁29を制御するようにされている。これは、図2に示すようにポリオールポンプ15のプランジャが上死点に達すると、その後ポリオール流路13の内圧がポンプの吸引によって下がることになるので、発泡剤をポリオール流路13により低圧で供給することができ、ひいては発泡剤ポンプ25にかかる負荷を減少させることができる。なお、上述のように、本実施形態では、ポリオールポンプ15は、複動型のプランジャポンプであるので、この場合は、ポリオールポンプ15のプランジャがいずれかの死点に達したときに、開閉弁29を開弁するように開閉弁29を制御するようにされている。
【0065】
その後、ポリオールポンプ15のプランジャが下死点に達して、その後にポリオール流路13の内圧が高くなった後であっても、発泡剤流路23の内圧がポリオール流路13の内圧よりも上記所定の値だけ高くなるように、制御装置33の発泡剤ポンプ制御部33pによって発泡剤ポンプ25の吐出量を制御する。その結果、従来の混合装置よりも長時間にわたって、ポリオールポンプ15のプランジャの位置に関係なく、発泡剤をポリオール流路13に継続して供給することができるので、所望の量の発泡剤をポリオール流路13に安定して供給することができる。また、本実施形態の開閉弁制御部33vは、時点T3において、ポリオール流路13内の圧力Ppが、何らかのトラブル(配管の漏洩やポリオールポンプ15の故障等)によってPp’よりも極端に低くなってしまった場合には、開閉弁29を開弁せずに制御装置33の制御を中断するように設定されている。
【0066】
その後、時点T3から予め定められた時間t経過後である時点T4に、制御装置33の開閉弁制御部33vによって開閉弁29を閉弁する。上述のように、制御装置の発泡剤ポンプ制御部33pにより、発泡剤流路23内の圧力が、ポリオール流路13内の圧力よりも所定の値だけ高くなるように、発泡剤ポンプ25を制御している場合には、開閉弁29を閉弁させた後に、発泡剤流路23内の圧力が、目標となる圧力に到達した時点で、発泡剤ポンプ25を停止させる。
【0067】
その後、時点T5において、再度ポリオールポンプ15のプランジャが上死点に達すると、再び制御装置33の開閉弁制御部33vによって、開閉弁29を開弁する。そして、時点T3のときと同様に、制御装置33の発泡剤ポンプ制御部33pによって、時点T5におけるポリオール流路13内の圧力Ppに応じてあらかじめ定められている発泡剤ポンプ25の吐出量を適切に制御する。
【0068】
さらに、時点T5から予め定められた時間t経過後である時点T6に、制御装置33の開閉弁制御部33vによって開閉弁29を閉弁する。時間tは、発泡剤ポンプ25の容量や、混合する材料の種類等に応じて、所望の発泡剤混合比を得るように任意に決定することができる。
【0069】
この後、現場吹付け型発泡機1の運転スイッチがONにされている間は、上述のように、制御装置33の開閉弁制御部33vによって、開閉弁29の開弁及び閉弁を繰り返す。なお、本実施形態では、開閉弁29の開弁及び閉弁のサイクルタイムはポリオールポンプ15のプランジャの往復の時間によるが、2〜3秒程度であり、開閉弁29を開弁しておく上記予め定められた時間tは、混合させる発泡剤の種類にもよるが、概ね0.1〜1.5秒程度である。
【0070】
その後、時点T7において、現場吹付け型発泡機1の運転スイッチがOFFにされると、イソシアネートポンプ7及びポリオールポンプ15が停止される。そして、時点T7において開閉弁29が開弁されている場合は、その時点で開閉弁29は閉弁され、発泡剤流路23の圧力が、目標となる圧力に到達した時点で、発泡剤ポンプ25を停止させる。
【0071】
現場吹付け型発泡機1では、ポリオール流路13と発泡剤流路23との合流箇所Jにおいて、上述のように発泡剤が混合されたポリオールはさらに下流に流れ、ポリオール流路13に設けられたスタティックミキサー41を通過して、ポリオール及び発泡剤がさらに均等に混合するように撹拌される。
【0072】
そして、イソシアネート流路5を流れるイソシアネートと、上述のように混合装置10で発泡剤が混合された、ポリオール流路13を流れるポリオールとが、イソシアネート流路5及びポリオール流路13にそれぞれ設けられたヒーター43、45によって、反応を促進するために加熱されて、スプレーガン9において混合撹拌されて吹付けられる。それにより、圧力が解放されて、ポリオール及びイソシアネートが反応することによって、ウレタンフォームを生成することができる。なお、本実施形態では、ヒーター43、45は、ポリオール及びイソシアネートを30〜40℃で加熱する。
【0073】
本実施形態では、発泡剤ポンプ25は、回転斜板形アキシャル式プランジャポンプであるが、本発明はこれに限定されない。本発明では、発泡剤ポンプ25は、吐出量を制御できるポンプであればどのようなものであってもよく、例えばプランジャポンプやギヤポンプなどの容積型ポンプであってもよい。ポンプの吐出量を制御するにあたっては、ポンプがモータを含む場合には、モータの回転数を制御することによって吐出量を制御してもよいし、例えば高速液体クロマトグラフィーに用いられる、ポンプ自体が吐出量を任意に調節できる可変容量形ポンプであってもよい。しかしながら、本実施形態のように、定容量形ポンプ、さらには発泡剤ポンプ25が回転斜板形アキシャル式プランジャポンプであると、混合装置の構造を簡易にすることができ、かつ斜板の回転軸とプランジャが平行であるため混合装置を小型化することができる。
【0074】
本実施形態では、ポリオールポンプ15は複動型のプランジャポンプであるが、本発明はこれに限定されず、単動型や他の型のプランジャポンプであってもよい。さらに、ポリオールポンプ15は、一定の吐出量をもってポリオール流路13にポリオールを供給できるものであれば、どのようなものであってもよい。
【0075】
また、本実施形態では、開閉弁29は電磁弁であったが、制御装置33の開閉弁制御部33vで制御できるものであれば、例えばゲート弁、バタフライ弁等の別の種類の弁であってもよい。
【0076】
さらに、本実施形態では、開閉弁29を開弁する時点T3、T5は、ポリオールポンプ15のプランジャが上死点に達したときであるが、本発明はこれに限定されず、任意の時点において、発泡剤をポリオール流路13に供給することができる。例えば、ポリオール流路13内の圧力が安定しているときに、開閉弁29を開弁することによって、安定して発泡剤をポリオール流路13に供給することができる。
【0077】
さらにいえば、本実施形態では、開閉弁29は、一定の周期で開弁及び閉弁を繰り返すように開閉弁制御部33vによって制御されているが、現場吹付け型発泡機1の運転スイッチがONにされ、ポリオールポンプ15が駆動している間中、ずっと開弁するように制御して、発泡剤をポリオール流路13に連続的に供給するようにしてもよい。この場合においても、発泡剤のポリオール流路13への供給量を、発泡剤ポンプ制御部33pにより発泡剤ポンプ25の吐出量を制御することによって制御することができる。
【0078】
本実施形態では、発泡剤流路23をポリオール流路13に接続して、発泡剤をポリオールと混合させたが、本発明はこれに限定されない。別の実施形態では、発泡剤流路23をイソシアネート流路5に接続して、発泡剤をイソシアネートと混合させる。
【0079】
本実施形態では、現場吹付け型発泡機は、ポリオールとイソシアネートを混合撹拌させてポリウレタンフォームを生成するものであるが、本発明では、生成する発泡材料はこれに限定されない。ポリウレタンフォームの他にも、本発明に係る発泡機は、レゾールと、無機酸(硫酸、塩酸、リン酸等)や有機酸(ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸等)とを混合撹拌させてレゾール型フェノール樹脂フォームを生成することができる。また、本発明に係る発泡機は、ユリアフォーム原液(尿素樹脂)と、リン酸、硫酸、有機スルフォン酸、スルファミン酸、しゅう酸、及びこれらの混合物などの酸である硬化液とを混合撹拌させて尿素樹脂フォームを生成することができる。さらには、本発明に係る発泡機は、エポキシオリゴマー(エポキシ樹脂)と、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミンなどのポリアミン類(アミン系)とを混合攪拌させてエポキシ樹脂フォームを生成することができる。
【0080】
本実施形態では、発泡機、建設現場等で使用する現場吹付け型発泡機であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の混合装置を据付型の発泡機に利用してもよい。
【0081】
なお、上記実施形態の構成要素を任意に組み合わせて混合装置及び現場吹付け型発泡機を構成してもよい。すなわち、本発明の特徴および機能を実現できる限り、本発明は実施形態の混合装置及び現場吹付け型発泡機に限定されない。
【符号の説明】
【0082】
1 現場吹付け型発泡機
10 混合装置
13 液体流路(ポリオール流路)
15 液体ポンプ(ポリオールポンプ)
17 液体流路圧力計(ポリオール流路圧力計)
23 発泡剤流路
25 発泡剤ポンプ
27 発泡剤流路圧力計
29 開閉弁
33 制御装置
33p 発泡剤ポンプ制御部
33v 開閉弁制御部
図1
図2