(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動機構は、前記流体の流れから力を受けて回転する回転体を備え、前記回転体の回転運動を前記清掃部材と前記メッシュ部の一方に伝達して該一方を回転させることで、前記清掃部材が前記メッシュ部を擦るように前記清掃部材と前記メッシュ部を相対移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載のムース生成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ムース生成装置200においては、石鹸カス等によってメッシュ207が目詰まりを起こすと、細かい良質なムースを生成できなくなる。本来、メッシュ207の清掃は作業員によって定期的に行われるべきものである。しかし、清掃には、
図17に示すように、吐出口208を取り外して分解し、メッシュ207を抜き出して清掃し、その後、元の状態に組み立てるといった作業を要するため、市場では清掃がきちんと実施されず、その結果、良質なムース状の石鹸が吐出されないという問題があった。なお、液体石鹸以外のものを空気と混合しメッシュを通してムース状にする装置においても同様の問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、自動的にメッシュの清掃が行われるムース生成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0008】
[1]流入口から流入する所定の液体と空気を混合する混合室と、
前記混合室の下流に配置され、前記混合室から出てきた、前記液体と前記空気の混合物が通る際に、該混合物をムース状にする網目状のメッシュ部と、
前記メッシュ部を擦って清掃するための清掃部材と、
前記メッシュ部を通る流体の流れから力を受けて、前記清掃部材が前記メッシュ部を擦るように、前記清掃部材と前記メッシュ部を相対移動させる駆動機構と、
を有する
ことを特徴とするムース生成装置。
【0009】
上記発明では、メッシュ部を通る流体の流れから力を受けて、清掃部材とメッシュ部が相対移動することで、清掃部材がメッシュ部を擦ってメッシュ部が清掃される。
【0010】
[2]前記駆動機構は、前記流体の流れから力を受けて回転する回転体を備え、前記回転体の回転運動を前記清掃部材と前記メッシュ部の一方に伝達して該一方を回転させることで、前記清掃部材が前記メッシュ部を擦るように前記清掃部材と前記メッシュ部を相対移動させる
ことを特徴とする[1]に記載のムース生成装置。
【0011】
上記発明では、流体の流れから力を受けて回転体が回転し、この回転体の回転運動が清掃部材(あるいはメッシュ部)に伝達される。回転運動の伝達は、伝達部材など他の部材を介して伝達されるほか、回転体と清掃部材、あるいは回転体とメッシュ部を一体に構成することで伝達されてもよい。
【0012】
[3]前記清掃部材と前記メッシュ
部の前記一方は前記回転体と一体にされて前記回転体と共に回転する
ことを特徴とする[2]に記載のムース生成装置。
【0013】
[4]前記流体を、前記回転体のうちの該回転体の回転中心から外側へシフトした位置に向けて吐出する吐出口を有する
ことを特徴とする[2]または[3]に記載のムース生成装置。
【0014】
上記発明では、流体が回転体のうちの回転中心から外側へシフトした位置に当たるので、回転体を効率よく回転させることができる。
【0015】
[5]前記回転体は、羽で前記流体の流れから力を受けて回転する
ことを特徴とする[2]乃至[4]のいずれか1つに記載のムース生成装置。
【0016】
[6]前記羽は、前記回転体の径方向に延びる複数枚で構成され、各羽は前記流体から力を受ける面が前記回転体の回転軸と平行にされており、
前記回転体は、回転軸の先端が前記流体の流れの斜め上流側を向くように配置されている
ことを特徴とする[5]に記載のムース生成装置。
【0017】
[7]前記回転軸は、前記メッシュ部に垂直にされており、
前記羽の前記メッシュ部側の端部は前記清掃部材としてのブラシを植毛し得る厚みにされて前記ブラシが植毛されている
ことを特徴とする[6]に記載のムース生成装置。
【0018】
上記発明では、ブラシの根を植えるにはある程度の深さが必要なので、羽の部分にブラシの根を植えることとし、羽をこれに必要な厚みにしている。
【0019】
[8]前記回転体は前記回転軸に垂直であって前記回転軸を中心に回転する円板部を有し、前記羽は該円板部に立設されている
ことを特徴とする[6]または[7]に記載のムース生成装置。
【0020】
上記発明では、流体の流れが弱い場合でも、流体が円板部に当たってから羽に当たるようになるので、回転体を効率よく回転させることができる。
【0021】
[9]前記羽は、前記回転体の反回転方向に凹となるように湾曲した形状を有する
ことを特徴とする[5]乃至[8]のいずれか1つに記載のムース生成装置。
【0022】
上記発明では、羽が湾曲することで、より効率よく流体から流れの力を受けることができる。
【0023】
[10]前記清掃部材は、ブラシである
ことを特徴とする[1]乃至[9]のいずれか1つに記載のムース生成装置。
【0024】
[11]前記ブラシは、1本1本の毛先が前記メッシュ部の網目の中に入るサイズにされている
ことを特徴とする[10]に記載のムース生成装置。
【0025】
上記発明では、網目の中にブラシの毛先が入って異物を押し出すことができる。
【0026】
[12]前記清掃部材は、互いの清掃範囲が異なるように位置をずらして複数個所に設けられている
ことを特徴とする[1]乃至[11]のいずれか1つに記載のムース生成装置。
【0027】
上記発明では、複数の清掃部材のそれぞれが必要な清掃範囲全体をカバーする場合に比べて、メッシュに対する清掃部材全体としての接触抵抗を少なく抑えることができる。
【0028】
[13]前記流体は、前記流入口から流入する前記液体と空気の混合物、あるいは前記流入口から流入する空気である
ことを特徴とする[1]乃至[12]のいずれか1つに記載のムース生成装置。
【0029】
[14]前記液体は、液体石鹸である
ことを特徴とする[1]乃至[13]のいずれか1つに記載のムース生成装置。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係るムース生成装置によれば、自動的にメッシュの清掃が行われるので、良質なムースの生成を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面に基づき本発明の各種の実施の形態を説明する。
【0033】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るムース生成装置5の内部を透視して示した斜視図である。
図2は、ムース生成装置5の分解斜視図である。
【0034】
図2に示すように、ムース生成装置5は、ノズル本体10と、吐出口金具20と、ノズル本体10内に収容されるメッシュユニット30とから構成される。
【0035】
ノズル本体10は、略円筒形状を成しており、一端(入側とする)に液体石鹸の流入口11と空気の流入口12を備えている。これらの流入口11、12はノズル本体10の内部に設けられた混合室13に通じている。混合室13の出口には送出管14が接続されている。
【0036】
ノズル本体10の他端(出側とする)は他の部分より径が大きくされている。この大径の部分は、内部にメッシュユニット30を収容するメッシュユニット収容部15になっている。送出管14はメッシュユニット収容部15にて終端し、その出口(吹出し口14aとする)はメッシュユニット収容部15の中に開口している。
【0037】
図2に示すように、ノズル本体10の大径側の端部の外周面には、雄ネジ16が切ってある。吐出口金具20は、円筒状態を成しており、ノズル本体10の大径側の端部に外嵌される。吐出口金具20のノズル本体10に外嵌される側の端部の内周面には、ノズル本体10側の雄ネジ16に嵌合する雌ネジ21が形成されている。吐出口金具20の他端(先端側)は他の部分より小径にされてムース状石鹸の吐出口22になっている。
【0038】
ムース生成装置5は、ノズル本体10のメッシュユニット収容部15の中にメッシュユニット30を挿入してから、吐出口金具20をノズル本体10の大径側の端部にねじ込み式に取り付けて組み立てられる。
【0039】
図3は、メッシュユニット30を示している。メッシュユニット30は、支持体31と、支持体31に設けられた網目状のメッシュ部36と、支持体31に回転可能に取り付けられた回転体40を備えて構成される。支持体31は、一端が開放された短い円筒の他端側を該円筒の軸方向に対して垂直に少し切断してから残りを他端側に向けて斜めに切断し、この切断面を壁32で塞いだ形状を成している。壁32のうちの斜面32aを成す部分の一部を穿孔し、その部分に、細かい網目を備えたメッシュ部36を取り付けてある。
【0040】
円筒部分の外周面には90度間隔で4つの突起33を設けてある。ノズル本体10側のメッシュユニット収容部15の内周面には、これらの突起33に対応する4か所に溝17(
図8参照)が設けてあり、これらの嵌合により、メッシュユニット収容部15内でのメッシュユニット30の取り付け角度および奥行方向の取り付け位置が規制される。
【0041】
メッシュ部36は、所定幅を有する略半円分の2つの弧を向かい合わせに近接して配置し、全体として略円環状を成している。略円環状のメッシュ部36の中心の位置において、壁32に、回転体40を回転自在に支持するための回転軸34が立設されている。メッシュユニット30がノズル本体10のメッシュユニット収容部15内にセットされたとき、回転軸34の先端が、送出管14の吹出し口14aから出て来る混合物の流れに対して斜め上流側を向くようになっている(
図8参照)。
【0042】
回転体40は、円形板状の円盤部41と、該円盤部41の表面に立設された3個の羽44(44a、44b、44c)と、円盤部41の裏面に植毛されたブラシ50(50a、50b、50c)を備えている。
図4は、回転体40の裏面側を示す。ブラシ50はメッシュ部36を清掃する清掃部材である。ブラシ50は、回転体40と一体にされて回転体40と共に回転する。
【0043】
円盤部41の中心には軸受穴42が設けてある。軸受穴42に支持体31側の回転軸34を挿入することで、回転体40が支持体31に対して回転自在に取り付けられる。回転体40が回転すると、回転体40の裏面に設けられたブラシ50が支持体31側のメッシュ部36を擦ってメッシュ部36を清掃する。ブラシ50は、略円環状のメッシュ部36に沿って円を描くように移動する。
【0044】
回転体40は、羽44で、送出管14の吹出し口14aから出て来る液体石鹸と空気の混合物の流れから力を得て回転する。
図3の矢印Aは回転体40の回転方向を示している。羽44は、回転体40の回転中心から外側(径方向)に延びる複数枚(ここでは3枚)で構成され、各羽44(44a、44b、44c)はそれぞれ、混合物の流れから力を受ける面が回転体40の回転軸と平行に、すなわち、円盤部41に対して垂直になるように立設されている。
【0045】
図8に示すように、回転軸34が混合物の流れに対して斜め上流を向いているので、回転体40全体が混合物の流れに対して斜め上流を向く。その結果、円盤部41に対して垂直に立設された羽44も、混合物の流れに対して斜めの向きになる。
【0046】
また、羽44は、回転体40の反回転方向に凹となるように湾曲した形状を有する。これにより、凹状に湾曲した部分で混合物の流れを受け止め易くなり、混合物の流れから力を効率良く受けて回転体40を回転させることができる。
図1、
図8に示すように、メッシュユニット30をノズル本体10のメッシュユニット収容部15に収納したとき、回転体40とメッシュユニット収容部15の内周壁との間に隙間ができるように設定されている。吹出し口14aから吐出した混合物はこの隙間を通って回転体40の裏面側に移動する。
【0047】
図5は、メッシュ部36の網目を拡大して示している。ブラシ50は、1本1本の毛先がメッシュ部36の網目の中に入るサイズにされている。具体的には、メッシュ部36の網目の開口寸法Dよりブラシの毛の径(少なくとも毛先の径)が小さくされている。毛先が網目の中に入ることで、網目の中に詰まった異物を押し出して取り除くことができる。たとえば、毛の先端近くの太さ(直径)は開口寸法Dの3分の2にされる。
【0048】
図6、
図7は、メッシュ部36とブラシ50と羽44の位置関係を示している。メッシュ部36は回転軸34を中心とした略円環状の部分に設けてある。ブラシ50は、回転体40と共に回転することで、メッシュ部36の存在範囲をカバーするように植毛されている。
【0049】
ブラシ50の毛束をしっかり植えるには所定以上の根の深さを必要とするので、羽44のある部分にブラシ50を設け、ブラシ50の毛束の根の部分を羽44の中に埋め込むようにしている。そのため、羽44の厚みはブラシ50の毛束(50a、50b、50c)の直径より大きくされている。ここではブラシ50を、3つの毛束50a、50b、50cで構成し、これらを3つの羽44(44a、44b、44c)に分けて設けてある。
【0050】
ここでは、
図7に示すように、メッシュ部36は、回転軸34から半径R1〜R2の範囲に存在する。ブラシ50のうち、羽44aに設けた毛束50aはr1〜r4、羽44bに設けた毛束50bはr2〜r5、他の一の羽44cに設けた毛束50cはr3〜r6の範囲にそれぞれ存在する。ここでr6>r5>r4>r3>r2>r1 であり、かつ、r6>R2>r4、r3>R1>r1の関係になっている。
【0051】
1つの毛束の直径はメッシュ部36の円環状の網目の幅(R2−R1)と同程度あるいは小さくされているが、3つの羽44a〜44cに設けた各毛束50a〜50cの位置(回転軸34からの距離)を少しずつ相違させることで、3つの毛束50a〜50c全体としてメッシュ部36の円環状の網目の幅(R2−R1)より広い範囲(r6−r1)をカバーしている。
【0052】
仮に、それぞれの毛束50a〜50cがメッシュ部36の円環状の網目の幅(R2−R1)をカバーする場合には、メッシュ部36へのブラシ50全体としての接触面積が多くなり、回転時の抵抗が大きい。そこで、本実施の形態では、前述したように、それぞれの毛束50a〜50cの接触面積を小さくし、これら複数の毛束50a〜50c全体でメッシュ部36の存在範囲をカバーする。これにより、メッシュ部36全体としてのブラシ50への接触面積を少なくして回転時の抵抗を低減しつつ、メッシュ部36全体を清掃できるようにしている。
【0053】
次に、ムース生成装置5の動作を説明する。
【0054】
人の手が吐出口22の前にあることが検知等されると、石鹸ポンプから送り出された液体石鹸が流入口11から混合室13に流入すると共に、エアポンプから送り出された空気が流入口12から混合室13に流入する。なお、センサ、石鹸ポンプ、エアポンプは、本実施の形態に係るムース生成装置5に含まれずに別途設けられが、ムース生成装置5に含める構成としてもよい。
【0055】
混合室13に流入した液体石鹸と空気は混合室13の中で混合され、その混合物が送出管14を通じて吹出し口14aからメッシュユニット収容部15に吐出される。吹出し口14aは、
図6、
図8に示すように、回転体40のうちの回転軸34(回転中心)から外側へ少しシフトした位置(吐出位置61)に向けて混合物を吐出する。
【0056】
図8に示すように、吹出し口14aから吐出された混合物は、回転体40が斜め上流に向けて配置されているので、羽44に対して斜めに衝突して回転体40を回転させる。回転体40が回転すると、回転体40の裏面に設けられたブラシ50も回転体40と共に回転し、ブラシ50がメッシュ部36の上を円運動して擦り、メッシュ部36を清掃する。
【0057】
羽44に衝突した混合物は、
図8の矢印Bに示すように、回転体40とメッシュユニット収容部15の内周面との隙間から回転体40の裏側へ進み、メッシュ部36を通過して細かいムース状になって吐出口金具20の吐出口22から吐出する。
【0058】
このように、ムース生成装置5では、液体石鹸と空気の混合物の流れから力を受けて回転体40を回転させ、該回転体40と共に円運動するブラシ50でメッシュ部36を擦って清掃するので、ムースを吐出する毎に自動的にメッシュ部36を清掃することができる。
【0059】
ここで、円盤部41の作用について説明する。
【0060】
図9(a)に示すように、回転体40に円盤部41を設けない場合、混合物の流れが弱い場合には、吹出し口14aから出た混合物が羽44に当たらずに、羽44と羽44の間から回転体40を通過してしまう場合がある。これに対して、円盤部41がある場合には
図9(b)に示すように、吹出し口14aから出てきた混合物が円盤部41で受け止められた後、円盤部41に沿って進んで羽44に衝突して回転体40を回転させる。
【0061】
次に、回転体40を混合物の流れに対して斜め上流を向く方向に設置した効果について説明する。羽44の力を受ける面に対して吹出し口14aから吐出された混合物を垂直に当てると、回転体40を最も効率よく回転させることができる。本実施の形態のムース生成装置5における羽44は、力を受ける面が回転体40の回転軸34に対して平行になるように設けてあるので、吹出し口14aから吐出される混合物の流れに対して回転軸34を垂直にすると回転体40が効率良く回転する。
【0062】
しかし、この向きに配置した回転体40の裏面に設けたブラシ50でメッシュ部36を清掃するためには、メッシュ部36を混合物の流れに対して平行に設置することになり、混合物がメッシュ部36を通過して吐出口22へ流出する際の圧力損失が大きくなって、ムースを円滑に吐出できない。
【0063】
一方、回転体40の回転軸を、吹出し口14aから吐出される混合物の流れに対して平行にして真っ直ぐに上流に向けると、混合物の流れの向きと羽44の力を受ける面が平行になるので、混合物の流れから力を受けることが難しく、回転体40がうまく回転しない。そこで、両者の間となるように、回転体40の回転軸34が混合物の流れに対して斜め上流を向くようにしてある。
【0064】
次に、他の実施の形態について説明する。第1の実施の形態との相違はメッシュユニット30の部分であり、その他の部分については説明を省略する。
【0065】
<第2の実施の形態>
図10に示すように、第2の実施の形態では、回転体70と、ブラシ74を別体とし、回転体70の回転を、ブラシ74に伝達してブラシ74を回転させる。たとえば、回転体70から矩形の回転軸をブラシ74側に突出させ、ブラシ74側に矩形の軸受穴を設け、該回転軸を該軸受穴に挿入して回転を伝達する。
【0066】
回転体70とブラシ74を別体にすることで、回転体70の羽71の部分にブラシ74の根を植える必要がなくなるので、羽71を任意の厚み、形状にすることができる。
図10に示す例では、羽71は、混合物の流れを正面から受けて回転するような形状にしてある。これに伴ってメッシュ部76も混合物の流れに対して正面を向くように配置する。
図10に示す構成では、混合物の流れの力を効率よく羽71で受けて回転体70を回転させることができると共に、混合物がメッシュ部76を通過する際の圧力損失も小さくすることができる。
【0067】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、
図11に示すように、ブラシ82を固定し、回転体80の回転によりメッシュ部84を回転させる。同図(a)は、回転体80とメッシュ部84を別体とした場合であり、同図(b)は、回転体80とメッシュ部84を一体に構成した例である。
図11に示す回転体80の羽81の形状の場合、
図8に示す場合と同様に、混合物の流れに対して回転軸が斜め上流を向くように配置することになる。なお、
図10に示す羽71の形状を採用すれば、第2の実施の形態と同様に、混合物の流れに対して回転体80の回転軸およびメッシュ部84が正面を向くように配置することができる。
【0068】
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態は、メッシュを2段にする場合に対応する。メッシュを2段にすることで、より良質なムースを生成することができる。
図12に示す例では、前段のメッシュ部86と後段のメッシュ部87の間に、ベース部88aの前後にブラシ88b、88cを植毛したブラシユニット88を設け、前側のブラシ88bで前段のメッシュ部86を裏側から擦って清掃し、後ろ側のブラシ88cで後段のメッシュ部87を表側から擦って清掃する。
【0069】
この場合、回転体としては、たとえば、
図10に示す回転体70を使用し、該回転体70の回転をブラシユニット88に伝達してブラシユニット88を、固定した前段のメッシュ部86、後段のメッシュ部87に対して回転させる、あるいは、回転体70の回転を前段のメッシュ部86および後段のメッシュ部87に伝達し、これらを、固定したブラシユニット88に対して回転させるようにすればよい。
【0070】
<第5の実施の形態>
第5の実施の形態は、
図13に示すように、メッシュを2段にする場合の他の構成例である。短い円筒状のメッシュユニット90の中で、該円筒と軸方向を同一方向とするブラシユニット94を回転させる。メッシュユニット90は、混合物の流れに対して軸方向を垂直にして配置される。メッシュユニット90はこの流れの上流側の周面と下流側の周面にそれぞれメッシュ91、92を備えている。ブラシユニット94は、上流側のメッシュ91から下流側のメッシュ92へと向かう混合物の流れを受けて回転するように羽が形成された回転体95と各羽の先端に設けられたブラシ96を備えている。なお、メッシュは3段以上に構成されてもよく、それに対応してブラシを設ければよい。
【0071】
<第6の実施の形態>
第6の実施の形態では、
図14に示すように、メッシュ部101を上流側が開口し下流側が封鎖され、周面がメッシュにされた円筒形状とし、その中でブラシ102を回転させる。メッシュ部101はより太い筒状のノズル本体に収容されている(図示省略)。ブラシ102は、回転軸から径方向(ここでは180度ことなる2方向)に延びる毛を回転軸の長手方向に沿って多数配列して構成される。この例では、
図10と同じ回転体70を使用しており、回転体70の回転をブラシ102に伝達してブラシ102をメッシュ部101の中で回転させる。メッシュ部101の中でブラシ102が回転することで、ブラシ102の毛がメッシュ部101の周面のメッシュを擦って清掃する。混合物は、回転体70の正面から到来し、回転体70を回転させながらメッシュ部101の中に入り、その後、メッシュ部101の周面のメッシュから外方へ出て、ノズル本体の内周面との間を通って下流の吐出口へと向かうように流れる。
【0072】
<第7の実施の形態>
第7の実施の形態は、
図15に示すように、第6の実施の形態では円筒形状であったメッシュ部101を円錐形状のメッシュ部111としたものである。ブラシ112は円錐形状のメッシュ部111に対応した形状を成している。
【0073】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0074】
実施の形態では、石鹸ポンプ、エアポンプから液体石鹸、空気を自動的に供給する例を示したが、たとえば、手動式のポンプで供給されてもよい。
【0075】
ムースの液体は、液体石鹸に限定されるものではない。たとえば、整髪料などでもよい。空気と混合してメッシュを通すことでムース状になる液体であれば任意でよい。
【0076】
実施の形態では、液体石鹸と空気の混合物の流れから力を受けて回転体を回転させる構成としたが、たとえば、液体石鹸のみ、あるいは空気のみの流れから力を受けて回転する構成でもよい。たとえば、石鹸ポンプを停止させた状態でエアポンプのみを駆動すれば、空気の流れで回転体を回転させてメッシュを清掃することができる。このようにすれば、ムースを吐出せずにメッシュを清掃できる。たとえば、ムースの吐出が一定の長時間行われない場合に、自動的にエアポンプのみを作動させて、メッシュの清掃を行うといったことが可能になる。
【0077】
さらに、回転体を駆動する流体は、液体石鹸、空気、これらの混合物に限定されず、メッシュ部を通る液体であればよい。たとえば、清掃時やムースの吐出が一定の長時間行われない場合に、ポンプから自動的に水を送り出すように構成し、この水をメッシュユニット収容部15内に吐出させる構成とすれば、該水の流れで回転体を回転させてメッシュを清掃することができる。
【0078】
実施の形態では、混合物の流れを羽で受けて回転する回転体を示したが、羽以外のもので力を受ける構成でもよい。たとえば、回転軸を中心とした螺旋状の流路を備えた回転体とし、流体がこの通路を流れる際に力を受けて回転するような構成でもよい。たとえば、円筒の内径を外径とするウォームギアのような回転体を該円筒の中に回転自在に配置すれば、流体がウォームギアの溝に沿って流れる際に、回転体が回転する。
【0079】
また、実施の形態では、ブラシを回転運動させてメッシュを清掃したが、ブラシとメッシュとの相対運動は回転運動に限定されるものではない。たとえば、混合物が流れる際にその流れから力を受けて上流から下流へ移動し、流れが止まると、弾性力や重力等によって下流から上流へ戻るような往復運動でブラシを移動させてメッシュを清掃する、といったものでも構わない。
【0080】
実施の形態では、清掃部材をブラシとしたが、メッシュの清掃に使用可能な他のもの、たとえば、不織布などでもよい。