(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、シングルキャリア信号における少なくとも1つの狭帯域干渉をキャンセルできるようにする方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明は、
シングルキャリア信号における狭帯域干渉をキャンセルする方法であって、
前記方法は、受信機によって実行されるステップとして、
‐シングルキャリア信号を受信するとともに、前記シングルキャリア信号を受信シンボルに変換するステップと、
‐前記受信シンボルを、時間領域から周波数領域に変換し、周波数領域における受信シンボルにするステップと、
‐前記周波数領域における受信シンボルに基づき、閾値を決定するステップと、
‐決定された前記閾値において前記周波数領域における受信シンボルの振幅を丸めるステップと、
‐丸められた前記周波数領域における受信シンボルに基づき、チャネル推定を実行するステップと
を備えることを特徴とする、方法に関する。
【0009】
また、本発明は、
シングルキャリア信号における狭帯域干渉をキャンセルする装置であって、
前記装置は受信機に含まれ、
前記装置は、
‐シングルキャリア信号を受信するとともに、前記シングルキャリア信号を受信シンボルに変換する手段と、
‐前記受信シンボルを、時間領域から周波数領域に変換し、周波数領域における受信シンボルにする手段と、
‐前記周波数領域における受信シンボルに基づき、閾値を決定する手段と、
‐決定された前記閾値において前記周波数領域における受信シンボルの振幅を丸める手段と、
‐丸められた前記周波数領域における受信シンボルに基づき、チャネル推定を実行する手段と
を備えることを特徴とする、装置にも関する。
【0010】
このように、データおよび/またはパイロットシンボルを表す受信シンボルにおける干渉の量は低減され、チャネル推定は改善され、受信機の全体的な性能が向上する。
【0011】
特定の特徴によれば、受信機は、
‐周波数領域における受信シンボルの周波数依存受信電力を推定し、
‐推定された前記周波数依存受信電力から、適応的信号および熱雑音電力を反復的に決定し、
‐最後の反復において決定された前記適応的信号および熱雑音電力から、前記周波数領域における受信シンボルを丸める閾値を決定する。
【0012】
このように、閾値は、干渉電力を排除した信号および熱雑音電力の推定から決定される。閾値は干渉電力とは独立に決定され、これによって、信号そのものを劣化させることなく、効率的な方法で干渉を丸めることが保証される。
【0013】
特定の特徴によれば、
反復的に決定される前記適応的信号および熱雑音電力は、
‐前記周波数領域における受信シンボルの全受信電力の第1の平均処理を実行することと、
‐第1の反復において、前記平均全受信電力に基づき、閾値を決定することと、
‐前記第1の反復において決定された前記閾値よりも大きい前記周波数領域における受信シンボルの電力をすべて丸めることと、
‐丸められた前記電力の第2の平均処理を実行することと、
‐補正係数によって前記第2の平均を補正することと、
‐後続の反復において、補正された前記平均に基づき、後続の適応的閾値を決定することと、
‐前記後続の適応的閾値よりも大きい電力をすべて丸めることと、
‐丸められた前記電力の第3の平均処理を実行することと、
‐補正係数によって前記第3の平均を補正することと、
前記適応的閾値決定、前記丸め、前記第3の平均処理および前記補正を所定回数実行することと
によって決定される。
【0014】
このように、干渉電力を排除した信号および雑音レベル電力は単純に決定され、補正係数は、雑音が存在しない時でも信号および雑音レベル電力が過小評価されないことを保証し、周波数領域における受信シンボルに適用される閾値の適切な計算を保証する。
【0015】
特定の特徴によれば、各反復において、補正係数は、前記電力が丸められた前記シンボルは複素ガウス法則に従うと想定して計算される。
【0016】
このように、各反復において、丸めに起因する電力損失は、干渉が存在しない場合に補正係数によって補償される。
【0017】
特定の特徴によれば、前記係数はルックアップテーブルを用いて決定される。
【0018】
このように、補正係数は、追加の計算なしで容易に決定される。
【0019】
特定の特徴によれば、前記シングルキャリア信号は、シングルキャリア直交周波数分割多重変調信号である。
【0020】
このように、専用のヘッダまたはプレフィクスにより、周波数領域における復調の実施が容易になる。
【0021】
特定の特徴によれば、受信機は、
時間領域から周波数領域に変換され周波数領域における受信シンボルになった受信シンボルに基づき、または、
丸められた前記周波数領域における受信シンボルに基づき、
周波数依存雑音および干渉電力推定を実行する。
【0022】
このように、等化性能が向上する。
【0023】
特定の特徴によれば、受信機は、前記チャネル推定に基づき、丸められた前記周波数領域における受信シンボルに基づき、かつ、前記周波数依存雑音および干渉電力推定に基づき、最小平均二乗誤差等化を実行する。
【0024】
このように、最小二乗誤差基準に従って等化が最適となり、全体の性能が向上する。
【0025】
さらに別の様態によれば、本発明は、プログラム可能な装置に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムがプログラム可能な装置において実行される時に、本発明に係る方法における各ステップを実施するためのコード部分又は命令を含むコンピュータプログラムに関する。
【0026】
コンピュータプログラムに関連する特徴および利点は、対応する上述の本発明に係る方法および装置に関してすでに説明したものと同一であるので、それらはここでは繰り返さない。
【0027】
本発明の特徴は、添付図面を参照して作成された以下の実施形態例の説明を読むことからより明確に現れるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明が実施される無線リンクを表す。
【0030】
本発明は、発信源Srcによって転送された信号が少なくとも1つの受信機Recに転送される例において開示される。
【0031】
図1には簡明のためただ1つの受信機Recのみが示されているが、より重要な数の受信機Recによって信号を受信することも可能である。
【0032】
受信機Recは、ビデオ信号のようなデータが転送される宛先となる固定端末または移動端末に含まれてもよい。
【0033】
データ(および、場合によっては、発信源と1つの受信機との間の無線リンクの推定を可能にする情報)は、シングルキャリア変調を用いて転送される。
【0034】
本発明によれば、受信機Recは、
‐受信シンボルを、時間領域から周波数領域に変換し、周波数領域における受信シンボルにし、
‐周波数領域における受信シンボルに基づき、閾値を決定し、
‐決定された閾値において、周波数領域における受信シンボルの振幅を丸め、
‐丸められた周波数領域における受信シンボルに基づき、チャネル推定を実行する。
【0035】
図2は、本発明が実施される受信機のアーキテクチャを表す図である。
【0036】
受信機Recは、たとえば、バス201によって互いに接続される構成要素と、
図6に開示されるプログラムによって制御されるプロセッサ200とに基づくアーキテクチャを有する。
【0037】
受信機Recは、専用の集積回路に基づくアーキテクチャを有してもよいということに留意すべきである。
【0038】
バス201は、プロセッサ200を、読み出し専用メモリROM202に、ランダムアクセスメモリ203に、および無線インタフェース205にリンクする。
【0039】
メモリ203は、変数を収容することを意図するレジスタと、
図6に開示されるアルゴリズムに関するプログラムの命令とを含む。
【0040】
プロセッサ200は、無線インタフェース205の動作を制御する。
【0041】
読み出し専用メモリ202は、
図6に開示されるアルゴリズムに関するプログラムの命令を含み、これらは、受信機Recの電源が投入された時に、ランダムアクセスメモリ203へと転送される。
【0042】
図6に関連して以下に記載されるアルゴリズムの、任意のステップおよびすべてのステップは、プログラム可能な計算機(PC(パーソナルコンピュータ)、DSP(デジタル信号プロセッサ)またはマイクロコントローラ等)による命令の組またはプログラムの実行によるソフトウェアにおいて実装されてもよい。または、そうでなければ、機械または専用の構成要素(FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定アプリケーション向け集積回路)等)によるハードウェアにおいて実装されてもよい。
【0043】
言い換えると、受信機Recは回路(または回路を含む装置)を含み、この回路が、
図6に関連して以下に記載されるアルゴリズムの各ステップを受信機Recに実行させる。
【0044】
図6に関連して以下に記載されるアルゴリズムの各ステップを受信機Recに実行させる回路を含むそのような装置は、受信機Recに接続可能な外部の装置であってもよい。
【0045】
無線インタフェース205は、
図3に開示される構成要素を備える。
【0046】
図3は、受信機の無線インタフェースの構成要素のブロック図を開示する。
【0047】
無線インタフェース205は、同期モジュール301を備える。同期モジュール301は、受信シンボルに対して無線インタフェース205のDFTモジュール300を同期させる役割を担う。
【0048】
DFTモジュール300は、受信シンボルを、時間領域から周波数領域に変換し、周波数領域における受信シンボルy
kにする。ただしkはサブキャリアのインデックスを表す。受信シンボルは、受信されたシングルキャリア信号を受信シンボルに変換することにより取得される。
【0049】
周波数領域における受信シンボルは、
y
k=h
kx
k+ν
k
によって表されてもよい。ただし、h
kはインデックスkのキャリアに対するチャネル応答であり、ν
kは同じ周波数における加法的雑音である。項ν
kは加法的白色ガウス雑音(AWGN)雑音の加算であり、たとえば熱雑音および狭帯域干渉源である。狭帯域干渉源のために、ν
kの分散は周波数に依存し、σ
k2によって表される。
【0050】
周波数領域における受信シンボルは、周波数依存雑音および干渉電力推定モジュール303に提供されてもよく、また、本発明によって、適応的閾値決定および丸め(truncation)モジュール305に提供されてもよい。
【0051】
適応的閾値は、受信シンボル(データまたはパイロットシンボル)における狭帯域干渉の量を低減し、チャネル推定と等化後の推定データの正確さとを改善する。このように、それは受信の全体的な性能を改善する。
【0052】
適応的閾値決定および丸めモジュール305の出力は、等化モジュールに提供される。たとえば、等化モジュールは最小平均二乗誤差(Minimum Mean Square Error)等化モジュール306である。最小平均二乗誤差等化モジュール306は周波数領域において等化し、次式によって表されるサンプルを提供する。
【0054】
h
k*はキャリアkに対する推定チャネルの共役を表す。
【0055】
σ
k2は、加法的雑音分散の推定値の平均値によって、または所定値によって置き換えられてもよいということに留意すべきである。
【0056】
適応的閾値決定および丸めモジュール305の出力は、雑音および干渉電力推定モジュール303に提供されてもよい。適応的閾値決定および丸めモジュール305は、本発明によって適応的閾値を決定し、この適応的閾値よりも大きい信号を本発明によって丸める(truncate)。
【0057】
本発明によれば、周波数領域における受信シンボルは、次式に従って丸められる。
【0059】
ただしiは、上述の両式において「−1」の平方根であり、T
dは本発明によってデータを丸めるために決定された閾値であり、ρ
kはキャリアkにおける受信シンボルの周波数依存受信振幅であり、φ
kはキャリアkにおける受信シンボルの位相である。
【0060】
周波数依存雑音および干渉電力推定モジュール303の出力σ
k2は、等化モジュール306に提供される。
【0061】
雑音および干渉電力推定モジュール303は、たとえば欧州特許出願第EP07005381号明細書に開示されるものである。
【0062】
適応的閾値決定および丸めモジュール305の出力は、チャネル推定モジュール302に提供される。チャネル推定モジュール302は、適応的閾値決定および丸めモジュール305によって処理されるキャリアに対するチャネル応答を推定する。チャネル推定モジュール302の出力は、等化モジュール306に提供される。
【0063】
チャネル推定は、例示的かつ非限定的に、パイロットシンボルに対するものである。
【0064】
適応的閾値決定および丸めモジュール305の出力は、等化モジュール306に提供される。
【0065】
等化モジュール306の出力は、IDFTモジュール307に提供される。IDFTモジュール307は、DFTモジュール300とは異なるサイズを有してもよい。
【0066】
古典的な最小平均二乗誤差等化処理は、チャネルの完全な知識を想定する。しかしながら、チャネル推定処理は干渉源に敏感である。干渉源電力は信号電力よりはるかに大きくなり得るということに留意しなければならない。
【0067】
干渉源の例は、
図4を参照して与えられる。
【0068】
図4は、狭帯域干渉を伴う受信信号の例を表す。
【0069】
狭帯域干渉を伴う受信信号は周波数領域において表される。すなわち、一度、DFTモジュール300が受信シンボルを時間領域から周波数領域に変換する。
【0070】
水平軸は周波数を表し、垂直軸は各周波数帯において受信された信号の電力を表す。
【0071】
干渉電力43は、信号および熱雑音電力45よりもはるかに大きい場合がある。干渉源41が純粋な正弦波であれば、−10dBの信号対干渉電力比C/I(すなわち、信号の10倍強力である干渉源)をもって良好な受信が得られる。
【0072】
本発明は、信号および熱雑音40を可能な限り変更せずに、干渉源41を可能な限り丸めることを目的とするので、干渉源が存在しない場合には、劣化が観測されるべきではない。
【0073】
受信機が受信電力Pt(43と表す)に従って閾値をセットアップする場合には、閾値42は信号および雑音電力45よりはるかに高くなるであろうから、干渉電力が大きければ閾値42はかなり非効率的である。
【0074】
信号および熱雑音電力45(Psと呼ばれる)が既知であれば、約Ps+4dBの閾値T
d(44と表される)が良好な性能を与える。受信機Recが全電力Ptのみを知っている場合には、干渉源が存在しない場合に信号を劣化させることを確実に回避するために、受信機Recは約T’=Pt+4dBの閾値(42と表す)を用いなければならない。干渉源が高い場合には、PtはPsよりはるかに大きく、閾値T’42は最適な閾値T44よりもはるかに大きい。
【0075】
したがって、本発明は、閾値を定義する前にPsを推定する。
【0076】
この推定は、周波数依存受信電力p
kに基づく。
【0077】
周波数依存受信電力p
kを推定するために、本発明はブロックベースで(すなわち、
p
k=|y
k|
2
を用いて)実施されてもよい。
【0078】
本発明は、平均ベースで(たとえば、|y
k|
2の(時間的に)連続する値の間にフィルタを適用することによって)実施されてもよい:
【0080】
ただしjは時間ブロックインデックスである。ブロックは、ブロック復調(DFT、周波数領域における処理、IDFTのようなもの)が適用されるサンプルの集合である。
【0081】
a
j値は、平滑化時間フィルタの係数である。
【0082】
p
k値を知っているので、P
sの推定は、以下の原理に基づく:「信号および熱雑音は、周波数領域においてガウス状の統計を有し、一方で、干渉源は『ピーク』であり、したがって閾値に対してはるかに敏感である」。
【0083】
推定は、以下のように反復的に実行されてもよい。
【0084】
信号および熱雑音電力P
sの第1の推定は、全受信電力P
t:
【0087】
ただし、MはIDFT307によって実行されるIDFTのサイズである。
【0088】
その後、電力p
kは、現在の電力推定に関してセットアップされた閾値Tに従って丸められる。たとえば最初の反復についてT=P
0+3dB=2P
0であり、その後にはT=P
i+3dB=2P
iである。
【0089】
p
k≧Tである場合にはp
k=Tであり、p
k<Tである場合にはp
k=p
kである。
【0090】
丸めと、丸められた電力の平均との後、平均に補正係数が適用される。この補正は、電力が丸められたシンボルは複素ガウス法則(complex Gaussian law)に従うと想定している。
【0091】
補正後の値は、新たな電力推定(i番目の反復についてP
i)に対応する。
【0092】
上述の推定の例は、
図5を参照して与えられる。
【0093】
図5は、本発明による適応的閾値決定および丸めモジュールの構成要素のブロック図を開示する。
【0094】
適応的閾値決定および丸めモジュール305は、周波数依存受信電力p
kを決定する周波数依存受信電力モジュール508を備える。
【0095】
本発明はブロックベースで、すなわち
p
k=|y
k|
2
を用いることによって実施されてもよい。
【0096】
適応的閾値決定および丸めモジュール305は、適応的信号および熱雑音電力決定モジュール510を備える。
【0097】
適応的信号および熱雑音電力モジュール510は、平均処理モジュール503を備える。平均処理モジュール503は、P
0を計算するために全受信電力P
tを平均する。ただし
【0100】
電力P
0はスイッチ504に提供される。スイッチ504は、最初の反復では電力P
0を提供し、最初の反復が実行されると、電力P
iを提供する。ただしiは1からI−1までであり、Iは適応的信号および熱雑音電力決定モジュール510が実行する反復の総数である。閾値計算モジュール505は、第1の閾値(たとえばT
0=2P
0に等しい)を決定し、後続の反復において、閾値T
i=2P
iを決定する。
【0101】
閾値T
0(および後続の反復ではT
i)は、閾値適用モジュール500に提供される。閾値適用モジュール500は、閾値T
0(および後続の反復ではT
i)よりも大きい信号電力を、すべて次のように丸める。
p
k>T
iならばp
k=T
iである。
そうでなければp
kの値は変更されない。
【0102】
電力値は、平均処理モジュール501に提供される。平均処理モジュール501は、閾値適用モジュール500によって提供された電力値を平均する。
【0103】
平均処理モジュール501によって提供される平均値は、その後、補正モジュール502に提供される。補正モジュール502は、補正係数δ
iを決定し適用する。
【0104】
補正係数δ
0(および後続の反復ではδ
i)は、閾値T
0およびT
iに対する少なくとも1つの電力の丸めによって発生した電力損失を補償するために適用される。
【0105】
補正係数の計算は、電力が丸められた信号は複素ガウシアンであると想定する。
【0106】
iが0からI−1までのi番目の反復について、補正係数δ
iは次のように決定される。
【0107】
信号が電力P
iの複素ガウシアンである場合には、その電力は指数関数の確率法則に従い、
【0109】
である。ただし、パラメータ
【数7】
【0111】
このような信号の電力に閾値T
iが適用される場合には、平均電力は減少し、平均出力電力P
AViは、
【0122】
P
AViおよびT
iが既知であるので、P
iは、方程式
【0124】
を(たとえば不動点定理を適用することにより)解くことによって導出される。
【0125】
本発明の好適な実現モードによれば、P
AViおよびT
iからδ
iを、または直接的にP
iを計算するためにルックアップテーブルが用いられる。この実現モードでは、上述の各式はルックアップテーブルに代入するために用いられる。
【0126】
補正された信号電力は、スイッチングモジュール504に提供される。スイッチングモジュール504は、これを、P
0の代わりに閾値計算モジュール505に提供する。
【0127】
たとえば、反復の回数は3〜5に等しくしてもよい。
【0128】
最後の反復において、電力P
sは、最後の反復において決定された電力P
iに等しく、閾値T
dは、たとえば、閾値計算モジュール506によって最後の反復において決定された電力P
sに4dBを加えたものに等しく決定される。
【0129】
閾値T
dは、データ丸めモジュール507に提供される。データ丸めモジュール507は、以下の規則に従い、周波数領域における受信シンボルの振幅を丸める。
【0131】
ただしiは、上述の両式において「−1」の平方根である。
【0132】
データ丸めモジュール507によって処理された受信シンボルは、その後チャネル推定モジュール302および等化モジュール306に提供される。
【0133】
図6は、本発明により、宛先によって実行されるアルゴリズムの例である。
【0134】
本アルゴリズムは、より正確には、受信機Recのプロセッサ200によって実行される。
【0135】
ステップS600において、プロセッサ200は、DFTモジュール300を受信シンボルに対して同期させるよう、同期モジュール301に命令する。受信シンボルは、受信したシングルキャリア信号を受信シンボルに変換することによって取得される。
【0136】
次のステップS601において、プロセッサ200は、受信シンボルを時間領域から周波数領域に変換し、周波数領域における受信シンボルy
kにするよう、DFTモジュール300に命令する。ただしkはサブキャリアのインデックスを表す。
【0137】
周波数領域における受信シンボルは、
y
k=h
kx
k+ν
k
によって表されてもよい。
【0138】
次のステップS602において、周波数領域における受信シンボルは適応的閾値決定および丸めモジュール305に(より正確には周波数依存受信電力モジュール508に)提供される。周波数依存受信電力モジュール508は、周波数依存受信電力p
kを決定する。本発明はブロックベースで(すなわち、
p
k=|y
k|
2
を用いて)実施されてもよい。
【0139】
次のステップS603において、決定された電力は、適応的信号および熱雑音電力決定モジュール510に提供される。適応的信号および熱雑音電力決定モジュール510は、信号および熱雑音電力P
sの推定値を提供するために、
図5を参照して開示されるように適応的信号および熱雑音電力決定を実行する。
【0140】
次のステップS604において、閾値T
dは、たとえば信号および熱雑音電力P
sに4dBを加えたものに等しく決定される。その後、閾値T
dは、以下の式に従い、周波数領域における受信シンボルの振幅を丸めるために用いられる。
【0142】
ただしiは、上述の両式において「−1」の平方根である。
【0143】
次のステップS606において、丸められた受信シンボルは、チャネル推定モジュール302に提供される。チャネル推定モジュール302はチャネル推定を実行する。
【0144】
ステップS605において、プロセッサ200は、周波数依存雑音および干渉電力σ
k2を推定するよう、雑音および干渉電力推定モジュール303に命令する。
【0145】
雑音および干渉電力推定モジュール303は、周波数依存雑音および干渉電力推定を実行するために、周波数領域における受信シンボルを(または、一変形例では、丸められた受信シンボルを)用いる。
【0146】
次のステップS607において、プロセッサ200は、等化を命令する。等化は、ステップS606において提供されたチャネル推定(場合によっては、ステップS605において提供された周波数依存雑音および干渉電力推定値、ならびに、ステップS604において出力されたシンボル)を用いて実行される。
【0147】
等化は、周波数領域において等化する。たとえば等化はMMSE等化であり、次式で表されるサンプルを提供する。
【0149】
次のステップS608において、等化ステップS607において提供されたサンプルに対してIDFT変換が実行される。
【0150】
当然ながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述の本発明の各実施形態に多数の変更を加えることができる。