【実施例】
【0057】
以下、実施例、比較例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
先ず、実施例、比較例における平均粒子径、粒度分布、グリセリン吸収量、残存する(メタ)アクリル酸エステル系単量体の量の測定法、保湿性、べたつき、皮膚刺激性、使用感(触感、伸び)、再分散性の評価方法を記載する。
【0058】
〔樹脂粒子の体積平均粒子径、粒度分布(CV値)〕
樹脂粒子の体積平均粒子径、粒度分布(CV値)は、コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター(株)製測定装置)により測定する。測定は、ベックマンコールター(株)発行のMultisizer
TM 3ユーザーズマニュアルに規定されたサイズ(径)を有するアパチャーを用いて実施する。
【0059】
なお、測定に用いるアパチャーの選択は、測定する樹脂粒子の想定の体積平均粒子径が1μm以上10μm以下の場合は50μm、10μmより大きく30μm以下の場合は100μm、30μmより大きく90μm以下の場合は280μm、90μmより大きく150μm以下の場合は400μm、のサイズを有するアパチャーを選択するなど、適宜行う。
【0060】
また、アパチャーのサイズに適したCurrent(アパチャー電流)、Gain(ゲイン)をベックマンコールター(株)発行のMultisizer
TM 3ユーザーズマニュアルに従って設定する。
【0061】
測定用試料としては、樹脂粒子0.1gを0.1重量%ノニオン性界面活性剤10mL中にタッチミキサー(ヤマト科学(株)製、「TOUCHMIXER MT−31」)および超音波洗浄器((株)ヴェルヴォクリーア製、「ULTRASONIC CLEANER VS−150」)を用いて分散させ、分散液としたものを使用する。コールターマルチサイザーIIIの測定部に、ISOTON II(ベックマンコールター(株)製:測定用電解液)を満たしたビーカーをセットし、ビーカー内を緩く攪拌しながら、前記分散液を滴下して、コールターマルチサイザーIII本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせた後に、測定を開始する。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、粒子を10万個測定した時点で測定を終了する。
【0062】
体積平均粒子径は、10万個の粒子の体積基準の粒度分布における算術平均である。
【0063】
樹脂粒子の粒度分布(粒子径の変動係数(CV値))は、以下の数式で算出する。
樹脂粒子の粒度分布(CV値)
=(樹脂粒子の体積基準の粒度分布の標準偏差/樹脂粒子の体積平均粒子径)×100
【0064】
〔樹脂粒子のグリセリン吸収量〕
樹脂粒子のグリセリン吸収量は、JIS K 5101−13−2の測定方法をベースとして、煮アマニ油に代えてグリセリンを使用し、終点の判断基準を変更した(「測定板をたてても、試料が流動しない」時点に変更した)方法によって、測定した。グリセリン吸収量の測定の詳細は、以下の通りである。
(A)装置及び器具
測定板:300×400×5mmより大きい平滑なガラス板
パレットナイフ(ヘラ):鋼製又はステンレス製の刃を持った柄つきのもの
化学はかり(計量器):10mgオーダーまで計れるもの
ビュレット:JIS R 3505に規定する容量10mLのもの
(B)試薬:グリセリン(和光純薬工業(株)製)
(C)測定方法
(1)樹脂粒子1gを測定板上の中央部に取り、グリセリンをビュレットから一回に4、5滴ずつ、徐々に樹脂粒子の中央に滴下し、その都度、樹脂粒子およびグリセリンの全体をパレットナイフで充分練り合わせる。
(2)上記の滴下及び練り合わせを繰り返し、樹脂粒子およびグリセリンの全体が硬いパテ状の塊になったら1滴ごとに練り合わせて、蒸留水の最後の1滴の滴下によりペースト(樹脂粒子およびグリセリンの混練物)が急激に軟らかくなり、流動を始める点を終点とする。
(3)流動の判定
グリセリンの最後の1滴の滴下により、ペーストが急激に軟らかくなり、測定板を垂直に立てた時にペーストが動いた場合に、ペーストが流動していると判定する。測定板を垂直に立てた時もペーストが動かない場合には、更にグリセリンを1滴加える。
(4)終点に達したときのグリセリンの消費量をビュレット内の液量の減少分として読み取る。
(5)1回の測定時間は7〜15分以内に終了するように実施し、測定時間が15分を超えた場合は再測定し、規定の時間内で測定を終了した時の数値を採用する。
(D)グリセリン吸収量の計算
下記式により試料100g当たりのグリセリン吸収量を計算する。
W=(V/m)×100
ここで、W:グリセリン吸収量(mL/100g)、m:樹脂粒子の重量(g)、V:消費したグリセリンの容積(mL)
【0065】
〔残存する(メタ)アクリル酸エステル系単量体の量〕
(1)試料液の調製
試験管に、測定対象となる樹脂粒子1gと、二硫化炭素25mLと、内部標準液1mLとを投入し、室温にて12時間抽出した。得られた抽出液を1.8μL採取し、注入した。なお、内部標準液は、二硫化炭素75mLにトルエン0.1mLを加えたものとした。
【0066】
(2)残存(メタ)アクリル酸エステル系単量体の測定
上記試料液について、ガスクロマトグラフ装置((株)島津製作所製、商品名「GC−14A」)にて下記測定条件で測定を行い、メタクリル酸系モノマー量を内部標準法で定量した。
【0067】
<測定条件>
カラム充填剤:液相 PEG−20M
担体: Chromosorb W
カラムサイズ:3mmI.D.×3000mmL
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
キャリアーガス:窒素、空気、ヘリウム
キャリア―ガス流量:30mL/min(窒素)、300mL/min(空気)、35mL/min(ヘリウム)
カラム温度:105℃
注入口温度:110℃
【0068】
〔保湿性(しっとり感)の評価〕
化粧料を手首に塗布した際、指で触った際のしっとり感について、パネラー10名により官能評価を実施した。官能評価結果は、下記5段階評価の平均値で算出した。
5 非常にしっとりしている
4 しっとりしている
3 ややしっとりしている
2 少し、しっとりしている
1 全くしっとりしていない
【0069】
〔べたつきの評価〕
パネラー10名により、化粧料を顔に塗布した際に、頬のべたつきのなさを官能評価した。官能評価結果は、下記5段階評価の平均値で算出した。
5 べたつきがない
4 べたつきがほとんどない
3 若干べたつきを感じる
2 少しべたつきがある
1 かなりべたつきを感じる
【0070】
〔皮膚刺激性の評価〕
パネラー10名により、化粧料を肌に塗布した際に、皮膚への刺激感の判定を行った。評価基準は以下の通りである。
5 9名以上が、刺激が感じられないと回答。
4 7名以上9名未満が、刺激が感じられないと回答。
3 5名以上7名未満が、刺激が感じられないと回答。
2 3名以上5名未満が、刺激が感じられないと回答。
1 3名未満が、刺激が感じられないと回答。
【0071】
〔使用感の評価〕
試料を肌に塗布した際の使用感(触感、伸び)をパネラー10名により評価した。評価基準は以下の通りである。
5 9名以上が、使用感が良好
4 7名以上9名未満が、使用感が良好であると認めた。
3 5名以上7名未満が、使用感が良好であると認めた。
2 3名以上5名未満が、使用感が良好であると認めた。
1 3名未満が、使用感が良好であると認めた。
【0072】
〔再分散性の評価〕
化粧料を40℃で30日間放置した後、手で振り混ぜ、沈降した樹脂粒子全てが均一に分散するまでの振り混ぜた回数により、下記基準で評価した。
5 5回未満
4 5〜19回
3 20〜39回
2 40〜59回
1 60回以上
【0073】
(樹脂粒子1の製造)
攪拌機及び温度計を備えた容量5Lの反応容器に、ラウリル硫酸ナトリウム1gを溶解させた水2375gを入れ、分散安定剤としての、複分解生成法により生成させたピロリン酸マグネシウム48gを分散させた。これに予め調製しておいたメタクリル酸メチル1079gとエチレングリコールジメタクリレート67gの混合物に、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPME400:日油社製(式(I):R
11=CH
3、R
12=CH
3、m=0、n=9))228gと2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.8gとを溶解させた混合液を入れて高速乳化・分散機(プライミクス株式会社製、商品名「T.K.ホモミクサー」)で混合することで液滴径を8μm程度に調製した。次に、反応容器を50℃に加温し、引き続き105℃で2時間攪拌しながら懸濁重合を行い、スラリー(懸濁液)を得た。
【0074】
次いで、前記反応容器内の前記スラリーを冷却し、前記スラリーのpHがpH2以下になるまで、塩酸を加えて、ピロリン酸マグネシウムを分解した。遠心脱水機を用いて前記スラリーを水洗および脱水して、脱水ケーキを得た。攪拌機及び温度計を備えた反応器に、前記脱水ケーキ100重量部と、水2500重量部と過硫酸カリウム7.5重量を加えた後で、前記スラリーを70℃にて5時間に亘って攪拌した後に冷却した。その後、遠心脱水機を用いて前記スラリーを水洗および脱水して、脱水ケーキを得た。得られたケーキを、真空乾燥機を用いて80℃で真空乾燥させた後、目開き32μmの篩いに通し、樹脂粒子1を得た。
【0075】
(樹脂粒子2の製造)
前記単量体混合液を前記反応容器の前記分散液(水相)に入れ、前記オートクレーブの内容物を高速乳化・分散機(プライミクス株式会社製、商品名「T.K.ホモミクサー」)にて、前記単量体混合液の液滴径14μm程度の懸濁液を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子2を得た。
【0076】
(樹脂粒子3の製造)
攪拌機及び温度計を備えた容量5Lの反応容器に、アニオン性界面活性剤としてのラウリル硫酸ナトリウム0.30gと、両性界面活性剤としてのラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(純分35%)1.71gとを水3000gに溶解した水溶液を入れた。そして、分散安定剤としての、複分解生成法により生成させたピロリン酸マグネシウム60gを前記反応容器内の前記水溶液中に分散させ、分散液(水相)を得た。
また、メタクリル酸メチル(MMA)250gと、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPME400:日油社製(式(I):R
11=CH
3、R
12=CH
3、m=0、n=9))62gと、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)313gと、多孔化剤としての酢酸エチル375g、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.75gとを混合し、互いに溶解させて単量体混合液を調製した。
前記の予め調製した単量体混合液を前記反応容器内の前記分散液(水相)に入れ、前記オートクレーブの内容物を高速乳化・分散機(プライミクス株式会社製、商品名「T.K.ホモミクサー」)にて、前記単量体混合液の液滴径8μm程度の懸濁液を調製した。次に、前記反応容器の内部温度を50℃に加温して前記オートクレーブの内容物を攪拌しながら、前記単量体混合液の懸濁重合を開始した。引き続いて、70℃で2時間加温処理を行いながら前記単量体混合液の懸濁重合を行い、スラリーを得た。
その後、前記反応器内のジャケットを70℃に保ちつつ、内圧を−500mmHgに減圧し、前記スラリーから酢酸エチルを除去した。次いで、前記反応器内の前記スラリーを冷却し、前記スラリーのpHがpH2以下になるまで、塩酸を加えて、ピロリン酸マグネシウムを分解した。その後、遠心脱水機を用いて前記スラリーを水洗および脱水して、ケーキを得た。得られたケーキを、真空乾燥機を用いて80℃で真空乾燥させた後、目開き32μmの篩いに通し、目的の樹脂粒子3を得た。
【0077】
(樹脂粒子4の製造)
前記単量体混合液を前記反応容器の前記分散液(水相)に入れ、前記オートクレーブの内容物を高速乳化・分散機(プライミクス株式会社製、商品名「T.K.ホモミクサー」)を用いて4000rpmで10分間に亘って攪拌、分散させて一次懸濁液を作製した。
そして、懸濁液分散具(ナノマイザー社製 商品名「LNP−20/300」)を取り付けた高圧型分散装置(ナノマイザー社製 商品名「ナノマイザーLA−33」)に一次水性懸濁液の半分を供給し、一次水性懸濁液に29.4MPaの高圧下にて衝撃力を加えて重合性モノマーを微細化させて第二次懸濁液を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子4を得た。
【0078】
(樹脂粒子5の製造)
前記単量体混合液を前記反応容器の前記分散液(水相)に入れ、前記オートクレーブの内容物を高速乳化・分散機(プライミクス株式会社製、商品名「T.K.ホモミクサー」)にて、前記単量体混合液の液滴径30μm程度の懸濁液を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子5を得た。
【0079】
(樹脂粒子6の製造)
メタクリル酸メチル(MMA)の使用量を200g、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の使用量を250g、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPME400:日油社製(式(I):R
11=CH
3、R
12=CH
3、m=0、n=9))50g、多孔化剤としての酢酸エチル500gに変更した以外は実施例3と同様にして樹脂粒子6を得た。
【0080】
(樹脂粒子7の製造)
実施例1と同様にして懸濁重合を行い、スラリー(懸濁液)を得た後に、前記反応器内の前記スラリーを冷却し、前記スラリーのpHがpH2以下になるまで、塩酸を加えて、ピロリン酸マグネシウムを分解した。遠心脱水機を用いて前記スラリーを水洗および脱水して、脱水ケーキを得た。得られたケーキを、真空乾燥機を用いて80℃で真空乾燥させた後、目開き32μmの篩いに通し、樹脂粒子7を得た。
【0081】
(樹脂粒子8の製造)
〔種粒子の製造例1〕攪拌機、温度計を備えた容量5Lの反応容器に、水性媒体としてのイオン交換水3020gと、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのメタクリル酸エチル64gと、分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン10.4gとを仕込み、反応容器の内容物を攪拌しながら内部を窒素置換し、内温を55℃に昇温した。さらに反応容器の内温を55℃に保ちながら、重合開始剤としての過硫酸カリウム1.8gを、反応容器内の内容物に添加した後、15時間重合反応させた。重合後の反応液を400メッシュ(目開き32μm)の金網で濾過し、固形分としてポリメタクリル酸エチルからなる種粒子(種粒子(1)という)を14重量%含有するスラリーを作製した。このスラリーに含まれる種粒子(1)は、体積平均粒子径が0.75μmの真球状粒子であった。
【0082】
〔種粒子の製造例2〕
攪拌機及び温度計を備えた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン鎖を有しないアニオン性界面活性剤としてのジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(日油株式会社製、製品名「ラピゾール(登録商標)A−80」)5.5gを溶解させたイオン交換水2200gと、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのメタクリル酸メチル550gと、分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン5.5gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル5.5gとを仕込み、高速乳化・分散機(プライミクス株式会社製、商品名「T.K.ホモミクサー」)を用いて8000rpmで10分間処理して乳化液を得た。この乳化液に、種粒子の製造例1で得られた種粒子(1)のスラリーを、固形分(種粒子)として300gとなるように加え、30℃で2.5時間撹拌後、分散安定剤としてポリビニルピロリドン(PVP K−30)20gを溶解させたイオン交換水1100gを加え、内容物を攪拌しながら内部を窒素置換した。次に、反応容器を55℃に加温し、引き続き70℃で1.5時間攪拌しながら懸濁重合を行い、スラリー(懸濁液)を得た。
重合後の反応液を400メッシュ(目開き32μm)の金網で濾過し、固形分としてポリメタクリル酸メチルからなる種粒子(以下、種粒子(2)という)を14重量%含有するスラリーを作製した。このスラリーに含まれる種粒子(2)は、体積平均粒子径が1.5μmの真球状粒子であった。
【0083】
〔重合体粒子の製造例〕
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてのメタクリル酸メチル(MMA)650gと、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPME400:日油社製(式(I):R
11=CH
3、R
12=CH
3、m=0、n=9))50gと、多官能ビニル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)300gに、重合開始剤としてのアゾイソビスブチロニトリル6g、過酸化ベンゾイル6gを溶解して得られた単量体混合物を、水性媒体としてのイオン交換水1100gにポリオキシエチレン鎖を有しないアニオン性界面活性剤としてのジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(日油株式会社製、製品名「ラピゾール(登録商標)A−80」、液温25℃の水に対する溶解度;1.5g/100ml)を5g添加したものと混合し、ホモミキサー(プライミクス株式会社製の「T.K.ホモミキサーMARKII 2.5型」)に入れて回転数8000rpmで10分間処理して乳化液を得た。この乳化液に、種粒子の製造例2で得られた種粒子(2)のスラリーを、固形分(種粒子)として6.7gとなるように加え、30℃で2.5時間撹拌し、分散液を得た。
この分散液に、分散安定剤としてのポリビニルアルコール(PVA)(日本合成化学工業株式会社製、製品名「ゴーセノールGM−14L」)を40g、重合禁止剤としての亜硝酸ナトリウム0.60gとを溶解させた水溶液2000gを加え、その後60℃で2時間、次いで100℃で2.5時間攪拌して重合反応を行い、重合体粒子のスラリーを得た。
加圧濾過機を用いて前記スラリーを水洗および脱水して、脱水ケーキを得た。得られたケーキを、真空乾燥機を用いて80℃で真空乾燥させた後、目開き32μmの篩いに通し、樹脂粒子8を得た。
【0084】
(樹脂粒子9の製造)
実施例1と同様にして懸濁重合、脱水、洗浄、乾燥を行った後、目開き32μmの篩いに通せずに、樹脂粒子9を得た。
【0085】
(樹脂粒子10の製造)
メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPME400:日油社製(式(I):R
11=CH
3、R
12=CH
3、m=0、n=9))を使用せずに、メタクリル酸メチル1305gとエチレングリコールジメタクリレート70gに変更した以外は実施例1と同様にして樹脂粒子10を得た。
【0086】
(樹脂粒子11の製造)
メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPME400:日油社製(式(I):R
11=CH
3、R
12=CH
3、m=0、n=9))を使用せずに、メタクリル酸メチル1305gとエチレングリコールジメタクリレート70gの混合物を、実施例1と同様にして懸濁重合を行い、スラリー(懸濁液)を得た後に、前記反応器内の前記スラリーを冷却し、前記スラリーのpHがpH2以下になるまで、塩酸を加えて、ピロリン酸マグネシウムを分解した。遠心脱水機を用いて前記スラリーを水洗および脱水して、脱水ケーキを得た。得られたケーキを、真空乾燥機を用いて80℃で真空乾燥させた後、目開き32μmの篩いに通し、樹脂粒子11を得た。
【0087】
上記で製造した樹脂粒子の平均粒子径、グリセリン吸収量、残存メタクリル酸エステル系単量体量、粒度分布(CV値)は、表1に示すとおりである。また、表1中の残存メタクリル酸エステル系単量体量について、「ND」との表記は、検出限界(5ppm)未満であることを意味する。
なお、樹脂粒子9に関しては、上記方法では測定できないが、化粧料とした時に、使用感(触感が悪く、ざらつく)が悪く、実質C.V.が非常に高い(50%以上)。
【0088】
【表1】
【0089】
(化粧料の製造)
上記で製造した各樹脂粒子、多価アルコール(グリセリン、1,3−ブチレングリコール)、水の各成分を表2、3に示す配合に従い、ミキサーで充分混合して、ボディローションを得た。各試料の保湿性、べたつき、皮膚刺激性、使用感(触感、伸び)、再分散性を評価し、結果を示した。
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】
表2により、所定の平均粒子径、グリセリン吸収量、残存(メタ)アクリル酸エステル系モノマー量、粒度分布を持つ特定親水性樹脂粒子、多価アルコール、水を含むことで、化粧料の保湿性、べたつき、皮膚刺激性、使用感(触感、伸び)、再分散性が顕著に改善されることが明らかとなった。
【0093】
表3により、親水性樹脂粒子とグリセリンを含む化粧料で該粒子の残存モノマーを低減した実施例1は、残存モノマーを含む比較例3に比べ、性能が顕著に改善されたのに対し、汎用樹脂粒子の樹脂粒子10、11を用いた比較例7、8では、残存モノマーの有無にかかわらず、性能評価できないほど、各性能が非常に悪かった。また、グリセリン配合の実施例1の方が、1,3−ブチレングリコール配合の実施例5に比べて、性能が優れていた。以上の結果から、多価アルコール、特にグリセリンと、残存モノマー量を低減した特定親水性樹脂粒子とを併用することにより、性能が相乗的に改善されることが明らかとなった。