(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
隣合う前記第3導電層の間に延びる前記第1導電層の一部と接続し、前記発光層の一部と電気的に接続されている第2コンタクト部を備える第2発光素子部をさらに備える、請求項3乃至8のいずれか1項に記載の入力装置。
前記第1発光素子部が発光する前記第1導電層と前記第2導電層との間の順バイアス方向の印加電圧に対して逆方向である逆バイアス方向にパルスが立ち上がる駆動信号パルスが前記複数の第1導電層の一部に印加される、請求項2乃至9のいずれか1項に記載の入力装置。
前記第1電極ドライバは、前記駆動信号パルスの前に通知される前記駆動信号パルスの要求信号と、前記点灯パルスの前に通知される前記点灯パルスの要求信号が重なった場合は、前記第1導電層に前記駆動信号パルスを印加した後、前記点灯パルスを前記第1導電層に印加する、請求項14に記載の入力装置。
前記第1電極ドライバは、前記駆動信号パルスと、前記点灯パルスとが重なった場合は、前記駆動信号パルスと、前記点灯パルスとが重なったタイミングで、前記点灯パルスを前後に分割した上で、分割された第1点灯パルス、前記駆動信号パルス、分割された第2点灯パルスの順に前記第1導電層へ印加する、請求項14に記載の入力装置。
前記第1電極ドライバは、前記駆動信号パルスの前に通知される前記駆動信号パルスの要求信号にのみ、前記点灯パルスが重なった場合は、前記点灯パルス、前記駆動信号パルスの順に前記第1導電層へ印加する、請求項14に記載の入力装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
図1は、実施形態1に係る表示装置の構成を説明するためのブロック図である。表示システム100は、近接検出機能付き表示装置1と、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、ソースセレクタ部13Sと、第1電極ドライバ14と、第2電極ドライバ15と、近接検出処理部40とを備えている。近接検出機能付き表示装置1において、後述するように、反射型の表示部9と、入力装置2とが平面視で重ねあわされている。表示部9が反射型液晶表示部であり、入力装置が静電容量型のタッチパネルである。
【0011】
表示部9は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行う装置である。制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、第1電極ドライバ14、及び近接検出処理部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して動作するように制御する回路である。本発明における制御装置は、制御部11、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、第1電極ドライバ14、第2電極ドライバ15、近接検出処理部40を含む。
【0012】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、表示部9の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。
【0013】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、表示部9の、表示面にマトリクス状に配置された各画素(各副画素)に画素信号Vpixを供給する回路である。ソースドライバ13は、1水平ライン分の制御信号から、表示部9の複数の副画素の画素信号Vpixを時分割多重化した画像信号Vsigを生成し、ソースセレクタ部13Sに供給する。また、ソースドライバ13は、画像信号Vsigに多重化された画素信号Vpixを分離するために必要なスイッチ制御信号Vselを生成し、画像信号Vsigとともにソースセレクタ部13Sに供給する。ソースセレクタ部13Sは、ソースドライバ13とソースセレクタ部13Sとの間の配線数を少なくすることができる。
【0014】
第1電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、入力装置2の、後述する第1電極部に駆動信号に基づく駆動信号パルスを供給する回路である。
【0015】
第2電極ドライバ15は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、入力装置2の、後述する第2電極部に駆動信号Velを供給する回路である。
【0016】
近接検出処理部40は、制御部11から供給される制御信号と、入力装置2から供給された近接検出信号Vdetに基づいて、入力装置2に対する近接状態の有無を検出し、近接状態がある場合において近接検出領域におけるその座標等を求める回路である。この近接検出処理部40は近接検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とを備えている。
【0017】
近接検出信号増幅部42は、入力装置2から供給される近接検出信号Vdetを増幅する。近接検出信号増幅部42は、近接検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、近接検出信号の成分を取り出してそれぞれ出力する低域通過アナログフィルタを備えていてもよい。
【0018】
(静電容量型近接検出の基本原理)
入力装置2は、静電容量型近接検出の基本原理に基づいて動作し、近接検出信号Vdetを出力する。
図1〜
図6を参照して、入力装置2における近接検出の基本原理について説明する。
図2は、静電容量型近接検出方式の基本原理を説明するため、外部近接物体が接触又は近接していない状態を表す説明図である。
図3は、
図2に示す外部近接物体が接触又は近接していない状態の等価回路の例を示す説明図である。
図4は、静電容量型近接検出方式の基本原理を説明するため、外部近接物体が接触又は近接した状態を表す説明図である。
図5は、
図4に示す外部近接物体が接触又は近接した状態の等価回路の例を示す説明図である。
図6は、駆動信号及び近接検出信号の波形の一例を表す図である。
【0019】
例えば、
図2に示すように、容量素子C1は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極、駆動電極E1及び近接検出電極E2を備えている。
図3に示すように、容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端は電圧検出器(近接検出部)DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば
図1に示す近接検出信号増幅部42に含まれる積分回路である。
【0020】
交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波である駆動信号パルスSgを印加すると、近接検出電極E2(容量素子C1の他端)側に接続された電圧検出器DETを介して、出力波形(近接検出信号Vdet)が現れる。
【0021】
外部近接物体(例えば、指又はスタイラスペン)が近接(又は接触)していない非近接状態(非接触状態を含む)では、
図2及び
図3に示すように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I
0が流れる。
図6に示すように、電圧検出器DETは、駆動信号パルスSgに応じた電流I
0の変動を電圧の変動(実線の波形V
0)に変換する。
【0022】
一方、外部近接物体が近接(又は接触)した近接状態(接触状態を含む)では、
図4に示すように、外部近接物体によって形成される静電容量C2が近接検出電極E2と接している又は近傍にあることにより、駆動電極E1及び近接検出電極E2の間にあるフリンジ分の静電容量が遮られ、容量素子C1の容量値よりも容量値の小さい容量素子C1’として作用する。そして、
図5に示す等価回路でみると、容量素子C1’に電流I
1が流れる。
図6に示すように、電圧検出器DETは、駆動信号パルスSgに応じた電流I
1の変動を電圧の変動(点線の波形V
1)に変換する。この場合、波形V
1は、上述した波形V
0と比べて振幅が小さくなる。これにより、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、外部近接物体等の外部からの近接する物体の影響に応じて変化することになる。なお、電圧検出器DETは、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|を精度よく検出するため、回路内のスイッチングにより、駆動信号パルスSgの周波数に合わせて、コンデンサの充放電をリセットする期間Resetを設けた動作とすることがより好ましい。
【0023】
図1に示す入力装置2は、第1電極ドライバ14から供給される駆動信号に従って、1検出ブロックずつ順次走査して近接検出を行うようになっている。
【0024】
入力装置2は、複数の後述する近接検出電極から、
図3又は
図5に示す電圧検出器DETを介して、検出ブロック毎に近接検出信号Vdetを出力し、近接検出処理部40の近接信号増幅部42に供給するようになっている。近接信号増幅部42は、近接検出信号Vdetを増幅した上で、近接検出信号VdetをA/D変換部43へ供給する。
【0025】
A/D変換部43は、駆動信号に同期したタイミングで、近接検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する回路である。
【0026】
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に含まれる、駆動信号をサンプリングした周波数以外の周波数成分(ノイズ成分)を低減するデジタルフィルタを備えている。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、入力装置2に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理部44は、外部近接物体による電圧の差分のみ取り出す処理を行う。この外部近接物体による電圧の差分の信号は、上述した波形V
0と波形V
1との差分の絶対値|ΔV|である。信号処理部44は、1検出ブロック当たりの絶対値|ΔV|を平均化する演算を行い、絶対値|ΔV|の平均値を求めてもよい。これにより、信号処理部44は、ノイズによる影響を低減できる。信号処理部44は、検出した外部近接物体による電圧の差分の信号を所定のしきい値電圧と比較し、電圧の差分がこのしきい値電圧以上であれば、外部近接物体の近接状態であると判断する。一方、信号処理部44は、検出したデジタル電圧を所定のしきい値電圧と比較し、電圧の差分がしきい値電圧未満であれば、外部近接物体の非近接状態であると判断する。このようにして、近接検出処理部40は近接検出が可能となる。
【0027】
座標抽出部45は、信号処理部44において近接状態が検出されたときに、検出領域の面内における近接状態が生じた座標位置を求める論理回路である。検出タイミング制御部46は、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。座標抽出部45は、近接物体の座標を出力信号Voutとして出力する。
【0028】
図7は、実施形態1に係る入力装置の駆動電極及び近接検出電極の一例を表す斜視図である。入力装置2は、第1電極部31と、第1電極部31と絶縁された状態の第3電極部33とを備える。第1電極部31は、駆動信号パルスSgを印加する送信側の駆動電極Tx1、Tx2、Tx3…Txn(以下、駆動電極Txということもある。)として、導電体パターンの所定の延在方向に延びるストライプ状の複数の電極パターンを有している。第3電極部33は、近接検出信号Vdetを出力する近接検出電極Rx1、Rx2、Rx3…Rxm(以下、近接検出電極Rxということもある。)として、第1電極部31の延在方向と交差する方向に延びるストライプ状の複数の電極パターンを有している。近接検出電極Rxの各電極パターンは、近接検出処理部40の近接検出信号増幅部42の入力にそれぞれ接続されている。
【0029】
図7に示すように実施形態1に係る入力装置2において、近接検出電極Rxは、駆動電極Txと対向している。近接検出電極Rxは、駆動電極Txと対向せず、駆動電極Txと同層に形成されていてもよい。また、近接検出電極Rx又は駆動電極Txは、ストライプ状に複数に分割される形状に限られない。例えば、近接検出電極Rx又は駆動電極Txは、櫛歯形状であってもよい。あるいは近接検出電極Rx又は第1電極部31(駆動電極ブロック)は、複数に分割されていればよく、第1電極部31を分割するスリットの形状は直線であっても、曲線であってもよい。
【0030】
また、
図2に示す駆動電極E1は、
図7に示す駆動電極Txのそれぞれに相当し、
図2に示す近接検出電極E2は、近接検出電極Rxのそれぞれに相当する。このため、
図7に示す駆動電極Txと近接検出電極Rxとが平面視で互いに交差した交差部分には、
図2に示す容量素子C1の容量値に相当する静電容量が生じる。
【0031】
次に、近接検出機能付き表示装置1の構造について説明する。実施形態1において、表示部9は、反射型の画像表示パネルである。表示部9は、半透過型の画像表示パネルであってもよく、観察者200側から入射する入射光を反射して、画像を表示する表示装置であればよい。
図8は、実施形態1における近接検出機能付き表示部の構造を模式的に示す断面図である。
図8に示すように、表示部9は、互いに対向するアレイ基板91と対向基板92とを有している。アレイ基板91と対向基板92との間において、液晶素子が封入された液晶層93が設けられている。
【0032】
アレイ基板91は、例えばガラス等の透明性を有する透光性基板である。アレイ基板91は、液晶層93側の絶縁層98の面に、複数の画素電極94を有する。画素電極94は、スイッチング素子99を介して信号線に接続されている。画素電極94には、上述した画素信号Vpixが印加される。画素電極94は、例えばアルミニウム又は銀のような金属光沢を有する材料で形成され、光の反射性を有する。このため、画素電極94は、外光又は入力装置2からの光を反射する。
【0033】
対向基板92は、例えばガラス等の透明性を有する透光性基板である。対向基板92は、液晶層93側の面に、対向電極95及びカラーフィルタ96を有する。より詳しくは、対向電極95は、カラーフィルタ96の液晶層93側の面に設けられている。
【0034】
対向電極95は、例えばITO(Indium Tin Oxide)、又はIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明性を有する透光性導電性材料で形成されている。対向電極95には、画素毎に共通の共通電位が与えられている。画素電極94と対向電極95とは対向して設けられているため、画素電極94と対向電極95との間に画像出力信号による電圧が印加されると、画素電極94と対向電極95とは、液晶層93内に電界を生じさせる。液晶層93内に生じた電界により液晶素子がツイストして複屈折率が変化し、表示部9からの光量が副画素97毎に調整される。表示部9は、いわゆる縦電界方式であるが、表示面に平行な方向に電界を発生させる横電界方式であってもよい。
【0035】
第1の色(例えば赤色R)、第2の色(例えば緑色G)及び第3の色(例えば青色B)のいずれかのカラーフィルタ96は、画素電極94に対応して副画素97毎に設けられる。このように、画素電極94と、対向電極95と、各色のカラーフィルタ96とは、それぞれ副画素97を構成する。
【0036】
入力装置2は、表示部9側のLF1方向に向かって光を照射することができる。対向基板92の液晶層93と反対側の面には、入力装置2が設けられている。表示部9は、入力装置2を後述するようにフロントライトとして、LF1方向に入射された光をLF2方向に反射して、画像を表示させる。例えば、画素電極94が観察者200側の面(画像を表示する側の面)からLF1方向に入射された光をLF2方向に反射する。また、入力装置2と対向基板92とは、光学接着層8で接合されている。光学接着層8は、光の散乱機能のある材料を選ぶことが望ましい。光学接着層8において、入力装置2からLF1方向側に照射された光が散乱する。これにより、画素電極94には、入力装置2からの光が均一に照射されやすくなる。また、光学接着層8の位置には、さらに偏光板を形成することもできる。
【0037】
図9は、実施形態1に係る入力装置の構造を模式的に示す断面図である。
図10は、実施形態1に係る入力装置の第1電極部、第2電極部及び第3電極部の平面視の位置関係を説明するための説明図である。
図9及び
図10に示すように、入力装置2は、第1基板21と、第1電極部31と、第2電極部32と、発光層22と、第3電極部33とを有する。第2電極部32は、絶縁性の保護層23で覆われている。絶縁性の保護層23は、形成しなくてもよい。第1基板21は、第1面201及び第2面202を備える、ガラス等の透光性基板である。入力装置2において、
図9の第1面201が
図8に示す観察者200側となり、第2面202が表示部9側になる。
【0038】
第1電極部31は、第1基板21の第2面202側の1つの層に形成される導電性の第1導電層である。複数の第1導電層は、平面視で一方向に連続して延びる形状を備え、発光層22に第1導電層の形状に沿って接している。第1電極部31の第1導電層は、例えばITO、又はIZO等の透明性を有する透光性導電性材料又は導電性の金属材料で形成されている。第1電極部31の第1導電層の材料としては、金属光沢を有する金属材料、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)、及び、それらを含む合金等で形成されていると、発光層22の発光を反射できる。
【0039】
発光層22は、平面視で、複数の上記第1導電層と重なり合う大きさを有している。発光層22は、
図9に示すように、第1電極部31と第2電極部32との間に形成されている。このため、発光層22は、第1電極部31の第1導電層に電気的に接している。発光層22は、有機発光層であって、有機材料を含み、不図示のホール注入層、ホール輸送層、有機層、電子輸送層、電子注入層を含む。
【0040】
第2電極部32は、第1電極部31と異なる層に形成される導電性の第2導電層である。第2導電層は、平面視で、複数の上記第1導電層と重なり合う大きさを有しているベタ膜である。第2電極部32の第2導電層は、発光層22の全面と電気的に接している。第2電極部32の導電層は、例えばITO、又はIZO等の透明性を有する透光性導電性材料で形成されている。
【0041】
第1発光素子部DELは、第1電極部31と、発光層22と、第2電極部32とを有している。第1電極部31と第2電極部32とに順バイアス方向の電圧が印加されることで発光層22が発光する。第1発光素子部DELには、電圧が印加されると、発光層22が第1電極部31の第1導電層の形状に沿った発光をする。これにより、平面視で一方向に連続して延びる発光帯が生じ、入力装置2は、
図8に示す表示部9に対して、光を照射することのできるフロントライトとして、機能する。
【0042】
第3電極部33は、第1基板21の第1面201側に形成され、第1電極部31の第1導電層と絶縁されている。第3電極部33が形成される第1面201は、近接物体の入力座標の基準となる基準平面(座標入力基準面)である。
【0043】
上述したように、第1電極部31は、駆動信号パルスSgを印加する送信側の駆動電極Txであり、第3電極部33は、上述した近接検出電極Rxである(
図7参照)。このため、入力装置2が近接検出動作を行う際、第3電極部33は、第1基板21の第1面201に平面視で重なり合う位置の近接物体の座標に応じて変化する第1電極部31との間の電界の変化を近接検出処理部40(
図1参照)へ出力できる。
【0044】
まず、入力装置2の製造方法としては、第1基板21が用意され、第1基板21の第2面202には、第1電極部31の第1導電層がパターニングされる。次に、入力装置2は、第1電極部31の第1導電層に、発光層22が形成される。発光層22を形成する前に、第1電極部31間の隙間は、平坦化する絶縁層で埋められていることが好ましい。次に、入力装置2は、発光層22に、第2電極部32の第2導電層が形成される。次に、入力装置2は、アルミナ(Al
2O
3)等の透光性の絶縁体で保護層23が形成される。次に、入力装置2は、第1基板21の第1面201に第3電極部33が形成される。以上説明したように、実施形態1に係る入力装置2は、エッチング処理の工数が少なく、製造コストが低減できる。
【0045】
(実施形態1の変形例1)
次に、実施形態1の変形例1に係る入力装置2について説明する。
図11は、実施形態1の変形例1に係る入力装置の構造を模式的に示す断面図である。
図12は、実施形態1の変形例1に係る入力装置の第1電極部、第2電極部及び第3電極部の平面視の位置関係を説明するための説明図である。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0046】
図11及び
図12に示すように、入力装置2は、第1基板21と、第1電極部31と、第2電極部32と、発光層22と、第3電極部33と、第1遮光部24とを有する。第2電極部32は、絶縁性の保護層23で覆われている。絶縁性の保護層23は、形成しなくてもよい。
【0047】
第1遮光部24は、第1基板21と、第1電極部31との間に配置されている。第1遮光部24は、第1電極部31の第1導電層の形状に沿って形成される。第1遮光部24は、第1電極部31の第1導電層よりも面積が大きい。第1遮光部24は、第1基板21の第1面201に垂直な方向でみると、第1電極部31の第1導電層の全体を覆うことができる。
【0048】
第1遮光部24は、遮光性を有していれば、材料は問わない。第1遮光部24の材料としては、金属光沢を有する金属材料、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)、及び、それらを含む合金等が発光層22の発光を反射できるため、好ましい。これにより、第1発光素子部DELは、発光層22よりも第1基板21の第1面201寄りに第1遮光部24を備えることで、第1基板21の第1面201側に光漏れすることを抑制することができる。
【0049】
(実施形態1の変形例2)
次に、実施形態1の変形例2に係る入力装置2について説明する。
図13は、実施形態1の変形例2に係る入力装置の構造を模式的に示す断面図である。
図13に示す実施形態1の変形例2に係る入力装置において、第1電極部、第2電極部及び第3電極部の平面視の位置関係は、
図12の平面視の位置関係と同じである。なお、上述した実施形態1及び実施形態1の変形例1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0050】
実施形態1の変形例2に係る入力装置2は、第1基板21と、絶縁層25と、第1電極部31と、第2電極部32と、発光層22と、第3電極部33と、第1遮光部24とを有する。実施形態1の変形例2に係る第3電極部33は、第1基板21の第2面202側に形成され、第1電極部31の第1導電層と絶縁層25を介して絶縁されている。第3電極部33が形成される第2面202の反対側の第1基板21の第1面201は、近接物体の入力座標の基準となる基準平面(座標入力基準面)である。
【0051】
上述したように、第1電極部31は、駆動信号パルスSgを印加する送信側の駆動電極Txであり、第3電極部33は、上述した近接検出電極Rxである(
図7参照)。このため、入力装置2が近接検出動作を行う際、第3電極部33は、第1基板21の第1面201に平面視で重なり合う位置の近接物体の座標に応じて変化する第1電極部31との間の電界の変化を近接検出処理部40(
図1参照)へ出力できる。
【0052】
まず、入力装置2の製造方法としては、第1基板21が用意され、第1基板21の第2面202には、第3電極部33の第3導電層がパターニングされる。次に、入力装置2は、第3電極部33の第3導電層を絶縁性の絶縁層25で覆う。次に、絶縁層25の表面には、第1電極部31の第1導電層がパターニングされる。次に、入力装置2は、第1電極部31の第1導電層に、発光層22が形成される。発光層22を形成する前に、第1電極部31間の隙間は、平坦化する絶縁層で埋められていることが好ましい。次に、入力装置2は、発光層22に、第2電極部32の第2導電層が形成される。次に、入力装置2は、アルミナ(Al
2O
3)等の透光性の絶縁体で保護層23が形成される。以上説明したように、実施形態1
の変形例2に係る入力装置2は、エッチング処理の工数が少なく、製造コストが低減できる。
【0053】
(実施形態1の変形例3)
次に、実施形態1の変形例3に係る入力装置2について説明する。
図14は、実施形態1の変形例3に係る入力装置の構造を模式的に示す断面図である。
図14に示す実施形態1の変形例3に係る入力装置において、第1電極部、第2電極部及び第3電極部の平面視の位置関係は、
図12の平面視の位置関係と同じである。なお、上述した実施形態1及び実施形態1の変形例1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0054】
入力装置2は、カバー基板26と、絶縁層25と、第1基板21と、第1電極部31と、第2電極部32と、発光層22と、第3電極部33と、第1遮光部24とを有する。カバー基板26は、ガラス等の透光性基板である。実施形態1の変形例3に係る第3電極部33は、カバー基板26の第1基板21に対向する面に形成され、第1基板21の第1面201側にある。カバー基板26と、第1基板21とは絶縁層25を介して積層され、かつ絶縁されている。実施形態1の変形例3において、第1基板21の第1面201は、近接物体の入力座標の基準となる基準平面(座標入力基準面)である。第3電極部33のあるカバー基板26の面と反対側の面は、第1基板21の第1面201と略平行な面となる。
【0055】
上述したように、第1電極部31は、駆動信号パルスSgを印加する送信側の駆動電極Txであり、第3電極部33は、上述した近接検出電極Rxである(
図7参照)。このため、入力装置2が近接検出動作を行う際、第3電極部33は、第1基板21の第1面201に平面視で重なり合う位置の近接物体の座標に応じて変化する第1電極部31との間の電界の変化を近接検出処理部40(
図1参照)へ出力できる。
【0056】
まず、入力装置2の製造方法としては、第1基板21が用意され、第1基板21の第2面202には、第1電極部31の第1導電層がパターニングされる。次に、入力装置2は、第1電極部31の第1導電層に、発光層22が形成される。発光層22を形成する前に、第1電極部31間の隙間は、平坦化する絶縁層で埋められていることが好ましい。次に、入力装置2は、発光層22に、第2電極部32の第2導電層が形成される。次に、入力装置2は、アルミナ(Al
2O
3)等の透光性の絶縁体で保護層23が形成される。次に、入力装置2は、カバー基板26の一方の面に第3電極部33が形成される。そして、入力装置2は、絶縁層25を介して、第1基板21の第1面201が第3電極部33が形成される側のカバー基板26の面と対向するように固定される。絶縁層25は、例えば絶縁性の両面テープである。以上説明したように、実施形態1の変形例3に係る入力装置2は、エッチング処理の工数が少なく、製造コストが低減できる。
【0057】
以上説明したように、実施形態1及び実施形態1の各変形例に係る第1電極部31は、第1発光素子部DELの電極として機能するとともに、入力装置2の駆動電極Txとしても機能する。このため、入力装置2は、薄型となる。
【0058】
(駆動制御)
図1、
図7、
図15から
図23を用いて、実施形態1及び実施形態の変形例1から変形例3に係る入力装置2の駆動制御について説明する。入力装置2は、近接検出動作を行う際、
図1に示す第1電極ドライバ14が、
図7に示す駆動電極Txを時分割的に線順次走査するように駆動する。これにより、スキャン方向Scanに第1電極部31の駆動電極Txは、順次選択される。そして、入力装置2は、近接検出電極Rxから近接検出信号Vdetを出力する。なお、入力装置2は、第1電極ドライバ14が、
図7に示す駆動電極Txを複数まとめて1検出ブロックとして時分割的に線順次走査するように駆動してもよい。
【0059】
ここで、第1電極部31は、第1発光素子部DELの電極として機能するとともに、入力装置2の駆動電極Txとしても機能するので、第1発光素子部DELが発光する必要がない場合でも、第1電極部31の駆動電極Txに駆動信号パルスSgが印加されることで、第1発光素子部DELが発光してしまう可能性がある。そこで、実施形態1及び実施形態1の各変形例に係る入力装置2は、第1電極部31の駆動電極Txに駆動信号パルスSgが印加されても、意図しない第1発光素子部DELの発光を抑制する駆動方法を提供する。
【0060】
図15は、実施形態1に係る第1駆動電極ドライバ及び第2駆動電極ドライバを説明するための説明図である。第1電極ドライバ14は、第1電極制御部141と、Txバッファー16とを備える。第1電極制御部141は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、駆動信号Vtxを生成し、Txバッファー16へ供給する。Txバッファー16は、駆動信号Vtxに基づいて、駆動信号パルスSgに増幅された駆動信号パルスSgをスキャン方向Scanに順次選択された駆動電極Txn(第1電極部31の一部)に供給する。
【0061】
第2電極ドライバ15は、第2電極制御部151と、電圧制御回路17とを備える。第2電極制御部151は、一定の電圧の電力を、電圧制御回路17へ供給する。電圧制御回路17は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、入力装置2の第2電極部32へ供給する電圧を制御する。
【0062】
図16は、第1発光素子が非点灯の状態において、駆動電極選択期間の第1電極部及び第2電極部の電圧を説明するための説明図である。
図17は、第1発光素子が非点灯の状態における近接検出の走査状態を説明する説明図である。
図18は、第1発光素子が点灯の状態において、駆動電極選択期間の第1電極部及び第2電極部の電圧を説明するための説明図である。
図19は、第1発光素子が点灯の状態における近接検出の走査状態を説明する説明図である。
図16から
図19において、第1電極部31は、第1発光素子部DELのカソードであり、第2電極部32は、第1発光素子部DELのアノードである。
【0063】
電圧制御回路17は、第1発光素子部DELが非点灯の状態とするために、第1電極部31の電圧Vkに対して第2電極部32の電圧Vaを近づけるようにして、第1電極部31の電圧Vkと第2電極部32の電圧Vaとの電圧が順方向の発光駆動電圧に達しないようにしている。この状態で、
図16に示すように、第1電極ドライバ14は、第1電極部31と第2電極部32との間に、パルスの立ち上がり方向が逆バイアス方向の駆動信号パルスSgを印加する。これにより、駆動選択期間Htxに、駆動信号パルスSgが印加されても、逆バイアス方向の電圧差が第1電極部31と第2電極部32との間にかかるだけなので、第1発光素子部DELの発光が抑制される。
【0064】
図17に示すように、第1電極ドライバ14が、駆動電極Tx1から駆動電極Tx4を時分割的に線順次走査するように駆動すると、駆動電極Tx1から駆動電極Tx4に印加されるいずれの駆動信号パルスSgによっても第1発光素子部DELの発光が抑制される。
【0065】
電圧制御回路17は、第1発光素子部DELが点灯の状態の場合、第1電極部31の電圧Vkに対して第2電極部32の電圧Vaの差を順バイアス方向の発光駆動電圧ΔVFLに近づけるように制御して、
図18に示すように、第1電極部31と第2電極部32との間に発光駆動電圧ΔVFL以上の順バイアス方向の電圧を印加する。このとき、第1電極ドライバ14は、第1電極部31と第2電極部32との間に、パルスの立ち上がり方向が逆バイアス方向の駆動信号パルスSgを印加する。その結果、駆動信号パルスSgが印加された駆動選択期間Htxを除いて、第1発光素子部DELには発光駆動電圧ΔVFLが印加される。これにより、
図19に示すように、発光駆動電圧ΔVFLが印加されている点灯期間Hflでは、第1発光素子部DELは、発光する。
【0066】
また、第1電極ドライバ14が、駆動電極Tx1から駆動電極Tx4を時分割的に順次走査するように駆動すると、第1電極部31と第2電極部32との間の電圧が駆動選択期間Htxにおいて発光駆動電圧ΔVFL以下となる。このため、駆動電極Tx1から駆動電極Tx4に印加されるいずれの駆動信号パルスSgによっても第1発光素子部DELの発光が一時的に抑制される。また、第1発光素子部DELの発光が抑制される駆動選択期間Htxは、一時的であるため、第1発光素子部DELの発光の消灯又は減光が認識されにくい。その結果、第1発光素子部DELの点灯量が制御部11の指令に基づき電圧制御回路17が制御した第2電極部32の電圧Vaに応じて変化する。
【0067】
第1電極部31は、第1発光素子部DELのアノードであり、第2電極部32は、第1発光素子部DELのカソードであってもよい。
図20は、第1発光素子が非点灯の状態において、駆動電極選択期間の第1電極部及び第2電極部の電圧を説明するための説明図である。
図21は、第1発光素子が非点灯の状態における近接検出の走査状態を説明する説明図である。
図22は、第1発光素子が点灯の状態において、駆動電極選択期間の第1電極部及び第2電極部の電圧を説明するための説明図である。
図23は、第1発光素子が点灯の状態における近接検出の走査状態を説明する説明図である。
図20から
図23において、第1電極部31は、第1発光素子部DELのアノードであり、第2電極部32は、第1発光素子部DELのカソードである。
【0068】
電圧制御回路17は、第1発光素子部DELが非点灯の状態の場合、第1電極部31の電圧Vaに対して第2電極部32の電圧Vkを近づけるようにして、第1電極部31の電圧
Vaと第2電極部32の電圧
Vkとの電圧が順方向の発光駆動電圧に達しないようにしている。この状態で、
図20に示すように、第1電極ドライバ14は、第1電極部31と第2電極部32との間に、パルスの立ち上がり方向が逆バイアス方向の駆動信号パルスSgを印加する。
図20に示す第1電極部31及び第2電極部32は、
図16に示すように、極性が異なるため、逆バイアス方向も逆になる。これにより、駆動選択期間Htxに、駆動信号パルスSgが印加されても、第1発光素子部DELの発光が抑制される。そして、
図21に示すように、第1電極ドライバ14が、駆動電極Tx1から駆動電極Tx4を時分割的に線順次走査するように駆動しても、いずれの駆動信号パルスSgによっても第1発光素子部DELの発光が抑制される。
【0069】
電圧制御回路17は、第1発光素子部DELが点灯の状態とするために、第1電極部31の電圧Vaに対して第2電極部32の電圧Vkの差を順バイアス方向の発光駆動電圧ΔVFLに近づけるように制御して、
図22に示すように、第1電極部31と第2電極部32との間に発光駆動電圧ΔVFL以上の順バイアス方向の電圧を印加する。この場合、第1電極ドライバ14は、第1電極部31の全部の第1導体層(駆動電極Tx1から駆動電極Txn)に共通の電圧として第2電極部32の電圧Vkを印加する。このとき、第1電極ドライバ14は、第1電極部31と第2電極部32との間に、パルスの立ち上がり方向が逆バイアス方向の駆動信号パルスSgを印加する。その結果、駆動信号パルスSgが印加された駆動選択期間Htxを除いて、第1発光素子部DELには発光駆動電圧ΔVFLが印加される。
【0070】
図23に示すように、発光駆動電圧ΔVFLが印加されている点灯期間Hflでは、第1発光素子部DELは、発光する。また、第1電極ドライバ14が、例えば駆動電極Tx1から駆動電極Tx4を時分割的に順次走査するように駆動して選択した駆動電極Txへ駆動信号パルスSgを印加する。駆動選択期間Htxにおいて、駆動信号パルスSgは、第1電極部31と第2電極部32との間の電圧を、駆動選択期間Htxにおいて発光駆動電圧ΔVFL以下とする。その結果、第1発光素子部DELを発光させる順バイアス方向の発光駆動電圧ΔVFLを印加できない場合、第1発光素子部DELの発光が一時的に抑制される。
【0071】
また、第1発光素子部DELの発光が抑制される駆動選択期間Htxは、一時的であるため、第1発光素子部DELの発光の消灯又は減光が認識されにくい
。その結果、第1発光素子部DELの点灯量が制御部11の指令に基づいた電圧制御回路17が制御する第2電極部32の電圧Vkに応じて変化する。
【0072】
以上説明したように、実施形態1及び実施形態の各変形例に係る入力装置2は、第1電極部31が1つの層に形成される複数の第1導電層を備え、第2電極部32の第2導電層が、平面視で、複数の第1導電層と重なり合う大きさを有する。第1発光素子部DELが発光する第1電極部31の第1導電層及び第2電極部32の第2導電層との間の順バイアス方向の印加電圧に対して逆方向である逆バイアス方向にパルスが立ち上がる駆動信号パルスSgが、第1電極部31の複数の第1導電層の一部に印加される。
【0073】
具体的には、実施形態1及び実施形態の各変形例に係る入力装置2は、第1電極部31に電圧を供給する第1電極ドライバ14と、第2電極部32に電圧を供給する第2電極ドライバ15と、第1基板21の第1面201に平面視で重なり合う位置の近接物体の座標に応じて変化する第1電極部と第3電極部33との間の電界の変化を駆動信号パルスSgに応答する検出信号Vdetとして検出する近接検出処理部40とを備える。そして、上述したように、第1電極ドライバ14は、第1電極部31の一部の第1導電層を駆動電極の検出ブロックとして時分割で走査し、駆動信号パルスSgを走査した第1電極部31の一部の第1導電層(駆動電極Tx)に供給する。
【0074】
実施形態1及び実施形態の各変形例に係る入力装置2は、フロントライトとして機能する場合、第2電極ドライバ15が、第1電極部31と第2電極部32との間に順バイアス方向の印加電圧を加え、発光駆動電圧ΔVFLを印加すると、第1発光素子部DELを発光する。第2電極ドライバ15は、発光駆動電圧ΔVFL以上の電圧値を制御することにより、第1発光素子部DELの発光量を制御する。
【0075】
これにより、入力装置2は、複数の第1導電層の一部に駆動信号パルスSgが印加されても、第1発光素子部DELの発光が抑制される。そして、入力装置2は、第1電極部31の駆動電極Txに駆動信号パルスSgが印加されても、意図しない第1発光素子部DELの発光を抑制することができる。
【0076】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る入力装置2について説明する。
図24は、実施形態2に係る入力装置の構造を模式的に示す断面図である。
図25は、実施形態2に係る入力装置の第1電極部、第2電極部及び第3電極部の平面視の位置関係を説明するための説明図である。
図24の断面は、
図25のA−A断面である。なお、上述した実施形態1及び実施形態1の各変形例で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0077】
図24及び
図25に示すように、実施形態2に係る入力装置2は、第1基板21と、第1電極部31と、第2電極部32と、発光層22と、第3電極部33と、絶縁層25と、第4導電層35とを有する。第2電極部32は、絶縁性の保護層23で覆われている。絶縁性の保護層23は、形成しなくてもよい。第1基板21は、第1面201及び第2面202を備える、ガラス等の透光性基板である。入力装置2は、
図24の第1面201が
図8に示す観察者200側となり、第2面202が表示部9側になる。
【0078】
図24に示すように、第1電極部31は、第1基板21の第2面202側の1つの層に形成される導電性の第1導電層である。
図24及び
図25に示すように、第1電極部31は、複数の第1導電層が平面視で一方向に連続して延びる形状を備え、発光層22との間には、絶縁層25がある。
【0079】
図24に示すように、第3電極部33は、第1基板21の第2面202側の1つの層に形成される導電性の第3導電層である。
図24及び
図25に示すように、第3電極部33は、複数の第3導電層が、平面視で第1電極部31の第1導電層と交差する交差方向に連続して延びる形状を備え、発光層22との間には、絶縁層25がある。
【0080】
第1電極部31の第1導電層と第3電極部33の第3導電層とが交差するそれぞれの部分では、第1電極部31の第1導電層が第3導電層で分断される。そして、第1電極部31の第1導電層と、第3電極部33の第3導電層とは、絶縁層25で絶縁される。導電性の第4導電層35は、第1電極部31の第1導電層と第3電極部33の第3導電層とが交差する部分において、第3導電層で分断された第1導電層の端部同士を接続し、第3導電層と絶縁された状態で第3導電層を跨ぐ迂回層である。第4導電層35の材料としては、金属光沢を有する金属材料、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)、及び、それらを含む合金などであり、発光層22の発光を反射できる。
【0081】
第1電極部31の第1導電層は、例えばITO、又はIZO等の透明性を有する透光性導電性材料又は導電性の金属材料で形成されている。第1電極部31の第1導電層の材料としては、金属光沢を有する金属材料、例えばアルミニウム(Al)等が発光層22の発光を反射できるため、好ましい。
【0082】
発光層22は、平面視で、複数の上記第1導電層と重なり合う大きさを有している。発光層22は、
図24に示すように、第1電極部31と第2電極部32との間に形成され、第1電極部31とは、第4導電層35を介して電気的に接続している。具体的には、発光層22は、
図24に示すように、第2面202側に突出する凸部22aを備えている。絶縁層25は、第1電極部31と発光層22との間に形成されている。このため、発光層22は、凸部22aで第1電極部31の第1導電層に第4導電層35を介して電気的に接している。第1コンタクト部36A、36Bは、凸部22aで第1電極部31の第1導電層に第4導電層35を介して電気的に接している部分であり、言い換えれば、第1電極部31と第4導電層35とは、第1コンタクト部36A、36Bで電気的に導通する。そして、発光層22は、第4導電層35と電気的に導通している。発光層22は、有機材料を含み、不図示のホール注入層、ホール輸送層、有機層、電子輸送層、電子注入層を含む。
【0083】
第2電極部32は、第1電極部31と異なる層に形成される導電性の第2導電層である。第2導電層は、平面視で、複数の上記第1導電層と重なり合う大きさを有しているベタ膜である。第2電極部32の第2導電層は、発光層22の全面と電気的に接している。第2電極部32の導電層は、例えばITO、又はIZO等の透明性を有する透光性導電性材料で形成されている。
【0084】
第1発光素子部DEL1は、第1電極部31と、発光層22と、第2電極部32とを有し、第1電極部31と第2電極部32とに順バイアス方向の電圧を印加されることで発光層22が発光する。第1発光素子部DEL1は、電圧が印加されると、発光層22が第1電極部31に導通する第4導電層35の形状に沿った発光をすることができる。これにより、平面視で部分的に発光部が生じ、入力装置2は、
図8に示す表示部9に対して、光を照射することのできるフロントライトとして、機能する。
【0085】
第3電極部33は、第1基板21の第2面202側に形成され、第1電極部31の第1導電層と絶縁されている。第3電極部33が形成される第2面202とは反対側の第1面201は、近接物体の入力座標の基準となる基準平面(座標入力基準面)である。
【0086】
上述したように、第1電極部31は、駆動信号パルスSgを印加する送信側の駆動電極Txであり、第3電極部33は、上述した近接検出電極Rxである(
図7参照)。このため、入力装置2が近接検出動作を行う際、第3電極部33は、第1基板21の第1面201に平面視で重なり合う位置の近接物体の座標に応じて変化する第1電極部31との間の電界の変化を近接検出処理部40(
図1参照)へ出力できる。
【0087】
まず、入力装置2の製造方法としては、第1基板21が用意され、第1基板21の第2面202には、第1電極部31の第1導電層及び第3電極部33の第3導電層が同時にパターニングされる。次に、入力装置2は、第1電極部31の第1導電層及び第3電極部33の第3導電層を覆う絶縁性の絶縁層25を形成する。次に、絶縁層25の一部をウェットエッチング、ドライエッチング等によりエッチングし、第1電極部31の第1導電層の第1コンタクト部36A、36Bに対応する位置を露出させる。次に、入力装置2は、第3電極部33の第3導電層で分断された第1電極部31の第1導電層の端部同士を接続するように、絶縁層25の表面及び第1コンタクト部36A、36Bに第4導電層35を形成する。次に、絶縁層25及び第4導電層35を覆うように発光層22が形成される。次に、入力装置2は、発光層22に、第2電極部32の第2導電層が形成される。次に、入力装置2は、アルミナ(Al
2O
3)等の透光性の絶縁体で保護層23が形成される。以上説明したように、実施形態2に係る入力装置2は、第1電極部31の第1導電層及び第3電極部33の第3導電層が同時に形成され、製造コストが低減できる。
【0088】
入力装置2は、第1電極部31の第1導電層及び第3電極部33の第3導電層が同一の階層に形成されるので、厚みを薄くすることができる。
【0089】
(実施形態2の変形例1)
次に、実施形態2の変形例1に係る入力装置2について説明する。
図26は、実施形態2の変形例1に係る入力装置の第1電極部、第2電極部及び第3電極部の平面視の位置関係を説明するための説明図である。なお、上述した実施形態1及び実施形態2で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0090】
第1遮光部31Aは、第1電極部31の第1導電層と同層に形成され、第1電極部31の第1導電層が延びる方向と交差する交差方向に第1導電層の幅が広がる幅広部分である。第1遮光部31Aの交差方向の長さは、第4導電層35の交差方向の最大長さより長い。第1遮光部31Aは、第1基板21の第1面201に垂直な方向でみると、第4導電層35の第1コンタクト部36A、36Bを覆うことができる。これにより、第1コンタクト部36A、36Bの抵抗が下がり、第1発光素子部DEL1の発光効率が向上する。
【0091】
第1遮光部31Aは、遮光性を有している。第1遮光部31Aは、遮光性のある材料は問わない。第1遮光部31Aの材料としては、金属光沢を有する金属材料、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)、及び、それらを含む合金等であり、発光層22の発光を反射できる。また、第1遮光部31Aが第1電極部31の第1導電層と同じ材料であると、形成しやすい。以上説明したように、第1発光素子部DEL1は、第1遮光部31Aを備えることで、第1基板21の第1面201側に光漏れすることを抑制することができる。
【0092】
(実施形態2の変形例2)
次に、実施形態2の変形例2に係る入力装置2について説明する。
図27は、実施形態2の変形例2に係る入力装置の第1電極部及び第3電極部の平面視の位置関係を説明するための説明図である。
図27において、第2電極部32は、実施形態2と同様であり、図示を省略している。なお、上述した実施形態1及び実施形態2及びこれらの各変形例で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0093】
実施形態2の変形例2に係る入力装置2は、第1発光素子部DEL1に加え、第2発光素子部DEL2を備えている。第1電極部31は、第1導電層の一部が導電性の第5導電層35Cを介して、発光層22に接続している。このため、第2発光素子部DEL2は、第3電極部33の隣合う第3導電層の間に延びる第1電極部31の第1導電層の一部と接続し、発光層22の一部と電気的に接続されている第2コンタクト部36Cを備える。第2発光素子部DEL2は、第1電極部31と、発光層22と、第2電極部32とを有し、第1電極部31と第2電極部32とに順バイアス方向の電圧を印加されることで発光層22が発光する。
【0094】
第2遮光部31Cは、第1電極部31の第1導電層と同層に形成され、第1電極部31の第1導電層が延びる方向と交差する交差方向に第1導電層の幅が広がる幅広部分である。第2遮光部31Cの交差方向の長さは、第5導電層35Cの交差方向の最大長さより長い。第2遮光部31Cは、第1基板21の第1面201に垂直な方向でみると、第5導電層35Cの第2コンタクト部36Cを覆うことができる。これにより、第2コンタクト部36Cの抵抗が下がり、第2発光素子部DEL2の発光効率が向上する。
【0095】
第2遮光部31Cは、遮光性を有していることが好ましく、遮光性のある材料は問わない。第2遮光部31Cの材料としては、金属光沢を有する金属材料、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)、及び、それらを含む合金等が発光層22の発光を反射できるため、好ましい。また、第2遮光部31Cが第1電極部31の第1導電層と同じ材料であると、形成しやすい。これにより、第2発光素子部DEL2は、第2遮光部31Cを備えることで、第1基板21の第1面201側に光漏れすることを抑制することができる。
【0096】
(実施形態2の変形例3)
次に、実施形態2の変形例3に係る入力装置2について説明する。
図28は、実施形態2の変形例3に係る入力装置の第1電極部及び第3電極部の平面視の位置関係を説明するための説明図である。
図28において、第2電極部32は、実施形態2と同様であり、図示を省略している。なお、上述した実施形態1及び実施形態2及びこれらの各変形例で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0097】
実施形態2の変形例3に係る入力装置2は、第1発光素子部DEL1に加え、第2発光素子部DEL2及び第2発光素子部DEL3を備えている。第2発光素子部DEL3は、第2発光素子部DEL2と同様の構成を備えている。第1電極部31は、第1導電層の一部が導電性の第5導電層35Dを介して、発光層22に接続している。このため、第2発光素子部DEL3は、第3電極部33の隣合う第3導電層の間に延びる第1電極部31の第1導電層の一部と接続し、発光層22の一部と電気的に接続されている第2コンタクト部36Dを備える。第2発光素子部DEL3は、第1電極部31と、発光層22と、第2電極部32とを有し、第1電極部31と第2電極部32とに順バイアス方向の電圧を印加されることで発光層22が発光する。
【0098】
第2遮光部31Dは、第1電極部31の第1導電層と同層に形成され、第1電極部31の第1導電層が延びる方向と交差する交差方向に第1導電層の幅が広がる幅広部分である。第2遮光部31Dの交差方向の長さは、第5導電層35Dの交差方向の最大長さより長い。第2遮光部31Dは、第1基板21の第1面201に垂直な方向でみると、第5導電層35の第2コンタクト部36Dを覆うことができる。これにより、第2コンタクト部36Dの抵抗が下がり、第2発光素子部DEL3の発光効率が向上する。
【0099】
第2遮光部31Dは、遮光性を有していることが好ましく、遮光性のある材料は問わない。第2遮光部31Dの材料としては、金属光沢を有する金属材料、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)、及び、それらを含む合金等が発光層22の発光を反射できるため、好ましい。また、第2遮光部31Dが第1電極部31の第1導電層と同じ材料であると、形成しやすい。これにより、第2発光素子部DEL3は、第2遮光部31Dを備えることで、第1基板21の第1面201側に光漏れすることを抑制することができる。
【0100】
第2コンタクト部36Dは、第2コンタクト部36Cよりも面積が大きくなっている。これにより、第2発光素子部DEL3は、第2発光素子部DEL2よりも発光量が多くなる。
【0101】
図28に示すように、座標入力面PLEを垂直方向にみた平面視において、第1電極部31の第1導電層の配線抵抗の影響で、座標入力面PLEの中央部Xcと、座標入力面PLEの端部Xeよりも第1発光素子部DEL1の発光量(輝度)が低下する可能性がある。そこで、実施形態2の変形例3に係る入力装置2は、座標入力面PLEの中央部Xc寄りには、第2発光素子部DEL3を配置し、座標入力面PLEの端部Xe寄りには第2発光素子部DEL2を配置している。これにより、入力装置2は、フロントライトとして機能する場合、面内の発光量を均等に近づけることができる。
【0102】
図29は、実施形態2の変形例3に係る入力装置の第1電極部及び第3電極部の平面視の他の位置関係を説明するための説明図である。
図29に示すように、実施形態2の変形例3に係る入力装置2は、座標入力面PLEの中央部Xcには、第2発光素子部DEL2を複数配置し、座標入力面PLEの端部Xeには第2発光素子部DEL2を1つ配置している。このように、実施形態2の変形例3に係る入力装置2は、座標入力面PLEの中央部Xc寄りに配置される第2発光素子部DEL2の数は、座標入力面PLEの端部Xe寄りに配置される第2発光素子部DEL2よりも単位面積当たり多く配置している。これにより、入力装置2は、フロントライトとして機能する場合、面内の発光量を均等に近づけることができる。
【0103】
(実施形態2の変形例4)
次に、実施形態2の変形例4に係る入力装置2について説明する。
図30は、実施形態2の変形例4に係る入力装置において、第1コンタクト部の照射光を説明するための拡大断面図である。
図31は、実施形態1に係る入力装置の照射光を説明するための拡大断面図である。なお、上述した実施形態1及び実施形態2及びこれらの各変形例で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0104】
図30に示すように、発光層22は、第1コンタクト部36A(36B)の第2面202と平行な断面の面積が、第2面202に近づくにつれて小さくなるように凸部が形成されている。第1コンタクト部36A(36B)は、金属光沢を有する金属で形成される第4導電層35であり、凸部の側面35Rが第2面202に対して傾斜する傾斜面である。
【0105】
図31に示すように、実施形態1に係る発光層22は、第1電極部31の複数の第1導電層と直接接しており、接している面は、平坦にちかい。このため、実施形態1に係る発光層22が発光する放射状の光LF11、LF12、LF13のうち、
図8に示す入力装置2からLF1方向側に光を照射することができるのは、光LF11、LF12である。
【0106】
これに対し、
図30に示すように、実施形態2の変形例4の発光層22が発光する放射状の光LF13は、凸部の側面35Rで反射され、角度が
図8に示す入力装置2からLF1方向側に向くようにできる。このため、発光層22が発光する放射状の光LF11、LF12、LF13のうち、
図8に示す入力装置2からLF1方向側に光を照射することができるのは、光LF11、LF12、LF13とすることができ、実施形態2の変形例4に係る入力装置2は、フロントライトとして発光効率を向上させることができる。
【0107】
(実施形態2の変形例5)
次に、実施形態2の変形例5に係る入力装置2について説明する。
図32は、実施形態2の変形例5に係る入力装置の第1電極部、第2電極部及び第3電極部の平面視の位置関係を説明するための説明図である。なお、上述した実施形態1及び実施形態2で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0108】
図32に示すように、実施形態2の変形例5に係る入力装置2は、第1基板21と、第1電極部31と、第2電極部32と、発光層22と、第3電極部33と、絶縁層25と、第4導電層35とを有する。第2電極部32は、絶縁性の保護層23で覆われている。絶縁性の保護層23は、形成しなくてもよい。第4導電層35の第1コンタクト部36A、36Bの断面は、図
24と同様となる。
【0109】
図32に示すように、第1電極部31は、第1基板21の第2面202側の1つの層に形成される導電性の第1導電層である。
図32及び
図25に示すように、第1電極部31は、複数の第1導電層が平面視で点在する島状を備え、発光層22との間には、絶縁層25がある。導電性の第4導電層35は、第3導電層で分断された隣合う第1電極部31の第1導電層の端部同士を接続し、第3導電層と絶縁された状態で第3導電層を跨ぐ。これにより、第1電極部31の第1導電層が第4導電層35で接続される方向は、一方向に延びる。
【0110】
図32に示すように、第3電極部33は、第1基板21の第2面202側の1つの層に形成される導電性の第3導電層である。
図32及び
図25に示すように、第3電極部33は、複数の第3導電層が、平面視で第1電極部31の第1導電層が延びる方向と交差する交差方向に連続して延びる矩形の形状を備え、発光層22との間には、絶縁層25がある。
【0111】
第1電極部31の第1導電層の形状は、矩形に限られず、ダイヤモンド形状、菱形状、面取りをした正方形状等の平面形状であってもよく、平面視で、絶縁されつつ、複数の第3導電層のうち隣合う第3導電層の間の開口を埋める形状であればよい。同様に、第3電極部33の第3導電層の形状は、矩形に限られず、ダイヤモンド形状、菱形状、面取りをした正方形状等の平面形状を交差方向に電気的に接続した形状でもよく、平面視で、絶縁されつつ、複数の第1導電層のうち隣合う第1導電層の間の開口を埋める形状であればよい。
【0112】
第1電極部31の第1導電層の形状は、幅広であるので、例えばITO、又はIZO等の透明性を有する透光性導電性材料である。これにより、観察者に対し、表示部9からの画像を明るく表示することができる。第3電極部33の第3導電層の形状は、幅広であるので、例えばITO、又はIZO等の透明性を有する透光性導電性材料である。そして、観察者に対し、表示部9からの画像を明るく表示することができる。
【0113】
第2電極部32は、第1電極部31と異なる層に形成される導電性の第2導電層である。第2導電層は、平面視で、複数の上記第1導電層と重なり合う大きさを有しているベタ膜である。第2電極部32の第2導電層は、発光層22の全面と電気的に接している。第2電極部32の導電層は、例えばITO、又はIZO等の透明性を有する透光性導電性材料で形成されている。
【0114】
第1発光素子部DEL4は、第1電極部31と、発光層22と、第2電極部32とを有し、第1電極部31と第2電極部32とに順バイアス方向の電圧を印加されることで発光層22が発光する。第1発光素子部DEL4は、電圧が印加されると、発光層22が第1電極部31に導通する第4導電層35の形状に沿った発光をすることができる。これにより、平面視で部分的に発光部が生じ、入力装置2は、
図8に示す表示部9に対して、光を照射することのできるフロントライトとして、機能する。
【0115】
図33は、実施形態2の変形例5に係る入力装置の第1電極部、第2電極部及び第3電極部の平面視の他の位置関係を説明するための説明図である。実施形態2の変形例5に係る入力装置2は、第1電極部31の第1導電層が幅広であるので、第2発光素子部DEL5(第5導電層35E)を配置する場所の自由度が大きい。
図33に示す実施形態2の変形例5に係る入力装置2は、第1発光素子部DEL4に加え、第2発光素子部DEL5を備えている。第1電極部31は、第1導電層の一部が導電性の第5導電層35Eを介して、発光層22に接続している。このため、第2発光素子部DEL5は、第3電極部33の隣合う第3導電層の間にある第1電極部31の第1導電層の一部と接続し、発光層22の一部と電気的に接続されている第2コンタクト部36Eを備える。第2発光素子部DEL5は、第1電極部31と、発光層22と、第2電極部32とを有し、第1電極部31と第2電極部32とに順バイアス方向の電圧を印加されることで発光層22が発光する。
【0116】
以上説明したように、実施形態2及び実施形態2の各変形例に係る第1電極部31は、第1発光素子部DEL1又はDEL4の電極として機能するとともに、入力装置2の駆動電極Txとしても機能する。このため、入力装置2は、薄型となる。
【0117】
実施形態2及び実施形態2の各変形例に係る入力装置2は、実施形態1に係る入力装置2と同じ駆動制御で駆動できる。
【0118】
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る入力装置2について説明する。
図34は、実施形態3に係る入力装置の構造を模式的に示す断面図である。
図35は、実施形態3に係る入力装置の第1電極部、第2電極部及び第3電極部の平面視の位置関係を説明するための説明図である。なお、上述した実施形態1、実施形態2、これらの各変形例で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0119】
図34及び
図35に示すように、実施形態3に係る入力装置2は、第1基板21と、第1電極部31と、第2電極部32と、発光層22と、第3電極部33と、絶縁層25と、を有する。第2電極部32は、絶縁性の保護層23で覆われている。絶縁性の保護層23は、形成しなくてもよい。第1基板21は、第1面201及び第2面202を備える、ガラス等の透光性基板である。入力装置2は、図
34の第1面201が
図8に示す観察者200側となり、第2面202が表示部9側になる。
【0120】
図34に示すように、第1電極部31は、第1基板21の第2面202側の1つの層に形成される導電性の第1導電層である。
図34及び
図35に示すように、第1電極部31は、複数の第1導電層が平面視で一方向に連続して延びる形状を備え、発光層22との間には、絶縁層25がある。
【0121】
図34に示すように、第3電極部33は、第1基板21の第1面201側の1つの層に形成される導電性の第3導電層である。第3電極部33は、第1基板21により、第1電極部31と絶縁されている。第3電極部33は、第1電極部31と絶縁されていればよく、
図13及び
図14に示すような第1電極部31との位置関係にあってもよい。
図34及び
図35に示すように、第3電極部33は、複数の第3導電層が、平面視で第1電極部31の第1導電層と交差する交差方向に連続して延びる形状を備える。
【0122】
発光層22は、平面視で、複数の上記第1導電層と重なり合う大きさを有している。発光層22は、
図34に示すように、第2面202側に突出する凸部22aを備えている。この凸部22aは、面内に複数形成されている。絶縁層25は、第1電極部31と発光層22との間に形成されている。このため、発光層22は、凸部22aで第1電極部31の第1導電層に電気的に接している。
【0123】
実施形態3に係る入力装置2は、第1電極部31と第3電極部33との交差部に配置位置が限定されない発光素子部であって、第1電極部31の第1導電層の一部と電気的に接する発光層22の凸部22aが発光する第1発光素子部DEL6を備えている。コンタクト部36Fは、発光層22の凸部22aと第1電極部31とが接する部分となる。第1発光素子部DEL6は、第1電極部31と、発光層22の凸部22aと、第2電極部32とを有し、第1電極部31と第2電極部32とに順バイアス方向の電圧を印加されることで発光層22の凸部22aが発光する。
【0124】
第1遮光部31Aは、第1電極部31の第1導電層と同層に形成され、第1電極部31の第1導電層が延びる方向と交差する交差方向に第1導電層の幅が広がる幅広部分である。第1遮光部31Aの交差方向の長さは、凸部22aにおける第1コンタクト部36Fの交差方向の最大長さより長い。第1遮光部31Aは、第1基板21の第1面201に垂直な方向でみると、第1コンタクト部36Fを覆うことができる。これにより、第1コンタクト部36Fの抵抗が下がり、第1発光素子部DEL6の発光効率が向上する。
【0125】
第1遮光部31Aは、遮光性を有していれば、遮光性のある材料は問わない。第1遮光部31Aの材料としては、金属光沢を有する金属材料、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)、及び、それらを含む合金等としたので、発光層22の発光を反射できる。また、第1遮光部31Aが第1電極部31の第1導電層と同じ材料であると、形成しやすい。これにより、第1発光素子部DEL6は、第1遮光部31Aを備えることで、第1基板21の第1面201側に光漏れすることを抑制することができる。
【0126】
(実施形態3の変形例1)
次に、実施形態3の変形例1に係る入力装置2について説明する。
図36は、実施形態3の変形例1に係る入力装置の構造を模式的に示す断面図である。
図37は、実施形態3の変形例1に係る入力装置の第1電極部、第2電極部及び第3電極部の平面視の位置関係を説明するための説明図である。なお、上述した実施形態1、実施形態2、これらの各変形例及び実施形態3で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0127】
実施形態3の変形例1に係る入力装置2は、図
37に示すように、第1電極部31と第3電極部33との交差部に配置位置が限定されない発光素子部であって、第1電極部31の第1導電層の一部と電気的に接する発光層22の凸部22bが発光する第1発光素子部DEL7を備えている。発光層22は、
図36に示すように、第1電極部31と第2電極部32との間に形成され、第1電極部31と第4導電層35Gを介して電気的に接続している。具体的には、第1電極部31と第4導電層35Gとは、第1コンタクト部36Gで電気的に導通する。そして、発光層22は、第4導電層35Gと電気的に導通している。つまり、第1コンタクト部36Gは、発光層22の凸部22bと第1電極部31とが接する部分に第4導電層35Gを介在させる。第
1発光素子部DEL7は、第1電極部31と、発光層22の凸部22bと、第2電極部32と、第4導電層35Gとを有し、第1電極部31と第2電極部32とに順バイアス方向の電圧を印加されることで発光層22の凸部22bが発光する。
【0128】
第4導電層35Gは、遮光性を有していれば第1遮光部となり、材料は問わない。第1遮光部の材料としては、金属光沢を有する金属材料、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)、及び、それらを含む合金等であると、発光層22の発光を反射できる。これにより、第4導電層35Gは、第1遮光部として、発光層22よりも第1基板21の第1面201寄りに配置されることで、第1基板21の第1面201側に光漏れすることを抑制することができる。
【0129】
発光層22の凸部22bは、
図30に示したように、第1コンタクト部の第2面202と平行な断面の面積が、第2面202に近づくにつれて小さくなるような凸部であってもよい。この場合、第4導電層35Gは、金属光沢を有する金属で形成され、凸部の側面が第2面202に対して傾斜する傾斜面であると、第2実施形態の変形例4の入力装置2と同様に、フロントライトとして発光効率を向上させることができる。
【0130】
(実施形態3の変形例2)
次に、実施形態3の変形例2に係る入力装置2について説明する。
図38は、実施形態3の変形例2に係る入力装置の構造を模式的に示す断面図である。
図39は、実施形態3の変形例2に係る入力装置の第1電極部、第2電極部及び第3電極部の平面視の位置関係を説明するための説明図である。なお、上述した実施形態1、実施形態2及び実施形態3と、これらの各変形例とで説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0131】
発光層22cは、
図38に示すように、第1電極部31と第2電極部32との間に形成され、第1電極部31と第4導電層35Hを介して電気的に接続している。具体的には、第1電極部31と第4導電層35Hとは、第1コンタクト部36Hで電気的に導通する。そして、発光層22cは、第4導電層35Hと電気的に導通している。つまり、第1コンタクト部36Hは、発光層22cと第1電極部31とが接する部分に第4導電層35Hを介在させる。第1発光素子部DEL8は、第1電極部31と、発光層22cと、第2電極部32と、第4導電層35Hとを有し、第1電極部31と第2電極部32とに順バイアス方向の電圧を印加されることで発光層22cが発光する。
【0132】
図39に示すように、発光層22cは、平面視で複数島状に配置され、1つの発光層22cが1つの第1導電層と重なり合う。発光層22cは、
図39に示すように、平面視で、第4導電層35Hの面積以下となっており、絶縁層25が発光層22cの周囲を囲んでいる。絶縁層25は、発光層22cの周囲では、第1電極部31と第2電極部32とを絶縁している。このため、発光層22cの全体で第1電極部31の第1導電層に電気的に接している。
【0133】
まず、入力装置2の製造方法としては、第1基板21が用意され、第1基板21の第2面202には、第1電極部31の第1導電
層がパターニングされる。次に、入力装置2は、第1電極部31の第1導電層の表面に、第4導電層
35Hがパターニングされる。次に、入力装置2の製造方法は、第4導電層35Hの表面に発光層22cをパターニングする。発光層22cを形成する前に、第1電極部31間の隙間、第4導電層35Hの周囲及び発光層22cの周囲は、平坦化する絶縁層25で埋められる。次に、第2電極部32の第2導電層が形成される。次に、入力装置2は、アルミナ(Al2O3)等の透光性の絶縁体で保護層23が形成される。次に、入力装置2の製造方法は、第1基板21の第1面201に第3電極部33が形成される。以上説明したように、実施形態3の変形例2に係る入力装置2は、エッチング処理の工数が少なく、製造コストが低減できる。
【0134】
実施形態3の変形例2に係る入力装置2は、発光層22cが部分的であり、ベタ膜ではないので、発光層22cを通過する光が少ないので、透過率等の光学特性が向上する。例えば、第1発光素子部DEL8が非点灯である場合、入力装置2は、表示部9(
図8)参照の画像を明瞭に表示できるようになる。
【0135】
以上説明したように、実施形態3及び実施形態3の各変形例に係る第1電極部31は、第1発光素子部DEL6、DEL7、DEL8のいずれかの電極として機能するとともに、入力装置2の駆動電極Txとしても機能する。このため、入力装置2は、薄型となる。
【0136】
実施形態3及び実施形態3の各変形例に係る入力装置2は、実施形態1に係る入力装置2と同じ駆動制御で駆動できる。
【0137】
(実施形態4)
次に、
図1、
図6、
図7、
図40から
図44を用いて、実施形態4に係る入力装置2の駆動制御について説明する。実施形態4に係る入力装置2は、実施形態1の入力装置2を例示して説明するが、上述した実施形態1、実施形態2及び実施形態3と、これらの各変形例とで説明したいずれの入力装置にも適用することができる。
図40は、実施形態4に係る第1駆動電極ドライバ及び第2駆動電極ドライバを説明するための説明図である。
図41は、第1発光素子が非点灯の状態において、駆動電極選択期間の第1電極部及び第2電極部の電圧を説明するための説明図である。
図42は、第1発光素子が点灯の状態において、駆動電極選択期間の第1電極部及び第2電極部の電圧を説明するための説明図である。
図40から
図42において、第1電極部31は、第1発光素子部DELのカソードであり、第2電極部32は、第1発光素子部DELのアノードである。なお、上述した実施形態1、実施形態2及び実施形態3と、これらの各変形例とで説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0138】
入力装置2は、近接検出動作を行う際、
図1に示す第1電極ドライバ14が、
図7に示す駆動電極Txを時分割的に線順次走査するように駆動する。これにより、スキャン方向Scanに第1電極部31の駆動電極Txは、順次選択される。そして、入力装置2は、近接検出電極Rxから近接検出信号Vdetを出力する。なお、入力装置2は、第1電極ドライバ14が、
図7に示す駆動電極Txを複数まとめて1検出ブロックとして時分割的に線順次走査するように駆動してもよい。
【0139】
図40に示すように、実施形態4に係る第1電極ドライバ14は、第1電極制御部141と、Txタイミング合成回路19と、Txバッファー16とを備える。第1電極制御部141は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、駆動信号Vtxを生成し、Txタイミング合成回路19へ供給する。制御部11は、EL点灯タイミング生成回路18へ、表示部9へ点灯させる情報を与え、EL点灯タイミング生成回路18は、Txタイミング合成回路19へ、例えば点灯期間をハイレベル(H)とし、非点灯期間をローレベル(L)として第1発光素子部DELの点灯量に応じたパルス幅の非点灯期間のパルス信号Stimを生成する。Txタイミング合成回路19は、EL点灯タイミング生成回路18からの非点灯期間のパルス信号Stimと、駆動信号Vtxとを合成し、Txバッファー16へ与える。Txバッファー16は、駆動信号Vtxに基づいて、駆動信号パルスSgに増幅された駆動信号パルスSgをスキャン方向Scanに順次選択された入力装置2の駆動電極Tx(第1電極部31の一部)に供給する。
【0140】
第2電極ドライバ15は、第2電極制御部151と、電圧制御回路17とを備える。第2電極制御部151は、一定の電圧の電力を、電圧制御回路17へ供給する。電圧制御回路17は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、入力装置2の第2電極部32へ供給する電圧を制御する。
【0141】
電圧制御回路17は、第1発光素子部DELが非点灯の状態とするために、第1電極部31の電圧Vkに対して第2電極部32の電圧Vaを近づけるようにして、第1電極部31の電圧Vkと第2電極部32の電圧Vaとの電圧が順方向の発光駆動電圧に達しないようにしている。この発光駆動電圧未満状態で、
図41に示すように、第1電極ドライバ14は、第1電極部31と第2電極部32との間に、パルスの立ち上がり方向が逆バイアス方向の駆動信号パルスSgを印加する。これにより、駆動選択期間Htxに、駆動信号パルスSgが印加されても、逆バイアス方向の電圧差が第1電極部31と第2電極部32との間にかかるだけなので、第1発光素子部DELの発光が抑制される。
図41に示すように、第1電極ドライバ14が、駆動電極Tx1から駆動電極Tx4を時分割的に線順次走査するように駆動すると、駆動電極Tx1から駆動電極Tx4に印加されるいずれの駆動信号パルスSgによっても第1発光素子部DELの発光が抑制される。
【0142】
電圧制御回路17は、第1発光素子部DELが点灯の状態とするために、第1電極部31の電圧Vkに対して第2電極部32の電圧Vaの差を発光駆動電圧ΔVFLに近づけるように制御して、
図42に示すように、第1電極部31と第2電極部32との間に発光駆動電圧ΔVFL以上の順バイアス方向の電圧を印加する。このとき、第1電極ドライバ14は、第1電極部31と第2電極部32との間に、パルスの立ち上がり方向が逆バイアス方向の駆動信号パルスSgを印加する。その結果、駆動信号パルスSgが印加された駆動選択期間Htxを除いて、第1発光素子部DELには発光駆動電圧ΔVFLが印加される。
【0143】
これにより、
図42に示すように、発光駆動電圧ΔVFLが印加されている点灯期間Hflでは、第1発光素子部DELは、発光する。また、第1電極ドライバ14が、駆動電極Tx1から駆動電極Tx4を時分割的に線順次走査するように駆動すると、第1電極部31と第2電極部32との間の電圧が駆動選択期間Htxにおいて発光駆動電圧ΔVFL以下となる。このため、駆動電極Tx1から駆動電極Tx4に印加されるいずれの駆動信号パルスSgによっても第1発光素子部DELの発光が一時的に抑制される。また、第1発光素子部DELの発光がされる駆動選択期間Htxは、一時的であるため、第1発光素子部DELの発光の消灯又は減光が認識されにくい。実施形態4では、さらに、非点灯期間のパルス信号Stimが入力されている期間も第1電極部31と第2電極部32との間の電圧が発光駆動電圧ΔVFL以下となり、第1発光素子部DELの発光が一時的に抑制される。その結果、第1発光素子部DELの点灯量が制御部11の指令に基づき電圧制御回路17が制御した第2電極部32に印加されるパルス信号Stimに応じて変化する。
【0144】
第1電極部31は、第1発光素子部DELのアノードであり、第2電極部32は、第1発光素子部DELのカソードであってもよい。
図43は、第1発光素子が非点灯の状態において、駆動電極選択期間の第1電極部及び第2電極部の電圧を説明するための説明図である。
図44は、第1発光素子が点灯の状態において、駆動電極選択期間の第1電極部及び第2電極部の電圧を説明するための説明図である。
図43及び
図44において、第1電極部31は、第1発光素子部DELのアノードであり、第2電極部32は、第1発光素子部DELのカソードである。
【0145】
電圧制御回路17は、第1発光素子部DELが非点灯の状態とするために、第1電極部31の電圧Vaに対して第2電極部32の電圧Vkを近づけるようにして、第1電極部31の電圧
Vaと第2電極部32の電圧
Vkとの電圧が順方向の発光駆動電圧に達しないようにしている。この状態で、
図43に示すように、第1電極ドライバ14は、第1電極部31と第2電極部32との間に、パルスの立ち上がり方向が逆バイアス方向の駆動信号パルスSgを印加する。これにより、駆動選択期間Htxに、駆動信号パルスSgが印加されても、第1発光素子部DELの発光が抑制される。そして、
図43に示すように、第1電極ドライバ14が、駆動電極Tx1から駆動電極Tx4を時分割的に線順次走査するように駆動しても、いずれの駆動信号パルスSgによっても第1発光素子部DELの発光が抑制される。
【0146】
電圧制御回路17は、第1発光素子部DELが点灯の状態とするために、第1電極部31の電圧Vaに対して第2電極部32の電圧Vkの差を発光駆動電圧ΔVFLに近づけるように制御して、
図44に示すように、第1電極部31と第2電極部32との間に発光駆動電圧ΔVFL以上の順バイアス方向の電圧を印加する。この場合、第1電極ドライバ14は、第1電極部31の全部の第1導体層(駆動電極Tx1から駆動電極Txn)に共通の電圧として第2電極部32の電圧Vkを印加する。このとき、第1電極ドライバ14は、第1電極部31と第2電極部32との間に、パルスの立ち上がり方向が逆バイアス方向の駆動信号パルスSgを印加する。その結果、駆動信号パルスSgが印加された駆動選択期間Htxを除いて、第1発光素子部DELには発光駆動電圧ΔVFLが印加される。
【0147】
これにより、
図44に示すように、発光駆動電圧ΔVFLが印加されている点灯期間Hflでは、第1発光素子部DELは、発光する。また、第1電極ドライバ14が、例えば駆動電極Tx1から駆動電極Tx4を時分割的に線順次走査するように駆動して選択した駆動電極Txへ駆動信号パルスSgを印加する。駆動選択期間Htxにおいて、駆動信号パルスSgは、第1発光素子部DELを発光させる電圧差を印加できない場合、第1発光素子部DELの発光が一時的に抑制される。また、第1発光素子部DELの発光がされる駆動選択期間Htxは、一時的であるため、第1発光素子部DELの発光の消灯又は減光が認識されにくい。駆動選択期間Htxにおいて、駆動信号パルスSgが第1発光素子部DELを発光させる電圧差を印加できても、第1発光素子部DELの発光は、点灯期間Hflにおける第1発光素子部DELの発光と連続するので、違和感を認識されにくい。
【0148】
EL点灯タイミング生成回路18は、Txタイミング合成回路19へ、例えば点灯期間をローレベル(L)とし、非点灯期間をハイレベル(H)として第1発光素子部DELの点灯量に応じた非点灯期間のパルス信号Stimを生成する。このため、
図44に示すように、実施形態4では、さらに、非点灯期間のパルス信号Stimが入力されている期間も第1発光素子部DELの発光が一時的に抑制される。その結果、第1発光素子部DELの点灯量が制御部11の指令に基づき電圧制御回路17が制御した第2電極部32に印加されるパルス信号Stimに応じて変化する。
【0149】
以上説明したように、実施形態4に係る入力装置2は、第1電極部31が1つの層に形成される複数の第1導電層を備え、第2電極部32の第2導電層が、平面視で、複数の第1導電層と重なり合う大きさを有する。第1発光素子部DELが発光する第1電極部31の第1導電層及び第2電極部32の第2導電層との間の順バイアス方向の印加電圧に対して逆方向である逆バイアス方向にパルスが立ち上がる駆動信号パルスSgが、第1電極部31の複数の第1導電層の一部に印加される。
【0150】
具体的には、実施形態4に係る入力装置2は、第1電極部31に電圧を供給する第1電極ドライバ14と、第2電極部32に電圧を供給する第2電極ドライバ15と、第1基板21の第1面201に平面視で重なり合う位置の近接物体の座標に応じて変化する第1電極部と第3電極部33との間の電界の変化を駆動信号パルスSgに応答する検出信号Vdetとして検出する近接検出処理部40とを備える。そして、上述したように、第1電極ドライバ14は、第1電極部31の一部の第1導電層を駆動電極の検出ブロックとして時分割で走査し、駆動信号パルスSgを走査した第1電極部31の一部の第1導電層(駆動電極Tx)に供給する。
【0151】
実施形態4に係る入力装置2は、フロントライトとして機能する場合、第2電極ドライバ15が、第1電極部31と第2電極部32との間に順バイアス方向の印加電圧を加え、発光駆動電圧ΔVFLを印加すると、第1発光素子部DELを発光する。第1電極ドライバ14は、逆バイアス方向にパルスが立ち上がる非点灯期間のパルス信号Stimを第1電極部31の全第1導電層に印加する。
【0152】
これにより、入力装置2は、複数の第1導電層の一部に駆動信号が印加されても、第1発光素子部DELの発光が抑制される。さらに、第1電極部31の全第1導電層へ印加する非点灯期間のパルス信号Stimのパルス幅を可変することで、第1発光素子部DELが点灯する点灯量を制御することができる。このように、入力装置2は、第1電極部31の駆動電極Txに駆動信号パルスSgが印加されても、意図しない第1発光素子部DELの発光を抑制することができる。
【0153】
(実施形態4の変形例1)
次に、
図1、
図6、
図7、
図45から
図49を用いて、実施形態4の変形例1に係る入力装置2の駆動制御について説明する。実施形態4の変形例1に係る入力装置2は、実施形態1の入力装置2を例示して説明するが、上述した実施形態1、実施形態2及び実施形態3と、これらの各変形例とで説明したいずれの入力装置にも適用することができる。
図45は、実施形態4の変形例1に係る第1駆動電極ドライバ及び第2駆動電極ドライバを説明するための説明図である。第1電極部31は、第1発光素子部DELのカソードであり、第2電極部32は、第1発光素子部DELのアノードである。なお、上述した実施形態1、実施形態2及び実施形態3と、これらの各変形例とで説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0154】
図
45に示すように、実施形態4に係る第1電極ドライバ14は、第1電極制御部141と、Txタイミング合成回路19と、Txバッファー16とを備える。第1電極制御部141は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、駆動信号Vtxを生成し、Txタイミング合成回路19へ供給する。制御部11は、EL点灯タイミング生成回路18へ、表示部9へ点灯させる表示同期信号Vpと点灯量信号Vgを与える。表示同期信号Vpは、表示の書き換えに同期させて第1発光素子部DELを発光させる要求信号であり、EL点灯タイミング生成回路18は、表示同期信号Vpの後に、点灯量信号Vgに基づいて、点灯期間のパルス信号ELreqを生成する。EL点灯タイミング生成回路18は、Txタイミング合成回路19へ、例えば点灯期間をハイレベル(H)とし、非点灯期間をローレベル(L)として第1発光素子部DELの点灯量に応じたパルス幅の点灯期間のパルス信号ELreqを生成し、供給する。
【0155】
第2電極ドライバ15は、第2電極制御部151と、電圧制御回路17とを備える。第2電極制御部151は、一定の電圧の電力を、電圧制御回路17へ供給する。電圧制御回路17は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、入力装置2の第2電極部32へ供給する電圧を制御する。
【0156】
実施形態4の変形例1に係る電圧制御回路17は、第1発光素子部DELが非点灯の状態の場合、第1電極部31の電圧Vkに対して第2電極部32の電圧Vaを近づけるようにしておき(
図47参照)、第1発光素子部DELが点灯の状態であってもこのまま電圧を維持しておく。第1電極ドライバ14は、第1電極部31と第2電極部32との間に、パルスの立ち上がり方向が逆バイアス方向の駆動信号パルスSgを印加する。これにより、駆動選択期間Htxに、駆動信号パルスSgが印加されても、逆バイアス方向の電圧差が第1電極部31と第2電極部32との間にかかるだけなので、第1発光素子部DELの発光が抑制される。そして、
図47に示すように、第1電極ドライバ14が、駆動電極Tx1から駆動電極Tx4を時分割的に線順次走査すると、駆動電極Tx1から駆動電極Tx4に印加されるいずれの駆動信号パルスSgによっても第1発光素子部DELの発光が抑制される。
【0157】
図46は、実施形態4の変形例1に係る駆動制御のタイミングチャートである。
図46に示すように、第1電極制御部141は、制御部11から駆動信号Vtxの前に要求信号Vtxinを受け取る。第1期間H1において、要求信号Vtxinが、表示同期信号Vp及び点灯期間のパルス信号ELreqに重ならない。
【0158】
第1期間H1において、EL点灯タイミング生成回路18からの点灯期間のパルス信号ELreqが点灯パルスSelを生成するため反転される。点灯期間のパルス信号ELreqの反転信号と駆動信号Vtxとが合成され、Txバッファー16へ与えられる。Txバッファー16は、スキャン方向Scanに順次選択された駆動電極Txn(第1電極部31の一部)に駆動信号パルスSgと点灯パルスSelとが合成された出力を供給する。
【0159】
駆動信号パルスSgと、点灯パルスSelとのパルスの立ち上がり方向は、基準電圧信号Srefに対して逆向きである。第1期間H1において、点灯パルスSelが順バイアス方向にパルスが立ち上がるパルスである。点灯パルスSelが印加されているとき、順バイアス方向の発光駆動電圧ΔVFLが第1電極部31と第2電極部32との間に印加され、第1発光素子部DELが発光する。点灯パルスSelは、複数のパルスからなり、パルス幅変調により第1発光素子部DELの発光量が制御されてもよい。
【0160】
第2期間H2において、要求信号Vtxinが、表示同期信号Vpに重なる。第2期間H2において、点灯期間のパルス信号ELreqが点灯パルスSelを生成するため反転される。そして、点灯期間のパルス信号ELreqの反転信号が、駆動信号Vtxよりも遅いタイミングで合成するように遅延した上で、駆動信号VtxとともにTxバッファー16へ与えられる。Txバッファー16は、スキャン方向Scanに順次選択された駆動電極Txn(第1電極部31の一部)に駆動信号パルスSgと点灯パルスSelとが合成された出力を供給する。第2期間H2においても、点灯パルスSelが入力装置2の第1電極部31に印加されると、第1発光素子部DELが発光する。このように、第1電極ドライバ14は、要求信号Vtxinと、表示同期信号Vpとが重なった場合は、駆動信号Vtxを駆動した後、点灯パルスSelを駆動する。
【0161】
第3期間H3において、要求信号Vtxin及び駆動信号Vtxのタイミングが、表示同期信号Vpに重ならないが点灯期間のパルス信号ELreqに重なる。第3期間H3において、点灯期間のパルス信号ELreqが点灯パルスSelを生成するため反転される。この点灯期間のパルス信号ELreqの反転信号は、要求信号Vtxinを受けた後から分割される。要求信号Vtxinよりも後に分割された、点灯期間のパルス信号ELreqの反転信号の一部が駆動信号Vtxの分だけ遅延させられる。
【0162】
Txバッファー16は、スキャン方向Scanに順次選択された駆動電極Txn(第1電極部31の一部)に第1点灯パルスSel1、駆動信号パルスSg及び第2点灯パルスSel2を供給する。第1点灯パルスSel1と駆動信号パルスSgと、のパルスの立ち上がり方向は、基準電圧信号Srefに対して逆向きである。第1点灯パルスSel1と第2点灯パルスSel2と、のパルスの立ち上がり方向は、基準電圧信号Srefに対して同じ向きである。第3期間H3において、駆動信号パルスSgは、第1点灯パルスSel1と第2点灯パルスSel2とに挟まれて印加される。第1点灯パルスSel1又は第2点灯パルスSel2が入力装置2の第1電極部31に印加されると、第1発光素子部DELが発光する。第1点灯パルスSel1又は第2点灯パルスSel2は、第1期間H1又は第2期間H2の点灯パルスSelを2分割した状態となっている。第1点灯パルスSel1又は第2点灯パルスSel2は、全体で第1期間H1又は第2期間H2の点灯パルスSelの発光量と同程度の発光をすることができる。このように、第1電極ドライバ14は、要求信号Vtxin及び駆動信号Vtxのタイミングが、表示同期信号Vpに重ならないが点灯期間のパルス信号ELreqに重なる場合は、駆動信号パルスSgの前後に、点灯パルスSelを駆動する。
【0163】
第4期間H4において、要求信号Vtxinのタイミングが、点灯期間のパルス信号ELreqに重なるが、駆動信号Vtxのタイミングが点灯期間のパルス信号ELreqに重ならない。第4期間H4において、EL点灯タイミング生成回路18からの点灯期間のパルス信号ELreqが点灯パルスSelを生成するため反転される。点灯期間のパルス信号ELreqの反転信号と駆動信号Vtxとが合成され、Txバッファー16へ与えられる。Txバッファー16は、スキャン方向Scanに順次選択された駆動電極Txn(第1電極部31の一部)に駆動信号パルスSgと点灯パルスSelとが合成された出力を供給する。第4期間H4において、駆動信号パルスSgは、点灯パルスSelの直後に印加される。点灯パルスSelと駆動信号Vtxに基づく駆動信号パルスSgとは、連続してしまうので、近接検出処理部40は、図
6に示す駆動信号パルスSgの立ち下がり時の波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|を検出する。
【0164】
図47は、第1発光素子が非点灯の状態において、1パルスの駆動信号で駆動する駆動制御のタイミングチャートである。上述した第4期間H4を考慮して、入力装置2は、近接検出処理部40が、
図47に示す矢印の駆動信号パルスSgの立ち下がり時の電圧差分を検出することが好ましい。
【0165】
図48は、第1発光素子が点灯の状態において、点灯駆動する点灯期間と1パルスの駆動信号とが重ならない場合の駆動制御のタイミングチャートである。
図49は、第1発光素子が点灯の状態において、点灯駆動する点灯期間と1パルスの駆動信号とが重なり、駆動信号の走査が点灯期間を追い越す場合の駆動制御のタイミングチャートである。上述したように、制御部11は、駆動選択期間Htxと点灯期間Hflは独立して設定される。このため、
図1に示す第1電極ドライバ14が、
図7に示す駆動電極Txを時分割的に線順次走査するように駆動した場合、
図48に例示するように、駆動電極Tx1からTx4の全てが同じ第1期間H1の場合がある。また、
図49に示すように、駆動電極Tx1が駆動する場合は第1期間H1であり、駆動電極Tx2が駆動する場合は第2期間H2である。また、
図49に示すように、駆動電極Tx3が駆動する場合は第3期間H3であり、駆動電極Tx4が駆動する場合は第4期間H4である。
【0166】
以上説明したように、第1電極ドライバ14は、順バイアス方向にパルスが立ち上がる点灯パルスSelを印加し、点灯パルスSelに応じて第1発光素子部DELを発光させる。入力装置2は、フロントライトとして機能する場合、点灯パルスSelに応じた発光量で第1発光素子部DELを発光させる。
【0167】
第1電極ドライバ14は、駆動信号パルスSgの前に通知される駆動信号パルスSgの要求信号Vtxinと、点灯パルスSelの前に通知される点灯パルスの要求信号(表示同期信号Vp)が重なった場合(第2期間H2の場合)は、第1電極部31に駆動信号パルスSgを印加した後、点灯パルスSelを第1電極部31に印加する。これにより、駆動信号パルスSgと、点灯パルスSelとが重ならず、駆動電極Txの駆動と、第1発光素子部DELの発光とを両立することができる。
【0168】
第1電極ドライバ14は、駆動信号パルスSgと、点灯パルスSelとが重なった場合(第3期間H3の場合)は、駆動信号パルスSgと、点灯パルスSelとが重なったタイミングで、点灯パルスSelを前後に分割した上で、分割された第1点灯パルスSel1、駆動信号パルスSg、分割された第2点灯パルスSel2の順に第1電極部31へ印加する。これにより、駆動信号パルスSgと、点灯パルスSelとが実質的に重ならず、駆動電極Txの駆動と、第1発光素子部DELの発光とを両立することができる。
【0169】
第1電極ドライバ14は、駆動信号パルスの要求信号Vtxinにのみ、点灯パルスSelとが重なった場合(第4期間H4の場合)は、点灯パルスSel、駆動信号パルスSgの順に第1電極部31へ印加する。これにより、駆動信号パルスSgと、点灯パルスSelとが実質的に重ならず、駆動電極Txの駆動と、第1発光素子部DELの発光とを両立することができる。
【0170】
第1期間H1、第2期間H2、第3期間H3、第4期間H4のいずれの期間においても、第1電極ドライバ14は、第1発光素子部DELの点灯、非点灯によらず駆動信号パルスSgを一定のタイミングで供給できる。これにより、第1発光素子部DELが点灯又は非点灯のいずれの状態であっても、入力装置2の近接検出の精度が変化しない。
【0171】
(実施形態4の変形例2)
次に、
図1、
図6、
図7、
図50から
図53を用いて、実施形態4の変形例2に係る入力装置2の駆動制御について説明する。実施形態4の変形例2に係る入力装置2は、実施形態1の入力装置2を例示して説明するが、上述した実施形態1、実施形態2及び実施形態3と、これらの各変形例とで説明したいずれの入力装置にも適用することができる。
図50は、実施形態4の変形例2に係る駆動制御のタイミングチャートである。なお、上述した実施形態1、実施形態2及び実施形態3と、これらの各変形例とで説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0172】
図50に示すように、駆動信号Vtxが各駆動電極Txに複数のパルスで印加されても、実施形態4の変形例1で説明したように駆動すれば、点灯駆動と、近接検出駆動とを両立することができる。第1電極ドライバ14は、
図50に示すように、駆動信号パルスSgが1回に2つ印加する。実施形態4の変形例2においても、駆動信号パルスSgと、点灯パルスSel(第1点灯パルスSel1、第2点灯パルスSel2)とのパルスの立ち上がり方向は、基準電圧信号Srefに対して逆向きである。この場合でも、第1電極ドライバ14は、第1期間H1、第2期間H2、第3期間H3及び第4期間H4毎の駆動をすることができる。実施形態4の変形例2に係る入力装置2の駆動制御の詳細は、実施形態4の変形例1に係る入力装置2の駆動制御と同じであるので、省略する。
【0173】
図51は、第1発光素子が非点灯の状態において、複数パルスの駆動信号で駆動する駆動制御のタイミングチャートである。上述した第4期間H4を考慮して、入力装置2は、近接検出処理部40が、
図51に示す矢印の駆動信号パルスSgの立ち下がり時の電圧差分を検出することが好ましい。
【0174】
図52は、第1発光素子が点灯の状態において、点灯駆動する点灯期間と複数パルスの駆動信号とが重ならない場合の駆動制御のタイミングチャートである。
図53は、第1発光素子が点灯の状態において、点灯駆動する点灯期間と複数パルスの駆動信号とが重なり、駆動信号の走査が点灯期間を追い越す場合の駆動制御のタイミングチャートである。上述したように、制御部11は、駆動選択期間Htxと点灯期間Hflは独立して設定される。このため、
図1に示す第1電極ドライバ14が、
図7に示す駆動電極Txを時分割的に線順次走査するように駆動した場合、
図52に例示するように、駆動電極Tx1からTx2の全てが同じ第1期間H1の場合がある。また、
図53に示すように、駆動電極Tx1が駆動する場合は第3期間H3であり、駆動電極Tx2が駆動する場合も第3期間H3である。このように、第1電極ドライバ14は、点灯が要求されている期間に、駆動電極Txを時分割で走査する場合は、駆動信号パルスSgの印加を優先し、点灯パルスSelを駆動信号の印加よりも遅らせる。これにより、駆動信号パルスSgと、点灯パルスSelとが実質的に重ならず、駆動電極Txの駆動と、第1発光素子部DELの発光とを両立することができる。
【0175】
(実施形態4の変形例3)
次に、
図1、
図6、
図7、
図54から
図57を用いて、実施形態4の変形例3に係る入力装置2の駆動制御について説明する。実施形態4の変形例3に係る入力装置2は、実施形態1の入力装置2を例示して説明するが、上述した実施形態1、実施形態2及び実施形態3と、これらの各変形例とで説明したいずれの入力装置にも適用することができる。
図54は、実施形態4の変形例3に係る駆動制御のタイミングチャートである。なお、上述した実施形態1、実施形態2及び実施形態3と、これらの各変形例とで説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0176】
図54に示すように、駆動信号Vtxが各駆動電極Txに複数のパルスで印加されても、実施形態4の変形例2で説明したように、第1期間H1、第2期間H2、第4期間H4において同じ駆動をすれば、第1期間H1、第2期間H2、第4期間H4において、点灯駆動と、近接検出駆動とを両立することができる。第1期間H1、第2期間H2、第4期間H4において、駆動信号パルスSgと、点灯パルスSelとのパルスの立ち上がり方向は、基準電圧信号Srefに対して逆向きである。実施形態4の変形例3に係る入力装置2と、実施形態4の変形例2に係る入力装置2とは、第3期間H3での駆動が異なる。実施形態4の変形例3に係る入力装置2の第1期間H1、第2期間H2、第4期間H4における駆動制御の詳細は、実施形態4の変形例1及び実施形態4の変形例2に係る入力装置2の駆動制御と同じであるので、省略する。
【0177】
第1電極制御部141は、第1点灯パルスSel1と第2点灯パルスSel2と第3点灯パルスSel3とを生成する。第1点灯パルスSel1と第2点灯パルスSel2との間には、駆動信号パルスSgが印加される。第2点灯パルスSel2と第3点灯パルスSel3との間には、駆動信号パルスSgが印加される。
【0178】
図54に示すように、第1期間H1、第2期間H2又は第4期間H4における駆動信号パルスSgのロー電圧は、基準電圧信号Srefの電圧となる。これに対して、第3期間H3における駆動信号パルスSgのロー電圧は、基準電圧信号Srefよりも低電圧であって、第1点灯パルスSel1のロー電圧となる。第3期間H3において、駆動電極Txnには、点灯パルスSel1の印加後、すぐに駆動信号パルスSgを印加する。第3期間H3のハイ電圧は、第1期間H1、第2期間H2又は第4期間H4における駆動信号パルスSgのハイ電圧よりも低電圧にすることができる。
【0179】
第1点灯パルスSel1の立ち上げ方向と、駆動信号パルスSgのパルスの立ち上げ方向とは逆向きである。このため、第1電極ドライバ14は、第1点灯パルスSel1のパルスの立ち下げと駆動信号パルスSgのパルスの立ち上げとを連続して印加することができる。
【0180】
駆動信号パルスSgのパルスの立ち上げ方向と第2点灯パルスSel2の立ち上げ方向とは逆向きである。このため、第1電極ドライバ14は、駆動信号パルスSgのパルスの立ち下げと第2点灯パルスSel2のパルスの立ち上げとを連続して印加することができる。また、第1電極ドライバ14は、第2点灯パルスSel2のパルスの立ち下げと、次の駆動信号パルスSgのパルスの立ち上げとを連続して印加することができる。
【0181】
駆動信号パルスSgのパルスの立ち上げ方向と第3点灯パルスSel3の立ち上げ方向とは逆向きである。このため、第1電極ドライバ14は、駆動信号パルスSgのパルスの立ち下げと第3点灯パルスSel3のパルスの立ち上げとを連続して印加することができる。
【0182】
図50に示すタイミングチャートと比較して、
図54に示すタイミングチャートは、第3期間H3における点灯駆動の遅れを抑制できることが分かる。
【0183】
第3期間H3において、第1点灯パルスSel1、第2点灯パルスSel2、第3点灯パルスSel3が第1電極部31に印加されると、第1発光素子部DELが発光する。駆動信号パルスSgは、第1点灯パルスSel1と第2点灯パルスSel2と第3点灯パルスSel3とにそれぞれ挟まれて印加される。このように、第1電極ドライバ14は、第3期間H3において、駆動信号パルスSgの前後に、点灯パルスSelを駆動する。
【0184】
図55は、第1発光素子が非点灯の状態において、複数パルスの駆動信号で駆動する駆動制御のタイミングチャートである。上述した第4期間H4を考慮して、入力装置2は、近接検出処理部40が、
図55に示す矢印の駆動信号パルスSgの立ち下がり時の電圧差分を検出することが好ましい。
【0185】
図56は、第1発光素子が点灯の状態において、点灯駆動する点灯期間と複数パルスの駆動信号とが重ならない場合の駆動制御のタイミングチャートである。
図57は、第1発光素子が点灯の状態において、点灯駆動する点灯期間と複数パルスの駆動信号とが重なり、駆動信号の走査が点灯期間を追い越す場合の駆動制御のタイミングチャートである。上述したように、制御部11は、駆動選択期間Htxと点灯期間Hflは独立して設定される。このため、
図1に示す第1電極ドライバ14が、
図7に示す駆動電極Txを時分割的に走査するように駆動した場合、
図56に例示するように、駆動電極Tx1からTx2の全てが同じ第1期間H1の場合がある。また、
図57に示すように、駆動電極Tx1が駆動する場合は第3期間H3であり、駆動電極Tx2が駆動する場合も第3期間H3である。このように、第1電極ドライバ14は、点灯が要求されている期間に、駆動電極Txを時分割的に走査するは、駆動信号の印加を優先し、点灯パルスSelを駆動信号の印加よりも遅らせる。
【0186】
上述したように、実施形態4の変形例3に係る入力装置2は、実施形態4の変形例2よりも第3期間H3において、点灯パルスSelを駆動信号の印加よりも遅らせる時間を短くすることができる。これにより、実施形態4の変形例3に係る入力装置2は、1回に各駆動電極Txに印加される複数のパルスの数を増やすことができる。
【0187】
以上説明した、第1電極部31が第1発光素子部DELのカソードであり、第2電極部32が第1発光素子部DELのアノードである実施形態4の各変形例は、第1電極部31が第1発光素子部DELのアノードであり、第2電極部32が第1発光素子部DELのカソードであってもよい。
【0188】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
【0189】
例えば、発光層22は、有機層に限られず、無機層であってもよい。また発光層は、発光ダイオードであってもよい。発光層22は、複数層を蒸着することで白色発光をするものでも、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各発光層が別々に形成されたものであってよい。赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のように複数色を同一平面上に並べて白表示を得る発光層22の場合、各色の発光素子部によって最適な電流値が異なる。入力装置2は、各色の発光素子部によって電流値を最適化する場合、第1電極部31の同じ導電層上には同じ色の発光素子部を配置すると、電流値を最適化しやすい。
【0190】
また、上述した、第1電極部31の第1導電層、第2電極部32の第2導電層、第3電極部の第3導電層、第4導電層35、35G、35H、第5導電層35C、35D、35Eは、それぞれ単層であっても複数の層が積層されていてもよい。
【0191】
例えば、実施形態1、2、3、4及び各変形例に係る入力装置2は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラ等のあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、実施形態1、2、3、4及び各変形例に係る入力装置2と、表示部9とを備える近接検出機能付き表示装置1は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0192】
(本態様の構成)
また、本実施形態は、以下の構成をとることもできる。
【0193】
(1)第1面及び第2面を備える第1基板と、
前記第2面側に形成される導電性の第1電極部と、前記第1電極部と異なる層に形成される導電性の第2電極部と、前記第1電極部の少なくとも一部に電気的に接し、前記第1電極部と前記第2電極部との間に形成され、前記第1電極部の少なくとも一部と電気的に接する発光層と、を含む第1発光素子部と、
前記第1電極部と絶縁されて形成され、前記第1面に平面視で重なり合う位置の近接物体の座標に応じて変化する前記第1電極部との間の電界の変化を検出するための第3電極部と、を備える入力装置。
【0194】
(2)前記第1電極部は、1つの層に形成される複数の第1導電層を備え、
前記第2電極部は、平面視で、複数の第1導電層と重なり合う大きさを有する第2導電層を備える、(1)に記載の入力装置。
【0195】
(3)前記第3電極部は、1つの層に形成される複数の第3導電層を備える、(1)又は(2)に記載の入力装置。
【0196】
(4)前記第1電極部は、1つの層に形成される複数の第1導電層を備え、
前記第2電極部は、平面視で、複数の第1導電層と重なり合う大きさを有する第2導電層を備え、
前記第3電極部は、前記第1導電層とは異なる層であって、かつ1つの層に形成される複数の第3導電層を備える、
(1)に記載の入力装置。
【0197】
(5)前記第1導電層は、平面視で一方向に連続して延びる形状を備え、前記発光層に前記第1導電層の形状に沿って接しており、
前記第1発光素子部は、前記第1導電層の形状に沿った発光が可能である、(4)に記載の入力装置。
【0198】
(6)前記第1電極部は、1つの層に形成される複数の第1導電層を備え、
前記第2電極部は、平面視で、複数の第1導電層と重なり合う大きさを有する第2導電層を備え、
前記第3電極部は、前記第1導電層と同層に形成される複数の第3導電層を備える、
(1)に記載の入力装置。
【0199】
(7)前記第1導電層は、絶縁層を介して前記発光層に積層され、かつ平面視で一方向に連続して延びる形状を備え、
前記第3導電層は、前記発光層に前記絶縁層を介して積層され、かつ平面視で前記第1導電層と交差する交差方向に連続して延びる形状を備え、
前記第1導電層と前記第3導電層とが交差する部分には、前記第3導電層で分断された前記第1導電層の端部同士を接続し、前記第3導電層と絶縁された状態で前記第3導電層を跨ぐ導電性の第4導電層を複数備え、
前記第4導電層は、前記発光層の一部と第1コンタクト部で電気的に接続されている、(5)に記載の入力装置。
【0200】
(8)前記第1導電層は、絶縁層を介して前記発光層に積層され、かつ平面視で点在する島状であり、
前記第1導電層と前記第3導電層とが交差する部分には、前記第3導電層を挟む前記第1導電層の端部同士を接続し、前記第3導電層と絶縁された状態で前記第3導電層を跨ぐ導電性の第4導電層を複数備え、前記第4導電層で接続される方向が一方向に延び、
前記第3導電層は、前記発光層に前記絶縁層を介して積層され、かつ平面視で前記第4導電層で接続される方向と交差する交差方向に連続して延びる形状を備え、
前記第4導電層は、前記発光層の一部と第1コンタクト部で電気的に接続されている、(5)に記載の入力装置。
【0201】
(9)前記第1電極部の第1導電層の外形形状は、平面視で、絶縁されつつ、複数の前記第3導電層のうち隣合う前記第3導電層の間の開口を埋める形状である、(8)に記載の入力装置。
【0202】
(10)前記第1導電層及び前記第2導電層は、透光性導電材料である、(8)又は(9)に記載の入力装置。
【0203】
(11)前記第1発光素子部は、前記第4導電層が前記発光層と接している形状に沿った発光が可能である、(7)乃至(10)のいずれか1つに記載の入力装置。
【0204】
(12)前記第1発光素子部は、前記発光層よりも前記第1面寄りに第1遮光部を備える、(1)乃至(11)のいずれか1つに記載の入力装置。
【0205】
(13)前記第1遮光部は、前記第1導電層と同層に形成され、前記交差方向に前記第1導電層の幅が広がる幅広部分であり、前記交差方向の長さは、前記第4導電層の交差方向の最大長さより長い、(12)に記載の入力装置。
【0206】
(14)前記第1遮光部は、金属光沢を有する金属材料で形成されている(11)又は(12)に記載の入力装置。
【0207】
(15)前記第4導電層は、金属光沢を有する金属材料で形成されている(7)乃至(11)のいずれか1つに記載の入力装置。
【0208】
(16)前記発光層は、前記第1コンタクト部の前記第2面と平行な断面の面積が、前記第2面に近づくにつれて小さくなるように凸部が形成されており、
前記第4導電層は、金属光沢を有する金属で形成され、前記凸部の側面が前記第2面に対して傾斜する傾斜面を覆う、(15)に記載の入力装置。
【0209】
(17)隣合う前記第3導電層の間に延びる前記第1導電層の一部と接続し、前記発光層の一部と電気的に接続されている第2コンタクト部を備える第2発光素子部をさらに備える、(7)乃至(16)のいずれか1つに記載の入力装置。
【0210】
(18)前記第1導電層は、透光性導電材料で形成され、前記第1導電層の一部が導電性の第5導電層を介して、前記発光層に接続している、(17)に記載の入力装置。
【0211】
(19)前記第2発光素子部は、前記発光層よりも前記第1面寄りに第2遮光部を備え、
前記第2遮光部は、前記第1導電層と同層に形成され、前記交差方向に前記第1導電層の幅が広がる幅広部分であり、前記第2遮光部の前記交差方向の長さは、前記第2コンタクト部の交差方向の最大長さより長い、(17)に記載の入力装置。
【0212】
(20)1つの前記第2発光素子部は、1つの前記第1発光素子部よりも発光面積が大きい、(17)乃至(19)のいずれか1つに記載の入力装置。
【0213】
(21)前記第2発光素子部を複数備え、前記第1面の中央寄りの前記第2発光素子部が、前記第1面の端寄りの前記第2発光素子部よりも面積が大きい、(17)乃至(20)のいずれか1つに記載の入力装置。
【0214】
(22)前記第2発光素子部を複数備え、前記第1面の中央寄りの前記第2発光素子部が、前記第1面の端寄りの前記第2発光素子部よりも単位面積当たりの数が多い、(17)乃至(21)のいずれか1つに記載の入力装置。
【0215】
(23)前記第1導電層は、絶縁層を介して前記発光層に積層され、かつ平面視で一方向に連続して延びる形状を備え、
前記第3導電層は、かつ平面視で前記第1導電層と交差する交差方向に連続して延びる形状を備え、
前記発光層は、平面視で、複数の前記第1導電層と重なり合う大きさを有し、かつ前記第2面側に突出する複数の凸部を備え、
前記第1導電層の一部が前記凸部を介して、前記発光層に接続し、
前記第1発光素子部は、前記第4導電層が前記発光層と接している形状に沿った発光が可能である、(4)に記載の入力装置。
【0216】
(24)前記第1導電層は、絶縁層を介して前記発光層に積層され、かつ平面視で一方向に連続して延びる形状を備え、
前記第3導電層は、かつ平面視で前記第1導電層と交差する交差方向に連続して延びる形状を備え、
前記発光層は、平面視で、複数の前記第1導電層と重なり合う大きさを有し、かつ前記第2面側に突出する複数の凸部を備え、
前記第1導電層の一部が導電性の第4導電層を介して、前記発光層の凸部に接続している、(4)に記載の入力装置。
【0217】
(25)前記第4導電層は、金属光沢を有する金属で形成され、1つの前記発光層の前記凸部の側面が前記第2面に対して傾斜する傾斜面を覆う、(24)に記載の入力装置。
【0218】
(26)前記第1導電層は、絶縁層を介して前記発光層に積層され、かつ平面視で一方向に連続して延びる形状を備え、
前記第3導電層は、かつ平面視で前記第1導電層と交差する交差方向に連続して延びる形状を備え、
前記第1導電層の一部が導電性の第4導電層を介して、前記発光層に接続し、
前記第1発光素子部は、前記第4導電層が前記発光層と接している形状に沿った発光が可能である、(4)に記載の入力装置。
【0219】
(27)前記発光層は、平面視で複数島状に配置され、1つの前記発光層が1つの前記第1導電層と重なり合い、かつ、前記第4導電層の面積以下となっている(26)に記載の入力装置。
【0220】
(28)前記発光層は、有機発光層である、(1)乃至(27)のいずれか1つに記載の入力装置。
【0221】
(29)前記第1電極部、前記第2電極部及び第3電極部が、前記第1基板の第2面側にある、(1)乃至(28)のいずれか1つに記載の入力装置。
【0222】
(30)前記第3電極部が前記基板の第1面側にあり、前記第1電極部及び前記第2電極部が、前記第1基板の第2面側にある、(1)乃至(4)、(23)乃至(27)のいずれか1つに記載の入力装置。
【0223】
(31)前記第1基板の前記第1面と対向するカバー基板を備え、前記第3電極部が前記カバー基板にある、(30)に記載の入力装置。
【0224】
(32)第1面及び第2面を備える第1基板と、
前記第2面側に形成される導電性の第1電極部と、前記第1電極部と異なる層に形成される導電性の第2電極部と、前記第1電極部の少なくとも一部に電気的に接し、前記第1電極部と前記第2電極部との間に形成され、前記第2導電層の少なくとも一部と電気的に接する発光層と、を含む第1発光素子部と、
前記第1電極部と絶縁されて形成され、前記第1面に平面視で重なり合う位置の座標入力に応じて前記第1電極部との間の電界の変化を外部へ出力可能な第3電極部と、を備え、
前記第1電極部は、1つの層に形成される複数の第1導電層を備え、
前記第2電極部は、平面視で、複数の第1導電層と重なり合う大きさを有する第2導電層を備え、
前記第1発光素子部が発光する前記第1導電層と前記第2導電層との間の順バイアス方向の印加電圧に対して逆方向である逆バイアス方向にパルスが立ち上がる駆動信号パルスが前記複数の第1導電層の一部に印加される、入力装置。
【0225】
(33)前記第1電極部に電圧を供給する第1電極ドライバと、
前記第2電極部に電圧を供給する第2電極ドライバと、
前記第1基板の第1面に平面視で重なり合う位置の近接物体の座標に応じて変化する第1電極部と前記第3電極部との間の電界の変化を前記駆動信号パルスに応答する近接検出信号として処理する近接検出処理部と、をさらに備え、
前記第1電極ドライバは、前記第1電極部の一部を駆動電極として時分割で走査し、前記駆動信号パルスを走査した前記第1電極部の一部に供給する、(32)に記載の入力装置。
【0226】
(34)前記第1電極部に電圧を供給する第1電極ドライバと、
前記第2電極部に電圧を供給する第2電極ドライバと、
前記第1基板の第1面に平面視で重なり合う位置の近接物体の座標に応じて変化する第1電極部と前記第3電極部との間の電界の変化を前記駆動信号パルスに応答する近接検出信号として処理する近接検出処理部と、をさらに備え、
前記第2電極ドライバは、前記第1電極部と前記第2電極部との間に順バイアス方向の印加電圧を加え、前記第1発光素子部を発光させる、(32)又は(33)に記載の入力装置。
【0227】
(35)前記第1電極ドライバは、前記逆バイアス方向にパルスが立ち上がる非点灯期間のパルス信号を前記第1電極部に印加する、(34)に記載の入力装置。
【0228】
(36)前記第1電極部に電圧を供給する第1電極ドライバと、
前記第2電極部に電圧を供給する第2電極ドライバと、
前記第1基板の第1面に平面視で重なり合う位置の近接物体の座標に応じて変化する前記第1電極部と前記第3電極部との間の電界の変化を前記駆動信号パルスに応答する近接検出信号として処理する近接検出処理部と、をさらに備え、
前記第1電極ドライバは、前記順バイアス方向にパルスが立ち上がる点灯パルスを印加し、前記点灯パルスに応じて前記第1発光素子部を発光させる、(32)又は(33)に記載の入力装置。
【0229】
(37)前記第1電極ドライバは、前記駆動信号パルスの前に通知される前記駆動信号パルスの要求信号と、前記点灯パルスの前に通知される前記点灯パルスの要求信号が重なった場合は、前記第1電極部に前記駆動信号パルスを印加した後、前記点灯パルスを前記第1電極部に印加する、(36)に記載の入力装置。
【0230】
(38)前記第1電極ドライバは、前記駆動信号パルスと、前記点灯パルスとが重なった場合は、前記駆動信号パルスと、前記点灯パルスとが重なったタイミングで、前記点灯パルスを前後に分割した上で、分割された第1点灯パルス、前記駆動信号パルス、分割された第2点灯パルスの順に前記第1電極部へ印加する、(36)に記載の入力装置。
【0231】
(39)前記第1電極ドライバは、前記第1点灯パルスのパルスの立ち下げと前記駆動信号パルスのパルスの立ち上げとを連続して印加する、(38)に記載の入力装置。
【0232】
(40)前記第1電極ドライバは、前記駆動信号パルスの前に通知される前記駆動信号パルスの要求信号にのみ、前記点灯パルスが重なった場合は、前記点灯パルス、前記駆動信号パルスの順に前記第1電極部へ印加する、(36)に記載の入力装置。
【0233】
(41)第1面及び第2面を備える第1基板と、
前記第2面側に形成される導電性の第1電極部と、前記第1電極部と異なる層に形成される導電性の第2電極部と、前記第1電極部の少なくとも一部に電気的に接し、前記第1電極部と前記第2電極部との間に形成され、前記第1電極部の少なくとも一部と電気的に接する発光層と、を含む第1発光素子部と、
前記第1電極部と絶縁されて形成され、前記第1面に平面視で重なり合う位置の近接物体の座標に応じて変化する前記第1電極部との間の電界の変化を検出するための第3電極部と、を備える入力装置と、
前記入力装置の前記第2面側に配置され、前記第1面側に画像を表示可能な表示部を備える表示装置。