(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
塗布幅の範囲と粘度の範囲に対応してエアー圧力値を記憶するエアー圧値設定条件テーブル,塗布幅の範囲と粘度の範囲に対応して液圧を記憶する液圧値設定条件テーブル,および塗布幅の範囲に対応して吐出孔開度を記憶する開度設定条件テーブルを格納する記憶装置をさらに備え,
前記制御装置は前記各設定条件テーブルを参照してエアー圧力値,液圧値および吐出孔開度を設定する,
請求項1に記載のスプレイ塗布装置。
【実施例】
【0019】
図1はスプレイ塗布システムの全体的構成の概要を示すものである。
【0020】
スプレイ塗布システム10のハウジング19は機台19A上に設けられ,前面に作業口10Aを有している。ハウジング19内には塗装の対象物9が置かれる。対象物9の上方には,塗布バルブ装置20が配置され,この塗布バルブ装置20はロボット装置14によって支持され,かつX,Y,Z方向の3次元方向に移動可能である。ハウジング19の上部前面には,制御盤21,表示ランプ,操作ボタン等が配置される。ハウジング19の側面(
図1において右側)のやや上部には,液体塗装材料タンク29,流量計24等が設けられている。ハウジング19の側面の中間の高さ位置には,制御装置(コンピュータ・システム)11およびCRT表示装置12が設けられている。
【0021】
図2および
図3は塗布バルブ装置20の全体的構成を示す縦断面図であり,
図2は吐出孔(ノズル孔)が閉じ,塗布バルブ装置20が液吐出動作を停止している状態を示し,
図3は,吐出孔が開き,液を吐出している状態を示す。
図4は,液体吐出ノズルおよびエクステンション部分の拡大図であり,液吐出状態(
図3に対応)を示している。
図5は
図4のV−V線に沿う拡大断面端面図である。
図6および
図7は液体吐出ノズルを中心とする部分をさらに拡大して示すものであり,
図6は液吐出動作停止状態(
図2相当),
図7は液吐出状態(
図3相当)を示している。
【0022】
図2および
図3において,塗布バルブ装置20のやや下部の位置にフルイドボディ30があり,このフルイドボディ30から下方に向ってエクステンション部40を経て液体吐出ノズル51に至る。フルイドボディ30の上部は駆動部となっている。
【0023】
拡大した
図4および
図5を参照してフルイドボディ30とエクステンション部40について述べる。フルイドボディ30には,液体塗布材料導入孔31と圧縮霧化エアー(空気)導入孔34とが横方向に形成されている。導入孔31には液体塗布材料供給管32が接続されている。導入孔34には圧縮霧化エアー供給管35が接続されている。フルイドボディ30のこれらの導入孔31,34と交叉しない箇所を,
図4の下から上に向って,貫通する複数本のボルト(図示略)によってフルイドボディ30はその上方のシリンダジョイント61に固定されている。
【0024】
液体塗布材料導入孔31は,フルイドボディ30の中心部において下方に曲って延びている(この部分を中心孔33という)。中心孔33の横断面は円形である。圧縮霧化エアー導入孔34もまた,中心孔33とは離隔した位置で下方に曲って延びている(この部分を連通孔36という)。中心孔33内には,中心孔33の内面との間に間隙をあけて液体吐出ニードル50が通っている。フルイドボディ30の中心孔33よりも上部にはOリングを含む軸受部37が設けられている。ニードル50は軸受部37のOリングによって気密を保って上下動自在に支持されている。
【0025】
フルイドボディ30の下部にはボス30Aが下方に突出して形成され,このボス30Aに下方に伸びるエクステンション外管42の上端部が螺合により固定されている。フルイドボディ30の中心孔33の下部内面に雌ねじが形成され,この雌ねじにエクステンション内管41の上端部の雄ねじが螺合して固定されている。ニードル50はエクステンション内管41の内面との間にわずかの間隙をあけて通り,下方に延びている。エクステンション内管41とエクステンション外管42との間には断面円環状の圧縮エアー供給路43が形成されている。圧縮エアー供給路43は連通孔36により圧縮エアー導入孔34につながっている。
【0026】
エクステンション内管41の下端部には吐出ノズル51が螺合により固定されている。吐出ノズル51は中心部に断面円形の吐出孔51Aを有し,この吐出孔51Aは先端にいくほど細くなっている。他方,液体吐出ニードル50の断面は円形であり,その先端部50Aは先端にいくほど細くなり,先端が尖っている。この先端部50Aの断面も円形である。ニードル50が進出した状態では,
図6に示すように,ニードル50の先端部50Aの一部はノズル51の吐出孔51Aよりも外方(下方)に突出し,先端部50Aの大部分はノズル51の吐出孔51Aの内面にぴったりと密着し,液体塗布材料の吐出を停止させる(液吐出動作停止状態)。
【0027】
ニードル50が退入した状態では,
図7に示すように,ニードル50の先端部50Aの外面と吐出ノズル51の吐出孔51Aの内面との間に間隙が生じ,液体塗布材料の吐出(噴出)が可能な状態となる(吐出動作状態)。ニードル先端部50Aとノズルの吐出孔51Aとの間の間隙の大きさは(これを開度という)吐出する液体の量(後述する塗布幅)を制御するパラメータの一つである。
【0028】
エクステンション外管42の先端部(下端部)にはエアーキャップ52が螺合により固定されている。エアーキャップ52は吐出ノズル51の全体を間隙をあけて覆い,内面に噴出する圧縮エアーを収束させる収束内壁53を有し,先端にノズル51の吐出孔51Aよりもかなり大きい開口52Aがあけられている。さらに,エアーキャップ52には,ニードルカバー54が螺合により固定されている。ニードルカバー54は外方に向って開いている。
【0029】
エクステンション内管41と外管42との先端部において,これらの間の圧縮エアー供給路43内には,スクリューアダプター45が収められ,固定(たとえば接着)されている。スクリューアダプター45は
図8および
図9に拡大して示すように,周面に5つのスクリュー溝46が形成されたもので,これらのスクリュー溝46は軸方向に15〜25度の傾斜角度を有している。そして,中心には内管41がぴったり入る孔47があけられている。このスクリューアダプター45は,供給路43内を流れる霧化圧縮エアーに旋回流を形成させ,ノズル51の吐出孔51Aとニードル50の先端部51Aとの間隙から吐出する液体の微粒化を促進させる。
【0030】
すなわち,後述するように圧力調整された液体塗布材料は供給管32,導入孔31,中心孔33を経て,エクステンション内管41内のニードル50との間の間隙を通って吐出ノズル51に供給される。一方,圧力調整された圧縮霧化エアーは,供給管35,導入孔34,連通孔36を経てエクステンション内管41と外管42との間の圧縮エアー供給路43に供給され,スクリューアダプター45により旋回流エアーとなって,吐出ノズル51を覆うエアーキャップ52内に吹き出す。吐出ノズル51から吐出される液体の霧化粒子は,エアーキャップ52の内壁53に沿ってその周囲を収束しながら旋回するエアーによって一定幅に収束され,噴出流スプレイパターンSPを形成する。旋回する圧縮エアーはノズル51から噴出する液体の霧化粒子の飛散を防止する。
【0031】
次に主に,
図2,
図3を参照して液体吐出ニードル50の駆動部について説明する。
【0032】
シリンダジョイント61の上に,ジョイント62,さらにその上にシリンダ63が一直線上に配置され,かつこれらはボルト(図示略)により相互に固定的に連結されている。シリンダ63の上にリニアアクチュエータ70が配置され,ボルトによりシリンダ63に固定されている。リニアアクチュエータ70は吐出ノズル51の開度を制御するものである。リニアアクチュエータ70から下方に進退自在に突出するアジャスタシャフト71は一種のストッパとして働き,その下端面の位置が開度を決定する。
【0033】
シリンダ63の内部にはピストン64が摺動自在に収められており,ピストン64の中心にピストン棒65が固定されている。ピストン棒65の下部はニードル50の上部とカップリング66により固定的に連結(結合)されている。ピストン棒65の上部はピストン64を突き抜け,上端部にピストンキャップ68が設けられている。ピストンキャップ68はアジャスタシャフト71の下端面に接しうる位置にある。カップリング66はシリンダジョイント61内に形成された円筒孔内を上下動自在である。シリンダ63内のコイルスプリング69がピストン64を常時下方に付勢している。シリンダ63の内部(ピストン64の下方の空間)には,ジョイント62に設けられた圧縮エアー供給管67から供給される圧縮エアーがジョイント62内の供給孔を通して送られる。
【0034】
リニアアクチュエータは,たとえばモータとモータの回転をアジャスタシャフト71の軸方向運動(移動)に変換する機構(たとえば,モータによって回転されるボールねじとボールねじに嵌合するナット)とを含む。
【0035】
シリンダ63内に圧縮エアーが供給されていない状態では,
図2に示すように,スプリング69の力によってピストン64が下方に押され,ピストン64はジョイント62に接している。この状態では,ピストン64に固定されたピストン棒65にカップリング66により連結されたニードル50が下降した位置にあり,ニードル50の先端部50Aは吐出ノズル51を閉じている(
図6に示す状態)。
【0036】
圧縮エアーが供給されると,
図3に示されるように,ピストン64はスプリング69の付勢力に抗して上昇し,これによりピストン棒65も上昇して,キャップ68がアジャスタシャフト71の下端面に当って止る。したがって,ニードル50の上昇はアジャスタシャフト71の下端面の位置によって定まる。ニードル50の下端部50Aの外周面は吐出ノズル51の吐出孔51A内面から離れ,液体が吐出する(
図7に示す状態)。吐出ノズル51の開度はアジャスタシャフト71の下端面の位置によって定まる。すなわち,吐出ノズル51の開度はリニアアクチュエータ70によって制御される。
【0037】
図10から
図12は塗布準備装置を示すものである。
図10を参照して,塗布準備装置80は清掃ステーション81,待機ステーション82および捨て吹きステーション83を備えている。清掃ステーション81において容器内にスポンジが嵌め入れられている。ロボット装置14により塗布バルブ装置20が水平方向に移動するときに,ニードルカバー54をスポンジに擦りつけ,掃除(塗布材料の除去)する。待機ステーション82に置かれた容器(溶剤函)には溶剤が入れられる。塗布バルブ装置20は待機しているときにこのステーション82において,下降し,その下部にある吐出ノズル51を含む部分を溶剤内に浸している。これにより塗布材料が固化するのが防止される。待機ステーション82から動き始めるときに,塗布バルブ装置20はロボット装置14により捨て吹きステーション83の上方に移動させられ,この捨て吹きステーション83の容器の上方で,バルブ51から塗布液体材料を吐出する。吐出された液体材料はドレイン83Aに溜められる。捨て吹きによってその後の均一な塗布が期待される。
【0038】
捨て吹きステーション83で捨て吹きされているスプレイパターンSPの濃度,幅および方向が検知される。すなわち,
図11,
図12に示すように濃度検出器84は,1対の投光器84Aと受光器84Bとから構成される。投光器84Aはレーザ光L1を投射し,受光器84Bはこのレーザ光L1を受光してその強度を表わす信号を出力する。濃度検出器84のレーザ光L1が捨て吹きされるスプレイパターンSPの中央を通るようにその光路が定められ,そのように投受光器84A,84Bが位置決め,配置され,固定される。受光器84Bの出力信号に基づいて,出力信号の強度が許容範囲(任意に設定できる)の外に出たとき,エラーと判定される。
【0039】
幅検出器85は,2対の投受光器86A,86Bおよび87A,87Bを備え,これらは次のように位置決め,配置され,固定される。すなわち,
図11,
図12に示されるように,投光器86A,87Aから出射する2つのレーザ光L2,L3は交叉し,捨て吹きステーション83上で,2つのレーザ光L2,L3の間の間隙が徐々に変化する。これらのレーザ光L2,L3は受光器86B,87Bによって検出される。塗装バルブ装置20はロボット装置14により,受光器86B,87Bと投光器86A,87Aとを結ぶ方向(
図11に示すX方向の逆方向。X方向でもよい。)に少しずつ移動しながら,各位置で捨て吹きが行なわれる。このときのスプレイパターンが
図11にSP1,SP2,SP3,SP4,SP5,SP6等で示されている。スプレイパターンの一部がレーザ光L2,L3のビーム径内に入るとこれらのレーザ光の受光強度が低下するので,X方向の逆方向に移動していってレーザ光L2,L3の受光強度が所定値まで低下したX位置がスプレイパターンの径,すなわち塗布幅を表わす。レーザ光L2とL3の受光強度の変化が大きく異なる場合には,スプレイパターンは傾いている(方向検知)ことになる。この場合には,一般にはエラーとして処理する。
【0040】
以上のようにして,塗布前に,スプレイパターンの濃度,幅,方向を事前に確認することができる。
【0041】
図13は主に塗布液体材料およびエアーの配管系統を示す図であり,
図14は主に電気的制御系統を示す図である。スプレイ塗装システム10の全体の制御は制御装置(コンピュータシステム,メモリを含む)11によって統括される(
図14)。制御装置11には表示装置12および入力装置13(キーボード,マウス,表示装置を含む)が付随している。表示装置12は入力装置13の一部を兼ねる。液体およびエアーの制御は主に制御盤21によって行なわれる(
図13,
図14)。
【0042】
まず,
図13を参照して,
図14に時々言及しながら液体およびエアーの制御系(調整系)および電気的制御系について説明する。液体塗布材料はタンク29に貯えられ,所与の圧力で配管92,93を通してフルイドボディ30の液体塗布材料導入孔31に供給される。すなわち,タンク29は配管92,93によりフルイドボディ30の供給管32に接続されている。配管92と93の間にはコリオリ式流量計24が設けられている。この流量計24が測定した流量は制御盤21内の流量計出力AD変換器25によりデジタルデータに変換され制御装置11に入力する(
図14参照)。制御装置11から出力される所与の圧力を表わす圧力指令信号は制御盤21内の電空変換器26で空圧信号に変換され,エアオペレート式液圧調整器(レギュレータ)22を制御する。この調整器22によって配管91を通してタンク29内の液体塗布材料の圧力が所与の圧力に調整される。これらのタンク29,配管91,92,93,液圧調整器22,空電変換器26等が液体材料供給装置を構成する。
【0043】
コンプレッサ28は,電空変換器26,27,エアオペレート式液圧調整器22,霧化エアー圧力調整器23,バルブ72(配管96)等に供給する給気圧を発生するものである。霧化エアーの圧力指令信号は制御装置11から出力され,電空変換器27によって空圧信号に変換されて霧化エアー圧力調整器27に与えられる。配管94を通して供給される圧縮空気は調整器23において所与のエアー圧を持つものに調整され,配管95を通してフルイドボディ30の圧縮霧化エアー導入孔34に連通する供給管35に供給される。これらの空電変換器27,エアー圧力調整器23,配管94,95等がエアー供給装置を構成する。
【0044】
供給管96は圧縮空気供給管67に接続されている。この供給管96にはバルブ72が設けられており,バルブ72が開放されると,圧縮空気はシリンダ63に供給され,ピストン64をスプリング69の付勢力に抗して押し上げる。バルブ72が閉じられると,供給管67,96が大気に解放され,ピストン64はスプリング69の力によって移動し,吐出ノズル51が閉じられる(
図2,
図6の状態)。バルブ72の開閉は,制御装置11の制御の下にドライバー73によって駆動される。
【0045】
吐出ノズル51の開度を決定する塗布幅用リニアアクチュエータ70のモータは,制御装置11の制御の下にドライバー17によって駆動される。
【0046】
塗布準備装置80における濃度センサ84,幅センサ85の検出信号はP/Cインターフェイスユニット18を介して制御装置11に与えられる。
【0047】
ロボット装置14はX,YおよびZ軸のステッピングモータによって動く(三軸駆動)。これらのステッピングモータ15は,制御装置11の制御の下に,ドライバー(各モータに対応して3台ある)16によって駆動される。
【0048】
制御装置11のメモリ(記憶装置)には,
図15(A),(B),(C) に示すような塗布条件テーブルが記憶されている。この塗布条件テーブルは,所定の標準的条件(たとえば,塗布間距離(ノズル先端と対象物との間の距離)10mm,塗布スピード100m/sec)の下で,所望の良好な塗布幅を得るための条件を,次に示すパラメータを変化させて実験を繰返して得られたものである。
【0049】
スプレイ塗布装置におけるパラメータは,塗布バルブ装置20において,圧縮霧化エアー導入孔34に供給する霧化エアーの圧力値(A) (単位はメガパスカルMpas),吐出ノズルの開度(M) (リニアアクチュエータ70のモータの回転数で表現される。単位は回転数),(以下,マイクロ開度という)および塗布材料導入孔31に供給される液体塗布材料の液圧(L) (単位はMpas)の3つである。液体塗布材料の粘度(V) が重要なファクタであるから,この粘度(V) も各パラメータの値を決定するために用いられる。粘度(V) の単位はセンチポイズ(CPS)である。
【0050】
所望の塗布幅(W) (単位はミリメートルmm)および液体塗布材料の粘度(V) が決定される。上述した3つのパラメータの値はこれらの塗布幅および粘度のいずれか一方,またはその組合せに依存する。霧化エア圧値(A) は,目標塗布幅と粘度に依存する。
図15(A) の霧化エアー圧力値の設定条件テーブルに示すように,目標塗布幅が2.5mm以上か,2.5mm未満かによって,粘度が50CPS未満か,50CPS以上かによって,霧化エア圧力値が定まる。塗布幅が2.5mm未満,粘度が50CPS未満では,エアー圧力値は粘度の一次関数である。
【0051】
マイクロ開度は目標塗布幅に依存する。
図15(B) のマイクロ開度の値の設定条件テーブルに示すように,マイクロ開度の値は,目標塗布幅が4mm未満,4mm以上6mm未満,6mm以上かに応じて異なる値をとる。マイクロ開度はいずれの場合も目標塗布幅の一次関数で,その係数の値が目標塗布幅の範囲に応じて変わる。
【0052】
塗布材料の液圧は目標塗布幅と粘度に依存する。すなわち,
図15(C) の液圧の設定条件テーブルに示すように,粘度が50CPS 未満の場合には液圧は一定値(0.24Mpas)をとり,粘度が50CPS 以上の場合には,液圧は塗布幅が2mm未満か,2mm以上かに応じて異なる値をとる。塗布幅が2mm未満の場合には液圧は目標塗布幅の関数であり,塗布幅が2mm以上の場合には液圧はマイクロ開度の関数となる。
【0053】
ユーザは,制御装置11の入力装置13を用いて,目標塗布幅と粘度を入力する。これらの入力された各値は
図16(A) に示すように,表示装置12に表示され,ユーザはこれを確認することができる。
【0054】
制御装置11は,入力された目標塗布幅と粘度の値を取込み,
図15(A),(B),(C) に示す塗布条件テーブルを参照して霧化エア圧,マイクロ開度および液圧を決定する。さらに制御装置11は,決定した上記の各値となるように,霧化エア圧については霧化エアー圧力調整器23を制御し,マイクロ開度についてはアクチュエータ70を制御し,液圧については液圧力調整器22を制御する。
【0055】
制御装置11の入力装置13によってロボット装置14をスタートさせると,ロボット装置14は,あらかじめ組込まれたプログラムにしたがって,対象物上を走査して,所定幅で線状に塗布を行う。塗布の開始は,バルブ72を開放して圧縮エアをシリンダ63に供給して,ピストン64を押上げればよい。また,塗布の開始にあたって,塗布準備装置80において,清掃ステーション81でのニードルカバー54のクリーニング,捨て吹きステーション83での捨て吹き,これに伴って濃度センサ84による濃度の確認,幅センサ85による幅の確認等が必要に応じて行なわれる。