特許第6395891号(P6395891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6395891-送風機 図000002
  • 特許6395891-送風機 図000003
  • 特許6395891-送風機 図000004
  • 特許6395891-送風機 図000005
  • 特許6395891-送風機 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6395891
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】送風機
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/08 20060101AFI20180913BHJP
   A01M 1/04 20060101ALI20180913BHJP
   A01M 1/02 20060101ALI20180913BHJP
   B01D 46/42 20060101ALI20180913BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   A01M1/08
   A01M1/04 A
   A01M1/02 T
   B01D46/42 Z
   F04D25/08
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-77575(P2017-77575)
(22)【出願日】2017年4月10日
(62)【分割の表示】特願2015-558726(P2015-558726)の分割
【原出願日】2014年9月1日
(65)【公開番号】特開2017-140045(P2017-140045A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2017年4月10日
(31)【優先権主張番号】特願2014-10655(P2014-10655)
(32)【優先日】2014年1月23日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2014-105520(P2014-105520)
(32)【優先日】2014年5月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】重本 直之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 伸夫
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−227503(JP,A)
【文献】 特開平03−001029(JP,A)
【文献】 特開2006−325454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/08
A01M 1/02
A01M 1/04
B01D 46/42
F04D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口及び吹出口を有する筐体と、該筐体内に配置してあり、前記吸込口から吸気し、
前記吹出口から排気する送風ファンと、前記吸込口から吸い込まれた空気を濾過する濾過
フィルタとを備える送風機において、
前記吸込口及び濾過フィルタ間の通気経路に虫を捕獲する捕虫部を設けてあり、
前記筐体は
前記送風ファンを収容した第一筐体と、
前記第一筐体に取り外し可能に取り付けられた第二筐体と
を備え、
前記第一筐体は、第一前面部と、該第一前面部の後側に配置され、前記第一前面部に対向する第一後面部とを有し、
前記第二筐体は、開口部と、該開口部の後側に配置され、前記開口部に対向する第二後面部とを有し、
前記開口部は前記第一後面部の後側に取り付けられており、
前記第二後面部の前側に前記捕虫部が設けられていること
を特徴とする送風機。
【請求項2】
前記筐体が黒色であること
を特徴とする請求項1に記載の送風機。
【請求項3】
前記吸込口がスリット状をなすこと
を特徴とする請求項1または2に記載の送風機。
【請求項4】
前記通気経路に虫を誘引する誘引部を設けてあること
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の送風機。
【請求項5】
前記誘引部は光源によって構成されており、
前記光源のピーク波長が360nmに設定されているか又は前記光源は近紫外光を発す
ること
を特徴とする請求項4に記載の送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸い込んだ空気に含まれる塵埃を捕集して吹き出す送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
室内の空気は、花粉、ダニ、カビ等のアレルギー物質及びウイルス等様々な物質が浮遊し、アレルギー症状又は感染症を引き起こす原因となっている。特に近年では住宅が高気密化されているため、汚染物質が室内に滞りがちである。また、従来は部屋の窓を適宜解放して自然換気を行なっていたが、大気汚染、花粉症等の理由で屋外の空気を取り込むことが困難な場合がある。このような事情から、最近では室内の空気を浄化する空気浄化機能を有する送風機、例えば空気清浄機が普及してきている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、世界中で蚊によって媒介されるウイルスの感染症が問題になっており、粘着シート又は空気を吸引する力によって捕虫する捕虫器が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−66466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
吸引機構を有する捕虫器の場合、吹き出し口から虫の鱗粉や死骸による細かい塵が製品外部に吹き出す。また吸引機構の無い捕虫器であっても、虫が動き回って鱗粉や塵が舞い上がり、虫が侵入した隙間又は開口から製品外部に飛散する。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、捕獲した虫の鱗粉又は死骸の塵が外部に飛散することを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る送風機は、吸込口及び吹出口を有する筐体と、該筐体内に配置してあり、前記吸込口から吸気し、前記吹出口から排気する送風ファンと、前記吸込口から吸い込まれた空気を濾過する濾過フィルタとを備える送風機において、前記吸込口及び濾過フィルタ間の通気経路に虫を捕獲する捕虫部を設けてあり、前記筐体は前記送風ファンを収容した第一筐体と、前記第一筐体に取り外し可能に取り付けられた第二筐体とを備え、前記第二筐体は、開口した前部を前記第一筐体の後面に取り付けており、前記第二筐体の内側後面に前記捕虫部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る送風機は、前記筐体が黒色であることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る送風機は、前記吸込口がスリット状をなすことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る送風機は、前記通気経路に虫を誘引する誘引部を設けてあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る送風機は、前記誘引部は光源によって構成されており、前記光源のピーク波長が360nmに設定されているか又は前記光源は近紫外光を発することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明にあっては、吸込口及び濾過フィルタ間の通気経路に捕虫部を設けているので、送風機の機能を有しつつ捕獲した虫の鱗粉又は死骸の塵が外部に飛散することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る送風機を略示する分解斜視図である。
図2】送風機を略示する縦断面図である。
図3】捕虫ユニットを略示する正面図である。
図4】実施の形態2に係る送風機の捕虫ユニットを略示する斜視図である。
図5】実施の形態3に係る送風機の捕虫ユニットを略示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
以下本発明を実施の形態1に係る送風機1を示す図面に基づいて説明する。図1は送風機1を略示する分解斜視図、図2は送風機1を略示する縦断面図である。なお以下の説明における上下左右前後は、図中に示した上下左右前後に対応する。
【0015】
送風機1は、送風ユニット10と、捕虫ユニット20とを備える。送風ユニット10は、直方体状の筐体11を備える。筐体11の上面には空気を吹き出す吹出口13が設けてあり、筐体11の後面に網状部12が形成してある。該網状部12には、例えば1辺の寸法が略0.5mmの正方形状をなす複数の開口が設けてある。筐体11内には、網状部12に対向するように、空気を濾過する濾過フィルタ17が設けてある。
【0016】
濾過フィルタ17は、微細な塵(例えば2〜3ミクロンの寸法の塵)を捕獲することができるように構成されている。例えばポリエステル製のメルトブロー不織布に電石加工(静電加工)を施してなる濾材(いわゆるHEPA(High Efficiency Particulate Air )フィルタ)によって構成され、静電気によって塵埃を吸着する。
【0017】
濾過フィルタ17の前側にL形の風路14が形成されている。風路14は、前後方向に延びた前後風路15と、該前後風路15の前端に連なり、上下方向に延びた上下風路16とを備える。前後風路15は濾過フィルタ17の下部に対向する。上下風路16の上端部は吹出口13に連なる。
【0018】
上下風路16の下端部(前後風路15に連結する部分)に送風ファン30が設けてある。送風ファン30は、前後軸回りに回転するモータ31と、該モータ31の回転軸に連結した羽根部32とを備える。モータ31の回転によって、網状部12、濾過フィルタ17及び前後風路15を通って空気が吸引され、上下風路16及び吹出口13を経て、空気が吹き出される。
【0019】
前記捕虫ユニット20は、送風ユニット10の後面に取り外し可能に取り付けてある。図3は捕虫ユニット20を略示する正面図である。
【0020】
捕虫ユニット20は、前面が開口した直方体状の筐体21を備える。筐体21の後面部21a(一方の対面部)は、送風ユニット10の筐体11の前面部11a(他方の対面部)に対向する位置にある。筐体21の左右の側面部21b、21bそれぞれは左斜め後方又は右斜め後方に向けて(後面部21a側に向けて)突出した曲面状をなす。筐体21の左右の側面部21b、21bそれぞれに、四つの吸込口22、22、22、22が上下に並設してある。吸込口22は左右の側面部21bの形状に倣って、後面部21a側に向けて開口している。なお左右の側面部21bを、その外面が後面部21a側に向いた傾斜面状に形成してもよい。なお吸込口22の数は四つに限定されず、三つ以下又は五つ以上であってもよい。また筐体21の左右いずれかの側面部21bに吸込口22を設けてもよい。また筐体21の上面(側面)を、後面部21a側に向けて突出した曲面状に形成するか又はその外面が後面部21a側に向いた傾斜面状に形成し、上面に吸込口22を設けてもよい。
【0021】
筐体21の左側面の下端部に開口23が設けてあり、該開口23に落下した塵を貯留する貯塵箱24が挿入してある。貯塵箱24は左右に長く、上側が開口している。貯塵箱24は開口23から抜き出すことができる。ユーザは、必要に応じて貯塵箱24を抜き出し、貯留した塵や虫の死骸を取り出すことができる。また、送風機1の網状部12に網状部清掃用のブラシを備え、貯塵箱24の脱着時、前記ブラシが貯塵箱24の脱着方向に連動して可動し、網状部12に付着した埃が貯塵箱24に落下し捕集される構造であっても良い。
【0022】
筐体21の内側において、筐体21の後面に粘着シート25が設けてある。筐体21の上面には二つの光源26、26が設けてある。なお光源26の個数は二つに限定されず、一又は三つ以上であってもよい。光源26は、捕虫ユニット20側ではなく、送風ユニット10側に形成されるものであっても構わない。光源26としては、ピーク波長が360nm程度に設定された蛍光ランプが挙げられるが、虫を誘引する構成であればこれに限定されない。例えば可視光線を発する光源26であってもよい。また光源はランプに限定されず、例えば発光ダイオードであってもよい。なお夜行性の蚊は近紫外光に誘引されやすいので、近紫外光を発する光源26を使用することが好ましい。
【0023】
光源26が点灯した場合、光源26の光は吸込口22から外部に放出される。虫は光源26の光に反応して誘引され、吸込口22から捕虫ユニット20の筐体21内に入り込む。入り込んだ虫は、停止して休憩すべく、捕虫ユニット20の後面に接近する。後面には粘着シート25が設けてあるので、粘着シート25に接触した虫は動けなくなる。すなわち送風ファン30の吸引力の大小に拘わらず、虫は捕獲される。粘着シート25は捕虫ユニット20の後面に設けてあるが、他の箇所に設けてもよい。例えば捕虫ユニット20の底面(貯塵箱24の底面)に設けてもよい。また粘着シート25に代えて、網状をなす粘着ネットを使用し、この粘着ネットを網状部12に設けるか又は網状部12自体を粘着ネットにしてもよい。
【0024】
上述したように、吸込口22は後面部21a側に向けて略開口しているので光源26の光が前方に向いて進むことはない。送風機1は後面部21aを室内の壁に対向させて設置することが多く、そのため、ユーザが光源26の光を直接視認することを防止することができる。また吸込口22は斜め後方向に開口しているので、左右方向にも光源26の光が進行し、真後ろに開口している場合に比べて、広範囲に光を照射し、効率よく虫を誘引することができる。また後面部21aを壁に接近させた場合、送風機1の後方及び左右において、吸込口22から出射した光が壁に投影されるので、あたかも壁を大型のスクリーン又はランプのように使用することができ、より一層容易且つ効率的に虫を誘引することができる。
【0025】
送風ファン30の駆動によって、吸込口22から空気が吸い込まれ、網状部12、濾過フィルタ17及び風路14を通過し、吹出口13から吹き出される。なお吸込口22及び吹出口13間の経路は通気経路となっている。
【0026】
空気の通流によって、虫の鱗粉又は虫の死骸の塵が送風ユニット10側に移動するが、鱗粉又は塵は濾過フィルタ17に捕獲される。そのため鱗粉又は塵が吹出口13から外部に飛散することが防止される。
【0027】
なお光源26の周囲に二酸化チタンを含む光触媒(二酸化炭素発生部)を設けてもよい。紫外線が光触媒に照射されると、光触媒表面に活性酸素が発生し、本活性酸素が有機物(例えばホルムアルデヒド)を分解して二酸化炭素と水に変化させる。蚊は二酸化炭素の濃度の高い方へ向かう習性があるので、捕虫ユニット20内に誘引され易くなる。
【0028】
なお二酸化チタンを含む光触媒に代えて、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化銅、硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化水銀又はセレン化カドミウム等を含む光触媒を使用してもよい。光触媒に代えて、他の二酸化炭素発生部を設けてもよい。例えばドライアイス、発酵式二酸化炭素発生部又は石灰及び塩酸を使用する二酸化炭素発生部を設けてもよい。
【0029】
光源26は所定時間経過毎に一旦、消灯する構成であってもよい。例えば1時間経過毎に数分消灯する構成であってもよい。また、送風の強さを所定時間経過後に変更するか又は一旦停止する構成であってもよい。蚊は刺激の変化に反応するため、このように構成することによって、捕虫ユニット20に誘引され易くなる。
【0030】
また光源26に代えて又は光源26と共に、虫を誘引する所定周波数の音波(虫が羽根を擦って発生させる音波)を発生する音波発生部を設けてもよい。雄の蚊は、雌の蚊の羽音周波数に誘引されやすい。
【0031】
上述したように、吸込口22は後面部21a側に向けて開口しているので音波発生部の音が前方に向いて進むことを軽減することができる。すなわちユーザに音が直接届くことを軽減することができる。また吸込口22は斜め後方向に開口しているので、左右方向にも音が進行し、真後ろに開口している場合に比べて、広範囲に音を放出し、効率よく虫を誘引することができる。
【0032】
また光源26に代えて又は光源26と共に、捕獲ユニット内を25℃〜40℃程度に加温する加温部を有するものであってもよい。蚊は、一般的に温度の高い方へ向かう習性があるので捕虫ユニット20内に誘引されやすい。
【0033】
送風ユニット10又は捕虫ユニット20の外観を虫の好む色、例えば黒色に着色してもよい。着色によって、捕虫ユニット20に虫が誘引されやすくなる。なお蚊は黒色に誘引されやすい。
【0034】
ユーザは、捕虫ユニット20を送風ユニット10から取り外し、粘着シート25を新しい粘着シート25に交換することができる。なお捕虫ユニット20の内側において、筐体21の後面に、外部から着脱可能なスライド部を設け、該スライド部に粘着シート25を設けてもよい。この場合、ユーザは、前記板を捕虫ユニット20から取り外して、スライド部に設けた粘着シート25を新しい粘着シート25に交換して、スライド部を捕虫ユニット20に取り付けるか又は新しい粘着シート25を設けた別のスライド部を捕虫ユニット20に取り付けることができる。
【0035】
なお虫を捕獲する手段は、粘着シート25に限定されるものではく、網状又は凹凸状等他の形状の粘着部を使用するか又は粘着性の塗料を筐体21の後面に直接塗布し、粘着部として使用してもよい。粘着部を設ける箇所は捕虫ユニット20の筐体21後面に限られない。例えば、筐体21の底面又は送風ユニット10の筐体11後面に粘着部を設けてもよい。また粘着シート25に代えて、虫を捕獲するネットを捕虫器ユニットの筐体21内に設けてもよい。また虫を捕獲する迷路構造、例えばクランク形状の通路を筐体21内に設けて、該通路を吸込口22に連結させてもよい。
【0036】
なお送風機1に脱臭フィルタ又はイオン発生器を更に追加し、送風機1を集塵以外の機能も有する空気清浄機として使用してもよい。また冷却器を追加して冷風機として使用してもよく、熱交換器を追加して、空気調和機として使用してもよい。
【0037】
(実施の形態2)
以下本発明を実施の形態2に係る送風機1を示す図面に基づいて説明する。図4は捕虫ユニット20を略示する斜視図である。
【0038】
捕虫ユニット20の筐体21における左右の側面部21b、21bそれぞれに、上下に延びたスリット状の吸込口22が設けてある。例えば、吸込口22は左右寸法15cm且つ上下寸法30cmに設計されている。吸込口22をスリット状に形成することによって、開口面積を小さくして吸込時の風速を高くすることができる。そのため捕虫ユニット20に入り込んだ虫が吸込口22から外部に逃げることを防止することができる。蚊は風速2m/s以上で外部へ逃げ出し難くなる。
【0039】
実施の形態2に係る送風機1の構成の内、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0040】
(実施の形態3)
以下本発明を実施の形態3に係る送風機1を示す図面に基づいて説明する。図5は捕虫ユニット20を略示する斜視図である。
【0041】
捕虫ユニット20の筐体21における左右の側面部21b、21bそれぞれに、上下に長い断面台形状の凹部27が形成してある。凹部27の底は開口しており、スリット状の吸込口22を形成している。例えば、吸込口22は左右寸法15cm且つ上下寸法30cmに設計されている。
【0042】
凹部27は、上下方向に延び、互いに対向する二つの縦側面28a、28bと、二つの縦側面28a、28bの上端部及び下端部夫々を連結しており、互いに対向する上側面29a及び下側面29bとを備える。内側(吸込口22側)の横幅及び縦幅(縦側面28a、28b間の対向間距離並びに上側面29a及び下側面29b間の対向間距離)が、外側(吸込口22の反対側)の横幅及び縦幅よりも小さくなるように、縦側面28a、28b、上側面29a及び下側面29bは、左右側面21b、21bに対し略45度の角度で傾斜している。凹部27の深さ方向において、縦側面28a、28b、上側面29a及び下側面29b夫々の寸法は、例えば略3cmとなっている。また縦側面28a、28b、上側面29a及び下側面29bは透光性を有する部材で構成される。
【0043】
凹部27の底にスリット状の吸込口22を形成することによって、捕虫ユニット20に入り込んだ虫が吸込口22から外部に逃げることを防止することができる。蚊は風速2m/s以上で外部へ逃げ出し難くなる。また吸込口22だけではなく、吸込口22の周囲に位置する縦側面28a、28b、上側面29a及び下側面29bからも光が外部に放出されるので、虫を誘引する機能を強化することができる。更に凹部27の側面(縦側面28a、28b、上側面29a及び下側面29b)が、凹部27の底部(吸込口22)側が狭くなるように傾斜しているので、誘引された虫が吸込口22内に誘導されやすくなる。
【0044】
なお、縦側面28a、28b、上側面29a及び下側面29bのみならず、これらの周囲の部分をも透光性を有する部材で構成してもよい。実施の形態3において、縦側面28a、28b、上側面29a及び下側面29bの全てが傾斜しているが、全ての側面が傾斜している必要は無く、少なくとも一つの側面が傾斜していればよい。
【0045】
実施の形態3に係る送風機1の構成の内、実施の形態1又は2と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0046】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、請求の範囲内での全ての変更及び請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。上述した実施の形態において、虫の例示として蚊を挙げたが、蚊以外の虫、例えばハエ又はアブ等も当然に本発明の捕獲対象に含まれる。
【0047】
以上の本発明の実施の形態に関し、更に以下の事項を開示する。
【0048】
本発明に係る送風機は、吸込口22及び吹出口13を有する筐体11、21と、該筐体11、21内に配置してあり、前記吸込口22から吸気し、前記吹出口13から排気する送風ファン30と、前記吸込口22から吸い込まれた空気を濾過する濾過フィルタ17とを備える送風機において、前記吸込口22及び濾過フィルタ17間の通気経路に虫を捕獲する捕虫部25を設けてあり、前記筐体11、21は前記送風ファン30を収容した第一筐体11と、前記第一筐体11に取り外し可能に取り付けられた第二筐体21とを備え、前記第二筐体21は、開口した前部を前記第一筐体21の後面に取り付けており、前記第二筐体21の内側後面に前記捕虫部25が設けられていることを特徴とする。
【0049】
本発明に係る送風機は、前記筐体11、21が黒色であることを特徴とする。
【0050】
本発明に係る送風機は、前記吸込口22がスリット状をなすことを特徴とする。
【0051】
本発明に係る送風機は、前記通気経路に虫を誘引する誘引部26を設けてあることを特徴とする。
【0052】
本発明に係る送風機は、前記誘引部26は光源によって構成されており、前記光源のピーク波長が360nmに設定されているか又は前記光源は近紫外光を発することを特徴とする。
【符号の説明】
【0053】
1 送風機
10 送風ユニット
13 吹出口
11 筐体
11a 前面部(他方の対面部)
17 濾過フィルタ
20 捕虫ユニット
21 筐体
21a 後面部(一方の対面部)
21b 側面部
22 吸込口
25 粘着シート(捕虫部、粘着部)
26 光源(誘引部)
27 凹部
30 送風ファン
図1
図2
図3
図4
図5