特許第6395918号(P6395918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 藤沢 和則の特許一覧

<>
  • 特許6395918-購入商品受渡しシステム 図000004
  • 特許6395918-購入商品受渡しシステム 図000005
  • 特許6395918-購入商品受渡しシステム 図000006
  • 特許6395918-購入商品受渡しシステム 図000007
  • 特許6395918-購入商品受渡しシステム 図000008
  • 特許6395918-購入商品受渡しシステム 図000009
  • 特許6395918-購入商品受渡しシステム 図000010
  • 特許6395918-購入商品受渡しシステム 図000011
  • 特許6395918-購入商品受渡しシステム 図000012
  • 特許6395918-購入商品受渡しシステム 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6395918
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】購入商品受渡しシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20180913BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20180913BHJP
【FI】
   G06Q10/08 316
   G06Q30/06
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-211953(P2017-211953)
(22)【出願日】2017年11月1日
【審査請求日】2017年11月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500183607
【氏名又は名称】藤沢 和則
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 佳正
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 和則
【審査官】 加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−088676(JP,A)
【文献】 特開2012−063845(JP,A)
【文献】 特許第6164599(JP,B1)
【文献】 特表2015−514256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客端末と通信し、店舗内外に設けられた受渡しエリアでの購入商品の前記顧客への受渡しを管理する管理サーバを有する購入商品受渡しシステムであって、
前記受渡しエリアには、前記受渡しエリアの入退室を管理する管理ゲートと、前記購入商品を一時保管するための保管棚とが備えられ、
前記管理サーバは、
前記顧客端末からの前記購入商品の注文時に前記購入商品を預かる前記保管棚を割当て、
前記割当てた保管棚と前記受渡しエリアの前記管理ゲートへの入室コードとを前記顧客端末に通知するものであって、
前記受渡しエリアでの前記購入商品の前記顧客への受渡しの管理に際しては、カメラによって前記顧客が前記購入商品をピックアップしたことを認識させて決済処理を実行することに加えて、
(1)前記購入商品の注文時、
(2)前記顧客の前記受渡しエリアへの入室時、
(3)前記顧客端末からの前記購入商品の受渡し完了確認処理時、
(4)前記顧客の前記受渡しエリアからの退出時
のうち、少なくともいずれか1のタイミングでも前記購入商品の決済処理を実行可能に構成された
ことを特徴とする購入商品受渡しシステム。
【請求項2】
前記管理サーバは、前記店舗の内外に設けられた店舗側の端末であることを特徴とする請求項1に記載の購入商品受渡しシステム。
【請求項3】
前記管理サーバは、カメラによって前記顧客が前記購入商品をピックアップしたことを認識させて決済処理を実行すること、および、
(1)前記購入商品の注文時、
(2)前記顧客の前記受渡しエリアへの入室時、
(3)前記顧客端末からの前記購入商品の受渡し完了確認処理時、
(4)前記顧客の前記受渡しエリアからの退出時
うちの少なくともいずれか1のタイミングで購入商品の決済処理を実行する場合に、先の決済処理の後、後の決済処理までに前記購入商品の追加がある場合には、当該後の決済処理時に前記追加の購入商品分についての差額決済処理を行い、かつ、少なくとも一部の商品を返品した場合には、前記返品分の払い戻し処理を行う、請求項1または2に記載の購入商品受渡しシステム。
【請求項4】
顧客端末と通信し、店舗内外に設けられた受渡しエリアでの購入商品の前記顧客への受渡しを管理する管理サーバを有する購入商品受渡しシステムで実行されるプログラムあって、
前記受渡しエリアには、前記受渡しエリアの入退室を管理する管理ゲートと、前記購入商品を一時保管するための保管棚とが備えられ、
前記管理サーバに、
前記顧客端末からの前記購入商品の注文時に前記購入商品を預かる前記保管棚を割当てさせるステップと、
前記割当てた保管棚と前記受渡しエリアの前記管理ゲートへの入室コードとを前記顧客端末に通知させるステップと
を実行するものであって、
前記受渡しエリアでの前記購入商品の前記顧客への受渡しの管理に際しては、カメラによって前記顧客が前記購入商品をピックアップしたことを認識させて決済処理を実行することに加えて、
(1)前記購入商品の注文時、
(2)前記顧客の前記受渡しエリアへの入室時、
(3)前記顧客端末からの前記購入商品の受渡し完了確認処理時、
(4)前記顧客の前記受渡しエリアからの退出時
のうち、少なくともいずれか1のタイミングでも前記購入商品の決済処理を実行可能に構成された
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
前記管理サーバは、前記店舗の内外に設けられた店舗側の端末であることを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記管理サーバに、カメラによって前記顧客が前記購入商品をピックアップしたことを認識させて決済処理を実行すること、および、
(1)前記購入商品の注文時、
(2)前記顧客の前記受渡しエリアへの入室時、
(3)前記顧客端末からの前記購入商品の受渡し完了確認処理時、
(4)前記顧客の前記受渡しエリアからの退出時
うちの少なくともいずれか1のタイミングで購入商品の決済処理を実行させる場合に、先の決済処理の後、後の決済処理までに前記購入商品の追加がある場合には、当該後の決済処理時に前記追加の購入商品分についての差額決済処理を実行させ、かつ、少なくとも一部の商品を返品した場合には、前記返品分の払い戻し処理を実行させる、請求項4または5に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く物品や商品の一括受渡しを行わせる商品受渡しシステム等に関し、より詳細には、店舗やネットにて購入した商品の一括受渡しを円滑に行うための受渡しシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品や商品を一括受渡しするための受渡しシステム技術が提供されてきた。
【0003】
例えば、客が商品を購入する際の負担を軽減し、店にとっては迅速かつ安全に商品販売を行える商品販売の方法が提案されている(特許文献1)。
【0004】
すわなち、特許文献1には、複数種類の商品を取り扱う小売店または卸売店等の店内において実施される商品販売の方法であって、客は、店の入口で、店内商品の購入予定金額以上の現金を支払い、それと引き替えに専用端末を受け取る第1のステップ、上記専用端末を受け取った客は、店内の商品陳列棚に並べられた商品のうち、購入したい商品の商品データ及びその数量を上記専用端末に入力することにより注文を行う第2のステップ、購入したい商品の商品データを全て上記専用端末に入力した客は、それらの合計金額が予め支払った現金の金額の範囲内であることを上記専用端末で確認後、上記専用端末から店に対して精算の指示を出し、入力した商品データを送信する第3のステップ、精算の指示を受けた店は、客の注文した商品とつり銭を用意する第4のステップ、店は、客の注文した商品とつり銭の用意ができた旨を上記専用端末より客に通知する第5のステップ、通知を受けた客は、商品とつり銭を受け取ると共に、上記専用端末を店に返却する第6のステップを備えたことを特徴とする商品販売の方法が開示されている。
【0005】
また、特に複数の店舗を渡り歩きながら複数の商品を購入していく際のユーザ負担を軽減でき且つ手間が掛かることなく確実に購入商品をユーザに渡すことができる商品一括引渡システムも提案されている(特許文献2)。
【0006】
すなわち、特許文献2には、特定の交通施設に地理的に関係がある複数の店舗の各々に備えられる、顧客に所持させる携帯記録媒体に記録されている情報を読取る機能を有しネットワークを介して通信可能な情報処理端末である店舗端末と、前記特定の交通施設近くの任意のエリアである各購入商品引渡エリア毎に備えられる、前記携帯記録媒体に記録されている情報を読取る機能を有しネットワークを介して通信可能な情報処理端末である引渡場所端末と、共通倉庫に設置され、ネットワークを介して通信可能な情報処理端末である共通倉庫端末と、前記ネットワークに接続し、前記店舗で購入された商品とその購入者に係わる情報及び該商品の受け渡しに係わる情報を記憶する記憶装置を備える共通管理サーバとを有し、任意の前記店舗端末は、顧客が任意の商品を購入すると、該顧客が所持する前記携帯記録媒体に記録されている識別情報を読み出して、該購入商品を特定する商品情報と該店舗の識別子と共に前記共通管理サーバに送信する商品購入情報入力手段を有し、前記共通管理サーバ又は共通倉庫端末は、前記商品購入情報入力手段から送信される情報を前記記憶装置に登録する購入情報登録手段と、所定周期で又は要求に応じて、該記憶装置に登録された購入商品のうち未配送である購入商品を検索して求める配送指示手段とを有し、前記引渡場所端末又は前記共通管理サーバは、前記配送指示手段による検索結果に従って共通倉庫から購入商品が購入商品引渡エリアに配送されてくると、各購入商品毎に、購入した顧客の識別情報を前記記憶装置から求め、該求めた顧客に対して商品を引渡す窓口が未決定の場合には任意の窓口を決定して記録すると共に該窓口への保管を指示し、その後に同じ顧客が購入した商品が配送されてきた場合には該記録されている窓口への保管を指示する窓口決定・管理手段と、該決定された窓口を、該顧客が所持する携帯記録媒体に通知する窓口情報通知手段とを有することを特徴とする購入商品一括引渡システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−342683号公報
【特許文献2】特開2006−011755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、こうした商品の一括受渡しは一般に店員やスタッフの手を借りて行われるものであり、店頭や受渡し窓口にて混雑したり、購入商品の確認作業に時間を要したりする場合には、商品受取りまでに顧客の待ち時間が発生していた。つまり、商品の一括受渡しが無人またはセルフ方式で行われることのメリットは大きく、そのためのシステム改善が望まれる。
【0009】
また、従来の販売システムや一括受渡しシステムにおいては、店の入口にて前金で支払いを行ったり、購入時に都度決済を行ったりするというものであり、決済の観点からもさらなる工夫の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムは、顧客端末と通信し、店舗内外に設けられた受渡しエリアでの購入商品の前記顧客への受渡しを管理する管理サーバを有する購入商品受渡しシステムであって、前記受渡しエリアには、前記受渡しエリアの入退室を管理する管理ゲートと、前記購入商品を一時保管するための保管棚とが備えられ、前記管理サーバは、前記顧客端末からの前記購入商品の注文時に前記購入商品を預かる前記保管棚を割当て、前記割当てた保管棚と前記受渡しエリアの前記管理ゲートへの入室コードとを前記顧客端末に通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムによれば、商品受取りまでの顧客の待ち時間の発生を抑制し、決済等の観点からも柔軟性のある至便なシステムを提供できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおける受渡しエリアの様子を例示的に説明する説明図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムの全体構成例を説明する説明図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおける管理サーバの機能ブロック構成を説明する説明図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおける情報処理装置(ユーザ端末)の外観構成例を説明する説明図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を構成するハードウェアの機能ブロック構成を説明する説明図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおける動作処理フローを説明する説明図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおける動作処理フローを説明する説明図である。
図8】本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおける情報処理装置(ユーザまたは顧客端末)の表示例を説明する説明図である。
図9】本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおける情報処理装置(ユーザまたは顧客端末)の他の表示例を説明する説明図である。
図10】本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおける情報処理装置(ユーザまたは顧客端末)の他の表示例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1に、本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおける受渡しエリアでの様子を模式的に示す。同図において、受渡しエリア10は、同エリア内に設置された受渡しロッカー101と、同エリアと外部との出入り口となるゲート102と、同エリア内に設置されたカメラ103a、103bとを含む構成が採用されている(その他、システム全体としては管理サーバ等が含まれるがこれらについては後述する)。
なお、ロッカー101には、顧客の注文商品または購入商品を一時的に預け入れる(一時保管する)ための保管棚が設けられており、それ自体は必ずしも電子制御式である必要はない。また、ロッカー101は必ずしもネットワークに接続されている必要はない。
また、ゲート102は、顧客等の同エリアの入室及び退出(入退室)を管理するための管理ゲートである。
また、受渡しエリア10それ自体は、店舗内部の特定のエリアとして設けられてもよいし、店舗外部の特定エリアとして設けられてもよい。その意味で、受渡しエリア10は、店舗内外に設けることができる。
【0015】
図1において、顧客104aは、自身が所持する端末をゲート102の入口にかざしてエリア10内に入ることができ、同図では図示しない端末画面指示に基づいて指定のロッカーボックスから購入商品等の受取りを行う(同図では、顧客104bがロッカー101から購入商品を取り出す(受け取る)様子を示している)。この様子は、エリア10内に設置されたカメラ103aまたは103bによって撮影されており、適宜動作確認が行われている(どんな顧客がどんな商品を受取ったかなど。より具体的には、既存の画像認識技術によってこれらを識別させることができる)。
【0016】
そして、商品を受取った顧客104cは、端末を操作して受取り完了処理を行い(詳細は後述するが、このときに決済処理を行うこともできる)、再びゲート102の出口に端末をかざしてエリア10の外に出ることができる。必要に応じて、これらの様子をエリア10内に設置されたカメラ103aまたは103bによって撮影して適宜動作確認を行わせることもできる。
【0017】
[販売管理]
また、本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおいては、商品等の販売管理も行わせることができる。本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムは、図示しない店舗POSレジや通信販売(電子商取引)システムとも連動しており、店舗における販売実績や通販による販売実績も顧客ごとに管理させることができる。そのためのデータベースとして、一実施形態において次のようなデータベース(D1)〜(D5)を管理サーバ内に有しており、図2を参照して後述する各種端末からの参照や更新要求が可能となっている。
【0018】
(D1)顧客管理データベース
顧客に関する項目が登録されたデータベースであり、顧客氏名、住所、電話番号等の個人情報や、保有ポイントや頻繁に利用される受渡しエリア等の付帯情報が登録されている。
【0019】
(D2)商品管理データベース
商品に関する項目が登録されたデータベースであり、商品名、JANコードに対応付けられる商品コード等が登録管理されている。
【0020】
(D3)在庫管理データベース
図示しない販売拠点(販売エリア)や店舗ごとの商品在庫を管理するためのデータベースであり、適宜商品管理データベースと連携し、必要なテーブルが派生抽出される。
【0021】
(D4)倉庫管理データベース
図示しない物流センター等の倉庫に保管されている商品在庫を管理するためのデータベースである。
【0022】
(D5)販売管理データベース
販売拠点や店舗ごとに販売された商品に関する実績管理データベースである。
【0023】
[受渡しエリアの役割]
受渡しエリアでは、本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおいて、次の役割を担う(システム動作、顧客及び顧客端末による動作等をまとめて列挙する)。
(1)受渡しエリア内への入場管理及び同エリアからの退場管理(本人確認や通過記録等を含む)。
(2)ロッカー内のボックスまたは棚への商品の納入。
(3)注文情報の確認。
(4)決済手続あるいはその補助処理(ポイント還元処理等を含む)。
(5)ロッカー内のボックスまたは棚からの商品の取り出し等の監視。
上記(1)〜(5)は、システム(端末やサーバ、図示しない物流オートメーション機構など)によって自動的に運用させることもできる。
【0024】
図2に、本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムの全体構成例を示す。
【0025】
図2に示されるように、購入商品受渡しシステム20は、その一実施形態における構成として、管理サーバ21と、ユーザ(顧客)や配達員、受渡しエリアスタッフ等が使用する各種情報処理装置(図において、例示的に、携帯情報端末またはタブレット端末22、携帯電話23、PC24〜25。以下、総称して「各種端末」または単に「端末」とも言うこともある)とを有する。管理サーバ21、各種端末間は、図2に示されるように専用回線やインターネット等の公衆回線(有線の回線として、37a〜39)で相互に通信可能に接続されている。また、回線は有線であっても無線であってもよく、無線の場合、携帯情報端末またはタブレット端末22及び携帯電話23は、無線で図示しない基地局やアクセスポイント等を介してインターネット39に乗り入れ、更に回線38を介して管理サーバ21と相互に通信可能に接続される。
【0026】
ここで、アクセスポイントとは、PCやスマートフォンなどの無線端末を相互に接続したり、他のネットワークに接続させたりするための無線機である。典型的には、OSI参照モデルにおける第1層(物理層)及び第2層(データリンク層)の通信プロトコルで作動するデバイスである。
【0027】
なお、本願の出願時点での携帯電話や携帯情報端末またはタブレットは、パーソナルコンピュータ(PC)と同等の処理能力(通信処理速度や画像処理能力等)を備えているものも多く、小型のコンピュータとも言うべきものである。
【0028】
また、本発明の実施に必要なプログラムまたはソフトウェアは、通常、PCや携帯情報端末の記憶部におけるHDD、SSD等にインストールまたは記憶され、プログラムまたはソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPUにおいて演算実行される。
【0029】
あるいは、ブラウザベースのコンピュータまたは携帯情報端末を採用することもできる。この場合は、必要に応じて他のサーバやコンピュータから端末にプログラムが配信され、端末上のブラウザではこれを実行するという構成になる。
【0030】
また、管理サーバ21のハードウェア構成も、基本的にはPCを採用することができる(念のため、図3を参照して後述する)。なお、本発明はこれに限定されるものではないが、管理サーバ21は、必要に応じてそのハードウェアスペックを上げるにあたり、複数のPC(一例として、数十台〜数万台)を並列的に作動させることによって大規模データの処理に適した構成をとることもできる。
【0031】
一方で、システム構成によっては、上記の情報処理端末のうちの一部(例えば、店舗側端末とした場合の端末24、25)に管理サーバ21の一部又は全部の機能を担わせることもできる。
【0032】
さらに、購入商品受渡しシステム20は、図1を参照して説明した受渡しエリア内に設定される受渡しロッカー26と入退場管理用のゲート27とエリア内監視用のカメラ28とを備える。図2では、一実施形態としてロッカー26は回線37cを介してネットワークに接続された電子制御ロッカーを想定しているが本発明はこれに限定されるものではなく、ロッカー26は必ずしもネット接続されていなくてもよく、また、電子制御ロッカーでなくてもよい。
また、ロッカー26、ゲート27、及びカメラ28は、同一の受渡しエリア内にそれぞれ複数設置されても良い。
【0033】
図3に、本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおける管理サーバ21の機能ブロック図を示す。例示的に、管理サーバの動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0034】
図3において、ハードウェアブロック全体としての管理サーバ300は、大別すると、各種比較・演算処理を行うためのCPU301と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の記憶部302と、キーボードやポインティングデバイス等の入力部303と、ディスプレイやスピーカ等の出力部304と、各種信号制御のための制御部305と、通信(インタフェース)部306(無線、有線を問わない)と、時刻等を計時するための計時部307と、電源部308とからなる。
【0035】
これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図3においては、便宜上各線が適宜区分された結線399としてひとまとめに表す)によって接続されている。
【0036】
また、本発明の実施に必要な管理サーバ300上で実行されるプログラムまたはソフトウェアは、通常、記憶部302を構成するハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールまたは記憶され、プログラムまたはソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部302内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU301において演算実行される。
【0037】
なお、演算実行は必ずしもCPU301等の中央処理部で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0038】
図4に、本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおける情報処理装置としてのタブレット端末22の外観構成を示す。図4において、情報処理装置(タブレット端末)42は、筐体部421とディスプレイ422と筐体421の下部中央部に設けられたハードウェアボタン423とからなる。ディスプレイ422は典型的には液晶ディスプレイ(LCD)等で構成され、文字や静止画像や動画など様々な情報を表示することができる。また、ディスプレイ422にメニューボタンやソフトウェアキーボードを表示させ、これを指またはタッチペン(不図示)等で触れることによりタブレット端末42への指示(コマンド)とすることができる。この点で上記ハードウェアボタン423は必須の構成要素ではないが、本発明の説明の便宜上、一定の機能を担うボタンとして実装されている。もちろん、これらハードウェアボタン423を、ディスプレイ422の一部に表示させたメニューボタンで代替させることも可能である。
【0039】
また、ディスプレイ422には、マルチタッチ入力パネルが含まれており、タッチ入力パネル上でのタッチ入力位置座標が入力デバイスインタフェース(不図示)を介してタブレット端末42の処理系(CPU)へ送信され処理される。そして、このマルチタッチ入力パネルは、パネルに対する複数の接触点を同時に感知することができるよう構成されている。この検出(センサ)については様々な方法で実現することができ、必ずしも接触センサに限られず、例えば、光学式のセンサを利用してパネルに対する指示点を抽出することも可能である。さらに、センサには、接触式のセンサや光学式のセンサのほか、人の肌の接触を感知する静電容量方式のセンサを用いることも可能である。
【0040】
また、図4には現れていないが、タブレット端末42は、マイクやスピーカを備えることもできる。この場合にはマイクより拾ったユーザの声などを判別して入力コマンドとすることも可能である。さらに、図4には現れていないが、タブレット端末42の背面等にCMOS等のカメラデバイスを実装させることもできる。
【0041】
図5に、本発明の一実施形態にかかるタブレット端末42を構成するハードウェアの機能ブロック図を例示する。タブレット端末42の動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0042】
図5において、ハードウェアブロック全体としてのタブレット端末500は、大別すると、図4におけるハードウェアボタン423、ディスプレイ422に設けられたマルチタッチ入力パネル、マイク等で構成される入力部501と、プログラムやデータ等を記憶するためのハードディスク、RAM及び/又はROM等で構成される記憶部502と、プログラムによって様々な数値計算や論理演算を行うCPUによって構成される中央処理部503と、ディスプレイ422等で構成される表示部504と、チップや電気系統等の制御を行うための制御部505と、インターネットにアクセスするためのスロットや光通信を行うためのポート、及び通信インタフェースから構成される通信インタフェース部506と、スピーカやバイブレーション、赤外線プロジェクター等の出力部507と、時刻等を計時するための計時部508と、CMOS等のイメージセンサや赤外線センサ、慣性センサ等からなるセンサ部509と、装置内の各モジュールに電源を供給するための電源部510とからなり、これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図5においては、便宜上各線が適宜区分された結線599としてひとまとめに表す)によって接続されている。
なお、センサ部509には、タブレット端末500(22)の位置を特定するためのGPSセンサモジュールを含めることとしても良い。また、センサ部509を構成するCMOS等のイメージセンサや赤外線センサ等によって検知された信号は、入力部501において入力情報として処理することができる。
【0043】
また、本発明の実施に必要なタブレット端末500上で実行されるプログラムまたはソフトウェアは、通常、記憶部502を構成するハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等にインストールまたは記憶され、プログラムまたはソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部502内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU503において演算実行される。
【0044】
なお、演算実行は必ずしもCPU等の中央処理部503で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0045】
図6に、図1図2で例示した本発明の一実施形態に係るシステムまたは装置等における基本動作例を示す。
【0046】
図6において、「ユーザ端末」は、図2における端末22等に対応し、「情報処理サーバ」は、図2における管理21に対応する。また、図6中、t1〜t10は時系列の流れを示し、経時的に後述する動作や処理が行われるものである。
【0047】
なお、実施形態において例示される動作または処理時刻(t1等)は、本発明の概念の理解の容易のために例示されたものであり、本発明が実施形態において例示される個別の時系列関係に制限されることはない。
【0048】
まず、日時t1において、ユーザ(顧客)は、ユーザ端末を介して情報処理サーバから自身のユーザ端末を本発明にかかる情報処理端末として動作させるためのアプリケーションソフトウェアをダウンロードする(ステップS601)。このアプリケーションソフトウェアは、本発明にかかるプログラムの一部又は全部を処理するためのクライアントソフトウェアまたはアプリケーションソフトウェアである。そして、ダウンロードしたアプリケーションソフトウェアをユーザ端末にインストールする(ステップS602)。このとき、時刻t2において、ユーザ端末からは、必要に応じてユーザ登録としてユーザ自身のメールアドレスのほか、次表のようなプロフィール情報を情報処理サーバへアップロード(ステップS603)して登録管理させることもできる(ステップS604)。
【表1】
【0049】
以上のデータ項目は、ユーザデータとして情報処理サーバ上の記憶装置に保存される(ステップS605)。時刻t3以降は、ユーザ(顧客)が情報処理端末を操作することによりアプリを開始する(サーバは端末に対してサービス提供を開始する)ことができる。
【0050】
次に、ユーザ端末にアプリをダウンロード及びインストールしたユーザは、時刻t4においてアプリケーションソフトウェアを起動する(ステップS606)。時刻t4〜時刻t5まで、例示的にユーザは情報処理サーバから情報処理端末に対して提供されるサービスを受けている。
【0051】
時刻t5になると、ユーザはいったん本発明の一実施形態にかかるアプリケーションソフトウェアを中断または終了する。このとき、必要に応じて、アプリケーションのステータス情報を情報処理サーバへ転送し(ステップS607)、サーバではこれを受信して当該ユーザのユーザ情報としてのステータス情報を更新(ステップS608)及び保存(ステップS609)する。図6においては、これらの処理は、時刻t6までに完了している。
【0052】
なお、本発明の一実施形態にかかるアプリケーションソフトウェアを情報処理端末にインストールした後は、端末上で少なくとも一部をクローズドに実行可能な形態とすることも可能であり、この場合は、上述のステップS604〜ステップS605、並びに、ステップS608〜ステップS609を省略することができ、必要な情報があれば端末上のメモリに保存管理される。
【0053】
次に、図6において、時刻t7〜時刻t10では、本発明の一実施形態にかかるアプリケーションソフトウェアの少なくとも一部を情報処理サーバにおいて実施する場合の実施形態例を示している。この場合、ユーザ(顧客)は、ログイン動作と、コマンド送信という2つの典型的なユーザ端末操作を行い、情報処理サーバから必要なデータ送信を受け、あるいは、サービス提供を受けることとなる。
【0054】
例えば、図6の時刻t7において、ユーザは自身の情報処理端末を介してサーバへのログイン処理を行う(ステップS610)と、情報処理サーバでは必要な認証処理が適宜行われ(ステップS611)、時刻t8において、ユーザがサービス提供を受けられるためのデータを送信する(ステップS612)。例えば、端末からのコマンドを受信可能に構成されたトップメニュー画面や、アプリケーションの起動画面等である。
時刻t9において、ユーザは情報処理端末を介して何らかのコマンドを送信する(ステップS613)。このコマンドは、メニュー画面に表示されたメニューの選択でもよく、アプリケーション起動画面であれば、アプリケーションを開始するための開始コマンドの場合もある。サーバ側では、このコマンドを受けて、サービス処理を開始する(ステップS614)。そして、時刻t10において、端末の要求に応じたサービスがサーバから端末へ提供される(ステップS615)。
【0055】
なお、図6には図示していないが、時刻t10以降も、端末からは随時コマンドを送信することができ(例えば、メッセージ送信コマンドやメニュー選択コマンドなど)、都度、サーバでは端末からのコマンド受信を受けてサービスを提供することができる(例えば、受信したメッセージを他端末に転送したり、メッセージ解析をしてその結果を返信したりするなど)。
【0056】
図7に、本発明の一実施形態にかかる購入商品受渡しシステムにおける動作処理フローを示す。ここでは、顧客端末(ユーザ端末)を所持する顧客(ユーザ)側の処理動作と、管理サーバや店舗内端末等の制御に基づいて商品を配送したり確保したり諸々の通知等を発信したりする店舗側の処理動作とに大別して処理の流れを説明している。
【0057】
ステップS701では、ユーザが自身の端末に専用アプリをダウンロードする。この形態には、図6を参照して説明したような種々のバリエーションが存在し、必ずしも専用アプリケーションをダウンロードすることが必須条件となるものではない。ステップS703では、アプリケーション起動後初回の操作として会員情報がユーザによって入力される(具体例は、図6を参照して説明したとおりである)。
【0058】
次に、ステップS705へ進み、ユーザは自身の端末を介して図示しない店舗内でのショッピングを行うか、あるいは、店舗側のショッピングサーバまたはECサイト(不図示)に接続してネットショッピングを行う。店舗内での購入手続きやサイト上での商品購入手続きそれ自体は既知の手法を採用することができるが、本発明の一実施形態においては、既知の手法に替えて任意のタイミングで決済処理を行うこともできる(仔細は後述)。
【0059】
また、本ステップでは、本発明の一実施形態における独自の操作の1つとして、1以上の商品の購入後にこの(これらの)商品の受渡し場所となる「受渡しエリア」の指定をすることができる。ここでの商品の受渡しエリアの指定画面は、既存のGUIを介して行われ、例えば図示しないユーザ端末画面上の受渡しエリア選択ボックスに対する選択操作をとおしてして受渡し場所を選択することができる。
【0060】
次に、ステップS702では、ステップS705においてユーザによって購入されたか購入意思を示された商品を確保するとともに、ステップS705において入力された当該商品の受渡し場所(受渡しエリア)をユーザ端末から受信して、当該商品を受渡しエリアへ搬入するよう準備を行う(然るべき店舗側端末への搬入指示など)。この搬入準備は店舗側のスタッフ(例えば、店舗スタッフや受渡しエリアスタッフ)によって進められてもよいし、あるいは、ロボット等を使用して自動的に搬入させてもよい。
【0061】
ステップS704では、まず、店舗(や店頭)から受渡しエリアへの該当商品の搬入準備が進められるとともに、受渡しエリア内ロッカーのボックス(または棚)番号の割当てが行われる。この割当ては、本発明の一実施形態においては管理サーバ21によって自動割当てされ、例えば、次表のようなテーブルにて管理される。
【表2】
ここで、上表の会員番号(ID)は、顧客に対して割り振られた一意の番号である。また、注文No.は購入した(したい)商品ごとに紐付けられており、図示しない他のテーブルには紐付けられた商品コードや個数などの情報が別途管理されている。受渡しエリアNo.は顧客が指定した受渡し場所を特定するための番号であり、ロッカーNo.は前述の受け渡りエリア内に設置されたロッカーを特定するための番号であり、棚No.は前述のロッカーにおける棚を特定するための番号である。
また、利用状況は、前述のNo.で特定される受渡しエリア内のロッカーにおける特定の棚の現在の使用状況がフラグ等によって管理される。
【0062】
次に、上記割り当てられた所定の受渡しエリアの所定ロッカー内の所定棚へ該当商品が格納または納入される。この作業は、上述したとおり店舗スタッフまたは受渡しエリアスタッフによってなされてもよいし、図示しないオートメーション機構(ロボット)によってなされてもよい。
【0063】
ステップS706では、該当商品が確保され、受渡しエリア内ロッカーの棚番号が決定したことを店舗側の端末から顧客端末へ送信する。この通知は、管理サーバ21から発信されてもよいし、店舗側の任意の端末から発信されてもよい。また、発信操作は店舗側のスタッフによって発信指示されても良いし、受渡しエリア内ロッカーの棚番号が決定された時点等で自動的に発信されてもよい。
【0064】
ステップS707では、顧客端末においてこの通知を受信する。ここでの通知例は、図8に示されるとおりである。図8はユーザ端末800の画面例であり、端末800のディスプレイ810上には、商品受取り案内メッセージ820と注文番号表示欄830とロッカー棚番号表示欄840と入口認証コード850とが配置される。
入口認証コード850は、顧客がゲートを通過して受取りエリアを入室するための入室コードの一形態である。
【0065】
なお、ロッカー棚番号表示欄840には、棚番号「A1」のみ表示されているが、同一の受取りエリア内に複数のロッカーが配置されている場合には、ロッカー番号及びそのロッカー内の棚番号を表示させることができる。また、入口認証コード850には既知の2次元コードを採用することができる。
また、図示しないボタン操作等により、本画面を終了させたりメニュー画面等の他の画面へ遷移させたりすることができる。
【0066】
ステップS709では、前ステップ(ステップS707)で通知を受けた顧客が商品受渡しのために受渡しエリアへ向かう。少なくともこのときまでに受渡しエリア内ロッカーの該当棚にはこの顧客に受け渡す商品が搬入または納入されている。
【0067】
次に、ステップS711では、顧客がゲート102の入口にて受取り案内画面(図8を参照して例示したもの)の入口認証コードをかざす。本発明の一実施形態において、このコードはゲート102にて光学的に読み取られ、管理サーバ21または店舗側の端末へ送信され顧客本人の認証処理及び注文情報の確認処理が行われる(ステップS708)。問題がなければステップS710へ進み、ゲート102の入口が開放(例えば制止扉が開くなど)される。このとき(図7ではステップS708としているがステップS710でもよい)、顧客の入口通過の記録が管理サーバ21または店舗側の端末においてなされる。
ステップS713では、顧客はゲート102の入口を通過する。
【0068】
次に、ステップS715では、顧客が通知を受けた棚番号に該当するロッカー棚(ボックス)から購入商品をピックアップする。このときの様子は、受取りエリアに設置されたカメラ103a、103bにて監視させることができる(また、既知の画像認識技術を導入して誰かどの商品をピックアップしたかを管理サーバ21または店舗側の端末に認識させることも可能である。既知の技術の範囲であるので、仔細の説明は割愛する)。
【0069】
ステップS717では、顧客は自身の端末(顧客端末)を介して受取り完了確認処理を行う。ここでの確認処理例は、図9に示されるとおりである。図9はユーザ端末900の画面例であり、端末900のディスプレイ910上には、商品受取り確認タイトル920と確認処理案内メッセージ930と商品受取り確認完了ボタン940とが配置される。顧客が確認完了ボタン940を押下することによって、その旨が管理サーバ21または店舗側の端末に送信され、本商品の顧客への受取りは完了したことが記録される。
【0070】
次に、ステップS719では、顧客がゲート102の出口にて出口認証コード(顧客が受取りエリアから退出するための退出コードの一形態である。)をかざす。本発明の一実施形態において、このコードはゲート102にて光学的に読み取られ、管理サーバ21または店舗側の端末へ送信されその顧客商品が占有していた棚に対応する棚番号の開放処理が行われる(ステップS712)。出口認証コードの表示例は、図10に示すとおりである。図10はユーザ端末1000の画面例であり、端末1000のディスプレイ1010上には、案内メッセージ1020と出口認証コード1030とが配置される。出口認証コード1030には既知の2次元コードを採用することができる。
また、上記棚番号の解放処理によって、上表で説明した棚No.に対応する利用状況フラグが「開放」または「空き」に変更される。これによって当該棚は後続の顧客の購入商品を収容するために利用可能となる。
【0071】
次に、ステップS714へ進み、ゲート102の出口が開放(例えば制止扉が開くなど)される。このとき(図7ではステップS712としているがステップS714でもよい)、顧客の出口通過の記録が管理サーバ21または店舗側の端末においてなされる。
ステップS721では、顧客はゲート102の出口を通過する。
【0072】
なお、本発明の理解の容易のために、入口認証コード及び出口認証コードは既知の2次元コードとし、その読み取り方法については光学的な読み取りとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁気的な読み取り方法や既知の近距離無線通信技術による認証方法を採用することもできる。
【0073】
[決済タイミング]
本発明の他の実施形態にかかる購入商品受渡しシステムでは、図7に例示した動作処理フローにおける様々なタイミングで決済処理を行わせることができる。例示すると、次のとおりである。
(1)ステップS705の商品注文時
(2)ステップS711またはステップS713の受渡しエリア入口ゲート通過時
(3)ステップS715の商品ピックアップ時
(4)ステップS717の顧客端末アプリ上での受渡し完了確認時
(5)ステップS719またはステップS721の受渡しエリア出口ゲート通過時
上記タイミング(1)〜(5)は、他のタイミングを排除するものではない。つまり、上記(1)の商品注文時に注文商品についてはいったん決済を済ませ、受取りエリアへ向かう途中で既注文商品の追加希望がある場合には図示しない顧客端末画面を介して追加注文し、上記(2)〜(5)までのいずれかのタイミングで追加注文分についての差額決済を行わせることができる。
【0074】
一方で、上記(1)の商品注文時に注文商品についてはいったん決済を済ませ、上記(3)の受取りエリア内での商品ピックアップ後に一部の商品を返品した場合には、上記(4)〜(5)のいずれかのタイミングで返品分の差額決済(払い戻し処理)を行わせることができる。
以上のような多様な決済(払い戻し)タイミングは本発明の利便性を一層向上させる。
【0075】
以上、具体例に基づき、購入商品受渡しシステム等の実施形態を説明したが、本発明の実施形態としては、システム又は装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。
【0076】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。
【0077】
さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装された別の処理ユニット(DSP等)によってその一部又は全部が実施される構成とすることもできる。
【0078】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0079】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0080】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。
【符号の説明】
【0081】
10 受渡しエリア
101、26 ロッカー
102、27 ゲート
103a、103b、28 カメラ
20 購入商品受渡しシステム
21 管理サーバ
22 タブレット端末(ユーザ端末装置及び/または店舗側端末の一形態)
23 携帯電話(ユーザ端末装置の一形態)
24〜25 PC(ユーザ端末装置及び/または店舗側端末の一形態)
37a〜37c、38 通信回線
39 公衆回線(専用線、インターネット等)
【要約】
【課題】 購入商品受渡しシステムにおけるロッカーの回転率を向上させる。
【解決手段】 顧客端末と通信し、店舗内外に設けられた受渡しエリアでの購入商品の前記顧客への受渡しを管理する管理サーバを有する購入商品受渡しシステムであって、前記受渡しエリアには、前記受渡しエリアの入退室を管理する管理ゲートと、前記購入商品を一時保管するための保管棚とが備えられ、前記管理サーバは、前記顧客端末からの前記購入商品の注文時に前記購入商品を預かる前記保管棚を割当て、前記割当てた保管棚と前記受渡しエリアの前記管理ゲートへの入室コードとを前記顧客端末に通知することを特徴とする。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10