【実施例】
【0047】
実験手法:
細胞培養及び発酵
永久ヒト羊膜細胞の細胞株CAP 1D5を、既知組成の、6mMの安定したグルタミン(biochrom、ドイツ)を補充した動物成分非含有のCAP−CDM培地(CEVEC Pharmaceuticals、ドイツ)において、又は4mMの安定したグルタミン(biochrom、ドイツ)を補充した血清非含有PEM培地(Life Technologies)においてのいずれかの懸濁液において培養した。
【0048】
Life Technologies製の293F細胞を4mMの安定したグルタミン(biochrom、ドイツ)を補充したFreestyle293発現培地(Life Technologies)の懸濁液において培養した。
【0049】
接着性CHO−K1細胞(ATCC、CCL−61)を10%FBS及び2mMの安定したグルタミン(biochrom、ドイツ)を補充したF12−K培地(Life Technologies)において培養した。
【0050】
接着性MDCK.1細胞(ATCC、CRL−2935)を10%FBS及び2mMの安定したグルタミン(biochrom、ドイツ)を補充した、EMEM培地(ATCC)又はDMEM F−12(ATCC)のいずれかにおいて培養した。
【0051】
CAP細胞及び293F細胞を、振とうフラスコ(Corning、125mL(25mL wv)又は3000mL(1000mL wv))において37℃、5%CO
2、及び185rpmにて培養した。発酵の間、CAP細胞に3日目、5日目、及び7日目に10%CAP−CDMフィード液(CEVEC Pharmaceuticals、ドイツ)及び4mMの安定したグルタミン(biochrom、ドイツ)を与えた。接着性CHO−K1及びMDCK.1細胞を、6cm又は10cmの細胞培養皿(TPP)又は225cm
2の細胞培養皿(BD)において37℃、5%CO
2にて培養した。
【0052】
クローニング
本発明において使用される細胞株の世代において、細胞を、糖構造修飾酵素であるST3Gal1及び/又はST3Gal4をコードする核酸構築物並びに特定の組換えタンパク質を用いて連続してヌクレオフェクトした。安定した細胞株のみを利用した。表1には、作製した全ての細胞株を挙げている。
【0053】
【表1】
【0054】
ST3Gal1のcDNAを設計するため、前駆体タンパク質及び成熟タンパク質の配列情報は、データベースエントリーUniProt Q11201(配列番号1)に基づいたものであった。クローニングにおいて、ClaI制限部位及びKozak配列をヒトST3Gal1 cDNAの開始コドンの5’末端側に付加し、EcoRV制限部位を終止コドンの3’末端側に付加して、pStbl−Puro−CMV−MCS(−)ベクターのClaI制限部位とEcoRV制限部位との間に挿入し、発現プラスミドpStbl−Puro−CMV−ST3Gal1を得た。このベクターは、目的の遺伝子の発現を誘導するCMVプロモーターに続き、改良型のスプライシング介在性mRNA輸送のためのSV40イントロン、及び目的の遺伝子を挿入するためのマルチクローニング部位を含有する。選択マーカー(ピューロマイシン)は、ヒトユビキチン(UbC)プロモーターにより誘導される。cDNA合成はGeneArt(ドイツ、Life Technologies)にて行われた。
【0055】
ST3Gal4 cDNAを設計するため、前駆体タンパク質及び成熟タンパク質の配列情報は、データベースエントリーUniProt Q11206(配列番号2)に基づいたものであった。クローニング用に、ClaI制限部位及びKozak配列をヒトST3Gal4 cDNAの開始コドンの5’末端側に付加し、EcoRV制限部位を終止コドンの3’末端側に付加して、pStbl−Puro−CMV−MCS(−)ベクターのClaI制限部位とEcoRV制限部位との間に挿入し、発現プラスミドpStbl−Puro−CMV−ST3Gal4を得た。cDNA合成はGeneArt(ドイツ、Life Technologies)にて行われた。
【0056】
ヌクレオフェクション及びプール作製
ヌクレオフェクションを、製造業者のプロトコルに従い、ヌクレオフェクター(LONZA)を使用し、適切なヌクレオフェクターキット(KitV;CAP細胞、293F及びCHO又はKitT;MDCK.1細胞)を用いて行った。つまり、培養物の対数増殖期の間に、1×10
7個の細胞を遠心分離(150g、5分間)により回収し、100μlの完全ヌクレオフェクター溶液に再懸濁し、合計5μgのプラスミドと混合した。ヌクレオフェクションを、X001プログラム(CAP細胞及び293F細胞)、U024プログラム(CHO−K1)、又はP029プログラム(MDCK.1)を用いて行った。パルス処理後、細胞を完全細胞培養培地に戻した。細胞は前述同様に培養した。
【0057】
安定したプールを作製するため、72時間〜96時間のヌクレオフェクション後の細胞を、5μg/mlのブラストサイジン(治療用タンパク質)及び/又は200μg/mlのネオマイシン(pStbl−neo−CMV−ST3Gal4)及び/又は2μg/mlのピューロマイシン(pStbl−Puro−CMV−ST3Gal1)を用いて選抜した。
【0058】
ラットにおける組換えC1 Inhの薬物動態試験
ベリナート(ヒト血漿由来のC1 Inh)又はCAP C1 Inh、CAP C1 Inh ST3Gal4若しくはCAP C1 Inh ST3Gal1/ST3GAL4に発現した精製組換えC1 Inhのいずれかをラットに注射して比較薬物動態試験を行った。
【0059】
雌のSprague Dawleyラットに10mg/kg用量のi.v.ボーラス注射後のhC1 Inhの残留濃度を、様々な時間点:5分、10分、15分、20分、30分、60分、2時間、4時間、6時間、及び24時間にて決定した。
【0060】
図3において、組換えC1 Inh又はベリナートの単回静脈内注射後のC1 Inhの血清濃度を示す。残留C1 Inhの割合をELISAにより検出した。各動物において、C1 Inh濃度を5分=100%の濃度に正規化した。値を当て嵌め、注射後の時間に対してプロットした。各群(n=4、ベリナートのn=7を除く)において、代表的な動物の1例のグラフを示す。
図5において、C1 Inhの様々な形態に対する曲線下面積(AUC)の計算結果を示す。
【0061】
MALDI−TOF−質量スペクトル分析
サンプルを脱塩するため、100μgのタンパク質を、クロロホルム−メタノールを用いて2回析出し、真空回転により乾燥させた。グリカンを50℃にて一晩インキュベーションすることによりアルゴン下の50μLのNaBH
4(50mMのNaOH中1M)にβ脱離した。Dowex50×8(H
+)を用いて脱塩し、酸性メタノールからメチルエステルを共蒸留することによりホウ酸塩を除去した後、乾燥させた残基を当該技術分野において知られている通りにメチル化した。MALDI−MSをUltrafleXtreme装置(Bruker Daltonics)で行った。マトリクス(50%アセトニトリル/0.1%TFA中α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸)を用いて1:1に混合することによってメチル化したグリカンアルジトールをステンレス鋼の標的に塗布した。分析は、MS1及びMS2(Post−Source−Decay−Modus)の陽イオン検出により行われた。様々なグリカン種の同定は、i)単糖組成物に関する情報が得られる分子イオン、及びii)MS2分析のフラグメント化(B、C、Y、及びZイオン)に基づいたものであった。
【0062】
PNGaseF消化
PNGaseFは、N−結合型糖タンパク質の最深部のGlcNAcとアスパラギン残基との間を切断するアミダーゼである。それゆえ、C1 Inhタンパク質をPNGaseFで処理した後、タンパク質の骨格及びO−結合型グリカンは残存する。血漿由来のヒトC1 InhとCAP細胞に発現したC1 Inhとの間のタンパク質骨格が等しいものであるとして、PNGaseFの処理がO−グリカンの構造に関する間接的な情報を担っている。
【0063】
PNGaseF消化は、製造業者の説明書に記載の通りに行われた。つまり、100ngの精製タンパク質を500UのPNGaseF(NEB)と1時間、37℃にてインキュベーションした。続いて、サンプルを、製造業者の説明書に従い、還元条件下においてNuPAGE Novex 4%〜12%のBis−Trisゲルで分離した。分離したタンパク質をブロットモジュール(Invitrogen)(30V、60分間、室温)を介してAmersham Hybond ECL膜(100V、60分間、室温)に移した。膜をPBSTB(リン酸緩衝生理食塩水、pH=7.4、0.1%Tween20及び1%BSAを補充)を用いて1時間、室温にてブロッキングした。その後、膜をPBSTBで1:10000に希釈したマウスモノクローナルC1 Inh特異的HRP標識抗体とともにインキュベーションした。膜をPBST(リン酸緩衝生理食塩水、pH=7.4、0.1%Tween20を補充)を用いて洗浄後、タンパク質をPierce ECL WB基質キットを用いて化学発光検出器(INTAS)により検出した。
【0064】
レクチン免疫ブロット法
レクチンは、特定の炭水化物構造に結合するタンパク質である。それゆえ、ビオチン結合レクチンを使用して、N−結合型及びO−結合型グリカンを分析することができる。エリスリナ・クリスタ・ガリ(ECL)レクチンは、N−結合型グリカンのβ1−4結合型末端ガラクトースを検出し、ピーナッツ凝集素(PNA)はO−結合型グリカンのβ1−3結合型末端ガラクトースを検出し、サンブカス・ニグラ(Sambucus nigra:西洋ニワトコ)凝集素(SNA)は2,6結合型シアル酸に優先的に結合し、一方マキア・アムレンシス(Maackia amurensis:イヌエンジュ)レクチン(MAL)は2,3結合型シアル酸に優先的に結合する。
【0065】
ST3Gal1及び/又はST3Gal4を共発現し、又は共発現することなく、精製タンパク質又は細胞培養上清を上記のように分離し、Hybond ECLニトロセルロース膜(GE healthcare)にブロッティングした。膜をPBSTB(リン酸緩衝生理食塩水、pH=7.4、0.1%Tween20及び1%BSAを補充)を用いて1時間、室温にてブロッキングした。その後、膜をPBSTBで1:2000(MAL 1:400)に希釈したレクチンとともにインキュベーションした。PBST(リン酸緩衝生理食塩水、pH=7.4、0.1%Tween20を補充)を用いて膜を洗浄後、膜を、ストレプトアビジン結合ホースラディッシュペルオキシダーゼを用いて1時間、室温にて染色した(PBSTBで1:1000に希釈)。HRPシグナルを抗ストレプトアビジンIgG及び抗IgG−HRPを用いて増幅させた。タンパク質をPierce ECL WB基質キットを用いて化学発光検出器(INTAS)により検出した。
【0066】
IEF分析
等電点電気泳動(IEF)を行い、CAP C1 Inh細胞又はST3Gal4及び/又はST3Gal1を用いてトランスフェクトしたCAP C1 Inh細胞それぞれから精製したC1 Inhの等電点(pI)を分析した。シアリル化の割合は、所与のタンパク質酸性度と、それゆえそのpIと相関する。IEF分析は、製造業者のプロトコル(Invitrogen)に従い行われた。つまり、5μgの精製タンパク質をpH3〜pH7のゲルに充填し、電気泳動(1時間100V、1時間200V、30分間500V)を行った。タンパク質を製造業者のプロトコル(Invitrogen)に従い、SimplyBlue SafeStainで染色した。
【0067】
実施例1:
プロテアーゼ阻害因子であるC1エステラーゼ阻害因子(C1 Inh)は、セルピンスーパーファミリーに属する。その主な機能は、補体系を阻害して自然に活性化するのを阻止する。500aaのタンパク質は、7つの予測N−グリカン及び8つの予測O−結合型グリカンと高度にグリコシル化される。
【0068】
構築物のゲノムへの安定した組込みを促進させるため、ヒト組換えC1阻害因子(rhC1 Inh、配列番号3)(CAP−C1 Inh)を発現するよう予め安定してトランスフェクトしたヒト羊膜細胞の細胞株CAP 1D5の細胞を、ScaIで直鎖状にしたST3Gal4をコードするベクターでヌクレオフェクトした。ベクターは、直鎖状の構築物のゲノムへの安定した組込みを選択するための薬剤発現カセットを含有する。プール作製後、得られた安定したCAP−C1 Inh−ST3Gal4プールに、限界希釈によるシングルセルクローニングを行った。選抜したクローンを分析し、ST3Gal4の発現を証明した。次いで、ST3Gal4を発現するCAPシングルセルクローンを、ST3Gal1遺伝子をコードする遺伝子を用いて更にヌクレオフェクトした。細胞を、抗生物質を用いて選抜し、安定してrhC1 Inh、ヒトST3Gal4、及びST3Gal1(CAP−C1 Inh−ST3Gal1/4)を共発現する細胞のプールを得た。
【0069】
十分な量の組換えC1 Inhを作製するため、ヒトC1 Inhを過剰発現する作製済みのCAP−C1 Inh細胞株を実験手法に記載の通りに培養した。続いて、C1 Inhを以下の細胞株の細胞培養上清から以下に記載の通りに精製した:CAP−C1 Inh、CAP−C1 Inh−ST3Gal4、及びCAP−C1 Inh−ST3Gal1/4(プールA及びB)。
【0070】
細胞培養上清又は精製組換えC1 Inh及びベリナートを分析し、糖構造を決定した。
【0071】
C1 Inh特異的抗体を用いた免疫ブロット法(
図6)により、血漿から精製したC1 Inh(ベリナート)は電気泳動中の移動が速く、CAP細胞由来の組換えC1 Inhに比べ質量が消失していることを示すことが明らかとなった。ST3Gal4と組み合わせたシアリルトランスフェラーゼST3Gal1の過剰発現も同様に移動速度が上昇している。この作用は、PNGase消化によってタンパク質の骨格からN−結合型グリカンを切断した後に更により明らかとなり、移動が速いことは、実際には残存するO−結合型グリカンのサイズの違いによることを示している。
【0072】
N−結合型グリカンのシアリル化の割合を決定するため、ECLレクチン免疫ブロットが行われた。エリスリナ・クリスタ・ガリ(ECL)レクチンはN−結合型グリカンのβ1−4結合型末端ガラクトースを検出する。それゆえ、ECLブロットにおけるシグナルの消失は、シアリル化の量の増加を意味する。
図7に示されるように、ベリナートのN−結合型グリカンはほぼ完全にシアリル化されている。ST3Gal4を過剰発現するCAP細胞由来のC1 InhのN−グリカンも同様にシアリル化され、ST3Gal1/4を過剰発現するCAP細胞由来のC1 Inhでは、アシアロN−グリカンの量がわずかに高いことを示す。比較すると、シアリルトランスフェラーゼを過剰発現しないCAP細胞から精製したC1 InhではECLブロットにおいて強いシグナルが得られ、アシアロN−グリカンの量が多いことを示す。
【0073】
ST3Gal1の過剰発現時のCAP細胞の組換えC1 InhのO−結合型グリカンのシアリル化の割合を最初にPNAレクチン免疫ブロットにより試験した。ピーナッツ凝集素(PNA)はO−結合型グリカンのβ1−3結合型末端ガラクトースを検出する。それゆえ、PNAレクチンブロットにおけるシグナルの消失は、O−グリカンのガラクトース残基のシアリル化のレベルの増加を示唆している。
図8に示されるように、ST3Gal1を過剰発現するCAP細胞の細胞培養上清から精製されたC1 Inhでは、O−グリカンの完全なシアリル化を示すシグナルは示されていない。血漿由来のC1 Inhであるベリナートにおいても同じことが当てはまる。
【0074】
レクチンブロットからの結果は、等電点電気泳動(IEF)により確定することができた。様々なC1 Inhの骨格が同一であるとして、IEFの変化は、シアル酸含量における変化による可能性が最も高い。
図9に示されるように、付加的にST3Gal4を発現することにより、得られた修飾型C1 Inhは、アノードに向かって非常にわずかであるが移動し、1分子当たりのシアル酸の総量においてわずかに増加したことを示す。対照的に、付加的にST3Gal1を発現することにより、C1 Inhがアノードに向かう著しい移動を生じ、シアル酸の総量の顕著な増加を示す。
【0075】
図10において、O−結合型グリカンのMALDI−TOF−質量スペクトルの詳細を示す。
図11において、これらのデータをまとめ、様々なO−グリカン構造のピーク強度を説明する。
図12は得られたデータの説明を示す。付加的にST3Gal1又はST3Gal4を過剰発現しないCAP C1 Inhサンプル、すなわちCAP C1 Inhにおいて、検出可能なO−グリカンの75%はコア2構造であり、末端ガラクトース残基(Gal1−3(Gal1−GlcNAc1−6)GalNAc−ol_コア2)(m/z 983)、又はNeuAc2−3Gal1−3(Gal1−4GlcNAc1−6)GalNAc−ol(m/z 1344)、Gal1−3(NeuAc2−3Gal1−4GlcNAc1−6)GalNAc−ol(m/z 1344)、及びNeuAc2−3Gal1−3(NeuAc2−3Gal1−4GlcNAc1−6)GalNAc−ol(m/z 1706))を伴わないシアリル化O−グリカンは35%に過ぎなかった。コア1構造はほとんど検出できていない。付加的にST3Gal4を発現することにより、コア1構造に向かう移動を生じる(68.7%)(NeuAc2−3Gal1−3GalNAc−ol_コア1)。興味深いことに、ST3Gal1を過剰発現するCAP細胞のC1 Inhの発現は、コア1のO−グリカンの排他的な発現を生じ(99.1%)、任意の末端ガラクトース残基、特に(NeuAc2−3Gal1−3GalNAc−olのそれぞれGal1−3(NeuAc2−6)GalNAc−ol(m/z 895)及びNeuAc2−3Gal1−3(NeuAc2−6)GalNAc−ol(m/z 1256)を伴わずにほぼ完全にシアリル化される(98.5%)。
【0076】
様々な糖鎖改良型組換えC1 Inh、CAP−C1 Inh−ST3Gal4、及びCAP−C1 Inh−ST3Gal1/4対CAP細胞由来の組換えC1 Inh(野生型)、又は血漿由来のC1 Inh(ベリナート)の血清半減期を決定するため、薬物動態試験を行った。
【0077】
様々なサンプルの濃度時間曲線を正規化した後、様々なサンプルクラスターが形状及び曲線の伸び(progression)がほぼ同じである2つのグループに分けられることが明らかとなっている:一方は、CAP−C1 Inh−ST3Gal4と合わせて、付加的に任意のシアリルトランスフェラーゼを発現しないCAP C1 Inh及びもう一方は、血漿由来のヒトC1 Inhであるベリナートと合わせたCAP−C1 Inh−ST3Gal1/4(
図3)。各グループ内の物質は、同じ薬物動態に従って同様に血流から排除されている。
【0078】
ST3Gal4の過剰発現のみでは、組換えにより発現したC1 Inhの血清半減期に有益な作用がない一方で、付加的にST3Gal1が共発現することにより、血清半減期が約6倍高まった(
図4)。AUC、ひいてはバイオアベイラビリティは非修飾型C1 Inhに比べおよそ6倍増大し、ベリナートにおいて測定されたAUC値と同等である(
図5)。つまり、これらの結果により、糖タンパク質を示すN−グリカン及びO−グリカンにおいて、O−グリカンの広範囲のシアリル化はN−グリカンにおけるものと同様に重要であることが指摘される。
【0079】
実施例2:
肝細胞成長因子は、成熟した実質性肝細胞における強力な分裂促進因子であり、肝再生因子であると考えられ、組織及び細胞型の広域の成長因子として作用する。728aaの大きさのタンパク質は、4つの予測N−グリカン及び1つの予測O−結合型グリカンを含有する。
【0080】
構築物のゲノムへの安定した組込みを促進するため、ヒト組換え肝細胞の成長因子(配列番号4)を安定して発現するCAP 1D5細胞を、ScaIで直鎖状にした、ST3Gal4、ST3Gal1、又はST3Gal4及びST3Gal1をコードするベクターのいずれかを用いてヌクレオフェクトした。ベクターは、細胞の選抜を促進し、直鎖状の構築物をゲノムに安定して組み込ませる薬剤発現カセットを含有する。プール作製後に得られた、安定したCAP細胞のプールであるCAP−HGF、CAP−HGF−ST3Gal1、CAP−HGF−ST3Gal4、及びCAP−HGF−ST3Gal1/4を実験手法に記載の通りに培養した。組換えヒトHGFを含有する細胞培養上清を、ECL及びPNAのレクチンブロットにより試験し、既存のN−結合型糖構造及びO−結合型糖構造を決定した。
【0081】
エリスリナ・クリスタ・ガリ(ECL)レクチンは、N−結合型グリカンのβ1−4結合型末端ガラクトースを検出する。それゆえ、ECLブロットにおけるシグナルの消失は、シアリル化の量の増加を意味する。
図13に示されるように、ST3Gal4又はST3Gal1/4の過剰発現により、N−結合型グリカンのシアリル化の増加を生じたが、ST3Gal1の過剰発現効果はなかった。
【0082】
ST3Gal1の過剰発現時のCAP細胞の組換えHGFのシアリル化の量を、PNAレクチン免疫ブロットにより試験した。ピーナッツ凝集素(PNA)は、O−結合型グリカンのβ1−3結合型末端ガラクトースを検出する。それゆえ、PNAレクチンブロットにおけるシグナルの低下は、O−グリカンのガラクトース残基のシアリル化のレベルの増加を示唆する。
図13に示されるように、ST3Gal1のみ又はST3Gal4を組み合わせての過剰発現は、組換えHGFのO−グリカンのシアリル化の顕著な増加を生じた。
【0083】
実施例3:
以下の実験は、シアリルトランスフェラーゼST3Gal1の過剰発現時の糖タンパク質のO−グリカンのシアリル化において観察された増加が、組換えタンパク質の製造に利用される多様な細胞株又は製剤の製造及び/又はバイオメディカル研究のためのウイルスにより共有される一般的な特徴であるかどうかを検討するために行われた。
【0084】
不死化ヒト胚腎臓細胞である293F細胞(Life Technologies、R−970−07)を、構築物のゲノムへの安定した組込みを促進するため、ScaIで直鎖状にした、ST3Gal1、又はST3Gal1及びST3Gal4をコードするベクターのいずれかを用いてヌクレオフェクトした。ベクターは、細胞の選抜を促進し、直鎖状の構築物をゲノムに安定して組み込ませる薬剤発現カセットを含有する。プール作製後に得られた、安定した293F細胞のプールである293F−ST3Gal1及び293F−ST3Gal1/4、及び野生型293F細胞を、hC1 Inhをコードする遺伝子を用いて更にヌクレオフェクトした。細胞を、抗生物質を用いて選抜し、i)rhC1 Inh、ii)rhC1 Inh及びヒトST3Gal1、iii)rhC1 Inh、ヒトST3Gal1、及びヒトST3Gal4を安定して発現する細胞のプールを得た。C1 Inhを、方法の章で記載の細胞培養上清を含有するC1 Inhから精製し、ECL及びPNAのレクチンブロットにより試験し、既存のN−結合型糖構造及びO−結合型糖構造を決定した。
【0085】
エリスリナ・クリスタ・ガリ(ECL)レクチンは、N−結合型グリカンのβ1−4結合型末端ガラクトースを検出する。それゆえ、ECLブロットにおけるシグナルの消失は、シアリル化の量の増加を意味する。
図15に示されるように、ST3Gal1/4の過剰発現により、N−結合型グリカンのシアリル化の増加を生じたが、ST3Gal1のみの過剰発現効果はなかった。
【0086】
ST3Gal1の過剰発現時の293F細胞の組換えC1 Inhのシアリル化の量を、PNAレクチン免疫ブロットにより試験した。ピーナッツ凝集素(PNA)は、O−結合型グリカンのβ1−3結合型末端ガラクトースを検出する。それゆえ、PNAレクチンブロットにおけるシグナルの低下は、O−グリカンのガラクトース残基のシアリル化のレベルの増加を示唆する。
図15に示されるように、ST3Gal1のみ又はST3Gal4を組み合わせての過剰発現は、組換えヒトC1InhのO−グリカンのシアリル化の顕著な増加を生じた。
【0087】
実施例4:
CHO−K1(ATCC、CCL−61)細胞株を、成体のチャイニーズハムスターの卵巣の生検試料から出発した親CHO細胞株からの部分クローンとして得た。
【0088】
ヒトシアリルトランスフェラーゼST3Gal1の過剰発現時のO−結合型グリカンのシアリル化において観察された増加が、非ヒト哺乳動物の細胞株においても生じるかについて検討するため、ヒトC1 Inhを、シアリルトランスフェラーゼST3Gal1の存在下又は非存在下において上記の細胞に発現させた。
【0089】
構築物のゲノムへの安定した組込みを促進するためCHO−K1細胞を、ScaIで直鎖状にしたST3Gal1をコードするベクターを用いてヌクレオフェクトした。ベクターは、細胞の選抜を促進し、直鎖状の構築物をゲノムに安定して組み込ませる薬剤発現カセットを含有する。プール作製後に得られた、安定したCHO−K1細胞プール、CHO−ST3Gal1、及び野生型CHO−K1細胞を、hC1 Inhをコードする遺伝子を用いて更にヌクレオフェクトした。細胞を、抗生物質を用いて選抜し、i)rhC1 Inh、ii)rhC1 Inh、及びヒトST3Gal1を安定して発現する細胞のプールを得た。
【0090】
細胞を方法の章に記載の通りに増殖させた。細胞の作製において、ヒトC1 Inh細胞を含有する培養上清を10cmの細胞培養皿に播種し、細胞を播種後の3日目に1×PBSで広範囲に洗浄し、ウシ胎児血清を除去した後、新鮮な血清非含有培地を添加した。4日後に、細胞培養上清を回収し、細胞及び細胞片を遠心分離により取り出し、0.22μmのフィルターにより濾過した。C1 Inhを方法の章に記載の通りに精製した。
【0091】
ST3Gal1の過剰発現時のCHO−K1細胞の組換えC1 InhのO−グリカンのシアリル化の量を、PNAレクチン免疫ブロットにより試験した。ピーナッツ凝集素(PNA)は、O−結合型グリカンのβ1−3結合型末端ガラクトースを検出する。それゆえ、PNAレクチンブロットにおけるシグナルの低下は、O−グリカンのガラクトース残基のシアリル化のレベルの増加を示唆する。
図16に示されるように、ST3Gal1のみの過剰発現により、組換えヒトC1 InhのO−グリカンのシアリル化の顕著な増加を生じた。
【0092】
実施例5:
イヌMDCK.1細胞(ATCC、CRL−2935)を安定してトランスフェクトした。得られた安定したMDCK.1細胞プール、MDCK.1−ST3Gal1、及び野生型MDCK.1細胞を更に安定してトランスフェクトし、i)rhC1 Inh、ii)rhC1 Inh、及びヒトST3Gal1を安定して発現する細胞のプールを得た。
【0093】
MDCK.1細胞を方法の章に記載の通りに増殖させた。細胞の作製において、ヒトC1 Inh細胞を含有する培養上清を、225cm
2の細胞培養皿に播種し、細胞を播種後の2日目に、1xPBSで広範囲に洗浄し、ウシ胎児血清を除去した後、新鮮な血清非含有培地を添加した。5日後に細胞培養上清を回収し、細胞及び細胞片を遠心分離により取り出し、0.22μmのフィルターにより濾過した。C1 Inhを方法の章に記載の通りに精製し、ECL及びPNAのレクチンブロットにより試験し、既存のN−結合型糖構造及びO−結合型糖構造を決定した。
【0094】
エリスリナ・クリスタ・ガリ(ECL)レクチンは、N−結合型グリカンのβ1−4結合型末端ガラクトースを検出する。それゆえ、ECLブロットにおけるシグナルの消失は、シアリル化の量の増加を意味する。
図17に示されるように、ST3Gal1の過剰発現は、N−結合型グリカンのシアリル化の増加を生じなかった。
【0095】
ST3Gal1の過剰発現時のMDCK.1細胞の組換えC1 InhのO−グリカンのシアリル化の量を、PNAレクチン免疫ブロットにより試験した。ピーナッツ凝集素(PNA)は、O−結合型グリカンのβ1−3結合型末端ガラクトースを検出する。それゆえ、PNAレクチンブロットにおけるシグナルの低下は、O−グリカンのガラクトース残基のシアリル化のレベルの増加を示唆する。
図17に示されるように、ST3Gal1のみの過剰発現により、組換えヒトC1 InhのO−グリカンのシアリル化の顕著な増加を生じた。
【0096】
考察:
上記に示す実験において、CMP−シアル酸からガラクトース含有基質までのシアル酸の移動を触媒するST3Gal1を、単独又はST3Gal4と組み合わせたいずれかにおいて、哺乳動物の細胞に過剰発現させた。
【0097】
ST3Gal1の過剰発現は、共発現したO−グリコシル化組換えタンパク質のほぼ完全なシアリル化を生じた。さらに、GalNAc O−グリカンの不均一性は顕著に減少した。
【0098】
驚くべきことに、ST3Gal4のみの過剰発現は、試験した糖タンパク質の薬物動態プロファイルに効果はなく、一方で付加的なST3Gal1の過剰発現及びGalNAc O−グリカンのシアリル化の割合において得られた増加が、血清半減期を約6倍増大させた。
【0099】
薬物動態プロファイルを改良するために治療用タンパク質のグリカン構造を修飾することは、非常に強力な手段の1つである。本発明の場合、治療用タンパク質の特に2つの共通する弱点、1つ目は血清半減期の限定、及び2つ目は糖鎖構造の不均一性に対処している。これは、GalNAc O−グリカンのほぼ完全なシアリル化を示す糖タンパク質の分泌を生じるST3Gal1酵素の強制的な発現により実現することができる。
【0100】
本発明は、一宿主由来の特定の一細胞株に限定されず、動物細胞株の広範囲に適用可能である。さらに、本発明は糖タンパク質の特定の一グループに制約されず、少なくとも1つのGalNAc O−結合型グリカンを含有する広範囲の糖タンパク質、例えば成長因子、ペプチドホルモン、サイトカイン、酵素、抗体、抗体フラグメント、血液凝固因子、又はプロテアーゼ阻害因子に適用可能である。
【0101】
本発明は以下のアミノ酸及びヌクレオチド配列に関する。
【0102】
配列番号:1
ヒトST3Gal1
MVTLRKRTLK VLTFLVLFIF LTSFFLNYSH TMVATTWFPK QMVLELSENL KRLIKHRPCT 60
CTHCIGQRKL SAWFDERFNQ TMQPLLTAQN ALLEDDTYRW WLRLQREKKP NNLNDTIKEL 120
FRVVPGNVDP MLEKRSVGCR RCAVVGNSGN LRESSYGPEI DSHDFVLRMN KAPTAGFEAD 180
VGTKTTHHLV YPESFRELGD NVSMILVPFK TIDLEWVVSA ITTGTISHTY IPVPAKIRVK 240
QDKILIYHPA FIKYVFDNWL QGHGRYPSTG ILSVIFSMHV CDEVDLYGFG ADSKGNWHHY 300
WENNPSAGAF RKTGVHDADF ESNVTATLAS INKIRIFKGR 340
【0103】
配列番号:2
ヒトST3Gal4
MVSKSRWKLL AMLALVLVVM VWYSISREDR YIELFYFPIP EKKEPCLQGE AESKASKLFG 60
NYSRDQPIFL RLEDYFWVKT PSAYELPYGT KGSEDLLLRV LAITSSSIPK NIQSLRCRRC 120
VVVGNGHRLR NSSLGDAINK YDVVIRLNNA PVAGYEGDVG SKTTMRLFYP ESAHFDPKVE 180
NNPDTLLVLV AFKAMDFHWI ETILSDKKRV RKGFWKQPPL IWDVNPKQIR ILNPFFMEIA 240
ADKLLSLPMQ QPRKIKQKPT TGLLAITLAL HLCDLVHIAG FGYPDAYNKK QTIHYYEQIT 300
LKSMAGSGHN VSQEALAIKR MLEMGAIKNL TSF 333
【0104】
配列番号:3
ヒトC1 Inh
MASRLTLLTL LLLLLAGDRA SSNPNATSSS SQDPESLQDR GEGKVATTVI SKMLFVEPIL 60
EVSSLPTTNS TTNSATKITA NTTDEPTTQP TTEPTTQPTI QPTQPTTQLP TDSPTQPTTG 120
SFCPGPVTLC SDLESHSTEA VLGDALVDFS LKLYHAFSAM KKVETNMAFS PFSIASLLTQ 180
VLLGAGENTK TNLESILSYP KDFTCVHQAL KGFTTKGVTS VSQIFHSPDL AIRDTFVNAS 240
RTLYSSSPRV LSNNSDANLE LINTWVAKNT NNKISRLLDS LPSDTRLVLL NAIYLSAKWK 300
TTFDPKKTRM EPFHFKNSVI KVPMMNSKKY PVAHFIDQTL KAKVGQLQLS HNLSLVILVP 360
QNLKHRLEDM EQALSPSVFK AIMEKLEMSK FQPTLLTLPR IKVTTSQDML SIMEKLEFFD 420
FSYDLNLCGL TEDPDLQVSA MQHQTVLELT ETGVEAAAAS AISVARTLLV FEVQQPFLFV 480
LWDQQHKFPV FMGRVYDPRA 500
【0105】
配列番号:4
ヒトHGF
MWVTKLLPAL LLQHVLLHLL LLPIAIPYAE GQRKRRNTIH EFKKSAKTTL IKIDPALKIK 60
TKKVNTADQC ANRCTRNKGL PFTCKAFVFD KARKQCLWFP FNSMSSGVKK EFGHEFDLYE 120
NKDYIRNCII GKGRSYKGTV SITKSGIKCQ PWSSMIPHEH SFLPSSYRGK DLQENYCRNP 180
RGEEGGPWCF TSNPEVRYEV CDIPQCSEVE CMTCNGESYR GLMDHTESGK ICQRWDHQTP 240
HRHKFLPERY PDKGFDDNYC RNPDGQPRPW CYTLDPHTRW EYCAIKTCAD NTMNDTDVPL 300
ETTECIQGQG EGYRGTVNTI WNGIPCQRWD SQYPHEHDMT PENFKCKDLR ENYCRNPDGS 360
ESPWCFTTDP NIRVGYCSQI PNCDMSHGQD CYRGNGKNYM GNLSQTRSGL TCSMWDKNME 420
DLHRHIFWEP DASKLNENYC RNPDDDAHGP WCYTGNPLIP WDYCPISRCE GDTTPTIVNL 480
DHPVISCAKT KQLRVVNGIP TRTNIGWMVS LRYRNKHICG GSLIKESWVL TARQCFPSRD 540
LKDYEAWLGI HDVHGRGDEK CKQVLNVSQL VYGPEGSDLV LMKLARPAVL DDFVSTIDLP 600
NYGCTIPEKT SCSVYGWGYT GLINYDGLLR VAHLYIMGNE KCSQHHRGKV TLNESEICAG 660
AEKIGSGPCE GDYGGPLVCE QHKMRMVLGV IVPGRGCAIP NRPGIFVRVA YYAKWIHKII 720
LTYKVPQS 728
【0106】
配列番号:5
ST3Gal1モチーフ3コンセンサス配列
HYWE 4
【0107】
配列番号:6
パン・トログロデュテスST3Gal1
MVTLRKRTLK VLTFLVLFIF LTSFFLNYSH TMVATTWFPK QMVLELSENL KRLIKHRPCT 60
CTHCIGQRKL SAWFDERFNQ TVQPLLTAQN ALLEDDTYRW WLRLQREKKP NNLNDTIKEL 120
FRVVPGNVDP MLEKRSVGCR RCAVVGNSGN LRESSYGPEI DSHDFVLRMN KAPTAGFEAD 180
VGTKTTHHLV YPESFRELGD NVSMILVPFK TIDLEWVVSA ITTGTISHTY VPVPAKIRVK 240
QDKILIYHPA FIKYVFDNWL QGHGRYPSTG ILSVIFSMHV CDEVDLYGFG ADSKGNWHHY 300
WENNPSAGAF RKTGVHDADF ESNVTATLAS INKIRIFKGR 340
【0108】
配列番号:7
マカカ・ムラッタST3Gal1
MVTLRKRTLK VLTFLVLFIF LTSFFLNYSH TMVTTTWFPK QMVLELSENL KRLIKHRPCT 60
CTHCIGQRKL SVWFDERFNQ TVQPLLTAQN ALLEDDTYRW WLRLQREKKP NNLNDTIKEL 120
FRVVPGNVDP MLEKRSVGCR RCAVVGNSGN LRESSYGPEI DRHDFVLRMN KAPTAGFEAD 180
VGTKTTHHLV YPESFRELGD NVSMILVPFK TIDLEWVVSA TTTGTISHTY VPVPAKIRVK 240
QDKILIYHPA FIKYVFDNWL QGHGRYPSTG ILSVIFSMHV CDEVDLYGFG ADSKGNWHHY 300
WENNPSAGAF RKTGVHDADF ESNVTATLAS INKIRIFKGR 340
【0109】
配列番号:8
サス・スクロファST3Gal1
MAPMRKKSTL KLLTLLVLFI FLTSFFLNYS HTVVTTAWFP KQMVIELSEN FKKLMKYPYR 60
PCTCTRCIEE QRVSAWFDER FNRSMQPLLT AKNAHLEEDT YKWWLRLQRE KQPNNLNDTI 120
RELFQVVPGN VDPLLEKRLV SCRRCAVVGN SGNLKESYYG PQIDSHDFVL RMNKAPTEGF 180
EADVGSKTTH HFVYPESFRE LAQEVSMILV PFKTTDLEWV ISATTTGRIS HTYVPVPAKI 240
KVKKEKILIY HPAFIKYVFD RWLQGHGRYP STGILSVIFS LHICDEVDLY GFGADSKGNW 300
HHYWENNPSA GAFRKTGVHD GDFESNVTTI LASINKIRIF KGR 343
【0110】
配列番号:9
ラッタス・ノルベギクスST3Gal1
MVNMRKRTLK YLTFFLLFIF LTSFVLNYSN SGVPSAWFPK QMVLEFSENF RKFIKSQPCT 60
CRHCISQGKV SYWFDQRFNK TMQPLLTAHN ALMEEDTYRW WLRLQRERKP NNLSDTVKEL 120
FRLVPGNVDP MLNKRLVGCR RCAVVGNSGN LKDSSYGPEI DSHDFVLRMN RAPTVGFEAD 180
VGSRTTHHLV YPESFRELGE NVNMVLVPFK ITDLQWVISA TTTGTITHTY VPVPPKIKVK 240
QEKILIYHPA FIKYVFDNWL QGHGRYPSTG ILSVIFSIHI CDEVDLYGFG ADSKGNWHHY 300
WENNPSAGAF RKTGVHDGDF EYNVTTTLAA INKIRIFKGR 340
【0111】
配列番号:10
ムス・ムスクルスST3Gal1
MRRKTLKYLT FFLLFIFLTS FVLNYSNTGV PSAWFPKQML LELSENFRRF IKSQPCTCRH 60
CISQDKVSYW FDQRFNKTMQ PLLTVHNALM EEDTYRWWLR LQRERKPNNL SDTVKELFRL 120
VPGNVDPMLN KRLVGCRRCA VVGNSGNLKD SSYGPEIDSH DFVLRMNKAP TVGFEADVGS 180
RTTHHLVYPE SFRELGENVN MVLVPFKTTD LQWVISATTT GTITHTYVPV PPKIKVKQEK 240
ILIYHPAFIK YVFDNWLQGH GRYPSTGILS IIFSIHICDE VDLYGFGADS KGNWHHYWEN 300
NPSAGAFRKT GVHDGDFEYN ITTTLAAINK IRIFKGR 337
【0112】
配列番号:11
ナンノスパラックス・ガリST3Gal1
MVNLRKKIVK WLTFLLLFVF LTSCFLNYSN SGVPITWFPK QMVLELSENF QKLIKQRPCT 60
CTHCISQSKV SSWFDQRFNQ TMQPLLTASN AMMEEDTYQW WLRLQRERKP NNLSDIVKEL 120
FSLVPGNVDP VLDKRSVGCR RCAVVGNSGN LRASSYGSDI DSHDFVLRMN RAPTVGFEAD 180
VGSRTTHHLV YPESFRELGE NVNMVLVPFK TTDLQWVISA TTTGTITHTY VPVPPKIKVK 240
QEKILIYHPA FIKYVFDNWL QGHGRYPSTG ILSVIFSMHV CDEVDLYGFG ADSKGNWHHY 300
WENNPSAGAF RKTGVHDGDF ESNVTTTLAS INKIRIFKGR 340
【0113】
配列番号:12
モノデルフィス・ドメスティカST3Gal1
MAAIKKKRLK VFTFVLLLVS LTSFFLNYAH TTATYTWFPK QMVMHFSEHF KRFMKYPQRP 60
CSCSQCISET GFAPWFDERF NHTMQPLLNR QNAFLENDTY TWWMKLQRER TPKRLNETFM 120
DLFSIIPGDV DPLLQKGPLI CRRCAVVGNS GNLKESHYGK DIDSHDFVLR MNRAPTAGFE 180
VDVGRKTTHH LVYPESFREL AGNVSMILVP FKTMDLQWLI SALTKGTINF TYVPVPRKIH 240
VNREKILIYH PAFIKYVFDS WLQAHGRYPS TGILSVILSL HICDKVDLYG FGADSKGNWH 300
HYWENNPSAG AFRKTGVHDG DFESNVTSTL ASLNKIRIFK GR 342
【0114】
配列番号:13
オリクトラグス・クニクルスST3Gal1
MVTPRKRTLK ALAFLMLFIF LTSFLLNYSH TMVATTWFPK QMVLEFSENL RKLIKTRPCT 60
CAHCVGQRKL SAWFDERFNQ TMQPLLTAHN ALMEEDTYRW WLKLQREKKP NNLNDTIKEL 120
FSVVPGDVDP VLEKRSVGCR RCAVVGNSGN LRESSYGPDI DSHDFVLRMN KAPTVGFEGD 180
VGSKTTHHLV YPESFRELGE NVSMVLVPFK TIDLQWVVSA TTTGTISHTY VPVPAKIKVK 240
QDKILIYHPA FIKYVFDNWL QGHGRYPSTG ILSVIFSMHI CDEVDLYGFG ADSKGNWHHY 300
WENNPSAGAF RKTGVHDADF ESNVTATLAA INKIRIFKGR 340
【0115】
配列番号:14
クリセツルス・グリセウスST3Gal1
MMTTQKKVLK VLTFLVLLIF LTSFVLNFAH TTVPAAWFPK QMVLELSQNL RKLIKPPPCT 60
CTHCISQRKV SAWFDKRFNQ TVQPLLTAHN AVLEEDTYQW WLRLQREKKP SNLSDTIREL 120
FSVVPGNVDP VLEKKSGSCR RCAVVGNSGN LRESSYGPEI DSHDFVLRMN RAPTVGFEAD 180
VGSKTTHHLV YPESFRELGE DVSMILVPFK TIDLQWVVSA TTTGTISHTY VPVPKKIKVK 240
QDKILIYHPA FIKYVFDNWL QGHGRYPSTG ILSVIFSLHV CDEVDLYGFG ADSKGNWHHY 300
WENNPSAGAF RKTGVHDGDF ESNVTATLAA INKIRIFTGR 340
【0116】
配列番号:15
カニス・ファミリアリスST3Gal1
MVTMRKRTLK VLTLLVLFIF LTSFFLNYSH TMVTTTWFPK QMVVELSENF KKFMKYTHRP 60
CTCARCIGQQ RVSAWFDERF NRSMQPLLTA QNALLEEDTY SWWLRLQREK QPNNLNDTIR 120
ELFQVVPGNV DPLLEKRSVG CRRCAVVGNS GNLRESWYGP QIDSHDFVLR MNKAPTAGFE 180
MDVGSKTTHH LVYPESFREL AENVSMVLVP FKTTDLEWVV SATTTGTISH TYVPVPAKIK 240
VKKDKILIYH PAFIKYVFDS WLQGHGRYPS TGILSVIFSL HICDEVDLYG FGADSKGNWH 300
HYWENNPSAG AFRKTGVHDG DFESNVTATL ASINKIRIFK GR 342
【0117】
配列番号:16
フェリス・カツスST3Gal1
MVTVRKRTLK VLTLLVLFIF LTSFFLNYSH TMVATTWFPK QMVVELSENF KKFMKYAHRP 60
CTCARCIGQQ RVSPWFDERF NRSMQPLLTA QNALLEEDTY SWWLRLQREK QPNNLNDTIK 120
ELFQVVPGNV DPLLEKKSGG CRRCAVVGNS GNLRESWYGP QIDGHDFVLR MNKAPTAGFE 180
ADVGSKTTHH LVYPESFREL GENVSMVLVP FKTTDLEWVV SATTTGTISH TYVPVPAKIK 240
VKKNKILIYH PAFIKYVFDN WLQGHGRYPS TGILSVIFSL HICDEVDLYG FGADSKGNWH 300
HYWENNPSAG AFRKTGVHDG DFESNVTATL ASINKIRIFK GR 342
【0118】
配列番号:17
エクウス・カバッルスST3Gal1
MATHRRRILK VLTLLILFIF LTSFFLNYSH TVVTTAWFPK QMVLELSENF KKLVQYSHRP 60
CSCARCIGQQ KVSSWFDERF NRSMQPLLTV QNAFLEEDAY NWWLRLQREK EPSNLNDTIK 120
ELFRVVPGNV DPLLGKRSVG CRRCAVVGNS GNLKESSYGP QIDSHDFVLR MNKAPTAGFE 180
AYVGSKTTHH LVYPESFREL GENVSMVLVP FKTTDLEWVV SATTTGTISH TYVPVPAKIK 240
VKQDKILIYH PAFIKYVFDN WLQGHGRYPS TGILSVIFSL HICDEVDLYG FGADSRGNWH 300
HYWENNPSAG AFRKTGVHDG DFESNVTATL ASIDKIRIFK GR 342
【0119】
配列番号:18
ガルス(Gallus:ニワトリ)ST3Gal1
MVTVRKRNVK VFTFAFVLIT VTSFLLNYKH QVTMTTWDPK HIISQFSEQV RKLIKFPRRP 60
CSCSTCISEL GHSLWFDQRF NSTMQPFLTS QNALIPEDSY RWWLKLQGEK SPKNINDTLK 120
ELFGIIPGDR DPLQERGTFS CRRCAVVGNS GNLRQSQYGQ DIDSHDFVLR MNRAPTIGYE 180
SDVGSKTTHH FVYPESYKEL AENVSMIVIP FKTLDLRWIV TALTTGTINF TYVPVPRKIK 240
VRKEKVLIYN PSFIKYVYEN WLQNHGRYPS TGLLSVIFAL HVCDEVNVYG FGADSKGHWH 300
HYWENNASAG AFRQTGVHDG DFEFNVTLTL ASIEKIKFFK GR 342
【0120】
配列番号:19
コルムバ・リビアST3Gal1
MVVVRRRNVK VFTFAFLLIT VTSFLLNYTH QVTTTTWDPR HLVMQFSEQV QKLFKYPRRP 60
CSCRSCISEL GHSLWFDQRF NSTMQPFLTS QNALIPEDSY RWWLKLQGEK TPKNINATLK 120
ELFEFIPGDG DPLQERGTST CRRCAVVGNS GNLLQSQYGQ DIDSHDFVLR MNRAPTTGYE 180
SDVGSKTTHH FVYPESYKEL AENVSMILIP FKTLDLRWIV TALTTGTINF TYVPVPRKIK 240
VKKEKILIYN PTFMKYVYEN WLQHHGRYPS TGLLSLIFAL HVCDEVNVYG FGADSRGHWH 300
HYWENNGSAG AFRKTGVHDG DFEFNVTLTL ASIEKINFFK GR 342
【0121】
配列番号:20
アリゲーター・シネンシスST3Gal1
MRRRHLKMFS FLFVFIAAMS FFLNYNHYEA MVTWAPQQIV MQFSEQFKKL MKHPRRPCSC 60
KACVSELGLS LWFDERFNQT MQPLLTTQNA LISQDSYRWW LKLQGEKNPK NINETIKELF 120
ETISGDGSQL QERSSSMCRR CAVVGNSGNL RQSHYGQDID SHDFVLRMNR APTVGFESDV 180
GSKTTHHFVY PESFKELPEN VSMIVIPFKT LDLRWIVSAL TTGTINHTYV PVPRKIKVKK 240
EKILVYHPDF LKYVFDHWLQ RHGRYPSTGI LSVVFALHVC DEVNLYGFGA NSKGHWHHYW 300
ENNPSAGAFR QTGVHDGDFE SNITSTLAAV NKIHLFKGR 339
【0122】
配列番号:21
ラティメリア・カルムナエST3Gal1
MARHNHRIMW LLTIILLLCV YMVIYDMGED KQKLIKIPSI RRLSGRTIVL DKKLCSCEKC 60
VSEKEESAWF DERFDPNFQP ILMTEVQDIP SHALQWWLSL QAGNKNYNLS ESIAKLFTVV 120
PRTNHSGIRD PAHCRKCAVV GNSGNLKGSN HGKEIDAHHF VIRMNRARTA GFEPDVGIKT 180
THHLMYPESS QDLQPGVHLV LLPFKIMDFE WIRSALTTGE ITRTYFRVQQ FIKADKDKVL 240
IINPTFFKYV CDHWTEHHGR YPSTGMTALV FALHICDEVS VFGYGADSNG NWHHYWENNR 300
NGGAFRRTGV HSGDFESQII KKLADEGKII FYK 333
【0123】
配列番号:22
シオナ・インテスチナリスST3Gal1
MLINFKLSRV IAMLLVVAIF LTYSWLLLWS TKTALQTNRK NKAGQDEVPV INVIKEDSYV 60
QQKTQNLNKG KRFDLGRVNH SHPREEIQQN NKCGHQLDAS QTRWFRARFN PEIEPVWTQS 120
ALEIDYLVYD WWLSLQSSEA ENLDKTFEAL YKEGVPRKDP FARLTHDREA GCRSCAVVGN 180
SGNILNSNYG NVIDGHDFVI RMNKGPTYNY ENDVGSKTTH RFMYPTTAAS SLPQGVSLVL 240
VPFQPLDIKW LLSALTTGEI TRTYQPLVRR VTCDKSKITI ISPTFIRYVH DRWTQHHGRY 300
PSTGLLALIY ALHECDEVDV YGFGANRAGN WHHYWEDLPP HVAGAFRKTG VHDSAQENEI 360
IDQLHIHGLL RVHRSEQSS 379