特許第6395959号(P6395959)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6395959使い捨て容器のための高分子遠隔シールシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6395959
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】使い捨て容器のための高分子遠隔シールシステム
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/06 20060101AFI20180913BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20180913BHJP
   G01F 23/18 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   G01L19/06 A
   C12M1/34 Z
   G01F23/18
【請求項の数】22
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-567611(P2017-567611)
(86)(22)【出願日】2016年6月21日
(65)【公表番号】特表2018-523116(P2018-523116A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】US2016038503
(87)【国際公開番号】WO2017003759
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2018年2月19日
(31)【優先権主張番号】14/788,069
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ファデル,ポール・アール
(72)【発明者】
【氏名】シューマッハー,マーク・エス
(72)【発明者】
【氏名】プライス,ジョシュア・エム
(72)【発明者】
【氏名】シトラー,フレッド・シー
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5351013(JP,B2)
【文献】 特許第6329698(JP,B2)
【文献】 特表2009−538414(JP,A)
【文献】 特開2007−225610(JP,A)
【文献】 特許第5208919(JP,B2)
【文献】 特許第5547894(JP,B2)
【文献】 特許第5992707(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0283279(US,A1)
【文献】 米国特許第8123397(US,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0163667(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0145818(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 19/
C12M 1/
G01F 23/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て容器を圧力測定機器に結合するための高分子遠隔シールシステムであって、
前記使い捨て容器に結合するように構成されたプロセス側結合部と、ここで、前記プロセス側結合部は、放射線滅菌可能ポリマーで形成され、かつ前記使い捨て容器の圧力に応答して偏向するように構成されているプロセス側偏向可能ダイアフラムを有している、
前記圧力測定機器へ結合するように構成された機器側結合部と、ここで、前記機器側結合部は、放射線滅菌可能ポリマーで形成され、かつ圧力測定機器の分離ダイアフラムへ流体圧を流体的に伝達するように構成されている、及び
前記プロセス側結合部を前記機器側結合部に流体的に結合する配管と、
を含んでいる、
上記高分子遠隔シールシステム。
【請求項2】
前記プロセス側結合部は、前記使い捨て容器に結合するように構成されている、請求項1に記載の高分子遠隔シールシステム。
【請求項3】
前記プロセス側結合部は、前記使い捨て容器に結合可能なフランジ本体を含み、前記フランジ本体が前記プロセス側偏向可能ダイアフラムに溶接されている、請求項2に記載の高分子遠隔シールシステム。
【請求項4】
前記プロセス側結合部は、前記使い捨て容器壁の一部分が前記プロセス側偏向可能ダイアフラムを形成するように前記使い捨て容器壁に結合されているところのフランジ本体を含んでいる、請求項2に記載の高分子遠隔シールシステム。
【請求項5】
前記プロセス側結合部は、前記使い捨て容器に結合された配管を保持するように構成された少なくとも1つの段付き部分を有する配管コネクタを含み、前記プロセス側偏向可能ダイアフラムは、前記配管コネクタ内に配置された折り畳み可能なベローズ構造を有する、請求項2に記載の高分子遠隔シールシステム。
【請求項6】
前記プロセス側結合部は、前記使い捨て容器に結合された配管を保持するように構成された少なくとも1つの段付き部分と、前記プロセス側結合部を前記機器側結合部に結合する配管を保持するように構成された少なくとも1つの段付き部分とを有する配管コネクタを含む、請求項2に記載の高分子遠隔シールシステム。
【請求項7】
前記機器側結合部は、前記圧力測定機器に結合可能なフランジを含み、前記フランジは複数のポートを有し、各ポートはそれぞれのバルブによって調整される、請求項1に記載の高分子遠隔シールシステム。
【請求項8】
前記フランジと前記圧力測定機器との間に配置されたシールをさらに含む、請求項7に記載の高分子遠隔シールシステム。
【請求項9】
前記システムは、前記フランジを前記圧力測定機器に結合した後に充填流体で充填されるように構成されている、請求項8に記載の高分子遠隔シールシステム。
【請求項10】
前記機器側結合部は、フランジと、前記フランジに結合された機器側偏向可能ダイアフラムとを含み、前記使い捨て容器からの圧力が、前記機器側結合部の前記機器側偏向可能ダイアフラムを前記圧力測定機器の前記分離ダイアフラムに当接させることをもたらす、請求項1に記載の高分子遠隔シールシステム。
【請求項11】
前記器具側偏向可能ダイアフラムは、前記フランジに溶接されている、請求項10に記載の高分子遠隔シールシステム。
【請求項12】
前記高分子遠隔シールシステムは、前記プロセス側結合部を前記機器側結合部へ流体的に結合する充填流体で予め充填されている、請求項10に記載の高分子遠隔シールシステム。
【請求項13】
前記フランジは、前記フランジを前記圧力測定機器に対してクランプするためのクランプ力を受けるように構成された肩部を含む、請求項12に記載の高分子遠隔シールシステム。
【請求項14】
前記肩部と前記圧力測定機器との間に配置されたシールをさらに備える、請求項13に記載の高分子遠隔シールシステム。
【請求項15】
バイオリアクターの圧力を圧力測定機器に流体的に結合させる方法で
あって、
プロセス側接続部と機器側接続部とを有する高分子遠隔シールシステムを提供すること;
前記プロセス側接続部を前記バイオリアクターに結合すること;
前記バイオリアクター及び少なくとも前記プロセス側接続部を滅菌すること;
前記機器側接続部を前記圧力測定機器に接続すること;
サンプルを前記バイオリアクターに導入すること;及び
前記バイオリアクター内の圧力を測定するために前記圧力測定機器を使用すること、
を包含する、
上記方法。
【請求項16】
前記機器側接続部を前記圧力測定機器に結合した後に、前記高分子遠隔シールシステムを充填することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記高分子遠隔シールシステムを前記圧力測定機器から切り離すこと、及び、前記バイオリアクターと前記高分子遠隔シールシステムを一緒に廃棄すること、をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
液体測定システムであって、
使い捨て容器に結合するように構成されたプロセス側結合部と、ここで前記プロセス側結合部は、ポリマーで形成され、且つ使い捨て容器の圧力に応じて偏向するように構成されているプロセス側偏向可能ダイアフラムを有する;
分離流体で満たされた配管を有するプロセス側結合部へ流体的に結合された機器側結合部と、ここで前記機器側結合部は、測定機器に結合するように構成された機器側結合部であって、ポリマーで形成され流体的に流体圧を測定機器に伝える;
を含む、高分子遠隔シールシステムと、
前記高分子遠隔シールシステムへ結合された測定機器と、ここで前記測定機器は、前記高分子遠隔シールシステムの前記機器側結合部に流体的に結合された分離ダイアフラム、及び前記機器側結合部によって搬送される圧力に基づいて出力を提供するための構成を有する、
を備える、
上記液体測定システム。
【請求項19】
前記高分子遠隔シールシステムは、前記測定機器に結合された温度センサを含む、請求項18に記載の液体測定システム。
【請求項20】
前記測定機器は、局所的表示器を含む、請求項18に記載の液体測定システム。
【請求項21】
前記測定機器は、無線出力を提供する、請求項20に記載の液体測定システム。
【請求項22】
前記測定機器は、測定された圧力及び既知の液体密度に基づいて前記使い捨て容器内の液体レベルの表示を提供する、請求項18に記載の液体測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
使い捨て容器、例えばバイオリアクターは、幾つもの目的のためのバイオ反応を生成及び支持するのに有用である。バイオ反応は、温度及び/又は圧力の変化の影響を受けうる。さらに、バイオ反応が進行するにつれて、反応自体が、バイオリアクター内の様々なパラメータ、例えば圧力を変化させる可能性がある。従って、バイオ反応の圧力又は他の変数を監視することが重要でありうる。
【背景技術】
【0002】
生命科学産業は、大型の定置洗浄(CIP:clean-in-place)インフラストラクチャを有するステンレススチール製の大規模資本集約型施設から、バイオリアクターとして機能するポリマーバッグ又は容器を使用する小規模施設へ移行しつつある。バイオリアクターバッグは一度使用された後、廃棄される。この使い捨てバイオリアクター技術は、プラントの資本コストを大幅に削減する。たとえば、ステンレススチール製のCIPインフラストラクチャを使用する既存の施設では、蒸気洗浄サイクルに耐えるように設計された非常にハイエンドの計装を含め、施設の運営コストの90%を定置洗浄のインフラストラクチャに起因する可能性がある。使い捨ての1回使用のバイオリアクターバッグに移すことによって、資本のCIP部分を排除することができ、施設はより柔軟でより小さくすることができる。これは次に、さらなら標的薬剤治療及び別の小規模応用に対して必要とされるところの小さなバッチ生産を可能にする。
【0003】
製薬メーカーが、大型のステンレス製のプロセス容器から少量の予め滅菌した使い捨てのプラスチックバッグシステムに切り替えると、成長環境及びその後のプロセスを制御するためにこれらのシステムにおける圧力を測定する必要性が生じる。通常、製薬メーカー及びライフサイエンス産業は、一般に事前滅菌され一回の使用後に処分される圧力センサを使用しており、このことがライフサイエンス産業を安価なセンサの使用に向かわせた。そのような安価なセンサは、例えばシリコーンゲルなどの流体分離のための比較的粗雑な方法を使用する。これらの方法は、様々なバイオ反応を支持するためのライフサイエンス産業にとって一般的に受け入れ難い不正確な測定につながる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
高分子遠隔シールシステムが、使い捨て容器を圧力測定機器に結合するために提供される。上記高分子遠隔シールシステムは、プロセス側結合部と、機器側結合部と、それらの間の流体結合部とを含む。上記プロセス側結合部は、上記使い捨て容器に結合するように構成され、かつ放射線滅菌可能ポリマーで形成されている。上記プロセス側結合部は、上記使い捨て容器の圧力に応じて偏向するように構成されたプロセス側偏向可能ダイアフラムを有している。上記機器側結合部は、上記圧力測定機器に結合するように構成され、放射線滅菌可能ポリマーから形成されている。上記機器側結合部は、流体圧を上記圧力測定機器の分離ダイアフラムへ流体的に伝達するように構成されている。配管が、上記プロセス側結合部を上記機器側結合部へ流体的に結合している。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の1実施態様による高分子遠隔シールシステムを使用する使い捨てバイオリアクターの概略図である。
図2A】本発明の1実施態様による遠隔シールシステムのプロセス側接続部の部分断面図である。
図2B】本発明の別の実施態様による遠隔シールシステムのプロセス側接続部の部分断面図である。
図2C】本発明の別の実施態様による遠隔シールシステムのプロセス側接続の部分断面図である。
図2D】本発明の別の実施態様による遠隔シールシステムのプロセス側接続部の部分断面図である。
図3A】本発明の1実施態様による高分子遠隔シールシステムの機器側接続部の概略図である。
図3B】本発明の別の実施態様による高分子遠隔シールシステムの機器側接続部の概略図である。
図3C】本発明の別の実施態様による高分子遠隔シールシステムの機器側接続部を示す概略図である。
図4】本発明の別の実施態様による高分子遠隔シールシステムのプロセス側結合部の概略の断面図である。
図5】本発明の1実施態様による、使い捨てバイオリアクターのために高分子遠隔シールシステムを用いるための方法のフロー図である。
図6】本発明の1実施態様による中間バルク容器に使用される高分子遠隔シールシステムの概略図である。
図7】本発明の実施態様による中間バルク容器を有する高分子遠隔シールシステムを使用するための方法である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の実施態様は一般に、使い捨て容器、例えばバイオリアクター内の圧力を高精度圧力測定機器に結合するために遠隔シールシステムを活用する。従って、バイオ反応容器内の圧力を測定する実際のセンサは、高精度圧力測定装置内に配置される。遠隔シールシステムは、予め滅菌された高分子材料から形成され、いくつかの実施態様においては、予め滅菌された一回使用のバイオリアクターに物理的に結合される。従って、バイオリアクター及び遠隔シールシステム自体は使い捨てである。これにより、正確かつ精度の高い再使用可能な圧力伝達機の使用が可能になるが、依然として最終ユーザにバイオ反応容器への事前滅菌接続が提供される。フィールド機器側及びプロセス側の結合部については以下で別々に説明される。本発明の実施態様は、様々なプロセス側構成と様々な機器側構成のいずれかとの任意の組み合わせを含んでいる。
【0007】
図1は、本発明の1実施態様による使い捨てバイオリアクターと共に使用される高分子遠隔シールシステムの概略図である。バイオ反応システム100は、流体結合部106を介して圧力測定機器104に結合されたバイオリアクター102を含む。バイオリアクター102は、一般に、その中に配置される使い捨てバイオ反応バッグ110のためのシェルを形成するように比較的硬い壁を有する外部支持容器108を含む。外側シェル108は、一般に、使い捨てバイオ反応バッグ110の寸法及び機能性に適合する。しかし外側シェル108は、通常、再使用可能なものである。使い捨てバイオリアクターバッグ110は、一般に、サンプル112内で起こるバイオ反応を支持するように構成された高分子バッグである。
【0008】
高分子遠隔シールシステム114は、使い捨てバイオリアクターバッグ110内の圧力を圧力測定機器104へ結合する。この結合部は、プロセス接続部116に近接して配置されたダイアフラムに作用する圧力が、結合部106内の流体の動きを生成し、機器結合部118に近接するダイアフラムで関連する動きを生じさせるような流体結合部である。このような移動は、圧力が非常に正確に測定され得るように、バイオリアクターバッグ110からの流体圧を該機器104内の圧力センサへ伝達する。さらに、該機器104は、一般に、温度及び/又は他の環境変数の変動を補償するために、特徴付け及び/又は較正情報を含む。さらに、該機器104の様々な実施態様はまた、使い捨てバイオリアクターバッグ110内の圧力を単に報告する代わりに、追加の情報を提供するために、機器自体及び/又はバイオ反応に関して診断を行うことができる。さらに、該機器104は、ハイウェイアドレス可能遠隔変換器(HART(商標))プロトコル又はFOUNDATION(登録商標)フィールドバスプロトコルに従うプロセス通信ループ又はセグメントを介して、圧力情報を1つ又は複数の追加のデバイスに伝達する。さらに、本明細書に記載の実施態様は、IEC62591のような無線プロセス通信プロトコルに従ってアンテナ120を介して任意の適切なデバイスに無線でそのような圧力情報を送信することを含むこともできる。1実施態様において、機器104は商用的に入手可能である。
【0009】
図2Aは、本発明の1実施態様による遠隔シールシステムの使い捨てバイオリアクターへのプロセス側接続部の概略の断面図である。フランジ130は、配管134に流体的に結合されたフランジ本体132を含む。流体密封シールを提供するために、変形可能な分離ダイアフラム136がフランジ本体132に結合される。1実施態様において、フランジ本体132は、放射線滅菌可能な高分子で形成されている。放射線滅菌可能ポリマーの1例はポリ塩化ビニルである。しかし本発明の実施態様に従って、任意の適切な放射線滅菌可能ポリマーを使用することができる。いくつかの実施態様において、分離ダイアフラム136は、フランジ本体132と同じタイプの放射滅菌可能ポリマーからも形成される。ダイアフラム136は、様々な技術に従ってフランジ本体132に結合されうる。例えば、ダイアフラム136は、既知の溶接技術、例えば、熱、超音波、又はそれらの組み合わせを用いて環状溶接137でフランジ本体132に溶接されうる。従って、使い捨てバイオリアクターのプラスチック壁は、分離ダイアフラム136に対して耐えられ、バイオリアクター内の圧力はダイアフラム136を変形させ、それによって充填流体を配管134に押し込む。充填流体は、アプリケーションの圧力及び温度においては実質的に非圧縮性である何らかの適切な流体でありうる。充填流体は、シリコーン油、水、又は任意の他の適切な流体でありうる。上述のように、これは、圧力測定機器での類似のダイアフラムの関連する動きを生成し、その偏向は次に、該機器104内の高精度精密なセンサによって測定され又は特徴付けられる。
【0010】
図2Bは、本発明の別の実施態様による遠隔シールシステムのプロセス側結合部の概略の断面図である。遠隔シールシステム140は、例えば環状溶接部145を介して、使い捨てバイオリアクターバッグの壁144に取り付けられるフランジ本体142を含む。従って、図2Bに図示された実施態様は、如何なるシールをも除去し、頭部スペース及びレベル測定のための簡単な接続部を提供する。さらにバッグ壁144は、バイオ反応を容れるだけでなく、壁144の偏向が領域146内の流体が移動させ、最終的に配管134を通る流体流を生じさせるように、圧力に応じて偏向するように機能する。フランジ本体142は、一般に放射線滅菌可能ポリマーで形成される。しかし、フランジ本体142の材料の選択はまた、それが使い捨てバイオリアクターのために一般に用いられる材料に容易に溶接可能又はさもなければ取り付け可能であるように、個別対応されうる。
【0011】
図2Cは、本発明のまた別の実施態様による高分子遠隔シールシステムのプロセス側結合部の概略の断面図である。プロセス側結合部150は、配管134に結合された配管コネクタ152を含む。配管コネクタ152は、一般に、放射線滅菌可能なポリマーで形成される。このコネクタ152は、このコネクタ152の外径上を通過する可撓性配管を保持するように構成された1つ以上の段差部154、156を含む。図2Cに示すように、段差部154、156を通過する可撓性配管は、領域158をバイオリアクターの内部に結合する。プロセス側結合部150は、例えば、溶接部161を介してコネクタ152に取り付けられた小型折り畳み式ベローズ構造159を含む。このようにして、バイオリアクター流体圧Pは、ベローズ162を壊すように表面160に働き、それによって領域164内の体積を減少させる。体積のこの減少は、その中の流体が配管134を通るように強制し、その流体移動は、機器104によって圧力として検出される。
【0012】
図2Dは、本発明の更に別の実施態様による高分子遠隔シールシステムのプロセス側結合部の概略の断面図である。結合部170は、1実施態様においては、放射線滅菌可能なポリマーで形成された配管コネクタ172を含む。このコネクタ172は、配管134が段差部分174を越えて滑り落ちるとき配管134を保持するように構成された少なくとも1つの段差部分174を含む。さらに、コネクタ172は、使い捨てバイオリアクターに結合されている配管178を受け止め保持するようにサイズを取られ構成された別の段差部分176を含む。コネクタ172は、例えば熱溶接又は超音波溶接により、位置182でコネクタ172に取り付けられた偏向可能な分離ダイアフラム180を含む。従って、配管178内の圧力は、領域184内の体積を変化させ、それにより配管134を通る流体流を生じさせるダイアフラム180の動きを引き起こすようにダイアフラム180に働く。
【0013】
図3Aは、本発明の1実施態様による高分子遠隔シールシステムの機器側結合部の断面の概略図である。結合部200は、クランプ、ボルト、又はそれらの任意の組み合わせなどの任意の適切な方法を介して、機器104に取り付けられるか又は違う仕方で結合されるフランジ202を含む。シール204は、そこに流体密封チャンバ206を形成するために、フランジ202と機器104との間に挟まれている。チャンバ206は、機器104の偏向可能な分離ダイアフラム208によって一方の側で境界が定められている。従って、ダイアフラム208の偏向は、圧力が検出可能であるように機器104内の圧力センサの測定用のダイアフラム又は構造の関連する偏向を引き起こす。バイオ反応容器などの使い捨て容器に動作可能に結合された配管134は、フランジ202に取り付けられる。フランジ202は、1実施態様においては、放射線滅菌可能ポリマーで形成される。図3Aに示された実施態様において、遠隔シールシステムは、使用前に実質的に非圧縮性の流体で満たされる。従って、注射器、例えばシリンジ210がポート212のフランジ202に挿入される。ダイアフラムポンプ又は他の適切な装置がフランジ本体バルブ216に動作可能に結合される一方、ポート212は、配管バルブ214を用いて調整される。流体で遠隔シールシステムを満たす第1の工程は、使い捨てプロセス接続部から空気を排出することである。従って、システムから空気の全てを排出するために、真空ポンプが係合され、バルブ216が開かれる。空気が排気された後、バルブ216は閉じられ、配管バルブ214が開かれる。所定容積の充填流体が、シリンジ210を使用して遠隔シールシステム内に押し込まれる。次にバルブ214が閉じられる。この時点で圧力測定機器をゼロにすることができ、システムは使用の準備が整う。使用後、使い捨て遠隔シールシステムを取り外すことができ、再充填アセンブリは排出され得、次の用途のために新しいプロセス接続部を設置することができる。
【0014】
図3Bは、本発明の別の実施態様による高分子遠隔シールシステムの機器側結合部の概略の断面図である。結合部230は、1実施態様において、放射線滅菌可能ポリマーで形成されたフランジ本体232を含む。結合部230はまた、フランジ本体232に動作可能に結合された変形可能な高分子膜234を含む。変形可能な高分子膜234もまた、1実施態様においては、放射線滅菌可能ポリマーで形成される。膜234は、何らかの適切な技術に従ってフランジ本体232に結合されてもよい。従って膜234はフランジ本体232に溶接される。このようにして本発明の実施態様は、使用前に使用者が充填物を必要としないように充填流体で予め充填された高分子遠隔シールシステムを含むことができる。代わりに、本発明の実施態様はまた、使用者が使用前に遠隔シールシステムを充填流体で満たすことを可能にする構造を含む。使用時には、フランジ本体232は、シール236が流体密封接続を形成する程度に機器104に押し付けられる。従って、配管134を通して受け取った流体圧は、変形可能な高分子膜234の動きを引き起こし、これは、機器104の膜238の同様の動きをもたらす。膜238の動きは、圧力を正確に測定するために、機器104内の高精度圧力センサへ流体圧を伝達する。
【0015】
図3Cは、本発明の別の実施態様による高分子遠隔シールシステムの機器側結合部の概略の断面図である。結合部250は、配管134に結合されたプラスチック本体252を含み、バイオ反応の流体圧が、配管134内の充填流体を介してチャンバ254に伝えられる。変形可能な高分子ダイアフラム256が、プラスチック本体232に密閉結合され、領域254内の流体圧力は、上述したように、ダイアフラム256は、超音波又は熱溶接を含む様々な方法でフランジ252に取り付けられうる。図3Cに示されたように、フランジ252は、機器フランジ258によって機器104に押し付けられる。機器フランジ258は、フランジ252を通過する大きさの開口260を含む。フランジ252は、機器フランジ258のクランプ圧力を受けてシール262を支える肩部261を含む。従って、機器フランジ258が肩部261に押し付けられると流体密封シールが生成される。バイアスが達成される1つの方法は、ボルト、クランプなどを搭載することを介してである。このように結合されると、ダイアフラム256の動きは、機器104の分離ダイアフラムの関連する動きを生成し、その動きは、次に、高品質の圧力測定を提供するために機器104によって検出又は別の方法で測定される。
【0016】
これまでのところ、本発明の実施態様は、一般的にバイオリアクターから高精度のプロセス流体圧力測定機器まで延びる直接的な流体結合部を提供してきた。しかし、本発明の実施態様は、遠隔シールシステムの使い捨て部分に使用される材料の量を低減するために、既知の遠隔シールシステムを活用することもできる。
【0017】
図4は、本発明の別の実施態様による高分子遠隔シールシステムのプロセス側結合部の概略の断面図である。結合部400は、1実施態様において、放射線滅菌可能なポリマーで形成されたシール本体402を含む。本体402は、1実施態様において放射線滅菌可能ポリマーでまた形成された偏向可能なダイアフラム404を有する。ダイアフラム404は、溶接又は他の適切な技術を介して、本体402に取り付けられる。本体402はまた、配管134を受け取るように構成された配管コネクタ406を含む。プロセス結合器408は、何らかの適切な技術を介して使い捨てバイオリアクターへ動作可能に結合可能である。結合器408は、シールリング412を受け入れる取り付け領域410を含む。さらに、シールリング412は、結合器408及び本体402内のそれぞれの溝418、420内に延在するところの1対の環状突出部414、416を有している。結合器408及び本体402の各々は、それぞれテーパ部分422、424を有し、周方向クランプ囲み部分422、424が、結合器408と本体402とを一緒にバイアスする力を生成する。このようにして、液密シールが結合器408と本体402との間に形成される。
【0018】
本体402はまた、1実施態様において、充填流体が使用前に本体402に導入されることを可能にする充填ポート426を含む。従って、使い捨てのバイオリアクターは、システム内に存在する如何なる流体もなしに図4において示された結合器400を備えうる。さらに、そのようなバイオリアクター/結合器システムは、使用前に放射線を用いて予備滅菌されうる。次に、ユーザは、バイオ反応の圧力を監視するために、充填流体をポート426に導入し、システムをプロセス流体圧力測定機器に結合することだけが必要とされる。さらに、当業者は、ポート426に導入された流体が、バイオリアクターバッグの滅菌された内部とは反対側のプラスチックダイアフラム404にあるので、滅菌を損なうことなく、流体がポート426に導入されうることを認識するであろう。
【0019】
図5は、本発明の1実施態様による、バイオ反応圧力を監視するために高分子遠隔シールシステムを用いる方法のフロー図である。方法500はブロック502で始まり、そこでは高分子遠隔シールシステムが、バイオリアクターバッグに結合される。次にブロック504で、バイオリアクターバッグ/遠隔シールシステムが滅菌される。1実施態様において、このような滅菌は、放射線工程、例えばガンマ線放射工程を用いる。次にブロック506において、滅菌されたバイオリアクター/遠隔シールシステムは、圧力測定機器、例えば図1に関して図示されたようなものに動作可能に結合される。遠隔シールシステムが充填流体で予め充填されている実施態様においては、方法500は、ブロック510に直接進むことができ、ブロック510では、バイオ反応サンプルがバイオ反応バッグに導入される。しかし、充填流体が遠隔シールシステムに予め充填されていない実施態様においては、必要な充填流体を提供するためにブロック508が実行される。上述したように、充填流体が導入されうる1つの方法は、最初に遠隔シールシステムを排気し、次に排気された遠隔シールシステムをシリンジ又は他の適切な器具を介して充填流体源に結合することである。
【0020】
ブロック512で、プロセス測定機器が、バイオ反応バッグ内の圧力を測定するために使用される。この圧力は、連続的に、定期的に、断続的に、又は特定の事象に対応して測定しうる。最後に、バイオ反応プロセスが完了すると、方法500はブロック514に進み、高分子遠隔シールシステムが機器から切り離され廃棄される。
【0021】
上述したように、本発明の様々な実施態様は、充填流体を充填(その場で、又は予め)されるところの高分子遠隔シールシステムを使用する。高分子遠隔シールシステムは、滅菌することができるプラスチックで作られうる。シールシステムは、正確かつ比較的高価な圧力測定機器の使用を可能にする。しかし、遠隔シールシステムは使い捨てであるけれども、圧力測定機器は再使用される。高分子遠隔シールシステムは、プロセスに対する事前滅菌接続と、圧力測定機器への接続とをユーザに提供する。高分子遠隔シールシステムは、圧力測定機器から取り外すことができ、使い捨てバイオリアクターが処分されるときに処分されうる。
【0022】
高分子遠隔シールシステムの両側(プロセス側及び機器側)は、同様の構造を用いうる。両側は、典型的には、高分子シールに結合されたガス透過阻害層を有する高分子膜を有する。プロセス接続部からの流体圧力は、流体充填システムを通って圧力測定機器に送られる。プロセス側接続部は、一般に、バイオリアクターのバッグ又は容器と接続する膜が結合されたプラスチック本体を含む。機器側接続部はまた、一般に、圧力を機器に送る膜が結合されたポリマー体を含む。システムは、様々な圧力伝達媒体で充填することができ、充填スクリュー又はプラスチック溶接充填接続のいずれかを使用する。高分子遠隔シールシステムが使用終了に達すると、システムを機器から切り離して、使い捨てバイオリアクターとともに処分することができる。新しい流体充填高分子遠隔シールシステムは、その後、機器に取り付けられ、新しい使い捨てバイオ反応バッグに接続される。
【0023】
これまでのところ本発明の実施態様は、一般的にバイオリアクターと共に用いられる高分子遠隔シールシステムに関して説明されてきた。しかし本発明の実施態様は、任意の使い捨て容器で実施可能である。使い捨て容器の別の例は、中間バルク容器又は化学トート(tote)である。
【0024】
図6は、本発明の1実施態様による中間バルク容器(IBC)上で使用される高分子遠隔シールシステムの概略図である。IBC600は、バルブ604を用いてポート602から分配されうる液体の或る量を容れる。IBC600は、IBC600内の液体の圧力がシステム606の高分子分離ダイアフラムに対して作用し、流体圧を測定機器608へ流体的に伝達するように、高分子遠隔シールシステム606に結合されている。1実施態様において、高分子遠隔シールシステム606は、IBC600の内容物と熱接触して配置された任意選択的な温度センサ610を含む。温度センサ610は、温度によって変化する電気特性を有する何らかの適切なデバイスでありうる。例として、限定的にではなく、熱電対、抵抗温度デバイス(RTD)、サーミスタなどがある。温度センサ610は、参照符号612の架空線で概略的に表示された2本以上の導体を介して測定機器608に電気的に結合されている。従って、いくつかの実施態様においては、測定機器は圧力だけでなく温度も測定することができる。さらに、1実施態様において、測定機器608は、IBC600の内容物の液体密度の表示を提供することができる。一度、液体密度が分かると、測定機器608は、測定された圧力及び既知の密度に基づいてIBC608内の液体レベルの表示を提供しうる。
【0025】
図6に示されたように、測定機器608は、いくつかの実施態様において、それが結合される使い捨て容器の内容物に対する局所的な表示を提供しうる。この例においては、面614は、インジケータ、例えば内容物に関する情報を提供する針616、を備えている。例えば、密度が分かっているとき、インジケータ616は、IBC600内の液体レベルの局所的な表示を提供しうる。さらに、別の変数、例えば内容物の圧力及び/又は温度が、面614上に表示されうる。測定機器608はまた、いくつかの実施態様において、1又はそれ以上の変数のデジタル表示を他のデバイスへ、参照符号618で示されるようにワイヤレスで提供する。
【0026】
図7は、本発明の実施態様による中間バルク容器を有する高分子遠隔シールシステムを用いる方法である。方法700はブロック702から始まり、そこでは高分子遠隔シールシステムは、測定機器、例えば機器608に使い捨て容器を結合するために用いられる。高分子遠隔シールシステムが温度センサを含む実施態様においては、温度センサは、ブロック704で示されるように測定機器へ電気的に結合される。測定機器が液体密度情報を受け取ることができる実施態様においては、任意選択のブロック706が実行される。ブロック706で、液体密度情報が測定機器によって受信される。測定機器への密度情報のこの提供は、参照符号708で示されたように測定装置で局所的に、又は参照符号710で示されたように測定機器との無線通信を介して行うことができる。
【0027】
ブロック712で、測定機器は、使い捨て容器の内容物の圧力及び任意選択的に温度を測定する。ブロック714で、測定に関連する1以上の出力が提供される。出力は、参照符号716で示されたように局所的に、及び/又は参照符号718で示されたように無線で提供される。ブロック714で提供された出力は、測定された圧力、該圧力と既知の密度に基づいて計算されたレベル、温度、又はそれらの任意の組み合わせを含む。さらに、局所的な出力716及び/又は無線出力718は、例えば、レベルが閾値未満であるか又は温度が閾値を上回っている場合に、警報表示を含みうる。
【0028】
本明細書に記載の実施態様は、高品質測定値が使用されることを保証しながら、使い捨て容器内の変数を測定するための便利な方法を提供する。高分子遠隔シールシステムは、廃棄、又は一旦使い捨て容器が空にされ又は交換されると、該容器と共に処分されうる。このことは、機器が使い捨て容器から分離されているので、洗浄することなく異なる使い捨て容器を備えた正確で複雑な無線測定機器の使用及び再使用を可能にする。使い捨て容器の能動的監視がもはや必要でないとき、高分子遠隔シールシステムは、測定機器又はゲージから切り離して、使い捨て容器に残すことができる。次に、新たな高分子遠隔シールシステムが、次の使い捨て容器内に置かれ得、そして同じ測定機器又はゲージに結合されうる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7