【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、前述の欠点の解決策を提供すること、または前述の欠点を少なくとも減少すること、もしくは役に立つ代替案を提供することである。目的は、基部および蓋を具備したロードキャリアに少なくとも部分的に適合させることである。ロードキャリアは、基部および/または蓋に配置されて、蓋を基部にロックするためのロック手段を具備している。ロック手段は、互いから所定の距離だけ離れて配置され且つロック位置とロック解除位置との間を動作可能な、少なくとも第1および第2の移動可能なロック要素を具備している。第1および第2ロック要素は、ロック位置に配置された場合、相手側の基部または蓋に配置された第1および第2ロック部材とそれぞれ係合するように配置されている。ロック手段は、第1および第2ロック要素と協働して作動する細長い作動要素をさらに具備している。アクチュエータが配置されて、細長い作動要素をロック位置から第1位置へと移動させ、それにより第1および第2ロック要素をロック位置からロック解除位置へと移動させる。第1ロック要素および第2ロック要素は、細長い作動要素に接続され、これによりそれらは、ロック解除位置からロック位置へと順次的に移動することが可能である。
【0011】
第1ロック要素および第2ロック要素が順次的に移動され得るロック位置は、予備ロック位置であってよく、第1ロック要素および第2ロック要素は、順次的にまたは同時に、完全ロック位置に引き続き配置され得る。
【0012】
本発明のロードキャリアは、改良されたロック手段を備えたロードキャリアを提供している。好適にロードキャリアは、ルーフキャリアまたはそれに類似したような、自動車に搭載可能なロードキャリアである。ロック手段は、正確なロックを容易にする観点から強固である。蓋は、例えば使用者が片手のみを使用して押し下げることが可能であり、各ロックの同時のロックを必要としない。個別のロック要素は予備ロック位置に配置されて、残りのロック要素が押されて対応したロック部材と係合した場合に、個別のロック要素が完全にロックされることを許容することが可能である。
【0013】
ロードキャリアには3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のような、2つ以上のロック要素が設けら
れ、それらのロック要素は細長い作動要素と協働
する。
【0014】
第1ロック要素は好適に回転、または並進、もしくはそれらの組み合わせにより移動して、細長い作動要素の移動無しに第1ロック部材と係合し得る。好適に第1ロック要素は、所定の距離および/または所定の角度だけ移動し得る。各ロック要素は細長い作動要素、すなわち接続要素に対して限定された自由度を有し得る。このことは、ロック要素が細長い作動要素に対して限定された距離だけ移動されることを許容している。限定された距離は、細長い作動要素内に形成された細長い開口部の長さによって、または例えばガイドトラックの長さによって決定され得る。
【0015】
第2ロック要素は、ロック位置へと戻る移動から、細長い作動要素を保持する。第1ロック要素が、細長い作動要素に対して限定された距離だけ移動した場合に、細長い作動要素は第1位置に有利に保持され、すべてのロック要素が移動して対応したロック部材と係合するまで、ロック位置に戻らない。細長い作動要素は、多様な様式において第1位置に保持され得る。残りのロック要素が細長い作動要素と協働して、第1位置においてまたは中間位置において、細長い作動要素を保持することは、有利であると理解された。
【0016】
細長い作動要素は、第1および第2ロック要素を、好適に同時にロック位置からロック解除位置へと移動させた後に、第1中間位置に戻り得る。
【0017】
細長い作動要素および第2ロック要素は、同時にロック位置へと移動することが可能である。第1ロック要素がロック位置へと、または予備ロック位置へと移動した場合、残りの第2ロック要素は、細長い作動要素と共にロック位置へと移動することが可能である。ロック手段が2つより多くのロック要素を具備している場合、最後のロック要素は、細長い作動要素と共にロック位置へと同時に移動する。したがって、細長い作動要素は、すべてのロック要素がすべてのロック部材と係合するまでロック位置に戻らない。
【0018】
細長い作動要素は、第1および第2ロック要素がロック解除位置へと移動することを防止された、第1固定位置である位置へと移動され得る。細長い作動要素は、この位置において、第1および第2ロック要素がロック位置から移動することを防止している。それは独立して、ロック要素の非順次的ロックを可能にしている。
【0019】
第1および第2ロック要素は、第1および第2付勢部材により個々のロック位置に向かって個別に付勢されている。各ロック要素は、好適に個々のロック位置に向かって付勢されている。ロック要素がロック解除位置へと移動した場合、付勢部材は好適に引っ張られ、これにより付勢力はロック要素に連続的に作用する。前述の通り、第1および第2ロック要素は、ロック位置にある場合に、基部または蓋の相手側に配置された第1および第2ロック部材と個々に係合するように配置されている。
【0020】
第1および第2ロック要素は第1中心軸に沿って伸びてもよく、第1中心軸は細長い作動要素と平行である。細長い作動要素の移動の方向は、好適に少なくとも第1中心軸を備えた細長い作動要素の一部に沿って平行である。同じ中心軸に平行にそれらを移動させることにより、小さい空間を必要とする比較的薄いロック手段を提供している。ロック手段はロードキャリアの内側に配置され得るので、空間は全体的に貴重である。
【0021】
第1および第2ロック要素は、ロック位置からロック解除位置へと、細長い作動要素と共に同時に移動され得る。したがって、すべてのロック要素は、一体に且つ同時にロック解除されることが可能である。
【0022】
細長い作動要素は、多様な材料から製造され得る。それは、ロッドのような剛体要素、またはワイヤのような可撓性要素であってよい。細長い作動要素は、好適に平坦な細長い作動要素であり、並進を許容する、すなわち長手方向において安定的に形成されているが、曲げることが可能であるという観点から、幾分可撓性を有する材料から好適に形成されている。このことは、細長い作動要素が、例えばロードキャリアの湾曲した側壁に沿ったような、例えばロードキャリアの内部に沿って形成されることを可能にしている。適切な平坦な細長い作動要素は、1〜3mmの厚さ、5〜50mmの幅、および500〜3000mmの長さである。
【0023】
細長い作動要素は
並進移動により移動
する。移動は、好適に細長い作動要素の長手方向における細長い作動要素の並進によって作用される。
【0024】
第1および第2ロック要素が細長い作動要素に移動可能に接続された場合、好適にすべてのロック要素が細長い作動要素に移動可能に接続された場合に、利点が見いだされた。ロック要素は、接続部を介して細長い作動要素に好適に接続されており、接続部は、細長い作動要素がロック要素を作動することを許容しているが、各ロック要素が細長い作動要素に対して移動され、好適に並進されることをさらに許容している。
【0025】
第1および/または第2ロック要素は、ガイドトラックおよび突起のようなガイドトラック協働要素を介して細長い作動要素に接続されてもよい。ガイドトラックは、ガイドトラック協働要素が、細長い作動要素に対して限定された距離だけ移動することを許容している。限定された距離は好適に3〜40mm、より好適に5〜30mmである。限定された距離は、細長い要素および細長い要素の縦の伸びと好適に略平行または平行である。
【0026】
ガイドトラックは、細長い作動要素に形成された溝または開口部とし得る。突起は、ロック要素に形成され得る。溝および/または開口部は好適に細長く、3〜40mm、好適に5〜30mm、より好適に15〜25mmの主伸びを有する。
【0027】
細長い作動要素は、ハウジングの内側の少なくとも第1ロック要素と第2ロック要素との間に伸びている。細長い作動要素は保護ハウジングの内側に位置し、細長い作動要素がロードキャリアによって運搬される任意の荷物に引っ掛かることを防止している。そのようなハウジングは、例えばロック要素のための支持を構造的に提供するためにも使用され得る。
【0028】
ハウジングは開口部、好適に細長い開口部を具備してもよく、第1および第2ロック要素は、その開口部を通じて細長い作動要素と係合している。開口部の数は、細長い作動要素に形成されたガイドトラックの数または開口部の数に好適に一致している。ハウジングの細長い開口部の伸びは、細長い作動要素の溝または開口部の主伸びに略一致している。
【0029】
少なくとも第1ロック要素は、好適に第2ロック要素も、予備ロック位置に配置され得る。予備ロック位置において、第1ロック要素および/または第2ロック要素は、対応したロック部材と係合する。予備ロック位置において、ロードキャリアの蓋はベースに保持されているが、そこに完全にはロックされていない。このことは、使用者が容易に蓋をロックし、続いて残りのロック要素が対応したロック部材と係合するまで、ロック要素を係合することを可能にしている。
【0030】
第1ロック要素および/または第2ロック要素は、続いて完全ロック位置に配置され得る。その位置において、第1および/または第2ロック要素は、細長い作動要素により移動を防止される。したがって、細長い作動要素は、すべてのロック要素に対するロックとして機能し、それらがロック位置からロック解除位置へと移動されることを防止するように機能することが可能である。したがって、第1および/または第2ロック要素は、予備ロック位置におよび完全ロック位置に配置され得ることが理解されるべきである。
【0031】
アクチュエータが、アクチュエータをロック/ロック解除するための鍵を含んでいる場合、すべてのロックがロックされている場合、すなわちすべてのロック要素が完全ロック位置にまたはロック位置にある場合にのみ、鍵は取り外し可能である。随意的に、細長い作動要素がロック位置にある場合にのみ、鍵は取り外し可能であり、すなわちロック位置からロック解除位置へのロック要素の移動を防止している。
【0032】
ロック手段は、少なくとも1つのロック要素ブロック部材をさらに具備し得る。ロック要素ブロック部材は、展開位置にある場合に、第1ロック要素がロック位置に到達することを一時的に阻害するように配置されている。各ロック要素には、対応したロック要素ブロック部材が設けられている。予備ロック位置に配置されたロック要素は、すべてのロック要素ブロック部材が押し下げられた場合に、ロック位置に配置されることが可能である。1つのみのロック要素がロック位置へと移動されない場合、鍵は取り外し可能にならない。
【0033】
ロック要素ブロック部材は、付勢部材によって展開位置に向かって付勢され得る。述べられた付勢部材は、蓋を開方向に押すように適合された力をロック要素ブロック部材に与えるように配置され得る。ロック要素ブロック部材は、蓋を閉じた場合に、ロック部材と係合するように好適に配置されている。ロック要素ブロック部材はロック部材を付勢して、それにより蓋を開放するように形成され得る。したがって、蓋がロック解除された場合に、少なくとも所定の距離だけ蓋が上向きに押されて、使用者が残りの距離だけ蓋を開くために蓋の周囲を握り得るという観点から、蓋は自己開放であり得る。
【0034】
ロック手段ならびに好適に第1および第2ロック要素は、蓋ヒンジ手段の一部を形成して、蓋を基部に回転可能に接続し、2つの異なった側から蓋が開放されることを可能にしてもよい。したがって、蓋は、互いに平行に配置された2つの異なった回転軸の周囲を回転するように形成されてもよい。
【0035】
前述のとおり、ロック手段は、ロック位置から第1位置へと細長い作動要素を移動させるように配置されたアクチュエータを具備し、それにより第1および第2ロック要素をロック位置からロック解除位置へと移動させる。アクチュエータは、移動可能な表示器を形成し得るか、または具備し得る。移動可能な表示器は、細長い作動要素に配置され、これにより移動可能な表示器は、細長い作動要素の移動に応じて移動され得る。このことは、ロック要素の状態を特定するために使用可能である。したがって、使用者は、蓋が基部に対して正確にロックされたか否かを知り得る。ここに開示されたアクチュエータが、ここに開示されたロック手段とは別個に使用され得ることが理解されるべきである。これにより、アクチュエータおよび部品、ならびにアクチュエータに関連した特徴は、他のロック手段と共に使用され得る。
【0036】
アクチュエータは、第1回転軸の周りに回転可能とされ得る。第1回転軸は、細長い作動要素に略直交して配置され得る。回転可能なアクチュエータに替えて、移動はスライド可能なハンドル、またはそれに類似したもののような並進アクチュエータにより、実行され得る。
【0037】
アクチュエータは、歯車を介して細長い作動要素に回転可能に連結され得る。
【0038】
アクチュエータは、鍵を介して動作可能なキーシリンダを具備し得る。キーシリンダは、歯車に連結され得る。したがって、鍵の回転動作は歯車に伝達され得る。細長い作動要素には、歯車と協働して作動するように配置されるように形成されたカムトラックが設けられ得る。
【0039】
アクチュエータは、突出支持部材のような、少なくとも1つの鍵受容部を具備し得る。少なくとも1つの突出支持部材は、鍵に対する構造的支持部を設けるように配置されて、少なくとも1つの突出支持部材の回転により、好適にキーシリンダ内での鍵の回転を可能にし得る。このことは、使用者が鍵を回転させてロック手段をロック解除した場合に、鍵の突発的な破壊を防止することを補助し得る。
【0040】
ロック手段は少なくとも1つのロック要素ブロック部材を具備してもよく、この部材は、対応したロック要素がロック解除位置からロック位置へと、および/または予備ロック位置へと移動することを防止するように形成されている。少なくとも1つのロック要素ブロック部材は、蓋にまたは対向した基部もしくは蓋に配置された、対応したロック部材により移動されるように構成されている。
【0041】
ここに記載されたロードキャリアは、使用者がロードキャリアの蓋を片手のみを使用して閉じることが可能であるという観点から、良好な人間工学的特性を提供している。それはさらに、使用者に視覚的、潜在的、および/または可聴的フィードバックを提供し得る。それはさらに、使用者が蓋を基部にロックする場合に、使用者に視覚的、潜在的、および/または可聴的フィードバックを連続して提供し得る。例えば、各ロック要素が対応したロック部材と係合する場合に、使用者はクリックの反応を獲得し得る。
【0042】
ロック手段はモジュール式且つ対称であり、例えばロードキャリア内に左右対称に組み付けられ得る。このことは、同じロック手段がロードキャリアの内部の左または右の位置に単独で使用可能であるので、より安価な製造コストとすることが可能となり得る。
【0043】
本発明の非限定的な実施形態が、添付図を参照してより詳細に記載される。