(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、コンサートやスポーツ等の興行(イベント)を鑑賞・観戦するためのチケットが種々販売されている。
このような興行には、一人で参加するよりも、趣味の共通する友人等と一緒にチケットを購入して複数人のグループで参加することも多い。そして、当然、一緒に参加する友人同士は、隣りや近くの席でその興行を一緒に楽しみたいという希望がある。そのため、チケットを購入する際には、友人同士の席がバラバラに分散しないように、同時にチケットを購入する必要があり、例えば、グループの代表者(購入者)が一緒に参加する友人分のチケットも含めて複数枚のチケットをまとめて購入することが一般的である。
【0003】
上記のような興行のチケットは、会場窓口やチケット販売業者等が運営するチケットセンター等で対面して直接チケット料金を支払って購入する場合のほか、最近では、インターネット等の通信回線の普及によりインターネット等から購入することもできる。
インターネットを利用してチケットを購入する場合は、通常、クレジットカードによるカード決済やコンビニエンスストア等の代金収納サービスを利用した決済、その他各種電子決済等がよく利用されている。
【0004】
具体的には、友人同士のグループで興行に参加するために複数枚のチケットを購入する場合、グループの代表者が、パーソナルコンピュータ(PC)や携帯端末等を利用してインターネットを通じてチケット販売業者が管理運営するサーバに接続し、一緒に参加する友人分のチケットも含めて複数枚まとめて購入している。そして、そのチケット購入時に、複数枚のチケット料金を代表者名義のクレジットカード等で決済することにより、購入した全てのチケット料金を代表者がまとめて支払っている。
このように、代表者がグループ全員分のチケットをまとめて購入することにより、そのグループに属する友人同士は近くの席で一緒に興行を楽しむことができる。
【0005】
例えば、特許文献1では、座席位置の指定、及び、キャンセルや内容変更が可能なチケットであって、そのチケットの注文を受け付けたときに所定の金額の電子決済を行うことによりチケットを購入する技術が開示されている。
また、特許文献2では、グループ単位の複数チケットの予約、取消、決済等の諸手続を一括して行う技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、代表者が一人で複数枚のチケットを購入するとなると、代表者がチケット購入の際に負担する金額が高額になるおそれがある。特に、単価の高いチケットの場合や大勢の人数で参加する場合には、仮に一時的な立替金ではあっても、代表者の経済的負担が極めて大きなものとなる。また、同行者である友人が代表者に対してチケット料金の支払いを忘れていた場合には、催促する必要が生じる等の代表者の精神的な負担と手間が大きく、さらには、チケット料金を回収し損ねてトラブルが生じるおそれもある。
一方、代表者にチケットを購入してもらった友人にとっても、立替えられたチケット料金を代表者に後日支払う必要があり、その友人にとっては手間になったり、支払うのを忘れてしまうおそれもある。また、前もって代表者にチケット料金を支払う場合は、代表者がチケットを購入する(申し込む)前にそのチケット料金を用意して渡しておく必要があり、その友人にとっては、負担になる場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、グループの代表者が複数枚のチケットを一括で購入する際に決済を事前に分割してそれぞれ個別に決済することにより、チケットを購入する代表者の経済的な負担を軽減することができると共に、グループ全体で一緒に興行を楽しむことが可能なチケット販売装置及びチケット販売方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、本発明のチケット販売装置によれば、少なくとも演算部と記憶部と出力部とを有するコンピュータ装置によって構成され、チケットの購入申込を受付けて決済を行うチケット販売装置であって、前記記憶部は、少なくともチケットの購入者に関する情報と、前記チケットの決済者に関する情報と、前記チケットが決済済みか未決済かの決済状況に関する情報と、を記憶し、前記コンピュータ装置は、前記チケットの購入を希望するグループの代表者から、前記グループの人数分にあたる複数枚の前記チケットの購入申込を一括して受付ける購入申込受付処理実行手段と、前記チケットの決済者を前記代表者あるいは前記グループに属する他の人から選択して前記決済者に関する情報を更新する決済者選択処理実行手段と、前記決済者に、少なくとも
前記チケットの料金を示す決済金額と
前記チケットの料金を決済する期限を示す決済期限とを含む決済内容を通知する決済内容通知処理実行手段と、前記決済者からの決済を受付けて前記決済状況に関する情報を未決済から決済済みに変更する決済処理実行手段と、前記決済期限経過後に前記決済状況に関する情報が未決済の場合、前記代表者に前記チケットが未決済である旨通知する未決済通知処理実行手段と、前記決済期限経過後に前記決済状況に関する情報が未決済の場合、
前記決済期限経過後にキャンセルされるはずの前記チケットを仮予約状態として
前記チケットが指定する席を確保したまま前記購入者に関する情報を変更せずに
前記決済期限経過後所定期間保留しておく保留処理実行手段と、前記決済期限経過後に前記決済状況に関する情報が未決済の場合、前記代表者から前記所定期間内に決済を受付けて前記決済状況に関する情報を未決済から決済済みに変更する再決済処理実行手段と、を備えること、により解決される。
【0010】
また、本発明のチケット販売方法によれば、少なくとも演算部と記憶部と出力部とを有するコンピュータ装置がチケットの購入申込を受付けて決済を行うチケット販売方法であって、前記コンピュータ装置が、少なくともチケットの購入者に関する情報と、前記チケットの決済者に関する情報と、前記チケットが決済済みか未決済かの決済状況に関する情報と、を前記記憶部に記憶する記憶工程と、前記チケットの購入を希望するグループの代表者から、前記グループの人数分にあたる複数枚の前記チケットの購入申込を一括して受付ける購入申込受付処理工程と、前記チケットの決済者を、前記代表者あるいは前記グループに属する他の人から選択して前記決済者に関する情報を変更する決済者選択処理工程と、前記決済者に、少なくとも
前記チケットの料金を示す決済金額と
前記チケットの料金を決済する期限を示す決済期限とを含む決済内容を通知する決済内容通知処理工程と、前記決済者からの決済を受付けて前記決済状況に関する情報を未決済から決済済みに変更する決済処理工程と、前記決済期限経過後に前記決済状況に関する情報が未決済の場合、前記代表者に前記チケットが未決済である旨通知する未決済通知処理工程と、前記決済期限経過後に前記決済状況に関する情報が未決済の場合、
前記決済期限経過後にキャンセルされるはずの前記チケットを仮予約状態として
前記チケットが指定する席を確保したまま前記購入者に関する情報を変更せずに
前記決済期限経過後所定期間保留しておく保留処理工程と、前記決済期限経過後に前記決済状況に関する情報が未決済の場合、前記代表者から前記所定期間内に決済を受付けて前記決済状況に関する情報を未決済から決済済みに変更する再決済処理工程と、を行うこと、により解決される。
【0011】
上記構成のように、本発明のチケット販売装置やチケット販売方法では、グループの代表者がそのグループの人数分の複数枚のチケットを一括で申し込んで購入する際に、各チケットの決済者をグループに属する他の人から選択することにより、購入申込した代表者のみならず、直接購入申込手続をしていない他の者であっても決済することができる。
このように、購入した複数枚のチケット料金の決済を事前に分割することにより、購入手続きをした代表者の経済的負担を軽減することができる。また、同行者である友人(グループに属する他の人)に対して、後でチケット料金を催促する必要もなくなり、代表者の精神的な負担と手間が軽減される。さらには、友人からチケット料金を回収し損ねてトラブルが発生することを未然に防止することもできる。
一方、決済者に指定された側(決済を分割されたグループに属する他の人)にとっても、即時決済することにより、後で代表者に立替えてもらったチケット料金の支払をする必要がなくなるので、支払いを忘れたりして代表者から催促されたりする心配がない。また、所定期間内であれば、自分の都合の良いときに決済することもできる。
また、チケット販売業者にとっても、決済を分割させることにより、その各決済者の個人情報を得ることができるので、直接購入した代表者だけではなく、チケットを購入したグループに属するメンバー全員を特定でき、より多くの個人の詳細情報を入手して把握することができる。すなわち、より多くの会員を確保できる。また、チケットの購入者を細かく特定できるので、チケットがオークション等に流出した際にもチケットの特定がしやすく、流出や転売を好適に防止することができる。
【0012】
また、代表者が選択した決済者が未決済のまま決済期限を経過した場合は、チケット料金が未決済である旨を代表者に通知すると共に、そのチケットを一旦仮予約状状態として席を確保したまま所定期間保留状態としておき、決済期限経過後であってもその所定期間内であれば、代表者が決済担当者に代わって決済することができる。
このように、決済期限を経過して未決済の場合であっても、所定期間内はそのチケットを一旦仮予約状状態として席を確保したまま保留し、代表者が再決済(清算)できることとしているので、グループで一度申し込んだ同じ席群(最初に予約した場所)を確保したままキャンセルせずに済むので、仮にチケット料金の決済期限を経過してしまった場合であっても、グループで一緒に興行を楽しむことができる。なお、グループで購入した複数枚のチケットは、通常は連番又は近傍領域の座席である。
【0013】
ここで、チケットの購入者に関する情報とは、複数枚のチケットをまとめて購入した代表者のID、氏名、住所、連絡先等の個人情報である。また、代表者に限らず、グループに属するメンバーであって実際にそのチケットを使用する各個人のID、氏名、住所、連絡先等の個人情報を含むものであってもよい。
チケットの決済者に関する情報とは、カード決済等の種々の決済方法によりチケット料金を実際に支払う各個人のID、氏名、住所、連絡先等の個人情報である。また、決済者に関する情報を更新するとは、その情報を書き換えることに限定されず、新たに何らかの情報を書き加える(入力する)ことも含む。
決済状況に関する情報とは、そのチケットが既に決済されているか、未だ決済されていないかを判別するための情報である。
グループとは、同じ興行に参加する複数人の集団をいい、代表してチケットの購入申込を行う代表者の他、数人のメンバーから構成されるものである。
保留とは、未決済の状態のまま決済期限を徒過した場合に、座席等をそのまま一定期間おさえておき、その座席に該当するチケットを他の人が購入できない状態にしておくことである。
【0014】
また、本発明のチケット販売装置によれば、前記決済者選択処理実行手段は、前記決済者を複数選択する場合、購入申込した複数枚の前記チケットの総額の範囲内で、前記代表者あるいは前記グループに属する他の人がそれぞれ負担する金額又は比率を各個人ごとに変更すること、が好ましい。
また、本発明のチケット販売方法によれば、前記決済者選択処理工程は、前記チケットの決済者を複数選択する場合、購入申込した複数枚の前記チケットの総額の範囲内で、前記代表者あるいは前記グループに属する他の人がそれぞれ負担する金額又は比率を各個人ごとに変更すること、が好ましい。
このように、チケット料金の決済をグループに属する他の人と分割した場合も、全てのメンバーが均等割りによる支払ではなく、各個人の興味の度合や支払能力に応じて、負担比率や負担金額をその都度変更することができる。これにより、支払能力が劣る人、多少興味はあるが定価を支払ってまで参加することには抵抗があったり迷っている人等も、費用負担が減るので、その興行に行きたい人が誘いやすくなり、結果的にチケットの売上にも貢献することができる。
【0015】
また、本発明のチケット販売装置によれば、前記未決済通知処理実行手段は、前記決済期限経過前に前記決済状況に関する情報が未決済の場合、前記代表者と前記決済者の双方に前記チケットが未決済である旨通知すること、が好ましい。
また、本発明のチケット販売方法によれば、前記未決済通知処理工程は、前記決済期限経過前に前記決済状況に関する情報が未決済の場合、前記代表者と前記チケットの決済者の双方に前記チケットが未決済である旨通知すること、が好ましい。
このように、決済期限経過前であっても、代表者と決済者の双方に、決済期限が近付いているが未決済である旨通知することにより、注意喚起することができ、決済期限を経過することを未然に防止することができる。
【0016】
また、本発明のチケット販売装置によれば、前記未決済通知処理実行手段は、前記決済期限経過後に前記決済状況に関する情報が未決済の場合、前記代表者及び前記グループに属する全員に前記チケットが未決済である旨通知し、前記再決済処理実行手段は、前記決済期限経過後に前記決済状況に関する情報が未決済の場合、前記代表者又は前記グループに属する全員から前記所定期間内に決済を受付けて前記決済状況に関する情報を未決済から決済済みに変更すること、が好ましい。
また、本発明のチケット販売方法によれば、前記未決済通知処理工程は、前記決済期限経過後に前記決済状況に関する情報が未決済の場合、前記代表者及び前記グループに属する全員に前記チケットが未決済である旨通知し、前記再決済処理工程は、前記決済期限経過後に前記決済状況に関する情報が未決済の場合、前記代表者又は前記グループに属する全員から前記所定期間内に決済を受付けて前記決済状況に関する情報を未決済から決済済みに変更すること、が好ましい。
このように、決済期間経過後、未決済の場合に代表者だけでなくグループに属する他の人にもその旨通知し、他の人もその未決済分のチケット料金について決済できることとすることにより、チケットが未決済のまま取り消されることをより高い確率で防止することができる。
【0017】
また、前記課題は、本発明のチケット販売装置によれば、前記コンピュータ装置は、前記決済期限経過後に前記決済状況に関する情報が未決済であって前記代表者又は前記グループに属する他の人が前記所定期間内に決済をしなかった場合、一括して購入申込した複数枚の前記チケットのうち未決済分の前記チケットのみの購入を取り消す取消処理実行手段を、さらに備えたこと、が好ましい。
また、本発明のチケット販売方法によれば、前記コンピュータ装置が、前記決済期限経過後に前記決済状況に関する情報が未決済であって前記代表者又は前記グループに属する他の人が前記所定期間内に決済をしなかった場合、一括して購入申込した複数枚の前記チケットのうち未決済分の前記チケットのみの購入を取り消す取消処理工程を、さらに行うこと、が好ましい。
このように、未決済のチケットのみ取消扱いとすることにより、一括購入申込した複数枚のチケットであっても、その中で決済済みのチケットはそのまま購入して確保することができるので、グループ全体として購入したチケットが無駄になることを防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のチケット販売装置及びチケット販売方法によれば、グループの代表者が複数枚のチケットを一括で購入する際に決済を事前に分割してそれぞれ個別に決済することにより、チケットを購入する代表者の経済的な負担を軽減することが可能であると共にグループ全体で一緒に興行を楽しむことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)について図面を参照しながら説明する。
本実施形態は、チケットを販売するためのチケット販売装置であって、特に、グループの代表者から複数枚のチケットの購入申込を一括して受付けて、それぞれ個別に決済することを特徴とするチケット販売装置の発明に関するものである。
【0021】
<本実施例に係るチケット販売システムの概要>
まず、本実施形態に係るチケット販売装置(以下、本装置1)を含むチケット販売システムSの概略構成と、チケット販売に関する手続の大まかな流れについて説明する。
図1は、本装置1を含む通信システム、すなわち、チケット販売システムSの概略構成を示す概念図である。
本装置1は、この
図1に図示したチケット販売システムSに組み込まれており、スポーツやコンサート等、各種興行やイベントの観覧を希望する複数のユーザによって利用される。
【0022】
図1に示すように、本実施形態のチケット販売システムSは、本装置1と、本装置1と外部通信網NTを介して接続されたパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等の情報端末2と、から主に構成されている。外部通信網NTは、インターネットや3G、4G等のモバイルネットワークからなり、本装置1と情報端末2とを通信可能に接続している。
【0023】
本装置1は、チケットを発行する業者が保有するサーバコンピュータにより構成される。そして、チケットの購入を希望するユーザは、外部通信網NTを介して、本装置1が提供する機能やサービスを享受することが可能となる。すなわち、ユーザは、それぞれの情報端末2を操作することにより本装置1と通信して、チケットの購入申込等に関する各種情報の送受信を行う。
情報端末2としては、データ通信可能であって、且つ、ブラウザ機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、PC、タブレット端末、携帯電話及びスマートフォン等が利用可能である。
【0024】
上記構成のチケット販売システムSでは、
図2に示す流れによってチケット販売の各手続が実行される。以下、チケット販売の手順について、
図3又は
図4を適宜参照しつつ、
図2に沿って説明する。
図2は、チケットを販売する流れを示す概念図である。また、
図3及び
図4は、チケット販売のイメージを模式的に示す図である。
【0025】
まず、グループの代表者甲からそのグループの人数に相当する枚数分のチケットの購入申込を受付ける。
本実施形態においては、グループには、代表者甲のほか、友人乙と友人丙が属しており、合計3人のグループを構成している。代表者甲は、グループに属する他の人(ここでは、友人乙と友人丙)の分のチケットも含めて複数枚まとめて同時に購入申込を行う。すなわち、ここでは、代表者甲は、3枚のチケットの購入申込を行う。興行に一緒に参加する代表者甲と友人乙、友人丙は、このようにチケットを全て一括して購入することにより、連番又は近傍領域の座席を確保してグループ全員で皆で一緒に興行を楽しむことができる。
具体的には、代表者甲が自己の情報端末2で所定の操作を行うことをトリガーとして情報端末2が本装置1と通信し、購入申込を行う。ここで、所定の操作とは、本装置1とアクセスしたり必要事項を入力して本装置1に送信するための操作であり、例えば、本装置1のURLを入力したり、表示された情報入力画面にて会員番号、興行名、必要枚数等を入力する操作のことである。
【0026】
次に、代表者甲は、購入申込をした複数枚のチケットについて、決済者を選択する。
例えば、本実施形態のようにチケットを3枚購入した場合では、3枚分のチケット料金を代表者甲が全てまとめて決済して支払ってもよいし、友人乙や友人丙に自身のチケット料金を負担させるために、チケット1枚ごとにそれぞれ決済者を友人乙や友人丙として指定することもできる。また、このとき、3枚のチケット料金全体に対する各人の負担比率(決済比率)をそれぞれ自由に設定することもできる。
具体的には、代表者甲が自己の情報端末2で所定の操作を行うことをトリガーとして情報端末2が本装置1と通信し、決済者を選択する。ここで、所定の操作とは、本装置1に決済者に関する情報を送信するための操作であり、例えば、情報入力画面にて決済者や負担比率を入力する操作のことである。なお、このときの情報入力欄は、複数の選択肢の中から選択する形で入力するプルダウン形式や、テキストで内容をそのまま記入する形で入力する直接入力形式でもよいし、チェック式の選択肢でもよい。
【0027】
そして、決済者を代表者甲として、代表者が一括して決済することを選択した場合、代表者が複数枚のチケット料金をまとめて決済することにより、チケットの購入が完了する。
具体的には、本装置1が代表者甲の情報端末2に対して、購入が完了した旨の連絡と決済金額を通知し、代表者甲はその通知に従って決済を行う。このとき、決済者を選択したときに、強制的に自動決済することとしてもよい。
【0028】
一方、決済者を各個人に分割した場合、すなわち、友人乙と友人丙にチケット料金の決済を行わせる場合、友人乙や友人丙それぞれが決済することにより、チケットの購入が完了する。
具体的には、本装置1が友人乙や友人丙の情報端末2に対して、決済金額を通知し、友人乙や友人丙はその通知に従って決済を行う。このとき、決済者に指定されたときに、強制的に自動決済することとしてもよい。なお、自動決済する場合には、代表者甲だけでなく友人乙や友人丙も会員登録しておき、友人乙や友人丙のID、氏名、住所、連絡先等の個人情報やクレジットカード番号等の決済に必要な情報を予め本装置1に登録しておくことが好ましい。
【0029】
また、決済者を各個人に分割した場合、決済者が未決済のときは、代表者甲にその旨通知をし、代表者が代行して決済をすることもできる。
例えば、
図4(a)に示すように、友人丙は決済済みであるが、友人乙が未だ決済していない場合、本装置1から代表者甲の情報端末2に対して、友人乙が未決済である旨の通知が届く。代表者甲は、その通知により、必要に応じて上記の通り、友人乙の代わりに決済を行い、チケット購入が完了する。
なお、上記の場合、
図4(b)に示すように、友人乙の情報端末2に対しても、本装置1から未決済である旨の通知をすることとしてもよい。その通知により、友人乙は自身であらためて決済を行うこともできる。
【0030】
<本実施形態に係るチケット販売装置の詳細構成>
次に、本装置1について、その詳細構成を説明する。
図5は、本装置1のハードウェア構成を示した図である。
図5に示すように、本装置1は、制御やデータの計算・加工を行う演算部としてのCPU11、読み出し専用の記憶装置としてのROM12、メインメモリ(主記憶装置)としてのRAM13、外部通信網NTを通じて情報端末2等の通信可能な機器とデータの送受信を行う通信用インタフェース(
図5中、通信用I/Fと表記)14、補助記憶装置としてのハードディスクドライブ15、入力装置16、及び、出力装置17を構成要素として有する。
【0031】
本装置1には、各種プログラムが予めインストールされており、これらのプログラムがCPU11によって読み出されて実行されることにより、チケット販売装置としての機能が発揮される。
ここで、本装置1の機能は、チケットを販売する業者やその会員であるユーザによって享受されることになるが、当該機能の利用者への提供方式としては、例えば、クラウドサービスやASPサービス等の方式が利用可能である。
【0032】
また、ハードディスクドライブ15は記憶部として機能し、各種情報がデータベース化して記憶されている。このハードディスクドライブ15に記憶されているデータの中には、上述のとおり、本装置1を動作させるために予めインストールされている各種プログラムの他、チケット情報ファイルを記憶したチケット情報データベース18等を備えている。
【0033】
チケット情報データベース18に保存されているチケット情報ファイルは、チケットの種類、購入者や決済者等を識別するための情報である。
図6は、チケット情報ファイルの一例を示す図である。
この
図6に示すように、チケット情報ファイルには、チケット番号、興行ID、興行名、開催日、開催時間、会場、座席、購入者、決済者、負担比率、決済状況等に関する情報が含まれている。
この例では、チケット購入申込直後の初期状態を示しており、購入者、決済者ともに代表者甲である。また、負担比率は100%であり、すなわち、このチケットに係る料金の全てを決済者である代表者甲が負担することとなる。また、決済情報は、未決済となっている。これらの情報は、変更があればその都度、該当する情報が最新の情報に書き換えられる。
【0034】
なお、本実施形態において、上記各種データは、本装置1に搭載された記憶装置、具体的にはハードディスクドライブ15に記憶されているが、これに限定されるものではなく、各種データ等を記憶する記憶装置については、本装置1とは別装置となっていることとしてもよく、例えば、本装置1と通信可能なデータベースサーバを記憶装置として用いることとしてもよい。また、あるデータベースは本装置1のハードディスクドライブ15に記憶し、他のあるデータベースは別のデータベースサーバに記憶するように、それぞれ個別に管理する構成としてもよい。
【0035】
本装置1のハードウェア構成については上述の通りであるが、以下、
図7を参照しながら本装置1の構成を機能面から改めて説明する。本装置1は、チケットの販売、特に、チケット料金の決済とこれに付随する処理を実行する機能を備え、換言すると、当該機能を担う部分を有している。
【0036】
図7は、本装置1の構成を機能面から示した図である。
図7に示すように、本装置1は、購入申込受付処理実行部21、決済者選択処理実行部22、決済内容通知処理実行部23、決済処理実行部24、未決済通知処理実行部25、保留処理実行部26、再決済処理実行部27、取消処理実行部28と、を主な構成要素として有している。
これらは、本装置1が実行する各種データ処理を担うものであり、本装置1を構成する上述のハードウェア構成機器とインストールされたプログラムとが協働することによって構成されている。
【0037】
購入申込受付処理実行部21は、チケットの購入を希望するグループの代表者から、グループの人数分にあたる複数枚のチケットの購入申込を一括して受付ける処理を行うものである。
具体的には、代表者の操作する情報端末2から送信されたチケット購入申込に関する情報を受信してハードディスクドライブ15等に登録すると共に、該当するチケットを枚数分用意する等の処理を行うものであり、本装置1のハードディスクドライブ15、CPU11、ROM12、RAM13、通信用インターフェース14等によって構成される。
【0038】
決済者選択処理実行部22は、チケットの決済者を代表者あるいはグループに属する他の人から選択する処理を行うものである。
具体的には、代表者の操作する情報端末2から送信された決済者を指定する情報を受信して、チケット情報ファイルの決済者に関する情報を書き換えて更新する処理を行うものであり、本装置1のハードディスクドライブ15、CPU11、ROM12、RAM13、通信用インターフェース14等によって構成される。
【0039】
図8は、この決済者選択処理実行部22によって決済者を選択したチケット情報ファイルの一例を示す図である。
図8に示すように、このチケット情報ファイルは、決済者選択処理を経て、チケット情報ファイルの決済者に関する情報が、代表者甲から友人乙に変更されている。
【0040】
また、この決済者選択処理実行部22では、決済者を複数選択する際に、購入申込した複数枚のチケット料金の総額の範囲内で、代表者甲あるいはそのグループに属する他の人(友人乙や友人丙)がそれぞれ負担する金額又は比率を各個人ごとに変更する処理を行うこととしてもよい。
具体的には、代表者の操作する情報端末2から送信された決済者ごとの負担比率を指定する情報を受信して、チケット情報ファイルの負担比率に関する情報を書き換えて更新する処理を行う。
【0041】
図9は、チケット料金の負担比率の一例を示す図である。
例えば、代表者甲、友人乙及び友人丙の3人で構成されるグループにて、1枚10,000円のチケットを3枚購入した場合を例にとって説明する。
図9に示すように、代表者甲は、チケット料金の負担比率を、チケット3枚分の料金(総額)に対して、代表者甲は50%、友人乙は30%、友人丙は20%と設定した。これにより、チケット料金の合計は30,000円であるので、それぞれの負担額は、代表者甲は15,000円、友人乙は9,000円、友人丙は6,000円となる。
このように、本実施形態であれば、チケット料金の決済をグループに属する他の人と分割した場合であっても、全てのメンバーが均等割りによる支払ではなく、各個人のこの興行に対する興味の度合や支払能力に応じて、負担比率や負担金額をその都度変更することができる。例えば、友人丙が支払能力が劣る人であったり、多少興味はあるが定価を支払ってまで参加することには抵抗があったり迷っている人である場合でも、代表者甲は、友人丙を気軽に誘いやすくなる。また、チケット手配の労力を考慮したり、上司が部下にチケットの申し込みを任せた場合等は、代表者の負担比率を少なくして、他のメンバーの負担比率を多くすることもできる。
なお、本実施形態では、負担比率を指定する構成となっているが、負担料金を指定する構成としてもよい。
【0042】
ここで、決済者選択処理実行部22によって実行される決済者選択処理の流れについて、
図10を参照して具体的に説明する。
図10は、この決済者選択処理実行部22によって実行される決済者選択処理の流れを示すフローチャートである。
この
図10に示すように、具体的には、決済者選択処理は、まず、本装置1が、代表者の情報端末2から決済者選択情報を受信すると(S101)、記憶部であるハードディスクドライブ15のチケット情報データベース18からチケット情報ファイルをRAM13に読み出す(S102)。
次に、受信した決済者選択情報により指定された決済者が代表者か否かについて判断する(S103)。
決済者が代表者である場合(S103:Yes)、チケット情報ファイルの決済者に関する情報を代表者に変更する(S104)。なお、元々の決済者に関する情報が代表者である場合は、そのままその情報を維持する。一方、決済者が代表者ではない場合(S103:No)、チケット情報ファイルの決済者に関する情報を指定されたグループに属する他の人に変更する(S105)。例えば、友人乙や友人丙に変更する。
決済者を代表者以外の者に指定した場合、すなわち、決済者が複数になる場合、代表者により設定された各々の負担比率が均一か否かを判断する(S106)。負担比率が均一ではない場合(S106:No)、チケット情報ファイルの負担比率に関する情報を変更する(S107)。
そして、決済者に関する情報及び負担比率に関する情報を必要に応じて更新した後に、チケット情報ファイルを記憶部であるハードディスクドライブ15のチケット情報データベース18に戻して保存する(S108)。
【0043】
決済内容通知処理実行部23は、上述の決済者選択処理により選択された決済者に対して、少なくとも決済金額と決済期限とを含む決済内容に関する情報を通知する処理を行うものである。
具体的には、決済者として指定された代表者やグループに属する他の人の操作する情報端末2に対して、上記決済内容に関する情報を、情報端末2のディスプレイに表示可能なデータとして送信する処理を行うものであり、本装置1のハードディスクドライブ15、CPU11、ROM12、RAM13、通信用インターフェース14等によって構成される。
【0044】
決済処理実行部24は、上述の決済者選択処理により選択された決済者から決済を受付ける処理を行うものである。
具体的には、決済者として指定された代表者やグループに属する他の人の操作する情報端末2から送信された決済に関する情報を受信して、チケット情報ファイルの決済状況に関する情報を未決済から決済済みに書き換えて更新する処理を行うものであり、本装置1のハードディスクドライブ15、CPU11、ROM12、RAM13、通信用インターフェース14等によって構成される。
【0045】
図11は、この決済処理実行部24によって決済状況を更新したチケット情報ファイルの一例を示す図である。
図11に示すように、このチケット情報ファイルは、決済処理を経て、チケット情報ファイルの決済状況に関する情報が、未決済から決済済みに変更されている。
【0046】
ここで、決済処理実行部24によって実行される決済処理の流れについて、
図12を参照して具体的に説明する。
図12は、この決済処理実行部24によって実行される決済処理の流れを示すフローチャートである。
この
図12に示すように、具体的には、決済択処理は、まず、本装置1が、決済者の情報端末2から決済情報を受信すると(S201)、記憶部であるハードディスクドライブ15のチケット情報データベース18からチケット情報ファイルをRAM13に読み出し(S202)、チケット情報ファイルの決済状況に関する情報を未決済から決済済みに変更する(S203)。そして、決済状況に関する情報を変更した後に、チケット情報ファイルを記憶部であるハードディスクドライブ15のチケット情報データベース18に戻して保存する(S204)。
【0047】
なお、決済処理実行部24は、決済者選択処理実行部22が決済者を選択すると同時に自動的又は強制的に決済処理を行い、決済状況に関する情報を未決済から決済済みに変更する構成としてもよい。
また、決済とは、クレジットカードによるカード決済、コンビニエンスストア等の代金収納サービスを利用した決済、その他の各種電子決済等を含むものであるが、決済方法に関する技術は従来既知のものであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0048】
未決済通知処理実行部25は、決済期限経過後に、代表者又はグループに属するメンバーに所定のチケットが未決済である旨通知する処理を行うものである。
具体的には、決済期限を経過してもチケット情報ファイルの決済状況が未決済のままである場合に、そのチケットの決済者と同じグループに属する代表者、又は、代表者とそのグループに属する全員若しくは一部のメンバーの操作する情報端末2に対して、所定のチケットが未決済である旨を連絡する情報を、情報端末2のディスプレイに表示可能なデータとして送信する処理を行うものであり、本装置1のハードディスクドライブ15、CPU11、ROM12、RAM13、通信用インターフェース14等によって構成される。
【0049】
また、未決済通知処理実行部25は、決済期限経過前にも、代表者と決済者の双方に未決済である旨通知する処理を行うこととしてもよい。
具体的には、決済期限間近になってもチケット情報ファイルの決済状況が未決済のままである場合に、そのチケットの決済者と代表者に対して、決済期限が近付いているが未だ決済されていない旨連絡する情報を送信する処理を行う。
【0050】
保留処理実行部26は、決済期限経過後に、チケットが未決済である場合に、そのチケットを一旦仮予約状態として席を確保したまま購入者に関する情報をそのまま変更せずに所定期間保留する処理を行うものである。
具体的には、決済期限を経過してもチケット情報ファイルの決済状況が未決済のままである場合に、購入者に関する情報をそのまま変更せずに、すなわち、書き換えを不可として、取消や変更等の処理をせずに所定期間保留しておく処理を行うものであり、本装置1のハードディスクドライブ15、CPU11、ROM12、RAM13、通信用インターフェース14等によって構成される。
【0051】
再決済処理実行部27は、決済期限経過後に、代表者又はグループに属するメンバーから所定期間内に再決済(代行決済)を受付ける処理を行うものである。
具体的には、決済期限を経過してもチケット情報ファイルの決済状況が未決済のままである場合に、そのチケットの決済者と同じグループに属する代表者、又は、代表者とそのグループに属する全員若しくは一部のメンバーの操作する情報端末2から送信された決済に関する情報を受信して、チケット情報ファイルの決済状況に関する情報を未決済から決済済みに書き換えて更新する処理を行うものであり、本装置1のハードディスクドライブ15、CPU11、ROM12、RAM13、通信用インターフェース14等によって構成される。
【0052】
ここで、再決済処理実行部27によって実行される再決済処理の流れについて、
図13を参照して具体的に説明する。
図13は、この再決済処理実行部27によって実行される決済処理の流れを示すフローチャートである。
この
図13に示すように、具体的には、再決済択処理は、まず、本装置1が、代表者の情報端末2から再決済情報を受信すると(S301)、記憶部であるハードディスクドライブ15のチケット情報データベース18からチケット情報ファイルをRAM13に読み出し(S302)、チケット情報ファイルの決済状況に関する情報を未決済から決済済みに変更する(S303)。そして、決済状況に関する情報を変更した後に、チケット情報ファイルを記憶部であるハードディスクドライブ15のチケット情報データベース18に戻して保存する(S304)。
【0053】
取消処理実行部28は、決済期限経過後、決済状況に関する情報が未決済であって代表者又はグループに属する他の人が所定期間内に決済をしなかった場合、一括して購入申込した複数枚のチケットのうち未決済分の該当チケットのみの購入を取り消す処理を行うものである。
具体的には、決済期限経過後、さらに所定期間を経過した後も、チケット情報ファイルの決済状況が未決済のままである場合に、チケット情報ファイルの購入者や決済者等に関する情報を消去する処理を行うものであり、本装置1のハードディスクドライブ15、CPU11、ROM12、RAM13、通信用インターフェース14等によって構成される。
【0054】
<本実施形態に係るチケット販売方法>
次に、本実施形態に係るチケット販売方法について説明する。
本実施形態に係るチケット販売方法は、コンピュータとして機能する本装置1を用いることで実現され、換言すると、本装置1が実行するチケット販売処理では、本実施形態に係るチケット販売方法が適用されている。
以下、本実施形態に係るチケット販売方法の説明として、本装置1による処理の流れと当該処理中の各工程について説明することとする。
【0055】
図14は、チケット販売方法における本装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
本装置1によるチケット販売処理は、
図14に示す流れに従って進行する。
まず、購入申込受付処理実行部21によって、グループの代表者の操作する情報端末2からチケット購入申込情報を受付ける(S401)。チケットの購入申込を受け付けると、上述の
図10に示すように、決済者選択処理実行部22によって、代表者の操作する情報端末2からの指定に従ってチケット料金の決済者の選択処理が行われる(S402)。チケット料金の決済者を選択すると、決済内容通知処理実行部23によって、決済者の情報端末2に決済内容が通知される(S403)。
【0056】
続いて、決済者によって決済手続きが実行されたか否かについて判断され(S404)、決済手続きが実行された場合(S404:Yes)、上述の
図12に示すように、決済処理実行部24によって、決済処理が行われる(S405)。一方、決済手続きが未だ実行されていない場合(S404:No)、未決済通知処理実行部25によって、未決済通知処理が行われると共に(S406)、保留処理実行部26によって保留処理が行われる(S407)。
【0057】
そして、所定期間の保留状態の間に、再決済手続きが実行されたか否かについて判断され(S408)、再決済手続きが実行された場合(S408:Yes)、上述の
図13に示すように、再決済処理実行部27によって、代行決済、すなわち、再決済処理が行われる(S409)。
チケットの決済処理又は再決済処理が実行されると、チケットの購入が完了して(S410)処理を終了する。
一方、再決済手続きが未だ実行されていない場合(S408:No、取消処理実行部28によって、未決済チケットの取消処理が行われ(S411)、チケットの購入取消が確定して(S412)、処理を終了する。
【0058】
上記の実施形態には、主として本発明のチケット販売装置及びチケット販売方法について説明した。しかし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。