特許第6396210号(P6396210)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6396210キナーゼ阻害剤として活性な置換インダゾール誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6396210
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】キナーゼ阻害剤として活性な置換インダゾール誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/56 20060101AFI20180913BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20180913BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180913BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180913BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20180913BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20180913BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20180913BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20180913BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20180913BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20180913BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20180913BHJP
   C12N 9/99 20060101ALI20180913BHJP
   C12N 9/12 20060101ALN20180913BHJP
【FI】
   C07D231/56 FCSP
   A61K45/00
   A61P35/00
   A61P43/00 111
   A61K31/496
   C07D403/12
   A61K31/416
   C07D401/12
   A61K31/454
   A61K31/5377
   C07D405/12
   C12N9/99
   !C12N9/12ZNA
【請求項の数】12
【全頁数】83
(21)【出願番号】特願2014-509702(P2014-509702)
(86)(22)【出願日】2012年5月7日
(65)【公表番号】特表2014-514353(P2014-514353A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】EP2012058389
(87)【国際公開番号】WO2012152763
(87)【国際公開日】20121115
【審査請求日】2015年4月27日
(31)【優先権主張番号】11165882.9
(32)【優先日】2011年5月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】307012403
【氏名又は名称】ネルビアーノ・メデイカル・サイエンシーズ・エツセ・エルレ・エルレ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロンバルデイ・ボルジア,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】チオメイ,マリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ドナチ,ダニエレ
(72)【発明者】
【氏名】ネージ,マルチエツラ
【審査官】 神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/138440(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/013126(WO,A1)
【文献】 特表2010−530840(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/069966(WO,A1)
【文献】 特表2005−512967(JP,A)
【文献】 特表2007−518823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(式中、
Arは
【化2】
から選択される基であり、
R1はA、NR6R7、OR8、または場合により直鎖または分岐状C−Cアルキル、ヘテロシクリル、NR11R12またはCOR2で置換されているヘテロシクリルであり;
R2、R3、R4及びR5は独立して水素、ハロゲン、OR13、または場合により直鎖または分岐状C−Cアルキルで置換されているヘテロシクリルであり;ここで
AはNR11R12で置換されている直鎖または分岐状C−Cアルキルであり;
R6は水素、または場合によりNR11R12またはヘテロシクリルで置換されている直鎖または分岐状C−Cアルキルであり;
R7は水素、直鎖または分岐状C−Cアルキル、または場合により直鎖または分岐状C−Cアルキルで置換されているヘテロシクリルであり、或いは
R6及びR7はこれらが結合している窒素原子と一緒に、場合により直鎖または分岐状C−Cアルキル、ヘテロシクリル、またはCOR2で置換されているヘテロシクリル基を形成し得;
R8は場合により直鎖または分岐状C−Cアルキルで置換されているヘテロシクリルであり;
R11及びR12は独立して水素、または直鎖または分岐状C−Cアルキル及び場合により直鎖または分岐状C−Cアルキルまたはヘテロシクリルで置換されているヘテロシクリルから選択される基であり、或いは
R11及びR12はこれらが結合している窒素原子と一緒に、場合により直鎖または分岐状C−Cアルキル、ヘテロシクリル、またはCOR2で置換されているヘテロシクリル基を形成し得;
R13は直鎖または分岐状C−Cアルキルであり;
Xは結合、または直鎖または分岐状C−Cアルキレン、ヘテロシクリレン及びアリーレンから選択される基であり;
Yは結合、酸素、または直鎖または分岐状C−Cアルキレン、直鎖または分岐状C−Cアルケニレン、直鎖または分岐状C−Cアルキニレン、ヘテロシクリレン及びアリーレンから選択される基であり;
Zは結合、酸素、または直鎖または分岐状C−Cアルキレンであり;
Ar’は場合によりハロゲン、置換されている直鎖または分岐状C−CアルキルまたはOR13で置換されている、アリールまたはヘテロアリールである)、
ここで用語「ヘテロシクリル」は、1個以上の炭素原子が窒素および酸素から選択されるヘテロ原子で置換されている3〜7員の飽和炭素環式環を指し;
用語「アリール」は、炭素環式環が「芳香族」(ここで用語「芳香族」は完全共役のπ−電子結合系を指す)である単環の炭素環式炭化水素を指し;
用語「ヘテロアリール」は、Nのヘテロ原子を含む5〜7員の芳香族ヘテロ環式環を指す)
の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項2】
N−(6−ベンジルオキシ−1H−インダゾル−3−イル)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−(6−フェノキシ−1H−インダゾル−3−イル)−ベンズアミド、
N−[6−(3−フルオロ−フェノキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
N−[6−(4−ベンジルオキシ−フェノキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド、
N−[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−(3−フェニル−プロパ−2−イニルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド、
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−(4−フェノキシ−フェノキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド、
N−[6−(3−ベンジルオキシ−フェノキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−(2−フェノキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
N−[6−(1−ベンジル−ピペリジン−3−イルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
N−[6−(1−ベンジル−ピロリジン−2−イルメトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−ジメチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[(3−ジメチルアミノ−プロピル)−メチル−アミノ]−ベンズアミド、
4−{4−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イルカルバモイル]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−ジメチルアミノメチル−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[メチル−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アミノ]−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−モルフォリン−4−イル−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(2−モルフォリン−4−イル−エチルアミノ)−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[(1−メチル−ピペリジン−4−イルメチル)−アミノ]−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(3−ピロリジン−1−イル−アゼチジン−1−イル)−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
N−{6−[2−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
N−{6−[2−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
N−{6−[2−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド、
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド、
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(ピリジン−4−イルメトキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド、
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(ピリジン−3−イルメトキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド、
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(ピリジン−2−イルメトキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−2−フルオロ−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−((E)−3−フェニル−アリルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド、
N−{6−[2−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[メチル−(1−メチル−1−オキシ−ピペリジン−4−イル)−アミノ]−ベンズアミド、
4−(4−メチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド、及び
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−2,4−ビス−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド
からなる群から選択される請求項1に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項3】
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容され得る塩の製造方法であって、方法は、
F)式(XI)
【化3】
(式中、Ar、Ar’、X、Y及びZは請求項1に規定されている通りである)
の化合物のtert−ブトキシ−カルボニル基を切断して、上に規定されている通りの式(I)の化合物を得るステップ;或いは
L)式(XVI)
【化4】
(式中、Ar’、X、Y及びZは請求項1に規定されている通りである)
の化合物を式(V)
【化5】
(式中、Arは請求項1に規定されている通りであり、Wはヒドロキシ、ハロゲンまたは好適な離脱基である)
の化合物を用いてアシル化して、上に規定されている通りの式(I)の化合物を得るステップ;或いは
M)上に規定されている通りの式(XVI)の化合物を式(XVII)
【化6】
(式中、R2、R3、R4及びR5は請求項1に規定されている通りであり、Wは上に規定されている通りであり、Lは好適な離脱基である)の化合物を用いてアシル化するステップ;
N)生じた式(XVIII)
【化7】
(式中、Ar’、X、Y、Z、R2、R3、R4及びR5は請求項1に規定されている通りであり、Lは上に規定されている通りである)
の化合物を式(XIX)
【化8】
(式中、R6およびR7は請求項1に規定されている通りである)
の化合物とカップリングして、式(I)(式中、R1はNR6R7であり、ここでR6、R7、Ar、Ar’、X、Y、Zは請求項1に規定されている通りである)
の化合物を得るステップ;
場合により生じた式(I)の化合物を単一異性体に分離するステップ;場合により生じた式(I)の化合物を式(I)の別の化合物及び/または医薬的に許容され得る塩に変換させるステップ;
を含む方法。
【請求項4】
請求項3に規定されている式(XI)の化合物は、
A)tert−ブトキシ−カルボニル基を式(II)
【化9】
の化合物に導入するステップ;
B)生じた式(III)
【化10】
の化合物のフタルイミド基を切断するステップ;
C)生じた式(IV)
【化11】
の化合物を式(V)
【化12】
(式中、Arは請求項1に規定されている通りであり、Wはヒドロキシ、ハロゲンまたは好適な離脱基である)
の化合物と反応させることによりアシル化するステップ;
D)生じた式(VI)
【化13】
(式中、Arは上に規定されている通りである)
の化合物のtert−ブチルジメチルシリルエーテルを選択的に切断するステップ;
E)生じた式(VII)
【化14】
(式中、Arは請求項1に規定されている通りである)
の化合物を
Ea)式(VIII)
【化15】
(式中、Ar’、Z及びYは請求項1に規定されている通りであり、Xは直鎖または分岐状C−Cアルキレン及びヘテロシクリレンから選択される基である)
の化合物、或いは
Eb)式(IX)
【化16】
(式中、Ar’、Z及びYは請求項1に規定されている通りであり、Xはアリーレンであり、或いは
Ar’は請求項1に規定されている通りであり、X、Y及びZは結合である)
の化合物、或いは
Ec)式(X)
【化17】
(式中、Ar’、Z及びYは請求項1に規定されている通りであり、Xは直鎖または分岐状C−Cアルキレンまたはヘテロシクリレンから選択される基であり、Lは好適な離脱基である)
の化合物
とカップリングして、請求項3に規定されている通りの式(XI)の化合物を得るステップ;
に従って製造される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
請求項3に規定されている通りの式(XI)の化合物は、
G)請求項4に規定されている通りの式(IV)の化合物のtert−ブチルジメチルシリルエーテルを選択的に切断するステップ;
H)生じた式(XII)
【化18】
の化合物を
Ha)請求項4に規定されている通りの式(VIII)の化合物、或いは
Hb)請求項4に規定されている通りの式(X)の化合物
とカップリングするステップ;
I)生じた式(XIII)
【化19】
(式中、Ar、Ar’、Y及びZは請求項1に規定されている通りであり、Xは直鎖または分岐状C−Cアルキレン及びヘテロシクリレンから選択される基である)
の化合物を請求項4に規定されている通りの式(V)の化合物を用いてアシル化して、式(XI)(式中、Ar、Ar’、Y及びZは請求項1に規定されている通りであり、Xは直鎖または分岐状C−Cアルキレン及びヘテロシクリレンから選択される基である)の化合物を得るステップ;
に従って製造される請求項3に記載の方法。
【請求項6】
請求項3に規定されている通りの式(XVI)の化合物は、
J)式(XIV)
【化20】
の化合物を
Ja)請求項4に規定されている通りの式(VIII)の化合物、或いは
Jb)請求項4に規定されている通りの式(IX)の化合物、或いは
Jc)請求項4に規定されている通りの式(X)の化合物
とカップリングするステップ;
K)生じた式(XV)
【化21】
(式中、Ar’、X、Y及びZは請求項1に規定されている通りである)
の化合物をヒドラジンまたはヒドラジン一水和物との反応により変換して、請求項3に規定されている通りの式(XVI)の化合物を得るステップ;
に従って製造される請求項3に記載の方法。
【請求項7】
FLT3またはKITプロテインを有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物と接触させることを含むFLT3またはKITプロテインキナーゼ活性を阻害するためのインビトロ方法。
【請求項8】
治療有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容され得る塩、及び少なくとも1つの医薬的に許容され得る賦形剤、担体及び/または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項9】
更に、1つ以上の化学療法剤を含む請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
抗癌治療において同時に、別々に、または逐次使用するための配合剤として、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び1つ以上の化学療法剤を含む製品。
【請求項11】
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を含む医薬組成物。
【請求項12】
前記組成物が抗癌活性を有する請求項11に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテインキナーゼの活性をモジュレートする特定の置換インダゾール化合物に関する。従って、本発明の化合物は、調節解除されているプロテインキナーゼ活性に起因する疾患の治療において有用である。本発明は、これらの化合物の製造方法、これらの化合物を含む医薬組成物、及びこれらの化合物を含む医薬組成物を用いる疾患の治療方法をも提供する。
【背景技術】
【0002】
プロテインキナーゼ(PK)の機能不全は多数の疾患の特徴である。ヒト癌に関与する癌遺伝子及び原癌遺伝子の大部分はPKをエンコードする。PKの高められた活性は多くの非悪性疾患、例えば前立腺肥大症、家族性腺腫症、ポリープ症、神経線維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化症に関連する血管平滑筋細胞増殖、肺線維症、関節炎、糸球体腎炎、並びに術後狭窄及び再狭窄にも関与している。
【0003】
PKは炎症性状態、並びにウイルス及び寄生虫の増殖にも関与している。PKは神経変性障害の病因及び発生においても重要な役割を果たし得る。
【0004】
PKの機能不全または調節解除についての一般的な参照のためには、例えばCurrent Opinion in Chemical Biology(1999) 3,459−465;Cell(2000) 100,113−127;Nature Rev.Drug Discov.(2002) 1,309−315;及びCarcinogenesis(2008) 29,1087−191を参照されたい。
【0005】
PKの部分集合は、固有のプロテイン−チロシンキナーゼ(RPTK)活性を有する膜受容体のグループである。増殖因子の結合で、RPTKは活性化され、それ自体及び細胞質内の一連の基質をリン酸化する。このメカニズムにより、RPTKは増殖、分化または他の生物学的変化のために細胞内シグナルを伝達し得る。RTPKの構造異常、過剰発現及び活性化がヒト腫瘍でしばしば観察されており、細胞増殖に至るシグナル伝達が構成的に発火すると悪性転換が生ずるおそれがあることが示唆されている。
【0006】
FMS様チロシンキナーゼ3(FLT3)及びKITは共に、5つの免疫グロブリン様ループを有する細胞外ドメイン、膜貫通領域、及びキナーゼドメイン(2つの領域に分割される)だけでなく、触媒不活性なコンフォメーションを安定化させるために前記キナーゼドメインとドッキングする自己抑制性膜近傍(JM)ドメインも含む細胞質ドメインにより特徴づけられるPDGFRファミリークラスIII受容体チロシンキナーゼのメンバーである。通常、FLT3は正常な造血において重要な役割を有しており、その発現はCD34+造血幹/始原細胞、脳、胎盤及び生殖腺に限定されている。FLT3のFLT3−リガンドによる活性化は初期始原細胞の正常増殖を促進させる。
【0007】
急性白血病では、FLT3遺伝子の突然変異が最も一般的な後天性遺伝的病変の1つであることが知見された。FLT3突然変異は急性骨髄性白血病(AML)患者の30%において(Nakao Mら,Leukemia,1996 Dec;10(12):1911−8)、骨髄異形成症候群を有する患者の5〜10%においても(Horiike Sら,Leukemia,1997 Sep;11(9):1442−6)検出され得る。体細胞性FLT3遺伝子突然変異には、JMドメインにおける遺伝子内縦列重複(ITD)及びチロシンキナーゼドメイン(TKD)の活性化ループにおける点突然変異の2つの一般的なタイプがある。ITD突然変異は、アミノ酸の付加または欠失によるFLT3のJMドメインの延長または短縮であり、その結果FLT3の構成的活性化が生じる。FLT3/ITD突然変異の存在はAMLを有する小児及び成人患者の両方における臨床転帰不良に関連している。キナーゼドメイン(FLT3/TKD)の活性化ループにおける点突然変異は、骨髄細胞の活性化されたコンフィギュレーション及び形質転換をもたらすD685残基のアスパラギン酸を含む。D835突然変異は、FLT3のアミノ酸835にあるアスパラギン酸に代わるチロシン、ヒスチジン、バリン、グルタミン酸またはアスパラギンの置換をもたらすミスセンス突然変異である。これらの突然変異はAML患者の7%で報告されている。ITDとは異なり、TKD突然変異はAML患者において予後的意義を有するとは判明していない。FLT3変異の両タイプは受容体のリガトン非依存性活性化及び下流シグナル経路の活性化を生起させる。変異FLT3は3つの重要な細胞内シグナル経路、すなわちPI3K/AKT、RAS/RAF/MAPK及びJAM/STATを活性化させるので、白血病細胞に対して延命効果を与える(Masson K,Ronnstrand L,Cell Signal,2009 Dec.,21(12):1717−26)。
【0008】
結論として、FLT3シグナル化の干渉はAML及び多分他の適応症における腫瘍細胞増殖を阻止するための具体的で有効な方法を表わす。
【0009】
KITは通常幹細胞因子により活性化される。KITによるシグナル化は赤血球造血、リンパ球生成、マスト細胞発生及び機能、巨核球増生、配偶子形成及びメラニン形成において重要な役割を果たす。造血幹細胞、多能性始原細胞及び通常骨髄始原細胞も、初期T始原細胞及び胸腺細胞も高レベルのKITを発現する。加えて、マスト細胞、皮膚中のメラノサイト及び消化管中のカバールの間質細胞はKITを発現する(Pittoni Pら,Oncogene,2011;Feb 17,30(7):757−69)。
【0010】
KIT過剰発現または突然変異は癌につながり得る。この遺伝子の突然変異はしばしば消化管間質腫瘍(GIST)に関連している(Antonescu CR,J.Pathol,2011;223(2):251−6)。GISTの約65〜80%が受容体調節ドメイン(細胞外及び膜近傍)における突然変異及び酵素ドメインにおける突然変異の2つのカテゴリーに分けられるKIT突然変異を有している。診断時、最も一般的な突然変異、欠失及び点突然変異がJMドメインに影響を与える。細胞外ドメイン突然変異は第2の最も一般的な突然変異であり、次いでチロシンキナーゼドメイン突然変異である。KITの突然変異がメラノーマ(Curtin JA,JCO,2006,24(26):4340−4346)、急性骨髄性白血病(Malaise M,Steinbach D,Corbacioglu S,Curr Hematol Malig Rep,2009,4(2):77−82)及び唾液腺の原発性腺様のう胞癌(Vila L,Liu H,Al−Quran SZ,Coco DP,Dong HJ,Liu C,Mod Pathol,2009;22(10);1296−302)でも確認されている。過剰発現は胸腺癌(Strobel P,Hohenberger P,Marx A,J Thorac Oncol,2010;5(10 Suppl 4):S286−90)、グリオーマ(Morris PG,Abrey LE,Target Oncol,2010;5(3)193−200)、睾丸セミノーマ(Nikolaou Mら,Anticancer Res,2007;27(3B):1685−8)及び小細胞肺癌(SCLC)(Micke Pら,Clin Cancer Res,2003;9(1):188−94)においても報告されている。マスト細胞疾患(Lim KH,Pardanani A,Tefferi A,Acta Haematol,2008;119(4):194−8)または限局性白皮症(Murakami Tら,J.Dermato Sci,2004 Jun;35(1)29−33)のような別の疾患がKIT活性化に関連している。
【0011】
データ収集に基づいて、KITキナーゼ活性化は造血系及び固体癌疾患の両方の悪性疾患の重要な群に対するトリガー因子であると見られ、KITキナーゼがこれらの病状の治療のための良好な治療標的に相当し得ることが示唆される。
【0012】
癌、神経変性及びアテローム性動脈硬化症のような各種疾患の治療のために有用な幾つかのインダゾール誘導体が、それぞれPharmacia Italia spa、Hoffmann La Roche AG、Merck GMBH及びNerviano Medical Sciencesの名義のWO 2003028720、WO 2005085206、WO 2008003396及びWO 201069966に開示されている。これらの開発にもかかわらず、より有効な物質がなお要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2003/028720号
【特許文献2】国際公開第2005/085206号
【特許文献3】国際公開第2008/003396号
【特許文献4】国際公開第2010/69966号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Current Opinion in Chemical Biology(1999) 3,459−465
【非特許文献2】Cell(2000) 100,113−127
【非特許文献3】Nature Rev.Drug Discov.(2002) 1,309−315
【非特許文献4】Carcinogenesis(2008) 29,1087−191
【非特許文献5】Nakao Mら,Leukemia,1996 Dec;10(12):1911−8
【非特許文献6】Horiike Sら,Leukemia,1997 Sep;11(9):1442−6
【非特許文献7】Masson K,Ronnstrand L,Cell Signal,2009 Dec.,21(12):1717−26
【非特許文献8】Pittoni Pら,Oncogene,2011 Feb 17,30(7):757−69
【非特許文献9】Antonescu CR,J.Pathol,2011;223(2):251−6
【非特許文献10】Curtin JA,JCO,2006,24(26):4340−4346
【非特許文献11】Malaise M,Steinbach D,Corbacioglu S,Curr Hematol Malig Rep,2009;4(2):77−82
【非特許文献12】Vila L,Liu H,Al−Quran SZ,Coco DP,Dong HJ,Liu C,Mod Pathol,2009,22(10);1296−302
【非特許文献13】Strobel P,Hohenberger P,Marx A,J Thorac Oncol,2010;5(10 Suppl 4):S286−90
【非特許文献14】Morris PG,Abrey LE,Target Oncol,2010;5(3)193−200
【非特許文献15】Nikolaou Mら,Anticancer Res,2007;27(3B):1685−8
【非特許文献16】Micke Pら,Clin Cancer Res,2003;9(1):188−94
【非特許文献17】Lim KH,Pardanani A,Tefferi A,Acta Haematol,2008;119(4):194−8
【非特許文献18】Murakami Tら,J.Dermato Sci,2004 Jun;35(1)29−33
【発明の概要】
【0015】
今回、我々は一連のインダゾールが強力なプロテインキナーゼ阻害剤であり、よって抗癌治療において有用であることを知見した。
【0016】
従って、本発明の第1の目的は、式(I)
【0017】
【化1】
(式中、
Arは
【0018】
【化2】
から選択される基であり、
R1はA、NR6R7、OR8、SOR9、COR10、ニトロ、シアノ、またはC−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル及びヘテロアリールから選択される場合により置換されている基であり;
R2、R3、R4及びR5は独立して水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、SOR9、COR10、NR11R12、OR13、または直鎖または分岐状C−Cアルキル、直鎖または分岐状C−Cアルケニル、直鎖または分岐状C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル及びヘテロシクリルから選択される場合により置換されている基であり;ここで
Aは場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているヘテロアリール、SOR9、COR10、NR11R12及びOR13から選択される基で置換されている直鎖または分岐状C−Cアルキルであり;
R6は水素、または直鎖または分岐状C−Cアルキル、直鎖または分岐状C−Cアルケニル、直鎖または分岐状C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択される場合により置換されている基であり;
R7は水素、SOR9、COR10、置換されている直鎖または分岐状C−Cアルキル、または直鎖または分岐状C−Cアルケニル、直鎖または分岐状C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択される場合により置換されている基であり、或いは
R6及びR7はこれらが結合している窒素原子と一緒に、場合により置換されているヘテロシクリル基を形成し得;
R8は水素、A、COR10、または直鎖または分岐状C−Cアルケニル、直鎖または分岐状C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択される場合により置換されている基であり、ここでAは上に規定されている通りであり;
R9はNR11R12、または直鎖または分岐状C−Cアルキル、直鎖または分岐状C−Cアルケニル、直鎖または分岐状C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択される場合により置換されている基であり;
R10は水素、NR11R12、OR13、または直鎖または分岐状C−Cアルキル、直鎖または分岐状C−Cアルケニル、直鎖または分岐状C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択される場合により置換されている基であり;
R11及びR12は独立して水素、SOR9、COR10、または直鎖または分岐状C−Cアルキル、直鎖または分岐状C−Cアルケニル、直鎖または分岐状C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択される場合により置換されている基であり、ここでR9及びR10は上に規定されている通りであり、或いは
R11及びR12はこれらが結合している窒素原子と一緒に、場合により置換されているヘテロシクリル基を形成し得;
R13は水素、COR10、または直鎖または分岐状C−Cアルキル、直鎖または分岐状C−Cアルケニル、直鎖または分岐状C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択される場合により置換されている基であり、ここでR10は上に規定されている通りであり;
nは0、1または2であり;
Xは結合、または直鎖または分岐状C−Cアルキレン、ヘテロシクリレン及びアリーレンから選択される場合により置換されている基であり;
Yは結合、酸素、または直鎖または分岐状C−Cアルキレン、直鎖または分岐状C−Cアルケニレン、直鎖または分岐状C−Cアルキニレン、ヘテロシクリレン及びアリーレンから選択される場合により置換されている基であり;
Zは結合、酸素、または場合により置換されている直鎖または分岐状C−Cアルキレンであり;
Ar’は場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールである)
で表される置換インダゾール化合物またはその医薬的に許容され得る塩を提供することである。
【0019】
本発明は、標準合成変換からなる方法により製造される式(I)の置換インダゾール誘導体の合成方法、並びに異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、複合物、代謝物、プロドラッグ、キャリア、N−オキシドをも提供する。
【0020】
本発明は、治療を要する哺乳動物に対して上に記載の式(I)で表される置換インダゾール化合物を有効量投与することを含む調節解除されているプロテインキナーゼ活性、特にABL、ACK1、AKT1、ALK、AUR1、AUR2、BRK、BUB1、CDC7/DBF4、CDK2/CYCA、CHK1、CK2、EEF2K、EGFR1、EphA2、EphB4、ERK2、FAK、FGFR1、FLT3、GSK3β、Haspin、IGFR1、IKK2、IR、JAK1、JAK2、JAK3、KIT、LCK、LYN、MAPKAPK2、MELK、MET、MNK2、MPS1、MST4、NEK6、NIM1、P38α、PAK4、PDGFR、PDK1、PERK、PIM1、PIM2、PKAα、PKCβ、PLK1、RET、ROS1、SULU1、Syk、TLK2、TRKA、TYK、VEGFR2、VEGFR3またはZAP70活性、より特にFLT3、PDGFR、VEGFR3、TRKAまたはKIT活性、更により特にFLT3またはKIT活性に起因する及び/または関連する疾患の治療方法をも提供する。
【0021】
本発明の好ましい方法は、癌、細胞増殖障害、及び免疫細胞関連疾患及び障害からなる群から選択される調節解除されているプロテインキナーゼ活性に起因する及び/または関連する疾患を治療することである。
【0022】
本発明の別の好ましい方法は、癌腫、例えば膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(小細胞肺癌を含む)、唾液腺癌、食道癌、胆のう癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頸癌、甲状腺癌、胸腺癌、前立腺癌、及び扁平上皮癌を含めた皮膚癌;白血病、急性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫及びバーキットリンパ腫を含めたリンパ系の造血器腫瘍;急性及び慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群及び前骨髄球性白血病を含めた骨髄系の造血器腫瘍;消化管間質腫瘍、線維肉腫及び横紋筋肉腫を含めた間葉起源の腫瘍;アストロチトーム、神経芽腫、グリオーマ及び神経鞘腫を含めた中枢及び末梢神経系の腫瘍;マスト細胞疾患、メラノーマ、セミノーマ、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞癌、カポジ肉腫及び中皮腫等を含めた他の腫瘍からなる群から選択される特定タイプの癌を治療することであり、前記癌はこれらに限定されない。
【0023】
本発明の別の好ましい方法は、特定の細胞増殖障害、例えば前立腺肥大症、家族性腺腫性ポリポーシス、神経線維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化症に関連する血管平滑筋細胞増殖、肺線維症、関節炎、糸球体腎炎、及び術後狭窄及び再狭窄を治療することである。
【0024】
本発明の別の好ましい方法は、免疫細胞関連疾患及び障害、例えば炎症性及び自己免疫疾患、例えば多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、過敏性腸症候群、膵炎、潰瘍性大腸炎、憩室症、重症筋無力症、血管炎、乾癬、強皮症、喘息、アレルギー、全身性硬化症、白斑、骨関節炎のような関節炎、若年性慢性関節リウマチ、強直性脊椎炎を治療することである。
【0025】
本発明の別の好ましい方法は、FLT3変異癌、例えば急性骨髄性白血病または骨髄異形成症候群を治療することである。
【0026】
本発明の別の好ましい方法は、KIT変異癌、例えば消化管間質腫瘍、メラノーマ、急性骨髄性白血病、唾液腺の原発性腺様のう胞癌、胸腺癌、グリオーマ、精巣セミノーマ、小細胞肺癌、マスト細胞疾患または限局性白皮症を治療することである。
【0027】
加えて、本発明の方法は腫瘍血管新生及び転移抑制をも与える。
【0028】
更に好ましい実施形態において、本発明の方法は更に、治療を要する哺乳動物に対して少なくとも1つの細胞増殖抑制または細胞傷害剤と一緒に放射線療法または化学療法レジメンを施すことを含む。
【0029】
更に、本発明は、FLT3またはKITプロテインを有効量の式(I)の化合物と接触させることを含むFLT3またはKITプロテインキナーゼ活性を阻害するためのインビトロ方法を提供する。
【0030】
本発明は、治療有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び少なくとも1つの医薬的に許容され得る賦形剤、担体及び/または希釈剤を含む医薬組成物をも提供する。
【0031】
本発明は、更に、式(I)の化合物を1つ以上の化学療法剤、例えば細胞増殖抑制または細胞傷害剤、抗生物質、アルキル化剤、代謝拮抗物質、ホルモン剤、免疫物質、インターフェロンタイプ物質、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、COX−2阻害剤)、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗増殖因子受容体物質、抗HER剤、抗EGFR剤、抗血管新生剤(例えば、血管新生抑制剤)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ras−rafシグナル伝達経路阻害剤、細胞周期阻害剤、他のcdks阻害剤、チューブリン結合剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤等と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0032】
加えて、本発明は、抗癌治療において同時に、別々にまたは逐次使用するための配合剤としての上に規定されている通りの式(I)の化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び1つ以上の化学療法剤を含む製品を提供する。
【0033】
更に別の態様で、本発明は、薬剤として使用するための上に規定されている通りの式(I)の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を提供する。
【0034】
更に、本発明は、癌の治療方法において使用するための上に規定されている通りの式(I)の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を提供する。
【0035】
最後に、本発明は、抗腫瘍活性を有する薬剤の製造における上に規定されている通りの式(I)の化合物またはその医薬的に許容され得る塩の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0036】
式(I)の化合物は1つ以上の不斉中心を有し得、よって個別の光学異性体またはラセミ混合物として存在し得る。従って、式(I)の化合物のすべての考えられる異性体及びその混合物が本発明の範囲内である。
【0037】
式(I)の化合物が不飽和炭素−炭素二重結合を有している場合、シス(Z)及びトランス(E)異性体の両方が本発明の範囲内である。
【0038】
哺乳動物での代謝に由来する式(I)の化合物の誘導体及び式(I)の化合物の医薬的に許容され得る生物前駆体(或いは、プロドラッグと称される)も本発明の範囲内である。
【0039】
上に加えて、当業者に公知のように、式(I)の化合物のピラゾール環上の未置換窒素は溶液中で迅速に平衡化して、以下に示す互変異性体の混合物を形成する。
【0040】
【化3】
上記式中、Ar、Ar’、X、Y及びZは上に規定されている通りである。
【0041】
従って、本発明において式(I)の化合物について1つの互変異性体しか示されていない場合、特に記載されていない限り他の互変異性体(Ia)も本発明の範囲内である。
【0042】
更に、上に規定されている通りの式(I)の化合物から容易に得られ得るならば、その水和物、溶媒和物、複合物及びN−オキシドも本発明の範囲内である。
【0043】
N−オキシドは、窒素及び酸素が配位結合を介して連結されている式(I)の化合物である。
【0044】
本明細書中で使用されている一般用語は、別段の定めがない限り、下記する意味を有している。
【0045】
用語「直鎖または分岐状C−Cアルキル」は、1〜6個の炭素原子の直鎖及び分岐鎖基を含めた飽和脂肪族炭化水素ラジカル、例えばメチル、エチル、プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル等を指す。アルキル基は置換されていても未置換でもよい。別段の定めがない限り、置換基は好ましくはハロゲン、シアノ、ニトロ、SOR9、COR10、NR11R12、OR13、R11R12N−(C−C)−アルキル、R13O−(C−C)−アルキル、及びC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択される場合により更に置換されている基からなる群から独立して選択される1〜3個の基であり、ここでR9、R10、R11、R12、R13及びnは上に規定されている通りである。
【0046】
用語「C−Cシクロアルキル」は、1つ以上の二重結合を含み得るが、完全に共役のπ−電子系を有していない3〜6員の全炭素単環式環を指す。シクロアルキル基の例は、非限定的にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル及びシクロヘキサジエニルである。シクロアルキル基は置換されていても未置換でもよい。別段の定めがない限り、置換基は好ましくはハロゲン、シアノ、ニトロ、SOR9、COR10、NR11R12、OR13、R11R12N−(C−C)−アルキル、R13O−(C−C)−アルキル、及び場合により更に置換されている直鎖または分岐状C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立して選択される1〜3個の基であり、ここでR9、R10、R11、R12、R13及びnは上に規定されている通りである。
【0047】
用語「ヘテロシクリル」は、1個以上の炭素原子がヘテロ原子、例えば窒素、酸素及び硫黄で置換されている3〜7員の飽和または部分不飽和炭素環式環を指す。ヘテロシクリル基の非限定例は、例えばオキシラニル、アジリジニル、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、ピラゾリニル、イソオキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、チアゾリジニル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、ジオキサニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ヘキサメチレンイミニル、ホモピペラジニル等である。ヘテロシクリル基は置換されていても未置換でもよい。別段の定めがない限り、置換基は好ましくはハロゲン、シアノ、ニトロ、SOR9、COR10、NR11R12、OR13、R11R12N−(C−C)−アルキル、R13O−(C−C)−アルキル、及び場合により更に置換されている直鎖または分岐状C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立して選択される1〜3個の基であり、ここでR9、R10、R11、R12、R13及びnは上に規定されている通りである。
【0048】
用語「アリール」は、炭素環式環の少なくとも1つが「芳香族」であり、場合により更に単結合により相互に縮合または連結されている1〜4個の環系の単環、二環または多環の炭素環式炭化水素を指し、ここで用語「芳香族」は完全共役のπ−電子結合系を指す。アリール基の非限定例はフェニル、α−またはβ−ナフチル、またはビフェニル基である。
【0049】
用語「ヘテロアリール」は、芳香族ヘテロ環式環、典型的にはN、O及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜7員のヘテロ環を指す。ヘテロアリール環は、場合により更に芳香族及び非芳香族炭素環式及びヘテロ環式環に縮合または連結されていてもよい。前記ヘテロアリール基の非限定例は、例えばピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、フェニル−ピロリル、フリル、フェニル−フニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、チエニル、ベンゾチエニル、イソインドリニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、1,2,3−トリアゾリル、1−フェニル−1,2,3−トリアゾリル、2,3−ジヒドロインドリル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾチオフェニル、ベンゾピラニル、2,3−ジヒドロベンゾオキサジニル、2,3−ジヒドロキノキサリニル等である。
【0050】
アリール及びヘテロアリール基は置換されていても未置換でもよい。別段の定めがない限り、置換基は好ましくはハロゲン、シアノ、ニトロ、SOR9、COR10、NR11R12、OR13、R11R12N−(C−C)−アルキル、R13O−(C−C)−アルキル、及び場合により更に置換されている直鎖または分岐状C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立して選択される1〜3個の基であり、ここでR9、R10、R11、R12、R13及びnは上に規定されている通りである。
【0051】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。
【0052】
用語「C−Cアルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含み、直鎖または分岐状であり得る脂肪族C−C炭化水素鎖を指す。代表例には、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−または2−ブテニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
用語「C−Cアルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含み、直鎖または分岐状であり得る脂肪族C−C炭化水素鎖を指す。代表例には、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−または2−ブチニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0054】
アルケニル及びアルキニル基は置換されていても未置換でもよい。別段の定めがない限り、置換基は好ましくはハロゲン、シアノ、ニトロ、SOR9、COR10、NR11R12、OR13、R11R12N−(C−C)−アルキル、R13O−(C−C)−アルキル、及び場合により更に置換されている直鎖または分岐状C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立して選択される1〜3個の基であり、ここでR9、R10、R11、R12、R13及びnは上に規定されている通りである。
【0055】
用語「ニトロ」は−NO基を指す。
【0056】
用語「シアノ」は−CN残基を指す。
【0057】
用語式(I)の化合物の「医薬的に許容され得る塩」は、親化合物の生物学的有効性及び特性を保持している塩を指す。前記塩には、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、過塩素酸等)または有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、(D)または(L)リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、桂皮酸、マンデル酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、マロン酸等)との酸付加塩;式(I)の化合物中に存在している酸プロトンを金属イオン、例えばアルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムまたはカリウム)またはアルカリ土類イオン(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)、または有機塩基との配位物(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン等)で置換すると形成される塩が含まれる。
【0058】
式(I)の化合物の好ましいクラスは、R1がA、NR6R7、OR8、または場合により置換されているヘテロシクリルであり、ここでA、R6、R7及びR8が上に規定されている通りである化合物である。
【0059】
式(I)の化合物のより好ましいクラスは、ArがAr1またはAr2であり;R2、R3、R4、R5が各々独立して水素、ハロゲン、NR11R12またはOR13であり、ここでR11、R12及びR13が上に規定されている通りである化合物である。
【0060】
本発明の具体的化合物(化合物)またはその塩を以下にリストする:
1.N−(6−ベンジルオキシ−1H−インダゾル−3−イル)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
2.4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−(6−フェノキシ−1H−インダゾル−3−イル)−ベンズアミド、
3.N−[6−(3−フルオロ−フェノキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
4.N−[6−(4−ベンジルオキシ−フェノキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
5.4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド、
6.N−[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
7.4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−(3−フェニル−プロパ−2−イニルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド、
8.4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−(4−フェノキシ−フェノキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド、
9.N−[6−(3−ベンジルオキシ−フェノキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
10.4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−(2−フェノキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド、
11.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
12.N−[6−(1−ベンジル−ピペリジン−3−イルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
13.N−[6−(1−ベンジル−ピロリジン−2−イルメトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
14.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
15.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−ジメチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−ベンズアミド、
16.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンズアミド、
17.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[(3−ジメチルアミノ−プロピル)−メチル−アミノ]−ベンズアミド、
18.4−{4−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イルカルバモイル]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
19.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ベンズアミド、
20.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド、
21.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−ジメチルアミノメチル−ベンズアミド、
22.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ベンズアミド、
23.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[メチル−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アミノ]−ベンズアミド、
24.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−モルフォリン−4−イル−ベンズアミド、
25.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(2−モルフォリン−4−イル−エチルアミノ)−ベンズアミド、
26.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−ベンズアミド、
27.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[(1−メチル−ピペリジン−4−イルメチル)−アミノ]−ベンズアミド、
28.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(3−ピロリジン−1−イル−アゼチジン−1−イル)−ベンズアミド、
29.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
30.N−{6−[2−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
31.N−{6−[2−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
32.N−{6−[2−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
33.4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド、
34.4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド、
35.4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(ピリジン−4−イルメトキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド、
36.4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(ピリジン−3−イルメトキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド、
37.4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(ピリジン−2−イルメトキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド、
38.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−2−フルオロ−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
39.4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−((E)−3−フェニル−アリルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド、
40.N−{6−[2−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド、
41.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[メチル−(1−メチル−1−オキシ−ピペリジン−4−イル)−アミノ]−ベンズアミド、
42.4−(4−メチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド、及び
43.N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−2,4−ビス−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド。
【0061】
本発明は、下記する反応ルート及び合成スキームを用い、当業界で利用可能な技術及び容易に入手可能な出発材料を使用することによる上に規定されている通りの式(I)の化合物の製造方法をも提供する。本発明の特定実施形態の製造が以下の実施例に記載されているが、当業者は記載されている製造方法は本発明の他の実施形態を製造するために容易に改変され得ることを認識している。例えば、本発明の例示されていない化合物の合成は当業者に自明な修飾により、例えば干渉基を適切に保護することにより、当業界で公知の他の好適な試薬に変更することにより、または反応条件をルーチンに修飾することにより実施され得る。或いは、本明細書で言及されているかまたは当業界で公知の他の反応は本発明の他の化合物を製造するための適応性を有していると考えられる。
【0062】
報告されているスキーム1及びスキーム2は、式(I)の化合物の製造を示す。
【0063】
【化4】
上記式中、Arは式(I)に規定されている通りであり;Wはヒドロキシ、ハロゲンまたは好適な離脱基であり;X、Y、Z及びAr’は式(I)に規定されている通りであり;Lは好適な離脱基、例えばハロゲン、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシまたはp−トルエンスルホニルオキシである。
【0064】
【化5】
上記式中、Arは式(I)に規定されている通りであり;Wはヒドロキシ、ハロゲンまたは好適な離脱基であり;X、Y、Z及びAr’は式(I)に規定されている通りであり;Lは好適な離脱基、例えばハロゲン、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシまたはp−トルエンスルホニルオキシである。
【0065】
すべての当業者が、前記方法に従って実施される変換は標準の修飾、例えば干渉基の保護、当業界で公知の他の好適な試薬への変更、または反応条件のルーチンの修飾を必要とすることがあることを認識している。
【0066】
従って、本発明の方法は、以下のステップ:
A)tert−ブトキシ−カルボニル基を式(II)
【0067】
【化6】
の化合物に導入するステップ;
B)生じた式(III)
【0068】
【化7】
の化合物のフタルイミド基を切断するステップ;
C)生じた式(IV)
【0069】
【化8】
の化合物を式(V)
【0070】
【化9】
(式中、Arは式(I)に規定されている通りであり、Wはヒドロキシ、ハロゲンまたは好適な離脱基である)
の化合物と反応させることによりアシル化するステップ;
D)生じた式(VI)
【0071】
【化10】
(式中、Arは上に規定されている通りである)
の化合物のtert−ブチルジメチルシリルエーテルを選択的に切断するステップ;
E)生じた式(VII)
【0072】
【化11】
(式中、Arは式(I)に規定されている通りである)
の化合物を
Ea)式(VIII)
【0073】
【化12】
(式中、Ar’、Z及びYは式(I)に規定されている通りであり、Xは直鎖または分岐状C−Cアルキレン及びヘテロシクリレンから選択される場合により置換されている基である)
の化合物、または
Eb)式(IX)
【0074】
【化13】
(式中、Ar’、Z及びYは式(I)に規定されている通りであり、Xは場合により置換されているアリーレンであり、或いは
Ar’は式(I)に規定されている通りであり、X、Y及びZは結合である)
の化合物、または
Ec)式(X)
【0075】
【化14】
(式中、Ar’、Z及びYは式(I)に規定されている通りであり、Xは直鎖または分岐状C−Cアルキレンまたはヘテロシクリレンから選択される場合により置換されている基であり、Lは好適な離脱基、例えばハロゲン、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシまたはp−トルエンスルホニルオキシである)
の化合物
とカップリングするステップ;
F)ステップEa)、Eb)またはEc)で得られた式(XI)
【0076】
【化15】
(式中、Ar、Ar’、X、Y及びZは式(I)に規定されている通りである)
の化合物のtert−ブトキシ−カルボニル基を切断して、上に規定されている通りの式(I)の化合物を得るステップ;
所望ならば、場合により生じた式(I)の化合物を単一異性体に分離するステップ;場合により生じた式(I)の化合物を式(I)の別の化合物及び/または医薬的に許容され得る塩に変換するステップ;
を含む。
【0077】
或いは、式(XI)(式中、Ar、Ar’、Y及びZは式(I)に規定されている通りであり、Xは直鎖または分岐状C−Cアルキレン及びヘテロシクリレンから選択される場合により置換されている基である)の中間体化合物は、以下のステップ:
G)上に規定されている通りの式(IV)の化合物のtert−ブチルジメチルシリルエーテルを選択的に切断するステップ;
H)生じた式(XII)
【0078】
【化16】
の化合物を
Ha)上に規定されている通りの式(VIII)の化合物、または
Hb)上に規定されている通りの式(X)の化合物
とカップリングするステップ;
I)生じた式(XIII)
【0079】
【化17】
(式中、Ar、Ar’、Y及びZは式(I)に規定されている通りであり、Xは直鎖または分岐状C−Cアルキレン及びヘテロシクリレンから選択される場合により置換されている基である)
の化合物を上に規定されている通りの式(V)の化合物を用いてアシル化して、式(XI)(式中、Ar、Ar’、Y及びZは式(I)に規定されている通りであり、Xは直鎖または分岐状C−Cアルキレン及びヘテロシクリレンから選択される場合により置換されている基である)の化合物を得るステップ;
を含む方法で得られ得る。
【0080】
本発明の更なる主題は、以下のステップ:
J)式(XIV)
【0081】
【化18】
の化合物を
Ja)上に規定されている通りの式(VIII)の化合物、または
Jb)上に規定されている通りの式(IX)の化合物、または
Jc)上に規定されている通りの式(X)の化合物
とカップリングするステップ;
K)生じた式(XV)
【0082】
【化19】
(式中、Ar’、X、Y及びZは式(I)に規定されている通りである)
の化合物を変換するステップ;
L)生じた式(XVI)
【0083】
【化20】
(式中、Ar’、X、Y及びZは式(I)に規定されている通りである)
の化合物を上に規定されている通りの式(V)の化合物を用いてアシル化して、上に規定されている通りの式(I)の化合物を得るステップ;
所望ならば、場合により生じた式(I)の化合物を単一異性体に分離するステップ;場合により生じた式(I)の化合物を式(I)の別の化合物及び/または医薬的に許容され得る塩に変換するステップ;
を含む上に規定されている通りの式(I)の化合物の製造方法である。
【0084】
本発明の更なる主題は、式(I)(式中、R1はNR6R7であり、ここでR6は上に規定されている通りであり、R7は水素、置換されている直鎖または分岐状C−Cアルキル、または直鎖または分岐状C−Cアルケニル、直鎖または分岐状C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択される場合により置換されている基であり、Ar、Ar’、X、Y及びZは上に規定されている通りである)の化合物の製造方法であり、
M)上に規定されている通りの式(XVI)の化合物を式(XVII)
【0085】
【化21】
(式中、R2、R3、R4及びR5は式(I)に規定されている通りであり、W及びLは上に規定されている通りである)
の化合物を用いてアシル化するステップ;
N)生じた式(XVIII)
【0086】
【化22】
(式中、Ar’、X、Y、Z、R2、R3、R4及びR5は式(I)に規定されている通りであり、Lは上に規定されている通りである)
の化合物を式(XIX)
【0087】
【化23】
(式中、R6は式(I)に規定されている通りであり、R7は水素、置換されている直鎖または分岐状C−Cアルキル、または直鎖または分岐状C−Cアルケニル、直鎖または分岐状C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択される場合により置換されている基である)
の化合物とカップリングして、式(I)(式中、R1はNR6R7であり、ここでR6は式(I)に規定されている通りであり、R7は水素、置換されている直鎖または分岐状C−Cアルキル、または直鎖または分岐状C−Cアルケニル、直鎖または分岐状C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択される場合により置換されている基であり、Ar、Ar’、X、Y、Zは式(I)に規定されている通りである)の化合物を得るステップ;
所望ならば、場合により生じた式(I)の化合物を単一異性体に分離するステップ;場合により生じた式(I)の化合物を式(I)の別の化合物及び/または医薬的に許容され得る塩に変換するステップ;
を含む。
【0088】
上述したように、本発明の方法に従って製造される式(I)の化合物は、便利には公知の合成条件に従って操作することにより式(I)の他の化合物に変換され得、考えられる変換の例は次の通りである:
1)式(I)(式中、置換基R1、R2、R3、R4またはR5の1つはNOである)の化合物を還元して、対応する式(I)(式中、前記置換基はNHである)の化合物を得る;
2)式(I)(式中、置換基R1、R2、R3、R4またはR5の1つはNHである)の化合物を式(XX)または(XXI)
【0089】
【化24】
(式中、R9、R10及びWは上に規定されている通りである)
のアシル化剤と反応させることによりアシル化して、対応する式(I)(式中、前記置換基はNHSOR9またはNHCOR10残基であり、ここでR9及びR10は上に規定されている通りである)の化合物を得る;
3)式(I)(式中、置換基R1はNHである)の化合物を還元剤の存在下で好適なアルデヒドまたはケトンと反応させて、対応する式(I)(式中、前記置換基はNR6R7基であり、ここでR7は水素であり、R6は水素を除いて式(I)に規定されている通りである)の化合物を得る;
4)式(I)(式中、置換基R2、R3、R4またはR5の1つはNHである)の化合物を還元剤の存在下で好適なアルデヒドまたはケトンと反応させて、対応する式(I)(式中、前記置換基はNR11R12基であり、ここでR11またはR12は水素であり、他方は水素、SOR9またはCOR10を除いて式(I)に規定されている通りである)の化合物を得る;
5)式(I)(式中、置換基R1、R2、R3、R4またはR5の1つはCOOR13残基であり、ここでR13は直鎖または分岐状C−Cアルキルである)の化合物を酸または塩基触媒作用下で加水分解して、対応する式(I)(式中、前記置換基はCOOH基であり、この場合R13は水素を表す)の化合物を得る;
6)式(I)(式中、置換基R1、R2、R3、R4またはR5の1つはCOOH残基である)の化合物を式(XXII)
【0090】
【化25】
(式中、R11及びR12はSOR9またはCOR10を除いて式(I)に規定されている通りである)
のアミンを用いてアミド化して、対応する式(I)(式中、前記置換基はCONR11R12残基であり、ここでR11及びR12はSOR9またはCOR10を除いて式(I)に規定されている通りである)の化合物を得る;
7)式(I)(式中、R1は4−メチル−ピペラジン−1−イルである)の化合物を酸化して、対応する式(I)(式中、前記置換基は4−メチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イルである)の化合物を得る;
8)式(I)(式中、R1は4−tert−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イルである)の化合物のtert−ブトキシ−カルボニル基を切断して、対応する式(I)(式中、前記置換基はピペラジン−1−イルである)の化合物を得る。
【0091】
ステップA)によれば、式(II)の化合物の式(III)の化合物への変換は、tert−ブトキシ−カルボニル基を導入するための当業界で広く公知のさまざまな方法及び実験条件で、例えばジ−tert−ブチルジカーボネートを用いて実施され得る。好ましくは、この反応は好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、1,4−ジオキサン)中、プロトンスカベンジャー(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で室温〜還流の範囲の温度で約30分〜約96時間の範囲の時間実施される。
【0092】
ステップB)によれば、式(IV)の化合物を得るための式(III)の化合物のフタルイミド基の切断は、当業界で広く公知のさまざまな方法及び実験条件で、例えばヒドラジンを用いて実施され得る。好ましくは、この反応は好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、1,4−ジオキサン)中室温〜還流の範囲の温度で約30分〜約96時間の範囲の時間実施される。
【0093】
ステップC)によれば、式(VI)の化合物は、式(IV)の化合物をアシル化反応のために当業界で広く公知のさまざまな方法及び実験条件で式(V)の化合物と反応させることにより得られ得る。好ましくは、式(V)(式中、Wはヒドロキシである)の化合物を好適な溶媒(例えば、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンまたはその混合物)中、チオニルクロリドまたはオキサリルクロリドの存在下で約−10℃〜還流の範囲の温度で約1時間〜約96時間の範囲の時間その対応するアシルクロリド(式中、Wは塩素である)に変換する。溶媒を蒸発させることによりアシルクロリドを単離し、更に塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で約−40℃〜還流の範囲の温度で約1時間〜約96時間の範囲の時間(IV)と反応させる。好適な溶媒(例えば、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン)を添加してもよい。或いは、式(IV)の化合物を活性化剤(例えば、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノ)カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート)の存在下で式(V)(式中、Wはヒドロキシである)の化合物と反応させる。好ましくは、この反応は好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド)中、プロトンスカベンジャー(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で室温〜還流の範囲の温度で約30分〜約96時間の範囲の時間実施される。
【0094】
ステップD)によれば、式(VII)の化合物を得るための式(VI)の化合物のtert−ブチルジメチルシリルエーテルの選択的切断は、文献で広く公知の慣用方法に従ってさまざまな方法で実施され得る。好ましくは、この変換は好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、1,4−ジオキサン)中、テトラブチルアンモニウムフロリドの存在下で−10℃〜還流の範囲の温度で約30分〜約96時間の範囲の時間実施される。
【0095】
ステップEa)によれば、式(XI)の化合物を得るための式(VII)の化合物の式(VIII)のアルコールとのカップリングは、ミツノブ様条件下でのアリールエーテルの合成のための当業界で広く公知のさまざまな方法及び実験条件で実施され得る。好ましくは、この変換は、好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、トルエン、アセトニトリル)中、アゾジカルボキシレート(例えば、ジエチルアゾジカルボキシレート、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートまたはジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレート)及びホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィンまたはポリマー結合トリフェニルホスフィン)の存在下で−20℃〜還流の範囲の温度で約30分〜約96時間の範囲の時間実施される。
【0096】
ステップEb)によれば、式(XI)の化合物を得るための式(VII)の化合物の式(IX)のボロン酸とのカップリングは、ジアリールエーテルの合成のための当業界で広く公知のさまざまな方法及び実験条件で実施され得る。好ましくは、この変換は、好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン)中、酢酸第二銅及び4Aモレキュラーシーブまたはシリカゲルの存在下、プロトンスカベンジャー(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で−10℃〜還流の範囲の温度で約30分〜約96時間の範囲の時間実施される。
【0097】
ステップEc)によれば、式(XI)の化合物を得るための式(VII)の化合物の式(X)の化合物とのカップリングは、フェノールのアルキル化のための当業界で広く公知のさまざまな方法及び実験条件で実施され得る。好ましくは、式(VII)の化合物を好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメトキシエタン)中、プロトンスカベンジャー(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、炭酸ナトリウム、カリウムまたはセシウム)の存在下で式(X)(式中、Lはそれぞれ塩素、臭素、ヨウ素、メタンスルホニルオキシまたはトリフルオロメタンスルホニルオキシを表す)の塩化物、臭化物、ヨウ化物、メシレートまたはトリフレートを用いて−10℃〜還流の範囲の温度で約30分〜約96時間の範囲の時間処理する。
【0098】
ステップF)によれば、式(XI)の化合物の式(I)の化合物への変換は、tert−ブトキシ−カルボニル基の切断のための当業界で広く公知の慣用方法に従ってさまざまな方法で実施され得る。例えば、この反応は、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、メタノールまたはエタノールのような低級アルコール、水またはその混合物)中、酸性条件下で、例えば無機または有機酸(例えば、塩酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸)の存在下で室温〜還流の範囲の温度で約30分〜約96時間の範囲の時間実施され得る。
【0099】
ステップG)によれば、式(IV)の化合物の式(XII)の化合物への変換はD)で上に特定したのと同様に実施され得る。
【0100】
ステップHa)によれば、式(XII)の化合物と式(VIII)のアルコール間のカップリングはEa)で上に特定したのと同様に実施され得る。
【0101】
ステップHb)によれば、式(XII)の化合物と式(X)の化合物間のカップリングはEc)で上に特定したのと同様に実施され得る。
【0102】
ステップI)によれば、式(XIII)の化合物の式(V)の化合物を用いるアシル化はC)で上に特定したのと同様に実施され得る。
【0103】
ステップJa)によれば、式(XIV)の化合物と式(VIII)のアルコール間のカップリングはEa)で上に特定したのと同様に実施され得る。
【0104】
ステップJb)によれば、式(XIV)の化合物と式(IX)のボロン酸間のカップリングはEb)で上に特定したのと同様に実施され得る。
【0105】
ステップJc)によれば、式(XIV)の化合物と式(X)の化合物間のカップリングはEc)で上に特定したのと同様に実施され得る。
【0106】
ステップK)によれば、式(XV)の化合物は、さまざまな方法及び実験条件で式(XVI)の化合物に変換され得る。好ましくは、この反応は好適な溶媒(例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、メタノール、エタノールまたはn−ブタノール)中、ヒドラジンまたはヒドラジン一水和物の存在下で0℃〜還流の範囲の温度で約30分〜約96時間の範囲の時間実施される。
【0107】
ステップL)によれば、式(XVI)の化合物の式(V)の化合物を用いるアシル化はC)で上に特定したのと同様に実施され得る。
【0108】
ステップM)によれば、式(XVI)の化合物の式(XVII)の化合物を用いるアシル化はC)で上に特定したのと同様に実施され得る。
【0109】
ステップN)によれば、式(XVIII)の化合物の式(XIX)のアミンとのカップリングは、ブッフバルト・ハートウィッグアミノ化のための文献で公知の慣用方法に従ってさまざまな方法で実施され得る。好ましくは、式(XVIII)(式中、Lは塩素、臭素、ヨウ素またはトリフルオロメタンスルホニルオキシである)の化合物を好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、トルエン)中、触媒量のパラジウム誘導体(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム)及びホスフィンリガンド(例えば、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル)の存在下、塩基(例えば、ナトリウムまたはリチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシド、炭酸ナトリウム、カリウムまたはセシウム)の存在下で式(XIX)の化合物と0℃〜還流の範囲の温度で約15分〜約96時間の範囲の時間反応させる。
【0110】
変換1)によれば、式(I)(式中、置換基R1、R2、R3、R4またはR5の1つはアミノである)の化合物を得るための式(I)(式中、前記置換基はニトロである)の化合物の還元は、文献で公知の慣用方法に従ってさまざまな方法で実施され得る。好ましくは、この変換は好適な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、水、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸またはその混合物)中、好適な還元剤(例えば、水素及び水素化触媒)の存在下で、または無機酸(例えば、塩酸)の存在下でシクロヘキセンまたはシクロヘキサジエン、またはギ酸またはギ酸アンモニウム及び水素化触媒、または金属(例えば、鉄または亜鉛)で処理することにより、またはテトラブチルアンモニウムクロリドの存在下で塩化錫(II)または亜硫酸水素ナトリウムで処理することにより、0℃〜還流の範囲の温度で約1時間〜約96時間の範囲の時間実施される。水素化触媒は通常、そのまままたは炭素に担持して使用され得る金属であり、最も一般的にはパラジウムである。
【0111】
変換2)によれば、式(XX)または(XXI)のアシル化剤と反応させることにより式(I)(式中、置換基R1、R2、R3、R4またはR5の1つはNHSO2R9またはNHCOR10残基である)の化合物を得るための式(I)(式中、前記置換基はNHである)の化合物のアシル化は、文献で公知の慣用方法に従ってさまざまな方法で実施され得る。好ましくは、この変換はC)で上に特定したのと同様に実施され得る。
【0112】
変換3)によれば、式(I)(式中、置換基R1はNR6R7基である)の化合物を得るための式(I)(式中、前記置換基はNHである)の化合物の好適なアルデヒドまたはケトンとの反応は、還元アルキル化を実施するための慣用方法に従ってさまざまな方法で実施され得る。好ましくは、この反応は、好適な溶媒(例えば、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはその混合物)中、好適な還元剤(例えば、ホウ水素化ナトリウム、ホウ水素化テトラアルキルアンモニウム、シアノホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化テトラメチルアンモニウム)の存在下、酸触媒(例えば、酢酸またはトリフルオロ酢酸)の存在下で約0℃〜還流の範囲の温度で約1時間〜約96時間の範囲の時間実施される。
【0113】
変換4)によれば、式(I)(式中、置換基R2、R3、R4またはR5の1つはNR11R12基である)の化合物を得るための式(I)(式中、前記置換基はNHである)の化合物の還元剤の存在下での好適なアルデヒドまたはケトンとの反応は、還元アルキル化を実施するための慣用方法に従ってさまざまな方法で実施され得る。好ましくは、この変換は3)で上に特定したのと同様に実施され得る。
【0114】
変換5)によれば、対応するカルボン酸を得るための式(I)(式中、置換基R1、R2、R3、R4またはR5の1つはCOOR13残基であり、ここでR13は直鎖または分岐状C−Cアルキルである)の化合物の加水分解は、エステル基の加水分解のための当業界で広く公知の方法に従ってさまざまな方法で実施され得る。好ましくは、加水分解は、好適な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水またはその混合物)中、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、ナトリウムまたはカリウム)、または無機または有機酸(例えば、塩酸、トリフルオロ酢酸)の存在下で約0℃〜還流の範囲の温度で約1時間〜約96時間の範囲の時間実施される。
【0115】
変換6)によれば、式(I)(式中、置換基R1、R2、R3、R4またはR5の1つはCOOH残基である)の化合物の式(XXII)のアミンを用いるアミド化は、カルボキサミドを合成するための慣用方法に従ってさまざまな方法で実施され得る。好ましくは、この変換は、好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド)中、活性化剤(例えば、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノ)カルボジイミド塩酸塩、O−(ベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート)の存在下、プロトンスカベンジャー(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で室温〜還流の範囲の温度で約30分〜約96時間の範囲の時間実施される。
【0116】
変換7)によれば、式(I)(式中、R1は4−メチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イルである)の化合物を得るための式(I)(式中、前記置換基は4−メチル−ピペラジン−1−イルである)の化合物の酸化は、第3級アミンのN−酸化のための慣用方法に従ってさまざまな方法で実施され得る。好ましくは、この変換は、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、水、アセトンまたはその混合物)中、酸化剤(例えば、3−クロロ過安息香酸、過酸化水素、ジメチルジオキシラン)の存在下で−10℃〜還流の範囲の温度で約30分〜約96時間の範囲の時間実施される。
【0117】
変換8)によれば、式(I)(式中、R1はピペラジン−1−イルである)の化合物を得るための式(I)(式中、前記置換基は4−tert−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イルである)の化合物のtert−ブトキシ−カルボニル基の切断はF)で上に特定したのと同様に実施され得る。
【0118】
式(V)、式(XVII)、式(XX)または式(XXI)の化合物がアシル化反応を妨害するおそれがある官能基を有している場合には、該反応を実施する前に当該基を保護しなければならないことは当業者に公知である。特に、式(V)、式(XVII)、式(XX)または式(XXI)の化合物が一般式NR6R7、NR11R12、OR8またはOR13(ここで、R8またはR13、R6及びR7の少なくとも1つ、またはR11及びR12の少なくとも1つは水素を表す)の残基で置換されている場合には、前記基は当業界で公知のように保護され得る。前記保護基は反応の直後または合成プロセスのもっと後の段階で除去され得ることも当業者に公知である。
【0119】
式(I)(式中、置換基の1つは保護アミノ基である)の化合物の脱保護は、アミノ基を脱保護するための慣用方法に従っていろいろな方法でなされ得る。アミノ保護基に応じて、この反応は各種方法で行われ得る。1つのアスペクトでは、前記反応は、好適な溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、アセトニトリル、Ν,Ν−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンまたはその混合物)中で無機酸(例えば、塩酸、硫酸または過塩素酸)または有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸またはメタンスルホン酸)を用いて−20℃〜80℃の範囲の温度で30分間〜48時間の範囲の時間処理することにより実施され得る。別のアスペクトでは、前記反応は、好適な溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンまたはその混合物)中で無機塩基(例えば、水酸化リチウム、ナトリウムまたはカリウム、炭酸ナトリウム、カリウムまたはセシウム)、有機塩基(例えば、トリエチルアミンまたはΝ,Ν−ジイソプロピルエチルアミン)、或いは無水ヒドラジンまたはヒドラジン水和物を用いて−20℃〜80℃の範囲の温度で30分間〜72時間の範囲の時間処理することにより実施され得る。
【0120】
化学官能基の別の官能基への変換は望ましくない副反応を避けるためにこの官能基を含有している化合物中の1つ以上の反応性中心を保護することが必要であることは当業者に公知である。このような反応性中心の保護及び合成変換の最後のその後の脱保護は、例えばGreen,Theodora W.and Wuts,Peter G.M.−Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,John Wiley & Sons Inc.,New York(NY),1999に記載されている標準的手順に従って実施され得る。
【0121】
式(I)の化合物が1つ以上の不斉中心を含有している場合、該化合物は当業者に公知の手順により単一異性体に分離され得る。前記手順は、キラル固定相を用いるクロマトグラフィーを含めた標準のクロマトグラフ技術、または結晶化を含む。1つ以上の不斉中心を含有している化合物を分離するための一般的方法は、例えばJacques,Jean;Collet,Andre;Wilen、Samuel H.,−Enantiomers,Racemates,and Resolutions,John Wiley & Sons Inc.,New York(NY),1981に報告されている。
【0122】
式(I)の化合物は、当業者に公知の標準的手順に従って医薬的に許容され得る塩にも変換され得る。或いは、塩として得られる式(I)の化合物は当業者に公知の標準的手順に従って遊離塩基または遊離酸に変換され得る。
【0123】
式(I)の化合物を製造するための各種方法によれば、出発物質及び他の反応物質、すなわち式(II)、(V)、(VIII)、(IX)、(X)、(XIV)、(XVII)、(XIX)、(XX)、(XXI)及び(XXII)の化合物は、市販されているか、公知であるか、または例えばB.M.Trost and I.Fleming,Comprehensive Organic Synthesis,1991,Pergamon Press;A.R.Katritzky,O.Meth−Cohn and C.W.Rees,Comprehensive Organic Functional Group Transformations,1995,Elsevier Pergamon;A.R.Katritzky and R.J.K.Taylor、Comprehensive Organic Functional Group Transformations II,2005,Elsevier Pergamonに記載されている公知方法に従って容易に製造され得る。特に、式(II)の化合物はWO 2003028720に記載されているように製造され得、式(XIV)の化合物は市販されている。
【0124】
本発明の化合物は、単剤として、または細胞増殖抑制または細胞傷害剤、抗生物質、アルキル化剤、代謝拮抗物質、ホルモン剤、免疫物質、インターフェロンタイプ物質、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、COX−2阻害剤)、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗増殖因子受容体物質、抗HER剤、抗EGFR剤、抗血管新生剤(例えば、血管新生抑制剤)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ras−rafシグナル伝達経路阻害剤、細胞周期阻害剤、他のcdks阻害剤、チューブリン結合剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤等と一緒に公知の抗癌治療、例えば放射線療法または化学療法と併用して投与され得る。
【0125】
固定用量として製剤化する場合、前記配合剤は下記する用量範囲内の本発明の化合物及び認可されている用量範囲内の他の医薬活性物質を使用する。
【0126】
式(I)の化合物は、配合剤が適切でない場合には公知の抗癌剤と逐次使用され得る。
【0127】
哺乳動物、例えばヒトに対して投与するのに適した本発明の式(I)の化合物は通常のルートにより投与され得、用量レベルは患者の年齢、体重、状態及び投与ルートに依存する。
【0128】
例えば、式(I)の化合物を経口投与するのに適した用量は約10〜約1000mg/1回投与、1〜5回/日の範囲であり得る。本発明の化合物は各種投与形態で、例えば錠剤、カプセル剤、糖衣錠、フィルムコーティング錠、液剤または懸濁液剤の形態で経口的に;座剤の形態で直腸的に;非経口的、例えば筋肉内に、または静脈内及び/または髄腔内及び/または脊髄内注射または注入を介して投与され得る。
【0129】
本発明は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を担体または希釈剤であり得る医薬的に許容され得る賦形剤と一緒に含む医薬組成物をも含む。
【0130】
本発明の化合物を含む医薬組成物は通常慣用方法に従って製造され、好適な医薬形態で投与される。例えば、固体経口形態は、活性化合物と一緒に希釈剤、例えばラクトース、デキストロース、サッカロース、スクロース、セルロース、トウモロコシ澱粉またはジャガイモ澱粉;滑沢剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウム及び/またはポリエチレングリコール;結合剤、例えばデンプン、アラビアガム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルピロリドン;崩壊剤、例えばデンプン、アルギン酸、アルギネートまたはデンプングリコール酸ナトリウム;発泡剤;染料;甘味剤;湿潤剤、例えばレシチン、ポリソルベート、ラウリルスルフェート;並びに一般的に、医薬製剤中に使用されている非毒性の医薬不活性物質を含有し得る。これらの医薬製剤は公知の方法で、例えば混合、顆粒化、錠剤化、糖衣コーティングまたはフィルーコーティング方法を用いて製造され得る。
【0131】
経口投与用分散液剤は、例えばシロップ剤、エマルジョン剤及び懸濁液剤であり得る。例えば、シロップ剤は、担体としてサッカロース、サッカロース+グリセリン及び/またはマンニトール及びソルビトールを含有し得る。
【0132】
懸濁液剤及びエマルジョン剤は、担体の例として天然ガム、寒天、ナトリウムアルギネート、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルアルコールを含有し得る。筋肉注射用懸濁液剤または液剤は、活性化合物と一緒に医薬的に許容され得る担体、例えば滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール(例えば、プロピレングリコール)、並びに所望ならば適量の塩酸リドカインを含有し得る。静脈注射または注入用液剤は、担体として滅菌水を含有し得、滅菌水性等張性食塩液の形態であることが好ましく、または担体としてプロピレングリコールを含有し得る。
【0133】
座剤は、活性化合物と一緒に医薬的に許容され得る担体、例えばカカオ脂、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤またはレシチンを含有し得る。
【0134】
本発明に限定を加えることなく本発明をより十分に説明する目的で、下記実施例を提示する。
【実施例】
【0135】
場合により医薬的に許容され得る塩の形態の本発明の式(I)の具体的化合物を言及するために、実施例及び特許請求の範囲を参照されたい。以下の実施例を参照して、本発明の化合物は本明細書中に記載されている方法または当業界で公知の他の方法を用いて合成した。
【0136】
以下の実施例において、本明細書中で使用した短縮形及び略語は次の意味を有する。
【0137】
【表1】
【0138】
本発明に限定を加えることなく本発明をより十分に説明する目的で、下記実施例を提示する。
【0139】
本明細書中の方法、スキーム及び実施例において使用されている記号及び慣例は現代の科学文献、例えばthe Journal of the American Chemical Societyまたはthe Journal of Biological Chemistryで使用されているものと一致している。
【0140】
他に断らない限り、すべての材料は最良グレードのものを市販業者から入手し、更に精製することなく使用した。無水溶媒(例えば、DMF、THF、DCM及びトルエン)はAldrich Chemical Companyから入手した。空気または湿度感受性の化合物が関与する反応はすべて窒素またはアルゴン雰囲気下で実施した。
【0141】
一般的精製及び分析方法
薄層クロマトグラフィー(TLC)はMerckシリカゲル60 F254プレコートしたプレートを用いて実施した。カラムクロマトグラフィーは、シリカ(Merckシリカゲル40〜63μm)を用いて中圧で実施したか、または前充填したシリカゲルカートリッジ(BiotageまたはVarian)を有するBiotage SP1フラッシュ精製システムを用いて実施した。
【0142】
H−NMRスペクトルは、DMSO−dまたはCDCl中、400.50MHzで操作する5mm z軸PFG間接検出プローブ(H{15N−31P})を備えたVarian INOVA 400分光計及び499.75MHzで操作するVarian Inova 500分光計を用いて28℃の一定温度で記録した。残留溶媒シグナルを基準(δ=2.50または7.27ppm)として使用した。化学シフト(δ)は百万分率(ppm)、カップリング定数(J)はHzで報告する。多重度に関して以下の略語が使用されている:s=一重項;bs=幅広シグナル;d=二重項;t=三重項;m=多重項;dd=二重項の二重項。
【0143】
エレクトロスプレー(ESI)質量スペクトルはFinnigan LCQイオントラップを用いて獲得した。別段の定めがない限り、最終化合物はすべて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定して均質であった(95%以上の純度)。化合物純度を調べるために使用したHPLC−UV−MS分析は、オートサンプラーLC Pal(CTC Analytics)及びUV6000LPダイオードアレー検出器(UV検出215〜400nm)を備えているHPLCシステムSSP4000(Thermo Separation Products)をイオントラップMS計器と併用して実施した。計器コントロール、データ獲得及びプロセッシングはXcalibur 1.2ソフトウェア(Finnigan)を用いて実施した。HPLCクロマトグラフィーはWaters X Terra RP 18カラム(4.6×50mm;3.5μm)を用いて室温、1mL/分の流速で流した。移動相Aは酢酸アンモニウム 5mMバッファー(酢酸でpH5.5):アセトニトリル 90:10であり、移動相Bは酢酸アンモニウム 5mMバッファー(酢酸でpH5.5):アセトニトリル 10:90であった。勾配は7分間で0から100% B、次いで100% Bを2分間保持した後、再平衡化した。
【0144】
ESI(+)高分解能質量スペクトル(HRMS)は、既に記載されているように(Colombo,M.,Riccardi−Sirtori,F.,Rizzo,V.,A fully automated method for accurate mass determination using high−performance liquid chromatography with a quadrupole/orthogonal acceleration time−of−flight mass spectrometer. Rapid Commun.Mass Spectrom.,2004,18,511−517)、マイクロHPLC 1100 Agilentに直接接続しているWaters Q−Tof Ultimaを用いて得た。
【0145】
製造1
6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドル−2−イル)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(III)
スキーム1,ステップA)
2−[6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−イソインドール−1,3−ジオン(786mg,2mmol)を乾燥THF(10ml)及びDIPEA(1.4ml,8mmol)中に含む溶液をアルゴン雰囲気下でジ−tert−ブチルジカーボネート(495mg,2.2mmol)で処理し、室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗な残渣をシリカゲルでヘキサン/EtOAc 7:3で溶離させるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、884mg(収率:89%)の標記化合物を白色固体として得た。
【0146】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):8.09−8.04(m,2H),8.02−7.96(m,2H),7.77(d,J=8.29Hz,1H),7.55(d,J=1.95Hz,1H),7.00(dd,J=2.07,8.78Hz,1H),1.69(s,9H),1.01(s,9H),0.28(s,6H)。
【0147】
ESI(+) MS m/z 494(MH)。
【0148】
製造2
3−アミノ−6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(IV)
スキーム1,ステップB)
6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドル−2−イル)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.17g,2.37mmol)を乾燥THF(20ml)中に含む溶液をアルゴン雰囲気下でTHF中1M ヒドラジン(3.56ml,3.56mmol)で処理した。混合物を還流下で1時間撹拌した後、更にTHF中1M ヒドラジン(8ml)を添加した。還流下で更に2時間撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、沈殿した固体を濾過し、THFで洗浄した。濾液を蒸発乾固し、残渣をシリカゲルでDCM/アセトン 7:3で溶離させるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、785mg(収率:91%)の標記化合物を黄色がかった固体として得た。
【0149】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.71(d,J=8.90Hz,1H),7.37(bs,1H),6.81(dd,J=2.07,8.54Hz,1H),6.21(bs,2H),1.59(s,9H),0.99(s,9H),0.23(s,6H)。
【0150】
ESI(+) MS m/z 364(MH)。
【0151】
製造3
6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
スキーム1,ステップC)
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−安息香酸(1.64g,7.48mmol)を乾燥THF(50ml)中に含む懸濁液にアルゴン雰囲気下室温でチオニルクロリド(1.37ml,18.9mmol)及び乾燥DMF(3滴)を添加した。反応混合物を50℃に加熱し、5時間撹拌した後、揮発物を減圧下で除去した。残渣を乾燥トルエン(50ml)に取り、再蒸発させ、固体残渣を高真空下で乾燥した。生じた粗な4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルクロリド塩酸塩を乾燥THF(20ml)中に懸濁させ、アルゴン雰囲気下室温で3−アミノ−6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.81g,4.98mmol)を乾燥THF(20ml)中に含む溶液及びDIPEA(2.56ml,14.96mmol)で1滴ずつ処理した。反応混合物を50℃に加熱し、22時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、残渣をDCM(100ml)で希釈し、飽和NaHCO溶液(75ml)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固させた。粗な残渣をシリカゲルでDCM/MeOH/30% NH 95:5:0.5で溶離させるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、1.88g(収率:67%)の標記化合物を得た。
【0152】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):10.95(s,1H),8.03−7.96(m,2H),7.73(d,J=9.15Hz,1H),7.51(d,J=2.07Hz,1H),7.06−7.01(m,2H),6.90(dd,J=2.19,8.78Hz,1H),3.34−3.32(m,4H),2.53−2.50(m,4H),2.27(s,3H),1.65(s,9H),1.00(s,9H),0.27(s,6H)。
【0153】
ESI(+) MS m/z 566(MH)。
【0154】
製造4
6−ヒドロキシ−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
スキーム1,ステップD)
6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.88g,3.33mmol)を乾燥THF(20ml)中に含む溶液をTHF中1M TBAF(4ml,4mmol)で処理し、室温で30分間撹拌した。次いで、水(20ml)を添加し、混合物をEtOAc(100ml)で抽出した。分離した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルでDCM/MeOH/30% NH 92:8:0.8で溶離させるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、EtOで摩砕した後、1.5g(収率:100%)の標記化合物を得た。
【0155】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):10.86(s,1H),10.16(s,1H),8.02−7.94(m,2H),7.65(d,J=8.78Hz,1H),7.48(d,J=1.95Hz,1H),7.05−7.00(m,2H),6.82(dd,J=2.07,8.78Hz,1H),3.34−3.32(m,4H),2.55−2.45(m,4H),2.27(s,3H),1.65(s,9H)。
【0156】
ESI(+) MS m/z 452(MH)。
【0157】
製造5
3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−6−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−インダゾゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
スキーム1,ステップEa)
トリフェニルホスフィン(209mg,0.798mmol)及びジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.152ml,0.732mmol)を乾燥DCM(2ml)中に含む溶液をアルゴン下4℃で15分間撹拌した。次いで、生じた混合物を6−ヒドロキシ−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(100mg,0.222mmol)及び(3−フェノキシ−フェニル)−メタノール(149mg,0.732mmol)を乾燥DCM(2ml)中に含む撹拌溶液にアルゴン下室温で添加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物をシリカゲルに吸着させ、乾燥し、シリカゲルクロマトグラムカラムに充填し、DCM/MeOH/30% NH 95:5:0.5で溶離させて、87mg(収率:62%)の標記化合物を得た。
【0158】
ESI(+) MS m/z 634(MH)。
【0159】
同様に操作して、以下の化合物を得た:
6−ベンジルオキシ−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ESI(+) MS m/z 542(MH)。
【0160】
3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−6−(3−フェニル−プロパ−2−イニルオキシ)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ESI(+) MS m/z 566(MH)。
【0161】
6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ESI(+) MS m/z 625(MH)。
【0162】
3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−6−(2−フェノキシ−エトキシ)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ESI(+) MS m/z 572(MH)。
【0163】
6−(1−ベンジル−ピペリジン−3−イルオキシ)−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ESI(+) MS m/z 625(MH)。
【0164】
6−(1−ベンジル−ピロリジン−2−イルメトキシ)−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ESI(+) MS m/z 625(MH)。
【0165】
製造6
3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−6−フェノキシ−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
スキーム1,ステップEb)
6−ヒドロキシ−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(110mg,0.244mmol)、フェニルボロン酸(92mg,0.732mmol)、酢酸第二銅(45mg,0.244mmol)及び4A モレキュラーシーブ(200mg)をDCM(5ml)中に含む混合物をTEA(0.339ml,2.44mmol)で処理した。室温で2日間撹拌した後、溶媒を減圧下で除去し、残渣をDCM/MeOH/30% NH 95:5:0.5で処理し、濾過し、濾液をシリカゲルクロマトグラフカラムに充填し、DCM/MeOH/30% NH 95:5:0.5で溶離させて、88mg(収率:68%)の標記化合物を得た。
【0166】
ESI(+) MS m/z 528(MH)。
【0167】
同様に操作して、以下の化合物を得た:
6−(3−フルオロフェノキシ)−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ESI(+) MS m/z 546(MH)。
【0168】
6−(4−ベンジルオキシ−フェノキシ)−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ESI(+) MS m/z 634(MH)。
【0169】
3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−6−(4−フェノキシ−フェノキシ)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ESI(+) MS m/z 620(MH)。
【0170】
6−(3−ベンジルオキシ−フェノキシ)−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
ESI(+) MS m/z 634(MH)。
【0171】
製造7
3−アミノ−6−ヒドロキシ−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(XII)
スキーム1,ステップG)
3−アミノ−6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(672mg,1.85mmol)を乾燥THF(10ml)中に含む溶液をTHF中1M TBAF(1.85ml,1.85mmol)で処理し、室温で30分間撹拌した。次いで、水(20ml)を添加し、混合物をEtOAc(3×50ml)で抽出した。分離した有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルでDCM/EtOAc 6:4で溶離させるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、429mg(収率:93%)の標記化合物を得た。
【0172】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):9.93(s,1H),7.60(d,J=8.54Hz,1H),7.35(bs,1H),6.71(dd,J=2.19,8.54Hz,1H),6.10(bs,2H),1.58(s,9H)。
【0173】
ESI(+) MS m/z 250(MH)。
【0174】
製造8
3−アミノ−6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
スキーム1,ステップHb)
3−アミノ−6−ヒドロキシ−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(249mg,1mmol)、KCO(152mg,1.1mmol)及びベンジル2−ブロモエチルエーテル(0.179ml,1.1mmol)を乾燥DMF(5ml)中に含む混合物を50℃で12時間撹拌した。更にベンジル2−ブロモエチルエーテル(30μl)を添加し、混合物を50℃で更に4時間撹拌した。反応混合物を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(50ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固させた。粗な残渣をシリカゲルでDCM/EtOAc 7:3で溶離させるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、274mg(収率:72%)の標記化合物を得た。
【0175】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.71(d,J=8.66Hz,1H),7.48(bs,1H),7.38−7.27(m,5H),6.91(dd,J=2.19,8.66Hz,1H),6.19(bs,2H),4.59(s,2H),4.25−4.20(m,2H),3.85−3.80(m,2H),1.58(s,9H)。
【0176】
ESI(+) MS m/z 384(MH)。
【0177】
製造9
6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
スキーム1,ステップI)
製造3において上記したように4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−安息香酸(248mg,1.13mmol)から製造した4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルクロリド塩酸塩及びDIPEA(0.386ml,2.25mmol)を乾燥THF(10ml)中に含む混合物をアルゴン雰囲気下室温で3−アミノ−6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(143mg,0.374mmol)を乾燥THF(10ml)中に含む溶液で一滴ずつ処理した。反応混合物を50℃まで加熱し、12時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、残渣をDCM(100ml)中に取り、飽和NaHCO溶液(75ml)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固させ、粗な残渣をシリカゲルでDCM/MeOH 98:2、次いで90:10で溶離させるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、124mg(収率:57%)の標記化合物を白色固体として得た。
【0178】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):10.94(s,1H),8.02−7.96(m,2H),7.75(d,J=8.90Hz,1H),7.61(d,J=2.19Hz,1H),7.39−7.27(m,5H),7.06−7.01(m,2H),7.00(dd,J=2.19,8.90Hz,1H),4.60(s,2H),4.31−4.25(m,2H),3.88−3.83(m,2H),3.34−3.32(m,4H),2.53−2.46(m,4H),2.27(s,3H),1.66(s,9H)。
【0179】
ESI(+) MS m/z 586(MH)。
【0180】
[実施例1]
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド(化合物5)
スキーム1,ステップF)
【0181】
【化26】
【0182】
3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルアミノ]−6−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−インダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(87mg,0.137mmol)をDCM/TFA 8:2(5ml)中に含む溶液を室温で2時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルでDCM/MeOH/30% NH 90:10:1で溶離させるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、71mg(収率:97%)の標記化合物を白色固体として得た。
【0183】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.46(s,1H),10.38(s,1H),7.94(d,J=8.97Hz,2H),7.59(d,J=8.79Hz,1H),7.30−7.43(m,3H),7.25(d,J=7.69Hz,1H),7.07−7.17(m,2H),6.97−7.04(m,4H),6.95(dd,J=8.06,1.83Hz,1H),6.90(d,J=2.01Hz,1H),6.75(dd,J=8.88,2.11Hz,1H),5.18(s,2H),3.25−3.32(m,4H),2.42−2.48(m,4H),2.23(s,3H)。
【0184】
ESI(+) MS m/z 534(MH)。
【0185】
ESI(+) HRMS 計算値(C3231+H):534.2500;実測値:534.2488。
【0186】
同様に操作して、以下の化合物を得た:
N−(6−ベンジルオキシ−1H−インダゾル−3−イル)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物1)
【0187】
【化27】
【0188】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.46(s,1H),10.40(s,1H),8.00−7.94(m,2H),7.62(d,J=9.02Hz,1H),7.53−7.32(m,5H),7.05−7.00(m,2H),6.93(d,J=1.83Hz,1H),6.78(dd,J=2.19,8.90Hz,1H),5.20(s,2H),3.34−3.32(m,4H),2.53−2.46(m,4H),2.28(s,3H)。
【0189】
ESI(+) MS m/z 442(MH)。
【0190】
ESI(+) HRMS 計算値(C2627+H):442.2238;実測値:442.2237。
【0191】
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−(3−フェニル−プロパ−2−イニルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド(化合物7)
【0192】
【化28】
【0193】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.53(s,1H),10.42(s,1H),8.00−7.95(m,2H),7.64(d,J=8.90Hz,1H),7.50−7.37(m,5H),7.06−7.00(m,3H),6.78(dd,J=2.19,9.02Hz,1H),5.13(s,2H),3.34−3.32(m,4H),2.53−2.46(m,4H),2.28(s,3H)。
【0194】
ESI(+) MS m/z 466(MH)。
【0195】
ESI(+) HRMS 計算値(C2827+H):466.2237;実測値:466.2255。
【0196】
N−[6−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物6)
【0197】
【化29】
【0198】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.38(s,1H),10.39(s,1H),7.99−7.94(m,2H),7.59(d,J=8.90Hz,1H),7.38−7.24(m,5H),7.04−6.99(m,2H),6.88(d,J=2.07Hz,1H),6.71(dd,J=2.07,8.90Hz,1H),4.52−4.44(m,1H),3.53(s,2H),3.34−3.32(m,4H),2.78−2.65(m,2H),2.53−2.46(m,4H),2.37−2.23(m,5H),2.05−1.94(m,2H),1.77−1.64(m,2H)。
【0199】
ESI(+) MS m/z 525(MH)。
【0200】
ESI(+) HRMS 計算値(C3136+H):525.2972;実測値:525.2988。
【0201】
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−(2−フェノキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド(化合物10)
【0202】
【化30】
【0203】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.49(s,1H),10.40(s,1H),7.99−7.95(m,2H),7.62(d,J=8.90Hz,1H),7.37−7.29(m,2H),7.05−7.00(m,4H),7.00−6.94(m,1H),6.92(d,J=2.07Hz,1H),6.74(dd,J=2.07,8.90Hz,1H),4.41−4.36(m,4H),3.35−3.30(m,4H),2.52−2.46(m,4H),2.27(s,3H)。
【0204】
ESI(+) MS m/z 472(MH)。
【0205】
ESI(+) HRMS 計算値(C2729+H):472.2343;実測値:472.2357。
【0206】
N−[6−(1−ベンジル−ピペリジン−3−イルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物12)
【0207】
【化31】
【0208】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.37(s,1H),10.38(s,1H),7.99−7.93(m,2H),7.58(d,J=8.90Hz,1H),7.36−7.22(m,5H),7.05−6.98(m,2H),6.86(d,J=1.83Hz,1H),6.68(dd,J=2.20,8.90Hz,1H),4.51−4.42(m,1H),3.55(s,2H),3.35−3.30(m,4H),3.02−2.95(m,1H),2.70−2.62(m,1H),2.49−2.43(m,4H),2.27(s,3H),2.20−2.02(m,3H),1.81−1.71(m,1H),1.65−1.53(m,1H),1.48−1.36(m,1H)。
【0209】
ESI(+) MS m/z 525(MH)。
【0210】
ESI(+) HRMS 計算値(C3136+H):525.2972;実測値:525.2975。
【0211】
N−[6−(1−ベンジル−ピロリジン−2−イルメトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物13)
【0212】
【化32】
【0213】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.43(s,1H),10.39(s,1H),7.99−7.93(m,2H),7.59(d,J=8.90Hz,1H),7.38−7.21(m,5H),7.04−6.99(m,2H),6.83(d,J=1.95Hz,1H),6.69(dd,J=2.07,8.90Hz,1H),4.17(d,J=13.17Hz,1H),4.04(dd,J=5.49,9.63Hz,1H),3.90(dd,J=6.58,9.63Hz,1H),3.49(d,J=13.17Hz,1H),3.35−3.26(m,5H),3.06−2.98(m,1H),2.88−2.83(m,1H),2.49−2.44(m,4H),2.32−2.24(m,1H),2.24(s,3H),2.07−1.96(m,1H),1.76−1.66(m,2H)。
【0214】
ESI(+) MS m/z 525(MH)。
【0215】
ESI(+) HRMS 計算値(C3136+H):525.2972;実測値:525.2969。
【0216】
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−(6−フェノキシ−1H−インダゾル−3−イル)−ベンズアミド(化合物2)
【0217】
【化33】
【0218】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.57(s,1H),10.54(s,1H),8.06−7.99(m,2H),7.74(d,J=8.78Hz,1H),7.48−7.40(m,2H),7.23−7.17(m,1H),7.13−7.06(m,4H),6.90(d,J=2.07Hz,1H),6.84(dd,J=2.07,8.90Hz,1H),3.35−3.00(m,8H),2.74(s,3H)。
【0219】
ESI(+) MS m/z 428(MH)。
【0220】
ESI(+) HRMS 計算値(C2525+H):428.2081;実測値:428.2092。
【0221】
N−[6−(3−フルオロ−フェノキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物3)
【0222】
【化34】
【0223】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.64(s,1H),10.53(s,1H),8.03−7.98(m,2H),7.77(d,J=8.78Hz,1H),7.49−7.41(m,1H),7.10−6.88(m,6H),6.86(dd,J=2.07,8.78Hz,1H),3.35−3.24(m,4H),2.90−2.65(m,4H),2.47(bs,3H)。
【0224】
ESI(+) MS m/z 446(MH)。
【0225】
ESI(+) HRMS 計算値(C25FH24+H):446.1987;実測値:446.1981。
【0226】
N−[6−(4−ベンジルオキシ−フェノキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物4)
【0227】
【化35】
【0228】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.46(s,1H),10.47(s,1H),8.01−7.96(m,2H),7.70(d,J=8.90Hz,1H),7.52−7.32(m,5H),7.15−7.00(m,6H),6.81(dd,J=2.19,8.90Hz,1H),6.74(d,J=2.19Hz,1H),5.13(s,2H),3.35−3.30(m,4H),2.70−2.55(m,4H),2.38(bs,3H)。
【0229】
ESI(+) MS m/z 534(MH)。
【0230】
ESI(+) HRMS 計算値(C3231+H):534.2500;実測値:534.2498。
【0231】
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−(4−フェノキシ−フェノキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド(化合物8)
【0232】
【化36】
【0233】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.53(s,1H),10.48(s,1H),8.01−7.96(m,2H),7.74(d,J=8.78Hz,1H),7.45−7.39(m,2H),7.19−6.99(m,9H),6.89(d,J=2.07Hz,1H),6.85(dd,J=2.07,8.78Hz,1H),3.35−3.30(m,4H),2.52−2.47(m,4H),2.28(bs,3H)。
【0234】
ESI(+) MS m/z 520(MH)。
【0235】
ESI(+) HRMS 計算値(C3129+H):520.2343;実測値:520.2346。
【0236】
N−[6−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物9)
【0237】
【化37】
【0238】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.58(s,1H),10.54(s,1H),8.05−7.99(m,2H),7.74(d,J=8.90Hz,1H),7.47−7.29(m,6H),7.12−7.06(m,2H),6.93(d,J=1.95Hz,1H),6.87−6.81(m,2H),6.76−6.73(m,1H),6.65(dd,J=2.19,8.17Hz,1H),5.11(s,2H),3.35−2.80(m,8H),2.65(bs,3H)。
【0239】
ESI(+) MS m/z 534(MH)。
【0240】
ESI(+) HRMS 計算値(C3231+H):534.2500;実測値:534.2501。
【0241】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物11)
【0242】
【化38】
【0243】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.44(s,1H),10.38(s,1H),7.95(d,J=9.03Hz,2H),7.59(d,J=8.91Hz,1H),7.32−7.42(m,4H),7.23−7.32(m,1H),7.00(d,J=9.03Hz,2H),6.85(d,J=1.95Hz,1H),6.71(dd,J=8.91,2.07Hz,1H),4.58(s,2H),4.08−4.31(m,2H),3.72−3.92(m,2H),3.20−3.30(m,4H),2.40−2.48(m,4H),2.23(s,3H)。
【0244】
ESI(+) MS m/z 486(MH)。
【0245】
ESI(+) HRMS 計算値(C2831+H):486.2500;実測値:486.2502。
【0246】
製造10
4−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−2−フルオロ−ベンゾニトリル
スキーム2,ステップJc)
2−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンゾニトリル(4.57g,33.3mmol)、KCO(13.8g,99.9mmol)及びベンジル2−ブロモエチルエーテル(5.79ml,36.6mmol)を乾燥DMF(15ml)中に含む混合物を70℃で6時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水(300ml)に注ぎ、EtOAc(2×100ml)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固させた。粗な残渣をシリカゲルカートリッジ(Biotage SNAP 100g)で20CVでヘキサン/EtOAc 100:0から60:40への勾配で溶離させるクロマトグラフィー(Biotage SP1フラッシュ精製システム)により精製して、8.79g(収率:97%)の標記化合物を無色油状物として得た。
【0247】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.75−7.90(m,1H),7.26−7.38(m,5H),7.19(dd,J=11.96,2.44Hz,1H),6.99(dd,J=8.79,2.32Hz,1H),4.55(s,2H),4.22−4.34(m,2H),3.65−3.87(m,2H)。
【0248】
ESI(+) MS m/z 272(MH)。
【0249】
同様に操作して、以下の化合物を得た:
2−フルオロ−4−[2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エトキシ]−ベンゾニトリル
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.82(t,J=8.33Hz,1H),7.71(d,J=8.06Hz,2H),7.55(d,J=7.88Hz,2H),7.19(dd,J=12.00,2.29Hz,1H),7.00(dd,J=8.70,2.29Hz,1H),4.66(s,2H),4.28−4.31(m,2H),3.79−3.84(m,2H)。
【0250】
ESI(+) MS m/z 340(MH)。
【0251】
ESI(+) HRMS 計算値(C1713NO+Na):362.0774;実測値:362.0771。
【0252】
2−フルオロ−4−[2−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−ベンゾニトリル
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.82(t,J=8.43Hz,1H),7.31−7.40(m,2H),7.13−7.23(m,3H),6.99(dd,J=8.79,2.20Hz,1H),4.53(s,2H),4.25−4.29(m,2H),3.75−3.79(m,2H)。
【0253】
ESI(+) MS m/z 290(MH)。
【0254】
ESI(+) HRMS 計算値(C1613NO+Na):312.0806;実測値:312.0812。
【0255】
2−フルオロ−4−[2−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エトキシ]−ベンゾニトリル
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.79−7.85(m,1H),7.55−7.67(m,4H),7.18(dd,J=11.96,2.32Hz,1H),6.99(dd,J=8.79,2.44Hz,1H),4.65(s,2H),4.29−4.34(m,2H),3.80−3.85(m,2H)。
【0256】
ESI(+) MS m/z 340(MH)。
【0257】
ESI(+) HRMS 計算値(C1713NO+H):340.0955;実測値:340.0948。
【0258】
2−フルオロ−4−[2−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−ベンゾニトリル
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.82(t,J=8.33Hz,1H),7.44(td,J=7.65,1.74Hz,1H),7.33−7.39(m,1H),7.15−7.23(m,3H),6.98(dd,J=8.79,2.20Hz,1H),4.60(s,2H),4.26−4.30(m,2H),3.79−3.83(m,2H)。
【0259】
ESI(+) MS m/z 290(MH)。
【0260】
ESI(+) HRMS 計算値(C1613NO+H):290.0987;実測値:290.0995。
【0261】
2−フルオロ−4−[2−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−ベンゾニトリル
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.81(dd,J=8.61,8.06Hz,1H),7.21−7.31(m,2H),7.18(dd,J=11.90,2.38Hz,1H),6.98(dd,J=8.79,2.38Hz,1H),6.85−6.91(m,2H),4.46(s,2H),4.21−4.31(m,2H),3.63−3.81(m,5H)。
【0262】
ESI(+) MS m/z 302(MH)。
【0263】
ESI(+) HRMS 計算値(C1716FNO+Na):324.1006;実測値:324.1008。
【0264】
2−フルオロ−4−[2−(ピリジン−4−イルメトキシ)−エトキシ]−ベンゾニトリル
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):8.50−8.54(m,2H),7.83(t,J=8.33Hz,1H),7.32(d,J=5.49Hz,2H),7.20(dd,J=11.91,2.20Hz,1H),7.01(dd,J=8.79,2.38Hz,1H),4.61(s,2H),4.30−4.33(m,2H),3.81−3.84(m,2H)。
【0265】
ESI(+) MS m/z 273(MH)。
【0266】
ESI(+) HRMS 計算値(C1513FN+H):273.1034;実測値:273.1031。
【0267】
2−フルオロ−4−((E)−3−フェニル−アリルオキシ)−ベンゾニトリル
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.84(t,J=8.33Hz,1H),7.44−7.53(m,2H),7.36(t,J=7.60Hz,2H),7.26−7.31(m,1H),7.23(dd,J=11.90,2.38Hz,1H),7.04(dd,J=8.79,2.38Hz,1H),6.80(d,J=15.93Hz,1H),6.50(dt,J=15.93,6.04Hz,1H),4.86(dd,J=6.04,1.10Hz,2H)。
【0268】
ESI(+) MS m/z 254(MH)。
【0269】
ESI(+) HRMS 計算値(C1612FNO+Na):276.0795;実測値:276.0795。
【0270】
製造11
6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イルアミン
スキーム2,ステップK)
4−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−2−フルオロ−ベンゾニトリル(8.79g,32.4mmol)及びヒドラジン一水和物(4.72ml,97.2mmol)をn−ブタノール(15ml)中に含む混合物を120℃で8時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水(250ml)で処理し、30分間撹拌した。沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、オーブンにおいて高真空下50℃で乾燥して、9.0g(収率:98%)の標記化合物を白色結晶として得た。
【0271】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):11.13(s,1H),7.52(d,J=8.67Hz,1H),7.33−7.38(m,4H),7.25−7.32(m,1H),6.64(d,J=1.83Hz,1H),6.54(dd,J=8.67,2.07Hz,1H),5.26(bs,2H),4.57(s,2H),4.12−4.16(m,2H),3.77−3.80(m,2H)。
【0272】
ESI(+) MS m/z 284(MH)。
【0273】
同様に操作して、以下の化合物を得た:
6−[2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イルアミン
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):11.12(s,1H),7.72(d,J=8.06Hz,2H),7.58(d,J=8.06Hz,2H),7.52(d,J=8.79Hz,1H),6.65(d,J=1.83Hz,1H),6.55(dd,J=8.70,2.11Hz,1H),5.19(s,2H),4.68(s,2H),4.14−4.19(m,2H),3.81−3.85(m,2H)。
【0274】
ESI(+) MS m/z 352(MH)。
【0275】
ESI(+) HRMS 計算値(C1716+H):352.1268;実測値:352.1278。
【0276】
6−[2−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イルアミン
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):11.12(s,1H),7.52(d,J=8.79Hz,1H),7.39(dd,J=8.52,5.77Hz,2H),7.14−7.20(m,2H),6.64(d,J=2.01Hz,1H),6.53(dd,J=8.70,2.11Hz,1H),5.19(s,2H),4.55(s,2H),4.10−4.15(m,2H),3.76−3.80(m,2H)。
【0277】
ESI(+) MS m/z 302(MH)。
【0278】
ESI(+) HRMS 計算値(C1616FN+H):302.1300;実測値:302.1306。
【0279】
6−[2−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イルアミン
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):11.13(s,1H),7.71(s,1H),7.57−7.69(m,3H),7.48−7.54(m,1H),6.65(d,J=1.95Hz,1H),6.54(dd,J=8.79,2.07Hz,1H),5.21(br.s.,2H),4.68(s,2H),4.13−4.19(m,2H),3.80−3.87(m,2H)。
【0280】
ESI(+) MS m/z 352(MH)。
【0281】
ESI(+) HRMS 計算値(C1716+H):352.1268;実測値:352.1274。
【0282】
6−[2−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イルアミン
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):11.12(s,1H),7.52(d,J=8.79Hz,1H),7.45−7.50(m,1H),7.33−7.40(m,1H),7.16−7.24(m,2H),6.64(d,J=1.83Hz,1H),6.53(dd,J=8.70,2.11Hz,1H),5.19(s,2H),4.63(s,2H),4.13(dd,J=5.40,3.75Hz,2H),3.82(dd,J=5.31,3.85Hz,2H)。
【0283】
ESI(+) MS m/z 302(MH)。
【0284】
ESI(+) HRMS 計算値(C1616FN+H):302.1300;実測値:302.1302。
【0285】
6−[2−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イルアミン
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):11.11(s,1H),7.51(d,J=8.79Hz,1H),7.27(d,J=8.61Hz,2H),6.91(d,J=8.61Hz,2H),6.63(d,J=1.65Hz,1H),6.53(dd,J=8.79,1.83Hz,1H),5.19(s,2H),4.48(s,2H),4.09−4.13(m,2H),3.68−3.78(m,5H)。
【0286】
ESI(+) MS m/z 314(MH)。
【0287】
ESI(+) HRMS 計算値(C1719+H):314.1499;実測値:314.1502。
【0288】
6−[2−(ピリジン−4−イルメトキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イルアミン
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):11.13(s,1H),8.51−8.55(m,2H),7.52(d,J=8.79Hz,1H),7.35(d,J=5.86Hz,2H),6.65(d,J=1.83Hz,1H),6.55(dd,J=8.61,2.01Hz,1H),5.20(s,2H),4.63(s,2H),4.15−4.19(m,2H),3.81−3.88(m,2H)。
【0289】
ESI(+) MS m/z 285(MH)。
【0290】
ESI(+) HRMS 計算値(C1516+H):285.1346;実測値:285.1339。
【0291】
6−((E)−3−フェニル−アリルオキシ)−1H−インダゾル−3−イルアミン
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):11.13(s,1H),7.54(d,J=8.61Hz,1H),7.49(d,J=7.14Hz,2H),7.35(t,J=7.51Hz,2H),7.24−7.30(m,1H),6.77(d,J=15.93Hz,1H),6.70(s,1H),6.57−6.60(m,1H),6.53(dt,J=15.93,5.68Hz,1H),5.20(s,2H),4.73(d,J=5.31Hz,2H)。
【0292】
ESI(+) MS m/z 266(MH)。
【0293】
ESI(+) HRMS 計算値(C1615O+H):266.1288;実測値:266.1286。
【0294】
[実施例2]
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物11)
スキーム2,ステップL)
【0295】
【化39】
【0296】
製造3において上記したように4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−安息香酸(4.55g,20.7mmol)から製造した4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンゾイルクロリド塩酸塩を乾燥ピリジン(50ml)中に含む撹拌懸濁液をアルゴン雰囲気下0℃で6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イルアミン(5.31g,18.8mmol)を乾燥ピリジン(80ml)中に含む溶液で一滴ずつ処理した。反応混合物を一晩撹拌しながら室温まで加温した後、回転蒸発により30mlまで濃縮し、飽和NaHCO溶液(500ml)に注ぎ、DCM(300+100ml)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固させた。粗な残渣をEtOAc(200ml)で処理し、還流下で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、固体を濾過し、EtOAcで洗浄し、オーブンを用いて高真空下50℃で乾燥して、5.23g(収率:57%)の標記化合物を白色固体として得た。
【0297】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.44(s,1H),10.38(s,1H),7.95(d,J=9.03Hz,2H),7.59(d,J=8.91Hz,1H),7.33−7.41(m,4H),7.25−7.32(m,1H),7.00(d,J=9.15Hz,2H),6.85(d,J=2.08Hz,1H),6.71(dd,J=8.91,2.20Hz,1H),4.58(s,2H),4.15−4.25(m,2H),3.70−3.88(m,2H),3.25−3.35(m,4H),2.42−2.48(m,4H),2.23(s,3H)。
【0298】
ESI(+) MS m/z 486(MH)。
【0299】
ESI(+) HRMS 計算値(C2831+H):486.2500;実測値:486.2501。
【0300】
同様に操作して、以下の化合物を得た:
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−ジメチルアミノメチル−ベンズアミド(化合物21)
【0301】
【化40】
【0302】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.51(s,1H),10.65(s,1H),8.02(d,J=8.30Hz,2H),7.61(d,J=8.91Hz,1H),7.43(d,J=8.42Hz,2H),7.33−7.38(m,4H),7.26−7.32(m,1H),6.87(d,J=1.95Hz,1H),6.73(dd,J=8.91,2.08Hz,1H),4.59(s,2H),4.19−4.23(m,2H),3.79−3.84(m,2H),3.47(s,2H),2.17(s,6H)。
【0303】
ESI(+) MS m/z 445(MH)。
【0304】
ESI(+) HRMS 計算値(C2628+H):445.2234;実測値:445.2224。
【0305】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ベンズアミド(化合物22)
【0306】
【化41】
【0307】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.48(s,1H),10.52(s,1H),7.99−8.04(m,2H),7.59(d,J=8.91Hz,1H),7.33−7.40(m,4H),7.26−7.31(m,1H),7.04−7.09(m,2H),6.86(d,J=1.95Hz,1H),6.72(dd,J=8.91,2.20Hz,1H),4.58(s,2H),4.44−4.54(m,1H),4.17−4.23(m,2H),3.79−3.86(m,2H),2.57−2.67(m,2H),2.14−2.25(m,5H),1.91−2.02(m,2H),1.59−1.75(m,2H)。
【0308】
ESI(+) MS m/z 501(MH)。
【0309】
ESI(+) HRMS 計算値(C2932+H):501.2497;実測値:501.2482。
【0310】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド塩酸塩(化合物29)
【0311】
【化42】
【0312】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.56(br.s.,1H),10.69(s,1H),10.17(br.s.,1H),7.66(br.s,1H),7.61(d,J=8.79Hz,1H),7.55(d,J=7.69Hz,1H),7.41(dd,J=8.43,7.69Hz,1H),7.32−7.39(m,4H),7.27−7.31(m,1H),7.24(dd,J=8.43,1.83Hz,1H),6.88(d,J=1.83Hz,1H),6.73(dd,J=8.79Hz,2.01Hz,1H),4.8(s,2H),4.16−4.24(m,2H),3.91−4.02(m,2H),3.78−3.84(m,2H),3.50−3.56(m,2H),3.01−3.23(m,4H),2.85(d,J=4.21Hz,3H)。
【0313】
ESI(+) MS m/z 486(MH)。
【0314】
ESI(+) HRMS 計算値(C2831+H):486.2500;実測値:486.2514。
【0315】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−2−フルオロ−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物38)
【0316】
【化43】
【0317】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.45(s,1H),10.06(d,J=3.66Hz,1H),7.61−7.69(m,2H),7.34−7.39(m,4H),7.27−7.31(m,1H),6.78−6.86(m,3H),6.72(dd,J=8.88,2.11Hz,1H),4.58(s,2H),4.18−4.21(m,2H),3.79−3.84(m,2H),3.29−3.33(m,4H),2.40−2.45(m,4H),2.22(s,3H)。
【0318】
ESI(+) MS m/z 504(MH)。
【0319】
ESI(+) HRMS 計算値(C2830FN+H):504.2406;実測値:504.2383。
【0320】
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド(化合物33)
【0321】
【化44】
【0322】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.45(s,1H),10.38(s,1H),7.95(d,J=8.97Hz,2H),7.72(d,J=8.06Hz,2H),7.57−7.61(m,3H),7.00(d,J=8.97Hz,2H),6.86(d,J=1.83Hz,1H),6.72(dd,J=8.88,2.11Hz,1H),4.70(s,2H),4.20−4.25(m,2H),3.82−3.89(m,2H),3.27−3.35(m,4H),2.40−2.47(m,4H),2.23(s,3H)。
【0323】
ESI(+) MS m/z 554(MH)。
【0324】
ESI(+) HRMS 計算値(C2930+H):554.2374;実測値:554.2389。
【0325】
N−{6−[2−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物32)
【0326】
【化45】
【0327】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.44(s,1H),10.38(s,1H),7.95(d,J=8.97Hz,2H),7.59(d,J=8.79Hz,1H),7.37−7.44(m,2H),7.15−7.21(m,2H),7.00(d,J=8.97Hz,2H),6.85(d,J=2.01Hz,1H),6.71(dd,J=8.88,2.11Hz,1H),4.56(s,2H),4.18−4.22(m,2H),3.79−3.82(m,2H),3.27−3.37(m,4H),2.43−2.47(m,4H),2.23(s,3H)。
【0328】
ESI(+) MS m/z 504(MH)。
【0329】
ESI(+) HRMS 計算値(C2830FN+H):504.2406;実測値:504.2414。
【0330】
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド(化合物34)
【0331】
【化46】
【0332】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.45(s,1H),10.38(s,1H),7.95(d,J=9.03Hz,2H),7.72(s,1H),7.63−7.70(m,2H),7.56−7.63(m,2H),7.00(d,J=9.15Hz,2H),6.86(d,J=2.08Hz,1H),6.71(dd,J=8.91,2.07Hz,1H),4.70(s,2H),4.20−4.24(m,2H),3.83−3.89(m,2H),3.24−3.40(m,4H),2.42−2.48(m,4H),2.23(s,3H)。
【0333】
ESI(+) MS m/z 554(MH)。
【0334】
ESI(+) HRMS 計算値(C2930+H):554.2374;実測値:554.2371。
【0335】
N−{6−[2−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物30)
【0336】
【化47】
【0337】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.44(s,1H),10.38(s,1H),7.95(d,J=8.97Hz,2H),7.58(d,J=8.79Hz,1H),7.46−7.51(m,1H),7.35−7.40(m,1H),7.16−7.25(m,2H),7.00(d,J=9.16Hz,2H),6.85(d,J=1.83Hz,1H),6.70(dd,J=8.88,2.11Hz,1H),4.64(s,2H),4.18−4.21(m,2H),3.82−3.87(m,2H),3.22−3.31(m,4H),2.40−2.48(m,4H),2.23(s,3H)。
【0338】
ESI(+) MS m/z 504(MH)。
【0339】
ESI(+) HRMS 計算値(C2830FN+H):504.2406;実測値:504.2409。
【0340】
N−{6−[2−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物40)
【0341】
【化48】
【0342】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.44(s,1H),10.38(s,1H),7.95(d,J=8.97Hz,2H),7.59(d,J=8.97Hz,1H),7.28(d,J=8.61Hz,2H),7.00(d,J=8.97Hz,2H),6.85−6.93(m,2H),6.84(d,J=2.01Hz,1H),6.70(dd,J=8.88,2.11Hz,1H),4.50(s,2H),4.12−4.24(m,2H),3.76−3.80(m,2H),3.74(s,3H),3.27−3.34(m,4H),2.42−2.47(m,4H),2.23(s,3H)。
【0343】
ESI(+) MS m/z 516(MH)。
【0344】
ESI(+) HRMS 計算値(C2933+H):516.2606;実測値:516.2617。
【0345】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−2,4−ビス−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物43)
【0346】
【化49】
【0347】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.65(s,1H),12.41(s,1H),8.01−8.05(m,1H),7.96−8.00(m,1H),7.34−7.39(m,4H),7.26−7.32(m,1H),6.84−6.89(m,2H),6.81−6.83(m,1H),6.68−6.73(m,1H),4.58(s,2H),4.17−4.21(m,2H),3.79−3.83(m,2H),3.27−3.32(m,4H),3.01−3.06(m,4H),2.56−2.71(m,4H),2.41−2.48(m,4H),2.25(s,3H),2.23(s,3H)。
【0348】
ESI(+) MS m/z 584(MH)。
【0349】
ESI(+) HRMS 計算値(C3341+H):584.3344;実測値:584.3340。
【0350】
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(ピリジン−4−イルメトキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド(化合物35)
【0351】
【化50】
【0352】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.45(s,1H),10.38(s,1H),8.53(d,J=4.58Hz,2H),7.95(d,J=8.06Hz,2H),7.60(d,J=8.97Hz,1H),7.35(d,J=4.58Hz,2H),7.00(d,J=8.24Hz,2H),6.87(s,1H),6.72(d,J=8.97Hz,1H),4.65(s,2H),4.21−4.25(m,2H),3.85−3.88(m,2H),3.27−3.37(m,4H),2.43−2.48(m,4H),2.23(s,3H)。
【0353】
ESI(+) MS m/z 487(MH)。
【0354】
ESI(+) HRMS 計算値(C2730+H):487.2452;実測値:487.2450。
【0355】
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−[6−((E)−3−フェニル−アリルオキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−ベンズアミド(化合物39)
【0356】
【化51】
【0357】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.45(s,1H),10.39(s,1H),7.95(d,J=8.97Hz,2H),7.61(d,J=8.97Hz,1H),7.48−7.52(m,2H),7.36(t,J=7.69Hz,2H),7.26−7.31(m,1H),7.00(d,J=8.97Hz,2H),6.91(d,J=1.83Hz,1H),6.81(d,J=16.12Hz,1H),6.75(dd,J=8.97,2.20Hz,1H),6.56(dt,J=15.98,5.75Hz,1H),4.80(d,J=5.13Hz,2H),3.28−3.32(m,4H),2.43−2.47(m,4H),2.23(s,3H)。
【0358】
ESI(+) MS m/z 468(MH)。
【0359】
ESI(+) HRMS 計算値(C2829+H):468.2394;実測値:468.2394。
【0360】
製造12
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−ブロモ−ベンズアミド
スキーム2,ステップM)
6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イルアミン(3.0g,10.6mmol)を乾燥ピリジン(30ml)中に含む撹拌溶液にアルゴン雰囲気下0℃で4−ブロモ−ベンゾイルクロリド(2.32g,10.6mmol)を少しずつ添加した。反応混合物を一晩撹拌しながら室温まで加温した後、蒸発乾固させた。残渣をMeOH(50ml)及び2N NaOH(25ml)で処理し、室温で1時間撹拌した。混合物を回転蒸発により約10mlまで濃縮し、水(200ml)で希釈し、室温で15分間撹拌し、懸濁している固体を濾過し、水で洗浄した。真空で乾燥した後、粗な固体をシリカゲルカートリッジ(Biotage SNAP 100g)で溶離液AとしてDCM、溶離液BとしてDCM/MeOH 9:1を用いてクロマトグラフィー(Biotage SP1フラッシュ精製システム)により精製した。25CVでA/B 100:0から70:30への勾配で溶離させると、ピンク色固体が生じた。これをEtOAc(50ml)と摩砕し、濾過し、EtOAcで洗浄し、乾燥して、3.01g(収率:61%)の標記化合物を白っぽい固体として得た。
【0361】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.54(s,1H),10.81(s,1H),7.99(d,J=8.54Hz,2H),7.75(d,J=8.67Hz,2H),7.62(d,J=8.91Hz,1H),7.21−7.42(m,5H),6.87(d,J=1.95Hz,1H),6.73(dd,J=8.97,2.14Hz,1H),4.58(s,2H),4.11−4.29(m,2H),3.71−3.98(m,2H)。
【0362】
ESI(+) MS m/z 467(MH)。
【0363】
製造13
2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エタノール
アルゴン雰囲気下室温で、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液,1.92g,48mmol)をn−ヘキサン(約10ml)と一緒に撹拌した。ヘキサン/鉱油溶液を抜き取り、捨てて、残った水素化ナトリウムを乾燥THF(20ml)で処理した。次いで、エチレングリコール(17.8ml,320mmol)を室温でゆっくり滴下し(注:水素発生)、混合物を室温で1.5時間撹拌した。還流まで加熱した(80℃油浴)後、1−ブロモメチル−4−トリフルオロメチル−ベンゼン(7.6g,32mmol)を乾燥THF(20ml)中に含む溶液を添加し、反応混合物を還流下で2.5時間撹拌した。室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム溶液(100ml)を添加した。有機層を分離し、水(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固させた。粗な残渣をシリカゲルカートリッジ(Varian SF40−120g)で溶離液Aとしてn−ヘキサン、溶離液BとしてEtOAcを用いるフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP1フラッシュ精製システム)により精製した。2CVでA/B 75:25から70:30への勾配、次いで2CVで70:30から0:100への勾配で溶離させた後、100% Bで溶離させて、5.9g(収率:84%)の標記化合物を黄色油状物(収率:93%)として得た。
【0364】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.71(d,J=8.06Hz,2H),7.56(d,J=7.88Hz,2H),4.66(t,J=5.49Hz,1H),4.60(s,2H),3.56(q,J=5.31Hz,2H),3.48−3.51(m,2H)。
【0365】
ESI(+) MS m/z 221(MH)。
【0366】
ESI(+) HRMS 計算値(C1011+Na):243.0603;実測値:243.0594。
【0367】
同様に操作して、以下の化合物を得た:
2−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−エタノール
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.37(dd,J=8.43,5.86Hz,2H),7.16(t,J=8.88Hz,2H),4.62(t,J=5.49Hz,1H),4.46(s,2H),3.53(q,J=5.19Hz,2H),3.41−3.47(m,2H)。
【0368】
ESI(+) MS m/z 171(MH)。
【0369】
ESI(+) HRMS 計算値(C11FO+Na):193.0635;実測値:193.0635。
【0370】
2−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エタノール
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.55−7.72(m,4H),4.66(t,J=5.49Hz,1H),4.59(s,2H),3.53−3.59(m,2H),3.47−3.52(m,2H)。
【0371】
ESI(+) MS m/z 221(MH)。
【0372】
2−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−エタノール
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.47(td,J=7.51,1.65Hz,1H),7.36(tdd,J=7.76,7.76,5.63,1.74Hz,1H),7.14−7.21(m,2H),4.63(t,J=5.49Hz,1H),4.54(s,2H),3.51−3.55(m,2H),3.46−3.50(m,2H)。
【0373】
ESI(+) MS m/z 171(MH)。
【0374】
ESI(+) HRMS 計算値(C11FO+Na):193.0635;実測値:193.0635。
【0375】
2−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−エタノール
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.25(d,J=8.79Hz,2H),6.90(d,J=8.61Hz,2H),4.58(t,J=5.59Hz,1H),4.40(s,2H),3.74(s,3H),3.51(q,J=5.31Hz,2H),3.39−3.43(m,2H)。
【0376】
ESI(+) MS m/z 183(MH)。
【0377】
ESI(+) HRMS 計算値(C1014+Na):205.0835;実測値:205.0835。
【0378】
2−(ピリジン−4−イルメトキシ)−エタノール
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):8.51−8.54(m,2H),7.32−7.36(m,2H),4.68(t,J=5.49Hz,1H),4.55(s,2H),3.57(q,J=5.25Hz,2H),3.46−3.52(m,2H)。
【0379】
ESI(+) MS m/z 154(MH)。
【0380】
ESI(+) HRMS 計算値(C11NO+H):154.0863;実測値:154.0857。
【0381】
製造14
メタンスルホン酸2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エチルエステル
2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エタノール(1.0g,4.5mmol)を乾燥DCM(20ml)及びDIPEA(2.36ml,13.5mmol)中に含む溶液にアルゴン雰囲気下0℃でメタンスルホニルクロリド(421μl,5.4mmol)を添加した。反応混合物を0℃で10分間撹拌した後、氷浴を外し、室温で2時間撹拌し続けた。次いで、混合物をDCM(70ml)で希釈し、飽和NaHCO溶液(50ml)、水(100ml)、2N HCl(100ml)及び水(100ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固させて、1.35g(収率:定量的)のメタンスルホン酸2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エチルエステルを褐色油状物として得た。これを更に精製することなくそのまま次ステップのために使用した。
【0382】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.73(d,J=8.06Hz,2H),7.57(d,J=7.88Hz,2H),4.64(s,2H),4.35−4.42(m,2H),3.71−3.78(m,2H),3.18(s,3H)。
【0383】
ESI(+) MS m/z 299(MH)。
【0384】
ESI(+) HRMS 計算値(C1113S+Na):321.0379;実測値:321.0380。
【0385】
同様に操作して、以下の化合物を得た:
メタンスルホン酸2−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−エチルエステル
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.30−7.44(m,2H),7.12−7.23(m,2H),4.51(s,2H),4.29−4.38(m,2H),3.63−3.75(m,2H),3.17(s,3H)。
【0386】
ESI(+) MS m/z 249(MH)。
【0387】
ESI(+) HRMS 計算値(C1113S+Na):271.0411;実測値:271.0412。
【0388】
メタンスルホン酸2−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エチルエステル
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.55−7.72(m,4H),4.64(s,2H),4.34−4.42(m,2H),3.71−3.78(m,2H),3.18(s,3H)。
【0389】
ESI(+) MS m/z 299(MH)。
【0390】
メタンスルホン酸2−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−エチルエステル
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.44−7.48(m,1H),7.34−7.41(m,1H),7.16−7.25(m,2H),4.59(s,2H),4.34−4.36(m,2H),3.71−3.75(m,2H),3.16(s,3H)。
【0391】
ESI(+) MS m/z 249(MH)。
【0392】
ESI(+) HRMS 計算値(C1113S+Na):271.0411;実測値:271.0411。
【0393】
メタンスルホン酸2−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−エチルエステル
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):7.26(d,J=8.79Hz,2H),6.76−7.00(m,2H),4.45(s,2H),4.28−4.35(m,2H),3.74(s,3H),3.60−3.68(m,2H),3.16(s,3H)。
【0394】
ESI(+) MS m/z 261(MH)。
【0395】
ESI(+) HRMS 計算値(C1116S+Na):283.0610;実測値:283.0614。
【0396】
メタンスルホン酸2−(ピリジン−4−イルメトキシ)−エチルエステル
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):8.51−8.57(m,2H),7.34(d,J=5.86Hz,2H),4.60(s,2H),4.36−4.41(m,2H),3.72−3.78(m,2H),3.19(s,3H)。
【0397】
ESI(+) MS m/z 232(MH)。
【0398】
ESI(+) HRMS 計算値(C13NOS+H):232.0638;実測値:232.0636。
【0399】
[実施例3]
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−ジメチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物15)
スキーム2,ステップN)
【0400】
【化52】
【0401】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−ブロモ−ベンズアミド(1.3g,2.79mmol)及び4−ジメチルアミノ−ピペリジン(1.18ml,8.37mmol)を乾燥THF(20ml)中に含む溶液を3回の真空−アルゴン雰囲気サイクルにより脱気し、アルゴン雰囲気下室温でPd(dba)(50mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(50mg)及びTHF中1M LiHMDS(22.3ml,22.3mmol)で処理した。反応混合物を還流加熱し、15分間撹拌した後、室温まで冷却し、水(200ml)に注ぎ、EtOAc(200ml)で抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固させた。粗な残渣をシリカゲルカートリッジ(Varian SF40−120g)で溶離液AとしてDCM、溶離液BとしてDCM/MeOH中7N NH 10:1を用いるクロマトグラフィー(Biotage SP1フラッシュ精製システム)により精製した。10CVでA/B 100:0から0:100への勾配で溶離させた後、溶離液B(5CV)を用いて無勾配溶離させると、黄色固体が生じた。これをEtOAc(15ml)と摩砕し、濾過し、EtOAcで洗浄し、乾燥して、1.04g(収率:73%)の標記化合物を白色固体として得た。
【0402】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.44(s,1H),10.35(s,1H),7.85−8.01(m,2H),7.59(d,J=8.91Hz,1H),7.33−7.40(m,4H),7.25−7.32(m,1H),6.93−7.06(m,2H),6.85(d,J=2.07Hz,1H),6.71(dd,J=8.91,2.08Hz,1H),4.58(s,2H),4.14−4.26(m,2H),3.86−3.98(m,2H),3.73−3.85(m,2H),2.74−2.90(m,2H),2.23−2.35(m,1H),2.19(s,6H),1.77−1.87(m,2H),1.35−1.50(m,2H)。
【0403】
ESI(+) MS m/z 514(MH)。
【0404】
ESI(+) HRMS 計算値(C3035+H):514.2813;実測値:514.2817。
【0405】
同様に操作して、以下の化合物を得た:
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[(2−ジメチルアミノ−エチル)−メチル−アミノ]−ベンズアミド(化合物16)
【0406】
【化53】
【0407】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.41(s,1H),10.27(s,1H),7.89−7.96(m,2H),7.59(d,J=8.91Hz,1H),7.33−7.38(m,4H),7.25−7.32(m,1H),6.85(d,J=2.07Hz,1H),6.68−6.76(m,3H),4.58(s,2H),4.17−4.22(m,2H),3.78−3.85(m,2H),3.50(t,J=7.08Hz,2H),2.99(s,3H),2.40(t,J=7.02Hz,2H),2.19(s,6H)。
【0408】
ESI(+) MS m/z 488(MH)。
【0409】
ESI(+) HRMS 計算値(C2833+H):488.2656;実測値:488.2654。
【0410】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[(3−ジメチルアミノ−プロピル)−メチル−アミノ]−ベンズアミド(化合物17)
【0411】
【化54】
【0412】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.41(s,1H),10.26(s,1H),7.90−7.95(m,2H),7.59(d,J=8.91Hz,1H),7.34−7.40(m,4H),7.27−7.32(m,1H),6.85(d,J=2.07Hz,1H),6.72−6.77(m,2H),6.70(dd,J=8.91,2.20Hz,1H),4.58(s,2H),4.17−4.23(m,2H),3.79−3.83(m,2H),3.43(t,J=7.14Hz,2H),2.98(s,3H),2.23(t,J=6.84Hz,2H),2.14(s,6H),1.61−1.71(m,2H)。
【0413】
ESI(+) MS m/z 502(MH)。
【0414】
ESI(+) HRMS 計算値(C2935+H):502.2813;実測値:502.2794。
【0415】
4−{4−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イルカルバモイル]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物18)
【0416】
【化55】
【0417】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.45(s,1H),10.40(s,1H),7.95−7.99(m,2H),7.59(d,J=9.03Hz,1H),7.34−7.38(m,4H),7.26−7.33(m,1H),6.98−7.05(d,J=9.15Hz,2H),6.85(d,J=2.20Hz,1H),6.71(dd,J=8.91,2.07Hz,1H),4.58(s,2H),4.16−4.23(m,2H),3.79−3.86(m,2H),3.44−3.51(m,4H),3.27−3.32(m,4H),1.43(s,9H)。
【0418】
ESI(+) MS m/z 572(MH)。
【0419】
ESI(+) HRMS 計算値(C3237+H):572.2868;実測値:572.2862。
【0420】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルアミノ)−ベンズアミド(化合物19)
【0421】
【化56】
【0422】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.40(s,1H),10.18(s,1H),7.83(d,J=8.91Hz,2H),7.58(d,J=8.91Hz,1H),7.34−7.39(m,4H),7.25−7.30(m,1H),6.84(d,J=2.07Hz,1H),6.69(dd,J=8.91,2.20Hz,1H),6.62(d,J=8.91Hz,2H),6.15(d,J=7.81Hz,1H),4.58(s,2H),4.17−4.23(m,2H),3.78−3.84(m,2H),2.70−2.78(m,2H),2.17(s,3H),1.96−2.09(m,2H),1.83−1.94(m,2H),1.33−1.51(m,2H)。
【0423】
ESI(+) MS m/z 500(MH)。
【0424】
ESI(+) HRMS 計算値(C2933+H):500.2656;実測値:500.2648。
【0425】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[メチル−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−アミノ]−ベンズアミド(化合物23)
【0426】
【化57】
【0427】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.42(s,1H),10.28(s,1H),7.93(d,J=8.91Hz,2H),7.59(d,J=8.91Hz,1H),7.33−7.39(m,4H),7.25−7.34(m,1H),6.80−6.87(m,3H),6.70(dd,J=8.91,2.07Hz,1H),4.58(s,2H),4.17−4.23(m,2H),3.79−3.85(m,2H),3.66−3.79(m,1H),2.82−2.88(m,2H),2.82(s,3H),2.19(s,3H),2.00−2.11(m,2H),1.71−1.85(m,2H),1.55−1.64(m,2H)。
【0428】
ESI(+) MS m/z 514(MH)。
【0429】
ESI(+) HRMS 計算値(C3035+H):514.2813;実測値:514.2792。
【0430】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−モルフォリン−4−イル−ベンズアミド(化合物24)
【0431】
【化58】
【0432】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.45(s,1H),10.40(s,1H),7.97(d,J=9.03Hz,2H),7.59(d,J=8.91Hz,1H),7.34−7.39(m,4H),7.25−7.33(m,1H),7.02(d,J=9.03Hz,2H),6.85(d,J=1.83Hz,1H),6.71(dd,J=8.91,2.20Hz,1H),4.58(s,2H),4.16−4.23(m,2H),3.78−3.84(m,2H),3.71−3.77(m,4H),3.24−3.28(m,4H)。
【0433】
ESI(+) MS m/z 473(MH)。
【0434】
ESI(+) HRMS 計算値(C2728+H):473.2184;実測値:473.2169。
【0435】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(2−モルフォリン−4−イル−エチルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩(化合物25)
【0436】
【化59】
【0437】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.44(bs,1H),10.66(bs,1H),10.30(s,1H),7.91(d,J=8.79Hz,2H),7.59(d,J=8.91Hz,1H),7.33−7.39(m,4H),7.25−7.32(m,1H),6.85(d,J=1.83Hz,1H),6.67−6.75(m,3H),4.58(s,2H),4.16−4.23(m,2H),3.90−4.04(m,2H),3.70−3.87(m,4H),3.54−3.62(m,2H),3.44−3.54(m,2H),3.24−3.33(m,2H),3.03−3.23(m,2H)。
【0438】
ESI(+) MS m/z 516(MH)。
【0439】
ESI(+) HRMS 計算値(C2933+H):516.2606;実測値:516.2584。
【0440】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−ベンズアミド(化合物26)
【0441】
【化60】
【0442】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.40(s,1H),10.20(s,1H),7.84(d,J=8.67Hz,2H),7.58(d,J=8.91Hz,1H),7.34−7.38(m,4H),7.26−7.31(m,1H),6.84(d,J=1.71Hz,1H),6.70(dd,J=8.91,1.83Hz,1H),6.65(d,J=8.67Hz,2H),6.22(d,J=7.81Hz,1H),4.58(s,2H),4.16−4.22(m,2H),3.84−3.92(m,2H),3.79−3.84(m,2H),3.50−3.63(m,1H),3.40−3.48(m,2H),1.85−1.94(m,2H),1.32−1.47(m,2H)。
【0443】
ESI(+) MS m/z 487(MH)。
【0444】
ESI(+) HRMS 計算値(C2830+H):487.2340;実測値:487.2340。
【0445】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[(1−メチル−ピペリジン−4−イルメチル)アミノ]−ベンズアミド(化合物27)
【0446】
【化61】
【0447】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.39(s,1H),10.18(s,1H),7.83(d,J=8.67Hz,2H),7.58(d,J=8.91Hz,1H),7.33−7.40(m,4H),7.25−7.30(m,1H),6.84(d,J=1.83Hz,1H),6.70(dd,J=8.91,2.07Hz,1H),6.61(d,J=8.79Hz,2H),6.33(t,J=5.68Hz,1H),4.58(s,2H),4.17−4.23(m,2H),3.78−3.85(m,2H),2.97(t,J=6.16Hz,2H),2.72−2.80(m,2H),2.14(s,3H),1.76−1.86(m,2H),1.67−1.76(m,2H),1.42−1.59(m,1H),1.14−1.30(m,2H)。
【0448】
ESI(+) MS m/z 514(MH)。
【0449】
ESI(+) HRMS 計算値(C3035+H):514.2813;実測値:514.2797。
【0450】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(3−ピロリジン−1−イル−アゼチジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物28)
【0451】
【化62】
【0452】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.42(s,1H),10.30(s,1H),7.93(d,J=8.67Hz,2H),7.59(d,J=8.91Hz,1H),7.32−7.40(m,4H),7.26−7.30(m,1H),6.85(d,J=1.95Hz,1H),6.70(dd,J=8.91,2.07Hz,1H),6.45(d,J=8.79Hz,2H),4.58(s,2H),4.10−4.27(m,2H),4.00(t,J=7.38Hz,2H),3.80−3.87(m,2H),3.75(dd,J=7.87,4.94Hz,2H),3.41−3.49(m,1H),2.45−2.49(m,4H),1.66−1.82(m,4H)。
【0453】
ESI(+) MS m/z 512(MH)。
【0454】
ESI(+) HRMS 計算値(C3033+H):512.2656;実測値:512.2650。
【0455】
[実施例4]
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(化合物14)
【0456】
変換7
【0457】
【化63】
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド(300mg,0.62mmol)をDCM(5ml)及びMeOH(5ml)中に含む溶液を室温で3−クロロ過安息香酸(107mg,0.62mmol)で処理した。室温で2時間撹拌した後、沈殿した固体を濾過し、数mlのDCM/MeOH 1:1及びMeOHで洗浄し、真空中で乾燥して、125mg(収率:40%)の標記化合物を白色固体として得た。
【0458】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.47(s,1H),10.43(s,1H),7.95−8.02(m,2H),7.60(d,J=9.08Hz,1H),7.25−7.40(m,5H),7.03−7.12(m,2H),6.86(d,J=2.05Hz,1H),6.71(dd,J=9.08,2.05Hz,1H),4.59(s,2H),4.16−4.24(m,2H),3.79−3.86(m,2H),3.67−3.77(m,2H),3.43−3.63(m,4H),3.12(s,3H),3.96−3.07(m,2H)。
【0459】
ESI(+) MS m/z 502(MH)。
【0460】
ESI(+) HRMS 計算値(C2831+H):502.2449;実測値:502.2443。
【0461】
次いで、標記化合物(120mg)をエタノール(10ml)中に懸濁し、2N HCl(0.5ml)で処理し、透明な溶液が得られるまで撹拌した。溶媒を蒸発させ、ジエチルエーテルと摩砕し、真空中で乾燥して、127mgの標記化合物の塩酸塩を白色固体として得た。
【0462】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.55(s,1H),12.51(bs,1H),10.48(s,1H),8.02(d,J=8.79Hz,2H),7.59(d,J=8.91Hz,1H),7.33−7.41(m,4H),7.25−7.32(m,1H),7.13(d,J=8.91Hz,2H),6.86(d,J=1.59Hz,1H),6.72(dd,J=8.85,1.89Hz,1H),4.58(s,2H),4.14−4.26(m,2H),3.94−4.03(m,2H),3.74−3.89(m,6H),3.59(s,3H),3.40−3.50(m,2H)。
【0463】
ESI(+) MS m/z 502(MH)。
【0464】
ESI(+) HRMS 計算値(C2831+H):502.2449;実測値:502.2438。
【0465】
同様に操作して、以下の化合物を得た:
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−[メチル−(1−メチル−1−オキシ−ピペリジン−4−イル)−アミノ]−ベンズアミド(化合物41)
【0466】
【化64】
【0467】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.49(s,1H),10.32(s,1H),7.95(d,J=9.03Hz,2H),7.59(d,J=8.91Hz,1H),7.33−7.41(m,4H),7.24−7.33(m,1H),6.87(d,J=9.15Hz,2H),6.85(d,J=2.20Hz,1H),6.70(dd,J=8.97,2.14Hz,1H),4.58(s,2H),4.15−4.24(m,2H),3.93−4.06(m,1H),3.77−3.85(m,2H),3.45−3.56(m,2H),3.07(s,3H),3.03(br.s.,1H),2.86(s,3H),2.43−2.55(m,3H),1.48(m,J=12.08Hz,2H)。
【0468】
ESI(+) MS m/z 530(MH)。
【0469】
ESI(+) HRMS 計算値(C3035+H):530.2762;実測値:530.2769。
【0470】
4−(4−メチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−N−{6−[2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−エトキシ]−1H−インダゾル−3−イル}−ベンズアミド塩酸塩(化合物42)
【0471】
【化65】
【0472】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.55(s,1H),12.50(br.s.,1H),10.49(s,1H),8.03(d,J=8.97Hz,2H),7.72(d,J=8.06Hz,2H),7.57−7.61(m,3H),7.10−7.15(m,2H),6.87(d,J=1.83Hz,1H),6.73(dd,J=8.88,2.11Hz,1H),4.70(s,2H),4.21−4.25(m,2H),3.99(d,J=14.29Hz,2H),3.75−3.89(m,6H),3.59(s,3H),3.40−3.48(m,2H)。
【0473】
ESI(+) MS m/z 570(MH)。
【0474】
ESI(+) HRMS 計算値(C2930+H):570.2323;実測値:570.2330。
【0475】
[実施例5]
N−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イル]−4−ピペラジン−1−イル−ベンズアミド(化合物20)
【0476】
変換8
【0477】
【化66】
【0478】
4−{4−[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−1H−インダゾル−3−イルカルバモイル]−フェニル}−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(180mg,0.31mmol)を1,4−ジオキサン(10ml)及びMeOH(5ml)中に含む溶液を1,4−ジオキサン中4M 塩酸(6ml,24mmol)で処理した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を蒸発乾固し、水(50ml)で希釈し、飽和NaHCO溶液を添加することにより塩基性pHとした。沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥し、シリカゲルカートリッジ(Biotage SNAP 25g)で溶離液AとしてDCM、溶離液BとしてDCM/MeOH中7N NH 10:1を用いるクロマトグラフィー(Biotage SP1フラッシュ精製システム)により精製した。15CVでA/B 100:0から0:100への勾配で溶離させた後、溶離液B(5CV)を用いて無勾配溶離させると、黄色固体が生じた。これをジエチルエーテル(15ml)と摩砕して、111mg(収率:75%)の標記化合物を白色固体として得た。
【0479】
H−NMR(400MHz),δ(ppm,DMSO−d):12.44(s,1H),10.36(s,1H),7.95(d,J=9.03Hz,2H),7.59(d,J=9.03Hz,1H),7.33−7.40(m,4H),7.25−7.32(m,1H),6.98(d,J=9.15Hz,2H),6.85(d,J=1.95Hz,1H),6.71(dd,J=2.07,8.91Hz,1H),4.58(s,2H),4.15−4.25(m,2H),3.77−3.86(m,2H),3.17−3.23(m,4H),2.78−2.86(m,4H)。
【0480】
ESI(+) MS m/z 472(MH)。
【0481】
ESI(+) HRMS 計算値(C2729+H):472.2343;実測値:472.2327。
【0482】
薬理
本明細書中で使用されている短縮形及び略語は以下の意味を有している:
DMSO ジメチルスルホキシド
g グラム
1C50 50%阻害する濃度
mg ミリグラム
μg マイクログラム
μL マイクロリットル
mL ミリリットル
mM ミリモル
μM マイクロモル
nM ナノモル
【0483】
アッセイ
本発明の化合物を下記する生化学アッセイで試験した。
【0484】
生化学アッセイにおいて使用するためのFLT3及びKITキナーゼ細胞質ドメインの作成
クローニング、発現及び精製
FLT3細胞質ドメイン(993アミノ酸長完全長配列のaa 564−993末端,UniProtKB/Swiss−Prot.データベースの受託番号P36888)を精巣cDNAライブラリーから出発するPCRにより増幅した後、バキュロウィルス系を用いて昆虫細胞において発現させるためにpVLベクターにクローン化した。GST−FLT3細胞質ドメインを感染させたSf21細胞において27℃で72時間発現させた。組換えタンパク質をGSH−セファロースを用いるアフィニティーにより精製し、グルタチオンで溶離させた。更なる精製ステップはヘパリンセファロースを用いて実施した。最終収量は0.5mg/10億個の細胞であり、タンパク質がクーマシー染色により>90%の純度で生じた。KIT細胞質ドメイン(976アミノ酸長完全長配列のaa 544−976末端,UniProtKB/Swiss−Protデータベースの受託番号P10721)をバキュロウィルス系を用いて昆虫細胞において発現させるためにpVLベクターにクローン化した。GST−KIT細胞質ドメインを感染させたSf21細胞において27℃で66時間発現させた。組換えタンパク質をGSH−セファロースを用いるアフィニティーにより精製し、グルタチオンで溶離させた。最終収量は9mg/10億個の細胞であり、タンパク質がクーマシー染色により>80%の純度で生じた。
【0485】
精製したタンパク質は、生化学アッセイにおいて使用する前−80℃で保存した。
【0486】
生化学アッセイ
i.一般原理−特定のペプチド基質を33γ−ΑΤΡでトレースされるATPの存在下でキナーゼによりトランスリン酸化した。リン酸化反応の終わりに、低温で放射性の到達していないATPを過剰のダウエックスイオン交換樹脂により捕捉し、最終的に重力により反応プレートの底に沈降させた。その後、上清を抜き取り、カウンティングプレートに移し、このプレートをβ−カウンティングにより評価した。
【0487】
ii.ダウエックス樹脂調製−500gの湿潤樹脂(SIGMA,特注樹脂DOWEX 1×8 200−400メッシュ,2.5Kg)を秤量し、150mM ギ酸ナトリウム,pH3.00で2Lに希釈した。樹脂を一晩沈降させた後、上清を捨てた。2〜3日かけて上記のように洗浄を3回実施した後、樹脂を沈降させ、2容量(樹脂容量に対して)の150mM ギ酸ナトリウムバッファーを添加した。
【0488】
FLT3キナーゼ活性の阻害剤に対する生化学アッセイ
i.酵素−アッセイをFLT3細胞質ドメイン産物を用いて実施し、GST融合タンパク質として社内で精製した。線形カイネティックを得るために、FLT3タンパク質(1μM)を800μM ATPを用いて28℃で1時間前活性化した。
【0489】
ii.FLT3キナーゼバッファー(KB)−キナーゼバッファーは4mM MgCl、1mM DTT、10μM NaVO及び0.2mg/mL BSAを含有する50mM HEPES pH7.9から構成した。
【0490】
iii.アッセイ条件−FLT3キナーゼアッセイは254μM ATP(KIT前活性化ステップからの残留ATPは無視できる)、8nM 33P−γ−ATP及び55μMの基質BioDB n24(アミノ酸配列:GGKKKVSRSGLYRSPSMPENLNRPR−配列番号1)の存在下で2nMの最終前活性化酵素濃度で実施した。前記ペプチドはAmerican Peptide Company(カリフォルニア州サニーベール)から購入した。
【0491】
KITキナーゼ活性の阻害剤のための生化学アッセイ
i.酵素−アッセイをKIT細胞質ドメイン産物を用いて実施し、GST融合タンパク質として社内で精製した。線形カイネティックを得るために、KITタンパク質(4.5μM)を300μM ATPを用いて28℃で1時間前活性化した。
【0492】
ii.KITキナーゼバッファー(KB)−キナーゼバッファーは5mM MgCl、1nM MnCl、10mM DTT、3μM NaVO及び0.2mg/mL BSAを含有する50mM HEPES pH7.9から構成した。
【0493】
iii.アッセイ条件−KITキナーゼアッセイは4.4μM ATP(KIT前活性化ステップからの残留ATPは無視できる)、3.9nM 33P−γ−ATP及び2.5μMの基質BioDB n138(アミノ酸配列:KVVEEINGNNYVYIDPTQLPYDHKWEFPRNR−配列番号2)の存在下で4nMの最終前活性化酵素濃度で実施した。前記ペプチドはAmerican Peptide Company(カリフォルニア州サニーベール)から購入した。
【0494】
化合物試験
i.化合物希釈−IC50測定のために、試験化合物を100% DMSO中1mM 溶液として入手し、96ウェルプレートに分配した。次いで、化合物をマイクロプレートの第1カラム(A1〜G1)に100μL/ウェルで塗布した。カラム中のすべての化合物についてラインA1〜A10からの100% DMSO中1:3希釈物を作成するために、一連希釈用の自動化ステーション(Biomek FX,Beckman)を使用した。5μLの100% DMSO希釈プレートの第1組を384深ウェルプレートに再フォーマッティングすることにより4〜5コピーのドータープレートを作成した。試験化合物の一連希釈物を有するこれらのプレートの1つを実験当日に解凍し、水を用いて3×濃度で再構成し、IC50測定アッセイにおいて使用した。標準実験では、すべての化合物の最高濃度(3×)は30μMであり、最低濃度は1.5nMであった。
【0495】
各384ウェルプレートは、バックグラウンド評価に対するZ’及びシグナルのために標準阻害剤のスタウロスペリン及び参照ウェル(全酵素活性対酵素活性なし)の少なくとも1つのカーブを含んでいた。
【0496】
ii.アッセイスキーム−V底の384ウェルプレート(試験プレート)は5μLの化合物希釈物(3×)を用いて作成した後、酵素ミックス(3×)用の1つのリザーバ及びATPミックス(3×)用の1つのリザーバと一緒にPlateTrak 12ロボット化ステーション(Perkin Elmer;ロボットはアッセイを開始するための1つの384チップピペッティングヘッド及び樹脂を分配するための1つの96チップヘッドを有していた)に入れた。ランの開始時に、ロボットは5μlのATPミックスを吸引し、チップの内側に空隙(3μL)を設け、5μLの酵素ミックスを吸引した。ロボット自身で行ったプレートへのその後の分配及び3サイクルの混合によりキナーゼ反応を開始させた。この時点で、すべての試薬に対して正しい濃度を回復した。ロボットはプレートを室温で60分間インキュベートした後、60μLのダウエックス樹脂懸濁液を反応ミックスにピペットで移すことにより反応を停止させた。チップの詰まりを避けるために、樹脂懸濁液を分配するためにワイドボアチップを使用した。樹脂の添加直後に混合の3サイクルを行った。別の混合サイクルは、すべてのプレートを停止させた後通常のチップを用いて実施した。次いで、樹脂を沈降させるためにプレートを約1時間静置した。この時点で、、27μLの上清を50μLのMicroscint 40(Perkin−Elmer)と一緒に384−Optiplates(Perkin−Elmer)に移した。5分間軌道振とうさせた後、プレートをPerkin−Elmer Top Count放射活性カウンターを用いて読み取った。
【0497】
iii.データフィッティング−データは、二次アッセイ/ヒット確認ルーチンにおいてIC50を測定するために10希釈物曲線のシグモイドフィテッティングを与えるSWパッケージの内部カスタマイズ化バージョン“Assay Explorer”により解析した。
【0498】
FLT3キナーゼ活性の阻害剤のための細胞アッセイ
FLT3キナーゼ活性の阻害剤のためのインビトロ細胞増殖アッセイ
FLT3−ITD変異を有するヒト急性白血病MOLM−13及びMV−4−11細胞を白色384ウェルプレートにおいて完全培地(RPMI 1640+10% ウシ胎児血清)中に接種し(5000個の細胞/ウェル)、接種から24時間後に0.1% DMSO中に溶解した化合物で処理した。細胞を37℃及び5% COでインキュベートし、72時間後プレートを製造業者の指示に従ってCellTiter−Gloアッセイ(Promega)を用いて処理した。
【0499】
CellTiter−Gloは、代謝活性な細胞のインジケーターである存在するATPの定量に基づく均質方法である。ATPは光を発するルシフェラーゼ及びD−ルシフェリンに基づくシステムを用いて定量した。発光シグナルは培養物中に存在している細胞の数に比例していた。
【0500】
簡単に説明すると、各ウェルに25μL/ウェルの試薬溶液を添加し、5分間振とうした後、マイクロプレートをEnvision(PerkinElmer)ルミノメーターを用いて測定した。処理対対照データをSymyx Assay Explorer(Symyx Technologies Inc.)プログラムを用いて比較することにより阻害活性を評価した。IC50はシグモイド捕間曲線を用いて計算した。上記したように試験した式(I)の化合物は、顕著なFLT3及びKIT阻害活性と共に、MOLM−13及びMV−4−11細胞増殖の阻害において非常に強力な効力を有していた。
【0501】
例えば、従来技術の最も近い化合物(対照化合物)であるWO 03/028720のp.77、表XI、エントリー226に記載されている以下の構造を有している化合物A02−M2−B05と比較して、生化学アッセイにおいてFLT3及びKITキナーゼ阻害剤として試験した本発明の幾つかの代表的化合物の実験データ(IC50 μM)を報告している下表I、及び細胞増殖アッセイにおいてMOLM−13及びMV−4−11阻害剤として試験した本発明の幾つかの代表的化合物の実験データ(IC50 μM)を報告している下表IIを参照されたい。
【0502】
【化67】
【0503】
生化学アッセイにおいて、IC50値は典型的にはFLT3に対して2μM以下であり、KITに対して3μM以下である。細胞増殖アッセイでは、IC50値は典型的には3μM以下であり、26個の化合物が両細胞株で0.1μM以下のIC50値を有していた。
【0504】
【表2】

【0505】
【表3】
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]