(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取付け部品が、横断面視において第1の方向の長さが第2の方向の長さよりも大きい軸部と、前記軸部の第1の端部に垂直に連結され、前記第1の方向に延出するとともに前記ストッパーを先端部にもち前記ガイドを外面にもつ第1の板部と、前記軸部の第2の端部に連結部を介して垂直に連結され、前記第2の端部に対向する第2の板部と、前記第2の板部の前記軸部側とは反対側に連結される被操作部と、を有し、
前記蓋体が、前記開口の内周に沿って形成される周壁と、前記周壁の周方向に沿って長い貫通穴であって前記第1の板部及び前記軸部を挿入可能な前記貫通穴と、前記貫通穴の周縁のうち前記軸部が挿入される部分に突出して形成される係止リブと、を有し、
前記取付け部品が、前記第1の板部及び前記軸部が前記周壁の内側から前記貫通穴に挿入されて前記第1の板部が前記周壁の外側に露出した後に、前記被操作部が第1の操作方向に回転操作されて、前記軸部の前記第2の端部と前記第2の板部とが前記係止リブを挟持することにより、前記ストッパーが前記シール形成面に対向した姿勢で前記蓋体に取り付けられる一方、前記被操作部が前記第1の操作方向とは反対側に向く第2の操作方向に回転操作されることにより、前記蓋体から取り外し可能であることを特徴とする請求項2に記載の基板収納容器。
前記取付け部品が、前記ストッパーを先端部にもち前記ガイドを外面にもつ第1の板部と、前記第1の板部の基端部に直角に連結される第2の板部と、前記第2の板部の幅方向に突出して設けられる第1の係止部と、を有し、
前記蓋体が、前記開口の内周に沿って形成される周壁と、前記周壁に設けられ、前記第1の板部を挿入可能な貫通穴と、前記貫通穴に対向するように前記周壁の内側に設けられる第2の係止部と、を有し、
前記取付け部品が、前記第1の板部が前記周壁の内側から前記貫通穴に挿入されて前記周壁の外側に露出した後に、前記周壁の周方向に沿う第1の操作方向に摺動操作されて、前記第1の係止部が前記第2の係止部に係止されることにより、前記ストッパーが前記シール形成面に対向した姿勢で前記蓋体に取り付けられる一方、前記第1の操作方向とは反対側に向く第2の操作方向に摺動操作されることにより、前記蓋体から取り外し可能であることを特徴とする請求項2に記載の基板収納容器。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェーハからなる複数の基板を収納する基板収納容器に関し、リップ状のシール形成部をもつガスケットにより、容器本体と蓋体の間をシールする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
特許文献1には、精密基板を収納する容器本体と、この容器本体の開口正面に着脱自在に嵌め合わされる蓋体と、容器本体の開口正面内周と蓋体の外周のいずれか一方に切り欠き形成される嵌合保持部と、この嵌合保持部に嵌められて容器本体と蓋体との間に介在する弾性変形可能なシール部材とを備えた密封容器が開示されている。シール部材(ガスケット)は、嵌合保持部に嵌め込まれるエンドレス部と、このエンドレス部から斜めに延びる屈曲可能な突片(シール形成部)とを有し、突片が屈曲して容器本体の接触面あるいは蓋体の接触面に接触することで容器本体と蓋体の間をシールする。
【0004】
また、特許文献2には、容器本体の開口部内周と蓋体のいずれか一方に、ガスケット用の収納凹部を形成した基板収納容器が開示されている。ガスケットは、収納凹部に収納される基体と、基体の周面に形成されて容器本体と蓋体との間に斜めに延びる屈曲片(シール形成部)と、基体から突出して収納凹部の内面に接触する第1の突起群及び第2の突起群とを有する。
【0005】
特許文献1,2に記載される従来の基板収納容器においては、例えば、ガスケットを蓋体側に設け、ガスケットと接触するシール形成面を容器本体の開口に設けた構成の場合、ガスケットのシール形成部が、蓋体とシール形成面との接触を防止することにより、樹脂同士(蓋体と容器本体)の接触による摩耗を防止していた。
【0006】
しかし、輸送途中の基板輸送容器における振動や衝撃が大きい場合、蓋体がガスケットをさらに圧縮する方向(容器本体の奥側に向く方向)に限度を超えて移動してしまうことがある。このように蓋体が容器本体の奥側に限度を超えて移動すると、ガスケットが損傷したり、場合によってはガスケットを挟んだまま蓋体と容器本体とが強く嵌合したりする不具合が生じる。また、蓋体と容器本体とが強く嵌合すると、ドアが開かなくなるため、蓋体開閉機がエラーで停止してしまい、生産効率が低下したり、ガスケットの各部が損傷したりするため、基板収納容器のシール性が低下するなどの問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、大きな振動や衝撃を受けても、ガスケットが蓋体と容器本体との間で必要以上に圧縮されて変形したり、損傷したり、蓋体が容器本体に強く嵌合したりすることを防止できる基板収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明は、基板収納容器であって、開口を有する容器本体と、前記開口に嵌合されて前記容器本体に一体化される蓋体と、前記容器本体と前記蓋体の間をシールする環状のガスケットであって前記開口の内周に向けて延出するシール形成部をもつ前記ガスケットと、前記容器本体と前記蓋体の一方に設けられ、前記蓋体が前記容器本体に一体化された状態において前記ガスケットの前記シール形成部に接触するシール形成面と、前記シール形成面に対向するように前記容器本体と前記蓋体の他方に設けられ、前記シール形成面に当接することで前記蓋体の、前記容器本体の奥側へ移動を規制するストッパーと、を有し、前記ストッパーが、前記シール形成面が前記シール形成部に接触した状態において前記シール形成面との間に隙間を有するように配置されることを特徴とする。
【0010】
(2)本発明は、(1)の構成において、前記ストッパーが、前記シール形成部の外側に配置されることを特徴とする。
【0011】
(3)本発明は、(1)又は(2)の構成において、前記容器本体の奥側に向く方向と直交する方向において前記蓋体の前記容器本体に対する位置を規制するガイドをもつ取付け部品をさらに備え、前記取付け部品が、前記ストッパーを有するとともに前記蓋体に着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
【0012】
(4)本発明は、(3)の構成において、前記取付け部品が、横断面視において第1の方向の長さが第2の方向の長さよりも大きい軸部と、前記軸部の第1の端部に垂直に連結され、前記第1の方向に延出するとともに前記ストッパーを先端部にもち前記ガイドを外面にもつ第1の板部と、前記軸部の第2の端部に連結部を介して垂直に連結され、前記第2の端部に対向する第2の板部と、前記第2の板部の前記軸部側とは反対側に連結される被操作部と、を有し、前記蓋体が、前記開口の内周に沿って形成される周壁と、前記周壁の周方向に沿って長い貫通穴であって前記第1の板部及び前記軸部を挿入可能な前記貫通穴と、前記貫通穴の周縁のうち前記軸部が挿入される部分に突出して形成される係止リブと、を有し、前記取付け部品が、前記第1の板部及び前記軸部が前記周壁の内側から前記貫通穴に挿入されて前記第1の板部が前記周壁の外側に露出した後に、前記被操作部が第1の操作方向に回転操作されて、前記軸部の前記第2の端部と前記第2の板部とが前記係止リブを挟持することにより、前記ストッパーが前記シール形成面に対向した姿勢で前記蓋体に取り付けられる一方、前記被操作部が前記第1の操作方向とは反対側に向く第2の操作方向に回転操作されることにより、前記蓋体から取り外し可能であることを特徴とする。
【0013】
(5)本発明は、(4)の構成において、前記貫通穴が、前記取付け部品が前記蓋体に取り付けられた状態において、前記第2の方向に沿って延出する前記第2の板部により、閉鎖されることを特徴とする。
【0014】
(6)本発明は、(3)の構成において、前記取付け部品が、前記ストッパーを先端部にもち前記ガイドを外面にもつ第1の板部と、前記第1の板部の基端部に直角に連結される第2の板部と、前記第2の板部の幅方向に突出して設けられる第1の係止部と、を有し、前記蓋体が、前記開口の内周に沿って形成される周壁と、前記周壁に設けられ、前記第1の板部を挿入可能な貫通穴と、前記貫通穴に対向するように前記周壁の内側に設けられる第2の係止部と、を有し、前記取付け部品が、前記第1の板部が前記周壁の内側から前記貫通穴に挿入されて前記周壁の外側に露出した後に、前記周壁の周方向に沿う第1の操作方向に摺動操作されて、前記第1の係止部が前記第2の係止部に係止されることにより、前記ストッパーが前記シール形成面に対向した姿勢で前記蓋体に取り付けられる一方、前記第1の操作方向とは反対側に向く第2の操作方向に摺動操作されることにより、前記蓋体から取り外し可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の基板収納容器によれば、大きな振動や衝撃を受けても、ガスケットが蓋体と容器本体との間で必要以上に圧縮されて変形したり、損傷したり、蓋体が容器本体に強く嵌合したりすることを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0018】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る基板収納容器の全体構成を
図1から
図4に基づいて説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係る基板収納容器1は、容器本体2の前面に開口4を有し複数の基板(図示省略)を整列させて(水平にして垂直方向に並べて)収納する容器本体2と、開口4を閉鎖する蓋体11と、容器本体2の開口4と蓋体11の間に設けられ、容器本体2と蓋体11の間をシールする環状のガスケット12と、を備える。
【0019】
以下の説明及び図中において、矢印Yで示される方向(以下、「Y方向」と称する)は蓋体11側から容器本体2の奥側に向く方向を示し、矢印Xで示される方向(以下、「X方向」と称する)はY方向と直交する方向であって蓋体11の横方向を示し、矢印Zで示される方向(以下、「Z方向」と称する)はY方向及びX方向と直交する方向であって蓋体11の高さ方向を示す。
【0020】
図2に示すように、容器本体2の天井面2aには、ロボティックフランジ7が着脱自在に装着される。基板収納容器1は、このロボティックフランジ7が自動の天井搬送機に保持されることにより、工程内及び工程間を搬送される。また、容器本体2の開口4の内周は、蓋体11が開口4を閉鎖した状態においてガスケット12のシール形成部12b(後述)に接触する環状のシール形成面4aを有する。さらに、開口4の内周には、施錠機構11aの動力伝達プレート11a2(後述)が挿入される複数の係合穴4bが設けられる。
【0021】
また、容器本体2には、その対向する内面2bに一対の支持部材8が設けられ、支持部材8には、基板の周縁部を水平に保持する支持部がZ方向に一定間隔で形成されている。また、蓋体11の裏面には、基板の周縁部を保持する保持部材13が取り付けられる(
図4参照)。
【0022】
図3に示すように、蓋体11は、本体11bと、本体11bの前側を覆うカバー部材11cとを備える。本体11bには、施錠機構11aが組み込まれ、施錠機構11aは、図示しないキーによって回転される回転プレート11a1と、この回転プレート11a1に連結されてZ方向に摺動可能な一対の動力伝達プレート11a2と、を備え、キーによって回転プレート11a1を回転操作することにより、動力伝達プレート11a2の先端部を係合穴4bに挿入・係合させ、蓋体11を容器本体2に施錠した状態で一体化することができる。
【0023】
蓋体11の本体11bは、開口4の内周に沿って形成される周壁11dを有し、この周壁11dには、蓋体11のY方向(
図1参照)への移動を規制する機能と蓋体11のZ方向の位置を規制する機能を兼ね備える取付け部品20が着脱可能に取り付けられる。周壁11dに設けられる取付け部品20の個数及び配置は任意であるが、この例では、蓋体11の本体11bのZ方向に対向する2つの辺部のそれぞれに、複数(例えば、2つ)の取付け部品20を配置する。
【0024】
なお、容器本体2と蓋体11は、例えばポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマーなどの合成樹脂から形成することができる。また、これらの樹脂に、カーボンパウダー、カーボン繊維、カーボンナノチューブなどを添加して、導電性を付与することもできる。
【0025】
(取付け部品及びその周辺構造)
次に、取付け部品20及びその周辺構造を
図5から
図9に基づいて説明する。ガスケット12は、蓋体11の本体11bの内面側に設けられた嵌合保持溝11b1に着脱可能に嵌合される基体12a(
図8参照)と、この基体12aから容器本体2と蓋体11の間に延出するリップ状のシール形成部12b(
図8参照)とを有する。
【0026】
図8において、基体12aの表面には、その長手方向に延在する複数の凸条部12cが形成されており、これら凸条部12cの弾力によって嵌合保持溝11b1に対するガスケット12の気密性が確保されている。また、嵌合保持溝11b1は、Z方向と反対向きに開放する溝であり、ガスケット12は、基体12aが嵌合保持溝11b1からZ方向と反対向きに引き抜かれることで取り外し可能である。シール形成部12bは、基体12aから斜めに湾曲しながらシール形成面4aに向けて延出され、蓋体11が開口4を閉塞した状態においてシール形成面4aに接触する。これにより、開口4の内周と蓋体11との間がシールされている。
【0027】
図5及び
図6に示すように、周壁11dは、X方向及びY方向に延びる複数の補強リブ11eと、周壁11dの厚み方向(Z方向)に貫通する貫通穴11fとを有する。貫通穴11fは、周壁11dの周方向に沿って長い穴であって、取付け部品20を周壁11dの内側から挿入させて周壁11dの外側に露出させるとともに回転可能に支持する。貫通穴11fは、取付け部品20を回転可能に支持する円形の軸穴11f1と、軸穴11f1に連なり取付け部品20における第1の板部21(後述)の先端側部分を挿入可能な四角形状の挿入穴11f2とを有する。また、貫通穴11fには、対向する一対の係止リブ11gが形成されており、これら一対の係止リブ11gは、貫通穴11fの周縁のうち、取付け部品20の軸部22(後述)が挿入される軸穴11f1に突出して形成される。さらに、周壁11dの外側であって貫通穴11fのY方向側の近傍には、取付け部品20の第1の凸部21c(後述)に係合する第2の凸部11hが設けられる(
図7参照)。
【0028】
図8に示すように、取付け部品20は、第1の板部21、軸部22、第2の板部23及び被操作部25を有する。
【0029】
軸部22は、その軸線をZ方向に向けており、横断面視においてY方向(第1の方向)の長さL1(
図6参照)が、X方向(第2の方向)の長さL2(
図6参照)よりも大きく形成されている。軸部22は、軸穴11f1に嵌合可能であり、取付け部品20は、軸部22と軸穴11f1の嵌合により、X方向及びY方向の移動が防止されている。
【0030】
図8に示すように、第1の板部21は、軸部22の第1の端部22aに垂直に連結されており、Y方向に延出している。第1の板部21は、Y方向に突出するストッパー21aを先端部にもち、Z方向と反対向きに突出するリブ状のガイド21bを外面にもつ。また、第1の板部21は、ストッパー21aの内側に設けられる第1の凸部21cを有する。ガイド21bは、開口4の内周に沿うように形成されており、開口4の内周に当接することで、Z方向において、蓋体11の容器本体2に対する位置を規制する。
【0031】
ストッパー21aは、蓋体11が開口4を閉鎖し、シール形成面4aがシール形成部12bに接触した状態において、シール形成面4aに対向し、かつ、シール形成面4aとの間に隙間Cを有するように配置される。この例では、ストッパー21aの先端は、Y方向において、シール形成部12bの基端と略同じ位置にある。そして、ストッパー21aは、シール形成面4aに当接することで蓋体11のY方向への必要以上の移動を規制する。
【0032】
すなわち、
図9に示すように、ストッパー21aは、蓋体11をY方向に移動させる衝撃や振動を蓋体11が受けると(矢印(1))、隙間Cを移動し、その先端がシール形成面4aに当接する(矢印(2))。これにより、白抜きの矢印(3)で示す荷重がストッパー21aの先端に加わり、白抜きの矢印(4)で示す荷重が周壁11dの一部(ここでは、貫通穴11fに連なる荷重受け部11i)に加わる。したがって、ストッパー21aは、蓋体11が隙間Cの大きさ以上にY方向に移動することを防止する。一方、通常の状態では、ストッパー21aとシール形成面4aとの間には隙間Cがあるため、ガスケット12のシール形成部12bの弾性に影響を与えることがない。
【0033】
第2の板部23は、軸部22の第2の端部22bに連結部22cを介して垂直に連結され、X方向に延出する。第2の板部23は、軸部22の第2の端部22bとの間で一対の係止リブ11gを挟持することにより、取付け部品20のZ方向の移動を防止している。また、第2の板部23は、貫通穴11fのうち第1の板部21が出し入れされる挿入穴11f2(
図6参照)を閉塞可能である。
【0034】
被操作部25は、第2の板部23の軸部22側とは反対側に連結されており、Y方向と反対向きに延びる板状の摘まみ25aを有する。
【0035】
(第1実施形態に係る取付け部品の取付け方法)
続いて、取付け部品20の取付け方法を
図10に基づいて説明する。
図10(a)に示すように、まず、取付け部品20の第1の板部21及び軸部22を、周壁11dの内側から外側に、貫通穴11fを通じて挿入し(矢印(5))、第1の板部21を露出させる。次に、
図10(b)に示すように、被操作部25の摘まみ25aを第1の操作方向に起こすように回転操作する(矢印(6))。
【0036】
これにより、
図10(c)に示すように、第2の板部23が貫通穴11fの挿入穴11f2を閉塞するともに、第1の板部21が回転し、第1の板部21の第1の凸部21cが周壁11dの第2の凸部11hを乗り越え(
図7参照)、かつ、軸部22の第2の端部22bと第2の板部23とが係止リブ11gを挟持する。これにより、取付け部品20は、戻り方向の回転が防止された状態で、ストッパー21aがシール形成面4aに隙間Cを有して対向する姿勢で、蓋体11に取り付けられる(
図8参照)。
【0037】
そして、取付け部品20を蓋体11から取り外すときは、被操作部25の摘まみ25aを第1の操作方向とは反対側に向く第2の操作方向に回転操作する(
図10(c)、矢印(7))。これにより、第1の凸部21cが第2の凸部11hから外れるともに第2の板部23が係止リブ11gを解放するため、貫通穴11fから第1の板部21をZ方向に引き抜くことが可能となり、取付け部品20は、蓋体11から取り外し可能となる。
【0038】
(第1実施形態の効果)
以上、説明した実施形態の効果について述べる。基板収納容器1によれば、大きな振動や衝撃を受けても、ストッパー21aにより、蓋体11が隙間Cの大きさ以上にY方向に移動することを規制できるため、ガスケット12が蓋体11と容器本体2との間で必要以上に圧縮されて変形することを防止することができる。これにより、ガスケット12やシール形成面4aが損傷することがないので、基板収納容器1の密封性を良好に維持することができる。また、蓋体11が容器本体2に強く嵌合することを防止できるので、蓋体開閉装置がエラーで停止するなどの不具合も防止される。したがって、蓋体開閉装置において、蓋体11を円滑に自動で開けることができので、生産効率の向上を図ることができる。
【0039】
また、蓋体11とは別部品である取付け部品20にガイド21bを設けたので、取付け部品20を滑り性のよい材料(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタールなど滑り性のよい合成樹脂で、容器本体2との摩擦係数が低い材料)で構成することができる。このため、蓋体11を容器本体2により円滑に位置決めすることができる。また、ストッパー21aとガイド21bを1つの部品(取付け部品20)で構成できるので、部品点数を抑えることもできる。
【0040】
さらに、ガスケット12が嵌合保持溝11b1からZ方向に沿って取り外されるものであり、ストッパー21aが、シール形成部12bの外側においてシール形成部12bを覆うように配置されていても、取付け部品20が蓋体11に着脱可能であるため、取付け部品20を蓋体11から取り外すことで、嵌合保持溝11b1の側方に十分な空間を確保でき、治具などを用いてガスケット12を容易に取り外すことができる。
【0041】
加えて、取付け部品20を蓋体11の本体11bの内側にて着脱できるようにしたので、取付け部品20は、取り外し可能である一方、蓋体11から容易に外れてしまうことも防止されている。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第1実施形態を
図11から
図15に基づいて説明する。なお、前述した基板収納容器1(
図1参照)と共通する要素には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0043】
前述した第1実施形態に係る基板収納容器1においては、取付け部品20を回転操作により蓋体11に取り付けたが、取付け部品の取付けは、回転操作以外の操作によって行われてもよい。
【0044】
例えば、
図11に示すように、第2実施形態に係る基板収納容器1Bでは、摺動操作によって取付け可能な取付け部品30が周壁11dに設けられる。
【0045】
図12に示すように、周壁11dは、その厚み方向(Z方向)に貫通する貫通穴41fを有する。貫通穴41fは、取付け部品30の第2の板部32(後述)を摺動可能に支持するスリット状の摺動穴41f1と、取付け部品30の第1の板部31(後述)の外形に対応した内形を有するように摺動穴41f1よりも大きく形成される四角形状の挿入穴41f2とを有する。
【0046】
図13に示すように、取付け部品30は、板状の部品であって、第1の板部31、第2の板部32及び第3の板部33を有する。
【0047】
第1の板部31は、Y方向に突出するストッパー31aを先端部にもち、Z方向と反対向きに突出するリブ状のガイド31bを外面にもつ。また、第1の板部31は、Y方向と反対向きに突出する突起31cを有する。ガイド31bは、開口4の内周に沿うように形成されており、開口4の内周に当接することで、Z方向における蓋体11の容器本体2に対する位置を規制する。
【0048】
ストッパー31aは、蓋体11が開口4を閉鎖し、シール形成面4aがシール形成部12bに接触した状態において、シール形成面4aに隙間Cを有して対向する。ストッパー31aは、前述したストッパー21a(
図8参照)と同様に、蓋体11のY方向の移動を規制する。なお、この例では、ストッパー31aの先端がシール形成面4aから受ける荷重は、突起31cを介して周壁11dの荷重受け部11iに加わる。
【0049】
第2の板部32は、第1の板部31の基端部に直角に連結されており、Z方向に沿って延びる。第2の板部32の幅方向(X方向)の両側には、一対の第1の係止部32aが突出して設けられる。これら一対の第1の係止部32aに対応するように、周壁11dの内側には、X方向に離間して並ぶ一対の第2の係止部41gが設けられる。一対の第1の係止部32aは、一対の第2の係止部41gによりX方向及びZ方向に係止されており、これにより、取付け部品30は、移動が防止された状態で、その位置が保持されている。
【0050】
第3の板部33は、第2の板部32の第1の板部31側とは反対側に直角に連結される。第3の板部33は、第2の板部32に対して、第1の板部31の屈曲方向とは反対向き(Y方向と反対向き)に屈曲し、カバー部材11cに向かって延びている。
【0051】
(第2実施形態に係る取付け部品の取付け方法)
続いて、取付け部品30の取付け方法を
図14に基づいて説明する。
図14(a)に示すように、まず、取付け部品30の第1の板部31を、貫通穴41fの挿入穴41f2を通じて、周壁11dの内側から外側に向けて(Z方向と反対向きに)挿入し(矢印(8))、第1の板部31を露出させる。次に、
図14(b)に示すように、第3の板部33を摘むなどして、取付け部品30を周壁11dの周方向に沿う第1の操作方向(X方向)に摺動操作する(矢印(9))。
【0052】
これにより、
図14(c)に示すように、第1の板部31が摺動穴41f1のX方向の端部まで移動し、第1の板部31のY方向における移動が摺動穴41f1によって防止される。そして、この状態から、第3の板部33をY方向と反対向きに少し持ち上げながら取付け部品30をZ方向に移動させる(
図15参照)。
【0053】
すると、
図14(d)に示すように、取付け部品30側の一対の第1の係止部32aが、蓋体11側の一対の第2の係止部41gを乗り越えるため、取付け部品30は、X方向及びZ方向においても移動が防止される。これにより、取付け部品30は、移動が防止され、かつ、第1の板部31のストッパー31aがシール形成面4aに隙間Cを有して対向する姿勢で、蓋体11に取り付けられる(
図13参照)。
【0054】
一方、取付け部品30を蓋体11から取り外すときは、一対の第1の係止部32aを一対の第2の係止部41gから外しながら、第3の板部33を第1の操作方向とは反対側に向く第2の操作方向(X方向と反対向き)に摺動操作する(
図14(d)、矢印(10))。これにより、取付け部品30は、その第1の板部31が貫通穴41fから引き抜き可能となり、蓋体11から取り外される。
【0055】
(第2実施形態の効果)
この第2実施形態に係る基板収納容器1Bにおいても、前述した基板収納容器1と同様に、大きな振動や衝撃を受けても、ストッパー31aにより、蓋体11が隙間Cの大きさ以上にY方向に移動することを規制できるため、ガスケット12が蓋体11と容器本体2との間で必要以上に圧縮されて変形することを防止することができる。また、蓋体11が容器本体2に強く嵌合することを防止することができる。
【0056】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またそのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0057】
例えば、実施形態では、容器本体2側にシール形成面4aが設けられ、蓋体11側にストッパー21a,31aが設けられる構成を示したが、蓋体11側にシール形成面が設けられ、容器本体2側にストッパーが設けられてもよく、要は、容器本体2と蓋体11のうち、一方にシール形成面が設けられ、他方にストッパーが設けられる構成であればよい。また、実施形態では、ストッパーとガイドを1つの部品(取付け部品20,30)で構成したが、ストッパーとガイドは、それぞれ別の部品で構成することもできる。