特許第6396316号(P6396316)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6396316過膨張を治療するための手持ち圧力支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6396316
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】過膨張を治療するための手持ち圧力支援システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20180913BHJP
【FI】
   A61M16/00 370Z
   A61M16/00 380
   A61M16/00 305A
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-547218(P2015-547218)
(86)(22)【出願日】2013年12月4日
(65)【公表番号】特表2015-536787(P2015-536787A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】IB2013060629
(87)【国際公開番号】WO2014091367
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2016年12月1日
(31)【優先権主張番号】61/736,713
(32)【優先日】2012年12月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】マハデバン アナンディ
(72)【発明者】
【氏名】マードック ロバート ウィリアム
【審査官】 和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−501074(JP,A)
【文献】 特表2012−505691(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0118290(US,A1)
【文献】 特表2010−509004(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0249300(US,A1)
【文献】 特開2002−011099(JP,A)
【文献】 特表2008−540062(JP,A)
【文献】 仏国特許出願公開第02905275(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
A61B 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸可能ガスの加圧流を対象者の気道に供給する携帯型手持ち圧力支援システムであって、
(a)前記呼吸可能ガスの加圧流を発生する圧力発生器と、
(b)前記呼吸可能ガスの加圧流を前記対象者の気道に伝達する対象者インターフェースと、
(c)前記呼吸可能ガスの加圧流の1以上のガスパラメータに関する情報を伝える出力信号を発生する1以上のセンサと、
(d)コンピュータプログラムモジュールを実行する1以上のプロセッサであって、
(1)前記呼吸可能ガスの加圧流を前記1以上のセンサからの出力信号に基づき、吸気圧レベル及び呼気圧レベルを指示する陽圧支援治療法に従って発生するように前記圧力発生器の動作を制御する制御モジュールと、
(2)呼気の間の過膨張を前記出力信号に基づいて識別する過膨張モジュールと、
(3)前記過膨張モジュールによる過膨張の識別に応答して、呼気の間の過膨張を軽減すべく前記呼気圧レベルを調整するために前記圧力発生器を制御する呼気圧モジュールと、
を有する1以上のプロセッサと、
(e)前記圧力発生器、前記1以上のセンサ及び前記1以上のプロセッサに給電する携帯型電力システムと、
(f)前記圧力発生器、前記対象者インターフェース、前記1以上のセンサ、前記1以上のプロセッサ及び前記携帯型電力システムを格納するハウジングと、
(g)前記呼吸可能ガスの加圧流が前記対象者の気道に供給される際に前記ハウジングを前記対象者の気道に対して定位置に保持すべく前記対象者により把持される、前記ハウジングに取り付けられ及び/又は前記ハウジングにより形成されるハンドルと、
を有する、圧力支援システム。
【請求項2】
前記コンピュータプログラムモジュールが、前記対象者の1以上の呼吸パラメータを前記出力信号に基づいて決定するパラメータモジュールであって、前記呼吸パラメータが1回換気量、流量、圧力、ピーク流量、ピーク圧力及び呼気流量限界の1以上を含むパラメータモジュールを更に有し、前記過膨張モジュールが前記呼吸パラメータに基づいて呼気の間の過膨張を識別する、請求項1に記載の圧力支援システム。
【請求項3】
前記ハウジングの最大容積が135立方インチである、請求項1に記載の圧力支援システム。
【請求項4】
前記電力システムが約20Vまでの電圧を供給する、請求項1に記載の圧力支援システム。
【請求項5】
当該圧力支援システムの重量が約3ポンドまでである、請求項1に記載の圧力支援システム。
【請求項6】
ハウジングを含む手持ち圧力支援システムの作動方法であって、前記ハウジングは、呼吸可能ガスの加圧流を発生する圧力発生器、前記呼吸可能ガスの加圧流を対象者の気道に伝達する対象者インターフェース、1以上のセンサ、電力システム及び1以上のプロセッサを格納し、前記1以上のプロセッサはコンピュータプログラムモジュールを実行し、該コンピュータプログラムモジュールは制御モジュール、過膨張モジュール及び呼気圧モジュールを含み、前記電力システムにより前記圧力発生器、前記1以上のセンサ及び前記1以上のプロセッサに携帯態様で給電され、前記ハウジングはハンドルを形成し及び/又はハンドルに取り付けられ、前記呼吸可能ガスの加圧流が前記対象者の気道に供給されるように、前記ハウジングを前記対象者の気道に対して定位置に保持すべく前記対象者により前記ハンドルが把持され、当該方法が
前記1以上のセンサが、前記呼吸可能ガスの加圧流の1以上のガスパラメータに関する情報を伝える出力信号を発生するステップと、
前記制御モジュールが、前記呼吸可能ガスの加圧流の発生を、前記1以上のセンサからの出力信号に基づき、吸気圧レベル及び呼気圧レベルを指示する陽圧支援治療法に従って制御するステップと、
前記過膨張モジュールが、呼気の間の過膨張を前記出力信号に基づいて識別するステップと、
前記呼気圧モジュールが、前記呼気の間の過膨張の識別に応答して、呼気の間の過膨張を軽減すべく前記呼気圧レベルを調整するために前記圧力発生器を制御するステップと、を有する、
方法。
【請求項7】
前記コンピュータプログラムモジュールはパラメータモジュールをさらに含み、
前記パラメータモジュールが、前記対象者の1以上の呼吸パラメータを前記出力信号に基づいて決定するステップであって、前記呼吸パラメータが1回換気量、流量、圧力、ピーク流量、ピーク圧力及び呼気流量限界の1以上を含むステップを更に有し、前記呼気の間における過膨張の識別が前記呼吸パラメータに基づくものである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ハウジングの最大容積が135立方インチである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記電力システムが約20Vまでの電圧を供給する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
当該圧力支援システムの重量が約3ポンドまでである、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
呼吸可能ガスの加圧流を対象者の気道に供給する携帯型手持ち圧力支援システムであって、
前記呼吸可能ガスの加圧流を発生する手段と、
前記呼吸可能ガスの加圧流を前記対象者の気道に伝達する手段と、
前記呼吸可能ガスの加圧流の1以上のガスパラメータに関する情報を伝える出力信号を発生する手段と、
コンピュータプログラムモジュールを実行する手段であって、前記コンピュータプログラムモジュールが、
(1)前記呼吸可能ガスの加圧流を、前記出力信号を発生する手段からの出力信号に基づき、吸気圧レベル及び呼気圧レベルを指示する陽圧支援治療法に従って発生するように前記呼吸可能ガスの加圧流を発生する手段の動作を制御する手段と、
(2)前記出力信号に基づいて呼気の間の過膨張を識別する手段と、
(3)前記識別する手段による過膨張の識別に応答して、呼気の間の過膨張を軽減すべく前記呼気圧レベルを調整するために前記呼吸可能ガスの加圧流を発生する手段を制御する手段と、
を有する前記コンピュータプログラムモジュールを実行する手段と、
前記呼吸可能ガスの加圧流を発生する手段、前記出力信号を発生する手段及び前記コンピュータプログラムモジュールを実行する手段に携帯態様で給電する手段と、
前記呼吸可能ガスの加圧流を発生する手段、前記伝達する手段、前記出力信号を発生する手段、前記コンピュータプログラムモジュールを実行する手段及び前記携帯態様で給電する手段型を格納する手段と、
前記対象者により把持されるべき前記対象者の手を係合させる手段であって、前記格納する手段に接続され及び/又は前記格納する手段により形成され、前記呼吸可能ガスの加圧流が前記対象者の気道に供給される際に前記格納する手段を前記対象者の気道に対して定位置に保持すべく前記対象者により把持される手段と、
を有する、圧力支援システム。
【請求項12】
前記コンピュータプログラムモジュールが、前記対象者の1以上の呼吸パラメータを前記出力信号に基づいて決定する手段であって、前記呼吸パラメータが1回換気量、流量、圧力、ピーク流量、ピーク圧力及び呼気流量限界の1以上を含む手段を更に有し、前記過膨張を識別する手段が前記呼吸パラメータに基づいて呼気の間の過膨張を識別する、請求項11に記載の圧力支援システム。
【請求項13】
前記格納する手段の最大容積が135立方インチである、請求項11に記載の圧力支援システム。
【請求項14】
前記携帯態様で給電する手段が約20Vまでの電圧を供給する、請求項11に記載の圧力支援システム。
【請求項15】
当該圧力支援システムの重量が約3ポンドまでである、請求項11に記載の圧力支援システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[01]本出願は、米国特許法(35 U.S.C.)第119条(e)の下で2012年12月13日に出願された米国予備特許出願第61/736,713号の優先権を主張するものであり、該出願の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[02]本開示は、呼吸可能ガスの加圧された流れを対象者の気道に供給するよう構成された携帯型手持ち圧力支援システムに関する。
【背景技術】
【0003】
[03]気道陽圧(PAP)は、呼吸中に気道を開状態に維持すると共に潰れを防止するために、患者の気道に供給することができる。この陽圧は、気道を効果的に“支え”、これにより、肺への開通路を維持する。呼吸困難又は息切れは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の主たる症状である。CODP患者は過膨張(hyperinflation;肺過膨張)にも見舞われ得る。CODP患者は、活動する場合に呼吸困難及び/又は過膨張の発生を被る。活動の形態は、例えば、家事雑用、地区の商店まで歩く、階段を登る等を含む。呼吸困難の発生は、患者の活動を行う能力を制限し得ると共に、不安又はパニックを引き起こし得、患者の動く機能を更に減少させる。COPD患者の幾らかは、呼吸困難の症状を軽減するために短期作用の気管支拡張薬を携行する。気管支拡張薬は、ステロイドを基剤とするもので、作用するのに典型的に4〜20分を要し、殆どが喘息性症状に対してのみ有効であり、高価な調合薬に依存している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、呼吸可能ガスの加圧された流れを対象者の気道に供給するよう構成された携帯型圧力支援システムに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[04]従って、本開示の1以上の態様は、呼吸可能ガスの加圧流を対象者(患者)の気道に供給する携帯型手持ち圧力支援システムに関するものである。該圧力支援システムは、圧力発生器、対象者インターフェース、1以上のセンサ、1以上のプロセッサ、携帯型電力システム、ハウジング及びハンドルを有する。前記圧力発生器は、呼吸可能ガスの加圧流を発生するように構成される。前記対象者インターフェースは、呼吸可能ガスの加圧流を対象者の気道に伝達するように構成される。前記1以上のセンサは、呼吸可能ガスの加圧流の1以上のガスパラメータに関する情報を伝える出力信号を発生するように構成される。前記1以上のプロセッサは、コンピュータプログラムモジュールを実行するように構成される。該コンピュータプログラムモジュールは、制御モジュール、過膨張モジュール及び呼気圧モジュールを有する。前記制御モジュールは、前記圧力発生器の動作を、呼吸可能ガスの加圧流を前記1以上のセンサからの出力信号に基づき、陽圧支援治療法に従って発生するように制御するよう構成される。前記陽圧支援治療法は、吸気圧レベル及び呼気圧レベルを指示する(指令する)。前記過膨張モジュールは、前記出力信号に基づいて呼気の間の過膨張を識別するように構成される。前記呼気圧モジュールは、前記過膨張モジュールによる過膨張の識別に応答して、呼気の間の過膨張を軽減すべく前記呼気圧レベルを調整するために前記圧力発生器を制御するように構成される。前記携帯型電力システムは、前記圧力発生器、前記1以上のセンサ及び前記1以上のプロセッサに給電するよう構成される。前記ハウジングは、前記圧力発生器、前記対象者インターフェース、前記1以上のセンサ、前記1以上のプロセッサ及び前記電力システムを格納するように構成される。前記ハンドルは、前記ハウジングに取り付けられ及び/又は前記ハウジングにより形成されると共に、前記呼吸可能ガスの加圧流が前記対象者の気道に供給される際に前記ハウジングを前記対象者の気道に対して定位置に保持すべく前記対象者により把持されるように構成される。
【0006】
[05]本開示の更に他の態様は、手持ち圧力支援システムにより呼吸可能ガスの加圧流を対象者の気道に供給する方法に関するものである。該手持ち圧力支援システムは、ハウジングを含む。該ハウジングは、圧力発生器、対象者インターフェース、1以上のセンサ、電力システム及び1以上のプロセッサを格納する。前記1以上のプロセッサはコンピュータプログラムモジュールを実行するように構成される。該コンピュータプログラムモジュールは、制御モジュール、過膨張モジュール及び呼気圧モジュールを含む。前記ハウジングはハンドルを形成し及び/又はハンドルに取り付けられる。当該方法は、前記圧力発生器により呼吸可能ガスの加圧流を発生するステップと;前記対象者インターフェースにより前記呼吸可能ガスの加圧流を前記対象者の気道に伝達するステップと;前記1以上のセンサにより前記呼吸可能ガスの加圧流の1以上のガスパラメータに関する情報を伝える出力信号を発生するステップと;前記制御モジュールにより前記呼吸可能ガスの加圧流の発生を、前記1以上のセンサからの出力信号に基づき、吸気圧レベル及び呼気圧レベルを指示する陽圧支援治療法に従って制御するステップと;前記過膨張モジュールにより呼気の間の過膨張を前記出力信号に基づいて識別するステップと;前記呼気圧モジュールにより、前記呼気の間の過膨張の識別に応答して、呼気の間の過膨張を軽減すべく前記呼気圧レベルを調整するために前記圧力発生器を制御するステップと;前記電力システムにより前記圧力発生器、前記1以上のセンサ、弁、及び前記1以上のプロセッサに携帯態様で給電するステップとを有し;前記呼吸可能ガスの加圧流が前記対象者の気道に供給される際に前記ハウジングが前記対象者の気道に対して定位置に保持されるように構成されたハンドルに、ユーザの手が係合する。
【0007】
[06]本開示の更に他の態様は、呼吸可能ガスの加圧流を対象者の気道に供給する携帯型手持ち圧力支援システムに関するものである。該圧力支援システムは、呼吸可能ガスの加圧流を発生する手段と;前記呼吸可能ガスの加圧流を前記対象者の気道に伝達する手段と;前記呼吸可能ガスの加圧流の1以上のガスパラメータに関する情報を伝える出力信号を発生する手段と;コンピュータプログラムモジュールを実行する手段と;を有する。前記コンピュータプログラムモジュールは、前記呼吸可能ガスの加圧流を、前記出力信号を発生する手段からの出力信号に基づき、吸気圧レベル及び呼気圧レベルを指示する陽圧支援治療法に従って発生するように前記呼吸可能ガスの加圧流を発生する手段の動作を制御する手段と;前記出力信号に基づいて呼気の間の過膨張を識別する手段と;前記識別する手段による過膨張の識別に応答して、呼気の間の過膨張を軽減すべく前記呼気圧レベルを調整するために前記呼吸可能ガスの加圧流を発生する手段を制御する手段と;を有する。当該圧力支援システムは、前記呼吸可能ガスの加圧流を発生する手段、前記出力信号を発生する手段及び前記コンピュータプログラムモジュールを実行する手段に携帯態様で給電する手段と;前記呼吸可能ガスの加圧流を発生する手段、前記伝達する手段、前記出力信号を発生する手段、前記コンピュータプログラムモジュールを実行する手段及び前記携帯態様で給電する手段型を格納する手段と;前記対象者により把持されるべき前記対象者の手を係合させる手段であって、前記格納する手段に接続され及び/又は前記格納する手段により形成され、前記呼吸可能ガスの加圧流が前記対象者の気道に供給される際に前記格納する手段を前記対象者の気道に対して定位置に保持すべく前記対象者により把持されるように構成された手段と;を更に有する。
【0008】
[07]本開示の上記及び他の目的、フィーチャ及び特徴、並びに動作の方法、関係する構造のエレメントの機能、構成部品の組み合わせ及び製造の経済性は、下記の説明及び添付請求項を、添付図面を参照して考察することにより一層明らかになるであろう。尚、上記添付図面の全ては本明細書の一部を形成するものであり、該図面における同様の符号は種々の図において対応する部分を示している。しかしながら、これら図面は図示及び説明の目的のためだけのものであり、本開示の限定を定めるものではないと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、対象者の気道に呼吸可能ガスの加圧流を供給するよう構成された携帯型手持ち圧力支援システムの概略図である。
図2図2は、携帯型手持ち圧力支援システムの一実施態様である。
図3図3は、対象者の気道に呼吸可能ガスの加圧流を供給する方法である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[11]本明細書で使用される場合、単数形は、前後関係が明らかにそうでないことを示さない限り、複数を含む。本明細書で使用される場合、2以上の部分又は構成要素が“結合される”なる記述は、これら部分が直接的又は間接的に(即ち、リンクが生じる限りにおいて、1以上の介在部分又は構成要素を介して)接合され又は一緒に動作することを意味する。本明細書で使用される場合、“直接結合される”とは、2つの要素が互いに直に接触することを意味する。本明細書で使用される場合、“固定的に結合され”又は“固定され”とは、2つの構成要素が1つとして運動するように結合されると同時に、互いに一定の向きを維持することを意味する。
【0011】
[12]本明細書で使用される場合、“一体の”なる文言は、構成要素が1つの部分又はユニットとして形成されていることを意味する。即ち、別々に形成され、次いでユニットとして一緒に結合された複数の部分を含む構成要素は、“一体の”構成要素又は主体ではない。本明細書で使用される場合、2つの部分又は構成要素が互いに“係合する”なる記述は、これら部分が互いに対して直接的に又は1以上の介在部分又は構成要素を介して力を及ぼすことを意味する。本明細書で使用される場合、“数”なる用語は、1又は1より大きな整数(即ち、複数)意味する。
【0012】
[13]例えば限定なしで、頂部、底部、右、左、上部、下部、前部、後部、及びこれらの派生語等の、本明細書で使用される方向性語句は、図面に示された要素の向きに関係するものであり、明示的に示されない限り、請求項を限定するものではない。
【0013】
[14]図1は、対象者(患者)12に対して圧力支援治療を施すように構成された携帯型手持ち圧力支援システム10を概略的に示している。圧力支援システム10は、圧力支援治療を、対象者12の気道に供給される呼吸可能ガスの加圧された流れの形態で施すように構成されている。圧力支援システム10は、COPD患者、並びに/又は呼吸困難、過膨張及び/又は他の病状を患う他の患者を治療するように構成されている。システム10は当該圧力支援治療の呼気圧レベルを、対象者12における過膨張の識別に応じて調整するように構成されている。対象者12に施される圧力支援治療は、対象者12により、息切れ、過膨張及び/又は他の症状を迅速に軽減するために必要に応じて(例えば、間欠的に)使用される。圧力支援システム10は、対象者12が当該システム10を携行し、該システム10を装置が顔面に装着されることを要せずに必要に応じて使用することができるように、小型で軽量となるように構成されている。本開示は、携帯型手持ち圧力支援システム10を、CODPによる過膨張及び/又は呼吸困難に関係する症状及び/又は病状を治療するため、並びに/又は他の用途のために使用することができることを想定している。上記他の用途は、例えば、肺癌に関係する呼吸困難の治療、気腫の治療、肺炎の治療、チェーン・ストークス呼吸及び/又は他の呼吸障害の治療、呼吸困難及び/又は過膨張により制限される患者の運動能力の改善、並びに/又は他の用途を含むことができる。
【0014】
[15]同様の携帯型手持ち圧力支援システムの例は、“携帯型手持ち圧力支援システム及び方法”なる名称で2012年4月24日に出願された米国特許出願第61/637,586号、及び/又は“携帯型手持ち混合ガス富化圧力支援システム及び方法”なる名称で2012年5月30日に出願された米国特許出願第61/653,052号に記載されており、これら両出願の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0015】
[16]幾つかの実施態様において、システム10は、圧力発生器14、対象者インターフェース16、1以上のセンサ18、1以上のプロセッサ20、ユーザインターフェース22、電子記憶部24、携帯型電力システム26、ハウジング28、ハンドル30、及び/又は他の構成部品の1以上を有している。
【0016】
[17]圧力発生器14は、対象者12の気道に供給するためのガス流を発生するように構成されている。圧力発生器14は、治療目的で及び/又は他の目的で、当該ガス流の1以上のパラメータ(例えば、流量、圧力、体積(ボリューム)、温度、ガス組成等)を制御することができる。限定するものでない例として、圧力発生器14は、対象者12の気道に圧力支援を行うために、該患者の呼気の間に上記ガス流の呼気圧レベルを制御するように構成することができる。
【0017】
[18]圧力発生器14は、周囲大気等のガス源からガスの流れを受け、患者の気道に供給するために該ガスの圧力を上昇させる。幾つかの実施態様において、圧力発生器14は吸気ポート15を介してガス源からガス流を受入する。圧力発生器14は、受入されたガスの圧力を患者に供給するために上昇させる、又はガスの流れを発生させることができる、例えばポンプ、送風機、ピストン又はベローズ等の何らかの装置である。圧力発生器14は、ガスの圧力/流れを制御するための1以上の弁を有することができる。本開示は、患者に供給されるガスの圧力/流れを制御するために、送風機の動作速度を単独で又は斯様な弁との組み合わせで制御することも想定している。
【0018】
[19]幾つかの実施態様において、圧力発生器14は、約1cm水柱と約40cm水柱との間の圧力において呼吸可能ガスの加圧流を供給するように構成することができる。幾つかの実施態様において、圧力発生器14は、約2cm水柱と約30cm水柱との間の圧力において呼吸可能ガスの加圧流を供給するように構成することができる。
【0019】
[20]対象者インターフェース16は、上記呼吸可能ガスの加圧流を対象者12の気道に送るように構成される。従って、対象者インターフェース16は導管40、インターフェース装置42、フィルタ43及び/又は他の構成部品を有している。幾つかの実施態様において、フィルタ43は細菌及び/又は他の物質を濾過除去するように構成される。導管40は、前記ガスの加圧流をインターフェース装置42へ伝送するように構成される。インターフェース装置42は該ガス流を対象者12の気道へ供給するように構成される。幾つかの実施態様において、インターフェース装置42は対象者12の口により非侵襲的に係合されるように構成される。非侵襲的係合は、対象者12の気道とインターフェース装置42との間でガスを通わせるために、対象者12の気道の1以上の外部開口部(例えば、鼻孔及び/又は口)に取外し可能に係合させることを含む。
【0020】
[21]幾つかの実施態様において、インターフェース装置42は導管40に取外し可能に結合される。インターフェース装置42は、清掃のために及び/又は他の目的で取り外すことができる。幾つかの実施態様において、導管40は対象者12の口により係合されるべきマウスピースとして構成することができる。
【0021】
[22]幾つかの実施態様においては、他の非侵襲的インターフェース装置をインターフェース装置42として構成することもできる。非侵襲的インターフェース装置42の幾つかの例は、例えば、鼻カニューレ、鼻マスク、鼻/口マスク、フルフェースマスク、全面マスク(total face mask)、又はガス流を対象者の気道に通じさせる他のインターフェース装置を含むことができる。本開示は、これらの例に限定されるものではなく、如何なるインターフェース装置を用いた対象者に対するガス流の供給も想定している。幾つかの実施態様において、システム10は古典的呼吸回路(例えば、6フィートチューブ)に該古典的呼吸回路が対象者インターフェース16として機能するように接続することができる。
【0022】
[23]1以上のセンサ18は、当該システム10内のガスの1以上のパラメータに関する情報を伝達する出力信号を発生するように構成される。システム10内のガスの上記1以上のパラメータは、前記呼吸可能ガスの加圧流に関係するガスパラメータ、対象者12の呼吸に関係する呼吸パラメータ、及び/又は他のパラメータを含むことができる。センサ18は、このようなパラメータを直接的に(例えば、インターフェース装置42におけるガス流との流体的連通を介して)測定する1以上のセンサを有することができる。センサ18は、上記1以上のパラメータに間接的に関係する出力信号を発生する1以上のセンサを有することができる。例えば、センサ18は、圧力発生器14の動作パラメータに基づいて出力(例えば、モータの電流、電圧、回転速度及び/又は他の動作パラメータからの患者流量及び/又は圧力の推定)を発生するように構成された1以上のセンサ、及び/又は他のセンサを有することができる。
【0023】
[24]上記呼吸可能ガスの加圧流の1以上のガスパラメータは、例えば、流量、体積(ボリューム)、圧力、湿度、温度、加速度、速度、ピーク吸気及び呼気流量、ピーク吸気及び呼気圧、及び/又は他のガスパラメータの1以上を含むことができる。対象者12の呼吸に関係する呼吸パラメータは、1回換気量、呼気流量限界、タイミング(例えば、吸気の開始及び/又は終了、呼気の開始及び/又は終了、等)、呼吸速度、持続時間(例えば、吸気の、呼気の、単一呼吸サイクルの、等)、呼吸頻度、ピーク吸気及び呼気流量、ピーク吸気及び呼気圧、及び/又は他の呼吸パラメータを含むことができる。
【0024】
[25]図1においてセンサ18はシステム10内の単一の位置に図示されているが、これは限定しようとするものではない。センサ18は、例えば、導管40内の(又は導管40に連通する)、圧力発生器14内の、インターフェース装置42内の(又はインターネット装置42に連通する)種々の位置、及び/又は他の位置等の、複数の位置に配置されたセンサを有することができる。
【0025】
[26]プロセッサ20は、当該システム10において情報処理能力を提供するように構成される。従って、プロセッサ20は、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態マシン、及び/又は情報を電子的に処理するための他のメカニズムの1以上を有することができる。プロセッサ20は図1では単一の主体として示されているが、これは図示の目的のために過ぎない。幾つかの実施態様において、プロセッサ20は複数の処理ユニットを有することができる。これらの処理ユニットは物理的に同一の装置(例えば、圧力発生器14)内に位置させることができるか、又はプロセッサ20は共同して動作する複数の装置の処理機能を表すことができる。
【0026】
[27]図1に示されるように、プロセッサ20は1以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するように構成されている。該1以上のコンピュータプログラムモジュールは、パラメータモジュール50、制御モジュール54、過膨張モジュール56、呼気圧モジュール58、及び/又は他のモジュールの1以上を有することができる。プロセッサ20は、モジュール50、54、56及び/又は58を、ソフトウェア;ハードウェア;ファームウエア;ソフトウェア、ハードウェア及び/又はファームウエアの何らかの組み合わせ;並びに/又はプロセッサ20上で処理能力を構成する他のメカニズムにより実行するよう構成することができる。
【0027】
[28]モジュール50、54、56及び58は図1では単一の処理ユニット内に一緒に配置されているように図示されているが、プロセッサ20が複数の処理ユニットを有する実施態様では、モジュール50、54、56及び58の1以上は他のモジュールから離れて配置することもできると理解されるべきである。以下に記載される異なるモジュール50、54、56及び58により提供される機能の説明は、解説目的のためであり、限定することを意図するものではない。というのは、モジュール50、54、56及び/又は58の何れも、説明されるものより多い又は少ない機能を提供することができるからである。例えば、モジュール50、54、56及び/又は58の1以上を削除することができ、その機能の幾つか又は全てを他のモジュール50、54、56及び/又は58により提供することができる。他の例として、プロセッサ20は、下記ではモジュール50、54、56及び/又は58の1つに帰属される機能の幾つか又は全てを実行することができる1以上の追加のモジュールを実行するように構成することができる。
【0028】
[29]パラメータモジュール50は、システム10内の1以上のパラメータを決定するように構成される。システム10内の該1以上のパラメータは、前記呼吸可能ガスの加圧流に関するガスパラメータ、対象者12の呼吸に関する呼吸パラメータ、及び/又は他のパラメータを含むことができる。パラメータモジュール50は、斯かる1以上のパラメータをセンサ18の出力信号に基づいて決定するように構成される。該パラメータモジュール50により決定された情報は、圧力発生器14を制御するために使用し、電子記憶部24に記憶し、及び/又は他の用途に使用することができる。
【0029】
[30]パラメータモジュール50により決定される上記1以上のパラメータは、例えば、流量、ボリューム、圧力、湿度、温度、加速度、速度、1回換気量、呼気流量限界、タイミング(例えば、吸気の開始及び/又は終了、呼気の開始及び/又は終了、等)、呼吸速度、持続時間(例えば、吸気の、呼気の、単一呼吸サイクルの、等)、呼吸頻度、ピーク流量、ピーク圧力、及び/又は他のパラメータの1以上を含むことができる。
【0030】
[31]制御モジュール54は、圧力発生器14を、ガスの流れを陽圧支援治療法に従って発生するように制御するよう構成される。幾つかの実施態様において、陽圧支援治療法は吸気圧レベル及び呼気圧レベルを指示する。気道陽圧支援治療において、圧力発生器により発生されたガスの加圧流は、患者の通常の呼吸を置換し及び/又は補完するように制御される。気道陽圧支援治療は、患者の開いた気道を維持して、酸素及び二酸化炭素が一層容易に交換され得るようにし、患者の僅かの努力しか要せず及び/又は何の努力も要さないようにするために用いることができる。限定するものでない例示として、制御モジュール54は圧力発生器14を、上記ガスの流れを介して対象者に提供される圧力支援が、バイ(2)レベル気道陽圧支援(BiPAP)、比例気道陽圧支援(PPAP)、強制振動技術、及び/又は他のタイプの圧力支援治療を含むように制御することができる。
【0031】
[32]BiPAPは、換気の間において第1の吸気圧(IPAP)及び一層容易な呼気のために第2の(典型的には、一層低い)呼気圧(EPAP)を供給する。幾つかの治療モード(例えば、PPAP)において、制御モジュール54は圧力発生器14を、吸気の間及び/又は呼気の間において患者に供給される圧力の量が呼吸毎に決定されて供給されるような可変圧力支援を付与するように制御することができる。幾つかの実施態様において、制御モジュール54は、圧力発生器14を対象者12に対して終末呼気陽圧(PEEP)を付与するように制御するよう構成される。PEEPは気道を開通状態に維持する助けとなる。PEEPレベルは、患者に対して最適な換気を提供するために内在性peepレベルを克服する値に調整することができる。最適な換気は、最適な血液酸素飽和レベルを維持すること及びCOを吐き出すことを含む。幾つかの実施態様において、EPAPレベル及びPEEPレベルは同様及び/又は同一であり得る。
【0032】
[33]制御モジュール54は圧力発生器14を、センサ18からの出力信号に関係する情報、パラメータモジュール50により決定された情報、ユーザによりユーザインターフェース22に入力された情報、制御モジュール54により対象者12の前の呼吸に基づいて決定された情報に基づいて、及び/又は他の情報に基づいて制御するよう構成される。
【0033】
[34]過膨張モジュール56は、呼気の間の過膨張を前記出力信号に基づいて識別するように構成される。過膨張モジュール56は過膨張を、センサ18からの出力信号により伝達される情報、パラメータモジュール50により決定されたパラメータ情報(例えば、呼吸パラメータ情報)、及び/又は他の情報に基づいて識別することができる。例えば、過膨張モジュール56は過膨張を、1回換気量に関する情報、呼気流量限界(例えば、呼気流量により示される)、呼気の終末における対象者12の肺内の圧力、及び/又は対象者12による1以上の呼吸に関してパラメータモジュール50により決定された他のパラメータに基づいて識別することができる。幾つかの実施態様において、過膨張モジュール56は過膨張を、センサ18からの出力信号により伝達される情報、パラメータモジュール50により決定された情報、及び/又は他の情報についての該過膨張モジュール56による分析に基づいて識別するよう構成することができる。例えば、過膨張モジュール56は、対象者12の肺における空気の閉じ込めを識別するために、第1の呼気の終末における肺内の第1圧力を第2の呼気の終末における肺内の第2圧力と比較するように構成することができる。
【0034】
[35]多くのCOPD患者は、不完全な呼気につながる気流閉塞を被る。活動の間において、気腫を患う患者は大量の空気の閉じ込めを生じ得、このことは、自動ピーク呼気終末圧力現象による動的過膨張につながる。特に運動による、不完全な肺の排気による過膨張は、肺胞内圧力の更なる増加及び吸気能力の低下につながり得る。気流に対する抵抗の増加及び一層高い換気要求は、動的過膨張を生じさせ、呼吸の労力を増加させる原因である。これらの場合において外部PEEPは、COPDを患う患者における呼吸の労力を減少させると共に呼吸困難を和らげるために使用することができる。
【0035】
[36]呼気圧モジュール58は、圧力発生器14を、呼気の間において過膨張を解放するために当該呼吸可能ガスの加圧流の呼気圧レベルを調整するように制御するよう構成される。呼気圧モジュール58は、圧力発生器14を、前記過膨張モジュール56による過膨張の識別に応答して呼気圧レベルを調整するように制御するよう構成される。幾つかの実施態様において、上記呼気圧レベルはPEEPレベルである。幾つかの実施態様において、呼気圧モジュール58は、圧力発生器14を、呼吸困難の症状を和らげるために呼気流量限界を低減又は削除し、及び/又は陽圧支援治療を施すために終末呼気陽圧レベルを調整するように制御するよう構成することができる。
【0036】
[37]幾つかの実施態様において、呼気圧モジュール58は、圧力発生器14を、過膨張を低減及び/又は除去するためにPEEPレベルを増加及び/又は減少させるように制御するよう構成することができる。PEEPレベルが増加されるか及び/又は減少されるかは、呼気圧モジュール58により、センサ18からの出力信号により伝達される情報、パラメータモジュール50からのパラメータ情報(例えば、1回換気量に関する情報、流量限界を示す呼気流量、個々の終末における圧力等)、及び/又は他の情報に基づいて決定される。例えば、呼気圧モジュール58は、圧力発生器14を、過膨張を示す上記情報に応答してPEEPレベルを増加させると共に、過膨張がないことを示す及び/又は過膨張の低下を示す上記情報に応答してPEEPレベルを減少させるように制御するよう構成することができる。
【0037】
[38]幾つかの実施態様において、PEEPレベルの増加及び/又は減少は、呼気圧モジュール58により決定された過膨張のレベルに比例する。過膨張のレベルは呼気圧モジュール58により、センサ18からの出力信号により伝達される情報、パラメータモジュール50からのパラメータ情報、及び/又は他の情報に基づいて決定することができる。限定するものでない例示として、呼気圧モジュール58は、圧力発生器14を、対象者12における相対的に高いレベルの過膨張を決定することに応答して、対象者12に付与されるPEEPレベルを相対的に大きな量により増加させるように制御するよう構成することができる。呼気圧モジュール58は、圧力発生器14を、対象者12における相対的に低いレベルの過膨張を決定することに応答して、対象者12に付与されるPEEPレベルを相対的に小さな量により増加させるように制御するよう構成することができる。幾つかの実施態様において、呼気圧モジュール58は圧力発生器14を、対象者12における相対的に低いレベルの過膨張を及び/又は過膨張がないことを決定することに応答して、PEEPレベルを減少し及び/又は変更しないままにするように制御するよう構成することができる。
【0038】
[39]幾つかの実施態様において、呼気圧モジュール58はPEEPレベルを、対象者12の単一の呼気の間において決定されるセンサ18からの出力信号により伝達される情報、パラメータモジュール50からのパラメータ情報、及び/又は他の情報に基づいて調整するように構成される。幾つかの実施態様において、呼気圧モジュール58はPEEPレベルを、対象者12の一連の1以上の呼気の間において決定されるセンサ18からの出力信号により伝達される情報、パラメータモジュール50からのパラメータ情報、及び/又は他の情報(例えば、1以上の呼吸パラメータの平均)に基づいて調整するように構成される。
【0039】
[40]幾つかの実施態様において、呼気圧モジュール58は圧力発生器14を、PEEP圧力レベルを該呼気圧モジュール58によりアルゴリズムから決定された情報に基づいて決定される過膨張のレベルに比例して調整するように制御するよう構成することができる。呼気圧モジュール58は、該調整される(例えば、増加される及び/又は減少される)PEEPレベルを上記アルゴリズムに基づいて決定することができる。該アルゴリズムは、製造者において決定することができ、対象者12及び/又は他のユーザ(例えば、医師、介護者等)によりユーザインターフェース22を介して入力された情報に基づいて呼気圧モジュール58により決定することができ、並びに/又は他の方法により決定することができる。
【0040】
[41]呼気圧モジュール58は、アルゴリズム入力を肺抵抗/リアクタンス情報に基づいて決定するように構成することができる。肺抵抗及び/又はリアクタンス情報は、吸気及び/又は呼気の間における気流に対する対象者12の気道の抵抗を記述する情報を含むことができる。呼気圧モジュール58は、肺抵抗及び/又はリアクタンス情報を、制御モジュール54が圧力発生器14を強制振動法に従って制御することに応答して決定するように構成することができる。呼気圧モジュール58は、アルゴリズム入力を、制御モジュール54が圧力発生器14を強制振動法に従って制御している間のセンサ18及び/又はパラメータモジュール50の出力に基づいて決定するように構成することができる。幾つかの実施態様において、アルゴリズム入力は、呼気圧モジュール58により、吸気流量、ピーク呼気流量の変化、呼気ボリュームの変化に関するセンサ18及び/又はパラメータモジュール50からの情報、並びに/又は他の情報に基づいて決定することができる。幾つかの実施態様において、当該アルゴリズムは1以上の統計的技法(例えば、最小二乗法)を用いることができる。
【0041】
[42]幾つかの実施態様において、PEEPレベルは、所定の量の圧力だけ増加及び/又は減少され得る。該所定の量の圧力は、製造者において決定することができ、対象者12及び/又は他のユーザ(例えば、医師、介護者等)によりユーザインターフェース22を介して設定することができ、呼気圧モジュール58により特に対象者12に関して該対象者12の前の呼吸及び/又は該対象者の他の呼吸特性(例えば、対象者12の肺容量)に基づいて決定することができ、並びに/又は他の方法により決定することができる。
【0042】
[43]ユーザインターフェース22はシステム10と対象者12及び/又は他のユーザとの間のインターフェースを提供するように構成され、該インターフェースを介して対象者12及び/又は他のユーザはシステム10へ情報を供給すると共に該システム10から情報を受けることができる。上記他のユーザは、例えば、介護者、医師及び/又は他のユーザを含むことができる。このユーザインターフェースは、データ、合図、結果及び/又は命令並びに何らかの他の通信可能な項目(集合的に、“情報”と称する)が、ユーザ(例えば、対象者12)と、圧力発生器14、プロセッサ20及び/又は当該システムの他の構成部品との間で通信されることを可能にする。例えば、治療圧力、対象者12の呼吸速度、携帯型電力システムのエネルギレベル及び/又は他の情報を、ユーザインターフェース22を介してユーザ(例えば、対象者12)に表示することができる。
【0043】
[44]ユーザインターフェース22に含めるのに適したインターフェース装置の例は、キーパッド、釦、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、表示スクリーン、タッチスクリーン、スピーカ、マイクロフォン、指示灯、可聴警報、プリンタ、触覚フィードバック装置、及び/又は他のインターフェース装置を含む。幾つかの実施態様において、ユーザインターフェース22は複数の別個のインターフェースを有する。幾つかの実施態様において、ユーザインターフェース22は、ハウジング28と一体に設けられた少なくとも1つのインターフェースを有する。
【0044】
[45]本開示によれば、ユーザインターフェース22として他の通信技術(有線又は無線の)も考えられることが理解されるべきである。例えば、本開示は、ユーザインターフェース22を電子記憶部24により提供される取外し可能な記憶インターフェースと統合することができることも想定している。この例においては、取外し可能な記憶部(例えば、スマートカード、フラッシュ装置、取外し可能なディスク等)からシステム10に、ユーザ(又は複数のユーザ)が当該システム10の構成をカスタマイズすることを可能にする情報をロードすることができる。ユーザインターフェース22としてシステム10と共に使用するように適合化された他の例の入力装置及び技術は、限定されるものではないが、RS−232ポート、RFリンク、IRリンク、モデム(電話、ケーブル又はその他)等を含む。要約すると、システム10と情報を通信するための如何なる技術も、本開示によりユーザインターフェース22として考えることができる。
【0045】
[46]幾つかの実施態様において、電子記憶部24は、情報を電子的に記憶する電子記憶媒体を有する。電子記憶部24の上記電子記憶媒体は、システム10と一体的に設けられた(即ち、実質的に取外し不能な)システム記憶部、及び/又は例えばポート(例えば、USBポート、ファイヤワイヤポート等)又はドライブ(例えば、ディスクドライブ等)を介してシステム10に取外し可能に接続することができる取外し可能な記憶部の一方又は両方を有することができる。電子記憶部24は、光学的に読取可能な記憶媒体(例えば、光ディスク等)、磁気的に読取可能な記憶媒体(例えば、磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピー(登録商標)ドライブ等)、電荷に基づく記憶媒体(例えば、EEPROM、RAM等)、固体記憶媒体(例えば、フラッシュドライブ等)、及び/又は他の電子的に読取可能な記憶媒体の1以上を有することができる。電子記憶部24は、ソフトウェアアルゴリズム、プロセッサ20により決定された情報、ユーザインターフェース22を介して受信された情報、及び/又はシステム10を適切に機能させる他の情報を記憶することができる。電子記憶部24はシステム10内の別個の部品(全体として又は部分的に)とすることができ、又は電子記憶部24はシステム10の1以上の他の部品(例えば、ユーザインターフェース22、プロセッサ20等)と一体的に(全体として又は部分的に)設けることができる。
【0046】
[47]プロセッサ20により決定され及び/又は電子記憶部24により記憶される情報は、呼気圧レベル、対象者12の呼吸、使用頻度に関する情報、及び/又は他の情報を有することができる。電子記憶部24により記憶される情報は、ユーザインターフェース22を介して、別のコンピュータに接続する(有線及び/又は無線で)ことにより、及び/又は他の方法を介して見ることができる。電子記憶部24により記憶された情報は、例えば、設定値を調整するため、電力システム26に対する調整を行うために使用することができ、医師により医療的判断を行うために使用することができ、及び/又は他の用途に使用することができる。幾つかの実施態様において、システム10は無線送信機(図示略)を含むことができ、プロセッサ20により決定された情報、電子記憶部24により記憶された情報及び/又は他の情報は、無線ネットワークを介して例えば介護者に伝達することができる。限定するものでない例として、介護者は使用情報、患者の状態及び/又は他の情報を受信することができ、該介護者が当該システム10により施される治療を遠隔的に追跡することを可能にする。
【0047】
[48]携帯型電力システム26は、圧力発生器14、1以上のセンサ18、1以上のプロセッサ20、ユーザインターフェース22、電子記憶部24及び/又はシステム10の他の部品に携帯態様で給電するように構成されている。電力システム26は1以上の電力源を有することができる。該1以上の電力源は直列及び/又は並列に接続することができる。幾つかの実施態様において、上記1以上の電力源は接続されなくてもよい。該1以上の電力源は、システム10の他の部品の1以上に給電するように構成することができる。幾つかの実施態様において、電力システム26は充電可能である。該電力システム26は、家庭のAC電源、自動車バッテリのソケット、飛行機の電源コンセント、USBポート、非接触充電回路、及び/又は他の充電方法を介して充電することができる。幾つかの実施態様において、携帯型電力システム26は10Vまでの電圧を供給することができる。幾つかの実施態様において、該携帯型電力システム26は15Vまでの電圧を供給することができる。幾つかの実施態様において、該携帯型電力システム26は20Vまでの電圧を供給することができる。当該携帯型電力システム26に含めることができる携帯型電力源の例は、1以上のDCバッテリ、リチウムイオン及び/又はリチウムポリマ電池、ニッケル水素電池、並びに/又は他の携帯型電力源を含む。幾つかの実施態様において、携帯型電力システム26は、10時間以上の使用時間にわたりシステム10を給電するように構成される。幾つかの実施態様において、携帯型電力システム26は、10時間までの使用時間にわたりシステム10を給電するように構成される。幾つかの実施態様において、携帯型電力システム26は、8時間までの使用時間にわたりシステム10を給電するように構成される。幾つかの実施態様において、携帯型電力システム26は、6時間までの使用時間にわたりシステム10を給電するように構成される。
【0048】
[49]ハウジング28は、圧力発生器14、対象者インターフェース16、1以上のセンサ18、1以上のプロセッサ20、ユーザインターフェース22、電子記憶部24、電力システム26、流路60、排気ポート62、ハンドル30及び/又はシステム10の他の部品を収容するように構成されている。ハウジング28は、当該システム10の構成部品を、対象者12の通常の日常的活動の間の如何なる時点においても圧力支援治療を施すことができるように手持ちされ且つ携帯的となるほど十分に小さな空間内に収容するように構成される。幾つかの実施態様において、システム10の重量は3ポンドまでである。幾つかの実施態様において、システム10の重量は1ポンドまでである。幾つかの実施態様において、ハウジング28の容積は135立方インチまでである。幾つかの実施態様において、ハウジング28の容積は100立方インチまでである。幾つかの実施態様において、ハウジング28の容積は60立方インチまでである。
【0049】
[50]流路60は、対象者インターフェース16を圧力発生器14及び/又は排気ポート62に対して流体的連通状態にするよう構成される。排気ポート62は、吐き出されたガスを流路60及び/又は圧力発生器14から周辺大気へと導くように構成される。幾つかの実施態様において、排気ポート62を経る流れは、弁63により制御することができる。弁63は、吸気の間では閉じ、呼気の間では開くようにプロセッサ20により制御することができる。限定するものでない例として、制御モジュール54は弁63を、パラメータモジュール50により決定された1以上のパラメータ(例えば、対象者12の吸気及び/又は対象者12の呼気を示すパラメータ)及び/又は他のパラメータに基づいて開放し及び/又は閉塞するように制御することができる。幾つかの実施態様において、ハウジング28は、前記携帯型電力システム26を充電することができるための、電子記憶部24にアクセスすることができるための、及び/又は他の目的のための1以上の接続点を提供するように構成された1以上の追加のポート(例えば、USB)を収容することもできる。
【0050】
[51]ハンドル30は、ハウジング28に取り付けられ及び/又はハウジング28により形成されるように構成される。ハンドル30は、呼吸可能ガスの加圧流が対象者12の気道に供給される際に、該対象者12の気道に対して上記ハウジングを定位置に保持するために該対象者12により把持されるように構成される。ハンドル30はハウジング28に対して、該ハンドル30をハウジング28に1以上の箇所でネジ及び/又は該ハンドル30をハウジング28に固定する他の方法で結合することにより、取り付けることができる。ハンドル30は、ハウジング28に、畝状、こぶ状及び/又は他のテクスチャ化表面により形成することもできる。ハウジング28に形成されるハンドル30は、システム10を把持するためにユーザの指が嵌まるように、ハウジング28に指状の表面窪みを有することができる。本開示において説明されたハウジング28により形成されるハンドル30の取り付け方法及び/又はフォームファクタは、限定することを意図するものではない。ハンドル30はハウジング28に、本明細書で説明したように機能することを可能にする如何なる形状及び/又は如何なる位置において取り付け及び/又は形成することもできる。
【0051】
[52]限定するものでない例示として、図2はシステム10の可能性のある実施態様の斜視図を示す。この実施態様において、ハウジング28は、約7インチ未満の、第1軸201に沿って第1面202から第2面204へと延びる長さ200を有している。長さ200は約5インチと約7インチとの間であり得る。長さ200は約6インチとすることができる。幾つかの実施態様において、ハウジング28は、約3インチ未満の、第2軸208に沿って第3面210から第4面212へと延びる幅206を有している。幅206は約2インチと約3インチとの間であり得る。幅206は約2.5インチとすることができる。ハウジング28は、約5インチ未満の、第3軸216に沿って第5面218から第6面220に向かって延びる厚さ214を有している。厚さ214は約4インチと約5インチとの間であり得る。厚さ214は約4.5インチとすることができる。図2に示したハウジング28の概ね長方形の形状及び大凡の寸法は、限定することを意図するものではない。ハウジング28は本開示において説明したように機能することを可能にする如何なる形状をとることもできる。
【0052】
[53]図2にはユーザインターフェース22も示されている。図2の例において、ユーザインターフェース22は、第5面218上に位置すると共に、電源釦222、調整釦224及び表示器226を含んでいる。この実施態様において、表示器226は、約2インチ未満の、第2軸208に沿って第3面210から第4面212へと延びる幅230を有している。幅230は約1インチと約2インチとの間であり得る。幅230は約1.8インチとすることができる。表示器226は、約0.5インチより大きな、第1軸201に沿って第1面202から第2面204へと延びる高さ234を有している。高さ234は約0.5インチと約1インチとの間であり得る。高さ234は約0.6インチとすることができる。
【0053】
[54]図2には、対象者インターフェース16及びハンドル30も示されている。図2において、ハンドル30は、ハウジング28における、ユーザインターフェース22とは反対側の第6面220上の第2面204側に形成されている。図2において、対象者インターフェース16は第1面202側の第5面218(ユーザインターフェース22と同じ面)上に配置されている。対象者インターフェース16は、厚さ214が第3軸216に沿って第5面218方向に増加する第1面202の近傍の領域に配置されている。
【0054】
[55]図3は、ハウジングを含む手持ち圧力支援システムにより対象者の気道に呼吸可能ガスの加圧流を供給する方法300を示す。当該ハウジングは、圧力発生器、対象者インターフェース、1以上のセンサ、電力システム及び1以上のプロセッサを格納している。上記1以上のプロセッサは、コンピュータプログラムモジュールを実行するように構成されている。該コンピュータプログラムモジュールは、制御モジュール、過膨張モジュール及び呼気圧モジュールを含んでいる。上記ハウジングはハンドルを形成し、及び/又はハンドルに取り付けられる。以下に提示する方法300の処理は、例示的なものである。幾つかの実施態様において、方法300は、記載されていない1以上の追加の処理を伴って、及び/又は説明される1以上の処理を伴わないで達成することができる。更に、方法300の処理が図3に示され、下記に説明される順番は、限定しようとするものではない。
【0055】
[56]幾つかの実施態様において、方法300は1以上の処理装置(例えば、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するために設計されたデジタル回路、情報を処理するために設計されたアナログ回路、状態マシン、及び/又は情報を電子的に処理するための他のメカニズム)において実施することができる。上記1以上の処理装置は、電子記憶媒体上に電子的に記憶された命令に応答して、方法300の処理の幾つか又は全てを実行する1以上の装置を含むことができる。上記1以上の処理装置は、方法300の処理の1以上を実行するためにハードウェア、ファームウエア及び/又はソフトウェアを介して特別に設計された1以上の装置を含むことができる。
【0056】
[57]処理302において、呼吸可能ガスの加圧流が圧力発生器により発生される。幾つかの実施態様において、処理302は、前記圧力発生器14(図1に示され、本明細書で説明された)と同一又は同様の圧力発生器により実行される。
【0057】
[58]処理304において、上記呼吸可能ガスの加圧流は対象者インターフェースにより対象者の気道に送られる。幾つかの実施態様において、処理304は、前記対象者インターフェース16(図1に示され、本明細書で説明された)と同一又は同様の対象者インターフェースにより実行される。
【0058】
[59]処理306において、上記呼吸可能ガスの加圧流の1以上のガスパラメータに関係する情報を伝達する1以上の出力信号が、1以上のセンサにより発生される。幾つかの実施態様において、処理306は、前記センサ18(図1に示され、本明細書で説明された)と同一又は同様のセンサにより実行される。
【0059】
[60]処理308において、上記呼吸可能ガスの加圧流の発生は制御モジュールにより制御される。該呼吸可能ガスの加圧流の発生は、陽圧支援治療法に従い上記出力信号に基づいて制御される。該陽圧支援治療法は、吸気圧レベル及び呼気圧レベルを決定する。幾つかの実施態様において、処理308は、前記制御モジュール54(図1に示され、本明細書で説明された)と同一又は同様の制御モジュールにより実行される。
【0060】
[61]処理310において、呼気の間の過膨張が過膨張モジュールにより識別される。過膨張は、前記出力信号に基づいて識別される。幾つかの実施態様において、処理310は、前記過膨張モジュール56(図1に示され、本明細書で説明された)と同一又は同様の過膨張モジュールにより実行される。
【0061】
[62]処理312において、前記圧力発生器は前記呼気圧モジュールにより呼気圧レベルを調整するように制御される。該圧力発生器は、呼気圧レベルを呼気の間における過膨張の識別に応答して調整するよう制御される。該圧力発生器は、呼気圧レベルを、呼気の間における過膨張を取り除くように調整するよう制御される。幾つかの実施態様において、処理312は、前記呼気圧モジュール58(図1に示され、本明細書で説明された)と同一又は同様の呼気圧モジュールにより実行される。
【0062】
[63]処理314において、上記圧力発生器、1以上のセンサ及び1以上のプロセッサは、携帯型電力システムにより給電される。幾つかの実施態様において、処理314は、前記電力システム26(図1に示され、本明細書で説明された)と同一又は同様の携帯型電力システムにより実行される。
【0063】
[64]処理316において、ユーザの手が前記ハンドルに係合される。該ハンドルは、前記呼吸可能ガスの加圧流が当該対象者の気道に供給される際に前記ハウジングが該対象者の気道に対して定位置に保持されるように構成されている。幾つかの実施態様において、処理316は、前記ハンドル30(図1に示され、本明細書で説明された)と同一又は同様のハンドルにより実行される。
【0064】
[65]尚、請求項において括弧内の如何なる符号も当該請求項を限定するものと見なしてはならない。また、“有する”又は“含む”なる文言は、請求項に記載されたもの以外の構成要素又はステップの存在を排除するものではない。また、幾つかの手段を列挙する装置の請求項において、これら手段の幾つかは1つの同一のハードウェアにより具現化することができる。また、単数形の構成要素は、複数の斯様な構成要素の存在を排除するものではない。また、幾つかの手段を列挙する如何なる請求項においても、これら手段の幾つかは1つの同一のハードウェアにより具現化することができる。また、特定の構成要素が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら構成要素が組み合わせで使用することができないということを示すものではない。
【0065】
[66]上述した説明は現在のところ最も実用的且つ好ましい実施態様であると思われるものに基づいて解説する目的のための詳細を提示したが、斯様な詳細は上記目的のためだけのものであって、当該開示は明示的に開示された実施態様に限定されるものではなく、逆に、添付請求項の趣旨及び範囲内に入る修正例及び等価構成例もカバーすることを意図するものであると理解されるべきである。例えば、本開示は、可能な限りにおいて、如何なる実施態様の1以上のフィーチャも、如何なる他の実施態様の1以上のフィーチャと組み合わせることもできることを想定していると理解されるべきである。
図1
図2
図3