(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トランスデューサによって送信される超音波信号の中心周波数の約1/4波長の厚さのインピーダンス整合層をさらに備える、請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
前記ピラーが円形、正方形、長方形及びランダムパターンからの図形よりなる群から選択される形状を有する前記SCC層の表面上の断面を有する、請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
患者の血管に挿入するためにサイズ調節されかつ成形された細長い装置を備えるIVUS画像化システムであって、該細長い装置は超音波トランスデューサを備え、該超音波トランスデューサは、
単結晶複合体(SCC)層と、
前面電極と、
背面電極と、
を備え、
該SCC層は単結晶圧電材料からなるピラーを備え、
該ピラーは重合体マトリックス中に埋め込まれており、
該SCC層は凹面及び対向する凸面を有し、
前記背面電極が互いに電気的に切り離された2個の電極に分割されている、
IVUS画像化システム。
前記超音波トランスデューサに連結されたアクチュエータをさらに備え、該アクチュエータは、前記細長い装置の本体に対して超音波トランスデューサを回転させるように構成される、請求項8に記載のIVUS画像化システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記図面において、同じ参照番号を有する要素は、同一又は同様の機能及び/又は特徴を有する。
【0014】
詳細な説明
本発明の原理の理解を進める目的で、図面に示された実施形態を参照し、特定の用語を同じものを説明するために使用する。それにもかかわらず、本発明の範囲の限定を意図するものではないことが分かるであろう。説明する装置、システム及び方法の任意の変更及びさらなる改変、並びに本発明の原理のさらなる適用が完全に意図され、かつ、本発明の範囲内に含まれる。この開示が関連する当業者であれば通常思いつくと考えられるからである。特に、一実施形態に関して説明した特徴、構成要素及び/又は工程を、本発明の他の実施形態に関して説明した特徴、構成要素及び/又は工程と組み合わせることができることが完全に意図される。しかしながら、単純化のため、これらの組み合わせの多数の反復は別々には説明しない。
【0015】
本明細書で開示される実施形態は、装置及び装置の製造方法に関し、該装置は、回転IVUSカテーテルに使用される集束トランスデューサを備える。本明細書で開示されるトランスデューサは、集束ビーム伝搬を有する超音波信号の広い帯域幅を与える。このような超音波ビームは、深さ、横方向及び高さ寸法を含めて、超音波イメージングのために高い3次元(3D)分解能を提供する。いくつかの実施形態では、本発明のIVUSカテーテルは、トランスデューサと共に回転する回路に対する電気接続の数を増やすことなく、広帯域集束超音波ビームを与える。本明細書で開示される実施形態に係る超音波トランスデューサは、広い帯域幅集束ビームを与える単結晶複合材料を含むことができる。単結晶複合材料は、いくつかの例では、集束ビームを与えるように設計された湾曲部を有する構成要素に成形される(例えば、超音波トランスデューサのための凹状放射面を画定する)。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係るIVUS画像化システム100を示す。本発明のいくつかの実施形態では、IVUS画像化システム100は、回転IVUS画像化システムである。この点で、回転IVUS画像化システムの主な部品は、回転IVUSカテーテル102、患者インターフェースモジュール(PIM)104、IVUSコンソール又は処理システム106、及びIVUSコンソール106によって生成されたIVUS画像を表示するためのモニタ108である。カテーテル102は、いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ150を備える。PIM104は、カテーテル102を支持するのに適切なインターフェース仕様を実装する。いくつかの実施形態によれば、PIM104は、一連の送信パルス信号及び制御波形を生成して超音波トランスデューサ150の動作を調節する。また、PIM104は、同じライン対を介してトランスデューサ150から応答信号を受信することができる。
【0017】
超音波トランスデューサ150は、PIM104から受信したトリガ信号に基づき、血管組織に向かって超音波信号を送信する。また、超音波トランスデューサ150は、血管組織から受信されたエコー信号をPIM104に伝達される電気信号に変換する。また、PIM104は、回転IVUSカテーテル102に高及び低電圧直流電源を供給する。いくつかの実施形態では、PIM104は、回転インターフェースにわってトランスデューサ150にDC電圧を供給する。回転インターフェースにわたって直流電力を供給するための選択肢としては、スリップリング、回転式変圧器の使用、及び/又は活性スピナー技術の実装が挙げられる。
【0018】
図2は、本発明の実施形態に係るカテーテル102の部分破断概略斜視図である。
図2は、回転IVUSカテーテル102に関するさらなる詳細を示す。回転カテーテル102は、イメージングコア110及び外側カテーテル/シースアセンブリ112を備える。イメージングコア110は、電気的及び機械的結合をPIM104に与える回転インターフェース114によって近位端で終端する可撓性ドライブシャフトを備える(
図1参照)。イメージングコア110の可撓性ドライブシャフトの遠位端は、超音波トランスデューサ150及び関連する回路を収容するトランスデューサハウジング116に連結されている。
【0019】
カテーテル/シースアセンブリ112は、回転インターフェース114を支持するハブ118を備え、カテーテル102の回転部材と非回転部材との間に軸受面及び流体シールを与える。いくつかの実施形態では、ハブ118は、ルアーロックフラッシュポート120を備え、これを通して生理食塩水を注入して空気をフラッシュし、カテーテルの使用時に超音波相溶性流体をシースの内腔に充填する。また、生理食塩水は、回転ドライブシャフトのための生体適合性潤滑剤となる。いくつかの実施形態では、ハブ118は、テレスコープ122に連結され、該テレスコープは、ネストにされた管状部材と、カテーテル/シースアセンブリ112を延長又は短縮させることを可能にする摺動流体シールとを備える。テレスコープ122は、音響的に透明な窓124内においてカテーテル102の遠位部分でのトランスデューサハウジングの軸方向の移動を容易にする。
【0020】
いくつかの実施形態では、窓124は、トランスデューサと血管組織との間に超音波を最小限の減衰、反射、又は屈折で容易に伝達する材料から製造された薄肉プラスチック管から構成される。カテーテル/シースアセンブリ112の近位シャフト126は、テレスコープ122と窓124との間の部分を架橋する。いくつかの実施形態では、近位シャフト126は、滑らかな内腔及び最適な剛性をカテーテル102に与える材料又は複合材料から構成される。カテーテル102における窓124及び近位シャフト126の実施形態は、「Intravascular Ultrasound Catheter for Minimizing Image Distortion」というタイトルの米国特許出願(代理人整理番号44755.938)に詳細に説明されているとおりのものである。全ての目的のために、その内容を参照によりここにその全体を援用する。
【0021】
図3は、本明細書で開示されるいくつかの実施形態に係る超音波トランスデューサ150の部分図を示す。トランスデューサ150は、重合体マトリックス330内に埋め込まれた単結晶圧電材料のピラー320を有する単結晶複合材料(SCC)301を含む。いくつかの実施形態では、重合体マトリックス330は、エポキシ樹脂によって形成される。重合体マトリックス330における充填剤として使用されるエポキシ樹脂は、超音波トランスデューサ150を形成するSCC材料に柔軟性を与える。
【0022】
いくつかの実施形態では、インピーダンス整合層310が超音波トランスデューサ150に含まれる。インピーダンス整合層310は、音響波と、超音波トランスデューサ150を取り囲む媒体との結合を容易にする。軟質重合体マトリックス330は、SCC301に対して音響インピーダンスを減少させ、それによって音響結合のためにトランスデューサ150に高効率かつ広範な帯域幅を与える。いくつかの実施形態では、整合層310は、トランスデューサ150の効率及び帯域幅をさらに向上させ、それによって感度を高めるためにSCC301に加えられた四分の一波長整合層であることができる。
【0023】
本明細書で開示されるいくつかの実施形態によれば、ピラー320は、断面(
図3のZ軸)で狭い直径を有する軸方向(
図3のY軸方向)に長い構造を形成する。ピラー320の断面は、超音波トランスデューサ150を形成するSCC301の平面にある。さらに、いくつかの実施形態によれば、重合体マトリックス330は、軸方向(Y軸)及び超音波トランスデューサ150を形成するSCC301の平面(XZ平面)では連続的である。SCC301の異方性の性質は、ピラー320内に電界Eをとどめるが、これは高い誘電率を有する。電極151及び152の端部におけるフリンジフィールドは、重合体マトリックス330によって緩和される。したがって、いくつかの実施形態では、トランスデューサ150の性能は、電極境界でのフリンジフィールドによっては分解されない。いくつかの実施形態によれば、ピラー320の厚さ(又は高さ)は、40MHzの中心周波数動作のために50μm以下とすることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも2以上の厚さ対幅のアスペクト比が望ましく、20μm以下の直径を有するピラー320を得ることができる。
【0024】
したがって、SCC301(DRIE)は、単結晶材料に適用される深部反応性イオンエッチングを使用して作製できる。DRIAを使用してマトリックスパターンをエッチングし、エッチングされたトレンチにエポキシを充填する。そして、背面側を研削し、前面側を研磨し、そして生じた複合材料層を得る。水平共振周波数(
図3のXZ平面における振動)は、垂直周波数(
図3のY軸方向の振動)から遠く離れており、水平共振により費やされるエネルギーがほとんど存在しない。これは、トランスデューサをより効率的なものにする。広い帯域幅は、媒体への効率的な結合によって達成される(例えば、整合層を使用して)。整合層は、トランスデューサ材料と伝送媒体との間の音響インピーダンス不整合を克服する。PZTは約30のインピーダンスを有するのに対し、血液/生理食塩水溶液のインピーダンスは約1.6/1.5である。整合層は、PZT材料から伝送媒体への移行をより効率的にする。いくつかの実施形態では、SCC301を形成するために使用されるエポキシは、インピーダンス整合層として使用できる。エポキシ樹脂のインピーダンスは約3であるのに対し、SCC301のインピーダンスは、エポキシマトリックス内のPZTセラミックピラーの分布に依存する。いくつかの実施形態では、SCC301の音響インピーダンスは約10とすることができる。整合層及び/又はバッキング材料をトランスデューサ150に追加すると、帯域幅が増大する。ピラー320の形状は、装置の帯域幅及び動作の中心周波数に軽度に影響を与える可能性がある。エポキシマトリックスの音響損失は、トランスデューサ150の帯域幅に影響を与える。エポキシは音響を吸収し又は散逸させるのに役立つ。プラスチックにとどまろうとする全てのエネルギーが急速に吸収される。SCC301の追加の利点は、エポキシマトリックス330に対してピラー320における電界密度が高いことである。これは、エポキシに対してPZTセラミックの誘電率が高いためである。これによりトランスデューサの結合効率が増大する。
【0025】
圧電材料は、典型的には、血液及び生理食塩水により20:1の音響インピーダンス不整合を有する。複合材料は、トランスデューサ150におけるエポキシ樹脂及び重合体の割合を増大させ、音響インピーダンスを減少させ、そしてより良好なインピーダンス整合を与える。帯域幅を、バッキング材料をトランスデューサ150上に重ねることによって改善させて音響エネルギーを吸収し、若干低下した信号強度の犠牲を伴って帯域幅を増大させることができる。
【0026】
SCC301は、超音波の発生及び感知のための高効率及び広範な帯域幅を提供するが、これは医療用途において望ましい。いくつかの実施形態によれば、SCC301で使用される単結晶圧電材料は、高い電気機械結合係数を有する。単結晶圧電材料の電気機械結合係数は、典型的にはPZTセラミックよりも高い。したがって、所定の体積変化に必要な電圧レベルは、圧電セラミックスのそれと比較して、SCC301で使用される単結晶材料については低い。これは、高周波エネルギーから音響及び音響から高周波エネルギーへのSCC301の電力変換効率を増大させる。いくつかの実施形態は、材料の連続スラブ内に存在する圧電材料に関する横方向の制約を除去する狭いピラー320を備える。バルク結晶の横方向の制約は、材料の剛性に関連し、エポキシに埋め込まれたピラーが縦方向に延びるときに、周囲のエポキシ材料からの抵抗が少ない。というのは、エポキシ材料は剛性が低いからである。このような実施形態では、所望の超音波周波数の近傍における低周波横モード(
図3におけるXZ平面での)は、周囲の重合体マトリックス330によって狭いピラー320内で抑制される。したがって、SCC301におけるRF電気エネルギーのほとんどは、プローブビームを形成する超音波に結合するピラー320における「高さ」振動モード(
図3のY軸方向)に移される。いくつかの実施形態では、重合体マトリックス330は、単結晶材料と比較してSCC301の音響インピーダンスを減少させる。実際に、重合体マトリックス330のヤング率は、単結晶320又は圧電セラミックのそれよりも低い。例えば、いくつかの実施形態では、SCC301は、重合体マトリックス330の体積の75%を占めることができる。このような複合材料は、単結晶圧電又は圧電セラミック材料のスラブと比較して低い音響インピーダンスを有する。この低い音響インピーダンスは組織音響インピーダンスに良く整合し、それによってSCC301に高効率かつ広範な帯域幅を与える。
【0027】
SCC301の寸法は、求められる具体的な用途に応じて異なる。例えば、目標の超音波周波数及び帯域幅は、場合によってはSCC301の具体的な寸法を決める。いくつかの実施形態では、ピラー320は、10μmの深部切り溝(ピラー高さ、
図3のY軸)を有する約10μmの直径である(
図3におけるZ軸)。高周波IVUSについて、SCC301においてさらに小さい構造及び切り溝を有することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、単結晶材料は、高周波用途のためにSCC301中にあることが望ましい場合もある。というのは、単結晶は、深部反応性イオンエッチング(DRIE)を使用してパターニングできるからである。DRIE技術を使用して結晶基板をミクロン精度でパターニングし、SCC301材料をウェハスケールで作製することができる。
【0028】
また、SCC301における重合体マトリックス330の体積分率も具体的な用途に応じて異なる場合がある。例えば、重合体マトリックス330の体積分率は、いくつかの例では、超音波ビームを使用するための目的組織の音響インピーダンスに整合させることが有益なトランスデューサ材料のインピーダンスを決める。複合結晶の厚さは、所望の共振周波数によって決定される。SCC301の厚さは、トランスデューサ150から送信される超音波信号の予め選択された中心周波数を得るように選択される。
【0029】
図4は、いくつかの実施形態に係る超音波トランスデューサ150を含め、トランスデューサハウジング116の部分斜視図を示す。超音波トランスデューサ150は、SCC301及びインピーダンス整合層310を備える。超音波トランスデューサ150の他の詳細は、明確にするために、
図4では省略されている。
図4の超音波トランスデューサ150は、
図3に示すのと同一又は類似の部材を備えることができると解される。例えば、
図4の超音波トランスデューサ150は、背面電極151及び前面電極152を備えることができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、SCC301は、湾曲形状に変形される。例えば、SCC301は、
図3のZ軸も含む平面に含まれる対称軸を有する皿状構造に変形される。いくつかの実施形態では、皿状構造は、Y軸に対して平行であってよいBD軸の周りで対称であることができ、又はY軸に対して角度を形成することができる。これは、集束超音波ビームを提供するために望ましい場合がある。例えば、いくつかの例では、SCC301は、
図3に見られるようにSCC301の上面が凹状になるように変形される。いくつかの実施態様では、SCC301の上面の凹形状は略球形である。さらに、いくつかの例では、SCC301の変形により、凸状であるSCC301の下面が得られる。いくつかの実施態様では、SCC301の下面の凸形状は略球形である。いくつかの特定の実施例では、凹状上面及び凸状下面は、両方とも共通の中心点を有する略球形である。
【0031】
トランスデューサハウジング116は、本発明の実施形態に係るカテーテル102の遠位部分にある。特に、
図4は、イメージングコア110の先端部分の側面拡大図を示す。この例示実施形態では、イメージングコア110は、ハウジング116によってその遠位端で終端する。ハウジング116は、ステンレス鋼又は他の好適な生体適合性材料から製造でき、かつ、弾丸形状又は丸みを帯びた鼻部、及び超音波ビームのための開口部128を有することができる。このように、超音波ビーム130は、開口128を介してハウジング116から出てくることができる。いくつかの実施形態では、イメージングコア110の可撓性ドライブシャフト132は、逆に巻かれたステンレス鋼線の2以上の層から構成される。可撓性ドライブシャフト132は、可撓性ドライブシャフト132の回転がハウジング116にも回転を与えるように、ハウジング116に溶接される又は他の方法で固定される。図示した実施形態では、高電圧送信パルスを供給し、PIM104に戻る低振幅エコー信号を運び、そして任意のシールド136を有する電気ケーブル134がSCC301に電力を供給する。電気ケーブル134は、可撓性ドライブシャフト132の内腔を通ってイメージングコア110の近位端まで延在し、そこで、このものは回転インターフェース114(
図2参照)の電気コネクタ部に終端される。SCC301は、成形先端部148に取り付けられる。成形先端部148は、エポキシなどの重合体材料から形成でき、かつ、ハウジング116内を伝播する音響反響を吸収するための音響バッキング材料として機能できる。成形先端部148は、いくつかの例では電極151及び152へのはんだ付けの箇所に電気ケーブル134のための機械強度を与える。いくつかの実施形態では、材料の可撓性シートは、凹形状を有するようにボウル形状の基材に成形される。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、成形先端部148は、成形先端部の上面が凹状となるように形成されるため、超音波トランスデューサ150が凹状上面に設置された場合には、SCC301の可撓性により、超音波トランスデューサ150が対応する湾曲形状を獲得することが可能になる。いくつかの例では、超音波トランスデューサ150の底面は、成形先端部148の上面の湾曲と合致する。したがって、このような場合には、超音波トランスデューサの底面150は凸状となり、超音波トランスデューサの対向する上面は凹状となる(
図4及び
図5Bに示す)。超音波トランスデューサ150の下面の凸形状は、ビーム方向BDの軸に沿った頂点を有することができ、それによって、該表面の頂点の接線がカテーテル102の縦軸(
図4のZ方向)と角度θをなす。これに関して、いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ150の凹状上面は、超音波トランスデューサ150から放射された超音波ビーム130が方向BDに沿って血管組織に伝搬するように、ビーム方向BDの軸の周りに対称である。
図4は、カテーテル102の長手方向軸に対して実質的に直交するBDを示す(θ〜90°)。当業者であれば、角度θが、超音波データ処理のための所望の特徴に応じて、90°よりも小さい又は90°よりも大きい値を有することができることが分かるであろう。この点に関し、いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ150は、超音波ビーム130がカテーテルの長手方向軸に対して斜めの角度で伝搬するように取り付けられる。
【0033】
ここで開示された実施形態に係る超音波トランスデューサ150によって採用される湾曲は、本明細書中にビーム130のための焦点を与える。いくつかの実施形態では、開口128は、約500μmの直径(d)であることができ、焦点距離f:3dが、十分な分解能及び被写界深度を得ることために望ましい場合がある。このように、超音波ビーム130の幾何学的焦点は、シースの外側の約1mmとすることができる(開口部から1.5mm)。この幾何学的形状の湾曲トランスデューサについて、皿の深さは約20μmとすべきである。いくつかの実施形態では、トランスデューサ150によって送信される超音波信号の中心周波数の波長は、トランスデューサ材料において約40μmである。したがって、トランスデューサの直径は、約10、すなわち1ダース、又はその表面内の同様の波長数に適合できる。
【0034】
いくつかの実施形態では、音響レンズを使用してビーム130に焦点を与えることができる。レンズを達成するために、いくつかの実施形態は、シリコーン又は媒体の音響速度と比較してレンズ材料により音響速度を低下させる他の重合体を使用することができる。例えば、超音波は、1.5mm/μ秒の媒体速度に対して、シリコーンレンズでは1.0mm/μ秒の速度で移動することができる。これにより、約60μmのレンズ厚に、上記20μmの深さの皿(f:3d)と同様の集束力を与えることができる。このようなレンズを顕微鏡下での表面張力によって形成させて厚さを制御することができる。例えば、レンズは、表面張力によって与えられた凹部を有する接着剤の液滴で形成できる。材料はシリコンゴムなどとすることができる(緩やかな材料)。ただし、損失に注意しなければならない。
【0035】
図4に示すように、湾曲トランスデューサアプローチは、反射、残響、減衰及びいくつかの実施形態では、超音波ビーム130の経路内で屈折素子を使用することにより生じる他の回折効果の軽減を促進させる。
【0036】
図5Aは、いくつかの実施形態に係る電気リード134−1及び134−2を備えるトランスデューサハウジングの部分断面図を示す。
図5Aは、
図4を線A−A’に沿って切り取り図を得ることにより得られる。電気リード線134−1及び134−2をまとめてリード134ということがある(
図4参照)。リード134は、ボンディングパッド506(リード134−1)及びボンディングパッド507(リード134−2)に連結できる。ボンディングパッド506及び507は、超音波トランスデューサ150内において電極151及び152のいずれかとの電気的接触を有することができる。いくつかの例では、電気リード134−1及び134−2は、電極151及び152を介してSCC301に接続された高及び低電圧信号を与える。いくつかの実施形態では、リード134−1は背面電極151に接続され、リード134−2は前面電極152に接続される。さらに、いくつかの実施形態によれば、リード134−1及び134−2は、背面電極151の異なる部分に接続される。このような構成では、前面電極152は、リード134−1及び134−2によって供給される電圧間の値を持つフローティング電圧を有することができる。浮遊電極152を有する実施形態は、ハウジング116内部で使用される接続を減らすことができる。特に、浮遊電極152を有する実施形態は、連続屈折率整合層310の使用を可能にすることができる。
【0037】
図5Bは、いくつかの実施形態に係る、超音波トランスデューサ150を含めたトランスデューサハウジング116の部分断面図を示す。
図5Bは、
図4を線B−B’に沿って切り取り図を得ることにより得られる。
図5Bは、血管組織に及びそれから超音波ビーム130を通過させるために超音波トランスデューサ150の上に形成された開口部128を示す。また、
図5Bは窓124も示すが、これは、トランスデューサ150と血管組織とを結合させる超音波ビーム130に対して透明である(
図2参照)。
【0038】
図6A、6B及び6Cは、それぞれ、本明細書に開示される実施形態に係る単結晶複合体601A、601B及び601Cの部分平面図を示す。一般性を失うことなく、
図6A、6B及び
図6CにおけるSCC601A、SCC601B及びSCC601Cは、
図1〜5Bに示されたデカルト座標軸と一致する平面XZに示されている。当業者であれば、SCC601A、601B及び601Cのいずれかから製造された超音波トランスデューサは、3次元空間において任意の配向を有することができることが分かるであろう。特に、上述したように、SCC601A、SCC601B及びSCC601Cから形成された超音波トランスデューサは、
図4に示すように、対称軸BDを有する皿形状を形成する3次元湾曲を有することができる。SCC601A、SCC601B及びSCC601C(まとめてSCC601という)は、それぞれピラー620A、620B及び620C(まとめてピラー620という)を備える。SCC601におけるピラー620は、重合体マトリックス630に埋め込まれている。いくつかの実施形態では、重合体マトリックス630は、上記
図3を参照して詳細に説明された重合体マトリックス330と同じであってよい。また、
図6A、
図6B及び
図6Cには、XZ平面にある切欠経路650が示されている。切欠経路650は、重合体マトリックス630を含むSCC601の部分にレーザビームにより形成できる。
【0039】
当業者であれば、ピラー620A、620B及び620Cによって覆われるSCC601A、601B及び601Cの全面積の部分は変更できることが分かるであろう。いくつかの実施形態では、ピラー620A、620B及び620Cは、それぞれ、SCC層601A、601B及び601Cの表面積の約25%の面積をカバーすることができる。
【0040】
図6Aに示すように、SCC601Aは、XZ平面内で円形断面を有するピラー620Aを備える。
図6Bに示すように、SCC601Bは、XZ平面内で正方形の断面を有するピラー620Bを備える。
図6Cに示すように、SCC601Cは、XZ平面内でパズルピース断面を有するピラー620Cを備える。当業者であれば、XZ平面におけるSCC601のピラーの特定の形状は限定されないことが分かるであろう。いくつかの実施形態は、ドッグボーン形、擬似ランダム形状及び六角形形状のXZ平面における断面を有するピラーを備えることができる。
【0041】
SCC601A、601B、601Cなどの実施形態又は類似の非伝統的な形状は、XZ平面内での充填効率の改善、重合体マトリックス630に対する密着性の向上、より高い柔軟性及び望ましくない横モードの良好な抑制(XZ面において)を与える。さらに、SCC601は、ウェハ薄化プロセス中に機械的整合性の改善を与える。また、切欠経路650を有する完成トランスデューサをパターニングするとことも価値のある利点である。いくつかの実施形態では、切欠経路650は、円形又は楕円形トランスデューサ形状を形成することができる。円形又は楕円形を有する超音波トランスデューサは、長方形又は正方形を有する切欠経路と比較して、サイドローブレベルの点で優れた性能を発揮する。
【0042】
図6に示すピラー620の幾何学的形状は、パターン620A、620B又は620Cに限定されない。当業者であれば、多くの構成が可能であることが分かるであろう。いくつかの実施形態では、SCC601によって形成された開口部を、この開口部の端部付近(切欠経路650に近い)にあるピラー620の密度を調節することによってアポダイズして、サイドローブのレベルをさらに低減することができる。いくつかの実施形態は、XZ平面のエッシャー形式テッセレーションから得られた形状の断面を有するピラー620を含む。いくつかの実施形態では、オッド形状であるが、ただし均一なピラー620が使用される。
【0043】
図7Aは、本明細書で開示されるいくつかの実施形態に係る超音波トランスデューサ750の部分側面図を示す。分割背面電極トランスデューサ750の実施形態は、2つの等しい半部751−1及び751−2に分割された背面電極を含む。いくつかの実施形態では、半部751−1及び751−2はD字形状を有し、その際、トランスデューサは、円形又は楕円形の輪郭を有する。半部751−1及び751−2は、互いに電気的に遮断されており、そのため、各半部は異なる電圧に接続できる。前面電極は、いくつかの例ではトランスデューサ750の表面全体にわたって連続する。超音波トランスデューサ750において、電気ケーブル734−1及び734−2への電極の接続は、背面側から提供される。このように、超音波トランスデューサ750における背面電極は、ケーブル734−1に接続された背面部751−1及びケーブル734−2に接続された背面部751−2を備える。いくつかの実施形態によれば、前面電極752は、外部電圧源又は地面に直接接触しておらず浮遊することができる。超音波トランスデューサ750は、上で詳細に説明したようにSCC301及びSCC601に類似する重合体中に埋め込まれた単結晶ピラーを備えることができるSCC701を備えることができる(
図1、
図6A、6B及び
図6C参照)。
【0044】
図7Aのように分割背面電極構成を有する超音波トランスデューサ750のいくつかの実施形態は、反対方向に分極した2個の半部701−1及び701−2を有するSCC701を備える。例えば、電極751−1に接続した第1半部SCC701−1は、第1方向に分極でき、電極751−2に接続された第2半部SCC701−2は、第1方向とは反対の第2方向に分極できる。SCCは、重合体マトリックスにより与えられる個々のピラー間の分離のため、有意なアーチファクトのない分離偏光を支持することができる。いくつかの実施形態によれば、ケーブル734−1は、電極751−1を第1電圧の電圧源に接続することができる。また、ケーブル734−2は、電極751−2を第1電圧よりも高い第2電圧の電圧電源に接続することができる。2個の背面電極が同じ信号及び反対の信号で励起される場合には、前面電極は、対称性による仮想接地のままであり、トランスデューサ半部701−1及び701−2のそれぞれは、同じ及び反対の電気励起を受ける。電界761は、電界762の方向では逆である。同様に、電界761によってSCC701−1で誘起される分極は、電界762によってSCC701−2において誘起される分極とは逆である。SCC701−1及びSCC701−2は反対方向に分極されるので、第1半部701−1に及ぼす圧電効果は、第2半部701−2に及ぼす圧電効果と同じである。このようにして、分割電極トランスデューサ750の2個の半部を含む音響波面が生成される。したがって、いくつかの実施形態では、半部701−1及び701−2は、互いに位相で振動し、全開口ビームを与える。
【0045】
本明細書に開示される単結晶複合体は、分割背面電極構成に特に適している。分割電極751−1及び751−2間の境界でのフリンジフィールドは、重合体マトリックス330によって緩和される。これにより、半部701−1及び701−2のポーリングがそれらの境界付近での明確に定義された方向性を与えることが確保される。
【0046】
分割電極を備える超音波トランスデューサ750を使用するいくつかの実施形態は、低い容量(高いインピーダンス)の装置をもたらすことができる。実際には、電極751−1、752及び751−2の間で形成された2個のキャパシタのそれぞれは、同じSCC701材料から作製され、かつ、同じ厚さを有するが面積が2倍のキャパシタより低い静電容量を有する。さらに、分割電極構成では、電極751−1、752及び751−2間で形成された2個のキャパシタは直列に接続され、それによって、背面電極751−1及び751−2が単一の電極を形成する構成と比較してSCC701の正味容量が低減する。したがって、分割背面電極を有するSCC701の実施形態は、より高い励起電圧を使用して従来の電極と同一の超音波出力を達成することができる。
図7Aに示す分割電極構成と一致する実施形態は、望ましい製造機能を提供する。というのは、前面電極752は浮遊しており、電圧源又は地面への直接接続を使用することができないからである。これは、超音波トランスデューサ750及び先端ハウジング116の構成及び製造を簡素化する。例えば、層310(
図3参照)などのインピーダンス整合層を前面電極752の上部に連続層として形成させることができる。
【0047】
分割背面電極トランスデューサ750は、整合層310を含む実施形態において望ましい。分割背面電極を使用すると、整合層310を、前面電極752と接触する導電性材料を保持することなくトランスデューサ750のウェハレベル製造で形成させることが可能になる。したがって、いくつかの実施形態に係る製造方法は、前面電極接触用の整合層310において孔を開けることを回避することができる。
【0048】
図7Bは、本明細書に開示されるいくつかの実施形態に係る超音波トランスデューサ750の部分平面図を示す。
図7Bは、背面電極751−1及び751−2を示す。また、
図7Bは、成形先端部148も示す(
図4参照)。いくつかの実施形態では、成形先端部748の先端に近い遠位領域にある電極751−1及び751−2は、金めっきダイヤモンドグリットを備えることができる。ボンドパッド761−1及び761−2は、ケーブル134−1及び134−2(
図5A参照)などの電気ケーブルから電極751−1及び751−2への電気的接触を与える。このような構成は、SCC701への効率的かつ信頼性の高い電気的接触を確実にする。ボンドパッド761−1及び761−2は、金又は銀のような任意の導電性材料から形成できる。当業者であれば、ボンドパッド761−1及び761−2を形成する特定の材料は制限されず、任意の導電性材料又はその合金を制限なく使用することができることが分かるであろう。
【0049】
金めっきダイヤモンドグリットを使用する実施形態では、SCC701が押圧され、成形先端部148上に接着される。このようにして、ダイヤモンドグリットにおける突出部がSCC701で形成されたシートの背面にある電極めっきに突出し、低抵抗電気的接続を与える。いくつかの実施形態は、SCC701への確実な電気的接続を与えるために、異方性導電性接着剤を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、金又は銀の球体で満たされた絶縁性エポキシ様材料が異方性導電接着剤を与える。このような実施形態では、導電性球体の密度は、材料が非導電性である程度に十分に低いが、この材料が2つの導電面間で圧縮されて薄膜になる場合には、この球体は、導体間で押しつぶされ、再び狭い間隙を埋めて圧縮方向に沿って低抵抗接続を形成する。
【0050】
図7Cは、前面電極752を示し、これはSCCトランスデューサ750のための共通電極であることができる。いくつかの実施形態では、電極752は、成形先端部148内において装置を適切に配向するために整列タブ770を備える。SCCは、エポキシ整合層を含むことができる。3にほぼ等しい音響インピーダンスが望ましい。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、電極752、751−1及び751−2を含むSCC701は、成形先端部148に接着され、集束ビーム130を与えるために皿形状が形成される(
図4参照)。
【0052】
図8A−Fは、いくつかの実施形態に係るSCC801の製造段階の部分図を示す。
図8Aは、材料801Aのスラブに形成され、フォトリソグラフィ及びDRIE(又は他の好適なエッチング及び/又は材料除去プロセス)を使用してパターニングされて材料の部分825がエッチングされた単結晶材料802を示す。SCC材料802は、任意の単結晶圧電材料とすることができる。例えば、いくつかの実施形態は、ニオブ酸鉛マグネシウム−チタン酸鉛(PMN−PT)などの単結晶を使用することができる。スラブ801Aは、前面(
図8Aの頂部)及び背面(
図8Bの底部)を有するウェハ上に形成することができる。これは、
図8Bに示すように、ウェハを部分的に貫通して形成された、隔離されたピラー又は820リブを有する材料801Bのスラブをもたらす。いくつかの実施形態では、DRIEを用いてトレンチのパターンを圧電基板にエッチングして、典型的には1μmの解像度で垂直壁(Y方向)及び非常に正確な幾何学的形状(XZ平面)を生成する。エッチング後、
図8Bに示すように、トレンチに例えばエポキシ又はシリコーンなどの重合体830を充填する。
【0053】
図8Cは、いくつかの実施形態に係るスラブ801Cの形成を示す。重合体層830は、スラブ801Bにおいて超音波トランスデューサの前面にあることができ、材料802は、スラブ801Bの背面にあることができる。いくつかの実施形態では、重合体層830を、重合体層830及びピラー830がSCC801の前面に端部を有するような厚さにまで研磨し、磨砕し、又はエッチングすることができる。
【0054】
このように、スラブ801Cは、重合体マトリックス830内に収容される、前面(
図8Cの頂部)で互いに分離された圧電材料のピラー820を備える。スラブ801Cの可撓性は、DRIE工程で形成されたトレンチのサイズ及びマトリックス830に使用される重合体の性質に基づいて調節可能である。さらに、スラブ801Cは、上記のように、フォトリソグラフィ及びDRIE工程によって得られる様々な形状を有することができる。いくつかの実施形態では、ピラー820のパターンは、大きな堀で区切られた離島型であることができる。
【0055】
図8Dは、前面電極852を含めたスラブ801Dの形成を示す。スラブ801Dを形成することは、SCC層を所望の厚さに形成することを含むことができる。これを達成するために、スラブ801Cの背面(
図8Cの底部)における材料802を、重合体マトリックス830及びピラー820がSCC801Dの背面に端部を有するような厚さに研磨し、磨砕し、又はエッチングすることができる。基板を薄くして重合体マトリックス830内に埋め込まれたピラー820を有する複合材料シートを形成するときに、開口部を形成する個々のトランスデューサ素子は、所望の輪郭をトレースし、そして重合体マトリックス830を除去することによって選択できる。いくつかの実施形態では、個々の要素の所望の輪郭をトレースし、重合体を除去することは、レーザーを使用して実行できる。いくつかの例では、その後、個々のトランスデューサ素子を電気めっきしてスラブ801Dにおいて前面電極852を形成させる。前面電極852は、いくつかの実施形態では、スラブ801Dの上部に導電材料を電気めっきすることによって形成される。いくつかの実施形態では、前面電極852及び整合層810が形成されるが、その構造は、単一のウェハの一部である。この構造の厚さは、50μm、40μm、30μm又はそれ未満とすることができる。いくつかの実施形態では、エポキシ層を磨砕して、1/4波長厚さ(又はエポキシにおいて約15μm)を有するインピーダンス整合層を形成することができる。
【0056】
図8Eは、スラブ801Eにおける背面電極851の形成を示す。背面電極851及び前面電極852は、上で詳細に説明した電極151及び152と同じものとすることができる(
図3参照)。背面電極851は、前面電極852と同様に形成できる(
図8D参照)。SCCスラブ801Eの利点の1つは、これが比較的低い音響インピーダンスを有するため、音響整合層がなくても広い周波数応答を与えることができることである。
【0057】
図8Fは、スラブ801E上に音響インピーダンス整合層810を付着させることによって形成されたスラブSCC801を示す。音響整合層810は、血管組織の音響インピーダンスに一致するようにSCC801のいくつかの実施形態に含まれる。したがって、音響整合層810は、SCC801を使用して超音波トランスデューサの周波数応答をさらに拡大することができる。
【0058】
図8E又は
図8Fに示すようにSCC801のスラブが完成すると、このものを超音波トランスデューサとしてカテーテルの先端に取り付けることができる。いくつかの実施形態によれば、SCC801を成形先端部148(
図4参照)に押圧する。成形先端部148は、SCC801に湾曲形状を付与し、集束音響ビーム130を生成するように湾曲形状を備えることができる。また、成形先端部148は、SCC801にバッキングインピーダンスを与え、またトランスデューサのドライブシャフト132(
図4参照)への取付を与えることもできる。
【0059】
図8A−Fに示した製造方法の実施形態によれば、超音波トランスデューサの寸法は、ウェハレベルで規定できる。したがって、完成した超音波トランスデューサの寸法は、スラブ801A(例えば、フォトリソグラフィ工程)及びスラブ801B(例えば、DRIE工程)の形成中に決定できる。さらに、完成した超音波トランスデューサを、任意の所望のサイズ及び形状のさらに小さなトランスデューサに分割することができる。DRIEの可撓性により、重合体マトリックス830内の任意のパターンを形成する任意の形状のピラー820の形成が可能になる。例えば、ここで説明したいくつかのピラーの断面は、従来の四角ピラーよりも望ましい。ピラー820を重合体マトリックス830に埋め込むことで、レーザアブレーションを使用して切断された円形のトランスデューサを形成することが可能になる。
【0060】
超音波トランスデューサのレイアウト及びパターン設計に自由度を持たせることにより、ここで開示するSCC層の製造方法は、トランスデューサへの単純な電気的接続を使用して集束超音波ビームを与える。いくつかの実施形態は、さらに洗練された音響ビームの操作又は調節を与えるように、微小電気機械システム(MEMS)などのカスタム電子チップをさらに含む。
【0061】
図9は、本明細書に開示された実施形態に係る超音波トランスデューサを形成する方法900のフローチャートを示す。方法900を、
図8A−Fに示したステップ及び構造に関連して以下に説明する。
図8A−Fのステップ及び構造に対する参照は、例示の目的のみで使用され、
図9に表された一般概念と一致する方法900の実施形態を限定するものではない。当業者であれば、以下に説明する全体的な技術思想を維持しつつ方法900に対する自明な変形例を与えることができることが分かるであろう。
【0062】
ステップ910は、スラブ801A(
図8A参照)のように、リソグラフィ法により形成されたパターンに従って単結晶をエッチングすることを含む。いくつかの実施形態では、ステップ910はDRIEの手順を含む。ステップ920は、エッチングされた単結晶上に重合体層を配置してスラブ801B(
図8B参照)などのスラブを形成することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ920は、エッチングステップ910により得られるピラーパターンに、エポキシ樹脂であることができる重合体を充填することを含む。ステップ930は、重合体層を、スラブ801C(
図8C参照)のように所定の厚さに成形することを含む。ステップ930は、ウェハの表面を包み、過剰のエポキシを除去し、平坦面を創り出し、そしてピラーを露出させることを含む。ステップ940において、電極をSCCの前面に配置する。
【0063】
ステップ950は、801D(
図8D参照)スラブのように、SCC層を所定の厚さに成形することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ950は、ウェハから複合構造を脱離させるためにスラブ801Dを含むウェハの背面部分を研削することを含む。ステップ960は、背面電極を配置して、スラブ801Eなどのスラブを形成させることを含む(
図8E参照)。いくつかの実施形態によれば、ステップ960は、スラブ801D上に前面電極852を配置するためにステップ940と同様の手順を含むことができる。いくつかの実施形態では、スラブ801Eは、それぞれ開口を形成する複数のトランスデューサ素子で形成される。ステップ960は、スラブ801Eから個々のトランスデューサを切断することを含むことができる。この切断プロセスは、レーザーを使用して、ピラー820の隔離された群を取り囲むエポキシ充填材830をきれいに除去することができる。このように、ピラー820における圧電材料は、ステップ960でそのままに放置できる。
【0064】
ステップ970は、一方の電極上にインピーダンス整合層を配置することを含む。ステップ970は、整合層を所望の厚さに研削することを含むことができる。
【0065】
ステップ980は、このようにして成形先端部148などの成形先端部上に形成されたSCC材料を配置することを含む。個々のトランスデューサが利用可能になったら、このものを、回転IVUSカテーテルにおいて可撓性ドライブシャフトのチップになるマイクロ成形ハウジングに圧入することができる。この成形ハウジングは、所望の開口部のたわみを形成するために皿状くぼみを含むことができる。いくつかの実施形態では、前面及び背面電極を所定の位置に配置したらステップ980を実行する(ステップ940及び960)。また、ステップ980は、ドライブシャフト(例えば、シールドツイストペア)内部の電気リード線とトランスデューサの分割背面電極とのギャップを埋めるためのボンディングパッドを形成することを含むことができる。
【0066】
このようなボンディングパッドは、ボンディングパッド761−1及び761−2を参照して上で詳細に説明したものと同じものとすることができる(
図7B参照)。いくつかの実施形態では、製造プロセスは、成形先端部にトランスデューサを形成するための「Cast−In−Can」法を含むことができる。いくつかの実施形態では、トランスデューサをマイクロ成形チップサブアセンブリに圧入する。いくつかの実施形態では、トランスデューサは、音響ビーム130がカテーテルの長手方向の軸に対して垂直な平面(
図2のXY平面)に形成されるように成形先端部に配置される。いくつかの実施形態によれば、トランスデューサは、音響ビーム130がカテーテルの長手方向軸(Z軸)に対して斜めの角度で延在するように成形先端部に配置される。
【0067】
上記本発明の実施形態は単なる例示である。当業者であれば、具体的に開示されたものから様々な別の実施形態を認識することができる。これらの別の実施形態も本発明の範囲内にあるものとする。したがって、請求の範囲は広くかつ本開示と一致する態様で解釈すべきことが適当である。