特許第6396322号(P6396322)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6396322容量式血管内圧力感知装置ならびに関連するシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6396322
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】容量式血管内圧力感知装置ならびに関連するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20180913BHJP
   A61B 5/0215 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   A61M25/09 510
   A61M25/09 500
   A61B5/0215 C
【請求項の数】10
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-550492(P2015-550492)
(86)(22)【出願日】2013年12月19日
(65)【公表番号】特表2016-501675(P2016-501675A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】US2013076352
(87)【国際公開番号】WO2014105594
(87)【国際公開日】20140703
【審査請求日】2016年12月14日
(31)【優先権主張番号】61/747,019
(32)【優先日】2012年12月28日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515122402
【氏名又は名称】ボルケーノ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ブレット・シー・ミレット
【審査官】 落合 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0113967(US,A1)
【文献】 米国特許第5207103(US,A)
【文献】 特表平9−512470(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0082678(US,A1)
【文献】 特表平10−505269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性材料で形成された、近位部位と遠位部位を有する第1の細長可撓性要素と、
導電性材料で形成された、前記第1の細長可撓性要素のまわりに位置決めされた第2の細長可撓性要素と、
空洞を含み、前記第1の細長可撓性要素の遠位部位に電気的に結合された径方向容量式圧力感知構造体と、
前記第1の細長可撓性要素の遠位部位に電気的に結合された特定用途の集積回路(ASIC)とを備え、
前記径方向容量式圧力感知構造体は、前記空洞の少なくとも一部のまわりに位置決めされた可撓性膜と、前記空洞内の圧力に対する周囲圧力の変化によって変位されるように前記可撓性膜の少なくとも一部のまわりに位置決めされた導電性部材とを有し、
前記ASICは、前記径方向容量式圧力感知構造体の前記導電性部材と前記第1及び第2の細長可撓性要素と電気的に連通する、
圧力感知ガイドワイヤ。
【請求項2】
前記第1の細長可撓性要素の近位部位の一セクションが第1の導電帯に電気的に結合される、請求項1に記載の圧力感知ガイドワイヤ。
【請求項3】
前記第2の細長可撓性要素の近位部位の一セクションが第2の導電帯を画定する、請求項2に記載の圧力感知ガイドワイヤ。
【請求項4】
前記第1の導電帯は前記第2の導電帯の近位に位置決めされる、請求項3に記載の圧力感知ガイドワイヤ。
【請求項5】
前記第1の導電帯と第2の導電帯との間に位置決めされた絶縁部材であって、前記第1の細長可撓性要素のまわりに位置決めされた絶縁部材をさらに備える、請求項4に記載の圧力感知ガイドワイヤ。
【請求項6】
前記第2の細長可撓性要素の大部分が、前記第1の細長可撓性要素をカバーする非導電層によって前記第1の細長可撓性要素から電気的に隔離される、請求項1に記載の圧力感知ガイドワイヤ。
【請求項7】
前記径方向容量式圧力感知構造体は、前記空洞を有するハウジングを含む、請求項1に記載の圧力感知ガイドワイヤ。
【請求項8】
前記ハウジングは、前記ハウジングの側壁内に複数の開口部を含み、前記複数の開口部は前記空洞と連通する、請求項7に記載の圧力感知ガイドワイヤ。
【請求項9】
前記複数の開口部は、前記ハウジングの円周のまわりで半径方向に形成され、前記ハウジングは、円筒状の外形を有する、請求項8に記載の圧力感知ガイドワイヤ。
【請求項10】
圧力感知ガイドワイヤと、
前記圧力感知ガイドワイヤによって得られたデータを処理するように構成された処理システムと、
前記圧力感知ガイドワイヤを処理システムに通信可能に結合するように構成されたインタフェースと、を備える血管内圧力感知システムであって、
前記圧力感知ガイドワイヤは、
導電性材料で形成された、近位部位と遠位部位を有する第1の細長可撓性要素と、
導電性材料で形成された、前記第1の細長可撓性要素のまわりに位置決めされた第2の細長可撓性要素と、
空洞を含み、前記第1の細長可撓性要素の遠位部位に電気的に結合された径方向容量式圧力感知構造体と、
前記第1の細長可撓性要素の遠位部位に電気的に結合された特定用途の集積回路(ASIC)とを備え、
前記径方向容量式圧力感知構造体は、前記空洞の少なくとも一部のまわりに位置決めされた可撓性膜と、前記空洞内の圧力に対する周囲圧力の変化によって変位されるように前記可撓性膜の少なくとも一部のまわりに位置決めされた導電性部材とを有し、
前記ASICは、前記径方向容量式圧力感知構造体の前記導電性部材と前記第1及び第2の細長可撓性要素と電気的に連通する、
血管内圧力感知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血管内装置、システム、および方法に関する。一部の実施形態では、血管内装置は容量式圧力感知構成要素を含むガイドワイヤである。
【背景技術】
【0002】
心臓疾患は極めて深刻であり、生命を救うためにしばしば緊急手術を要する。心臓疾患の主な原因は血管内部の血小板の蓄積であり、これは最終的に血管を閉塞する。閉塞された血管を開けるのに有効な一般的な治療の選択肢にはバルーン血管形成術、回転性アテローム切除術、血管内ステントが含まれる。従来から、外科医は、治療の指針とするために、血管の内腔のシルエットの外部形状を示す平面画像であるX線透視画像に頼ってきた。残念なことながら、X線透視画像では、閉塞に関与する狭窄症の程度および配向について大きな不確実さが存在して、狭窄の精確な位置を探し当てることを困難にしている。さらに、同じ場所で再発狭窄症が起こり得ることが知られているが、X線によって手術後に血管内部の状態を確認することは困難である。
【0003】
病変を起こしている虚血を含む血管内狭窄の重症度を判断するための現在受け入れられている技法は、血流予備量比(FFR)である。FFRは、遠位圧力測定値(狭窄の遠位側で測った)の近位圧力測定値(狭窄の近位側で測った)に対する比率の算出である。FFRは、閉塞部が血管内の血流を治療が必要な程度まで制限しているか否かについての決断を可能にする狭窄の重症度の指標を提供する。健康な血管のFFRの正常値は1.00であるが、約0.80未満の値は一般的に重大であると見なされ、治療が必要となる。
【0004】
しばしば血管内カテーテルおよびガイドワイヤが、血管内の圧力を測定し、血管の内腔を視覚化し、かつ/または他のやり方で血管に関係するデータを得るのに利用される。今日まで、圧力感知器、画像化要素、および/あるいは他の電子、光学、または電子光学的構成要素を含むガイドワイヤは、そのような構成要素を含まない標準的なガイドワイヤと比較して性能特性が劣るという状況に悩まされてきた。例えば、電子構成要素を含む従来のガイドワイヤのハンドリング性能が、一部の事例で、ガイドワイヤからのデータを得るために物理的に装置の近位端を通信回線に結合する必要によって、電子構成要素(複数)のコンダクタまたは通信回線に必要とされる空間を構成した後のコアワイヤに利用可能となる限られた空間によって、電子構成要素(複数)を含む堅固なハウジングの剛度および寸法によって、かつ/またはガイドワイヤ内で利用可能な限られた空間内で電子構成要素の機能度を実現することに関連する他の制限によって阻害されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、圧力感知構成要素を含む血管内装置、システム、および方法の改良が未だ求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は血管内装置、システム、および方法を対象とする。
【0007】
一実施形態では、ガイドワイヤが提供される。ガイドワイヤは、近位部位と遠位部位を有する第1の細長可撓性要素にして、導電性材料で形成された第1の細長可撓性要素と、第1の細長可撓性要素のまわりに位置決めされた第2の細長可撓性要素にして、導電性材料で形成され、0.018”、0.014”以下の外側直径を有する第2の細長可撓性要素と、第1の細長可撓性要素の遠位部位に結合された径方向容量式圧力感知構造体にして、空洞の少なくとも一部位のまわりに位置決めされた可撓性膜および空洞内の圧力に対する周囲圧力の変化によって変位されるように可撓性膜の少なくとも一部位のまわりに位置決めされた導電性部材を有する径方向容量式圧力感知構造体と、細長可撓性要素の遠位部位に結合された特定用途の集積回路(ASIC)にして、径方向容量式圧力感知構成要素の導電性部材と第1のおよび第2の可撓性細長要素と電気的に連通した集積回路(ASIC)とを備える。
【0008】
一部の事例では、第1の細長可撓性要素の近位部位の一セクションが第1の導電帯に電気的に結合される。さらに一部の事例では、第2の細長可撓性要素の近位部位の一セクションが、第1の導電帯が第2の導電帯の近位に位置決めされるように第2の導電帯を画定する。一部の実施形態では、ガイドワイヤは第1と第2の導電帯の間に位置決めされた絶縁部材をさらに含み、絶縁部材は第1の細長可撓性要素のまわりに位置決めされる。一部の実装形態では、第2の細長可撓性要素の大部分は、第1の細長可撓性要素をカバーする非導電層によって第1の細長可撓性要素から電気的に隔離される。一部の事例では径方向容量式圧力感知構造体の空洞はハウジングの内腔を含む。一部の実施形態では、ハウジングはハウジングの側壁内に内腔と連通した複数の開口部を含む。一部の事例では、複数の開口部はハウジングの円周のまわりで半径方向に形成され、ハウジングは円筒状の外形を有する。
【0009】
他の実施形態では、血管内圧力感知システムが提供される。このシステムは、上述の特徴部と類似の特徴部、即ち圧力感知ガイドワイヤによって得られたデータを処理するように構成された処理システムと、圧力感知ガイドワイヤを処理システムに通信可能に結合するように構成されたインタフェースとを有する圧力感知ガイドワイヤを備える。
【0010】
他の実施形態では、圧力感知機器を製造する方法が提供される。この方法は、第1の導電性管状部材を提供するステップにして、第1の導電性管状部材はその長さに沿って内腔を有する、ステップと、第1の導電性管状部材の側壁を通して複数の開口部を形成するステップにして、複数の開口部は第1の導電性管状部材の内腔と連通する、ステップと、第1の導電性管状部材の内腔の一部位および複数の開口部に仮設材料を充填するステップと、第1の導電性管状部材の外側面のまわりに仮設材料の帯を形成するステップにして、仮設材料の帯は複数の開口部を覆うように形成される、ステップと、第1の導電性管状部材を覆うように可撓性材料の層を、それが仮設材料の帯をカバーするように形成するステップと、内腔の一部位および複数の開口部を充填している仮設材料を除去するステップと、可撓性材料の層が第1の導電性管状部材の内腔内の圧力に対する周囲圧力の変化に反応するように、可撓性材料の層の内側面と第1の導電性部材の外側面との間で複数の開口部のそれぞれに隣接して空間が作り出されるように、仮設材料の帯を除去するステップとを含む。
【0011】
本開示のさらなる態様、特徴、および利点が以下の詳しい説明から明らかになろう。
【0012】
本開示の例示的な実施形態について以下の添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一実施形態による血管内装置の図式的概略側面図である。
【0014】
まとめて述べると、図2図27は、本開示の一実施形態による図1の血管内装置の製造および/または組み立ての様々な態様を示す。
図2】本開示の一実施形態による血管内装置の遠位コア部位の図式的斜視図である。
図3】本開示の一実施形態による図2の遠位コア部位に結合された拡張器の図式的斜視図である。
図4】本開示の一実施形態による図3の拡張器に結合された管状部材の図式的斜視図である。
図5】本開示の一実施形態による、図4に類似するが管状部材および/または拡張器の部位の除去を示す、拡張器に結合された管状部材の図式的斜視図である。
図6】本開示の一実施形態による、図4および図5に類似するが管状部材内の開放空間を仮設構造部が充填している状態の管状部材および拡張器を点線で示す、拡張器に結合された管状部材の図式的斜視図である。
図7】本開示の一実施形態による、図6に類似するが管状部材の一部位のまわりに仮設環状帯が形成された、拡張器に結合された管状部位の図式的斜視図である。
図8】本開示の一実施形態による、管状部材と、拡張器と、材料層が被覆された遠位コア部位との図式的斜視図である。
図9】本開示の一実施形態による、仮設構造部および仮設環状帯が可視化されるように管状部材を取り囲む材料層の一セクションを点線で示す、図8の材料層の形成後の拡張器に結合された管状部材の図式的斜視図である。
図10】本開示の一実施形態による、仮設構造部および仮設環状帯の除去後の拡張器に結合された管状部材の図式的斜視側面図である。
図11】本開示の一実施形態による、仮設構造部および仮設環状帯の除去後の拡張器に結合された管状部材の図式的斜視側断面図である。
図12図11の拡張器に結合された管状部材の図式的斜視側断面図の一部位の近接図である。
図13】本開示の一実施形態による、仮設構造部および仮設環状帯の除去後の管状部材の一セクションと材料層の一セクションとの図式的概略側断面図である。
図14】本開示の一実施形態による、管状部材を取り囲む材料層の一部位上に電極が形成された、拡張器に結合された管状部材の図式的斜視図である。
図15】本開示の一実施形態による、材料層の一セクションの除去と管状部材への可撓性細長部材の結合とを示す、拡張器に結合された管状部材の図式的斜視図である。
図16】本開示の一実施形態による、管状部材の一部位への誘電体の付着を示す、図15の可撓性細長部材に結合された管状部材の図式的斜視図である。
図17】本開示の一実施形態による、管状部材を取り囲む材料層の一部位上に別の電極が形成されたことを示す、図16と類似の可撓性細長部材に結合された管状部材の図式的斜視図である。
図18】本開示の一実施形態による、複数の導電性パッドが上に形成されたことを示す管状部材の一部位の図式的斜視図である。
図19】本開示の一実施形態による、図18の複数の導電性パッドに特定用途の集積回路(ASIC)が取り付けられたこと示す、管状部材の一部位の図式的斜視図である。
図20】本開示の一実施形態による、可撓性細長部材の大部分を取り囲む絶縁層を覆うように導電層を形成することを示す、可撓性細長部材と管状部材との図式的斜視図である。
図21】本開示の一実施形態による、可撓性細長部材の遠位部位のまわりに管状部材に隣接して導電性スペーサが位置決めされたことを示す、可撓性細長部材の遠位部位と管状部材との図式的斜視図である。
図22】本開示の一実施形態による、可撓性細長部材の遠位部位のまわりで図21の導電性スペーサに隣接して可撓性要素が位置決めされ、管状部材および導電性スペーサが絶縁材料層で被覆されたことを示す、可撓性細長部材および管状部材の図式的斜視図である。
図23】本開示の一実施形態による、可撓性細長部材の大部分のまわりで図22の可撓性要素に隣接して位置決めされた導電性管状部材を示す、可撓性細長部材および管状部材の図式的斜視図である。
図24】本開示の一実施形態による、導電性管状部材の一部位のまわりに絶縁材料層が形成された、図23の可撓性細長部材および導電性管状部材の概略的斜視図である。
図25】本開示の一実施形態による、図24に類似するが、可撓性細長部材のまわりで導電性管状部材の近位端に近位して絶縁スペーサが位置決めされたことを示す、可撓性細長部材および導電性管状部材の図式的斜視図である。
図26】本開示の一実施形態による、図25に類似するが、可撓性細長部材のまわりで絶縁スペーサの近位端に近位して導電性スリーブが位置決めされたこと示す、可撓性細長部材および導電性管状部材の図式的斜視図である。
図27】本開示の一実施形態による可撓性細長部材のまわりに位置決めされた導電性スリーブの図式的斜視端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の原理に対する理解をし易くする目的で、次に図面に示した実施形態に言及するが、それらついて述べるために特定の用語を使用する。しかしながら言うまでもなく、この開示の範囲に対していかなる制限も意図しない。ここに述べる装置、システム、および方法に対するいかなる代替形態およびさらなる修正形態、ならびに本開示の原理のいかなるさらなる用途も、本開示が関係する当業者に通常思い当たるであろうように本開示の中で完全に企図しており、それらは本開示に含まれる。特に、ある実施形態に関して述べた特徴、構成要素、および/またはステップが、本開示の他の実施形態に関して述べた特徴、構成要素、および/またはステップと組み合わせられてよいことも完全に企図している。しかし簡潔にするために、これらの組み合わせの多数のバージョンを個別に述べることはしない。
【0016】
本明細書では、「可撓性細長部材」または「細長可撓性部材」は少なくとも患者の血管系の中に挿入されることが可能な任意の細く、長い、可撓性の構造体を含む。本開示の「可撓性細長部材」のここに示す実施形態は、可撓性細長部材の外側直径を画定する円形断面の外形を備えた円筒状の外形を有するが、他の事例では、可撓性細長部材の全てまたは一部位が他の幾何学的断面外形(例えば楕円、長方形、正方形、長円形など)または非幾何学的な断面外形を有してよい。可撓性細長部材には、例えばガイドワイヤおよびカテーテルが含まれる。これに関して、カテーテルはその長さに沿って延びる、他の器具を受け取りかつ/または案内する内腔を含んでよく、または含まなくてもよい。カテーテルが内腔を含む場合、内腔は装置の断面外形に対して心合わせまたは偏位されてよい。
【0017】
ほとんどの実施形態で、本開示の可撓性細長部材は1つまたは複数の電子、光学、または電子光学構成要素を含む。例えば、以下に限定しないが、可撓性細長部材は1つまたは複数の以下のタイプの構成要素、即ち圧力感知器、温度感知器、画像化要素、光ファイバ、超音波変換器、反射器、鏡、プリズム、切除要素、RF電極、導電体、および/またはそれらの組み合わせを含んでよい。一般的に、これらの構成要素は、可撓性細長部材が配設された血管または解剖学的構造の他の部位に関係したデータを得るように構成される。構成要素はしばしばデータを処理および/または表示用の外部装置に伝達するようにも構成される。一部の態様では、本開示実施形態は、医療用途と非医療用途の両方を含む、血管の内腔内で画像化する画像化装置を含む。しかし、本開示の一部の実施形態は人体の血管系の関連で使用するのに特に適している。血管内の空間、特に人体の血管系の内部壁の画像化は、超音波(しばしば血管内超音波(「IVUS」)および心臓内エコー図診断法(「ICE」)と呼ばれる)および光コヒーレンス断層撮影法(「OCT」)を含む多数の様々な技法によって達成することが可能である。他の事例では、赤外線、熱、または他の画像診断法が利用される。
【0018】
本開示の電子、光学、および/または電子光学構成要素はしばしば可撓性細長部材の遠位部位内に配設される。本明細書では、可撓性細長部材の「遠位部位」には、可撓性細長部材の中間点から遠位先端までの任意の部位が含まれる。可撓性細長部材は中実であることが可能であることから、本開示の一部の実施形態は遠位部位に電子構成要素を受け取るハウジングを含むことになる。このようなハウジング部位は、細長部材の遠位部位に取り付けられる管状構造体であることが可能である。一部の可撓性細長部材は管状であり、遠位部位内に電子構成要素が位置決めされることが可能な1つまたは複数の内腔を有する。
【0019】
電子、光学、および/または電子光学構成要素とそれらに関連する通信回線とは、可撓性細長部材の直径が極めて小さくなれるように寸法決めおよび形状化される。例えば、本明細書で述べるような1つまたは複数の電子、光学、および/または電子光学構成要素を含むガイドワイヤまたはカテーテルなどの細長部材の外側直径は、約0.0007”(0.0178mm)から約0.118”(3.0mm)の間であり、一部の特定の実施形態は約0.014”(0.3556mm)から約0.018”(0.4572mm)の間の外側直径を有する。そのようなことから、本出願の電子、光学、および/または電子光学構成要素(複数)を組み込む可撓性細長部材は、四肢の静動脈、腎動脈、脳内・周囲の血管、および他の内腔を含む、心臓の部分またはそれを直接取り囲むもの以外のヒト患者内の多様な内腔で使用するのに適している。
【0020】
本明細書の「連結された」、「結合された」、およびそれらの変化形には、他の要素に、要素上に、要素内等に、糊付けまたは他のやり方で直接締結されるなどの直接的な連結、ならびに、連結された要素同士の間に1つまたは複数の要素が配設される間接的な連結が含まれる。
【0021】
本明細書の「締着された」およびその変化形には、他の要素、要素上、要素内等に糊付けまたは他のやり方で直接締結されるなどの方法、ならびに、締着された要素同士の間に1つまたは複数の要素が配設される間接的な技法が含まれる。
【0022】
次に図1を参照すると、そこには本開示の一実施形態による血管内装置100の一部位を示している。これに関して、血管内装置100は、可撓性細長部材102と、遠位端105に隣接した遠位部位104と、近位端107に隣接した近位部位106とを含む。遠位先端105の近位の可撓性細長部材102の遠位部位104内に構成要素108が画定される。一般的に構成要素108は1つまたは複数の電子、光学、または電子光学構成要素を代表するものである。これに関して、構成要素108は圧力感知器、温度感知器、画像化要素、光ファイバ、超音波変換器、反射器、鏡、プリズム、切除要素、RF電極、導電体、および/またはそれらの組み合わせであってよい。特定のタイプの構成要素または構成要素の組み合わせは血管内装置の使用目的に基づいて選択されることが可能である。以下に述べるように、本開示の一部の特定の実施形態では、構成要素108は容量式圧力感知器および関連する構成要素である。一部の事例では、構成要素108は遠位先端105から10cm未満、5未満、または3cm未満に位置決めされる。
【0023】
ここに示す実施形態では、構成要素108は近位可撓性要素109と遠位可撓性要素110との間に位置決めされる。近位可撓性要素109、110は典型的には可撓性細長部材102に対してより大きな可撓性を有する。そのために、一部の実施形態では可撓性要素の一方または両方は、コイル、ポリマーチューブ、コイルが埋め込まれたポリマーチューブ、および/またはそれらの組み合わせである。これに関して、コイルは、丸いワイヤ、平坦なワイヤ、丸く平坦なワイヤ、一定ゲージのワイヤ、可変ゲージのワイヤ、一定ピッチ、可変ピッチ、単一コイル、多重コイル、重複コイル、ねじ切りコイル、および/またはそれらの組み合わせを含む任意の形態をとってよい。一部の事例では、構成要素108はハウジング内に位置決めされる。これに関して、ハウジングは、一部の事例では近位および遠位可撓性要素109、110に締着された個別の構成要素である。他の事例ではハウジングは可撓性要素109、110の少なくとも一方の一部として一体的に形成される。そのために一部の事例では、近位および遠位可撓性要素109、110は、構成要素108が締着された単一の連続した可撓性要素で形成される。
【0024】
血管内装置100は装置の近位部位106に隣接する接続器111も含む。ここに示す実施形態では、接続器111の最近位部位は血管内装置100の近位端107に延びる。他の事例では、接続器111の最近位部位は可撓性細長部材102の近位端107から離隔される。一般的に、接続器の近位端107からの離隔は血管内装置100の全長の0%から50%の間である。血管内装置の全長は任意の長さであることが可能であるが、一部の実施形態では全長は約1300mmから約4000mmの間であり、一部の特定の実施形態は1400mm、1900mm、および3000mmの長さを有する。したがって、一部の事例では、接続器111は近位端107から約0mmから約1400mm離隔される。一部の特定の実施形態では、接続器111は0mm、300mm、および1400mmの距離だけ近位端から離隔される。
【0025】
接続器111は血管内装置100と他の装置との間の通信をし易くするように構成される。より具体的には、一部の実施形態では、接続器111は構成要素108によって得られたデータの、計算装置または処理装置などの他の装置への通信をし易くするように構成される。したがって、一部の実施形態では、接続器111は電気接続器である。そのような事例では、接続器111は、可撓性細長部材102の長さに沿って延びて構成要素108に電気的に結合される1つまたは複数の導電体に電気的接続を提供する。他の実施形態では、接続器111は光接続器である。そのような事例では、接続器111は、可撓性細長部材102の長さに沿って延びて構成要素108に光結合される1つまたは複数の光通信経路(光ファイバケーブルなど)に電気接続を提供する。さらに、一部の事例では、接続器111は、構成要素108に結合された導電体(複数)および光通信経路(複数)の両方に電気接続および光接続の両方を提供する。これに関して、再度注目すべきは、一部の事例では構成要素108は複数の要素から構成されることである。一部の事例では、接続器111は直接的あるいは間接的に他の装置に物理的な連結を提供する。他の事例では、接続器111は、血管内装置100と他の装置との間の無線通信をし易くするように構成される。一般的に、任意の現行または将来的に開発される無線プロトコル(複数)が利用されてよい。さらに他の事例では、接続器111は他の装置への物理的接続および無線接続の両方をし易くする。
【0026】
上述のように、一部の事例では接続器111は血管内装置100の構成要素108と外部装置との間の接続を提供する。したがって、一部の実施形態では1つまたは複数の導電体、1つまたは複数の光経路、および/またはそれらの組み合わせが可撓性細長部材102の長さに沿って接続器111と構成要素108の間に延びて、接続器111と構成要素108との間の通信をし易くする。一般的に、任意の数の導電体、光経路、および/またはそれらの組み合わせが可撓性細長部材102の長さに沿って接続器111と構成要素108との間に延びることが可能である。一部の事例では、1つから10個の導電体および/または光経路が可撓性細長部材102の長さに沿って接続器111と構成要素108との間に延びる。明確かつ簡単にするために、以下に述べ、図1に示した本開示の実施形態は、可撓性細長部材102の長さを構成要素108まで延びる導電要素にそれぞれ結合される2つの導電帯112、114を含む。これに関して、2つの導電帯112、114および関連する導電要素は特に本開示の容量式圧力感知システムで使用するのに適している。しかし、言うまでもなく、通信経路の総数ならびに/あるいは導電体および/または光経路の数は他の実施形態では異なる。より具体的には、可撓性細長部材102の長さに沿って延びる通信経路の数と導電体および光経路の数とは、構成要素108に所望される機能性と構成要素108にそのような機能性を提供するように規定する対応する要素とによって決定される。
【0027】
次に図2図27を参照すると、そこには本開示の実施形態による図1の血管内装置の製造および/または組み立ての様々なステップ/または態様を示している。これに関して、図2図27について、血管内装置の製造および/または組み立てに関連するステップに照らして述べる。言うまでもなく、ここに述べるステップは本質的に例示的なものであり、本開示の範囲から逸脱せずに、1つまたは複数のステップが省略されてよく、1つまたは複数の追加のステップが加えられてもよく、かつ/またはステップの順序が変更されてもよい。さらに、当業者であれば、以下に述べるステップと同じ結果を達成する代替方法または代替様式があること、またそのような代替的技法も本開示の範囲内に含まれることを認識するであろう。
【0028】
最初に図2を参照すると、そこには本開示の一実施形態による血管内装置の遠位コア120を示している。ここに示しているように、遠位コア120は一般的に円筒状の外形を有する近位部位122と、一般的に長方形外形を有する遠位部位124とを含む。一部の事例では、遠位部位124は、最初は円筒状の外形を有する遠位コア120の一部位を平坦化することによって形成される。一般的に、遠位部位124は血管内装置の遠位先端または端部まで延びるように構成される。一部の事例では、遠位コア120の遠位部位124のまわりに、図1に関して述べた可撓性要素110などの可撓性要素が位置決めされる。遠位コア120は、以下に限定しないが、ステンレススチール、ニチノール、光ファイバ、および/または他の適切な材料または材料の組み合わせを含む任意の適切な材料で形成されてよい。ここに示した実施例では、遠位コア120はステンレススチールで形成される。
【0029】
次に図3を参照すると、遠位コア120の近位部位122のまわりに位置決めされた拡張器126を示している。特に、拡張器126は、拡張器126と近位部位122の遠位端同士が遠位コア120の長さに沿って位置合わせされるように、遠位コア120の近位部位122のまわりに位置決めされる。しかし、他の実施形態ではそのような位置合わせは必要なく、遠位端同士は遠位コア120の長手軸に沿って偏位される。拡張器は一般的に円筒状の外形を有し、遠位コア120の近位部位122の径方向直径を拡張する働きをする。そのために一部の事例では、近位部位122は約0.05mmから約0.15mmの間の直径を有し、拡張器126は近位部位122よりも僅かに大きな内側直径と、約0.15mmから約0.35mmの間の外側直径とを有する。さらに、拡張器126は軸方向長さ128を有する。一部の実装形態では、拡張器126の軸方向長さ128は約0.5mmから6.0mmの間である。一部の事例では、拡張器126の軸方向長さ128は近位部位122の軸方向長さと等しい。他の事例では、拡張器126の軸方向長さ128は近位部位122の軸方向長さよりも短く、または長い。一部の事例では拡張器126の内側直径は軸方向長さ128全体に延びるが、他の事例では拡張器126の内側直径は軸方向長さ128全体には延びない。拡張器126は、以下に限定しないが、ステンレススチール、ニチノール、光ファイバ、および/または他の適切な材料または材料の組み合わせが含まれる任意の適切な材料で形成されてよい。一部の実装形態では、拡張器126は少なくとも部分的には導電性材料で形成される。拡張器126は、拡張器126と遠位コア120の近位部位122との選択材料に適した技法を利用して、遠位コア120の近位部位122に固定して締着され、圧力損失に抗するように封止される。したがって、一部の事例では、拡張器126は、はんだ付け、溶接、接着剤、圧伸成形、および/またはそれらの組み合わせによって遠位コア120の近位部位122に固定して締着される。ここに示す実施形態では、拡張器126はステンレススチールで形成され、遠位コア120の近位部位122にレーザ溶接される。
【0030】
次に図4を参照すると、拡張器126のまわりに位置決めされた管状部材130を示している。これに関して、拡張器は一般的に円筒状の外形を有し、したがって拡張器の径方向直径をさらに拡張する。そのために、一部の事例では、管状部材130は、拡張器126の外側直径よりも僅かに大きな内側直径と、約0.15mmから約0.35mmの間の外側直径とを有する。ここに示す実施形態では、管状部材130は、管状部材130と拡張器126の遠位端同士が近位部位122の長さに沿って位置合わせされるように、拡張器126のまわりに位置決めされる。しかし、他の実施形態ではそのような位置合わせは必要なく、遠位端同士は近位部位122の長手軸に沿って偏位される。さらに、管状部材130は、拡張器126の軸方向長さ128よりも大きく、それと等しく、それ未満であってよい軸方向長さ132を有する。ここに示す実施形態では、管状部材130の軸方向長さ132は拡張器126の軸方向長さ128よりも大きい。一部の実装形態では、管状部材130の軸方向長さ132は約0.5mmから約6.0mmの間である。以下により詳しく論じるように、拡張器126に対する管状部材130のより大きな長さまたは軸方向の偏位は、管状部材130の中央内腔が拡張器126(と遠位コア120の近位部位122と)によって部分的にしか占められないことを可能にする。ここに示す実施形態では、管状部材130と拡張器126の遠位端同士が位置合わせされ、管状部材130が拡張器126の軸方向長さ128よりも大きな軸方向長さ132を備えた状態で、中央内腔内に、軸方向長さ132と軸方向長さ128の差異に等しい空洞が作り出される。本開示の一部の実装形態では、管状部材130の内腔内のこの開放空間は容量式圧力測定をし易くするように利用される。
【0031】
管状部材130は、以下に限定しないが、ステンレススチール、ニチノール、光ファイバ、ポリマー、銅、金、および/あるいは他の適切な材料または材料の組み合わせが含まれる任意の適切な材料で形成されてよい。一部の実装形態では、管状部材130は少なくとも部分的に導電性材料で形成される。例えば、一部の事例では、管状部材はまず非導電性材料で形成され、次いで導電性材料で被覆される。このような事例では、管状部材の全てまたはいくつかの部位のみが導電性材料で被覆されてよい。管状部材130は、管状部材130と拡張器126の選択材料に適した技法を利用して拡張器126に固定して締着される。したがって、一部の事例では、管状部材130は、はんだ付け、溶接、接着剤、圧締め、圧伸成形、および/またはそれらの組み合わせによって拡張器126に固定して締着される。ここに示す実施形態では、管状部材130はステンレススチールで形成され、延長器126にレーザ溶接される。このようにここに示す実施形態では、管状部材130は延長器126に電気的に結合される。他の実施形態では、管状部材130および延長器126は1つの装置としてマイクロモールドされ、次いで溶接、糊付け、はんだ付け、圧締め、圧伸成形、および/または他のやり方で遠位コア120の近位部位122に結合される。同様に、一部の実装形態では、管状部材130および延長器126から生じる形状に対応する形状が遠位コア120の近位部位122上に直接オーバーモールドされる。オーバーモールドされる材料は導電性または非導電性であることが可能である。非導電性材料が利用される場合、上述のように導電性の被覆が付着されることも可能である。一般的に述べると、遠位コア120、拡張器126、および管状部材130から成るアセンブリは、電気装置の基板(印刷回路板またはフレックス回路のような)あるいは容量式感知器の「正電極」または静的部材として考えられることができる。
【0032】
次に図5を参照すると、本開示の一実施形態によって、管状部材130および拡張器126の部位が除去されている。特に、管状部材130および拡張器126の部位の除去によって取付け構造部134が画定されている。取付け構造部134は、1つまたは複数の電気、光、および/または電子光構成要素の取付けおよび相互接続をし易くするように寸法決めおよび形状化される。したがって、取付け構造部134はそのような構成要素を取り付けるのに望ましい実質的に任意の形状をとることが可能である。ここに示す実施形態では、取付け構造部134は一般的に長方形の外形を有して、近位壁138と近位壁の反対側の遠位壁とによって境界を画される平坦な底面136を備える。以下に述べるように、ここに示す実施形態の取付け構造部134は、特定用途の集積回路(ASIC)の血管内装置の関連する構成要素への電気的に結合を含む、ASICの取付けをし易くするように寸法決めおよび形状化される。さらに、管状部材の中央内腔へのアクセスを提供するために管状部材130内に複数の開口部140が形成される。一般的に、任意の数の開口部が利用されてよいが、一部の事例では1つから20個の間の開口部が形成される。ここに示す実施形態では、管状部材130の円周のまわりに開口部140が環状に形成される。これに関して、開口部は円周のまわりで均等に離隔され、円周のまわりで対称形に離隔され、あるいは円周のまわりで不規則に離隔されてよい。さらにここに示す実施形態では、開口部140は円形の断面外形を有する。しかし言うまでもなく、開口部は実質的に任意の幾何学的外形(三角形、長方形、正方形、円、楕円、長円形、台形、五角形、六角形など)または非幾何学的断面外形を有してよい。
【0033】
一般的に、管状部材130および拡張器126の部位は、適用可能な材料に適した任意の技法を使用して除去されてよい。例えば、一部の事例では管状部材130および拡張器126の部位はレーザ、EDM、マイクロドリル、研削、CNC、他の適切な技法、および/またはそれらの組み合わせを使用して除去される。さらに、言うまでもなく一部の事例では、管状部材130および/または拡張器126の部位は、管状部材130の拡張器126への組み立ての前、および/または拡張器126の遠位コア120の近位部位122への組み立ての前に除去される。なおさらに、一部の実施例では単一の細長ハイポチューブから複数の管状部材130が形成される。これに関して、単一の細長ハイポチューブは、軸方向長さ132をそれぞれが有する複数のセクションに切断されてよい。また、図5で除去されたところを示している管状部材130の部位も同様に、単一の細長ハイポチューブの形態にある間に(例えば、細長ハイポチューブの長さに沿って、複数の管状部位を形成するのに必要な間隔で必要な部位を繰り返し除去することによって)、あるいは個々の管状部材の形成後に除去されてよい。同様に、一部の事例では単一の細長ハイポチューブから複数の拡張器126が形成される。これに関して、単一の細長ハイポチューブは、軸方向長さ128をそれぞれが有する複数のセクションに切断されてよい。また、図5で取付け構造部134に関して除去されたところを示している拡張器126の部位も同様に、単一の細長ハイポチューブの形態にある間に(例えば、細長ハイポチューブの長さに沿って、複数の管状部位を形成するのに必要な間隔で必要な部位を繰り返し除去することによって)、あるいは個々の拡張構成要素の形成後に除去されてよい。
【0034】
次に図6を参照すると、中央内腔および開口部140を含む管状部材130内の開放空間を充填するために管状部材130の内腔の中に材料142が導入されている。材料142は後で除去されることになる仮設構造部を形成する。したがって一部の事例では、材料142は、管状部材130、拡張器126、および/または遠位コア120の近位部位122を損傷せずに化学的に除去されることの可能な材料で形成される。例えば、一部の事例では材料142は銅(Cu)であることも可能である。
【0035】
一部の事例では、管状部材130の表面は精密センタ研削および研磨される。さらに一部の事例では、任意選択で管状部材130の中に精密な溝が切り込まれ、または研削される。これに関して、溝はより詳しく以下に述べる環状帯144を受け取るように寸法決めおよび形状化される。したがって、一部の事例では溝は、材料142が溝を充填するように材料142を導入する前に形成される。一部の事例では、材料142が充填された溝は、精密センタ研削および研磨されて滑らかになって、それが管状部材130の残りの部位と同じ外側直径を有するようになる。
【0036】
次に図7を参照すると、本開示の一実施形態によって管状部材130の一部位のまわりに環状帯144が形成される。これに関して、環状帯144は管状部材130のまわりで開口部140と位置合わせされた状態で環状に延びる。一部の実施形態では、環状帯144は、以上に論じたように管状部材の外側面に形成された溝内に形成される。環状帯144は後で除去されることになる仮設構造部でもある。したがって、一部の事例では、環状帯144は、管状部材130、拡張器126、および/または遠位コア120の近位部位122を損傷せずに化学的に除去されることの可能な材料で形成される。そのために、一部の実装形態では環状帯144は材料142によって画定される仮設構造部と同じ材料で形成される。例えば、環状帯144は銅で形成されることも可能である。
【0037】
次に図8を参照すると、本開示の一実施形態によって、管状部材130と、拡張器126と、遠位コア120の近位部位122とを覆うように材料層146が形成される。一般的に、材料層146は、以下にさらに詳しく述べるように容量式圧力感知装置用の膜として作用するのに適した可撓性材料で形成される。したがって、一部の事例では、材料層146は可撓性の非導電性ポリマー材料で形成される。一部の実施形態では、材料層146はパリレン、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、および/またはそれらの組み合わせで形成される。さらに、一部の事例では材料層146は約0.001mmから約0.003mmの間の厚みを有する。ここに示す実施形態では、材料層146は約0.0013mmの厚みを有するパリレンである。一部の事例では、材料層146は遠位コア120の遠位部位124を覆って延びる。他の事例では、材料層146が遠位部位124を覆って延びないように、遠位コア120の遠位部位124はマスキングおよび/または他のやり方で処理、保護、または回避される。
【0038】
次に図9を参照すると、材料層146の形成後の仮設構造部142および仮設環状帯144の存在を明らかにするために、管状部材130と管状部材130の部位とのまわりに延びる材料層146の一セクションを点線で示している。材料層146が形成された状態で、仮設構造部142および仮設環状帯144は化学的に除去される。一部の実施形態では、仮設構造部142および仮設環状帯144は材料層146の形成後直ぐに除去される。他の実施形態では、材料層146の形成後、かつ仮設構造部142および仮設環状帯144が除去される前に1つまたは複数の追加のステップが実施される。例えば、一部の事例では、図14に関して述べた電極の形成は仮設構造部142および仮設環状帯144を除去する前に実施される。
【0039】
次に図10図12を参照すると、本開示の一実施形態によって、仮設構造部142および仮設環状帯144を除去した後の材料層146と、管状部材130と、拡張器126と、遠位コア120の近位部位122とを示している。図11および図12で最もよく示すように、仮設構造部142および仮設環状帯144が除去された状態で、可撓性材料層146は開口部140を介して管状部材130の中央内腔148と連通する。さらに、開口部140に隣接して位置決めされた材料層146のセクションは、除去された仮設環状帯144の厚みと等しい距離だけ、間隔分管状部材130の外側壁から離隔される。この離隔は材料層146が圧力変化に反応して撓むのを可能にする。
【0040】
図13を参照すると、材料層146と開口部140に隣接した管状部材130との構成配置のより詳しい断面外形を示している。ここに示すように、材料層146の下側面152と開口部140に隣接した管状部材130の外側壁との間に空間150が設けられる。上述のように、空間150は環状帯144の厚みによって画定される。ここに示す実施形態では、環状帯144は開口部140の直径156よりも大きな幅154を有する。一部の事例では、幅154は約0.1mmから約0.2mmの間であり、直径156は約0.1mmから約0.2mmの間である。空間150は、圧力変化、特に材料層146を取り囲む環境圧力と管状部材130の中央内腔148の周囲圧力(通気口付きの場合)または封止圧力との間の相対的な変化に反応した材料層146の撓みをし易くする。一部の事例では、管状部材130の中央内腔148内の圧力は大気圧である。例えば、一部の事例では、中央内腔148は、内腔148から大気圧源に延びる血管内装置に関連する1つまたは複数の追加の内腔と連通する。他の事例では、内腔148は既知のかつ/または一定の圧力値で封止される。
【0041】
次に図14を参照すると、材料層146の一部位を覆って、かつ144によって形成された空洞を覆って電極158が形成されている。電極158の幅は溝幅154よりも大きく、溝幅154と等しく、または溝幅154よりも小さくてよい。ここに示す実施形態では158の幅は溝幅154よりも大きい。電極158は、金(Au)、チタニウム/金の合金(Ti/Au)、および/または他の適切な導電性材料などの導電性材料で形成され、同一または様々な材料の1つまたは複数の層から構成されてよい。電極158は相加法または減法によって形成されてよい。これらの方法には、以下に限定しないが、エアロゾルジェット印刷、インクジェット印刷、粉末金属製作、レーザ直接焼結法、めっき腐蝕法、めっきレーザアブレーション、および/または他の適切な技法が含まれる。ここに示す実施形態では、電極158は、管状部材130のまわりに延びる環状部位160と、管状部材130の主軸に沿って延びる軸方向部位162と、取付け構造部134の最遠位区域にわたって延びるパッド部位164とを含み、それらと電気的に連通する。
【0042】
電極158の環状部位160は材料層146の外側面に、144によって形成された空洞の直ぐ上で固定して取り付けられる。一部の実施形態では、環状部位160は144によって形成された空洞上で心合わせされ、他の実施形態では環状部位160は144によって形成された空洞上で心合わせされない。環状部位160(カソード)と、材料層146(誘電体)と、120、126、および130(アノード)から形成された構造体とからコンデンサが形成される。144によって形成された空洞を取り囲む圧力と空洞の周囲圧力または封止圧力との間に充分な差異がある状態で、懸架された材料層146および環状部位160は偏向して、可変コンデンサを作り出すことになる。この容量式圧力感知動作をし易くするために、一部の実施形態では電極158の環状部位160は開口部140上で心合わせされ、管状部材130の円周のまわりを、管状部材の全円周の約25%から約100%の間分延びる。図15から図18に示すように、ここに示す実施形態では、電極158の環状部位160は管状部材130の円周の大部分のまわりを延びるが、材料層146の非導電性セクション166が環状部位160の範囲限度同士の間に留まるように、まわりを完全には延びない。他の事例では、電極158の環状部位160は管状部材130の円周のまわりを完全に延びる。そのような事例では、セクション166と類似の非導電区域を画定するように、環状部位160の一セクションを覆うように誘電パッチまたは誘電層が形成されてよい。
【0043】
電極158の軸方向部位162は環状部位160とパッド部位164との間を延びる。ここに示す実施形態では、電極158の軸方向部位162は、実質的にセクション166の反対側である管状部材130の側上に位置決めされる。電極158のパッド部位164は、取付け構造部134内に後で取り付けられることになるASIC構成要素用のパッド位置を画定する。したがって、電極158の軸方向部位162は環状部位160とパッド部位164との間に導電経路を提供して、環状部位160の電気容量の変化がASIC構成要素に伝達されることが可能であるようにする。
【0044】
次に図15を参照すると、拡張器126上の接地パッド168と遠位コア120の近位部位122とを露出するように、取付け構造部134内の材料層146のセクション167が除去されている(例えばレーザアブレーションまたは他の適切な技法を使用して)。セクション168は、後で取付け構造部134内に取り付けられることになるASIC構成要素用の接合パッドを画定する。さらに、可撓性細長部材170は管状部材130の近位部位に結合される。ここに示す実施形態では、可撓性細長部材170の遠位部位が管状部材130の内腔148内に位置決めされる。しかし、可撓性細長部材170の遠位部位は、材料層146と電極158の環状部位160とが開口部140を通って内腔圧力にアクセスできるのをそれが妨害しないように、管状部材130内の開口部140から近位方向に離隔されるように、内腔内に位置決めされる。一部の実装形態では、管状部材130の内腔148は、可撓性細長部材170の遠位部位が開口部140を妨害せずに管状部材130内に適切に位置決めされることを保証すために、カウンタボア、ショルダ(複数)、および/または他の適切な係合構造体を含む。
【0045】
一部の実装形態では、可撓性細長部材170はその長さに沿って延びる内腔を有する管状部材である。そのために、可撓性細長部材170の内腔は管状部材130の内腔148と連通して、可撓性細長部材170の内腔をそれだけまたは他の要素との組み合わせで使用して、内腔148を大気圧および/または既知の圧力値などの基準圧力源に曝すことを可能にするようにする。一部の実施形態では、可撓性細長部材170は中実ワイヤであり、したがって大気圧を引き合いに出す必要はない。可撓性細長部材170は、以下に限定しないが、ステンレススチール、ニチノール、光ファイバ、セラミック、および/または他の適切な材料あるいはそれらの組み合わせが含まれる任意の適切な材料で形成されてよい。一部の実装形態では、可撓性細長部材170は少なくとも部分的には導電性材料で形成される。例えば、一部の事例では、管状部材は導電性材料が被覆された非導電性材料で形成される。そのような事例では管状部材の全てまたはいくつかの部位のみが導電性材料で被覆されてよい。可撓性細長部材170は、可撓性細長部材170および管状部材130の選択材料に適した技法を利用して管状部材170に固定して締着される。したがって、一部の事例では、可撓性細長部材170は、はんだ付け、溶接、接着剤、圧締め、圧伸成形、および/またはそれらの組み合わせによって管状部材130に固定して締着される。ここに示す実施形態では、可撓性細長部材170はステンレススチールで形成され、溶接線172によって示すように管状部材130にレーザ溶接される。ここに示す実施形態では、可撓性細長部材170は管状部材130に電気的に結合される。一部の実装形態では、細長部材170と、管状部材130と、関連する装置の電気的に結合された部位とは接地信号を担持する。
【0046】
一部の事例では、可撓性細長部材170はその長さの大部分に沿って外側絶縁被覆(例えばパリレン層または他の適切な絶縁材料)を含む。一部の事例では、絶縁被覆は可撓性細長部材170が管状部材130に結合された後に付着される。他の事例では、絶縁被覆は可撓性細長部材170が管状部材130に結合される前に付着される。そのために、一部の事例では可撓性細長部材170の1つまたは複数のセクションが、絶縁被覆の付着を防止するようにマスキング、処理、および/または回避される。例えば、管状部材130に溶接される可撓性細長部材170のセクションは、処置後の絶縁被覆を含まない場合があり、かつ/または電気接続器を画定するように使用される(または電気接続器に結合される)可撓性細長部材170の近位セクションは絶縁被覆を含まない場合がある。代替方法として、一部の事例では絶縁被覆は可撓性細長部材170全体に付着され、次いで可撓性細長部材170の下敷部位を露出するように必要に応じて絶電被覆のセクションが除去される。
【0047】
次に図16を参照すると、溶接線172を覆うように誘電パッチ174が形成される。ここに示すように、誘電パッチ174は一般的に材料層146のセクション166と位置合わせされて、電極158の環状部位160の端同士を分離する。電極158の環状部位160が管状部材130のまわりを完全に延びる実施形態では、誘電パッチ174が溶接線172と環状部位160の両方をわたって延びることが可能である。代替方法として、電極158の環状部位160が管状部材130のまわりを完全に延びる実施形態で、2つの異なった誘電パッチが溶接線172と環状部位160のそれぞれにわたって形成されることも可能である。誘電パッチはパリレン、PDMS、または他の適切な誘電材料などの任意の適切な誘電材料で形成されることが可能である。誘電パッチ174およびセクション166は、電極176(図17参照)を電極158および管状部材130から電気的に隔離する働きをする。
【0048】
次に図17を参照すると、本開示の一実施形態によって管状部材130を取り囲む材料層146の一部位を覆って電極176が形成されている。電極176は金(Au)、チタニウム/金の合金(Ti/Au)、および/または他の適切な導電性材料などの導電性材料で形成され、同一または様々な材料の1つまたは複数の層から構成されてよい。電極176は相加法または減法によって形成されてよい。これらの方法には、以下に限定しないが、エアロゾルジェット印刷、インクジェット印刷、粉末金属製作、レーザ直接焼結法、めっき腐蝕法、めっきレーザアブレーションなどが含まれる。ここに示す実施形態では、電極176は、管状部材130の近位端上に形成されたリングパッド178と、管状部材130の主軸に沿って延びる軸方向部位180と、取付け構造部134の最遠位区域にわたって延びるパッド部位182とを含み、それらと電気的に連通する。
【0049】
電極176のリングパッド178は、管状部材130の円周のまわりを可撓性細長部材170の全円周の約25%から約100%の間分延びる。ここに示す実施形態では、電極176のリングパッド178は可撓性細長部材170の円周のまわりを完全に延びる。電極176の軸方向部位180はリングパッド178とパッド部位182の間を延びる。ここに示す実施形態では、電極158の軸方向部位162の実質的に反対側の管状部材130の側に電極176の軸方向部位180が位置決めされる。そのために、軸方向部位180は、電極176が電極158および管状部材130から電気的に隔離されるように誘電パッチ174と材料層146のセクション166とにわたって延びる。電極176のパッド部位182は、後で取付け構造部134内に取り付けられることになるASIC構成要素用のパッド位置をさらに画定する。したがって、電極176のパッド部位182はリングパッド178とパッド部位182との間に導電経路を提供する。
【0050】
次に図18を参照すると、取付け構造部134上のパッド位置に導電性材料(例えば導電性接着剤、導電膜、はんだペースト、はんだボールなど)が付着される。ここに示す実施形態では、ASICがパッド位置に電気的に結合されるようにASICを取付け構造部134内に取り付けるのをし易くするために、電極158のパッド部位164と、拡張器126上の接地パッド168と、電極176のパッド部位182とに導電性接着剤が付着される。ここに示すように、電極158のパッド部位164に接着剤184が付着され、拡張器126上の接地パッド168に接着剤186が付着され、電極176のパッド部位182に接着剤188が付着される。一般的に任意の適切な導電性接着剤が利用されてよい。一部の事例では接着剤は銀エポキシである。
【0051】
次に図19を参照すると、取付け構造部134内にASICモジュール190が取り付けられ、これが電極158のパッド部位164と拡張器126上の接地パッド168と電極176のパッド部位182とにそれぞれ導電性接着剤184、186、188よって電気的に結合される。一部の事例では、ASICモジュール190は1つまたは複数の構成要素であってよく、メモリ装置、信号調整、ワイヤレス通信インタフェースなどに関連する機能のうちの1つ、いつくか、または全てを含んでよい。メモリ要素は感知器の特性および使用法についての情報を記憶してよい。一部の事例では、メモリ要素は装置特有の情報、即ち装置ID、使用制限、感知器ID、温度係数、ゼロオフセット、スケール因子、感度、製造日、製造時、および製造場所などを記憶する。さらに、メモリ要素は、装置の起動または使用の1つまたは複数の特定期間に関する情報、即ちカウント、日付、時間、場所、システムID、最低圧力、最高圧力、最低速度、最高速度、最低温度、最高温度、およびセンタリングされた(y/n)などを記憶してよい。ASICモジュール190はVCCを介してパッド部位164から付勢され、接地パッド168から接地される。取付け構造部134内にASICモジュール190が取り付けられた状態で、ASICモジュール190のまわりの間隔は、ASICモジュール190を定位置にさらに固定し、かつ/または装置の外側外形をそれが管状部材130の長さに沿って一般的に一定の外側外形を有するように円筒状形態に戻すようために、下充填および/またはオーバーモールドを使用して充填されることが可能である。
【0052】
次に図20を参照すると、絶縁材料層146の最近位部位で導電層が絶縁帯部位194以外の全てをカバーするように、材料層146覆うように導電層192が形成される。ここに示すように、絶縁帯部位194を画定する絶縁材料層146の最近位部位は、導電帯196が画定されるように可撓性細長部材170の最近位部位から離隔される。上述のように、一部の事例では可撓性細長部材170は、導電帯196が接地帯となるように接地源として働く。図20は、可撓性細長部材170の近位端で可撓性細長部材170の内腔198への開口部も示す。一部の事例では、絶縁帯部位194を画定する材料層146および/または可撓性細長部材170の導電層192は、可撓性細長部材170と血管内装置の任意の他の構成要素との組み合わせの前に形成される。このように、可撓性細長部材170は製造手順を合理化するために個別のサブアセンブリであってよい。
【0053】
次に図21を参照すると、可撓性細長部材170の遠位部位まわりで管状部材130の近位端に隣接して導電性スペーサ200が位置決めされる。これに関して、導電性スペーサは、電極176のリングパッド178に電気的に結合するように少なくともその遠位端面上に、導電層192に電気的に結合するようにその内側面上に導電性材料を含む。一部の事例では、導電性スペーサ200を電極176および/または導電層192に締着するために導電性接着剤(銀エポキシなど)が利用される。他の事例では、導電性スペーサ200は導電膜を使用して電極176および/または導電層192に電気的に結合され、締着される。代替的実施形態では、リングパッド178および導電層192は、1つの連続した、電気接続された構造体として直接印刷される。
【0054】
次に図22を参照すると、可撓性細長部材170の遠位部位まわりで導電性スペーサ200に隣接して可撓性要素204が位置決めされる。特に、可撓性要素204の遠位端が導電性スペーサ200の近位端に当接する。一部の実施形態では、導電性スペーサ200の外側直径は可撓性要素204の内側直径よりも小さく、または可撓性要素204を導電性スペーサ200上へ滑らせ、または通らせる外部のネジ山または突起部を含む。可撓性要素200は適切な接着剤で導電性スペーサ200に固定される。可撓性要素204は図1に関して論じた近位可撓性要素109に類似する。さらに可撓性要素204は一般的に円筒状の外側外形を有し、したがって可撓性細長部材170の径方向直径をさらに拡張する。そのために、一部の事例では可撓性要素204は一般的に感知器領域202(約0.36mm)と等しい外側直径を有する。
【0055】
同様に、先行または後続ステップで、図1に関して論じた遠位可撓性要素110と類似のやり方で、他の可撓性要素が遠位コア120の遠位部位124のまわりに位置決めされる。この遠位可撓性要素も一般的に円筒状の外側外形を有し、したがって遠位コア120の遠位部位124の径方向直径をさらに拡張する。そのために、一部の事例では遠位可撓性要素110は一般的に感知器領域202(約0.36mm)と等しい外側直径を有する。ここに示す実施形態では、遠位可撓性要素110の最遠位先端105は放射線不透過性である。放射線不透過性先端は、ナビゲーションをし易くすると同時に組織の損傷を最小限にしながら血管を通して血管内装置を操作するために、一般的に球状である。
【0056】
次に図23を参照すると、可撓性細長部材170の導電層192を覆うように導電性管状部材206が位置決めされる。ここに示すように、導電性管状部材206の遠位端が可撓性要素204の近位端と当接し、導電性管状部材206の近位端が可撓性細長部材170の絶縁帯部位194に隣接して終端する。さらに、導電性管状部材206は一般的に円筒状の外側外形を有し、したがって可撓性細長部材170の径方向直径をさらに拡張する。そのために、一部の事例では導電性管状部材206は感知器領域202(約0.36mm)と一般的に等しい外側直径を有する。
【0057】
導電性管状部材206は、以下に限定しないが、ステンレススチール、ニチノール、および/または他の適切な導電性材料が含まれる任意の適切な導電性材料で形成されてよい。一部の実装形態では、導電性管状部材206は非導電性材料で形成され、次いで導電性材料で被覆/めっきされる。このような事例では管状部材の全てまたはいくつかの部位のみが導電性材料で被覆されてよい。導電性管状部材206は、導電性管状部材206および導電層192の選択材料に適した技法を利用して可撓性細長部材170の導電層192に固定して締着され、電気的に結合される。したがって、一部の事例では導電性管状部材206は導電性接着剤、圧伸成形、およびそれらの組み合わせによって可撓性細長部材170に固定して締着される。ここに示す実施形態では、導電性管状部材206はステンレススチールで形成され、導電性接着剤で可撓性細長部材170に結合される。このように、ここに示す実施形態では、導電性管状部材206は導電層192、導電性スペーサ200、および電極176に電気的に結合される。
【0058】
次に図24を参照すると、導電性管状部材の長さの大部分に沿って導電性管状部材206を覆うように絶縁層208が形成される。一部の事例では、導電性管状部材206が可撓性細長部材170の導電層192に結合された後に絶縁被覆が付着される。他の事例では、導電性管状部材206が可撓性細長部材170に結合される前に絶縁層208が付着される。そのために、一部の事例では絶縁被覆の付着を防止するために導電性管状部材206の1つまたは複数のセクションがマスキング、処理、および/または回避される。例えば、ここに示す実施形態では、絶縁層208は導電性管状部材206の近位端でセクション210を覆うように延びない。これに関して、一部の実装形態では、セクション210は、図1に関して論じた接続器111の導電帯114と類似の電気接続器を画定する。代替方法として、一部の事例では絶縁被覆は導電性管状部材206の全体に付着され、次いで、導電性管状部材206の下敷部位を露出するように、絶電被覆のいくつかのセクションが必要に応じて除去される。
【0059】
次に図25を参照すると、本開示の一実施形態によって可撓性細長部材170の絶縁帯の部位194を覆うように絶縁スペーサ212が位置決めされる。ここに示すように絶縁スペーサ212の遠位端が導電性管状部材206の近位端と当接し、絶縁スペーサ212の近位端が可撓性細長部材170の接地帯196の遠位限度に隣接して終端する。絶縁スペーサ212は一般的に円筒状の外側外形を有し、したがって可撓性細長部材170の径方向直径をさらに拡張する。そのために一部の事例では、絶縁スペーサ212は一般的に感知器領域202(約0.36mm)と等しい外側直径を有する。絶縁スペーサ212は、以下に限定しないが、PP/PE/PA/PC/ABSが含まれる任意の適切な絶縁材料で形成されてよい。絶縁スペーサ212は、絶縁スペーサ212の選択材料と可撓性細長部材170の絶縁帯部位194の絶縁材料とに適した技法を利用して可撓性細長部材170に固定して締着される。したがって、一部の事例では、絶縁スペーサ212は接着剤によって可撓性細長部材170に固定して締着される。他の事例では、絶縁スペーサ212自体は可撓性細長部材に固定して締着されないが、導電性管状部材206および導電性スリーブ214(図26参照)などの、固定して締着された構成要素同士の間で位置決めされる。ここに示される実施形態では、絶縁スペーサ212はPPで形成され、可撓性細長部材170上の絶縁帯部位194に固定して結合されない。
【0060】
次に図26および図27を参照すると、可撓性細長部材170の近位限度で接地帯196を覆うように導電性スリーブ214が位置決めされる。ここに示すように、導電性スリーブ214の遠位端が絶縁スペーサ212の近位端に当接し、導電性スリーブ214の近位端が可撓性細長部材170の近位端に隣接して終端する。さらに、導電性スリーブ214は一般的に円筒状の外側外形を有し、したがって、可撓性細長部材170の径方向直径をさらに拡張する。そのために一部の事例では、導電性スリーブ214は一般的に感知器領域202(約0.36mm)と等しい外側直径を有する。
【0061】
導電性スリーブ214は、以下に限定しないが、金(Au)、チタニウム‐金(Ti/Au)、プラチナ‐イリジウム(PtIr)、および/または他の適切な導電性材料が含まれる任意の適切な導電性材料で形成されてよい。一部の実装形態では導電性スリーブ214は非導電性材料で形成され、次いで導電性材料で被覆される。このような事例では、管状部材の全てまたはいくつかの部位のみが導電性材料で被覆されてよい。導電性スリーブ214は、導電性スリーブ214と可撓性細長部材170の導電性接地帯196との選択材料に適した技法を利用して、可撓性細長部材170の導電性接地帯196に固定して締着され、電気的に結合される。したがって、一部の事例では導電性スリーブ214は、はんだ付け、溶接、導電性接着剤、圧締め、圧伸成形、および/またはそれらの組み合わせによって可撓性細長部材170に固定して締着される。ここに示す実施形態では、導電性スリーブ214はPtIrで形成され、圧伸成形によって可撓性細長部材170の接地帯196に結合される。このようにここに示す実施形態では、導電性スリーブ214は可撓性細長部材170、管状部材130、および延長器126に電気的に結合され、それは接地パッド168を介してASICモジュール190に電気的に結合される。
【0062】
当業者にはこれも言うまでもなく、上述の機器、システム、および方法は様々なやり方で修正されることが可能である。したがって、通常の当業者には言うまでもなく、本開示によって網羅される実施形態は上述の特定の例示的な実施形態に限定されない。これに関して、例示的な実施形態をここに示し、それについて述べたが、広範囲の修正、変更、および置換えが前述の開示で企図されている。言うまでもなく、そのような変化も本開示の範囲から逸脱せずに前述の実施形態になされてよい。したがって、ここに添付される請求項は広くかつ本開示と合致するやり方で解釈されるのが適正である。
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