(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本原理によれば、システム及び方法は、特殊形状及び/又は効果を使用して、センサの位置をハイライトすることを可能にする。1つ以上のセンサが、医療デバイス(例えば介入デバイス)上に用いられて、音響信号が、正しい時間に、超音波(US)画像内に「導入」される。この導入された音響信号は、スキャナによって、その自身の音響場に対する応答と認識される。信号は、スキャナのビーム形成パイプラインによって処理され、最終的に、US画像上に視覚化される。なお、スキャナによって、いつ、音響波が放射されたのかは分からないが、音響波は、センサ上に信号を生成し、これは、センサをハイライトするために利用される。デバイスがUS領域内に挿入されると、1回限りの較正手順が実行されて、使用されている撮像モードのフレームレート(T)が推定される。次に、センサによって受信された信号の時間的最大値(t
0)が、任意の起源に対して見つけられる。次に、センサは、送信モードに切り替えられ、1つ以上の所望の形状を生成するために、インパルスが、時間t
1=t
0+nT+S
i(nは整数であり、S
iはパルス(時間)を提供する)において、センサから放射される。当該インパルスは、撮像プローブに向かって伝搬し、後続の信号が、スキャナマシンによってビーム形成される。最終的な視覚的な表示は、センサの場所から来る、1つ以上の所望の形状を有するエコーを示す。
【0010】
圧電センサが用いられて、特殊な時間的音響信号が、組織内に導入される。USスキャナは、この信号を、当該スキャナの「反射された」音響波の一部として認識するので、この信号をUS画像内に入れる。なお、スキャナの元の音響波の伝送損失及び吸収損失によって、導入された信号は、組織から反射された信号に比べて優位である、例えば30dBよりも大きい信号を有する。特に、信号導入中に、特殊な時間パターンが提供される。これらのパターンは、US画像内に、計画された特殊形状をもたらす。導入形状は、自動導入システムの所望通りに、画像内の任意の形状、サイズ及び位置の同心円、楕円、矢印、直線、曲線、×記号、3次元物体等を含む。なお、この形状は、ユーザがそれを常に見ることができるように、画像内に「永久的に」導入されても、又は、ユーザには実質的に不可視となるように、1つのUSフレーム内に瞬間的にのみ導入されてもよい。これらの形状又はマーカーは、器具の位置をマーキングするように提供されるか、又は、リアルタイムで他の有用な位置を示す若しくは追跡するようにオフセットであるように使用されてもよい。本実施形態は、2D画像(例えば左右ビーム及び2D形状)について説明するが、2Dアレイ、画像及び形状が拡大され、3Dアレイ、画像及び形状を含んでもよい。
【0011】
更に、大抵のUSスキャナは、ビデオ出力端子も提供するので、ビデオ出力端子信号が、導入信号と共に解析されて、内部ビーム形成及びスキャン変換パラメータが定量的に推定される。導入信号の概略位置及び形状は事前に分かっているので、自動化アルゴリズムが、US画像から、形状の正確な位置及びサイズを選定できる(内部パラメータの機能)。これらの位置及び形状は、次に、推定された導入形状と比較される。この場合、最適化ルーチンが、内部ビーム形成及びスキャン変換パラメータを推定できる。現在のパラメータに基づいて、今度は、新しい形状が導入できる。この処理は、様々なサイズ/位置のアップデートされた形状を導入及び検出することによって、閉ループ形式で、連続的に行うことができる。例えば形状は、パラメータが分かるにつれて、楕円形で開始して、2つの同心円で終了する。自動的に推定できるパラメータは、ビーム角、絶対ビーム発射時間、左ビーム番号、右ビーム番号、深度等を含む。この完全な自己較正処理は、ユーザに示されても、又は、「不可視」にされていてもよい。
【0012】
本原理は、機器の位置を正確に示すために、特定のスキャナデータの入手可能性への依存を軽減することを可能にする。例えばスキャナからのフレーム、ライントリガ及びビーム形成パラメータは、もはや不要になる。これは、超音波が具備された器具が自己充足型(スキャナとの低レベルインターフェーシングを不要とする)になることを可能にし、したがって、これらの器具を、任意のベンダからの超音波マシンの広い設置基盤と共に使用することを可能にする。一実施形態では、システムは、例えばフレームレート及びライントリガ位置である撮像スキャナからの重要なパラメータのオンザフライのリバースエンジニアリング、及び、スキャナの受信信号経路へのアナログ音響信号導入等が可能である。
【0013】
当然ながら、本発明は、ニードルに関連して説明されるが、本発明の教示内容の範囲は、もっと広く、任意の医療機器又は音響エネルギーによって追跡される他の機器に適用可能である。幾つかの実施形態では、本原理は、複雑な生体系又は機械系を追跡又は解析するのにも採用される。具体的には、本原理は、生体系の内部追跡処置、肺、胃腸管、排せつ器官、血管等といった身体のあらゆる領域における処置に適用可能である。図示される要素は、ハードウェア及びソフトウェアの様々な組み合わせにおいて実現され、また、単一の要素又は複数の要素において組み合わされてもよい機能を提供する。本実施形態は、機器が、超音波ガイダンス下で、体内に挿入されるときにいつでも使用されてよい。当該挿入には、ニードル処置(生検、焼灼、麻酔、疼痛処理、膿瘍ドレナージ等)、カテーテル処置(心臓修復、電気生理学等)又は任意の他の処置が含まれる。
【0014】
図示される様々な要素の機能は、専用ハードウェアだけでなく、適切なソフトウェアに関連付けられるソフトウェアを実行可能なハードウェアも使用することによって提供される。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサによって提供されても、単一の共有プロセッサによって提供されても、又は、そのうちの一部は共有される複数の個別のプロセッサによって提供されてもよい。また、「プロセッサ」又は「コントローラ」との用語の明示的な使用が、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)ハードウェア、ソフトウェアを記憶するための読み出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、不揮発性記憶装置等を、制限なく、黙示的に含む。
【0015】
さらに、本発明の原理、態様及び実施形態並びにそれらの特定の例について本明細書において述べられるあらゆる記述は、それらの構造上及び機能上の等価物の両方を包含することを意図している。更に、このような等価物は、現在知られている等価物だけでなく、将来に開発される等価物(即ち、構造に関係なく、同じ機能を行うように開発される任意の要素)の両方を含むことを意図している。したがって、例えば当業者であれば、本明細書に提示されるブロック図は、本発明の原理を具現化する例示的なシステムコンポーネント及び/又は回路の概念図を表すことは理解できるであろう。同様に、当然ながら、任意のフローチャート、フロー図等は、コンピュータ可読記憶媒体に実質的に表される様々な処理を表し、コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているかどうかに関わらず、当該コンピュータ又はプロセッサによってそのように実行される。
【0016】
また、本発明の実施形態は、コンピュータ又は任意の命令実行システムによって又はそれらに関連して使用されるプログラムコードを提供するコンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶媒体からアクセス可能であるコンピュータプログラムプロダクトの形を取ることができる。本記載のために、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによって又はそれらに関連して使用されるプログラムを含む、記憶する、通信する、伝搬する又は輸送する任意の装置であってよい。媒体は、電子系、磁気系、光学系、電磁気系、赤外系又は半導体系(装置若しくはデバイス)、又は、伝搬媒体であってよい。コンピュータ可読媒体の例としては、半導体即ち固体メモリ、磁気テープ、リームバブルコンピュータディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、剛性磁気ディスク及び光学ディスクが挙げられる。光学ディスクの最新例としては、コンパクトディスク‐読み出し専用メモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク‐読み出し/書き込み(CD−R/W)、ブルーレイ(登録商標)及びDVDが挙げられる。
【0017】
次に、同じ参照符号は同じ又は同様の要素を指す図面を参照する。最初に
図1を参照するに、一実施形態によるシステム100が例示的に示される。システム100は、ワークステーション又はコンソール112を含み、そこから、処置が監視及び/又は管理される。ワークステーション112は、好適には、1つ以上のプロセッサ114と、プログラム及びアプリケーションを記憶するメモリ116とを含む。メモリ116は、超音波スキャナ125からの信号を処理する画像処理モジュール115を格納する。画像処理モジュール115は、US信号を使用して、構造変形、偏向、並びに、医療デバイス、機器若しくは器具102及び/又はその周辺領域に関連付けられる他の変化を再構成する。医療機器102は、ニードル、カテーテル、ガイドワイヤ、プローブ、内視鏡、ロボット、電極、フィルタデバイス、バルーンデバイス又は他の医療コンポーネント等を含む。
【0018】
音響センサ(送信器又はトランスポンダを含む)102が、ハイライトされるべき医療機器102に取り付けられる。USプローブ122といったプローブ122が、患者又は被検体160をスキャンするために提供される。プローブ122は、(プローブ122による信号放射を検知するように)受信可能である。プローブ122において受信される信号は、メモリ116内に記憶され、アルゴリズム/プログラム123におけるある量の信号処理(例えば高速フーリエ変換(FFT)、最大値特定、任意選択の曲線適合等)が可能である単純なデータ解析及び制御モジュール124に結合される。当然ながら、データ解析及び制御モジュール124及び画像処理モジュール125は、単一のコンポーネントにおいて組み合わされても、又は、図示されるように、別個に提供されてもよい。
【0019】
特に有用な実施形態では、超音波センサ120は、(例えば)ニードルの先端に置かれる。センサ120は、超音波信号を、撮像プローブ122が視野をスイープする際に、当該撮像プローブ122からのビームとして検知する。US信号は、ワークステーション112によって及び/又は制御モジュール124内で解析されて、フレーム繰り返し期間Tと、センサ120における最大信号の到達時間t
0とが抽出される。1つ以上のフレームの後、センサ120は、送信モードに切り替えられ、形状効果Siを含むパルスを(例えばt
0+T+S
i又はt
0+nT+S
iにおいて(nは整数である))放射する。スキャナ125は、当該パルスを、センサ120の位置から来る高いエコーと解釈し、したがって、僅かに面外のアライメント下でも、センサ120、ひいては、機器102を、画像150上でハイライトする。
【0020】
特に有用な実施形態では、超音波センサ又はマーカーデバイス120は、受信機能130と送信機能132とを含む。超音波センサ120は、1対の受信器及び送信器、トランスポンダ、又は、送信器/受信器(T/R)スイッチを有するトランスデューサを、ハイライトされるべき介入器具又は機器102上に含む。トランスポンダは、問い合わせ受信信号に応えて、識別信号を放射するデバイスである。撮像プローブ122が媒体内に超音波を放射する間に、センサ120の受信器機能130において受信される信号は、信号処理(FFT、最大値特定、任意選択の曲線適合)が可能であるデータ解析及び制御モジュール124に結合され、ゆっくりと切り替わる。送信機能132は、(制御モジュール124内で処理されるようにプローブ112へと)媒体に戻すように音響信号を導入する。一例では、器具102内のセンサ120は、トランスポンダ(トランスポンダも送信モードで使用される)を含む。これは、高電圧回路(数十ボルト)を必要とし、また、撮像プローブ122の周波数とトランスポンダの周波数とをかなり適合させる必要がある(トランスポンダからの信号は、スキャナの受信信号経路内で除去される必要はない)。トランスポンダは更に、受信モードと送信モードとの間で切り替わるために、送信/受信(T/R)スイッチも含む。別の例では、送信機能132用の追加の超音波エミッタが、受信器機能130の近くのデバイス上に置かれてよい(又は、受信信号及び送信信号が共通の場所を有するように、送受信器として同一場所に置かれてもよい)。これは、T/Rスイッチを不要にし、検出/導入ソフトウェアを簡素化する。
【0021】
ディスプレイ118が、センサの場所を表示し、導入信号の形状又は視覚効果(S
i)を含む。ディスプレイ118は更に、ユーザが、ワークステーション112並びにそのコンポーネント及び機能、又は、システム100内の任意の他の要素とインタラクトすることも可能にする。これは、キーボード、マウス、ジョイスティック、触覚デバイスを含むインターフェース140、又は、ワークステーション112からのユーザフィードバック及びワークステーション112とのインタラクションを可能にする任意の他の周辺機器又は制御器によって更に容易にされる。
【0022】
別の実施形態では、スキャナ125と、センサ120を有する機器102とから出力されるビデオ信号が用いられて、任意の所与の時間における機器102の3D場所が計算される。ビデオ出力端子信号は、市販されているスキャナにおいて容易に利用可能であり、計算ワークステーション112へとストリーミングされる。
【0023】
センサ120が、送信モードに切り替えられ、そこからインパルスが放射される場合、インパルスは、撮像プローブ122に向かって伝搬し、後続の信号は、スキャナ125によってビーム形成される。最終的な表示は、センサの場所から到来するエコーを提供する。例えば1つ以上のフレームの後、センサ120が、送信モードに切り替えられると、一連のパルスが、時間(t
0+T+S
i)において放射される。S
iは、US画像上で観察/マーキングされる形状を決定する。
【0024】
図2を参照するに、概念図が、1つの例示的な実施形態に従うコンポーネント間のインタラクションを示す。信号導入が、タイミングが合わされた又は反応US放射で、センサ120を用いて行われる。センサ120は、ハイライトされるべきデバイス102の先端に置かれる。プローブ122からの1つの撮像フレームの間に、センサ/トランスポンダ120によって受信される例示的な信号136が示される。センサ120は、超音波信号136を、撮像プローブ122のスイープからのビームとして検知する。信号136は解析されて、フレーム繰り返し期間Tと、センサ120における最大信号の到達時間t
0とが抽出される。1つ又は2つ(又はそれ以上)のフレーム(138)の後、センサ120は、送信モードに切り替えられ、(例えばt
0+T+S
i又はt
0+nT+S
iにおいて)パルスを放射する。スキャナ125は、1つ以上の当該パルスを、センサ120の位置から来る高いエコーと解釈し、したがって、それを、画像150上でハイライトする。
【0025】
システム100は、グラフ144及び146から、最大値の位置と、ライントリガ情報に対するそのタイミングとを特定する。1つ(又はそれ以上)のフレーム期間138の後、信号141が、センサ/トランスポンダ120によって、適切なタイミングに、プローブ122に戻るように導入され、これにより、センサ120の場所を示し、ディスプレイ118上で可視である1つ以上の明るいマーカー142、143、145、147が生成される。例示的なマーカー142、143、145、147は、一意の形状で示される。マーカー142は、センサ120の正確な位置の周りの同心円を含む。マーカー143は、センサ120の正確な位置に中心が合わされた星状の形状を含む。マーカー145は、センサ120の正確な位置を指し示す矢印の形状を含む。マーカー147は、センサ120の正確な位置を指し示す「X字」形状を含む。
【0026】
特に有用な実施形態では、S
iが、1つの発射又はパルス発射のみに固定され、0に設定される場合、画像上で見られるマーカーは、単なる点になる。他の例では、S
iが、−2t
0、−1t
0、0、1t
0、2t
0に設定される場合、応答は、水平軸に略平行である小さい線セグメントになる。扇形又は湾曲プローブ形状では、この線セグメントの曲率が、ビーム形成及びスキャン変換パラメータのオンザフライの特定を可能にする。なお、線形スキャナでは、周期時間スロットにおける発射の数を増やすことによって、長い水平線が形成される。S
iが、−k(t
0+x)に設定される場合(kは、−Kから+Kまで行く)、線形プローブ上に傾斜した直線が形成され、その傾斜は、xに依存し、セグメントの長さは、Kに依存する。xを制御し、画像上の応答を観察することによって、ビーム形成及びスキャン変換パラメータが推定できる。同様に、S
iは、円、楕円、星等といった様々な形状を得るために、様々な関数に設定できる。
【0027】
なお、この形状又はマーカーは、ユーザがそれを常に見ることができるように、画像150内に「永久的」に導入されても、又は、ユーザには実質的に不可視となるように、1つのUSフレーム内にだけ瞬間的に導入されてもよい。更に、大抵のUSスキャナは、ビデオ出力端子152も提供するので、ビデオ出力端子信号は、画像プロセッサ又は処理モジュール115内で、導入信号と共に解析されて、内部ビーム形成及びスキャン変換パラメータが定量的に推定される。
【0028】
一実施形態では、画像処理モジュール115は、US画像150から形状(例えばマーカー142、143、145、147)の正確な位置及びサイズを決定する自動化アルゴリズム又はプログラム154を使用して、事前に分かっている導入信号141の概略位置及び形状を、ビデオ出力端子画像152と比較する。これは、内部表示パラメータ又は画素割当て等に応じてであってもよい。位置及び形状は、推定される導入形状と比較される。次に、最適化ルーチン156が、内部ビーム形成及びスキャン変換パラメータを推定できる。この比較は、位置の照合として使用されても、他の機能のために使用されてもよい。例えば内部パラメータの現在の推定値に基づいて、今度は、新しい形状を同じ又は異なる位置に導入できる。なお、この処理は、様々なサイズ/位置のアップデートされた形状を導入及び検出することによって、閉ループ形式で、連続的に行うことができる。これは、点滅効果、交互のサイズ増加/減少、スピニング又は並進形状を与えるために用いることができる。
【0029】
一例では、形状(例えばマーカー142、143、145、147)は、パラメータが分かるにつれて、楕円形で開始して、2つの同心円で終了する。自動的に推定できるパラメータは、ビーム角、絶対ビーム発射時間、左ビーム番号、右ビーム番号、深度等を含む。この完全な自己較正処理は、ユーザに示されても、又は、「不可視」にされていてもよい。
【0030】
図3を参照するに、様々な線形形状がその中に生成されている4つの画像(150)が示される。1つの画像170は、傾斜した直線形状を示す。別の画像172は、水平線形状を示す。別の画像174は、短線セグメント形状を示し、別の形状176は、分割線形状を示す。直線は、単純であり、自動セグメンテーションのために正確であるので、較正形状として使用できる。様々な線が画像内に描かれ、選定される。一例として、「開始」ビームを特定するには、分割線(176)が非常に有用である。更に、システムは、1つの形状を「フラッシュ」して、何らかの解析を行い、次に、第2のフレームをフラッシュし、すべての必要なパラメータが特定されるまで、以下同様に繰り返される。幾つかのフレーム(例えば<1秒)内で、すべてのパラメータが利用可能になるべきである。ビーム形成パラメータは動的であるが、リアルタイムには変化しないことを考えれば、このルーチンは、画像処理モジュール115を使用して、数秒毎にバックグランドにおいて実行され、パラメータが変化していないかが確認される。或いは、較正ルーチンは、スキャナ125から出力されるフレームが取り込まれたビデオ(frame-grabbed video)において著しい変化が観察される度に、トリガされてもよい。
【0031】
図4を参照するに、撮像プローブのフレームレートTが推定されなければならない。これは、比較的長い時間T
est(40Hzにおいて例えば10個のフレームを記録するために、例えば1秒の4分の1)の間、受信信号を聞き、当該信号を、そのドミナント期間のために、(即ち、フーリエ解析によって)解析することによって行われる。
図4に、受信したトレース202が示される。トレース202では、個々のインパルス204は、センサ(デバイス102上のセンサ120)に当たる様々なビームに対応する(振幅は、ビームがセンサ120に近づき、その後、センサ120から遠ざかるにつれて変動する)。その後、パターンは、数回、繰り返され、幾つかの同一のフレームが、連続シーケンスで収集される。時間T
estの間に、センサ(120)によって受信されるトレース202は、システムのフレームレートTを推定するのに使用される。これが完了すると、受信器システムは、長さT
detect(理想的にはT<T
detect<2T)のトレースを解析する。
【0032】
図5を参照するに、これらのインパルス204のうちの、長さT
detectの1つのパルスが描かれる。なお、これらのインパルス204の収集は、フレームと同期されない。システムは、このトレースの時間的最大値t
0を探す。当該最大値は、センサ120と最良にアラインされた送信イベントからのパルスが、センサ120に到達する瞬間に対応する。時間T
detect(例えばここではT
detect=1.2T)の間に、センサ120によって受信されたトレースは、最も軸上の送信(the most on-axis transmit)が、センサ120に到達する時間t
0を見つけるために使用される。t
0は、単純に、インパルス又はトレース204の時間的最大値である。
【0033】
センサ120に最も近いビームと到達時間とを特定するための単純なピーク検出の代わりに、曲線又はトレース204(例えばT
estの間にセンサ120によって受信された信号)を、個々のパルスの極大値又は例えば多項式モデル若しくはガウス(Gaussian)モデルである単純な信号モデルにフィットさせることが有利である。
【0034】
次に、音響信号が、撮像プローブ122へと戻るように導入され、センサ位置から来るエコーが生成される。導入された音響信号は更に、点滅すること(「導入オフ」の期間と交互にされる「導入オン」の短い期間)が望ましい。人間の目は、点滅信号により敏感である。別の実施形態では、音響エコーのサイズ、形状又は視覚属性を上記されたように変更するために、当該音響エコーに視覚効果が与えられる。これらの視覚効果は、センサ120によって生成された又はセンサ120から戻るように送信された信号を介して導入される。ビデオストリームが捕捉され、信号収集及び導入セットアップと同期されると、差分画像が生成されて、導入信号がハイライトされる(「点滅オフ」の画像が、「点滅オン」の画像から差し引かれる)。差分画像は、エンハンスされて、スキャナ125からのビデオデータへのアクセスのみを必要とする完全なる画像処理チェーンにおいて、元の画像上に重ね合わされる。
【0035】
図6に関して、2つの実施形態が例示的に説明される。センサ120は、(T/Rスイッチを用いて送信モードに切り替え可能である)トランスポンダであるか、又は、近接している2つのトランスデューサが使用される。1つは、信号検出用の受信器であり、もう1つは、信号導入用の送信器である。いずれにも、
図6に説明されるイベントシーケンスが適用される。
【0036】
図6を参照するに、トランスポンダ実施形態におけるフレームレート推定、ピークパルス検出及びパルス導入のためのイベントシーケンスが例示的に示される。なお、外部システムの時計は、USスキャナの時計から完全に独立している。比較的長い期間225(T
est)(数十のフレームに優に及ぶほど十分に長い)を使用して、撮像システムのフレームレートが推定される。次に、ピーク検出期間221(受信モード、暗めのシェーディング)が、信号導入期間233(送信モード、明るめのシェーディング)と交互に生じる。時間t
0において信号ピークが検出されると、t
0+2Tにおいて信号が導入される。これは、その検出の2フレーム後に、トランスポンダの位置において人工エコーを生成する。検出イベント224は、丸い端として描かれ、導入イベント226は、矢印である。
【0037】
検出後、時間t
0+nT+S
iにおいて、インパルスが、トランスポンダ又は送信器から送信される。S
iは、US画像上で観察/マーキングされる形状を決定し、nは、整数であり、好適にはn=1(送信器実施形態)又は2(トランスポンダ実施形態)である。形状パルス228は、導入イベント226において、円として描かれている。これは、検出フレーム後のn個のフレームにおいて、センサ位置又は他の位置から来るように見える1つ以上の人工エコーを生成する効果を有する。トレース解析及びフィードバック信号の導入が繰り返されて、センサ120の位置が具体化される。フレームレート推定は、ユーザが撮像設定(撮像モード、設定及び深度はすべてフレームレートに影響を及ぼす)を変更した場合の可能なパラメータ変更を考慮するために、周期的に繰り返されてもよい。
【0038】
次に、一実施形態において、導入されたビデオにフレームが取り込まれ、自動セグメンテーションアルゴリズムが使用されて、US画像内の形状の場所と形状とが決定される。これは、上記されたように、ビーム形成及びスキャン変換パラメータのリアルタイム推定値を提供する。なお、パラメータは、単一の画像を用いて推定された場合には、調節が必要となる場合もある。したがって、一実施形態は、導入形状の小さい(又は大きい)変化を使用して処理ステップを順に処理して、パラメータ推定の精度を最大にする。なお、これらの形状は、コンマ何秒の時間にフラッシュされて、パターンが、ユーザには実質的に不可視にされてもよい。較正後、パターンは、完全に停止されるか、又は、デバイスの全体/一部の形状のみをハイライトするパターンによって交換されるか、又は、較正を再チェックするために周期的なフラッシュによって置換されてもよい。較正は、バックグランドにおいて周期的に行われても、又は、ビデオ出力端子からのフレームが取り込まれた画像において著しい変化が確認される場合に行われてもよい。
【0039】
本原理によれば、本明細書において説明される実施形態は、機器が超音波ガイダンス下で体内に挿入される場合にいつでも使用されてよい。当該挿入には、ニードル処置(生検、焼灼、麻酔、疼痛処理、膿瘍ドレナージ等)、カテーテル処置(心臓修復、電気生理学等)又は任意の他の処置が含まれる。
【0040】
図7を参照するに、一実施形態による画像内に、成形されたマーカーを提供する方法が示される。ステップ402において、撮像プローブのフレームレートが推定される。ステップ404において、フレームレートを推定することは、ある期間の間、受信信号を聞くことと、受信信号を解析して、そのドミナント期間を決定することとを含む。
【0041】
ステップ406において、トレースが解析されて、到達時間を決定するために、機器に取り付けられたセンサ又はマーカーデバイスの位置にベストマッチする時間的最大値を見つけるように、トレースが検出窓内にあるかどうかが決定される。検出窓は、Tと2Tとの間の検出時間T
detectを含み、Tはフレームレートである。
【0042】
ステップ408において、マーカーデバイスから撮像プローブに遅延信号を放射することによって、音響フィードバック信号が撮像プローブに導入される。遅延信号は、マーカーデバイスから戻されるエコー内のマーカー形状をシミュレートするために、1つ以上のタイミングが合わされたパルスを含む。導入信号は、機器に取り付けられたセンサから戻されたエコーをシミュレートするように、撮像プローブに対して、機器上のトランスポンダ又は送受信器(送信器)によって生成される。ステップ410において、t
0+nT+S
iにおいて、音響フィードバック信号がフレーム内に導入される。ここで、t
0は、センサによって受信される信号の時間的最大値であり、Tは、フレームレートであり、nは、整数であり、Siは、形状パルスを含む。
【0043】
ステップ412において、マーカー形状が画像内に表示されて、機器の位置が特定される。ステップ414において、マーカー形状を表示することは、経時的に、マーカーの形状、サイズ及び視覚属性のうちの1つを変更することを含む。ステップ416において、マーカー形状を表示することは、基準を提供するために、マーカーの形状、サイズ及び位置を選択することを含む。基準は、(例えば追跡中に)使用中の機器の位置を示すために、他の機器をアラインするために、測定を行うために、臓器を表現するために又は任意の他の使用のために、使用される。
【0044】
ステップ418において、遅延信号の位置及び形状が、マーカーの位置及び形状のオンスクリーンビデオ出力と比較されて、スキャナのビーム形成パラメータが決定される。スキャナのビーム形成パラメータが決定されると、マーカー及び他の画像又はオーバーレイは、画像内に配置又はレンダリングされる。
【0045】
添付される請求項を解釈する際に、次の通りに理解されるべきである。
a)「含む」との用語は、所与の請求項に列挙される要素又は行為以外の要素又は行為の存在を排除しない。
b)要素に先行する「a」又は「an」との用語は、当該要素が複数存在することを排除しない。
c)請求項における任意の参照符号は、その範囲を限定しない。
d)幾つかの「手段」は、同じアイテム、ハードウェア、又は、ソフトウェアによって実現される構造体若しくは機能によって表される。
e)特に明記されない限り、行為の特定の順番を必要とすることを意図していない。
【0046】
(例示的であって限定を意図していない)介入機器の音響的ハイライトのための好適な実施形態が説明されたが、上記教示内容に鑑みて、当業者によって修正及び変更がなされうることに留意されたい。したがって、開示された開示内容の特定の実施形態に変更を行ってもよく、これらの変更は、添付される請求項によって概説される本明細書に開示される実施形態の範囲内であることは理解されるべきである。したがって、特許法によって義務付けられているように、詳細及び特殊性を説明することによって、特許証によって請求され、保護を望むものは、添付される請求項に記載される。