(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記機械方向に整列された前記少なくとも2つのキャビティは、パウチの少なくとも2つの隣り合わせの区画に形成され、前記キャビティにはそれぞれ異なる組成物が充填される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で使用するとき、請求項において使用される「a」及び「an」などの冠詞は、請求される又は記載される1つ又は複数のものを意味すると理解される。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含む(including)」は、非限定的なものであることを意味する。用語「からなる(consisting of)」又は「から本質的になる(consisting essentially of)」は、限定的なものであることを意味し、例えば、明示的に挙げられていないコンポーネント又は成分は、それらが不純物として存在する場合を除き、全て除外される。用語「実質的に含まない」は、本明細書で使用されるとき成分又は不純物としてのその最少量又は別な成分の意図されない副生物が完全にないことを指す。一部の態様では、「実質的に含まない」は、組成物が約0.1%未満、又は0.01%未満、又は更には0%の成分を含むということを意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「固体」は、顆粒、粉末、棒状、及び錠剤の製品形態を含む。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「流体」は、液体、ゲル、ペースト、及び気体の製品形態を含む。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「液体」は、25℃、剪断速度1000s
−1で約1mPa
*s〜約2000mPa
*s、好ましくは、約40mPa
*s〜約1000mPa
*s、より好ましくは、約70mPa
*s〜約600mPa
*sの粘度を有する流体を指す。一部の実施形態では、液体の粘度は、25℃、剪断速度1000s
−1で約50mPa
*s〜約200mPa
*sの範囲にあってもよい。一部の実施形態では、液体の粘度は、25℃、剪断速度1000s
−1で約250mPa
*s〜約500mPa
*sの範囲にあってもよい。液体は、ニュートン又は非ニュートン(ずり減粘)液体であってもよい。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「充填ウィンドウ」は、キャビティに好適に充填することができる時及び/又は場所を表すものである。充填ウィンドウは、1つのキャビティ、複数のキャビティ、又はシステム全体に対して決定されてもよい。通常、充填ウィンドウは2つの充填ポイントによって定義され、これらのポイントは、ノズルがキャビティへの組成物の分配を開始するシステムの面上のポイントである、充填開始ポイント、及びノズルが組成物の分配を終了するシステムの面上のポイントである、充填終了ポイントからなる。充填終了ポイントは、ノズルが組成物の能動的な分配を終了する(即ち、組成物の能動的な流れが停止したときの)ポイントであってもよく、特に、組成物が粘稠な組成物の場合は、ノズルが組成物の受動的な分配を終了する(即ち、組成物の能動的な流れが停止した後で、残留する糸引き又は滴下がなくなったときの)ポイントであってもよい。
【0021】
充填ウィンドウは、距離(「充填ウィンドウ距離」)によって記述されてもよく、充填ウィンドウ距離は充填開始ポイントと充填終了ポイントとの間の距離である。この距離は、直線距離又は曲線距離(即ち、回転ドラムの面又は外周の一部に沿った弧)として測定されてもよい。一部の態様では、充填ウィンドウ距離は、約10mm〜約200mm、約20mm〜約120mm、約30mm〜約90mm、約50mm〜約80mm、又は約60mm〜約70mmである。一部の態様では、面が回転ドラムの一部である場合、充填ウィンドウ距離は、回転ドラムの外周の約1%から約10%、又は約2%から約6%である。充填ウィンドウ距離は充填されるキャビティのサイズ及びキャビティ間のスペースに関連していることは、理解される。
【0022】
充填ウィンドウは、時間(「充填ウィンドウ時間」)によって記述されてもよく、通常、充填ウィンドウ時間は組成物の分配に費やされる時間として定義される。充填ウィンドウ時間はまた、キャビティが充填開始ポイントから充填終了ポイントまで移動するのにかかる時間として定義されてもよい。充填ウィンドウ時間はまた、ノズルが第1の位置から第2の位置まで移動するのにかかる時間として定義されてもよい。一部の態様では、充填ウィンドウ時間は約20ms〜約1000msである。一部の態様では、充填ウィンドウ時間は、往復サイクル時間の約20%〜約90%、約30%〜約80%、又は約40%〜約70%であり、往復サイクル時間は、n個のキャビティが、機械方向、例えばレーンに整列されている連続した2つのキャビティの中心と中心との間の距離のn倍を移動するのにかかる時間であり、nは機械方向、例えばノズルのレーンに整列されているノズルの数であり、好ましくは、n=2である。
【0023】
一部の態様では、充填ウィンドウ時間は、ノズルが第1の位置から第2の位置まで移動し、次いで第1の位置まで戻るまでに必要な時間のおよそ50%以下又はおよそ40%以下である。
【0024】
充填ポイントが回転ドラム上などの曲面上に配設される場合、充填ウィンドウは角度(「充填ウィンドウ角度」)として記述されてもよい。この場合、充填ウィンドウは、充填開始ポイントと充填終了ポイントとの間の円弧に対する角度として定義されてもよく、通常、これらのポイントは、ドラムの面上で周方向に離間配置され、充填ウィンドウ角度の頂点はドラムの回転軸上に位置する。通常、このシステムの充填ウィンドウは垂直軸によって二分され、垂直軸はドラムの回転軸とドラム上の最高点を通過して引かれる。一部の態様では、充填ウィンドウ角度は、約3〜約45度、約5〜約30度、又は約10〜約15度である。
【0025】
本明細書で使用するとき、「充填サイクル」は、ノズルが1つのキャビティへの組成物の分配を開始してから、組成物の分配を終了し、次のキャビティへの組成物の分配を開始するまでの時間から測定され得る。通常、これは、ノズルが第1の位置で開始してから、第2の位置に移動し、第1の位置に戻るまでに必要な時間に相当する。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「同時に」は、少なくとも2つのアクションが同時に起こっていることを意味するが、これらのアクションのそれぞれの開始及び停止は同時に起こるとは限らない。本明細書で使用するとき、用語「同期的に」は、少なくとも2つのアクションが、同時かつ同率(又は実質的に同率、例えば、+/−10%)で、かつ任意追加的に同一方向で、起こっていることを意味する。
【0027】
本明細書における全ての温度は、別段の指定がない限り、摂氏(℃)を単位とする。別段に指定がない限り、本明細書における全ての測定は、20℃の大気圧下で実施される。
【0028】
本発明の全ての実施形態では、特に具体的に記述しない限り、全ての百分率は、組成物全体の重量によるものである。全ての比は、特に具体的に記述しない限り、重量比である。
【0029】
方法
一部の態様では、本開示は、機械方向に連続的に移動するウェブのキャビティに組成物を分配する方法に関する。一部の態様では、この方法は、(a)機械方向に連続的に移動するウェブを供給する工程であって、ウェブは複数のキャビティを備え、複数のキャビティは機械方向に整列される少なくとも2つキャビティを含む、工程と、(b)充填装置を準備する工程であって、充填装置は複数のノズルを備え、複数のノズルは組成物を少なくとも2つのキャビティに分配するように配置される少なくとも2つのノズルを含む、工程と、(c)少なくとも2つのノズルが第1の位置から第2の位置まで移動する間に、組成物を少なくとも2つのノズルから少なくとも2つのキャビティに分配する工程と、(d)少なくとも2つのノズルを第1の位置に戻す工程と、を含む。
【0030】
図1は、本方法を実行するように構成された充填システムの側面図を示す。少なくとも2つのキャビティ110、111が、MDの矢印によって示されている機械方向に移動することができるウェブ100の上に形成される。これら少なくとも2つのキャビティ110、111は、機械方向に整列される。充填装置200は、キャビティ110、111の上方に配置される。充填装置200は、機械方向に整列される少なくとも2つのノズル210、211を備え、これら少なくとも2つのノズルは、FDの矢印によって示されている充填方向で、組成物300を2つのキャビティ110、111に分配している。このシステムのコンポーネント及びこの方法の工程について以下に詳しく説明する。
【0031】
キャビティ
本明細書に記載される方法では、ウェブが供給される。通常、このウェブは、機械方向に連続的に移動する。本方法では、ウェブは、移動可能な面の上に、例えばベルト、ドラム、又はロールから、連続的に供給され得る。
【0032】
ウェブは、そのウェブ上に配設された複数のキャビティを備える。これらのキャビティは、分配組成物の受け取りと保持に適した任意の型を有することができ、通常は閉じた底面を有する。好ましい実施形態では、キャビティは、ウェブ、好ましくは、フィルムのウェブ、より好ましくは、単一のフィルムのウェブ上にあるくぼみであって、後で封着され得、好ましくは、第2のウェブで封着され、それにより閉じたキャビティを有するウェブが形成される。その後、これらのキャビティ、つまり封着されたキャビティを有するウェブは、例えば切断により、切り離され又は分割され、個々の物品、例えば1回分の用量パウチを形成し得る。
【0033】
複数のキャビティは、機械方向に整列された少なくとも2つのキャビティ、例えば第1のキャビティと第2のキャビティを含み、機械方向のレーンを形成する。各レーンは、約4〜約100、約10〜約50、又は約20〜約40個のキャビティを含み得る。複数のキャビティは、約1〜約50、約5〜約30、又は約10〜約16本のレーンに配置され得、通常は隣り合わせに配置され、それぞれ機械方向に、通常は同期的に、移動する。
【0034】
一部の態様では、複数のキャビティは、単位用量パウチなど、最終製品の2つ以上の区画を形成し得る。これらの区画は、隣り合わせであり得る。一部の態様では、これらの区画は機械方向に整列され、したがって、これらの区画は機械方向のレーンを形成する少なくとも2つのキャビティである。この配置は、2つの区画がそれぞれ異なる組成物を収容することを目的としている場合に特に好適となり得る。そのため、一部の態様では、本方法は、機械方向に整列された少なくとも2つのキャビティを充填するプロセスに関するものであって、少なくとも2つのキャビティが少なくとも2つの隣り合わせのパウチの区画に形成され、好ましくは、それぞれの区画に異なる組成物が充填される。他の態様では、2つの隣り合わせの区画は同一のレーンにはならず、それらは同一の横列にあり得、あるいはそれらは互いにオフセットされ得、この場合、2つの区画は同一のレーンにも、同一の横列にもならないであろう。これらの隣り合わせの区画は、それぞれ異なる形状及び/又は異なる向きになり得る。一部の態様では、隣り合わせの区画は、陰陽形状の要素を形成する。一部の態様では、本明細書に記載される方法及びシステムの少なくとも2つのキャビティは、分離した別個の物品に形成されることを目的としている。
【0035】
通常、複数のキャビティは、機械横断方向に整列された少なくとも2つのキャビティを更に含み、機械方向に直角の横列を形成し得る。各横列は、約1〜約50、約5〜約30、又は約10〜約16個のキャビティを含み得る。複数のキャビティは、約4〜約100、約10〜約50、又は約20〜約40本の横列を含み得る。
【0036】
レーン内のキャビティの数は通常は横列の本数に相当すること、及び横列内のキャビティの数は通常はレーンの本数に相当することを、当業者なら理解するであろう。キャビティのサイズ、キャビティの間隔、面の面積、及び他の要因が、キャビティ、横列、及びレーンの数に影響する。キャビティがレーン及び/又は横列内で完璧に整列される必要はないこと、逆にキャビティは互いにいくらかオフセットされてもよいことは理解される。そのような配置は、特に、キャビティが互いに入れ子になることができる形状を有する場合、空間を節約するために好ましいことがある。
【0037】
図2A、2B、及び2Cは、複数のキャビティ110、111、112が面100に配置され得る非限定的な方法を示す。
【0038】
図2Aは、取付盤(図示なし)に配置されたウェブ100に配設されている複数のキャビティ110、111、112の平面図を示す。2つのキャビティ110、111は、機械方向MDに整列され、キャビティのレーン120の一部を形成する。2つのキャビティ110、112は、XMDの矢印で示されている機械横断方向に整列され、キャビティの横列125の一部を形成する。図示したウェブ100は、4本のレーン120、3本の横列125、及び合計12個のキャビティを含む。
【0039】
図2Bは、代替配置における複数のキャビティの平面図を示す。少なくとも2つのキャビティ110、111は、ウェブ100上に配置され、第1のレーン120を形成する。一方、第2のレーン121内のキャビティ112は、第1のレーン120内の第1のキャビティ110からオフセットされ、図示した実施形態では、キャビティ110及びキャビティ112は別々の横列にある。
【0040】
図2Cは、別の代替配置における複数のキャビティの平面図を示す。少なくとも2つのキャビティ110、111は、ウェブ100上に配置され、第1のレーン120を形成する。別のキャビティ112は、隣り合わせの配置でキャビティ110と隣接し、相補的なキャビティのペアを形成し、例えば、それぞれの区画が異なる組成物を受け取るのに適している隣り合わせの水溶性パウチの区画を形成するために、第1の横列121を形成する。矢印は、機械方向MD及び機械横断方向XMDを示す。
【0041】
一部の態様では、ウェブは、水溶性又は水分散性のフィルムを含み、分配組成物を部分的又は完全に包むように形成及び/又は封着され得る。好ましくは、水溶性又は分散性フィルムは、ポリマー、コポリマー、ターポリマー、又はそれらの誘導体、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)若しくはポリビニルアルコールの配合物、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及びその塩、ポリアミノ酸若しくはペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴム、又はこれらの混合物を含む。好ましくは、フィルムは、ポリビニルアルコール(PVA)又はポリビニルアルコールの配合物を含む。フィルムはまた、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、400 MWまでのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、ソルビトール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、エタノールアミン、及びこれらの混合物など、可塑剤も含み得る。好適なフィルムの例としては、M8630、M8900など、MonoSol(Merrillville,Indiana,USA)から市販されているフィルム、及びProcter & Gamble Companyに譲渡され、参照により本明細書に援用する、米国特許出願公開第2011/0188784(A1)号に記載されているフィルムが挙げられる。
【0042】
キャビティは、取付盤などの面の上に配設され得る型内で形成されてもよい。例えば、ウェブは、好ましくは、水溶性フィルムを含み、好ましくは、連続的な方法で、面の上に供給され、型に引き込まれ得る。フィルムは、真空手段によって型に引き込まれ得(真空成形と称される)、及び/又はパウチの形成前又は形成中に加熱され得る(熱成形と称される)。好ましくは、キャビティは熱成形によって形成される。型は、ウェブを特定の形状に成型するように、又はウェブに面パターンを提供するように構成され得る。
【0043】
通常、キャビティは、上面開口部、閉じた底壁、及び典型的には開口部と底壁との間の側壁を有する。キャビティは、組成物を開口部内に分配することにより充填される。キャビティが、好ましくは、回転ドラム上で、曲線運動を伴いながら移動する場合、通常、閉じた底面は、上面開口部に対して半径方向内側にある。キャビティは、例えば、正方形、矩形、円、楕円、超楕円、又は組成物の受け取りに適した任意の他の形状など、1形状をなす外周を備えた上面開口縁によって定義される上面開口部を有し得る。
【0044】
図3Aは、型115が配設された面116の側面図を示す。型115は、上面開口部130、底壁131、及び上面開口部130と閉じた底壁131との間にある側壁132、133を有する。
【0045】
図3Bは、面116の上に配設され、型115に引き込まれて少なくとも2つのキャビティ110、111を形成するウェブ100、例えば水溶性フィルムのウェブの側面図を示す。
【0046】
上面開口縁の外周は、開口平面を定義し得る。組成物がキャビティ内に充填方向で分配される場合、充填方向によって定義される軸は、開口平面との間に充填角度を形成し得、この充填角度は、充填方向軸と開口平面によって形成される直角又は鋭角である。好ましくは、充填角度はほぼ90度であるが、特にキャビティが回転ドラム上に配設される場合、キャビティが充填ウィンドウ内を移動するにつれて、充填角度は変化し得る。そのため、一部の態様では、組成物が分配されているとき、充填角度は、約45度〜、約60度〜、約75度〜、約80度〜、約85度〜、又は約87.5度〜約90度であり得る。
【0047】
図4A及び4Bはどちらも、ウェブ100上に配設されたキャビティ110内に組成物を充填方向(FDの矢印によって示されている)に分配するように配置されたノズル210を備える充填装置200を示す。上面開口縁134は、開口平面135を定義する。開口平面135と充填方向FDの半直線とは、充填角度θ
Fを形成する。
図4Aでは、ウェブ100は水平であり、充填角度θ
Fは直角である。
図4Bでは、ウェブ100の実質的に水平な部分が図示されており、充填角度θ
Fは鋭角である。
【0048】
ウェブは、面、好ましくは、移動面、より好ましくは、エンドレス面の上に配設され得る。この面は、好ましくは、連続的に移動する。この面は、水平直線運動又は曲線運動、好ましくは、曲線運動を伴いながら、機械方向に移動し得る。この面は、約0.5メートル/分(m/min)〜約50m/min、約1m/min〜約20m/min、又は約5m/min〜約12m/minの速度で移動し得る。この面が直線運動と曲線運動のいずれで移動しているかに関係なく、当業者ならその速度を垂直軸などの参照点に関して決定することができる。
【0049】
水平直線運動で動作するように設計された場合、エンドレス面の水平部分は、典型的には、面の連続的な水平運動の間に面のこの部分の上で行われる必要があるプロセス工程の数、工程ごとに必要な時間、及びこれらの工程に必要とされる面の最適な速度に応じて、任意の好適な長さを有することができる。したがって、本開示に記載の改善された充填方法は、面がより速く移動する又はより小さい空間を占有することが可能になるという利点を有する。
【0050】
図5は、機械方向MDに連続的にコンベヤーベルトによって直線移動され得る、取付盤などの移動可能な面116の上に配設されたウェブ100を示す。ウェブ100は、面116の型115内で成形された少なくとも2つのキャビティ110、111を備える。破線の垂直線Vは、面の移動速度の計算に利用できる、代表的な参照点の例として図示されている。少なくとも2つのノズル210、211を備えた充填装置200が、キャビティ110、111の上方に配置される。
【0051】
曲線運動で動作するように設計された場合、面は、通常は回転ドラムの上に配設され、実質的に水平な部分を有し得る。本明細書で使用するとき、「実質的に水平な部分」によって、面の実質的に水平な部分の1点に対する接線と水平面とによって形成される鋭角(θ
H)が、約45度以下、約30度以下、約20度以下、約15度以下、約10度以下、又は約5度以下であることを意味する。本明細書で使用するとき、ドラム上の面に関する「水平面」は、通常は(床の上にあるドラムの基部と比較された)ドラムの最高点において、ドラムの面の接線方向となる平面を指し、この平面は、回転ドラムの回転軸を通過して引かれる垂直軸に対して直角であり、通常はこの垂直軸もまた、ドラムの最高点を通過する。通常は、充填ウィンドウ内にある回転ドラムの部分は、実質的に水平な部分である。
【0052】
図6は、回転ドラム150及び水平面(線Hとして図示される)の側面図を示す。垂直軸Vが、ドラム150の回転軸RAを通過して引かれ、図示した実施形態では、垂直軸Vは、ドラムの最高点160においてドラム150のドラムの面116と交差する。水平面Hは、垂直軸Vと直角を形成する。面116が実質的に水平であると見なされる、ドラムの面116上の点161を通過して接線が引かれ、この接線と水平面とは、角度θ
Hを形成する。面116が実質的に水平であるとは見なされない、ドラムの面116上の点162を通過して別の接線が引かれ、この接線と水平面とは、角度θ
H’を形成する。
【0053】
組成物は、好ましくは、面が実質的に水平であるとき、例えばキャビティが面の実質的に水平な部分の上にあるときに分配され、結果として、組成物はキャビティからこぼれることはない。通常、曲線移動する面が実質的に水平である時間は、例えば、曲線の半径及び面の曲線速度に依存する。本開示に記載の改善された充填方法は、例えば、面がより速く移動する及び/又はより長い充填時間を有することが可能になるという利点を有する。
【0054】
好ましくは、面は、移動し循環するベルト(例えば、コンベヤーベルト若しくは取付盤コンベヤーベルト)又は回転ドラムの一部分であり、及び/又は好ましくは、取り外し可能にそれらに連結される。その結果、好ましくは、面は取り外され、他の寸法を有する、又は異なる形状若しくは寸法のキャビティを備える別の面と交換されることができる。これにより、本設備は容易に洗浄され、及び/又は様々なタイプの製品の生産に使用されることが可能となる。例えば、システムは、一連の取付盤を有し、それらの取付盤が全体として成形面又はその一部を形成するベルト又はドラムを備え得る。通常、キャビティは、取付盤の面の上に配設される。例えば、各取付盤は、キャビティの形成に使用される複数の型を備え得る。
【0055】
好ましくは、複数のキャビティは、回転ドラムの上に配設される。回転ドラムは、米国特許第3,057,127号に記載されている。通常、組成物は、ドラムの実質的に水平な部分の上にあるキャビティに、例えば、キャビティがドラムの頂部又はその近くにあるときに、分配される。ドラムは、機械方向に、通常は回転軸周りで回転する。取付盤上に配置され得る、少なくとも2つのキャビティが、ドラム上で周方向に離間配置される。
【0056】
図7は、回転ドラム150及び充填装置200の側面図を示す。回転ドラム150は、機械方向MDに回転軸RA周りで回転する。回転ドラム150は、回転軸RAから半径方向外側に配置された面116を有する。複数の型115が、回転ドラム150の面116の上に配設される。ウェブ100は、ロール180からドラムの面116の上に供給され、型115に引き込まれて、複数のキャビティ110、111、112を形成する。図示されている非限定的な例では、キャビティ110、111、112は、周方向に離間配置され(circumferentially space)、整列されて、機械方向MDにレーンを形成するキャビティである。充填装置200は、少なくとも2つのキャビティ110、111の上方に配置され、組成物を分配できる状態のノズル210、211を備える。
【0057】
充填装置
本システム及び方法は、充填装置を更に含む。充填装置は、組成物をキャビティに分配するように構成される。通常、充填装置は、例えば、機械的に、又はソフトウェア制御によって、移動可能な面に連結される。
【0058】
通常、充填装置は複数のノズルを備える。少なくとも2つのノズルは、機械方向に整列された少なくとも2つのキャビティに組成物を分配するように、面から離間されて配置される。通常、少なくとも2つのノズルは、面、及び/又はキャビティの開口部に向いた開口部を有する。少なくとも2つのキャビティが水平又は実質的に水平な場合、通常は、この少なくとも2つのキャビティの開口部の垂直方向上方に、少なくとも2つのノズルが配置される。キャビティが回転ドラムの上にある場合、通常は、キャビティに対して半径方向外側に、ノズルが配置される。
【0059】
少なくとも2つのノズル、例えば第1のノズルと第2のノズルは機械方向に整列され得、それにより、ノズルのレーンを形成する。各ノズルレーンは、2つ以上の、通常は2つのノズルを含み得る。複数のノズルは、約1〜約50、約5〜約30、又は約10〜約16本のノズルレーンに配置され得る。好ましくは、ノズルレーンの本数は、キャビティレーンの本数と一致する。
【0060】
複数のノズルは、機械横断方向に整列された少なくとも2つのキャビティに組成物を分配するように配置された少なくとも2つのノズルを更に含み得る。通常、そのように配置された少なくとも2つのノズルは、機械横断方向に整列され、それにより、ノズルの横列を形成する。各横列は、約1〜約50、約5〜約30、又は約10〜約16個のノズルを含み得る。複数のノズルは、2本以上の、通常は2本の横列を含み得る。横列内のノズルの数は、多くの場合、レーンの本数と一致することを、当業者なら理解するであろう。
【0061】
少なくとも2つのノズルは、典型的には互いに離間され、更に典型的には2つのキャビティの中心と中心との間の距離を近似した距離だけ離間される。この少なくとも2つのノズルの間の距離は、通常は固定される。一部の態様では、少なくとも2つのノズル、又は複数のノズルは、互いに関して固定された位置を有する。一部の態様では、少なくとも2つのノズルはマニフォールドに接続され、マニフォールドは通常は移動可能である。
【0062】
図8Aは、マニフォールド230に接続された複数のノズル210、211、212を備える充填装置200の底面図を示す。2つのノズル210、211は、MDの矢印で示されている機械方向に整列され、ノズルのレーン220を形成する。少なくとも2つのノズル210、212は、XMDの矢印で示されている機械横断方向に整列され、ノズルの横列225の一部を形成する。
【0063】
図8Bは、マニフォールドに接続された複数のノズル210、211、212を備える代替充填装置200の底面図を示す。2つのノズル210、211は、機械方向に整列され、レーン220を形成する。更には、2つのノズル210、212は、横列に整列されるのではなく、互いにオフセットされ、ノズルのペア215を形成する。充填装置200は、複数のノズルペア215を備え、これらのペアはレーン及び横列に整列され得る。ノズルペア215のノズル210、212は、同じ組成物を分配しても、それぞれ異なる組成物を分配してもよい。ノズルペア215の各ノズル210、212でそれぞれ異なる組成物を分配させることは、それらのノズルが、パウチの複数区画となるキャビティに充填する場合に特に好ましい。
【0064】
少なくとも2つのノズル、より好ましくは、複数のノズルは、第1の位置及び第2の位置を有する。ノズルは、典型的には同時に、更に典型的には同期的に、第1の位置から第2の位置まで、典型的には機械方向に移動し、典型的にはキャビティの移動と実質的に並行して移動する。少なくとも2つのノズルが第1の位置から第2の位置まで移動した後、この少なくとも2つのノズルは第1の位置まで戻る。ノズルは、直線運動又は曲線運動で、通常は直線運動で、第1の位置から第2の位置まで移動し得る。個々のノズルはそれぞれ第1の位置及び第2の位置を有すること、並びに第1のノズルの第1及び第2の位置は第2のノズルの第1及び第2の位置とそれぞれが厳密には一致しないことは理解される。しかし、上に記載されているように、少なくとも2つのノズル、又は複数のノズルは、第1の位置及び第2の位置を有する1つの単位として記載される。
【0065】
少なくとも2つのノズルは、ノズルが第1の位置から第2の位置まで移動する間、通常はキャビティが機械方向に移動する間、少なくとも2つのキャビティに組成物を分配する。即ち、キャビティ及びノズルは、少なくとも組成物の分配の一部分において、同時に、好ましくは、同期的に移動する。通常、第1のノズルは第1のキャビティに組成物を分配し、それと同時に、又は更に同期的に、第2のノズルは第2のキャビティに組成物を分配する。一部の態様では、少なくとも第3のノズルが少なくとも第3のキャビティに組成物を分配する。
【0066】
図9A〜9Eは、本明細書に記載される方法を実行しているシステムの側面図を示す。各図では、破線Vが参照点として図示される。これらの図は、機械方向MDに連続的に移動しているウェブ100の上に配設された複数のキャビティ110、111、113、114、117、118からなるレーンを示す。面は、水平又は実質的に水平であって、例えば実質的に水平な部分を有するものであり、直線運動(例えばコンベヤーベルト上の場合)又は曲線運動(例えば回転ドラム上の場合)を伴いながら移動し得る。ウェブ100の上方には、複数のノズル210、211を備えた充填装置200が配置される。
【0067】
図9Aは、第1の位置(FP)にある充填装置を示しており、ノズル210、211は、キャビティ110、111の上方に配置され、少なくとも2つのキャビティ110、111に組成物300を充填方向FDに同時に分配する(即ち、第1のノズル210は組成物300を第1のキャビティ110に分配し、第2のノズル211は組成物300を第2のキャビティ111に分配する)。
【0068】
図9Bは、第1の位置(FP)から離れる機械方向MDに、キャビティ110、111と同期的に移動しているノズル210、211を示す。システムが機械方向MDに移動しているとき、ノズル210、211は組成物300をキャビティ110、111に分配し続け、この時点でこれらのキャビティは組成物300で部分的に満たされている。
【0069】
図9Cは、第2の位置(SP)にあるノズル210、211を示しており、ノズル210、211はキャビティ110、111への組成物300の分配を停止していて、これらのキャビティは組成物300で満たされている。更に、線分A−A’は、図示されているシステムの充填ウィンドウを示しており、ポイントAは充填プロセスが開始された位置(即ち、ノズル211がキャビティ111への組成物300の分配を開始した位置)であり、ポイントA’は充填プロセスが終了した位置(即ち、ノズル210がキャビティ110への組成物300の分配を終了した位置)である。
【0070】
図9Dは、機械方向MDに移動し続けている面100及び複数のキャビティ110、111、113、114、117、118を示す。一方、ノズル210、211は、往復方式で第1の位置に戻り始め、OMDの矢印で示されている、機械方向とは逆の方向に移動している。第1のノズル210は第2のキャビティ111の上を通過中で、このキャビティは組成物300で既に満たされていることに留意されたい。
【0071】
図9Eは、第1の位置(FP)まで戻ったノズル210、211を示す。ノズル210、211は、キャビティ113、114に組成物300を分配し始めていて、新しい充填サイクルを開始している。本明細書に記載されているプロセスは繰り返され得ること、例えば、ノズル210、211は、いずれはキャビティ117、118を充填し得ることを、当業者なら理解するであろう。結局、図示されているシステムの各ノズルは、キャビティを1つおきに充填し得(例えば、ノズル210はキャビティ110、キャビティ113、キャビティ117などを充填する)、それにより、充填ウィンドウは拡大する。
【0072】
通常、少なくとも1つ又は少なくとも2つのキャビティがシステムの充填ウィンドウ内にある間、少なくとも2つのノズルが組成物を分配する。前述したように、本明細書に記載される方法及びシステムの利点は、それらが充填ウィンドウを拡大する傾向を有しており、それにより、製造業者は、生産速度、製品粘度、及び/又は分配容積の増大など、充填プロセスにおいて柔軟性と効率性が高まることである。
【0073】
各キャビティは充填ウィンドウを有し得ることを、当業者なら理解するであろう。例えば、第1のキャビティは第1の充填ウィンドウを有し得、第2のキャビティは第2の充填ウィンドウを有し得る。第1及び第2の充填ウィンドウは重なり合ってもよく、両方ともシステムの充填ウィンドウに含まれる。
【0074】
図10A〜10Cは、回転ドラム150上の充填ウィンドウの様々な実施形態を示す。
【0075】
図10Aは、ノズルが1つのシステムと複数のノズルを備えるシステムとの充填ウィンドウの相対的な比較を表す。回転ドラム150は、回転軸RA周りで機械方向MDに回転する。垂直軸Vが参照として図示されている。線分A−A’は、本開示によるシステム、即ち、機械方向に整列された複数のノズルを備えるシステムの充填ウィンドウを近似する。線分B−B’は、比較対象のシステム、即ち、機械方向に整列された複数のノズルを備えていないシステムの充填ウィンドウを近似する。
【0076】
図10Bは、本システムの充填ウィンドウを示す。回転ドラム150は、回転軸RA周りで機械方向MDに回転する。垂直軸Vが参照として図示され、回転軸RAから回転ドラムの(ドラムの基部から相対的な)最高点を通過するように引かれている。充填開始ポイント170及び充填終了ポイント171は、回転ドラム150の面116の上に位置する。充填開始ポイント170と充填終了ポイント170との間の距離は、充填ウィンドウ距離である。充填ウィンドウ距離は、直線距離(即ち、直線)として、又は曲線距離として(即ち、回転ドラム150の外周をたどる弧に沿って)測定され得、充填ウィンドウ距離はドラムの外周の半分未満である。回転軸RAから充填開始ポイント170及び充填終了ポイント171をそれぞれ通過して半直線が引かれる。これらの半直線の間の角度は充填ウィンドウ角度θ
Aであり、この角度は、180°未満、好ましくは、135°未満、より好ましくは、90°未満、更に好ましくは、約5°〜約30°である。
【0077】
図10Cは、本システムの充填ウィンドウを示す。回転ドラム150は、回転軸RA周りで機械方向MDに回転する。垂直軸Vが参照として図示され、回転軸RAから回転ドラムの最高点を通過するように引かれている。第1のキャビティ110の充填開始ポイント172及び充填終了ポイント171が図示されており(ウェブは図示されていない)、それらの間の距離が、第1のキャビティ110の充填ウィンドウ距離である。回転軸RAから充填開始ポイント172及び充填終了ポイント171をそれぞれ通過して半直線が引かれる。これらの半直線の間の角度は、180°未満であり、第1のキャビティの充填ウィンドウ角度θ
A1である。更に、第2のキャビティ111の充填開始ポイント170及び充填終了ポイント173が図示されており(ウェブは図示されていない)、それらのポイントの間の距離が、第2のキャビティの充填ウィンドウ距離である。回転軸RAから充填開始ポイント170及び充填終了ポイント173をそれぞれ通過して半直線が引かれる。これらの半直線の間の角度は、180°未満であり、第2のキャビティ111の充填ウィンドウ角度θ
A2である。充填開始ポイント170と充填終了ポイント171との間の距離は、このシステムの充填ウィンドウ距離である。回転軸RAから充填開始ポイント170及び充填終了ポイント171をそれぞれ通過して引かれた半直線によって形成される角度は、このシステムの充填ウィンドウ角度θ
Aである。このシステムの充填ウィンドウは、第1のキャビティの充填ウィンドウ及び第2のキャビティの充填ウィンドウを含む。
【0078】
通常、ノズルは、ノズルが最適な分配位置にあるときに、典型的にはノズルがキャビティの中心と概ねそろっているときに、組成物を分配することが好ましい。そのため、ノズルは、最適な配置になるために、分配開始前に移動を開始してもよい。その一方で、組成物のこぼれる量が最小限に抑えられる、又は完全になくなるのであれば、ノズルが組成物を分配するために最適な分配位置にある必要はないことも理解される。したがって、ノズルは最適な配置になる前に分配を開始してもよく、またノズルは最適な配置ではなくなった後に分配を終了してもよく、これにより、充填ウィンドウが拡大され、システムの効率性を高めることができる。
【0079】
一部の態様では、ノズルは、ノズルが第1の位置からの移動を開始した後に、組成物の分配を開始する。一部の態様では、ノズルは、前記少なくとも2つのノズルが第2の位置に到達する前に、組成物の分配を停止する。
【0080】
一部の態様では、ノズルは、ノズルが第1の位置からの移動を開始する前に、組成物の分配を開始する。一部の態様では、ノズルは、ノズルが第2の位置に到達した後に分配を停止する。一部の態様では、ノズルがまだキャビティに組成物を分配しているならば、ノズルが第1の位置に戻るとき、ノズルは組成物を分配し続け得る。通常、このノズルは、こぼれ量を最小限に抑える又はなくすために、第1の位置に完全に戻る前に分配を停止する。
【0081】
一部の態様では、ノズルは往復運動を伴いながら移動し、例えば、ノズルは機械方向及び機械方向とは逆の方向に移動し得る。通常、ノズルは、キャビティに組成物を分配している間、充填対象のキャビティと近似的に同じ速度で同じ方向に移動する。通常、所望の量の組成物がノズルによって分配される(例えば、キャビティが部分的又は完全に満たされる)と、ノズルは、キャビティに呼応した移動を停止し、ノズルが第1の位置(例えば、
図9A、(FP))に戻るまで機械方向とは逆の方向に移動し、未充填のキャビティの上方に配置される。戻る移動、例えば、第2の位置から第1の位置への移動の速度は、充填中の移動の速度を上回り得る。次いで、新しい充填サイクルが始まると、ノズルは再び、キャビティの移動と同じ方向の移動を開始し、通常はキャビティの速度に合わせ、再び組成物を分配する。
【0082】
少なくとも2つのノズルは、往復システム上に配置され得る。往復システムは戻ることが可能で機械方向及び機械方向の逆方向に移動し得、その速度は可変であり得る。往復システムは往復アームを備えることができ、往復アームはマニフォールドに取り付けられ得、ノズルはマニフォールドに、又は往復アームに直接的に接続され得る。往復アームは、リニアアクチュエータ又はモータによって作動され得る。往復システムは、往復システムが非往復運動で移動することを防止する固定ガイドを備え得る。
【0083】
一部の態様では、ノズルは、エンドレス面、例えばベルト循環面の上で連続運動を伴いながら移動し得る。通常、ノズルは、分配工程の間、各未充填キャビティが同じノズルの下にあり続けるように、キャビティと同じ速度で同じ方向に移動する。分配が停止した後、ノズルは循環し、第1の位置に戻り、その位置で別の未充填キャビティに組成物を再び分配し始め得る。
【0084】
一部の態様では、ノズルは、通常は固定されている枢軸点で旋回する支持アームの上に位置し得る。ノズルは、枢軸点周りに第1の位置から第2の位置まで旋回し、次いで第1の位置まで戻ることができる。
【0085】
一部の態様では、システムは、毎分約10〜約200回の充填サイクルを実行する。一部の態様では、システムは、毎分約30〜約150又は約40〜約120回の充填サイクルを実行する。一部の態様では、システムは、毎分約75〜約175、約90〜約150、又は約100〜約130回の充填サイクルを実行する。この速度は、キャビティのサイズ、面の速度、及び他の要因に応じて調整され得る。
【0086】
通常、全てのノズル又は複数のノズルは、1サイクル中に、例えば1つのキャビティに、所定の量の組成物のみが分配されるように、組成物の流れを正確に制御することができるデバイスにまとめて接続される。開示されるプロセスで使用されるシステムは、好ましくは、キャビティごとに組成物を正しい量又は容積に分けるための流量計と弁を備えた容積移送式ポンプ及び/又は加圧容器を使用し、とりわけ、容積移送式ポンプは非常に正確であることがわかっている。これによって、製品の必要とされる量又は容積がポンプの中に導入され、これは次にノズルに供給される。例えば、システムが、充填サイクルごとに60個のキャビティが充填されるものである場合、典型的には、60個のノズルが準備され、それらは60個の容積移送式ポンプに接続され(1個のキャビティにつき、1個のノズルごとに1個のポンプ)、これらは全て、組成物を有する一般的なタンクに接続される。ポンプは、分配される組成物に応じて調整され得る。例えば、組成物が粘稠な液体の場合、ポンプを駆動するモータは、より大きい力又はトルク容量を有することが必要になることがある。使用され得る他の方法には、例えば、電磁流量計又は質量流量計の使用による流量測定、及び圧力流量充填/測定が挙げられ、後者の方法は、圧力を一定に保ち、弁の開閉時間を調整し、それにより、充填時間及び分配される容積を制御する。
【0087】
ノズルは、各充填サイクルにおいて一定の容積を分配し得る。各充填サイクルでは、各ノズルは、約0.1mL〜約5000mL、約0.5mL〜約1000mL、約0.5mL〜約100mL、又は約0.8mL〜約30mLの組成物を分配し得る。一部の態様では、各充填サイクルにおいて、各ノズルは、約0.5mL〜約5mL、又は約1.0〜約2.0mLの組成物を分配する。一部の態様では、各充填サイクルにおいて、各ノズルは、約10〜約50mL、約12mL〜約30mL、又は約15〜約25mLの組成物を分配する。各充填サイクルの充填ウィンドウ時間は、約200ms〜約1000msであり得る。
【0088】
組成物
本明細書に記載されるノズルは、組成物を分配する。通常、少なくとも2つのノズルは、同じ組成物を分配する。その一方で、特に、様々な製品が同一ライン上で製造されることが好ましい場合、少なくとも2つのノズルは、様々な組成物を異なるキャビティに分配し得る。一部の態様では、少なくとも2つのキャビティにそれぞれ異なる組成物が充填される場合、第1のノズルは第1の組成物を第1のキャビティに分配し、第2のノズルは第2の組成物を第2のキャビティに分配する。一部の態様では、第1のノズルと第2のノズルとはノズルのペアを形成し、このペアの各ノズルはそれぞれ異なる組成物を分配する。一部の態様では、複数のノズルは、複数のノズルペアを含む。一部の態様では、複数のノズルペアは、機械方向に整列される(即ち、合計で少なくとも4つのノズルが機械方向に整列される)。一部の態様では、2つのキャビティは、パウチの2つの区画であり、各区画にはそれぞれ異なる組成物が充填される。
【0089】
本方法及びシステムは、特定の困難な課題をもたらす粘稠な組成物をドーシングするときに、特定の利益を提供する。例えば、ドーシングの正確な開始及び停止は、高粘度の液体ではより困難となり、その原因の1つは「糸引き」である。糸引きは、ドーシングサイクルの終了時に組成物が流れを停止した後、組成物のフィラメントがドーシングノズルからキャビティまで伸びているとき、又は組成物のフィラメントがドーシングノズルから垂れ下がっている場合に発生する。本方法及びシステムは、使用可能なドーシング時間ウィンドウを拡大することにより、糸引き問題を軽減するのに役立ち、その結果、充填ウィンドウを一定に保ちながら、又は更に拡大しながら、糸引き問題を減少させることができる。その一方で、低粘度組成物は充填時にキャビティからあふれ出る、又はこぼれ落ちることがあるので、組成物は、一定の最低水準の粘度を有することが好ましい。
【0090】
そのため、一部の態様では、組成物は粘稠な組成物である。組成物は、約1〜約2000センチポアズ(mPa
*s)、約25〜約1500センチポアズ(mPa
*s)、又は約50〜約1000センチポアズ(mPa
*s)の粘度を有し得る。一部の態様では、組成物は、洗濯用組成物であり、約200〜約800、又は300〜約500センチポアズ(mPa
*s)の粘度を有する。一部の態様では、組成物は、自動食器洗い用組成物であり、約50〜約150、又は約75〜約125センチポアズ(mPa
*s)の粘度を有する。粘度は、TA Instrumentsから入手可能なanAR550レオメーター(anAR550 rheometer)によって、25℃で測定された剪断速度1000秒
−1のコーンプレート形状及び円錐角3°で測定される。
【0091】
通常、組成物は、限られた量の空気が封入される(エアレーション)。エアレーションは、周囲気圧及び周囲温度条件で測定された、液体に混入された気体の容積を組成物の全容積、即ち、液体と気体の和で除したものとして測定される。エアレーションの水準が上昇すると、結果として、例えば、ドーシングがキャビティ間で不正確になることがある。通常、組成物は、約5%未満のエアレーション、約3%未満のエアレーション、又は約1.5%未満のエアレーションを有するようになる。
【0092】
通常、組成物は、家庭ケア組成物である。好適な家庭ケア組成物の非限定的な例としては、洗浄組成物、布地ケア組成物、及び硬質面クリーナーが挙げられる。より具体的には、組成物は、前処理又は浸漬組成物及び他のすすぎ添加組成物など、洗濯、布地ケア、又は食器洗い用組成物であり得る。組成物は、布地洗剤組成物又は自動食器洗い用組成物であり得る。布地洗剤組成物は、メイン洗浄プロセス中に使用され得、前処理又は浸漬組成物として使用されることもある。
【0093】
布地ケア組成物としては、布地洗剤、布地柔軟剤、2イン1洗剤及び柔軟化、前処理組成物、並びに同種のものが挙げられる。布地ケア組成物は、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、高分子分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、顔料、並びにこれらの混合物など、典型的な布地ケア添加剤を含み得る。組成物は、シェーディング染料、界面活性剤、ポリマー、香料、カプセル化された香料物質、構造化剤、及びこれらの混合物を含む群から選択される添加剤を含む洗濯洗剤組成物であり得る。
【0094】
組成物は、界面活性剤、ビルダー、スルホン化/カルボキシル化ポリマー、シリコーン泡抑制剤、ケイ酸塩、金属及び/又はガラスケア剤、酵素、漂白剤、漂白活性剤、漂白触媒、アルカリ源、香料、染料、有機又は水性溶媒、充填剤、並びにこれらの混合物から選択される添加剤を含む自動食器洗い用組成物であり得る。
【0095】
好ましくは、組成物は界面活性剤を含む。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、双性イオン性、非イオン性、両性、又はこれらの混合物から選択され得る。好ましくは、組成物は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を含む。
【0096】
アニオン性界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエトキシレート硫酸塩、及びこれらの組み合わせから選択され得る。
【0097】
本明細書で有用な好適なアニオン性界面活性剤は、液体洗剤製品で典型的に使用される従来の種類のいかなるアニオン性界面活性剤をも含むことができる。これらとしては、アルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの塩、パラフィンスルホン酸及びそれらの塩、並びにアルコキシル化又は非アルコキシル化アルキルサルフェート物質など、サルフェート及びスルホネート系アニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0098】
本明細書に用いるのに好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコールアルコキシレート非イオン性界面活性剤が挙げられる。アルコールアルコキシレートは、一般式:R
1(C
mH
2mO)
nOH(式中、R
1はC
8〜C
16アルキル基であり、mは2〜4であり、nは約2〜12の範囲である)に相当する材料である。一態様では、R
1は、一級又は二級であってよく、約9〜15個の炭素原子、又は約10〜14個の炭素原子を含むアルキル基である。一態様では、アルコキシル化脂肪族アルコールはまた、分子当り約2〜12個のエチレンオキシド部分、又は分子当り約3〜10個のエチレンオキシド部分を含有するエトキシル化物質である。代替の非イオン性界面活性剤としては、アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0099】
自動食器洗い用洗剤で使用するための好ましい界面活性剤は、それ自体が低起泡性である、又は他の構成成分(例えば、泡抑制剤)と組み合わされる。本明細書に用いるのに好ましいのは、低及び高曇点非イオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物であり、非イオン性アルコキシル化界面活性剤(特にC
6〜C
18一級アルコールから誘導されるエトキシレート)、エトキシル化−プロポキシル化アルコール(例えば、Olin CorporationのPOLY−TERGENT(登録商標)SLF18)、エポキシ末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール(例えば、Olin CorporationのPOLY−TERGENT(登録商標)SLF18B、国際公開第WO−A−94/22800号を参照)、エーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、並びにBASF−Wyandotte Corp.(Wyandotte,Michigan)によるPLURONIC(登録商標)、REVERSED PLURONIC(登録商標)、及びTETRONIC(登録商標)のようなブロックポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリマー化合物;C
12〜C
20アルキルアミンオキシド(本明細書に用いるのに好ましいアミンオキシドとしては、ラウリルジメチルアミンオキシド及びヘキサデシルジメチルアミンオキシドが挙げられる)のような両性界面活性剤、並びにMIRANOL(商標)C2Mのようなアルキルアンホカルボン酸界面活性剤;並びにベタイン及びスルタインのような双極性イオン界面活性剤;並びにこれらの混合物が挙げられる。本明細書での使用に適した界面活性剤は、例えば、米国特許第A−3,929,678号、同第A−4,259,217号、欧州特許第A−0414 549号、国際公開第WOA−93/08876号及び同第WOA−93/08874号に開示されている。自動食器洗い用洗剤に含まれる界面活性剤は、洗剤組成物の約0.2重量%〜約30重量%、より好ましくは、約0.5重量%〜約10重量%、最も好ましくは、約1重量%〜約5重量%の濃度で存在し得る。
【0100】
本洗濯ケア組成物で使用されるシェーディング染料は、高分子若しくは非高分子染料、顔料、又はこれらの混合物を含み得る。好ましくは、シェーディング染料は、発色団成分及び高分子成分を含有する高分子染料を含む。発色団成分は、光に曝露すると、青、赤、スミレ色、紫、又はこれらの組み合わせの範囲の波長の光を吸収するものであると特徴付けられる。一態様では、発色団成分は、水及び/又はメタノール中で最大約520ナノメートル〜約640ナノメートルの吸収スペクトルを示し、他の態様では、水及び/又はメタノール中で約560ナノメートル〜約610ナノメートルの吸収スペクトルを示す。いずれの好適な発色団が使用されてもよいが、色素発色団は、好ましくは、ベンゾジフラン、メチン、トリフェニルメタン、ナフタルイミド、ピラゾール、ナプトキノン(napthoquinone)、アントラキノン、アゾ基、オキサジン、アジン、キサンテン、トリフェノジオキサジン、及びフタロシアニン色素発色団から選択される。モノ及びジアゾ色素発色団が好ましい。シェーディング染料は、1つ又は2つ以上の少なくとも3つの連続した繰り返し単位に共有結合している発色団を含有する染料ポリマーを含み得る。繰り返し単位自体は発色団を含む必要がないことは理解されよう。染料ポリマーは、少なくとも5個、又は少なくとも10個、又は更には少なくとも20個の連続した繰り返し単位を含み得る。
【0101】
組成物は、クリーニング性能及び/又は布地ケア効果を提供する1つ又は2つ以上の洗剤酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、限定するものではないが、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられる。典型的な組み合わせは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素をアミラーゼと組み合わせた混液である。
【0102】
本発明の組成物は、1種以上の漂白剤を含み得る。漂白触媒以外の好適な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成過酸、及びこれらの混合物が挙げられる。一般に、漂白剤が使用される場合、本発明の組成物は、洗浄組成物の約0.1重量%〜約50重量%、又は更には約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤を含み得る。
【0103】
組成物は、増白剤を含み得る。好適な増白剤は、増白剤15などのスチルベンである。他の好適な増白剤は、疎水性増白剤、及び増白剤49である。増白剤は、3〜30マイクロメートル、3マイクロメートル〜20マイクロメートル、又は3〜10マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有する微粉化粒子形態であり得る。増白剤は、α又はβ結晶形態とすることができる。
【0104】
組成物はまた、任意追加的に、1つ又は2つ以上の銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤を含有し得る。利用される場合、キレート剤は、一般に、本明細書の組成物の約0.1重量%〜約15重量%、又は更には本明細書の組成物の約3.0重量%〜約15重量%を構成する。好適なキレート剤としては、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、HEDP(ヒドロキシエタンジホスホン酸)、DTPMP(ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸))、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸二ナトリウム塩水和物、及びかかるキレート剤の誘導体からなる群から選択されるキレート剤が挙げられる。
【0105】
組成物は、1−ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩、N,N−ジカルボキシメチル−2−アミノペンタン−1,5−二酸及びその塩、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸及びその塩、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるものなど、炭酸カルシウム結晶成長阻害剤を含み得る。
【0106】
本開示の組成物はまた、1種以上の移染防止剤を含み得る。好適な高分子移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書における組成物中に存在する場合、移染防止剤は、洗浄組成物の約0.0001重量%から、約0.01重量%から、約0.05重量%から、洗浄組成物の約10重量%まで、約2重量%まで、又は更には約1重量%までの濃度で存在する。
【0107】
組成物は、1種以上のポリマーを含み得る。好適なポリマーとしては、カルボキシレートポリマー、ポリエチレングリコールポリマー、テレフタレートポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマー、アミンポリマー、セルロース系ポリマー、移染防止ポリマー、イミダゾールとエピクロロヒドリンの縮合によって生成される縮合オリゴマーなどの染料固定ポリマー、任意追加的に1:4:1の比率で、ヘキサメチレンジアミン誘導体ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0108】
他の好適なセルロース系ポリマーは、0.01〜0.99の置換度(DS)と、DS+DBが少なくとも1.00であるか、又はDB+2DS−DS
2が少なくとも1.20であるかのいずれかとなるようなブロック度(DB)とを有し得る。置換セルロース系ポリマーは、少なくとも0.55の置換度(DS)を有し得る。置換セルロース系ポリマーは、少なくとも0.35のブロック度(DB)を有し得る。置換セルロース系ポリマーは、1.05〜2.00のDS+DBを有し得る。好適な置換セルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロースである。
【0109】
別の好適な置換セルロース系ポリマーは、カチオン変性ヒドロキシエチルセルロースである。
【0110】
好適な香料としては、未希釈香料、香料マイクロカプセル、シッフ塩基香料/ポリマー複合体を含むポリマー支援型香料送達系、デンプンにカプセル化された香料アコード、香料充填ゼオライト、ブルーミング香料のアコード、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。好適な香料マイクロカプセルは、メラミンホルムアルデヒド系であり、典型的には、メラミンホルムアルデヒドを含むシェルによってカプセル化される香料を含む。このような香料マイクロカプセルは、ポリビニルホルムアミド(PVF)及び/又はカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(catHEC)などのカチオン性材料及び/又はカチオン性前駆体材料をシェル内に含むことが非常に好適であり得る。
【0111】
好適な泡抑制剤としては、シリコーン泡抑制剤、アルキルリン酸エステル泡抑制剤、及び/又はステアリン酸などの脂肪酸が挙げられる。本明細書で有用な泡抑制剤技術及び他の消泡剤は、「Defoaming,Theory and Industrial Applications」,Ed.,P.R.Garrett,Marcel Dekker,N.Y.,1973に記載されており、参照により本明細書に援用する。
【0112】
金属ケア剤は、アルミニウム、ステンレス鋼、及び非第一鉄金属(銀及び銅など)といった金属の変色、腐食、又は酸化を防止又は低減するために、組成物に含められ得る。好適な例としては、次の1つ以上が挙げられる。
(a)ベンゾトリアゾール又はビス−ベンゾトリアゾールとこれらの置換誘導体を含むベンザトリアゾール。ベンゾトリアゾール誘導体は、芳香環上の利用可能な置換部位が部分的又は完全に置換されている化合物である。好適な置換基としては、直鎖又は分枝鎖のC1〜C20−アルキル基と、ヒドロキシル、チオ、フェニル、あるいはフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素などのハロゲンが挙げられる。
(b)金属が酸化状態II、III、IV、V、又はVIの1つにある、亜鉛、マンガン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、コバルト、ガリウム、及びセリウムの塩及び/又は錯体からなる群から選択される金属塩及び錯体。一態様では、好適な金属塩及び/又は金属錯体は、Mn(II)硫酸塩、Mn(II)シトレート、Mn(II)ステアレート、Mn(II)アセチルアセトネート、K2TiF6、K2ZrF6、CoSO4、Co(NO3)2、及びCe(NO3)3、亜鉛塩、例えば硫酸亜鉛、水亜鉛土、又は酢酸亜鉛からなる群から選択され得る。
(c)ケイ酸ナトリウム又はカリウム、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、結晶性フィロケイ酸塩、及びこれらの混合物を含むケイ酸塩。一実施形態では、金属ケア剤は亜鉛塩である。
【0113】
存在する場合、本発明の組成物は、全組成物の約0.1重量%〜約5重量%、約0.2重量%〜約4重量%、又は約0.3重量%〜約3重量%の金属ケア剤を含む。
【0114】
アルカリ源の例としては、これらに限定はされないが、アルカリ水酸化物、アルカリ水素化物、アルカリ酸化物、アルカリセスキ炭酸塩、アルカリ炭酸塩、アルカリホウ酸塩、鉱酸のアルカリ塩、アルカリアミン、アルカロイド、及びこれらの混合物が挙げられる。組成物は水を含み得る。しかしながら、組成物が、水溶性フィルムと接触する液体である場合は、通常は、フィルムを完全な状態に維持し、かつパウチをべとつかせないために、水の量を制限することが好ましい。そのため、一部の態様では、組成物は、組成物の約40重量%未満の水、又は組成物の約1重量%〜約30重量%、好ましくは、約2重量%〜約20重量%、若しくは約5重量%〜約13重量%の水を含む。
【0115】
組成物は、有機溶媒を含み得る。組成物は、液体組成物の約10重量%〜約50重量%、又は約15重量%〜約40重量%の有機溶媒を含み得る。好適な有機溶媒としては、低分子量アルコール及び/又は低分子量グリコールが挙げられ、この文脈における「低分子量」とは約500ダルトン未満の分子量を意味する。好ましくは、好適な有機溶媒としては、グリセロール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0116】
パウチ形成
好ましくは、本明細書に記載されるキャビティは、パウチに成形され、単位用量物品になり得る。一部の態様では、本開示は、パウチを形成する方法に更に関し、パウチは、1つには、本明細書に記載される工程によってキャビティに充填することにより、形成される。パウチ形成の詳細について、以下に説明する。
【0117】
本開示のプロセス、又はプロセスの独立した部分は、連続的又は断続的であり得、好ましくは、連続的である。プロセスは、キャビティを形成する一般的な工程を含み、好ましくは、水溶性フィルムを含むウェブを型に入れて該キャビティを形成し、本明細書に記載される工程によって組成物、好ましくは、液体組成物をキャビティに充填し、組成物で満たされたキャビティを好ましくは、第2の水溶性フィルムで閉じて、単位用量物品などのパウチを形成する。好ましくは、プロセスは、単位用量物品のウェブが作製され、次いでこのウェブが切断されて個々の単位用量物品が形成されるプロセスである。通常、キャビティは、形成される単位用量物品に相当する。単位用量物品は、1つのキャビティ又は複数のキャビティから形成され得る。
【0118】
一部の態様では、第1のウェブ、例えばフィルムは、パウチの2つ以上の区画を形成するキャビティに成形され得る。一部の態様では、キャビティから形成された区画は、隣り合わせ又は「タイヤとリム」の配置となる。第2のフィルムもまた区画を含み得、この区画は組成物を含んでも含まなくてもよい。あるいは、第2のフィルムは、複数区画パウチを形成するキャビティを閉じるために使用される第2の閉じたパウチとなり得る。
【0119】
単位用量物品は、熱成形、真空成形、又はこれらの組み合わせによって作製され得る。単位用量物品は、当該技術分野において周知の任意の封着方法によって封着され得る。好適な封着方法は、ヒートシール、溶剤シール、圧力シール、超音波シール、圧力シール、レーザーシール、又はこれらの組み合わせを含み得る。水溶性キャビティを製造する連続的インラインプロセスの例は、米国特許第7,125,828号、米国特許出願公開第2009/0199877(A1)号、欧州特許第2380965号、同第2380966号、米国特許第7,127,874号、及び米国特許出願公開第2007/0241022号(全て、Procter & Gamble Company,Ohio,USAに付与)に記載されている。水溶性キャビティを製造する非連続的インラインプロセスの例は、米国特許第7,797,912号(Reckitt Benckiser,Berkshire,GBに付与)に記載されている。
【0120】
単位用量物品は、ダスティング剤がダスティングされ得る。ダスティング剤は、タルク、シリカ、ゼオライト、炭酸塩、又はこれらの混合物を含み得る。
【0121】
本開示の代表的な単位用量物品の製造手段は、物品の連続的な製造プロセスであって、
a.第1の水溶性フィルムなどの第1のウェブを、複数の型を備える、連続的かつ回転可能に移動するエンドレス面の水平部分の上に連続的に供給する工程、又はこの面の非水平部分の上に連続的に供給し、フィルムを前記水平部分に連続的に移動させる工程と、
b.連続的に移動する面の水平部分の上にあるフィルムから、その面上の型内で、連続的に移動する、水平に配置された、開いたキャビティを有するウェブを成形する工程と、
c.連続的に移動する、水平に配置された、開いたキャビティを有するウェブに組成物を充填して、水平に配置された、充填済みの開いたキャビティを有するウェブを得る工程と、
d.充填済みの開いたキャビティを有するウェブを閉じて、好ましくは、連続的に、閉じたパウチを得る工程であって、好ましくは、第2の水溶性フィルムなどの第2のウェブを、水平に配置された、充填済みの開いたキャビティを有するウェブの上に供給して閉じたパウチを得る工程と、
e.任意追加的に、閉じたパウチを封着して、閉じたパウチを有するウェブを得る工程と、を含む、プロセスである。
【0122】
第2の水溶性フィルムなどの第2のウェブは、少なくとも1つの開いた又は閉じた区画を有し得る。
【0123】
一実施形態では、開いたキャビティを有する第1のウェブは、閉じたパウチを有する第2のウェブと組み合わされるものであって、好ましくは、第1及び第2のウェブは好適な手段によって結合及び封着され、好ましくは、第2のウェブは回転ドラム構成の上にある。このような構成において、パウチはドラムの頂部で充填され、好ましくは、その後にフィルムの層で封着され、閉じたパウチは下へ降りてキャビティ、好ましくは、水平な成形面上で形成された、好ましくは、開いたキャビティを有する第1のウェブと合流する。回転ドラムユニットを水平な成形面ユニットの上方に設置すると特に好適であることがわかっている。第1のウェブ及び/又は第2のウェブのキャビティは、本明細書に記載される工程によって充填され得る。
【0124】
好ましくは、結果として生じる閉じたパウチを有するウェブは、切断されて個々の単位用量物品を製造する。
【0125】
パウチは、その上に任意の好適な方法によって印刷され得る。通常、印刷可能材料(例えばインク)が水溶性フィルムに塗布される。印刷は、フィルムがパウチに成形される前又はその後に実行され得る。
【0126】
システム
本開示は、本明細書に記載される方法の工程を実行するように構成されたシステムに更に関する。通常、システムは、連続的に移動するウェブの上にある複数のキャビティに組成物を分配するように構成される。
【0127】
より具体的には、本開示は、機械方向に連続的に移動するウェブのキャビティに組成物を分配するためのシステムに関するものであって、このシステムは、a)ウェブを受け取るように構成された連続的に移動可能な面であって、面は複数の型を備え、複数の型は機械方向に整列される少なくとも2つの型を含む、面と、b)複数のノズルを備えている充填装置であって、少なくとも2つのノズルは面に配設されるウェブの少なくとも2つのキャビティに組成物を分配するように配置され、該2つのキャビティは少なくとも2つの型内で形成され、少なくとも2つのノズルは第1の位置及び第2の位置を有する、装置と、を備え、少なくとも2つのノズルは、ウェブが機械方向に移動する間、少なくとも2つのキャビティに組成物を、好ましくは同時に、分配しながら、第1の位置から第2の位置まで移動するように構成され、少なくとも2つのノズルは第1の位置に戻るように構成される、システムである。
【0128】
一部の態様では、システムは回転ドラムを備え、回転ドラムは移動可能な面を備える。一部の態様では、組成物は家庭ケア組成物である。一部の態様では、システムは、前記移動可能な面の上に該ウェブを連続的に供給するように配置及び構成されるデバイスを更に備える。このシステムは、以下に詳しく説明され、上の方法の開示で記載された任意のコンポーネントを更に含み得る。
【0129】
システムは、ウェブを受け取るように構成された連続的に移動可能な面を備える。通常、この面は複数の型を備え、複数の型は機械方向に整列される少なくとも2つの型を含み、典型的にはレーンを形成する。通常、システムは回転ドラムを備え、回転ドラムは移動可能な面を備える。そのような場合、少なくとも2つの型は、好ましくは、周方向に離間配置されて、機械方向のレーンを形成する。通常、複数の型は、機械横断方向に整列されて横列を形成する少なくとも2つの型を含む。好ましくは、これらの型は、充填されて単位用量物品に成形され得るウェブ、典型的には水溶性フィルムからキャビティを形成するように構成される。
【0130】
好ましい実施形態では、システムは、機械方向に回転軸周りで回転する回転ドラムを備える。回転ドラムは、回転軸から半径方向外側に配置された面を備える。通常、面は軸方向に延在し、実質的に円筒形の面を形成する。回転ドラムは、通常は、ドラムが回転するように構成されているアクチュエータに接続される。複数の型が面の上に配設され、これらの型は、上面開口部に対して半径方向内側にある閉じた底面を有し、好ましくは、間に側壁があり、側壁は閉じた底面と上面開口部との間に存在する(好ましくは、これらを接続する)。
【0131】
システムは、通常は面から離間配置された、充填装置を更に備え得る。面が回転ドラムの上にある場合、充填装置は、通常は、ドラムの面に対して半径方向外側に配置される。通常、充填装置は、例えば機械的に又はソフトウェア制御によって、面、例えば回転ドラムの面に連結される。充填装置は複数のノズルを備える。複数のノズルは少なくとも2つのノズルからなり、この少なくとも2つのノズルは、面の上に配設されたウェブの少なくとも2つのキャビティに、通常は同時に、組成物を分配するように配置され、この2つのキャビティは、少なくとも2つの型内で形成される(例えば、第1のノズルは組成物を第1のキャビティに分配し、第2のノズルは同じ又は異なる組成物を第2のキャビティに分配する)。ノズルは、典型的には組成物の分配を開始する、第1の位置と、典型的には組成物の分配を停止する、第2の位置とを有する。好適な組成物は上に記載されている。
【0132】
図11は、回転軸RA周りで機械方向MDに回転する回転ドラム150の側面斜視図を示す。回転ドラム150は、ウェブを受け取るように構成されている半径方向に配置された連続的に移動可能な面116を備え、面116は複数の型115、115’、115’’を備え、少なくとも2つの型115、115’は周方向に離間配置され、機械方向MDに整列されて、レーン120を形成する。少なくとも2つの型115’、115’’は、機械横断方向XMDに整列されて、横列125を形成する。
図11は、回転ドラム150の面116から半径方向外側に離間配置された充填装置200を更に示す。充填装置200は、ウェブ上のキャビティに組成物を分配するように配置された複数のノズル210、211、212を備える装置であって、キャビティは型115,115’,115’’に引き込まれることによって形成され、少なくとも2つのノズル210、211は機械方向MDに整列され、この機械方向は、面100の水平な部分にある型115’,115’’に対するものであって、ノズルのレーン220を形成し、少なくとも2つのノズル210、212は、機械横断方向XMDに整列され、ノズルの横列225を形成する。この複数のノズルは、マニフォールド230に接続され、このマニフォールドは、充填装置200を機械方向MD(外側方向)及び機械方向の逆方向OMD(内側方向)に移動させることができる往復アーム235に接続される。
【0133】
通常、少なくとも2つのノズルは、機械方向に整列され、それにより、ノズルのレーンを形成する。各レーンは、2つ以上の、通常は2つのノズルを含み得る。複数のノズルは、約1〜約50、約5〜約30、又は約10〜約16本のレーンに配置され得る。好ましくは、ノズルレーンの本数は、キャビティレーンの本数と一致する。
【0134】
複数のノズルは、機械横断方向に整列された少なくとも2つのキャビティに組成物を分配するように配置された少なくとも2つのノズルを更に含み得る。通常、これらのノズルは、機械横断方向に整列され、それにより、ノズルの横列を形成する。各横列は、約1〜約50、約5〜約30、又は約10〜約16個のノズルを含み得る。複数のノズルは、2本以上の、通常は2本の横列を含み得る。横列内のノズルの数は、多くの場合、レーンの本数と一致することを、当業者なら理解するであろう。
【0135】
前述したように、ノズルは、ウェブが機械方向に移動する間、少なくとも2つのキャビティに組成物を、好ましくは、同時に、分配しながら、第1の位置から第2の位置まで移動するように構成される。ノズルは、第1の位置に戻るように更に構成される。
【0136】
少なくとも2つのノズルは、往復システム上に配置され得る。往復システムは戻ることが可能で機械方向及び機械方向の逆方向に移動し得、その速度は可変であり得る。往復システムは往復アームを備えることができ、往復アームはマニフォールドに取り付けられ得、ノズルはそれに固定される。往復アームは、リニアアクチュエータ又はモータによって作動され得る。往復システムは、往復システムが非往復運動で移動することを防止する固定ガイドを備え得る。往復システムのガイドは、往復アームを直線運動又は曲線軌道でガイドし得る。
【0137】
図12A〜12C(iii)は、様々な充填装置(200)を示す。
【0138】
図12Aは、マニフォールド230に接続された少なくとも2つのノズル210、211を備えている充填装置200を示しており、マニフォールドは往復アーム235に接続され、往復アームはリニアアクチュエータ240に接続されている。
【0139】
図12Bは、少なくとも2本の回転軸255、255’上で連続的に移動するコンベヤーベルト形態のエンドレス面上に配設された少なくとも2つのノズル210、211を備えている充填装置200を示す。第1のノズル210は、第1の位置(FP)から第2の位置(SP)まで機械方向MDに移動した。第2のノズルは、現在、第1の位置(FP)にある。第3のノズル212は、第1の位置(FP)まで戻るプロセスの途中である。
【0140】
図12C(i)〜12C(iii)は、枢軸点265周りを移動することができる支持アーム260に接続された複数のノズル210、211を備えている充填装置200を示す。
図12C(i)は、休止位置にある充填装置200を示す。
図12C(ii)は、枢軸点265周りを旋回して第1の位置(FP)に到達した充填装置200を示す。
図12C(iii)は、枢軸点265周りで機械方向MDに旋回して第2の位置(SP)に到達した充填装置200を示す。この後、充填装置200は、機械方向の逆方向OMDに旋回して第1の位置に戻ることができる。結局、充填装置200は、第1の位置FPから第2の位置SPまで揺動し、次いで第1の位置FPまで揺り戻す。
【0141】
図13A〜13Cは、様々な充填装置200の概略図を示す。
【0142】
図13Aは、複数の供給ライン275、276によって、組成物300を収容している供給タンク270に接続された複数のノズル210、211を示す。
【0143】
図13Bは、1本の供給ライン275に接続された複数のノズル210、211を示しており、供給ラインは供給タンク270に接続され、供給タンクは組成物300を収容している。供給ライン275はタンク270に1点で接続されているが、供給ライン275は分岐してノズル210、211と接続する。
【0144】
図13Cは、支持片280に接続された複数のノズル210、211を示しており、支持片は供給ライン275に接続され、供給ラインは供給タンク270と接続し、供給タンクは組成物300を収容している。支持片280は、組成物の供給を複数のノズル210、211の間で分配するように構成される。
【0145】
一部の態様では、システムは、移動可能な面の上にウェブを連続的に供給するように配置及び構成されるデバイスを更に備える。このデバイスは、ベルト、ドラム、又はロールであり得る。
【0146】
洗浄プロセス
本明細書に記載される方法及びシステムによって形成される物品は、例えば、従来の手洗い又は機械洗いプロセスにおいて、特に洗濯物又は食器類の機械洗いにおいて、使用され得る。通常、この物品は、洗浄対象の洗濯物又は食器類と共に洗浄機械に投入され、洗浄又はクリーニング操作が実行される。この物品は、布地添加剤、布地柔軟剤、すすぎ補助剤、及び同種のものなど、他の組成物と組み合わせて使用され得る。
【実施例】
【0147】
表1は、本明細書に記載される方法及びシステムによってドーシングするのに適した組成物の非限定的な実例である。これらの組成物は、米国特許出願公開第2011/0188784(A1)号で開示されている内容に従って水溶性フィルムから作製されたウェブに、及びMonoSol LLC(Merrillville,Indiana,USA)から入手可能なM8630水溶性フィルムを含むウェブに備わるキャビティにドーシングされる。
【0148】
【表1】
1 −NHにつき20個のエトキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600)
2 エトキシル化チオフェン、EO(R
1+R
2)=5
【0149】
表2は、自動食器洗い機で使用するのに適した組成物を示す(量の単位はグラム)。これらの組成物は、固体組成物(粉末形態)を含む第1の区画と液体組成物を含む第2の区画とを有する2区画水溶性単位用量物品(unitized dose article)を形成するキャビティに導入される。これらの組成物は、本明細書に記載される方法及びシステムによってドーシングされ得る。使用される水溶性フィルムは、Monosolにより供給されるM8630フィルムであり得る。
【0150】
【表2】
【0151】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。むしろ、特に断わらない限り、かかる寸法のそれぞれは、記載される値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0152】
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか、又は別途制限されない限り、参照によりその全体が本明細書に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更には、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、援用文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
【0153】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。