特許第6396520号(P6396520)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6396520
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】空気調和装置の室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20180913BHJP
   F24F 13/32 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   F24F1/00 401D
   F24F1/00 426
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-19552(P2017-19552)
(22)【出願日】2017年2月6日
(65)【公開番号】特開2018-128159(P2018-128159A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2017年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100090011
【弁理士】
【氏名又は名称】茂泉 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【弁理士】
【氏名又は名称】別所 公博
(74)【代理人】
【識別番号】100206782
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰洋
(72)【発明者】
【氏名】児玉 孝志
【審査官】 五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−194847(JP,A)
【文献】 特開2003−232562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
F24F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面に保守点検対象部が配置された室内機本体と、
前記保守点検対象部が保守点検される時に必要となるスペースである作業スペースを確保するための作業スペース確保用部材と
を備え、
前記作業スペース確保用部材は、前記保守点検対象部が保守点検されない場合に前記作業スペースに配置され、前記保守点検対象部が保守点検される場合に前記作業スペースから撤去され
前記保守点検対象部は、前記室内機本体における隣り合う一対の側面のそれぞれに配置され、
前記作業スペース確保用部材は、L字形状に形成され、前記作業スペースに配置される場合にそれぞれの前記保守点検対象部を覆う緩衝部材となっている空気調和装置の室内機。
【請求項2】
前記作業スペース確保用部材は、前記室内機本体を搬入する際に前記室内機本体を包む梱包部材の一部である請求項1に記載の空気調和装置の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、天井裏空間に設置される空気調和装置の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井に形成された設置孔から空気が吹き出されるように天井裏空間に設置される空気調和装置の室内機が知られている。室内機における保守点検対象部を保守点検する場合には、天井に形成された点検口を通って保守点検作業者が天井裏空間に入る(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−276218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、天井裏空間であって保守点検対象部が保守点検される時に必要となるスペースである作業スペースに、配管、ダクトなどの建築部材が設置されている場合には、保守点検対象部の保守点検を行うことが困難となるという問題点があった。
【0005】
この発明は、保守点検対象部の保守点検をより確実に行うことができる空気調和装置の室内機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る空気調和装置の室内機は、側面に保守点検対象部が配置された室内機本体と、保守点検対象部が保守点検される時に必要となるスペースである作業スペースを確保するための作業スペース確保用部材とを備え、作業スペース確保用部材は、保守点検対象部が保守点検されない場合に作業スペースに配置され、保守点検対象部が保守点検される場合に作業スペースから撤去され、保守点検対象部は、室内機本体における隣り合う一対の側面のそれぞれに配置され、作業スペース確保用部材は、L字形状に形成され、作業スペースに配置される場合にそれぞれの保守点検対象部を覆う緩衝部材となっている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る空気調和装置の室内機によれば、保守点検対象部が保守点検される時に必要となるスペースである作業スペースを確保するための作業スペース確保用部材とを備え、作業スペース確保用部材は、保守点検対象部が保守点検されない場合に作業スペースに配置され、保守点検対象部が保守点検される場合に作業スペースから撤去されるので、保守点検対象部の保守点検を行う場合に、作業スペースに配管、ダクトなどの建築部材が設置されることを防止することができる。その結果、保守点検対象部の保守点検をより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室内機を示す斜視図である。
図2図1の空気調和装置の室内機を示す平面図である。
図3図1の室内機本体を示す斜視図である。
図4】この発明の実施の形態2に係る空気調和装置の室内機を示す斜視図である。
図5図4の一対の挟み部材が変位した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室内機を示す斜視図、図2図1の空気調和装置の室内機を示す平面図である。図において、空気調和装置の室内機は、天井100よりも上方の空間である天井裏空間に配置されている。図1では、天井裏空間から視た場合の空気調和装置の室内機を示している。また、図1には、天井100の一部も示されている。また、分かりやすくするために、図1では、天井100は一部が破断された状態で示されている。天井100には、保守点検作業者が室内と天井裏空間との間を移動するための点検口101が形成されている。点検口101には、点検口101を塞ぐ点検蓋102が配置されている。点検蓋102は、点検口101を塞ぐ閉位置と、点検口101が開く開位置との間で変位する。
【0010】
空気調和装置の室内機は、室内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を室内に吐き出す室内機本体1と、室内機本体1に隣り合うように設けられる作業スペース確保用部材2Aとを備えている。作業スペース確保用部材2Aは、室内機本体1に着脱可能に設けられている。点検口101は、点検口101と室内機本体1との間に作業スペース確保用部材2Aの少なくとも一部が配置される位置に配置されている。
【0011】
図3図1の室内機本体1を示す斜視図である。室内機本体1は、側面に配置された複数の保守点検対象部11を有している。保守点検対象部11としては、基板、冷媒配管、ドレンポンプ、ドレン管、電気配線などが挙げられる。なお、保守点検対象部11は、基板、冷媒配管、ドレンポンプ、ドレン管および電気配線の中の何れであってもよい。この例では、保守点検対象部11は、室内機本体1における隣り合う一対の側面に配置されている。なお、保守点検対象部11が配置される側面は、室内機本体1における隣り合う一対の側面に限らず、室内機本体1におけるその他の側面であってもよい。保守点検としては、清掃、交換、点検などが挙げられる。なお、保守点検は、清掃、交換および点検の何れであってもよい。
【0012】
図2に示すように、作業スペース確保用部材2Aは、それぞれの保守点検対象部11が保守点検される時に必要となるスペースである作業スペースを確保するためのものである。この例では、保守点検対象部11が室内機本体1における隣り合う一対の側面に配置されているので、作業スペース確保用部材2Aは、L字形状に形成されている。作業スペース確保用部材2Aは、保守点検対象部11が保守点検されない場合に作業スペースに配置され、保守点検対象部11が保守点検される場合に作業スペースから撤去される。
【0013】
また、作業スペース確保用部材2Aは、室内機本体1を搬入する際に室内機本体1を包む梱包部材の一部となっている。これにより、室内機本体1を天井裏空間から撤去する梱包部材が減少する。
【0014】
また、作業スペース確保用部材2Aは、保守点検対象部11を覆う緩衝部材となっている。これにより、天井裏空間において、室内機本体1の保守点検以外の作業が行われる場合に、異物が保守点検対象部11に衝突することが防止される。作業スペース確保用部材2Aとしては、段ボール、風船、板などが挙げられる。作業スペース確保用部材2Aとしては、不燃物であることが望ましい。
【0015】
作業スペース確保用部材2Aは、作業スペース確保用部材2Aが設置されているスペースが作業スペースである旨を示す表示部21を有している。具体的には、作業スペース確保用部材2Aの表示部21には、例えば、「ここは、作業スペースであり、この範囲に機器を設置しないでください。」という表示がされている。
【0016】
天井100に点検口101を形成する作業者は、作業スペース確保用部材2Aの設置位置を考慮しながら、点検口101を天井100に形成する。これにより、保守点検作業者による室内機本体1の保守点検を容易に行うことができる。
【0017】
次に、空気調和装置の室内機の保守点検の手順について説明する。まず、保守点検作業者は、点検蓋102を閉位置から開位置に変位させ、点検口101を通って、室内から天井裏空間に移動する。その後、保守点検作業者は、室内機本体1から作業スペース確保用部材2Aを取り外す。言い換えれば、作業スペース確保用部材2Aを作業スペースから撤去する。これにより、室内機本体1における保守点検対象部11が露出する。また、保守点検対象部11を保守点検するための作業スペースが天井裏空間に形成される。室内機本体1から取り外された作業スペース確保用部材2Aは、天井裏空間であって作業スペースではない部分に置かれる。
【0018】
その後、保守点検作業者は保守点検対象部11の保守点検を行う。保守点検対象部11の保守点検が終了すると、保守点検作業者は、作業スペース確保用部材2Aを室内機本体1に取り付ける。言い換えれば、作業スペース確保用部材2Aを作業スペースに配置する。その後、保守点検作業者は、点検口101を通って、天井裏空間から室内に移動し、点検蓋102を開位置から閉位置に変位させる。以上により、空気調和装置の室内機の保守点検が終了する。
【0019】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る空気調和装置の室内機によれば、側面に保守点検対象部11が配置された室内機本体1と、保守点検対象部11が保守点検される時に必要となるスペースである作業スペースを確保するための作業スペース確保用部材2Aとを備え、作業スペース確保用部材2Aは、保守点検対象部11が保守点検されない場合に作業スペースに配置され、保守点検対象部11が保守点検される場合に作業スペースから撤去されるので、保守点検対象部11の保守点検を行う場合に、作業スペースに配管、ダクトなどの建築部材が設置されることを防止することができる。その結果、保守点検対象部11の保守点検をより確実に行うことができる。
【0020】
また、作業スペース確保用部材2Aは、室内機本体1を搬入する際に室内機本体1を包む梱包部材の一部であるので、室内機本体1を天井裏空間から撤去する梱包部材を減少させることができる。
【0021】
また、作業スペース確保用部材2Aは、保守点検対象部11を覆う緩衝部材となっているので、天井裏空間において、室内機本体1の保守点検以外の作業が行われる場合に、異物が保守点検対象部11に衝突することを防止することができる。
【0022】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2に係る空気調和装置の室内機を示す斜視図である。図4では、図1と同様に、天井裏空間から視た場合の空気調和装置の室内機を示している。また、図4には、天井100の一部も示されている。また、分かりやすくするために、図4では、天井100は一部が破断された状態で示されている。空気調和装置の室内機は、室内機本体1と、保守点検対象部11が保守点検される時に必要となるスペースである作業スペースを確保するための作業スペース確保用部材2Bとを備えている。作業スペース確保用部材2Bは、作業スペースを幅方向に挟む一対の挟み部材22を有している。一対の挟み部材22には、表示部21が配置されている。
【0023】
図5図4の一対の挟み部材22が変位した状態を示す斜視図である。図4および図5に示すように、一対の挟み部材22は、室内機本体1の側面に対してスライド可能となっている。一対の挟み部材22は、室内機本体1の側面に対してスライドすることによって、作業スペースを幅方向に挟む確保位置と、作業スペースを幅方向に挟むことが解除される解除位置との間で変位する。一対の挟み部材22は、保守点検対象部11が保守点検されない場合に作業スペースを幅方向に挟み、保守点検対象部11が保守点検される場合に作業スペースを幅方向に挟むことが解除される。なお、一対の挟み部材22は、室内機本体1に対してスライドしない構成であってもよい。この場合、一対の挟み部材22の位置は、室内機本体1に着脱可能に設けられる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0024】
次に、空気調和装置の室内機の保守点検の手順について説明する。まず、保守点検作業者は、点検蓋102を閉位置から開位置に変位させ、点検口101を通って、室内から天井裏空間に移動する。その後、保守点検作業者は、一対の挟み部材22を確保位置から解除位置に変位させる。これにより、保守点検対象部11を保守点検するための作業スペースが天井裏空間に形成される。
【0025】
その後、保守点検作業者は保守点検対象部11の保守点検を行う。保守点検対象部11の保守点検が終了すると、保守点検作業者は、一対の挟み部材22を解除位置から確保位置に変位させる。その後、保守点検作業者は、点検口101を通って、天井裏空間から室内に移動し、点検蓋102を開位置から閉位置に変位させる。以上により、空気調和装置の室内機の保守点検が終了する。
【0026】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係る空気調和装置の室内機によれば、側面に保守点検対象部11が配置された室内機本体1と、保守点検対象部11が保守点検される時に必要となるスペースである作業スペースを確保するための作業スペース確保用部材2Bとを備え、作業スペース確保用部材2Bは、作業スペースを幅方向に挟む一対の挟み部材22を有し、一対の挟み部材22は、保守点検対象部11が保守点検されない場合に作業スペースを幅方向に挟み、保守点検対象部11が保守点検される場合に作業スペースを幅方向に挟むことが解除されるので、実施の形態1と同様に、保守点検対象部11の保守点検を行う場合に、作業スペースに配管、ダクトなどの建築部材が設置されることを防止することができる。その結果、保守点検対象部11の保守点検をより確実に行うことができる。また、実施の形態2に係る空気調和装置の室内機は、実施の形態1の作業スペース確保用部材2Aと比較して、作業スペース確保用部材2Bを小形化することができるので、作業スペース確保用部材2Bの変位を容易に行うことができる。
【0027】
また、一対の挟み部材22は、室内機本体1の側面に対してスライド可能となっており、一対の挟み部材22は、室内機本体1の側面に対してスライドすることによって、作業スペースを幅方向に挟む確保位置と、作業スペースを幅方向に挟むことが解除される解除位置との間で変位するので、実施の形態1と比較して、保守点検対象部11の保守点検を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0028】
1 室内機本体、2A、2B 作業スペース確保用部材、11 保守点検対象部、21 表示部、22 挟み部材、100 天井、101 点検口、102 点検蓋。
図1
図2
図3
図4
図5