特許第6396545号(P6396545)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6396545
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】基板間接続コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/52 20110101AFI20180913BHJP
【FI】
   H01R12/52
【請求項の数】8
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-136394(P2017-136394)
(22)【出願日】2017年7月12日
【審査請求日】2017年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木全 孝徳
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−028841(JP,A)
【文献】 特許第4744397(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側の端部に設けられ、一方の基板のスルーホールに挿入可能な挿入部と当該挿入部と連続して設けられて当該スルーホールに圧入可能な圧入部とを含んで構成されたプレスフィット部と、他方側の端部に設けられ、他方の基板のスルーホールに当該プレスフィット部の圧入方向と反対方向に接続可能とされた接続部と、を備えた端子部と、
前記端子部における前記プレスフィット部側の部分を保持する第1ハウジング部と、
前記第1ハウジング部の前記接続部側に配置されて前記端子部における当該接続部側の部分を保持する第2ハウジング部と、
を備え、
前記端子部における前記プレスフィット部と前記接続部との間には、弾性変形することで当該プレスフィット部と当該接続部との前記圧入方向と交差する方向の相対変位を許容する弾性変形部が設けられており、当該弾性変形部が弾性変形することで前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とが前記圧入方向と交差する方向に相対変位可能とされている、
基板間接続コネクタ。
【請求項2】
前記端子部における前記プレスフィット部の前記接続部側には、当該プレスフィット部側からの荷重の入力時に前記第1ハウジング部に形成された支持部によって支持される被支持部が設けられており、
前記第1ハウジング部は、前記被支持部から前記支持部に前記荷重が入力されたときに前記第2ハウジング部に当接可能とされており、
前記第2ハウジング部の前記第1ハウジング部と反対側の端部は、当該第1ハウジング部側から前記荷重が入力されたときに前記他方の基板によって支持可能とされている、
請求項1に記載の基板間接続コネクタ。
【請求項3】
前記第1ハウジング部は、前記被支持部が納まり、かつ前記圧入方向と交差する方向に開放された一側キャビティ部が形成された本体部と、当該本体部における当該一側キャビティ部が設けられている側を覆うカバー部と、を含んで構成され、
前記一側キャビティ部における前記接続部側の内壁部が前記支持部とされており、
前記カバー部には、前記一側キャビティ部を前記圧入方向と交差する方向から閉塞し、前記被支持部の当該圧入方向と交差する方向の変位を規制する閉塞部が設けられている、
請求項2に記載の基板間接続コネクタ。
【請求項4】
前記本体部の前記第2ハウジング部側の端部及び前記カバー部の当該第2ハウジング部側の端部は、前記第1ハウジング部に前記荷重が入力されたときに前記第2ハウジング部に当接可能とされている、
請求項3に記載の基板間接続コネクタ。
【請求項5】
前記カバー部には、係合部が形成され、
前記本体部には、前記係合部が前記圧入方向又は当該圧入方向と反対方向に挿入されて係合される被係合部が形成されており、
前記係合部が前記被係合部に係合されることで前記本体部と前記カバー部との前記圧入方向と交差する方向の変位が規制されている、
請求項3又は請求項4に記載の基板間接続コネクタ。
【請求項6】
前記弾性変形部は、厚さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも短い寸法とされた板状とされており、
前記弾性変形部は、前記接続部側を構成し、かつ厚さ方向を前記圧入方向とされて当該圧入方向から見て当該圧入方向と交差する方向に延びる第1片部と、当該第1片部と連続し、かつ厚さ方向を当該圧入方向と直交する方向とされて前記プレスフィット部側に向かって延びる第2片部と、を含んで構成されている、
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の基板間接続コネクタ。
【請求項7】
前記第1ハウジング部の内側には、前記弾性変形部が納まる他側キャビティ部が形成されており、
前記他側キャビティ部の大きさは、前記弾性変形部の弾性変形を許容可能な大きさに設定されている、
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の基板間接続コネクタ。
【請求項8】
一方側の端部に設けられ、一方の基板のスルーホールに挿入可能な挿入部と当該挿入部と連続して設けられて当該スルーホールに圧入可能な圧入部とを含んで構成されたプレスフィット部と、他方側の端部に設けられ、他方の基板のスルーホールに当該プレスフィット部の圧入方向と反対方向に挿通されて当該他方の基板に半田付け可能とされたリード部と、を備えた端子部と、
前記端子部における前記プレスフィット部側の部分を保持するハウジング部と、
を備え、
前記端子部における前記プレスフィット部と前記リード部との間には、弾性変形することで当該プレスフィット部と当該リード部との前記圧入方向と交差する方向の相対変位を許容する弾性変形部が設けられている、
基板間接続コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板間接続コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、両端プレスフィット用コネクタに関する発明が開示されている。この両端プレスフィット用コネクタは、両端部にプレスフィット部が設けられた複数のプレスフィット端子と、これらのプレスフィット端子が固定された絶縁ハウジングとを含んで構成されている。このため、プレスフィット端子の一方側のプレスフィット部を一方の基板のスルーホールに圧入し、プレスフィット端子の他方側のプレスフィット部を他方の基板のスルーホールに圧入することで、これらの基板を互いに対向した状態で導通接続させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−53090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記先行技術では、一方のプレスフィット部と他方のプレスフィット部とを繋ぐ部分が絶縁ハウジングに固定されており、一方の基板のスルーホールに一方のプレスフィット部が固定されると他方のプレスフィット部の位置も固定されることとなる。また、上記先行技術では、一方の基板のスルーホールに一方のプレスフィット部が圧入された後に、他方の基板のスルーホールと他方のプレスフィット部とが位置合わせされた状態で他方の基板のスルーホールに他方のプレスフィット部が圧入されるようになっている。
【0005】
ここで、上記先行技術では、他方の基板のスルーホールと他方のプレスフィット部とが位置決めされた状態において、このスルーホールの位置が正規の位置からずれた状態となっていることが考えられる。この場合、他方の基板のスルーホールの位置が正規の位置となるように、この基板を配置した後に、他方のプレスフィット部がこのスルーホールに圧入されることとなる。そして、上記先行技術では、他方の基板のスルーホールの位置に応じて他方のプレスフィット部を変位させることができないため、この基板のスルーホールにこのプレスフィット部が圧入されるときにプレスフィット端子に負荷がかかることが考えられる。つまり、上記先行技術は、基板のスルーホールの位置のずれを許容しつつ、互いに対向した状態で配置された一方の基板と他方の基板とを安定した状態で導通接続させるという点において改善の余地がある。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、基板のスルーホールの位置のずれを許容しつつ、互いに対向した状態で配置された一方の基板と他方の基板とを安定した状態で導通接続させることができる基板間接続コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の態様に係る基板間接続コネクタは、一方側の端部に設けられ、一方の基板のスルーホールに挿入可能な挿入部と当該挿入部と連続して設けられて当該スルーホールに圧入可能な圧入部とを含んで構成されたプレスフィット部と、他方側の端部に設けられ、他方の基板のスルーホールに当該圧入部の圧入方向と反対方向に接続可能とされた接続部と、を備えた端子部と、前記端子部における前記プレスフィット部側の部分を保持する第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部の前記接続部側に配置されて前記端子部における当該接続部側の部分を保持する第2ハウジング部と、を備え、前記端子部における前記プレスフィット部と前記接続部との間には、弾性変形することで当該プレスフィット部と当該接続部との前記圧入方向と交差する方向の相対変位を許容する弾性変形部が設けられており、当該弾性変形部が弾性変形することで前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とが前記圧入方向と交差する方向に相対変位可能とされている。
【0008】
第一の態様に係る基板間接続コネクタでは、一方側の端部にプレスフィット部が設けられていると共に他方側の端部に接続部が設けられた端子部と、第1ハウジング部と、第2ハウジング部とを備えている。また、第1ハウジング部は、端子部におけるプレスフィット部側の部分を保持しており、第2ハウジング部は、第1ハウジング部の接続部側に配置されて当該端子部における当該接続部側の部分を保持している。
【0009】
そして、本態様では、プレスフィット部の圧入部を一方の基板のスルーホールに圧入し、他方の基板のスルーホールに接続部を当該圧入部の圧入方向と反対方向に接続することで、これらの基板を互いに対向した状態で導通接続させることができる。
【0010】
ところで、他方の基板のスルーホールに接続部を接続してから一方の基板のスルーホールにプレスフィット部を圧入する場合、プレスフィット部の挿入部を一方の基板のスルーホールに挿入して、当該プレスフィット部と一方の基板との位置合わせが行われる。このとき、一方の基板のスルーホールの位置が正規の位置からずれた状態になっていると、当該スルーホールにプレスフィット部を圧入するときに、端子部に負荷がかかることが考えられる。
【0011】
ここで、本態様では、端子部におけるプレスフィット部と接続部との間に弾性変形部が設けられており、当該弾性変形部が弾性変形することで当該プレスフィット部と当該接続部とのプレスフィット部の圧入方向と交差する方向の相対変位が許容されている。このため、一方の基板のスルーホールの位置が正規の位置からずれた状態になっていても、プレスフィット部が当該スルーホールの位置に対応して接続部に対して相対変位することで、当該プレスフィット部の圧入時に端子部に負荷がかかることを抑制することができる。
【0012】
また、本態様では、弾性変形部が弾性変形することで第1ハウジング部と第2ハウジング部とがプレスフィット部の圧入方向と交差する方向に相対変位可能とされている。このため、プレスフィット部と接続部とが相対変位しても第1ハウジング部及び第2ハウジング部による端子部の保持状態を維持することができる。
【0013】
第二の態様に係る基板間接続コネクタは、第一の態様において、前記端子部における前記プレスフィット部の前記接続部側には、当該プレスフィット部側からの荷重の入力時に前記第1ハウジング部に形成された支持部によって支持される被支持部が設けられており、前記第1ハウジング部は、前記被支持部から前記支持部に前記荷重が入力されたときに前記第2ハウジング部に当接可能とされており、前記第2ハウジング部の前記第1ハウジング部と反対側の端部は、当該第1ハウジング部側から前記荷重が入力されたときに前記他方の基板によって支持可能とされている。
【0014】
第二の態様に係る基板間接続コネクタでは、端子部におけるプレスフィット部の接続部側に被支持部が設けられている。一方、第1ハウジング部には、支持部が形成されており、プレスフィット部側からの荷重の入力時において、端子部の被支持部が当該支持部によって支持されるようになっている。このため、プレスフィット部を一方の基板に圧入するときに、当該一方の基板をプレスフィット部に向けて押圧する荷重を第1ハウジング部の支持部によって支持することができる。
【0015】
ところで、一方の基板をプレスフィット部に向けて押圧するとき、第1ハウジング部を支持するものがないと当該プレスフィット部を当該一方の基板のスルーホールに圧入することができない。つまり、プレスフィット部を一方の基板のスルーホールに圧入するときには、第1ハウジング部における当該一方の基板の反対側を例えば治具等で一時的に支持する必要がある。しかしながら、上記のように治具を用いる場合には、当該治具を配置するためのスペースが必要となり、さらには当該治具を配置することによって作業工数が増加することが考えられる。
【0016】
ここで、本態様では、端子部の被支持部から第1ハウジング部の支持部にプレスフィット部側からの荷重が入力されたときに、当該第1ハウジング部が第2ハウジング部に当接可能とされており、当該第1ハウジング部から当該第2ハウジング部に当該荷重を伝達させることができる。また、第2ハウジング部の第1ハウジング部と反対側の端部は、当該第1ハウジング部を介してプレスフィット部側からの荷重が入力されたときに、他方の基板によって支持可能とされている。
【0017】
このため、本態様では、一方の基板をプレスフィット部に向けて押圧する荷重を、第1ハウジング部及び第2ハウジング部を介して他方の基板で支持することができる。その結果、本態様では、プレスフィット部の圧入に治具が必要な構成と比し、配置箇所に対する汎用性を高めることができると共に、作業工数の増加を抑制することができる。
【0018】
第三の態様に係る基板間接続コネクタは、第二の態様において、前記第1ハウジング部は、前記被支持部が納まり、かつ前記圧入方向と交差する方向に開放された一側キャビティ部が形成された本体部と、当該本体部における当該一側キャビティ部が設けられている側を覆うカバー部と、を含んで構成され、前記一側キャビティ部における前記接続部側の内壁部が前記支持部とされており、前記カバー部には、前記一側キャビティ部を前記圧入方向と交差する方向から閉塞し、前記被支持部の当該圧入方向と交差する方向の変位を規制する閉塞部が設けられている。
【0019】
第三の態様に係る基板間接続コネクタでは、第1ハウジング部が、本体部とカバー部とを含んで構成されており、当該本体部には、プレスフィット部の圧入方向と交差する方向に開放された一側キャビティ部が形成されている。この一側キャビティ部には、端子部の被支持部が納まっており、当該一側キャビティ部の接続部側の内壁部が、支持部として機能している。一方、カバー部は、本体部における一側キャビティ部が設けられている側を覆っており、当該カバー部には、閉塞部が設けられている。この閉塞部は、一側キャビティ部をプレスフィット部の圧入方向と交差する方向から閉塞しており、当該閉塞部によって被支持部におけるプレスフィット部の圧入方向と交差する方向の変位が規制されている。
【0020】
このため、本態様では、端子部におけるプレスフィット部側の部分を第1ハウジング部に圧入することなく、当該部分を第1ハウジング部に固定することができる。その結果、製造時において、第1ハウジング部と第2ハウジング部との間に治具を介在させて、当該治具を用いて端子部におけるプレスフィット部側の部分を第1ハウジング部に圧入するような構成と比し、第1ハウジング部と第2ハウジング部との間隔を狭めることができる。
【0021】
ところで、製造時に治具を用いて端子部におけるプレスフィット部側の部分を第1ハウジング部に圧入するような構成では、第1ハウジング部と第2ハウジング部との間隔が大きくなる。そして、第1ハウジング部と第2ハウジング部との間隔が大きいと、プレスフィット部を一方の基板のスルーホールに圧入するときに、第1ハウジング部が第2ハウジング部に当接するまでの端子部における弾性変形部の変形量が大きくなり、当該弾性変形部が塑性変形することが考えられる。
【0022】
この点、本態様では、第1ハウジング部と第2ハウジング部との間隔を狭めることで、プレスフィット部を一方の基板のスルーホールに圧入するときに、弾性変形部の変形量を小さくし、ひいては当該弾性変形部の塑性変形を抑制することができる。
【0023】
第四の態様に係る基板間接続コネクタは、第三の態様において、前記本体部の前記第2ハウジング部側の端部及び前記カバー部の当該第2ハウジング部側の端部は、前記第1ハウジング部に前記荷重が入力されたときに前記第2ハウジング部に当接可能とされている。
【0024】
第四の態様に係る基板間接続コネクタでは、第1ハウジング部にプレスフィット部側からの荷重が入力されたときに、本体部の第2ハウジング部側の端部及びカバー部の当該第2ハウジング部側の端部が、当該第2ハウジング部に当接可能とされている。このため、プレスフィット部を一方の基板のスルーホールに圧入するときに入力される一方の基板への押圧力を、第1ハウジング部の本体部とカバー部とに分散させて第2ハウジング部に伝達させることができる。
【0025】
第五の態様に係る基板間接続コネクタは、第三の態様又は第四の態様において、前記カバー部には、係合部が形成され、前記本体部には、前記係合部が前記圧入方向又は当該圧入方向と反対方向に挿入されて係合される被係合部が形成されており、前記係合部が前記被係合部に係合されることで前記本体部と前記カバー部との前記圧入方向と交差する方向の変位が規制されている。
【0026】
第五の態様に係る基板間接続コネクタでは、第1ハウジング部のカバー部には、係合部が形成されており、一方、第1ハウジング部の本体部には、当該係合部がプレスフィット部の圧入方向又は当該圧入方向と反対方向に係合される被係合部が形成されている。そして、係合部が被係合部に係合されることで本体部とカバー部とのプレスフィット部の圧入方向と交差する方向の変位が規制されている。このため、本態様では、端子部の弾性変形部が弾性変形することで当該端子部の被支持部が変位してカバー部の閉塞部を押圧しても、当該カバー部と本体部との係合状態を維持することができる。
【0027】
第六の態様に係る基板間接続コネクタは、第一の態様〜第五の態様の何れか一態様において、前記弾性変形部は、厚さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも短い寸法とされた板状とされており、前記弾性変形部は、前記接続部側を構成し、かつ厚さ方向を前記圧入方向とされて当該圧入方向から見て当該圧入方向と交差する方向に延びる第1片部と、当該第1片部と連続し、かつ厚さ方向を当該圧入方向と直交する方向とされて前記プレスフィット部側に向かって延びる第2片部と、を含んで構成されている。
【0028】
第六の態様に係る基板間接続コネクタでは、端子部の弾性変形部が、その厚さ方向の寸法がその幅方向の寸法よりも短い寸法とされた板状とされている。また、弾性変形部は、その接続部側の部分を構成し、かつプレスフィット部の圧入方向から見て当該圧入方向と交差する方向に延びる第1片部と、当該第1片部と連続し、かつプレスフィット部側に向かって延びる第2片部とを含んで構成されている。
【0029】
ところで、一方の基板のスルーホールの位置が正規の位置からずれていた場合、プレスフィット部の位置を当該スルーホールの位置に対応させるにあたって、当該プレスフィット部に当該プレスフィット部の圧入方向を軸とする捻れが発生することが考えられる。そして、この捻れによって端子部に負荷がかかることが考えられる。
【0030】
ここで、本態様では、第1片部が、その厚さ方向をプレスフィット部の圧入方向とされており、第2片部が、その厚さ方向を当該圧入方向と直交する方向とされている。このため、プレスフィット部に入力される当該プレスフィット部の圧入方向回りのモーメントに対して、第1片部は変形しにくく、第2片部は変形しやすくなっており、当該プレスフィット部に当該モーメントが入力されると当該第1片部よりも当該第2片部の方が大きく曲げ変形する。
【0031】
その結果、弾性変形部は、プレスフィット部の圧入方向回りのモーメントによって、当該プレスフィット部の圧入方向から見て、当該プレスフィット部が第1片部と第2片部との境界部を中心として回動するように弾性変形する。したがって、本態様では、プレスフィット部に発生する当該プレスフィット部の圧入方向を軸とする捻れを、弾性変形部の弾性変形によって吸収することができる。
【0032】
第七の態様に係る基板間接続コネクタは、第一の態様〜第六の態様の何れか一態様において、前記第1ハウジング部の内側には、前記弾性変形部が納まる他側キャビティ部が形成されており、前記他側キャビティ部の大きさは、前記弾性変形部の弾性変形を許容可能な大きさに設定されている。
【0033】
第七の態様に係る基板間接続コネクタでは、第1ハウジング部の内側に端子部の弾性変形部が納まる他側キャビティ部が形成されている。このため、弾性変形部が第1ハウジング部によって保護され、作業者の指等による外力によって当該弾性変形部に負荷がかかることを抑制することができる。また、他側キャビティ部の大きさは、弾性変形部の弾性変形を許容可能な大きさに設定されており、第1ハウジング部によって弾性変形部の変形が規制されることを抑制することができる。
【0034】
第八の態様に係る基板間接続コネクタは、一方側の端部に設けられ、一方の基板のスルーホールに挿入可能な挿入部と当該挿入部と連続して設けられて当該スルーホールに圧入可能な圧入部とを含んで構成されたプレスフィット部と、他方側の端部に設けられ、他方の基板のスルーホールに当該プレスフィット部の圧入方向と反対方向に挿通されて当該他方の基板に半田付け可能とされたリード部と、を備えた端子部と、前記端子部における前記プレスフィット部側の部分を保持するハウジング部と、を備え、前記端子部における前記プレスフィット部と前記リード部との間には、弾性変形することで当該プレスフィット部と当該リード部との前記圧入方向と交差する方向の相対変位を許容する弾性変形部が設けられている。
【0035】
第八の態様に係る基板間接続コネクタは、第一の態様に係る基板間接続コネクタと基本的に同様の作用を奏するものの、以下の点で異なっている。すなわち、本態様では、端子部の一方側の端部に一方の基板のスルーホールに圧入可能なプレスフィット部が設けられており、当該端子部における当該プレスフィット部側の部分がハウジング部で保持されている。一方、端子部の他方側の端部には、リード部が設けられており、当該リード部は、他方の基板のスルーホールにプレスフィット部の圧入方向と反対方向に挿通されて当該他方の基板に半田付けされることで、当該他方の基板で保持されるようになっている。
【0036】
そして、本態様では、端子部におけるプレスフィット部とリード部との間に設けられた弾性変形部が弾性変形することで当該プレスフィット部と当該リード部とのプレスフィット部の圧入方向と交差する方向の相対変位が許容されている。このため、一方の基板のスルーホールの位置が正規の位置からずれた状態になっていても、プレスフィット部が当該スルーホールの位置に対応してリード部に対して相対変位することで、当該プレスフィット部の圧入時に端子部に負荷がかかることを抑制することができる。また、本態様では、このように弾性変形部が弾性変形することで、ハウジング部を他方の基板に対して相対変位させることができる。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように、本発明に係る基板間接続コネクタは、基板のスルーホールの位置のずれを許容しつつ、互いに対向した状態で配置された一方の基板と他方の基板とを安定した状態で導通接続させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】第1実施形態に係る基板間接続コネクタの構成を示す断面図(図11の1−1線に沿って切断した状態を示す断面)である。
図2】第1実施形態に係る基板間接続コネクタの端子部の構成を示す側面図(図11の2方向矢視図)である。
図3】第1実施形態に係る基板間接続コネクタの端子部の構成を示す拡大断面図(図2の3−3線に沿って切断した状態を示す断面)である。
図4】第1実施形態に係る基板間接続コネクタの第1ハウジング部の構成を示す拡大断面図(図11の4−4線に沿って切断した状態を示す断面)である。
図5】第1実施形態に係る基板間接続コネクタの第1ハウジング部の一部を構成するカバー部の構成を示す背面図(図11の5方向矢視図)である。
図6】第1実施形態に係る基板間接続コネクタの第1ハウジング部の一部を構成するカバー部の構成を示す平面図(図11の6方向矢視図)である。
図7】第1実施形態に係る基板間接続コネクタの構成を示す断面図(図11の7−7線に沿って切断した状態を示す断面)である。
図8】第1実施形態に係る基板間接続コネクタの第1ハウジング部の一部を構成する本体部の構成を示す平面図(図11の8方向矢視図)である。
図9】第1実施形態に係る基板間接続コネクタの第1ハウジング部の一部を構成する本体部の構成を示す正面図(図11の9方向矢視図)である。
図10】第1実施形態に係る基板間接続コネクタの構成を示す側面図(図11の10方向矢視図)である。
図11】第1実施形態に係る基板間接続コネクタの構成を示す斜視図である。
図12】第2実施形態に係る基板間接続コネクタの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
<第1実施形態>
以下、図1図11を用いて、本発明の第1実施形態に係る基板間接続コネクタとして「コネクタ10」ついて説明する。なお、各図に適宜示される矢印Xはコネクタ前方側を示しており、矢印Yはコネクタ幅方向一方側(左側)を示しており、矢印Zはコネクタ上方側を示している。なお、これらの方向は説明の便宜上用いられるものであり、実装時等におけるコネクタ10の姿勢を絶対的に規定するものではない。
【0040】
図10及び図11に示されるように、コネクタ10は、「第1ハウジング部12」、「第2ハウジング部14」及び複数(本実施形態では、一例として5本)の「端子部16」を含んで構成されている。そして、詳しくは後述するが、コネクタ10によって、一方の基板としての「基板18」と他方の基板としての「基板20」とを導通接続させることが可能となっている(図1参照)。
【0041】
第1ハウジング部12は、その主な部分を構成する「本体部22」と、当該本体部22と別体とされて当該本体部22のコネクタ後方側に配置された「カバー部24」とを含んで、合成樹脂等の絶縁体で構成されている。また、第1ハウジング部12の外形は、コネクタ上下方向から見てコネクタ幅方向を長手方向とされた矩形状で、かつコネクタ幅方向から見てコネクタ上下方向を長手方向とされた矩形状の直方体状とされている。
【0042】
本体部22は、図7図9に示されるように、その外形がブロック状とされており、当該本体部22には、コネクタ後方側及びコネクタ下方側に開放されて端子部16の一部が納まる他側キャビティ部としての「キャビティ部26」が形成されている。このキャビティ部26は、コネクタ前後方向から見てコネクタ幅方向を長手方向とされた矩形状で、かつコネクタ幅方向から見てコネクタ前方側からコネクタ後方側に向かうに従って拡幅された台形状とされている。
【0043】
また、本体部22は、上壁部22A、前壁部22B、側壁部22C及び側壁部22Dを含んで構成されている。上壁部22Aは、本体部22におけるキャビティ部26のコネクタ上方側の部分を構成しており、そのコネクタ幅方向から見た断面形状が台形状とされている。また、前壁部22Bは、本体部22におけるキャビティ部26のコネクタ前方側の部分を構成しており、側壁部22Cは、本体部22におけるキャビティ部26のコネクタ幅方向一方側の部分を構成しており、側壁部22Dは、本体部22におけるキャビティ部26のコネクタ幅方向他方側の部分を構成している。
【0044】
詳しくは、上壁部22Aには、そのコネクタ後方側の端部におけるコネクタ幅方向両端部にカバー部24の一部が係合される「被係合部28」が形成されている。この被係合部28は、上壁部22Aのコネクタ後方側の壁面部22A1からコネクタ前方側に向かって凹んでいると共に、コネクタ上方側に開放されており、基本的にはコネクタ前後方向から見てコネクタ上下方向を長手方向とされた矩形状とされている。また、被係合部28のコネクタ上方側の部分を構成する上部28Aは、そのコネクタ前方側の部分がコネクタ幅方向に拡大されており、当該上部28Aは、コネクタ上下方向から見た形状がT字状とされている。
【0045】
さらに、被係合部28における上部28Aよりもコネクタ下方側の部分において、当該被係合部28のコネクタ幅方向外側の部分を構成する壁面部及び当該被係合部28のコネクタ幅方向内側の部分を構成する壁面部のそれぞれに凹部30が形成されている。この凹部30は、当該凹部30が設けられた被係合部28の壁面部に対して当該被係合部28をコネクタ幅方向に拡幅する方向に凹んでいると共に、コネクタ前後方向から見て当該被係合部28の内側が開放された矩形状とされている。
【0046】
また、これらの被係合部28の間には、複数(端子部16の本数と同じ数)の凹部32がコネクタ幅方向に連なって形成されている。そして、上壁部22Aには、これらの凹部32のそれぞれに対して、当該凹部32と連続し、かつカバー部24の一部が挿通可能な被挿通部34と、当該被挿通部34と連続し、かつ端子部16の一部が納まる一側キャビティ部としての「キャビティ部36」とが設けられている。
【0047】
凹部32は、コネクタ上方側及びコネクタ後方側に開放されており、コネクタ上下方向から見てコネクタ前後方向を長手方向とされた矩形状とされている。そして、凹部32の底壁部32Aにおけるコネクタ後方側の部分には、被挿通部34が開口しており、当該底壁部32Aの中央部には、当該凹部32と当該凹部32のコネクタ下方側に配置されたキャビティ部36とを連通する溝部38が開口している。なお、この溝部38は、コネクタ上下方向に延びており、端子部16の一部がコネクタ後方側から係止されるようになっている。
【0048】
被挿通部34は、上壁部22Aがコネクタ上下方向に貫通されて形成されており、そのコネクタ前方側の部分を構成する幅広部34Aと、そのコネクタ後方側の部分を構成する幅狭部34Bとを含んで、そのコネクタ上下方向から見た形状がT字状とされている。また、被挿通部34並びに上述した凹部32は、これらのコネクタ幅方向一方側とこれらのコネクタ幅方向他方側とのそれぞれに互いに対向した状態で配置されて、コネクタ上下方向に延びる仕切り壁部22A2で仕切られている。
【0049】
そして、幅広部34Aは、コネクタ上下方向から見てコネクタ幅方向一方側の仕切り壁部22A2からコネクタ幅方向他方側の仕切り壁部22A2に亘って設けられている。一方、幅狭部34Bは、コネクタ上下方向から見てそのコネクタ幅方向の寸法が、当該幅広部34Aのコネクタ幅方向の寸法の半分程度に設定されていると共に、コネクタ後方側が開放されている。
【0050】
また、それぞれの仕切り壁部22A2には、対向する仕切り壁部22A2に向かって凸となって形成されて被挿通部34の外周部の一部を構成し、かつ被挿通部34にカバー部24の一部が挿通されるときのガイドとなる一対のガイド部40が設けられている。このガイド部40は、コネクタ上下方向に延びる四角柱状とされており、コネクタ上下方向に間隔Sをあけて配置されている。なお、この間隔Sと仕切り壁部22A2同士の間隔Tは、後述するようにキャビティ部36の形状に対応している。
【0051】
キャビティ部36は、コネクタ前後方向から見て被挿通部34の長手方向中央部に位置しており、当該被挿通部34のコネクタ後方側に面する壁面部34Cからコネクタ前方側に向かって凹んでいる。つまり、キャビティ部36は、コネクタ後方側に開放された状態とされている。このキャビティ部36は、コネクタ前後方向から見て長手方向をコネクタ幅方向とされた矩形状とされており、そのコネクタ上下方向の寸法がHに設定されていると共に、そのコネクタ幅方向の寸法がWに設定されている。
【0052】
また、ガイド部40のコネクタ上下方向の間隔Sは、キャビティ部36の寸法Hと同じ長さに設定されており、仕切り壁部22A2同士の間隔Tは、キャビティ部36の寸法Wと同じ長さに設定されている。さらに、キャビティ部36とキャビティ部26とは、コネクタ上下方向に延びる溝部42で連通されており、当該溝部42には端子部16の一部がコネクタ後方側から係止されるようになっている。
【0053】
一方、本体部22の側壁部22C、22Dには、それぞれカバー部24を係止するための係止部44が設けられている。この係止部44は、図10にも示されるように、コネクタ幅方向から見た形状が、コネクタ下方側からコネクタ上方側に向かうに従って縮幅された台形状のブロック状とされている。また、係止部44のコネクタ下方側の下面部44Aは、コネクタ幅方向及びコネクタ前後方向に沿って延びており、当該係止部44のコネクタ上方側の上面部44Bは、コネクタ後方下側からコネクタ上方前側に向かって傾斜している。
【0054】
カバー部24は、図4図6に示されるように、その主な部分を構成するベース部46、上述した被係合部28に係合される「係合部48」及び上述した被挿通部34に挿通されて上述したキャビティ部36を閉塞する「閉塞部50」を含んで構成されている。
【0055】
ベース部46は、全体的には、コネクタ前後方向から見てコネクタ幅方向の寸法がコネクタ上下方向の寸法よりも長い矩形の板状とされており、本体部22の全体をコネクタ後方側から覆っている。このベース部46のコネクタ幅方向両端部におけるコネクタ下方側の部分には、コネクタ前後方向から見てコネクタ幅方向外側が開放された矩形状の開口部52が形成されている。
【0056】
また、ベース部46における開口部52のコネクタ下方側には、コネクタ幅方向に延びる延出部46Aが設けられており、当該延出部46Aのコネクタ前方側の面には、コネクタ後方下側からコネクタ前方上側に向かって傾斜している傾斜面部46A1が設けられている。なお、延出部46Aは、本体部22の係止部44に係止されている。
【0057】
係合部48は、その主な部分を構成し、かつコネクタ上下方向に延びる挿入部48Aと、当該挿入部48Aのコネクタ上方側の部分に設けられた規制部48Bと、当該挿入部48Aの長手方向中央部に設けられた係止部48Cとを含んで構成されている。
【0058】
挿入部48Aは、その外形が被係合部28に挿入可能な四角柱状とされていると共に、当該挿入部48Aには、コネクタ前後方向から見てコネクタ上下方向に延びる矩形状でかつ当該挿入部48Aをコネクタ前後方向に貫通する貫通部53が形成されている。
【0059】
規制部48Bは、挿入部48Aのコネクタ前方側の部分において、当該挿入部48Aのコネクタ幅方向一方側とコネクタ幅方向他方側とに設けられており、コネクタ上下方向に延びる角柱状とされている。つまり、係合部48における規制部48Bが設けられている部分は、コネクタ上下方向から見た形状がT字状とされていると共に、この部分は、被係合部28の上部28Aに係合可能とされている。
【0060】
係止部48Cは、挿入部48Aにおけるコネクタ幅方向一方側とコネクタ幅方向他方側とに設けられており、コネクタ前後方向から見た形状が、挿入部48Aに向かう方向に拡幅された台形状のブロック状とされている。そして、係止部48Cは、係合部48が被係合部28に係合された状態において、凹部30のコネクタ上方側の縁部に係止されるようになっている。
【0061】
また、ベース部46には、コネクタ前後方向から見て矩形状とされた一対の窓部54が設けられており、当該窓部54を介してコネクタ後方側から挿入部48Aにおける貫通部53が形成されている部分と係止部48Cとを視認することが可能となっている。
【0062】
閉塞部50は、ベース部46のコネクタ前方側の面にコネクタ幅方向に複数(端子部16の本数と同じ数)設けられている。この閉塞部50は、コネクタ上下方向に延びており、そのコネクタ上下方向から見た形状がT字状とされて被挿通部34に挿通可能とされている。そして、図4にも示されるように、閉塞部50は、キャビティ部36のコネクタ後方側に配置されて当該キャビティ部36をコネクタ後方側から閉塞している。
【0063】
また、それぞれの閉塞部50からは、四角柱状の第1リブ部56がコネクタ下方側に延びており、これらのコネクタ下方側の端部は、コネクタ幅方向に延びる角柱状の接続部58で繋がれている。そして、接続部58からは、コネクタ下方側に四角柱状の第2リブ部60が複数延びている。なお、第1リブ部56のコネクタ幅方向の寸法Uは、ガイド部40のコネクタ幅方向の間隔V(図9参照)よりも短い寸法に設定されている。
【0064】
上記のように構成された本体部22とカバー部24とは、第1ハウジング部12の組み立て時において、まず、カバー部24の第1リブ部56が本体部22のガイド部40間に嵌め込まれる。そして、カバー部24が本体部22に対してスライド移動されることで、閉塞部50がガイド部40に案内されつつ被挿通部34に挿入され、当該被挿通部34に挿通された状態となる。このとき、カバー部24の係合部48も挿入部48A側から本体部22の被係合部28に挿入され、当該カバー部24は、係止部48Cが凹部30に係止されるまでスライド移動される。また、カバー部24がスライド移動する過程において、当該カバー部24の延出部46Aは、本体部22の係止部44に当接されて弾性変形して当該係止部44のコネクタ下方側に変位し、当該係止部44に係止される。
【0065】
なお、カバー部24と本体部22とのコネクタ前後方向の変位は、係合部48の規制部48Bが被係合部28に係合されることで規制されており、カバー部24と本体部22とのコネクタ上下方向の変位は、係止部48Cが凹部30に係止されると共に、延出部46Aが係止部44に係止されることで規制されている。また、カバー部24が本体部22に組み付けられた状態において、カバー部24におけるコネクタ下方側の「端部24A」の端面24A1と本体部22におけるコネクタ下方側の「端部22E」の端面22E1とは、同一平面状に配置されるようになっている。
【0066】
一方、第2ハウジング部14は、図11に示されるように、第1ハウジング部12のコネクタ下方側に配置されており、合成樹脂等の絶縁体で構成されている。この第2ハウジング部14は、図1にも示されるように、端子部16と一体成形されており、第1ハウジング部12を支持可能な第1支持部14Aと、コネクタ10全体を基板20に対して支持可能な「第2支持部14B」とを含んで構成されている。なお、第2支持部14Bは、第2ハウジング部14のコネクタ下方側の端部と見なすこともできる。
【0067】
詳しくは、第1支持部14Aは、コネクタ上下方向から見て、そのコネクタ前後方向の寸法が第1ハウジング部12のコネクタ前後方向の寸法よりも長い寸法とされ、かつそのコネクタ幅方向の寸法が第1ハウジング部12のコネクタ幅方向の寸法と同等の寸法に設定された板状とされている。
【0068】
一方、第2支持部14Bは、第1支持部14Aからコネクタ下方側に突出されており、その外形がブロック状、より具体的にはコネクタ上下方向から見た形状が、第1ハウジング部12をコネクタ上下方向から見た形状と略同一形状とされた直方体状とされている。また、第2支持部14Bのコネクタ下方側の面には、コネクタ前後方向に延びる複数(端子部16の本数と同じ数)の溝部62がコネクタ幅方向に連なって形成されており、これらの溝部62の内側には、それぞれ端子部16の一部が納まった状態となっている。
【0069】
ここで、本実施形態では、図1に示されるように、端子部16の一部が弾性変形することによって第1ハウジング部12と第2ハウジング部14とが相対変位可能とされている点に特徴がある。以下、本実施形態の要部を構成する端子部16の構成について詳細に説明することにする。
【0070】
端子部16は、弾性変形可能な金属製の板材が打ち抜き加工された後に曲げ加工されることで形成されている。この端子部16は、図2及び図3にも示されるように、コネクタ上方側からこの順に配置された「プレスフィット部16A」、「被支持部16B」、「弾性変形部16C」、被支持部16D及び接続部としての「プレスフィット部16E」を含んで構成されている。
【0071】
プレスフィット部16Aは、端子部16の一方側の端部に設けられていると共に、その先端部を構成する「挿入部16A1」と、当該挿入部16A1におけるプレスフィット部16E側に当該挿入部16A1と連続して設けられた「圧入部16A2」とを備えている。
【0072】
挿入部16A1は、そのコネクタ上下方向から見た断面の断面積が、プレスフィット部16Aの先端側に向かうに従って小さくなる先細り形状とされており、基板18の「スルーホール64」に挿入可能とされている。
【0073】
圧入部16A2は、コネクタ前後方向から見て楕円状の所謂ニードルアイ型とされており、基板18のスルーホール64に圧入可能とされている。なお、スルーホール64の内周部及び周縁部には、銅メッキ等で図示しない導電層が形成されており、当該導電層は、基板18の図示しない回路部と電気的に接続されている。つまり、プレスフィット部16Aがスルーホール64に圧入されることで、端子部16と基板18の回路部とが導通されるようになっている。
【0074】
被支持部16Bは、プレスフィット部16Aにおけるプレスフィット部16E側に配置されており、コネクタ上下方向に延在する円柱状の連結部16Fを介して当該プレスフィット部16Aと連続して設けられている。この被支持部16Bは、コネクタ前後方向から見て矩形の板状に構成されており、第1ハウジング部12の本体部22に設けられたキャビティ部36の内側に納まっている。
【0075】
また、被支持部16Bは、プレスフィット部16A側から荷重が入力されたときに、キャビティ部36のコネクタ下方側(プレスフィット部16E側)の「内壁部36A」で支持されるようになっており、当該内壁部36Aは、被支持部16Bの支持部として機能している。さらに、図4に示されるように、被支持部16Bのコネクタ後方側には、第1ハウジング部12のカバー部24に設けられた閉塞部50が配置されており、当該被支持部16Bのコネクタ前後方向の変位が当該閉塞部50によって規制されている。
【0076】
図1に戻り、プレスフィット部16Eは、プレスフィット部16Aと同様の構成とされて端子部16の他方側の端部に設けられており、基板20の「スルーホール66」にプレスフィット部16Aの圧入方向と反対方向に圧入可能とされている。なお、プレスフィット部16Eを基板20のスルーホール66に圧入するときには、基板20がプレスフィット部16E側(コネクタ上方側)に向けて押圧されることとなる。また、基板20は、基板18と同様の構成とされており、プレスフィット部16Eがスルーホール66に圧入されることで、端子部16と基板20の図示しない回路部とが導通されるようになっている。
【0077】
被支持部16Dは、被支持部16Bと同様の構成とされているものの、当該被支持部16D及び端子部16におけるその周辺部は、第2ハウジング部14に埋め込まれた状態となっている。このため、被支持部16Dに入力されるプレスフィット部16A側からの荷重は、第2ハウジング部14における被支持部16Dのコネクタ下方側に位置する中実部で支持されるようになっている。
【0078】
ここで、本実施形態では、弾性変形部16Cが、被支持部16Bと被支持部16Dとの間に設けられており、当該弾性変形部16Cの弾性変形によってプレスフィット部16Aとプレスフィット部16Eとの相対変位が許容されている。以下では、弾性変形部16Cの構成並びに当該弾性変形部16Cによるプレスフィット部16Aとプレスフィット部16Eとの相対変位について説明していくことにする。
【0079】
図2及び図3に示されるように、弾性変形部16Cは、厚さ方向の寸法Aが幅方向の寸法Bよりも短い寸法とされ、かつ複数箇所で屈曲された板状とされている。詳しくは、弾性変形部16Cは、被支持部16Dからコネクタ上方側に向かって板厚方向をコネクタ前後方向とされて延びる一般部16C1を備えており、当該一般部16C1からはコネクタ前方側に向かって板厚方向をコネクタ上下方向とされて「第1片部16C2」が延びている。つまり、第1片部16C2の板厚方向は、プレスフィット部16Aの圧入方向と同じ方向とされていると共に、当該第1片部16C2は、当該圧入方向から見て当該圧入方向と交差する方向に延びている。
【0080】
また、弾性変形部16Cは、第1片部16C2のコネクタ前方側の部分から、その板厚方向をコネクタ前後方向とされてコネクタ上方側に立ち上げられて、コネクタ幅方向他方側でかつコネクタ上方側に向かって延びる変曲部16C3を備えている。そして、変曲部16C3からは、プレスフィット部16A側、すなわちコネクタ後方上側に向かって板厚方向をコネクタ幅方向とされて「第2片部16C4」が延びている。つまり、第2片部16C4は、第1片部16C2と変曲部16C3を介して連続しており、板厚方向をプレスフィット部16Aの圧入方向と直交する方向とされている。
【0081】
一方、被支持部16Bからは、コネクタ下方側に向かって板厚方向をコネクタ前後方向とされて一般部16C5が延びている。そして、弾性変形部16Cにおける一般部16C5と第2片部16C4との間の部分は、板厚方向が徐変されつつ延びる変曲部16C6で構成されている。
【0082】
上記のように構成された弾性変形部16Cは、プレスフィット部16Aにコネクタ前後方向の荷重が入力されると、一般部16C1、16C5及び第1片部16C2が主となって弾性変形し、プレスフィット部16Aとプレスフィット部16Eとがコネクタ前後方向に相対変位するようになっている。
【0083】
また、弾性変形部16Cは、プレスフィット部16Aにコネクタ幅方向の荷重が入力されると、第2片部16C4が主となって弾性変形し、プレスフィット部16Aとプレスフィット部16Eとがコネクタ幅方向に相対変位するようになっている。
【0084】
さらに、弾性変形部16Cは、プレスフィット部16Aに当該プレスフィット部16Aの圧入方向回り(コネクタ上下方向回り)のモーメントが入力されると、当該圧入方向から見て、プレスフィット部16Aが変曲部16C3を中心として回動するように弾性変形するようになっている。なお、この点については、以下で詳細に説明することにする。
【0085】
なお、弾性変形部16Cは、一般部16C1から一般部16C5に至るまでにその表裏が逆転しており、換言すれば180[°]捻転された状態となっている。これにより、端子部16の製造工程において歩留まりを向上させることができる。これは、弾性変形部16Cの捻転角度が180[°]の整数倍であれば同様である。
【0086】
また、弾性変形部16Cは、上述した第1ハウジング部12の本体部22に設けられたキャビティ部26に納まっており、当該キャビティ部26の大きさは、弾性変形部16Cの弾性変形を許容可能な大きさに設定されている。さらに、コネクタ10の通常状態において、第1ハウジング部12における本体部22の端部22E及び第1ハウジング部12におけるカバー部24の端部24Aは、第2ハウジング部14と当接された状態とされている。なお、弾性変形部16Cの弾性変形による変位量に納まる距離であれば、コネクタ10の通常状態において、第1ハウジング部12と第2ハウジング部14との間に隙間があいていてもよい。
【0087】
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果を説明する。
【0088】
本実施形態では、図1に示されるように、一方側の端部にプレスフィット部16Aが設けられていると共に他方側の端部にプレスフィット部16Eが設けられた端子部16と、第1ハウジング部12と、第2ハウジング部14とを備えている。また、第1ハウジング部12は、端子部16におけるプレスフィット部16A側の部分を保持しており、第2ハウジング部14は、第1ハウジング部12のプレスフィット部16E側に配置されて端子部16におけるプレスフィット部16E側の部分を保持している。
【0089】
そして、本実施形態では、プレスフィット部16Aの圧入部16A2を基板18のスルーホール64に圧入し、基板20のスルーホール66にプレスフィット部16Eをプレスフィット部16Aの圧入方向と反対方向に接続することで、これらの基板を互いに対向した状態で導通接続させることができる。
【0090】
ところで、基板18と基板20とをコネクタ10で接続するにあたって、まず、基板20のスルーホール66にプレスフィット部16Eが圧入される。そして、プレスフィット部16Aの挿入部16A1を基板18のスルーホール64に挿入して、当該プレスフィット部16Aと基板18との位置合わせが行われる。このとき、基板18のスルーホール64の位置が正規の位置からずれた状態になっていると、スルーホール66にプレスフィット部16Aを圧入するときに、端子部16に負荷がかかることが考えられる。なお、スルーホール64の位置のずれの要因としては、基板18の加工精度に起因するものや基板18の取付精度に起因するもの等が挙げられる。
【0091】
ここで、本実施形態では、端子部16におけるプレスフィット部16Aとプレスフィット部16Eとの間に弾性変形部16Cが設けられている。そして、弾性変形部16Cが弾性変形することでプレスフィット部16Aとプレスフィット部16Eとのプレスフィット部16Aの圧入方向と交差する方向の相対変位が許容されている。このため、基板18のスルーホール64の位置が正規の位置からずれた状態になっていても、プレスフィット部16Aがスルーホール64の位置に対応してプレスフィット部16Eに対して相対変位することで、プレスフィット部16Aの圧入時に端子部16に負荷がかかることを抑制することができる。
【0092】
また、本実施形態では、弾性変形部16Cが弾性変形することで第1ハウジング部12と第2ハウジング部14とがプレスフィット部16Aの圧入方向と交差する方向に相対変位可能とされている。このため、プレスフィット部16Aとプレスフィット部16Eとが相対変位しても第1ハウジング部12及び第2ハウジング部14による端子部16の保持状態を維持することができる。
【0093】
また、本実施形態では、端子部16におけるプレスフィット部16Aのプレスフィット部16E側に被支持部16Bが設けられている。一方、第1ハウジング部12は、プレスフィット部16A側からの荷重の入力時において、第1ハウジング部12に設けられたキャビティ部36の内壁部36Aによって被支持部16Bが支持されるようになっている。このため、プレスフィット部16Aを基板18に圧入するときに、基板18をプレスフィット部16Aに向けて押圧する荷重を第1ハウジング部12の内壁部36Aによって支持することができる。
【0094】
ところで、基板18をプレスフィット部16Aに向けて押圧するとき、第1ハウジング部12を支持するものがないとプレスフィット部16Aを基板18のスルーホール64に圧入することができない。つまり、プレスフィット部16Aを基板18のスルーホール64に圧入するときには、第1ハウジング部12における基板18の反対側を例えば治具等で一時的に支持する必要がある。しかしながら、上記のように治具を用いる場合には、当該治具を配置するためのスペースが必要となり、さらには当該治具を配置することによって作業工数が増加することが考えられる。
【0095】
ここで、本実施形態では、端子部16の被支持部16Bから第1ハウジング部12の内壁部36Aにプレスフィット部16A側からの荷重が入力されたときに、第1ハウジング部12が第2ハウジング部14に当接可能とされており、第1ハウジング部12から第2ハウジング部14に当該荷重を伝達させることができる。また、第2ハウジング部14の第1ハウジング部12と反対側の端部、すなわち第2支持部14Bは、第1ハウジング部12を介してプレスフィット部16A側からの荷重が入力されたときに、基板20によって支持可能とされている。
【0096】
このため、本実施形態では、基板18をプレスフィット部16Aに向けて押圧する荷重を、第1ハウジング部12及び第2ハウジング部14を介して基板20で支持することができる。その結果、本実施形態では、プレスフィット部16Aの圧入に治具が必要な構成と比し、配置箇所に対する汎用性を高めることができると共に、作業工数の増加を抑制することができる。
【0097】
また、本実施形態では、第1ハウジング部12が、本体部22とカバー部24とを含んで構成されており、本体部22には、プレスフィット部16Aの圧入方向と交差する方向に開放されたキャビティ部36が形成されている。このキャビティ部36には、端子部16の被支持部16Bが納まっており、上述したように、キャビティ部36のプレスフィット部16E側の内壁部36Aで被支持部16Bが支持されている。一方、カバー部24は、本体部22におけるキャビティ部36が設けられている側を覆っており、カバー部24には、閉塞部50が設けられている。この閉塞部50は、キャビティ部36をプレスフィット部16Aの圧入方向と交差する方向から閉塞しており、閉塞部50によって被支持部16Bにおけるプレスフィット部16Aの圧入方向と交差する方向の変位が規制されている。
【0098】
このため、本実施形態では、端子部16におけるプレスフィット部16A側の部分を第1ハウジング部12に圧入することなく、当該部分を第1ハウジング部12に固定することができる。その結果、製造時において、第1ハウジング部12と第2ハウジング部14との間に治具を介在させて、当該治具を用いて端子部16におけるプレスフィット部16A側の部分を第1ハウジング部12に圧入するような構成と比し、第1ハウジング部12と第2ハウジング部14との間隔を狭めることができる。
【0099】
ところで、製造時に治具を用いて端子部16におけるプレスフィット部16A側の部分を第1ハウジング部12に圧入するような構成では、第1ハウジング部12と第2ハウジング部14との間隔が大きくなる。そして、第1ハウジング部12と第2ハウジング部14との間隔が大きいと、プレスフィット部16Aを基板18のスルーホール64に圧入するときに、第1ハウジング部12が第2ハウジング部14に当接するまでの端子部16における弾性変形部16Cの変形量が大きくなり、弾性変形部16Cが塑性変形することが考えられる。
【0100】
この点、本実施形態では、第1ハウジング部12と第2ハウジング部14との間隔を狭めることで、プレスフィット部16Aを基板18のスルーホール64に圧入するときに、弾性変形部16Cの変形量を小さくし、ひいては弾性変形部16Cの塑性変形を抑制することができる。
【0101】
また、本実施形態では、第1ハウジング部12にプレスフィット部側からの荷重が入力されたときに、本体部22の第2ハウジング部14側の端部22E及びカバー部24の第2ハウジング部14側の端部24Aが、第2ハウジング部14に当接可能とされている。このため、プレスフィット部16Aを基板18のスルーホール64に圧入するときに入力される基板18への押圧力を、第1ハウジング部12の本体部22とカバー部24とに分散させて第2ハウジング部14に伝達させることができる。
【0102】
また、本実施形態では、第1ハウジング部12のカバー部24には、係合部48が形成されており、一方、第1ハウジング部12の本体部22には、係合部48がプレスフィット部16Aの圧入方向又は当該圧入方向と反対方向に係合される被係合部28が形成されている。そして、係合部48が被係合部28に係合されることで本体部22とカバー部24とのプレスフィット部16Aの圧入方向と交差する方向の変位が規制されている。このため、本実施形態では、端子部16の弾性変形部16Cが弾性変形することで端子部16の被支持部16Bが変位してカバー部24の閉塞部50を押圧しても、カバー部24と本体部22との係合状態を維持することができる。
【0103】
また、本実施形態では、端子部16の弾性変形部16Cが、その厚さ方向の寸法Aがその幅方向の寸法Bよりも短い寸法とされた板状とされている。また、弾性変形部16Cは、そのプレスフィット部16E側の部分を構成し、かつプレスフィット部16Aの圧入方向から見て当該圧入方向と交差する方向に延びる第1片部16C2と、当該第1片部16C2と連続し、かつプレスフィット部16A側に向かって延びる第2片部16C4とを含んで構成されている。
【0104】
ところで、基板18のスルーホール64の位置が正規の位置からずれていた場合、プレスフィット部16Aの位置をスルーホール64の位置に対応させるにあたって、プレスフィット部16Aに当該プレスフィット部16Aの圧入方向を軸とする捻れが発生することが考えられる。そして、この捻れによって端子部16に負荷がかかることが考えられる。
【0105】
ここで、本実施形態では、第1片部16C2が、その厚さ方向をプレスフィット部16Aの圧入方向とされており、第2片部16C4が、その厚さ方向を当該圧入方向と直交する方向とされている。このため、プレスフィット部16Aに入力される当該プレスフィット部16Aの圧入方向回りのモーメントに対して、第1片部16C2は変形しにくく、第2片部16C4は変形しやすくなっており、プレスフィット部16Aに当該モーメントが入力されると第1片部16C2よりも第2片部16C4の方が大きく曲げ変形する。
【0106】
その結果、弾性変形部16Cは、プレスフィット部16Aの圧入方向回りのモーメントによって、当該プレスフィット部16Aの圧入方向から見て、プレスフィット部16Aが第1片部16C2と第2片部16C4との境界部を中心として回動するように弾性変形する。したがって、本実施形態では、プレスフィット部16Aに発生する当該プレスフィット部16Aの圧入方向を軸とする捻れを、弾性変形部16Cの弾性変形によって吸収することができる。
【0107】
加えて、本実施形態では、第1ハウジング部12の内側に端子部16の弾性変形部16Cが納まるキャビティ部26が形成されている。このため、弾性変形部16Cが第1ハウジング部12によって保護され、作業者の指等による外力によって弾性変形部16Cに負荷がかかることを抑制することができる。また、キャビティ部26の大きさは、弾性変形部16Cの弾性変形を許容可能な大きさに設定されており、第1ハウジング部12によって弾性変形部16Cの変形が規制されることを抑制することができる。
【0108】
したがって、本実施形態に係るコネクタ10では、基板18のスルーホール64の位置のずれを許容しつつ、互いに対向した状態で配置された一方の基板18と他方の基板20とを安定した状態で導通接続させることができる。
【0109】
<第2実施形態>
以下、図12を用いて、本発明に係る基板間接続コネクタの第2実施形態について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一構成部分については同一番号を付してその説明を省略する。
【0110】
本実施形態に係る「コネクタ70」は、基本的に第1実施形態に係るコネクタ10と同様の構成とされており、第1ハウジング部12と同様の構成とされた「ハウジング部72」を備えているものの、第2ハウジング部14に対応する構成要素を備えていない点に第1の特徴がある。また、「端子部74」は、端子部16と同様に、「プレスフィット部74A」及び「弾性変形部74B」を備えているものの、被支持部16D及びプレスフィット部16Eの代わりに接続部としての「リード部74C」が設けられている点に第2の特徴がある。
【0111】
具体的には、リード部74Cは、端子部74の他方側の端部に設けられており、基板20のスルーホール66にプレスフィット部74Aの圧入方向と反対方向に挿通されて基板20に半田付けされることで、当該基板20で保持されるようになっている。つまり、本実施形態では、端子部74がDIPやSMTに対応可能とされている。なお、図12には、端子部74の構成を理解し易くするため、基板18、20を図示していない。
【0112】
このような構成によれば、端子部74におけるプレスフィット部74Aとリード部74Cとの間に設けられた弾性変形部74Bが弾性変形することでプレスフィット部74Aとリード部74Cとのプレスフィット部74Aの圧入方向と交差する方向の相対変位が許容されている。このため、基板18のスルーホール64の位置が正規の位置からずれた状態になっていても、プレスフィット部74Aがスルーホール64の位置に対応してリード部74Cに対して相対変位することで、プレスフィット部74Aの圧入時に端子部74に負荷がかかることを抑制することができる。また、本実施形態では、このように弾性変形部74Bが弾性変形することで、ハウジング部72を基板20に対して相対変位させることができる。
【0113】
<上記実施形態の補足説明>
(1) 上述した第1実施形態では、コネクタ10の他方側の端部にプレスフィット部16Eが設けられていたが、コネクタ10が使用される箇所等に応じて、プレスフィット部16Eの代わりにリード部74Cを設ける構成としてもよい。
【0114】
(2) また、上述した第1実施形態では、弾性変形部16Cの変形によって第1ハウジング部12と第2ハウジング部14とがプレスフィット部16Aの圧入方向と直交する方向に相対変位可能とされていたが、これに限らない。すなわち、第1ハウジング部12及び第2ハウジング部14の構成等に応じて、弾性変形部16Cをプレスフィット部16Aの圧入方向と交差する上記以外の方向に第1ハウジング部12と第2ハウジング部14とを相対変位可能とする構成としてもよい。
【0115】
(3) さらに、上述した実施形態では、第1ハウジング部12及びハウジング部72が2つの部材で構成されていたが、これに限らない。すなわち、コネクタ10、70が配置される箇所に応じて、第1ハウジング部12と端子部16とを一体成形するような構成としてもよいし、ハウジング部72と端子部74とを一体成形するような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0116】
10 コネクタ
12 第1ハウジング部
14 第2ハウジング部
14B 第2支持部(第2ハウジング部の第1ハウジング部と反対側の端部)
16 端子部
16A プレスフィット部
16A1 挿入部
16A2 圧入部
16B 被支持部
16C 弾性変形部
16C2 第1片部
16C4 第2片部
16E プレスフィット部(接続部)
18 一方の基板
20 他方の基板
22 本体部
22A 端部
24 カバー部
24A 端部
26 キャビティ部(他側キャビティ部)
28 被係合部
36 キャビティ部(一側キャビティ部)
36A 内壁部(支持部)
48 係合部
50 閉塞部
64 スルーホール
66 スルーホール
70 コネクタ
72 ハウジング部
74 端子部
74A プレスフィット部
74B 弾性変形部
74C リード部
【要約】
【課題】基板のスルーホールの位置のずれを許容しつつ、互いに対向した状態で配置された一方の基板と他方の基板とを安定した状態で導通接続させることができる基板間接続コネクタを提供する。
【解決手段】端子部16におけるプレスフィット部16Aとプレスフィット部16Eとの間に弾性変形部16Cが設けられている。そして、弾性変形部16Cが弾性変形することでプレスフィット部16Aとプレスフィット部16Eとのプレスフィット部16Aの圧入方向と交差する方向の相対変位が許容されている。このため、基板18のスルーホール64の位置が正規の位置からずれた状態になっていても、プレスフィット部16Aがスルーホール64の位置に対応してプレスフィット部16Eに対して相対変位することで、プレスフィット部16Aの圧入時に端子部16に負荷がかかることを抑制することができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12