特許第6396548号(P6396548)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6396548
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】避難シェルタ付きの家屋
(51)【国際特許分類】
   E04H 9/14 20060101AFI20180913BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20180913BHJP
   B63C 9/06 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   E04H9/14 Z
   E04H1/12 301
   E04H1/12 Z
   B63C9/06
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-137872(P2017-137872)
(22)【出願日】2017年7月14日
(65)【公開番号】特開2018-17114(P2018-17114A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2017年8月10日
(31)【優先権主張番号】特願2016-139734(P2016-139734)
(32)【優先日】2016年7月14日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】598096913
【氏名又は名称】株式会社山崎屋
(74)【代理人】
【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
(72)【発明者】
【氏名】山崎 健造
【審査官】 富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−028907(JP,A)
【文献】 特開2017−072016(JP,A)
【文献】 特開2007−277998(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/018872(WO,A1)
【文献】 特開2012−215028(JP,A)
【文献】 特開2012−233306(JP,A)
【文献】 特開2013−032686(JP,A)
【文献】 特開2013−249725(JP,A)
【文献】 特開2015−223973(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3174699(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3174103(JP,U)
【文献】 特開2009−074268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/02、1/12
E04H 9/14
B63C 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震、津波、豪雨、洪水や、火災、土砂崩れ等の被害から人命を守る避難シェルタを備えた家屋であって、屋内の一室として兼用可能な避難シェルタが浮上可能に設けられており、津波や豪雨の非常時は侵入した水に浮いて上方に移動可能な空間部が家屋に設けられていることを特徴とする避難シェルタ付きの家屋。
【請求項2】
前記避難シェルタは、鋼鉄製等の強度の高い材質の床板と天板と側壁板とこれらを連結する柱を備え、家屋を建造するときに配置されるか、完成している家屋の内部において連結されて組み立てられるか、又は、屋根を有する家屋の床や天井の内部や壁の内部を利用して連結されて組み立てられるか、或いは、家屋の各部屋の内側に接するように配置される二重構造の部屋として構成されていることを特徴とする請求項1記載の避難シェルタ付きの家屋。
【請求項3】
前記家屋は、木造であり、前記避難シェルタは木造の木材よりも強度の高い鋼鉄製の密閉構造であり、出入り口は密閉構造の出入り口が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の避難シェルタ付きの家屋。
【請求項4】
前記家屋は上方階を有する複数階構造であり、前記避難シェルタは、複数階の下方の外側の部屋として配置されており、津波や洪水などの災害時には複数階の上方に移動し易くするための移動用案内壁が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の避難シェルタ付きの家屋。
【請求項5】
前記床板と天板と側壁板は鋼鉄製であり、この鋼鉄製の床板と天板と側壁板に浮力材が取り付けられていることを特徴とする請求項記載の避難シェルタ付きの家屋。
【請求項6】
前記避難シェルタには、台所ユニット、洗面ユニット、及び/又は、移動式トイレユニットが設置され、前記床板には水道や配水管と連結する連結手段が配置されており、前記床板には発電設備が配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の避難シェルタ付きの家屋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、津波、地震、洪水や、火災、土砂崩れ等の被害から人命を守る避難シェルタ付きの家屋に関する。
【背景技術】
【0002】
地震、津波、洪水や土砂崩れ等は大きな災害であるが、隣家の火災や自動車の飛び込み等によっても大切な人命が奪われる危険がある。
これらの災害から人命を守るものとしては避難シェルタがある。避難シェルタの種類としては、種々のものが、特許文献としては、下記のものが開示されている。
【0003】
特許文献1は、津波、高潮、洪水などの水害が生じた場合の水害避難室として、地下に設置される水害避難室2であって、移動用案内壁28と、移動用案内壁28に固定された内壁32と、昇降可能な床部16と天井34とを有する避難空間20と、床下空間18と、床下空間に貯留した水によって浮くことにより床部16を浮かせるためのフロート30と、地上から避難空間20に至るまでの進入階段6と、進入階段6と避難空間20とを連通する開口部14と、地上に脱出するためのハッチ26とからなり、水が水害避難室2に流入した場合に床下空間18に水が浸入しフロート30によって開口部14の上端部の高さまで床部16の上面が上昇して当該上昇した床部16と内壁32、及び天井34とで空気空間が確保される水害避難室が開示されている。
【0004】
特許文献2は、家屋に対して一体に付設されて該家屋内からの出入りが可能とされてなるシェルタであって、津波来襲時において、家屋からシェルタを分離させるシェルタの分離手段と、家屋から分離されたシェルタを密閉する密閉手段とを具備し、家屋から分離された状態において水に浮くことを特徴とする家屋付設式津波避難用シェルタが開示されている。
【0005】
特許文献3は、津波対策用シェルタ1は、下側フランジ及び下方凹部を有する略正立椀状の下筐体部210と、上側フランジ及び上方凹部を有する略倒立椀状の上筐体部220と、を有する筐体2と、下筐体部210及び上筐体部220の各内部並びに下方凹部及び上方凹部が相対するように下側フランジ及び上側フランジを密着させる固定部3と、下方凹部及び上方凹部より構成される出入口206に密着する水密ドア4と、下面部の内側に固定される浮体部とを備える、津波対策用シェルタが開示されている。
【0006】
特許文献4は、水上、陸上、または水中での随意移動が可能であり、水密性または気密性が保たれ、断熱性、遮音性、または耐火性が付与された独立剛体性パッケージから成る本体に、少なくとも、開閉戸付出入口、情報通信手段、覗き窓手段、空気清浄手段、または、冷房装置が備えられた、普段は日常居住空間として使用され、被災時には避難所となるデイリーライフシェルタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013-249725号公報
【特許文献2】特開2007-277998号公報
【特許文献3】特開2015-223973号公報
【特許文献4】国際公開WO2013/018872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、家屋に対する災害としては、地震、津波、洪水、土砂崩れ等が大きなものであり、これらに対応した家つくりが必要であるが、隣家の火災や自動車の飛び込みや土砂崩れ等に対する対応も考える必要がある。
しかしながら、特許文献1や特許文献2のような構造では、災害時に逃げ込む構造であり、普段は生活する空間として利用しないものであるか、普段は生活に利用できないか(特許文献2)、また、仮に生活ができたとしても、改造等の費用が高額になる構造である(特許文献1)。
一方、特許文献3や特許文献4のような構造では、土砂崩れや隣家の火災や自動車の飛び込み等に対する対応では特段役に立つものではなく、普段は生活では却って邪魔になるおそれを有する(特許文献3と4)。
【0009】
そこで本発明は、津波、洪水、地震は勿論、火災や土砂崩れや自動車の飛び込み等の被害にも対応できるとともに、日常の生活にも支障なく使用することができるので救命される可能性が高い避難シェルタ付きの家屋を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、地震、津波、豪雨、洪水や、火災、土砂崩れ等の被害から人命を守る避難シェルタを備えた家屋であって、屋内の一室として兼用可能な避難シェルタが浮上可能に家屋に設けられており、津波や豪雨の非常時は侵入した水に浮いて上方に移動可能な空間部が家屋に設けられていることを特徴とする。ここで、上方移動の空間は、通常は二階のスペースを利用するが、吹き抜けの空間や、1階部分の上方の空き空間を利用しても良い。また、吹き抜け構造の下方の部屋や中庭などを介して避難シェルタを配置しても良い。避難シェルタは、密閉構造でなくとも、単に浮上する構造だけの、例えば、床材と側壁板で構成されただけの浮上可能な構造でも良い。
本発明によれば、避難シェルタが建物の内部に配置されて、日常生活で使用することができ、建物の補強効果が図られるとともに、火災等に対する補強が図られる。また、屋内の一室として兼用可能な避難シェルタが移動可能に家屋に設けられており、日常の生活にも支障なく使用することができるので、従来のように災害時に移動する必要がない。また、津波や洪水の侵入した水により避難シェルタが浮上して、上方階の空間部に移動できる構造になっている。吹き抜け構造や中庭等を利用して上方階に移動できるが、浮上しやすい家屋構造であるために、速やかに水に浮いて、埋もれてしまうような事態を防止できる。
【0011】
本発明としては、前記避難シェルタは、鋼鉄製等の強度の高い材質の床板と天板と側壁板とこれらを連結する柱を備え、家屋を建造するときに配置されるか、完成している家屋の内部において連結されて組み立てられるか、又は、家屋の床や天井の内部や壁の内部を利用して連結されて組み立てられるか、或いは、家屋の各部屋の内側に接するように配置される二重構造の部屋として構成されていることを特徴とする。耐火ボード等で二重構造とすることが好ましい。また、各部屋との連結は、離脱フックで連結したり解除したりすることが好ましい。
また、本発明としては、前記家屋は木造であり、前記避難シェルタは木造の木材よりも強度の強い鋼鉄製の密閉構造であり、出入り口は密閉構造の出入り口が設けられていることを特徴とする。家屋を支える柱や壁と、避難シェルタの柱や壁は互いに添わせるように組み立てることが好ましい。木造の木材よりも強度の高い材質とは、鋼鉄製等が適用可能である。
本発明によれば、地震や津波や洪水などで木造の家屋が倒壊しても、木造家屋よりも強度の強い材質(鋼鉄製等)の避難シェルタが配置されているので、避難シェルタ内で居住する限り人命が救われる可能性が高い。鋼鉄製で密閉構造にすることで、浮きやすく(浮力材がなくとも)、土砂で埋められても、掘削機により掘り起こされたときも、損傷するような事態はない。また、家屋と非難シェルタの二重構造となり、頑丈な建造物となる。
また、完成している家屋の内部において連結されて組み立てられることで、又、家屋の柱に沿わせるように避難シェルタの柱や床板と天板と側壁板を添わせるようにしたり、又は、家屋の床や天井の内部や壁の内部を利用して連結されて組み立てられたりすることで、家屋を補強する構造にもなる。
本発明としては、前記家屋は上方階を有する複数階構造であり、その複数階の最上階の外側の部屋として前記避難シェルタが配置されているか、または、前記家屋は上方階を有する複数階構造であり、前記避難シェルタは、複数階の下方の外側の部屋として配置されており、津波や洪水などの災害時には複数階の上方に移動し易くするための移動用案内壁が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、複数階の最上階の外側の部屋として前記避難シェルタが配置されている場合は、洪水や津波が発生した場合には、家の外に避難シェルタを脱出させ易い配置構造である。また、避難シェルタが複数階の下方の外側の部屋として配置されており、津波や洪水などの災害時には複数階の上方に移動し易くするための移動用案内壁を介して浮上させることができる。
【0012】
本発明としては、前記床板と天板と側壁板は鋼鉄製であり、この鋼鉄製の床材と天板と側壁板に浮力材が取り付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、津波や洪水等が生じた時には、浮力材を介して浮きやすくなる。浮きやすくなると、避難シェルタのバランスが失われるおそれがあるが、前記床板には発電設備が配置されていることで、錘との兼用が図られて、バランスが失われる自体を防止する。
【0013】
本発明としては、前記避難シェルタには、台所ユニット、洗面ユニット、及び/又は、移動式トイレユニットが設置され、前記床板には発電設備が配置されるとともに、前記床板には水道や配水管と連結する連結手段が配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、生活に必要な台所ユニット(レンジ付き、冷蔵庫付き)などが配されているので、数日間閉じ込められたとしても、生活ができる。また、台所ユニットなどの水道や配水管との連結は連結手段を介して連結される。なお、連結手段との切り替え手段を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、屋内の一室として兼用可能な避難シェルタが移動可能に家屋に設けられており、日常の生活にも支障なく使用することができるので、従来のように災害時に移動する必要がなく、このため、災害時に生命の危険が及ぶ恐れがない。また、家屋と非難シェルタの二重構造となり、家屋の補強が図られ、頑丈な建造物となる。また、津波や洪水の侵入した水により避難シェルタが浮上し易い構造であり、上方階の空間部に移動できる構造であり、津波、洪水、地震のような大きな被害は勿論、火災や土砂崩れや自動車の飛び込み等の被害のような被害のいずれにも対応でき、種々の災害に対して人命救助が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態である避難シェルタ付きの家屋を示す断面図である。
図2】本発明の第2の実施形態である避難シェルタ付きの家屋を示す断面図である。
図3】上記実施形態における避難シェルタ付きの家屋の避難シェルタを説明する図である。
図4】上記実施形態における避難シェルタ付きの家屋の避難シェルタの移動を説明する図である。
図5】上記実施形態における避難シェルタ付きの家屋の避難シェルタの移動を説明する図である。
図6】本発明の第3の実施形態である避難シェルタ付きの家屋を示す斜視図である。
図7】上記実施形態における避難シェルタ付きの家屋の例を示す側面図である。
図8】上記実施形態の避難シェルタの組み立て型を説明する斜視図である。
図9】上記実施形態の避難シェルタの例を説明する斜視図である。
図10】上記実施形態の避難シェルタの組み立て方を説明する斜視図である。
図11】上記実施形態の避難シェルタの例を説明する斜視図である。
図12】上記実施形態の避難シェルタの例を説明する斜視図である。
図13】上記実施形態の避難シェルタの例を説明する斜視図である。
図14】上記実施形態の避難シェルタの例を説明する斜視図である。
図15】上記実施形態の避難シェルタの例を説明する斜視図である。
図16】上記実施形態の避難シェルタの例を説明する斜視図である。
図17】本発明の第4の実施形態である避難シェルタ付きの家屋を示す側面図である。
図18】上記実施形態における避難シェルタ付きの家屋を示す斜視図である。
図19】上記実施形態における避難シェルタ付きの家屋の避難シェルタの移動を説明する図である。
図20】上記実施形態における避難シェルタ付きの家屋の避難シェルタの移動を説明する図である。
図21】上記実施形態の避難シェルタの例を説明する斜視図である。
図22】上記実施形態の避難シェルタの例を説明する斜視図である。
図23】本発明の第4の実施形態である避難シェルタ付きの家屋を示す図である。
図24】本発明の第4の実施形態である避難シェルタ付きの家屋を示す図である。
図25】本発明の第5の実施形態である避難シェルタ付きの家屋を示す図である。
図26】本発明の第6の実施形態である避難シェルタ付きの家屋を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1(a)は本発明の第1の実施形態である避難シェルタ付きの家屋を示す図であり、図1(b)は上記実施形態の避難シェルタの内部構造図である。
本発明の避難シェルタ付きの家屋1は、木造2階建て構造であり、その1階に避難シェルタH1が配置されている。避難シェルタH1は、鋼鉄製であり、防火、防水態様になっている。避難シェルタH1は、台所として普段使用することを想定しており、台所ユニットU1が設置されている。また、移動式トイレユニットU2も取り付けれ、その他、ベッドや、備蓄品の収納部や、照明、覗き窓、換気扇、船外機(スクリュー)12等を備えている。そして、地震や津波等で、木造の家屋1が倒壊したり損傷しても、鋼鉄製陶の避難シェルタH1は、損傷したりすることなく、その内部の人命を守るものになっている(図3(b))。
【0018】
避難シェルタH1は、完成している家屋1の内部において連結されて組み立てられる(図8(a)(b))。床板h1と天板h4と側壁板(壁)h3とこれらを連結する柱h2を備えて、避難シェルタの柱h3は、家屋1の梁や柱9に当接させるように配置しても良い。このように組み立てることで、家屋1の補強が図られる。完成した家屋の中で組み立てるときは、家屋の柱9や壁と接するように避難シェルタH2を構築すると、家屋1の補強構造にもなる(図4(a)(b)(c))。
【0019】
また、津波が来た時の浮上しやすくするために浮力材が天板h4と側壁板(壁)h3等に取付けられている。本実施の形態では、洪水等で浮遊した場合の避難シェルタH1のバランスを考慮して、床板h1には浮力材は取付けられているとともに、発電設備や水道や配水管との連結手段5a,5bが取付けられているが、床板h1に浮力材を取付けても良い。
【0020】
家屋1の上方移動の空間は、吹き抜け構造の下方の部屋や中庭などを介して避難シェルタを配置すると、効率的である。単に天井の高い部屋で避難シェルタHを配置したり、組み立てしても良い。玄関や階段設置の場所では、上方空間があるので、その部屋を利用して、避難シェルタHを配置したり、組み立てしても良い。図1(a)において、符号4は階段であり、符号5aは水道や配水管と連結する連結手段であり、符号5bは、発電設備であり、符号Faは浮力材(フロート)である。連結手段5aは、簡易(仮設)トイレや台所ユニットU1の水道や配水管と接続されるが、切り替え手段を備えることが好ましい。
なお、避難シェルタHには、覗き窓10a、換気扇10b、ハッチ(脱出口)11や、スクリュー12を備える。また、避難シェルタHは、音響設備等のための遮音室(防音材で遮蔽される部屋)を利用して、遮音室の壁材に防音材兼用の浮力材を配置しても良い。
【0021】
したがって、津波や洪水により、家屋1に水が侵入してきた場合、密閉構造の避難シェルタH1が浮上して、1階の上方に浮か上がったり、二階まで浮かび上がったりして、家屋1の側方に設けられた開口部から避難シェルタH1が脱出が容易な構造になっている(図1(a))。浮上しやすい家屋構造であるために、速やかに水に浮いて、埋もれてしまうような事態を防止できる。上方階の窓側には、避難シェルタHの脱出口が設けられているが、屋根まで空間部を有する中庭に避難シェルタHを配置した場合には、上方に浮上したまま外部に脱出することもできる。
【0022】
(第2の実施の形態)
図2(a)は本発明の第1の実施形態である避難シェルタ付きの家屋を示す側面図であり、図2(b)は上記実施形態の避難シェルタの斜視図である。
本発明の避難シェルタ付きの家屋1は、木造2階建て構造であり、その1階に避難シェルタH1が配置されている。屋根8は、避難シェルタH1が脱出し易いように、外れ易い構造や、一部開放の脱出部を設けておいても良い。
避難シェルタH1は、鋼鉄製であり、防火、防水態様になっている。避難シェルタH1は、台所として普段使用することを想定している。このため、台所ユニットU1を少なくとも備えるが、洗面ユニットU2、浴槽ユニットU3が設置されていても良く(図3(a)(b)(c))、屋内の一室として兼用可能な避難シェルタH1である。
【0023】
避難シェルタH1は、屋内の一室として兼用可能なものであり、木造の木材よりも強度の強い材質(鋼鉄製)である。避難シェルタH1は、地震や津波等で、木造の家屋1が倒壊したり損傷しても、鋼鉄製陶の避難シェルタH1は、損傷したりすることなく、その内部の人命を守るものになっている(図4(b))。
【0024】
避難シェルタH1は、完成している家屋1の内部において連結されて組み立てられる(図9(a)(b))。完成した家屋の中で組み立てるときは、家屋の柱9や壁と接するように避難シェルタH2を構築すると、家屋1の補強構造にもなる(図5(a)(b)(c))。床板h1と天板h4と側壁板h3とこれらを連結する柱h2を備えて、組み立てられる。避難シェルタH2の柱h3は、家屋1の梁や柱9に当接させるように配置しても良い。このように組み立てることで、家屋1の補強が図られる。
【0025】
ここで、土砂崩れなどの災害時には隣室に移動し易くするための移動用案内壁13、14が配される構造にしても良い(図6(a)(b))。移動用案内壁14には、段差を設けるなどして、避難シェルタH2が移動しやすい構造にすることが好ましい(図5(a)(b)(c))。なお、本明細書においては、一階も二階も2部屋ずつの例で示すために、「隣室」とは、隣の部屋しかないが、3部屋以上の部屋がある場合は、その部屋も「隣室」になるものとする。そして、避難シェルタH1は、この場合の3部屋目の空間部にも移動可能である。避難シェルタH1の形状は、立方体形状や直方体形状であるが、これは家屋1の収納スペースに対応した形状になっている。
また、津波が来た時の浮上方式としては、移動用案内壁11,12に沿って浮上させることができる構造とすることができる(図6)。移動用案内壁11,12は、建物の柱や壁9に沿って二階の空き空間S2に移動し易くして、津波や豪雨の非常時は侵入した水に浮いて、上方の空間部S2に向かって移動し易くしたりする。移動用案内壁11,12は、凸状の段差に対応して突出部aを設けたり、段差を有する移動用案内壁3aの段差部に接合する突出部a,bが設けたり、また、土台7の上にも、凸状の段差に対応して突出部a,bを設ける等して、避難シェルタH1が移動しやすい構造にできる。図2(a)と図4(a)において、符号3a,3bと、符号6aと6bは、前記移動用案内壁11,12,13,14の収納スペースを表示する。なお、移動用案内壁14にレールを設けて、隣室の方向に移動させやすくしても良い。
図6(b)は、避難シェルタH1を隣室の方向に移動しやすくする構造である。移動用案内壁13,14の間を移動できるものであり、移動用案内壁13,14に、段差部や突出部a,bを設けて移動がしやすくする構造である。上記突出部a,bは、除去したり、外したりすることが可能であり、又、避難シェルタH1の室内等に引き込むことが可能であり、これらにより避難シェルタH1が元の立方体形状や直方体形状になる。また、上記突出部a,bと段差部cとの係止により、避難シェルタH1の移動が係止状態にもできる構造である。これらは、避難シェルタH1の側面側に設けることも可能である(図19(c))。
また、家屋1を支える柱や壁9と、避難シェルタの柱や壁は互いに添わせるようにしたり、解除可能な連結部材(コーナー材)cを介して、地震等でも避難シェルタH1が移動しないよう停止した状態にしておくことが好ましい。
本実施の形態では、避難シェルタH1は、鋼鉄製の天板h2と土台7の上には鋼鉄製の板材14が配置され、避難シェルタH1の上(1階と2階の間)には、鋼鉄製の天板13が配置され、避難シェルタH1はこれら上下の鋼鉄製板13,14の間を移動しやすい構造になっている。避難シェルタH1は、移動し易くするために、建物1の柱9と柱9,9の間の寸法内に収まる大きさであり、浮上・移動の際に柱9に遮られないようになっている。
図5(b)は、家屋1を支える柱9に凹部9aを形成して、避難シェルタH1が移動しやすくする構造である。これは、家屋の壁や梁との関係でも同じような構造にできる。すなわち、符号3a,3b,6a,6bは、家屋の梁や壁の位置を示すものとすることもできる。
図5(c)は、家屋1を支える柱9との間に配される連結部材(コーナー材)cを介して、家屋の柱9と連結状態にした構造である。これらも家屋1の上記壁や梁との関係でも同じような構造にできる。上記連結部材(コーナー材)cは、その連結状態が解除されて(木材など損傷しやすい部材で構成されて解除されて)、避難シェルタH1の移動が可能になったり、或いは、上記連結部材(コーナー材)cは、避難シェルタH1と一体的な部材として、家屋1の柱9とは分離する構造にしたり、避難シェルタH1の移動を防止するストッパとしても使用することができる。
また、図7(a)(b)は、避難シェルタH1を、家屋1の床6bや天井3aの内部や柱や壁9の内部を利用して連結されて組み立てられている例である。津波や洪水になり、家屋1の壁や柱9が倒壊したりすると、鋼鉄製等の避難シェルタH1がその姿を表し、洪水などの水により上昇するが(図7(b))、日常生活では避難シェルタH1の存在自体を認識することがなく、救命される。
【0026】
家屋1は上方階を有する複数階構造であり、前記避難シェルタH1は、複数階の下方の一方の部屋(台所)として配置されており、津波や洪水などの災害時には複数階の上方の空間(2階の吹き抜け空間)S2に移動できる構造になっている(図8(a))。家屋の柱9に沿って、避難シェルタH1を移動し易くするための移動用案内壁11,12が設けられている。また、二階との間に配置される床板13には、避難シェルタH1が通過できる通過穴Sが形成されている。通過穴Sは、これを塞ぐ蓋を設けても良いが、避難シェルタH1の天板h2を二階の床板として使用することも可能である(図8(b))。
移動用案内壁11,12は、建物の柱9に沿って二階の空間S2に移動し易くしているため、津波や豪雨の非常時は侵入した水に浮いて、上方の空間部S1に向かって移動し易くしたりする。移動用案内壁11,12には、レールを設けて移動を更に容易にしても良い。このため、火災や土砂崩れなどの災害時には隣室S2に移動し易くする。なお、避難シェルタを外部に押し出すことも可能である。
【0027】
ここで、避難シェルタH1としては、床板H1と天板h2と側壁板h3とを備えた密閉構造であり、出入り口は密閉構造の出入り口Hdが設けられている。
津波や洪水などの災害時には、前記引き戸h4の方式では、これを閉めて、防水・防火扉h5を閉めて、密閉構造の開閉可能な構造にしている(図15(a)(b))。このため、避難シェルタH1は、隣室S2とは連続的に使用することができる。鋼鉄板の外側には、防水兼防火用の扉hc2が取付けることも可能である。
また、避難シェルタH1としては、側面板h3の上方が開口されていても良く(図12(a))、防水態様になっている。引き戸方式の鋼鉄板の外側には、防水兼防火用の扉hc2が取付けられている。
【0028】
他の避難シェルタH2としては、引き戸h5を閉めて、防水・防火扉hd2を閉めると、密閉構造の避難シェルタになる(図15(a)(b))。このため、第1の実施の形態のように、津波や洪水などの水の侵入によって浮上する構造である。この引戸方式では、引き戸h5が取り外し可能になっている。引き戸方式にすると、隣室S2とは連続的に有効な使用することができる。本実施の形態では、普段の生活では、引き戸h5を開けて隣室S2と連結させて使用することができる。なお、引き戸方式の避難シェルタH2は、その2組を連結させて一つの部屋として、普段の生活に使用することも可能である。
また、避難シェルタH1の天板h4の上に二階の床板13と連結する連結部材14を備える構造にしても良い(図12(b))。
また、その他の避難シェルタH1としては、側壁板h3は上方が開口するタイプでも良い(図13(a))。下方側のみがその周囲が鋼鉄板等で囲まれていると(側壁板h3aがあると)、津波や洪水で浮上する構造にできる。そして、上方が開口するタイプでも、上方からフタをすることで、開口が密閉可能である(図13(b))。すなわち、上方の階に二階の床板13となる避難シェルタH1bが配置されており、津波の水が侵入して避難シェルタH1を浮上させると、上記避難シェルタH1bが蓋をして密閉する二重構造になる。
また、その他の避難シェルタH1としては、第1の避難シェルタH1aに、第2の避難シェルタH1bとが連結できる連結構造としても良い(図14(a)(b))。この連結構造の使用例としては、隣室同士の連携した一体的な使用が可能になる。すなわち、第1の避難シェルタH1aには、背面の側板h3aはないが、第2の避難シェルタH1bには背面があり、これらH1aと,H1bとが連結できることにより、4周面(4側面)が完成する構造である(図14(a)(b))。なお、図14(b)からは一側面が描かれていないが、これは背面h3aを表示したためであり、実際には存在する。この連結構造の使用例としては、隣室同士の連携した一体的な使用が可能になる。仮に、避難シェルタH1a,h1bの一室が不要な場合は、上記二重構造にして収納する構造にもする。すなわち、隣室同士で避難シェルタH1a,h1bが配置されており、一方を移動させると重なって二重構造になる。
また、他の避難シェルタH1としては、外壁(側壁板)h3に覗き窓hmが設けられていたり(図16(a)(b))、上方からシャッター構造hsが降下して隣室側を密閉したりすることも可能である(図17(a))。また、外壁h3にSOSの文字が記載されたものにしても良い(図17(b))。また、避難シェルタH2には、津波で流された場合に備えて、スクリューやモータを備えることも可能である。
【0029】
(第3の実施の形態)
図18(a)(b)から図21(a)(b)は、本発明の第2の実施形態である避難シェルタH2を示す図である。
本実施の形態の避難シェルタH2は、鋼鉄製であり、防火、防水態様になっている。図20(a)(b)と図21(a)(b)の例では、密閉構造のドア方式を採用している。この密閉構造の出入り口(開閉ドア)Hdは、避難シェルタH2の周壁のどの面に取付けられていても良いが、隣室側S2に向かって取付けるときは、隣室との連携した使用を可能にするためには、大きめの密閉構造の出入り口(開閉ドア)Hdとすることが好ましい。図21(a)の例では、防水パッキン等で覆われた密閉構造のドア方式であり、アコーディオン方式に開閉の大きさを調整可能な構造を採用している。図21(a)の例では、2つの部屋を備える避難シェルタH2になっている。密閉構造の出入り口(開閉ドア)Hdは、避難シェルタH2の周壁のどの面に取付けられていても良いが、隣室側S2に向かって取付けるときは、隣室との連携した使用を可能にするためには、大きめの密閉構造の出入り口(開閉ドア)Hdとすることが好ましい。
避難シェルタH1の形状は、立方体形状や直方体形状であるが、これは家屋1の収納スペースに対応した形状になっている。第1の実施の形態と同様、前記移動用案内壁11から14を凸状の段差に対応して突出部aを設けることができる。また、避難シェルタH2の外壁に覗き窓hmが設けられていたり、空気穴が設けられていたりしても良く、又、避難シェルタH2には、津波で流された場合に備えて、スクリューやモータを備えることも可能である。
本実施の形態では、隣家の火災や土砂崩れ等の場合は、避難シェルタH2を数人で押すか、土砂崩れの場合は、土砂の押圧がかかると、避難シェルタH2は、移動用案内壁13,14の間に沿って隣室に向かって移動できる構造である。土砂崩れの場合は、土砂の押圧がかかると、避難シェルタH2は、移動用案内壁13,14の間に沿って隣室の方向に向かって移動するようになっている。隣室S2に向かって移動可能にするための移動用案内壁13,14にレール等が設けられていても良い(図8(a)(b))。
移動する方向としては、隣室に向かう方向で移動することができる(図18(a))、玄関口の部屋(間取り)は比較的置物等が少なく、空間部が形成しやすいが、玄関口の方向に移動させることも可能であり(図18(a))、また、図18(b)に示すように、後方側に移動させることもできる。また、上記後方に移動した避難シェルタH1を玄関口のスペースに回るように移動させることも可能である。なお、玄関の部屋を構成する壁には、鋼鉄製の側面板4が設けられているか、又は、鋼鉄製板が配された壁が設けられて、避難シェルタH2の一側壁を開口しておき、上記鋼鉄製の側面板4との組み合わせで、密閉構造とする避難シェルタH2として構成することも可能である。このような組み合わせで、避難シェルタH2の一側面を開口するが、移動して上記鋼鉄製の側面板4との組み合わせで、密閉構造とする避難シェルタH2として構成することも可能である。
本実施の形態では、隣室S2に向かって移動可能にするための移動用案内壁13,14が設けられ(図8(a)(b))、隣家の火災や土砂崩れ等の場合は、避難シェルタH2を数人で押すか、土砂崩れの場合は、土砂崩れの押圧がかかると、避難シェルタH2は、移動用案内壁13,14の間に沿って隣室に向かって移動できる構造である。また、土砂崩れの場合は、土砂の押圧がかかると、避難シェルタH2は、移動用案内壁13,14の間に沿って隣室の方向に向かって移動する。なお、移動用案内壁13の上方には、家屋1の梁や壁があって、これらに移動用案内壁13が連結されている。
【0030】
(第4の実施の形態)
図22(a)(b)は、本発明の第4の実施形態である避難シェルタ付きの家屋を示す側面図である。
本実施の形態の避難シェルタH3は、避難シェルタH3の上方に配置される避難シェルタH4と階段Ukで連結されている。二階の避難シェルタH4には、その開閉口Ujに階段Ukが連結されて、1階の避難シェルタH3と連結されている。避難シェルタH3と二階の避難シェルタH4は、隣の部屋に向かっての空間部S2,S4に各々移動可能になっている。また、2階の避難シェルタH4を隣の空間部S4に移動させると、1階の避難シェルタH3は、津波や豪雨の非常時は侵入した水に浮いて、上方の空間部S1に移動させることも可能である。なお、避難シェルタを家屋1の外部に押し出すことも可能である。
【0031】
(第4の実施の形態)
図24(a)(b)と図25(a)(b)は、本発明の第5の実施形態である避難シェルタ付きの家屋を示す図である。
本実施の形態の避難シェルタは、玄関口に配される避難シェルタH6aと、その上方に配置される避難シェルタH6bとを備え、別々に使用することも可能であるが、1階の避難シェルタH6aの内部に二階の避難シェルタH6bを収納して、二重構造の避難シェルタH6a,H6bとしても使用可能になっている。すなわち、1階の避難シェルタH6aは、玄関口用であり、玄関口のドアが取付けられており、その避難シェルタH6aの内部は空間部(床面のみの構造)になっている。そして、天板を外すと、二階の避難シェルタH6bが内部に入れることが可能である。玄関口の部屋(間取り)は比較的置物等が少なく、空間部が形成しやすく、避難シェルタの設置スペースとしては好適である。
【0032】
(第6の実施の形態)
図26(a)(b)は、本発明の第6の実施形態である避難シェルタ付きの家屋を示す図である。
本実施の形態の避難シェルタH7は、最上階である二階に配置されるものであり、横方向に移動して、外部に出易(排出し易い)位置に避難シャルタH7が配置されている。この二階の部屋には、避難シェルタH7が配置されていることにより、二重の耐火ボードB1等が配されている。そして、二階(最上階)において、避難シェルタH7は、外側の部屋の内部に配置される。
避難シェルタH7は、建物を建てるときに組み込まれるものであるが、完成している家屋1の内部において連結されて組み立てることも可能である(図8(a)(b))。床板h1と天板h4と側壁板(壁)h3とこれらを連結する柱h2を備えて、避難シェルタの柱h3は、家屋1の梁や柱9に当接させるように配置しても良い。また、浮力材を配置して津波等の災害の時に浮上して救難活動できるようにされている。このように組み立てることで、家屋1の補強が図られる。完成した家屋の中で組み立てるときは、家屋の柱9や壁と接するように避難シェルタH7を構築すると、家屋1の補強構造にもなる(図26(b))。避難シェルタH2には耐火ボードB1が配されている。また、離脱フックRFを解除すると、避難シェルタH7が家屋1から解除されて、離れることができる。離脱フックRFのほか、ロープによる連結や解除でも良い。避難シェルタH7には耐火ボードB1が配されている。また、津波が来た時の浮上しやすくするために浮力材F9が天板h4と側壁板(壁)h3等に取付けられている。また、発電設備や水道や配水管との連結手段5a,5bが床板h1に取付けられている。また、図26(a)(b)に示すように、本実施の形態の避難シェルタH7は、外周面を耐火ボードB1で保護している。耐火材(耐火ボード)B1兼用のフロート材Faを用いても良い。
また、図26(a)に示すように、隣室との境の壁がドア(第1のドア)D11として、その中に第2のドアD12が設けられており、隣室との境全体が解放連結される構造にすることもできる。また、窓は第1サッシ窓(建物の窓)S11と避難シェルタ第2のサッシ窓S12の二重構造になっている。このような構造、すなわち二重のサッシ構造、更には二重のドア構造や二重の窓構造というような二重構造であるために、断熱や補強性能が高い構造になっている。
上記第6の実施の形態では、前記第1から第6の実施形態を利用することができ、移動用案内壁11〜14に沿って移動させることも可能である。また、最上階に配置するが、下方に移動させる構造にすることも可能である。
【0033】
以上、本発明の実施の形態では、家屋1に配置される1つか2つの避難シェルタで説明したが、家屋1の各部屋に対応して避難シェルタを各々配置することも可能であり、連結させたり、収納させたり、又は、不要なものを外部に排出させたり等して、多様な使用状態を得ることも実施に応じて可能である。避難シェルタ内部に配置されるものとしては、その他、毛布、ふとん等の寝具類、水や米などを保管する食料庫、冷蔵庫、吸排気の換気扇、発電機、モータ付きのスクリュウや操舵装置、テレビやラジオやインターネット環境等の設備、通信設備等を備えても良い。避難シェルタの大きさとしては小型のものとしても良く(9m2〜12m2)、7日程度家族数人が生活できれば良い構造であることが好ましい。
【符号の説明】
【0034】
1 避難シェルタ付きの家屋、
9 柱や壁、
13 備蓄貯蔵庫、
a,b,c 突出部(段差部、段差構造)、
c 連結部材(コーナー材)、ストッパ、
U1 台所ユニット、
U2 洗面(トイレ)ユニット、
U3 バス(浴槽)ユニット、
a,b,c,3a,3b,6a,6b 移動用案内壁の設置空間(梁や壁)、
3b 天井(天板)、
6a 床(床板、床材)、
11,12 移動用案内壁(上下移動用)、
13,14 移動用案内壁(横移動用)、
19 浮力材(フロート材)、
H,H1、H2,H3、H4,H5,H6a,H6b,H7 避難シェルタ、
h1 柱、 h2 床板、
h4 天板、 h3 側壁板(側板)、
hm 覗き窓、hn 空気穴、
hd ドア(密閉式の開閉口)、
h4 引き戸、h5 耐火・防水ドア、
S1 2階の空間部(2階の吹き抜け)、
S2 隣室の空間部(隣室方向の空間部)、
B1 耐火ボード


図1
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