(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ローラユニットは、通信ケーブル走行路に設けられた少なくとも1個の通信ケーブル駆動用ローラと、前記通信ケーブル駆動用ローラに前記通信ケーブルを押付ける押圧用ローラを有する
ことを特徴とすることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の点検装置。
前記通信ケーブル駆動用ローラは、前記通信ケーブル走行路に沿って2個所定間隔をおいて並んで設けられ、前記押圧用ローラは、前記通信ケーブルを間に挟み前記各通信ケーブル駆動用ローラ間に設けられた
ことを特徴とすることを特徴とする請求項5に記載の点検装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献に開示された伸縮棒の構造は各管材が螺合回転させられることによって、伸縮棒が伸縮させられる構造であり、伸縮棒の伸縮操作に時間がかかる。
従って、伸縮棒の先端に点検部材となる例えばカメラを取付け、点検作業場所が屋根裏等のように作業スペースが制限されている場所の点検を行う場合、点検作業が煩雑となり、点検の作業時間がかかる。また、長時間に亘って屋根裏で点検作業を行うことによって体力も消耗する。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、点検場所の作業環境が悪い場所であっても、点検部材を素早く目的の点検位置に送り込むことができ、点検作業の時間短縮が図れ、点検作業が簡単となる点検装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の点検装置は、複数の筒状部材が軸方向に移動自在に入れ子状に嵌合された伸縮自在な点検棒と、前記点検棒の内側筒状部材の先端に取付け固定された点検部材と、前記点検棒の外側筒状部材が位置決め固定された基台と、前記基台に設けられ前記点検棒を伸縮させる点検棒駆動部とを有し、前記点検棒駆動部は、前記点検棒の内側筒状部材内に挿入固定され先端が前記点検部材に接続された通信ケーブルを有し、前記通信ケーブルが前記点検棒の先端方向に送り出され又は基端方向に引き戻されることによって前記点検棒が伸縮駆動されることを特徴とする。
この構成によれば、点検棒の伸縮駆動によって、点検部材を目的の点検位置へ素早く送り込むことができ、点検作業の時間短縮が図れ、点検作業は簡単となる。また、点検棒の構造も簡単なものとなる。
【0011】
好適には、前記基台に前記通信ケーブルが巻回収納される回転ドラムが設けられ、前記通信ケーブルが前記回転ドラムに巻き取られ又は前記回転ドラムから送り出されることを特徴とする。
この構成によれば、通信ケーブルは絡まることなく収納される。
【0012】
好適には、先端側に軸方向に切込まれたスリットを有する位置決め筒部が前記基台に設けられ、前記位置決め用筒部内に前記点検棒の外側筒部材が嵌め込まれ、前記位置決め用筒部と前記点検棒の外側筒部材がナットで締め付けられることによって、前記点検棒の外側筒部材が前記基台に位置決め固定されたことを特徴とする。
この構成によれば、点検棒は基台の所定の位置に簡単に位置決め固定される。
【0013】
好適には、前記点検棒駆動部は、前記通信ケーブルを前記点検棒の先端方向へ送り出し又は引き戻すローラユニットを有することを特徴とする。
この構成によれば、通信ケーブルはスムーズに送り出され又は引き戻されるので、点検棒の伸縮駆動はスムーズなものとなる。
【0014】
好適には、前記ローラユニットは、通信ケーブル走行路に設けられた少なくとも1個の通信ケーブル駆動用ローラと、前記通信ケーブル駆動用ローラに前記通信ケーブルを押付ける押圧用ローラを有することを特徴とすることを特徴とする。
この構成によれば、通信ケーブルは確実に送り出され又は引き戻されるので、点検棒の伸縮駆動は安定したものとなる。
【0015】
好適には、前記通信ケーブル駆動用ローラは、前記通信ケーブル走行路に沿って2個所定間隔をおいて並んで設けられ、前記押圧用ローラは、前記通信ケーブルを間に挟み前記各通信ケーブル駆動用ローラ間に設けられたことを特徴とすることを特徴とする。
この構成によれば、通信ケーブルに安定した押圧力が付与されるので、通信ケーブルは滑ることなく確実に送り出され又は引き戻され、点検棒の伸縮駆動は安定したものとなる。
【0016】
好適には、前記通信ケーブル駆動用ローラの外周面に前記通信ケーブルが嵌合する溝部が外周に亘って形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、通信ケーブルが送り出され又は引き戻されるとき、通信ケーブルの通信ケーブル駆動用ローラからの脱落が防がれ、前記通信ケーブルの安定した走行が保証される。
【0017】
好適には、前記通信ケーブル駆動用ローラの外周面の一部に平面部が面取り形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、通信ケーブルを通信ケーブル駆動用ローラの外周に形成された溝部へ簡単に装着できる。
【0018】
好適には、前記基台において、前記ローラユニットと前記回転ドラムとの間の通信ケーブル走行路には筒状の通信ケーブル走行案内部材が設けられ、前記通信ケーブル走行案内部材の前記回転ドラム側には前記回転ドラムに巻き取られる前記通信ケーブルを前記回転ドラムの外周面へ案内するとともに前記回転ドラムから送り出される前記通信ケーブルを前記通信ケーブル走行路へ案内する第1テーパ部が形成され、前記通信ケーブル走行案内部材の前記ローラユニット側には前記回転ドラム側へ巻き取られる前記通信ケーブルの走行を案内する第2テーパ部が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、通信ケーブルは回転ドラムの外周面から外れることなく、回転ドラムへ巻き取られ又は回転ドラムから送り出される。また、通信ケーブルは通信ケーブル駆動用ローラから通信ケーブル走行案内部材内へスムーズに送られる。
【0019】
好適には、前記各通信ケーブル駆動用ローラは電動モータによってそれぞれ回転駆動されることを特徴とする。
この構成によれば、通信ケーブル駆動用ローラ回転駆動軸は回転ムラが生ずることはなく、安定して回転駆動されるので、点検棒の伸縮駆動も安定したものとなる。
【0020】
好適には、前記点検棒駆動部は、前記通信ケーブルの送り出し終端を検知するとともに前記通信ケーブルの引き戻し終端を検知するセンサを有することを特徴とする。
この構成によれば、ケーブル駆動用ローラの電動モータの回転駆動が通信ケーブルの送り出し終端の位置又は引き戻し終端で自動的に停止されるので、電動モータ等の損傷並びに点検棒の伸ばし過ぎによる点検棒の破損が防がれる。
【0021】
好適には、前記点検棒駆動部を遠隔操作する端末装置を有することを特徴とする。
この構成によれば、点検場所への立入りが制限されている場所でも点検部材を目的の点検位置に送り出すことができるので、点検作業は簡単となる。
【0022】
好適には、前記基台を回転駆動させる基台駆動部を有し、前記基台駆動部は、前記点検棒を上下に回転駆動させる第1回転駆動軸と、前記点検棒を左右に回転駆動させる第2回転駆動軸を有することを特徴とする。
この構成によれば、点検棒を伸縮駆動のみならず上下左右に駆動させることよって、点検部材を目的の点検位置へ素早く送り込むことができ、点検作業の時間短縮が図れ、点検作業は簡単となる。
【0023】
好適には、前記基台駆動部を構成する前記各回転駆動軸は電動モータによってそれぞれ回転駆動されることを特徴とする。
この構成によれば、前記前記各回転駆動軸は回転ムラが生ずることはなく、安定して回転駆動されるので、前記基台の回転駆動も安定したものとなる。
【0024】
好適には、前記基台駆動部は前記端末装置によって遠隔操作されることを特徴とする。
この構成によれば、点検場所への立入りが制限されている場所でも点検部材を目的の点検位置に送り出すことができるので、点検作業は簡単となる。
【0025】
好適には、前記各端末装置はスマートフォンであることを特徴とする。
この構成によれば、特別な端末装置を必要とせず、作業者が日頃から携帯しているスマートフォンを利用して点検装置を操作できる。
【0026】
好適には、前記通信ケーブルは硬質樹脂ケーブルであり、前記点検部材は撮像用レンズ部であることを特徴とする。
この構成によれば、撮像用レンズ部で目的の点検位置を確認しながら撮像用レンズ部を点検位置へ素早く確実に送り込むことができ、点検精度の向上が図られる。
【0027】
好適には、硬質樹脂ケーブルの端末は回転ドラムのコネクタに接続されており、前記コネクタと前記モニターが接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、点検場所の状況をモニターで確認しながら点検作業を行えるので、精度が高い点検作業が可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、点検場所の作業環境が悪い場所であっても、点検部材を素早く目的の点検位置へ送り込むことができ、点検作業の時間の短縮が図れ、点検作業が簡単となる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る点検装置について説明する。
本実施形態に係る点検装置は点検作業現場の状況を撮影し点検するファイバースコープの機能を備えたものである。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る点検装置を模式的に示した外観斜視図であり、点検棒が最長に伸ばされた状態を示す図である。
(全体構成)
図1に示すように、点検装置1は、点検棒2と、点検棒2の先端に装着された点検部材である撮像用レンズ部3と、点検棒2が取付けられた基台4と、基台4に設けられ点検棒2を伸縮させる点検棒駆動部5と、点検棒2が上下左右に回転自在となるように基台4を回転させる基台駆動部6を有している。
【0032】
(点検棒)
点検棒2は、外側筒部材2Aと第1中間筒状部材2Bと第2中間筒状部材2Cと内側筒部材2Dからなる。各筒状部材2A、2B、2C、2Dはグラスファイバーによって形成されている。
各中間筒状部材2A、2B及び内側筒状部材2Cは軸方向に移動自在に入れ子状に外側筒状部材2Aに嵌合されている。各中間筒状部材2A、2B及び内側筒状部材2Cを軸方向に往復移動させることによって、点検棒2は伸縮自在となる。
各筒状部材2A、2B、2C、2Dの外径及び内径は先端に向かうに従って徐々に小径になるようにテーパ状に形成され、各中間筒状部材2B、2C及び内側筒状部材2Dが終端まで送り出されたときに各中間筒状部材2B、2C及び内側筒状部材2Dは嵌合状態が外れず維持されるようになっている。
点検棒2は各中間筒状部2B、2C及び内側筒状部材2Dが、
図1に示すように最大に引き出された状態になると、点検棒2の全長は約4000mmとなる。
【0033】
なお、本発明は、各筒状部材がカーボン材料やアルミニュウム材料等で形成されているものであってもよく、各筒状部材の形成材料には限定されない。各筒状部材がカーボン材料で形成さているものを用いれば、点検棒全体の軽量化が図られる。
また、本発明は、点検棒の形状は筒状に限定するものではなく、直方体の形状のものであってもよい。点検棒が直方体の形状のもの場合、強度がある為、しなりにくい特徴を持つ。点検棒の先端にLEDライトが取付けられたものの場合に適している。
【0034】
図2に示すように、基台4には点検棒2の外側筒状部材2Aの基端側が位置決め固定される位置決め用筒部7が取付けられている。位置決め用筒部7の先端筒部7Aには軸方向に切込まれた2本のスリット7a、7aが周方向に所定間隔をおいて形成されている。先端筒部7Aの各スリット7a、7aによって、先端筒部7Aは径方向に撓む構成となっている。なお、位置決め用筒部7の先端筒部7Aの内径は点検棒2の外側筒状部材2Aの基端の外径よりも小径に形成されている。位置決め用筒部7の先端筒部7Aの外周には雄ネジが形成されており、この先端筒部7Aにはナット8がねじ込まれ取付けられる構成となっている。
点検棒2の外側筒状部材2Aの基端を位置決め用筒部7の先端筒部7Aに挿入していくと、位置決め用筒部7の先端筒部7Aに存在する各スリット7a、7aによって、先端筒部7Aは径方向に押し広げられ、外側筒状部材2Aの基端は先端筒部7A内に嵌合される。この状態で、ナット8を先端筒部7Aにねじ込んで行くことによって、外側筒状部材2Aの基端は位置決め用筒部7に位置決め固定される。
この構成によれば、点検棒2は基台4の所定の位置に簡単に位置決め固定される。
【0035】
(点検棒駆動部)
点検棒駆動部5は、通信ケーブル9を有し、点検棒2の内側筒状部材2D内へ挿入されている。通信ケーブル9が送り出し又は引き戻されることによって、点検棒2は伸縮される。本実施形態に係る点検装置1に使用される通信ケーブル9は、全長約5000mmで外径が約6mmのものである。
通信ケーブル9は、コアと呼ばれる芯とその外側のクラッドと呼ばれる部分、そしてそれらを覆う被覆の3重構造になっており、通信ケーブル9全体は硬質で且つ柔軟性を有する硬質樹脂ケーブルである。
【0036】
図2に示すように、外側筒状部材2Aの基端にはゴム材料で形成された基端側通信ケーブル支持用キャップ部材10が嵌め込み取付けられている。基端側支持用キャップ部材10の中央には穴部10aが形成されており、通信ケーブル9の基端側は穴部10aから基台4側に導出支持されている。
【0037】
図3に示すように、内側筒状部材2Dの先端にはゴム材料で形成された先端側通信ケーブル支持用キャップ部材11が嵌め込み取付けられている。先端側通信ケーブル支持用キャップ部材11の中央には穴部11aが形成されており、通信ケーブル9の先端は穴部11aから外部に突出し支持されている。外部に突出された通信ケーブル9の先端には撮像用レンズ部3が取付けられている。
内側筒状部材2Dの先端には撮像用レンズ部3を保護する樹脂材料で形成されたレンズ保護用キャップ部材12が嵌め込み取付けられている。レンズ保護用キャップ部材12内には撮像用レンズ部3が外部に臨むように撮像用レンズ部3を支持する穴部12aが形成されている。
【0038】
なお、内側筒状部材2Dの先端に嵌め込み取り付けられたレンズ保護用キャップ部材12の基端縁12Aは点検棒2が縮められるときに各中間筒状部材2B、2Cの先端縁に当接して、各中間筒状部材2B、2Cを外側筒所部材2A内へ押し込む機能を備えている。
【0039】
撮像用レンズ部3の外周には雄ネジが形成されるとともにレンズ保護用キャップ部材12の穴部12aの内周には雌ネジが形成されている。撮像用レンズ部3が穴部12aに螺合されることによって、撮像用レンズ部3はレンズ保護用キャップ部材12に取付け固定される。
レンズ保護用キャップ部材12が先端側通信ケーブル支持用キャップ部材11に嵌め込まれることによって、撮像用レンズ部3は内側筒状部材2Dの先端に取付けられる。撮像用レンズ部3が内側筒状部材2Dに取付けられることによって、9は内側筒状部材2Dに取付け固定されることになる。
【0040】
基台4上には外側筒状部材2Aから導出された通信ケーブル9が巻き取られ収納される回転ドラム13が設置されている。基台4に回転ドラム13が設置されることによって、通信ケーブル9は絡まることなく収納される。
【0041】
図4に示すように、基台4上において、位置決め用筒部7と回転ドラム13との間には通信ケーブル9を点検棒2の先端側へ送り出し又は先端側から引き戻すローラユニット15が設置されている。
ローラユニット15は、基台4上において、ケーブル走行路となる通信ケーブル走行路50に沿って所定間隔を置いて並んで設けられたケーブル駆動用ローラとなる2個の通信ケーブル駆動用ローラ16、17を有している。各通信ケーブル駆動用ローラ16、17の回転軸16a、17aにはそれぞれ電動モータ18、19が取付けられており、通信ケーブル9は各通信ケーブル駆動用ローラ16、17が回転駆動されることによって、点検棒2の先端側へ送り出し又は先端側から引き戻される。通信ケーブル9の送り出し又は引き戻しによって、点検棒2が伸縮駆動される。
通信ケーブル9は硬質であり、通信ケーブル9が送り出されたとき、点検棒2には伸ばすために必要な力が付与される。
各電動モータ18、19は、基台4に設けられた制御部20に接続されており、制御部20内のマイコンによって駆動制御される。
【0042】
すなわち、通信ケーブル9が送り出されると、先ず、内側筒状部材2Dが第2中間筒状部材2C内から引き出される。次に、内側筒状部材2Dが更に引き出されると、内側筒状部材2Dと嵌合した第2中間筒状部材2Cは第1中間部材2B内から引き出される。次に、第2中間筒状部材2Cがさらに引き出されると、第2中間筒状部材2Cと嵌合した第1中間筒状部材2Bは外側筒状部材2Aから引き出される。このように、内側筒状部材2D、第2中間筒状部材2C、第1中間筒状部材2Bが次々に引き出されることによって、点検棒2は
図1中矢印A方向へ伸ばされる。
逆に、通信ケーブル9が引き戻されると、先ず、内側筒状部材2Dが第2中間部材2C内に引き戻される。次に、レンズ保護用キャップ部材12の基端縁12Aが第2中間筒状部材2Cの先端縁に当接して、第2中間筒状部材2Cが第1中間部材2B内に引き戻される。次に、レンズ保護用キャップ部材12の基端縁12Aが第1中間筒状部材2Bの先端縁に当接して、第1中間筒状部材2Bが外側筒状部材2A内に引き戻される。内側筒状部材2D、第2中間筒状部材2C、第1中間筒状部材2Bが次々に引き戻されることによって、点検棒2は
図1中矢印B方向へ縮められる。
このように、通信ケーブル9が送り出され又は引き戻されることによって、点検棒2は伸縮駆動される。
なお、通信ケーブル9は、硬質で且つ柔軟性が保たれているので、電動モータ16、17からのトルクを受けて、自力で回転ドラム13へ巻回される。
【0043】
各通信ケーブル駆動用ローラ16、17の外周面にはシリコン樹脂材料が塗布され、送り出し又は引き戻される通信ケーブル9との摩擦抵抗が高くなるようになっている。
なお、各通信ケーブル駆動用ローラ全体がシリコン樹脂で形成されているものであってもよく、各駆通信ケーブル駆動用ローラの材質には限定されない。
【0044】
基台上において、通信ケーブル9を間に挟み、各通信ケーブル駆動用ローラ16、17間に対向する位置には通信ケーブル9に押圧力を付与する押圧用ローラ21が回転自在に設けられている。
【0045】
図5及び
図6に示すように、各通信ケーブル駆動用ローラ16、17の外周には溝部16A、17Aが外周に亘って形成されている。通信ケーブル9は各溝部16A、17Aに嵌合され、各通信ケーブル駆動用ローラ16、17の外周面から外れることなく、安定して送り出し又は引き戻される。
なお、各通信ケーブル駆動用ローラ16、17と穴部10aは各溝部16A、17Aの基台4からの高さが同一となるように基台4に取付けられている。
【0046】
このような構成によれば、通信ケーブル9はスムーズに送り出され又は引き戻されるので、点検棒2の伸縮駆動はスムーズなものとなる。
また、通信ケーブル9は確実に送り出され又は引き戻され、点検棒2の伸縮駆動は安定したものとなる。
また、通信ケーブル9に押圧力が付与されるので、通信ケーブル9は滑ることなく確実に送り出され又は引き戻され、点検棒2の伸縮駆動は安定したものとなる。
【0047】
各通信ケーブル駆動用ローラ16、17の外周面の一部には基台4に対して垂直な平面部16B、17Bが面取り形成されている。
この構成によれば、通信ケーブル9を各通信ケーブル駆動用ローラ16、17の溝部16A、17Aに嵌合させるとき、押圧用ローラ21を外すことなく通信ケーブル9を基台4の真上から各平面部16B、17Bに沿って押し込むだけで、通信ケーブル9は通信ケーブル駆動用ローラ16、17の溝部16A、17Aに嵌め込まれる。
また、押圧力が付与されている通信ケーブル9を各平面部16B、17Bに沿って真上に引き抜くことによって、通信ケーブル9は通信ケーブル駆動用ローラ16、17の溝部16A、17Aから取り外される。
従って、通信ケーブル9の各通信ケーブル駆動用ローラ16、17の溝部16A、17Aへの嵌合又は取り外し作業は簡単なものとなる。
【0048】
図4に示すように、基台4上における回転ドラム13とローラユニット15と間通信ケーブルの走行路50には筒状の通信ケーブル走行案内部材22が設けられている。
通信ケーブル走行案内部材22の回転ドラム13側には回転ドラム13に巻き取られる通信ケーブル9を回転ドラム13の外周面へ案内する第1テーパ部22Aが形成されている。第1テーパ部22Aの開口部の内径は回転ドラム13の厚さ方向の幅W1と同一もしくは若干小径に形成されている。
この構成によれば、回転ドラム13に巻き取られる通信ケーブル9は第1テーパ部22Aに沿って回転ドラム13の外周面へ案内されるので、通信ケーブル9は回転ドラム13の外周面から外れることなく、回転ドラム13に確実に巻き取られる。また、通信ケーブル9は回転ドラム13の外周面から外れずに通信ケーブル走行路50へ送り出される。
【0049】
また、通信ケーブル走行案内部材22のローラユニット15側には回転ドラム13へ巻き取られる通信ケーブル9の走行を案内する第2テーパ部22Bが形成されている。
この構成によれば、通信ケーブル9は第2テーパ部22Bに沿って通信ケーブル走行案内部材22内へ送り込まれるので、通信ケーブル9の外周の被覆部分が通信ケーブル走行案内部材22の入口の部分で擦れることが防がれ、通信ケーブル9は各通信ケーブル駆動用ローラ16、17からケーブル走行案内部材22内へスムーズに送られる。また、通信ケーブル9の被覆部分の破損も防がれる。
【0050】
図4に示すように、基台4上における回転ドラム13と通信ケーブル走行案内部22との間には通信ケーブル9の送り出し終端を検知するとともに通信ケーブル9の引き戻し終端を検知するマイクロフォトセンサ23が設けられている。マイクロフォトセンサ23は制御部20に接続されている。
通信ケーブル9の送り出し終端の位置には送り出し終端用マーク(図示は省略)が形成されるとともに通信ケーブル9の引き戻し終端の位置には引き戻し終端用マーク(図示は省略)が形成されている。
【0051】
通信ケーブル9が送り出され、通信ケーブル9の送り出し終端用マークの位置がマイクロフォトセンサ23の位置に来るとマイクロフォトセンサ23から発する光が送り出し終端用マークに当てられ反射光により送り出し終端が検知される。
また、通信ケーブル9が引き戻され、通信ケーブル9の引き戻し終端用マークの位置がマイクロフォトセンサ23の位置に来るとマイクロフォトセンサ23から発する光が引き戻し終端用マークに当てられ反射光により引き戻し終端が検知される。
マイクロフォトセンサ23によって検知された信号は制御部20へ送られ、各電動モータ18、19の駆動が停止される。各電動モータ18、19の駆動が停止されることによって、通信ケーブル9の送り出し又は引き戻しが停止され、点検棒2の伸縮が停止される。
【0052】
この構成によれば、各通信ケーブル駆動用ローラ16、17を駆動する各電動モータ18、19の駆動は、通信ケーブル9が通信ケーブル送り出し終端の位置又は通信ケーブル引き戻し終端の位置まで駆動されたとき自動的に停止される。従って、各電動モータ18、19等の損傷が防がれ、また点検棒2の伸ばし過ぎによる各筒状部材2B、2C、2Dの破損が防がれる。
【0053】
(基台駆動部)
図7に示すように、基台駆動部6は、基台4が取付けられる台座24を有している。台座24は脚部材25に可動自在に支持されている。台座24は点検棒2が上方向(
図7中矢印C方向)又は下方向(
図7中矢印D方向)へ回転するように脚部材25を構成する横脚部25Aの中央部分で第1回転駆動軸24Aによって支持されている。
また、台座24は点検棒2の左方向(
図7中矢印E方向)又は右方向(
図7中矢印F方向)へ回転するように脚部材25の横脚部25Aの中央部分で第1回転駆動軸24Aと軸方向が直交する第2回転駆動軸24Bによって支持されている。各回転駆動軸24A、24Bには電動モータ26、27が取付けられている。
各電動モータ26、27は制御部20に接続されており、制御部20内のマイコンによって駆動制御される。
【0054】
脚部材25の横脚部25Aの両端には縦脚部25B、25Bが設けられている。各縦脚部25B、25Bの先端には脚部材25を位置決め固定するための足部28、28が設けられている。各足部28、28の底面には吸盤(図示は省略)が取付けられている。
【0055】
(端末装置)
点検装置1は点検棒駆動部5及び基台駆動部6を遠隔操作するための端末装置であるスマートフォン40を有している。前記スマートフォン40はWi−Fiを使用して制御部20に接続されている。
スマートフォン40の遠隔操作によって各電動モータ18、19、26、27の駆動が制御され、点検棒2は所定の長さに伸縮駆動制御されるとともに点検棒2は上下左右に回転駆動制御される。
この構成によれば、特別な端末装置を必要とせず、作業者が日頃から携帯しているスマートフォン40を利用して点検棒2の伸縮駆動を行える。
なお、本発明は端末装置としてパーソナルコンピュータも使用できる。
【0056】
基台4には制御部20が設置されている。制御部20内のマイコンによって、各電動モータ18、19、26、27の駆動が制御される。制御部20はケーブル(図示は省略)を介して駆動源となるDC18Vのバッテリー(図示は省略)に接続されている。
また、制御部20が収納されたケースには各電動モータ16、17、26、27を手動で駆動操作する押しボタンスイッチ20A、20Bが設けられている。通信障害により、スマートフォン40の操作が機能しない場合、押しボタンスイッチ20A、20Bを使用して、各電動モータ16、17、26、27の駆動を制御できる。
なお、本発明は押しボタンスイッチ20A、20Bが備えられていないものにも適用される。
【0057】
点検装置1には、モニター29が備えられている。モニター29は回転ドラム13のハブ部分に取付けられたコネクタ14にケーブル60を介して接続されている。コネクタ14は通信ケーブル9の端末に接続されている。撮像用レンズ部3によって撮影された画像はモニター29の表示部29Aに表示される。
【0058】
この構成によれば、点検場所への立入りが制限されている場所でもスマートフォン40の遠隔操作によって、点検棒2を伸縮又は上下左右に駆動させて点検作業を行えるので点検作業は簡単となる。
また、点検場所の状況をモニター29で確認しながら点検作業を行えるので、精度が高い点検作業が可能となる。
【0059】
なお、本発明は、基台にモニターが備えられているものであっても良い。この場合、モニターに撮影された画像はWi−Fiを使用して離れた場所でスマートフォンやパーソナルコンピュータで見られる。
【0060】
(点検作業)
次に、点検装置1を用いた点検作業の一例について説明する。作業現場は作業者にとって作業が行い難い位家屋の屋根裏の状況を点検する作業であり、屋根裏における雨漏れや電気配線状況を点検する作業、又は動物の糞等の存在の有無を点検する作業である。
先ず、点検棒2を構成する外側筒状部材2A内に各中間筒状部材2B、2C及び内側筒状部材2Dを収納し、点検棒2が最短に縮められた状態にする。
【0061】
次に、点検棒駆動部5が設けられた基台4を基台駆動部6の台座24上に載せて位置決め固定する。この状態で点検装置1を家屋に設けられた天袋や点検口から屋根裏内に入れる。その後、台座24を支持している脚部材25の各足部28、28に取付けられている吸盤を屋根裏の梁や柱等の所定位置に取付けられた樹脂板へ吸着させて、点検装置1を屋根裏の所定の位置に位置決め固定する。なお、梁や柱等の所定位置に鉄板が取付けられている場合は吸盤に変えて電磁石を各足部28、28の先端に取付ける。
【0062】
次に、投光器によって屋根裏を照らし、点検棒2を伸縮又は回転させる作業に入る。ここでは、点検棒駆動部5をスマートフォン40で操作する場合を説明する。
点検棒2を伸ばす場合、作業者はモニター29の表示部29aに表示されている屋根裏の状況を確認しながら、スマートフォン40を操作して、各駆動用ローラ16、17の各電動モータ18、19を正転駆動させる信号を制御部20へ送る。
そうすると、各通信ケーブル駆動用ローラ16、17が回転駆動させられて、通信ケーブル9は回転ドラム13から送り出されるとともに各通信ケーブル駆動用ローラ16、17及び押圧用ローラ21によって通信ケーブル9は点検棒2の先端側へ送り出され、点検棒2を伸ばされる。
点検棒2を縮める場合、作業者はスマートフォン40を操作して、各電動モータ18、19を逆転駆動させる信号を制御部20へ送る。そうすると、通信ケーブル9は引き込まれ、点検棒2は縮められる。
点検棒2を上下左右に回転させるとき、作業者はスマートフォン40を操作して、基台駆動部6の各電動モータ26、27を正転又は逆転駆動させる信号を制御部20へ送る。そうすると、基台4は上下左右に回転駆動させられて、点検棒2は上下左右に回転される。
【0063】
このように、点検棒2を伸縮駆動させ又は点検棒2を上下左右駆動させることによって、点検棒2の先端に取付けられている撮像用レンズ部3を屋根裏の目的の点検位置に送り込むことができる。
点検棒2を伸縮駆動又は上下左右駆動させることによって、点検位置が屋根裏の奥まった位置であっても、モニター29で屋根裏の状況を確認しながら撮像用レンズ部3を点検位置へ素早く送り込み、そして点検位置の状況を撮影して、屋根裏の電気配線状況や雨漏り、又は動物の糞等の存在の有無を点検できる。
【0064】
従って、点検場所の環境が悪い場所であっても、点検作業の作業時間の短縮化が図られる。また、スマートフォン40の遠隔操作によって点検棒2を伸縮又は上下左右に動かして撮像用レンズ部3を点検位置に送り込むことができるので、点検作業は簡単なものとなる。
【0065】
なお、点検装置1がバッテリー、投光器(図示は省略)及び充電器(図示は省略)を備える構成であれば、点検作業の効率が良くなる。
なお、本発明は基台駆動部が備えられていないものにも適用される。
【0066】
(第2の実施形態)
次に、
図8に従い、本発明の第2の実施形態に係る放射線量測定装置について説明する。
放射線量測定装置は、原子力発電所の放射線量を測定する放射線量測定機能を備えたものである。なお、本実施形態に係る放射線量測定装置は、点検部材及び通信ケーブルを除き、他の構成につては、第1の実施形態の点検装置1の構成と基本的に同じである。従って、本実施形態に係る放射線測定装置において、第1の実施形態の点検装置1の構成と同じ部分については同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0067】
図8は、本発明の実施形態2に係る放射線測定装置を模式的に示した外観斜視図であり、点検棒が最長に伸ばされた状態を示す図である。
(全体構成)
図8に示すように、放射線量測定装置70は、放射線量計測器31と、点検棒2の先端に装着された点検部材である放射線感知器30と、点検棒2が位置決め用筒部7を介して取付けられた基台4と、基台4に設けられ点検棒2を伸縮させる点検棒駆動部71と、放射線量測定器31と、ネットワークカメラ32を有している。
【0068】
点検棒2は、第1の実施形態に係る点検装置1と同じように外側筒部材2Aと第1中間筒状部材2Bと第2中間筒状部材2Cと内側筒部材2Dからなる。
点検棒駆動部71は、通信ケーブル72を有し、点検棒2の内側筒状部材2D内へ挿入されている。通信ケーブル72が送り出し又は引き戻されることによって、点検棒2は伸縮される。本実施形態に係る放射線量測定装置70に使用される通信ケーブル72は、硬質樹脂ケーブルであり、全長約5000mmで外径が約6mmのものである。
通信ケーブル72の先端にはコネクタ33が取付けられ、外部へ突出されている。コネクタ33には放射線感知器30が取付けられている。
なお、放射線量測定装置70の点検棒駆動部71の構成において、通信ケーブル72を除く他の構成については、第1の実施形態に係る点検装置1の点検棒駆動部5と構成が同一である。
【0069】
放射線感知器30は内側筒状部材2Dの先端に取付けられる。基台4上には外側筒状部材2Aから導出された通信ケーブル72が巻き取られ収納される回転ドラム13が設置されている。
点検棒2は通信ケーブル72が回転ドラム13から送り出されることによって、伸ばされる。逆に、通信ケーブル72が引き戻されると放射線感知器30が第2中間筒状部材2Cの先端縁、第1中間筒状部材2Bの先端縁に当接して、第1中間筒状部材2Bが外側筒状部材2A内に引き戻され、点検棒2は縮められる。
このように、通信ケーブル72が送り出され又は引き戻されることによって、点検棒2は伸縮駆動される。
【0070】
放射線量測定装置70には放射線量測定装置70を担ぐための肩掛けベルト35が備えられている。点検棒2は、押しボタンスイッチ20A、20Bの操作によって点検棒駆動部71を操作して伸縮駆動される。なお、スマートフォン40で点検棒駆動部71を操作することもできる。スマートフォン40はWi−Fiを使用して制御部20に接続されている。作業者は、押しボタンスイッチ20A、20B又はスマートフォン40によって各電動モータ18、19の駆動を制御し、点検棒2を所定の長さに伸縮することができる。
【0071】
放射線量測定装置70には、放射線量測定器31が備えられている。放射線量測定器31は回転ドラム13のハブ部分に取付けられたコネクタ14にケーブル61を介して接続されている。コネクタ14は通信ケーブル72の端末に接続されている。放射線感知器30によって感知された放射線量は通信ケーブル72を介して放射線量測定器31の表示部31Aに表示される。基台4にはネットワークカメラ32が取付けられている。放射線量測定器31の表示部31Aに表示された放射線量はネットワークカメラ32にて撮影されてネットワーク通信によりパーソナルコンピュータに記録される。
【0072】
この構成によれば、測定場所への立入りが制限されている場所でも押しボタンスイッチ20A、20B又はスマートフォン40によって、点検棒2を素早く伸縮させて測定作業を行えるので測定は短時間で終了することができる。短時間で測定作業が行えるので、測定者は放射線の被ばく量を大幅に軽減することができる。
【0073】
(測定作業)
次に、事故が発生した原子力発電所を想定し、放射線量測定装置70を使用して放射線量を測定する作業について説明する。
先ず、点検棒2を構成する外側筒状部材2A内に各中間筒状部材2B、2C及び内側筒状部材2Dを収納し、点検棒2が最短に縮められた状態にする。
【0074】
点検棒2を伸縮させる作業に入る。ここでは、点検棒駆動部71をスマートフォン40で操作する場合を説明する。
点検棒2を伸ばす場合、第1の実施形態に係る点検装置1と同じように、作業者はスマートフォン40を操作して、各電動モータ18、19を正転駆動させる信号を制御部20へ送る。
そうすると、通信ケーブル72は回転ドラム13から送り出され、点検棒2が伸ばされる。
点検棒2を縮める場合、作業者はスマートフォン40を操作して、各電動モータ18、19を逆転駆動させる信号を制御部20へ送る。そうすると、通信ケーブル9は引き込まれ、点検棒2は縮められる。
【0075】
このよう、点検棒2を伸縮駆動させることによって、点検棒2の先端に取付けられている放射線感知器30を素早く目的の測定位置に送り込むことができる。
点検棒2を自動で伸縮駆動させることによって短時間で放射線量測定ができる。従って、点検場所の環境が悪い場所であっても、点検作業の作業時間の短縮化が図られる。
【0076】
次に、放射線量測定装置70を自走ロボットに取付けて、自走ロボットからの遠隔操作で放射線測定装置を駆動させる実施形態について説明する。
自走ロボットに放射線量測定装置70を取付けることによって、測定作業現場が放射線で汚染され立入りが制限されている作業現場であっても、放射線量測定装置70を測定場所まで移動させることができる。
この実施形態の場合、図示は省略するが、第1の実施形態に係る点検装置1を構成する基台駆動部6が備えられる。
そして、測定作業現場で点検棒2を素早く伸縮又は上下左右に回転させて、点検棒2の先端に取付けられた放射線感知器30を目的の測定位置に送り込み、その場所の放射線量の測定を迅速に短時間で行うことができる。従って、作業者の被ばく量の大幅な軽減が図られる。
【0077】
放射線量測定装置70は、磁石によって自走ロボットの最上部に吸着せ、自走ロボットに取り付けられる。なお、自走ロボットはパンチルドカメラを有し、広範囲を撮影することが可能である。なお、自走ロボットの走行はWi−Fiを使用してスマートフォン又はパーソナルコンピュータで操作する。
このように、放射線量測定装置70を自走ロボットに取付けることによって、測定場所への立入りが制限されている場所でもスマートフォンやパーソナルコンピュータの遠隔操作によって、放射線量測定装置70を足場の悪い場所や高所の点検場所まで移動させることができる。そして、その場所で点検棒2を素早く伸縮又は上下左右に回転させて、点検棒2の先端に取付けられた放射線感知器30を目的の測定位置に送り込み、その場所の放射線量の測定を迅速に短時間で行うことができる。従って、作業者の被爆線量の軽減が図られる。
また、測定した放射線量をネットワークカメラ32にて撮影し、ネットワーク通信によりパーソナルコンピュータで確認しながら測定作業を行えるので、精度が高い安全な測定作業を実現する。
【0078】
本発明は、点検部材として温度測定器、大気圧測定器等を使用し、点検部材で測定されたデータは通信ケーブルを介してデータ保管部に送信され保管される構成のものにも適用される。この場合、通信ケーブルは点検棒を押し出す力が付与されるように、硬質で且つ柔軟性を有するものである必要がある。
【0079】
また、本発明は、ローラユニットのケーブル駆動用ローラが少なくとも1個備えられていればよく、ケーブル駆動用ローラの設置個数には限定されない。
【0080】
また、本発明は、ケーブル駆動用ローラに電動モータが取付けられてなく、ケーブル駆動用ローラの回転軸にギアを取付け、このギアをハンドルで回転させることによって、ケーブル駆動用ローラを回転駆動させて、通信ケーブルを送り出し又は引き込み駆動させるものであっても良い。また、基台を手動で上下左右に回転駆動させて、点検部材を目的の点検位置に送り込む構成のものであっても良い。
【0081】
また、本発明は、基台駆動部が高さ調整自在な三脚に取付けられたものであっても良い。この場合、三脚の高さ調整によって点検装置を点検場所の目的の位置へ設置できる。
【0082】
また、本発明は通信ケーブルの送り出し又は引き込み駆動をラック&ピニオン機構で行う構成のものであっても良い。この場合、通信ケーブルとしてラック部が全長に亘って形成された帯状の通信ケーブルが使用される。基台にケーブルの走行路に沿ってケーブルのラック部が噛合される2個のピニオンギアが設ける。ピニオンギアは電動モータによって回転駆動される。ケーブルを巻回収納する回転ドラムは基台上に横置きに設置され、回転ドラムは電動モータによって回転駆動される。ピニオンギアの回転駆動及び回転ドラムの回転駆動により、通信ケーブルが送り出され又は引き戻され、点検棒が伸縮駆動される。
なお、通信ケーブル走行路において、通信ケーブルを間に挟み各ピニオンギアの間に対向する位置に通信ケーブルに押圧力を付与する押圧用ローラを設ければ、通信ケーブルの送り出し又は引き戻しに大きなトルクを持って駆動させることができ、通信ケーブルの駆動は確実且つ安定したものとなる。
なお、回転ドラムは通信ケーブルを巻回収納する機能のみを有する構成であっても良い。
通信ケーブルの送り出し又は引き戻し駆動にラック&ピニオン機構を用いれば、点検棒の
伸縮駆動にトルクが要求され又は加重が係るものに好適である。
【0083】
このように、本発明の構成によれば、点検棒の伸縮駆動によって、点検部材を目的の点検位置へ素早く送り込むことができ、点検作業の時間短縮が図れ、点検作業は簡単となる。また、点検棒の構造も簡単なものとなる。
【0084】
本発明は上述した実施形態には限定されない。すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【符号の説明】
【0086】
1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・点検装置
2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・点検棒
2A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外側筒状部材
2B・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1中間筒状部材
2C・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2中間筒状部材
2D・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内側筒状部材
3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・撮像用レンズ部(点検部材)
4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・基台
5、71・・・・・・・・・・・・・・・・・点検棒駆動部
6・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・基台駆動部
9、72・・・・・・・・・・・・・・・・・通信ケーブル
13・・・・・・・・・・・・・・・・・・・回転ドラム
14、33・・・・・・・・・・・・・・・・コネクタ
18、19、26、27・・・・・・・・・・電動モータ
15・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ローラユニット
16、17・・・・・・・・・・・・・・・・通信ケーブル駆動用ローラ
20・・・・・・・・・・・・・・・・・・・制御部
20A、20B・・・・・・・・・・・・・・押しボタンスイッチ
21・・・・・・・・・・・・・・・・・・・押圧用ローラ
22・・・・・・・・・・・・・・・・・・・通信ケーブル走行案内部材
23・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マイクロフォトセンサ
24A・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1回転駆動軸
24B・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2回転駆動軸
29・・・・・・・・・・・・・・・・・・・モニター
29A・・・・・・・・・・・・・・・・・・表示部
30・・・・・・・・・・・・・・・・・・・放射線感知器(点検部材)
31・・・・・・・・・・・・・・・・・・・放射線量測定器
31A・・・・・・・・・・・・・・・・・・表示部
32・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ネットワークカメラ
35・・・・・・・・・・・・・・・・・・・肩掛けベルト
40・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スマートフォン
50・・・・・・・・・・・・・・・・・・・通信ケーブル走行路
60、61・・・・・・・・・・・・・・・・ケーブル
70・・・・・・・・・・・・・・・・・・・放射線量測定装置(点検装置)
【課題】 点検場所の作業環境が悪い場所であっても、点検部材を素早く目的の点検位置へ送り込むことができ、点検作業の時間短縮が図れ、点検作業が簡単となる点検装置を提供する。
【解決手段】 点検装置1は、点検棒2と、点検棒2の先端に装着された点検部材となる撮像用レンズ部3と、点検棒2が取付けられた基台4と、基台4に設けられ点検棒2を伸縮させる点検棒駆動部5と、点検棒2が上下左右に回転自在となるように基台4を回転駆動させる基台駆動部6を有し、点検棒2は伸縮駆動及び/又は上下左右に回転駆動させられ、撮像用レンズ部3は目的の点検位置へ送り込まれる。