(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1〜2の方法では、予め溶着や接着などの手段によって2枚のスクリーンの向かい合う折り目同士を連結する工程が必須であるが、この工程は煩雑である。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、複層の生地が一体化され且つ断熱性に優れた遮蔽装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、ヘッドボックスから垂下され且つ前後方向に並べて配置された第1及び第2遮蔽材を一緒に昇降させる昇降コードを備える遮蔽装置であって、第1及び第2遮蔽材は、互いに溶着又は接着されておらず互いに分離可能な別々の遮蔽材であり、第1及び第2遮蔽材の両方に前記昇降コードを挿通させることなく第1及び第2遮蔽材が前後方向に離間することを防ぐ離間抑制手段を備える、遮蔽装置が提供される。
【0008】
本発明の遮蔽装置は、第1及び第2遮蔽材が、互いに溶着又は接着されておらず互いに分離可能な別々の遮蔽材であるので、ユーザーが第1及び第2遮蔽材用の生地を自由な組み合わせで選択して製造することができ、少量生産に適している。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、第1及び第2遮蔽材は、それぞれ、プリーツ生地であり、保持部によって第1及び第2遮蔽材の折り目のピッチを保持可能なピッチ保持コードを備え、前記ピッチ保持コードは、第1及び第2遮蔽材を挟んで前記昇降コードとは反対側に設けられか、又は第1及び第2遮蔽材の一方を前記昇降コードとの間に挟み且つ第1及び第2遮蔽材の他方に挿通され、且つ前記保持部によって前記昇降コードと連結されて前記離間抑制手段として機能するように構成される。
好ましくは、前記保持部は、第1及び第2遮蔽材の同一方向の折り目に挿通される。
好ましくは、前記保持部は、第1及び第2遮蔽材の異なる方向の折り目に挿通される。
好ましくは、第1及び第2遮蔽材は、それぞれ、プリーツ生地であり、第1及び第2遮蔽材は、前記ヘッドボックスの略同一位置から垂下され、且つその折り目のピッチが互いに異なる。
好ましくは、第1及び第2遮蔽材は、前記ヘッドボックスの前後方向に離間された位置から垂下される。
好ましくは、第1及び第2遮蔽材の間に離間部材を備える。
好ましくは、前記昇降コードは、第1及び第2遮蔽材の間に配置され、前記離間抑制手段は、第1遮蔽材と前記昇降コードが離間することを防ぐ第1離間抑制手段と、第2遮蔽材と前記昇降コードが離間することを防ぐ第2離間抑制手段を備える。
好ましくは、第1及び第2遮蔽材は、互いに異なる種類の遮蔽材である。
好ましくは、第1遮蔽材は、シェード生地であり、第2遮蔽材は、プリーツ生地である。
好ましくは、前記昇降コードは、第1遮蔽材のみに挿通され、前記離間抑制手段は、第2遮蔽材と前記昇降コードが離間することを防ぐように構成される。
好ましくは、第1遮蔽材は、第2遮蔽材に向かう方向の折り目に接合部を備え、前記昇降コードは、前記接合部に挿通される。
好ましくは、第1及び第2遮蔽材の少なくとも一方は、プリーツ生地であり、保持部によって前記プリーツ生地の折り目のピッチを保持可能なピッチ保持コードを備え、前記ピッチ保持コードは、第2遮蔽材を挟んで前記昇降コードとは反対側に設けられるか又は第2遮蔽材に挿通され、且つ前記保持部によって前記昇降コードと連結されて前記離間抑制手段として機能するように構成される。
好ましくは、第2遮蔽材は、第1遮蔽材に向かう方向の折り目に接合部を備え、第1及び第2遮蔽材の少なくとも一方は、プリーツ生地であり、保持部によって前記プリーツ生地の折り目のピッチを保持可能なピッチ保持コードを備え、前記ピッチ保持コードは、前記接合部に挿通される。
【0010】
本発明の別観点によれば、第1及び第2生地に対してプリーツ加工を施してプリーツ生地からなる第1及び第2遮蔽材を形成し、第1及び第2遮蔽材を重ねた状態で、ピッチ保持コードの保持部を第1及び第2遮蔽材に挿通させて昇降コード挿通部を形成し、前記昇降コード挿通部に昇降コードを挿通させる工程を備える、遮蔽装置の製造方法が提供される。
【0011】
本発明のさらに別観点によれば、リングを有するリングテープの縫製加工を第1生地に対して施してシェード生地からなる第1遮蔽材を形成し、ピッチ保持コードの保持部を第1遮蔽材に挿通させて昇降コード挿通部を形成し、第2生地に対してプリーツ加工を施してプリーツ生地からなる第2遮蔽材を形成し、前記リング及び前記昇降コード挿通部に昇降コードを挿通させる工程を備える、遮蔽装置の製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の種々の実施形態について説明する。以下の示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0014】
(第1実施形態)
図1を用いて、本発明の第1実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態の遮蔽装置では、ヘッドボックス1から垂下され且つ上下方向にジグザグ状に折り畳み可能である2枚のプリーツ生地(第1及び第2遮蔽材)12,22を備える。2枚のプリーツ生地12,22は、前後方向に並べて配置され、ヘッドボックス1下面の略同一位置から垂下される。プリーツ生地12,22は、互いに溶着又は接着されておらず互いに分離可能な別々の生地である。プリーツ生地12は、折り目間のピッチがプリーツ生地22よりも大きくなっているので、
図1(b)〜(c)に示すように折り目9の位置を合わせた状態でプリーツ生地12,22の間に空気層Sが形成されて断熱性が高められている。また、折り目9の位置では、プリーツ生地12,22の間の間隔が非常に狭くなって(又は接触して)いるので、プリーツ生地12,22の間での上下方向の対流が抑制されて断熱性が一層高められている。ピッチ保持コード6の縦糸と昇降コード5を規制する保持部(ピコ)7の長さは、ピッチ保持コード6の縦糸と昇降コード5間の距離が2枚のプリーツ生地12,22が畳まれた状態の幅より長くなっており、2枚のプリーツ生地12,22はスムーズに折り畳み可能である。
【0015】
プリーツ生地12,22の下端には、ボトムレール3が取着される。ボトムレール3には、昇降コード5の一端が取着されている。昇降コード5の他端は、ヘッドボックス1内を通って、ヘッドボックス1の一端に設けられたコード出口19から垂下される。コード出口19から垂下された複数の昇降コード5の先端には、コードイコライザー8が取着され、コードイコライザー8を把持して複数本の昇降コード5をまとめて操作することを可能にしている。コード出口19近傍又はヘッドボックス1内には、図示しないストッパが設けられており、昇降コード5の非操作時に昇降コード5の移動を妨げてボトムレール3を所望位置に保持することが可能になっている。本実施形態では、昇降コード5は、ボトムレール3の幅方向の2箇所に設けられており、その一方は、プリーツ生地12,22の部屋外側、他方は、プリーツ生地12,22の部屋内側に設けられることによって、ボトムレール3を昇降させる際にボトムレール3が前後方向に傾斜しないようになっている。なお、昇降コード5の数は特に限定されず、例えば、昇降コード5の数が3本の場合は、中央の昇降コード5を部屋内側、両端の昇降コード5を部屋外側に配置したり、その逆の配置にしたりすることができる。
【0016】
プリーツ生地12,22を挟んで各昇降コード5に対向する位置には、ピッチ保持コード6が設けられる。ピッチ保持コード6は、一端がヘッドボックス1に取着され、他端がボトムレール3に取着される。ピッチ保持コード6には、あらかじめ設定された間隔で複数の環状の保持部7が設けられる。各保持部7にプリーツ生地12,22を挿通させると、保持部7の一部が昇降コード5側に昇降コード挿通部7aを形成する。昇降コード5を昇降コード挿通部7aに挿通させると、昇降コード5とピッチ保持コード6の間の最大距離が保持部7によって規制される。そして、昇降コード5とピッチ保持コード6によって挟まれたプリーツ生地12,22が前後方向に離間することも規制される。従って、本実施形態では、保持部7によって連結された昇降コード5とピッチ保持コード6が特許請求の範囲の「離間抑制手段」として機能する。
【0017】
図1(b)〜(c)に示すように、保持部7は、部屋外側方向の折り目9においてプリーツ生地12,22に挿通されている。保持部7の挿通箇所では、プリーツ生地12,22にはピンホールが形成される。ピンホールは、予め形成してもよく、保持部7を挿通させる際に形成してもよい。
図1(b)〜(c)では、プリーツ生地12,22の折り目9の高さ位置が一致しているので、ピンホールを通じた光漏れが生じる虞れがある。このような光漏れを抑制すべく、プリーツ生地12,22の折り目9の高さ位置をずらしてもよい。
【0018】
ここで、本実施形態の遮蔽装置の製造方法の生地部組み立て工程について説明する。
まず、プリーツ生地12用の生地とプリーツ生地22用の生地に対してプリーツ加工を施して、プリーツ生地12,22を作製する。
次に、プリーツ生地12,22を重ねた状態で保持部7をプリーツ生地12,22に挿通させて、昇降コード挿通部7aを形成する。
次に、昇降コード挿通部7aに昇降コード5又はダミーコードを挿通させることにより生地部組み立てが終了する。
その後、プリーツ生地12,22をヘッドボックス1から垂下させる製品組立工程を経て昇降可能な製品として完成される。なお、生地部組み立てにおいて、昇降コード挿通部7aにダミーコードを挿通させた場合は、製品組立工程において、ダミーコードに昇降コード5を接合し、ダミーコードを引き抜くことによって昇降コード挿通部7aに昇降コード5を挿通させる。
【0019】
このように本実施形態では、プリーツ生地12,22を溶着又は接着しないので、プリーツ生地12用の生地とプリーツ生地22用の生地をユーザーが自由に選択してオーダーすることができるので、ユーザーの好みに合った製品を製造することが容易になる。また、溶着又は接着済のプリーツ生地は在庫リスクが高いが、本実施形態によれば、そのようなリスクを無くすことができる。さらに、プリーツ生地12,22は、昇降コード挿通部7aに昇降コード5を挿通させることによって一体化されているので、プリーツ生地12,22の間に虫などの異物が入り込んだ場合には、昇降コード挿通部7aから昇降コード5を引き抜くことによって、プリーツ生地12,22の一体状態を容易に解除することができる。プリーツ生地12,22の一方をあとから別の生地へ交換することも可能である。
【0020】
(第2実施形態)
図2を用いて、本発明の第2実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、保持部7の挿通位置の違いが主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0021】
第1実施形態では保持部7がプリーツ生地12,22の同一方向(部屋外側方向)の折り目9に挿通されているが、本実施形態では、保持部7は、
図2(b)〜(c)に示すように、保持部7は、プリーツ生地12については部屋内側方向の折り目9に挿通され、プリーツ生地22については部屋外側方向の折り目9に挿通される。このような構成によれば、保持部7の挿通箇所においてプリーツ生地12,22に形成されるピンホールの高さ位置がずれるので、光漏れを低減することができる。また、プリーツ生地12,22の間の空気層Sが厚くなることによって断熱性が向上する。さらに、プリーツ生地12,22の最小離間位置Cでのプリーツ生地12,22間の距離が比較的短いので、プリーツ生地12,22間での上下方向の対流を抑制することができる。
【0022】
(第3実施形態)
図3を用いて、本発明の第3実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、プリーツ生地12,22の垂下位置の違いが主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0023】
第1実施形態ではプリーツ生地12,22は、ヘッドボックス1下面の略同一位置から垂下させたが、本実施形態では、
図3に示すように、プリーツ生地12,22は、ヘッドボックス1下面の前後方向に離間させた位置から垂下させる。また、第1実施形態では、プリーツ生地12,22は、ボトムレール3の略同一位置に取着させたが、本実施形態では、プリーツ生地12,22は、ボトムレール3の前後方向に離間させた位置に取着させる。また、本実施形態では、プリーツ生地12,22の折り目のピッチが同一になっている。
【0024】
このような構成によれば、プリーツ生地12,22間に均一な厚さの空気層Sを形成することができるので、断熱性を向上させることができる。
【0025】
(第4実施形態)
図4を用いて、本発明の第4実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態は、第3実施形態に類似しており、プリーツ生地12,22の間に離間部材23を設けた点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0026】
図4に示すように、本実施形態では、プリーツ生地12,22の間に離間部材23が設けられている。離間部材23によってプリーツ生地12,22の前後方向距離が広がって、空気層Sが厚くなる。このため、本実施形態によれば断熱性がさらに高められる。
【0027】
離間部材23は、プリーツ生地12,22を前後方向に離間させることができるものであれば、その形状は特に限定されず、例えば、コード状、テープ状、シート状である。また、プリーツ生地12,22の間に離間部材23として昇降コードを配置し、プリーツ生地12,22の前後に配置された昇降コード5と同時に引き上げてもよい。
【0028】
(第5実施形態)
図5を用いて、本発明の第5実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、重なり部を設けた点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0029】
本実施形態は、一方の生地の折り目9に重なるよう他方の生地の折り目9を設け、一体化した点が特徴である。
第1実施形態ではプリーツ生地12,22は同数の折り目9を有しており、保持部7は、プリーツ生地12,22の同一段の折り目9においてプリーツ生地12,22に挿通させたが、本実施形態では、プリーツ生地22の折り目9の数は、プリーツ生地12の折り目の数と異なっており、保持部7は、プリーツ生地12,22の互いに異なる段の折り目9においてプリーツ生地12,22に挿通させる。より具体的には、プリーツ生地22の折り目9の数は、プリーツ生地12の折り目の数の整数倍であり、保持部7は、プリーツ生地12,22の折り目9の高さ位置が一致した箇所において、プリーツ生地12,22に挿通させる。このような構成によれば、厚い空気層Sを形成しつつ、プリーツ生地12,22間での上下方向の対流を抑制することができる。本実施形態では、ピッチ保持コード6の保持部7を双方のプリーツ生地12,22の折り目9が重なっている位置で挿通したが、プリーツ生地12,22の折り目9が重なっていない位置(例えば矢印R1で示す位置)において、片方のプリーツ生地22の折り目9で挿通しても良い。また、双方のプリーツ生地12,22について折り目9の無い位置(例えば矢印R2で示す位置)で挿通しても良い。
【0030】
(第6実施形態)
図6を用いて、本発明の第6実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、離間抑制手段の構成の違いが主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0031】
本実施形態では、
図6(a)〜(d)で例示される構成例1〜4のジョイント部材25によって離間抑制手段が構成される。
【0032】
図6(a)に示す構成例1では、ジョイント部材25は、基部25aが所定機能を備え先端がT字の鉛直方向に屈曲性のある抜け止め25cとなっているタグピンであり、先端の抜け止め25cは座屈せず生地に刺さるものである。この構成例のジョイント部材25は、基部25aと、抜け止め25cと、これらの間の挿通部25bとを備える。バノックガンを用いて抜け止め25cをプリーツ生地12,22に打ち込んで、抜け止め25cにプリーツ生地12,22を貫通させると
図6(a)に示すように、挿通部25bがプリーツ生地12,22に挿通され且つプリーツ生地12,22の前後に基部25a及び抜け止め25cが配置されて、ジョイント部材25によってプリーツ生地12,22が一体化されてプリーツ生地12,22が前後方向に離間することが抑制される。
【0033】
図6(b)に示す構成例2では、ジョイント部材25は、昇降コード挿通孔25d付きのバノックピンである。構成例2のジョイント部材25のプリーツ生地12,22への取り付け方法は、構成例1と同様である。構成例2では、ジョイント部材25の昇降コード挿通孔25dに昇降コード5を挿通させる。
【0034】
図6(c)に示す構成例3では、ジョイント部材25は、糸状部25eと抜け止め25cとを備える。糸状部25eをプリーツ生地12,22に挿通させると、挿通させた部分によって環状の昇降コード挿通部25cが形成される。この昇降コード挿通部25cに昇降コード5を挿通させることによって
図6(c)に示す構成が得られる。
図6(c)の状態では、プリーツ生地12,22は、糸状部25eによって連結された昇降コード5と抜け止め25cによって挟まれているので、プリーツ生地12,22が前後方向に離間することが抑制される。
【0035】
図6(d)に示す構成例4では、ジョイント部材25は、基部25aと、基部25aの両端から基部25aに対して略垂直に延びる挿入部25fとを備える。挿入部25fをプリーツ生地12,22に挿通させ、挿通させた部分を屈曲させることによって
図6(d)に示すように昇降コード挿通部25cを形成し、この昇降コード挿通部25cに昇降コード5を挿通させることによって
図6(d)に示す構成が得られる。
図6(d)の状態では、プリーツ生地12,22は、基部25aと、屈曲させた挿入部25fによって挟まれているので、プリーツ生地12,22が前後方向に離間することが抑制される。
【0036】
以上の構成によれば、ピッチ保持コード6を使用することなく、プリーツ生地12,22が前後方向に離間することを抑制することができる。
【0037】
(第7実施形態)
図7を用いて、本発明の第7実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態は、離間抑制手段を備え、共通の昇降コード5を用いて2つの遮蔽材を昇降させるという点で第1実施形態と共通しており、遮蔽材の種類と、昇降コード5の配置の違いが主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0038】
本実施形態では、ヘッドボックス1から垂下される遮蔽材は、シェード生地32とプリーツ生地22であり、昇降コード5は、シェード生地32とプリーツ生地22の間に配置される。昇降コード5の下端にはウェイトバー35が固定される。ウェイトバー35から部屋外側に向かって延長部37が延びている。プリーツ生地22は、ウェイトバー35上に折り畳まれる。プリーツ生地22の部屋外側には、ヘッドボックス1と延長部37の間に、環状の保持部7を有するピッチ保持コード6が設けられている。シェード生地32には、複数のリング33を有するリングテープ34が取り付けられている。シェード生地32の下端と、ウェイトバー35には、互いに対となる面ファスナー45,46が設けられおり、シェード生地32がウェイトバー35に対して着脱可能になっている。
【0039】
保持部7をプリーツ生地22に挿通させることによって昇降コード挿通部7aを形成し、昇降コード挿通部7aとリング33に昇降コード5を挿通させることによって
図7に示す構成が得られる。
図7に示す構成では、保持部7によって連結されたピッチ保持コード6と昇降コード5の間にプリーツ生地22が挟まれているので、プリーツ生地22と昇降コード5が離間することが抑制される。また、リング33に昇降コード5を挿通することによって、シェード生地32と昇降コード5が離間することが抑制される。
【0040】
また、リング33には返しがついたギャップ33aを有しており、ギャップ33aを通じてリング33内へ昇降コード5を挿入することができるが、ギャップ33aには返しが設けられているので昇降コード5がギャップ33aを通じてリング33から容易には外れないようになっている。昇降コード5をリング33から外す際には、
図8(a)〜(c)に示すように、昇降コード5のリング33よりも上側の部分を、ギャップ33aを通じてリング33内に挿入し、
図8(d)に示すようにリング33の下側に引き抜くことによって、昇降コード5をリング33から外すことができる。このような構成によれば昇降コード5をヘッドボックス1から外すことなく、シェード生地32を遮蔽装置から取り外すことができる。
【0041】
ここで、本実施形態の遮蔽装置の製造方法の生地部組み立て工程について説明する。
まず、プリーツ生地22用の生地に対してプリーツ加工を施してプリーツ生地22を作製し、保持部7をプリーツ生地22に挿通させて昇降コード挿通部7aを形成する。
次に、シェード生地32にリングテープ34を縫製加工する。
次に、昇降コード挿通部7aとリング33に昇降コード5を挿通させる。
【0042】
このように本実施形態によれば、互いに異なる種類の遮蔽材を有する遮蔽装置を容易に製造することができる。また、プリーツ生地22とシェード生地32の間には空気層が形成されるので断熱性が優れている。さらに、昇降コード5が2つの生地の間に配置されるので、人やペットなどが昇降コード5に引っ掛かるようなことが無く安全性が優れている。
【0043】
(第8実施形態)
図9を用いて、本発明の第8実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態は、第7実施形態に類似しており、シェード生地32の代わりに、接合部12aを有するプリーツ生地12を用いている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0044】
本実施形態では、プリーツ生地12の背面側の折り目を所定の幅で接合することによって接合部12aを形成している。接合は超音波溶着、縫着、接着等による。接合部12aには、コード挿通孔12bが設けられ、コード挿通孔12bに昇降コード5が挿通される。
【0045】
昇降コード5は、プリーツ生地22に挿通された保持部7の昇降コード挿通部7aにも挿通されており、接合部12aが保持部7によって支持されることによってプリーツ生地12の折り目のピッチが保持されている。
【0046】
本実施形態では、共通の昇降コード5がコード挿通孔12bと昇降コード挿通部7aに挿通され、保持部7によって連結された昇降コード5とピッチ保持コード6によってプリーツ生地12,22が一体化される。本実施形態では、プリーツ生地22の保持部7を挿通したピンホールからの光漏れがプリーツ生地12で防止される。
【0047】
(第9実施形態)
図10〜
図11を用いて、本発明の第9実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態は、第8実施形態に類似しており、ピッチ保持コード6がプリーツ生地22に挿通されている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0048】
本実施形態では、ピッチ保持コード6がプリーツ生地22に挿通される。ピッチ保持コード6の保持部7は、プリーツ生地22に挿通されておらず、昇降コード挿通部7aとなっている。昇降コード挿通部7aには、昇降コード5が挿通されている。また昇降コード5は、プリーツ生地12の接合部12aに設けられたコード挿通孔12bにも挿通されている。
【0049】
このように、本実施形態では、共通の昇降コード5がコード挿通孔12bと昇降コード挿通部7aに挿通され、保持部7によって連結された昇降コード5とピッチ保持コード6によってプリーツ生地12,22が一体化される。
図10のようにボトムレール3の前後幅はプリーツ生地12とプリーツ生地22とを積層可能な幅があり、略中央に昇降コードが取着されボトムレール3により昇降可能となっている。
【0050】
(第10実施形態)
図12を用いて、本発明の第10実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態は、第9実施形態に類似しており、昇降コード5とピッチ保持コード6の配置が逆になっている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0051】
本実施形態では、プリーツ生地22には昇降コード5が挿通されており、プリーツ生地12の接合部12aに設けられたコード挿通孔12bにはピッチ保持コード6が挿通されている。ピッチ保持コード6の保持部7は昇降コード挿通部7aとなっており、昇降コード挿通部7aには昇降コード5が挿通されている。
【0052】
このように、共通の昇降コード5がプリーツ生地22と昇降コード挿通部7aに挿通され、保持部7によって連結された昇降コード5とピッチ保持コード6によってプリーツ生地12,22が一体化される。
【0053】
・なお、プリーツ生地12,22の一方に設けた接合部に昇降コード5を挿通させ、プリーツ生地12,22の他方に設けた接合部にピッチ保持コード6を挿通させ、ピッチ保持コード6に設けた保持部7によって昇降コード5とピッチ保持コード6を連結させることによってプリーツ生地12,22を一体化させてもよい。部屋内側のプリーツ生地12の接合部は、プリーツ生地22の方向の折り目に設けることが好ましい。部屋外側のプリーツ生地22の接合部は、プリーツ生地12の方向の折り目に設けてもよく、プリーツ生地12とは反対方向の折り目に設けてもよい。
【0054】
(第11実施形態)
図13を用いて、本発明の第11実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、ピッチ保持コード6がプリーツ生地12に挿通され且つ保持部7がプリーツ生地22のみに挿通されている点が主な相違点である。本実施形態でも保持部7によって連結された昇降コード5とピッチ保持コード6によってプリーツ生地12,22が一体化される。