【実施例】
【0022】
図1に示すように、車両用ブレーキ制御装置10は、ブレーキレバー11で操作される液圧マスタシリンダ(単に、マスタシリンダとも言う。)12と、このマスタシリンダ12へ作動液を補充すると共に余剰の作動液を蓄えるリザーバタンク13と、リザーバタンク13に貯留された作動液を吸入して吐出するソレノイドポンプ14と、マスタシリンダ12、リザーバタンク13、ソレノイドポンプ14を繋ぐ液路20と、この液路20に介設される少なくとも二つの制御弁(例えば、入口制御弁15と出口制御弁16)とを備えており、一個の基体18に一括収納もしくは装着される。
【0023】
基体18に設けた外部接続口31とブレーキキャリパ32とを配管33で結ぶことにより、液圧をブレーキキャリパ32に送り、ブレーキディスク34を制動状態にすることができる。
【0024】
入口制御弁15は常開電磁弁であり、出口制御弁16は常閉電磁弁である。常開電磁弁は非通電時に開いている電磁弁である。常閉電磁弁は非通電時に閉じている電磁弁である。ソレノイドポンプ14の構造は後述するが、吸入弁63・吐出弁64を内蔵している。入
【0025】
口制御弁15、出口制御弁16は、制御装置100により開閉が制御され、ソレノイドポンプ14も制御装置100により作動・停止が制御される。
【0026】
液路20は、リザーバタンク13とマスタシリンダ12を結ぶ第1液路21と、マスタシリンダ12と入口制御弁15とを結ぶ第2液路22と、入口制御弁15から第1分岐部23aに繋がる第3液路23と、リザーバタンク13とソレノイドポンプ14の吸入口とを結ぶ吸入路24と、ソレノイドポンプ14の吐出口から後述の流路27の第2分岐部27aに繋がる第4液路25と、第1分岐部23aから出口ポート31に繋がる第5液路27と、第1分岐部23aと出口制御弁16を結ぶ第6液路28と、出口制御弁16とリザーバタンク13とを結ぶ環流路29とを備えている。
【0027】
・通常状態:車輪がロックされる心配がないときは、ソレノイドポンプ14は停止し、入口制御弁15が開いており、出口制御弁16が閉じている。ブレーキレバー11を握ると、マスタシリンダ12で液圧が高められ、この液圧が第2液路22、入口制御弁15、第3液路23、第5液路27及び配管33を介してブレーキキャリパ32に伝えられる。
【0028】
・ABS(減圧モード):車輪がロックされる心配があるときには、制御装置100は、入口制御弁15を閉じ、出口制御弁16を開く。ソレノイドポンプ14は停止したままである。配管33、第5液路27、第6液路28内の液圧は、出口制御弁16及び環流路29を介してリザーバタンク13へ逃がされる。これでブレーキキャリパ32に作用していたブレーキ液圧が減圧される。
【0029】
・ABS(増圧モード):ABS制御時にブレーキ液圧を増圧すべき場合には、制御装置100は、入口制御弁15と出口制御弁16を共に閉じ、ソレノイドポンプ14を作動させる。ソレノイドポンプ14は、吸入路24を介してリザーバタンク14に貯留された作動液を吸入して、第4液路25に吐出し、吐出された作動液は、第4液路25、第5液路27及び配管33を介してブレーキキャリパ32に伝えられる。
【0030】
・ABS(保持モード):ABS制御時にブレーキ液圧を保持すべき場合には、制御装置100は、入口制御弁15と出口制御弁16を共に閉じたままで、ソレノイドポンプ14を停止する。作動液が、第4液路25、第5液路27、配管33、第6液路28及び第3液路23に封じ込められ、ブレーキキャリパ32に作用するブレーキ液圧が保たれる。
【0031】
図2に示すように、車両用ブレーキ制御装置10は、上部にリザーバタンク13を一体的に備えるブロック状の基体18と、この基体18の前面を覆うカバー状のハウジング36とを備えている。リザーバタンク13の上面を塞ぐリザーバリッド(リザーバキャップ)37を外すことで、リザーバタンク13に作動液を補充することができる。ハウジング36はビス38、38を外すことで基体18から分離することができる。なお、実施例では、「上下」、「左右」、「前後」は、バーハンドル車両のハンドルバーに取り付けた状態を基準とする。
【0032】
図3に示すように、基体18の前面に相当するハウジング取付面39には、入口制御弁15の一部と出口制御弁16の一部とソレノイドポンプ14の一部が前方へ突出している。入口制御弁15の軸線15aと、出口制御弁16の軸線16aと、ソレノイドポンプ14の軸線14aが互いに平行(略平行を含む。)である。
【0033】
なお、入口制御弁15の軸線15aは、入口制御弁15を装着する入口弁装着穴41の中心軸(軸線)を兼ねる。
同様に、出口制御弁16の軸線16aは、出口制御弁16を装着する出口弁装着穴42の中心軸(軸線)を兼ね、ソレノイドポンプ14の軸線14aは、ソレノイドポンプ14を装着するポンプ装着穴43の中心軸(軸線)を兼ねている。
【0034】
図4に示すように、ブロック状の基体18の上部にリザーバタンク13が設けられ、前面のハウジング取付面39に、入口制御弁15を装着する入口弁装着穴41と、出口制御弁16を装着する出口弁装着穴42と、ソレノイドポンプ14を装着するポンプ装着穴43とが、同一面に開口するように形成されている。よって、矢印(1)のように切削工具を移動することで、3つの穴41、42、43を同一方向から加工することができる。
【0035】
次に、基体18の内部に形成される液路20について説明する。
図5に示すように、入口弁装着穴41と出口弁装着穴42が左右に配置され、これらの下方にポンプ装着穴43が配置されている。
【0036】
図5及び
図6に示すように、入口弁装着穴41と出口弁装着穴42より後方に、且つポンプ装着穴43より上に、ピストンを装着するシリンダ孔44が配置されている。シリンダ孔44の中心軸(軸線44a)はポンプ装着穴43の中心軸(軸線14a)と交差しており、この例では直交している。
そして、入口弁装着穴41の中心軸線(軸線15a)と出口弁装着穴42の中心軸線(軸線16a)は、想像線で示すリザーバタンク13と重なっている。同様に、ポンプ装着穴43の中心軸線(軸線14a)も、リザーバタンク13と重なっている。
【0037】
さらに、第1液路21は、リザーバタンク13の底面からシリンダ孔44に向かって穿設された縦穴から成る。第2液路22は、シリンダ孔44の底部側において前後方向に穿設された孔(横孔)22aと、シリンダ孔44よりも前方側で左右方向に穿設された孔(横孔)22bと、基体18の下方から入口弁装着穴42に向かって穿設された孔(縦孔)22cとで構成される。
第3液路23は入口弁装着穴41と出口弁装着穴42を繋いでいる。第3液路23の軸上に第5液路27が形成されている。第3液路23と第5液路27の境界に、極く短いが第6液路28が形成されている。第3液路23及び第5液路27は、基体18の左側面から出口弁装着穴42及び入口弁装着穴41に向かって穿設された横孔から成る。
吸入路24は、リザーバタンク13の底面からポンプ装着穴43に向かって穿設された縦孔から成る。
第4液路25は、基体18の左側面からポンプ装着穴43に向かって穿設された孔(横孔)25aと、基体18の下方から上下方向に穿設された孔(縦孔)25bと、基体18の後方から第5液路27に向かって穿設された孔25cとで構成される。
【0038】
図7に示すように、基体18は、シリンダ孔44や入口弁装着穴41を備える本体部47と、この本体部47から車両後方へ延びるハンドルバー取付部48とを備える。ハンドルバー取付部48とキャップ49とで、バーハンドル車両のハンドルバー51を挟むことで、ハンドルバー51に基体18が取り外し可能に取付けられる。
【0039】
バーハンドル車両のハンドルバー51に取付けられる車両用ブレーキ制御装置10(「バーハンドル車両用ブレーキ制御装置」ともいう)は、ハンドルバー51よりも、基体18は車両前方に取付けられる。
【0040】
本体部47とハンドルバー取付部48との間からブレーキスイッチ52を見ることができる。このブレーキスイッチ52の取付構造については後述する。
また、基体18の上部に一体形成されているリザーバタンク13の底面から吸入路24が鉛直に下へ延びて、基体18の下部に一体形成されているポンプ装着穴43の底部45に繋がっている。
【0041】
ソレノイドポンプ14は、ポンプ装着穴43の奥にシールリング53、54を介して挿入されるポンプ本体55と、このポンプ本体55を抑えるようにしてポンプ装着穴43に挿入されサークリップ56で抜け止めが図られる固定コア57と、この固定コア57の後部に配置される可動コア58と、この可動コア58及び固定コア57を囲うようにポンプ装着穴43に挿入されるボビン59とを備えている。
【0042】
ポンプ本体55は、ポンプ装着穴43の底部45側に設けられたフィルタ61と、軸方向に貫通形成されるポンプ室62と、このポンプ室62のフィルタ61側に設けられる吸入弁63と、ポンプ室62から軸直角方向に延びる吐出口に設けられる吐出弁64とを備える。吸入弁63及び吐出弁64は、何れも逆流を防止する弁であり、吸入弁63は球状の弁体65aとこの弁体65aを弁閉じ方向へ付勢する弁ばね66aとからなり、吐出弁64は球状の弁体65bとこの弁体65bを弁閉じ方向へ付勢する弁ばね66bとからなる。
【0043】
固定コア57には、軸方向に移動自在に保持されるプランジャ67と、このプランジャ67をポンプ室62から離れる方向へ付勢するプランジャスプリング68を備えている。
固定コア57の可動コア58側に有底の筒69が取付けられ、この筒69に可動コア58が軸方向に移動可能に収納されている。ボビン59にはコイル組立体71が収納されている。
【0044】
コイル組立体71が励磁されると、磁気回路が形成され、可動コア58がポンプ室62側へ引き寄せられる。可動コア58に押し圧され、プランジャ67が、ポンプ室62側に移動する。ポンプ室62の容積が縮小するとともにポンプ室62が増圧され、吐出弁64の弁体65bが外方に移動し、吐出弁64が開く。ポンプ室62内の作動液は、吐出弁64に流れ、さらに第4液路25(
図1参照)へ流出する。
【0045】
続いて、コイル組立体71が消磁されると、プランジャスプリング68の付勢力によりプランジャ67及び可動コア58がポンプ室62から後退する。ポンプ室62の容積が増大するとともにポンプ室62が減圧され、吐出弁64の弁体65bがポンプ室62側へ移動し、吐出弁64が閉じる。ポンプ室62がさらに減圧されると、吸入弁63の弁体65aがポンプ室62側へ移動し、吸入弁63が開く。作動液が吸入路24(
図1参照)から吸入弁63に流れ、さらにポンプ室62に吸入される。続いて、吸入弁63の弁体65aがフィルタ61側に移動し、吸入弁63が閉じる。このような動作を繰り返すことで、作動液の吸入・吐出が連続して行われる。
【0046】
ソレノイドポンプ14は、軸方向の移動により作動するポンプであり、回転モータを駆動源とする従来のポンプより、径を十分に小さくすることができる。
【0047】
カップ状のハウジング36は、入口制御弁15を収納する入口バルブ収納凹部72と、ソレノイドポンプ14を収納するポンプ収納凹部73を有している。
【0048】
図7にて、入口制御弁15は、軸線が水平(含むほぼ水平)になるように配置されているため、弁の作動方向は車両前後方向となる。出口制御弁16も同様である。よって、車両走行時の上下方向の振動が、入口制御弁15と出口制御弁16の作動方向と異なる方向に作用するので、制御弁の作動においても、その影響を抑えることができる。
【0049】
また、ハウジング取付面39が前方に向くため、必然的にハウジング36は最も前に配置される。ハウジング36は樹脂成形品又は金属のプレス品の形態で提供され形状の自由度が高く且つ外観性が高い。よって、本発明によれば、バーハンドル車両用ブレーキ制御装置10の外観性を高めることができ、デザイン上の観点からも好ましい。
【0050】
また、シリンダ孔44に着目すると、シリンダ孔44は、リザーバタンク13とポンプ装着穴43との間で、且つ、ポンプ装着穴43と直交する方向(すなわち、左右方向)に設けられている。そして、シリンダ孔44を挟んで前方側に弁装着穴41が配置され、後方側に縦孔(吸入路24)が配置されている。すなわち、シリンダ孔44に干渉することなく、縦孔(吸入路24)を効率よく配置することができる。これによって、基体18内の無駄なスペースを無くし、バーハンドル車両用ブレーキ制御装置10の小型化が図れる。
【0051】
図8は
図7の8−8矢視図であり、リザーバタンク13は矩形体であり、底面に、第1液路21と吸入路24の入口と環流路29の出口が開口している。吸入路24は、図面表側から図面裏側へ(上下方向に)直線的に延びている。すなわち、エンドミルでリザーバタンク13の底面から上下方向に穿孔することで、簡単に吸入路24を形成することができる。
【0052】
図7にて、吸入路24は単純な縦孔であり、吸入路24の入口24aがリザーバタンク13の底面に開口し、出口24bがポンプ装着穴43の底部45に繋がっている。すなわち、
図8の平面図で、吸入路24の入口24aと出口24bがリザーバタンク13に重なる位置に形成されている。
図7に示すように、リザーバタンク13からポンプ装着穴43までの吸入路24を簡単に形成することができ、ソレノイドポンプ14回りの液路が取り回し易くなる。結果として、バーハンドル車両用ブレーキ制御装置10のコンパクト化が達成できる。
【0053】
図9に示すように、リザーバタンク13の底面に下方へ窪む凹部75が局部的に形成され、環流路29は、出口弁装着穴42と凹部75とを連結する直線状の横孔とされる。
直線状の横孔であるから、出口弁装着穴42側から挿入したエンドミルで、簡単に穿孔することができる。
【0054】
また、基体18は、鋳造で形成することが好ましい。鋳造であれば、中子を用いて凹部75を鋳造時にリザーバタンク13と一括して形成することができる。製造コストの削減が可能となる。
【0055】
想像線で示す吸入路24は、出口弁装着穴42及び環流路29から十分に離れた位置に設けられる。すなわち、縦孔(吸入路24)が出口弁装着穴42及び環流路29に干渉する心配がない。結果、ポンプ装着穴43は出口弁装着穴42の下方に容易にレイアウトすることができる。
【0056】
また、
図8に示したように、出口弁装着穴42の中心線はリザーバタンク13に重なっている。そのため、環流路29を直線状にすることができる。
また、凹部75と吸入路24の入口24aとは、十分に離れた位置に設けることができ、リザーバタンク13の設計が容易になる。
【0057】
図7に示した入口制御弁15と、
図9に示した出口制御弁16は電磁作用で駆動される部品であり、ソレノイドポンプ14も電磁作用で駆動される部品である。これらは、一括して複数の電磁部品と呼ぶことができる。次に、複数の電磁部品のレイアウト(配置)に注目しながら基体18の構造を説明する。
【0058】
図10に示すように、車両用ブレーキ制御装置10は、ブレーキ液圧を制御するための複数の電磁部品14、15と、これらの電磁部品14、15を装着する装着穴42、43及び作動液を流す液路が形成された基体18と、複数の電磁部品14、15のそれぞれに外嵌される複数のコイル組立体71、76と、装着穴42、43に装着された複数の電磁部品14、15及び複数のコイル組立体71、76を収容するハウジング36を備えている。その上で、複数のコイル組立体71、76のうち、少なくも一つコイル組立体71は他のコイル組立体76と比べて軸方向の長さが異なっており、軸方向の長さが長いコイル組立体71が装着される第1装着穴(装着穴43)には、開口側に、コイル組立体71の少なくとも一部が収容される収容凹部77が形成されている。コイル組立体71の軸方向中央部が、収容凹部77内に配置されるようになっている。
【0059】
コイル組立体71とコイル組立体76の外端面がほぼ揃っている。よって、ハウジング36をコイル組立体71とコイル組立体76の外端面に十分に接近させることができ、車両用ブレーキ制御装置10のコンパクト化が図れる。
【0060】
更に、
図10に示すように、車両用ブレーキ制御装置10は、バーハンドル車両のハンドルバー51に取付けられる。そして、基体18には、液圧マスタシリンダのシリンダ孔44が一体形成され、このシリンダ孔44は、軸方向の長さが短いコイル組立体76が装着される第2装着穴42の底面よりも後方側で且つ第1装着穴43よりも上方側の領域(
図10の点線領域)内に、第2装着穴42に直交して延びるように設けられている。結果、バーハンドル車両用のブレーキ制御装置10において、基体18のスペースを有効に利用することができ、基体18のスペースを無駄にすることなく、基体18の大きさを最小限に抑えることができる。
【0061】
次に、ブレーキスイッチ52の取付構造について説明する。
図11(c)が
図2の底面図である。
図11(c)の理解を促すために、
図11(a)に基づいて比較例を説明する。
図11(a)に示すように、ブレーキスイッチ52はブレーキレバー11の近傍に配置される。従来の例に倣えば、シリンダ孔の中心軸44aに、端子52aが平行になるようにして、ブレーキスイッチ52が配置される。ブレーキスイッチ52を固定する取付ビス52bは、ほぼシリンダ孔の中心軸44a上にある。
図11(b)に示すように、ブレーキレバー11に設けられる当接面79で、ブレーキスイッチ52を作動させるが、当接面79は、ほぼシリンダ孔の中心軸44aに平行に形成される。
【0062】
図7で説明したように、基体18の下部にソレノイドポンプ14が装着されるため、
図11(a)では、基体18の底面から半円筒部81が下方(図面では奥から手前へ)に突出する。端子52aの延長線が半円筒部81に干渉する。
【0063】
一方、
図11(c)に示すように、端子52aの延長線が窪み部82を通るように、ブレーキスイッチ52を角度θだけ回転させると、コネクタが基体18に干渉することなく、容易に取付けることができる。
【0064】
すなわち、基体18は、弁装着穴(
図10、符号42)が設けられた本体部47と、この本体部47から車両後方に突出してハンドルバー(
図10、符号51)に取付けられるハンドルバー取付部48と、を備え、ブレーキスイッチ52は、
図11(c)に示すように、端子52aの突出方向が、本体部47とハンドルバー取付部48との間(窪み部82)を通るように、シリンダ孔の中心軸44aに対して傾いた状態で取付けられている。これにより、ブレーキスイッチ52は、特型スイッチではなく、汎用で安価なスイッチが使用可能となる。
【0065】
図11(d)に示すように、ブレーキレバー11に形成されブレーキスイッチ52に当接する当接面79は、ブレーキスイッチ52の端子52aの突出方向と平行になるように形成されている。ブレーキレバー11は、当接面79及びその回りの形状を変更する必要があるものの、この変更は極めて容易である。この手当を施すことで、汎用で安価なブレーキスイッチ52が使用可能となる。
【0066】
ブレーキスイッチ52の配置構造を、側面図で再度確認する。
図12に示すように、バーハンドル車両用ブレーキ制御装置10は、基体18と、この前面に被せるハウジング36とを要部とし、基体18はさらに、本体部47とこの本体部47から車両後方に突出するハンドルバー取付部48とを備えている。このような基体18の下にブレーキスイッチ52が取付けられ、本体部47とハンドルバー取付部48との間にある窪み部82を通して端子52aが見える。容易にコネクタを端子52aに嵌めることができる。
【0067】
尚、実施例では、ブレーキ液圧を制御する制御弁の数を、入口制御弁15と出口制御弁16の2個としたが、3個以上であっても良い。
また、バーハンドル車両は、自動二輪車の他、バーハンドルを操舵ハンドルとする三輪バギーや四輪バギーであってもよい。
【0068】
実施例では、バーハンドル車両ブレーキ制御装置10にソレノイドポンプ14を備えたが、本発明は、ソレノイドポンプ14等の液圧ポンプを備えていないブレーキ制御装置にも適用可能である。
また、実施例ではリザーバタンク13に凹部75を設けたが、凹部75を省いて、リザーバタンク13の下隅に環流路29を連通することもできる。
【0069】
また、ブロック状の基体18は鋳造成形が推奨されるが、金属塊から削りだし成形することを妨げるものではない。