特許第6396763号(P6396763)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6396763
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】開口部建材
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/18 20060101AFI20180913BHJP
   E06B 3/64 20060101ALI20180913BHJP
   E06B 3/58 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   E06B1/18 S
   E06B3/64
   E06B3/58 D
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-223582(P2014-223582)
(22)【出願日】2014年10月31日
(65)【公開番号】特開2016-89438(P2016-89438A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】関 喜幸
(72)【発明者】
【氏名】谷口 則良
【審査官】 金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−084284(JP,U)
【文献】 特開2007−291718(JP,A)
【文献】 特開平10−061327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/18,3/58,3/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外障子と内障子を備え、外障子と内障子は断熱障子であり、内障子の召合せ框は、金属製形材よりなり、ガラス保持溝に複層ガラスを保持してあるとともに、室外側面に樹脂部材が取付けてあり、樹脂部材は、外障子の召合せ框の煙返しを呑み込む呑み込み部を有し、内障子の召合せ框のガラス保持溝の室外側壁に取付けてあり、ガラス保持溝の室外側壁の先端部を形成していると共に、外障子の召合せ框の室内側面にのみ対向していることを特徴とする開口部建材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複層ガラスを用いる開口部建材に関する。
【背景技術】
【0002】
引違い窓等の召合せ框において、図9に示すように、室外側形材90と室内側形材91を樹脂製の連結材92で連結して断熱性を向上させたものがあった。この構造では、連結材92の設置スペースが必要となり、召合せ框93の見付け寸法Aを小さく抑えることが難しかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、召合せ框を細くでき且つ断熱性の良い開口部建材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による開口部建材は、外障子と内障子を備え、外障子と内障子は断熱障子であり、内障子の召合せ框は、金属製形材よりなり、ガラス保持溝に複層ガラスを保持してあるとともに、室外側面に樹脂部材が取付けてあり、樹脂部材は、外障子の召合せ框の煙返しを呑み込む呑み込み部を有し、内障子の召合せ框のガラス保持溝の室外側壁に取付けてあり、ガラス保持溝の室外側壁の先端部を形成していると共に、外障子の召合せ框の室内側面にのみ対向していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明による開口部建材は、内障子の召合せ框が金属製形材であるにもかかわらず、室外側形材と室内側形材を連結材で連結するものではないので、連結材の設置スペースが不要なため、召合せ框の見付寸法を細くできる。しかも、内障子の召合せ框の室外側面に樹脂部材が取付けてあり、樹脂部材は外障子の召合せ框の煙返しを呑み込む呑み込み部を有することで、樹脂部材が召合せ部における室内外の伝熱を遮断するため、断熱性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の開口部建材の一実施形態を示す縦断面図である。
図2】同開口部建材の横断面図である。
図3】同開口部建材の室外側正面図である。
図4】内障子の組立て方を示す室外側正面図である。
図5】(a)(b)は内障子の組立て手順を示す縦断面図である。
図6】(a)(b)は内障子の組立て手順を示す横断面図である。
図7】(a)は内障子戸先框の上端部に取付けられる端部キャップの平面図であり、(b)は同端部キャップの側面図である。
図8】(a),(b)は内障子召合せ框部の横断面図であって、複層ガラスをガラス及び空気層の厚みが異なるものに交換する場合を示す。
図9】従来の引違いサッシを示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜3は、本発明の開口部建材の一実施形態であって、住宅の窓開口部に設置されるサッシに適用した場合を示している。本サッシは、躯体開口部に取付けたサッシ枠22と、サッシ枠22内に収めた外障子20及び内障子21とを備え、外障子20はサッシ枠22に固定され、内障子21は上枠23と下枠24に沿って摺動可能とした、いわゆる片引きサッシである。外障子20と内障子21は、周囲の框が金属部材と樹脂部材とを組み合わせることで室内外の伝熱を抑えたものになっており(各框の構成については後述する)、且つ框のガラス保持溝15に複層ガラス7を保持させた断熱障子になっている。
【0008】
サッシ枠22は、図1,2に示すように、上枠23と下枠24と左右の竪枠25,25とを枠組みして構成してある。上枠23と下枠24と竪枠25は、それぞれアルミニウム合金の押出形材よりなる室外側形材26と室内側形材27を樹脂製のブリッジ材28で連結してあり、これによりサッシ枠22は室内外の熱の伝わりを抑えた断熱枠になっている。さらに、上枠23と下枠24と竪枠25の室内側の内周部には、樹脂製のアングル29が設けてある。下枠24は、図1に示すように、内障子21が摺動する下枠上面が床面とほぼフラットになっている。
【0009】
内障子21は、図1,2に示すように、スペーサー9を挟んで2枚のガラス8a,8bを室内外方向に間隔をおいて保持した複層ガラス7を、上框1と下框2と戸先框3と召合せ框4とで四周框組みして構成してある。2枚のガラス8a,8bの間には、約16mmの空気層30が形成されている。スペーサー9は、ステンレスの薄い板をロールフォーミングにより筒状に形成してあり、4本のスペーサー9を矩形に枠組みしてガラス8a,8b間に配置し、ガラス8a,8bの内側面に一次シール31で接着してある。スペーサー9の内部には乾燥剤が入れられ、スペーサー9の内周側面には多数の通気孔(図示省略)が形成してあり、これによりガラス8a,8b間の空気層30が乾燥した状態に保たれる。
2枚のガラス8a,8bのうち室外側のガラス8aは、上下寸法、左右寸法ともに、室内側のガラス8bよりも大きくなっている。そのため室外側のガラス8aは、上側、下側及び戸先側の縁部が室内側のガラス8bよりも外周側に張り出し、上框1、下框2及び戸先框3の見付面の室外側に重なっている(図3のハッチング部59参照)。室外側のガラス8aは、ガラス越しにスペーサー9やシール材31,10等が透けて見えるのを防ぐために、上側、下側及び戸先側の縁部の内側面(室内側面)に着色が施されている。
【0010】
上框1と下框2は、図1に示すように、アルミニウム合金の押出形材よりなる室外側形材12と室内側形材13を樹脂製のブリッジ材14で連結してあると共に、内周側に開口して形成されたガラス保持溝15内の底部に、樹脂製の補助部材5を室外側形材12と室内側形材13に跨って取付けてある。ガラス保持溝15は、上下寸法の異なる2枚のガラス8a,8bを保持するために、階段状に形成されている。補助部材5は、室外側形材12と室内側形材13とにそれぞれ係合する係合部32と、内周側に向かって幅狭となった中空台形状の突部33を有しており、突部33はスペーサー9の外周側から離間し、且つガラス8a,8b間の隙間に位置している。スペーサー9の外周側のガラス保持溝15内の隙間には二次シール10が充填してあり、この二次シール10によりガラス8a,8bを上下框1,2及び補助部材5と接着し、上下框1,2と複層ガラス7を一体化している。
【0011】
下框2は、ブリッジ材14,14に図示しない水抜き孔が設けてあり、補助部材5とブリッジ材14との間の空間34に浸入した水を、ブリッジ材14に設けた水抜き孔より障子21の外に排水できるようにしてある。これにより、複層ガラス7端部からの水の浸入を防ぎ、複層ガラス7の耐久性を向上できる。
【0012】
戸先框3は、図2に示すように、アルミニウム合金の押出形材よりなる室外側形材12及び室内側形材13と、両形材12,13を繋ぐ樹脂製の連結材6とで構成してある。連結材6は、両形材12,13の間の隙間に配置される板状部35に、室外側形材12と室内側形材13とにそれぞれ係合する係合部36を有し、板状部35の内周側に、内周側に向かって幅狭となった中空台形状の突部11を有している。突部11はスペーサー9の外周側から離間し、且つガラス8a,8b間の隙間に位置している。スペーサー9の外周側のガラス保持溝15内の隙間には二次シール10が充填してあり、この二次シール10によりガラス8a,8bを室外側・室内側形材12,13及び連結材6の突部11と接着し、戸先框3と複層ガラス7を一体化している。
【0013】
戸先框3の連結材6は、図2に示すように、室内側形材13にネジ37で固定され、室外側形材12とは係合部36で係合しているだけで、固定はされていない。また、戸先框3の上下端部には樹脂製の端部キャップ38が取付けられるが、この端部キャップ38は図7に示すように、室外側端部キャップ38aと室内側端部キャップ38bとに分割して構成され、室外側端部キャップ38aが室外側形材12に、室内側端部キャップ38bが室内側形材13にそれぞれ取付けられている。
戸先框3はこのような構成となっていることで、室外側形材12と連結材6がお互い長手方向に移動自在に連結しているので、室内外の温度の違いによる室外側形材12と室内側形材13の熱伸びの違いを吸収することができ、これにより戸先框3の反りを抑え、障子21の開閉操作に支障が出るのを防ぐことができる。
【0014】
召合せ框4は、図2に示すように、アルミニウム合金の押出形材よりなり、内周側が開口したガラス保持溝15が形成され、ガラス保持溝15に複層ガラス7の側端部を呑み込ませてある。ガラス保持溝15の底部には、補助部材39が召合せ框4の長手方向に沿って取付けてある。補助部材39は、ガラス保持溝15の底部に形成したアリ溝に係合部40を係合して取付けてあり、内周側に向かって幅狭となった中空台形状の突部41を有しており、突部41はスペーサー9の外周側から離間し、且つガラス8a,8b間の隙間に挿入されている。スペーサー9の外周側のガラス保持溝15内の隙間には二次シール10が充填してあり、この二次シール10によりガラス8a,8bを補助部材39と接着し、召合せ框4と複層ガラス7を一体化している。
【0015】
召合せ框4の室外側面には、樹脂部材16が長手方向の全長にわたって取付けてある。樹脂部材16は、召合せ框4のガラス保持溝15の室外側壁42に係合すると共に、側面を召合せ框4の外周側面より室外側に突出して形成した突片43に当接させた上、室外側からのネジ44で召合せ框4に固定してある。樹脂部材16は、室外側面に外障子20の召合せ框17の煙返し18を呑み込む呑み込み部19が、障子内周側に開口した溝状に形成してある。
【0016】
上下框1,2と戸先框3及び召合せ框4とは、図4に示すように、上下框1,2の長手方向端部を戸先框3及び召合せ框4のガラス保持溝15内に呑み込ませ、上下框1,2の長手方向端面を戸先框3及び召合せ框4の見込み壁に当接し、側方から挿入したネジ45を上下框1,2のタッピングホール46に捩じ込むことで固定されている。上下框1,2の補助部材5は、上下框1,2のほぼ全長にわたって配置されており、戸先框3の連結材6の突部11と召合せ框4の補助部材39は、上下框1,2を接合するのに邪魔にならないように、戸先框3及び召合せ框4の全長よりも短くしてある。
【0017】
次に、内障子21の組立て方を説明する。まず、ガラス8a,8b間にスペーサー9を一次シール31で接着して配置する。その後、スペーサー9の外周側のガラス8a,8b間に二次シール10を塗布する(図5(a)、図6(a)参照)。その後、二次シール10が固まらないうちに、図4図5(a),図6(a)に示すように、ガラス8a,8bの周囲から上下框1,2と戸先框3及び召合せ框4を押し付ける。すると、図5(b),図6(b)に示すように、二次シール10が各框1,2,3,4のガラス保持溝15の底部に配置された台形状の突部11,33,41に押されて突部11,33,41の周囲に回り込み、ガラス8a,8bが上下框1,2及び召合せ框3の補助部材5,39、戸先框3の連結材6の突部11,33,34と二次シール10で接着され、複層ガラス7が各框1,2,3,4と一体化される。その後、戸先框3及び召合せ框4の側方より挿入したネジ45を上下框1,2のタッピングホール46に捩じ込んで締付け、上下框1,2と戸先框3及び召合せ框4を固定する。
【0018】
以上に述べたように本サッシの内障子21は、スペーサー9の外周側に充填された二次シール10により複層ガラス7を四周の框1,2,3,4と接着して一体化したことで、框1,2,3,4を細くすることができる(特に、框1,2,3,4の見付寸法を小さくすることができる。)。さらに内障子21は、複層ガラス7の室外側のガラス8aを室内側のガラス8bよりも大きくしたことで、室外側の框1,2,3の見付けが室内側よりもさらに細くなるので、シャープなフレームやガラスのフラット感や透明感を演出でき、意匠性を高めることができる。
【0019】
内障子21の戸先框3は、室外側形材12と室内側形材13と両形材を繋ぐ樹脂製の連結材6を備え、連結材6は内周側に突出する突部11を有し、複層ガラス7は、スペーサー9の外周側に充填された二次シール10により連結材6の突部11と接着したことで、戸先框3と複層ガラス7とが二次シール10で一体化され、これにより框を細くすることができるので、シャープなデザインやガラスの透明感を演出でき、意匠性を高めることができる。しかも戸先框3は、アルミ製の室外側形材12と室内側形材13との間に樹脂製の連結材6が介在しており、連結材6が両形材12,13間の熱の伝わりを遮断するので、断熱性が良い。
【0020】
内障子21の上下框1,2は、ガラス保持溝15内に補助部材5を取付け、複層ガラス7は、スペーサー9の外周側に充填された二次シール10により補助部材5と接着したことで、上下框1,2と複層ガラス7とが二次シール10で一体化され、これにより框を細くすることができるので、シャープなデザインやガラスの透明感を演出でき、意匠性を高めることができる。しかも、上下框1,2が室外側形材12と室内側形材13を樹脂製のブリッジ材14で連結してあると共に、樹脂製の補助部材5を室外側形材12と室内側形材13に跨って取付けてあるので、熱の伝わりを低減することができ、さらに断熱性が良い。
【0021】
内障子21の召合せ框4は、アルミニウム合金の押出形材で形成したので、断熱ブリッジ材を設置するスペースが不要となり、また金属製で強度が高いため、召合せ框4を細くできる。しかも、内障子21の召合せ框4の室外側面に樹脂部材16が取付けてあり、樹脂部材16は外障子20の召合せ框17の煙返し18を呑み込む呑み込み部19を有することで、樹脂部材16が召合せ部における室内外の伝熱を遮断するため、断熱性が良い。
【0022】
さらに本サッシの内障子21は、スペーサー9の外周側に充填された二次シール10により、雨水が室内側に浸入するのを阻止できるので、水密性も優れている。また、二次シール10がガラス8a,8bを補助部材5,39や連結材6と接着すると共に、框1,2,3,4(特に下框2)とも接着していることで、水密性が一層向上している。さらに内障子21は、グレチャンを介在させないことで、ガラス8a,8bの外側面と框1,2,3,4の見付け面との間の段差を小さくでき、障子21の室外側面と室内側面がほぼフラットになり、ガラス8a,8bと框1,2,3,4との間にゴム質の部材が露出することもないため、框1,2,3,4を細くできることと相まって、意匠性を向上できる。さらに、グレチャンを介在させないことで、框1,2,3,4の見込み寸法を抑えつつガラス8a,8b間の空気層30の厚みを大きくすることができ、これにより断熱性能が向上する。
さらに内障子21は、ガラス8a,8b間のスペーサー9の外周側に二次シール10を塗布し、各框1,2,3,4をガラス8a,8bの周囲から押し付けて接着することで、障子の組立が容易に行え、しかも二次シール10を補助部材5,39や連結材6の突部11,33,41の周囲に回り込ませることで、接着力を高められる。補助部材5,39や連結材6に台形状の突部11,33,41を設けたことで、補助部材5,39や連結材6の突部11,33,41の周囲への二次シール10の回り込みを促進し、接着力を高めることができる。各框1,2,3,4に補助部材5,39及び連結材6を予め取付けることで、上下框1,2と戸先框3及び召合せ框4とをインロウ結合(上下框1,2の端部を戸先框3及び召合せ框4のガラス保持溝15に呑み込ませて結合)することができる。また、障子21の組立を複層ガラス7の製作と連続して行うことで、製作コストや輸送コストを削減できる。
【0023】
図8(a),(b)は、複層ガラス7をガラス8a,8b及び空気層30の厚みが異なるものに変更する場合の実施形態を示している。同図に示すように本サッシの障子21は、ガラス8a,8b及び空気層30の厚みに合った補助部材5,39を選択して框1,2,3,4に係合取付けすることで、共通の框1,2,3,4を用いながらガラス8a,8b及び空気層30の厚みの異なる複層ガラス7を嵌め込むことができる。
【0024】
図1,2に示すように、外障子20も内障子21と同様に、複層ガラス47を上框48と下框49と戸先框50と召合せ框17とで四周框組みして構成してある。複層ガラス47の2枚のガラス52a,52bは、同じ大きさになっている。
上框48と下框49は、図1に示すように、アルミニウム合金製の室外側形材53と樹脂製の室内側形材54とを結合して構成してあり、室内側形材54はガラス保持溝15内の底部に中空台形状の突部55を有し、スペーサー9の外周側に充填した二次シール10によりガラス52a,52bを室内側形材54と接着し、上下框48,49と複層ガラス47とを一体化している。
戸先框50と召合せ框17は、図2に示すように、アルミニウム合金の押出形材で形成され、室内側壁を樹脂カバー56で被って断熱してある。戸先框50と召合せ框17は、ガラス保持溝15の底部に補助部材57が係合取付けしてあり、補助部材57は中空台形状の突部58を有し、スペーサー9の外周側に充填した二次シール10によりガラス52a,52bを補助部材57と接着し、戸先框50及び召合せ框17を複層ガラス47とを一体化している。
よって、外障子20も内障子21と同様に、框48,49,50,17を細くできる、水密性が良い、障子の組立が複層ガラスの製作と連続して行える等の効果がある。
【0025】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。実施形態は内障子のみが摺動する片引きサッシであったが、内外障子が何れも摺動する引違いサッシとすることもできる。内障子は、室外側と室内側のガラスの大きさが同じものとすることもできる。枠は、複層ガラスの周囲を枠組みするものであればよく、実施形態のような竪框と横框に限らず、竪枠、横枠、方立、無目等であってもよい。枠や補助部材、連結材の断面形状は、適宜変更することができる。補助部材は、ガラス保持溝の見付け壁に取付けることもできる。ガラスは、3枚以上とすることもできる。本発明の開口部建材は、建物の窓に限らず、電車等の乗り物の窓等に用いることもできる。
【符号の説明】
【0026】
1 上框(枠)
2 下框(枠)
3 戸先框(枠)
4 召合せ框(枠)
5 補助部材
6 連結材
7 複層ガラス
8a,8b ガラス
9 スペーサー
10 二次シール(シール材)
11 連結材の突部
12 室外側形材
13 室内側形材
14 ブリッジ材
15 ガラス保持溝
16 樹脂部材
19 呑み込み部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9