(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る内視鏡装置の一実施形態を、
図1乃至
図6を参照しながら説明する。
図1は本実施形態における内視鏡装置の全体図である。
図2は同内視鏡装置の挿入部の先端側を、その挿入部の中心軸Cを含む平面での断面図である。
図3は同内視鏡装置の関節受けにワイヤ部を取付けた状態での、関節受けの一部を破断した外観斜視図である。
図4は関節受けにワイヤ部を取付けた状態での、関節受けに形成された孔部周辺を、その孔部の中心軸S方向から見た外観平面図である。
図5は同関節受けにワイヤ部を取付けた状態での、関節受けに形成された孔部周辺を、挿入部の中心軸Cと孔部の中心軸Sとを含む平面での断面図である。
図6は関節受けに形成された孔部の中央における、挿入部の中心軸Cに直交する平面での断面図である。
本実施形態の内視鏡装置1は、
図1及び
図2に示すように、長尺の挿入部10と、挿入部10に内蔵され挿入部10の湾曲部12を湾曲させる湾曲機構36と、挿入部10の基端部に接続され挿入部10等を操作するための操作部55と、操作部55に接続された内視鏡本体65と、挿入部10で後述するように取得された画像を表示する表示部70とを備えている。
なお、
図2では、説明の便宜のため、後述する配線部19及びライトガイド21を先端側のみ示し、後述する関節受け23や湾曲駒47を見やすくしている。
【0014】
挿入部10は、先端に配置された先端硬質部11と、先端硬質部11の基端に接続され湾曲操作可能な前述の湾曲部12と、湾曲部12の基端に接続され可撓性を有する可撓管部13とを有している。
以下では、操作部55に対する挿入部10側を先端側、挿入部10に対する操作部55側を基端側とそれぞれ称する。
【0015】
先端硬質部11では、
図2に示すように、円筒状の硬質部本体15内に、先端硬質部11の前方を観察可能な観察ユニット16が収容されて構成されている。観察ユニット16は、図示はしないが、例えば複数のレンズを有する観察光学系、及び、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)等を用いた撮像素子を有している。
硬質部本体15の基端部の外周面には、外径を小さくすることで段部15aが形成されている。硬質部本体15は、ステンレス鋼などの金属で形成されている。
【0016】
観察ユニット16よりも先端側には、カバーガラス17が配置されている。カバーガラス17は、支持部材18により硬質部本体15に取付けられている。観察ユニット16には、配線部19が接続されている。配線部19は、図示はしないが、信号を送受信するための信号配線や、観察ユニット16に電力を供給するための電力配線が束ねられたものである。この配線部19は、後述する関節受け23及び湾曲駒47内を通して基端側に延びている。
被検体で反射された光は、先端硬質部11よりも先端側からカバーガラス17を通して観察ユニット16の観察光学系に入射する。観察光学系の複数のレンズは、入射した光を撮像素子の受光面に結像させる。撮像素子は、受光面で結像した被検体の像を画像として取得する。撮像素子は、この画像を信号に変換し、配線部19を通して送信する。
【0017】
硬質部本体15の筒孔内であって観察ユニット16の外側には、ライトガイド21の先端側が配置されている。ライトガイド21は、光ファイバの複数の素線21aを所定の形状に束ね、接着剤等で複数の素線21aをその形状で保持することで構成されている。ライトガイド21の先端部は、支持部材18に取付けられている。ライトガイド21は、後述する関節受け23及び湾曲駒47内基端側に延びている。
【0018】
先端硬質部11では、硬質部本体15の基端部に関節受け(ワイヤ保持部)23が取付けられている。
関節受け23は、
図2及び
図3に示すように、中空円筒形状の受け部本体24と、受け部本体24の先端側に設けられ受け部本体24よりも内径の大きい中空円筒形状の接続部25とを有している。
【0019】
受け部本体24は、
図3乃至
図5に示すように、外壁面24aと、内壁面24bと、孔部24cと、壁部27とを有する。
孔部24cは、外壁面24aと内壁面24bとの間を貫通する孔であり、
図4に示すように、孔部24cの中心軸S(挿入部10の中心軸Cに直交する方向)から見たときに、中心軸C方向の長さL1を長径とする長孔状に形成されている。
壁部27は、
図5に示すように、内壁面24bにおける孔部24cの先端側の縁部に、この内壁面24bから中心軸Cに向かって突出して形成される。この壁部27の突出端、即ち中心軸Cに向かって突出する端部には、挿入部10の基端側(
図5の右方)に延在する鍔部28が設けられている。
鍔部28は、孔部24cの内周面から突出するように形成され、外壁面24a側に形成される当接面28aと、当該当接面28aの背面側、即ち内壁面24b側に形成される背面28bとを有する。当接面28aは挿入部10の基端側に向かうにしたがって中心軸Cに近づくように傾斜している。背面28bは、受け部本体24の内壁面24bの一部を構成している。
【0020】
図3乃至
図5に示すように、受け部本体24における孔部24cよりも基端側には、ワイヤ受け部29が形成されている。ワイヤ受け部29は、外壁面24a側が開口する溝部29aを有し、当該溝部29aは中心軸Cに直交する方向から見たときに、外壁面24a側が開口するU字形に形成されている。この溝部29aは中心軸Cと平行に延在して形成され、その溝部29aの先端側は孔部24cに連通し、溝部29aの基端側は受け部本体24の基端側端面に連通するように形成される。溝部29aは、
図4で示すように、溝部29aの幅L3が孔部24cの短径の長さL2よりも短くなるように形成される。
本実施形態では、孔部24c、壁部27、鍔部28、及びワイヤ受け部29からなる組は、受け部本体24に中心軸C周りに90度ごとに4つ形成される。
【0021】
接続部25は、
図2及び
図3に示すように、外壁面25aと、内壁面25bとを有する。
受け部本体24と接続部25とは、中心軸C方向に位置をずらして同軸となるように一体的に成形されている。受け部本体24と接続部25との境目には、段部30が形成されている。受け部本体24及び接続部25は、ステンレス鋼や真鍮で形成されたブロックを切削加工することで一体に形成されている。
受け部本体24の内壁面24b、及び接続部25の内壁面25bは、挿入部10の中心軸Cに沿う内部空間Rを形成する。
【0022】
このように構成された関節受け23は、硬質部本体15の段部15aに接続部25を係合させた状態で、図示しない接着剤等により硬質部本体15に固定されている。
【0023】
この関節受け23には、
図2乃至
図5に示すように、アングルワイヤ35の先端が掛止されることで、関節受け23がアングルワイヤ35の先端を保持している。アングルワイヤ35は、挿入部10の中心軸Cから偏心した位置、すなわち中心軸Cから離間した位置に中心軸Cに沿うように、関節受け23に配置される。なお、このアングルワイヤ35と関節受け23とを有して、前述の湾曲機構36が構成される。
アングルワイヤ35は、
図4及び
図5に示すように、ワイヤ部38と、ワイヤ部38の先端部の外周面に取付けられた管状部材(太径部)39とを有する。
ワイヤ部38は、複数の素線を撚り合わせた撚り線によって構成される。そして、ワイヤ部38の外径は、溝部29aの幅L3よりも小さい。
【0024】
管状部材39は、ステンレス鋼や真鍮で形成することができる。管状部材39は、関節受け23の孔部24c内にガタつき無く収容可能な大きさに形成されている。具体的には、管状部材39の長さは孔部24cの長径の長さL1よりもわずかに短い。管状部材39の外径は孔部24cの短径の長さL2よりもわずかに短く、溝部29aの幅L3よりも長い。
管状部材39は、ワイヤ部38にカシメ付けや、ロウ付け等により固定されている。
【0025】
ワイヤ部38の先端部は、管状部材39の先端面よりも先端側に突出している。言い換えると、ワイヤ部38の先端が管状部材39の先端面よりも突出するように、管状部材39がワイヤ部38に固定される。そして、ワイヤ部38の外径が管状部材39の外径よりも細いことで、このワイヤ部38の突出した先端部分がアングルワイヤ35の細径部38aを構成し、管状部材39がアングルワイヤ35の太径部を構成する。すなわち、アングルワイヤ35は、先端の細径部38aと、細径部38aよりも基端側でありアングルワイヤ35の先端において最大外径を有する部位としての太径部である管状部材39とを有している。
アングルワイヤ35は関節受け23に形成された孔部24c等に対応して、4つ備えられている。
【0026】
関節受け23の受け部本体24の外壁面24a上には、
図2及び
図6に示すように、アングルゴム(弾性部材)42が配設される。より具体的には、アングルゴム42の上から固定糸45を強く巻きつけ、さらにその上から接着剤を染み込ませることで、関節受け23に対してアングルゴム42が固定される。アングルゴム42は、ゴム等の弾性を有し液体を通さない材料で形成される。アングルゴム42がゴム材料で構成さていることに加え、固定糸45の巻きつけによりしっかりと固定されていることで、アングルゴム42のずれや液体の浸入が防止される。
アングルゴム42は受け部本体24の外周面全体を覆っており、結果的に孔部24cをも覆っている。このため、アングルゴム42における受け部本体24の外壁面24aの外側の部位では、
図6に示すように受け部本体24の外壁面24aに倣って円弧状(円筒面状)に形成され、孔部24cの外側の部位では、
図6に示すように孔部24cの内方に向かう膨らみ42aが形成される。
アングルゴム42は、さらに被覆チューブ43で覆われる。被覆チューブ43の先端は、アングルゴム42を超えて関節受け23の段部30まで延びている。被覆チューブ43におけるアングルゴム42を超えた部分は、固定糸44で関節受け23の受け部本体24に固定されている。
このように、関節受け23は挿入部10の先端硬質部11や湾曲部12に固定されている。
【0027】
アングルワイヤ35は、
図2乃至
図5に示すように、関節受け23の孔部24c内に管状部材39が収納されるとともに、溝部29a内にワイヤ部38の一部が収納されることで、関節受け23に掛止される。細径部38aの先端において複数の素線が少しほつれることで、孔部24c内でのアングルワイヤ35のガタつきが抑えられる。
管状部材39は、孔部24c内に収納されることで、外壁面24a側から見たとき、及び内壁面24b側から見たとき、共に管状部材39の外表面が露出されることになる。なお、アングルワイヤ35が関節受け23に掛止された状態において、先端の細径部38aが、
図4及び
図5に示すように、中心軸C方向に鍔部28の当接面28aと重複するように位置づけられると共に、鍔部28の当接面28aに対して挿入部10径方向の外側に位置づけられる。
【0028】
アングルワイヤ35の管状部材39の外径が溝部29aの幅L3よりも大きいことで、アングルワイヤ35が関節受け23に対して挿入部10基端側に向かって牽引されたとしても、アングルワイヤ35の管状部材39が溝部29aの先端側縁部に掛止されることとなり、アングルワイヤ35の抜けが防止される。即ち、孔部24cの基端側の縁部及び先端側の縁部は、管状部材39及び細径部38aと掛止することで、アングルワイヤ35の中心軸C方向の移動を規制する第1の規制部を構成する。
なお、アングルワイヤ35の中で最も径が太い管状部材39が、関節受け23の孔部24c内に収納されるわけだが、その管状部材39の挿入部10径方向外側、及びその管状部材39の挿入部10径方向内側にはそれぞれ、管状部材39を覆うような壁面等が関節受け23には形成されておらず、管状部材39が外側も内側も露出している。このため、関節受け23の肉厚を薄くすることができ、挿入部10の外径が大きくなることを抑制することができる。
【0029】
また、
図4及び
図5に示すように、アングルワイヤ35が関節受け23に掛止された状態において、細径部38aの位置が中心軸C方向に鍔部28の位置と重複するように位置づけられると共に、細径部38aが鍔部28の当接面28aに対して挿入部10径方向の外側に位置づけられる。このため、アングルワイヤ35に外力等が加わり、細径部38aや管状部材39が挿入部10径方向内側に変移しようとしたとしても、鍔部28が細径部38aの挿入部10径方向内側に位置付けられているため、鍔部28が細径部38aの挿入部10径方向内側への動きを規制することになる。これにより、アングルワイヤ35の先端(細径部38a及び管状部材39を含む)が、関節受け23の内部空間Rに内蔵される内蔵物に接触することを防止する。即ち、鍔部28はアングルワイヤ35の挿入部10径方向内側への移動を規制する第2の規制部を構成する。
【0030】
特に本実施形態の構成では、アングルワイヤ35の管状部材39は関節受け23の孔部24c内に収容されることで、管状部材39が外径側も内径側も露出した状態となっているのに加え、弾性部材としてのアングルゴム42が孔部24cの外径側から入り込んでいる構成となっている。このため、アングルゴム42がアングルワイヤ35の管状部材39の外表面を径方向内側に向かって付勢することになり、アングルワイヤ35の先端を内部空間Rに向けて押し込もうとする。
しかしながら、アングルワイヤ35の細径部38aの進路の先には鍔部28が形成されているため、細径部38aはこの鍔部28の当接面28aに突き当てられ、その鍔部28を乗り越えて内部空間Rに入り込むことができない。その結果、アングルワイヤ35の先端(細径部38a及び管状部材39を含む)と、関節受け23の内部空間Rに内蔵される内蔵物とが接触することがないので、当該内蔵物が傷ついたり、破損したりすることを防止できる。
【0031】
また、鍔部28は第2の規制部として機能する場合、鍔部28は細径部38aの外周面に対してのみ当接するものであって、細径部38aの外周面よりも、より中心軸Cに近い位置に位置づけられている管状部材39の外周面には当接しない。このように、鍔部28は第2の規制部として機能する場合、鍔部28は細径部38aの外周面とのみ当接することで、鍔部28をより挿入部径方向外側に形成することが可能となり、内部空間Rを狭めることがない。
【0032】
さらに、
図5に示すように、鍔部28の背面28bは、背面28bにおける挿入部10の径方向の位置P1が、管状部材39における中心軸Cに最も近い外表面の径方向の位置P2に対して中心軸C側に位置している。これは鍔部28の厚み、即ち当接面28aと背面28bとの間の厚み、あるいは当接面28a上に細径部38aの外表面とが当接したときの、当接面28a上の当接部位から背面28bとの間の厚みが、管状部材39の肉厚よりも厚くなるように設定されているためである。このように構成することで、管状部材39の特にエッジ部分が、関節受け23の内部空間Rに内蔵される内蔵物から離間させることができ、内蔵物を保護することができる。
なお、管状部材39の特にエッジ部分が、関節受け23の内部空間Rに内蔵される内蔵物から離間させることができるならば、必ずしも鍔部28の背面28bの径方向位置P1が、管状部材39の外表面の径方向の位置P2に対して中心軸C側に位置させる必要はなく、例えば位置P1と位置P2とを一致させる程度であってもよい。つまり位置P1は位置P2に一致させるか、もしくは位置P2よりも中心軸Cに寄せるように、背面28bの位置を設定させればよい。
【0033】
次に、挿入部10の湾曲部12について説明する。
湾曲部12では、関節受け23の基端側に複数の湾曲駒47が設けられている。湾曲駒47は、環状に形成された公知の構成のものである。
湾曲駒47の基端面には、中心軸Cを挟むように一対の凸部48が形成されている。湾曲駒47の内周面には、中心軸C周りに等角度ごとに4つのワイヤ支持部49が設けられている。各ワイヤ支持部49には、中心軸C方向に延びる貫通孔49aが形成されている。
中心軸C方向に隣り合う湾曲駒47は、中心軸C周りに90°向きを変えて配置されている。すなわち、中心軸C方向に見たときに、中心軸C方向に1つおきに配置された湾曲駒47の凸部48は重なる。
【0034】
アングルワイヤ35のワイヤ部38は、各湾曲駒47のワイヤ支持部49の貫通孔49aに挿通される。各湾曲駒47は前述のアングルゴム42及び被覆チューブ43に覆われる。
【0035】
図1に示すように、操作部55では、ケーシング56に、湾曲部12を湾曲操作するための湾曲操作ボタン57と、内視鏡本体65、及び表示部70等を操作するための主操作ボタン58とが設けられている。
ケーシング56内に設けられている不図示の複数のモータには、前述のアングルワイヤ35の基端部がそれぞれ接続されている。湾曲操作ボタン57の操作によりモータを駆動させることで、所望のアングルワイヤ35を基端側に牽引させ、湾曲部12を所望の向きに湾曲させることができる。
【0036】
内視鏡本体65は、ケーシング66と、ケーシング66に内蔵された不図示の光源部、制御部、及び電源部を有している。
光源部は図示しないランプを備えている。このランプが発した照明光は、ライトガイド21を介して先端側に導かれる。
制御部は、配線部19の基端部、光源部、及び表示部70に接続されている。制御部は、観察ユニット16が取得し、配線部19を通して送信された画像の信号を適宜処理し、表示部70に出力する。
電源部は、配線部19等を通して観察ユニット16、光源部、制御部、及び表示部70等に必要な電力を供給する。
表示部70は、内視鏡本体65の制御部で処理された画像データを表示する。
【0037】
以上説明したように、本実施形態の内視鏡装置1によれば、関節受け23には、細径部38aの外表面38bに当接し得る当接面28aを有する鍔部28が設けられている。したがって、関節受け23に対して細径部38aが中心軸Cに近づくように移動するのが規制され、関節受け23の内部空間Rを広く確保することができる。これにより、配線部19やライトガイド21等のような挿入部10の内蔵物を保護することができる。
関節受け23がアングルゴム42で覆われている場合には、アングルゴム42の弾性力によりアングルワイヤ35は中心軸C側に押圧され、内部空間Rに入り込もうとする。しかし、この場合であっても細径部38aの外表面38bが鍔部28の当接面28aに当て付き、それ以上アングルワイヤ35の先端が挿入部10径方向内側に倒れこむことがない。
【0038】
鍔部28の背面28bは、背面28bの位置P1が管状部材39の位置P2に対して中心軸C側に位置していることで、鍔部28を径方向に厚くできる。これにより、鍔部28の剛性を高めて、アングルワイヤ35の細径部38aを鍔部28で確実に支持することができる。
管状部材39は、外壁面24a及び内壁面24bのいずれ側から見たときでも、管状部材39の外表面が露出するように孔部24c内に収納される。孔部24cには壁部は形成されないため、孔部24c内にアングルワイヤ35が収納された状態の関節受け23及びアングルワイヤ35の全体としての外径を小さく抑えることができる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、前記実施形態では、
図7及び
図8に示すようにアングルワイヤ75を用いてもよい。アングルワイヤ75は、前述のワイヤ部38の先端に管状部材76が取付けられて構成されている。
管状部材76は、先端に形成された円柱状の細径部77と、細径部77よりも基端側に形成された管状の太径部78とを有している。細径部77の外径よりも太径部78の外径の方が大きい。管状部材76は、前述の管状部材39と同一の材料をプレス加工すること等で一体に形成されている。
管状部材76は、太径部78の管路内にワイヤ部38の先端を挿入した状態で、ワイヤ部38にカシメ付けや、ロウ付け等により固定されている。
この変形例でも、鍔部28の当接面28aに、アングルワイヤ75の細径部77の外表面であって中心軸Cに近い外表面77aが当接している。
このように構成された変形例の内視鏡装置1Aによっても、前記実施形態の内視鏡装置1と同様の効果を奏することができる。
【0040】
また、別の変形例として、
図9に示すように、互いに外径が異なる3つの部位で先端が構成されるアングルワイヤ85を用いてもよい。アングルワイヤ85は、最先端に形成されている細径部38aと、その細径部38aよりも基端側に形成され、細径部38aよりも外径が大きい中径部86と、その中径部86よりも基端側に形成され、中径部86よりも外径が大きく且つアングルワイヤ85の先端にて最大外径を有する太径部87とを有する。
中径部86及び太径部87は、前述の管状部材39と同様に形成することができる。
【0041】
このようなアングルワイヤ85が用いられる場合、鍔部28は最大外径を有する太径部87の外表面に当接することがない位置に形成される。言い換えると、鍔部28の当接面28aは、細径部38aもしくは中径部86の外表面に当接しえる位置に形成される。
図9には、中径部86の外表面に対してのみ当接する鍔部28の当接面28aが図示されている。
内部空間Rをより広く形成しようとするならば、鍔部28の当接面28aを細径部38aに当接しえる位置に形成することが好ましいが、最大外径を有する太径部87の外表面に当接しないように鍔部28の位置や形状を設定することで、内部空間Rを広く形成することは可能である。即ち、
図9に示すように、鍔部28の当接面28aを中径部86に当接しえる位置に形成しても、十分に内部空間Rを広く形成することが可能となる。
【0042】
内視鏡装置1の関節受け23には孔部24c等からなる組が中心軸C周りに等角度ごとに4つ形成され、アングルワイヤ35が4つ備えられているとした。しかし、関節受け23に形成される孔部24c等からなる組の数、及び内視鏡装置が備えるアングルワイヤ35の数はこれに限られず、2つ等でもよい。
関節受け23に孔部24cが形成されず、この孔部24cの位置に壁部が形成されていてもよい。このように構成しても、関節受け23に対して細径部38aが内側に倒れるのを防止することができるからである。
内視鏡装置1が水中以外で使用される場合等には、内視鏡装置1がアングルゴム42や被覆チューブ43を備えなくてもよい。