(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6396810
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】無線通信機
(51)【国際特許分類】
H01Q 3/20 20060101AFI20180913BHJP
H01Q 19/28 20060101ALI20180913BHJP
H01Q 1/24 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
H01Q3/20
H01Q19/28
H01Q1/24 Z
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-1599(P2015-1599)
(22)【出願日】2015年1月7日
(65)【公開番号】特開2016-127529(P2016-127529A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2017年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(72)【発明者】
【氏名】宇崎 吉彦
【審査官】
岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭34−1120(JP,B1)
【文献】
実公昭46−7605(JP,Y1)
【文献】
実開昭62−105612(JP,U)
【文献】
特公昭51−26024(JP,B1)
【文献】
特開2005−26943(JP,A)
【文献】
特開2007−36949(JP,A)
【文献】
特開平7−177561(JP,A)
【文献】
米国特許第5966099(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にアンテナが設けられた通信機本体と、
上記通信機本体の側方を覆う筒状壁を有し、該筒状壁の軸心周りに回転可能に設けられたカバーと、
上記カバーの筒状壁の内面または外面において、上記アンテナを間に置いて互いに対向する位置に取り付けられた導波器および反射器とを備えている
ことを特徴とする無線通信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、無線通信機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、無線通信用のアンテナを備えた無線通信機が数多く知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−39101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような無線通信機では、アンテナの指向方向を簡易な構成で変更できるようにしたいという要望があった。
【0005】
本願に開示の技術は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成でアンテナの指向方向を任意に変更することができる無線通信機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の無線通信機は、通信機本体と、カバーと、導波器および反射器とを備えている。上記通信機本体は、内部にアンテナが設けられている。上記カバーは、上記通信機本体の側方を覆う筒状壁を有し、該筒状壁の軸心周りに回転可能に設けられている。上記導波器および反射器は、上記カバーの筒状壁の内面または外面において、上記アンテナを間に置いて互いに対向する位置に取り付けられている。
【発明の効果】
【0007】
本願の無線通信機によれば、通信機本体の側方を覆う筒状壁の内面または外面において、アンテナを間に置いて互いに対向する位置に導波器および反射器を取り付けるようにしたので、アンテナの指向特性を向上させることができる。つまり、アンテナによって放射される電波を一方向(アンテナから導波器へ向かう方向)に集中させることができる。これによって、アンテナから放射される電波を強くすることができる。
【0008】
さらに、本願の無線通信機によれば、筒状壁を有するカバーを筒状壁の軸心周りに回転可能に構成した。そのため、カバーを回転させることにより、導波器、アンテナおよび反射器の順に配列されるその配列方向を変更することができる。これにより、アンテナの指向方向を任意に変更することができる。しかも、カバーを回転させるだけでよいため、簡易な構成でアンテナの指向方向を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係るセンサ装置の概略構成を示す正面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る無線通信機を側方から視て示す概略の断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る無線通信機を上方から視て示す概略の断面図である。
【0010】
以下、本願の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本願に開示の技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0011】
図1に示す本実施形態のセンサ装置1は、本願の請求項に係る無線通信機4が設けられているものである。センサ装置1は、測定対象物(例えば、スチームトラップ)に固定され、該測定対象物の温度や振動を検出する、いわゆる固定タイプのセンサである。センサ装置1は、上下方向に延びる状態で測定対象物に固定される。
【0012】
センサ装置1は、センサ本体2と、接続軸3と、上述した無線通信機4とを備えている。接続軸3は、中空軸であり、両端がセンサ本体2と無線通信機4に連結されている。センサ装置1では、センサ本体2によって検出された測定対象物の温度等に関する信号が無線通信機4に送られる。
【0013】
無線通信機4は、センサ本体2から送られた信号を処理して外部機器へ送信するものである。
図2および
図3に示すように、無線通信機4は、通信機本体10と、カバー15と、導波器16(ディレクター)および反射器17(リフレクター)とを備えている。
【0014】
通信機本体10は、上下方向に延びる円柱状に形成された容器の内部に、アンテナ11を有している。なお、図示しないが、通信機本体10の容器内には回路基板やバッテリー等も設けられている。アンテナ11は、例えばダイポールアンテナであり、放射器(ラジエーター)を構成している。アンテナ11は、上下方向に延びる棒状に形成されており、容器の中央に配置されている。
【0015】
カバー15は、通信機本体10を覆うキャップ状の部材である。具体的に、カバー15は、上下方向に延びる筒状壁15aと、該筒状壁15aの上側端部を閉塞する端部壁15bとを有している。筒状壁15aは、通信機本体10の容器の側方(側壁)を覆っている。
【0016】
導波器16および反射器17は、アンテナ11と同様、上下方向に延びる棒状に形成されている。導波器16および反射器17は、カバー15の筒状壁15aの内面に取り付けられている。具体的に、導波器16および反射器17は、筒状壁15aの内面において、アンテナを間に置いて互いに対向する位置に設けられている。つまり、導波器16および反射器17は筒状壁15aの周方向において互いに180°ずれた位置に設けられている。なお、導波器16および反射器17は、筒状壁15aの内面ではなく外面に取り付けるようにしてもよいし、一方を筒状壁15aの内面に取り付け他方を外面に取り付けるようにしてもよい。
【0017】
こうして、無線通信機4では、導波器16、アンテナ11および反射器17がこの順に配列される。
図2に示すように、導波器16の長さはアンテナ11よりも少し短く、反射器17の長さはアンテナ11よりも少し長い。また、導波器16とアンテナ11の距離と、反射器17とアンテナ11の距離とは同じである。つまり、アンテナ11は導波器16と反射器17との中間に位置している。
【0018】
さらに、無線通信機4では、
図3に矢印で示すように、カバー15が、筒状壁15aの軸心周りに回転可能に設けられている。無線通信機4では、カバー15(筒状壁15a)が回転することにより、導波器16、アンテナ11および反射器17の配列方向が変化する。
【0019】
以上のように、上記実施形態の無線通信機4によれば、通信機本体10の側方を覆う筒状壁15aの内面において、アンテナ11を間に置いて互いに対向する位置に導波器16および反射器17を取り付けるようにした。これにより、アンテナ11の指向特性を向上させることができる。つまり、アンテナ11によって放射される電波を一方向(即ち、アンテナ11から導波器16へ向かう方向)に集中させることができる。したがって、アンテナ11から放射される電波を任意の方向に向けて強く飛ばすことができる。
【0020】
さらに、上記実施形態の無線通信機4によれば、カバー15をその筒状壁15aの軸心周りに回転可能に構成した。そのため、カバー15を回転させることで、導波器16、アンテナ11および反射器17の配列方向を変更することができる。これにより、アンテナ11の指向方向を任意に変更することができる。しかも、カバー15を回転させるだけでよいため、簡易な構成でアンテナ11の指向方向を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本願に開示の技術は、無線通信機について有用である。
【符号の説明】
【0022】
4 無線通信機
10 通信機本体
11 アンテナ
15 カバー
15a 筒状壁
16 導波器
17 反射器