特許第6396912号(P6396912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6396912車両の位置を監視するための監視システムを備える作業車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6396912
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】車両の位置を監視するための監視システムを備える作業車両
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/00 20060101AFI20180913BHJP
   B60S 9/02 20060101ALI20180913BHJP
   A62C 27/00 20060101ALI20180913BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   B60R1/00 A
   B60S9/02
   A62C27/00 506
   H04N7/18 J
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-537241(P2015-537241)
(86)(22)【出願日】2013年10月16日
(65)【公表番号】特表2016-500602(P2016-500602A)
(43)【公表日】2016年1月14日
(86)【国際出願番号】EP2013071626
(87)【国際公開番号】WO2014060476
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2016年9月23日
(31)【優先権主張番号】12188798.8
(32)【優先日】2012年10月17日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501184238
【氏名又は名称】イヴェコ・マギルス・アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】IVECO MAGIRUS AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレイマー ジェンス
【審査官】 青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−043419(JP,A)
【文献】 特開2008−074594(JP,A)
【文献】 特開2008−248613(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/066943(WO,A1)
【文献】 特開2000−177513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/00
A62C 27/00
B60S 9/02
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能でありかつ延出可能な回転はしご(12)と、格納位置と横向き地面支持体(16)の端部が地面に支承される延出作動位置との間で移動可能である横向き地面支持体(16)とを含む消防車両(10)において、
前記消防車両(10)の両側の監視カメラ(22)であって、各々が一つの支持体(16)に割り当てられ、前記支持体(16)の前記端部(20)が作動位置で支承される地面エリア(24)を監視するとともに、当該の前記地面エリア(24)の実時間画像(32)を取得するカメラ(22)と、
前記支持体(16)の予想作動位置を表す視覚目印(34)が重ねられたすべてのカメラ(22)の前記画像(32)を、異なる画面エリアに同時に提示する視覚ディスプレイ(30)と、を有する前記消防車両(10)の位置を監視するための監視システム(28)を備えており、
前記監視システム(28)が、前記視覚ディスプレイ(30)を作動させるための制御ユニット(26)を有し、
前記カメラ(22)により生成される実時間画像データを前記支持体(16)の予想作動位置を表す計算または事前記憶データと合成して、前記支持体(16)の前記予想作動位置が視覚目印(34)により視覚化された画像(32)を前記合成データから生成するように、前記制御ユニット(26)が設けられ、
前記カメラ(22)の視野内の物体(46)を認識するように前記制御ユニット(26)が設けられており、
前記制御ユニット(26)は、
前記視覚ディスプレイ(30)に、前記消防車両(10)の幅方向において一対に配置された前記支持体(16)の各前記視覚目印(34)が連続するように表示させるとともに、
前記視覚ディスプレイ(30)を作動させて前記回転はしごの垂直回転軸線(A)の位置を視覚化させることを特徴とする、消防車両。
【請求項2】
前記視覚目印(34)が前記視覚ディスプレイ(30)の前記画面での永久目印であることを特徴とする、請求項1に記載の消防車両。
【請求項3】
前記カメラ(22)の前記視野内で認識された物体(46)を視覚目印によって目印表示するように前記制御ユニット(26)が設けられることを特徴とする、請求項2に記載の消防車両。
【請求項4】
前記カメラ(22)の前記視野内で認識された物体(46)と、前記支持体(16)の予想作動位置や前記支持体(16)の現在作動位置および/または前記車体(14)の一部分との間の距離を計算するとともに、計算された前記距離を前記画像(32)で視覚化するように前記制御ユニット(26)が設けられることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の消防車両。
【請求項5】
各カメラ(22)が、割り当てられた支持体(16)より上の高位置において、下向き傾斜の視角で前記車体(14)に固定されることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の消防車両。
【請求項6】
前記カメラ(22)に赤外センサが設けられることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の消防車両。
【請求項7】
前記視角ディスプレイ(30)が前記消防車両(10)の運転室(50)に設置されることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の消防車両。
【請求項8】
回転可能でありかつ延出可能な回転はしご(12)と、格納位置と支持体(16)の端部が地面に支承される延出作動位置との間で移動可能である横向き前記支持体(16)とを含む消防車両(10)を配置するための方法において、
以下のステップ、すなわち、
前記支持体(16)に割り当てられた監視カメラ(22)によって、前記支持体(16)の端部が作動位置で支承される地面エリア(24)を監視するステップと、
制御ユニット(26)により、前記カメラ(22)により生成された実時間画像データを、前記支持体(16)の予想作動位置を表す計算または事前記憶データと合成するステップと、
前記制御ユニット(26)により、前記消防車両(10)の幅方向において一対に配置された前記支持体(16)の前記予想作動位置を表す各視覚目印(34)が連続するように視覚化され、かつ前記回転はしご(12)の垂直回転軸線(A)の位置が視覚化された画像(32)を前記合成データから生成するステップと、
前記制御ユニット(26)により、前記カメラ(22)の視野内の物体(46)を認識するステップと、
前記支持体(16)の予想作動位置を表す視角目印(34)が重ねられたすべてのカメラ(22)の前記画像(32)を、視角ディスプレイ(30)によって異なる画面エリアに同時に表示するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の、回転はしごおよび/または空中救助足場のような空中装備を備える作業車両、特に消防車両に関する。
【背景技術】
【0002】
安全な作動のため、上記の種類の車両は通常、空中装備が延出および移動される時に車両の頑丈なスタンドを地面に設けるように安全手段を有する。車体から突出する横位置へ空中装備の端部が移動される時に車両の傾動を回避することが、特に重要である。単純化のため、以下では救助車両で非常によく見られるような回転延出はしごのみについて言及が行われるが、これは限定的な意味で理解されるべきではない、つまり本発明は、上昇および回転されうる空中救助足場を装備する車両にも適用可能であるものとする。また、救助車両に制限されるわけではなく、車両の片側に片持ち支持されうるクレーン等を装備する他の作業車両にも適用されうる。
【0003】
このような安全手段としては、格納非使用位置で地面から持ち上げられて、支持体の端部が地面に支承される作動位置へ延出されうる横向き地面支持体が、非常によく見られるようになっている。例えば、これらの横向き地面支持体は、作動位置で端部が車体からある距離に設置されるように主として水平方向に格納または延在されうるアウトリガにより代表されうる。アウトリガの端部は、地面を突っ張るようにジャッキを装備しうる。別の可能性は、端部が地面に触れるように、アウトリガを若干下向きに傾動させることである。このようなアウトリガの接地が車両の両側で行われる場合には、車両の支持エリアが拡張されて、確実なスタンドを車両に設ける。第三の可能性は、車体の側面に多かれ少なかれ直接的に、例えば上記のようなジャッキの形で支持体を設置し、支持体が非使用時にはただ持ち上げられて、作動位置では降ろされることである。以下の説明の意味するところでは、地面支持体に関する「格納」または「延出」の語は、何らかの空間方向、つまり水平または垂直にその動作を限定するものではなく、車体の横側において支持体が二つの異なる作業位置の間で移動可能であることを表すに過ぎないものとする。
【0004】
家屋、駐車車両、および他の障害物の間の狭い通路では特に、救助車両にとって最適な位置を見つけることは、救助の状況ではたいてい困難である。したがって、車両を操作するのに貴重な時間が失われることが多い。この状況での大きな問題は、物体に邪魔されずに地面支持体がその作動位置へ移動可能な位置を見つけることである。また、排水ピット、マンホールカバー、芝生エリアのような軟らかい地面などは支持体にとって頑丈な土台とならないため、支持体の端部をこれらに配置しないように、配慮が行われなければならない。これらの問題は、例えば暗い環境では通常は視界条件が非常に悪いという事実によりさらに悪化し、作業者は支持体の推定作業位置を概観することができず、通常は、操作を監視する別の人物の補助を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
狭いスペースでも、視界不良条件でも、また二人目の補助を伴わずに、作動位置での支持体の配置を容易にして車両の配置時間を節約する、上記の種類の作業車両、特に消防車両のような救助車両を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有する作業車両により達成される。
【0007】
本発明による作業車両は、地面支持体を含む車両の位置を監視するための監視システムを備えている。この監視システムは、車両の両側に配置された監視カメラを有する。各カメラが一つの支持体に割り当てられ、支持体の端部が作動位置で支承される地面エリアを監視する。すなわち、支持体の支持エリアは、当該のカメラの視野に含まれる。各カメラは、当該の地面エリアの実時間画像を取得するように設けられる。この画像を視覚化するため、視覚ディスプレイが設けられる。
【0008】
視覚ディスプレイは、支持体の予想作動位置を表す視角目印が重ねられたすべてのカメラの画像を異なる画面エリアに同時に提示する。これは、カメラにより監視される異なる地面エリアがディスプレイで視認可能であるばかりでなく、地面支持体の最終位置をこれらの位置へ実際に移動される前に視認可能であることを意味する。そのため、支持体が実際に配置される前に、物体との衝突の危険、または支持体の配置に適していない地面のエリアを認識することが可能である。ディスプレイを見ている作業者は、支持体が載置されなければならないすべてのエリアについての概観を得られる。この理由のため、作業者は、支持体の位置を直接的に概観する別の人物の補助を必要としない。
【0009】
視覚目印は異なる手法で設けられうる。本発明の好適な一実施形態によれば、監視システムは、カメラにより生成される実時間画像を支持体の予想作動位置を表す計算または事前記憶データと合成して、支持体の予想作動位置が視覚目印により視覚化された画像をこれらの合成データから生成するように設けられた、視覚ディスプレイを作動させるための制御ユニットを有する。この事例では、視覚ディスプレイに描出される画像において視覚表示が直接的に生成される。
【0010】
本発明の別の好適な実施形態によれば、視覚目印は、視覚ディスプレイの画面での永久目印である。この事例では、目印は計算されるか事前記憶データから生成されるのではなく、画像が電子的に投影される画面に固定された線、点、または他の種類の目印を表す。
【0011】
本発明の好適な実施形態によれば、制御ユニットは、カメラの視野内の物体を認識するようにも設けられる。
【0012】
好ましくは、カメラの視野内で認識された物体を視覚目印によって目印表示するように、制御ユニットが設けられる。これは、視界不良の状況では特に、認識物体の認識を容易にする。
【0013】
より好ましくは、カメラの視野内の認識物体と、アウトリガの予想作動位置や支持体の現在作動位置および/または車体の部分との間の距離を計算するとともに、計算された距離を画像において視覚化するように、制御ユニットが設けられる。
【0014】
別の好適な実施形態によれば、空中装備は、垂直回転軸線を中心に回転可能であり、視覚ディスプレイを作動させて回転軸線の位置を視覚化するように制御ユニットが設けられる。これは、空中装備を作動させるのに最適である位置への車両の操作を容易にする。
【0015】
より好ましくは、各カメラは、割り当てられた支持体より上の高位置において下向き傾斜の視角で車体に固定される。カメラにより生成される対応の画像は、支持体の作動位置を上方から示す地面に対する斜視図であろう。
【0016】
本発明の別の好適な実施形態によれば、視覚ディスプレイは車両の運転室に設置される。
【0017】
本発明はさらに、回転はしごおよび/または空中救助足場のような空中装備と、格納位置と支持体の端部が地面に支承される延出作動位置との間で移動可能である横向き地面支持体とを有する作業車両、特に消防車両を配置するための方法において、この支持体に割り当てられた監視カメラによって支持体の端部が作動位置で支承される地面エリアを監視するステップと、支持体の予想作動位置を表す視覚目印が重ねられたすべてのカメラの画像を視覚ディスプレイによって異なる画面エリアに同時に表示するステップとを含むことを特徴とする方法に関する。
【0018】
この方法の好適な実施形態は、カメラにより生成される実時間画像データを支持体の予想作動位置を表す計算または事前記憶データと合成することと、支持体の予想作動位置が視覚目印により視覚化された画像をこれらの合成データから生成することとを特徴とする。
【0019】
本発明の以上および他の態様は、後述する好適な実施形態から明白となり、これを参照して解説される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による作業車両の一実施形態としての消防車両の斜視図である。
図2】請求項1の作業車両の監視システムの概略図である。
図3】請求項1の作業車両の監視システムの特徴の一つとしての画面ディスプレイの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1の消防車両10は、本発明による作業車両の一例である。消防車両は、垂直軸線Aを中心に回転可能であってはしごが延出可能であるように互いに摺動可能に支持されるいくつかのはしご区分を含む回転はしご12を上部に備える。回転はしご12のこの延出が、はしご12が横方向に、つまり図1に示された非使用位置から直角に旋回される場合には、はしごの重量が作用して、水平長手軸線を中心に車体14を傾動させる。そのため、車両10を安全に地面に支持するには、車両の両側に付加的な支持手段を設けることが必要である。
【0022】
車体14の両側には地面支持体16が設けられる。これらの支持体16は、車体14の下部から横方向、主に水平方向に、つまり運転方向に直角に延在するバー18を有する。車両から横方向に突出しないように車体14より下にアウトリガ16が配置される格納位置と、支持体16の端部20が車両10の各側から距離を置いて地面に支承される図1に図示の延出作動位置との間で支持体16が移動可能であるように、これらのバー18は延出可能である。車両10のこの実施形態のように支持体16を若干下向きに傾動させることにより、または他の適当な機構により、地面との接触が達成される。非常によく見られる支持体16の構造は、作動位置で地面へ押圧されうる下方接触面を有するジャッキを端部に有する。しかし、本発明はいかなる構造にも限定されず、適当であれば支持体16のいかなる支持機構も適用されうる。
【0023】
救急の状況で消防車両1を配置する時には、車両10の操作では、支持体16が適当な作動位置となる位置を見つけるのが困難なことがある。これは、車両10の運転者により作動位置が推定されなければならず、駐車車両や植木鉢等のような障害物を横の地面エリアに含む狭い場所では、これは困難でありうる。他の難題は、アウトリガ16に作用する力に抵抗するのに充分なほど頑丈な、支持体16の端部20を支持する地面の箇所を見つけることにある。芝生エリア等は充分な抵抗を提供しない。したがって、視界不良条件を伴う状況では特に、車両10の運転者はたいてい、支持体16の端部20を載置するためのエリアを監視することができず、車両10を操作して支持体16を延出させるには別の人物の補助を必要とする。
【0024】
よく見られる消防車両のこれらの問題は、監視システムを備える本発明による消防車両10により克服される。これは、車両10の側面に監視カメラを有する。本実施形態では、四つの支持体16、すなわち距離を置いて配設された二つの支持体16が車両の各側に設けられ、四つの監視カメラ22も設けられて、各カメラ22は一つの支持体16に割り当てられている。当該のカメラ22は、割り当てられた支持体16より上の高位置で車体14に固定され、支持体16の端部20がその作動位置で支承される地面エリア24を含むように視角が設けられる。カメラ22の視角は、下向き方向に若干傾いており、支持体18の端部20を配置するため地面エリア24についての上方からの斜視図を提供する。
【0025】
各カメラは、当該の地面エリア24の現在画像を表す実時間画像データ集合を生成するように設けられる。言い換えると、各カメラ22は地面エリア24の実時間画像を取得するのである。
【0026】
カメラ22により生成された画像データ集合を処理するため、監視システムはさらに、図2に概略的に示された制御ユニット26を有し、この図はさらに、監視システム28の他の構成要素、すなわちカメラ22と、制御ユニット26により処理されるカメラ22の画像データに対応する画像32を示すための視覚ディスプレイ30とを示している。一つのカメラ2により提供され、カメラの視野内での監視対象の地面エリア24の描像に対応する各画像データセットから、制御ユニット26が画像32を生成する。しかし、画像32は、地面エリア24のみではなく、視覚目印34としてのアウトリガ16の予想作動位置も示す。これらの目印34は、支持体の予想作動位置を表す事前記憶データから、またはこれらの予想作動位置を表す計算データから描出されうる。制御ユニット26は、カメラ22により生成された実時間画像データを、支持体16の予想作動位置に関連する計算または事前記憶データと合成して、支持体16の予想作動位置が視覚目印34により視覚化されて地面エリア24の画像に重ねられた画像32を、これらの合成データから生成する。
【0027】
別の選択肢は、視覚ディスプレイ30の画面へ視覚目印34を永久に固定することと、画像32と永久目印34とが重ねられるようにディスプレイ30によって電子画像32を描出することである。
【0028】
カメラ22の視野内で明確に画定される支持体16の予想作動位置は、地面エリア24における障害物との支持体16の衝突の可能性を予測するか、軟らかい地面への支持体16の端部20の載置を回避するように地面条件を判断するため、地面での車両10の現在位置に関連付けられる。特に、視覚目印34により、格納位置から支持体16を延出する前に、作業者、例えば車両10の運転者は、アウトリガ16の作動位置を支持体16がこの作動位置に達する前に予測して、支持体16を載置する際の衝突または他の過失を回避できることが示される。
【0029】
一例としての視覚ディスプレイの例示的画面ショットである図3に一層詳しく示されているように、すべてのカメラ22の画像32が分割画面方式で同時に示される。画面エリア34の全体が、高さと幅の等しい四つの部分に分割される。左上エリア38は、車両10の左前の支持体16より上の左前のカメラ22に対応する画像32を示し、右上エリア40は右前のカメラ22に対応し、左下エリア42は左前のカメラ22に対応し、残る右下エリア44は右後ろのカメラ22に対応する。視覚目印34は、支持体16の予想作動位置を示し、エリア38,40,42,44の当該画像にも示される。アウトリガが最終的に予想作動位置に達する時には、これは視覚目印34に対応するだろう。
【0030】
カメラ22の視野へ移動しているアウトリガ16の実際の描像は、カメラ22により捕捉される画像32で明白であろう。また、カメラの視野内の物体、つまり地面エリア24の障害物も、この描像32において視認可能である。図1にも示されているこのような物体の一例として、左前の支持体16の端部20が支持される地面エリア24の中の植木鉢46が、画面エリア38の画像32に示されている。作業者はこの時、視覚目印34の端部と物体46との間の距離を推定することにより物体46との支持体16の衝突が生じるかどうかを推定することが可能である。この推定は、対応の視覚目印により物体46も目印表示することによって裏付けられうる。また、支持体16の視覚目印34の端部と物体46(またはそれぞれその視覚目印)との間の距離は、制御ユニット26により計算され、計算された距離を画像内でフェードインすることにより視覚化される。制御ユニット26によって他の距離、例えば、物体46と車体14との間の距離、および/または、支持体16の現在作動位置(視覚目印34により表される支持体の予想作動位置と区別されるべきである)と物体46との間の距離を計算することも可能である。
【0031】
地面エリア24が、支持体16の端部20を載置するのに適していない軟らかい地面部分を含む場合には、支持体16の予想作動位置の視覚目印34と不適当な地面エリア部分とが重複する事例でも当該の画像32でこれが視認可能である。例えば、左下画面エリア42には、車両10の左後ろ側のカメラ22で捕捉される芝生の部分48が示される。この芝生部分48(図1も参照)は視覚目印34の端部と重複し、これは、車両10を操作することにより車両10の運転者によって修正されなければならない配置ミスが見られることを意味する。他の不適当なエリアは、下水道網のマンホールカバー、排水ピット等でありうる。
【0032】
一つの可能な選択肢として、カメラ22は、視界不良の暗い環境でも良好な可視性を提供する赤外センサを備える。
【0033】
回転はしご12が障害物と衝突せずに作動されうるような手法で消防車両10を載置するためには、回転はしご12の垂直回転軸線A(図1)を視覚ディスプレイ30で視覚化することが有益である。図3では、左下および右下の画面エリア42,44の間で画面36にこの軸線Aが目印表示され、支持体16の予想作動位置に対する垂直軸線Aの位置を示している。軸線Aと車両10の周囲環境での障害物との間の距離、例えば車両10に隣接する壁までの距離を計算して、いくつかまたは何らかの視覚目印としてこの距離をフェードインすることも可能であろう。視覚目印34と他の何らかの目印との間に重複が見られるかどうかの決定にしたがって、支持体16の予想作動位置のための視覚目印34や、物体46または何らかの地面部分48を示す視覚目印を含むすべての目印を当該の画像32において強調することも可能であろう。この決定は、制御ユニット26によって行われうる。このような強調特徴は、何らかの衝突または配置ミスを回避するための警報として作業者に解釈されうる。衝突または他の配置ミスを表すこのような目印の重複が見られる事例では、作業者への音響警報があってもよい。
【0034】
上述したように、カメラ22により提供される実時間画像データから生成されるすべての画像32が、分割画面方式により視覚ディスプレイに同時に示される。こうして作業者は、技術的手段によらずに、自身の位置を変えて異なる地面エリア24を目で監視することを必要とせずに、車両10の周囲の異なる部分への支持体16の配置を同時に判断することが可能である。視覚ディスプレイ30は車両10の運転室50(図1)に取り付けられうるため、運転者は、画面エリア36の異なるエリア38,40,42,44での四つの画像32すべてを示す分割画面を備える視覚ディスプレイ30を注視して、同時に車両10を操作できる。
【0035】
本発明は、消防車両10のみではなく、他の作業車両、特に回転はしごや空中足場のような空中装備を上部に備えるものにも適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
10 消防車両
12 回転はしご
14 車体
16 横向き地面支持体
20 端部
22 監視カメラ
24 地面エリア
26 制御ユニット
28 監視システム
30 視覚ディスプレイ
32 実時間画像
34 視覚目印
36 画面エリア
38,40,42,44 エリア
46 物体
48 地面部分
50 運転室
図1
図2
図3