【実施例】
【0035】
実験プロトコール
布/織物材料の、種子を水没させることなく持続的に種子コーティングに水分を供給し、それにより種子の発芽を最適化する能力は、一般に吸収度パラメーターにより特定することができる。さらに、ウィッキングパラメーターは、布/織物への水分の移動を測定するために使用することができ、種子の発芽挙動と相関する可能性がある。以下の試験プロトコールは、予期せぬことに、気耕栽培の適用における種子の最適な発芽および望まれる植物の収穫のための吸収度とウィッキングパラメーターとの最適な組合せの存在を証明した。
【0036】
実験1
第1の実験は、吸収度に関する2つのパラメーター:(i)布/織物がどの程度水をウィッキングするか、および(ii)特定の布/織物がどの程度の量の水を保持するか、すなわち吸収力を研究した。これら2つのパラメーターの関係も決定した。第1の実験は、パラメーターの好ましい範囲の決定、どの布/織物の特徴が吸収度に影響を与えるか、および次の発芽試験のための布/織物の選択を狭めることに焦点を合わせた。
【0037】
上記の当業界における布/織物の研究に基づいて、綿が、その有機的性質のために栄養溶液により覆われた場合に急速に壊変するであろう点を除いて、ポリエステルよりも性能が優れていると予想された。注目されるのは、意図的に起毛を有するポリエステル(ポーラーフリースと同様)が一般に、ウィッキングおよび吸収度の両方において優れた性能を示すことである。糸の密度および材料、起毛または類似の処理、および織り方が一般に吸収度および/またはウィッキングに影響を与えると結論づけることができる。以前の研究において縦糸および横糸がウィッキングにわずかの違いしか引き起こさなかったので、これらのパラメーターは一般に実験1において考慮しなかった。
【0038】
さまざまな布/織物サンプルを時間をかけて集めた。
図2〜34は試験したそれぞれの布/織物サンプルの近接写真を示す。特に、
図2は代表的な長期間(例えば約5年)使用したポーラーフリース(200)布材料であるサンプルAを示し;
図3は代表的な短期間(例えば約3か月未満)使用したポーラーフリース(200)布材料であるサンプルBを示し;
図4は代表的な新品ポーラーフリース(200)布材料であるサンプルCを示し;
図5は代表的な黄褐色ポーラーフリース(100)布材料であるサンプルDを示し;
図6は代表的な黒色ポーラーフリース(200)布材料であるサンプルEを示し;
図7は代表的なNCSU製PE 5.6A 2/2布材料であるサンプルFの非起毛側を示し;
図8は代表的なNCSU製PE 5.6A 2/2布材料であるサンプルFの起毛側を示し;
図9は代表的なNCSU製PE 190 1/1布材料であるサンプルIの非起毛側を示し;
図10は代表的なNCSU製PE 190 1/1布材料であるサンプルIの起毛側を示し;
図11は代表的なNCSU製PE 280 1/1布材料であるサンプルJの非起毛側を示し;
図12は代表的なNCSU製PE 280 1/1布材料であるサンプルJの起毛側を示し;
図13は代表的なNCSU製PE 2/150 HE布材料であるサンプルK
1の非起毛側を示し;
図14は代表的なNCSU製PE 2/150 HE布材料であるサンプルK
1の起毛側を示し;
図15は代表的なNCSU製PE 2/150 HE布材料であるサンプルK
2の非起毛側を示し;
図16は代表的なNCSU製PE 2/150 HE布材料であるサンプルK
2の起毛側を示し;
図17は代表的なNCSU製PE 1/150 HE布材料であるサンプルL
1の非起毛側および起毛側を示し;
図18は代表的なNCSU製PE 1/150 HE布材料であるサンプルL
2の非起毛側および起毛側を示し;
図19は代表的なNCSU製PE 2/150布材料であるサンプルMの非起毛側を示し;
図20は代表的なNCSU製PE 2/150布材料であるサンプルMの起毛側を示し;
図21は代表的なリサイクル炭酸飲料容器繊維布材料であるサンプルNを示し;
図22は代表的なポーラーフリース300布材料であるサンプルOを示し;
図23は代表的なシェードクロス材料であるサンプルP
1を示し;
図24は代表的な薄地シェードクロス材料であるサンプルP
2を示し;
図25は代表的なポリエステルボイル(試作品)布材料であるサンプルQの非起毛側を示し;
図26は代表的なポリエステルボイル(試作品)布材料であるサンプルQの起毛側を示し;
図27は代表的な薄いポリエステルボイル(試作品)布材料であるサンプルRの非起毛側を示し;
図28は代表的な薄いポリエステルボイル(試作品)布材料であるサンプルRの起毛側を示し;
図29は代表的な綿布材料であるサンプルS
1を示し;
図30は代表的な綿布材料であるサンプルS
2を示し;
図31は代表的な綿布材料であるサンプルS
3を示し;
図32は代表的な白色スパンデックス布材料であるサンプルTを示し;
図33は代表的なNCSU製PE 4/1布材料であるサンプルVの非起毛側を示し;
図34は代表的なNCSU製PE 4/1布材料であるサンプルVの起毛側を示す。
【0039】
本明細書において参照される場合、高エネルギー(HE)は、一般に目の詰まったおよび/または密な布または織物を作り出す高速の編み方を指す。サンプルK
1、K
2、L
1およびL
2はそれぞれ、HEレベルおよび/または起毛機の通過回数にわずかの差を有する以外は実質的に同じである。サンプルS
1、S
2およびS
3は、一般に異なる織り方および/または糸サイズを有し、織物全体の重さが異なる。いくつかのサンプルの布は下に記載する通りの実験2のフラットを作るのに十分な量で残っていた。以前の研究において、一般に、吸収能力を測定するために湿らせた後の水切りのために特定の時間を使用した。実験1では、布から落ちる滴の間隔が5秒を越えた時に、布の重さを記録した。
【0040】
実験1を実施する前に、範囲、可変値、構成および装置に関する要求を評価するために初期実験を行った。ウィッキングは、布を液体の中に滑り込ませた後、液体の高さを測定することが必要であったという考えに基づいて、繰り返しを容易にするために水道水を使用し、布材料の細片を保持するためのクリップを収容するように切った蓋を桶に取り付けた。次に、布材料の細片を液体の中に入れた。液体の高さの測定を補助するために、例えば1リットルあたりおよそ小さじ1杯の食品着色料を液体に加えた。装置を複数の布細片により試験し、数回の観察を行った。染料は一般に桶に沈殿する傾向があった。布の起毛のために高さの測定値が誤認される可能性があり、起毛を押しつけるためにねじ回しを使用しても満足な解決にならなかった。布細片は一般に、浸した後に異なる速度および/または量で滴が落ち、好ましい布細片は一般に約10秒未満で試験細片の上端までウィッキングした。しかしながら、ウィッキングにおいて時間要素を考慮する必要があり、溶液に浸してから重量測定を行うまでの除去後の滴の滴下には標準が必要であり、起毛に対処するためにより良い道具が必要であり、軽い重量の正確な測定が可能な秤が望まれた。
【0041】
実験1のために、浸漬皿を水および少量の赤色食品着色料(例えば、水、グリセリン、FD&Cレッド40、クエン酸、および安息香酸ナトリウムを含む食品着色料)で満たした。pHレベルは約7.6であると測定され、水温は約13.5℃であると測定され、導電率は約0.42 dS/mであると測定された。空気は相対湿度約57%および約19.5℃であると測定された。
図35に、赤色染料混合物106を満たした浸漬皿100、秤102、定規104、スプラインローラー108を含む、実験1の実験装置が示される。
【0042】
実験1の目標は、ウィッキングの値および吸収度の値を別々に測定することであった。試験するそれぞれの布からおよそ1インチ×3.5インチの大きさの細片を切り取った。試験した代表的な布材料を下の表に挙げる。2枚の細片をクリップ上に載せ、同時に浸漬皿100の中に落とした。水が吸収され、平らに広げる間に布により保持されることが望まれた。落とした後約3分および約6分にウィッキング高さを測定した。布細片を浸漬皿100中で浸漬させ、浸漬皿100から取りだして、滴が落ちるままにした。すなわち、各滴の間隔が約5秒を越えるまでそれぞれの布から滴が落ちるままにした。次に、浸漬した布の重さを秤102により測定した。
【0043】
実験1で採用されたいくつかの仮定に関して、浸漬皿100の成形材料、すなわちプラスチック、および染料を入れた水が、静電荷または近接性のために織物のウィッキングを部分的に増大させた可能性がある。しかしながら、すべての布材料を同じ試験環境で試験したので、浸漬皿100の材料および染料を入れた水は一般にここに提供される結果に影響を与えなかったと推測すべきである。視認される水分は一般に実際の到達した高さにより表されることに留意すべきである。さらに、洗濯された織物と洗濯されていない織物は実験1において実質的に同じ挙動を示した。温度は一般に吸収の結果に影響を与えないと予測された。
【0044】
実験1の間に行われた観察には赤色染料混合物106が関与するが、一般に赤色染料混合物106は染料が浸漬皿100の底に沈殿しないように撹拌することが必要である。いくつかの例において、溶液はウィッキングのために移動速度が速くなり、約10秒で布細片の上端に到達した。布の著しい起毛のために最大高さの測定値が誤認されることが確認された。そこで、スプラインローラー108を使用して視認および/または測定のために布を押しつけた。特に、濡れた部分から乾いた部分へと転がすとウィッキング高さに影響を与える(増大させる)ので、スプラインローラー108を上から下に向けて使用した。例えば、視認される高さは約7.4 cmであったのに対して、実際の高さは約9.5 cmであった。溶液は実験の間に乾く可能性もあり、それにより浸漬皿100の中の溶液のレベルが時間と共に低くなる。最初の9個のサンプルが全般に浸漬皿100から溶液を取り去ったので、溶液のベースライン高さが約5.5 cmから約5.4 cmに変化した。時間も一つの要因であり、一晩放置した布は全般に布細片の上端に達していた。さらに、約3分と約6分に測定されたウィッキング高さは全般に実質的に同じであった。そこで、3分に行われたウィッキング高さ測定値を使用した。さらに、いくつかの織物は溶液に沈められた時に空気を保持した。
【0045】
実験1の結果
上記の実験研究に関して、実験1の実験結果が得られたので、下記の表1および2に記載する。特に、表1は実験結果をウィッキング高さでソートし、表2は実験結果を吸収度でソートした。
【表1】
【表2】
【0046】
実験2、3および4の実験プロトコール
実験2、3および4のための布サンプルを
図36Aおよび36Bに示す通りの2つのフラットに縫い合わせた。代表的なフラットは、下に記載される通りに、異なるサンプルを縫い合わせて、約150 cm×約75 cmの大きさとした。特に、それぞれのフラットの4分の1を1つのサンプルを保持するために使用した。布が両面で異なる場合、例えば片側が起毛されており、反対側が起毛されていない場合には、フラットの4分の1の部分をさらに2つの部分に分けて、起毛および非起毛布のサンプルが互いに隣接するように縫い合わせた。
図36Aは、サンプルO、I、K
2およびEを用いる第1のフラット110の代表的図表を示し、
図36Bは、サンプルB、T、RおよびNを用いる第2のフラット130の図表を示す。特に、
図36Aの第1のフラット110は、サンプルOの第1の4分の1(112)、サンプルIの第2の4分の1(114)、サンプルEの第3の4分の1(116)、およびサンプルK
2の第4の4分の1(118)を含む。上記の通り、サンプルIおよびサンプルK
2は起毛側および非起毛側を有するので、第2の4分の1(114)および第4の4分の1(118)はさらに、第1、第2、第3および第4の8分の1(それぞれ、120、122、124および126)に分割される。そこで、第1の8分の1(120)はサンプルIの起毛側として、第2の8分の1(122)はサンプルIの非起毛側として、第3の8分の1(124)はサンプルK
2の起毛側として、第4の8分の1(124)はサンプルK
2の非起毛側とした。
【0047】
同様に、
図36Bの第2のフラット130には、サンプルBの第1の4分の1(132)、サンプルTの第2の4分の1(134)、サンプルNの第3の4分の1(136)、およびサンプルRの第4の4分の1(138)が含まれる。サンプルRは起毛および非起毛側を有するので、第4の4分の1(138)はさらに第1および第2の8分の1(それぞれ、140および142)に分割される。そこで、第1の8分の1(140)はサンプルRの非起毛側として、第2の8分の1(142)はサンプルRの起毛側とした。
図37は、実験2、3および4において使用された代表的な第1のフラット110'の写真を示す。
【0048】
サンプル布材料上での植物の栽培は、一般に、連続的に照射した約400ワット高圧ナトリウム(HPS)を使用し、同じ栄養溶液を提供し、実質的に同じ温度、空気の移動、および湿度を有する単一のグロースチャンバーの中で行った。
図38はグロースチャンバーにおける光強度条件のグラフを表す。光強度は一般にフラット上で変化し、収穫量に影響を与え得る。特に、
図38に示す通り、光強度レベルは環状領域「a」において約0μmol・m
-2・s
-1〜100μmol・m
-2・s
-1、環状領域「b」において約100μmol・m
-2・s
-1〜約200μmol・m
-2・s
-1、および環状領域「c」において約200μmol・m
-2・s
-1〜約300μmol・m
-2・s
-1の間で変化した。光強度の変化により引き起こされる影響は、実験4において電球の下の最内側の環状領域「c」(約200μmol・m
-2・s
-1以上)から収穫することにより実質的に回避した。
図39および40には、摂氏で測定された温度、pHレベル、およびdS/mで測定された導電率を含む、グロースチャンバー内のさらなる気候条件を示す。特に、
図39は、約15.6℃〜約24.1℃の栄養温度範囲、約5.2〜約6.6のpHレベル範囲、および約2.23 dS/m〜約2.86 dS/mの導電率範囲を含む、実験3の気候条件を示す。
図40は、約18.6℃〜約22.5℃の栄養温度範囲、約4.3〜約6.0のpHレベル範囲、および約1.35 dS/m〜約2.15 dS/mの導電率範囲を含む、実験4の気候条件を示す。
【0049】
実験2
実験2では光の変化の要因である発芽のパーセンテージを測定することに焦点を合わせた。これには、好ましい発芽用の覆いおよび発芽に対する布タイプの影響を決定することが含まれる。それに加えて、実験2はウィッキング、吸収度、および種子の発芽の間の関係を決定した。発芽の速度を測定するためにさらなる試験プロトコールを実行することができることが注目される。発芽最適化プロトコールには、望まれる光強度およびそもそも種子は覆いを必要とするのかを決定するために、(a)半透明の白色の覆い、(b)黒色の不透明な覆い、および(c)覆いなしの利用が含まれる。布表面上の3つの異なる1インチの正方形を使用して布サンプルあたりの発芽した種子を計数した。フラットあたり約20グラムの「アストロ(Astro)」キバナスズシロ(Eruca sativa)種子を使用した。
【0050】
下の表3に最も良い発芽(1)から最も悪い発芽(11)までのランキングを含む実験2のデータを示す。注目されるのは、全体を通して黒色の不透明な覆い(b)の使用が一般に最も良い発芽を与えたことである。そこで、下の表3に示される結果を黒色の不透明な覆い(b)を使用して得られた発芽および収穫量でソートした。本開示の表において論じられる「起毛」の表示は、起毛表面を上側に向けてその上に種子を置き、非起毛表面を下側に向けた方向を有する布サンプルを指す。同様に、本開示の表において論じられる「非起毛」の表示は、非起毛表面を上側に向けてその上に種子を置き、起毛表面を下側に向けた方向を有する布サンプルを指す。綿(サンプルS
1、S
2およびS
3)および薄地サンプル(サンプルP
1およびP
2)は、それぞれ、急速な劣化およびあまりにも容易に栄養が布を通過することのために実験2には使用しなかった。
【表3】
【0051】
注目されるのは、水分、例えば、水、栄養溶液等が一般に発芽の重要な成分であることである。例えば、1つの布サンプルの非常に濡れた領域は、同じ布サンプルの濡れ方の少ない他の領域と比較して、一般により高い発芽速度を有することが観察された。全体により多くの水を有する布サンプルが一般により良く発芽した。一方、傾斜した布サンプルの領域は一般にあまり良く発芽せず、より乾燥していた。特に極端に濡れた条件は、一般に、水たまりの形成を起こす布サンプルのたるんだ領域に位置した。
【0052】
実験3
実験3は一般に、布タイプとの関係で植物の収穫量を決定することに焦点を合わせた。特に、実験3は実験2の続きであり、植物をおおよそ収穫する大きさまで生育させ、それぞれの処理で重さを量った。最初に布サンプルにフラットあたり約20グラムの「アストロ」キバナスズシロ(Eruca sativa)の種を蒔いて発芽のために覆いをした。種蒔きのおよそ2日後にグロースチャンバーから覆いを取り外し、およそ17日後に植物を収穫した。それにより、全部でおよそ19日に渡って植物を栽培した。
【0053】
それぞれの区画で収穫される植物を実質的に同じ高さで切るように注意した。布サンプルを2つの同じ大きさの部分に分割した場合、例えば、サンプルK、IおよびRの場合には、収穫量を2倍にして予測される植物の密度を決定した。注目されるのは、植物の高さ、変化する光強度、および/または栄養噴霧における違いが収穫量に影響を与えたことである。例えば、約200μmol・m
-2・s
-1未満の光を受ける領域の植物は一般に到達する植物高さが低いことが観察された。実験3の結果を下の表4に記載する。特に、表4に示される結果は、収穫した植物の密度を、最初が最低の密度(11)で最後が最高の密度(1)となるようにランク付けしたものである。
【表4】
【0054】
実験4
実験3と同様に、実験4は一般に布タイプとの関係で植物の収穫量を決定することに焦点を合わせた。特に、実験4は、例えば、栄養噴霧パターンにおける差異をなくし、植物を十分な光レベルを受ける領域から採集したこと等により、一般に実験3に関わる変動を除去した。実験4はまた、下記の通り、実験3とは異なる種子を使用した。
【0055】
布フラットを、実質的に茎および/または根が存在しないようにこすり取った後、洗濯機の中で洗剤を用いて洗濯した。次に、布フラットにアジアの葉野菜、すなわちフラットあたりそれぞれ約10グラムの青梗菜(Brassica rapa var. chinesis)および小松菜(Brassica rapa var. perviridis)の種子を再度植えた。収穫できる大きさになった時に、約17の植物を布から根を傷めずに引き抜いて、個々に重さを量ることにより、平均植物重量およびそれぞれの布処理の合計を得た。個々の植物の重量は本質的な情報を追加しなかったと結論づけられたので、17本の収穫した植物の総重量を使用した。実験4の結果を下の表5に提供し、最初が最高の重量、すなわちサンプルR(起毛)の13.44グラムで、最後が最低の重量、すなわちサンプルEの4.60グラムとなるように総重量でソートする。
【表5】
【0056】
実験3の発芽レベルに対する実験4の発芽レベルの向上は不透明な覆いおよび/またはフラットの洗濯の結果であり得ることに留意すべきである。特に、実験3ではいろいろな覆いを用いて発芽を行ったのと比較して、実験4ではフラット全体に単一の不透明な覆いを使用した。フラットの洗濯が高レベルの発芽の原因であることに関して、まだ使用されていない織物の布フラット上に表面処理が使用されており、それが洗濯サイクルの間に除去された可能性がある。さらなる例として、洗濯サイクルが糸表面にひび割れを作ることにより織物を「柔軟化」した可能性がある。
【0057】
実験結果
上記の実験を行った際に望まれる結果には、一般に、気耕栽培による発芽および/または植物の生育に関する満足な性能を説明する吸収度パラメーターおよび/またはウィッキングパラメーターの範囲の決定が含まれる。試験した布サンプルをこれらのパラメーターを決定するためにランク付けした。上記の実験に基づく布サンプルのランキングの総和を下の表6および7に提供する。特に、表6は、実験2、3および4において測定された収穫量および発芽パーセンテージデータの比較に基づく布サンプルのランキングを提供し、一方、表7は実験2、3および4において測定された収穫量および発芽パーセンテージに関する総計ランキング得点に基づく布サンプルのランキングを提供する。表6のランキングは、上(1番目)の最低の収穫量または発芽から下(11番目)の最高の収穫量または発芽までを示している。表7のランキングは、それぞれの列の布性能ランキングを合計することにより、すなわち、実験3および4の収穫量の成績に関して表6のランキングを合計することおよび実験2および4の発芽成績ランキングを合計することにより、決定した。表7のランキングは最高の収穫量または発芽(21)から最低の収穫量または発芽(2)まで列挙している。例えば、表6における布サンプルTは実験3において1番目(1)(すなわち、最低の収穫量)に、実験4において2番目(2)(すなわち2番目に低い収穫量)にランクされており、そこで3(3)の合計を与える。同様に、表6における布サンプルEは実験3において6番目(6)(すなわち、6番目に低い収穫量)に、実験4において1番目(1)(すなわち、最低の収穫量)にランクされており、そこで7(7)の合計を与える。
【表6】
【表7】
【0058】
表6および7に提供されるランキングは、一般に発芽の成功と収穫量の成功を比較するものである。予想された強い関係がサンプルR(起毛)に存在する。しかしながら、表6および7からわかる通り、他の布サンプルも両方のカテゴリーにおいて十分な性能を示した。サンプルT(白色スパンデックス)は数例において十分な性能を示したが、布表面上に過剰な水が移動して、そこに留まることが可能であるというサンプルTの特徴のために、サンプルTではいくつかの植物が完全に成熟する前に枯れた。サンプルTの上に残存する過剰な水は一般に病気の温床となり、かつ/または背の低い植物の一部を水没させた。サンプルN(炭酸飲料容器織物)は一般に余りにも急速に排水するため、覆いを取り除いた後に種子を載せた表面に湿り気を感じなかった。それに加えて、サンプルNは一般に洗濯機における洗濯サイクルの間の性能が悪く、そのため、発芽、収穫、および洗濯の繰り返されるサイクルにおいて長持ちしないと予想された。サンプルK
2(起毛)(NCSU製PE 2/150 HE)は起毛表面を有し、それにより一般に水分の十分に高いウィッキングが妨げられて、種子が織物の下にある水分から引き離されることとなった。
【0059】
表6および7に示される収穫量および発芽データのランキングを、下の表8に示される通り、関連する布サンプルの吸収度データとウィッキングデータとを比較するために使用した。
【表8】
【0060】
特に、実験データおよび上で論じたランキングに基づいて、気耕栽培システムに使用するのに好ましい布の最大範囲を記述する吸収度パラメーターおよびウィッキングパラメーターの範囲を決定した。最適収穫量に関して、ウィッキングパラメーター、すなわちウィッキング高さの好ましい範囲は、約0.6 cm〜約8.1 cmの間、特に約0.6 cm〜約4.5 cmの間、とりわけ約1.1 cm〜約2.8 cmの間であると決定された。最適収穫量に関する吸収度パラメーターの好ましい範囲は、約0.04 g/cm
2〜約0.32 g/cm
2の間、特に約0.10 g/cm
2〜約0.32 g/cm
2の間、とりわけ約0.10 g/cm
2〜約0.29 g/cm
2の間であると決定された。最適な発芽に関して、ウィッキングパラメーターの好ましい範囲は、約0.6 cm〜約8.1 cmの間、特に約1.1 cm〜約8.1 cmの間、とりわけ約2.8 cm〜約4.5 cmの間であると決定された。最適な発芽に関する吸収度パラメーターの好ましい範囲は、約0.04 g/cm
2〜約0.32 g/cm
2の間、特に約0.22 g/cm
2〜約0.29 g/cm
2の間であると決定された。
【0061】
したがって、最適な収穫量および発芽を示す布材料に関して、ウィッキングパラメーターの好ましい範囲は、約0.6 cm〜約8.1 cmの間、特に約1.1 cm〜約4.5 cmの間であると決定された。最適な収穫量および発芽を示す布材料に関する吸収度パラメーターの好ましい範囲は、約0.10 g/cm
2〜約0.29 g/cm
2の間、特に約0.22 g/cm
2〜約0.29 g/cm
2の間であると決定された。ウィッキングパラメーターおよび吸収度パラメーターの好ましい範囲が、例えば、発芽および/または生育期の間に適正なレベルの栄養溶液が維持されるように布/織物に栄養溶液を供給するために使用される方法に依存して変動し得ることに留意すべきである。実験結果は好ましいウィッキングパラメーターおよび吸収度パラメーター範囲を提供し、気耕栽培システムに使用するのに最適な布/織物材料を選択するために布/織物のウィッキングおよび吸収度特性を使用することができることを示している。上に挙げたものよりも大きいウィッキングパラメーターおよび/または吸収度パラメーターを有する布材料は湿りすぎており、実生苗を水没させる可能性および/または菌類の増殖を増大させる条件を作り出す可能性がある。上に挙げたものより小さいウィッキングパラメーターおよび/または吸収度パラメーターを有する布材料は十分な発芽条件を作り出さない可能性がある。本明細書において論じた結果は水をベースとする溶液を用いた実験から決定されたが、前記結果ならびにウィッキングパラメーターおよび吸収度パラメーターの好ましい範囲は、栄養溶液を使用する気耕栽培システムについても予測すると考えられる。
【0062】
本明細書に開示された特徴を有する布材料が別の農業システムに役立つ可能性がある。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書において論じられた布または織物材料を水耕栽培システムにおいて使用することができる。種子を布または織物の上に置き、布または織物を栄養溶液に浸漬することおよび/または発芽期の間少なくとも一方の表面に栄養溶液を絶えず噴霧することができる。それにより、布または織物は種子に発芽に必要な栄養溶液への制御されたアクセスおよび/または栄養溶液の不断の補給を提供し、さらに、種子および根の侵入に対する支持を提供する。発芽期が過ぎた後、布または織物を栄養溶液から取り出すことができ、かつ/または、植物の生育期の間は栄養溶液の噴霧をより少ない間隔で提供することができる。
【0063】
当業者に理解される通り、上に提供された範囲よりも大きいまたは小さいウィッキングパラメーターおよび/または吸収度パラメーターを有する布材料も種子の発芽に必要な水分を供給するシステムの栽培培地として使用することが可能である。例えば、サンプルN(炭酸飲料容器織物)は一般に上に挙げたウィッキングおよび吸収度パラメーターを満たさないが、種を蒔いたサンプルNを栄養溶液および/または水のトレーの中に直接置くことにより、種子の発芽および植物の生育が可能になるかも知れない。栄養溶液および/または水の種子への絶え間ない供給の結果として植物の発芽および/または生育が起こり得る。しかしながら、上に挙げたウィッキングおよび/または吸収度パラメーターを満たさない布材料は一般に、気耕栽培システムにおいて最大の収穫量および/または発芽を促進しないであろう。
【0064】
本明細書において代表的な実施形態を記載したが、これらの実施形態は限定であると解釈してはならず、本明細書に明示的に記載されるものに対する付加および改変も本発明の範囲に含まれることを明示的に指摘しておく。さらに、本明細書に記載されたさまざまな実施形態の特徴は相互に排他的ではなく、そのような組合せまたは入れ替えが本明細書に記載されていない場合でさえも、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、種々の組合せおよび入れ替えで存在することが可能であることが理解されるべきである。