特許第6396918号(P6396918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッドの特許一覧

特許6396918無線通信システムにおける通信方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6396918
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおける通信方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20180913BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20180913BHJP
【FI】
   H04W24/10
   H04W72/04 111
   H04W72/04 131
【請求項の数】9
【全頁数】62
(21)【出願番号】特願2015-545363(P2015-545363)
(86)(22)【出願日】2013年11月28日
(65)【公表番号】特表2016-502816(P2016-502816A)
(43)【公表日】2016年1月28日
(86)【国際出願番号】KR2013010926
(87)【国際公開番号】WO2014084638
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年11月7日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0136411
(32)【優先日】2012年11月28日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0005876
(32)【優先日】2013年1月18日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0009091
(32)【優先日】2013年1月28日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0037375
(32)【優先日】2013年4月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ソン−フン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ゲルト・ヤン・ファン・リースハウト
(72)【発明者】
【氏名】キョン−イン・ジョン
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/094983(WO,A1)
【文献】 CATT, CATR,Measurement gap in uplink for different TDD configurations[online],3GPP TSG-RAN WG2#80,3GPP,2012年11月16日,R2-125576,検索日[2017.11.22],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_80/Docs/R2-125576.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムのユーザー端末(UE)による通信方法であって、
前記ユーザー端末(UE)がアップリンク(UL)データを送信しない区間である測定ギャップ(MG)に関する構成情報を前記UEが基地局から受信するステップと、
前記構成情報に基づいて前記測定ギャップの少なくとも一つのサブフレームを識別するステップと、
前記識別された少なくとも一つのサブフレームに基づいて、前記測定ギャップの直前に存在するサブフレームの終了時点で、前記UEにより、前記測定ギャップに対応する測定を開始するステップと、
前記測定ギャップの直前に存在するサブフレームがダウンリンク(DL)サブフレームであるか否かに基づいて、前記測定ギャップの直後のサブフレームでUL送信を遂行するか否かを決定するステップと、
を有することを特徴とする通信方法。
【請求項2】
前記測定ギャップに対応する測定は、
複数のサービングセルが前記UEに対して構成される場合、前記サービングセルの前記識別されたサブフレームのサブフレーム番号を有するサブフレームの直前の複数のサブフレームのうち最後のサブフレームの終了時点で開始することを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記動作を決定するステップは、
前記UEが周波数分割多重(FDD)モードであるか、あるいは時間分割多重(TDD)モードであるかを識別するステップと、
前記測定ギャップの直後の前記UEがTDDモードであると識別される場合、前記測定ギャップの直前のサブフレームがDLサブフレームであるかを識別するステップと、
前記測定ギャップの直前のサブフレームがDLサブフレームである場合、前記測定ギャップの直後のサブフレームでUL送信を遮断するステップと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項4】
前記構成情報は、
前記測定ギャップの開始時点を決定するために用いられるギャップオフセットに関する情報及び前記測定ギャップの反復周期に関連した情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項5】
無線通信システムにおける通信を遂行するユーザー端末(UE)装置であって、
UEがアップリンク(UL)データを送信しない区間である測定ギャップに関する構成情報を基地局から受信する送受信器と、
前記構成情報によって前記測定ギャップの少なくとも一つのサブフレームを識別し、前記識別された少なくとも一つのサブフレームに基づいて前記測定ギャップの直前に存在するサブフレームの終了時点で前記測定ギャップに対応する測定を開始し、前記測定ギャップの直前に存在するサブフレームがDLサブフレームであると識別される場合、前記測定ギャップの直後のサブフレームでUL送信を遂行するか否かを決定する制御部と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項6】
前記測定ギャップに対応する測定は、
複数のサービングセルがUEに対して構成される場合、前記サービングセルの前記識別されたサブフレームのサブフレーム番号を有するサブフレームの直前の複数のサブフレームのうち最後のサブフレームが終了する時点で開始することを特徴とする請求項に記載のUE装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記測定ギャップの直前のサブフレームがDLサブフレームであるかを識別し、前記測定ギャップの直後のサブフレームでUL送信を遮断することを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記測定ギャップの直後の前記UEが時間分割多重(TDD)モードであり、前記測定ギャップの直前のサブフレームがDLサブフレームであると識別される場合、前記測定ギャップの直後のサブフレームで前記送受信器によるUL送信を遮断することを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記構成情報は、
前記測定ギャップの開始時点を決定するために用いられるギャップオフセットに関する情報及び前記測定ギャップの反復周期に関連した情報を含むことを特徴とする請求項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に通信システムに関するもので、特に無線通信システムにおいて信号を送受信する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムは、ユーザーの移動性を確保しつつ通信を提供するための目的で開発されてきた。このような移動通信システムは、技術の飛躍的な発展によって音声通信だけでなく高速のデータ通信サービスが提供される。
【0003】
次世代移動通信システムである3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution)システムは、3GPPデータレートより高い最大100Mbps程度データレートを有する高速パケットベースの通信を実現する。さらに、LTE通信システムに新たな技術を適用してデータレートを向上させる進化したLTE(LTE−A)システムに関する議論が進まれている。以下、“LTE”は、既存のLTEシステムとLTE−Aシステム両方ともを意味する。
【0004】
LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)、TDD(Time Division Duplex)の2つのデュプレックス(duplex)モードをサポートする。FDDでは、異なる周波数帯域がアップリンク(UL)及びダウンリンク(DL)に使用され、TDDでは、同一の周波数帯域がUL及びDLに使用される。
【0005】
LTE−Aシステムで新しく導入される技術のうちの一つは、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)である。CAにおいて、ユーザー端末(UE)は、多重キャリアでデータを送受信する。具体的に、UEは、集積された複数のキャリア(通常、同一の基地局(eNB)によりサービスされるキャリア)を通じてデータを送受信する。このUEのデータ送受信は、複数のセルを通じてUEのデータ送受信と同一である。したがって、CAが異なる周波数帯域及び異なるサブフレームパターンを有するTDDセルに適用される場合、UEがeNBと円滑にデータ送受信を可能にする技術が必要である。
【0006】
上記情報は、本発明の理解を助けるために背景情報のみとして開示される。これらが本発明に対して従来技術として適用できるか否かに関しては何の決定及び断言も下されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、上記した従来技術の問題点を解決するために、本発明の目的は、無線通信システムにおいてデータ通信に必要な制御信号を送受信する方法及び装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、複数の周波数をサポートする無線通信システムで非サービング周波数を測定する方法及び装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、複数の周波数をサポートする無線通信システムにおいて、UEがアップリンク送信及びダウンリンク受信を中断する間に測定ギャップを構成する方法及び装置を提供することにある。
【0010】
さらに、本発明の目的は、多重入力多重出力(MIMO)動作のためのランク指示(Rank Indication:RI)を報告する方法及び装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、空間多重化のためのレイヤの個数を表すRIのビット数(又はビット幅)を決定する方法及び装置を提供することにある。
【0012】
また、本発明の目的は、異なるサブフレームパターンを有するTDDセルのキャリアが集積される場合、TDD端末で基地局とデータを送受信する方法及び装置を提供することにある。
【0013】
さらに、本発明の目的は、異なるサブフレーム構成を有するTDDセルの集積されたキャリアを通じてデータを送受信する方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記のような目的を達成するために、本発明の一態様によれば、無線通信システムにおける通信方法が提供される。その方法は、ユーザー端末(UE)がアップリンク(UL)送信及びダウンリンク(DL)受信を中止する時区間である測定ギャップ(MG)に関する測定ギャップ構成情報をUEにより受信するステップと、測定ギャップ構成情報に基づいて測定ギャップの開始時点を特定するサブフレーム番号を決定するステップと、決定されたサブフレーム番号を有するサブフレーム直前のサブフレームの終了時点で測定ギャップを開始するステップと、測定ギャップの間に所定の測定動作を遂行するステップと、測定ギャップ直後のサブフレームでUEのデュプレックスモード及び測定ギャップ直前のサブフレームのタイプに基づいて所定の動作を遂行するステップとを有する。
【0015】
本発明の他の態様によれば、無線通信システムにおける通信方法が提供される。その方法は、ユーザー端末(UE)がアップリンク(UL)送信及びダウンリンク(DL)受信を中断する測定ギャップに関する測定ギャップ構成情報をUEに伝送するステップと、測定ギャップ構成情報に基づいて測定ギャップに含まれるサブフレームを決定するステップと、測定ギャップ直前のサブフレームがDLサブフレームである場合、測定ギャップ直後のULサブフレームでUEからのUL送信に対するモニタリングを遮断するステップとを有する。
【0016】
また、本発明の他の態様によれば、無線通信システムにおける通信を遂行するユーザー端末(UE)装置が提供される。その装置は、UEがアップリンク(UL)送信及びダウンリンク(DL)受信を中断する時区間である測定ギャップに関する測定ギャップ構成情報を受信する送受信器と、測定ギャップ構成情報によって測定ギャップの開始時点を特定するサブフレーム番号を決定し、サブフレーム番号を有するサブフレーム直前のサブフレームが終了する時点で測定ギャップを開始することに決定し、測定ギャップで所定の測定動作を遂行するように送受信器を制御し、測定ギャップ直後のサブフレームでUEのデュプレックスモード及び測定ギャップ直前のサブフレームのタイプに基づいて所定の動作を遂行するように送受信器を制御する制御部とを含む。
【0017】
さらに、本発明の他の態様によれば、無線通信システムにおける通信を遂行する基地局(BS)装置が提供される。その装置は、ユーザー端末(UE)がアップリンク(UL)伝送及びダウンリンク(DL)受信を中断する測定ギャップ(MG)に関する測定ギャップ構成情報をUEに伝送する送受信器と、測定ギャップ構成情報によって測定ギャップに含まれるサブフレームを決定し、測定ギャップ直前のサブフレームがDLサブフレームである場合、測定ギャップ直後のULサブフレームでUEからのUL送信に対するモニタリングを遮断するように送受信機を制御する制御部とを含む。
【0018】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書の全般で使われる用語や語句を定義する。「〜含む(include)」、「〜からなる(comprise)」だけでなく、それらの派生語は限定のない包含を意味する。「または(or)」は及び/または(and/or)を含み、「〜に関連する(associated with)」、「それに関連する(associated therewith)」及びそれらの派生語句は、包含(include)、含まれる(be included within)、受容される(be contained within)、連結(connect to or with)、接続(couple to or with)、通信(be communication with)、協力(cooperate with)、相互配置(interleave)、並置(juxtapose)、近接(be approximate to)、結合(be bound to or with)、所有(have)、性質の所有(have a property of)、または類以(the like)を意味し、「制御器(controller)」は少なくとも一つの動作を制御する装置、システム、またはその部分を意味し、そのような装置は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらのうちの少なくとも二つの組み合わせで具現することができる。特定の制御器に関連する機能は、集中しているか、あるいは局地的にまたは遠距離に分散されることもある。特定の用語及び語句は本明細書の全体で使用されるが、当業者は多くの場合に上述したような定義が過去だけでなく未来の使用にも適用されることを理解しなければならない。
【0019】
本発明の他の態様、利点、及び顕著な特徴は、下記の詳細な説明から当業者には公知であり、その詳細な説明は、添付の図面とともに本発明の実施形態で開示する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態によるLTEシステムの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるLTEシステムで無線プロトコル構造を示す図である。
図3】本発明の一実施形態によるユーザー端末(UE)のキャリアアグリゲーション(CA)を示す図である。
図4】本発明の一実施形態によるTDDフレーム構造の一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態による異なるTDD UL/DL構成を有するセルの一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態によるUEの動作を示す図である。
図7】本発明の一実施形態によるセカンダリサービングセルのサブフレームでUEの動作を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態によるセカンダリサービングセルのフィードバック受信時間とデータ再伝送時間を決定するUEの動作を示すフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態によるセカンダリサービングセルのフィードバック伝送時間を決定するUEの動作を示すフローチャートである。
図10A】本発明の一実施形態によるセカンダリサービングセルのUL送信を遂行するUEの動作を示すフローチャートである。
図10B】本発明の一実施形態によるセカンダリサービングセルのUL送信を遂行するUEの動作を示すフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態によるUEを示すブロック構成図である。
図12】本発明の一実施形態によるeNBの構成を示すブロック構成図である。
図13A】サービングセルのサブフレームが相互に重複される状況の一例を示す図である。
図13B】サービングセルのサブフレームが相互に重複される状況の一例を示す図である。
図14】本発明の一実施形態によるセカンダリサービングセルのサブフレームに対するUEの一つの動作を示すフローチャートである。
図15】本発明の一実施形態による測定ギャップを示す一例を示す図である。
図16】サービングセルのサブフレーム境界が一致しない場合、測定ギャップの設定に含まれる問題点を示す図である。
図17】セカンダリサービングセルのDL受信時点がプライマリサービングセルのDL受信時点に先行する場合、測定ギャップの設定の一例を示す図である。
図18】プライマリサービングセルのDL受信時点がセカンダリサービングセルのDL受信時点に先行する場合、測定ギャップの設定の一例を示す図である。
図19】本発明の一実施形態による測定ギャップに対するUEの動作を示すフローチャートである。
図20】本発明の一実施形態による測定ギャップに対するUEの動作を示すフローチャートである。
図21】本発明の一実施形態による測定ギャップに対するUEの動作を示すフローチャートである。
図22】FDDシステムにおける測定ギャップとULサブフレームとの関係を示す図である。
図23】TDDシステムにおけるULサブフレームのタイミング調整の一例を示す図である。
図24】本発明による測定ギャップの設定に対するUEのオペレーヨンの一例を示すフローチャートである。
図25】本発明による測定ギャップに対するUEの動作の一例を示すフローチャートである。
図26】本発明による測定ギャップに対するUEの動作の一例を示すフローチャートである。
図27】異なるUL/DL構成を有するサービングセルの一例を示す図である。
図28】本発明による測定ギャップの設定に対するUEの動作の一例を示すフローチャートである。
図29】本発明による測定ギャップに対するUEの動作の一例を示すフローチャートである。
図30】本発明の一実施形態によるサブフレームセットを示す図である。
図31】本発明による測定ギャップに対するUEの動作の一例を示すフローチャートである。
図32】本発明による測定ギャップに対するUEの動作の一例を示すフローチャートである。
図33】本発明による測定ギャップの設定の一例を示す図である。
図34】本発明による測定ギャップに対するUEの動作の一例を示すフローチャートである。
図35】本発明によるRIのビット数を決定する全体動作の信号フローの一例を示す図である。
図36】本発明の一実施形態によるRIのビット数を決定するUEの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
したがって、本発明の実施形態では、理解を助けるために多様で詳細な説明を含む。しかしながら、これら詳細な説明は、ほとんど典型的な例として考えられる。また、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、以下に説明される本発明の様々な変形及び変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。なお、公知の機能または構成に関する具体的な説明は、明瞭性と簡潔性のために省略する。
【0023】
次の説明及び請求項に使用する用語及び単語は、辞典的意味に限定されるものではなく、発明者により本発明の理解を明確且つ一貫性があるようにするために使用する。従って、特許請求の範囲とこれと均等なものに基づいて定義されるものであり、本発明の実施形態の説明が単に実例を提供するためのものであって、本発明の目的を限定するものでないことは、本発明の技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。
【0024】
英文明細書に記載の“a”、“an”、及び“the”、すなわち単数形は、コンテキスト中に特記で明示されない限り、複数形を含むことは、当業者には理解できることである。したがって、例えば、“コンポーネント表面(a component surface)”との記載は一つ又は複数の表面を含む。
【0025】
“実質的に(substantially)”という用語は、提示された特徴、パラメータ、又は値が正確に設定される必要はないが、許容誤差、測定誤り、測定精度限界及び当業者に知られているか、あるいは当業者によって実験なしに得られる要素を含む偏差又は変化が、これら特性が提供しようとする効果を排除しない範囲内で発生することを意味する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態による移動通信システムの構成を示す。次の説明では本発明が適用される移動通信システムの一例としてLTEシステムを示すが、本発明は、このような特定システムに限定されないことは明らかである。
【0027】
図1を参照すると、移動通信システムの無線アクセスネットワーク(RAN)は、次世代基地局(eNB、eNode B、Node B、又は基地局(BS))105,110,115,120、MME(Mobility Management Entity)125、及びS−GW(Serving−Gateway)130を含む。ユーザー端末(UE又は移動局(MS))135は、eNB105,110,115,120及びS−GW130を通じて外部ネットワーク(図示せず)に接続される。
【0028】
eNB105,110,115,120は、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)のNode Bに対応する。eNBは、UE135に接続され、既存のNode Bより複雑な役割をする。LTEシステムでは(インターネットプロトコル(IP)ベースの音声サービス又はVoIP(Voice over IP)のような)リアルタイムサービスを含むすべてのユーザートラフィックが共有チャンネルを介してサービスされるため、UEに関する状態情報によるUEをスケジューリングするエンティティが必要である。UEに関する状態情報は、UEのバッファ状態、使用可能な送信電力状態、及びチャンネル状態を含む。このようなエンティティは、eNB105,110,115,120である。通常、一つのeNBは、複数のセルを制御する。
【0029】
(100Mbpsのような)高速データレートを実現するために、LTEシステムは、20MHzの帯域幅で直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)を無線接続技術を採用する。また、LTEシステムは、UEのチャンネル状態による変調方式とチャンネル符号化レートを決定する適応変調符号化(Adaptive Modulation and Coding:以下、AMCと称する)方式を使用する。
【0030】
S−GW130は、データベアラを提供し、MME125の制御下にデータベアラを生成又は除去するように構成される。MME125は、UE135に対する移動管理機能及び他の制御機能を遂行するエンティティであり、複数のeNB105,110,115,120に接続される。
【0031】
図2は、本発明の一実施形態によるLTEシステムでの無線プロトコル構造を示す。
【0032】
図2を参照すると、LTEシステムの無線プロトコル構造は、UEとeNBにおいて、各々PDCP(Packet Data Convergence Protocol)階層205,240、RLC(Radio Link Control)階層210,235、MAC(Medium Access Control)階層215,230、及び物理階層220,225を含む。PDCP階層205,240は、IPヘッダーを圧縮又は復元する。RLC階層210,235は、PDCPパケットデータユニット(PDU)を適切なサイズで再構成してARQ(Automatic Repeat reQuest)動作を遂行する。MAC階層215,230は、UE又はeNBに構成された複数のRLCエンティティに接続される。このMAC階層215,230は、RLC PDUをMAC PDUに多重化し、MAC PDUをRLC PDUに逆多重化する。
【0033】
PHY階層220,225は、OFDMシンボルの上位階層データをチャンネル符号化及び変調し、このOFDMシンボルを無線チャンネルを介して伝送する。また、PHY階層220,225は、無線チャンネルを介して受信したOFDMシンボルを復調及びチャンネル復号化し、チャンネル復号化したシンボルを上位階層に提供し、データの送受信のためのHARQ(Hybrid ARQ)動作を実行する。PHY階層220,225は、アップリンク(UL)データの伝送をサポートするために、PUSCH(Physical Uplink Shared Chanel)、PUSCH伝送に対するHARQフィードバックとしてACK(Acknowledgement)/NACK(Non−Acknowledgement)を伝送するPHICH(Physical HARQ Indicator Channel)、ダウンリンク(DL)制御信号(例えば、スケジューリング情報)を搬送するPDCCH(Physical Downlink Control Channel)、又はUL制御信号を搬送するPUCCH(Physical Uplink Control Channel)を使用する。さらに、PHY階層220,225は、DLデータの伝送をサポートするためにPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を使用できる。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態によるUEでのキャリアアグリゲーション(CA)の一例を示す。
【0035】
図3を参照すると、eNB305は、一般的に複数の周波数帯域にわたって多重キャリアを送信及び受信する。eNB305が中心周波数(f1)を有するキャリア315と中心周波数(f3)を有するキャリア310を送信する場合、CA不可能なUEは、2つのキャリア310,315のうちいずれか一つを用いてデータを送受信することができる。一方、CA可能なUE330は、同時に複数のキャリア310,315でデータを送受信できる。必要な場合、eNB305は、CA可能なUE330に対してより多くのキャリアを割り当てることによって、UE330の伝送レートを高めることができる。
【0036】
一つのeNBで送受信される一つのDLキャリアと一つのULキャリアが一つのセルを形成する場合、CAは、UEが同時に複数のセルでデータを送受信すると理解することができる。データの最大伝送レートは、集積されたキャリアの数に比例して増加する。
【0037】
以下、本発明の実施形態の説明において、UEがDLキャリアを通じてデータを受信するか、あるいはULキャリアを通じてデータを伝送することは、DL及びULキャリアの中心周波数と周波数帯域に対応するセルにより提供される制御チャンネルとデータチャンネルを用いてデータを送受信することを意味する。特に、CAは、本明細書では複数のサービングセルがUEに対して構成すると見なされる。各サービングセルは、プライマリサービングセル(PCell)又はセカンダリサービングセル(SCell)であり得る。CAにおいて、一つのPCellと一つ以上のSCellは、UEに対して構成することができる。これら用語は、LTE標準による定義として使用される。その詳細において、2011年12月バージョンの3GPP TS36.331と3GPP TS36.321を参照する。
【0038】
本発明の実施形態では、説明の便宜のためにLTEシステムのコンテキストで説明するが、本発明の実施形態は、CAをサポートするすべての無線通信システムに適用することができる。
【0039】
TDDモードでは、一つの周波数帯域は、特定のサブフレームの間にはULに、他のサブフレームの間にはDLに使用される。UEは、各ULサブフレーム及びDLサブフレームの位置を正確に知るべきであり、eNBは、これらUL及びDLサブフレームの位置に関する情報をUEに予め伝送する。
【0040】
UL及びDLサブフレームに関する情報は、TDD UL/DL構成として称される。下記の<表1>は、本発明によるeNBが提供されるTDD UL/DL構成をリストする。TDD UL/DL構成により、各サブフレームは、ULサブフレーム、DLサブフレーム、又は特殊(special)サブフレームとして構成される。
【0041】
【表1】
【0042】
<表1>において、‘D’はDLデータを伝送するために使用されるDLサブフレームを表し、‘U’はULデータを伝送するために使用されるULサブフレームを表し、‘S’はDLサブフレームとULサブフレームとの間に介在する特殊サブフレームを表す。
【0043】
特殊サブフレームを構成する理由は、UEが、各UEの位置に従ってDLサブフレームを全く受信するタイミング及びULサブフレームを伝送するタイミングが異なるためである。例えば、eNBと離れているUEは、eNBからのデータをeNBに近いUEより遅く受信する。したがって、リモートUEからのデータをeNBが特定時間以内に受信するために、このリモートUEが近くのUEに比べて早くデータ送信を始めなければならない。すなわち、ある程度の保護期間(Guard Period:GP)は、DLデータ受信とULデータ送信との間に必要であり、特殊サブフレーム内で定義される。一方、特殊サブフレームは、ULサブフレームとDLサブフレームとの間に不要である。
【0044】
図4は、本発明の一実施形態によるTDDフレーム構造の一例を示す。
【0045】
図4を参照すると、10msのラジオフレーム400は、10個のサブフレームに分けられる。各ラジオフレーム400は、0から4095との間の整数のようなシステムフレーム番号(SFN)により識別される。SFNは、一つのラジオフレームが経過する度に1ずつ増加する。各サブフレーム405は、1msであり、2つのスロットで構成される。特殊サブフレームは、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)410、GP425、及びUpPTS(Uplink pilot Time slot)420の3部分に分けられる。DwPTS410はDL受信のための時間区間であり、UpPTS420はUL送信のための時間区間である。GP425では、いかなる送受信もなされない。
【0046】
DwPTS410とUpPTS420の最適の長さは、伝搬環境によって変わる。eNBは、DwPTS410とUpPTS420の適切の長さを予め端末に知らせることができる。eNBは、タイプ1のシステム情報ブロック(SIB1)のTDD構成された情報要素(IE)で<表1>のTDD UL/DL構成と<表2>のDwPTSとUpPTSの長さをUEにブロードキャストする。
【0047】
【表2】
【0048】
<表2>に示すように、DwPTSとUpPTSの長さは、eNBにより指示される特殊サブフレーム構成とDL及びULに使用される巡回プレフィックス(CP)のタイプに従って、シンボル長さ(Symbol Duration)Tsの倍数として設定され得る。
【0049】
一つのeNBが複数のTDDサービングセルを提供する場合、複数のTDDサービングセルに異なるTDD UL/DL構成を適用することによって、既存システムとの互換性が保証され、より良いロードバランシングを提供することができる。例えば、3G移動通信システムのTDDセルとLTE移動通信システムのTDDセルが同一の領域で提供され、2つのセルの動作周波数が相互に近接した場合において、LTE TDDセルに特定UL/DL構成を適用することによって、3G TDDセルとLTE TDDセルとの間の干渉を最小化できる。同時に、LTE TDDセルと異なるUL/DL構成は、3G TDDセルの動作周波数から顕著に離隔された動作周波数を有するLTE TDDセルに適用され、それによって効率性を増加させることができる。
【0050】
上記のように、(複数のUL/DL構成のような)異なるUL/DL構成が同一のeNBの複数のサービングセルに適用される場合、サービングセルに接続される端末は、所定の時区間でサービングセル間に異なるタイプのサブフレームを経験することができる。
【0051】
図5は、本発明の一実施形態による異なるTDD UL/DL構成を有するセルを示す。図5を参照すると、第1のサービングセル(サービングセル1)と第2のサービングセル(サービングセル2)がUEに対して構成され、UL/DL構成1及びUL/DL構成2は、各々サービングセル1及びサービングセル2に適用される場合、サービングセル1のULサブフレーム(以下、‘Uサブフレーム’と称する)とサービングセル2のDLサブフレーム(以下、‘Dサブフレーム’と称する)は、時区間505で発生する。時区間505でUEがサービングセル1でUL送信を遂行してサービングセル2でDL受信を遂行することが望ましいが、UL送信及びDL受信は、場合に従ってこのような動作が不可能であり得る。
【0052】
基本的に、UEは、TDDシステムでUL送信とDL受信を同時に遂行する必要がない。それによって、TDD UEのRF(Radio Frequency)回路は、一つの時区間でDL動作及びUL動作のうち一つのみを遂行するように、すなわちハーフデュプレックス(Half−Duplex:HD)で動作するように設計される。したがって、UL及びDL動作を同時遂行可能なフルデュプレックス(FD)機能を具備しない一般的なTDD UEは、時区間505でDL受信及びUL送信のうちいずれか一つのみの遂行を可能にする。
【0053】
後述する本発明の実施形態では、上記のような状況で、UEとeNBが同一の方向の動作を遂行して円滑な通信が可能にする方法及び装置を提供する。
【0054】
本発明の実施形態により、UE及びeNBは、以下のように動作できる。
−異なるUL/DL構成がPCell及びSCellに割り当てられる場合、ハーフデュプレックスUEは、PCellのサブフレーム(以下、“PCellサブフレーム”と称する)と方向が異なるように指定されるSCellのサブフレーム(以下、“SCellサブフレーム”と称する)に関連した動作は遂行しない。
−異なるUL/Dl構成がPCell及びSCellに割り当てられる場合、ハーフデュプレックスUEは、PCellのUL/DL構成に基づいて、PUSCH伝送に対するPHICHを受信するSCellサブフレームを決定する。
−異なるUL/DL構成がPCell及びSCellに割り当てられる場合、ハーフデュプレックスUEは、PCellのUL/DL構成に基づいて、PUSCHを伝送するSCellサブフレームを決定する。
【0055】
図6は、本発明の一実施形態によるUEの動作を示す。
【0056】
図6を参照すると、PCell603とSCell605のように、異なるTDD UL/DL構成を有するサービングセルは、CAによりUE601に対して構成される。同一のeNBは、UE601が初期にPCell603のみに接続される間にPCell603及びSCell605を管理する。
【0057】
PCell603は、ステップ611で、UE601によりサポートされる機能を確認するためにUECapabilityEnquiryメッセージをUE601に伝送する。すなわち、eNBは、PCell603でUECapabilityEnquiryメッセージをUE601に伝送する。UE601は、ステップ613で、自身がサポートする機能をPCell603でUECapabilityEnquiryメッセージを伝送してeNBに指示する。UE601は、自身によりサポートされるバンド組み合わせをUECapabilityEnquiryメッセージの‘サポートされるバンド組み合わせ’IEに設定して報告する。
【0058】
‘サポートされるバンド組み合わせ’IEは、一つ以上のバンドパラメータを含む。バンドパラメータのうちいずれか一つは、バンドインジケータ、バンド組み合わせの該当バンドで設定可能なサービングセルの個数と帯域幅、設定可能なMIMO(Multiple Input Multiple Output)情報を含む。さらに、サポートするバンド組み合わせのうち所定の条件を満たすバンド組み合わせに対して、同時に送受信の可能性を指示する1ビット情報が報告される。所定の条件は、例えば、バンド組み合わせがTDDバンドのみを含み、TDDバンドは異なることがあり得る。
【0059】
例えば、UEが下記の<表3>のようにサポートされるバンド組み合わせ1〜10を報告する場合に、UEは、バンド組み合わせ9及び10のみに対して、同時送受信の可能性を示す1ビット情報を設定する。<表3>において、‘バンドFDD’はFDDでLTE周波数帯域を、‘バンドTDD’は、TDDでLTE周波数帯域を意味する。例えば、LTE周波数帯域のうち、バンド1〜32はFDD周波数帯域であり、バンド33〜64はTDD周波数帯域である。
【0060】
【表3】
【0061】
UEは、所定の条件を満たす各‘サポートされるバンド組み合わせ’に対して、1ビット情報によりバンド組み合わせで同時送受信が可能であるか否かを報告する。1ビット情報は、ビットマップに構成され得る。例えば、<表3>では、UEは、バンド組み合わせ9,10のための2ビットの意味のある情報を有するビットマップを報告する。ビットマップの各ビットは、UECapabilityEnquiryメッセージに含まれる順に所定の条件を満たすバンド組み合わせを意味する。<表3>の例において、ビットマップの第1のビット及び第2のビットは、各々バンド組み合わせ9及びバンド組み合わせ10で同時送受信の可能性を示す。
【0062】
UEが特定TDDバンド組み合わせに対して同時送受信が可能であることを報告する場合、UEは、バンド組み合わせに対して異なるUL/DL構成が割り当てられ、一つの時区間でUL/DL構成による時区間でサブフレームの方向が異なっても、DL受信とUL送信を同時に遂行することができる。
【0063】
一方、UEが特定TDDバンド組み合わせに対して同時に送受信が可能でないと報告した場合、バンド組み合わせに対して異なるUL/DL構成が割り当てられ、一つの時区間で設定されたUL/DL構成によるサブフレーム方向が異なると、UEは、DL受信とUL送信のうち一つのみを遂行しなければならない。
【0064】
eNBは、UECapabilityInformation情報メッセージに基づいてUEに必要な設定を適用する。例えば、UEが所定のバンド組み合わせでCAをサポートし、eNBにバンド組み合わせのバンドでオペレーティングされるサービングセルが存在する場合、eNBは、UEにバンド組み合わせに該当するCAを構成できる。すなわち、eNBは、バンド組み合わせに該当する複数のサービングセルをUEに構成できる。
【0065】
eNBは、ステップ615で、UE601に複数のTDDサービングセルを構成する制御メッセージを伝送する。制御メッセージは、RRCConnectionReconfigurationメッセージであり得る。SCell605は、制御メッセージによりUE601に追加される。UE601は、PCellのUL/DL構成をPCell603でブロードキャストされるシステム情報(例えば、SIB1)を通じて認知され、SCell605のUL/DL構成は、SCell605を構成する制御メッセージにより認知される。
【0066】
UE601は、ステップ617で、RRCConnectionReconfigurationメッセージに基づいてeNBにより要求される設定手順(すなわち、SCell605に対するRRC接続の設定)を遂行して、eNBにRRC接続設定手順の完了を表すRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージを伝送する。すると、eNBは、ステップ619で、所定の時点で構成されたSCell605に対して活性化(Activation)命令をUE601に伝送する。この活性化命令は、活性化/非活性化MAC制御要素(Control Element:CE)メッセージであり得る。
【0067】
UE601は、ステップ625で、以後の時区間でSCell605の動作を判定するためにPCell603のUL/DL構成を参照する。具体的に、UE601は、<表4>に示すようにサブフレームごとに動作する。すなわち、PCell603のUL/DL構成によるPCellサブフレームの方向がSCell605のUL/DL構成によるSCellサブフレームの方向が異なる場合、UE601は、PCell603のUL/DL構成に基づいてSCell605で遂行する動作を決定する。
【0068】
【表4】
【0069】
現在時区間に該当するPCellサブフレーム及びSCellサブフレームがDサブフレームである場合、UEは、現在時区間(すなわち、PCell及びSCellの同一のサブフレーム)で2つのサービングセル両方ともに対してDL受信を遂行する。すなわち、UEは、2つのサービングセルに対して現在サブフレーム内の制御領域のPDCCHとPHICHを受信し、このデータ領域のPDSCHを受信する。同様に、eNBは、2つのサービングエルの現在サブフレーム内の制御領域でPDCCHとPHICHをUEに伝送し、上記データ領域でPDSCHを伝送する。
【0070】
現在の時区間に該当するPCellサブフレーム及びSCellサブフレームが各々Dサブフレーム及びSサブフレームである場合、UEは、現在時区間でPCellに対してPDCCH/PHICH/PDSCH受信を含むD−サブフレーム動作を実行し、SCellに対してはDwPTS受信を含むDL動作を実行する。DwPTS受信は、現在サブフレームのうち、時間軸上で所定の開始時区間のみでDL信号が受信されることを意味する。PDSCHがサブフレームの最後の区間まで占有可能であるため、UEは、PDSCHを除き、PDCCH及びPHICHのみを受信することができる。上記のような状況、すなわち同一の時区間でPCellサブフレームがDサブフレームであり、SCellサブフレームがSサブフレームである場合、eNBは、SCellサブフレームでUEにPDSCHをスケジューリングせず、SCellサブフレームのDwPTSでPDCCHとPHICHのみを伝送する。
【0071】
現在の時区間に該当するPCellサブフレーム及びSCellサブフレームが各々Dサブフレーム及びUサブフレームである場合、UEは、現在時区間でPCellではDサブフレームに対する動作、すなわちPDCCH/PHICH/PDSCH受信を遂行し、SCellに対してはUL送信がスケジューリングされてもUL送信を遂行しない。したがって、eNBは、上記した状況でUL受信を遂行しない。
【0072】
現在の時区間に該当するPCellサブフレーム及びSCellサブフレームが各々Sサブフレーム及びDサブフレームである場合、UEは、 現在時区間でPCellに対してS−サブフレーム動作を実行する。すなわち、UEは、PCellサブフレームのDwPTSでPDCCH/PHICHを受信し、PCellサブフレームのGPSで送受信を中止し、必要であれば、UpPTSでUL送信(すなわち、SRS(Sounding Reference Signal))を遂行する。また、UEは、現在時区間で、SCellサブフレームとPCellサブフレームのDwPTS間が重なる時区間のみでSCellサブフレームのDL信号を受信する。すなわち、UEは、PDSCHを除き、SCellでPDCCHとPHICHを受信する。この状況で、PCellサブフレームはSサブフレームであり、SCellサブフレームはDサブフレームである場合、eNBは、SCellサブフレームでPDSCHをスケジューリングせず、PCellサブフレームのDwPTSでDL送信のみを遂行する。
【0073】
現在の時区間に該当するPCellサブフレーム及びSCellサブフレームがSサブフレームである場合、UEは、現在時区間でPCellのSサブフレーム動作を遂行する。すなわち、UEは、PCellサブフレームのDwPTSでPDCCH/PHICHを受信し、GPで送受信を中止し、必要な場合、UpPTSでUL送信、例えばSRS伝送を遂行する。さらに、UEは、SCellサブフレームとPCellサブフレームのDwPTSの間に重なる時区間のみでSCellサブフレームでDL信号を受信する。すなわち、UEは、PDSCHを除き、SCellサブフレームでPDCCHとPHICHを受信する。UEは、PCell及びSCellサブフレームのGPと重なる時区間で、SCellサブフレームで送受信を中止する。必要であれば、UEは、SCellサブフレームのUpPTSと重なるSCellサブフレームのUpPTSでUL送信を遂行できる。UL送信は、SCellサブフレームのUpPTSがPCellサブフレームのUpPTSと重なる程度に従って遂行される。したがって、UL送信は、選択的に遂行される。eNBは、この状況で、SCellサブフレームのUpPTSでSRSを受信するように試し、DwPTSでPHICHを伝送し、GPでUEに対する送受信が発生しないことを認識する。
【0074】
現在の時区間に該当するPCellサブフレーム及びSCellサブフレームが各々Sサブフレーム及びUサブフレームである場合、UEは、現在時区間で、PCellに対してSサブフレーム動作を実行し、SCellに対してはPUCCH及びPUSCHの伝送なしに、SRSを条件付き伝送を実行する。すなわち、SCellのUサブフレームにSRS伝送がスケジューリングされ、SCellのUサブフレームのうちPCellのUpPTSと重なる部分が所定値(例えば、1OFDMシンボル区間)以上である場合、UEは、SCell UサブフレームでSRSを伝送し、そうでない場合には、SRSを伝送しない。この状況で、eNBは、SCellのUサブフレームとPCell SサブフレームのUpPTSとの間に重なる時区間でUEからSRSを受信するように試みる。
【0075】
現在の時区間に該当するPCellサブフレーム及びSCellサブフレームが各々Uサブフレーム及びDサブフレームである場合、UEは、PCellサブフレームでUサブフレームに対する動作を遂行する。すなわち、UEは、PCellでPUCCH又はPUSCH伝送がスケジューリングされる場合、PCellサブフレームでPUCCH又はPUSCHを伝送する。しかしながら、この場合、UEは、現在時区間でSCellに対してDL信号を受信しない。すなわち、UEは、SCellサブフレームでPDCCH/PHICH/PDSCHを受信しない。このとき、eNBは、PCellサブフレームがUサブフレームであり、SCellサブフレームがDサブフレームである場合、SCellに対してPDSCHをスケジューリングしない。
【0076】
現在の時区間に該当するPCellサブフレーム及びSCellサブフレームが各々Uサブフレーム及びSサブフレームである場合、UEは、現在時区間でPCellに対してUサブフレーム動作を遂行し、必要な場合に、SCellサブフレームのUpPTSでUL信号を伝送する。すなわち、UEは、SRS伝送がSCellのSサブフレームでスケジューリングされる場合、SRSを伝送し、SCell SサブフレームのDwPTSででDL信号を受信しない。この状況で、eNBは、PCellのUサブフレームとSCellのSサブフレームのUpPTS間の重なる時区間でUEからSRSを受信するために試み、DwPTSではUEにDL信号を伝送しない。
【0077】
現在の時区間に該当するPCellサブフレーム及びSCellサブフレームがUサブフレームである場合、UEは、現在時区間でPCellとSCellの両方ともにUサブフレーム動作を実行する。すなわち、UEは、必要な場合、PUSCHとPUCCHを伝送する。eNBは、上記した状況で、SCellのUサブフレームでUEからPUSCHを受信するように試みる。
【0078】
UE601は、ステップ630で、PCell603のUL/DL構成に基づいてPUSCH伝送時点を判定する。PUSCH伝送時点は、PUSCHを伝送するサブフレームの位置を意味する。UE601は、一般的にサービングセルでPUSCHの伝送においてサービングセルのUL/DL構成を参照する。例えば、サブフレームnでPUSCH伝送を指示するPDCCHを受信するか、あるいはHARQ NACK信号を受信する場合、UEは、サブフレームn+mでPUSCHを伝送する。ここで、nとmは、各々UL/DL構成に対して定義される。
【0079】
フルデュプレックスUE又は同一のUL/DL構成下でCAで動作するUEは、サービングセルのUL/DL構成に基づき、PUSCH伝送時点、HARQフィードバック受信時点、及びPUSCH再転送時点を判定する。複数のUL/DL構成下で動作するハーフデュプレックスUEは、PUSCHが伝送される該当サービングセルのUL/DL構成の代わりに、PCellのUL/DL構成に基づいてサービングセル間のタイミング関係を決定する。
【0080】
UE601は、ステップ635で、SCellで伝送したPUSCHに対するHARQフィードバックを受信するサブフレームの判定において、PCell603のUL/DL構成を参照する。これは、SCellのUL/DL構成を参照して決定するPHICH受信のためのサブフレームがPCellのUサブフレームと重複される場合に、PHICHを受信できないためである。
【0081】
図7は、本発明の一実施形態によるSCellサブフレームでUEの動作を示すフローチャートである。
【0082】
図7を参照すると、ステップ700で、UEは、サービングセルに関するシステム情報を受信し、このシステム情報からサービングセルのUL/DL構成を取得する。その後、UEは、サービングセルに対してRRC接続設定手順を開始する。RRC接続設定手順が完了すると、サービングセルは、UEのPCellとなる。
【0083】
ステップ705で、UEは、eNBに性能情報メッセージを通じて性能を報告する。UE性能情報メッセージは、UEがサポートするバンド組み合わせ情報を含み、UEは、異なるTDDバンドで構成されたバンド組み合わせ(以下、‘TDD間バンド組み合わせ’と称する)で同時送受信が可能であるか否かを表す情報を追加して報告する。
【0084】
ステップ710で、SCellがUEに構成される。SCellは、eNBからUEにSCell構成情報を含むRRC制御メッセージを伝送し、UEによりSCell構成情報に従ってSCellの信号経路を設定することによって構成される。SCell構成情報は、例えばSCellの中心周波数、SCellでUEに割り当てられる無線リソース、及びSCellのUL/DL構成に関する情報を含む。各SCellは、活性化状態又は非活性化状態にある。データ送受信は、活性化状態のSCellのみで可能である。SCellが最初に構成される場合、SCellは、非活性化状態にある。その後、SCellは、eNBからの指示によって活性化状態に切り替えられる。
【0085】
ステップ715で、UEは、SCellのサブフレームnで遂行する動作を決定するために、SCellのサブフレームnが開始されるまで待機する。
【0086】
ステップ720で、UEは、次の条件を満たすか否かを確認する。
−PCell及びSCellは、異なる周波数帯域を有する(バンド間TDDキャリアアグリゲーション)。
−PCell及びSCellは、異なるUL/DL構成を有する。
【0087】
上記の条件を満たすと、UEは、ステップ730に進行し、そうでない場合にはステップ725に進行する。上記の条件を満足させない場合、これは、PCell及びSCellが同一の周波数帯域を有し、あるいはPCell及びSCellが異なる周波数帯域を有してもUL/DL構成が同一であることを意味する。PCell及びSCellが同一の周波数帯域を有する場合、同一のUL/DL構成は、PCell及びSCellに割り当てられなければならない。
【0088】
ステップ725で、UEは、SCellのUL/DL構成に基づいてSCellサブフレームnのタイプを決定し、このSCellサブフレームnのタイプに従って遂行する動作を決定する。UEは、サブフレームのタイプに従って次のように動作する。
−サブフレームnがDサブフレームである場合、UEは、サブフレームnでPDCCH/PHICH/PDSCHを受信することに決定する。
−サブフレームnがSサブフレームである場合、UEは、サブフレームnでPDCCH/PHICHを受信し、必要な場合に、UpPTS伝送を遂行することに決定する。
−サブフレームnがUサブフレームである場合、UEは、サブフレームnで、必要な場合、PUSCHとSRSを伝送することに決定する。
【0089】
上記した動作は、UEに適用される他のソリューション又は要求事項によって制限することがある。例えば、サブフレームnが不連続受信(Discontinuous Reception:DRX)動作上の活性化時間が異なり、あるいは非サービング周波数に対する測定を遂行する時区間を意味する測定ギャップ(MG)と重なる場合に、上記動作は実行されない。測定ギャップでは、UEは、アップリンク送信及びダウンリンク受信を中断した後に、非サービング周波数に対する測定を遂行することができる。
【0090】
一方、上記条件を満足する場合、これは、PCell及びSCellが異なる周波数帯域及び異なるUL/DL構成を有することを意味する。ステップ730で、UEは、現在バンド組み合わせ(すなわち、PCell及びSCellの周波数帯域の組み合わせ)に対して同時送受信が可能であるか否かを判定する。あるいは、UEは、現在バンド組み合わせに対して同時送受信が可能であることを示す情報をeNBに報告したか否かを判定する。この判定結果が肯定である場合、UEは、ステップ725に進行し、そうでないと、ステップ735に進行する。
【0091】
ステップ735で、UEは、SCellのサブフレームnと重なるPCellサブフレームのタイプに従ってSCellサブフレームnで遂行する動作を決定する。通常、PCellとSCellのフレーム境界が整列されているため、PCellサブフレームnは、SCellのサブフレームnと重なる。
【0092】
図8は、本発明の一実施形態によるSCellのフィードバック受信時点とPUSCH再転送時点を判定するUEの動作を示すフローチャートである。
【0093】
図8を参照すると、ステップ800で、UEは、サービングセルに関するシステム情報を受信し、このシステム情報からサービングセルのUL/DL構成を取得する。その後、UEは、サービングセルに対してRRC接続設定手順を開始する。RRC接続設定手順が完了すると、サービングセルは、UEのPCellとなる。
【0094】
ステップ805で、UEは、eNBにUE性能情報メッセージを通じて性能を報告する。UE性能情報メッセージは、UEがサポートするバンド組み合わせ情報を含み、UEは、TDD間バンド組み合わせに対する同時送受信の可能性を表す情報を追加して報告する。
【0095】
ステップ810で、SCellはUEに構成される。SCellは、eNBからUEにSCell構成情報を含むRRC制御メッセージを伝送し、UEによりSCell構成情報に従ってSCellの信号経路を設定することによって構成される。SCell構成情報は、例えばSCellの中心周波数、SCellでUEに割り当てられる無線リソース、及びSCellのUL/DL構成に関する情報を含む。
【0096】
ステップ815で、UEは、SCellサブフレームnでPUSCHを伝送する。その後、UEは、ステップ820に進行し、PUSCH伝送に対するHARQフィードバックが受信されるサブフレーム及びHARQフィードバックがNACKである場合、PUSCHが再伝送されるサブフレームを判定する。
【0097】
ステップ820で、UEは、下記の条件を満たすか否かを確認する。
−PCell及びSCellは、異なる周波数帯域を有する(バンド間TDDキャリアアグリゲーション)。
−PCell及びSCellは、異なるUL/DL構成を有する。
【0098】
上記の条件を満たすと、UEは、ステップ830に進行し、そうでない場合にはステップ825に進行する。上記の条件を満足させない場合、これは、PCell及びSCellが同一の周波数帯域を有し、あるいはPCell及びSCellが異なる周波数帯域を有してもUL/DL構成が同一であることを意味する。PCell及びSCellが同一の周波数帯域を有する場合、同一のUL/DL構成は、PCell及びSCellに割り当てられなければならない。ステップ825で、UEは、SCellのUL/DL構成に基づき、SCellサブフレームnで伝送されるPUSCH伝送に対するPHICHを受信するサブフレーム及びPUSCH再伝送を遂行するサブフレームの位置を判定する。PHICH受信時点及びPUSCH再伝送時点は、UL/DL構成によって標準で定義される。例えば、UEがサブフレームnでHARQフィードバックとしてNACKを受信する場合、UEは、サブフレームn+kでPUSCHを再伝送する。例えば、kは、<表5>に示すように、UL/DL構成及びPHICHが受信されたサブフレームの番号によって決定される。
【0099】
【表5】
【0100】
上記の条件を満足する場合、これは、PCell及びSCellが異なる周波数帯域及び異なるUL/DL構成を有することを意味する。ステップ830で、UEは、現在バンド組み合わせに対して同時送受信が可能であるか否かを判定する。あるいは、UEは、現在バンド組み合わせに対して同時送受信が可能であることを示す情報をeNBに報告したか否かを判定する。この判定結果が肯定である場合、UEは、ステップ825に進行し、そうでないと、ステップ835に進行する。
【0101】
ステップ835で、UEは、SCellのUL/DL構成の代わりに、PCellのUL/DL構成に基づいてPHICH受信時点とPUSCH再伝送時点を判定する。例えば、UL/DL構成4はSCellに割り当てられ、UL/DL構成6がPCellに割り当てられ、UEがサブフレーム9のHARQフィードバックNACKを受信した場合、UEは、<表5>を参照してPCellのUL/DL構成によってkの値として5を選択する。すると、UEは、サブフレーム(9+5)、すなわち次のラジオフレームのサブフレーム4でPUSCHを再伝送する。
【0102】
同様に、eNBは、PCellと異なるUL/DL構成を有するSCellで、同時送受信が不可能であると報告したUEにHARQフィードバックを伝送し、PUSCH伝送リソースの管理において、UEがPCellのUL/DL構成によってPHICH受信時点とPUSCH再転送時点を決定することを考慮する。すなわち、eNBは、UEに対して設定されたPCellの構成に基づいて、SCellのサブフレーム9でHARQフィードバックNACKを伝送することに決定し、SCellのサブフレーム(9+5)、すなわちSCellで次のラジオフレームのサブフレーム4でPUSCHの再伝送データを受信することに決定する。
【0103】
図9は、本発明の一実施形態によるSCellのフィードバック伝送時点を決定するUEの動作を示す。ステップ900,905,910は、各々図8に示したステップ800,805,810と同一なので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0104】
図9を参照すると、ステップ915で、PDSCH伝送(又はDL送信)を表すPDCCHが受信されるか、あるいはDL割り当てが設定されたサブフレームが来るように構成される。UEは、サブフレームでPDSCHデータを受信して復号化し、そのPDSCHデータに対してフィードバックを伝送するためにステップ920に進行する。
【0105】
ステップ920で、UEは、PDSCHデータが搬送されるサービングセルがPCellであるか、あるいはSCellであるかを判定する。UEは、PDSCHデータを搬送するサービングセルがPCellである場合にはステップ925に進行し、PDSCHデータを搬送するサービングセルがSCellである場合にはステップ930に進行する。
【0106】
ステップ930で、UEは、以下の条件を満たすか否かを判定する。上記条件が満足される場合、UEは、ステップ940に進行し、そうでないと、ステップ935に進行する。
【0107】
上記条件が満足されない場合、これは、PCell及びSCellが同一の周波数帯域を有するか、あるいは周波数帯域が異なるにもかかわらず、PCell及びSCellは、同一のUL/DL構成を有することを意味する。PCell及びSCellが同一の周波数帯域を有する場合、同一のUL/DL構成は、2つのサービングセルに割り当てられなければならない。ステップ935で、UEは、現在時区間のUL/DL構成に基づいて、HARQフィードバックが伝送されるサブフレームを選択する。UEがサブフレームn−kでPDSCHを受信する場合、UEは、HARQフィードバックを、サブフレームnでPDSCHに対して伝送する。例えば、kは、以下の<表6>に示すように、UL/DL構成によりUEがHARQフィードバックを伝送するサブフレームの番号nによって定義される。
【0108】
【表6】
【0109】
例えば、UL/DL構成が5であり、nが2である場合、kは、13,12,9,8,7,5,3,11,6のうちいずれか一つである。
【0110】
上記の条件が満足される場合、これは、PCell及びSCellの周波数帯域がお互い違って、PCellのUL/DL構成とSCellのUL/DL構成が異なることを意味する。ステップ940で、UEは、現在バンド組み合わせに対して同時送受信が可能であるか否かを判定する。あるいは、現在バンド組み合わせに対して同時送受信が可能であると設定された情報を報告したか否かを判定する。すると、ステップ945に進行し、そうでないと、ステップ925に進行する。
【0111】
UEは、ステップ925で、HARQフィードバックを伝送するサービングセルのUL/DL構成でなく、PCellのUL/DL構成を参照してkを選択し、選択したkによってHARQフィードバックを伝送するサブフレームを選択する。
【0112】
ステップ940からステップ945に進行する場合、これは、UEが同時送受信を遂行できることを意味する。ステップ945で、UEは、PCell及びSCellの両方とものUL/DL構成を考慮してkを選択し、選択したkによりHARQフィードバックを伝送するようにサブフレームを選択する。
【0113】
PCell及びSCellの両方のUL/DL構成を考慮することは、2つのUL/DL構成の組み合わせによって所定の基準UL/DL構成を識別し、基準UL/DL構成に基づいてHARQフィードバックを伝送するサブフレームを選択することを意味する。同時送受信が可能なUEがPCellとSCellのうちいずれか一つのUL/DL構成のみを考慮する場合、UEにより達成される潜在的な最大性能は、不必要に制限される。したがって、規格で所定の基準UL/DL構成を使用することが望ましい。基準UL/DL構成は、PCellのUL/DL構成及びSCellのUL/DL構成の組み合わせ別に最適のUL/DL構成に決定されて規格に明示され得る。例えば、PCellのUL/DL構成が3、SCellのUL/DL構成が1である場合、基準UL/DL構成は4に設定することができる。
【0114】
kの値が決定されると、ステップ250で、UEは、HARQ RTT(Round Trip Time)タイマを駆動してステップ935又はステップ945で決定したkに4を合算して手順を終了する。UEは、HARQ RTTタイマによってDL送信を表すPDCCHが受信されるまで待機する。
【0115】
HARQ RTTタイマは、DRXモードで動作するUEがHARQ再伝送を受信するまでバッテリーを節約するためにPDCCHのモニタリングを中止できるように定義される。他に必要がないと、UEは、HARQ RTTタイマが駆動される間に、PDCCHモニタリングを中止してもよい。HARQ RTTタイマが満了してHARQ RTTタイマに関連したHARQプロセスのデータが復号化されない場合、UEは、DRX再伝送タイマを駆動する。
【0116】
上記のように、異なるTDDバンド及び異なるUL/DL構成を有するサービングセルが、TDDバンドのバンド組み合わせで同時送受信をサポートしないUEに構成され、UEがSCellでPDSCHを受信する場合、UEは、PCellのUL/DL構成に基づいてHARQフィードバックを伝送するサブフレームを選択する。
【0117】
図10A及び図10Bは、本発明の一実施形態によるSCellのUL送信を遂行するUEの動作を示すフローチャートである。図10A及び図10Bにおいて、UEは、PCell構成だけでなくSCellのUL/DL構成に基づいてPHICH受信時点とPUSCH伝送時点を判定する。したがって、UEは、PHICHを受信せず、あるいはPUSCHを伝送しない。ここで、UEは、関連した変数を最適の値に設定して伝送効率を向上させる。ステップ1005,1010は、各々図9のステップ905,910と同一の方式であるため、その詳細な説明を省略する。
【0118】
図10A及び図10Bを参照すると、ステップ1015で、UEは、SCell構成を指示する制御メッセージを受信してSCellを構成する。SCellの周波数帯域及びUL/DL構成は、PCellの周波数帯域及びUL/DL構成と異なる。
【0119】
ステップ1020で、UEは、SCellのサブフレームnでUL送信を遂行する必要性があると判定する。例えば、サブフレームnに対するULグラントを受信し、サブフレームnにSRSの伝送が設定されている場合があり得る。
【0120】
ステップ1025で、UEは、現在バンド組み合わせに対して同時送受信が可能であるか否かを判定するか、あるいは同時送受信が可能であることを示す情報がeNBに報告されたかを判定する。その判定結果が肯定である場合、UEは、ステップ1085に進行し、そうでない場合にはステップ1030に進行する。
【0121】
ステップ1030で、UEは、SRS又はPUSCHが伝送されるか否かを判定する。SRSである場合には、UEは、ステップ1035に進行し、PUSCHである場合にはステップ1045に進行する。
【0122】
ステップ1035で、UEは、PCellのサブフレームnがDサブフレームであるか、Sサブフレームであるか、あるいはUサブフレームであるかを判定する。PCellサブフレームnがDサブフレームである場合、UEは、ステップ1040で、SCellのSRSを伝送せず、SCellでUL送信が再び必要になるまで待機する。
【0123】
PCellサブフレームnがSサブフレームである場合、UEは、ステップ1042で、SCellのSRSを条件付きで伝送する。特に、SCellサブフレームnの最後のOFDMシンボルの時区間がPCellサブフレームnのUpPTSの時区間に完全に含まれる場合、UEは、SRSを伝送し、そうでない場合にはSRSを伝送せず、UL送信がSCellで再び必要とされるまで待機する。
【0124】
PCellサブフレームnがUサブフレームである場合、UEは、ステップ1043で、SCellでSRSを伝送し、SCellでUL送信が再び必要になるまで待機する。
【0125】
ステップ1045で、UEは、PCellサブフレームnがDサブフレームであるか、Sサブフレームであるか、あるいはUサブフレームであるかを判定する。PCellサブフレームnがDサブフレーム又はSサブフレームである場合、UEは、ステップ1050でPUSCHを伝送せず、ステップ1060でCURRENT_TX_NBを1ずつ増加し、CURRENT_IRVをそのまま維持する。CURRENT_TX_NB及びCURRENT_IRVは、PUSCH伝送に関連した変数であて、以下のような意味を有する。
【0126】
CURRENT_TX_NB:現在HARQ動作で、パケットのPUSCH伝送回数を示す変数。UEは、CURRENT_TX_NBが所定の最大値に到達する場合、パケットをバッファから廃棄する。
【0127】
CURRENT_IRV::現在HARQ動作でパケットに適用するRV(Redundancy Version)を示す変数。UEは、PUSCH伝送にCURRENT_IRVにより指示されるRVを適用する。RVは、PUSCHで伝送されるパケットに含まれる符号化ビットの構成を指示する。
【0128】
UEは、HARQフィードバックを受信する度に、あるいはPUSCHを伝送する度にこれら変数を更新する。UEがいかなる理由でもPUSCHを伝送しないことをeNBが判定する場合、UEとeNBがCURRENT_IRVをそのまま維持することが望ましい。UL HARQ動作で非適応的再伝送が遂行される度に、特定RVは、自動で適用される。非適応的再伝送は、UEが以前伝送に使用した伝送リソースをそのまま用いて遂行する再伝送を意味する。UEは、フィードバックとしてNACK信号を受信すると、基本的に非適応的再伝送を遂行する。例えば、UEは、初期伝送にはRV0を、第1の非適応的再伝送にはRV2を、第2の非適応的再伝送にはRV3を、第3の非適応的再伝送にRV1を適用する。UEとeNBは、CURRENT_IRVを用いて次の再伝送に適用するRVを判定する。PUSCH伝送を遂行しないにもかかわらず、CURRENT_IRVが増加する場合、RVのうち一部はPUCH伝送に使用されず、それによって性能が低下する。それによって、ステップ1060で、UEは、CURRENT_IRVを維持する。
【0129】
CURRENT_TX_NBは、所定回数以上伝送されるにもかかわらず、PUSCH伝送が成功しない場合、これ以上の再伝送を防ぐために使用される。UEは、現在パケットの伝送回数が所定の最大値になる場合、パケットをHARQバッファから廃棄してこれ以上の再伝送しない。eNBは、現在パケットの伝送回数が所定の最大値になる場合、パケットの非適応的再伝送がこれ以上ないと判定し、パケット伝送のためにUEに割り当てられた時間/周波数リソースを他のUEに割り当てることができる。したがって、UEとeNBが同一の時点で現在パケットの伝送回数が所定の最大値に到達したと判定することが重要である。このために、UEとeNBは、実際にPUSCH伝送回数でなく、再伝送時点が経過した回数に基づいてCURRENT_TX_NBを管理することが望ましい。すなわち、UEとeNBは、パケットに対する伝送時点が経過する度に、パケットが実際に伝送されなくても、CURRENT_TX_NBを1ずつ増加させることが望ましい。
【0130】
UEは、ステップ1060で、CURRENT_TX_NBとCURRENT_IRVを設定した後、ステップ1077で、PHICHの受信なしにHARQ_FEEDBACKをNACKに設定する。HARQ_FEEDBACKは、PUSCH伝送に対するHARQフィードバックを示す変数である。UEは、HARQ_FEEDBACKがNACKである場合、次の再伝送時点で再伝送を遂行する。HARQ_FEEDBACKがACKである場合、UEは、次の再伝送時点に再伝送を遂行しない。
【0131】
これは、PUSCHデータを伝送せずにもかかわらず、PHICHの受信がHARQフィードバック誤り可能性のみを増加させるためである。UEがPUSCHデータを伝送しなかったので、eNBがPUSCHデータを誤りなしに受信する可能性はない。それによって、HARQ_FEEDBACKは、NACKに設定される。
【0132】
PCellサブフレームnが、ステップ1045でUサブフレームである場合、UEは、ステップ1065でSCellサブフレームnでPUSCHデータを伝送し、ステップ1067で、CURRENT_TX_NBとCURRENT_IRVを各々1ずつ増加させる。ステップ1068で、UEは、SCellのUL/DL構成によりPHICHを受信するサブフレームを決定する。ステップ1070で、UEは、PHICH受信サブフレームに該当するPCellサブフレームがUサブフレームであるか否かを判定する。Uサブフレームである場合、UEは、ステップ1075に進行する。Dサブフレーム又はSサブフレームである場合、UEは、ステップ1080に進行する。
【0133】
ステップ1075で、UEは、PHICHを受信せず、HARQ_FEEDBACKをACKに設定し、その理由は、UEがPUSCHは伝送したが、そのPUSCHに対するフィードバックを受信しないためである。このとき、UEがHARQ_FEEDBACKをNACKに設定する場合、UEは、不必要にPUSCH再伝送を遂行する。
【0134】
ステップ1080で、UEは、PHICHを受信し、PHICHで受信されたフィードバックに従ってHARQ_FEEDBACKをACK又はNACKに設定する。
【0135】
ステップ1025で、現在バンド組み合わせで同時送受信が可能であり、あるいは現在バンド組み合わせで同時送受信のサポートを示す情報をeNBに報告した場合、UEは、ステップ1085で、SCellサブフレームnでPUSCHを伝送し、ステップ1090で、CURRENT_TX_NBとCURRENT_IRVを各々1ずつ増加させる。ステップ1095で、UEは、SCellのUL/DL構成に基づいてPHICHを受信するサブフレームを判定する。その後、UEは、ステップ1080で、判定されたサブフレームでPHICHのフィードバックを受信し、受信したフィードバックに従ってHARQ_FEEDBACKをACK又はNACKに設定する。
【0136】
ステップ1042,1043,1065,1085で、SRS又はPUSCHを伝送することは、他のソリューション又は要求事項によってUL送信が制限されない場合のみに該当する。
【0137】
図11は、本発明の一実施形態によるUEを示すブロック構成図である。
【0138】
図11を参照すると、UEは、送受信部1105、制御部1110、多重化(MUX)及び逆多重化(DEMUX)部1120、制御メッセージ処理部1135、及び一つ以上の上位階層処理部1125,1130を含む。
【0139】
送受信部1105は、サービングセルのDLチャンネルでデータ及び制御信号を受信する受信器とサービングセルのULチャンネルでデータ及び制御信号を伝送する送信器を含む。複数のサービングセルが構成される場合、送受信部1105は、複数のサービングセルでデータ送受信及び制御信号送受信を遂行することができる。
【0140】
MUX及びDEMUX部1120は、上位階層処理部1125,1130、制御メッセージ処理部1135で発生したデータを多重化するか、あるいは送受信部1105から受信されたデータを逆多重化して適切な上位階層処理部1125,1130又は制御メッセージ処理部1135に提供する。
【0141】
制御メッセージ処理部1135は、eNBから受信された制御メッセージを処理して必要な動作を実行する。例えば、SCellに関連したパラメータを受信すると、制御メッセージ処理部1135は、制御部1110にSCell関連パラメータを提供する。
【0142】
上位階層処理部1125,1130は、サービス別に構成される。FTP(File Transfer Protocol)又はVoIP(Voice over Internet Protocol)のようなユーザーサービスから発生するデータを処理してMUX及びDEMUX部1120に提供する。上位階層処理部1125,1130は、MUX及びDEMUX部1120から受信されたデータを処理し、処理したデータを上位階層サービスアプリケーションに提供する。
【0143】
制御部1110は、送受信部1105を通じて受信されたスケジューリング命令、例えばULグラントを確認し、適切な時点で適切な伝送リソースでUL送信を遂行するように送受信部1105とMUX及びDEMUX部1120を制御する。制御部1110は、PCellとSCellの周波数帯域及びUL/DL構成に基づいてSCellサブフレームで遂行する動作を判定し、するその判定動作により送受信部1105を制御する。
【0144】
図12は、本発明の一実施形態によるeNBを示すブロック構成図である。
【0145】
図12を参照すると、eNBは、送受信部1205、制御部1210、MUX及びDEMUX部1220、制御メッセージ処理部1235、一つ以上の上位階層処理部1225,1230、及びスケジューラ1215を含む。
【0146】
送受信部1205は、DLキャリアでデータ及び所定の制御信号を伝送し、ULキャリアでデータ及び所定の制御信号を受信する。複数のキャリアが構成される場合、送受信部1205は、複数のキャリアでデータ及び制御信号送受信を送信及び受信できる。
【0147】
MUX及びDEMUX部1220は、上位階層処理部1225,1230又は制御メッセージ処理部1235から発生したデータを多重化するか、あるいは送受信部1205から受信したデータを逆多重化し、上位階層処理部1225,1230又は制御部1210に伝送する。制御メッセージ処理部1235は、UEから受信した制御メッセージを処理し、必要な動作を実行し、あるいはUEに伝送される制御メッセージを生成して下位階層に伝送する。
【0148】
上位階層処理部1225,1230は、UE別及びサービス別に構成される。上位階層処理部1225,1230は、FTP又はVoIPのようなユーザーサービスから発生するデータを処理し、MUX及びDEMUX部1220に処理されたデータを提供する。また、上位階層1225,1230は、MUX及びDEMUX部1220から受信したデータを処理して上位階層サービスアプリケーションに提供される。
【0149】
制御部1210は、PCellとSCellの周波数帯域及びUL/DL構成に基づいてUEがSCellのどのサブフレームでDL信号を受信してUL信号を伝送するかを判定して送受信部1205を制御する。
【0150】
スケジューラ1215は、UEのバッファ状態、チャンネル状態、及びUEの活性化時間(active time)を考慮してUEに適切な時点に伝送リソースを割り当て、送受信部1205にUEにより伝送された信号を処理し、あるいはUEに信号を伝送するように処理する。
【0151】
PCellの周波数帯域とSCellの周波数帯域によってPCellの電波環境とSCellの電波環境が顕著に変わり、サービングセルの間にDLの受信時点が相互に異なるようになることがある。したがって、SCellのサブフレームnがPCellのサブフレームnだけでなく、隣接した他のサブフレームとも時間軸上で少なくとも部分的に重なる場合が発生することができる。
【0152】
図13A及び図13Bは、サービングセルのサブフレームが相互に重なる状況を示す。
【0153】
図13Aを参照すると、SCellの受信時点は、PCellの受信時点に先行する。この場合、SCellサブフレームn1305は、PCellサブフレームn1315だけでなく、PCellのサブフレームn−1 1310と一部重なるようになる。また、図13Bを参照すると、SCellの受信時点がPCellの受信時点に後行する場合、SCellのサブフレームn1320は、PCellのサブフレームn1325だけでなく、PCellのサブフレームn+1 1330とも一部重なるようになる。
【0154】
上記したケースでは、SCellサブフレームnで取る動作を決定することにおいて、UEは、PCellサブフレームnだけでなくPCellに隣接したサブフレームも考慮すべきである。
【0155】
図14は、本発明の他の実施形態によるSCellのサブフレームでUEの動作を示すフローチャートである。
【0156】
図14を参照すると、ステップ1400で、UEは、サービングセルのシステム情報を受信してサービングセルのUL/DL構成を取得する。すると、サービングセルとRRC接続設定手順を開始する。RRC接続設定手順が完了すると、サービングセルは、UEのPCellとなる。
【0157】
ステップ1405で、UEは、eNBに性能情報メッセージによりその性能を報告する。性能情報メッセージは、UEサポートされるバンド組み合わせに関する情報が含まれる。UEは、TDD間バンド組み合わせ(inter−TDD band combination)に対する同時送受信が可能であることを示す情報を追加して報告する。
【0158】
ステップ1410で、UEにSCellが設定される。特に、SCellは、eNBによりUEにSCell構成情報を含むRRC制御メッセージを伝送し、UEによりSCell構成情報に基づいてSCellの周波数帯域をサポートするための信号経路を設定するように構成され、それによってデータ送受信はSCellで実行可能である。SCell構成情報は、例えばSCellの中心周波数、SCellでUEに割り当てられる無線リソース、及びSCellのUL/DL構成に関する情報を含む。
【0159】
ステップ1415で、UEは、SCellサブフレームnで遂行する動作を決定するためにSCellサブフレームnが開始するまで待機する。
【0160】
ステップ1420で、UEは、以下の条件が成立するか否かを確認する。UEは、条件を満す場合にはステップ1430に進行し、そうでない場合にはステップ1425に進行する。
−PCell及びSCellは、異なる周波数帯域を有する(バンド間TDDキャリアアグリゲーション)。
−PCell及びSCellは異なるUL/DL構成を有する。
【0161】
上記の条件を満たさない場合、これは、PCell及びSCellは同一の周波数帯域を有し、あるいはPCell及びSCellが異なる周波数帯域を有してもUL/DL構成が同一であることを意味する。PCell及びSCellが同一の周波数帯域を有する場合、同一のUL/DL構成は、PCell及びSCellに割り当てられなければならない。
【0162】
ステップ1425で、UEは、SCellのUL/DL構成に基づいてSCellサブフレームnのタイプを決定し、SCellサブフレームnのタイプにより遂行する動作を決定する。UEは、サブフレームのタイプに従って次のように動作する。
−サブフレームnがDサブフレームである場合、UEは、サブフレームnでPDCCH/PHICH/PDSCHを受信すると決定する。
−サブフレームnがSサブフレームである場合、UEは、サブフレームnでPDCCH/PHICHを受信し、必要な場合に、UpPTSを伝送することに決定する。
−サブフレームnがUサブフレームである場合、UEは、サブフレームnで必要な場合には、PUSCHとSRSを伝送することに決定する。
【0163】
上記動作は、UEに適用される他のソリューション又は要求事項により制限され得る。例えば、サブフレームnが不連続受信(Discontinuous Receive:DRX)動作上の活性化時間と異なり、あるいはUEがUL送信及びDL受信を中断する時区間である測定ギャップと重なる場合には、上記動作が遂行されない。
【0164】
上記の条件を満たす場合、これは、PCell及びSCellが異なる周波数帯域及び異なるUL/DL構成を有することを意味する。ステップ1430で、UEは、現在バンド組み合わせ(すなわち、PCellとSCellの周波数帯域の組み合わせ)に対して同時送受信が可能であるか否かを判定する。あるいは、UEは、現在バンド組み合わせに対して同時送受信のサポートを示す情報がeNBに報告される。判定結果が肯定であると、ステップ1425に進行し、そうでない場合にはステップ1435に進行する。
【0165】
ステップ1435で、UEは、SCellサブフレームnと重なるPCellサブフレームのタイプに基づいてSCellサブフレームnで遂行する動作を決定する。一般的に、PCellとSCellのフレーム境界は整列され、PCellサブフレームnは、SCellサブフレームnと重複される。しかしながら、PCellとSCellのフレーム境界が整列されない場合、UEは、以下のように動作する。
−SCellのDL受信時点がPCellのDL受信時点に先行し(すなわち、SCellサブフレームnの開始がPCellサブフレームnの開始より早く)、SCellサブフレームnがUサブフレームである場合、PCellサブフレームnとPCellサブフレームn−1のうち少なくとも一つがDサブフレームである場合、eNBは、UEがSCellサブフレームnでUL送信を遂行しないようにスケジューリングされる。UEは、SCellサブフレームnでUL送信、例えば非適応的再伝送がスケジューリングされても、UL送信を遂行せずにCURRENT_TX_NBは1増加する。
−SCellのDL受信時点がPCellのDL受信時点に後行し(すなわち、SCellサブフレームnの開始がPCellサブフレームnの開始より遅く)、SCellサブフレームnがUサブフレームである場合に、PCellサブフレームnとPCellサブフレームn+1のうち少なくとも一つでもDサブフレームである場合、eNBは、UEがSCellサブフレームnでUL送信を遂行しないようにスケジューリングされる。UEは、SCellサブフレームnでUL送信、例えば非適応的再伝送がスケジューリングされても、UL送信を遂行せずにCURRENT_TX_NBは1増加する。
−SCellのDL受信時点がPCellのDL受信時点に先行し(すなわち、SCellサブフレームnの開始がPCellサブフレームnの開始より早く)、SCellサブフレームnがDサブフレームである場合、PCellサブフレームnとPCellサブフレームn−1のうち少なくとも一つがUサブフレームである場合、eNBは、SCellサブフレームnでUEにDL送信をスケジューリングしない。UEは、SCellサブフレームnでDL受信を遂行しない。すなわち、UEは、SCellサブフレームnでPDCCH/PHICH/PDSCHを受信しない。UEは、SCellサブフレームnがDサブフレームであり、PCellサブフレームnとn−1が両方ともDサブフレームである場合のみに(又は、PCellサブフレームn−1及びPCellサブフレームnが両方ともUサブフレームでない場合のみに)SCellサブフレームnでDL信号を受信する。
−SCellのDL受信時点がPCellのDL受信時点に後行し(すなわち、SCellサブフレームnの開始がPCellサブフレームnの開始より遅く)、SCellサブフレームnがDサブフレームである場合、PCellサブフレームnとPCellサブフレームn+1のうち少なくとも一つがUサブフレームである場合、eNBは、SCellサブフレームnでUEにDL送信をスケジューリングしない。UEは、SCellサブフレームnでDL受信を遂行しない。すなわち、UEは、PDCCH/PHICH/PDSCHをSCellサブフレームnで受信しない。SCellサブフレームnがDサブフレームであり、PCellサブフレームnとPCellサブフレームn+1が両方ともにDサブフレームであるか、あるいはPCellサブフレームnがDサブフレームであり、PCellサブフレームn+1がSサブフレームである場合のみに(あるいは、PCellサブフレームn及びPCellサブフレームn+1がUサブフレームでない場合のみに)、UEは、SCellサブフレームnでDL信号を受信する。
【0166】
言い換えれば、SCellサブフレームnと少なくとも一部が重複されるPCellサブフレームがUサブフレームである場合、UEは、SCellサブフレームnでDL信号を受信しないように制限し、eNBは、それに応じてUEをスケジューリングする。
【0167】
SCellサブフレームnと少なくとも一部が重複されるPCellサブフレームがDサブフレームである場合、UEは、SCellサブフレームnでUL信号を伝送しないように制限され、eNBは、それに応じてUEをスケジューリングする。
【0168】
図14の手順に従って動作するUE及びeNBは、各々図11及び図12に示す構成を有する。
【0169】
周波数間ハンドオーバーをサポートするために、UEは、時々現在サービング周波数(すなわち、サービングセル)でない他の周波数に対して測定を遂行するように構成される。UEは、非サービング周波数を測定する間にはUEのハードウェアによってサービング周波数でのデータ送受信が不可能にする。例えば、UEが一つのRFフロントエンドを含む場合、UEは、単一のRFフロントエンドを用いて非サービング周波数を測定する間にサービング周波数で信号の送受信はできないものである。
【0170】
UEが測定する間に、eNBは、UEにデータを伝送するか、あるいはULをスケジューリングすることによる性能低下を防ぐために、UEがUL送信及びDL受信を中止する時区間が予め定められ得る。このような時区間は、測定ギャップと称される。測定ギャップ間に、UEは、データを伝送せず、自身の受信器をPCell及びSCellのキャリア周波数に合わせない。
【0171】
測定ギャップは、特定サブフレームの開始時点に開始され、所定時間、例えば6ms持続できる。測定ギャップが始まるサブフレームは、gapOffsetのパラメータにより特定(specify)される。eNBは、UEに非サービング周波数の測定を指示しつつ、測定ギャップ構成情報を共に伝送する。例えば、測定ギャップ構成情報は、以下のような情報を含む。
【0172】
gapOffset:測定ギャップが開始するサブフレームを示す情報
【0173】
MGRP(Measurement Gap Repetition Period)情報:MGRPが40msであるか、又は80msであるかを指示する情報
【0174】
UEは、測定ギャップ構成情報に基づいて測定ギャップに該当する時区間を決定し、測定ギャップの間にはサービングセルでDL受信及びUL送信を遂行しない。
【0175】
図15は、本発明の一実施形態による測定ギャップの設定例を示す。
【0176】
図15を参照すると、gapOffsetは、システムフレーム番号(SFN)nを有するラジオフレームのサブフレーム3(サブフレーム1505)を指定する。第1の測定ギャップ1510は、サブフレーム3の開始時点で始まって6ms維持される。第2の測定ギャップ1520は、第1の測定ギャップ1510の開始時点から所定周期後にラジオフレーム[n+m]の同一のサブフレーム、すなわちサブフレーム3で開始される。ここで、mは、MGRPにより定められる整数である。
【0177】
UEが一つの測定ギャップの間に非サービング周波数の測定を完了しても、測定ギャップは、eNBにより解除されるまで反復して発生する。
【0178】
UEに一つのサービングセルのみが構成される場合、測定ギャップの開始は、開始サブフレームを特定することによって正確に判定できる。しかしながら、UEに複数のサービングセルが構成される場合には、測定ギャップの開始は、開始サブフレームを特定することにより正確に判定できない。
【0179】
図16は、サービングセルのサブフレーム境界が一致しない場合に測定ギャップの設定が有する問題点を示す。
【0180】
図16を参照すると、サービングセル1のDL受信時点がサービングセル2のDL受信時点より遅く、gapOffsetによって特定した測定ギャップの開始時点は、サブフレームnである。サービングセル1のサブフレームn(サブフレーム1610)に対して、測定ギャップ1620は、サービングセル1のサブフレームnからサブフレームn+5まで持続される。サービングセル2のサブフレームn(サブフレーム1615)の開始部分は、測定ギャップ1620に含まれずに、サービングセル2のサブフレームn+6(サブフレーム1630)の開始部分は、測定ギャップ1620に含まれる。
【0181】
一方、サービングセル2のサブフレームに対して、測定ギャップ1625は、サービングセル2のサブフレームnからサブフレームn+5まで持続される。サービングセル1のサブフレームn−1の後部分が測定ギャップ1625に含まれ、サービングセル1のサブフレームn+5の後部分は、測定ギャップ1625に含まれない。
【0182】
測定ギャップは、UEがUL送信及びDL受信を中断し、非サービング周波数に対する測定を遂行し、eNBは、測定ギャップでUEをスケジューリングしないように約束した時区間である。UEとeNBが異なる測定ギャップを有する場合、eNBは、UEがデータを送受信しないサブフレームに対してデータを送受信することができる。例えば、eNBがサービングセル1に対して設定された測定ギャップ1620を使用し、UEがサービングセル2に対して設定された測定ギャップ1625を使用する場合、UEの測定ギャップ1625は、サービングセル1のサブフレームn−1以前に開始するので、UEは、サービングセル1のサブフレームn−1データを送受信しない。しかしながら、eNBの測定ギャップ1620がサービングセル1のサブフレームn−1を含まないので、eNBは、サービングセル1のサブフレームn−1でUEにデータを伝送することができる。
【0183】
上記のような問題点を防止するために、UEとeNBは、同一のサービングセルに基づいて測定ギャップの開始時点を判定する。一実施形態において、PCellは、測定ギャップの基準として使用可能である。図16の実施形態において、サービングセル1がPCellである場合には測定ギャップ1620が使用され、サービングセル2がPCellである場合には測定ギャップ1625が使用される。
【0184】
図17は、SCellのDL受信時点がPCellのDL受信時点に先行する場合の測定ギャップの構成を示す。図17において、eNBとUE両方ともに、PCellサブフレームnで開始される同一の測定ギャップ1720を設定する。
【0185】
図17を参照すると、SCellサブフレームn(サブフレーム1715)は、PCellサブフレームn(サブフレーム1710)に先行する。したがって、SCellサブフレームnは、PCellサブフレームn−1(サブフレーム1705)と特定部分1725だけ重なる。測定ギャップ1720は、PCellサブフレームnの開始時点で開始し、PCellサブフレームn+5の終了時点で終了するように構成される。SCellがPCellに先行する場合、SCellサブフレームn+6(サブフレーム1730)の開始部分1735が測定ギャップ1720に含まれ、eNBは、SCellサブフレームn+6でUEにデータを伝送しない。SCellサブフレームn+6は、そのサブフレーム番号により測定ギャップ1720に属しないと判定されるが、実際時間ドメインでSCellサブフレームn+6の開始部分1735は、測定ギャップ1720に含まれる。それによって、UEは、eNBがUEにSCellサブフレームn+6でスケジューリングしないと判定し、SCellサブフレームn+6でデータ送受信を遂行しない。
【0186】
以上のように、SCellがPCellに先行する場合、特定SCellサブフレームの開始部分は、測定ギャップに含まれるので、eNBは、このSCellサブフレームでUEにデータを伝送しない。上記したSCellサブフレームは、そのサブフレーム番号のため測定ギャップに含まれないと判定されるが、SCellサブフレームの開始部分は、測定ギャップに含まれる。したがって、UEは、eNBがSCellサブフレームでUEをスケジューリングしないと判定し、SCellサブフレームでデータを送受信しない。
【0187】
図18は、PCellのDL受信時点がSCellのDL受信時点に先行する場合、測定ギャップの構成を示す。図18において、eNBとUEは、両方ともにPCellサブフレームnで始まる同一の測定ギャップ1820を設定する。
【0188】
図18を参照すると、PCellサブフレームn(サブフレーム1805)は、SCellサブフレームn−1(サブフレーム1815)と特定部分1830だけ重なる。SCellサブフレームnがPCellサブフレームnに後行する場合、SCellサブフレームn−1(サブフレーム1815)の最後部分1830は、測定ギャップ1820に含まれ、それによってeNBは、SCellサブフレームn−1でUEにデータを伝送しない。SCellサブフレームn−1のサブフレーム番号によって判定され、測定ギャップ1820に属しないが、時間ドメインでは、SCellアブフレームn−1の最終部分1830は、測定ギャップ1820に含まれる。したがって、UEは、eNBがSCellサブフレームn−1でUEをスケジューリングしないと判定し、SCellサブフレームn−1でデータを送受信しない。
【0189】
図19は、本発明の一実施形態による測定ギャップに関連したUEの動作を示すフローチャートである。
【0190】
図19を参照すると、ステップ1900で、UEは、サービングセルに関するシステム情報を受信し、RRC接続設定手順に必要な情報を獲得し、サービングセルとRRC接続設定手順を開始する。RRC接続設定手順が完了すると、サービン グセルは、UEのPCellである。
【0191】
ステップ1905において、UEは、eNBに性能情報メッセージを通じてUEの性能を報告する。UEがCAをサポートする場合、UE性能情報メッセージは、UEサポートするバンド組み合わせに関する情報を含み、eNBは、サポートするバンド組み合わせ情報に従ってどの周波数帯域のどのセルをUEのSCellに設定するかを判定する。
【0192】
ステップ1910で、UEにSCellが設定される。SCellは、eNBからUEにSCell構成情報を含むRRC制御メッセージを伝送し、UEによりSCell構成情報に基づいてSCellの周波数帯域をサポートするための信号経路を設定し、あるいはUEがSCellを通じてデータを送受信するようにUEの送受信装置を設定することによって構成される。SCell構成情報は、例えばSCellの中心周波数、SCellでUEに割り当てられる無線リソースなどに関する情報を含むことができる。
【0193】
ステップ1915で、eNBは、UEに測定ギャップを設定する。測定ギャップは、UEにgapOffsetを割り当てて設定される。例えば、gapOffsetは、0〜39の値を有する第1のgapOffsetと0〜79の値を有する第2のgapOffsetに区分され、これら第1及び第2のgapOffsetのうちいずれか一つが使用される。第1のgapOffsetに対応するMGRPは40msであり、第2のgapOffsetに対応するMGRPは80msである。
【0194】
SCell構成(ステップ1910)と測定ギャップ構成(ステップ1915)は、一つのRRCメッセージにより同時に行われ、あるいは別の制御メッセージにより順次に行われることができる。後者の場合、SCell構成及び測定ギャップ構成の順序は変わってもよい。
【0195】
ステップ1920で、UEは、測定ギャップの開始時点を特定するSFNとサブフレーム番号を所定数式及びギャップオフセットを用いて判定する。サブフレーム番号は、測定ギャップの第1のサブフレームを意味する。
【0196】
本発明の一実施形態において、測定ギャップが開始されるラジオフレームのSFNは、<数式1>により算出される。
【0197】
[数1]
SFN mod T=FLOOR(gapOffset/10) ………(1)
【0198】
ここで、T=MGRP/10である。
【0199】
本発明の一実施形態では、測定ギャップが始まるサブフレーム番号は<数式2>により算出される。
【0200】
[数2]
subframe=gapOffset mod10 ………(2)
【0201】
ステップ1925で、UEは、測定ギャップの開始を特定するSFNとサブフレーム番号をPCellに適用して測定ギャップの開始時点を決定する。例えば、<数式2>によりサブフレーム番号nが算出される場合、UEは、PCellサブフレームnで測定ギャップが開始されると判定する。
【0202】
ステップ1930で、UEは、決定された測定ギャップに基づいてどのサービングセルのどんなサブフレームで送受信を中止するかを判定する。その判定は、次のようになされる。
−PCellと活性化状態であるSCellのサブフレームn〜サブフレームn+5で、UEは、UL送信又はDL受信をともに遂行しない。
−活性化状態であるSCellのうち、PCellのDL受信時点に先行するDL受信時点を有するSCell pに対して測定ギャップ直前のサブフレーム、すなわちサブフレームn−1で、UEは、DL受信を遂行しない(あるいは中止する)。言い換えれば、SCell pのサブフレームn−1〜サブフレームn+5を除外した他のサブフレームで、その他の理由で中止しない限り、DL受信が遂行される。
−活性化状態であるSCellのうち、PCellのDL受信時点に後行するDL受信時点を有するSCell kに対しては測定ギャップ直後のサブフレーム、すなわちサブフレームn+6で、UEは、DL受信を遂行しない(あるいは中止する)。言い換えれば、SCell kのサブフレームn〜サブフレームn+6を除外した他のサブフレームで、他の理由で中止しない限り、DL受信が遂行される。
−UEは、PCellと活性化状態であるSCellに対して、測定ギャップ直後のサブフレーム、すなわちサブフレームn+6で、UL送信を遂行しない(または中止する)。言い換えれば、PCellとSCellのサブフレームn〜サブフレームn+6を除いた他のサブフレームで、他の理由でUL送信が中止され、UL送信がスケジューリングされる場合、UL送信が遂行される。サブフレームn+6でUL送信が遂行されない理由は、OFDMシステムに適用されるTA(Timing Advance)のため、ULサブフレームn+6が時間軸上でDLサブフレームn+5と重なるためである。
【0203】
ステップ1935で、UEは、この判定により、所定のサービングセルの特定のサブフレームでDL受信を中止(すなわち、遮断)し、所定のサービングセルの特定のサブフレームでUL送信を中止(すなわち、遮断)する。
【0204】
サブフレームでDL受信を中止することは、UEは、サブフレームでPDCCHをモニタリングし、PDSCHをバッファリングせず、DL HARQフィードバック受信がサブフレームでスケジューリングされても、UEは、HARQフィードバックをサブフレームで受信しないことを意味する。受信しないHARQフィードバックは、PUSCH送信に対応する。PUSCHが伝送され、HARQフィードバックがPUSCHに対して受信しない場合には、UEは、HARQフィードバックでACKがACKであると判定するHARQ動作を遂行する。PUSCHが伝送されず、HARQフィードバックも受信しない場合、UEは、HARQフィードバックがNACKであると判定するHARQ動作を遂行する。
【0205】
任意のサブフレームでUL送信を中止することは、UEは、サブフレームでPUCCH伝送又はPUSCH伝送がスケジューリングされても、UL伝送を遂行しないことを意味する。特に、PUSCHを伝送しない場合、UEは、CURRENT_TX_NBを1増加させ、CURRENT_IRVを現在値に維持する。
【0206】
測定ギャップ直前のサブフレームが時間ドメインで測定ギャップと一部重複することができるため、図19に示す実施形態では、DL受信は、測定ギャップ直前のサブフレームで遂行されない。しかしながら、時間ドメインで重複区間がサブフレーム長さに比べて非常に短い場合、サブフレームでUEがDLの信号を受信して復号化に成功する可能性が非常に大きい。時間ドメインで測定ギャップと重なるサブフレームでDL受信をあきらめる代わりに、パンクチャリング以後にDL信号を受信する実施形態について、以下に説明する。
【0207】
一つのサブフレームは、14個のOFDMシンボルを含む。PDCCHは、まず、サブフレームのn個のシンボルを通じて伝送され、PDSCHは、以後の(14−n)個のシンボルを通じて伝送される。PDSCHは、一部受信されなくても、受信された部分を用いて正しく復号化する可能性がある。一方、PDCCHは、一部でも受信されない場合、PDCCHを正しく解析できない。したがって、受信されるDLサブフレームは、測定ギャップと重複される最終部分を有するサブフレームに限定されなければならない。すなわち、測定ギャップの開始直前のサブフレームであるサブフレームn−1が測定ギャップと一部重なっても、DL受信は、サブフレームn−1で可能である。したがって、DL受信は、サブフレームn−1で許可され得る。さらに、測定ギャップの開始は、測定ギャップ直後のサブフレームが測定ギャップと時間軸で重複されないように適切に調整される。
【0208】
図20は、本発明の一実施形態による測定ギャップに関連してUEの動作を示すフローチャートである。ステップ2000、ステップ2005,2010,2015,2020は、図19に示したステップ1900,1905,1910,1915,1920と同一なので、その説明を省略する。
【0209】
図20を参照すると、ステップ2023で、UEは、活性化状態であるSCellのうち、PCellのDL受信時点に先行するDL受信時点を有するSCellがあるか否かを判定する。上記SCellがない場合、すなわちPCellのDL受信時点が活性化状態であるすべてのSCellのDL受信時点に先行する場合、UEは、ステップ2025に進行する。PCellに先行するDL受信時点を有する少なくとも一つのSCellが存在する場合、UEは、ステップ2045に進行する。
【0210】
UEがステップ2025に進行する場合、これは、測定ギャップの開始時点がPCellのサブフレームnである場合に、測定ギャップは、SCellのサブフレームn−1と時間ドメインで重なるが、SCellのサブフレームn+6と時間ドメインで重複しないことを意味する。したがって、UEは、ステップ2025で、測定ギャップの開始サブフレームとなるPCellのサブフレームnを決定し、ステップ2030で、図19に示したステップ1930と同一の方法で、データ送受信を中止されるサブフレーム及びデータ伝送のみを中止するサブフレームを決定する。すなわち、UEは、PCellとSCellのサブフレームn〜n+5でデータ送受信を中止すると決定し、PCellとSCellのサブフレームn+6でデータ伝送のみを中止すると決定する。すなわち、UEは、PCellとSCellのサブフレームn+6でデータ伝送を中止し、UEの受信器をPCellとSCellのキャリア周波数のうち一つで調整する。eNBは、UEがデータ送受信を中止するサブフレームでデータ伝送をスケジューリングせず、サブフレームでDL信号の受信をモニタリングしない。
【0211】
ステップ2035において、UEは、活性化状態であるSCellのサブフレームn−1でDL信号を受信する。例えば、図18において、UEは、SCellのサブフレームn−1と測定ギャップが時間ドメインで重なる部分1830では受信を中止する。
【0212】
ステップ2040で、UEは、ステップ2030の判定により所定のサービングセルの特定サブフレームでDL受信を中止し、所定のサービングセルの特定サブフレームでUL送信を中止する。
【0213】
UEがステップ2023からステップ2045に進行すると、これは、測定ギャップの開始時点がPCellのサブフレームnに設定する場合、SCellのサブフレームn−1と測定ギャップが時間ドメインで重複されないが、SCellサブフレームn+6と測定ギャップが時間ドメインで重なることを意味する。したがって、UEは、測定ギャップと重なる部分がSCellサブフレームn−1に含まれるように、測定ギャップの開始時点をPCellサブフレームnの開始時点から所定の時区間だけ早める。所定の期間は、活性化されたSCellの最も早いDL受信時点とPCellのDL受信時点との差に該当する。その結果、測定ギャップの開始時点は、DL受信時点が最も早いSCellのサブフレームnに決定される。
【0214】
例えば、図17において、測定ギャップの開始時点は、PCellサブフレームnの開始時点から所定時区間1725だけ先行する。このように測定ギャップの開始時点を調整するが、PCellのサブフレームn−1の部分は、測定ギャップと時間ドメインで重なる。しかしながら、測定ギャップは、いかなるサービングセルのサブフレームn+6と時間ドメインで重複されない。UEは、測定ギャップの開始時点を決定した後に、ステップ2050に進行する。ステップ2050は、ステップ2030と同一の方法で遂行される。
【0215】
ステップ2055で、UEは、PCellサブフレームn−1でDL受信を遂行する。このとき、UEは、PCellサブフレームn−1と測定ギャップとの間に重なる時間ドメイン部分で受信を中止する。
【0216】
ステップ2060は、ステップ2040と同一に遂行される。
【0217】
後述する本発明の実施形態において、測定ギャップの開始時点は、PCellの代わりに、最も早いDL受信時点を有するサービングセルに対して決定される。
【0218】
図21は、本発明の一実施形態による測定ギャップに関連してUEの動作を示すフローチャートである。ステップ2100,2105,2110,2115,2120は、ステップ1900,1905,1910,1915,1920と同一に遂行されるので、その説明を省略する。
【0219】
図21を参照すると、ステップ2125で、UEは、測定ギャップの開始時点を特定するSFNとサブフレーム番号を基準サービングセルに適用して測定ギャップの開始時点を決定する。サブフレームnが、<数式1>と<数式2>により決定される場合、UEは、基準サービングセルのサブフレームnで測定ギャップが始まると判定する。ここで、基準サービングセルは、現在活性化状態のサービングセルのうちDL受信時点が最も早いサービングセルを意味する。基準サービングセルは、PCellであるか、あるいはSCellである。図17の状況では、基準サービングセルはSCellであり、図18の状況では、基準サービングセルはPCellである。
【0220】
ステップ2130で、UEは、決定された測定ギャップによりどんなサービングセルのどのサブフレームで送受信を中止するかを判定する。この判定は、以下のようになされる。
−PCellと活性化状態のSCellのサブフレームn〜サブフレームn+5では、UL送信及びDL受信が遂行されない(あるいはこれら送受信が中止される)。
−基準サービングセルを除いた残りのサービングセルに対しては測定ギャップの開示直前のサブフレーム、すなわちサブフレームn−1でDL受信は、遂行されない(あるいは中止される)。本発明の他の実施形態では、DL受信は、サブフレームn−1と測定ギャップとの間に重ならない時間ドメイン区間で遂行され、DL受信は重複区間のみで遂行されない。
−DL送信は、PCellと活性化状態のSCellの測定ギャップが終了した直後のサブフレーム、すなわちPCell及び活性化のSCellのサブフレームn+6で遂行されない(あるいは中止される)。言い換えれば、UL送信が、PCellとSCellのサブフレームn〜サブフレームn+6を除いた残りのサブフレームで、他の理由で禁止されず、スケジューリングされる場合、UL送信が遂行される。サブフレームn+6でUL送信を遂行しない理由は、OFDM通信システムで適用されるTAのため、ULサブフレームn+6が時間軸でDLサブフレームn+5と重なるためである。
【0221】
ステップ2135で、UEは、判定に従って特定のサービングセルの特定のサブフレームでDL受信を中止し、特定のサービングセルの特定のサブフレームでUL送信を中止する。
【0222】
図19図20の手順で動作するUE及びeNBは、各々図11及び図12に示すブロック構成を有する。
【0223】
OFDM通信システムでは、eNBは、CP(Cyclic Prefix)と呼ばれる所定の時区間の終了以前にUEから信号を受信されなければならない。多様な位置にあるUEのUL信号が所定の時区間内に至るように、UEのUL送信時点を調整すべきである。LTEではUEがUL送信時点を決定することにおいて、DL受信時点を基準でタイミング調整(TA)の長さだけUL送信時点を早める。TAは、UE別にeNBにより指定できる。したがって、DLサブフレームを基準で形成された測定ギャップは、ULサブフレームと整列できず、測定ギャップが終了した直後のサブフレームは、常にTAだけの測定ギャップと重なる。したがって、測定ギャップを正常に保証するために、UEは、測定ギャップが終了した直後のULサブフレームでUL送信を遂行しない。
【0224】
図22は、FDDシステムで、測定ギャップとULサブフレームの関係を示す。以下、説明の便宜のために、サブフレーム[before]は、測定ギャップが始まる直前のサブフレームを表し、サブフレーム[after]は、測定ギャップが終了した直後のサブフレームを表す。図22の実施形態では、測定ギャップ2220は、サブフレームn〜サブフレームn+5に形成され、サブフレームn−1がサブフレーム[before]でサブフレームn+6がサブフレーム[after]である。
【0225】
図22を参照すると、ULサブフレームnは、DLサブフレームnに比べてTA2225だけ先行し、それによってULサブフレームn+6は、測定ギャップ2220とTA2235だけ重複される。
【0226】
TDDシステムにおいて、同一の周波数領域でDLとULが共に存在するため、サブフレーム[after]がUサブフレームであっても、常に測定ギャップと重なることではない。
【0227】
図23は、TDDシステムにおいて、ULサブフレームのタイミング調整の一例を示す。
【0228】
図23を参照すると、TDDシステムにおいてDLからULへの切り替え(以下、D−Uスイッチング)2305は、Sサブフレーム2310の間になされる。Uサブフレームの受信時点は、Sサブフレーム2310でTAにより調整される。したがって、Sサブフレーム2310の長さは、1msでなく、(1−TA)msである。例えば、TAが0.05msである場合、Sサブフレーム2310の長さは0.995msである。ULがDLに切り替えられる場合、サブフレームタイミングは、TAにより遅延される。すなわち、U−Dスイッチング2315の際に、TAサイズに該当する空白が発生する。
【0229】
言い換えれば、D−Uスイッチングの間に、サブフレームタイミングがTAだけ早められ、U−Dスイッチングの間に、サブフレームタイミングがTAだけ遅らせる。
【0230】
測定ギャップ内に含まれるD−Uスイッチング回数がU−Dスイッチング回数より多い場合、測定ギャップはサブフレーム[after]の一部を含み、UEはサブフレーム[after]でUL送信を遂行しない。測定ギャップ内にD−Uスイッチング回数とU−Dスイッチング回数が同一である場合、測定ギャップは、サブフレーム[after]を含まないので、UEは、サブフレーム[after]でUL送信を遂行できる。
【0231】
サブフレームの順序がD,S,U,Dに循環するため、サブフレーム[before]がDサブフレームである場合のみに、サブフレーム[after]はUサブフレームであり、D−Uスイッチングの回数は測定ギャップのU−Dスイッチングの回数より多い。したがって、UEは、サブフレーム[before]のタイプを参照する。サブフレーム[before]がDサブフレームであり、サブフレーム[after]がUサブフレームである場合、UEは、サブフレーム[after]でUL送信を遂行しない。サブフレーム[before]がDアブフレームでなく、サブフレーム[after]がUサブフレームである場合、UEは、サブフレーム[after]で必要な場合、UL送信を遂行する。
【0232】
一つのサービングセルが存在し、あるいはサービングセルが同一のUL/DL構成を有する場合、サブフレーム[before]のタイプによりサブフレーム[after]でUL送信をするか否かを判定することは、効果的に実行される。しかしながら、サービングセルが異なるUL/DL構成を有する場合には、複数のサブフレーム[before]が参照され、それによってこの規則は、適用されない。
【0233】
UEとeNBは、サブフレーム[after]でUL送信又はUL非送信に関して同一に知るべきであり、それによって伝送リソースが浪費され、あるいはUEのバッテリーが消耗されることを防止できる。
【0234】
図24は、本発明の一実施形態による測定ギャップに関してUEの動作を示すフローチャートである。UEは、複数のサブフレーム[before]のうち少なくとも一つがDサブフレームである場合、Uサブフレームであるサブフレーム[after]ではUL送信を遂行しない。
【0235】
図24を参照すると、ステップ2405で、UEは、測定ギャップがサブフレームmで終了することを認知する。
【0236】
ステップ2410で、UEは、現在システムがFDDシステムであるか、TDDシステムであるかを判定する。FDDシステムである場合、ステップ2415で、TDDシステムである場合にはステップ2420に進行する。ステップ2415で、UEは、ULサブフレームm+1でUL送信を遂行してはならないことを認知し、サブフレームm+1にUL送信がスケジューリングされていてもUL送信を遂行せずに、関連変数のみを調整するように自身の送信装置を制御する。ここで、関連変数は、一例としてCURRENT_TX_NB、CURRENT_IRV、及びHARQ_FEEDBACKを意味する。
【0237】
ステップ2420で、UEは、サブフレームm+1がUサブフレームであるか否かを判定する。UEに複数のサービングセルが設定されている場合、UEは、複数のサービングセルに対するサブフレームm+1のうちいずれか一つでもUサブフレームであるか否かを判定する。一つでもUサブフレームである場合、ステップ2430に進行し、Uサブフレームがない場合、ステップ2425に進行する。ステップ2425で、UEは、サブフレームm+1のタイプに従って適切な動作を遂行する。すなわち、サブフレームm+1がDサブフレームである場合、PDCCHを受信するなどDL動作を遂行し、Sサブフレームである場合には、SサブフレームでUEが遂行すべき動作を遂行する。
【0238】
ステップ2430で、UEは、一つのサービングセルのみが設定されているか(あるいは、一つのサービングセルのみが活性化状態であるか)、あるいは複数のサービングセルが設定されており、活性化状態であるサービングセルのUL/DL構成がともに同一であるかを判定する。一つのサービングセルのみが設定されるか、あるいはすべてのサービングセルのUL/DL構成がともに同一である場合、UEは、ステップ2435に進行する。ステップ2435で、UEは、サブフレーム[before]がDサブフレームであるかを確認し、そうである場合にはステップ2415に進行し、Dサブフレームでない場合には、ステップ2445に進行する。複数のサービングセルが設定されており、UL/DL構成が異なる場合、UEは、ステップ2440に進行する。
【0239】
ステップ2440で、UEは、設定されたサービングセル(又は活性化状態のサービングセル)のサブフレーム[before]のうち少なくとも一つがDサブフレームであるか否かを判定する。上記サービングセルのうち少なくとも一つのサブフレーム[before]がDサブフレームである場合、UEは、ステップ2415で、サブフレームm+1のうちUサブフレームでUL送信を遂行しない。ここで、UEは、Uサブフレームでないサブフレームm+1ではノーマル動作を遂行する。ステップ2445で、UEは、サブフレームm+1のうちUサブフレームでは、UL送信がスケジューリングされ、異なる理由でUL送信が禁止されない場合、UL送信を遂行する。ステップ2415のように、UEは、Uサブフレームでないサブフレームm+1でノーマル動作を遂行する。
【0240】
ハーフデュプレックスUEは、サブフレーム[after]がUサブフレームであっても、PCellのサブフレーム[after]がUサブフレームである場合には、UL送信を遂行することができない。
【0241】
図25は、本発明のもう一つの実施形態による測定ギャップに対してUEの動作を示すフローチャートである。ステップ2505,2510,2515,2520,2525は、ステップ2405,2410,2415,2420,2425と同一に遂行され、その説明を省略する。
【0242】
図25を参照すると、ステップ2530で、UEは、一つのサービングセルのみが設定されているか(あるいは、一つのサービングセルのみが活性化状態であるか)、あるいは複数のサービングセルが設定されて活性化状態のサービングセルのUL/DL構成がすべて同一であると判定する。一つのサービングセルのみが設定されているか、あるいはすべてのサービングセルのUL/DL構成が同一である場合、UEは、ステップ2535に進行する。ステップ2535は、ステップ2435と同一である。複数のサービングセルが設定されており、UL/DL構成が異なる場合、UEは、ステップ2533に進行する。
【0243】
ステップ2533で、UEは、現在設定されたバンド組み合わせに対して同時に送受信が可能であるか(すなわち、フルデュプレックス(FD)で動作できるか)を確認する。あるいは、現在設定されたバンド組み合わせに対して同時送受信が可能であると設定される情報を報告したか否かを確認する。フルデュプレックスで動作できる場合、ステップ2540に進行する。ステップ2540は、ステップ2440と同一である。フルデュプレックスで動作できない場合、すなわちハーフデュプレックス(HD)で動作する場合、UEは、ステップ2537に進行する。
【0244】
ステップ2537で、UEは、PCellのサブフレーム[before]がDサブフレームであるか否かを判定する。PCellサブフレーム[before]がDサブフレームである場合、UEは、ステップ2515で、サブフレームm+1のうちUサブフレームでは、UL送信を遂行しない。ここで、UEは、サブフレームタイムがUサブフレームでなく、サブフレームm+1ではノーマル動作を遂行する。PCellサブフレーム[before]がDサブフレームでない場合に、UEは、ステップ2545で、サブフレームm+1のうちUサブフレームでは、UL送信がスケジューリングされ、異なる理由でUL送信が禁止されない場合、UL送信を遂行する。ステップ2515と同様に、UEは、Uサブフレームでないサブフレームm+1ではノーマル動作を遂行する。
【0245】
図26は、本発明の一実施形態による測定ギャップに関してUEの動作を示すフローチャートである。図26は、ハーフデュプレックスUEの他の動作を示す。ステップ2605,2610,2615,2620,2625,2630,2635,2633,2640,2645は、図25に示したステップ2505,2510,2515,2520,2525,2530,2535,2533,2540,2545と同一に遂行され、その説明を省略する。
【0246】
図26を参照すると、ステップ2637で、UEは、PCellのサブフレーム[before]がDサブフレームでなく、PCellのサブフレーム[after]がUサブフレームであるかを判定する。2つの条件を満たす場合、UEは、他のサービングセルのサブフレーム[after]でUL送信を遂行し、それによってステップ2645に進行する。2つの条件のうち少なくとも一つでも満足しない場合、UEは、ステップ2615で、すべてのサービングセルのサブフレームm+1でUL送信を遂行しない。ステップ2645で、UEは、PCellのサブフレームm+1及びSCellサブフレームm+1のうちUサブフレームであるサブフレームm+1でUL送信がサブフレームでスケジューリングされ、他の理由でUL送信が禁止されない場合には、UL送信を遂行する。
【0247】
上記したように、サービングセルに異なるUL/DL構成を適用するために、サービングセルは、異なる周波数帯域を有しなければならない。UEの構造上、UEは、異なる周波数帯域に対して異なるRF回路を使用すべきである。この場合、サービングセル単位でサブフレーム[after]で動作を制御することが可能である。すなわち、サービングセルxのサブフレーム[before]のみが、サービングセルxのサブフレーム[after]で動作を決定するのに考慮される。この場合、各サービングセルで測定ギャップが異なる時区間に適用されるが、6mは、測定ギャップに対して保証され得る。
【0248】
図27は、異なるUL/DL構成を有するサービングセルの一実施形態を示す。
【0249】
図27を参照すると、<表1>のUL/DL構成1及びUL構成3は、各々サービングセル1及びサービングセル2に割り当てられ、サブフレーム7〜サブフレーム2で測定ギャップが形成される。UEは、サービングセル1とサービングセル2に各々異なるRFフロントエンドを使用する。サービングセル1に適用されるRFフロントエンドをRF1、サービングセル2に適用されるRFフロントエンドをRF2とする。すると、UEは、これらRF1とRF2のうちいずれか一つを用いて一つ以上の非サービング周波数を測定する。UEがRF1を使用して非サービング周波数を測定する場合、サービングセル1のサブフレーム[before]がDサブフレームでないので、サブフレーム[after]であるサブフレーム3でUL送信を遂行してもRF1には6msの期間2705が与えられる。UEがRF2を用いて非サービング周波数を測定する場合、サブフレーム[before]がDサブフレームであり、サブフレーム[after]がUアブフレームであるため、サブフレームUでUL送信により6msの期間2710が保証されない。それによって、UEは、UL送信を遂行しない。したがって、eNBがUEで測定に使用されるRFフロンドエンドに関する情報がなくても、eNBは、少なくともサービングセルレベルではサブフレーム[after]が使用可能であるか否かを明確に判定することができる。
【0250】
図28は、本発明の一実施形態による測定ギャップに関してUEの動作を示すフローチャートである。ステップ2805,2810,2815,2820,2825,2830,2835,2845は、図24に示したステップ2405,2410,2415,2420,2425,2430,2435,2445と同一に遂行される。
【0251】
図28を参照すると、UEがステップ2840に進行する場合、これは、UEに複数のサービングセルが設定され、サービングセルが異なるUL/DL構成を有し、サービングセルのサブフレームm+1のうち少なくとも一つは、Uサブフレームであることを意味する。UEは、設定されたサービングセルのうち活性化状態のサービングセルのサブフレーム[before]とサブフレーム[after]を確認する。サブフレーム[before」としてDサブフレームを、サブフレーム[after」としてUサブフレームを有するサービングセルに対して、UEは、ステップ2850に進行し、他のセルに対しては、ステップ2855に進行する。UEがステップ2850に進行する場合、これは、該当サービングセルのサブフレームm+1でUL送信を遂行する場合、6msの期間が保証されないことを意味する。該当サービングセルのサブフレームm+1ではUL送信がスケジューリングされても、UEは、UL送信を遂行せずに関連変数のみを調整する。
【0252】
ステップ2855において、UEは、現在構成又は現在バンド組み合わせでフルデュプレックスで動作するか、あるいはハーフデュプレックスで動作するかを判定する。UEは、ハーフデュプレックスで動作する場合にはステップ2860に進行し、フルデュプレックスで動作する場合にはステップ2865に進行する。
【0253】
ステップ2860において、UEは、SCellのサブフレーム[after]と重なるPCellのサブフレーム(すなわち、PCellのサブフレーム[after]、PCellのサブフレーム[after]とサブフレーム[after+1]、あるいはPCellのサブフレーム[after−1])のタイプに基づいてSCellのサブフレーム[after]で遂行する動作を決定する。
【0254】
ステップ2865で、UEは、SCellのサブフレーム[after]のタイプを参照してサブフレーム[after]で遂行する動作を決定する。
【0255】
上記した図27の例を参照すると、測定ギャップの開始時点の基準を提供するサービングセルのサブフレーム[before]は、サービングセルのサブフレーム[after]の動作に影響する。例えば、測定ギャップがサービングセル1のサブフレーム7で始まる場合、サービングセル1のサブフレーム[before」がDサブフレームでないので、サービングセル1のサブフレーム[after]だけでなく、サブフレーム[before]としてDサブフレームを有するサービングセル2のサブフレーム[after]は、UL送信が可能される。測定ギャップがサービングセル2のサブフレーム7で始まる場合、サービングセル2のサブフレーム[before]がDサブフレームであるため、サービングセル2のサブフレーム[after]だけでなく、Dサブフレームでないサブフレーム[before]を有するサービングセル1のサブフレーム[after]で、UL送信が禁止される。
【0256】
したがって、UEとeNBが、どんなサービングセルのサブフレーム境界で、あるいはどんなサービングセルのサブフレームを基準で測定ギャップを始めるか否かを知っている場合、サービングセルのサブフレーム[before]に基づいて、すべてのサービングセルのサブフレーム[after]で遂行する動作が決定できる。
【0257】
図29は、本発明のもう一つの実施形態による測定ギャップ設定に関連したUEの動作を示すフローチャートである。ステップ2900,2905,2910,2915,2920は、図19に示したステップ1900,1905,1910,1915,1920と同一なので、その説明を省略する。
【0258】
図29を参照すると、ステップ2925で、所定基準セルのサブフレームのうち、測定ギャップの開始時点を特定するSFNとサブフレーム番号に該当するサブフレームの開始時点で測定ギャップを始める。一実施形態では、基準セルは、PCellであり得る。他の実施形態では、基準セルは、現在活性化状態であるサービングセルのうちDL受信時点が最も先行するサービングセルであり得る。もう一つの実施形態では、基準セルは、サブフレーム[before]がDでないサービングセルであり得る。もう一つの実施形態では、基準セルは、現在時点では活性化状態であるサービングセルのうちDL受信時点が最も後行するサービングセルであり得る。
【0259】
ステップ2930で、UEは、基準セル、例えばPCellのサブフレーム[before]がDタイプであり、基準セルを含む現在活性化状態であるすべてのサービングセルのうち少なくとも一つがUタイプのサブフレーム[after]を有するかを確認する。2つのタイプ条件が満足すると、ステップ2935に進行し、2つのタイプの条件のうち一つでも満たすが、ステップ2940に進行する。
【0260】
ステップ2935で、UEは、サービングセルのサブフレーム[after]のうちUサブフレームであるサブフレーム[after]では、UL送信を遂行しない。Uサブフレームでないサービングセルのサブフレーム[after]では、UEは、ノーマル動作を遂行する。例えば、UEがハーフデュプレックスで動作する場合、UEは、PCellのサブフレーム[after]及びサブフレーム[after]に隣接したサブフレームのタイプに従ってSCellのサブフレーム[after]動作を遂行する。フルデュプレックスで動作する場合、該当サービングセルのサブフレーム[after]タイプを参照して動作を遂行する。
【0261】
ステップ2940で、UEは、現在設定で、あるいは現在バンド組み合わせでUEがフルデュプレックスで動作するか、あるいはハーフデュプレックスで動作するかを判定する。UEは、ハーフデュプレックスで動作する場合にはステップ2945に進行し、フルデュプレックスで動作する場合にはステップ2950に進行する。ステップ2945において、UEは、SCellのサブフレーム[after]と重なるPCellサブフレーム(すなわち、PCellのサブフレーム[after]又はPCellのサブフレーム[after]とサブフレーム[after+1]、又はサブフレーム[after−1])のタイプに基づいてSCellのサブフレーム[after]で遂行する動作を決定する。ステップ2950で、UEは、SCellのサブフレーム[after]のタイプに従ってサブフレーム[after]で遂行する動作を決定する。
【0262】
図28図29の手順により動作するUE及びeNBは、各々図11及び図12に示す構成を有する。
【0263】
後述する本発明の実施形態では、現在活性化状態であるサービングセルのうちDL受信時点が最も後行するサービングセルに基づいて測定ギャップを開始し、Uサブフレームであるサブフレーム[after]では、UL送信を遂行しない方法及び装置を提供する。これは、測定ギャップの開始時点の基準を提供するサービングセルのサブフレームタイプがサブフレーム[after]での動作に影響を及ぼすためである。測定ギャップの開始時点の基準を最も後行するサービングセルのサブフレーム境界に設定することにより、サブフレーム[before]に及ぼす影響が最小化される。
【0264】
図30は、本発明の一実施形態によるサブフレーム3つの構造を示す。ここでは、サブフレーム[before]とサブフレーム[after]のタイプに従ってサブフレームの3つの開始点とサブフレームセットの長さを示す。サブフレームセットは、連続する複数のサブフレームを含み、以下に説明の便宜上、サブフレームセットは、サブフレームn,n+1,n+2,n+3,n+4,n+5を含む。
【0265】
図30を参照すると、長さが6msであるサブフレームセット(以下、‘中間セット’と称する)の開始時点で測定ギャップが始まる場合、測定ギャップは、同一のサービングセルのサブフレーム[after]に影響を及ぼさない。6msより小さい長さを有するサブフレームセット(以下、‘短いセット’と称する)の開始時点で測定ギャップが始まる場合、同一のサービングセルのサブフレーム[after]の一部が測定ギャップと重なるため、UEは、サブフレーム[after]で送受信を遂行してはならない。6msより長い長さを有するサブフレームセット(以下、‘長いセット’と称する)の開始時点に測定ギャップが始まる場合、測定ギャップは、同一のサービングセルのサブフレーム[after]に影響を及ぼさない。
【0266】
サブフレーム[before]及び[after]の9個の組み合わせは、次のようにタイプ別に生じられる。
【0267】
【表7】
【0268】
サブフレーム[before]とサブフレーム[after]が両方ともSサブフレームである場合、これがUL/DL構成の観点から存在しないので考慮する必要がない。サブフレーム[before]がUサブフレームである場合、その次のサブフレームであるサブフレームnがUサブフレーム又はDサブフレームである。サブフレームnがDサブフレームである場合、サブフレーム[before]とサブフレームnとの間にTAだけのスイッチングギャップが存在する。サブフレームnがUサブフレームである場合、サブフレーム[before]とサブフレームnとの間にスイッチングギャップが存在しない。したがって、サブフレーム[before]がUサブフレームである場合、サブフレームnがDサブフレームであるか、あるいはサブフレームnがUサブフレームであるかを判定しなければならない。その結果、下記のような11つのケースがあり得る。
【0269】
【表8】
【0270】
図30に示すように、サブフレームnとしてUサブフレームを有する各サブフレームセット3005,3010,3015,3020,3025の開始時点は、基準DL受信時点よりTAだけ先行する。
【0271】
UL/DL構成が異なるサービングセルが活性化状態であり、サービングセルのサブフレームnで測定ギャップが開始される場合、大きく以下のような2つの問題点が発生する。以下、説明の便宜のために、測定ギャップ開始時点の基準を提供するサービングセルをCELLSTARTと称し、他のサービングセルはCELLOTHERと称する。
【0272】
1.CELLOTHERのサブフレームn−1が測定ギャップと重なる問題。サブフレームセット3025がセルCELLSTARTであり、サブフレームセット3030がセルCELLOTHERである場合、セルCELLOTHERのサブフレームn−1は、常にDサブフレームであり、UEは、Dサブフレームでデータを成功的に受信しない。したがって、eNBは、この状況が発生する場合、UEにサブフレームn−1でPDSCH又はEPDCCH(Enhanced PDCCH)を伝送しなくなければならないので、UEは、サブフレームn−1でPHICHは受信するが、PDSCH、EPDCCH、及びPMCH(Physical Multicast Channel)は受信しない。eNBは、PDSCH領域でUEにPDCCHを伝送でき、このPDCCHは、EPDCCHと称する。EPDCCHは、PDCCH領域に強い干渉が予想される場合に使用され、eNBは、UEにEPDCCHが搬送されるサブフレームを予め知らせる。PMCHは、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)信号を搬送する。PDSCH、PMCH、及びEPDCCHは、サブフレームの全時区間にわたって伝送され、PHICHは、サブフレームの開始部分のみで伝送される特徴がある。
【0273】
2.CELLOTHERのサブフレームn+6が測定ギャップと重なる問題。サブフレームセット3045はセルCELLSTARTであり、サブフレームセット3055がセルCELLOTHERである場合、サブフレームn+6は、常にUサブフレームである。UEがサブフレームn+6でUL送信を遂行する場合、測定ギャップに対して6msが保証されない問題が発生する。
【0274】
本発明の他の実施形態において、UEは、次のように動作する。UEは、セルCELLSTARTで短いセット内のサブフレーム[after]でUL信号を伝送しない。また、UEは、セルCELLOTHERでサブフレーム[before]でDL信号を受信せず、サブフレーム[after]でUL信号を伝送しない。すなわち、UE動作は、以下のようである。
−UEは、決定された規則に従って基準サービングセルを判定し、基準サービングセルで測定ギャップを開始する。
−CELLSTARTが以下の条件を満たす場合、UEは、サブフレーム[after]でUL送信を遂行しない。
サブフレーム[before]がDサブフレームである(3050に該当)又は
サブフレーム[before]がUサブフレームであり、サブフレームnがDサブフレームである(3055に該当)
−セルCELLOTHERのサブフレーム[before]がDサブフレームである場合、UEは、PDSCH/EPDCCH/PMCHを受信しない。
−CELLOTHERのサブフレーム[after]がUサブフレームである場合、UEは、UL信号を伝送しない。
【0275】
図31は、本発明の一実施形態による測定ギャップに関連したUEの動作を示すフローチャートである。ステップ3100,3105,3110,3115,3120,3125は、図29に示したステップ2900,2905,2910,2915,2920,2925と同一なので、その説明を省略する。
【0276】
図31を参照すると、ステップ3130で、UEは、基準セルのサブフレーム[after]で遂行する動作を決定する。UEは、基準セルのサブフレーム[before]がDサブフレームであり、基準セルのサブフレーム[after]がUサブフレームである場合、基準セルのサブフレーム[after]でUL送信を遂行しない。
【0277】
UEは、基準セルのサブフレーム[before]がUサブフレームであり、測定ギャップが始まるサブフレーム、すなわちサブフレームnがDサブフレームであり、サブフレーム[after]がUサブフレームである場合、基準セルのサブフレーム[after]でUL送信を遂行しない。
【0278】
条件を満たさない場合、UEは、サブフレーム[after]のタイプに基づいて基準セルのサブフレーム[after]で遂行する動作を決定する。
【0279】
ステップ3135で、UEは、基準セルでなく他のサービングセルのサブフレーム[after]で実行する動作を決定する。
【0280】
UEは、基準セルでなく他のサービングセルのサブフレーム[after]がUサブフレームである場合、該当サービングセルのサブフレーム[after]でUL送信を遂行しない。UEは、サービングセルのサブフレーム[after]がDサブフレーム又はSサブフレームである場合、該当アブフレーム[after]でDサブフレーム又はSサブフレーム動作を遂行する。
【0281】
ステップ3140で、UEは、基準セルでなく他のサービングセルのサブフレーム[before]で遂行する動作を決定する。基準セルでなくサービングセルのサブフレーム[before]がDサブフレームである場合、UEは、該当サービングセルのサブフレーム[before]でPHICHは受信するが、PDSCH、PMCH、EPDCCHは受信しない。サブフレーム[before]がSサブフレーム又はUサブフレームである場合、UEは、該当サービングセルのサブフレーム[before]で正常動作を遂行する。基準セルのサブフレーム[before]がDサブフレームであっても、UEは、正常動作を遂行する。
【0282】
UEは、決定した通りにサービングセルのサブフレーム[before]及び[after]で適切な動作を遂行する。
【0283】
上記した第1の問題点、すなわち基準セルでなくサービングセルのサブフレーム[before]が測定ギャップと重なる問題点は、測定ギャップが最後のサブフレーム開始時点を有するサービングセルで始まる場合に発生しない。例えば、測定ギャップがサービングセル3030,3035,3040,3045,3050,又は3055で開始される場合、測定ギャップは、基準セル以外にサービングセルのサブフレームn−1と重複されない。
【0284】
図32は、本発明の一実施形態による測定ギャップに関連したUEの動作を示すフローチャートである。ステップ3200,3205,3210,3215,3220は、図29に示したステップ2900,2905,2910,2915,2920と同一なので、その説明を省略する。
【0285】
図32を参照すると、UEは、複数のサービングセルのサブフレームnのうち測定ギャップを始めるサブフレームnを決定する。この決定は、第1及び第2の基準を適用して遂行される。第1の基準は、サブフレームnのタイプであり、第2基準はDL受信時点である。
【0286】
サービングセルx及びサービングセルyのサブフレームnのタイプが類似しない場合、サービングセルx及びサービングセルyの開始時点の先行/後行は、該当サブフレームのタイプに従って決定される。一方、サービングセルx及びサービングセルyのサブフレームnのタイプが類似した場合、サービングセルx及びサービングセルyのサブフレームの開始時点の先行/後行は、セルx及びセルyのDL受信時点によって決定される。より詳細に説明すれば、Dアブフレーム又はSサブフレームがUサブフレームと混在する場合、Uサブフレームの開始は、D又はSサブフレームの開始に先行する。Uサブフレームのみが存在するか、あるいはD又はSサブフレームのみが存在する場合、Uサブフレームb間の先行/後行とD/Sサブフレーム間の先行/後行は、DL受信時点間の差、すなわち伝搬遅延間の差によって決定される。異なるタイプを有するサブフレームの開始時点は、TAだけの差があり、TAは、伝搬遅延より一層大きい。したがって、2つのサービングセルのサブフレーム間の先行/後行は、サブフレームのタイプに従って決定される。サブフレームが類似したタイプを有する場合には、伝搬遅延間の差によって決定される。
【0287】
UEは、サービングセルのサブフレームnのタイプにより、複数のサービングセルのサブフレームnのうち測定ギャップを始めるサブフレームnを決定する。UサブフレームがDサブフレーム又はSサブフレームと混在する場合、UEは、D又はSサブフレームで測定ギャップを始めると決定する。複数のサブフレームがこの条件を満たす場合、UEは、第2の基準、すなわちDL受信時点に基づいて複数のサブフレームnのうちいずれか一つを最終的に選択する。第2の基準は、最も遅いDL信号の受信時点であり、あるいは最も早いDL信号受信時点であり得る。第2の基準が最後のDL受信時点として設定される場合、第1及び第2の基準間に一貫性が維持され、最後のサブフレーム開始時点を有するサービングセルのサブフレームnが選択される。この場合、サブフレームnのタイプが異なる場合には問題がない。しかしながら、サブフレームnのタイプが類似している場合に、測定ギャップは、基準セルでなくサービングセルのサブフレームn+6の先部と重複される。この重複部分は、伝搬遅延の差と同一である。したがって、UEは、送信又は受信ができない。一方、第2の基準を最も早いDL信号受信時点として設定する場合において、サブフレームnのタイプが類似している場合、測定ギャップは、サブフレームn−1の最後部分の伝搬遅延の差だけ測定ギャップと重なる。そのため、UEは、送信及び受信を遂行しない。受信を基準とする場合、任意のサブフレームの後部分を受信しないことが、開始部分を受信しないより有利である。したがって、第2の基準として最も早いDL受信を使用することがもう少し望ましい。
【0288】
第1の基準と第2の基準により、測定ギャップを開始するサブフレームnと基準セルを決定した後、UEは、ステップ3230で、サブフレーム[after]で遂行する動作を決定する。
【0289】
ステップ3230で、UEは、基準セルのサブフレームn、あるいは測定ギャップが始まる第1のサブフレームがDサブフレーム又はSサブフレームであるかを判定する。言い換えれば、測定ギャップと開始時点が一致するサブフレームがD又はSであるかを確認する。あるいは、基準セルのサブフレームnがUでないか否かを確認する。又は、基準セルのサブフレームn−1がD又はUであるか否かを確認する。条件を満たさない場合、すなわちサブフレームnがUである場合、測定ギャップの開始時点がサブフレームnがD/Sである場合に比べて、TAだけ先行することであり、サブフレームn+6がUとしても測定ギャップと重ならないということを意味し、UEは、ステップ3235に進行し、サブフレームタイプがUであるサブフレームn+6から正常にUL送信を遂行する。基準セルのサブフレームnがD又はSである場合、測定ギャップの開始時点がD/Sの開始時点と一致するために、サブフレームn+6がUである場合、測定ギャップと重なるので、UEは、ステップ3240に進行してサブフレームタイプがUであるサブフレームn+6でUL送信を遂行しない。
【0290】
以上、測定ギャップの開始時点がサブフレームnである場合、測定ギャップがサブフレームnの開始境界で始まる場合の実施形態を説明する。下記では、測定ギャップの開始時点がサブフレームnである場合、測定ギャップがサブフレームnの開始境界でないサブフレームn−1の終了境界で始まる場合の実施形態を説明する。
【0291】
図33は、本発明による測定ギャップの設定の一例を示す。
【0292】
図33を参照すると、サブフレームn−1(サブフレーム3305)はUサブフレームであり、サブフレームn(サブフレーム3315)はDサブフレームである。このような場合、測定ギャップは、サブフレームnの開始境界で始まるよりはサブフレームn−1の終了境界で始まることが望ましい。UサブフレームとDサブフレームとの間にはTAと同じ長さのギャップ3315が存在し、ギャップ3315は、ULからDLへのスイッチングが発生する時区間である。測定ギャップは、UEの送受信器を現在周波数で測定する周波数でスイッチングする期間を含むので、ULからサービング周波数のDLにスイッチングした後、測定する周波数のDLにスイッチングするよりは、ULで測定する周波数のDLにさらにスイッチングすることがより効率的である。図33の実施形態において、サブフレームnの開始境界から始まる測定ギャップ3320の長さがx msである場合、サブフレーnの終了境界から始まる測定ギャップ3325の長さは、TAのための区間3515だけ延びて(x+TA)msである。以上のように、測定ギャップ3325がTA区間35315を含むように設定される場合、UE立場では測定ギャップで実質的に許可される時区間が長くなる効果が得られる。
【0293】
TDD通信システムにおいて、サブフレームn+6がUサブフレームである場合、図30に示したようにサブフレームn乃至サブフレームn+5によって保証される時区間の長さは、大部分6ms未満である。したがって、サブフレームn+6がUサブフレームである場合、UL送信を遂行しないことがUEの複雑度も低下させる側面で望ましい。eNBは、サブフレームn+6でSRS又はPUCCHのようなUL送信が予定されているとしても、UL信号を無視することによって、UEが伝送を遂行しないことによって発生する問題点を防止できる。
【0294】
図34は、本発明のもう一つの実施形態によるUEの動作を示すフローチャートである。
【0295】
図34を参照すると、ステップ3400で、UEは、サービングセルのシステム情報を獲得してRRC接続設定手順の遂行に必要な各種情報を認知してサービングセルとRRC接続設定手順を開始する。RRC接続設定手順が完了すると、サービングセルは、UEのPCellである。
【0296】
ステップ3405で、UEは、PCellを通じてeNBに性能を報告するための性能情報メッセージを伝送する。CAをサポートするUEは、性能情報メッセージに自身がサポートするバンド組み合わせ情報を含め、eNBは、サポートするバンド組み合わせ情報を用いてどんな周波数帯域のどんなセルをUEのSCellに設定することか判定する。
【0297】
ステップ3410で、UEにSCellが設定される。SCell設定は、eNBがUEにSCell構成情報を含むRRC制御メッセージを伝送し、UEがSCell構成情報によってSCellの周波数帯域をサポートするための信号経路を設定することによって、あるいはSCellを通じてデータを送受信するように送受信装置を設定することによってなされる。SCell構成情報は、例えばSCellの中心周波数情報、SCellでUEが使用する無線リソース関連情報がある。
【0298】
ステップ3415で、eNBは、UEに測定ギャップを設定する。測定ギャップは、UEにgapOffsetを割り当てる測定ギャップ構成情報を伝送することで設定することができる。例えば、gapOffsetは、0〜39間の値を有する第1の1gapOffsetと0〜79との間の値を有する第2のgapOffsetに区分され、このうちいずれか一つの値が使用される。第1のgapOffsetに対応する測定ギャップ反復区間は40msに指定され、第2のgapOffsetに対応する測定ギャップ反復区間は80msに指定され得る。
【0299】
SCellの設定と測定ギャップの設定は、一つのRRC制御メッセージを通じて同時になされ、あるいは別途の制御メッセージを通じて順次になされることができる。順次に遂行される場合、両者の前後は、変わることがある。
【0300】
ステップ3420で、UEは、測定ギャップの開始時点を特定するシステムフレーム番号(SFN)とサブフレーム番号を算出する。例えば、測定ギャップが始まるラジオフレームのSFNは、<数式1>により算出される。例えば、測定ギャップが始まる時点を特定するサブフレーム番号は、<数式2>により算出される。
【0301】
ステップ3425で、UEは、測定ギャップが始まる時点を特定するSFNとサブフレーム番号を参照して測定ギャップの開始時点を決定する。例えば、<数式1>と<数式2>を通じてサブフレームnが算出される場合、UEは、現在活性化状態であるサービングセルのサブフレームn−1のうち最も遅く終了するサブフレームを特定し、最も最後のサブフレームn−1が終了する時点に測定ギャップを始めると決定する。言い換えれば、UEは、現在活性化状態であるサービングセルのサブフレームn−1のアクティビティ(activity)が完了した時点に基づいて測定ギャップを始める。サブフレームn−1でのアクティビティは、サブフレームn−1で予定されているUL信号伝送、DL信号受信、及びサブフレームn−1で実行するように指示されたUL信号伝送及びDL信号受信を含む。活性化状態であるサービングセルが一つだけである場合、すなわち設定されてアクティブされたSCellが存在しない場合、UEは、現在サービングセルのサブフレームn−1の終了時点で測定ギャップの測定動作を開始する。
【0302】
ステップ3430でサブフレーム[after]が開始する直前、UEは、現在動作モードがFDDモードであるか、あるいはTDDモードであるかを検査する。FDDモードである場合、ステップ3435に進行してTDDモードである場合、ステップ3440に進行する。
【0303】
ステップ3435で、UEは、サブフレーム[after]で予定されているUL送信を省略する。ステップ3440で、UEは、サブフレーム[after]がD又はSサブフレームであるか否かを検査する。D又はSサブフレームである場合、ステップ3445に進行してサブフレーム[after]のタイプによって適切な動作を遂行する。すなわち、Dサブフレームである場合、PHICH/PDCCH/PDSCHのDL信号を受信してSサブフレームである場合、PHICH/PDCCHのDL信号を受信した後に、UL送信に切り替える。
【0304】
サブフレーム[after]がD又はSサブフレームでない場合、すなわちULサブフレームである場合、UEは、ステップ3450に進行してサブフレーム[after]で予定されている動作を省略する。
【0305】
以上では、測定ギャップの設定に関連した多様な実施形態を説明したが、本発明の範囲が以上で説明した動作の例示に限定されるものではないことは明らかである。すなわち、先立って説明した実施形態の少なくとも一部動作は当該技術分野で自明な技術の範囲で組み合わせあるいは省略することができる。
【0306】
以下、本発明のRIを報告する実施形態について説明する。
【0307】
UEは、MIMOに設定されたサービングセルのチャンネル状況を基づいて空間多重化のための階層の受信可能な個数を表す情報をeNBに報告し、この情報をRIと称する。
【0308】
RIは、サービングセル別に設定可能であり、該当サービングセルから理論的にサポート可能な階層の最大個数に従ってRIのサイズが設定されることが望ましい。例えば、最大4個の階層まで送受信が可能である場合、RIのサイズは2ビットであることが望ましく、最大8個の階層まで送受信が可能である場合、RIのサイズは3ビットであることが望ましい。
【0309】
任意のサービングセルで送受信可能な階層の最大個数は、UEが受信できる階層の最大個数(すなわち、UEのMIMO性能を意味する)とeNBが伝送できる階層の最大個数(すなわち、eNBに設定されたアンテナポートの個数を意味する)を考慮し、より具体的に、これらのうち小さい値によって決定される。UEによりDLでサポートする階層の最大個数は、UEのUEカテゴリーにより指示される。UEカテゴリーは、UEのUL及びDL性能を定義するパラメータの組み合わせを表す番号として、例えば、以下の<表9>のような8個のカテゴリが定義される。
【0310】
【表9】
【0311】
<表9>で、‘Maximum number of supported layers for spatial multiplexing in DL’は、UEのMIMO性能に関連した情報である。
【0312】
UEカテゴリ1〜5は、LTEリリース8及び9で定義され、UEカテゴリ6,7,8は、LTEリリース10で定義される。したがって、LTEリリース8又は9のeNBは、UEから報告されるUEカテゴリ6,7,8を理解できず、UEは、eNBのLTEリリースを知らない。したがって、UEカテゴリ6〜8のUEは、eNBにUEカテゴリを報告することにおいて、6〜8のUEカテゴリのうちの一つと1〜5のUEカテゴリのうちの一つ、両方とものカテゴリを報告しなければならない。以下、説明の便宜のために、1〜5のカテゴリに関連したMIMO性能を第1のMIMO性能と称し、6〜8のカテゴリに関連したMIMO性能を第2のMIMO性能と称する。
【0313】
UEカテゴリにマッピングされたMIMO性能は、すべての周波数帯域に対して一つの値のみが報告できる。しかしながら、UEが受信できる階層の数は、周波数帯域に従って変わることができる。つまり、高い周波数帯域でUEは、UEに構成されたアンテナの個数の階層を受信することができるが、低い周波数帯域では、アンテナ間の距離が周波数波長の半分より小さくなるため、より小さい数の階層のみを受信することができる。UEは、バンド別に、あるいはバンド組み合わせ別にMIMO性能を個別的に報告することによって、偏差によって発生する問題を防止する。バンド組み合わせ別MIMO性能は、‘サポートするバンド組み合わせ’IE内のsupportedMIMO−CapabilityとのIEを通じて報告される。supportedBandCombinationは、リリース10に導入された。以下のバンド組み合わせ別に報告されるMIMO性能を第3のMIMO性能と称する。
【0314】
UEは、eNBに自身のMIMO性能を報告することにおいて、1種類、2種類、又は3種類のMIMO性能を報告できる。カテゴリ6〜8のUEは、第1のMIMO性能、第2のMIMO性能、及び第3のMIMO性能を報告し、カテゴリ1〜5のリリース10以上のUEは、第1のMIMO性能と第3のMIMO性能を報告し、カテゴリ1〜5のリリース8又はリリース9のUEは、第1のMIMO性能を報告する。
【0315】
RIの報告に使用されるビット数は、UEが報告したMIMO性能及びeNBがUEに指示したeNBの構成情報を用いて決定される。さらに、DLの伝送モード(TM)がより考慮できる。UEは、予め定義される複数の伝送モードのうちいずれか一つによってPDSCHを受信するように上位階層シグナリングを通じて構成される。伝送モードは、PDSCHに関連した制御情報(すなわち、PDCCH)のフォーマット、制御情報を検索するリソース領域(以下、‘検索領域’と称する)及びPDSCHの伝送方式を定義する。ここで、PDSCHの伝送方式は、例えば、アンテナ構成、伝送ダイバーシティ、空間多重化、多重ユーザー(MU)MIMOを含む。
【0316】
伝送モード1〜8はLTEリリース8及び9で定義され、伝送モード9〜10はLTEリリース10又はその以後リリースで定義された。したがって、伝送モード9又は10がeNBにより構成された場合、UEは、eNBがLTEリリース10以後のeNBであると判定できる。LTEリリース10以後のeNBは、バンド組み合わせ別MIMO性能を理解することができるので、RIのビット数は、バンド組み合わせ別MIMO性能を考慮して決定され得る。
【0317】
図35は、本発明の一実施形態により、RIのビット数を決定する全体動作を示す。
【0318】
図35を参照すると、UE3505は、ステップ3513で、eNB3510にMIMO性能に対する情報を報告する。MIMO性能に関する情報は、UEのカテゴリとリリースに従って第1のMIMO性能、第2のMIMO性能、及び第3のMIMO性能のうち一部又は全体を表すことができる。
【0319】
eNBは、ステップ3515で、UEのMIMO性能とeNBの性能に従ってUEにMIMOを設定するか否か、そしてUEとのMIMO動作のためにいくつのアンテナポートを設定するか否かを判定し、この判定によるMIMO構成情報を生成する。
【0320】
eNBは、ステップ3520で、MIMO構成情報、例えば数個のアンテナポートを使用するかを表す情報及びRI報告を使用するか否かを表す情報を受納した所定の制御メッセージをUEに伝送する。UEとeNBは、ステップ3525で、所定の情報と予め定められた規則を用いてRIのビット数を決定する。UEとeNBは、同一のアルゴリズムを使用するので、同一のRIのビット数を獲得するようになる。所定の情報及び規則について後述する。ステップ3530で、UEは、ビット数を適用してRIを報告し、eNBは、ビット数を適用してRIを受信して解析してUEに伝送する階層数を判定する。
【0321】
図36は、本発明の一実施形態により、RIのビット数を決定するUEの動作を示すフローチャートである。以下に、UEの動作を示したが、eNBは、同一のアルゴリズムによってRIのビット数を決定する。
【0322】
図36を参照すると、ステップ3600で、UEは、サービングセルに関するシステム情報を受信し、RRC接続設定手順の遂行に必要な情報をシステム情報から取得し、サービングセルに対してRRC接続設定手順を開始する。RRC接続設定手順が完了すると、サービングセルは、UEのPCellとなる。
【0323】
ステップ3605において、UEは、性能情報メッセージによりeNBにUEの性能を報告する。UEがCAをサポートする場合、UEは、性能情報メッセージにUEサポートするバンド組み合わせに関する情報を含み、eNBは、サポートするバンド組み合わせ情報を用いてどの周波数帯域のどんなセルをUEのSCellとして設定するかを判定する。性能情報メッセージは、次のようなMIMO情報を含む。
−UEがリリース8又はリリース9のUEである場合、第1のMIMO性能
−UEがリリース10以上であり、かつカテゴリ1〜5に属する場合、第1のMIMO性能情報及び第3のMIMO性能
−UEがリリース10以上であり、かつカテゴリ6〜8に属する場合、第1のMIMO性能、第2MIMO性能、及び第3のMIMO性能
【0324】
ステップ3610で、UEのサービングセルにMIMOが構成される。UEは、サービングセルに対してRIを報告することを指示する制御メッセージをeNBから受信する。
【0325】
ステップ3615で、UEは、所定の情報と所定の規則を適用してサービングセルに対して何ビットのRIを報告するかを決定する。このとき、以下の規則のうちいずれか一つが使用できる。
【0326】
[規則1]
【0327】
−該当サービングセルに対して構成された伝送モード(TM)を参照してUE基準性能を決定する。すなわち、UEがサービングセルに対してTM9又はTM10で構成されている場合、サービングセルに対する第3のMIMO性能がUE基準性能に決定し、そうでない場合には、例えば、UEがサービングセルに対してTM4又はTM8で構成されている場合、第1のMIMO性能がUE基準性能で決定される。
−eNBのアンテナ構成によってeNB基準性能が決定される。すなわち、eNBのアンテナ構成は、データ伝送のために使用可能なアンテナポートの最大個数を含み、システム情報又は専用RRCメッセージによってUEに通知できる。
−UE基準性能に対応するレイヤの最小個数とeNB基準性能に対応するレイヤの個数に基づいてRIのビット数が決定される。最小値が4である場合、RIは、2ビットであり、最小値が8である場合、RIは3ビットである。
【0328】
eNBによりTM4又はTM8が構成される場合、これは、eNBがリリース8又はリリース9のeNBである可能性が高いことを意味する。TM9又はTM10がeNBにより設定される場合、これは、eNBがリリース10又はより上位バージョンリリースのeNBを意味する。リリース10以後のリリースをサポートするeNBは、UEが報告する第3のMIMO性能を理解することができる。
【0329】
サービングセルに対する第3のMIMO性能は、該当時点の構成に対応するsupportedBandCombinationに対して報告されたMIMO性能を意味する。例えば、UEにバンドXで一つのサービングセルとバンドYで一つのサービングセルが設定されている場合、バンドXに設定されたサービングセルに対する第3のMIMO性能は、バンドXとバンドYに対するsupportedBandCombinationのうちバンドXに対して報告されたMIMO性能を意味する。言い換えれば、第3のMIMO性能を考慮すると、該当するサービングセルの周波数帯域に対して報告されたMIMO性能に対応する階層の個数が、UE基準性能に決定される。
【0330】
[規則2]
【0331】
−少なくとも2つのサービングセルが設定されている場合、該当サービングセルの第3のMIMO性能がUE基準性能であると決定される。
−一つのサービングセルのみが設定されており、TM9又はTM10がUEに対して構成される場合、該当サービングセルの第3のMIMO性能は、UE基準性能であると決定される。
−一つのサービングセルのみが設定され、TM4又はTM8がUEに対して構成される場合、第1のMIMO性能は、UE基準性能であると決定される。
−eNBのアンテナ構成に基づいて、eNB基準性能が決定される。
−UE基準性能とeNB基準性能のうち少ないレイヤの個数に対応するようにRIのビット数が決定される。
【0332】
[規則3]
【0333】
−該当サービングセルに対して構成された伝送モード(TM)によりUE基準性能を決定する。UEがサービングセルに対してTM4又はTM8で構成される場合、第1のMIMO性能がUE基準性能であると決定される。TM9又はTM10がサービングセルで構成され、UEがカテゴリ1〜5に属する場合、第1のMIMO性能は、UE基準性能であると決定される。TM9又はTM10が構成され、UEがカテゴリ6〜8に属する場合、第2のMIMO性能は、UE基準性能であると決定される。
−eNBのアンテナ構成に基づいてeNB基準性能が決定される。
−UE基準性能に対応するレイヤの最小個数及びeNB基準性能に対応するレイヤの個数により、RIのビット数が決定される。
【0334】
<表9>に示すように、カテゴリ6とカテゴリ7に対する第2のMIMO性能は、2つの値2,4で表される。これは、UEにCAが設定された場合とCAが設定されない場合の異なるMIMO性能を考慮したためである。カテゴリ6又は7のUEは、第2のMIMO性能がUE基準性能として使用される場合、下記の規則により、第2のMIMO性能の値を決定する。
−一つのサービングセルのみが設定されている場合、第2のMIMO性能は、2つの値のうち高い値、すなわち4である。
−2つのサービングセルが設定されている場合、第2のMIMO性能は2つの値のうち低い値、すなわち2である。
【0335】
[規則4]
【0336】
−所定の制御メッセージを通じて所定のインジケータがeNBから受信される場合、該当サービングセルの第3のMIMO性能がUE基準性能として決定される。このインジケータは、UEに第3のMIMO性能を使用するように指示するために使用できる。
−所定の制御メッセージを通じて所定のインジケータがeNBから受信されない場合、第1のMIMO性能は、UE基準性能であると決定される。
−eNBアンテナ構成に基づいて、eNB基準性能が決定される。
−UE基準性能に対応するレイヤの最小個数及びeNB基準性能に対応するレイヤの個数により、RIのビット数が決定される。
【0337】
eNBは、リリース8又はリリース9のUEにインジケータを伝送しない。第3のMIMO性能を理解できるeNBのみが所定のインジケータを伝送する。したがって、UEは、インジケータの存在有無に従ってUE基準性能として使用されるMIMO性能を決定する。
【0338】
インジケータは、制御メッセージのみを通じて伝送できる。制御メッセージは、例えばRI報告を指示する情報又はMIMO構成情報を含むRRC制御メッセージであり得る。
【0339】
ステップ3620で、UEは、決定したビット数を用いてRIを符号化し、所定の伝送リソースを用いて所定の時点でeNBに伝送する。
【0340】
UEに対してRRC接続を設定し、性能情報メッセージを受信し、RI報告をUEに指示した後に、ステップ3615で、eNBは、UEで使用されたものと同一の情報及び規則によりRIのビット数を決定する。eNBは、所定の伝送リソースと時区間でUEから決定されたビット数のRIを受信し、RIをノーマルに復号化することができる。
【0341】
図30〜36に示す動作を遂行するUE及びeNBは、各々図11及び図12に示す構成を有する。
【0342】
本発明による異なる周波数帯域を有するTDDセルを用いる通信を遂行する方法及び装置は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に対するコンピュータ読み取り可能なコードとして実施されることができる。このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取り可能なデータを格納するデータストレージデバイスとなり得る。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random−Access Memory)、光ディスク、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、非揮発性メモリを含み、搬送波(例えば、インターネットを通じる伝送)の形態で実現される媒体も含む。さらに、このコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ネットワーク接続されたコンピュータシステムにわたって分散されることによって、コンピュータ読み取り可能なコードは分散形態で格納及び遂行される。
【0343】
以上、本発明の詳細な説明においては具体的な実施形態に関して説明したが、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められる本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、形式や細部の様々な変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。
【符号の説明】
【0344】
1105 送受信部
1110 制御部
1120 多重化及び逆多重化部
1125 上位階層処理部
1130 上位階層処理部
1135 制御メッセージ処理部
1205 送受信部
1210 制御部
1215 スケジューラ
1220 多重化及び逆多重化部
1225 上位階層処理部
1230 上位階層処理部
1235 制御メッセージ処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36