特許第6396937号(P6396937)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6396937
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】圧力源装置、車高制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60G 17/015 20060101AFI20180913BHJP
   B60G 17/052 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   B60G17/015 C
   B60G17/052
【請求項の数】8
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2016-57100(P2016-57100)
(22)【出願日】2016年3月22日
(65)【公開番号】特開2017-171016(P2017-171016A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2017年8月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000969
【氏名又は名称】特許業務法人中部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】佐野 克幸
(72)【発明者】
【氏名】伊与田 郁秀
(72)【発明者】
【氏名】城 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】田中 渉悟
(72)【発明者】
【氏名】徳満 淳
(72)【発明者】
【氏名】神田 亮
(72)【発明者】
【氏名】池谷 雅生
(72)【発明者】
【氏名】大石 正明
【審査官】 上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−105016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 17/015
B60G 17/052
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサおよびそのコンプレッサを駆動する電動モータを有するコンプレッサ装置と、そのコンプレッサ装置により加圧された流体を収容するタンクとを備えた流体給排装置と、
車輪に対応して設けられ、前記流体給排装置に接続された車高制御アクチュエータと、
前記流体給排装置を制御することにより、前記車高制御アクチュエータにおける流体の供給と排出とを制御して、前記車輪についての車高を制御する車高制御部と、
前記タンクに収容された流体の圧力であるタンク圧を制御するタンク圧制御部と、
前記車高制御部と前記タンク圧制御部との少なくとも一方による制御の開始時と終了時との少なくとも一方において、前記流体給排装置を制御することにより、前記流体給排装置の少なくとも一部である低圧部に流体を供給する流体供給制御部と
を含む車高制御システムであって、
前記流体給排装置が、前記コンプレッサの吸引側部に接続された吸引通路と、前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、それら吸引通路と吐出通路との間に設けられ、それら吸引通路と吐出通路とを連通させたり、遮断したりする第1連通遮断装置とを含み、
前記吸引通路が前記低圧部を含み、
前記流体供給制御部が、前記少なくとも一方の制御の開始時と終了時との少なくとも一方において、前記第1連通遮断装置を制御することにより、前記コンプレッサ、前記吸引通路および前記吐出通路を含む閉回路を形成する閉回路形成部を含み、
前記閉回路が、前記タンクとの接続部を含む車高制御システム。
【請求項2】
コンプレッサおよびそのコンプレッサを駆動する電動モータを有するコンプレッサ装置と、そのコンプレッサ装置により加圧された流体を収容するタンクとを備えた流体給排装置と、
車輪に対応して設けられ、前記流体給排装置に接続された車高制御アクチュエータと、
前記流体給排装置を制御することにより、前記車高制御アクチュエータにおける流体の供給と排出とを制御して、前記車輪についての車高を制御する車高制御部と、
前記タンクに収容された流体の圧力であるタンク圧を制御するタンク圧制御部と、
前記車高制御部と前記タンク圧制御部との少なくとも一方による制御の開始時と終了時との少なくとも一方において、前記流体給排装置を制御することにより、前記流体給排装置の少なくとも一部である低圧部に流体を供給する流体供給制御部と
を含む車高制御システムであって、
前記流体給排装置が、前記コンプレッサの吸引側部に接続された吸引通路と、前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、それら吸引通路と吐出通路との間に設けられ、それら吸引通路と吐出通路とを連通させたり、遮断したりする第1連通遮断装置とを含み、
前記吸引通路が前記低圧部を含み、
前記流体供給制御部が、前記少なくとも一方の制御の開始時と終了時との少なくとも一方において、前記第1連通遮断装置を制御することにより、前記コンプレッサ、前記吸引通路および前記吐出通路を含む閉回路を形成する閉回路形成部を含み、
前記閉回路形成部が、前記少なくとも一方の制御の終了時に、前記コンプレッサ装置が作動状態にある場合に、前記閉回路を形成する終了時閉回路形成部を含み、
当該車高制御システムが、前記終了時閉回路形成部により前記閉回路が形成された後に、前記電動モータをOFFとするモータ停止部を含む車高制御システム。
【請求項3】
前記流体給排装置が、前記タンクと、前記吸引通路および前記吐出通路との間に設けられ、前記タンクと前記吸引通路および前記吐出通路の各々とを、それぞれ、連通させたり、遮断したりする第2連通遮断装置を含み、
前記流体供給制御部が、前記モータ停止部により前記電動モータがOFFとされた後に、前記第2連通遮断装置を制御することにより、前記タンクを前記吐出通路から遮断して前記吸引通路に連通させる第1タンク連通制御部を含む請求項2に記載の車高制御システム。
【請求項4】
前記閉回路形成部が、前記少なくとも一方の制御の開始時に、前記コンプレッサ装置の始動指令が出力された場合に、前記閉回路を形成する始動時閉回路形成部を含み、
当該車高制御システムが、前記始動時閉回路形成部により前記閉回路が形成された後に、前記始動指令に応じて前記電動モータをONとするモータ始動部を含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車高制御システム。
【請求項5】
コンプレッサおよびそのコンプレッサを駆動する電動モータを有するコンプレッサ装置と、そのコンプレッサ装置により加圧された流体を収容するタンクとを備えた流体給排装置と、
車輪に対応して設けられ、前記流体給排装置に接続された車高制御アクチュエータと、
前記流体給排装置を制御することにより、前記車高制御アクチュエータにおける流体の供給と排出とを制御して、前記車輪についての車高を制御する車高制御部と、
前記タンクに収容された流体の圧力であるタンク圧を制御するタンク圧制御部と、
前記車高制御部と前記タンク圧制御部との少なくとも一方による制御の開始時と終了時との少なくとも一方において、前記流体給排装置を制御することにより、前記流体給排装置の少なくとも一部である低圧部に流体を供給する流体供給制御部と
を含む車高制御システムであって、
前記流体供給制御部が、前記少なくとも一方の制御の終了時に、前記コンプレッサ装置が非作動状態にある場合に、前記流体給排装置を制御することにより前記低圧部に前記タンクを連通させる第2タンク連通制御部を含む車高制御システム。
【請求項6】
前記流体給排装置が、前記コンプレッサの吸引側部に接続された吸引通路と、前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、前記タンクと、前記吸引通路および前記吐出通路との間に設けられ、前記タンクと、前記吸引通路および前記吐出通路の各々とを、それぞれ連通させたり、遮断したりする第2連通遮断装置とを含み、
前記低圧部が前記吸引通路の少なくとも一部を含み、
前記第2タンク連通制御部が、前記少なくとも一方の制御の終了時に、前記第2連通遮断装置を制御することにより、前記タンクを前記吐出通路から遮断して、前記吸引通路に連通させる吸引通路連通制御部を含む請求項5に記載の車高制御システム。
【請求項7】
コンプレッサおよびそのコンプレッサを駆動する電動モータを有するコンプレッサ装置と、そのコンプレッサ装置により加圧された流体を収容するタンクとを備えた流体給排装置と、
車輪に対応して設けられ、前記流体給排装置に接続された車高制御アクチュエータと、
前記流体給排装置を制御することにより、前記車高制御アクチュエータにおける流体の供給と排出とを制御して、前記車輪についての車高を制御する車高制御部と、
前記タンクに収容された流体の圧力であるタンク圧を制御するタンク圧制御部と、
前記車高制御部と前記タンク圧制御部との少なくとも一方による制御の開始時と終了時との少なくとも一方において、前記流体給排装置を制御することにより、前記流体給排装置の少なくとも一部である低圧部に流体を供給する流体供給制御部と
を含む車高制御システムであって、
前記流体給排装置が、前記コンプレッサの吸引側部に接続された吸引通路と、前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、それら吸引通路と吐出通路との間に設けられ、それら吸引通路と吐出通路とを連通させたり、遮断したりする第1連通遮断装置とを含み、
前記吸引通路が前記低圧部を含み、
前記流体供給制御部が、前記少なくとも一方の制御の開始時と終了時との少なくとも一方において、前記第1連通遮断装置を制御することにより、前記コンプレッサ、前記吸引通路および前記吐出通路を含む閉回路を形成する閉回路形成部を含み、
前記閉回路形成部が、前記流体給排装置に電力を供給する電源の状態に基づいて、前記吸引通路、前記吐出通路および前記タンクとの接続部を含む閉回路である高圧閉回路と、前記吸引通路、前記吐出通路を含むが前記タンクとの接続部を含まない閉回路である低圧閉回路とのいずれかを選択的に形成するものである車高制御システム。
【請求項8】
圧力媒体を収容するタンクと、
コンプレッサとそのコンプレッサを駆動する電動モータとを備えたコンプレッサ装置と、
前記コンプレッサの吸引側部に接続された吸引通路および前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、
前記タンクと、前記吸引通路および前記吐出通路との間に設けられ、前記タンクと、前記吸引通路および前記吐出通路の各々とを、それぞれ、連通させたり、遮断したりする第2連通遮断装置と、
前記タンクに収容された圧力媒体の圧力であるタンク圧を予め定められた設定範囲内に制御するタンク圧制御部と、
そのタンク圧制御部による制御の終了後の、前記電動モータがOFFである状態において、前記第2連通遮断装置を制御することにより、前記タンクを前記吐出通路から遮断して前記吸引通路に連通させるタンク連通制御部と
を含むことを特徴とする圧力源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力源装置、その圧力源装置を備えた車高制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タンクを備えたエア給排装置、そのエア給排装置を備えた車高制御システムが記載されている。このエア給排装置においては、タンクに収容されたエアの圧力が設定範囲の下限値より低くなるとコンプレッサ装置が始動させられ、上限値に達すると停止させられる。また、車高制御システムにおいて、コンプレッサ装置の作動により、車輪毎に設けられた車高制御アクチュエータにタンクからエアが供給されることにより車高が高くされ、車高制御アクチュエータのエアが大気に排出させられることにより車高が低くされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−70615号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、タンクとコンプレッサ装置とを含む圧力源装置において、コンプレッサの始動時と停止時との少なくとも一方に発する音や振動を抑制することと、圧力源装置の圧力媒体を用いた制御の遅れを抑制することとの少なくとも一方である。
【課題を解決するための手段および効果】
【0005】
本発明に係る圧力源装置においては、タンク圧制御と圧力媒体を用いた制御との少なくとも一方の開始時と終了時との少なくとも一方において、低圧部に圧力媒体が供給される。
低圧部は、例えば、圧力媒体の圧力が設定圧以下であると推定される部分としたり、相対的に圧力媒体の圧力が低いと推定される部分としたりすること等ができる。
低圧部に圧力媒体が供給されることにより、低圧部をなくしたり、低圧部の圧力媒体の圧力を高くしたりすることができる。その結果、コンプレッサの吸入側部と吐出側部との圧力差を小さくすることができ、コンプレッサの始動時や停止時に、当該圧力源装置において発生させられる音や振動を抑制することができる。また、圧力源装置の圧力媒体を用いた制御の、低圧部に起因する遅れを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施例1に係る車高制御システムを示す回路図である。
図2】上記車高制御システムの車高制御ECUの周辺を示す概念図である。
図3】(a)上記車高制御システムにおいてアップ制御が行われる状態を示す図である。(b)ダウン制御が行われる状態を示す図である。
図4】(a)上記車高制御システムのタンクについて吸気制御が行われる状態を示す図である。(b)排気制御が行われる状態を示す図である。
図5】上記車高制御システムにおいて開始時制御のうちの(a)圧力差低減制御が行われる状態を示す図である。(b)安定待ち制御が行われる状態を示す図である。(c)準備制御が行われる状態を示す図である。
図6】上記車高制御システムにおいて終了時制御のうちの(d)循環制御が行われる状態を示す図である。(e)停止待ち制御が行われる状態を示す図である。(f)タンク連通制御が行われる状態を示す図である。
図7】車高制御において開始時、終了時制御が行われる場合のタイムチャートである。
図8】吸気制御において開始時、終了時制御が行われる場合のタイムチャートである。
図9】上記車高制御システムの車高制御ECUの記憶部に記憶された車高制御プログラムを表すフローチャートである。
図10】上記記憶部に記憶された排気制御プログラムを表すフローチャートである。
図11】上記記憶部に記憶された吸気制御プログラムを表すフローチャートである。
図12】上記記憶部に記憶された開始時、終了時制御プログラムを表すフローチャートである。
図13】上記開始時、終了時制御プログラムの一部を表すフローチャートである(S58)。
図14】(a)上記開始時、終了時制御プログラムの別の一部を表すフローチャートである(S66)。(b)上記開始時、終了時制御プログラムのさらに別の一部を表すフローチャートである(S63)。
図15】(a)車高制御、吸気制御の終了時の低圧部を示す図である。(b)排気制御の終了時の低圧部を示す図である。
図16】上記車高制御システムにおいて、吸気制御が行われた場合のタンク圧の変化を示す図である。
図17】実施例2に係る車高制御システムにおいて開始時制御のうちの(a)圧力差低減制御が行われる状態を示す図である。(b)安定待ち制御が行われる状態を示す図である。(c)準備制御が行われる状態を示す図である。
図18】上記車高制御システムにおいて終了時制御のうちの(d)循環制御が行われる状態を示す図である。(e)停止待ち制御が行われる状態を示す図である。(f)タンク連通制御が行われる状態を示す図である。
図19】車高制御において開始時、終了時制御が行われる場合のタイムチャートである。
図20】吸気制御において開始時、終了時制御が行われる場合のタイムチャートである。
図21】上記開始時、終了時制御プログラムの一部を表すフローチャートである(S58)。
図22】(a)上記開始時、終了時制御プログラムの別の一部を表すフローチャートである(S66)。(b)上記開始時、終了時制御プログラムのさらに別の一部を表すフローチャートである(S63)。
図23】実施例3に係る車高制御システムの車高制御ECUの記憶部に記憶された開始時、終了時制御プログラムを表すフローチャートである。
図24】実施例4に係る車高制御システムにおいて、開始時制御、終了時制御において形成される閉回路を示す図である。
【発明の実施の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態である車高制御システムについて図面に基づいて詳細に説明する。本車高制御システムには、本発明の一実施形態である圧力源装置が含まれる。本発明の一実施形態においては、圧力媒体、流体としてエアが用いられる。
【実施例1】
【0008】
実施例1に係る車高制御システムにおいては、図1に示すように、車両に設けられた左右前後の車輪の各々に対応して、図示しない車輪側部材と車体側部材との間に、車高制御アクチュエータとしてのエアシリンダ2FL,FR,RL,RRと、ショックアブソーバ4FL,FR,RL,RRとが、互いに並列に設けられる。
ショックアブソーバ4FL,FR,RL,RRは、それぞれ、車輪側部材に設けられたシリンダ本体と、車体側部材に設けられたピストンとを含む。
以下、本明細書において、エアシリンダ2等について、車輪の位置で区別する必要がある場合には、車輪の位置を表す符号FL,FR,RL,RRを付して区別するが、車輪の位置で区別する必要がない場合、総称を表す場合等には車輪の位置を表す符号FL,FR,RL,RR等を省略して記載する。
エアシリンダ2は、それぞれ、車体側部材に設けられたシリンダ本体としてのチャンバ本体10と、チャンバ本体10に固定されたダイヤフラム12と、ダイヤフラム12およびショックアブソーバ4のシリンダ本体に上下方向に一体的に移動可能に設けられたエアピストン14とを含み、これらの内部が圧力媒体室としてのエア室(チャンバ)19とされる。
チャンバ19におけるエアの給排によりエアピストン14がチャンバ本体10に対して上下方向に相対移動させられ、それにより、ショックアブソーバ4においてシリンダ本体とピストンとが上下方向に相対移動させられるのであり、車輪側部材と車体側部材との間の距離である車高が変化させられる。
【0009】
エアシリンダ2のチャンバ19には、それぞれ、個別通路20および共通通路22を介して流体給排装置としてのエア給排装置24が接続される。個別通路20には、それぞれ、車高制御弁26が設けられる。車高制御弁26は常閉の電磁弁であり、開状態において、双方向のエアの流れを許容し、閉状態において、チャンバ19から共通通路22へのエアの流れを阻止するが、共通通路22の圧力がチャンバ19の圧力より設定圧以上高くなると共通通路22からチャンバ19へのエアの流れを許容する。
【0010】
エア給排装置24は、コンプレッサ装置30、排出弁としての排気弁32、タンク34、切換え装置36、供給弁としての吸気弁44、リリーフ弁46等を含む。
コンプレッサ装置30は、コンプレッサ40と、コンプレッサ40を駆動する電動モータ42とを含み、電動モータ42の駆動によりコンプレッサ(本実施例においては、プランジャポンプ)40が作動させられる。コンプレッサ40の吐出圧が高くなると、リリーフ弁46を経てエアが大気へ放出される。また、コンプレッサ40の吸引側、吐出側には、それぞれ、逆止弁である吸入弁40in,吐出弁40outが設けられ、吐出側から吸引側へのエアの流れが防止される。
タンク34は、エアを加圧した状態で収容するものであり、収容されるエアの量が多くなると、その収容されたエアの圧力であるタンク圧が高くなる。
【0011】
切換え装置36は、共通通路22、タンク34、コンプレッサ装置30の間に設けられ、これらの間のエアの流れる方向等を切り換えるものであり、第1通路50、第2通路52、電磁弁である回路弁61〜64等を含む。図1に示すように、共通通路22とタンク34に接続されたタンク通路48とが、互いに並列に設けられた第1通路50と第2通路52とによって接続され、第1通路50に、直列に2つの回路弁61,62が設けられ、第2通路52に、直列に2つの回路弁63,64が設けられる。タンク通路48は接続部48sにおいて第1通路50および第2通路52に接続され、共通通路22は接続部22sにおいて第1通路50および第2通路52に接続される。また、コンプレッサ40の吸気側のポートを含む吸気側部40aに接続された第3通路65が、第1通路50の2つの回路弁61,62の間の部分である接続部50sに接続され、コンプレッサ40の吐出側のポートを含む吐出側部40bに接続された第4通路66が、第2通路52の2つの回路弁63,64の間の部分である接続部52sに接続される。
なお、第3通路65が吸引通路に対応し、第4通路66が吐出通路に対応する。また、第1通路50の接続部50sと接続部48sとの間の部分と、第2通路52の接続部52sと接続部48sとの間の部分とによって高圧連結通路68tが構成され、第1通路50の接続部50sと接続部22sとの間の部分と、第2通路52の接続部52sと接続部22sとの間の部分とによって低圧連結通路68bが構成される。高圧連結通路68tに回路弁61,63が位置し、低圧連結通路68bに回路弁62,64が位置するため、回路弁61,63を高圧側電磁弁、回路弁62,64を低圧側電磁弁と称することができる。
回路弁61〜64は常閉弁であり、開状態において双方向のエアの流れを許容し、閉状態において、一方の側から他方の側へのエアの流れを阻止するが、他方の側の圧力が一方の側の圧力より設定圧以上高くなると、他方の側から一方の側へのエアの流れを許容するものである。
回路弁61,63は、閉状態においてタンク34からのエアの流出を阻止するものであり、回路弁62は、閉状態において、共通通路22からのエアの流出を阻止するものであり、回路弁64は、閉状態において共通通路22へのエアの供給を阻止するものである。
【0012】
第3通路65の接続部65sと当該車高制御システムの外部である大気との間には吸気弁44が設けられる。吸気弁44は、差圧によって開閉させられるメカ的な逆止弁であり、接続部65sのエアの圧力が大気圧以上の場合に閉、大気圧より低い場合に開となる。コンプレッサ40の作動により接続部65sのエアの圧力が大気圧より低くなると、フィルタ43、吸気弁44を経て大気からエアが吸い込まれる。
第4通路66の接続部66sには排気弁32が接続される。排気弁32は常閉の電磁弁であり、開状態において、第4通路66から大気へのエアの排出が許容され、閉状態において、第4通路66から大気へのエアの排出が阻止されるが、第4通路66のエアの圧力が大気圧より設定圧以上低くなると大気から第4通路66へのエアの供給が許容される。
また、第4通路66の接続部66sより第2通路側の部分には、ドライヤ70と流れ抑制機構72とが直列に設けられる。流れ抑制機構72は、互いに並列に設けられた、差圧弁72vと絞り72sとを含む。差圧弁72vは、第2通路側からコンプレッサ側へのエアの流れを阻止し、コンプレッサ側の圧力が第2通路側の圧力より設定圧以上高くなると、コンプレッサ40から第2通路52へのエアの流れを許容する。
【0013】
本実施例において、車高制御システムは、コンピュータを主体とする車高制御ECU80によって制御される。車高制御ECU80はCAN(Controller Area Network)82を介してECU等との間で通信可能とされている。車高制御ECU80は、図2に示すように、実行部80c、記憶部80m、入出力部80i、タイマ80t等を含み、入出力部80iには、車高切換えスイッチ88、タンク圧センサ90、シリンダ圧センサ91、車高センサ93、乗降関連動作検出装置95等が接続されるとともに、通信装置96、イグニッションスイッチ98等がCAN82を介して接続される。また、電動モータ42が駆動回路100を介して接続されるとともに、排気弁32、車高制御弁26、回路弁61〜64が接続される。
【0014】
車高切換えスイッチ88は、運転者によって操作されるものであり、車高をL(Low),N(Normal),H(High)のうちのいずれかへの変更を指示する場合に操作される。タンク圧センサ90は、タンク圧を検出するものであり、シリンダ圧センサ91は、共通通路22に設けられ、車高制御弁26の開において、その開にある車高制御弁26(車輪)に対応するエアシリンダ2のチャンバ19の圧力を検出する。また、すべての車高制御弁26の閉状態においては共通通路22のエアの圧力を検出する。車高センサ93は、前後左右の各車輪に対応してそれぞれ設けられ、車輪側部材と車体側部材との間の標準距離(標準車高に対応)からの隔たりを検出して、車体側部材の車輪側部材からの距離である車高、すなわち、車輪についての車高を検出する。乗降関連動作検出装置95は、乗降に関連する動作の有無を検出するものであり、車両に設けられた複数のドアの各々に対応して設けられ、そのドアの開閉を検出するドア開閉センサ(カーテシランプセンサ)102、複数のドアの各々のロック、アンロックを検出するドアロックセンサ103等を含むものとすることができる。ドアの開閉、ドアロック、アンロックの動作の有無等に基づいて乗車、降車、発進の意図等が推定される。通信装置96は、予め定められた通信可能領域内において、運転者等が所持する携帯機104との間で通信を行うものであり、通信により、ドアのロック、アンロックが行われる場合もある。
【0015】
また、本車高制御システムは、電源としてのバッテリ110を含み、バッテリ110からの電力供給により作動可能とされている。バッテリ110の電圧である電源電圧は電圧モニタ112によって検出されるが、電圧モニタ112は、車高制御ECU80の入出力部80iに接続されている。
【0016】
<車高制御>
本実施例に係る車高制御システムにおいて、車両の走行状態に基づいて前後左右の各輪の各々について目標車高が求められ、実際の車高である実車高が、それぞれ、目標車高に近づくようにエア給排装置24、車高制御弁26が制御される。また、車高切換えスイッチ88が操作された場合、人が乗降すると推定された場合、降車後設定時間が経過した場合等の予め定められた条件が成立した場合にも車高制御が行われる。
そして、例えば、走行状態、車高切換えスイッチ88の状態、乗降状態等に基づいて決まる目標車高と実車高との差である偏差の絶対値が設定値以上の場合に車高制御要求がある、すなわち、開始条件が成立したとされて、開始指令が出力される。そして、実車高(または実際の車高変化量である実車高変化量)が目標車高(または目標車高変化量)に近づいた場合、例えば、実車高(または実車高変化量)が目標車高(または目標車高変化量)と不感帯幅とで決まる設定範囲内に入った場合等に終了条件に成立したとされて、終了指令が出力される。なお、本実施例において、開始指令が出力されてから終了指令が出力されるまでを車高制御とする。吸気制御、排気制御についても同様とする。
【0017】
例えば、車高を高くする(以下、アップ制御と称する場合がある)場合には、図3(a)に示す状態とされる。回路弁62,63が閉、回路弁61,64が開とされるとともに、制御対象輪に対応する車高制御弁26(図3においては、4輪すべてが制御対象輪である場合を示す)が開とされ、電動モータ42の駆動によりコンプレッサ40が作動させられる。第3通路65にタンク34が連通させられ、第4通路66にエアシリンダ2が連通させられ、タンク34に蓄えられたエアは、コンプレッサ40により加圧されて制御対象輪のエアシリンダ2のチャンバ19に供給される。それにより、制御対象輪についての車高が高くなる。アップ制御が終了すると、図1に示す状態に戻される。
車高を低くする(以下、ダウン制御と称する場合がある)場合には、図3(b)に示す状態とされる。電動モータ42の駆動によりコンプレッサ40が作動させられ、回路弁61,64が閉、回路弁62,63が開とされるとともに、制御対象輪に対応する車高制御弁26が開とされる。第3通路65にエアシリンダ2が連通させられ、第4通路66にタンク34が連通させられる。コンプレッサ40の作動により、制御対象輪のエアシリンダ2のチャンバ19から、エアが排出させられてタンク34に供給される。それにより、車高が低くなる。ダウン制御が終了すると、図1に示す状態に戻される。
【0018】
図9のフローチャートで表される車高制御プログラムは予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、車高センサ93によって前後左右の各々の車輪についての実車高H*が検出される。また、S2において、目標車高Hrefが取得され、S3,4において、アップ制御中であるか否か、ダウン制御中であるか否かが判定される。いずれでもない場合には、S5,6において、目標車高Hrefから実車高H*を引いた値である偏差e1がしきい値ethより大きいか否か、すなわち、アップ制御についての開始条件が成立するか否かが判定され、S7,8において、実車高H*から目標車高Hrefを引いた値である偏差e2がしきい値ethより大きいか否か、すなわち、ダウン制御についての開始条件が成立するか否かが判定される。アップ制御についてもダウン制御についても開始条件が成立しない場合には、S1〜8が繰り返し実行される。
そのうちに、例えば、アップ制御についての開始条件が成立した場合には、S6の判定がYESとなり、S9において、開始指令(回路弁62,63を閉、回路弁61,64を開、コンプレッサ装置30を始動、制御対象輪に対応する車高制御弁26を開)が出力される。アップ制御中においては、S3の判定がYESとなり、S10において、終了条件が成立するか否かが判定される。実車高H*が目標車高Hrefに近づいたか否か、すなわち、実車高H*が目標車高Hrefと不感帯幅ΔHとで決まる範囲内に達したか否かが判定されるのであり、実車高H*が目標車高Hrefと不感帯幅ΔHとで決まる範囲内に入った場合には、終了条件が成立したと判定されて、S10の判定がYESとなり、S11において、終了指令(回路弁61,64を閉、コンプレッサ装置30を停止、車高制御弁26を閉)が出力される。
それに対して、ダウン制御についての開始条件が成立した場合には、S8の判定がYESとなり、S12において、開始指令(回路弁61,64を閉、回路弁62,63を開、コンプレッサ装置30を始動、制御対象輪に対応する車高制御弁26を開)が出力される。エアシリンダ2からエアが排出されてタンク34に加圧して供給される。ダウン制御中においては、S13において、実車高H*が目標車高Hrefに近づいたか否か、すなわち、実車高H*が目標車高Hrefと不感帯幅ΔHとで決まる範囲内に達したか否かが判定され、判定がYESとなると、終了条件が成立したとされて、S14において、終了指令(回路弁62,63を閉、コンプレッサ装置30を停止、車高制御弁26を閉)が出力される。
【0019】
<タンク圧制御>
タンク圧制御には、吸気制御と排気制御とが含まれる。
吸気制御は、タンク圧が不足した場合に、大気からエアを吸入してタンク34に供給する供給制御である。タンク圧センサ90によって検出されたタンク圧PTが吸気開始しきい値PTiより低くなってから、タンク圧PTの増加量であるタンク圧増加量ΔPTが目標増加量ΔPTref(例えば、ΔPTs×nとすることができる)以上になるまでの間に、複数回(例えば、n回とすることができる)行われる。コンプレッサ装置30、換言すれば、電動モータ42の規格等により連続作動時間に制限があり、タンク圧PTが吸気開始しきい値PTiより低くなってから、タンク圧増加量ΔPTが目標増加量ΔPTrefに達するまで、連続して電動モータ42を作動させることは望ましくない場合がある。そのため、タンク圧PTが吸気開始しきい値PTiより低くなった時からタンク圧増加量ΔPTが目標増加量ΔPTrefに達するまでの間に、少なくとも1回電動モータ42がOFF(電動モータ42に電力が供給されなくなる状態をいう。以下、同様とする)とされて、コンプレッサ装置30が停止させられる。
吸気制御において、図4(a)に示す状態とされる。回路弁61,62,64が閉、回路弁63が開とされ、電動モータ42の駆動によりコンプレッサ40が作動させられる。第3通路65がエアシリンダ2からもタンク34からも遮断される(タンク34、エアシリンダ2から第3通路65へのエアの供給が阻止される)ため、コンプレッサ装置30の作動により第3通路65のエアが吸引されて、エアの圧力が低くなる。第3通路65のエアの圧力が大気圧より低くなると、吸気弁44が開となる。エアが大気(車高制御システムの外部)から吸気弁44を介して吸引されてタンク34に収容され、タンク圧が高くなる。
【0020】
吸気制御プログラムの一例を図11のフローチャートに基づいて説明する。
S31において、タンク圧PTが検出され、S32において、吸気制御中であるかどうかが判定される。吸気制御中でない場合には、S33において、タンク圧PTが吸気開始しきい値PTiより低いか否かが判定され、S34において、待機フラグがONであるか否かが判定される。いずれの判定もNOである場合には、S31〜34が繰り返し実行される。そして、タンク圧PTが吸気開始しきい値PTiより低くなった場合には吸気制御についての開始条件が成立したとされる。S33の判定がYESとなり、S35において、その時点のタンク圧PTが基準タンク圧PTBとして記憶され、S36において、開始指令(回路弁61,62,64を閉、回路弁63を開、コンプレッサ装置30を始動)が出力される。
次に、S32の判定がYESとなるため、S37においてタンク圧増加量ΔPTが、S31において検出されたタンク圧PTから基準タンク圧PTBを引くことによって取得される。そして、S38において、タンク圧増加量ΔPTが設定増加量としての個別増加量ΔPTsに達したか否かが判定される。個別増加量ΔPTsは、例えば、1回のコンプレッサ装置30の連続作動によりタンク34に供給されるエアの量等に基づいて設定された値とすることができる。タンク圧増加量ΔPTが個別増加量ΔPTsに達する前は、S38の判定がNOとなり、以下、S31,32,37,38が繰り返し実行される。そのうちに、タンク圧増加量ΔPTが個別増加量ΔPTsに達すると、1回の吸気制御の終了条件が成立したとされる。S38の判定がYESとなり、S39において、吸気制御毎のタンク圧増加量ΔPTの和ΣΔPTが求められて、記憶される。S40において、記憶されたタンク圧増加量ΔPTの和ΣΔPTが目標増加量ΔPTrefに達したか否かが判定される。目標増加量ΔPTrefに達する前には、S41において待機フラグがONとされ、S42において、終了指令(回路弁63を閉、コンプレッサ装置30を停止)が出力される。
【0021】
終了指令が出力されたため、S32の判定はNOとなるが、タンク圧PTは吸気開始しきい値PTiより大きく、待機フラグはONであるため、S33の判定がNO、S34の判定はYESとなる。S43において、電動モータ42がOFFにされてからの経過時間が待機時間に達したか否かが判定される。待機時間は、例えば、電動モータ42が冷却されて、再始動可能な状態となるのに要する時間に基づいて決まる時間とすることができる。そして、電動モータ42がOFFにされてからの経過時間が待機時間に達すると吸気制御についての開始条件が成立したとされて、S44において、待機フラグがOFFとされて、S35においてその時点のタンク圧が基準タンク圧PTBとして記憶されて、S36において開始指令が出力される。なお、後述するように、終了条件が成立すると直ちに電動モータ42がOFFにされるとは限らない。そのため、終了条件が成立したが電動モータ42がON(電動モータ42に電力が供給される状態をいう。以下、同様とする)の場合には、S43の判定はNOとなる。
そして、次に、S37,38において、タンク圧増加量ΔPTが個別増加量ΔPTsに達したか否かが判定されるのであり、タンク圧増加量ΔPTが個別増加量ΔPTsに達すると終了条件が成立したとされて、S42において終了指令が出力される。その後、電動モータ42がOFFとされ、待機時間が経過すると、ONとされるのであり、以下、電動モータ42のON,OFFが、タンク圧増加量ΔPTが目標増加量ΔPTrefに達するまで、繰り返し行われる。
【0022】
排気制御は、タンク圧が高すぎる場合に、タンクからエアを排出させる排出制御である。
タンク圧PTが排出開始しきい値としての排気開始しきい値PTd1より高くなった場合に、排気制御についての開始条件が成立したとされて開始指令(回路弁61,62,64を閉、回路弁63を開、排出弁としての排気弁32を開)が出力され、図4(b)に示す状態とされる。タンク34は第3通路65から遮断されて第4通路66に連通させられ、タンク34のエアはフィルタ70、排気弁32を経て大気へ排出させられる。タンク圧PTが排気終了しきい値PTd2より低くなった場合に終了条件が成立したとされて、終了指令(回路弁63、排気弁32を閉)が出力され、図1の状態とされる。
排気制御は、図10のフローチャートで表される排気制御プログラムにより実行される。
S21において、タンク圧センサ90によりタンク圧PTが検出され、S22において、排気制御中であるか否かが判定される。排気制御中でない場合には、S23において、タンク圧PTが排気開始しきい値PTd1より高いか否かが判定される。排気開始しきい値PTd1より高くなった場合には開始条件が成立したとされて、S24において、開始指令が出力される。そして、排気制御中においては、S25において、タンク圧PTが排気終了しきい値PTd2より低くなったか否かが判定され、排気終了しきい値PTd2より低くなると、終了条件が成立したとされて、S26において、終了指令が出力される。
【0023】
<エア供給制御>
エア供給制御は、エア給排装置24における低圧部にエアを供給する制御である。エア供給制御には、圧力差低減制御、タンク連通制御等が含まれる。
圧力差低減制御は、コンプレッサ40の吸引側部40aに接続された第3通路65と吐出側部40bに接続された第4通路66とのエアの圧力差を小さくする制御である。圧力差低減制御においては、回路弁61〜64の開閉制御により、コンプレッサ40、第3通路65、第4通路66を含む閉回路が形成される。コンプレッサ40の吸引側部40aと吐出側部40bとのエアの圧力の差が大きい状態で、コンプレッサ40を始動させたり、停止させたりすると、音や振動が大きくなる。一方、第3通路65と第4通路66とのエアの圧力差が小さくなると、吸引側部40aと吐出側部40bとのエアの圧力差も小さくなることが知られている。そこで、本実施例において、コンプレッサ40、第3通路65、第4通路66を含む閉回路が形成されて、第3通路65と第4通路66とのエアの圧力差が小さくされ、吸引側部40aと吐出側部40bとのエアの圧力差が小さくされた後に、電動モータ42がON、OFFされるようにした。
【0024】
圧力差低減制御は、車高制御や吸気制御(コンプレッサ装置30が作動させられる車高制御やタンク圧制御)の開始時、終了時に行われる。開始時に圧力差低減制御が行われる場合には、閉回路が形成された場合にコンプレッサ装置30は非作動状態にあるが、終了時に行われる場合には、閉回路が形成された時点においてコンプレッサ40は作動状態にある。後者のように、コンプレッサ40の作動状態において閉回路が形成された場合には、閉回路にコンプレッサ40によりエアが循環させられる。このことから、終了時に行われる圧力差低減制御は循環制御と称することができる。
【0025】
車高制御や吸気制御の終了時、すなわち、コンプレッサ装置30の停止指令を含む終了指令が出力された場合には、図15(a)に示すように、破線で表す第3通路65のエアの圧力は第4通路66のエアの圧力より低くなり、コンプレッサ40の吸引側部40aは吐出側部40bよりエアの圧力が低くなるのが普通である。
車高制御や吸気制御の開始時には、エア給排装置24内の圧力差が小さく、圧力差低減制御の必要性が低い場合もある。しかし、(a)前回行われた車高制御やタンク圧制御の終了時にエア供給制御等が行われず、圧力差が大きい状態が維持された場合、(b)前回行われた車高制御やタンク圧制御の終了時にエア供給制御等が行われ、圧力差は小さくされたが、その後の温度変化等に起因して、大きな圧力差が生じる場合がある。例えば、(b-1)エア給排装置24の全体の温度が変化した場合において、エア給排装置24を構成する複数の構成要素(フィルタ70、回路弁60〜64、コンプレッサ40、タンク34、通路48,50,52,65,66等)の各々の熱的特性の相違等によりエアの温度にバラツキが生じ、圧力差が生じる場合、(b-2)車高制御システムにおいて温度バラツキが生じ、それに起因してエア給排装置24においてエアの温度バラツキが生じ、圧力差が生じる場合等がある。
また、エア給排装置24において第3通路65と第4通路66とは、コンプレッサ40、吸入弁40in、吐出弁40outを介して接続されている。そのため、第3通路65におけるエアの圧力が第4通路66におけるエアの圧力より高い場合は、第3通路65から第4通路66へエアが供給されるが、第4通路66の方がエアの圧力が高くても第4通路66から第3通路65にエアが供給されることはない。そのため、上記(a)、(b)に記載のように、エア給排装置24において圧力差が生じると、第3通路65の方が第4通路66よりエアの圧力が低くなり易い。
以上のことから、車高制御やタンク圧制御の開始時に、第3通路65のエアの圧力が第4通路66のエアの圧力より低い場合があるのであり、圧力差低減制御において、第3通路65と吸引側部40aとの少なくとも一方が低圧部に対応すると考えることができる。
【0026】
タンク連通制御は、車高制御とタンク圧制御との少なくとも一方の終了時に行われる制御であり、コンプレッサ装置30の非作動状態において低圧部にタンク34を連通させる制御である。この意味において、タンク連通制御を静的タンク連通制御、非作動時タンク連通制御と称することができる。タンク連通制御において、低圧部にタンク34からエアが供給されることにより、低圧部のエアの圧力を高くしたり、低圧部をなくしたりすることができる。その結果、例えば、次にアップ制御が行われる場合等に、低圧部に起因する制御遅れを抑制することができる。
本実施例において、タンク34は第3通路65に連通させられるが、第3通路65と第4通路66とは吸入弁40in、吐出弁40outを介して接続されるため、第3通路65に供給されたタンク圧は第4通路66にも供給される。
また、第3通路65にタンク34が連通させられた時点において、第3通路65のエアの圧力がタンク圧とほぼ同じ高さである場合にはタンク34から第3通路65にエアが供給されることはない。しかし、第3通路65にはエアの圧力を検出する圧力センサが設けられていないため、第3通路65のエアの圧力は不明である。それに対して、第3通路65にタンク34が連通させられれば、タンク34から第3通路65に実際にエアが供給されたか否かに関係なく、第3通路65のエアの圧力がほぼタンク圧と同じであると推定することが可能となる。
以上のように、本実施例において、第3通路65、または、第3通路65および第4通路66等がタンク連通制御部における低圧部に対応する。
【0027】
通常、車高制御、タンク圧制御の開始時、終了時には、開始指令、終了指令に応じて回路弁61〜64の開閉やコンプレッサ装置30の始動・停止等を含む開始時制御(開始処理と称することもできる)、終了時制御(終了処理と称することもできる)が行われる。そこで、本実施例において、エア供給制御は、これら開始時制御、終了時制御において行われるようにした。
図12のフローチャートで表される開始時、終了時制御プログラムは、予め定められた設定時間毎に実行される。
S51において、開始時、終了時制御中であるか否かが判定され、S52において、タンク圧制御と車高制御との少なくとも一方が行われているか否かが判定される。後述するように、CSフラグ,CEフラグ,PフラグのいずれかがONである場合には、開始時制御、終了時制御のいずれかの実行中であるとされる。S51,52の両方の判定がNOである場合には、S53において、開始指令が出力されたか否かが判定される。開始指令が出力されない間、S51〜53が繰り返し実行される。そのうちに、開始指令が出力された場合には、S54において、開始指令にコンプレッサ装置30を始動させる指令(コンプレッサ装置30の始動指令、換言すれば、電動モータ42をONとするON指令)が含まれるか否かが判定され、コンプレッサ装置30の始動指令が含まれない場合には、S55において開始時制御が行われる。換言すれば、車高制御、タンク圧制御においてコンプレッサ装置30が作動させられない場合(本実施例においては排気制御が該当する)には、開始時に圧力差低減制御を行う必要がない。そのため、開始指令に応じた開始時制御(回路弁63を開、排気弁32を開)が行われるのである。それに対して、開始指令にコンプレッサ装置30の始動指令が含まれる場合には、S56において、開始時制御中であることを表すCSフラグがONとされる。次に、CSフラグがONであるため、開始時制御中であると判定されて、S51,S57の判定がYESとなり、S58において、後述する開始時制御が行われる。
【0028】
それに対して、タンク圧制御と車高制御との少なくとも一方が行われている場合には、S52の判定がYESとなり、S59において、終了指令が出力されたか否かが判定される。タンク圧制御、車高制御の少なくとも一方の制御が行われているが、終了指令が出力されない場合には、S51,52,59が繰り返し実行される。そして、少なくとも一方の制御において終了指令が出力された場合には、S60において、コンプレッサ装置30が作動状態にあるか否かが判定される。排気制御において終了指令が出力された場合には、コンプレッサ装置30は非作動状態にあるため、判定はNOとなり、S61において、終了時制御におけるタンク連通制御中であることを表すPフラグがONとされる。そして、PフラグがONであるため、以下、S51の判定がYES、S57の判定がNO,S62の判定がYESとなり、S63において後述するタンク連通制御が行われる。
終了指令が出力された場合にコンプレッサ装置30が作動状態にある場合には、S60の判定がYESとなり、S64において、終了時制御における循環制御等の実行中であることを表すCEフラグがONとされる。そして、以下、S51の判定がYES,S57,62の判定がNO,S65の判定がYESとなり、S66において後述するように循環制御等が行われる。
【0029】
{車高制御}
車高制御についての開始時制御について、図5,7に基づいて説明する。
車高制御についての開始指令(コンプレッサ装置30の始動指令を含む)が出力された場合には、圧力差低減制御が行われる。図5(a)に示すように、回路弁61,63が開、回路弁62,64が閉とされることにより閉回路120が形成され、第1設定時間T1維持される{図7の(A)}。第1設定時間T1は、第3通路65と第4通路66との間のエアの圧力差を小さくし得、コンプレッサ40が始動させられた場合に、音や振動を抑制し得る時間とすることができるのであり、圧力差低減時間と称することができる。また、閉回路120は、高圧連結通路68t(タンク通路48の接続部48sを有する)を含むため高圧閉回路120と称することができる。このように、閉回路120がタンク接続部48sを含むため、タンク接続部48sを含まない場合に比較して、第3通路65と第4通路66との圧力差を短い時間で小さくすることができるのであり、第1設定時間T1を短くすることができる。また、閉回路120内をエアが流れる場合に流動音が生じる場合があるが第1設定時間T1を短くすることにより、流動音が発生する時間も短くできるという効果も得られる。
また、閉回路120にはタンク34が連通させられているため、第3通路65、第4通路66のエアの圧力をタンク圧とほぼ同じ高さとすることができる。
【0030】
圧力差低減制御の後に電動モータ42がONとされるが、第2設定時間T2の間、閉回路120が維持される{図5(b)、図7の(B)}。電動モータ42がONとされた時にはコンプレッサ40の作動は不安定であるが、不安定である間、閉回路120が維持される。それによって、閉回路120が維持されない場合に比較して、コンプレッサ40の作動が不安定であることに起因して生じる音や振動がより一層抑制され得る。
すなわち、吸引側部40aと吐出側部40bとのエアの圧力差が小さい状態で電動モータ42がONとされ、コンプレッサ40が始動させられるため、コンプレッサ40の始動時に発する音や振動は良好に抑制される。それに対して、電動モータ42がONとされた後に閉回路120が維持されれば、コンプレッサ40の始動後の、作動が不安定であることによって生じる振動を良好に抑制し得る。
この制御を、安定待ち制御と称し、第2設定時間を安定化時間と称することができる。
【0031】
安定待ち制御の後に車高制御についての準備制御が行われる。準備制御は、制御対象輪に対応する車高制御弁26が閉から開に切り換えられる前に行われる制御であり、車高が適切に変化し得るようにするための制御である。仮に、ダウン制御の開始時に、共通通路22のエアの圧力がチャンバ19のエアの圧力より高い場合には、共通通路22からチャンバ19へエアが供給され車高が高くなる場合がある。そこで、車高制御弁26が閉から開に切り換えられる前に、回路弁61,64が閉、回路弁62,63が開とされることにより図5(c)に示す状態とされ、第3設定時間T3の間維持される{図7の(C)}ようにした。コンプレッサ装置30の作動により、共通通路22のエアが吸引され、タンク34に加圧して供給されるのであり、共通通路22のエアの圧力が低くされる。その結果、ダウン制御の開始時に、共通通路22からチャンバ19にエアが供給され難くすることができる。
また、アップ制御の開始時に、共通通路22のエアの圧力がチャンバ19のエアの圧力より低い場合には、チャンバ19から共通通路22にエアが排出されて、車高が低くなる場合がある。それに対して、制御対象輪に対応する車高制御弁26が閉から開に切り換えられる前に、回路弁62,63が閉、回路弁61,64が開とされ、第3設定時間T3の間維持されるようにすれば、タンク34のエアが加圧されて共通通路22に供給されて、共通通路22のエアの圧力が高くされる。それにより、アップ制御の開始時に車高が低くなり難くされる。以上のことから、第3設定時間T3は、チャンバ19と共通通路22との間においてエアの給排が適切に行われるように、共通通路22等のエアの圧力を適切な高さに制御し得る時間等とすることができ、車高制御準備時間と称することができる。
【0032】
車高制御が行われる場合のS58の開始時制御ルーチンを図13のフローチャートで表す。
S81において、電動モータ42がONであるか否かが判定され、OFFである場合には、S82において、CSフラグがONにされた時点から第1設定時間T1が経過したか否かが判定される。第1設定時間T1が経過する前においては、S83において、S82の判定がNOとなったのが最初であるか否かが判定される。最初である場合には、S84において、前述のように閉回路120が形成される。閉回路120が形成された後、第1設定時間T1が経過するまでの間、S51,57,S81〜83が繰り返し実行される。そのうちに、第1設定時間T1が経過すると、S82の判定がYESとなり、S85において、電動モータ42がONとされる。
【0033】
S86において、電動モータ42がONにされた時点から第2設定時間T2と第3設定時間T3とを合わせた時間(T2+T3)が経過したか否かが判定され、S87において第2設定時間T2が経過したか否かが判定される。第2設定時間T2が経過する前においては、S51,57、81,86,87が繰り返し実行され、閉回路120においてコンプレッサ装置30の作動が維持される。第2設定時間T2が経過すると、S88において、S87の判定がYESになったのが最初であるか否かが判定され、最初である場合には、S89,90において、車高制御(アップ制御、ダウン制御)に応じて、回路弁61,63のいずれか一方が閉、回路弁62,64のいずれか一方が開とされる。そして、第2設定時間と第3設定時間とを合わせた時間(T2+T3)が経過したか否か、換言すれば、ダウン制御が行われる場合において図5(c)に示す状態とされてから第3設定時間T3が経過したか否かが判定される。第3設定時間T3が経過すると、S91において、制御対象輪に対応する車高制御弁26が開とされて、S92において、CSフラグがOFFとされる。
【0034】
車高制御についての終了時制御について図6,7に基づいて説明する。
終了指令が出力されると、車高制御弁26が閉とされる。また、電動モータ42がOFFとされる前に、図6(d)に示すように閉回路120が形成されて、第4設定時間T4の間維持される{図7の(D)}のであり、循環制御が行われる。コンプレッサ40の作動により閉回路120においてエアが循環させられる。第4設定時間T4は、第3通路65と第4通路66との圧力差を小さくし得る時間とすることができ、この意味において、第4設定時間T4も、圧力差低減時間と称することができる。
【0035】
循環制御の後に電動モータ42がOFFとされるが、閉回路120は第5設定時間T5維持される{図6(e)、図7の(E)}。循環制御において吸引側部40aと吐出側部40bとの圧力差が小さくされた後に、電動モータ42がOFFにされると、コンプレッサ40は慣性で作動させられる。このコンプレッサ40の慣性による作動の作動速度が小さくなるまで、すなわち、第5設定時間の間、閉回路120が維持される。その結果、コンプレッサ40の停止時に生じる音や振動がより一層抑制され得る。
仮に、循環制御が終了した後に電動モータ42がOFFとされ、閉回路120が維持されることなく、回路弁63が閉とされてタンク連通制御が開始されるようにすることもできる。その場合には、吐出側部40bのエアの圧力が吸引側部40aのエアの圧力より高くなるため、コンプレッサ40の抵抗となり、それにより停止させられる。この場合であっても、循環制御が行われることなく電動モータ42がOFFとされた場合に比較して、コンプレッサ40の停止時に発する音や振動を抑制することができる。しかし、閉回路120が維持された場合には、コンプレッサ40に加えられる抵抗を小さくすることができ、コンプレッサ40を滑らかに停止させることができるのであり、より一層、音や振動を抑制することができるのである。
また、コンプレッサ40の慣性による作動により、エアが加圧して吐出されるが、それに起因する圧力差が生じ難くすることができる。
【0036】
停止待ち制御の後に、図6(f)に示すように、回路弁63が閉とされ、タンク34が第4通路66から遮断されて第3通路65に連通させられるのであり、タンク連通制御が行われる。タンク34のエアは第3通路65に供給され、吸入弁40in,吐出弁40outを介して第4通路66に供給されるのであり、タンク34のエアが第3通路65、第4通路66に供給される。タンク連通状態は第6設定時間T6の間維持される{図7の(F)}。第6設定時間T6は、第3通路65、第4通路66のエアの圧力がほぼタンク圧と同じ高さになるのに要する時間とすることができる。このように、タンク34が第4通路66から遮断されるため、タンク連通制御において、第3通路65に供給されたタンク圧を吸入弁40in, 吐出弁40outを経て第4通路66に供給できるのであり、第3通路65、コンプレッサ40、第4通路66にタンク圧を均一に供給することが可能となる。
また、第6設定時間T6が経過すると回路弁61が閉とされるのであり、図1に示す状態に戻される。エア給排装置24において、エアの圧力がほぼタンク圧と同じ高さとされるのであり、次にアップ制御が行われる場合等に、低圧部に起因する制御遅れを抑制することができる。
また、タンク連通制御が、循環制御、安定待ち制御が、高圧閉回路120において行われた後に実行されるため、タンク接続部48sを含まない閉回路において行われた後に実行される場合に比較して、第6設定時間T6を短くすることができる。
このように、タンク制御制御において、第3通路65、または、第3通路65および第4通路66等が低圧部に対応する。また、回路弁61,63は連通遮断弁と称することができる。
【0037】
車高制御の終了時制御(S66,63)を図14(a),(b)のフローチャートで示す。
図14(a)のフローチャートのS101において、CEフラグがONにされた時点から第4設定時間T4と第5設定時間T5とを合わせた時間(T4+T5)が経過したか否かが判定され、S102において、第4設定時間T4が経過したか否かが判定される。第4設定時間T4が経過する前においては、S103において、S102の判定がNOになったのが最初であるか否かが判定され、最初である場合には、S104において、回路弁61,63が開、回路弁62,64が閉とされて、閉回路120が形成される。また、車高制御弁26が閉とされる。そして、CEフラグがONにされた時点から、換言すれば、閉回路120が形成されてから第4設定時間T4が経過するまでの間、閉回路120においてコンプレッサ装置30が作動させられるのであり、エアが循環させられる。
それに対して、第4設定時間T4が経過すると、S105において、S102の判定がYESとなったのが最初であるか否かが判定され、最初である場合には、S106において電動モータ42がOFFとされる。そして、電動モータ42がOFFにされてから第5設定時間T5が経過したか否か、すなわち、閉回路120が形成されてから第4設定時間と第5設定時間とを合わせた時間(T4+T5)が経過したか否かが判定される。判定がYESの場合には、S107,108において、CEフラグがOFFとされ、PフラグがONとされる。
【0038】
PフラグがONとされたため、S63が実行される。図14(b)のフローチャートのS111において、PフラグがONとされた時点から第6設定時間T6が経過したか否かが判定される。第6設定時間T6が経過する前においては、S112において、S111の判断がNOとなったのが最初であるか否かが判定され、最初である場合には、S113において、回路弁63が閉とされる。回路弁61のみが開にあるのであり、タンク34が第4通路66から遮断されて第3通路65に連通させられる。そして、S111において、この図6(f)の状態が第6設定時間T6維持されたか否かが判定される。第6設定時間T6が経過する前においては、S51,57,62,S111,112が繰り返し実行され、第6設定時間T6が経過すると、S114,115において回路弁61が閉、PフラグがOFFとされる。
【0039】
{排気制御}
排気制御においては、コンプレッサ装置30が作動させられることがないため、開始時エア供給制御は行われることなく、終了時エア供給制御としてのタンク連通制御のみが行われる。
排気制御が終了した場合には、図15(b)に示すように、破線で示す第3通路65および第4通路66を含む部分のエアの圧力が大気圧以下となる。排気制御においては、排気弁32が開とされ、タンク34のエアが排気弁32を介して大気に放出させられるため、第4通路66のエアの圧力はほぼ大気圧となる。また、第3通路65と第4通路66とは、コンプレッサ40、吸入弁40in、吐出弁40outを介して接続されるため、排気弁32が開とされ、第4通路66のエアの圧力がほぼ大気圧になると、第3通路65のエアの圧力もほぼ大気圧まで低下させられるからである。このように、タンク連通制御において、第3通路65および第4通路66が低圧部に対応する。
【0040】
排気制御についての終了指令が出される(S59)と、PフラグがONとされ(S61)、タンク連通制御が行われる(S63)。排気弁32が閉、回路弁63が閉、回路弁61が開とされて、図6(f)に示す状態とされる(S113)。タンク34が第3通路65に連通させられ、それにより、タンク34のエアが低圧部126(第3通路65、第4通路66)に供給される。この状態が第6設定時間T6保持された後に、回路弁61が閉とされる(S114)。
なお、排気制御についてのタンク連通制御においては車高制御についてのタンク連通制御、すなわち、循環制御の後に行われるタンク連通制御における場合より、第6設定時間T6を長い時間とすることができる。
【0041】
{吸気制御}
吸気制御については、図8に示すように、開始時制御において圧力差低減制御{図8の(A)}、安定待ち制御{図8の(B)}が行われる。吸気制御は、車高制御弁26が閉状態のままで行われるため、準備制御は不要となる。吸気制御についての開始時制御ルーチンを表すフローチャートの図示は省略するが、図13に示すフローチャートにおいて、S86,88,90〜92のステップが不要となり、S87において第2設定時間T2が経過して、判定がYESとなった場合に、S89において、回路弁61が閉とされてCSフラグがOFFとされる。
また、吸気制御についての終了時制御は、図8に示すように、車高制御についての終了時制御と同様に行われる。
【0042】
図16に吸気制御が行われる場合のタンク圧の変化の概略を示す。
時間t0において、タンク圧PTが吸気開始しきい値PTiより低くなると、開始指令が出力される(S36)。それに応じて、閉回路120が形成されて(S84)、図5(a)に示す状態とされるのであり、開始時制御において圧力差低減制御が行われる。開始指令が出力された時点から第1設定時間T1が経過すると、時間t1において、電動モータ42がONとされ(S85)、安定待ち制御が行われ、第2設定時間T2の間閉回路120が維持される。第2設定時間T2が経過し、時間t2になると、回路弁61が閉とされ、図4(a)に示す状態とされる。タンク34へエアが供給されることにより、タンク圧は高くなる。
時間t3において、タンク圧増加量ΔPTが個別増加量ΔPTsに達すると、終了条件が成立し(S38)、終了指令が出力される(S42)。それに応じて、閉回路120が形成される(S104)ことにより、図6(a)に示す状態とされて、終了時制御の循環制御が行われる。第4設定時間T4が経過すると、時間t4において、電動モータ42がOFFとされる(S106)。第5設定時間T5が経過すると、時間t5において、タンク34が第4通路66から遮断されて、第3通路65に連通させられる(S113)。図6(f)に示す状態とされて、タンク連通制御が行われる。循環制御、停止待ち制御、タンク連通制御においてタンク34のエアが閉回路120に供給されるため、タンク圧は低くなるが、閉回路120のエアの圧力はほぼタンク圧と同じになる。時間t6において、時間t5からの経過時間が第6設定時間T6に達する(S111)とタンク連通制御が終了させられて回路弁61が閉とされる(S114)。
【0043】
そして、時間t4からの電動モータ42がOFFの時間が待機時間に達する(S43)と、時間t7において、吸気制御の開始指令が出力され(S36)、開始時制御において圧力差低減制御等が行われる。その後、コンプレッサ装置30の作動により、タンク圧が増加させられるが、タンク圧増加量ΔPTが個別増加量ΔPTsに達し(S38)、終了指令が出力される(S42)と、時間t8において、再度、終了時制御が行われる(S66,63)。以下、同様に、時間t0からのタンク圧増加量ΔPT、すなわち、吸気制御の各々におけるタンク圧増加量ΔPTの和ΣΔPTが目標増加量ΔPTref(例えば、ΔPTs×n)に達するまでの間(S40)、吸気制御(開始時制御を含む)、終了時制御、電動モータ42の待機が繰り返し行われる。
なお、終了時制御においてタンク圧は低下するが、タンク34のエアが当該車高制御システムの外部に排出されたのではないため、吸気制御の各々におけるタンク圧増加量ΔPTの和は当該車高制御システムに加えられたエアの量に対応すると考えることができる。そのため、吸気制御の各々におけるタンク圧増加量ΔPTの和ΣΔPTが目標増加量ΔPTrefに達するまで、吸気制御が繰り返し行われるのである。また、終了時エア供給制御は吸気制御が終了する毎に行われるため、コンプレッサ装置30の待機中にアップ制御の開始条件が成立した場合であっても、アップ制御の遅れを良好に抑制することができる。
【0044】
以上のように、本実施例においては、開始時制御において、車高制御について、圧力差低減制御、安定待ち制御、準備制御が行われ、吸気制御について、圧力差低減制御、安定待ち制御が行われるが、そのうちの、圧力差低減制御が開始時流体供給制御としての開始時エア供給制御に対応し、圧力差低減制御と安定待ち制御とが振動抑制制御に対応すると考えることができる。また、車高制御、吸気制御について、終了時制御において循環制御、停止待ち制御、タンク連通制御が行われるが、そのうちの、循環制御、タンク連通制御等が終了時流体供給制御としての終了時エア供給制御に対応すると考えることができる。また、循環制御、停止待ち制御が振動抑制制御に対応すると考えることができる。なお、タンク連通制御は不可欠ではない。高圧閉回路120において、循環制御、安定待ち制御が行われた場合には、第3通路65、第4通路66のエアの圧力はほぼタンク圧と同じ高さにある場合もあるからである。
【0045】
本実施例においては、回路弁61,63、高圧連結通路68t等により第1連通遮断装置が構成され、第1連通遮断装置およびタンク通路48等により第2連通遮断装置が構成される。第3通路65、第4通路66、高圧連結通路68tによって閉回路120が構成され、タンク通路48の接続部48sがタンク接続部に対応する。
また、車高センサ93、車高制御ECU80の図9のフローチャートで表される車高制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等により車高制御部が構成される。タンク圧センサ90、車高制御ECU80の図10のフローチャートで表される排気制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等により排気制御部が構成され、図11のフローチャートで表される吸気制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等によりタンク補給制御部としての吸気制御部が構成され、これら排気制御部と吸気制御部とによりタンク圧制御部が構成される。
さらに、車高制御ECU80の図12のフローチャートのS58の一部(S84)を記憶する部分、実行する部分等により開始時閉回路形成部が構成され、図12のフローチャートのS66の一部(S104)を記憶する部分、実行する部分等により終了時閉回路形成部が構成され、これらにより閉回路形成部が構成される。また、車高制御ECU80の図12のフローチャートのS63を記憶する部分、実行する部分等により第2タンク連通制御部、第1タンク連通制御部が構成され、S63,S66の一部(図22(b)のタンク連通制御ルーチン)を記憶する部分、実行する部分等により第2タンク連通制御部、吸引通路連通制御部が構成され、これらによりタンク連通制御部が構成される。これら閉回路形成部、タンク連通制御部等により流体供給制御部が構成される。
また、車高制御ECU80のS106を記憶する部分、実行する部分等によりモータ停止部が構成され、S85を記憶する部分、実行する部分等によりモータ始動部が構成される。吸気制御についてのモータ停止部は、タンク補給制御停止部でもある。
なお、また、第1設定時間T1が始動時第1設定時間、第2設定時間T2が始動時第2設定時間に対応し、第4設定時間T4が終了時第1設定時間、第5設定時間T5が終了時第2設定時間に対応する。さらに、エア給排装置24と流体供給制御部、タンク圧制御部等により圧力源装置が構成される。
【0046】
なお、コンプレッサ装置30の規格によっては、1回の連続作動により目標供給量ΔPTrefのエアをタンク34に供給可能な場合もあり、その場合には、コンプレッサ装置30を複数回に分けて作動させる必要性は低い。
また、安定待ち制御、停止待ち制御は不可欠ではない。
さらに、コンプレッサ装置30の規格等により、車高を高くする場合において、実車高H*が目標車高Hrefに近づくまでに、電動モータ42をOFFとしてコンプレッサ装置30を停止させることもできるのであり、アップ制御が複数回に分けて行われるようにすることもできる。その場合においても、コンプレッサ装置30の始動指令の出力時、停止指令の出力時に開始時エア供給制御、終了時エア供給制御が行われるようにすることもできる。
また、終了時エア供給制御としての循環制御は不可欠ではない。タンク連通制御が行われれば、次に行われるアップ制御の遅れを良好に抑制することができる。
さらに、終了時エア供給制御としてのタンク連通制御は不可欠ではない。タンク連通制御が行われなくても、コンプレッサ40の停止時の音や振動を良好に抑制することができる。
【実施例2】
【0047】
なお、上記実施例においては、回路弁62,64が閉、回路弁61,63が開とされることにより閉回路120が形成されたが、回路弁61,63を閉、回路弁62,64を開とすることにより閉回路130が形成されるようにすることもできる。閉回路130にはタンク接続部48sが含まれないため、低圧閉回路と称することができる。
【0048】
{車高制御}
車高制御についての開始時制御を図17,19に基づいて説明する。本実施例においても、実施例1における場合と同様に、開始時制御において圧力差低減制御、安定待ち制御、準備制御が行われる。
開始指令が出力されると、図17(a)に示す状態とされる。回路弁62,64が開、回路弁61,63が閉とされて、閉回路130が形成される。この状態が第1設定時間T1*維持され、第3通路65と第4通路66との圧力差が小さくされる{図19の(A)}。
第1設定時間T1*が経過すると、電動モータ42がONとされ、安定化するのが待たれる{図17(b)、図19の(B)}。
安定待ち制御の後に、準備制御が行われる。ダウン制御については、回路弁64が閉、回路弁63が開とされ、図17(c)の状態とされる。この状態は第3設定時間T3維持される{図19の(C)}。
【0049】
開始時制御ルーチンを図21のフローチャートで表す。図21のフローチャートにおいて、実施例1における場合と同様の実行が行われるステップについては同様のステップ番号を付して説明を省略する。
S84aにおいて、回路弁61,63が閉、回路弁62,64が開とされることにより閉回路130が形成される。S82a、85において、閉回路130が第1設定時間T1*維持されると、S82aの判定がYESとなり、電動モータ42がONとされる。第1設定時間T1*は実施例1における第1設定時間T1より長い時間とされる。そして、第2設定時間が経過すると、S89a、90aにおいて、回路弁62,64のいずれか一方が閉、回路弁61,63のいずれか一方が開とされて、車高制御の準備が行われる。
【0050】
終了時制御を図18,19に基づいて説明する。本実施例においても、終了時制御において循環制御、停止待ち制御、タンク連通制御が行われる。
終了指令が出力されると、図18(d)に示すように閉回路130が形成される。コンプレッサ装置30の作動により、第4設定時間T4*の間、エアが循環させられる{図19の(D)}。
第4設定時間T4*が経過すると、電動モータ42がOFFとされ、図18(e)の状態が第5設定時間T5の間維持される{図19の(E)}。
次に、回路弁61が開、回路弁62,64が閉とされることにより、図18(f)の状態とされて、タンク連通制御が行われる。タンク連通制御は第6設定時間T6*の間行われる{図19の(F)}が、閉回路130にタンク接続部48sが含まれないため、第6設定時間T6*は実施例1における第6設定時間T6より長くされる。
【0051】
終了時制御ルーチンを図22(a),(b)のフローチャートで示す。図22(a),(b)のフローチャートにおいて、実施例1における場合と同様の実行が行われるステップについては同様のステップ番号を付して説明を省略する。
CEフラグがONにされると、S104aにおいて閉回路130が形成される。そして、第4設定時間T4*が経過すると、S102aの判定がYESとなって。S106において、電動モータ42がOFFとされる。その後、第5設定時間T5が経過すると、S113において、回路弁62,64が閉とされ、回路弁61が開とされて、タンク34が第3通路65に連通させられる。そして、第6設定時間T6*が経過すると、S111aの判定がYESとなって、回路弁61が閉とされる。
【0052】
{排気制御}
排気制御については、実施例1における場合と同様である。排気制御についての第6設定時間T6*は、実施例1における場合の第6設定時間T6とほぼ同じ長さとされる(T6=T6*)。
{吸気制御}
吸気制御については、図20に示すように開始時制御において圧力差低減制御、安定待ち制御が行われ、圧力差低減制御において閉回路130が形成される。終了時制御については車高制御についての終了時制御と同様である。
【0053】
以上のように、本実施例においては、車高制御とタンク圧制御との少なくとも一方の、開始時と終了時との少なくとも一方において低圧閉回路130が形成されるため、電動モータ42に加えられる負荷を、高圧閉回路120が形成される場合に比較して小さくすることができる。また、高圧閉回路120が形成される場合に比較して、コンプレッサ40の始動時、停止時に発する音や振動をより良好に抑制することができる。
【0054】
本実施例においては、第1連通遮断装置が、回路弁62,64、低圧連結通路68b等により構成され、第2連通遮断装置が、第1連通遮断装置、高圧連結通路68t、回路弁61,63等により構成される。そして、第3通路65、第4通路66、低圧連結通路68b等により閉回路130が構成される。
【実施例3】
【0055】
また、実施例1の開始時制御、循環制御等と実施例2の開始時制御、循環制御等とのいずれか一方が、バッテリ110の電源電圧に基づいて選択的に行われるようにすることもできる。前述のように、高圧閉回路120においては低圧閉回路130における場合よりコンプレッサ装置30に加えられる負荷が大きくなる。そのため、バッテリ110の電源電圧が低い場合には低圧閉回路130が形成されることが望ましい。
なお、タンク連通制御については、コンプレッサ装置30は停止状態に保たれるため、バッテリ110の電源電圧の大きさに関係なく、同様に行われる。
本実施例における開始時・終了時制御プログラムのフローチャートを図23に示す。
CSフラグがONにされた場合には、S57の判定がYESとなり、S57xにおいて、バッテリ110の電源電圧Vが検出されて、S57yにおいて、設定電圧Vthより低いか否かが判定される。設定電圧Vthより低い場合(V<Vth)には、S58xにおいて、実施例2の開始時制御が選択され、低圧閉回路130が形成され、設定電圧以上である場合(V≧Vth)には、S58yにおいて、実施例1の開始時制御が選択され、高圧閉回路120が形成される。
CEフラグがONとされた場合にも同様であり、S65x、yにおいて、電源電圧Vが検出されて、設定電圧Vthより低いか否かが判定され、判定結果に基づいてS66x,yにおいて、実施例1の循環制御等(高圧閉回路120が形成される)と実施例2の循環制御等(低圧閉回路130が形成される)とのいずれかが選択される。
以上、本実施例において、切換え装置36等により第1連通遮断装置が構成される。
【実施例4】
【0056】
なお、図24に示すように、圧力差低減制御、循環制御において、回路弁61〜64のすべてを開として、閉回路134が形成されるようにすることもできる。
本実施例においては、圧力差低減制御、循環制御において、第3通路65、第4通路66のみならず、第1通路50、第2通路52、共通通路22のエアの圧力もほぼタンク圧と同じ高さとすることができる。
【0057】
その他、タンク圧制御、車高制御の各々において、開始時エア供給制御と終了時エア供給制御との両方を行う必要は必ずしもなく、開始時エア供給制御と終了時エア供給制御とのいずれか一方が行われ、他方は行われないようにすることができる。例えば、終了時エア供給制御が行われた場合には、開始時エア供給制御を行う必要は必ずしもない。また、終了時エア供給制御は、車高制御の終了時とタンク圧制御の終了時との各々の場合に行う必要は必ずしもなく、終了時に、第3通路65と第4通路66との間のエアの圧力差が大きくなると推定される制御、エアの圧力が設定圧以下である低圧部が生じると推定される制御についてのみ行われるようにすることもできる。さらに、開始時エア供給制御と終了時エア供給制御との少なくとも一方は、タンク圧制御と車高制御との各々について行う必要は必ずしもなく、タンク圧制御と車高制御とのいずれか一方については、開始時エア供給制御と終了時エア供給制御との少なくとも一方が行われ、他方においては、開始時エア供給制御、終了時エア供給制御が行われないようにすることもできる。
また、流体、圧力媒体として作動液を用いた車高制御システム、圧力源装置にも本発明を適用することができる等、本発明は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0058】
2:エアシリンダ 4:ショックアブソーバ 24:エア給排装置 26:車高制御弁 32:排気バルブ 34:タンク 40:コンプレッサ 42:電動モータ 61〜64:回路弁 80:車高制御ECU 90:タンク圧センサ 93:車高センサ 112:電圧モニタ 120,130,134:閉回路
【特許請求可能な発明】
【0059】
以下、特許請求可能な発明について説明する。
(1)コンプレッサおよびそのコンプレッサを駆動する電動モータを有するコンプレッサ装置と、そのコンプレッサ装置により加圧された流体を収容するタンクとを備えた流体給排装置と、
車輪に対応して設けられ、前記流体給排装置に接続された車高制御アクチュエータと、
前記流体給排装置を制御することにより、前記車高制御アクチュエータにおける流体の供給と排出とを制御して、前記車輪についての車高を制御する車高制御部と、
前記タンクに収容された流体の圧力であるタンク圧を制御するタンク圧制御部と、
前記車高制御部と前記タンク圧制御部との少なくとも一方による制御の開始時と終了時との少なくとも一方において、前記流体給排装置を制御することにより、前記流体給排装置の一部である低圧部に流体を供給する流体供給制御部と
を含むことを特徴とする車高制御システム。
低圧部に流体が供給されることにより、低圧部の流体の圧力が高くなったり、低圧部がなくなったりする。低圧部には、流体給排装置の内部または外部の、流体の圧力が低圧部より高い部分である高圧部から流体が供給される。高圧部は、タンクである場合、コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路である場合等がある。
流体供給制御部は、流体給排装置の構成要素である1つ以上の電磁弁等の開閉制御等により、低圧部に流体が供給されるようにする。
(2)前記低圧部が、前記少なくとも一方による制御の開始時と終了時との少なくとも一方において、(a)流体の圧力が設定圧以下である部分と、(b)流体の圧力が前記流体給排装置の他の部分より相対的に低い部分とのうちの少なくとも一方とされた(1)項に記載の車高制御システム。
設定圧は、例えば、タンク圧としたり、大気圧としたり、大気圧より設定圧高い圧力としたりすること等ができる。
低圧部の領域等を、流体給排装置内の複数の部分における流体の実際の圧力を検出して、その検出結果に基づいて定める必要性は低い。実施例において説明したように、流体給排装置の作動状態、環境等に基づいて低圧部の領域等を推定可能な場合がある。また、コンプレッサの吸引側部と吐出側部との間の流体の圧力差が大きい状態で、コンプレッサが始動させられると、大きな音や振動が生じる。一方、吸引側部と吐出側部との圧力差は、吸引通路と吐出通路との圧力差が小さくなると、小さくなることが知られている。それに対して、吸引通路と吐出通路とを連通させて閉回路が形成された後に、コンプレッサが始動させられた場合に、音や振動が抑制された場合には、吸引側部と吐出側部との圧力差が小さくなった、換言すれば、「閉回路が形成される前に低圧部と高圧部とが存在し、吸引通路と吐出通路とを含む閉回路の形成により低圧部に高圧部から流体が供給された」と推定することができる。
(3)前記流体供給制御部が、前記車高制御部と前記タンク圧制御部との少なくとも一方による制御の終了時に、前記低圧部に流体を供給する終了時流体供給制御部を含む(1)項または(2)項に記載の車高制御システム。
車高制御部とタンク圧制御部との少なくとも一方による制御の終了時とは、(a)車高制御部とタンク圧制御部との少なくとも一方による制御において終了条件が成立した場合、または、少なくとも一方から終了指令が出された場合、(b)車高制御において、車高制御アクチュエータにおける流体の給排が行われなくなった場合、(c)タンク圧制御において、タンクと流体給排装置の外部との間で流体の給排が行われなくなった場合、(d)コンプレッサ装置を停止させる停止条件が成立した場合、または、停止指令が出力された場合等の1つ以上が成立した場合とすることができる。
(4)前記流体供給制御部が、前記車高制御部と前記タンク圧制御部との少なくとも一方による制御の開始時に、前記低圧部に流体を供給する開始時流体供給制御部を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
車高制御部とタンク圧制御部との少なくとも一方による制御の開始時とは、その制御の開始条件が成立した場合、または、開始指令が出力された場合等とすることができる。
【0060】
(5)前記流体給排装置が、前記コンプレッサの吸引側部に接続された吸引通路と、前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、それら吸引通路と吐出通路との間に設けられ、それらを連通させたり、遮断したりする第1連通遮断装置とを含み、
前記流体供給制御部が、前記第1連通遮断装置を制御することにより、前記コンプレッサ、前記吸引通路および前記吐出通路を含む閉回路を形成する閉回路形成部を含む(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
吸引通路に低圧部が含まれると考えることができる。吐出通路と吸引通路とが連通させられて閉回路が形成されれば、閉回路内の高圧部から低圧部へ流体が供給され、閉回路内の流体の圧力差が小さくされる。
第1連通遮断装置は、吸引通路の、コンプレッサの吸引側部に接続された端部とは反対側の端部と、吐出通路の、コンプレッサの吐出側部に接続された端部とは反対側の端部との間に設けられる。第1連通遮断装置は、例えば、吸引通路と吐出通路とを連結する連結通路と、その連結通路に設けられた1つ以上の電磁弁とを含むものとすることができる。電磁弁の制御により、吸引通路と吐出通路とを連通させたり遮断したりすることができる。
(6)前記流体供給制御部が、前記閉回路に流体を循環させる循環制御部を含む(5)項に記載の車高制御システム。
例えば、コンプレッサ装置の停止前に閉回路が形成された場合には、コンプレッサ装置の作動により流体が循環させられる。また、閉回路が形成された後にコンプレッサ装置が始動させられた場合にも流体が閉回路内を循環させられる。
(7)前記閉回路が前記タンクとの接続部であるタンク接続部を含む(5)項または(6)項に記載の車高制御システム。
閉回路にタンクが連通させられると、タンク圧は低下する。
(8)前記閉回路形成部が、前記少なくとも一方の制御の終了時に、前記コンプレッサ装置が作動状態にある場合に、前記閉回路を形成する終了時閉回路形成部を含み、
当該車高制御システムが、前記終了時閉回路形成部により前記閉回路が形成された時点から終了時第1設定時間が経過した場合に前記電動モータを停止させるモータ停止部を含む(5)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
閉回路が終了時第1設定時間維持された後に電動モータがOFFとされる。終了時第1設定時間は、閉回路の圧力差が小さくなるのに要する時間に基づいて設定することができる。
(9)当該車高制御システムが、前記モータ停止部により前記電動モータが停止させられた時点から終了時第2設定時間が経過するまでの間、前記閉回路を維持する終了時閉回路維持部を含む(8)項に記載の車高制御システム。
電動モータがOFFにされてもコンプレッサは慣性により作動させられ、その後、停止させられる。コンプレッサが慣性により作動させられる間閉回路が維持されることにより、コンプレッサの慣性による作動によって流体が加圧して吐出されても、流体給排装置において圧力差が生じ難くされる。また、閉回路が維持されない場合に比較して、コンプレッサを滑らかに停止させることが可能となり、より一層、音や振動を抑制し得る。
(10)前記流体給排装置が、前記タンクと、前記吸引通路および前記吐出通路との間に設けられ、前記タンクと、前記吸引通路と前記吐出通路との各々とを、それぞれ、連通させたり、遮断したりする第2連通遮断装置を含み、
前記流体供給制御部が、前記モータ停止部により前記電動モータが停止させられた場合に、前記第2連通遮断装置を制御することにより、前記タンクを前記吸引通路に連通させて前記吐出通路から遮断する第1タンク連通制御部を含む(8)項または(9)項に記載の車高制御システム。
第2連通遮断装置は、吸引通路のコンプレッサの吸引側部に接続された端部とは反対側の端部と、吐出通路のコンプレッサの吐出側部に接続された端部とは反対側の端部と、タンクとの間に設けることができる。閉回路に流体が循環させられた後にタンクが吸引通路に連通させられて吐出通路から遮断される。吸引通路と吐出通路とは、吸引通路から吐出通路へ向かう流体の流れを許容し、逆向きの流れを阻止する逆止弁(コンプレッサの吸入弁、吐出弁)を介して接続されるのが普通である。そのため、吸引通路にタンクから流体が供給されれば、吐出通路へも流体が供給され得る。実質的に吸引通路および吐出通路にタンクが連通させられたと考えることができるのであり、吸引通路、吐出通路の流体の圧力をほぼタンク圧と同じ高さにすることができる。
なお、タンクが吸引通路に連通させられた時点において、吸引通路の流体の圧力がタンク圧とほぼ同じである場合には、タンクから吸引通路に流体が供給されることはない。しかし、タンクが連通させられたことにより、吸引通路および吐出通路の流体の圧力がほぼタンク圧と同じ圧力であると推定することが可能となる。
(11)前記閉回路形成部が、前記少なくとも一方の制御の開始時に、前記コンプレッサ装置を始動させる始動指令が出力された場合に、前記閉回路を形成する始動時閉回路形成部を含み、
当該車高制御システムが、前記始動時閉回路形成部により前記閉回路が形成された状態で前記電動モータを始動させるモータ始動部を含む(5)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
閉回路が始動時第1設定時間維持された後に、電動モータが始動させられる。始動時第1設定時間は、吸引側部と吐出側部との間の圧力差を小さくし得る時間とすることができる。
(12)当該車高制御システムが、前記モータ始動部により前記電動モータが始動させられてから始動時第2設定時間が経過するまでの間、前記閉回路を維持する開始時閉回路維持部を含む(11)項に記載の車高制御システム。
コンプレッサ装置の始動開始時には作動が不安定となり、振動が生じ易い。それに対して閉回路が維持されれば、閉回路が維持されない場合に比較して、音や振動を良好に抑制し得る。
(13)当該車高制御システムが、前記少なくとも一方の制御の開始時と終了時との少なくとも一方に、前記流体給排装置の振動を抑制する振動抑制部を含む(1)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
閉回路が形成されてから、閉回路が開放されるまでの制御を振動抑制制御と称することができる。また、流体給排装置の振動が抑制されるとともに、音も抑制される。
(14)前記閉回路形成部が、前記流体給排装置に電力を供給する電源の状態に基づいて、前記タンクとの接続部を含む閉回路である高圧閉回路と、前記タンクとの接続部を含まない閉回路である低圧閉回路とのいずれかを選択的に形成するものである(5)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
高圧閉回路と低圧閉回路とを比較すると、高圧閉回路においては低圧閉回路における場合より、コンプレッサ装置に加えられる負荷が大きくなる。そのため、電源電圧が高く、大きな電力を供給可能な状態においては、高圧閉回路が形成され、電源電圧が低く、大きな電力の供給が困難な状態においては、低圧閉回路が形成されるようにすることができる。
また、高圧閉回路においては低圧閉回路における場合より、短い時間でコンプレッサの吸引通路と吐出通路との間の圧力差を低減し得る。そのため、少なくとも一方の制御の開始時に高圧閉回路が形成されるようにすることができる。
さらに、低圧閉回路においては高圧閉回路における場合より、より一層、音や振動を抑制し得る。また、次にアップ制御が行われる可能性を考慮すると、終了時には、流体給排装置の流体の圧力をタンク圧とほぼ同じにしておくことが望ましい。以上のことから、少なくとも一方の制御の開始時に低圧閉回路が形成され、終了時に高圧閉回路が形成されるようにすることができる。
(15)前記第1連通遮断装置が、前記吸引通路と前記吐出通路とを前記タンク接続部を含んで連結する高圧連結通路と、前記タンク接続部をバイパスして接続する低圧連結通路と、前記高圧連結通路に設けられた少なくとも1つの電磁弁である高圧側電磁弁と、前記低圧連結通路に設けられた少なくとも1つの電磁弁である低圧側電磁弁とを含み、
前記閉回路形成部が、前記高圧側電磁弁と前記低圧側電磁弁とを制御することにより、前記高圧閉回路と前記低圧閉回路とを選択的に形成する電磁弁制御部を含む(14)項に記載の車高制御システム。
【0061】
(16)前記流体供給制御部が、前記少なくとも一方の制御の終了時に、前記コンプレッサ装置が非作動状態にある場合に、前記流体給排装置を制御することにより前記低圧部に前記タンクを連通させる第2タンク連通制御部を含む(1)項ないし(15)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
(17)前記流体給排装置が、前記コンプレッサの吸引側部に接続された吸引通路と、前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、前記タンクと、前記吸引通路および前記吐出通路との間に設けられ、前記タンクと、前記吸引通路および前記吐出通路の各々とを、それぞれ連通させたり、遮断したりする第2連通遮断装置とを含み、
前記低圧部が前記吸引通路の少なくとも一部を含み、
前記第2タンク連通制御部が、前記少なくとも一方の制御の終了時に、前記第2連通遮断装置を制御することにより、前記吸引通路に前記タンクを連通させて、前記吐出通路から遮断する吸引通路連通制御部を含む(16)項に記載の車高制御システム。
吸引通路が低圧部を含むと考えたり、吸引通路および吐出通路等が低圧部に対応すると考えたりすること等ができる。
【0062】
(18)前記流体給排装置が、前記コンプレッサの吸引側部に接続された吸引通路と、前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路とを含み、
前記車高制御部が、前記車輪についての実際の車高である実車高と目標車高との差の絶対値が設定値以上になった場合に開始条件が成立したとして、前記流体給排装置と前記車高制御アクチュエータとを連通させるとともに前記コンプレッサ装置を始動させることを含む開始指令を出力し、前記実車高が前記目標車高に近づいた場合に終了条件が成立したとして、前記流体給排装置から前記車高制御アクチュエータを遮断するとともに前記コンプレッサ装置を停止させることを含む終了指令を出力するものであり、
前記流体供給制御部が、前記開始時として前記開始指令が出力された時に、前記流体給排装置と前記車高制御アクチュエータとが遮断され、前記コンプレッサ装置が非作動状態にある状態で、前記吸引通路、前記吐出通路および前記コンプレッサを含む閉回路を形成する開始時閉回路形成部と、前記終了時として前記終了指令が出力された時に、前記コンプレッサ装置の作動状態において、前記車高制御アクチュエータを前記流体給排装置から遮断して、前記閉回路を形成する終了時閉回路形成部との少なくとも一方を含む(1)項ないし(17)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
(19)前記流体給排装置が、前記コンプレッサの吸引側部に接続された吸引通路と、前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、前記吸引通路と前記流体給排装置の外部である大気との間に設けられた吸気弁とを含み、
前記タンク圧制御部が、前記タンク圧が吸気開始しきい値より低くなった場合に、前記タンクを前記吐出通路に連通させて前記吸引通路から遮断するとともに前記コンプレッサ装置を始動させることを含む開始指令を出力し、前記タンク圧の増加量が設定増加量に達した場合に終了条件が成立したとして、前記コンプレッサ装置を停止させて、前記タンクを前記吐出通路から遮断することを含む終了指令を出力する吸気制御部を含み、
前記流体供給制御部が、前記開始時として前記開始指令が出力された時に、前記コンプレッサ装置の非作動状態において、前記コンプレッサ、前記吸引通路および前記吐出通路を含む閉回路を形成する開始時閉回路形成部と、前記終了時として前記終了指令が出力された時に、前記コンプレッサ装置の作動状態において、前記閉回路を形成する終了時閉回路形成部との少なくとも一方を含む(1)項ないし(18)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
吸気制御において、タンクが吸引通路から遮断されることにより、吸引通路へのタンクからの流体の供給が阻止される。吸気弁が、大気圧と吸引通路の流体の圧力との差により開閉させられるメカ弁である場合において、コンプレッサの作動により吸引通路の流体の圧力が大気圧より低くなると、吸気弁が開とされて、大気から流体が吸引される。吸気制御が終了した場合に、吸引通路の流体の圧力は大気圧より低くなるのであり、吸引通路が低圧部、流体希薄部に対応すると考えることができる。
なお、タンク圧が吸気開始しきい値と設定増加量とに基づいて決まる吸気終了しきい値より高くなった場合に、終了指令が出力されるようにすることもできる。
この場合において、吸引通路に吐出通路から流体が供給されることにより、吸引通路の流体の圧力は大気圧以上となり、吸気弁が閉となる。
(20)前記流体給排装置が、前記コンプレッサの吸引側部に接続された吸引通路と、前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、その吐出通路と当該車高制御システムの外部である大気との間に設けられた排気弁とを含み、
前記タンク圧制御部が、前記タンク圧が排気開始しきい値より高くなった場合に、前記吐出通路に前記タンクを連通させるとともに前記排気弁を開とすることを含む開始指令を出力し、前記タンク圧が排気終了しきい値より低くなった場合に、前記タンクを前記吐出通路から遮断するとともに前記排気弁を閉とすることを含む閉処理を行わせる終了指令を出力する排気制御部を含み、
前記低圧部が吸引通路を含み、
前記流体供給制御部が、前記終了時として前記終了指令が出力された場合または前記閉処理が行われた場合に、前記タンクを前記吐出通路から遮断して前記吸引通路に連通させる排気終了時タンク連通制御部を含む(1)項ないし(19)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
排気制御においては、コンプレッサ装置が作動させられることがないため、開始時流体供給制御は行われず、終了時流体供給制御が行われる。また、閉回路を形成して圧力差を低減させる必要性は低いため、閉回路が形成されることはない。
排気制御において、排気弁が開とされることにより、吐出通路の圧力がほぼ大気圧と同じ高さになると、吸引通路から吐出通路へ流体が流れ吸引通路の流体の圧力も大気圧とほぼ同じ高さになる。そのため、排気制御が終了した後には、吸引通路および吐出通路等が低圧部に対応すると考えることができる。
【0063】
(21)コンプレッサおよびそのコンプレッサを駆動する電動モータを有するコンプレッサ装置と、前記コンプレッサの吸引側部に接続された吸引通路および前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、前記コンプレッサ装置により加圧された流体を収容するタンクとを備えた流体給排装置と、
車輪に対応して設けられ、前記流体給排装置に接続された車高制御アクチュエータと、
前記流体給排装置を制御することにより、前記車高制御アクチュエータにおける流体の供給と排出とを制御して、前記車輪についての車高を制御する車高制御部と、
前記タンクに収容された流体の圧力であるタンク圧を制御するタンク圧制御部と、
前記車高制御部と前記タンク圧制御部との少なくとも一方による制御の開始時と終了時との少なくとも一方において、前記流体給排装置の制御により、少なくとも前記吸引通路に流体を供給する流体供給制御部と
を含むことを特徴とする車高制御システム。
本項に記載の車高制御システムには(1)項ないし(20)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0064】
(22)圧力媒体を収容するタンクと、
そのタンクに圧力媒体を加圧して供給するコンプレッサと、そのコンプレッサを駆動する電動モータとを有するコンプレッサ装置と、
その電動モータを制御することにより、前記タンクに目標供給量の圧力媒体を供給するタンク補給制御部と
を含む圧力源装置であって、
前記供給制御部が、前記タンクに前記目標供給量の圧力媒体が供給されるまでの間に、前記電動モータを少なくとも1回停止させるタンク補給制御停止部を含むことを特徴とする圧力源装置。
コンプレッサ装置の規格により、連続作動時間に制限がある場合がある。一方、タンクに目標供給量の圧力媒体を供給するために電動モータがONとされてコンプレッサ装置が作動させられるが、規格で決まる連続作動時間内に目標供給量の圧力媒体を供給することが困難な場合がある。そこで、本項に記載の圧力源装置においては、吸気制御が複数回に分けて行われる。電動モータのON・OFFにより、コンプレッサ装置の始動、停止が繰り返し行われるのであり、コンプレッサ装置の作動時にタンクに供給された圧力媒体の量(個別供給量)の和が目標供給量以上となるように供給制御が行われる。
コンプレッサ装置の1回の作動においてタンクに圧力媒体が供給される間をタンク補給制御と称し、タンクに目標供給量の圧力媒体が供給されるまでの間に複数回のタンク補給制御が行われると考えたり、最初にコンプレッサ装置が始動させられてから、タンクに目標供給量以上の圧力媒体が供給されるまでをタンク補給制御と称し、途中に1回以上電動モータがOFFとされてコンプレッサ装置の作動が中断させられると考えたりすることができる。本明細書においては、前者の考え方を採用している。
本項に記載の圧力源装置には(1)項ないし(21)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。また、本項に記載の圧力源装置は、(1)項ないし(21)項に記載の流体給排装置を含むものとすることができる。
(23)当該圧力源装置が、前記供給制御時停止部により前記コンプレッサ装置を停止させる停止条件が成立した場合に、前記コンプレッサの吸引側部と吐出側部とを含む閉回路を形成して、前記コンプレッサの前記吸引側部と前記吐出側部との圧力差を小さくする圧力差低減部を含む(22)項に記載の圧力源装置。
(24)圧力媒体を収容するタンクと、
コンプレッサとそのコンプレッサを駆動する電動モータとを備えたコンプレッサ装置と、
前記コンプレッサの吸引側部に接続された吸引通路および前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、
それら吸引通路と吐出通路との間に設けられ、それら吸引通路と吐出通路とを連通させたり、遮断したりする第1連通遮断装置と、
前記コンプレッサ装置の始動指令と停止指令との少なくとも一方が出された場合に、前記第1連通遮断装置を制御することにより、前記吸引通路および前記吐出通路を連通させて、前記コンプレッサ、前記吸引通路および前記吐出通路を含む閉回路を形成する閉回路形成部と
を含むことを特徴とする圧力源装置。
本項に記載の圧力源装置には(1)項ないし(21)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。また、本項に記載の圧力源装置は、(1)項ないし(21)項に記載の流体給排装置を含むものとすることができる。
(25)圧力媒体を収容するタンクと、
コンプレッサとそのコンプレッサを駆動する電動モータとを備えたコンプレッサ装置と、
前記コンプレッサの吸引側部に接続された吸引通路および前記コンプレッサの吐出側部に接続された吐出通路と、
前記タンクと、前記吸引通路および前記吐出通路との間に設けられ、前記タンクと、前記吸引通路および前記吐出通路の各々とを、それぞれ連通させたり、遮断したりする第2連通遮断装置と、
前記タンクに収容された圧力媒体の圧力であるタンク圧を予め定められた設定範囲内に制御するタンク圧制御部と、
そのタンク圧制御部による制御の終了後の、前記コンプレッサ装置の非作動状態において、前記第2連通遮断装置を制御することにより、前記タンクを前記吐出通路から遮断して前記吸引通路に連通させるタンク連通制御部と
を含むことを特徴とする圧力源装置。
タンク連通制御部は第1タンク連通制御部の一部と、第2タンク連通制御部を含むものとすることができる。
本項に記載の圧力源装置には(1)項ないし(21)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。また、本項に記載の圧力源装置は、(1)項ないし(21)項に記載の流体給排装置を含むものとすることができる。
図1
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図10
図11
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