特許第6396949号(P6396949)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6396949
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】大腸用内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20180913BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20180913BHJP
   A61B 1/05 20060101ALI20180913BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20180913BHJP
   A61B 1/07 20060101ALI20180913BHJP
   A61B 1/31 20060101ALI20180913BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20180913BHJP
【FI】
   A61B1/00 731
   A61B1/00 715
   A61B1/045 622
   A61B1/05
   A61B1/06 531
   A61B1/07 733
   A61B1/31
   G02B23/24 A
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-121750(P2016-121750)
(22)【出願日】2016年6月20日
(62)【分割の表示】特願2012-1939(P2012-1939)の分割
【原出願日】2012年1月10日
(65)【公開番号】特開2016-187578(P2016-187578A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2016年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083286
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100166408
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦陽
(72)【発明者】
【氏名】高野 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】鳩間 崇弘
【審査官】 磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−526360(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0038317(US,A1)
【文献】 特開2005−095590(JP,A)
【文献】 特開2009−039243(JP,A)
【文献】 特開2010−178766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の観察像を同時に観察できる大腸用内視鏡と、該大腸用内視鏡による観察画像を表示する表示手段と、を有する大腸用内視鏡システムであって、
上記大腸用内視鏡は、
操作部と、
上記操作部から前方に延びる可撓管部、該可撓管部の前方に位置し、上記操作部に設けた湾曲操作手段の操作に応じて湾曲する湾曲部、上記可撓管部の前端と上記湾曲部の後端とを接続する硬質材料からなる接続部、及び、上記湾曲部の前端から前方に延びる硬質材料からなる先端硬質部とを有し、人体の肛門から大腸内に挿入される挿入部と、を備え、
上記挿入部は、
上記先端硬質部の先端面に設けた、第1観察光学系及び該第1観察光学系の視野内を照明する第1照明光学系と、
上記先端硬質部の内部に設けた、上記第1観察光学系を透過した観察像を撮像する第1撮像素子と、
上記接続部の前端面に設けた、第2観察光学系及び該第2観察光学系の視野内を照明する第2照明光学系と、
上記接続部の内部に設けた、上記第2観察光学系を透過した観察像を撮像する第2撮像素子と、を備え、
上記第1照明光学系と上記第2照明光学系とは、上記湾曲部が湾曲することで、上記第1照明光学系から照射された照明光と上記第2照明光学系から照射された照明光とが互いに干渉しない位置関係となることが可能であること、及び
上記第2観察光学系の光軸が、上記接続部の軸線に対して直線状態にある上記湾曲部と反対側に傾斜していること、
を特徴とし、
上記表示手段は、
上記大腸用内視鏡の上記第1観察光学系と上記第2観察光学系が撮像した画像データをそれぞれ画像処理して第1画像処理データと第2画像処理データを生成する画像処理手段と、
該画像処理手段が生成した上記第1画像処理データによる観察画像と上記第2画像処理データによる観察画像の少なくともいずれか一方を表示するモニタと、
上記モニタに表示される上記第1画像処理データによる観察画像と上記第2画像処理データによる観察画像をいずれか一方または両方に切り換える切り換え手段と、を備え、
該切り換え手段はさらに、上記モニタに表示される上記第1画像処理データによる観察画像と上記第2画像処理データによる観察画像の大きさを切り換えることが可能であること、
を特徴とする大腸用内視鏡システム。
【請求項2】
複数の観察像を同時に観察できる大腸用内視鏡と、該大腸用内視鏡による観察画像を表示する表示手段と、を有する大腸用内視鏡システムであって、
上記大腸用内視鏡は、
操作部と、
上記操作部から前方に延びる可撓管部、該可撓管部の前方に位置し、上記操作部に設けた湾曲操作手段の操作に応じて湾曲する湾曲部、上記可撓管部の前端と上記湾曲部の後端とを接続する硬質材料からなる接続部、及び、上記湾曲部の前端から前方に延びる硬質材料からなる先端硬質部とを有し、人体の肛門から大腸内に挿入される挿入部と、を備え、
上記挿入部は、
上記先端硬質部の先端面に設けた、第1観察光学系及び該第1観察光学系の視野内を照明する第1照明光学系と、
上記先端硬質部の内部に設けた、上記第1観察光学系を透過した観察像を撮像する第1撮像素子と、
上記接続部の前端面に設けた、第2観察光学系及び該第2観察光学系の視野内を照明する第2照明光学系と、
上記接続部の内部に設けた、上記第2観察光学系を透過した観察像を撮像する第2撮像素子と、を備え、
上記第1照明光学系と上記第2照明光学系とは、上記湾曲部が湾曲することで、上記第1照明光学系から照射された照明光と上記第2照明光学系から照射された照明光とが互いに干渉しない位置関係となることが可能であること、及び
上記第2観察光学系の第2撮像素子の正面寸法は、上記第1観察光学系の第1撮像素子の正面寸法より小さいこと、
を特徴とし、
上記表示手段は、
上記大腸用内視鏡の上記第1観察光学系と上記第2観察光学系が撮像した画像データをそれぞれ画像処理して第1画像処理データと第2画像処理データを生成する画像処理手段と、
該画像処理手段が生成した上記第1画像処理データによる観察画像と上記第2画像処理データによる観察画像の少なくともいずれか一方を表示するモニタと、
上記モニタに表示される上記第1画像処理データによる観察画像と上記第2画像処理データによる観察画像をいずれか一方または両方に切り換える切り換え手段と、を備え、
該切り換え手段はさらに、上記モニタに表示される上記第1画像処理データによる観察画像と上記第2画像処理データによる観察画像の大きさを切り換えることが可能であること、
を特徴とする大腸用内視鏡システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の大腸用内視鏡システムにおいて、上記第1観察光学系は、上記湾曲部が湾曲することで、大腸のひだの肛門からの挿入方向の前方に位置する裏面を観察可能である大腸用内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内視鏡、及び、内視鏡とモニタを備える内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの内視鏡は挿入部の先端面に一つの対物レンズ(観察光学系)を備える「直視型内視鏡」であるが、別タイプの内視鏡として挿入部の先端部の側面(周面)に一つの対物レンズを備える「側視型内視鏡」が知られている。
直視型内視鏡は挿入部の先端部の前方に位置する被写体を観察するのに適しており、側視型内視鏡は挿入部の先端部の側方に位置する被写体を観察するのに適している。そのため、例えば内視鏡を挿入する体腔の内面(例えば大腸の内壁)に直視型内視鏡による観察が適した部位と側視型内視鏡による観察が適した部位とがある場合は、最初に直視型内視鏡と側視型内視鏡の一方によって観察を行い、次いで当該一方の内視鏡を体腔から引き出した後に他方の内視鏡を体腔内に挿入して、他方の内視鏡によって観察を行うのが一般的である。
しかし二種類の内視鏡を交互に体腔内に挿脱して観察を行うのは術者にとって手間であり、被検者及び術者の負担が大きくなってしまう。
【0003】
この問題を解決可能な内視鏡の従来技術としては、例えば、特許文献1に開示された内視鏡がある。この内視鏡は、操作部と、操作部から前方に延びる挿入部とを具備している。挿入部の前端部は硬質材料からなる先端硬質部となっており、挿入部の先端硬質部を除く部分は可撓性を備えている。先端硬質部の前端面には第1対物レンズが設けてあり、先端硬質部の側面には第2対物レンズが設けてあり、先端硬質部の内部には一つの撮像素子が設けてある。この撮像素子は、第1対物レンズを透過した観察像を撮像する前方視撮像エリアと、第2対物レンズを透過した観察像を撮像する側方視撮像エリアと、を具備している。
【0004】
挿入部を被検者の体腔に挿入すると、体腔壁のうち先端硬質部より前方に位置する部分(以下、前方部分と呼ぶ)は第1対物レンズによって観察され、該体腔壁のうち先端硬質部の側方に位置する部分(以下、側方部分と呼ぶ)は第2対物レンズによって観察される。そして第1対物レンズを透過した上記前方部分の観察像は撮像素子の前方視撮像エリアによって撮像された後に第1モニタに表示され、第2対物レンズを透過した上記側方部分の観察像は撮像素子の側方視撮像エリアによって撮像された後に第2モニタに表示される。
このように特許文献1の内視鏡は第1対物レンズと第2対物レンズによって二つの部位(前方部分、側方部分)を同時に観察できるので、二種類の内視鏡を交互に体腔内に挿脱して観察を行う場合に比べて被検者及び術者の負担を軽減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−274911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
挿入部の先端部の径が大きいと被検者が感じる苦痛や負担が大きくなるため、先端部の径は出来るだけ小さいのが好ましい。しかし特許文献1の内視鏡のように先端硬質部に二つの対物レンズを設ける場合は、先端硬質部に二つの対物レンズを取り付けるための大きなスペースが形成されることになるため、対物レンズが一つのみの場合に比べて先端硬質部が大径化してしまう。
さらに特許文献1のように第1対物レンズを透過した観察像と第2対物レンズを透過した観察像とを一つの撮像素子によって撮像しようとすると、各観察像の撮像データの画素数が小さくなってしまう。そのため第1、第2モニタには解像度の低い画像が表示されることになるので、術者が観察画像を視認するのが難しくなるおそれがある。
【0007】
本発明は、一つの内視鏡によって二方向を同時に観察可能でありながら、挿入部の先端部を小径にでき、しかも各観察像を解像度が高い画像としてモニタに表示することが可能な内視鏡、及び、内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の大腸用内視鏡システムは、複数の観察像を同時に観察できる大腸用内視鏡と、該大腸用内視鏡による観察画像を表示する表示手段と、を有する大腸用内視鏡システムであって、
上記大腸用内視鏡は、
操作部と、
上記操作部から前方に延びる可撓管部、該可撓管部の前方に位置し、上記操作部に設けた湾曲操作手段の操作に応じて湾曲する湾曲部、上記可撓管部の前端と上記湾曲部の後端とを接続する硬質材料からなる接続部、及び、上記湾曲部の前端から前方に延びる硬質材料からなる先端硬質部とを有し、人体の肛門から大腸内に挿入される挿入部と、を備え、
上記挿入部は、
上記先端硬質部の先端面に設けた、第1観察光学系及び該第1観察光学系の視野内を照明する第1照明光学系と、
上記先端硬質部の内部に設けた、上記第1観察光学系を透過した観察像を撮像する第1撮像素子と、
上記接続部の前端面に設けた、第2観察光学系及び該第2観察光学系の視野内を照明する第2照明光学系と、
上記接続部の内部に設けた、上記第2観察光学系を透過した観察像を撮像する第2撮像素子と、を備え、
上記第1照明光学系と上記第2照明光学系とは、上記湾曲部が湾曲することで、上記第1照明光学系から照射された照明光と上記第2照明光学系から照射された照明光とが互いに干渉しない位置関係となることが可能であること、及び
上記第2観察光学系の光軸が、上記接続部の軸線に対して直線状態にある上記湾曲部と反対側に傾斜していること、
を特徴とし、
上記表示手段は、
上記大腸用内視鏡の上記第1観察光学系と上記第2観察光学系が撮像した画像データをそれぞれ画像処理して第1画像処理データと第2画像処理データを生成する画像処理手段と、
該画像処理手段が生成した上記第1画像処理データによる観察画像と上記第2画像処理データによる観察画像の少なくともいずれか一方を表示するモニタと、
上記モニタに表示される上記第1画像処理データによる観察画像と上記第2画像処理データによる観察画像をいずれか一方または両方に切り換える切り換え手段と、を備え、
該切り換え手段はさらに、上記モニタに表示される上記第1画像処理データによる観察画像と上記第2画像処理データによる観察画像の大きさを切り換えることが可能であること、
を特徴とする。
【0009】
本発明の大腸用内視鏡システムは、別の態様によると、
複数の観察像を同時に観察できる大腸用内視鏡と、該大腸用内視鏡による観察画像を表示する表示手段と、を有する大腸用内視鏡システムであって、
上記大腸用内視鏡は、
操作部と、
上記操作部から前方に延びる可撓管部、該可撓管部の前方に位置し、上記操作部に設けた湾曲操作手段の操作に応じて湾曲する湾曲部、上記可撓管部の前端と上記湾曲部の後端とを接続する硬質材料からなる接続部、及び、上記湾曲部の前端から前方に延びる硬質材料からなる先端硬質部とを有し、人体の肛門から大腸内に挿入される挿入部と、を備え、
該挿入部は、
上記先端硬質部の先端面に設けた、第1観察光学系及び該第1観察光学系の視野内を照明する第1照明光学系と、
上記先端硬質部の内部に設けた、上記第1観察光学系を透過した観察像を撮像する第1撮像素子と、
上記接続部の前端面に設けた、第2観察光学系及び該第2観察光学系の視野内を照明する第2照明光学系と、
上記接続部の内部に設けた、上記第2観察光学系を透過した観察像を撮像する第2撮像素子と、を備え、
上記第1照明光学系と上記第2照明光学系とは、上記湾曲部が湾曲することで、上記第1照明光学系から照射された照明光と上記第2照明光学系から照射された照明光とが互いに干渉しない位置関係となることが可能であること、及び
上記第2観察光学系の第2撮像素子の正面寸法は、上記第1観察光学系の第1撮像素子の正面寸法より小さいこと、
を特徴とし、
上記表示手段は、
上記大腸用内視鏡の上記第1観察光学系と上記第2観察光学系が撮像した画像データをそれぞれ画像処理して第1画像処理データと第2画像処理データを生成する画像処理手段と、
該画像処理手段が生成した上記第1画像処理データによる観察画像と上記第2画像処理データによる観察画像の少なくともいずれか一方を表示するモニタと、
上記モニタに表示される上記第1画像処理データによる観察画像と上記第2画像処理データによる観察画像をいずれか一方または両方に切り換える切り換え手段と、を備え、
該切り換え手段はさらに、上記モニタに表示される上記第1画像処理データによる観察画像と上記第2画像処理データによる観察画像の大きさを切り換えることが可能であること、
を特徴とする。
【0010】
上記大腸用内視鏡システムは、上記第1観察光学系と第2観察光学系の一方は、大腸のひだの肛門からの挿入方向の前方に位置する裏面を観察可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の大腸用内視鏡システムによれば、第2観察光学系の光軸が、接続部の軸線に対して直線状態にある湾曲部と反対側に傾斜しているので、第2観察光学系(第撮像素子)が撮像した観察画像に、湾曲部及び先端硬質部が映し出され難く、視野が広くなる。
本発明の大腸用内視鏡システムの別の態様によれば、第2観察光学系の第2撮像素子の正面寸法は、第1観察光学系の第1撮像素子の正面寸法より小さいので、接続部の径の拡大が抑えられ、挿入部を被検者の体内(大腸)に挿入するときの被検者の苦痛や負担を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態の内視鏡の全体図である。
図2】挿入部の前部を示す斜視図である。
図3図2のIII−III矢線に沿う挿入部の前部の中央縦断側面である。
図4】挿入部の先端面の正面図である。
図5】湾曲部の軸線を直線状にした挿入部を大腸内部に挿入したときの大腸を断面視して示す側面図である。
図6図5に示す状態のときの先端硬質部に設けた対物レンズによる観察画像をモニタに表示した様子を示す図である。
図7】湾曲部を上方に曲げながら後方に最大限湾曲させたときの図5と同様の側面図である。
図8図7に示す状態のときに先端硬質部に設けた対物レンズによる観察画像と接続部に設けた対物レンズによる観察画像をそれぞれモニタに表示した様子を示す図であり、(a)は先端硬質部に設けた対物レンズによる観察画像をモニタに大きく表示した上で、接続部に設けた対物レンズによる観察画像をモニタの右上隅部に小さく表示した例であり、(b)は先端硬質部に設けた対物レンズによる観察画像をモニタに大きく表示した上で、接続部に設けた対物レンズによる観察画像をモニタの右側部に小さく表示した例である。
図9】第一の変形例の図3と同様の中央縦断側面である。
図10】(a)は第二の変形例の図4と同様の正面図であり、(b)は第三の変形例の図4と同様の正面図である。
図11】第四の変形例の図4と同様の正面図である。
図12】第五の変形例の図2と同様の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1から図8を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。以下の説明中の前後方向は、内視鏡10の挿入部12の先端側を「前方」、ユニバーサルチューブ13の先端側(コネクタ部14側)を「後方」と定義しており、上下方向及び左右方向は図中の矢線方向を基準としている。
医療用の内視鏡10は、硬質樹脂からなる操作部11と、操作部11から前方に延びる挿入部12と、操作部11から後方に延びるユニバーサルチューブ13と、ユニバーサルチューブ13の後端に固定したコネクタ部14と、を備えている。
【0019】
次に挿入部12の詳細な構造について説明する。
挿入部12は、操作部11から前方に延びかつ可撓性を有する可撓管部16と、可撓管部16の前端部に接続する接続部17と、を具備している。接続部17は、実質的に弾性変形不能な硬質樹脂材料(例えば、ABS、変性PPO、PSUなど)によって構成してある。図3に示すように、接続部17は前後両端が開口した中空部材であり、その後部を構成する円筒形状の大径部18と、前部を構成する円筒形状かつ大径部18より小径の小径部20とを具備している。図示するように正面視において小径部20は大径部18に対して上方に偏心しており、大径部18の一部は正面視において小径部20の外周側に位置する外方突出部19となっている。外方突出部19の前端面は挿入部12(及び接続部17)の軸線に対して直交する平面となっている。
図2及び図4に示すように、外方突出部19の前面の下部に形成した固定孔には、自身の光軸を中心とする回転対称体(正面視円形形状)である対物レンズ23(第2観察光学系)が嵌合固定してあり、接続部17の内部空間には対物レンズ23の直後に位置させて、自身の光軸を中心とする回転対称体(正面視円形形状)である3枚のレンズ24(第2観察光学系)が設けてある。さらにレンズ24の直後には前面が撮像面となっている撮像素子26(第2撮像素子)が設けてあり、撮像素子26から後方に延びる可撓性材料からなる画像信号用ケーブル27の後端部が、挿入部12、操作部11、ユニバーサルチューブ13、及び、コネクタ部14の内部空間を通り抜けてコネクタ部14に突設した画像処理用接続スリーブ14Aに接続している。
また外方突出部19の前面には対物レンズ23の左右両側に位置する一対の固定孔が形成してあり、両固定孔には自身の光軸を中心とする回転対称体(正面視円形形状)である照明用レンズ28が嵌合固定してある。挿入部12、操作部11、ユニバーサルチューブ13、及び、コネクタ部14の内部空間には可撓性を有するライトガイドファイバ28a(図2参照)が配設してある。ライトガイドファイバ28aの前端は各照明用レンズ28にそれぞれ接続しており、ライトガイドファイバ28aの後端はコネクタ部14に突設した光源用接続スリーブ14Bに接続している。
【0020】
挿入部12の先端近傍部は、自身の後端部が接続部17の小径部20に対して同心状態で接続する小径部20と同径の湾曲部30となっている。図3に示すように湾曲部30の内部には、湾曲部30の軸線を中心とする環状体である複数の湾曲駒31が挿入部12の軸線方向に並べて設けてあり、隣合う湾曲駒31同士が左右方向に延びる回転軸又は上下方向に延びる回転軸を介して互いに相対回転可能に接続している。最も後方に位置する湾曲駒31は、小径部20の前端の外周面に形成された環状凹部21に嵌合固定してある(図3参照)。さらに左右方向に延びる回転軸回りに回転可能な湾曲駒31の中で最も前方に位置する湾曲駒31には、操作部11及び挿入部12の内部空間に配設した上下方向操作用ワイヤ(図示略)の前端が固着してあり、上下方向操作用ワイヤの後端は操作部11に回転可能に設けた上下湾曲操作レバー(湾曲操作手段)15Aに接続している。また上下方向に延びる回転軸回りに回転可能な湾曲駒31の中で最も前方に位置する湾曲駒31には、操作部11及び挿入部12の内部空間に配設した左右方向操作用ワイヤ(図示略)の前端が固着してあり、左右方向操作用ワイヤの後端は操作部11に回転可能に設けた左右湾曲操作レバー(湾曲操作手段)15Bに接続している。従って、上下湾曲操作レバー15Aを回転操作すると、左右方向に延びる回転軸回りに回転可能な各湾曲駒31が回転することにより湾曲部30が上下方向に湾曲し、左右湾曲操作レバー15Bを回転操作すると、上下方向に延びる回転軸回りに回転可能な各湾曲駒31が回転することにより湾曲部30が左右方向に湾曲する。なお本実施形態の内視鏡10は湾曲駒31の形状を工夫することにより、上下湾曲操作レバー15Aを回転操作したときの湾曲部30の下方への最大湾曲量(最大湾曲角度)より上方への最大湾曲量(最大湾曲角度)が大きくなるように構成してある。
【0021】
挿入部12の先端部は、湾曲部30の前端部に固定した先端硬質部33となっている。先端硬質部33は湾曲部30と同径の略円柱形状であり、かつ実質的に弾性変形不能な硬質樹脂材料(例えば、ABS、変性PPO、PSUなど)からなるものである。
図2及び図4に示すように先端硬質部33の先端面は挿入部12の軸線に対して直交する平面であり、該先端面には先端硬質部33を前後方向に貫通する固定孔が形成してあり、該固定孔の前端部には自身の光軸を中心とする回転対称体(正面視円形形状)である対物レンズ34(第1観察光学系)が嵌合固定してある。さらに該固定孔の内部には対物レンズ34の直後に位置させて、自身の光軸を中心とする回転対称体(正面視円形形状)である3枚のレンズ35(第1観察光学系)と、レンズ35の直後に位置し前面が撮像面となっている撮像素子37(第1撮像素子)と、が設けてある。対物レンズ34及びレンズ35の外径は対物レンズ23及びレンズ24の外径より大きい。撮像素子37の撮像面の有効画素数は撮像素子26の有効画素数より大きく、撮像素子37の正面寸法(上下寸法及び左右寸法)は撮像素子26の正面寸法より大きい。撮像素子37から後方に延びる可撓性材料からなる画像信号用ケーブル38の後端部は、挿入部12、操作部11、ユニバーサルチューブ13、及び、コネクタ部14の内部空間を通り抜けて画像処理用接続スリーブ14Aに接続している。
また先端硬質部33の先端面には対物レンズ34の左右両側に位置する一対の固定孔が、先端硬質部33を前後方向に貫通する貫通孔として形成してあり、両固定孔には正面視円形の照明用レンズ40が嵌合固定してある。挿入部12、操作部11、ユニバーサルチューブ13、及び、コネクタ部14の内部空間には可撓性を有するライトガイドファイバ40a(図2参照)が配設してあり、ライトガイドファイバ40aの前端は各照明用レンズ40にそれぞれ接続しており、ライトガイドファイバ40aの後端は光源用接続スリーブ14Bに接続している。
さらに先端硬質部33の先端面には処置具挿通用孔41と副送水噴射用孔42が形成してある。また先端硬質部33の先端面には、その開口部が対物レンズ34側を向く一対の送気送水ノズル43(第1送水ノズル)が設けてある。挿入部12、操作部11、ユニバーサルチューブ13、及び、コネクタ部14の内部空間に配設した送水チューブ及び送気チューブ(いずれも図示略)の前端部が各送気送水ノズル43に接続しており、送水チューブ及び送気チューブの後端部はコネクタ部14に突設した送気送水用口金14Cに接続している。送水チューブ及び送気チューブの中間部は操作部11の内部に設けた送気送水用シリンダ(図示略)に接続している。該送気送水用シリンダには送気送水ボタン44Aが出没自在に設けてあり、送気送水ボタン44Aに固定したピストン(図示略)が該シリンダの内面に摺動可能に接触している。
【0022】
続いて内視鏡10、プロセッサ50、及び、モニタ55からなる内視鏡システム57の使用要領について説明する。
内視鏡システム57は、画像処理回路や光源等が内蔵されたプロセッサ50(光源装置兼画像処理手段。図1の仮想線参照)にモニタ55(図1の仮想線参照、及び、図6図8参照)を接続した上で(プロセッサ50及びモニタ55は外部電源に接続している)、コネクタ部14の画像処理用接続スリーブ14A及び光源用接続スリーブ14Bをプロセッサ50に対して接続し、さらに送気送水用口金14Cに、一端が送水ボトル(図示略)内に位置する送水用パイプ(図示略)の他端を接続した状態で使用する。送水ボトル内の空気溜まりには送気用パイプ(図示略)の一端が位置しており、送気用パイプの他端が送気送水用口金14Cに接続している。さらに、送水ボトルの空気溜まりには圧縮空気源(図示略)から常に圧縮空気(流体)が送られており、この圧縮空気は常に送気用パイプ、送気チューブ、及び、送気送水用シリンダを介して送気送水ボタン44Aの内部空間に送られ、送気送水ボタン44Aの上面に形成した空気逃がし孔から外部に漏れている。
プロセッサ50の表面にはメインスイッチ51、照明スイッチ52、及び、画像切り換えスイッチ53が設けてある。
内視鏡10の挿入部12を被検者(図示略)の体内に挿入する前に、メインスイッチ51をON操作した上で照明スイッチ52をON操作し、さらに画像切り換えスイッチ53を「第1切換位置」に位置させておく。
照明スイッチ52をON操作すると、プロセッサ50内に設けた上記光源が発光し、該光源が発した光が光源用接続スリーブ14B内に配設したライトガイドファイバ28a、40aの後端面に供給されるので、照明用レンズ28及び照明用レンズ40から前方に向けて照明光が照射される。
さらにメインスイッチ51をON操作すると撮像素子26及び撮像素子37が起動するので、対物レンズ23の前方に位置する被写体によって反射された観察像が対物レンズ23、及び、レンズ24を透過した後に撮像素子26(撮像面)によって撮像され、対物レンズ34の前方に位置する被写体によって反射された観察像が対物レンズ34、及び、レンズ35を透過した後に撮像素子37(撮像面)によって撮像される。撮像素子26によって撮像された観察画像データ、及び、撮像素子37によって撮像された観察画像データは、それぞれ画像信号用ケーブル27と画像信号用ケーブル38を介してプロセッサ50内の画像処理回路に送られ該画像処理回路によって画像処理される(プロセッサ50が、撮像素子37によって撮像された観察画像データに基づいて第1画像処理データを生成し、撮像素子26によって撮像された観察画像データに基づいて第2画像処理データを生成する)。ただし、画像切り換えスイッチ53が「第1切換位置」に位置するときは、撮像素子37によって撮像された観察画像(第1画像処理データ)のみがモニタ55に表示される(図6参照)。
【0023】
湾曲部30を(ほぼ)直線状態に維持した状態で挿入部12を被検者の肛門から大腸Aに挿入すると(図5参照)、モニタ55に撮像素子37によって撮像された観察画像(動画)が表示されるので、術者は当該観察画像を見ながら挿入部12を大腸Aの奥側(小腸側)へ挿入する。
大腸Aの内面には多数のひだA1、A2があるが、ひだA1、A2の裏面(小腸側の面)を内視鏡10で観察するためには大腸Aの奥側(小腸側)から対物レンズ34をひだA1、A2に接近させる必要がある。例えばひだA1の裏面を観察したい場合は、まず画像切り換えスイッチ53を「第2切換位置」に切り換えて、モニタ55に撮像素子37によって撮像された観察画像(第1画像処理データ)だけでなく、撮像素子26によって撮像された観察画像(第2画像処理データ)も表示する(図8(a)参照)。このときモニタ55には撮像素子37によって撮像された観察画像(第1撮像画面)が大きく表示され、モニタ55の右上隅部に撮像素子26によって撮像された観察画像(第2撮像画面)が小さい画像として表示される。なお画像切り換えスイッチ53を「第3切換位置」に切り換えた場合は、図8(b)に示すように撮像素子37によって撮像された観察画像がモニタ55の全面寸法よりも若干小さい大きさで表示され、モニタ55の右側部に撮像素子26によって撮像された観察画像が小さい画像として表示される。術者はモニタ55に表示された撮像素子37による観察画像を見ながら、上下湾曲操作レバー15Aを回転操作することにより湾曲部30を上方に最大限湾曲させて先端硬質部33の先端面を後方に向ける(図7参照)。すると先端硬質部33の先端面がひだA1と対向するので、モニタ55には撮像素子37によって撮像されたひだA1の裏面の観察画像が表示される。このように湾曲部30を上方に最大限湾曲させると、図7に示すように先端硬質部33の先端面(照明用レンズ40)が外方突出部19(照明用レンズ28)より後方に位置するので、照明用レンズ40から照射された照明光(図5図7のL1)と照明用レンズ28から照射された照明光(図5図7のL2)が互いに干渉することはなく、モニタ55には明瞭な観察画像が表示される。従って、術者はモニタ55を見ることによりひだA1の裏面の状態を確実に視認できる。また操作部11に突設した画像処理ボタン44Bを術者が手で押し込むと、撮像素子26及び撮像素子37が撮像した観察画像(動画)をプロセッサ50に内蔵した記録装置に録画したり、撮像素子26及び撮像素子37が撮像した観察画像を静止画としてモニタ55に表示できる。
また術者が手の指で送気送水ボタン44Aの上面に形成した空気逃がし孔を塞ぐと、圧縮空気源で発生した圧縮空気が送気送水ノズル43から対物レンズ34の表面に噴射される。さらに術者が指で空気逃がし孔を塞ぎながら送気送水ボタン44Aを押し込むと、送水ボトル内の洗浄水に圧縮空気の圧力が掛かり、洗浄水が送水用パイプ、及び送水チューブ(送気送水用シリンダ)を通って送気送水ノズル43から対物レンズ34の表面に噴射される。
大腸Aの観察が終了したら、上下湾曲操作レバー15A(及び左右湾曲操作レバー15B)を回転操作することにより湾曲部30を(ほぼ)直線状態に戻した上で、挿入部12を肛門から被検者の体外に引き出す。そしてメインスイッチ51及び照明スイッチ52をOFF操作することにより上記光源を消灯し、撮像素子26及び撮像素子37の撮像動作を停止させる。
【0024】
以上説明したように本実施形態の内視鏡システム57によれば、互いに独立した二つの観察光学系(対物レンズ34、及び、レンズ35からなる第1観察光学系と、対物レンズ23、及び、レンズ24からなる第2観察光学系)を具備しているので、術者は一つの内視鏡10によって二方向を同時に観察できる。
しかも対物レンズ34、及び、レンズ35からなる観察光学系(第1観察光学系)を先端硬質部33に設ける一方で、対物レンズ23、及び、レンズ24からなる観察光学系(第2観察光学系)を接続部17に設けているので、先端硬質部33に二つの観察光学系を設ける場合に比べて、先端硬質部33(挿入部12の先端部)を小径にできる。しかも対物レンズ23及びレンズ24が対物レンズ34及びレンズ35より小径であり、かつ、撮像素子26の正面寸法が撮像素子37の正面寸法より小さいので、接続部17の外方突出部19の正面寸法(正面から見たときの先端硬質部33からの外周側への突出量)はそれほど大きくない。そのため挿入部12を被検者の体内(大腸A)に挿入するときの被検者の苦痛や負担を小さくできる。
さらに対物レンズ34、及び、レンズ35からなる観察光学系(第1観察光学系)の観察像と対物レンズ23、及び、レンズ24からなる観察光学系(第2観察光学系)の観察像を、それぞれ別個の撮像素子26、37によって撮像しているので、モニタ55には解像度が高い明瞭な画像を表示できる。
また湾曲部30を(最大湾曲量が下方より大きい)上方へ湾曲させたときに、湾曲部30が対物レンズ23と反対側に位置する(対物レンズ23の直前に位置しない)ので、対物レンズ23の視野が湾曲部30によって狭められることがない。
【0025】
以上、上記実施形態を利用して本発明を説明したが、本発明は様々な変形を施しながら実施可能である。例えば以下の第一から第五の変形例の態様での実施が可能である。
図9に示す第一の変形例の内視鏡10は、接続部17の外方突出部19Aの前端面が挿入部12(及び接続部17)の軸線に対して下方に傾斜する平面となっており、対物レンズ23及びレンズ24の光軸と撮像素子26の(側面視における)長手方向が、挿入部12(及び接続部17)の軸線に対して下方(直線状態にある湾曲部30と反対側)に傾斜している。そのため撮像素子26が撮像した観察画像に、湾曲部30及び先端硬質部33が映し出され難いという利点がある。
【0026】
図10(a)に示す第二の変形例の内視鏡10は、正面視において先端硬質部33が接続部17に対して下方に偏心しており、接続部17の上部及び左右両側部が外方突出部19Bを構成している(外方突出部19Bの前端面は挿入部12の軸線に対して直交する平面であっても、該軸線に対して上方に傾斜する平面であってもよい)。この内視鏡10は湾曲駒31の形状を工夫することにより、上下湾曲操作レバー15Aを回転操作したときの湾曲部30の上方への最大湾曲量(最大湾曲角度)より下方への最大湾曲量(最大湾曲角度)が大きくなるように構成してある。
一方、図10(b)に示す第三の変形例の内視鏡10は、正面視において先端硬質部33が接続部17に対して左方に偏心しており、接続部17の右側部、上部、及び、下部が外方突出部19Cを構成している(外方突出部19Cの前端面は挿入部12の軸線に対して直交する平面であっても、該軸線に対して右方に傾斜する平面であってもよい)。この内視鏡10は湾曲駒31の形状を工夫することにより、左右湾曲操作レバー15Bを回転操作したときの湾曲部30の右方への最大湾曲量(最大湾曲角度)より左方への最大湾曲量(最大湾曲角度)が大きくなるように構成してある。
なお図示は省略してあるが、正面視において先端硬質部33を接続部17に対して右方に偏心させて、接続部17の左側部、上部、及び、下部に外方突出部を形成し(該外方突出部の前端面は挿入部12の軸線に対して直交する平面であっても、該軸線に対して左方に傾斜する平面であってもよい)、かつ、湾曲駒31の形状を工夫することにより、左右湾曲操作レバー15Bを回転操作したときの湾曲部30の左方への最大湾曲量(最大湾曲角度)より右方への最大湾曲量(最大湾曲角度)が大きくなるように構成してもよい。
【0027】
図11に示す第四の変形例の内視鏡10の外方突出部19には(上記実施形態の左側の照明用レンズ28の代わりに)送気送水ノズル45(第2送水ノズル)が設けてある。送気送水ノズル45の開口部は対物レンズ23側を向いており、送気送水ノズル43に接続する上記送水チューブ及び送気チューブとは別の送水チューブ及び送気チューブ(いずれも図示略)の前端部が送気送水ノズル45に接続しており、当該送水チューブ及び送気チューブの後端部は送気送水用口金14Cに接続している。従って、送気送水ボタン44Aを操作することにより、送気送水ノズル45から対物レンズ23に向けて圧縮空気や洗浄水を噴射可能である。
なおこの場合は、操作部11に送気送水ボタンを二つ設けて、一方の送気送水ボタンによって送気送水ノズル43に対する送気送水操作を行い、他方の送気送水ボタンによって送気送水ノズル45に対する送気送水操作を行うようにしてもよい。
【0028】
図12に示す第五の変形例の内視鏡10の外方突出部19の内部には、左右の照明用レンズ28の直後にそれぞれ位置する一対のLED46(半導体発光素子)が設けてある(左側のLED46は図示略)。各LED46からは電気ケーブル47が後方に向かって延びており、電気ケーブル47の後端部は画像処理用接続スリーブ14Aに接続している。従って、外部電源の電力がプロセッサ50を介して電気ケーブル47に供給されると、左右のLED46が発光するので、左右の照明用レンズ28から前方に向けて照明光が照射される。
一般的にライトガイドファイバ28a、40aに光が供給されるとライトガイドファイバ28a、40aは高温化するため、挿入部12、操作部11、ユニバーサルチューブ13、及び、コネクタ部14も高温化し易い。しかし本変形例のようにライトガイドファイバ28aを具備しない場合は、ライトガイドファイバ28aを具備するものに比べて挿入部12、操作部11、ユニバーサルチューブ13、及び、コネクタ部14が高温化し難くなる。
また内視鏡の内部にライトガイドファイバを設ける場合は、プロセッサ50の内部に光源と光源用接続スリーブ14Bの後端面の間に位置する可動絞を設けて、可動絞の絞り径を変化させることにより照明用レンズが出射する照明光の光量を制御するのが一般的である。そのため図1図8に示した内視鏡システム57の照明用レンズ28と照明用レンズ40の照明光量を可動絞を利用して別個に制御する場合は、プロセッサ50内に設けた二つの可動絞を別個に制御することになるので、プロセッサ50の内部構造及び可動絞の制御系が複雑になってしまう。しかしながら本変形例では、電気ケーブル47に供給する電力の電圧を制御することによりLED46の光量を制御できる。そのためプロセッサ50に設ける可動絞は一つだけでよくなるので、プロセッサ50の内部構造及び照明光量を調整するための制御系の構成が簡単になる。
【0029】
さらに撮像素子26によって撮像された観察画像(動画、静止画)をモニタ55に大きく表示して、撮像素子37によって撮像された観察画像をモニタ55に小さく表示してもよい。また、プロセッサ50に二つのモニタ55を接続して、撮像素子26によって撮像された観察画像を一方のモニタ55に表示し、撮像素子37によって撮像された観察画像を他方のモニタ55に表示してもよい。
また図示は省略してあるが、接続部17全体を湾曲部30と同径かつ同心をなす円筒形状とした上で、当該接続部17の周面(側面)に側視用レンズとしての対物レンズ23(及びレンズ24)と、この対物レンズ23(及びレンズ24)と光軸が平行な照明用レンズ28とを設け、接続部17の内部に対物レンズ23(及びレンズ24)を透過した観察像を撮像する撮像素子26を設けてもよい。さらに先端硬質部33の周面(側面)に側視用レンズとしての対物レンズ34(及びレンズ35)と、この対物レンズ34(及びレンズ35)と光軸が平行な照明用レンズ40とを設け、先端硬質部33の内部に対物レンズ34(及びレンズ35)を透過した観察像を撮像する撮像素子撮像素子37を設けてもよい。
また操作部11に画像処理ボタンを二つ設けて、一方の画像処理ボタンによって撮像素子26による観察画像の処理(録画等)を行い、他方の画像処理ボタンによって撮像素子37による観察画像の処理を行ってもよい。
また上記説明では省略したが、挿入部12の構成において、外皮樹脂や網状管を適宜可撓管部16、接続部17、湾曲部30に被覆させてもよい。これにより挿入部12を汚れ等から保護して内視鏡としての耐久性を高めることができる。
さらに工業用内視鏡に対して本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0030】
10 内視鏡
11 操作部
12 挿入部
13 ユニバーサルチューブ
14 コネクタ部
14A 画像処理用接続スリーブ
14B 光源用接続スリーブ
14C 送気送水用口金
15A 上下湾曲操作レバー(湾曲操作手段)
15B 左右湾曲操作レバー(湾曲操作手段)
16 可撓管部
17 接続部
18 大径部
19 19A 19B 19C 外方突出部
20 小径部
21 環状凹部
23 対物レンズ(第2観察光学系)
24 レンズ(第2観察光学系)
26 撮像素子(第2撮像素子)
27 画像信号用ケーブル
28 照明用レンズ(第2照明用レンズ、第2の照明用光学系)
28a ライトガイドファイバ
30 湾曲部
31 湾曲駒(節輪)
33 先端硬質部
34 対物レンズ(第1観察光学系)
35 レンズ(第1観察光学系)
37 撮像素子(第1撮像素子)
38 画像信号用ケーブル
40 照明用レンズ(第1照明用レンズ、第1の照明用光学系)
40a ライトガイドファイバ
41 処置具挿通用孔
42 副送水噴射用孔
43 送気送水ノズル(第1送水ノズル)
44A 送気送水ボタン
44B 画像処理ボタン
45 送気送水ノズル(第2送水ノズル)
46 LED(半導体発光素子)
47 電気ケーブル
50 プロセッサ(画像処理手段)
51 メインスイッチ
52 照明スイッチ
53 画像切り換えスイッチ
55 モニタ
57 内視鏡システム
A 大腸
A1 A2 大腸のひだ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12