特許第6396984号(P6396984)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6396984デバイスにわたって未読メッセージ総数を提供すること
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6396984
(24)【登録日】2018年9月7日
(45)【発行日】2018年9月26日
(54)【発明の名称】デバイスにわたって未読メッセージ総数を提供すること
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20180913BHJP
【FI】
   G06F13/00 610C
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-500716(P2016-500716)
(86)(22)【出願日】2014年3月6日
(65)【公表番号】特表2016-511481(P2016-511481A)
(43)【公表日】2016年4月14日
(86)【国際出願番号】US2014021074
(87)【国際公開番号】WO2014164184
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2017年2月6日
(31)【優先権主張番号】61/779,515
(32)【優先日】2013年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/896,140
(32)【優先日】2013年5月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】ベンゴチェア,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】エスティーヴ バルドゥッチ,フアン ビセンテ
(72)【発明者】
【氏名】フェレ,フアン ディー.
【審査官】 佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−525741(JP,A)
【文献】 特開平10−011376(JP,A)
【文献】 特開平10−215318(JP,A)
【文献】 特開2003−234783(JP,A)
【文献】 特開2002−300211(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0305732(US,A1)
【文献】 特表2015−505439(JP,A)
【文献】 特表2014−501979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムであって、
1つまたは複数のプロセッサと、
システムメモリと、
前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、前記コンピュータシステムに未読電子メールメッセージの表示をモバイルデバイス利用者に提供するための方法を行わせる、コンピュータ実行可能命令をその上に記憶した1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と
を備え、前記方法は、
前記モバイルデバイス利用者から、前記利用者と関連する少なくとも1つのモバイルデバイスについてのトークンIDおよび前記モバイルデバイス利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示すタイムスタンプを含む登録データを受け取る動作であって、前記登録データが、前記利用者を電子メールプッシュ通知に登録する、動作と、
新しい電子メールメッセージが前記利用者の電子メール受信箱で前記利用者に到着したことを決定する動作と、
未読電子メールメッセージの数を決定するために前記利用者の電子メール受信箱にアクセスする動作であって、未読電子メールメッセージの前記数が、前記利用者の電子メール受信箱で受け取られたが、前記タイムスタンプに記載された前記時刻以来別の電子メールクライアントを使用して見られていないまたは既読として印が付けられていない電子メールメッセージの数を含む、動作と、
プッシュ通知を前記利用者の登録されたモバイルデバイスのそれぞれに送る動作であって、前記プッシュ通知が、未読電子メールメッセージの前記数を提供する、動作と
を含む、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示すタイムスタンプがすでに存在することを決定する動作と、
前記受け取られた登録情報での前記タイムスタンプ上の前記時刻で既存のタイムスタンプを更新する動作と
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示すタイムスタンプがすでに存在することを決定する動作であって、既存のタイムスタンプが、前記利用者の電子メール受信箱にアクセスする前記利用者に属する第2の異なる登録されたモバイルデバイスに基づいて作成された、動作と、
前記利用者の電子メール受信箱が前記第2の異なるモバイルデバイスによって最後にアクセスされた時刻で前記既存のタイムスタンプを更新する動作と
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記モバイルデバイス利用者の電子メール受信箱は、個人情報管理アプリケーションを使用してアクセスされる、請求項3に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記既存のタイムスタンプは、前記利用者の個人情報管理アプリケーションが背景モードに移行する時刻で更新される、請求項4に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記登録データは、個人情報管理アプリケーションが前記モバイルデバイス上で最前面モードにもたらされるたびに前記モバイルデバイス利用者から受け取られる、請求項5に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記利用者の登録されたモバイルデバイスに送られた前記プッシュ通知は、通知バッジが表示される引き金となり、未読電子メールメッセージの数を示す、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記プッシュ通知を前記利用者の登録されたモバイルデバイスのそれぞれに送ることは、未読電子メールメッセージの数を第三者サービスに送ることを含み、前記第三者サービスは、未読電子メールメッセージの前記数を前記利用者のモバイルデバイスに送るように構成される、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記トークンIDは、前記モバイルデバイスの1つまたは複数の特性を示す、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記トークンIDは、前記モバイルデバイスのオペレーティングシステムによって提供される、請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
コンピュータシステムであって、
1つまたは複数のプロセッサと、
システムメモリと、
前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、前記コンピュータシステムに未読電子メールメッセージ総数を確立するための方法を行わせる、コンピュータ実行可能命令をその上に記憶した1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と
を備え、前記方法は、
タイムスタンプが、登録されたモバイルデバイス利用者について確立されたことを決定する動作であって、前記タイムスタンプが、前記利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示し、前記タイムスタンプが、それぞれの登録されたモバイルデバイスについてのトークンIDを含む登録情報を前記モバイルデバイス利用者から受け取ることで確立される、動作と、
前記利用者の電子メール受信箱で前記利用者への1つまたは複数の電子メールメッセージを受け取る動作と、
前記1つまたは複数の受け取られた電子メールメッセージが、非モバイル電子メールクライアントアプリケーションを使用して前記利用者によって読まれたことを決定する動作と、
前記利用者の電子メール受信箱で少なくとも1つのその後の電子メールメッセージを受け取る動作と、
前記利用者が少なくとも1つの未読電子メールメッセージを有することを前記利用者に通知するプッシュ通知を前記利用者のモバイルデバイスに送る動作であって、前記未読電子メールメッセージが、前記利用者の受信箱で受け取られたが、前記タイムスタンプに記載された前記時刻以来別の電子メールクライアントを使用して見られていないまたは既読として印が付けられていないそれらの電子メールメッセージを含む、動作とを含む、コンピュータシステム。
【請求項12】
登録情報は、前記モバイルデバイス利用者と関連する複数のモバイルデバイスについて受け取られ、各モバイルデバイスが、個別トークンIDを有する、請求項11に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記非モバイル電子メールクライアントアプリケーションは、個人情報管理アプリケーションを含む、請求項11に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記非モバイル電子メールクライアントアプリケーションは、ウェブブラウザ上で実行される、請求項11に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのその後の電子メールメッセージは、前記モバイルデバイス利用者が前記非モバイル電子メールクライアントアプリケーションを終了した後に前記利用者の電子メール受信箱で受け取られる、請求項11に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
前記1つまたは複数の受け取られた電子メールメッセージの少なくとも1つは、前記非モバイル電子メールクライアントアプリケーションを使用して読まれず、前記プッシュ通知は、前記未読の受け取られたメッセージを含むことなく、未読電子メールメッセージの数だけを示す、請求項11に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
コンピュータシステムであって、
1つまたは複数のプロセッサと、
システムメモリと、
前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、前記コンピュータシステムに複数のモバイルデバイスにわたって一貫性のある、未読電子メールメッセージ総数を維持するための方法を行わせる、コンピュータ実行可能命令をその上に記憶した1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体と
を備え、前記方法は、
モバイルデバイス利用者から、前記利用者と関連する少なくとも1つのモバイルデバイスについてのトークンIDおよび前記モバイルデバイス利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示すタイムスタンプを含む登録データを受け取る動作であって、前記登録データが、前記利用者を電子メールプッシュ通知に登録する、動作と、
新しい電子メールメッセージが前記利用者のための電子メール受信箱で前記利用者に到着したことを決定する動作と、
未読電子メールメッセージの数を決定するために前記利用者の電子メール受信箱にアクセスする動作であって、未読電子メールメッセージの前記数が、前記利用者の受信箱で受け取られたが、前記タイムスタンプに記載された前記時刻以来別の電子メールクライアントを使用して見られていないまたは既読として印が付けられていない電子メールメッセージの数を含む、動作と、
プッシュ通知を前記利用者の登録されたモバイルデバイスのそれぞれに送る動作であって、前記プッシュ通知が、未読電子メールメッセージの前記数を提供する、動作と、
前記未読電子メールメッセージの少なくとも1つが、第2の異なるモバイルデバイスを使用してその後にアクセスされることを決定する動作と、
前記利用者の電子メール受信箱が前記第2の異なるモバイルデバイスによって最後にアクセスされた時刻で前記タイムスタンプを更新する動作とを含む、コンピュータシステム。
【請求項18】
未読電子メールメッセージの前記数は、少なくとも第1のモバイルデバイスおよび前記第2の異なるモバイルデバイスにわたって一貫性がある、請求項17に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
前記タイムスタンプは、前記利用者と関連するモバイルデバイスによるその後のアクセスごとに更新される、請求項17に記載のコンピュータシステム。
【請求項20】
前記タイムスタンプは、前記モバイルデバイス利用者の受信箱が非モバイル電子メールクライアントアプリケーションを使用してアクセスされるときは更新されない、請求項17に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] コンピュータは、労働力、家庭、モバイルデバイス、およびその他多くの場所に高度に組み込まれるようになった。コンピュータは、大量の情報を迅速かつ効率的に処理することができる。コンピュータシステムで実行するように設計されたソフトウェアアプリケーションは、利用者がビジネスアプリケーション、学業、娯楽およびより多くのものを含む多種多様な機能を果たすことを可能にする。ソフトウェアアプリケーションはしばしば、文書を作成するためのワードプロセッサアプリケーション、または電子メールを送り、受け取り、整理するための電子メールプログラムなどの、特定のタスクを行うように設計される。
【0002】
[0002] 場合によっては、電子メールアプリケーションは、利用者が自分の電子メールをローカルまたはリモートにアクセスすることを可能にすることもある。例えば、利用者の電子メール、連絡先および予定表へのアクセスを提供する個人情報管理アプリケーションは、ローカルインストールおよびローカルアクセスのために設計されたバージョン、ならびに利用者がアプリケーションをブラウザー上でリモートにまたはモバイルデバイスから使用することを可能にするリモートバージョンを有することもある。それ故に、利用者は、自分の電子メールに自分のデスクトップまたはラップトップコンピュータシステム上でローカルにアクセスし、次いで後で自分の電子メールにブラウザーを通じてまたは電話などのモバイルデバイスを介してリモートにアクセスすることもある。新しい電子メール通知をアプリケーションのローカルバージョンおよびリモートバージョンにわたって一貫性のある状態に保つことは、やっかいな問題をもたらすこともある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003] 本明細書で述べられる実施形態は、未読電子メールメッセージの表示をモバイルデバイス利用者に提供すること、未読電子メールメッセージ総数を確立すること、および複数のモバイルデバイスにわたって一貫性のある、未読電子メールメッセージ総数を維持することを対象とする。一実施形態では、コンピュータシステムは、モバイルデバイス利用者から、利用者を電子メールプッシュ通知に登録する登録データを受け取る。登録データは、利用者と関連するモバイルデバイスについてのトークンIDおよびモバイルデバイス利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示すタイムスタンプを含む。コンピュータシステムは、新しい電子メールメッセージが利用者のための電子メール受信箱で利用者に到着したことを決定し、未読電子メールメッセージの数を決定するために利用者の電子メール受信箱にアクセスする。未読電子メールメッセージの数は、利用者の受信箱で受け取られたが、タイムスタンプに記載された時刻以来別の電子メールクライアントを使用して見られていないまたは既読として印が付けられていない電子メールメッセージの数を含む。コンピュータシステムはまた、プッシュ通知を利用者の登録されたモバイルデバイスのそれぞれに送ることもし、ただしプッシュ通知は、未読電子メールメッセージの数を提供する。
【0004】
[0004] 別の実施形態では、コンピュータシステムは、タイムスタンプが、登録されたモバイルデバイス利用者について確立されたことを決定する。タイムスタンプは、利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示し、それぞれの登録されたモバイルデバイスについてのトークンIDを含む登録情報をモバイルデバイス利用者から受け取ることで確立される。コンピュータシステムは、利用者の電子メール受信箱で利用者への電子メールメッセージを受け取り、受け取った電子メールメッセージが、非モバイル電子メールクライアントアプリケーションを使用して利用者によって読まれたことを決定する。コンピュータシステムは次いで、利用者の電子メール受信箱で少なくとも1つのその後の電子メールメッセージを受け取り、利用者が少なくとも1つの未読電子メールメッセージを有することを利用者に通知するプッシュ通知を利用者のモバイルデバイスに送る。未読電子メールメッセージは、利用者の受信箱で受け取られたが、タイムスタンプに記載された時刻以来別の電子メールクライアントを使用して見られていないまたは既読として印が付けられてないそれらの電子メールメッセージを含む。
【0005】
[0005] なお別の実施形態では、コンピュータシステムは、複数のモバイルデバイスにわたって一貫性のある、未読電子メールメッセージ総数を維持するための上記の方法に似た方法を行う。しかしながら、この実施形態では、コンピュータシステムは、未読電子メールメッセージの数を有するプッシュ通知を利用者の登録されたモバイルデバイスのそれぞれに送る。コンピュータシステムは次いで、未読電子メールメッセージの少なくとも1つが、第2の異なるモバイルデバイスを使用してその後にアクセスされることを決定し、利用者の電子メール受信箱が第2の異なるモバイルデバイスによって最後にアクセスされた時刻でタイムスタンプを更新する。
【0006】
[0006] この「概要」は、「詳細な説明」において以下でさらに述べられる概念の選択を簡略化した形で導入するために提供される。この「概要」は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を識別することを目的とせず、また特許請求される主題の範囲を決定するのに役立つとして使用されることも目的としていない。
【0007】
[0007] 追加の特徴および利点は、次に来る説明で明らかにされることになり、部分的にはその説明から当業者には明らかとなり、または本明細書での教示の実施によって習得されることもある。本明細書で述べられる実施形態の特徴および利点は、添付の請求項で詳しく指摘される機器および組合せを用いて実現され、得られることもある。本明細書で述べられる実施形態の特徴は、次の説明および添付の請求項からより完全に明らかになる。
【0008】
[0008] 本明細書で述べられる実施形態の上記の特徴および他の特徴をさらに明確にするために、より詳しい説明が、添付の図面を参照することによって与えられることになる。これらの図面は、本明細書で述べられる実施形態の例を描写するだけであり、したがってその範囲の限定と考えるべきでないと認識される。実施形態は、付随する図面の使用を通じてさらに具体的にかつ詳細に述べられ、説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]未読電子メールメッセージの表示をモバイルデバイス利用者に提供することを含む、本明細書で述べられる実施形態が動作することができるコンピュータアーキテクチャを例示する図である。
図2】[0010]未読電子メールメッセージの表示をモバイルデバイス利用者に提供するための方法例のフローチャートを例示する図である。
図3】[0011]未読電子メールメッセージ総数を確立するための方法例のフローチャートを例示する図である。
図4】[0012]複数のモバイルデバイスにわたって一貫性のある、未読電子メールメッセージ総数を維持するための方法例のフローチャートを例示する図である。
図5】[0013]未読メッセージ総数を有するプッシュ通知が1つまたは複数の登録されたモバイルデバイスに送られるコンピューティング環境を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0014] 本明細書で述べられる実施形態は、未読電子メールメッセージの表示をモバイルデバイス利用者に提供すること、未読電子メールメッセージ総数を確立すること、および複数のモバイルデバイスにわたって一貫性のある、未読電子メールメッセージ総数を維持することを対象とする。一実施形態では、コンピュータシステムは、モバイルデバイス利用者から、利用者を電子メールプッシュ通知に登録する登録データを受け取る。登録データは、利用者と関連するモバイルデバイスについてのトークンIDおよびモバイルデバイス利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示すタイムスタンプを含む。コンピュータシステムは、新しい電子メールメッセージが利用者のための電子メール受信箱で利用者に到着したことを決定し、未読電子メールメッセージの数を決定するために利用者の電子メール受信箱にアクセスする。未読電子メールメッセージの数は、利用者の受信箱で受け取られたが、タイムスタンプに記載された時刻以来別の電子メールクライアントを使用して見られていないまたは既読として印が付けられていない電子メールメッセージの数を含む。コンピュータシステムはまた、プッシュ通知を利用者の登録されたモバイルデバイスのそれぞれに送ることもし、ただしプッシュ通知は、未読電子メールメッセージの数を提供する。
【0011】
[0015] 別の実施形態では、コンピュータシステムは、タイムスタンプが、登録されたモバイルデバイス利用者について確立されたことを決定する。タイムスタンプは、利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示し、それぞれの登録されたモバイルデバイスについてのトークンIDを含む登録情報をモバイルデバイス利用者から受け取ることで確立される。コンピュータシステムは、利用者の電子メール受信箱で利用者への電子メールメッセージを受け取り、受け取った電子メールメッセージが非モバイル電子メールクライアントアプリケーションを使用して利用者によって読まれたことを決定する。コンピュータシステムは次いで、利用者の電子メール受信箱で少なくとも1つのその後の電子メールメッセージを受け取り、利用者が少なくとも1つの未読電子メールメッセージを有することを利用者に通知するプッシュ通知を利用者のモバイルデバイスに送る。未読電子メールメッセージは、利用者の受信箱で受け取られたが、タイムスタンプに記載された時刻以来別の電子メールクライアントを使用して見られていないまたは既読として印が付けられていないそれらの電子メールメッセージを含む。
【0012】
[0016] なお別の実施形態では、コンピュータシステムは、複数のモバイルデバイスにわたって一貫性のある、未読電子メールメッセージ総数を維持するための上記の方法に似た方法を行う。しかしながら、この実施形態では、コンピュータシステムは、未読電子メールメッセージの数を有するプッシュ通知を利用者の登録されたモバイルデバイスのそれぞれに送る。コンピュータシステムは次いで、未読電子メールメッセージの少なくとも1つが、第2の異なるモバイルデバイスを使用してその後にアクセスされることを決定し、利用者の電子メール受信箱が第2の異なるモバイルデバイスによって最後にアクセスされた時刻でタイムスタンプを更新する。
【0013】
[0017] 次の議論は今から、行われてもよいいくつかの方法および方法動作に言及する。方法動作は、ある順番で論じられるまたは特定の順番で起こるとしてフローチャートで例示されることもあるけれども、特定の順番は、具体的に述べられない限り必ずしも必要とされるとは限らず、または動作は、その動作が行われるより前に別の動作が完了することに依存するので、特定の順番は、必要とされないことに留意されたい。
【0014】
[0018] 本明細書で述べられる実施形態は、以下でより詳細に論じられるように、例えば1つまたは複数のプロセッサおよびシステムメモリなどの、コンピュータハードウェアを含む専用または汎用コンピュータを備えるまたは利用することができる。本明細書で述べられる実施形態はまた、コンピュータ実行可能命令および/またはデータ構造を運ぶまたは記憶するための物理的な他のコンピュータ可読媒体も含む。そのようなコンピュータ可読媒体は、汎用または専用コンピュータシステムによってアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。コンピュータ実行可能命令をデータの形で記憶するコンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体である。コンピュータ実行可能命令を運ぶコンピュータ可読媒体は、伝送媒体である。それ故に、例としてであって、限定でなく、本明細書で述べられる実施形態は、少なくとも2つの明確に異なる種類のコンピュータ可読媒体、すなわちコンピュータ記憶媒体および伝送媒体を備えることができる。
【0015】
[0019] コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、ソリッドステートドライブ(SSD)、それはRAM、フラッシュメモリ、相変化メモリ(PCM)、もしくは他の種類のメモリに基づく、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または所望のプログラムコード手段をコンピュータ実行可能命令、データもしくはデータ構造の形で記憶するために使用でき、汎用もくしは専用コンピュータによってアクセスできる任意の他の媒体を含む。
【0016】
[0020] 「ネットワーク」は、コンピュータシステムおよび/またはモジュールおよび/または他の電子デバイスの間での電子データの移送を可能にする1つまたは複数のデータリンクおよび/またはデータスイッチとして定義される。情報が、ネットワークを通じて(有線か、無線、または有線もしくは無線の組合せで)コンピュータに転送されるまたは提供されるとき、コンピュータは、接続を伝送媒体と適切に見なす。伝送媒体は、データまたは所望のプログラムコード手段をコンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形で運ぶために使用でき、汎用または専用コンピュータによってアクセスできるネットワークを含むことができる。上記の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0017】
[0021] さらに、様々なコンピュータシステムコンポーネントに達すると、コンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形のプログラムコード手段は、自動的に伝送媒体からコンピュータ記憶媒体に(逆もまた同様に)転送されてもよい。例えば、ネットワークまたはデータリンクを通じて受け取られたコンピュータ実行可能命令またはデータ構造は、ネットワークインターフェースモジュール(例えば、ネットワークインターフェースカードすなわち「NIC」)内のRAMにバッファリングされ、次いで最終的にコンピュータシステムRAMおよび/またはコンピュータシステムでのより揮発性の少ないコンピュータ記憶媒体に転送されてもよい。それ故に、コンピュータ記憶媒体は、伝送媒体もまた(または主としてさえ)利用するコンピュータシステムコンポーネントに含まれてもよいことを理解されたい。
【0018】
[0022] コンピュータ実行可能な(またはコンピュータ解釈可能な)命令は、例えば汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは専用処理デバイスにある機能または機能の群を行わせる命令を備える。コンピュータ実行可能命令は、例えばバイナリ、アセンブリ言語などの中間フォーマット命令、またはソースコードさえでもよい。主題は、構造的特徴および/または方法論的動作に特有の言語で述べられているけれども、添付の請求項で規定される主題は、必ずしも述べられる特徴または上で述べられた動作に限定されるとは限らないことを理解されたい。むしろ、述べられる特徴および動作は、請求項を実施する形の例として開示される。
【0019】
[0023] 当業者は、様々な実施形態が、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、メッセージプロセッサ、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサに基づくまたはプログラム可能な民生用電子機器、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、携帯電話、PDA、タブレット、ポケットベル、ルーター、スイッチ、および同様のものを含む、多くの種類のコンピュータシステム構成を有するネットワークコンピューティング環境で実施されてもよいことを認識するであろう。本明細書で述べられる実施形態はまた、ネットワークを通じてリンクされる(有線データリンク、無線データリンクによってか、または有線および無線データリンクの組合せによって)ローカルおよびリモートのコンピュータシステムがそれぞれタスク(例えば、クラウドコンピューティング、クラウドサービスおよび同様のもの)を行う、分散システム環境で実施されてもよい。分散システム環境では、プログラムモジュールは、ローカルおよびリモートの両方のメモリ記憶デバイスに置かれてもよい。
【0020】
[0024] この説明および次の請求項では、「クラウドコンピューティング」は、構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、サーバー、記憶装置、アプリケーション、およびサービス)の共有プールへのオンデマンドネットワークアクセスを可能にするためのモデルとして定義される。「クラウドコンピューティング」の定義は、適切に展開されるときにそのようなモデルから得ることができる他の多数の利点のいずれにも限定されない。
【0021】
[0025] 例えば、クラウドコンピューティングは現在、構成可能なコンピューティングリソースの共有プールへの遍在する簡便なオンデマンドアクセスを提供するために市場で用いられる。さらに、構成可能なコンピューティングリソースの共有プールは、仮想化を介して迅速に準備され、低い管理努力またはサービスプロバイダ相互作用でリリースされ、次いでそれに応じて拡大縮小されてもよい。
【0022】
[0026] クラウドコンピューティングモデルは、オンデマンドのセルフサービス、広域ネットワークアクセス、リソースプーリング、迅速な弾力性、計数サービス、その他などの様々な特性から構成することができる。クラウドコンピューティングモデルはまた、例えばサービス型ソフトウェア(「SaaS」)、サービス型プラットフォーム(「PaaS」)、およびサービス型インフラストラクチャ(「IaaS」)などの様々なサービスモデルの形でもたらされることもある。クラウドコンピューティングモデルはまた、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、その他などの異なる展開モデルを使用して展開されることもある。この説明および請求項では、「クラウドコンピューティング環境」は、クラウドコンピューティングが用いられる環境である。
【0023】
[0027] 加えてまたは別法として、本明細書で述べられる機能性は、1つまたは複数のハードウェア論理コンポーネントによって少なくとも部分的に行うことができる。例としてであって、限定なしで、使用できる例示的種類のハードウェア論理コンポーネントは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定プログラム向け集積回路(ASIC)、特定プログラム向け規格品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)および他の種類のプログラム可能なハードウェアを含む。
【0024】
[0028] さらになお、本明細書で述べられるシステムアーキテクチャは、全体としてシステムの機能性にそれぞれ寄与する複数の独立したコンポーネントを含むことができる。このモジュール方式は、プラットフォーム拡張可能性の問題に取り組むときに柔軟性の増加を可能にし、この目的を達成するために、いろいろな利点を提供する。システムの複雑さおよび成長は、限られた機能的範囲を有するより小型の部品の使用を通じてより容易に管理することができる。プラットフォームの耐故障性は、これらの疎結合モジュールの使用を通じて強化される。個々のコンポーネントは、ビジネスニーズが指示するように徐々に成長できる。モジュール開発はまた、新しい機能性の商品化までの時間の減少にもつながる。新しい機能性は、コアシステムに影響を及ぼすことなく加えまたは取り去ることができる。
【0025】
[0029] 図1は、少なくとも1つの実施形態が用いられてもよいコンピュータアーキテクチャ100を例示する。コンピュータアーキテクチャ100は、モバイルコンピュータシステム101を含む。モバイルコンピュータシステム101は、クラウドコンピューティングシステムを含む、任意の種類のローカルまたは分散コンピュータシステムであってもよい。コンピュータシステムは、いろいろな異なる機能を果たすための様々なモジュールを含む。例えば、モバイルコンピューティングシステム101は、他のコンピュータシステム(例えば、サーバーコンピューティングシステム111)と通信するための通信モジュール102を含む。通信モジュール102は、利用者105の要求で、登録データ108をサーバー111に送ってもよい。登録データは、利用者105または利用者のモバイルデバイス101をサーバーからのプッシュ通知に登録してもよい。登録データ108は、モバイルデバイス101を識別するトークンID109およびモバイルデバイス利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示すタイムスタンプ110を含む。利用者の電子メール受信箱113は、連絡先114および予定表情報115を含む、利用者データ112の多くの異なる部分の1つであってもよい。トークンID109は、モバイルデバイスを識別するまたはモバイルデバイスの特性に基づいて生成されてもよく、モバイルデバイスのオペレーティングシステムによって生成されかつ/または提供されてもよい。
【0026】
[0030] サーバーコンピューティングシステム111の監視モジュール117は、電子メールメッセージが受け取られるときに電子メールメッセージのための利用者の電子メール受信箱を監視するように構成されてもよい。(サーバーコンピューティングシステム111は、クラウドコンピューティングシステムを含む、任意の種類のローカルまたは分散コンピューティングシステムであってもよいことに留意されたい)。もし監視モジュール117が、新しい電子メールメッセージが受け取られたことを決定するならば、データアクセスモジュール118は、利用者の受信箱113にアクセスするために使用されてもよい。次いで、アクセスされたデータに基づいて、未読総数決定モジュール119は、現在の未読メッセージ総数121を決定し、その未読メッセージ総数をモバイルコンピューティングデバイス101にプッシュ通知120を介して送ってもよい。未読メッセージ総数は本明細書では、利用者の受信箱113で受け取られたが、タイムスタンプ110に記載された時刻以来別の電子メールクライアント(例えば、個人情報管理プログラム107)を使用して見られていないまたは既読として印が付けられていない電子メールメッセージの数として定義される。この概念は、以下でさらに説明されることになる。
【0027】
[0031] 多くのモバイルデバイス上には、電子メールアプリケーション103などのアプリケーションが、様々な動作状態で存在することもあることに留意されたい。例えば、もしアプリケーションが、最前面にあるならば、利用者105は、現在そのアプリケーションを使用している。モバイルデバイスオペレーティングシステムは典型的には、アプリケーションへの通知を扱わない。通知は、アプリケーションに直接渡される。典型的なアプリケーションライフサイクルでは、少しの割り当てだけが、この状態で費やされる。もしアプリケーションが、背景にあるならば、利用者105は、最近そのアプリケーションを使用したことがあり、アプリケーションは、背景で実行し続けるために指定された量の時間を有する。最前面状態と同様に、モバイルデバイスオペレーティングシステムは典型的には、背景状態でのアプリケーションへの通知を扱う。同様に、アプリケーションのライフサイクルの少しの部分だけが、この状態で費やされる。
【0028】
[0032] もしアプリケーションが、中断状態にあるならば、アプリケーションは、実行が中断されてメモリにある。モバイルデバイスオペレーティングシステムは典型的には、この状態でのアプリケーションへの通知を扱う。上記の状態と対照的に、アプリケーションのライフサイクルの大部分は、この状態および/または強制終了された状態で費やされる。強制終了された状態では、アプリケーションは、メモリになく、実行されていない。モバイルデバイスオペレーティングシステムは、アプリケーションへの通知を扱う。
【0029】
[0033] そのため、利用者は、電子メールアプリケーション103が現在どの状態にあるかにかかわらず、利用者の電子メール受信箱の状態を知りたいと思うこともある。本明細書で述べられる実施形態では、利用者は、アプリケーションが最前面にない間に利用者が新しい電子メールを受け取ったという通知を提供される。新しいメール通知は、未読電子メールの数を利用者に表示する。上で定義されたように、未読電子メール総数は、未読の電子メールの数と異なる。未読電子メール総数は、利用者がすべての自分の電子メールクライアント(モバイルコンピューティングデバイス101および非モバイルコンピューティングデバイス106上のそれらを含む)にわたって自分の受信箱を最後に開いて以来受信箱で受け取られた電子メールの数として定義される。
【0030】
[0034] 新しい電子メールが、利用者の受信箱に受け取られ、電子メールアプリケーションのその事例についての新しい電子メール総数が、最大の未読メッセージ総数以下であるとき、数値識別子が、未読メッセージ総数121と一緒にモバイルコンピューティングデバイス101にプッシュされてもよい。最大の未読総数は、ある数に事前に設定されてもよく、それは、電子メール管理者によって構成可能であってもよくまたはなくてもよい。未読メッセージ総数は、一回に一単位で(電子メールを読むことに基づいてなど)減らされず、むしろ電子メールアプリケーションが最前面にもたらされるときにゼロの未読電子メールにリセットされる。電子メールアプリケーションが、最前面にもたらされるとき、少なくとも場合によっては、コマンドが、サーバー上の未読総数をリセットするためにサーバーに送られ、それは次に、利用者のメールボックスに対する変更を通知されるように登録されたすべての他のクライアントに伝搬するものとする。他の場合には、電子メールアプリケーションが、最前面にもたらされるとき、電子メールアプリケーションは、電子メール通知を受け取らないことになる。タイムスタンプの変更(またはリセット)は、次に電子メールアプリケーションが背景に送られるときに起こることもある。これらの概念は、図2図3および図4の方法200、300および400に関してそれぞれ以下でさらに説明されることになる。
【0031】
[0035] 上で述べられたシステムおよびアーキテクチャを考慮すると、開示される主題にしたがって実施されてもよい方法論は、図2図3および図4のフローチャートを参照してより良く認識されることになる。説明の簡潔さのために、方法論は、一連のブロックとして図示され、述べられる。しかしながら、いくつかのブロックは、本明細書で描写され、述べられるものとは異なる順番でかつ/または他のブロックと同時に起こってもよいので、特許請求される主題は、ブロックの順番によって限定されないことを理解し、認識されたい。その上、すべての例示されるブロックが、以下で述べられる方法論を実施するのに必要とされるとは限らないこともある。
【0032】
[0036] 図2は、未読電子メールメッセージの表示をモバイルデバイス利用者に提供するための方法200のフローチャートを例示する。方法200は今から、図1の環境100および図5の環境500のコンポーネントおよびデータを頻繁に参照して述べられることになる。
【0033】
[0037] 方法200は、モバイルデバイス利用者から、利用者と関連する少なくとも1つのモバイルデバイスについてのトークンIDおよびモバイルデバイス利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示すタイムスタンプを含む登録データを受け取る動作であって、登録データは、利用者を電子メールプッシュ通知に登録する、動作(動作210)を含む。方法200はまた、新しい電子メールメッセージが利用者のための電子メール受信箱で利用者に到着したことを決定する動作(動作220)も含む。さらになお、方法200は、未読電子メールメッセージの数を決定するために利用者の電子メール受信箱にアクセスする動作であって、未読電子メールメッセージの数は、利用者の受信箱で受け取られたが、タイムスタンプに記載された時刻以来別の電子メールクライアントを使用して見られていないまたは既読として印が付けられていない電子メールメッセージの数を含む、動作(動作230)、およびプッシュ通知を利用者の登録されたモバイルデバイスのそれぞれに送る動作であって、プッシュ通知は、未読電子メールメッセージの数を提供する、動作(動作240)を含む。
【0034】
[0038] モバイルデバイス利用者の電子メール受信箱は、個人情報管理アプリケーションを使用してアクセスされてもよい。個人情報管理アプリケーション107は、モバイルコンピュータシステム101上でまたは非モバイルコンピュータシステム106上で実行されてもよい。場合によっては、サーバーコンピュータシステム111は、利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示すタイムスタンプがすでに存在することを決定してもよい(例えば、既存のタイムスタンプ116)。もしタイムスタンプが、すでに存在するならば、サーバーコンピュータシステムは、受け取った登録情報でのタイムスタンプ上の時刻で既存のタイムスタンプを更新してもよい(例えば、タイムスタンプ110)。それ故に、もしモバイルデバイス利用者105が、自分のモバイルデバイス101を使用して自分の電子メール受信箱113にアクセスしているならば、モバイルデバイスによって送られた登録データ108は、既存のタイムスタンプ116を更新するために使用されるタイムスタンプ情報110を含むことになる。
【0035】
[0039] さらになお、場合によっては、サーバー111は、利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示す既存のタイムスタンプが、利用者の電子メール受信箱にアクセスしている利用者に属する第2の異なる登録されたモバイルデバイスに基づいて更新されるべきであることを決定してもよい。それ故に、例えば、図5で示されるように、利用者105は、いろいろな異なるモバイルデバイス(第1のモバイルデバイス101A、第2のモバイルデバイス101Bおよび第3のモバイルデバイス101Cを含む)のいずれかを使用して自分の受信箱113にログインしてもよい。モバイルデバイスは、携帯電話、タブレット、ラップトップまたは他のモバイルコンピューティングデバイスに対応することもある。サーバーからの電子メールメッセージに登録しかつ/またはそれを要求するとき、モバイルデバイスの要求は、サーバーの既存のタイムスタンプ116を更新するために使用できるタイムスタンプ110を含む。要求を受け取った後、サーバーは、利用者の電子メール受信箱が第2の、第3の、または他のモバイルデバイスによって最後にアクセスされた時刻で既存のタイムスタンプを更新してもよい。
【0036】
[0040] 既存のタイムスタンプは、例えば利用者の個人情報管理アプリケーションが背景モードに移行するときに更新されてもよい。例えば、もし利用者105が、電子メールアプリケーション103(例えば、個人情報管理アプリケーション)を自分のモバイルデバイス上で使用しており、そのアプリケーションが、背景モードに入るならば(アプリケーションが、終了されたかまたはモバイルデバイスが、電源を切られたので)、タイムスタンプは、サーバー上で作成されまたは更新されてもよい。同様に、登録データは、電子メールアプリケーションがモバイルデバイス上で最前面モードにもたらされるたびにモバイルデバイスによって送られ、サーバーで受け取られてもよい。
【0037】
[0041] 場合によっては、利用者の登録されたモバイルデバイスに送られたプッシュ通知120は、通知バッジが表示される引き金となり、未読電子メールメッセージの数を示す。それ故に、利用者は、自分のアプリケーションアイコン、タイルまたは他の視覚表現を一瞥し、利用者が未読メッセージを有することを決定することができる。未読メッセージの数は、利用者の登録されたモバイルデバイス(例えば、101A〜101C)のそれぞれに一貫して表示され、プッシュされる(通知120を介して)。いくつかの実施形態では、プッシュ通知を利用者の登録されたモバイルデバイスのそれぞれに送ることは、未読電子メールメッセージの数を第三者サービスに送ることを含む。第三者サービスは、未読電子メールメッセージの数を利用者のモバイルデバイスに送るように設計されまたは構成されてもよい。それ故に、第三者サービスは、プッシュ通知を利用者の登録されたモバイルデバイスのそれぞれに転送することができる。プッシュ通知は、上記の実施形態と併せて述べられたが、他の移送手段(例えば、ハングアップしているまたは保留中のゲットチャンネル)が、プッシュ通知の代替案としてまたはそれに加えて使用されてもよいことにもまた留意されたい。
【0038】
[0042] 図3は、未読電子メールメッセージ総数を確立するための方法300のフローチャートを例示する。方法300は今から、図1の環境100および図5の環境500のコンポーネントおよびデータを頻繁に参照して述べられることになる。
【0039】
[0043] 方法300は、タイムスタンプが、登録されたモバイルデバイス利用者について確立されたことを決定する動作であって、タイムスタンプは、利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示し、タイムスタンプは、それぞれの登録されたモバイルデバイスについてのトークンIDを含む登録情報をモバイルデバイスから受け取ることで確立される、動作(動作310)を含む。方法300はまた、利用者の電子メール受信箱で利用者への1つまたは複数の電子メールメッセージを受け取る動作(動作320)、1つまたは複数の受け取った電子メールメッセージが非モバイル電子メールクライアントアプリケーションを使用して利用者によって読まれたことを決定する動作(動作330)、および利用者の電子メール受信箱で少なくとも1つのその後の電子メールメッセージを受け取る動作(動作340)も含む。さらになお、方法300は、利用者が少なくとも1つの未読電子メールメッセージを有することを利用者に通知するプッシュ通知を利用者のモバイルデバイスに送る動作であって、未読電子メールメッセージは、利用者の受信箱で受け取られたが、タイムスタンプに記載された時刻以来別の電子メールクライアントを使用して見られていないまたは既読として印が付けられていないそれらの電子メールメッセージを含む、動作(動作350)を含む。
【0040】
[0044] このようにして、利用者は、未読電子メールメッセージを通知される。上で述べられたように、未読電子メールメッセージの数は、単に読まれていないまたは見られていないメッセージの表示ではなく、むしろ、未読電子メールメッセージは、利用者の受信箱で受け取られるが、タイムスタンプに示される特定の時刻以来異なる電子メールクライアントを使用して見られていないまたは既読として印が付けられていないそれらのメッセージである。
【0041】
[0045] 例えば、少なくとも1つのその後の電子メールメッセージは、モバイルデバイス利用者が非モバイル電子メールクライアントアプリケーションを終了した後に利用者の電子メール受信箱で受け取られると、上記の方法300で想定する。さらに、利用者は、非モバイル電子メールクライアントアプリケーションを使用して読まれなかった少なくとも1つの電子メールメッセージを有すると仮定する。従来のシステムでは、利用者のモバイルデバイス101上の利用者の電子メールアプリケーション103は、少なくとも2つの未読電子メールを示すことになる。本明細書で述べられる実施形態では、しかしながら、プッシュ通知は、未読電子メールメッセージの数だけを示す。そのため、プッシュ通知120は、利用者が非モバイル電子メールクライアントアプリケーションからログアウトしたまたはさもなければそれを終了した後に見られるメッセージを、これらだけが未読メッセージであるので、含むだけとなる。他の未読メッセージは、利用者によって見られたが、しかし読まれていない。それ故に、未読メッセージ総数121は、未読メッセージの総数だけを含むことになり、利用者の受信箱で見られたが、しかし未読の電子メールメッセージを含まないことになる。
【0042】
[0046] 未読メッセージ総数121は、利用者の登録されたデバイスのそれぞれにプッシュされる。それに応じて、上記の例では、図5での利用者の登録されたデバイスのそれぞれは、1つの未読メッセージ総数を示すことになる。もし利用者が、利用者のモバイルデバイスの1つで未読メッセージにアクセスするならば、未読総数バッジは、他のデバイスから除去されてもよい。もし利用者が、自分のモバイルデバイスで電子メールアプリケーション103にいる間に別の電子メールを受け取るならば、このメッセージは、「見られた」メッセージとして識別されることになり、他のデバイスへのプッシュ通知を生成しないことになる。
【0043】
[0047] 図4は、複数のモバイルデバイスにわたって一貫性のある、未読電子メールメッセージ総数を維持するための方法400のフローチャートを例示する。方法400は今から、環境100のコンポーネントおよびデータを頻繁に参照して述べられることになる。
【0044】
[0048] 方法400は、モバイルデバイス利用者から、利用者と関連する少なくとも1つのモバイルデバイスについてのトークンIDおよびモバイルデバイス利用者の電子メール受信箱が最後にアクセスされた時刻を示すタイムスタンプを含む登録データを受け取る動作であって、登録データは、利用者を電子メールプッシュ通知に登録する、動作(動作410)を含む。方法400はまた、新しい電子メールメッセージが利用者のための電子メール受信箱で利用者に到着したことを決定する動作(動作420)、および未読電子メールメッセージの数を決定するために利用者の電子メール受信箱にアクセスする動作であって、未読電子メールメッセージの数は、利用者の受信箱で受け取られたが、タイムスタンプに記載された時刻以来別の電子メールクライアントを使用して見られていないまたは既読として印が付けられていない電子メールメッセージの数を含む、動作(動作430)も含む。
【0045】
[0049] さらに、方法400は、プッシュ通知を利用者の登録されたモバイルデバイスのそれぞれに送る動作であって、プッシュ通知は、未読電子メールメッセージの数を提供する、動作(動作440)、未読電子メールメッセージの少なくとも1つが、第2の異なるモバイルデバイスを使用してその後にアクセスされることを決定する動作(動作450)、および利用者の電子メール受信箱が第2の異なるモバイルデバイスによって最後にアクセスされた時刻でタイムスタンプを更新する動作(動作460)を含む。それ故に、未読電子メールメッセージの数は、利用者のモバイルデバイスのすべてにわたって一貫性がある。利用者が、未読メッセージにアクセスするときはいつでも、タイムスタンプ116は、サーバー111上で更新される。ここで、タイムスタンプは、利用者と関連するモバイルデバイスによるその後の受信箱アクセスごとに更新され、タイムスタンプは、利用者の受信箱が非モバイル電子メールクライアントアプリケーションを使用してアクセスされるときは更新されないことに留意されたい。
【0046】
[0050] それに応じて、未読電子メールメッセージの表示をモバイルデバイス利用者に提供する方法、システムおよびコンピュータプログラム製品が、提供される。その上、未読電子メールメッセージ総数を確立し、複数のモバイルデバイスにわたって一貫性のある、未読電子メールメッセージ総数を維持する方法、システムおよびコンピュータ製品が、提供される。
【0047】
[0051] 本明細書で述べられる概念および特徴は、それらの趣旨または記述的特性から逸脱することなく他の特定の形で具体化されてもよい。述べられる実施形態は、すべての点で例示的としてだけであって、限定的でないと考えるべきである。本開示の範囲は、したがって、前述の説明よりもむしろ添付の請求項によって示される。請求項の均等の意味および範囲内に入るすべての変形は、それらの範囲内に包含されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5