(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御システムが、前記外科的作業空間中でカメラの基準系において前記1つまたは複数の電気機械アームおよびツールアセンブリを制御し、それにより、前記外科医に前記外科的作業空間の没入型ビューを提供するように構成された、請求項1に記載の外科システム。
前記制御システムが、患者の体の外部の基準系において前記1つまたは複数の電気機械アームおよびツールアセンブリを制御するように構成された、請求項1に記載の外科システム。
前記制御システムが、前記カメラの前記基準系と患者の体の外部の基準系との間で動的に切り替わりながら、前記1つまたは複数の電気機械アームおよびツールアセンブリを制御するように構成された、請求項2に記載の外科システム。
前記制御システムは、前記1つまたは複数の電気機械アームおよびツールアセンブリ間で前記外科医によって保持される1つまたは複数のポータブルハンドヘルドコントローラのマッピングを切り替え、それにより、前記外科医が自分自身を前記患者に対して異なる視点に再配置することが可能になるように構成された、請求項1に記載の外科システム。
【発明を実施するための形態】
【0050】
「超精巧」という用語は、「超」と「精巧」の通常の意味の組合せである;超は優越または上方を意味し、精巧は手または体の使用における熟練または器用さを意味する。本明細書で使用する超精巧外科システムは、以下でさらに説明するように、相互作用連続体に沿った外科医と患者との間の相互作用を可能にし、実施され得る外科的手技に関して高められた多用性を提供する。超精巧外科システムは、患者と相互作用する外科医の能力を向上させ、より自然で、より相互作用的で、より多用性のある外科システムを生成するために組み合わされるいくつかの特徴を含む。超精巧外科システムの多用性は本システムの様々な態様によって示されており、例えば、それのモジュラリティは、1つまたは複数の超精巧外科アームを使用することと、および用手外科ツールのみを利用するために超精巧外科アームをじゃまにならない所に移動することと、外科的手技中に外科医が外科的領域中で移動可能になることを本システムが可能にすることと、特定の外科的タスクのために最適な位置への患者の複数のベッドサイドロケーション間で動かすことを可能にしながら、外科医が超精巧外科ツールと用手ツールを同時に操作することを本システムが可能にすることとを可能にする。この特徴と、以下で説明する他の特徴とにより、超精巧外科システムは、市場にある純粋に「ロボット的な」外科システムよりも多くの多用性を有する。
【0051】
超精巧外科システムの性質は、いくつかの方法の中でも、作動されたときに超精巧外科ツールがどのように移動することになるかを自然に理解するように、外科医が患者に対するそのツールの配置を容易に理解することを可能にする様々な情報を外科医に(例えば、ディスプレイを介して)提供することによって示される。超精巧外科システムの相互作用的性質は、特に、ユーザ入力デバイスを用いて複数の超精巧外科ツールを選択的に制御する外科医の能力によって、ならびに、外科的手技中に異なる基準系の間で(例えば、患者の体内の没入型基準系と患者の体外の基準系との間で)移動し、それにより、手技中に外科医が外科医自身を再配置することが可能になり、その間中、外科医に対するツールの位置および配向に気づいたままでいる能力によって示される。
【0052】
序論
本明細書で説明する超精巧外科システムは、特に、外科医が患者のベッドサイドにいながら用手ツールと超精巧外科ツールを同時に使用することを可能にするという点で、既存の市場にあるロボット外科システムとは基本的に異なる概念フレームワークを提供する。患者のベッドサイドに、すなわち、手術テーブルのそばにいるこの能力は、外科チームとの連絡の改善から;患者の直接モニタリングまで;(例えば、用手ツールと超精巧外科ツールとの間の)ツール交換を可能にすることまで:いくつかの利点を提供する。その上、以下で説明する超精巧外科システムは、外科医が、外科医によって所望されるかまたは外科的タスクによって必要とされるように、超精巧外科ツールのみを使用することと、用手ツールと超精巧外科ツールの組合せを同時に使用することと、用手ツールのみを使用することとの間で、相互作用連続体に沿って外科的手技をシームレスに実施することを有利に可能にする、フレキシブルで、より自然で、より相互作用的なシステムを一緒に提供するいくつかのサブシステムを含む。
【0053】
超精巧外科システムの有利な一態様は、市場にあるシステムのサイズよりも小さくてコンパクトであり、アームが患者に対して、カート、またはドリー、または手術室の壁もしくは天井に取り付けられるのか、あるいは患者のベッドに直接取り付けられるのかにかかわらず、どのように取り付けられるかのフレキシビリティの増加を可能にする、超精巧外科アームのサイズである。超精巧外科アームのより小さいサイズはまた、超精巧外科システムがモジュラー式であることを可能にし、ここで、使用される超精巧外科アームの数は、外科的必要に応じて外科医によって所望されるように変化することができる。超精巧外科アームの小さいサイズはさらに、患者の上方の自由空間の増加を実現し、それにより、外科医がベッドサイドロケーションから作業する能力が可能になる。実際、上述したように、超精巧外科システムの一発明態様は、外科医が相互作用連続体に沿って操作することを可能にすることであり、1つのシナリオでは、外科医は、超精巧外科アームをじゃまにならない所に移動し、用手ツールのみを使用することができる。自由空間を最大にするこの能力(例えば、超精巧外科アームをじゃまにならない所に移動する、アームの小さいサイズ)は、以下でより詳細に説明するように、有利には、冗長ロールを含む3つの自由度を超精巧外科アームに提供することによって向上される。さらに、超精巧外科アームの冗長ロールは、有利には、超精巧外科ツールのデッドゾーンが患者の体外に位置することを保証するように配置され、それにより、体の中の作業空間内の超精巧外科ツールのアクセスの増加が可能になる。
【0054】
さらに、超精巧外科ツールのための回転および並進機構は、有利には、以下で説明するように、超精巧外科アームの小さいサイズを可能にする。実際、回転/並進システムは、市場にあるシステムのための回転および並進を与える機構よりも直径が小さく、軽く、コンパクトであり、それにより、回転/並進機構を支持する超精巧外科アームがより小さくなることが可能になる。
【0055】
超精巧外科システムの別の有利で相互に関係する態様は、それが外科医に提供する、自由に動き回り、患者の近くの最適な位置に外科医自身を配置するための能力である。この能力は、超精巧外科アームと超精巧外科ツールとの操作を制御する制御システムに外科医の手の移動を通信する1つまたは複数のハンドヘルドポータブル入力デバイスで外科医が超精巧外科アームを制御することを可能にすることを含む、いくつかの方法で超精巧外科システムによって提供される。一実施形態では、ハンドヘルドポータブル入力デバイスはワイヤレスである。超精巧外科システムは、有利には、ハンドヘルドポータブル入力デバイスのトラッキング、ならびに外科医の移動に起因する超精巧外科アームまたは超精巧外科ツールの意図しない動きを防ぐための特徴(例えば、クラッチ)を提供する。
【0056】
超精巧外科システムのさらに別の有利で相互に関係する部分は、超精巧外科ツールおよび超精巧外科アームに外科医のコマンドを(例えば、ユーザ入力デバイスを介して)通信し、外科医がどのように超精巧外科ツールおよび超精巧外科アームと相互作用するかを促進する、制御システムである。本システムの別の有利で相互に関係する部分は、様々な基準系(例えば、没入型、患者の体外の鳥瞰図)から患者の体内で超精巧外科ツールを操作する際に外科医を助ける、可視化システムである。制御システムおよび可視化システムは、外科医が超精巧外科ツールと用手ツールとの配置を自然に認識することを可能にする様々な情報(例えば、視覚的手がかり)を提供することによって、外科的手技を実施する際の外科医の能力を向上させるために協働し得る。
【0057】
超精巧外科システムの構成要素またはサブシステムの各々は、市場にあるシステム中の対応する構成要素に勝る利点を有する。さらに、まとまると、これらの構成要素およびサブシステムは、より自然で、より相互作用的で、よりフレキシブルな様式で患者と相互作用する外科医の能力を向上させるまったく異なるパラダイムを外科的手技に提供する超精巧外科システムを提供する。次に、超精巧外科システムについてより詳細に説明する。
【0058】
図1Aに、超精巧外科システムの相互作用連続体を示す。連続体の右端は、外科医の体と患者の体との間の身体的相互作用を示す。連続体の極右端は、手で組織を動かしている外科医を含む。メスなどの用手ツールの使用は、手で組織を動かすことよりもあまり身体的に相互作用的でない。メスなどの腹腔鏡ツールの使用は、手で組織を動かすことよりもあまり身体的に相互作用的でない。連続体の左端は、エンドエフェクタを制御するための超精巧外科アームの使用を示す。連続体に沿って、操作者は、用手ツールおよび/または超精巧ツールを様々な組合せで使用することができる。超精巧外科システムは、外科医などの操作者1が、連続体に沿ってどこでも作業することを可能にする。
【0059】
連続体の右端において、外科医は、身体的に組織を操作するために患者に極めて近接している。外科医は、手術部位における組織に直接接触し、感じることが可能である。連続体の左端において、外科医は、現実のツールのための代用として働くユーザ入力デバイスを操作することによって、遠隔で患者と相互作用する。外科医は、ユーザ入力デバイスを操作することによってグラスパなどのエンドエフェクタを操作する。多くのシナリオは相互作用連続体に沿って生じる。
【0060】
本明細書の実施形態は、操作者によって使用され得る超精巧外科システムの使用について説明する。操作者は、超精巧外科システムを操作している外科医、医療アシスタント、スタッフ、検査医、または任意の他の人であり得る。操作者は、手術を実施する資格を与えられた医療専門家に限定されず、超精巧外科システムを操作するようにトレーニングされるどんな操作者をも含む。
【0061】
図1Bに、
図1Aの相互作用連続体をより詳細に繰り返す。
図1Bは、
図2に示された超精巧外科システム100などの超精巧外科システムを使用する様々な方法を示している。
図1Bの右側では、操作者1が、用手ツール350を用いて外科的ステップを実施し得る。このシナリオでは、超精巧外科システム100の超精巧外科アーム200は作業空間から離れて移動され得る。操作者1は、手術の画像を提供するディスプレイ702を参照し得る。
図1Bの左側では、操作者1は、超精巧外科アーム200を制御するために入力デバイス500と相互作用する。操作者1は、手術の画像を提供するディスプレイ600を参照し得る。
【0062】
この連続体の中央では、異なるシナリオが生じ得る。1つのシナリオは
図1Bにおいてシナリオ1として示されている。このシナリオでは、操作者1は、(例えば、同じ時間において、同じ作業空間において)1つまたは複数の超精巧外科ツール300と1つまたは複数の用手ツール350を同時に使用し得る。外科医は、入力デバイス500のうちの1つまたは複数を用いて超精巧外科ツール300のうちの1つまたは複数を操作することができる。操作者1は、手術の画像を提供するディスプレイ702を参照し得る。別のシナリオは
図1Bにおいてシナリオ2として示されている。このシナリオでは、操作者1は、手で超精巧外科アーム200を操作し得る。このシナリオは、例えば、超精巧外科アーム200の大スケールの動きを実行するときに生じ得る。
図1Bはただ1つの超精巧外科アーム200を示しているが、超精巧外科システム100は、
図2に示されているように、複数の超精巧外科アーム200を有することができる。
【0063】
図示されていない別のシナリオでは、操作者1は、超精巧外科アーム200によって支持される(
図2に示された)トロカール302中に用手ツール350を挿入することができる。その中に用手ツール350が挿入されたトロカール302は、手によって操作され得る。この第3のシナリオは、用手ツール350を手のみで動かすことが困難であり得るときに有用であり得る。そのような状況に遭遇し得るいくつかの例は、患者が肥満であるとき、または患者中への進入の角度が厄介な場合であり得る。そのような状況では、トロカール302を保持している超精巧外科アーム200は、用手ツール350を配置するための動力支援として働き得る。言い換えれば、トロカール302を保持している超精巧外科アーム200は、患者の体によって用手ツール350に加えられる力に対抗し得、用手ツール350の操縦性を向上させることができる。超精巧外科システム100の多用性は、有利には、すべてのそのような組合せを可能にする。
【0064】
図3A〜
図3Cに、操作者1が外科的手技において使用されるべきツールのタイプを選択するシナリオを示す。
図3Bはシナリオ1と同様であり、
図3Cは、
図1Bに示された連続体の左側と同様である。これらの図は、患者2への外科的手技中における超精巧外科システム100の使用の3次元図を示している。
【0065】
図3Aにおいて、超精巧外科システム100は、超精巧外科ツール300にそれぞれ結合された2つの超精巧外科アーム200を含む。操作者1は、操作者1の右手中に保持された入力デバイス500で超精巧外科アーム200を制御する。操作者1は、操作者1の左手中に保持された入力デバイス500で別の超精巧外科アーム200を制御する。入力デバイス500は、操作者1の移動に応答して、超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300を移動する。超精巧外科システム100はディスプレイ600を含む。ディスプレイ600は、操作者1が、超精巧外科システム100に適用されるべき制約を確立することを可能にし得る。例えば、ディスプレイ600は、操作者1が、入力デバイス500と制御対象(例えば、超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300)との間の関連付け(例えば、ペアリング)を確立することを可能にし得る。ディスプレイ600は手術の画像を提供し得る。
【0066】
図3Bにおいて、超精巧外科システム100は、超精巧外科ツール300に結合された超精巧外科アーム200を含む。操作者1は、操作者1の右手中に保持された入力デバイス500で超精巧外科アーム200を制御する。入力デバイス500は、操作者の1移動に応答して、超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300を移動する。操作者1は、操作者1の左手で用手ツール350を制御する。
図3Bに示されており、本明細書で説明するように、超精巧外科システム100は、有利には、操作者1(例えば、外科医)が、超精巧外科ツール300と用手ツール350を同時に制御することを可能にする。
【0067】
図3Cにおいて、超精巧外科システム100は、超精巧外科ツール300にそれぞれ結合された2つの超精巧外科アーム200を含む。操作者1は、1つまたは複数の入力デバイス500で超精巧外科アーム200を制御することができる。入力デバイス500は、
図3Aに示された入力デバイスであり得る。入力デバイス500は、
図3Cに示されているようにコントローラであり得る。1つまたは複数の入力デバイス500は、ディスプレイ600の近くに取り付けられるかまたはさもなければ固定され得る。別の実施形態では、1つまたは複数の入力デバイス500は、
図3Aに示されたものなどのハンドヘルドポータブル入力デバイスであり得、操作者1は、スタンドに立ってまたは座っていてハンドヘルドポータブル入力デバイスを操作しながら、その人の腕をスタンドの支持バーまたはレストバー上に支持することができる。
図3Aに示された入力デバイス500のように、
図3Cに示された1つまたは複数の入力デバイス500は、操作者1の移動に応答して、超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300を移動する。
【0068】
システムの概観
超精巧外科システム100は、より自然で、より相互作用的で、より多用性のある外科システムを提供することによって、患者と相互作用する外科医の能力を向上させることなど、本明細書で説明する利益を達成するために協働し得る多くの構成要素を含むことができる。超精巧外科システム100は、1つまたは複数の超精巧外科アーム200を含むことができ、各超精巧外科アーム200は超精巧外科ツール300を操作することができる。超精巧外科システム100は、1つまたは複数の超精巧外科ツール300と用手ツール350との操作を制御する際に外科医を助ける視覚的手がかりを操作者に提供する制御システムおよびディスプレイ600、702を含む。外科医などの操作者は、場合によっては、操作領域中の様々なロケーションにおいて超精巧外科ツール300と用手ツール350を同時に操作することができる。
【0069】
図2に、超精巧外科システム100の一実施形態を示す。超精巧外科システム100は1つまたは複数の超精巧外科アーム200を含む。各超精巧外科アーム200は、(例えば、トロカール302を介して)超精巧外科ツール300を支持することができる。超精巧外科システム100は1つまたは複数の用手ツール350を含むことができる。用手ツール350は、操作者(例えば、外科医)によって超精巧外科ツール300と同時に使用され得る。超精巧外科ツール300は入力デバイス500によって制御され得る。入力デバイス500は、ピンチャー502(
図32A参照)およびコントローラ514を含む多くの形態を取ることができる。
【0070】
超精巧外科システム100は、入力デバイス500からの移動を超精巧外科アーム200と超精巧外科ツール300との移動に変換するための制御システムを含むことができる。操作者1は、どの入力デバイス500がどの超精巧外科ツール300または超精巧外科アーム20を制御するかを選択することができる。制御システム400は、コンピュータ402、1つまたは複数のケーブル406および/または電源404を含むことができる。
【0071】
超精巧外科アーム200はフィクスチャ(例えば、手術テーブル、病院ベッド、検査テーブル、壁、床、天井、テーブル、カート、ドリー)に結合され得る。一実施形態では、フィクスチャがカートまたはドリーである場合、フィクスチャは床に(例えば、一時的に)固定され得る。超精巧外科システム100は、超精巧外科アーム200をフィクスチャに結合または保持する機構を含み得る。
図2の実施形態では、フィクスチャはベッドまたは手術テーブル102である。
【0072】
超精巧外科アーム200および超精巧外科ツール300は制御システム400によって制御され得、それらの概略図は
図34〜
図35に示されている。制御システムを案内するアルゴリズムおよび/または制御システムによって実施される任意の計算はコンピュータ402によって記憶され得る。制御システム400は、ユーザコマンドを超精巧外科アーム200の動きおよび/または超精巧外科ツール300の動きに変換することができる。コンピュータ402は電源404に接続され得る。コンピュータ402は、フットペダルの形態をとり得るクラッチ112に接続され得る。コンピュータ402は、コンピュータ402を他の構成要素に接続するケーブル406を含み得る。
【0073】
超精巧外科システム100は1つまたは複数の入力デバイス500を含むことができる。入力デバイス500は、ワイヤード接続またはワイヤレス接続のいずれかを通して、制御システム400と通信することができる。本明細書の実施形態で使用する「ワイヤレス」という用語は、限定はしないが、赤外線(IR)、無線周波数(RF)、マイクロ波、および超音波を含む、ワイヤレス通信のすべての形態を包含する。入力デバイス500は、(例えば、入力デバイス500中の送信機からの信号を制御システム400の受信機に通信することによって)制御システム400を介して超精巧外科アーム200と超精巧外科ツール300との内の適切なモーターに制御信号を送ることができる。入力デバイス500は、有利には外科医などの操作者1が手技中に患者2のベッドサイドの周りを動くことを可能にするハンドヘルドおよび/またはポータブルデバイスであり得る。入力デバイス500は、操作者1が1つまたは複数のロケーション(例えば、複数のロケーション)から超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300を制御することを可能にすることができる。ロケーションのいくつかは患者2のベッドサイドにあり得る。超精巧外科システム100はクラッチ112を含むことができる。クラッチ112は、1つまたは複数の超精巧外科ツール300を係合および離脱するために使用され得る。クラッチ112は、
図2に示されているように、フットペダルであり得る。
【0074】
引き続き
図2を参照すると、超精巧外科システム100はユーザインターフェースサブシステム605を含むことができる。ユーザインターフェースサブシステム605は入力デバイス(例えば、コントローラ514)を含むことができる。ユーザインターフェースサブシステム605は、水平レスティングバー603などの特徴を含み得るプラットフォーム602を含むことができる。ユーザインターフェースサブシステム605はディスプレイ600を含むことができる。ディスプレイ600はタッチスクリーン604を含むことができる。ディスプレイ600は、相互作用的であり、操作者1からの入力を受信することができる。ディスプレイ600は、制御システム400を制御するために使用され得る。ディスプレイ600は患者から離れて位置することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ600は、
図2に示されているように、プラットフォーム602上に取り付けられる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ600は外科医などの操作者1の体に固定され得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースサブシステム605は入力デバイス500(例えば、ワイヤードコントローラ)を含むことができる。入力デバイス500は、プラットフォーム602に取り付けられるコントローラ514であり得る。ユーザインターフェースサブシステム605は、外科医などの操作者1が、
図2に示されているように、ディスプレイ600に極めて近接して入力デバイス500を制御することを可能にする。
【0076】
ディスプレイ600は、操作者1が、ペアリングされた超精巧外科ツール300を入力デバイス500で操作することができるように、操作者1が、超精巧外科ツール300を入力デバイス500とペアリングすることを含む多くの機能を実施することを可能にする。ディスプレイ600は、操作者1が1つまたは複数の入力デバイス500を用いて1つまたは複数の超精巧外科ツール300を制御することを可能にすることができる。ディスプレイ600はまた、外科医などの操作者1が、ペアリングされた超精巧外科アーム200を入力デバイス500で操作することができるように、操作者1が超精巧外科アーム200を入力デバイス500とペアリングすることを可能にする。ディスプレイ600は、操作者1が1つまたは複数の超精巧外科アーム200を制御することを可能にすることができる。ユーザインターフェース600は、1つまたは複数の入力デバイス500と、1つまたは複数の超精巧外科アーム200または超精巧外科ツール300など、1つまたは複数の制御対象とのマップを図示または説明することができる。
【0077】
引き続き
図2を参照すると、可視化システム700は1つまたは複数のディスプレイ702を含むことができる。ディスプレイ702は、1つまたは複数の超精巧外科アーム200、1つまたは複数の超精巧外科ツール300、患者、あるいは外科医または外科チームに関係し得る任意の他の情報に関する情報を表示することができる。ディスプレイ702は、超精巧外科アーム200によって保持された超精巧外科ツール300の画像、または操作者(例えば、外科医)によって保持された用手ツール350の画像など、(
図35に概略的に示された)カメラ304または他の可視化デバイスによって見られた画像を示すことができる。カメラ304は制御システム400によって制御され得る。カメラ304は超精巧外科ツール300と見なされ、超精巧ロボットアーム200によって移動され得る。一実施形態では、カメラ304は、制御システム400を介して入力デバイス500によって制御され得、制御システム400は、外科医などの操作者1が、必要に応じてカメラ304を配置することを可能にする。超精巧外科システム100は、操作領域全体にわたる様々なロケーションに配置された複数のディスプレイ702を含むことができる。さらに、ディスプレイ600、702は、同じ情報または異なる情報を示すことができる。
【0078】
図2に示されているように、超精巧外科システム100は、1つまたは複数の用手ツール350(例えば、複数の用手ツール350)を用いて使用され得る。
図2には1つの用手ツール350が示されている。用手ツール350は、1つまたは複数の超精巧外科ツール300と同じ作業空間中で利用され得る。1つまたは複数の用手ツール350が使用され得る理由は、超精巧外科システム100が、有利には、以前に説明したように、操作者1が患者2のすぐそばに立つことを可能にするからである。1つまたは複数の用手ツール350が使用され得る理由は、超精巧外科アーム200がコンパクトであり、それにより、患者2の周りの空間が解放されるからである。本明細書で説明する冗長ロール機構、および冗長ロール機構の配置も、患者2の周りの自由空間を最大化する。したがって、操作者1は、超精巧外科システム100の他の構成要素への衝突することなしに、超精巧外科ツール300と用手ツール350を同時に操作することができる。
図2に示されていない操作者1は、ベッドサイドのそばに立ち、(例えば、入力デバイス500を介して)1つまたは複数の超精巧外科ツール300、1つまたは複数の用手ツール350、あるいは超精巧外科ツール300と用手ツール350との任意の組合せを制御することを選定する能力を有し得る。
【0079】
図2に示されているように、超精巧外科アーム200は超精巧外科ツール300に結合され得る。したがって、システム100は、1つまたは複数(例えば複数)の超精巧外科アーム200と、1つまたは複数(例えば複数)の超精巧外科ツール300とを有することができる。いくつかの実施形態では、超精巧外科ツール300はトロカール302中に挿入される。トロカール302は超精巧外科アーム200に結合され得る(例えば、固定される、それと一体に形成される、それによって保持される、など)。超精巧外科アーム200は、トロカール302を通して超精巧外科ツール300を支持し、操作することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の超精巧外科アーム200は、
図3A〜
図3Cに示されているように、患者2における切開を通して1つまたは複数の超精巧外科ツール300を挿入することができる。超精巧外科アーム200および超精巧外科ツール300は、以下でさらに説明するように、様々なロケーションに1つまたは複数のモーター(例えば、電気モーター)を有することができる。モーターは、患者2内で、手術作業空間において適切に超精巧外科ツール300の配置を可能にする。超精巧外科アーム200および超精巧外科ツール300は電源404によって電力供給され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の超精巧外科ツール300は使い捨てであり得る。いくつかの実施形態では、超精巧外科ツール300の少なくとも一部分が殺菌されている(例えば、再利用可能である)ことが可能であり得る。
【0080】
超精巧外科アームを取り付けること
超精巧外科システム100は、超精巧外科アーム200を支持するための取付けを提供することができる。取付けは、患者に対する超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300の配置を可能にする。超精巧外科アーム200は、可動または固定であり得るいくつかのフィクスチャに取り付けられ得る。超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300を取り付けることにおけるフレキシビリティは、患者の外部の操作領域および自由空間を設計することにおける多用性を提供する。
【0081】
図2および
図4は、フィクスチャに取り付けられた超精巧外科アーム200の実施形態を示している。様々な構成要素は、超精巧外科アーム200が患者2に対して配置されることを可能にする。様々な構成要素はまた、超精巧外科アーム200が他の超精巧外科アーム200と衝突を回避することを可能にする。超精巧外科アーム200は、患者2へのアクセスを可能にするように配置され得る。超精巧外科アーム200は、操作者1が超精巧外科ツール300と用手ツール350を同時に使用することを可能にするように配置され得る。支持アーム106と、エレベータ120と、キャリッジ130とを含む超精巧外科システム100のフレキシビリティは、超精巧外科アーム200のための遠隔中心250(
図7参照)の配置を可能にする。遠隔中心250が確立されると、遠隔中心250を維持しながら超精巧外科アーム200が操作され得る。
【0082】
図2に示されているように、超精巧外科システム100は複数の取付けポール104を含むことができる。超精巧外科システムは任意の数(例えば、1つ、3つ、4つなど)の取付けポール104を含むことができるが、
図2では説明の目的で2つが示されている。各取付けポール104は超精巧外科アーム200を支持することができる。
図2は、各取付けポール104がただ1つの超精巧外科アーム200を保持していることを示しているが、各取付けポール104は、場合によっては任意の数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つなど)の超精巧外科アーム200を支持することができる。超精巧外科システム100は、有利には、本質的にモジュラー式である。このモジュラリティは、外科チームなどのユーザが、実施されている手技のタイプのために最も効率的に超精巧外科システム100を構成することを可能にする。そのようなモジュラリティがまた、チームが手術中に取付けポール104および/または超精巧外科アーム200を追加または除去することを可能にする。モジュラリティは、超精巧外科システム100が様々な方法で構成されることを可能にする。
【0083】
取付けポール104は可動フィクスチャ(例えば、ドリー、ハンドトラックまたは小型カート)によって支持され得る。取付けポール104、ならびにすべての関連する超精巧外科アーム200および支持アーム106は、操作領域から離れているロケーションにある可動フィクスチャに取り付けられ得る。可動フィクスチャは、手術の前または手術中に操作領域に移送され得る。手術中に追加の超精巧外科アーム200が必要である場合、超精巧外科アーム200は、迅速に容易にフィクスチャ上に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、手術中に追加の超精巧外科アーム200が必要である場合、可動フィクスチャ上に取り付けられた追加の超精巧外科アーム200が操作領域中に移送され得る。可動フィクスチャおよび/または取付けポールは、安定性を向上させるために別のフィクスチャ(例えば、床)に固定され得る。取付けポール104は不動フィクスチャ(例えば、ベッド、床、壁、または天井)によって支持され得る。
【0084】
取付けポール104は、
図2に示されているように、クランプ108にアタッチされ得る。クランプ108はフィクスチャに接続され得る。図示の実施形態では、フィクスチャはベッド102であるが、上記で説明したように、他の好適なフィクスチャが使用され得る。いくつかの実施形態では、クランプ108はベッド102の1つまたは複数のレール110に結合され得る。他のアタッチ機構が可能である。取付けポール104は、フィクスチャ(例えば、ベッド102)に対して実質的に垂直方向に(例えば、90度に)置かれ得る。取付けポール104は、フィクスチャ(例えば、ベッド102)に対して、15度、30度、45度、60度など、他の角度で置かれ得る。取付けポール104は、患者の配向に基づいて他の角度で置かれ得る。
【0085】
超精巧外科アーム200は、直接または間接的にフィクスチャ(例えば、ベッド102)にアタッチされ得る。一実施形態では、取付けポールおよび/または支持アーム106が除外され、超精巧外科アーム200は、取付けポール104にまたはフィクスチャ(例えば、ベッド102)の一部に直接結合され得る。いくつかの実施形態では、超精巧外科システム100はフィクスチャ(例えば、ベッド102および/またはレール110)から取り外され得る。
【0086】
図4を参照すると、取付けポール104は、(例えば、ベッド102に平行な)水平移動または(例えば、ベッド102に直角な)垂直移動を可能にする構成要素に結合され得る。エレベータ120は、取付けポール104の長さに沿った支持アーム106および/または超精巧外科アーム200の配置を可能にする。1つまたは複数のエレベータ120は、図示のように、取付けポール104に結合され得る。各エレベータ120は追加の支持アーム106および/または追加の超精巧外科アーム200に接続され得る。したがって、取付けポール104は、場合によっては、複数の支持アーム106を支持することができ、各支持アーム106は超精巧外科アーム200に結合される。エレベータ120は、超精巧外科アーム200がそこにおいて取付けポール104に結合され得る代替の垂直ロケーションを提供し得る。
【0087】
図4に示された実施形態を引き続き参照すると、取付けポール104はキャリッジ130に結合され得る。キャリッジ130はアダプタ132に結合され得る。キャリッジ130およびアダプタ132は、キャリッジ130がアダプタ132に沿って線形にスライドすることを可能にするスライドアセンブリを形成し得る。アダプタ132はフィクスチャ(例えば、ベッド102および/またはレール110)に結合され得る。キャリッジ130は、アダプタ132なしにフィクスチャ(例えば、ベッド102および/またはレール110)に直接結合され得る。キャリッジ130およびアダプタ132は、概して水平方向における取付けポール104、支持アーム106、および超精巧外科アーム200の移動を可能にする。いくつかの実施形態では、取付けポール104は、キャリッジ130および/またはアダプタ132なしにフィクスチャ(例えば、ベッド102および/またはレール110)に直接結合する。取付けポール104は、取付けポール104がフィクスチャ(例えば、ベッド102および/またはレール110)に沿って線形にスライドするように構成され得る。
【0088】
図4を参照すると、取付けポール104は、他の方向での移動を可能にする構成要素に結合され得る。例えば、取付けポールは、水平方向と垂直方向とに直交して移動する(例えば、フィクスチャから外側に延びる)スライド(図示せず)に結合され得る。スライドは、フィクスチャに取り付けられたドロワーであり得る。例えば、フィクスチャがベッド102である実施形態では、超精巧外科アーム200は、(例えば、スライド可能なドロワーを介して)ベッド102の側面から離れて横方向に移動され得る。
【0089】
超精巧外科システム100は、直立して超精巧外科アーム200を結合または保持する機構を含むことができる。
図2および
図4は、支持アーム106に随意に結合される超精巧外科アーム200を示している。支持アーム106は、モーターまたは他の電気的特徴のない受動アームであり得る。
図5に示されているように、支持アーム106は第1の端部114と第2の端部116とを有する。第1の端部114は、超精巧外科アーム200に結合され得る、U字形ブラケットなどのブラケット118を含むことができる。当技術分野で知られている他の接続も利用され得る。ブラケット118は、超精巧外科アーム200の基部において、例えば、以下でさらに説明するショルダーロール機構202(
図7参照)の近くで超精巧外科アーム200に結合することができる。第2の端部116はエレベータ120に結合され得る。第2の端部116は回転122の中心の周りを回転することができる。
【0090】
支持アーム106は、支持アーム106が回転することを可能にする1つまたは複数の回転中心を含むことができる。
図5に示された支持アーム106は3つの回転中心122を有する。回転中心122は、
図5に示されているように、矢印の方向で軸の周りを回転する。支持アーム106は、支持アーム106の一部が傾くことを可能にする1つまたは複数の傾き軸124を含み得る。
図5に示されているように、支持アーム106は、支持アーム106に結合された超精巧外科アーム200が傾くことを可能にする1つの傾き軸124を有する。回転中心122および/または傾き軸124は、支持アーム106とブラケット118との1つまたは複数のリンク126が回転され、配置されることを可能にする。回転中心122は、支持アーム106のリンク126を同じ平面で、または異なる平面で、または平面のいくつかの組合せで回転させ得る。
【0091】
支持アーム106は受動的であり得る。操作者1は、支持アーム106を配置するために支持アーム106を手で動かすことができる。操作者1は、本明細書で説明する遠隔中心250を確立するために支持アーム106を手で動かすことができる。いくつかの実施形態では、支持アーム106は能動的であり得る。そのような実施形態では、支持アーム106は、支持アーム106のジョイントを移動するために1つまたは複数のモーターを含むことができる。操作者1は、遠隔中心250を確立するためにモーターを介して支持アーム106を移動することができる。
【0092】
超精巧外科システム100は、超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300を配置する際にフレキシビリティを提供する。フレキシビリティは、有利には、
図5に示された支持アーム106の回転中心122および/または傾き軸124によって向上される。フレキシビリティは、取付けポール104に沿ってエレベータ120を(例えば、垂直方向に)移動する能力によって向上され得る。フレキシビリティは、アダプタ132に沿ってキャリッジ130を(例えば、水平方向に)移動する能力によって向上され得る。
【0093】
次に
図6を参照すると、支持アーム106と、エレベータ120と、キャリッジ130とは超精巧外科アーム200の配置を可能にすることができる。矢印134、矢印136、矢印138および矢印140は、支持アーム106の回転中心と傾き軸とを示す。矢印142は、エレベータ120が取付けポール104に沿って配置され得る、概して垂直な方向を示す。矢印144は、キャリッジ130が、フィクスチャ(例えば、ベッド102および/またはレール110)に対するアダプタ132に沿って移動し得る、概して水平な方向を示す。一実施形態では、取付けポール104は垂直であり得、アダプタ132は水平であり得る;したがって、矢印142は垂直であり得、矢印144は水平であり得る。矢印または自由度のすべては、
図6に示されたものとは別様に構成され得る(例えば、支持アーム106はより多いまたはより少ない回転中心または傾き軸を有することができる)。
【0094】
超精巧外科システム100は、1つまたは複数の超精巧外科アーム200が、手術中に患者の配向に従うようにある角度に向けられる(例えば、傾けられる)ことを可能にすることができる。典型的には、患者は水平レベル表面(例えば、ベッド)上に置かれる。いくつかの手術では、実施されるべき手術に基づいて水平表面に対して患者の体をある角度に向ける(例えば傾ける)こと(例えば、手術部位へのアクセスの改善のために、内部臓器を手術部位から離れて患者の頭部のほうへシフトさせるために患者の頭部を低くすること)が有利であり得る。超精巧外科システム100は、超精巧外科アーム200が患者2の配向に従うように超精巧外科アーム200をある角度に向けること(例えば、水平から傾けること)を可能にする(例えば、超精巧外科アーム200が患者2の配向に従うように取り付けられる)。支持アーム106と、エレベータ120と、キャリッジ130と、スライド(図示せず)とは超精巧外科アーム200が傾くことを可能にすることができる。
【0095】
作業空間中の超精巧外科アーム200の位置はトラッキングされ得る。いくつかの実施形態では、位置は、超精巧外科アーム200の各ジョイントにおけるアブソリュートエンコーダ(図示せず)を結合することによってトラッキングされる。いくつかの実施形態では、(光学トラッカーなどの)位置センサーが超精巧外科アーム200の基部に取り付けられる。位置センサーは、地上基準点(図示せず)に対する超精巧外科アーム200の位置を提供することができる。位置センサーおよび/またはエンコーダは、超精巧外科アーム200の位置をトラッキングするために利用され得る。さらに、位置センサーおよび/またはエンコーダは、超精巧外科ツール300の位置をトラッキングするために利用され得る。当業者は、超精巧外科システム100の構成要素をトラッキングする他の好適なセンサー、機構または方法を利用し得る。超精巧外科システム100は、超精巧外科アーム200と、超精巧外科ツール300と、超精巧外科システム100の追加の構成要素(例えば、操作者1、入力デバイス500)とをトラッキングするグローバルトラッカーを有することができる。
【0096】
超精巧外科アーム
超精巧外科システム100とともに使用される超精巧外科アーム200は、冗長自由度を有することができる。冗長自由度は、有利には、超精巧外科アーム200が様々な所望のポーズで置かれることを可能にすることができる。さらに、冗長自由度は、有利には、患者の周りのより多くの自由空間を可能にすることができる。冗長自由度は、より多くの超精巧外科アーム200(例えば、複数の超精巧外科アーム200)の使用を可能にすることができる。冗長自由度は、患者2の上方の自由空間内のより多くの超精巧外科アーム200の配置を可能にすることができる。冗長自由度はまた、患者内のより大きい作業空間を可能にすることができる。冗長自由度は、(単一の超精巧外科アーム200の構成要素間の)自己衝突と、他の衝突(超精巧外科アーム200と患者2との間、超精巧外科アーム200間の)とを低減することができる。
【0097】
冗長性は次のように定義される:「マニピュレータが、リンケージの2つ以上の構成を用いて指定の位置に達することができるとき、そのマニピュレータは冗長であると言われる。」P.J. KcKerrow、Introduction to Robotics (Addison−Wesley Publishing Co、シドニー、1991)。
【0098】
図7に、超精巧外科アーム200の一実施形態を示す。超精巧外科アーム200は、本明細書で説明する超精巧外科システム100とともに使用され得る。超精巧外科アーム200は3つの自由度を有することができる。
【0099】
冗長自由度は、市場にある外科システムに関して、ショルダーロール機構202によって提供され得る。ショルダーロール機構202は、超精巧外科アーム200の下部の近くに位置することができる。冗長自由度は追加のフレキシビリティおよび利点を提供する。冗長自由度によって提供される利点は、超精巧外科アーム200が、より大きい作業空間にアクセスすることができ、2つの自由度をもつ市場にあるロボットアームが達し得ない追加の解剖学的ターゲットにアクセスすることができることである。冗長自由度は、超精巧外科アーム200が、体の外部の超精巧外科アーム200の構成要素を再構成しながら、超精巧外科ツール300と遠隔中心250との先端位置を維持することを可能にする。これらの異なるポーズは、超精巧外科アーム200が、外科的領域中の患者2、他のツールまたは他の対象との衝突を回避することを可能にする。
【0100】
いくつかの実施形態では、冗長自由度は、市場にある外科システムに関して、冗長縦振り機構(図示せず)によって提供される。冗長縦振り機構は、超精巧外科アーム200上のどこでも配置され得る。冗長縦振り機構は、超精巧外科アーム200の下部の近くに配置され得る。冗長縦振り機構は、本明細書で説明するように、遠隔中心と交差する縦振り軸を有することができる。冗長縦振り機構によって提供される冗長自由度は、本明細書で説明する冗長ロール機構202によって提供される冗長自由度について同じ利点を有することができる。超精巧外科ツール300および回転/並進機構208は4つの自由度(例えば、回転、並進、縦振り、横振り)を有することができる。回転/並進機構208はツール300を回転および並進させることができる。超精巧外科ツール300は縦振りおよびロールすることができる。したがって、超精巧外科アーム200および超精巧外科ツール300は合計で7つの自由度を有することができる。超精巧外科アーム200および超精巧外科ツール300は8つ以上の自由度(例えば、8つの自由度、9つの自由度など)を有することができる。超精巧外科アーム200および超精巧外科ツールは、(例えば、グラスパ、フレキシブルエルボーなどのエンドエフェクタによって提供される)追加の自由度を有することができる。典型的に、市場にある外科ロボットシステムは、2つの自由度(縦振りおよびロール)をもつロボットアームを有し、ツールは4つの自由度(回転、並進、縦振り、横振り)を有し、したがって、市場にあるロボット外科システムは、典型的には合計6つの自由度を有する。
【0101】
引き続き
図7を参照すると、ショルダーロール機構202は1つの自由度を提供する。メインロール機構204は1つの自由度を提供する。縦振り機構206は1つの自由度を提供する。回転/並進機構208および超精巧外科ツール300は4つの自由度(回転、並進、縦振り、横振り)を提供する。超精巧外科アームの精巧さに寄与する4つの機構がある:(1)ショルダーロール機構202;(2)メインロール機構204;(3)縦振り機構206;および(4)回転並進機構208。第2のロール機構を組み込むことにより、ショルダーロール機構202は、市場にある外科システムと比較して冗長自由度(例えば第7の自由度)を提供する。
【0102】
ショルダーロール機構202はショルダーロール軸244を有する。メインロール機構204はメインロール軸240を有する。縦振り機構206は縦振り軸228を有する。機構202、204、206の軸228、240、244は共通のポイントで交差する。
図7では、このポイントは遠隔中心250と標示されている。
【0103】
図8を参照すると、縦振り機構206は、超精巧外科アーム200が超精巧外科ツール300を縦振り軸228の周りに回転させることを可能にする。縦振り軸228は遠隔中心250を通過する。矢印230は、縦振り軸228の周りの超精巧外科ツール300の経路を表すアークを示す。縦振り機構206は3つの回転中心232、234、および236を有する。回転中心232、234、および236は、縦振り軸228の周りの動きを生成するように機械的にリンクされる。
【0104】
さらに
図8を参照すると、縦振り機構206は、3つのセグメント、縦振りセグメント224と縦振りセグメント226と縦振りセグメント227とを有する。縦振り機構206の縦振りセグメント224、226、および227は、2棒、3棒、または4棒リンケージ、あるいはケーブルリンケージなど、多くの構成を有することができる。いくつかの実施形態では、バンドまたはベルトが、縦振りセグメント224、226および227間の相対的角度を抑制する。超精巧外科ツール300を縦振り軸228の周りに回転させている間に、縦振りセグメント224と縦振りセグメント226は、互いの上に折りたたまれるか、または互いの間に小さい角度を有し得る。縦振りセグメントが折りたたみ位置に近いとき、メインロール機構204とトロカール302の近位端とは、互いに近くに持ってこられ得る。代替的に、縦振りセグメント224と縦振りセグメント226は、メインロール機構204とトロカール302の近位端との間の距離がさらに離れて離間されるように、外に広がるか、または互いの間に大きい角度を有することもできる。
【0105】
ロール機構202、204の回転および動きは
図8に示される。矢印238は、メインロール軸240の周りのメインロール機構204の回転を示す。矢印242は、ショルダーロール軸244の周りのショルダーロール機構202の回転を示す。いくつかの実施形態では、ショルダーロール機構202は、初期位置から少なくとも最高+/−90°回転することができる。他の実施形態では、ショルダーロール機構202は初期位置から+/−90°よりも多く回転することができる。メインロール軸240およびショルダーロール軸244は、
図8に示されているように遠隔中心250において交差する。メインロール機構204のメインロールセグメント222および/またはショルダーロール機構202のショルダーロールセグメント220は、セグメントについて任意のサイズ、形状および/または数を有することができる。図示のように、ショルダーロールセグメント220はショルダーロール機構202をメインロール機構204に結合し、メインロールセグメント222はメインロール機構204を縦振りセグメント224に結合する。
【0106】
超精巧外科アーム200の様々なセグメントの構成の一実施形態が
図7に示されている。第1のセグメント218の一方の端部は、上記で説明したように、場合によっては、フィクスチャ(例えば、ベッド102)、支持アーム106、または操作領域内の他の支持対象に結合され得る。第1のセグメント218の他方の端部はショルダーロール機構202に結合される。ショルダーロール機構202は、1つまたは複数のセグメント220でメインロール機構204に接続される。1つまたは複数のセグメント222、224はメインロール機構204を縦振り機構206と接続する。1つまたは複数のセグメント226、227は縦振り機構206をトロカール302と接続することができる。
【0107】
典型的な最小侵襲手術では、患者の体の上に小さい切開部が作られ、それを通ってツールが体内に入れられる。例えば、腹部手術では、切開部は腹壁上に置かれる。患者への危害のリスクを低減するために、体内への進入のポイントにおける体の表面に沿った並進を伴う移動を最小限に抑えることが望ましく、なぜなら、これらのタイプの移動は進入のポイントにおいて組織の引き裂きを生じ得るからである。このように、最小侵襲手技では、ツールシャフトが常に一定のポイントを通過することが望ましい。遠隔中心は体内へのツールの進入のポイントに配置され得る。超精巧外科ツール300は、超精巧外科アーム200によって、進入のポイントにおいて組織を引き裂くことなしにこのポイントの周りを枢動され得る。患者2に対する超精巧外科アーム200の取付けは、切開部において遠隔中心250を確立することができる。
【0108】
軸の構成は、機構202、204、208が、遠隔中心250のロケーションが一定に保たれながら、超精巧外科ツール300の所望の位置を達成することを可能にする。遠隔中心250は、上述したように、患者上の切開部のロケーションまたは体内への超精巧外科ツール300の進入ポイントのロケーションと対応することができる。遠隔中心250は、患者への危害または損傷のリスクを低減するために、有利には一定に保たれ得る。手術中に、例えば腹部手術中に、遠隔中心250は腹壁に置かれ得る。このロケーションは、ツールが腹腔に進入するための入口であり得る。超精巧外科ツール300の異なる位置および配向が所望されると、ショルダーロール機構202、メインロール機構204、および縦振り機構206は、超精巧外科ツール300が許容自由度内で遠隔中心250の周りを枢動するような様式でアクティブにされ得る。
【0109】
遠隔中心250のロケーションは患者の解剖学的構造によって制約され得る。超精巧外科システム100のフレキシビリティは、有利には、患者、外科医などの1人または複数の操作者1、1人または複数のアシスタント、および/または操作領域内で見つけられる他の対象もしくは構成要素に対する、1つまたは複数の超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300の効率的な配置を可能にする。
【0110】
図9に、本明細書ではゼロ位置246と呼ぶ、初期位置における超精巧外科アーム200を示す。ターゲットにされる位置、ターゲットツール先端位置248の一例が示されている。この例では、ターゲットツール先端位置248はメインロール機構204の真正面にあり、メインロール軸240と共線的である。ターゲット先端位置248に達することを試みる1つの方法は、
図10に示されているように縦振りセグメント224と縦振りセグメント226とを折りたたむことである。しかしながら、ピッチセグメント224、226を折りたたんだ後でさえ、超精巧外科ツール300はターゲットツール先端位置248に達することができない(
図10参照)。これは、例えば、縦振り動きの範囲の終了に遭遇するので起こり得る。
【0111】
ショルダーロール機構202は、
図11に示されているように、超精巧外科アーム200がターゲットツール先端位置248に達することを可能にする冗長自由度を提供する。ショルダーロール機構202は冗長ロール機構である。ショルダーロール機構202は、市場にあるロボットシステムと比較して冗長自由度を提供する。ターゲットツール先端位置248から超精巧外科アーム200を見ると、
図9に示されたゼロ位置246から、ショルダーロールセグメント220は時計回りにいくぶん回転され、メインロールセグメント222は、反時計回りにいくぶん回転されている。ショルダーロール機構202とメインロール機構204とを回転させることによって、ターゲットツール先端位置248は今度はアクセス可能である。したがって、別のロール機構の回転軸と交差する回転軸をもつ、
図9〜
図11に示されたショルダーロール機構202などの第2のロール機構は、超精巧外科アーム200の精巧さを高めることがわかるであろう。ショルダーロール機構202は、
図8に示されているように、メインロール機構204の回転軸240と交差する回転軸244を有し、したがって、超精巧外科アーム200の操縦性および/または精巧さが高められる。
【0112】
特異点、デッドゾーン、自由空間、バックラッシュ
超精巧外科アーム200の設計は超精巧外科システム100に有意な属性を提供する。超精巧外科アーム200に対する回転中心250のロケーションは、デッドゾーンが患者から離れて置かれることを可能にする。超精巧外科アーム200の小さいサイズは、患者の周りの自由空間を最大にすることを可能にし、それにより、用手ツールおよび/または超精巧外科ツールの同時使用が可能になる。ショルダーロール機構202によって提供される冗長自由度は、バックラッシュの影響を低下させること、超精巧外科アーム200の実際のバンド幅を改善することなどの領域において、本システムの性能を高めることができる。
【0113】
超精巧外科アーム200は、有利には、操作中に特異点を回避し得る。特異点は2つ以上の軸の共線整合として定義される。この状態は、超精巧外科アーム200の予測不可能な動きおよび速度を生じ得る。2つの軸が整合するとき、いずれかの軸の周りの回転も一意でない。言い換えれば、1つの自由度に沿った動きが失われる。
【0114】
再び
図10を参照すると、縦振りセグメント224と縦振りセグメント226が互いに対して折りたたまれている。そのような位置では、ツールシャフト軸252とメインロール軸240は鋭角を張る。ツールシャフト軸252とメインロール軸240が整合された場合、メインロール軸240の周りの回転はツールシャフト軸252の周りの回転に等しくなるであろう。そのような位置では、いずれかの軸の周りの移動は超精巧外科ツール300に対して同じ動きを与える。そのような位置では、1つの自由度が失われるので、エンドエフェクタ306の制御は最適でない。
図11は、ショルダーロール機構202が、ツールシャフト軸252とメインロール軸240が整合されないように超精巧外科アーム200を回転させることができることを示している。ショルダーロール機構202によって提供される追加の自由度は、軸が整合するか実質的に整合するかまたはほぼ整合しているときに超精巧外科システム100が1つの自由度を失うことを防止する。このようにして、超精巧外科アーム200は、超精巧外科アーム200の操作中に特異点を回避するように設計され得る。
【0115】
超精巧外科アーム200は、有利にはデッドゾーンを最小限に抑え得る。デッドゾーンは、超精巧外科ツール300によってアクセス不可能な1つまたは複数の領域として定義される。デッドゾーン254は、超精巧外科アーム200の構成要素間の干渉によって生成され得る。例えば、
図12に示されているように、デッドゾーン254は、超精巧外科ツール300の近位端とショルダーロール機構202との間の干渉のために生成され得る。
図12に示されたデッドゾーン254は、縦振りセグメント224、226および/または227を、異なるサイズ、形状または数の(例えば、超精巧外科ツール300の近位端の周りに適合するためにより長い)セグメントで製作することによってなくされ得る。しかしながら、これは超精巧外科アーム200のサイズおよび/または重量を増加させ得る。
図12に示されたデッドゾーン254は、超精巧外科ツール300の近位端を異なるサイズまたは形状にする(例えば、ショルダーロール機構202の内側に適合するためにより短くする)ことによってなくされ得る。
【0116】
超精巧外科アーム200は、デッドゾーンが超精巧外科アーム200の機能を限定しないように、1つまたは複数のデッドゾーン254が患者2の体外に生じるように設計され得る。超精巧外科アーム200は、したがって、患者の体内の、作業空間内のどこでも超精巧外科ツール300を配置することが可能である。
【0117】
図12を参照すると、メインロール機構204は、超精巧外科ツール300が今度は上方に面するように回転される。ショルダーロール機構202は、超精巧外科ツール300の近位端の移動に干渉するかまたはさもなければそれを限定し、したがって、デッドゾーン254が生成される。デッドゾーン254を示すクロスハッチエリアは、ショルダーロール機構202への超精巧外科ツール300の近位端の妨害により、超精巧外科ツール300の遠位先端が達成することができない位置を示す。
図12は患者2の体を示している。図示のように、デッドゾーン254は、患者2の体の外部におよびそれから上方に離れて置かれる。
図12に示されたデッドゾーン254内のポイントに超精巧外科ツール300の遠位先端が達することできないことは、外科的手技における超精巧外科ツール300の使用に影響を及ぼすことはない。
図12に示されたデッドゾーン254は手術が実施されない位置を含む。
【0118】
上記で説明したように、超精巧外科アーム200は、デッドゾーンが体外に生じるように(例えば、支持アーム106、取付けポール104などを介して)取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、ショルダーロール機構202は、
図7に示されているように遠隔中心250の下方に配置され得る。いくつかの実施形態では、ショルダーロール機構202は、
図12に示されているように、超精巧外科アーム200が取り付けられたフィクスチャ(例えば、病院ベッド)により近接している。遠隔中心250に対してショルダーロール機構202をできる限り低く配向することによって、デッドゾーン254は、有利には患者2の体の上におよびそれから離れて置かれる。再び
図6を参照すると、ショルダーロール機構202は、患者2がその上に置かれるベッド102または水平表面により近接している。支持アーム106、取付けポール104、エレベータ120、キャリッジ130および/またはアダプタ132を配置することによって超精巧外科アーム200を配置する能力は、有利には、デッドゾーン254の配置において追加のフレキシビリティを提供する。いくつかの実施形態では、ショルダーロール機構202は、(例えば、取付け、患者のそれらの側の配置により)遠隔中心250の上方に配置され得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、超精巧外科アーム200はサイズが小さい。超精巧外科アーム200は、いくつかの実施形態では、10ポンド未満、8ポンド未満、6ポンド未満、4ポンド未満、3ポンド未満の重さがあり得る。超精巧外科アーム200は、24インチ未満の長さ、22インチ未満の長さ、20インチ未満の長さ、16インチ未満の長さ、14インチ未満の長さ、12インチ未満の長さであり得る。一実施形態では、超精巧外科アーム200は、折りたたまれた構成であるときにコンパクトであり得る。
【0120】
超精巧外科アーム200の小さいサイズは、患者2の周りのより多くの自由空間を可能にする。自由空間は、外科医が様々な位置から用手ツール350を操作することを可能にする。自由空間は、外科医が手術中に複数のロケーションにおいて外科医自身を再配置することを可能にする。自由空間は、操作者が超精巧外科アーム200の使用と同時に用手ツール350を使用することを可能にする。自由空間は、必要なときに患者へのより容易な身体的アクセスを可能にする。
【0121】
有利には、操作者1は、患者にアクセスして用手ツール350を使用し、一方同時に、超精巧外科ツール300を制御するために超精巧外科アーム200を使用していることが可能である。操作者1は、必要とされるツールを操作するために自由空間を有することを選好するか、または患者2に対してより最適な位置に移動することを選好し得る。遠隔中心250を維持しながら、超精巧外科アーム200は異なる位置に移動され得る。この異なる位置は、患者へのより大きいアクセスを可能にし得る。ショルダーロール機構202は、遠隔中心を維持しながら超精巧外科アーム200を異なる位置に移動する能力を提供する。
【0122】
図13Aに、超精巧外科アーム200の初期位置を示す。この図は超精巧外科ツール300のターゲットツール先端位置248を示している。
図13Bにおいて、超精巧外科ツール300のロケーションおよび配向は同じままである。超精巧外科アーム200が異なる位置を仮定している。ターゲットツール先端位置248から超精巧外科アーム200を見ると、
図13Aに示された位置から、ショルダーロールセグメント220は反時計回りにいくぶん回転され、メインロールセグメント222は時計回りにいくぶん回転されている。このように、トールシャフト軸252に沿った並進および回転を与える回転/並進機構206とともに、超精巧外科ツール300は、超精巧外科アーム200の様々なポーズを伴って同じターゲットツール先端位置248に維持されることが可能であり得る。操作者1は、必要に応じて、手技のために最適な位置に超精巧外科アーム200を置くことができる。
【0123】
ショルダーロール機構202は、他の制限を回避するために超精巧外科アーム200を異なる位置に移動する能力を提供する。制限は、様々な要因によって外科的環境において課され得る。これらの要因は、患者2の体型、物理的寸法と可動性とに基づく操作領域中の対象の限定、および作業空間の近くまたはその中の他の器具の存在を含む。ショルダーロール機構202は、これらの制限を回避するのを助け得る。超精巧外科アーム200は、制限の影響を最小限に抑えるかまたはなくすように配置され得る。
【0124】
(市場にあるシステムと比較して)ショルダーロール機構202によって提供される冗長自由度は、バックラッシュの影響を低下させること、本システムの実際のバンド幅を改善することなどの領域において超精巧外科システム100の性能を高めることになる。バンド幅は、入力デバイス500の忠実に動きに従う超精巧外科ツール300の能力である。より高いバンド幅は、超精巧外科ツール300がより速く加速することを可能にし得る。例えば、低バンド幅システムでは、操作者1が入力デバイス500を急速にまたは高速度で移動する場合、超精巧外科ツール300は入力デバイス500の動きに従うことが可能でないことがある。バックラッシュは、機械システムにおける「遊び」の量である。
【0125】
固定遠隔中心250を有するシステムでは、バンド幅とバックラッシュは概して逆関係である。例えば、超精巧外科ツール300のエンドエフェクタ306が遠隔中心250に極めて近い場合、メインロール機構204および/またはショルダーロール機構202は、エンドエフェクタ306の小さい移動を引き起こすために大きい量移動する。この移動は、超精巧外科アーム200のバンド幅制限を強調するが、アクチュエータバックラッシュの観点からは好都合である。別の例として、超精巧外科ツール300のシャフトが遠くに患者2の体内へと延長され、どんな特異点からも離れている場合、エンドエフェクタ306の変化を実現せよというより多くの需要がメインロール機構204および/またはショルダーロール機構202にかけられる。バンド幅は適切であるが、バックラッシュは有意になり得る。バンド幅およびバックラッシュなどのパラメータは、作業空間内の領域に応じてかなり変動し得る
【0126】
スイートスポットは、超精巧外科システム100がそこで制御され、バンド幅およびバックラッシュなどのパラメータが許容パラメータ内にある領域である。バンド幅、バックラッシュ、システムの設計によって課される機械的限定、(2つ以上の自由度が一致する場合の)特異点のロケーションを含む要因が、システムのスイートスポットに影響を及ぼし得る。設計者は、実施されるべきタスクのためにできる限り大きい領域をスイートスポットに定義させることを試みる。
【0127】
いくつかの実施形態では、バンド幅およびバックラッシュは、作業空間内のすべての領域のために最適化される。バンド幅およびバックラッシュは特異点の周りで最適でない。例えば、特異点は、
図10に示されているように、ツールシャフト軸252がメインロール軸240と整合するときに存在し得る。エンドエフェクタ306は制御するのがより困難であり得る。ショルダーロール機構202は、追加の自由度を提供することによって特異点を防止し得る。ショルダーロール機構202は、超精巧外科アーム200の追加のポーズを提供し、超精巧外科アーム200のセグメントを構成するための追加の方法を提供し得る。ショルダーロール機構202は、バンド幅およびバックラッシュがその上で許容パラメータ内にある、より大きい作業領域を提供することができる。
【0128】
代替アーム
超精巧外科アームは多くの構成を有することができる。
図14〜
図16に、超精巧外科アームの代替構成を示す。超精巧外科アームは、本明細書で説明するように、遠隔中心250を維持することができる。超精巧外科アームは、本明細書で説明する超精巧外科システムに組み込まれ得る。超精巧外科アームは入力デバイス500によって制御され得、それにより、操作者は移動可能になることが可能になる。
【0129】
図14は、超精巧外科アーム2000の一実施形態を示す。超精巧外科アーム2000は、第1のローラースライド2004と第2のローラースライド2006とを含む基部2002を含むことができる。第1のローラースライド2004は第2のローラースライド2006に直交であり得る。第1のローラースライド2004は第1の方向(例えば、垂直)における移動を可能にする。第2のローラースライド2006は第2の方向(例えば、水平)における移動を可能にする。ローリングスライド2004は矢印の方向2010に沿ってオフセットアーム2008を配置することができ、および/またはローリングスライド2006は矢印の方向2012に沿ってオフセットアームを配置することができる。第1のローラースライド2004および/または第2のローラースライドは受動的であり得る(例えば、動力化されない)。第1のローラースライド2004および/または第2のローラースライドは能動的であり得る(例えば、動力化される)。
【0130】
超精巧外科アーム2000はオフセットアーム2008を含む。オフセットアーム2008はオフセットされる(例えば、オフセットアーム2008の構造がそれの縦軸について同心または対称的でない)。オフセットアーム2008は2つの自由度(縦振りおよびロール)を含む。オフセットアーム2008は縦振り機構2024とロール機構とを含むことができる。縦振り機構2024は縦振り軸を有する。オフセットアーム2008は、縦振り軸の周りで、矢印2021の周りでトロカール302を回転させることができる。ロール機構はロール軸2018を有する。オフセットアーム2008は、矢印2020の方向にロール軸2018の周りで回転することができる。縦振り軸およびロール軸は遠隔中心250と交差する。ローリングスライド2004およびローリングスライド2006はまた、遠隔中心を通過する軸の周りのみの動きを可能にする。
【0131】
オフセットアーム2008の遠位端はトロカールキャリア2022に結合され得る。いくつかの実施形態では、オフセットアーム2008は、アーキングスライドによってトロカールキャリア2022に結合される。円半径を有するアーキングスライドは、遠隔中心250など、回転の固定中心を維持することになる。アークの形状は改変され得る。いくつかの実施形態では、アークの形状は楕円形である。形状を交替させることによって、回転中心のロケーションが垂直方向に変化するようにされ得る。一実施形態では、縦振り機構2024は、少なくとも部分的に、トロカールキャリア2022に結合されたローリングスライド2004によって提供される。
【0132】
ローリングスライド2024は、湾曲したテレスコーピング式に超精巧外科アーム2000の遠位端とトロカールキャリア2022との間をローリングすることによって垂直から最高+/−90°(+/−15°、+/−30°、+/−45°、+/−60°、+/−75°などを含む)延長し得る。ローリングスライド2024が垂直であるとき、ローリングスライド2024はトロカールキャリア2022のプロファイル内にあり得る。これにより、掃引される量が最小限に抑えられ得、それにより、周囲の組織、他の機器、および/または手術室人員との干渉が低減される。
【0133】
縦振り機構2024、ロール機構、第1のローラースライド2004、および第2のローラースライド2006は受動的または能動的であり得る。いくつかの実施形態では、超精巧外科アーム2000の動きは、エネルギー源(例えば、図示されていない、電気モーターなどのモーター、水力学、気圧力学など)によって能動的に制御され得、操作され得る。
【0134】
オフセットアーム2008は2つの自由度(縦振りおよびロール)を有する。ローリングスライド2004およびローリングスライド2006は、矢印2010および矢印2012に沿った移動を提供することによって2つの自由度を提供することができる。超精巧外科アーム2000は4つの自由度を有することができる。
【0135】
図15に、超精巧外科アーム2026の一実施形態を示す。超精巧外科アーム2026は、3つのセグメント、セグメント2028とセグメント2030とセグメント2032とを含み得る。セグメント2028、2030、および2032はロール機構によって互いに結合される。他の実施形態では、セグメント2028、2030、2032は他の好適な機構を介して互いに結合される。これらの3つの機構は回転軸2034、2036、2038を有する。これらの軸は遠隔中心250において交差する。超精巧外科アーム2026における第3のロール機構は冗長自由度を提供する。
【0136】
超精巧外科アーム2026の遠位端は超精巧外科ツール2046および/またはトロカール2048に結合され得る。超精巧外科アーム2026は、ツール2046を並進および回転させる回転/並進機構2044を含み得る。ツール2046は2つの自由度(縦振り、横振り)を有し得る。超精巧外科アーム2026と、回転/並進機構2044と、超精巧外科ツール2046との組合せは7つの自由度を有することができる。ツール2046は追加の自由度を有することができる。
【0137】
図16に、代替縦振り機構の一実施形態を示す。
図16のアーム2050は、超精巧外科アームを提供するために追加の機構(例えば、ロール機構、縦振り機構)と組み合わされ得る。アーム2050は遠隔中心250を維持することができる。アーム2050は、ロール軸2058の周りを回転するロール機構を含むことができる。フォロワプレート2054がロール軸2058の周りを回転することができ、ベアリング(図示せず)によって支持され得る。アーム2050は、ベアリング(図示せず)によって支持されモーター(図示せず)によって作動されるロール軸2058の周りをアーム2050がロールし得るような方法で他の機構に取り付けられ得る。
【0138】
アーム2050は、縦振り軸の周りを回転する縦振り機構を提供することができる。縦振り機構は、いくつかの形態を取り、4棒リンケージ、バンドまたはケーブル制約付き並列機構、あるいはギアおよびカムを含むことができる。ギアおよびカム機構が
図16に示されている。
【0139】
フォロワプレート2054は、プロファイリングされたスロット2056を含むことができる。フォロワプレート2054は、ギアフォロア2062に係合し得るギアプロファイル2060を含むことができる。ギアプロファイル2060は非円形であり得、および/またはギアフォロアは非円形であり得る。ギアフォロア2062は、ケーブル2066を駆動し得るケーブルスプール2064を駆動することができる。ケーブル2066はアーム2051に結合され得る。アーム2051は、ケーブル2066と相互作用するギアまたはプーリを含むことができる。ケーブル2066は出力プーリ2068の回転を駆動する。出力プーリ2068はアーム2051の遠位端の近くにあり得、トロカール2070に結合され得る。アーム2051はリニアベアリング2072を通ってスライドし得る。プロファイリングされたスロット2056と、非円形ギアプロファイル2060と、非円形ギアフォロア2062とのプロファイルは、トロカール2070を縦振り軸の周りで回転させ得る。アーム2051の形状は、組織クリアランスのために図示のように直線であるかまたは湾曲し得る。
【0140】
アーム2050は、縦振り機構によって提供される1つの自由度を有する。アーム2050は、ロール軸2058とともに、ロール機構(図示せず)によって提供される1つの自由度を有することができる。アーム2050を超精巧外科アームとするためにアーム2050に追加の冗長自由度が追加され得る。超精巧外科ツール(図示せず)および回転/並進機構は、合計6つの自由度のために、4つの自由度を提供することができる。
【0141】
縦振り機構およびロール機構は受動的または能動的であり得る。いくつかの実施形態では、アーム2050の動きは、エネルギー源(例えば、図示されていない、電気モーターなどのモーター、水力学、気圧力学など)によって能動的に制御され得、操作され得る。操作者1は、回転中心250を確立するためにアーム2050を取り付けることができる。
【0142】
超精巧外科ツール
超精巧外科ツール300および回転/並進機構208は超精巧外科システム100に4つの自由度を提供する。回転/並進機構208は、超精巧外科ツール300を回転させることも並進させることもできる。回転/並進機構208のより小さいサイズは、有利には、前に説明したように、超精巧外科アーム200のサイズがより小さくなることを可能にする。回転/並進機構208の小さいサイズは、超精巧外科アーム200がより小さく軽量になることを可能し、それは特に、患者2の周りのより多くの自由空間を可能にする。
【0143】
超精巧外科ツール300は回転/並進機構208によって回転および/または並進され得る。回転/並進機構208は、回転/並進機構208とともに超精巧外科ツール300を回転させる。回転/並進機構208は超精巧外科ツール300を並進させる。回転/並進機構208は、並進および/または回転のどんな組合せでも提供することができる。回転/並進機構208は、有利には、様々な直径のツールシャフトに適応することができる。回転/並進機構208はどんな長さのツールシャフトにも適応する。
図17〜
図22に記載されているツールシャフトと相互作用する機構は、特定の回転数に限定されない。したがって、この機構はどんな長さのツールシャフトにも適応することができ、これは、本質的に範囲が限定されているテレスコーピングセグメントを使用する既存の市場にある並進機構に勝る利点である。回転/並進機構208のコンパクトサイズはより小さくなることができ、それにより、より小さい超精巧外科アームの使用が可能になる。
【0144】
エンドエフェクタは2つの自由度(縦振り、横振り)を提供し、追加の自由度(ジョー作動、ピンチ)を提供することができる。再び
図10を参照すると、超精巧外科ツール300は、伸長されたシャフトの先端に展開された、エンドエフェクタ306、例えばグラスパ、持針器、ステープラ、焼灼ツールを含む。超精巧外科ツール300は、(例えば、患者2の)体における小さい切開を通して導入され得る。
【0145】
図7は、超精巧外科アーム200および回転/並進機構208を示している。回転/並進機構208は超精巧外科システム100に2つの自由度(回転、並進)を提供する。回転/並進機構によって与えられる自由度の中には、ツールシャフト軸252の周りの超精巧外科ツール300の回転と、ツールシャフト軸252に沿った超精巧外科ツール300の線形並進(
図10参照)とがある。超精巧外科ツール300は、遠隔中心250を移動することなしに回転または並進され得る。回転/並進機構208は、超精巧外科アーム200によって支持される超精巧外科ツール300上に回転および/または並進を直接与える。
【0146】
回転/並進機構208の回転は超精巧外科ツール300の回転に変換される。回転/並進機構208の並進は超精巧外科ツール300の並進に変換される。回転/並進機構208のプーリ、ギア化ホイール、または他の係合機構の方向および速度は、超精巧外科ツール300の様々なタイプの動きを生じる。
【0147】
回転/並進機構208のより小さいサイズは、超精巧外科アーム200のサイズがより小さくなり得ることを保証し得る。より小さいサイズは、超精巧外科システム100の他の構成要素(例えば、他の超精巧外科アーム200、他のセグメント)との衝突の可能性を低減し得る。超精巧外科ツール300の近位セクションのより小さいサイズは、超精巧外科ツール300がより少数の移動制限に遭遇することを保証し得る。超精巧外科ツール300のより小さい重量は、より巨大でなくなるモーターなどの駆動機構の使用を可能にする。さらに、大きく強力なモーターの必要が低減され得る。
【0148】
回転/並進機構208の小さいサイズは、患者2の周りのより多くの自由空間を可能にする。自由空間は、外科医が、様々な位置から超精巧外科ツール300と同時に用手ツール350を操作することを可能にする。自由空間は、外科医が手術中に複数のロケーションにおいて外科医自身を再配置することを可能にする。自由空間は、操作者が超精巧外科アーム200の使用と同時に用手ツール350を使用することを可能にする。自由空間は、必要なときに患者へのより容易な身体的アクセスを可能にする。
【0149】
超精巧外科システム100によって占有されるより小さい空間により、外科医または外科チームメンバーなどの操作者1は、有利には、患者の周りのより多くの自由空間を可能にすることができる。自由空間は、操作者1が患者へのアクセスを容易に獲得することを可能にする。
【0150】
図17〜
図22に、回転/並進機構208の一実施形態を示す。非対称回転/並進機構258および対称回転/並進機構2500という、2つの異なるタイプの回転/並進機構208について以下で説明する。他のタイプの回転/並進機構208もあり得る。回転/並進機構258、2500は、対称または非対称差動構成でローラー、ギア、プーリ、摩擦面などを使用し得る。それはまた、システムの個別部品の数を最小限に抑え使用とセットアップとの容易さを高めるために、超精巧外科ツールと組み合わされ得る。非対称回転/並進機構258は、少なくとも2つのプーリ、プーリ260およびプーリ262を含むことができる。非対称回転/並進機構258は、プーリ260、262の中心を通って位置する中心ハウジング264を有する。プーリ260は中心ハウジング264に結合され得る。プーリ262は中心ハウジング264の周りを回転することができる。超精巧外科ツール300は中心ハウジング264を通して挿入され得る。
【0151】
プーリ260は、少なくとも2つのローラー、ローラー266およびローラー268を含むことができる。次に
図18を参照すると、ローラー266はローラーホイール270とローラードラム272とを有する。ローラー268はローラーホイール274とローラードラム276とを有する。ローラードラム272、276の直径はローラーホイール270、274よりも小さい。ローラーホイール270は凹面278を有し、ローラーホイール274は凹面280を有する。凹面278、280は、超精巧外科ツール300の形状に適合し、ローラー266、268の能力が中心ハウジング264中のスロットを通して超精巧外科ツール300を把持するかまたはそれに係合することを可能にすることができる。ローラーホイール270およびローラーホイール274は凹面を有するように示されているが、超精巧外科ツール300のツールシャフトの表面に係合するために、限定はしないが、テクスチャ表面、ギア歯、およびベルトを含む様々な他の表面が利用され得る。
【0152】
プーリ260は、少なくとも2つの追加のローラー、ローラー282およびローラー284を含む。ローラー282、284はプーリ260の下面にアタッチされる。
図17は、プーリ260の下面にアタッチされたローラー282を示している。
【0153】
超精巧外科ツール300の並進のプロセスが
図19および
図20に示されている。
図19に示されているように、モーター286がプーリ260を駆動し、モーター288がプーリ262を駆動する。前述のように、超精巧外科ツール300は中心ハウジング264を通って挿入され得る。プーリ262が矢印1の方向に回転するようにモーター288が駆動される場合、ローラー282は矢印2の方向に回転する。
図19に示されているのと同じ動きを示す上面図である
図20を参照すると、ローラー282は矢印2の方向に回転していることが示されている。
【0154】
ローラー284は
図19に示されていない。
図19に示されているのと同じ動きを示す上面図である
図20を参照すると;ローラー284は矢印3の方向に回転していることが示されている。ローラー282、284の回転はローラードラム272およびローラードラム276が回転することを引き起こす。ローラードラム272、276の回転はローラーホイール270およびローラーホイール274が回転することを引き起こす。ローラーホイール270とローラードラム272とを含むローラー266の回転は矢印4によって示される。ローラーホイール274とローラードラム276とを含むローラー268の回転は矢印5によって示される。
【0155】
ローラー266のローラーホイール270の回転とローラー268のローラーホイール274の回転は、中心ハウジング264中に挿入された超精巧外科ツール300が並進することを引き起こす。しかしながら、異なる超精巧外科ツール300の使用を可能にするために、超精巧外科ツール300は中心ハウジング264から分離することを可能にされる必要がある。超精巧外科ツール300は、
図19に示された矢印6の方向に並進する。矢印6は、それが垂直であり図面の平面外にあり得るので、
図20には示されていない。超精巧外科ツール300を下方向に並進させるために、モーター288は単に逆方向に、矢印1の逆方向に回転する。これは、ローラーホイール270、274とローラードラム272、276とを含むローラー266、268の動きが逆方向に回転することを引き起こす。これは、超精巧外科ツール300が、
図19および
図20に示された方向とは反対方向に並進することを引き起こす。
【0156】
超精巧外科ツール300の回転のプロセスが
図21および
図22に示されている。
図21において、プーリ260およびプーリ262は、それぞれモーター286およびモーター288によって回転される。プーリ260とプーリ262の両方は、矢印7によって示された同じ方向に回転される。モーター286とモーター288の両方の動きにより、ローラー282は、
図19および
図20に示されているように矢印2の方向に回転しない。モーター286とモーター288の両方の動きにより、ローラー284は、
図20に示されているように矢印3の方向に回転しない。プーリ260とプーリ262の両方が同じ方向に回転するとき、ローラー282および284はそれら自体の回転軸290、292の周りを回転しない。その後、ローラー266および268は、
図20に示されているようにそれら自体の回転軸294、296の周りを回転しない。ローラー266、268、282、284は、
図22の矢印8によって示されているように、プーリ260とともに回転する。プーリ260は中心ハウジング264の周りを回転する。プーリ260が回転すると、超精巧外科ツール300は矢印9によって示されているように回転する。反対方向に回転するために、モーターは単に逆方向に、
図21に示された矢印7の逆方向に回転する。
【0157】
回転並進258は、ローラーおよび摩擦ホイールなどの係合機構を使用する。追加または代替として、ギア、ベルト、ベベルギア、およびケーブルを含む他のタイプの係合機構が利用され得る。
【0158】
図23〜
図27に、回転/並進機構2500の別の実施形態を示す。この機構は対称回転/並進および差動回転/並進機構のカテゴリーに入る。対称回転/並進機構2500はベベルギア2504とベベルギア2506とを含むことができる。
図23において、中心ハウジング2502はベベルギア2504、2506に対して概して直角である。ベベルギア2504、2506は、
図24に示されている歯を含む。
【0159】
モーター2508(例えば、電気モーター)はモーターギア2510を含む。モーター2508およびモーターギア2510はベベルギア2504を駆動する。ベベルギア2504はインセットベベルギア2512を駆動する。インセットギア2512とインセットギア2526は中心ハウジング2502に接続されるが、それらの自体の中心回転軸の周りを回転することができる。インセットベベルギア2512は中心ハウジング2502に結合される。インセットベベルギア2512はアクスル2514の周りを回転する。アクスル2514は2次ギア2516に結合される。2次ギア2516はスパーギア2518と連係する。スパーギア2518はローラー2520に接続される。
【0160】
モーター2522(例えば、電気モーター)はモーターギア2524を含む。モーター2522およびモーターギア2524はベベルギア2506を駆動する。ベベルギア2506はインセットベベルギア2526を駆動する。インセットベベルギア2526は中心ハウジング2502に結合される。インセットベベルギア2526はアクスル2528の周りを回転する。アクスル2528は2次ギア2530に結合される。2次ギア2530はスパーギア2532と連係する。スパーギア2532はローラー2536と接続される。
【0161】
図24は、ローラー2520、2536と、ベベルギア2504、2506とを示している。対称回転/並進機構2500は、ローラー2520に結合された線形駆動ベルト2538と、ローラー2536に結合された線形駆動ベルト2540とを含む。ローラー2520は、線形駆動ベルト2538がローラー2520を部分的にラップアラウンドするように、線形駆動ベルト2538と中心ハウジング2502との間に置かれる。ローラー2536は、線形駆動ベルト2540がローラー2536を部分的にラップアラウンドするように、線形駆動ベルト2540と中心ハウジング2502との間に置かれる。線形駆動ベルト2538および線形駆動ベルト2540は、少なくとも部分的に超精巧外科ツール300の長さに沿って延長することができ、超精巧外科ツール300のシャフトに結合される。
【0162】
超精巧外科ツール300の並進のプロセスが
図25および
図26に示されている。モーター2522は矢印の方向1に示されているように回転される。これは、ベベルギア2506が矢印2の方向に回転することを引き起こす。ベベルギア2506は、インセットベベルギア2526が矢印3の方向に回転することを引き起こす。インセットベベルギア2526の回転は、2次ギア2530が矢印4と同じ方向に回転することを引き起こす。2次ギア2530の回転は、スパーギア2532が矢印5の方向に回転することを引き起こす。スパーギア2532の回転は、ローラー2536が矢印6の方向に回転することを引き起こす。次に
図26を参照すると、ローラー2536は矢印6の方向に回転する。
【0163】
モーター2508は矢印の方向7に示されているように回転される。これは、ベベルギア2504が矢印8の方向に回転することを引き起こす。ベベルギア2504は、インセットベベルギア2512が矢印9の方向に回転することを引き起こす。インセットベベルギア2512の回転は、2次ギア2516が矢印10のような方向に回転することを引き起こす。2次ギア2516の回転は、スパーギア2518が矢印11の方向に回転することを引き起こす。スパーギア2518の回転は、ローラー2520が矢印12の方向に回転することを引き起こす。次に
図26を参照すると、ローラー2520は矢印12の方向に回転する。
図26に示されているように、ローラー2520は超精巧外科ツール300の反対側に係合する。
図23および
図25において、ローラー2520は中心ハウジング2502と超精巧外科ツール300との後ろにあり、したがって破線で示されている。
【0164】
ローラー2520、2536の回転は、
図26の矢印13と矢印14とによって示される方向に線形ベルト駆動2538、2540の線形並進を引き起こす。線形ベルト駆動2538、2540の動きは超精巧外科ツール300の線形並進を引き起こす。線形ベルト駆動2538、2540は超精巧外科ツール300のツールシャフトに結合され、超精巧外科ツール300は中心ハウジング2502を通って並進する。中心ハウジング2502中に挿入された超精巧外科ツール300は矢印13と矢印14との方向に並進し得る。超精巧外科ツール300を上方向に移動するために、モーター2508、2522は単に反対方向に、
図25の矢印1および矢印7と反対の方向に回転し得る。
【0165】
超精巧外科ツール300の回転のプロセスが
図27および
図28に示されている。線形ベルト駆動の下のモーター、モーターギア、2次ギア、スパーギアおよびローラーは図示されていない。さらに、ベベルギアとインセットギアとのための歯は図示されていない。
図27において、ベベルギア2504、2506はモーター(図示せず)によって回転される。ベベルギア2504とベベルギア2506の両方は、矢印15によって示された同じ方向に回転される。両方のモーターの動きにより、インセットベベルギア2512、2526は、
図22に示されているように矢印3および9の方向に回転しない。
【0166】
両方のモーターの動きにより、ローラー2520、2536は、
図27の矢印16によって示されているようにベベルギア2504、2506とともに回転する。同じ方向におけるベベルギア2504とベベルギア2506の両方の回転は、中心ハウジング2502と、キャプチャされた超精巧外科ツール300とが、すべて同じ速度で回転することを引き起こす。ベベルギア2504、2506が回転されると、超精巧外科ツール300は矢印16によって示されているように回転する。反対方向に回転するために、モーターは単に逆方向に回転する。
【0167】
モーター2508とモーター2522の両方の動きにより、インセットベベルギア2512、2526はベベルギア2504、2506とともに回転させる。インセットベベルギア2512、2526は中心ハウジング2502に結合される。同じ方向におけるベベルギア2504、2506とインセットベベルギア2512、2526との回転は、中心ハウジング2502と、キャプチャされた超精巧外科ツール300とが、すべて同じ速度で回転することを引き起こす。回転/並進機構208においてギア、ベルト、およびベベルギアなどの係合機構が利用され得る。他の実施形態では、追加または代替として、ローラー、ベアリング、およびケーブルなど、他のタイプの係合機構が利用され得る。
【0168】
図28は、
図23〜
図27の線形ベルト駆動2538、2540とローラー2520、2536との代替実施形態を示している。本実施形態はより小さい連続ベルト駆動2546、2548を含む。ベルト駆動2546は2つのローラー2550、2552を囲む。ベルト駆動2548は2つのローラー2556、2558を囲む。ベルト駆動2546、2548のための歯2560、2562はベルト駆動2546、2548の外表面上に置かれる。ベルト駆動2546、2548のための歯2560、2562は、中心ハウジング2502の外表面上にあるかまたは超精巧外科ツール300のツールシャフト上に直接ある歯2564、2566に係合する。図示の実施形態では中心ハウジング2502または超精巧外科ツール300のツールシャフトに係合するためにベルト駆動が使用されているが、中心ハウジング2502または超精巧外科ツール300のツールシャフトに係合するために様々な他の好適な機構が利用され得る。
【0169】
回転/並進機構208は、並進または回転の任意の組合せを提供することができる。再び
図23を参照して、モーター2508の反時計回り回転とモーター2522の反時計回り回転とに「+」方向が割り当てられ、モーター2508および2522の時計回り回転に「−」方向が割り当てられると仮定する。さらにまた、下方向における中心ハウジング2502または超精巧外科ツール300のツールシャフトの並進の1つのユニットが「T+」と呼ばれ、中心ハウジング2502の時計回り回転の1つのユニットが「R+」と呼ばれると仮定する。この名称は、概念を変更することなしに反転され得る。さらに、1つの並進ユニットは、1cmなど、距離の整数ユニットに対応しないことがあることに留意すべきである。同様に、1つの回転ユニットは、中心ハウジング2502の完全な回転に対応しないことがある。実際の距離または度数へのこれらのユニットの変換は、選択されたギア比に依存する。
【0170】
モーター2508の回転の1つのユニットまたは「MA+」が、正の方向における1つの並進ユニットと、正の方向における中心ハウジング2502の1つの回転ユニットとを生成すると仮定する。したがって:
MA
+=T
++R
+ 式1
【0171】
同様に、モーター2522の回転の1つのユニットまたはMB+が、正の方向における1つの並進ユニットと、負の方向における中心ハウジング2502の1つの回転ユニットとを生成する。したがって:
MB
+=T
++R
− 式2
【0172】
例えば、正の方向における並進の2つのユニットを得るためには:
MA
++MB
+=2T
+ 式3
【0173】
負の方向における回転の1つのユニットを得るためには、
1/2MA
−+1/2MB
+=R
− 式4
【0174】
したがって、1つのモーターが移動しない組合せを含めて、モーター2508、2522の動きを組み合わせることによって、並進および/または回転の任意の組合せが取得され得る。いくつかの実施形態では、同じ概念を使用して、並進と回転との速度が変化され得る。モーター2508、2522の速度は所定の値として設定され得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ600を通して、操作者1(例えば、外科医)はより遅くより高感度の設定を選定することを希望し得るが、別の操作者はあまり高感度でない設定を選好し得る。これは、スクリーン上のポインタの応答が、選好設定に基づくユーザ設定に従い得る、コンピュータマウスの感度設定の設定に類似している。
【0175】
いくつかの実施形態では、並進ユニットおよび回転ユニットは、実際の距離および回転の実際の度数に対応し得る。変換値は超精巧外科アーム200の設計段階中に決定され得るか、または較正手順を介して決定され得る。変換値は、制御システム400内のメモリに記憶され得る。構成要素における遊びおよび他の要因により、各モーター2508、2522は、まったく同じ量の並進および回転を生じないことがある。この場合、これらの差は、制御システム400によって、および上記で説明した式においてアカウントされ(accounted)得る。
【0176】
回転/並進機構208は、有利には、様々な直径のツールシャフトに適応することができる。
図29〜
図31に、本明細書で説明する非対称回転/並進機構258に結合された幅調整器2600を示す。幅調整器2600は対称回転/並進機構2500に結合され得る。
図29は、中心ハウジング264に結合された幅調整器2600の側面図を示している。幅調整器2600は、中心ハウジング264の長さに沿って上下に移動し得る。幅調整器は、ローラー266、268、および282にアタッチされた複数のリンク2602A、2602B、2602C(図示せず)、2602D(図示せず)を有することができる。リンクはローラー284(図示せず)にアタッチされ得る。リンク2602A、2602Bは三角形状に構成され得る。リンク2602Aは、概して三角形状に幅調整器2600をローラー266とローラー282とに接続する。リンク2602Bは、概して三角形状に幅調整器2600をローラー268とローラー282とに接続する。リンク2602Cは、概して三角形状に幅調整器2600をローラー266とローラー284とに接続する(図示せず)。リンク2602Dは、概して三角形状に幅調整器2600をローラー268とローラー284とに接続する(図示せず)。三角形形状は展開され得る形状の一例であり、他の形状が可能である。リンク2602は固体片であり得る。
【0177】
リンク2602は、ローラー282および284の回転軸の周りを枢動する。リンク2602は、ローラー266および268の中心の位置を調整することができる。ローラー266、268は、それらの回転軸294、296に沿って延長するシャフトを有する。ローラー266および268のシャフトはリンク2602に結合される。
【0178】
幅調整器2600は、中心ハウジング264の軸に沿って並進することができる。幅調整器2600が下方へ移動するとき、リンク2602は新しい位置を取るために枢動する。リンクはローラー282、284の軸290、292の周りを枢動する。リンク2602のこの新しい位置において、ローラー266、268は、
図31に示されているように新しい位置を取る。ローラー266’、268’の新しい位置は、より大きい直径の超精巧外科ツール300が中心ハウジング264中に挿入されることを可能にする。
図30〜
図31に示されているように、ローラー266、268の古い位置は破線で示されているが、ローラー266’、268’の新しい位置は実線で示されている。新しい位置におけるローラー266’と新しい位置におけるローラー268’との間にはより多くの空間がある。
【0179】
別の例では、肥満の患者において、体型によりツールの操作は困難になる;これらの場合、超精巧外科アーム200によって、より大きいまたはより長い超精巧外科ツール300が支持され得る。幅調整器2600は、より大きい直径のツールが使用されることを可能にする。回転/並進機構208は、より長いツールの使用を可能にする。
【0180】
本発明の他の態様では、しばしば、超精巧外科ツール300が患者2の体内にどのくらい挿入されるかを知ることが望ましい。外科的設定において、超精巧外科ツール300は、患者2の腹部など、患者2の体内に挿入される。超精巧外科ツール300のどのくらいが患者2の体内にあるのかを知ること、および/または超精巧外科ツール300のどのくらいが体外にあるのかを知ることが有利であり得る。この距離は、患者2の体外にある超精巧外科ツール300のセクションの抵抗またはキャパシタンスなどの電気パラメータを監視し計算することによって決定され得る。
【0181】
進入のポイントにおいて患者2の体と超精巧外科ツール300との間の接触が作られる。患者の外部の超精巧外科ツール300上の設定ポイントと、進入のポイントにおける超精巧外科ツール300上の接触ポイントとの間に電気回路が完成され得る。超精巧外科ツール300が操作されると、設定ポイントと接触ポイントとの間の抵抗またはキャパシタンスなどの電気パラメータが変化し得る。この変化が監視され、(例えば、制御システム400によって)患者2内部のツールの比に対する患者2外部のツールの比を計算するためにさらに処理され得る。
【0182】
入力デバイス
入力デバイス500は、超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300を制御する。入力デバイス500はワイヤレスおよび/またはポータブルであり得、それにより、操作者が患者2の周りを移動することが可能になる。入力デバイス500は、操作者が操作領域内の様々なロケーション(例えば、患者のベッドサイドにおける様々なロケーション)にいることを可能にする。入力デバイス500は、操作者が超精巧外科ツール300と用手ツール350を同時に制御することを可能にする。超精巧外科ツール300と用手ツール350の同時の操作は、有利には、操作者が超精巧外科ツール300を制御しながら外科アシスタントが用手ツール350を操作する必要を低減する。本発明の入力デバイス500は、ピンチャー502(
図32A参照)およびコントローラ514(
図2参照)を含むいくつかの形態を取ることができる。
【0183】
入力デバイス500はワイヤレスまたはワイヤードであり得る。いくつかの実施形態では、入力デバイス500は操作者によって携帯され得るハンドヘルドポータブルデバイスであり、それにより、操作者が患者2の周りを移動し、超精巧外科システム100の使用中に様々なロケーション(例えば、様々なベッドサイドロケーション)から入力デバイス500を操作することが可能になる。操作者1は、したがって、
図3A〜
図3Cに示されているように、操作領域の周りを移動し、様々なロケーションから超精巧外科アーム200を制御することができる。
【0184】
いくつかの実施形態では、入力デバイス500は操作者1の体に結合され得る。
図32Aにピンチャー502を示す。ピンチャー502は、親指と人差し指とを用いて超精巧外科ツール300を保持することに一致する様式で超精巧外科ツール300を制御する際に操作者1を支援し得る。ピンチャー502は、ツール先端などの制御ポイントにおいて超精巧外科ツール300を制御する際に操作者1を支援し得る。
【0185】
外科医などの操作者1は、ピンチャー502の2つのリング504、506を着用する。1つのリング504は操作者1の親指の周りに置かれ得、1つのリング506は操作者1の人差し指の周りに置かれ得る。ただし、リング504、506は、ピンチャーの構成に基づいて他の指に着用され得る。入力デバイス502の動きと、ツール先端または末端エフェクタ306の動きとの関連付けがあり得る。
【0186】
ピンチャー502は、位置センサーおよびジャイロスコープなど、様々なセンサー508を有し得る。また、ひずみセンサーなどの追加のセンサー510がピンチャー502の2つのアーム間の距離を測定し得る。センサー508、510は、ピンチャー502の位置および配向に関係する情報を制御システム400に提供することができる。これらのセンサー508、510からの情報は、操作者1の手と手首と指との移動が制御ポイントの動きに変換され得るように、制御アルゴリズムへの入力として働く。入力デバイス502の移動は、超精巧外科アーム200、超精巧外科ツール300、および/またはグリッパーなどの超精巧外科ツール300の末端エフェクタ306の移動を制御することができる。一実施形態では、ピンチャー502はボタン電池などの電源(図示せず)を含むことができる。
【0187】
いくつかの実施形態では、リングの第2のペア(a second a pair)が提供され得る。リングの第2のペアは同じ手の他の指に着用され得る。操作者1は、手の様々な動きが特定のコマンドに変換され得るように、リングの第2のペアを他の指の周りに着用し得る。リングの第2のペアは、ピンチャー502を制御している同じ手の異なる指に着用され得る。リングの第2のペアの1つのリングは操作者1の親指の周りに置かれ得、リングの第2のペアの1つのリングは操作者1の小指(the last finger)の周りに置かれ得る。非限定的な例として、第1のピンチャー502のリング504、506の第1のペアは第1の超精巧外科ツール300を制御することができ、リングの第2のペアは第2の超精巧外科ツール300を制御することができる。非限定的な例として、第1のピンチャー502のリング504、506の第1のペアと、リングの第2のペアとは、同じ超精巧外科ツール300を制御することができる。
【0188】
いくつかの実施形態では、リングの第2のペアおよび/または第2のピンチャー502は他の手に着用され得る。リングの第2のペアおよび/または第2のピンチャー502は、第1のピンチャー502を制御している手とは操作者1の異なる手に着用され得る。非限定的な例として、第1のピンチャー502のリング504、506の第1のペアは第1の超精巧外科ツール300を制御することができ、リングの第2のペアおよび/または第2のピンチャー502は第2の超精巧外科ツール300を制御することができる。非限定的な例として、第1のピンチャー502のリング504、506の第1のペアならびにリングの第2のペアおよび/または第2のピンチャー502は、(例えば、異なる制御ポイントにおいて)同じ超精巧外科ツール300を制御することができる。
【0189】
本明細書で説明するピンチャー502の移動はいかなる制御ポイントの移動でも引き起こすことができる。制御ポイントはエンドエフェクタ(例えば、グラスパの動き)を制御することができる。しかしながら、入力デバイス500は、超精巧外科ツール300のエンドエフェクタ306または先端のみを制御する必要はない。入力デバイス500は、(例えば、ディスプレイ600を介して)超精巧外科ツール300に沿った任意のロケーションを制御ポイントに割り当てることによって超精巧外科ツール300の任意の部分を制御することができる。制御ポイントは、操作者1がツールをそこから制御している仮想ロケーション(例えば、支点)と見なされ得る。制御ポイントは、超精巧外科ツール300、超精巧外科アーム200、または超精巧外科システム100の任意の構成要素に沿ってどこでも作成され得る。
【0190】
いくつかの実施形態では、入力デバイス500は操作者1によって保持される。
図32Bに、入力デバイス500の別の実施形態を示す。図示の実施形態では、入力デバイス500はノブ503であり得る。外科医などの操作者1は、手の1つまたは複数の指でノブ503を保持することができる。ノブ503は1つまたは複数のボタン505を有することができる。操作者が1つまたは複数のボタン505についての少なくとも1つを押し込むとき、超精巧外科ツール300の制御ポイントが移動または作動され得る。
【0191】
いくつかの実施形態では、入力デバイス500は操作者1に対して固定である。一実施形態が
図2に示されている。超精巧外科システム100はプラットフォーム602を含むことができる。入力デバイス500はプラットフォーム602に結合され得る。入力デバイス500は操作領域内のどんなフィクスチャにも結合され得る。入力デバイス500はコントローラ514の形態をとることができる。コントローラ514はワイヤードまたはワイヤレスであり得る。ユーザインターフェースサブシステム605は、外科医などの操作者1が、
図2に示されているように、ディスプレイ600に極めて近接してワイヤードコントローラ514を制御することを可能にする。ワイヤードコントローラ514はこのディスプレイ600の下方に配置され得る。プラットフォーム602は水平レスティングバー603をも含み得る。
【0192】
例えば、手術中の操作者1が座って超精巧外科ツール300を制御することを決定する場合、コントローラ514はその操作者1がそれを行うことを可能にする。いくつかの外科的手技では、操作者1は、ピンチャー502など、操作者の体にアタッチされた入力デバイス500よりはむしろ、ワイヤードコントローラ514などの固定入力デバイスを移動するほうがより快適であることがわかり得る。例えば、操作者1は、水平レスティングバー602にもたれながらおよび/または座りながら、その操作者1の移動をより良く制御することが可能であり得る。操作者の自然な体の位置は、ワイヤードコントローラ514を制御しながら、操作者の体の一部を水平レスティングバー603にもたれさせることであり得る。操作者1は、水平レスティングバー603にもたれながら他の入力デバイス500(例えば、ピンチャー502)を制御することができる。
【0193】
超精巧外科システム100は、外科的領域中の複数のロケーションから制御され得る。いくつかの実施形態では、操作者1は、1つまたは複数の入力デバイス500(例えば、ピンチャー502、ワイヤードコントローラ514)を保持するかまたはさもなければ制御しながら座るかまたは立つことができる。操作者は、レスティングバー603上に操作者の体の一部を支持することができる。様々な入力デバイス500は、操作者1が動き回り、最も最適位置に操作者1自身を配置することを可能にする。
【0194】
入力デバイス500は1つまたは複数の制御ポイントの移動を制御する。制御ポイントは、何らかの動きを実行するための能力を有するロケーションである。制御ポイントは、超精巧外科アーム200、超精巧外科ツール300、または任意の他のロケーション上に配置され得る。超精巧外科ツール300は、1つまたは複数の制御ポイント2600に対する入力デバイス500によって制御され得る。制御ポイント2600は、移動する能力を有する超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300上のロケーションである。操作者1による入力は、制御ポイント2600に接続されている1つまたは複数のセクションの移動を実現する。
【0195】
操作者1は、操作されている入力デバイス500に制御ポイント2600を関連付けることができる。入力デバイス500を移動することは、超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300が制御ポイントの周りを移動することを引き起こす。入力デバイス500の移動は、選択された制御ポイント2600の移動を引き起こすであろう。これは、超精巧外科アーム200によって制御される超精巧外科ツール300の移動を引き起こすであろう。特定の制御ポイント2600に入力デバイス500を割り当てるためにディスプレイ600が使用され得る。
【0196】
超精巧外科ツール300は、1つまたは複数の仮想グリップ512に対する入力デバイス500によって制御され得る。仮想グリップ512は、超精巧外科ツール300が患者2内に配置されるフレキシビリティを高めることができる。
図33Aおよび
図33Bは超精巧外科ツール300を示している。
図33Aにおいて、仮想グリップ512は超精巧外科ツール300の端部に置かれる。超精巧外科ツール300が仮想グリップ512のロケーションの周りを移動するように抑制された場合、ツール先端およびエンドエフェクタ306は小さい距離のみ揺動し得る。
図33Bでは、仮想グリップ512は超精巧外科ツール300の中央のほうへ置かれる。ツール先端およびエンドエフェクタ306はより大きい距離を揺動することができる。仮想グリップ512は、外科医などの操作者1が、細かい動きと粗い動きとの間で決定することを可能にする。仮想グリップ512をツール先端のほうへ移動することによって、操作者はより細かい操作を完了することができる。複数の超精巧外科ツール300が使用される場合、各ツールは異なる仮想グリップ512を有し得る。さらに、各仮想グリップ512が独立して制御されるように、異なる仮想グリップ512は異なる入力デバイス500によってアクティブにされ得る。例えば、
図33Aに示されているように、1つの入力デバイス500をもつ左手が、エンドエフェクタの近くの仮想グリップを用いて超精巧外科ツール300を制御し得る。別の入力デバイス500をもつ右手は、
図33Bに示されているように、超精巧外科ツール300の中央に置かれた仮想グリップ512を用いて同じ超精巧外科ツール300を制御し得る。
【0197】
本明細書で説明するように、操作者1は、仮想グリップ512をツール先端に関連付けることによって超精巧外科ツール300を制御し得る。操作者1の他方の手を用いて、操作者1は、仮想グリップ512を超精巧外科ツール300(例えば、同じ超精巧外科ツール300または異なる超精巧外科ツール300)の近位端に関連付け得る。近位端における仮想グリップは、操作者1が、その人が腹腔鏡ツールを制御する方法と同様に超精巧外科ツール300を制御することを可能にし得る。この様式における超精巧外科ツール300の自然な制御は、本明細書で説明するように、操作者の手の各々に独立した基準系を関連付けることによって達成され得る。
【0198】
空間中の入力デバイス500の位置はトラッキングされ得る。いくつかの実施形態では、この位置は、入力デバイス500にアブソリュートエンコーダ(図示せず)を結合することによってトラッキングされる。いくつかの実施形態では、入力デバイス500の基部に位置センサー(光学トラッカー)が取り付けられる。いくつかの実施形態では、入力デバイス500は、操作者1が着用するセンサーによってトラッキングされる。いくつかの実施形態では、入力デバイス500はプラットフォーム602上のセンサーによってトラッキングされる。位置センサーは、地上基準点(図示せず)に対する入力デバイス500の位置を提供することができる。位置センサーおよび/またはエンコーダは、入力デバイス500の位置をトラッキングするために利用され得る。当業者は、超精巧外科システム100の構成要素をトラッキングする他の好適なセンサー、機構または方法を利用し得る。いくつかの実施形態では、2つ以上の(例えば、複数の、いくつかの)トラッキング技術が連携して使用される。冗長トラッキング技術はオクルージョンをなくし、機能不全を検出することができる。冗長トラッキング技術は分解能またはバンド幅を増加させることができる。
【0199】
いくつかの実施形態では、入力デバイス500は無菌であるか、または殺菌されることが可能である。操作者1は、手技中に操作者1の手を無菌環境中に維持する必要がある。手術中に、操作者1は、1つまたは複数の用手ツール350と、1つまたは複数の入力デバイス500とを操作し得る。入力デバイス500は、患者に接触することと併せて使用され得る。例えば、操作者1は、入力デバイス500を制御し、同時に(例えば、それらのハンドでまたは用手ツールで)患者2に接触することができる。無菌操作環境を維持するために、入力デバイス500は無菌であるかまたは殺菌されることが可能でなければならない。
【0200】
いくつかの実施形態では、入力デバイス500は、制御システム400と相互作用する1つまたは複数の特徴を含むことができる。例えば、入力デバイス500は、患者内の作業空間中かまたは患者の上方の自由空間中に置かれたカメラなど、カメラ304(
図35参照)を制御することができる。カメラ304は超精巧外科ツール300と見なされ、入力デバイス500によって制御され得る。入力デバイス500は、ディスプレイ600、702上に示される画像を改変することができる。画像は、以下で説明するように、操作者1などのトラッキング対象、あるいは超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300などの制御可能対象の視点を反映するために、ディスプレイ600、702上で反転、回転、および左右フリップされ得る。いくつかの実施形態では、入力デバイス500はボタンおよび/またはスライダーを含む。ボタンおよび/またはスライダーは、カメラ304のパン/ティルトおよび/またはズームを変更するために操作者1によって作動され得る。いくつかの実施形態では、操作者1は、カメラパラメータを変更するために、入力デバイス500上のボタンを押下し、操作者の体の別の部分の動きを使用する。例えば、操作者1は、カメラパラメータを変更するために、ボタンを押下し、操作者1の眼の動きを使用することができる。いくつかの実施形態では、操作者1は、カメラ304のズームを変更するために(例えば、指で)スライダーを移動する。いくつかの実施形態では、入力デバイス500は、以下で説明する制御システム400からの情報を受け付けることができる。制御システムは、操作者1のための触覚フィードバックを生成せよという命令などの情報を入力デバイス500に送ることができる。触覚フィードバックはワイヤレスまたはワイヤード接続を介して送られ得る。入力デバイス500は、ツールを使用することについての触覚フィードバックを模倣するセンサーを組み込むことができる。入力デバイス500は超精巧外科ツール300の触覚フィードバックを模倣することができる。入力デバイス500は用手ツール350の触覚フィードバックを模倣することができる。超精巧外科システム100は、用手ツール350の実際の触覚フィードバックを、入力デバイス500によって伝達される模倣触覚フィードバックにリンクすることができる。いくつかの実施形態では、入力デバイス500は、触覚フィードバックを提供することができるインターフェース(例えば、プラットフォーム602)においてドッキングされ得る。
【0201】
制御システム
超精巧外科システム100は、(例えば、入力デバイス500、ディスプレイ600を介した)ユーザ入力を出力(例えば、制御ポイントの動き、画像)に変換する制御システム400を含むことができる。制御システム400は、いくつかのユーザ入力をいくつかの制御可能対象にペアリングすることができる。様々な超精巧外科ツール300の移動を実行しているとき、制御システム400は1つまたは複数の制約を維持し得る。制御システム400は、1つまたは複数の超精巧外科ツール300を単一のツール(例えば、超精巧外科ツール300または用手ツール350)にロックすることができる。有利には、制御システム400により、超精巧外科システム100は、外科的手技を実施するために操作者(例えば、外科医)に提供されるフレキシビリティを可能にすることが可能になる。例えば、以下でより詳細に説明するように、制御システム400により、外科医は、様々な基準系(例えば、没入型カメラ搭載の基準系、ワールドグラウンド基準系)と、様々な基準系の間を移動する能力とを使用して超精巧外科ツール300を制御することが可能になり、この能力は、有利には外科医が、外科的タスクを実施するためにカメラ搭載の基準系を用いて超精巧外科ツール300を操作することと、外科医自身に対する超精巧外科ツール300の位置の認識を保ちながら、外科医が別の位置に外科医自身を再配置することを可能にするワールドグラウンド基準系にと、次いで、外科的タスクを続けて異なる外科的タスクを開始するためにカメラ搭載の基準系に戻ることとの間でシームレスに移動することを可能にする。さらに、制御システム400により、有利には、外科医は、超精巧外科ツール300の制御を(例えば、右と左との間で)切り替えることと、最適な位置への外科医の再配置を可能にすることと、それに応じてカメラビューを回転することとが可能になる。さらに、制御システム400により、有利には、1つまたは複数の超精巧外科ツール300は、それが別のツール(例えば、別の超精巧外科ツール300、または用手ツール350)と同期して移動するように制御されることが可能になり得、それにより、外科医は、ツールを仮想的につなぎ留め、ツールを別の手術部位に移動するときなどにそれらを同時に移動することが可能になり得る。
【0202】
図34に、制御システム400の一実施形態を示す。制御システム400のアーキテクチャは、3つのセクション;入力を受信するセクション408と、出力を送ることを担当するセクション410と、入力を含む様々なデータに基づいて出力を計算するセクション412とを含んでいるものとして考えられ得る。操作者1は、入力デバイス500を介して入力を提供することができる。入力はワイヤレスまたはワイヤード入力デバイス500によって提供され得る。操作者1のロケーションは、(例えば、制御システム400と通信するトラッキングデバイスによってトラッキングされる)入力であり得る。追加の構成要素が、ディスプレイ600とクラッチ112とを含む入力を提供することができる。
【0203】
制御システム400は、超精巧外科アーム200、超精巧外科ツール300、および/または用手ツール350のロケーションおよび配向センサーから入力を受信し得る。制御システム400は、様々な入力に部分的に基づいて出力を計算する。出力は1つまたは複数の超精巧外科ツール300および/または1つまたは複数の超精巧外科アーム200を操作し得る。出力は、外科医によって触れられる入力デバイス500に送られる触覚信号であり得る。出力は、1つまたは複数のディスプレイ600、702上に示される画像であり得る。
【0204】
図35に、コンピュータ402をもつ制御システム400の一実施形態を示す。制御システム400は、1つまたは複数の超精巧外科アーム200ならびに1つまたは複数の超精巧外科ツール300など、いくつかの制御可能対象に結合され得る。
【0205】
制御システム400はいくつかの入力デバイス500に結合され得る。矢印は、制御システム400と入力デバイス500との間の情報のフローを示す。制御システムは、矢印によって示されるように、情報、例えば触覚フィードバックを入力デバイス500に送ることができる。破線矢印はワイヤレス通信を示すように意図されている。両矢印は、制御システムへの入力と、制御システムからの出力とを示す。触覚フィードバックはワイヤレスまたはワイヤード接続を介して送られ得る。入力デバイス500は、1つまたは複数の超精巧外科アーム200および/または1つまたは複数の超精巧外科ツール300の移動を制御するために使用され得る。
【0206】
入力デバイス500以外に、制御システムはいくつかの出力デバイスにも結合され得る。制御システム400は、ディスプレイ600およびディスプレイ702など、いくつかのデバイスに結合され得る。ディスプレイ600も入力であり得る。ディスプレイ600は、操作者1に情報を提供し、操作者1からの情報を受け付ける。ディスプレイ600はタッチスクリーンモニタ604であり得る。iPadまたは他のモバイル電子デバイスなど、他のタイプのディスプレイ600も使用され得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ600は無菌であるか、または殺菌されることが可能である。ディスプレイ600は用手ツール350と併せて使用され得る。ディスプレイ600は、患者に接触することと併せて使用され得る。操作者1は、ディスプレイ600と用手ツール350を同時に制御することができる。操作者は、ディスプレイ600を制御し、同時に患者2に接触することができる。
【0207】
制御システム400は、超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300など、いくつかの制御可能対象に結合され得る。制御システム400はいくつかの入力デバイス500に結合され得る。両側矢印は、コンピュータ402と入力デバイス500との間の情報のフローを示す。クラッチ112はコンピュータに入力を提供することができる。
【0208】
用手ツール350(例えば、用手ツール350に固定されたセンサー352)はコンピュータに入力を提供することができる。前に説明したように、用手ツール350はまた、超精巧外科システム100とともに使用され得る。用手ツール350上のセンサー352はコンピュータ402に入力を提供することができる。用手ツール350は、位置センサーなどのセンサー352によってトラッキングされ得る。センサー352は、例えば、用手ツール350上に適合するカラーまたはスリーブによって固定され得る。カラーまたはスリーブは、ワイヤレスまたはワイヤードであり得る様々なセンサー352を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサー352は、用手ツール350と一体的に形成され得る。用手ツール350のトラッキングは、用手ツール350がカメラ304の視界の範囲内にないときなど、多くの状況において有用である。
【0209】
ディスプレイ600は、入力デバイス500と、1つまたは複数の超精巧外科アーム200および/または1つまたは複数の超精巧外科ツール300などの制御対象との間の関連付け(例えば、ペアリング)を示し得る。非限定的な例として、ディスプレイ600は、入力デバイス500と、1つまたは複数の超精巧外科アーム200および/または1つまたは複数の超精巧外科ツール300などの制御対象とのためのアイコンを示し得る。
【0210】
図36に、ディスプレイ600のスクリーンショットの一実施形態を示す。この例では、操作者1が入力デバイス500を選択する。
図36に示されているように、操作者1によって選択されるために2つの入力デバイス500が利用可能である。これらの入力デバイス500は2つのワイヤレスコントローラ514であるが、他の入力デバイス500がディスプレイ600上に示され得る(例えば、ワイヤードコントローラ)。
図36に示されているように、操作者によって選択されるために5つの制御可能対象が利用可能である。これらの制御可能対象は、1つのカメラ304を含む5つの超精巧外科ツール300である。カメラ304は超精巧外科ツール300と見なされ得る。他の制御可能対象がディスプレイ600上に示され得る。操作者1は、入力デバイスアイコンのうちの1つを選択することができる。操作者1は、制御可能対象アイコンのうちの1つを選択することができる。いくつかの実施形態では、操作者1は、入力デバイスアイコンを選択し、次いで、制御可能対象アイコンを順に選択し、その制御可能対象アイコンは、選択された入力デバイスとペアリングされ、選択された制御可能対象を制御することになる。別の実施形態では、操作者1は、タッチスクリーン604上で入力デバイスアイコンと制御可能対象アイコンとの間に指を走らせて、それらを互いにペアリングし得る。また別の実施形態では、操作者1は、2つのアイコンを選択するためにマウスまたはポインタを使用し得る。ディスプレイ600は、例えばアイコン間にラインを示すことによって、入力デバイス500と制御対象との間の関連付け(例えば、ペアリング)を示し得る。
【0211】
例えば、ワイヤレスコントローラ1と標示された1つのコントローラ514は、ツール3と標示された1つの制御可能対象を制御し得る。ワイヤレスコントローラ2と標示された1つのコントローラ514は、ツール4と標示された1つの制御可能対象を制御し得る。入力デバイスと制御可能対象との間の他の構成は、上記で説明した選択シーケンスに従うことによって可能である。
図37は、
図36に示されたディスプレイのスクリーンショットである。例えば、ワイヤレスコントローラ1と標示された1つのコントローラ514は、ツール1と標示された1つの制御可能対象を制御し得る。ワイヤレスコントローラ2と標示された1つのコントローラ514は、ツール5と標示された1つの制御可能対象を制御し得る。
【0212】
制御システム400は、入力デバイス500の座標系と、1つまたは複数の超精巧外科アーム200および/または1つまたは複数の超精巧外科ツール300などの制御対象の座標系とを関連付け得る。ディスプレイ600は、入力デバイス500と制御対象との間の関連付け(例えば、ペアリング)を示し得る。入力デバイス500および制御対象は、同じ座標系において移動し得る。入力デバイス500は直線座標系において移動し得、それにより、制御対象も直線座標系において移動され得る。例えば、正のx軸方向の1距離当たりの入力デバイス500の移動は、正のx軸方向に超精巧外科ツール300を異なる距離または同じ距離移動させ得る。制御対象と入力デバイスの両方は直線座標系において移動する。
【0213】
入力デバイス500は想像上の中心の周りを移動し得、それにより、制御対象は仮想グリップ512の周りを移動され得る。例えば、超精巧外科ツール300が支点の周りを円弧で移動する場合、入力デバイス500を想像上の中心の周りに円運動で移動させることがより自然であり得る。この円運動は、入力デバイス500の直線運動よりも自然であり得る。制御対象と入力デバイスの両方は極座標系において移動する。
【0214】
入力デバイス500および制御対象は、異なる座標系において移動し得る。入力デバイス500は直線座標系において移動され得、それにより、制御対象は極座標系において移動され得る。いくつかのタイプの動きでは、代替座標系において制御対象の動きを計算および/または表示するのがより容易であり得る。組合せが可能である。
【0215】
操作者は、超精巧外科システム100のためにいくつかの制約を確立し得る。制御システム400は、制約が位置などの測定量、または距離、速度、力、および張力などの導出パラメータであるように構成され得る。制御システムは、制約が制御対象ごとに異なり得るように構成され得る。
【0216】
様々な超精巧外科ツール300の移動を実行しているとき、制御システム400は1つまたは複数の制約を維持し得る。制約は、距離、速度、力、張力、および/または半径などの物理または導出パラメータであり得る。制御システム400は、1つまたは複数の超精巧外科ツール300の動きに1つまたは複数の制約を適用し得る。制約は制御対象ごとに異なり得る。例えば、単一のツールにロックされた超精巧外科ツール300は異なる制約を受け得る。各超精巧外科ツール300は独立した制約を有し得る。
【0217】
いくつかの実施形態では、2つの超精巧外科ツール300は一緒に移動するように制約され得る。外科医などの操作者1は、超精巧外科ツール300のうちの1つまたは複数を単一のツールにロックすることができる。ロックされた超精巧外科ツール300のすべては単一のツールに従い得る。言い換えれば、ロックされた超精巧外科ツール300のすべては、単一のツールが操作者1によって制御されあちこちを移動されるように、実質的に一斉に(例えば、同時に)移動し得る。概念的に、このロックステップ動きは、超精巧外科ツール300の相対的位置を一定に保持し、超精巧外科ツール300のセットを一斉に移動する、仮想的束縛として見なされ得る。
【0218】
1つまたは複数の超精巧外科ツール300を単一のツールにロックするという概念は、その単一のツールが超精巧外科ツール300であるか用手ツール350であるかに等しく適用される。1つまたは複数の超精巧外科ツール300が用手ツール350に従うために、用手ツール350は並進と回転とについて空間中でトラッキングされ得る。1つまたは複数の超精巧外科ツール300が用手ツール350に従うこのタイプの構成は、外科医などの操作者1が作業空間内で大きい距離を移動することを希望するときに有用であり得る。ロッキングの概念はまた、有利には、超精巧外科ツール300、用手ツール350および/または患者2の解剖学的構造間の衝突を回避し得る。
【0219】
すべての超精巧外科ツール300を単一のツールにロックすることが必要であるとは限らない。いくつかの実施形態では、操作者1は、超精巧外科ツール300の一部(しかし全部ではない)を単一のツールにロックし、一部の超精巧外科ツール300をアンロックさせて所定の位置に残すことを選定することができる。例えば、カメラ304は良好な位置にあり得るが、グラスパなどの他の超精巧外科ツール300は異なるロケーションに移動される必要があり得る。グラスパなどの他の超精巧外科ツール300は単一の超精巧外科ツール300に従うようにロックされ得るが、カメラ304は所定の位置にとどまることができる。操作者1が、外科的介入を受けている現在のセクションから遠くにある体の別のセクション上で手術する必要がある場合、超精巧外科ツール300の全部または一部を一斉に移動する必要が発生し得る。
【0220】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の超精巧外科ツールは、ディスプレイ600の使用を通して単一の超精巧外科ツールまたは単一の用手ツールにロックされ得る。
図40に、ディスプレイ600上に表示され得るスクリーンショットを示す。他のスクリーンレイアウトが可能である。ディスプレイ600は、外科医などの操作者1が超精巧外科ツール300のうちの1つまたは複数をロックすることを可能にする。スクリーンショットの上部分は、入力デバイス500と、超精巧外科ツール300などの制御可能対象とを示している。
図40は、カメラ304を含む5つの超精巧外科ツール300を示している。用手ツール350も示されている。
図40は、2つの入力デバイス500と、ワイヤレスコントローラ520と、ワイヤレスコントローラ522とを示している。制御システム400と通信しているすべての超精巧外科ツール300とすべての用手ツール350とを含むツールに応じて、ディスプレイ600は適切なアイコンを表示する。ワイヤレスコントローラ520は制御可能対象ツール1に接続される。ワイヤレスコントローラ522は制御可能対象に接続されない。
【0221】
図40のスクリーンショットの下部分はロッキングオプションを示している。入力デバイスによって制御されるすべての制御可能対象がリスト上に現れるとは限らない。例えば、ツール1はワイヤレスコントローラ520によって制御されているので、ディスプレイ600は、ロックされ得るツールのセット中にツール1を表示しない。1つまたは複数の超精巧外科ツール300など、選択される制御可能対象は、ロックされるためにユーザによって選択され得る。例えば、ツール2および3はロックされるために選択されるが、ツール4および5は選択されない。ディスプレイ600は、
図40に示されているように、選択された項目をハイライトすることができる。ロックされるように選択された超精巧外科ツール300は白で示されているが、他のものは黒で示されている。スクリーンショットの下部分に、ディスプレイ600は単一のツールのためのオプションを表示する。1つまたは複数のロックされた超精巧外科ツール300によってこの単一のツールが従われる。例えば、用手ツール350が単一のツールになるように選択されるが、ワイヤレスコントローラ522によって制御されるツール1は選択されない。ディスプレイ600は、
図40に示されているように、選択された項目をハイライトすることができる。この例では、ツール2とツール3とが用手ツール350にロックされるが、他の構成が可能である。
【0222】
いくつかの実施形態では、単一のツールの移動は、ツールのセットに関連付けられたより大きい移動ではなく、より小さいハンドジェスチャーによって制御され得る。例えば、単一のツールは、ワイヤレスコントローラ522によって制御されるツール1であり得る。ワイヤレスコントローラ522は、上記で説明したように、操作者1によって着用され得る。例えば、操作者の手の1つまたは複数の指は、固定されたまたはさもなければアタッチされたセンサーを有し得る。手のまたは指の特定の移動が単一のツールを移動させ得る。ロックされた1つまたは複数の超精巧外科ツール300は、上記で説明したように、単一のツールの移動に従って移動する。
【0223】
外科医などの操作者1は、選択された超精巧外科ツール300を単一のツールに能動的に従うことに関与するかまたはそれから離脱し得る。操作者は、フットペダルなどのクラッチ112を利用することができる。例えば、クラッチ112が押下されたとき、選択された超精巧外科ツール300は単一のツールに従うことになる。クラッチ112がリリースされたとき、選択された超精巧外科ツール300は、移動を停止し、所定の位置にとどまることになる。この特徴により、有利には、操作者は、コンピュータユーザがマウスを持ち上げそれをより快適な位置に配置することによってコンピュータマウスを再配置するのとほとんど同様に、操作者の腕を再配置することが可能になり得る。
【0224】
以下の3つの制約は、課され得る追加の制約の例を提供する。把持された対象の一定張力が維持される。超精巧外科ツールの動きに対する手の動きの比が1:10であり、これは、手が10cm移動するとき、ツールが1cm移動することを意味する。カメラツール304が、線形的に並進される代わりに、支点の周りを回転される。
【0225】
制御システム400は、制約を超精巧外科ツール300に適用することができる。例えば、制御システム400は、超精巧外科ツール300のセットによって保持された組織に一定張力を印加するために1つの超精巧外科ツール300の位置を調整することができる。これらの制約は、超精巧外科ツール300を制御するための有用な方法を提供する。制約は、同様に用手ツール350に対して適用され得る。上記で説明した制約に加えて、またはそれの代わりに他の制約が適用され得る。制御システム400は、超精巧外科ツール300とカメラ304との間に制約を適用することができる。制御システム400は、1つまたは複数の超精巧外科ツール300とカメラ304との間に位置、速度または力の制約を確立することができる。
【0226】
図38A〜
図38Bにおいて、グリッパーなどの2つの超精巧外科ツール300が組織突起の両側に示されている。超精巧外科ツール300は、
図38に示されているようにある距離308にある。突起が除去されたとき、超精巧外科ツール300は再配置される必要があり得る。例えば、突起はもはや組織を引っ張っていないので、組織はより高い張力で保持される必要があり得る。超精巧外科ツール300は今度は、距離308よりも大きくなり得る距離310にある。制御システム400は、手術のいくつかのパラメータが維持され得るように超精巧外科ツール300を制御し得る。例えば、この例では、制御システム400は、組織が一定張力にあるように超精巧外科ツール300を制御し得る。
【0227】
超精巧外科システム100において複数のツールが使用される場合、2つ以上のツールの任意のセットが剛体として制御され得る。例えば、超精巧外科ツール300のセットは、組織が剛体として操作されカメラ304によってトラッキングされるように制御され得る。制御システム400が適切な張力を計算し、超精巧外科ツール300を通して組織に印加するとき、剛体の効果が達成され得る。この計算はリアルタイムであり、動的であり得る。例えば、外科医の制御側の動きにより組織のセクションが動いている場合、これは、剛体の効果を維持するのを支援し得る。
【0228】
基準系、視覚的手がかり
制御システム400は、有利には、操作者1が超精巧外科ツール300および/または用手ツール350を自然に制御することを可能にする。自然で有効な制御を可能にする、以下の少なくとも2つの相互接続された部片がある:視覚的手がかり、および人体にとって自然であり人間の脳によって容易に処理される基準系において移動すること。脳は、人の手首に関連付けられた基準系を容易に理解することができる。制御システム400は、有利には、超精巧外科ツール300および/または用手ツール350に関係する視覚的手がかりを操作者1に提供し、その視覚的手がかりにより、操作者は、超精巧外科ツール300および/または用手ツール350の移動に関連付けられた基準系をより良く理解することが可能になる。
【0229】
基準系
上記で説明したように、基準系が手首に結合されている場合、人間の脳は移動を容易に理解することができる。
図41A〜
図41Dを参照すると、脳は、対象に達するために、手首が対象のほうへ移動されるべきであることを理解する。脳は、手首の配向に基づいて、手首をどの方向へ移動すべきかを理解する。
【0230】
図41Aおよび
図41Cに、外科医などの操作者1の左手および右手が示されている。各図には、手の動きの方向が示されている。各手は対象のほうへ移動する。左手は位置1から位置2まで、対象Aのほうへ移動する。右手は位置1から位置2まで、対象Bのほうへ移動する。各手首の上に基準系が置かれる。基準系の配向は、基準系を表すアイコンのとがった端部によって示されている。想像上の観察者802が、基準系アイコンの中央の円上に立ち得る。言い換えれば、想像上の観察者802は、アイコンのとがった端部の方向に、矢印の方向に見ることができる。
【0231】
図41Aおよび
図41Cは、各手についての動きと基準系とを示している。
図41Bおよび
図41Dは、上記で説明したように置かれた想像上の観察者802によって動きがどのように知覚されるかを示している。左手は位置1から位置2まで、対象Aのほうへ移動する。右手は位置1から位置2まで、対象Bのほうへ移動する。各手首の上に基準系が置かれる。
【0232】
図41Aでは、両方の手は同じ方向に配向され、したがって、両方の手は対象に達するために前方に移動しなければならない。
図41Aにおいて、各想像上の観察者802のための基準系(各手首の上に1つ)は、同じ方向に配向される。言い換えれば、それらの基準系は整合される。
【0233】
図41Bは、これらの想像上の観察者802に対象がどのように見えるかを示している。両方の想像上の観察者802は、実質的に同じ画像を見る。位置1において、対象AおよびB、円および三角形は、想像上の観察者802からある距離だけ離れている。位置2において、対象AおよびB、円および三角形は、想像上の観察者802により近接している。右手首の上の想像上の観察者802は、対象B、三角形により近接している。左手首の上の想像上の観察者802は、対象A、円により近接している。
【0234】
図41Cにおいて、左手は右手に対して直角である。右手は、対象に達するために前方に移動しなければならない。左手は、対象に達するために左のほうへ移動しなければならない。
図41Cでは、各想像上の観察者802のための基準系(各手首の上に1つ)は、同じ方向に配向されない。左手の基準系は右手の上の基準系に対して90°回転される。
図41Cは互いに90°回転された基準系を示しているが、3次元空間における他のどんな配向も可能である。
【0235】
図41Dは、これらの想像上の観察者802に対象がどのように見えるかを示している。両方の想像上の観察者802は異なる画像を見る。右手首の上の想像上の観察者にとって、対象AおよびBは閲覧者の前にある。左手首の上の想像上の観察者にとって、対象AおよびBは閲覧者の左側にある。位置1において、対象AおよびB、円および三角形は、想像上の観察者802からある距離だけ離れている。位置2において、対象AおよびB、円および三角形は、想像上の観察者802により近接している。
【0236】
図41A〜
図41Dにおいて、操作者は視覚的手がかりを提供される。操作者は対象AおよびBを見ることができる。操作者1はその操作者1の手を見ることができる。操作者1が患者の体内で超精巧外科ツール300および/または用手ツール350を操作しているとき、操作者1は、超精巧外科ツール300および/または用手ツール350に関係する視覚的手がかりを受け取ることから恩恵を受け得る。視覚的手がかりは、操作者が、超精巧外科ツール300の移動に関連付けられた基準系をより良く理解することを可能にすることができる。本明細書で説明するように、超精巧外科システム100は、操作者1が超精巧外科ツール300と用手ツール350を同時に制御することを可能にする。例えば、非限定的な例として、操作者1は、左手でグリッパーなどの超精巧外科ツール300を制御し、右手でステープラなどの用手ツール350を制御することができる。制御システム400は、操作者1が、独立した基準系800において各ツールを操作することを可能にすることができる。制御システム400は、操作者の動き(例えば、入力デバイス500を制御する動き)を正しい基準系における移動に変換するための制御アルゴリズムを含むことができる。
【0237】
次に
図42Aを参照すると、操作者1は、患者の体内で超精巧外科ツール300と用手ツール350とを操作している。
図42Aは、操作者1の左手で超精巧外科ツール300を制御し、操作者1の右手で用手ツール350を制御している操作者1を示している。超精巧外科ツール300および/または用手ツール350の両方は体内にあり、操作者の視界から遮られている。
【0238】
用手ツール350は、患者2に対する操作者1の位置を規定し得る。用手ツール350の設計は、用手ツール350を制御している手の位置を規定することになる。操作者1は、操作者1の他方の手で実質的に同じ位置から超精巧外科ツール300を制御することを希望し得る。
【0239】
超精巧外科ツール300を制御している操作者の左手に関連付けられた基準系は、用手ツールを制御している操作者の右手に関連付けられた基準系に対して回転され得る。
図42Aに示されているように、右手のための基準系は左手のための基準系に対して90°回転される(
図41Aに示された構成の反対の構成)。
【0240】
基準系は各手首の上に置かれる。想像上の観察者802に対象がどのように見えるかを示すために各手首の上に矢印の2つの直交ペアが示されている。右手首において、「RR」という文字は、この方向が操作者の右手首の右側である、または想像上の観察者802に対して右側であるように見えるものであることを示す。「LR」という文字は、操作者の左手首の右側、または想像上の観察者802に対して右側であるように見えるものを示す。両方の想像上の観察者802は異なる画像を見る。(体内にレンズをもつ)カメラ304は、体内にある用手ツール350と超精巧外科ツール300の両方を見る。
【0241】
用手ツール350を操作するために、操作者1は右手を移動し得、図示のように基準系において右手首を使用し得る。右手は、右腕に対して90°の角度に、および左手に対して90°の角度に示されている。操作者は、各ツールを独立した基準系において操作することができる。用手ツール350は、右手首に関連付けられた基準系に関して操作され得、超精巧外科ツール300は左手首に関して操作され得る。
【0242】
図42Aは、左手に固定された入力デバイス500を示している。操作者1は、グラスパなどの超精巧外科ツール300を制御するために入力デバイス500を使用することができる。(体内にレンズをもつ)カメラ304は、ディスプレイ702上にグラスパおよび/またはグラスパのエンドエフェクタの動きを示す。図示の実施形態では、操作者1は、患者2に対面して患者2のそばに立っており、操作者1の頭部をディスプレイ702に向けている(例えば、矢印Bに沿ってまっすぐ向けている)。制御システム400は、ディスプレイ上に手術の自然な全体像を示すことができる。例えば、左手の右方への動きは、ディスプレイ702上に提示される超精巧外科ツール300の右方への動きとして示され得る。制御システム400は、ディスプレイ600、702上で画像を配向するために、入力デバイス500の位置、カメラ304の位置、操作者1の位置、および/または超精巧外科ツール300の位置を使用することができる。制御システム400はグラスパのエンドエフェクタの動きを計算することができる。制御システム400は、ディスプレイ600、702上でカメラ304の画像を配向することができる。例えば、制御システム400は、左手首の右方の動きが超精巧外科ツール300の右方の動きとして見られるように画像を配向することができる。
【0243】
操作者の右手を用いた用手ツール350の制御は、操作者の右手首に関連付けられた基準系において行われ得る。操作者の左手を用いた超精巧外科ツール300の制御は、操作者の左手首に関連付けられた基準系において行われ得る。左手首のこの基準系は、右手首の基準系から独立した基準系であり得る。操作者の右手首と右手との角度にかかわらず、人間の脳は、それらの右手首と右手とに対して右、左、上、および下を認識することができる。
【0244】
2つの基準系は、完全に独立しているか、部分的に整合されるか、または完全に整合され得る。いくつかの実施形態では、超精巧外科ツール300は、外科的ターゲットと整合された基準系において移動し得る。用手ツール350と超精巧外科ツール300の両方は、用手ツール350と超精巧外科ツール300との一致する移動を可能にするように外科的ターゲットに対して移動し得る。すべてのこれらの例において、用手ツール350の基準系は、超精巧外科ツール300の基準系と整合されることも整合されないこともあることに留意されたい。各状況は、超精巧外科ツール300と用手ツール350とがどのように制御されるかおいてそれ固有の利点を有するであろう。
【0245】
複数のツールを独立した基準系において制御しているとき、ツールの様々な組合せが利用され得る。操作者は、超精巧外科ツール300および用手ツール350、あるいは2つ以上の超精巧外科ツール300、あるいは2つ以上の用手ツール350を制御し得る。操作者1は、上記で説明したように用手ツール350と超精巧外科ツール300とを制御するのとは対照的に、各手を用いて1つまたは複数の超精巧外科ツール300を操作し得る。
【0246】
人間の脳はまた、超精巧外科ツール300を容易に理解し、用手ツール350と協調させて、これらの2つのツールを一緒に使用することが可能である。脳は、異なる基準系にもかかわらず、移動を協調させることが可能である。
図42Aにおいて、操作者1は、右手でステープラなどの用手ツール350を保持し、左手で入力デバイス500を保持している。
【0247】
視覚的手がかり
人間の脳は、適切な情報を用いて、用手ツール350と超精巧外科ツール300とをどのように移動すべきかを決定することが可能である。この情報は、ユーザが超精巧外科ツール300の移動を自然に理解することを可能にするはずである。制御システム400は、例えば、超精巧外科ツール300の自然な制御を可能にするために、操作者に提示される画像を配向することによって、または前記画像において提供される情報を変化させること(例えば、操作者1がツールの配向を理解するのを助けるために患者2の体の少なくとも一部を示すこと)によって、有利にはそのような視覚的手がかりを操作者1(例えば、外科医)に提供する。このようにして、制御システム400は、操作者1のどんなロケーションからでも超精巧外科ツール300の自然な制御を可能にすることができる。
【0248】
図42Bに、ディスプレイ702のビューを示す。ディスプレイ702は、
図42Aに示されたカメラ304によってキャプチャされた画像を提供することができる。
図42Aには、矢印Aの方向に沿った左手の右方の動きが示されている。ツールの相対的配向が、作業空間についての操作者1の理解を増補することができる。ディスプレイ702は、同じ環境中に用手ツール350と超精巧外科ツール300とを表すことがある。しかしながら、ツール300、350に対する患者の配向の画像など、カメラ画像以外の画像が、患者の体内の超精巧外科ツール300および/または用手ツールの動きについての操作者1の理解を増補し得る。
【0249】
制御システム400は、ディスプレイ600、702上でカメラ画像を配向し得る。ディスプレイ600,702は用手ツール350と超精巧外科ツール300の両方を示すことができる。制御システム400は、操作者の手首の基準系に対してカメラ画像を配向し得る。制御システム400は、操作者の手首に対する動きの方向を判断し、同じ方向に移動の画像を提示し得る。例えば、
図42Aにおいて、操作者1は操作者1の左手を矢印Aに沿って移動する。操作者は操作者の左手を右のほうへ移動する。
【0250】
図42Bに示されているように、制御システム400は、ディスプレイ702上に提示される画像が移動の方向に一致するようにカメラ304の画像を配向することができる。ディスプレイ702上に提示されるとき、超精巧外科ツール300の動きは元の方向に沿って右方に生じる。カメラの視点からは、この動きは左方であるか、またはある角度に向けられ得る。制御システム400は、操作者1が動きを自然に理解することが可能であるように超精巧外科ツール300の動きを表示することができる。ディスプレイ702を見ることによって、操作者1は、入力デバイス500の右方の移動を超精巧外科ツール300の右方の動きと調和させることができる。
【0251】
ディスプレイ600、702上の画像の配向は、支点の周りを回転する超精巧ツールまたは用手ツールの使用を支援し得る。用手ツール350の遠位端(手から最も遠く離れたセクション)の動きは、手に対して反対方向に移動し得る。言い換えれば、右手が支点の周りでステープラを操作している場合、ステープラのハンドルの右方の動きは、ステープラの遠位端の左方の動きに変換されることになる。視覚的手がかりを提供することによって、超精巧外科システム100は、支点の周りを回転する超精巧ツールまたは用手ツールの自然な使用を可能にし得る。
【0252】
制御システム400は、本明細書で説明するように、操作者1に提示される画像を介して操作者1のどんなロケーションからでも超精巧外科ツール300の自然な制御を可能にすることができる。手技中に、操作者1は操作エリアの周りを移動する必要があり得る。用手ツール350は操作者1のロケーションを規定し得る。制御システム400は、操作者のロケーションにかかわらず、操作者1の視点に基づいて画像を提示することができる。
【0253】
操作者1の位置はトラッキングされ得る。画像は、操作者1の視点に一致するように更新され得る。画像は、特にズームアウトされたビューにおいて、操作者1のロケーションに基づいて計算され得る。操作者1のトラッキングは、限定はしないが、センサーを操作者1に固定すること、または光学的位置決定システムを使用することによるなど、様々な技術のうちの1つを使用することによって達成され得る。超精巧外科システムは、操作者1をトラッキングするグローバルトラッカーを有することができる。
【0254】
操作者1のロケーションは、制御システム400への入力であり得る。制御システム400は、操作者1の視点(point view)から画像を計算し、提示する。言い換えれば、ディスプレイ600、702は、操作者1がそのロケーションからどんな解剖学的構造またはツールを見ているであろうかを示すことができる。操作者1が動き回ると、ディスプレイ600、702上に提示される画像は操作者1の位置に基づくものになり得る。操作者のロケーションに基づく画像の計算および提示は、解剖学的構造についての操作者の理解を増補し、操作者が、用手ツール350と超精巧外科ツール300の両方とより容易に相互作用することを可能にし得る。
【0255】
座標変換が近位端(例えば、腹腔鏡ツール)または遠位端(例えば、エンドエフェクタ)に関連付けられ得る。制御システム400は、超精巧外科ツール300と用手ツール350との画像を独立した座標系において提示し得る。前述のように、入力デバイス500の座標系は超精巧外科ツール300の座標系とは異なり得る。ディスプレイ600、702上の画像は、超精巧外科ツール300の動きを超精巧外科ツール300の座標系において示すことができる。
【0256】
図42Cに、ツールと、ディスプレイ702と、操作者1との構成の別の例を示す。ディスプレイ702は操作者1の左側に見せられる。操作者1は、患者2に対面して患者2のそばに立っているが、操作者1の頭部を(矢印Cに沿って)ディスプレイ702のほうへ向けている。各超精巧外科ツール300の基準系は操作者1の各手首に関連付けられる。制御システム400は、ディスプレイ702のどんなロケーションからでも超精巧外科ツール300の自然な制御を可能にすることができる。ディスプレイ702は、操作者が超精巧外科ツール300と用手ツールとの動きを理解することを可能にするための視覚的手がかりを提示することができる。ディスプレイ702の配向にかかわらず、制御システムは、操作者の理解を増補するためにこの画像を配向することができる。制御システム400は、ディスプレイ702の配置にかかわらず、ディスプレイ702上に手術の自然な全体像を示すことができる。手首との基準系の関連付けにより、制御の直観が維持される。
【0257】
ディスプレイ600、702は同じ画像または異なる画像を示すことができる。ディスプレイ600は、本明細書で説明するように、システムへの入力を提供することができる。ディスプレイ600、702は単一のスクリーン上に複数の画像を示すことができる。
【0258】
ディスプレイ600、702は、入力デバイス500の動きと、超精巧外科ツール300の動きとの間の様々なタイプの関連付けを示し得る。いくつかの実施形態では、手の動き、ツールの動き、およびディスプレイ上に示される動きの間に1:1の関係があり得る。他の関係が可能である。ディスプレイ600、702は、手の動きとツールの動きとの方向に対して、動きが逆に示されるように逆の動きを示し得る。ディスプレイ600、702は、手の動きとツールの動きとの方向に対してある角度でスキューされた動きを示し得る。ディスプレイ600、702は、手首に関連付けられた基準系に対するどんな配向でも示し得る。
【0259】
手首は、基準系が関連付けられ得る対象の一例として述べられたものにすぎない。基準系は、操作者の体、患者、作業空間中の対象、操作領域中の対象、ディスプレイ、超精巧外科ツール、カメラ、超精巧外科アーム、または任意の他の対象の任意の部分に固定され得る。しかしながら、前腕、手首、手、および頭部を含む、操作者の体のセクションに基準系を固定することは、自然な様式で超精巧外科ツール300の制御を可能にし得る。
【0260】
本明細書で説明するように、超精巧外科システム100は、有利には、操作者1が様々な基準系から超精巧外科ツール300を制御することを可能にする。例えば、操作者1は、体内の、作業空間中のカメラ304の基準系から超精巧外科ツール300を制御することができる。操作者1は、操作者1の手の移動を、カメラ304の基準系における超精巧外科ツールの移動にマッピングすることができる。このビューは、大きい動き、または患者の体外の基準系に対して移動するのがより自然である動きでは、限定的であり得る。したがって、超精巧外科システム100は、操作者が基準系を別のビューに動的に変更することを可能にする。操作者1は、1つまたは複数の超精巧外科ツール300のためにワールドグラウンド基準系(例えば、操作領域と患者とのビュー)に切り替わることができる。ワールドグラウンド基準系は、本明細書で説明するように、大きい動きのために、および/または1つまたは複数の超精巧外科ツール300が単一のツールにロックされるときのために有用であり得る。ワールドグラウンド基準系は、1つまたは複数の超精巧外科ツール300を患者に対して新しいロケーションに移動しているときに有用であり得る。ワールドグラウンド基準系は、操作者1が患者に対して操作者1自身を再配置するときに、および/または操作者1の新しい位置に基づいてどの手が入力デバイス500を制御するのかを切り替えるときに有用であり得る。操作者1は、カメラ304を制御し、ワールドグラウンド基準系のディスプレイ600、702上に画像を提示することができる。超精巧外科システム100は、操作者が基準系をカメラ304の基準系に動的に戻すことを可能にする。
【0261】
いくつかの実施形態では、基準系は動いていることがある。非限定的な例として、基準系は、移動中のプロセスにあり得る用手ツール350にアタッチされ得る。制御システム400は、ツールのセットが一緒に移動するように1つまたは複数の超精巧外科ツール300を用手ツール350にロックし得る。ロッキングの概念については本明細書で説明されている。ディスプレイ600、702は、移動中のツールに関連付けられた基準系を示し得、意図されたグループとしてツールのセットが移動しているという保証を提供し得る。
【0262】
クラッチ112が初めに係合されたとき、操作者1の位置に基づいて基準系が確立され得る。クラッチ112が係合されたとき、入力デバイス500は1つまたは複数の超精巧外科ツール300を制御することができる。クラッチ112が離脱されるとき、制御システム400はこの基準系を記憶することができる。クラッチ112が再び係合されたとき、1つまたは複数の超精巧外科ツール300は、前に確立されたのと同じ基準系に対して移動する。
【0263】
いくつかの実施形態では、クラッチ112が再び係合されたとき、操作者1の新しい位置に基づいて新しい基準系が確立される。操作者1は、クラッチ112の以前の係合において確立された基準系を使用すべきか、または新しい基準系を使用すべきかを決定し得る。クラッチ112の係合は1つまたは複数の基準系を確立し得る。操作者1がただ1つの入力デバイス500を使用している場合、制御システム400によってただ1つの基準系が確立され得る。しかしながら、操作者1が2つの入力デバイス500を使用している場合、クラッチ112によって2つの基準系が確立され得る。基準系は、各手首に関連付けられ得、整合されるか、部分的に整合されるか、または独立していることがある。
【0264】
操作者1の右手と左手とは、2つの異なる基準系において対象を操作することができる。対象はサイズ、形状または機能が類似していないことがある。超精巧外科システム100は、用手ツール350と超精巧外科ツール300の同時制御を可能にする。操作者1は、この同時制御を可能にするために、用手ツール350および/または超精巧外科ツール300への制約に関して十分な手がかりを提供される。操作者1は、この同時制御を可能にするために、用手ツール350および/または超精巧外科ツール300の基準系に関して十分な手がかりを提供される。超精巧外科システム100の制御システム400は、有利には、様々な基準系における超精巧外科ツール300および/または用手ツールの動きを可能にする。この能力は、用手ツール350と超精巧外科ツール300の複合使用中に極めて有用であり得る。
【0265】
視覚的手がかりのソース
情報の1つのソースは、操作領域またはディスプレイ600、702のいずれかを観測することを通して操作者1によって見られる視覚的手がかりである。追加の情報が、超精巧外科ツール300と用手ツール350との動きについての操作者の理解を増補することができる。視覚的手がかりは制御システムによって供給され、ディスプレイ600、702上に示され得る。
【0266】
情報の1つのソースは、操作領域を観測することを通して操作者1によって見られる視覚的手がかりである。操作者のロケーションから、操作者は操作領域のセットアップを見ることができる。操作者1は、患者に対する、操作者1の手を含む操作者1の体の配向を見ることができる。操作者1は、ツールが体に進入するロケーションを見ることができる。言い換えれば、外科医は、解剖学的構造に対するツール300、350の位置を理解するための手がかりとして、ベッド102、患者2、外科医の手など、外科医の周りの対象を使用し得る。外科医は、その理解に合わせて超精巧外科ツール300または用手ツール350を操作することができる。
【0267】
情報の1つのソースは、視覚的手がかりであり、ディスプレイ600、702上に提示される画像である。制御システム400は、手技についての操作者の理解に関係する画像を計算し、提示することができる。画像は、操作者1が超精巧外科ツール300、用手ツール350、および/または患者の解剖学的構造を見ることを可能にすることができる。画像は、超精巧外科システム100の1つまたは複数の可視化構成要素から発生することができる。これらの構成要素は、制御システム400によって制御され得る1つまたは複数のカメラ304を含む。カメラ304は、超精巧外科ツール300と見なされ、操作者1に画像を提供するために超精巧ロボットアーム200によって移動され得る。例えば、複数のカメラ304が配備され得る。各カメラ304は、解剖学的構造の異なるセクションの画像を収集し得る。いくつかの実施形態では、各トロカール先端上にミリメートルサイズのカメラ304が配置される。いくつかの実施形態では、制御システム400および/または可視化構成要素は、患者2の内部と外部の両方の環境のリアルタイム3D再構成を実施する。制御システム400および/または可視化構成要素は、以前のX線およびCTスキャンなど、患者の以前のイメージングを組み込むことができる。より完全な情報を操作者1に与えるために、ソースからの情報は混合され得る。可視化システム700は、様々なソースから作業空間を閲覧するための自由を操作者1に提供し得る。
【0268】
画像は1つまたは複数のディスプレイ600、702上で閲覧され得る。ディスプレイ600は、本明細書で説明するように、操作者1からフィードバックを受け取るように構成され得る。画像は1つまたは複数の没入型コンソール704上で閲覧され得る。超精巧外科システム100は、操作者1が、操作者1が動き回り、手技のために患者2に対して最も最適な位置に操作者1自身を置くことを可能にする。手技中に、操作者1(例えば、外科医)は操作者1自身を再配置し得る。1つまたは複数のディスプレイ600、702は、操作者1が、複数のロケーションから超精巧外科ツール300、用手ツール350、および/または患者の解剖学的構造を閲覧することを可能にする。ディスプレイ600、702上の画像は操作者1のロケーションに基づいて更新され得る。
【0269】
ディスプレイ600、702上に示される画像は、実施されている操作のタイプに依存し得る。例えば、操作者1が精密な縫合を行っている場合、解剖学的構造とツールとのズームインされたビューがディスプレイ600、702上に示され得る。このビューはカメラ304から直接取得され得る。操作者が次に体の異なる部分に移動することを希望する場合、ツールの大きい動きが必要とされ、ズームアウトされたビューがディスプレイ600、702上に示され得る。言い換えれば、ズーム係数が動きに適応することができる。ズーム機能は、実施されている動きのタイプに少なくとも部分的に基づいて、制御システム400によって自動的に遂行され得る。ズーム機能はまた、操作者1によって開始され得る。ズームレベルは、ズームインまたはズームアウトするためのジェスチャーを使用することによるなど、入力デバイス500を使用して変更され得る。ズームレベルを変更する他の方法が可能であり、例えば、サムホイールなどの用手デバイスを入力デバイス500上にアタッチし、その入力デバイス500において、操作者はズームレベルを変更するためにサムホイールを移動することができる。他の方法は、ディスプレイ702またはディスプレイ600上にボタンまたはスライドバーを設けることを含む。
【0270】
ズーム操作中に、画像間の遷移は滑らかでシームレスであり得る。画像がズームアウトすると、より少ない解剖学的細部が表示され得る。制御システムは、患者1内のカメラ304から、患者の体外に取り付けられたカメラ304からのフィードへの変更など、画像フィードを変更し得る。ズームアウトされたビューについてのデータの他のソースについては以下で説明する。
【0271】
いくつかの実施形態では、仮想カメラ706(
図43参照)が作成され得、これにより、様々な視点からのターゲット可視化が可能になる。仮想カメラ706はどんな視点からでも画像を作成する。仮想カメラ706は、作業空間の周りに存在する複数の制御可能対象のうちのいずれかの視点に関連付けられ得る。仮想カメラ706は、外科医などの操作者1の視点に関連付けられ得る。操作者1が動き回ると、可視化システム700は操作者の現在の視点に調整する。仮想カメラ706は、本明細書で説明するように、複数のソースを使用して画像を作成することができる。
【0272】
いくつかの実施形態では、仮想カメラ706はカメラツール304に関連付けられ得る。外科医などの操作者1は、手術外科中にカメラ304の位置を調整することを選定し得、それにより、したがって、仮想カメラ706が調整される。したがって、カメラ304が移動するにつれてディスプレイ600、702が更新されることになる。
【0273】
図43に、手術中に外科医などの操作者1によって仮想カメラ706がどのように調整され得るかの一例を示す。操作者1がトラッキングデバイスを着用している場合、操作者1はトラッキングされ得る。操作者1のビューに対してカメラ304のビューが反転される場合、制御システム400は、操作者1の位置を認識し、操作者1の視点をより良く反映するためにディスプレイ600、702上で仮想カメラ706を反転させることができる。操作者1がカメラ304と整合されるように移動すると、制御システム400は、操作者1の位置を認識し、カメラ304の正しい画像を反映することができる。画像は、操作者1などのトラッキング対象、あるいは超精巧外科アーム200および/または超精巧外科ツール300などの制御可能対象の視点を反映するために、ディスプレイ600、702上で反転、回転、および左右フリップされ得る。別の例として、ディスプレイ600は、外科医などの操作者1が最も適切なビューを選定し得るように仮想カメラ706の位置を変更するためのスライダーまたはボタンを表示し得る。
【0274】
仮想カメラ706からの画像を拡張するために様々なカメラパラメータが制御および調整され得る。非限定的な例として、ズーム機能が調整され得る。例えば、大スケールの動きが望まれる場合、ディスプレイ600、702上の画像がズームアウトされ得る。外科医などの操作者1がツールを大スケールの動きのために動かすと、ディスプレイ600、702上の画像は、作業空間を閲覧するためにズームインおよびズームアウトすることができる。これは自動的に行われ得る。角度およびズームなどのカメラパラメータは、例えば、仮想カメラ706が入力デバイス500によって制御される場合、手の動きを使用して調整され得る。手またはワイヤレスコントローラにアタッチされたセンサーなどの入力デバイス500は、高度の可視化システム700が、動きのパターンを認識し、仮想角度およびズームを変更することなどの機能を実施することを可能にする。
【0275】
超精巧外科システム100は複数のディスプレイ600、702を有し得る。ズームレベルに応じて、制御システム400は、異なるカメラアングルなどの異なるパラメータをそれぞれもつ異なる画像を各ディスプレイ600、702上に表示し得る。これにより、外科医および/または外科アシスタントなどの操作者1は、患者に同時に手術し、各人のロケーションに対して外科的作業空間の最も自然な視点を提示するディスプレイ600、702を各々が参照することが可能になり得る。これは、例えば、アシスタントが患者の脚部の近くに位置し、外科主治医が患者のそばに位置する場合に有用であろう。アシスタントのディスプレイ702はアシスタントの視点から解剖学的構造およびツールを示し得、外科医のディスプレイ702は外科医の視点から解剖学的構造およびツールを示し得る。
【0276】
各ディスプレイ600、702中に示される画像のカメラアングルおよび観点などのパラメータは、患者2の位置および配向、ディスプレイ600、702の位置および配向、操作者1などの画像の観察者の位置および配向を含む、1つまたは複数のパラメータに依存し得る。これは、制御システム400が、ディスプレイ600、702、操作者1、および患者2などの様々な対象のロケーションおよび配向についての知識を有することを暗示する。操作者1がどこに位置するかを知らないなど、そのような知識が入手可能でない場合、制御システム400は、そのパラメータなしに画像を計算する。
【0277】
ベッドサイドのそばに立っている操作者1が、患者2を見、引き続いてディスプレイ600、702を見上げるかまたはそのほうを見るとき、操作者1は、ズームアウトされたビューにおいて解剖学的構造またはツールをナビゲートすることが有用であることがわかり得る。ズームアウトされたビューは、様々なソースからのデータを用いて作成され得る。これらのソースは、超精巧外科システム100の周りの1つまたは複数のロケーション中にアタッチされた、および/または1つまたは複数の超精巧外科ツール300にアタッチされたカメラ304からのライブデータを含み得る。これらのソースは、解剖学的構造のMRIまたはCTデータまたはモデルなどの術前イメージングデータを含み得る。例えば、ズームアウトのプロセスは、ポートを通って置かれた患者の体内にあり得るカメラ304によって見られた詳細な内部の解剖学的構造の画像を表示することから開始し得る。ズーム係数が減少する(すなわち、カメラがズームアウトである)と、臓器全体が表示される。ズーム係数がさらに減少すると、視点は体外に移動し得、内部臓器のレンダリングと混合された患者の体の外部を示し得る。この概念は
図44に示されている。
【0278】
図44Aから開始すると、食道と胃への入口(胃食道開口)との断面のズームインされたビューが示されている。これは、胃がバイパスされる肥満手術の典型的な部位である。
図44Bには、胃と、食道のいくつかの部分との輪郭が示されている。
図44Bに示された画像は、
図44Aに対してズームアウトされている。
図44Cには、全身に対して胃、食道が示されている。ズームのレベルは、外科医が、どのように最良に超精巧外科ツール300および/または用手ツール350を操作するべきかを理解することを可能にするように調整され得る。操作者1が、エンドエフェクタを、例えば正確で小さい動きのために可視化する必要のみがある場合、
図44Aなどの「ズームイン」された画像が有用であり得る。操作者1が、ツールを再配置し、解剖学的構造への異なる接近角度を使用することを希望する場合、再配置のプロセス中に
図44Cなどの画像が有用であり得る。
【0279】
超精巧外科システム100は、ユーザが、患者の内部のズームインされたビューから患者の外部のズームアウトされたビューに移動することを可能にする。画像がズームアウトされたビューにあるとき、外科医は新しい位置に移動することができる。操作者1は、ズームアウトされたビューにおいて操作者1自身を患者に対して再配置することがより容易であることがわかり得る。この位置から、操作者1は、操作者1の新しい位置から閲覧されるように体内のツールを見るためにズームインすることができる。いくつかの実施形態では、操作者1は、操作者1が操作者1自身を再配置する前に入力デバイス500を離脱させることができる。操作者1は、操作者1が操作者1自身を再配置した後に入力デバイス500を係合させることができる。いくつかの実施形態では、操作者1は、新しい位置に基づいて、どの手が入力デバイス500を制御するのかを切り替えることができる。
【0280】
内部臓器のレンダリングは、データの様々なソースの組合せであり得る。これらのソースは、カメラまたは他の可視化デバイスによって見られる実際のリアルタイム画像を含む。これらのソースは、手術の過程にわたって立体視腹腔鏡カメラフィードから生成される臓器の3次元モデルデータを含むことができる。これらのソースは、MRI、CTまたは他の画像診断法からの術前データを含むことができる。カメラ304などのリアルタイムソースからの新しいデータが利用可能になると、モデルは補正および拡張され得る。補正されたモデルは、次いで表示され得る。
【0281】
制御システム400は、限定はしないが、(カメラ304からの)リアルタイムデータ、モデルデータ、術前データ、古くなったデータ(特に、時間的に現在の瞬間より前に撮られたカメラ304からのデータ)など、様々なクラスにデータをカテゴリー分類し得る。各タイプのデータは、混合された画像において別様に表示され得る。例えば、古くなったデータは、データのその特定の部分を使用する際、画像中にその陰影が現れたときに注意が払われるべきであることを示す黄色の陰影と混合され得る。別の例では、モデルデータは、その特定のデータを使用する際、画像中にその陰影が現れたときに極度の注意が払われるべきであることを示す赤色の陰影と混合され得る。このタイプのカテゴリー分類および表示は、外科医がディスプレイ600、702上の画像を見ながら患者の体内でツールを操作するときの、外科医への警告およびリマインダとして働き得る。
【0282】
ズーム係数および/または視点が調整されると、制御システム400は、操作者1の動き(制御側の動き)と、超精巧外科ツール300の動き(被制御側の動き)との間の関係を変化させ得る。一例として、ズームインされたビューでは、制御システム400は、手の大きい動きを用いて小さく正確な動きのみが可能になるような方法で手の動きをスケーリングし得る。画像がズームアウトされると、制御側の動きと被制御側の動きとの間のスケーリングは、例えば、いくつかの実施形態では、それらの2つの間に1:1の関係があるように変化し得る。他の態様は、仮想グリップおよび制御ポイントのロケーションなどのズーム係数に従って変化し得る。
【0283】
図45に、ディスプレイ702上のビューとしての画像を示す。ディスプレイ600および/またはディスプレイ702は操作領域の特徴を表示することができる。ディスプレイ600および/またはディスプレイ702は、1つまたは複数の超精巧外科アーム200、1つまたは複数の超精巧外科ツール300、1つまたは複数の用手ツール350、患者2、フィクスチャ(例えば、ベッド)、操作者1などの画像を示すことができる。ディスプレイ600および/またはディスプレイ702は超精巧外科システム100の制御ポイントを示すことができる
【0284】
ディスプレイ600および/またはディスプレイ702は超精巧外科システム100の制約を示し得る。例えば、ディスプレイ600、702は用手ツール350の支点のロケーションを示し得る。ディスプレイ600、702は、操作者の理解を増補するために制約を提示することができる。例えば、ディスプレイ600、702は超精巧外科ツール300の仮想グリップ512のロケーションを示し得る。ディスプレイ600、702は、操作者の理解を増補するために制約を提示することができる。
【0285】
ディスプレイ600および/またはディスプレイ702は超精巧外科システム100の制御ポイントを示し得る。制御ポイント2600は、移動する能力を有する超精巧外科アーム200と超精巧外科ツール200との上のロケーションである。制御システム400は、操作者1の入力または制約に基づいて制御ポイント2600の周りの移動を引き起こすことができる。例えば、操作者1による入力は、制御ポイント2600に接続された1つまたは複数のセクションの移動に影響を及ぼす。制御ポイント2600を移動することは、制御ポイント2600に接続された超精巧外科アーム200の1つまたは複数のセクションが移動することを引き起こす。
【0286】
制御ポイント2600は入力デバイス500を介して移動され得る。入力デバイス500の移動は、選択された制御ポイント2600の移動を引き起こし得る。これは、超精巧外科アーム200によって制御される超精巧外科ツール300の移動を引き起こし得る。特定の制御ポイント2600に入力デバイス500を割り当てるためにディスプレイ600が使用され得る。
【0287】
制御ポイント2600は、限定はしないが、ディスプレイ中の色、十字線、他のアイコンを含む、様々な方法で示され得る。ディスプレイ600、702上の超精巧外科アーム200の画像は、手術部位の周りの1つまたは多くのカメラ302からの実際のカメラ画像であり得る。ディスプレイ600、702上の超精巧外科アーム200の画像は図であり得る。
【0288】
外科的方法の一実施形態
いくつかの実施形態では、同じ作業空間において1つまたは複数の超精巧外科ツール300とともに1つまたは複数の用手ツール350が使用される。用手ツール350の一例はステープラ354である、
図39参照。ステープラ354は超精巧外科ツール300とともに使用され得る。結腸切除外科的手技において両方のタイプのツールを使用しているときのワークフローが、方法5を示す
図39に示されている。
図39は、超精巧外科ツール300と用手ツール350とを使用する1つの方法を示している。本方法は、特定の位置に結腸を保持し、結腸にわたってステープルラインを置くことに関する。本システムは、第1のグラスパ312と、第2のグラスパ314と、カメラ304と、ステープラ354とを含む。本システムは、2つの入力デバイス500と、第1のコントローラ516と、第2のコントローラ518とを含む。
【0289】
ステップ10において、操作者1は、入力デバイス500のいずれかを使用することによってカメラ304を配置し得る。いくつかの実施形態では、操作者1は、入力デバイス500のアイコンをカメラ304などの制御可能対象のアイコンと連結する。
【0290】
次いで、ステップ20において、操作者1は、操作者の一方の手によって制御される第1のコントローラ516を使用して、第1のグラスパ312などの制御可能対象を移動する。操作者は第1のグラスパ312を使用して、結腸のセクションを配置し、保持する。操作者はクラッチ112を使用して、制御可能対象、第1のグラスパ312を離脱させる。第1のグラスパ312は所定の位置に残る。操作者1は第1のコントローラ516を下に設定することができる。
【0291】
さらに、ステップ30において、操作者1は、一方の手で用手ステープラ354をピックアップすることができる。操作者1は、用手ステープラ354を配置し、配置されたカメラ304によって見られるターゲット位置にステープラ354を移動することができる。ステップ40において、操作者1は、ステープラ354を保持していない手によって制御される第2のコントローラ518を使用する。第2のコントローラ518は、第2のグラスパ314などの第2の制御可能対象を移動する。操作者1は第2のグラスパ314を使用して、結腸のセクションを配置し、保持する。次いで、ステップ50において、操作者1は、ステープラ354と第2のグラスパ314とを操作して、ステープルを受け取るために最も最適な位置に結腸を配置する。最後に、ステップ60において、操作者1は用手ステープラ354を操作し、ステープルはターゲットロケーションに送達される。この方法は、同じ作業空間中の同じ操作者1によって1つまたは複数の用手ツール350と1つまたは複数超精巧外科ツール300とがどのように同時に使用され得るかを示している。操作者1は、この手技中に(例えば、1つまたは複数の、例えば複数の、ベッドサイドロケーションにおいて)常に患者のそばに立っていることがあり得る。いくつかの実施形態では、操作者1は、患者から離れているコントローラ514からなど、遠隔で、最初の2つのステップ、ステップ10および20を実施し得る。
【0292】
超精巧外科ツール300では、接触の感覚を伝達することがしばしば困難である。外科医は時々、解剖学的構造に関するより良い情報を得るために接触を使用する。しかしながら、多くの外科医は、いくつかの状況において患者に接触することを選好する。いくつかの実施形態では、組織との接触を行うために用手ツール350が使用され得る。これは、従来の手術で一般に行われる。超精巧外科ツール300についての外科医の操作を案内し得る用手ツール350を使用することによって感覚入力は提供される。力センサーおよびロードセルなどのプロキシデバイスは、複雑な機構を通して超精巧外科ツール300に圧力または接触の感覚を伝達することができる。(制御システム400の送信機からの信号を入力デバイス500の受信機に通信することによるなど、1つまたは複数の入力デバイス500を介して)超精巧外科ツール300によって操作者に伝達される圧力は、患者2の解剖学的構造の理解を促進する。
【0293】
用手ツール350は、他の方法において、超精巧外科ツール300とともに使用され得る。例えば、超精巧外科アーム200は、
図2に示されているように、トロカール302を保持し得る。用手ツール350または超精巧外科ツール300はトロカール302を通して挿入され得る。この使用方法は、例えば、外科医が他のツールを操作していながら、用手ツール350によって組織が所定の位置に保持される必要があるときに有益であり得る。別の例では、肥満した患者において、体型によりツールの操作は困難になる;これらの場合、操作者1への物理的応力を軽減するために、用手ツールまたは超精巧外科ツール300は超精巧外科アーム200によって保持または支持され得る。
【0294】
本明細書の実施形態では、超精巧外科システムは、フィクスチャに結合されるものとして説明された。超精巧外科システムは、ベッド、病院ベッド、手術テーブル、検査テーブル、プラットフォーム、床、壁、カート、またはドリーに結合され得る。フィクスチャがカートまたはドリーである場合、フィクスチャは床に固定され得る。フィクスチャは、医療診療室、検査医の診療室、病院、医師の診療室、クリニック診療室、または超精巧外科システムの使用に適する任意の他のロケーション内に配置され得る。
【0295】
いくつかの実施形態では外科的手技に関して説明したが、超精巧外科システムは任意の適切な様式で使用され得る。超精巧外科システムは、経皮挿入のために超精巧外科ツールを操作する方法において使用され得る。本明細書で説明する超精巧外科システムは、非経皮手技(例えば、切開を行い経皮的に超精巧外科ツールを挿入することを伴わない手技)において操作され得る。例えば、超精巧外科システムは皮膚生検をとるために使用され得る。超精巧外科システムはどんな手術のためにも使用され得る。超精巧外科システムは任意の適切な医学的手技において使用され得る。超精巧外科システムは、生きている患者(例えば、手術)または死体(例えば、検死)に関連して使用され得る。本明細書で説明する実施形態は任意の適切な様式で使用され得る。超精巧外科アームは製品の製造または組立てにおいて使用され得る(例えば、組立ライン上で、クリーンルーム中でなど)。
【0296】
本開示についていくつかの実施形態および実施例のコンテキストにおいて説明したが、本開示は、具体的に開示された実施形態を越えて、他の代替実施形態および/または使用および明らかな修正形態ならびにそれらの等価物にわたることが、当業者によって理解されよう。さらに、本開示の実施形態のいくつかの変形形態を詳細に示し説明したが、本開示の範囲内にある他の修正形態は、当業者に容易に明らかになるであろう。また、本実施形態の特定の特徴および態様の様々な組合せまたは部分組合せが行われ、依然として本開示の範囲内に入り得ることが企図される。例えば、一実施形態に関して上記で説明した特徴は、本明細書で説明した異なる実施形態とともに使用され得、この組合せは依然として本開示の範囲内に入る。本開示の実施形態の様々な様式を形成するために、開示する実施形態の様々な特徴および態様は互いに組み合わせられるかまたは置換され得ることを理解されたい。このように、本明細書における開示の範囲は、上記で説明した特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。したがって、特に明記しない限り、または明らかに不適合でない限り、本発明の各実施形態は、本明細書で説明するそれの本質的特徴に加えて、本明細書で開示する本発明の他の各実施形態からの、本明細書で説明する1つまたは複数の特徴を含み得る。
【0297】
特定の態様、実施形態または実施例に関して説明した特徴、材料、特性、またはグループは、それらと不適合でない限り、本セクションまたは本明細書の他の場所で説明したいかなる他の態様、実施形態または実施例にも適用可能であるものと理解されるべきである。(すべての添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)本明細書で開示する特徴のすべて、および/またはそのように開示する任意の方法またはプロセスのステップのすべては、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互排他的である組合せを除いて、どんな組合せにおいても組み合わせられ得る。保護は、いかなる上記の実施形態の詳細にも制限されない。保護は、(すべての添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)本明細書で開示する特徴の、任意の新規の1つ、または任意の新規の組合せにわたるか、あるいは、そのように開示する任意の方法またはプロセスのステップの、任意の新規の1つ、または任意の新規の組合せにわたる。
【0298】
さらに、別の実装形態のコンテキストにおいて本開示で説明したいくつかの特徴は、単一の実装形態において組合せでも実装され得る。逆に、単一の実装形態のコンテキストにおいて説明した様々な特徴は、複数の実装形態において別々に、または任意の好適な部分組合せでも実装され得る。その上、特徴について上記ではいくつかの組合せで働くものとして説明したことがあるが、請求する組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、組合せから削除され得、組合せは、部分組合せまたは部分組合せの変形形態として請求され得る。
【0299】
その上、操作が特定の順序で図面において示されるかまたは本明細書で説明されることがあるが、望ましい結果を達成するために、そのような操作は、示された特定の順序で、または逐次順序で実施される必要はなく、あるいは、すべての操作が実施される必要はない。図示または説明されていない他の操作が、例示的な方法およびプロセスに組み込まれ得る。例えば、説明する操作のいずれかの前に、それらの後に、それらと同時に、またはそれらの間に、1つまたは複数の追加の操作が実施され得る。さらに、操作は、他の実装形態では再構成されるかまたは並べ替えられ得る。いくつかの実施形態では、説明および/または開示されるプロセスにおいて取られる実際のステップは、図において示されるものとは異なり得ることを当業者は諒解されよう。実施形態に応じて、上記で説明したステップのいくつかは削除され得、他のものが追加され得る。さらに、上記で開示された特定の実施形態の特徴および属性は、追加の実施形態を形成するために異なる方法で組み合わせられ得、それらのすべては本開示の範囲内に入る。また、上記で説明した実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものと理解されるべきではなく、説明する構成要素およびシステムは、概して、単一の製品において一緒に組み込まれるかまたは複数の製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。
【0300】
本開示のために、いくつかの態様、利点および新規の特徴について本明細書で説明した。必ずしもすべてのそのような利点は、いずれかの特定の実施形態に従って達成されるとは限らない。したがって、例えば、本開示は、本明細書で教示または示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなしに、本明細書で教示する1つの利点または利点のグループを達成する様式で実施または実行され得ることを、当業者は認識されよう。
【0301】
「できる(can)」、「し得る(could)」、「であろう(might)」、または「し得る(may)」などの条件付き文言は、別段に明記されていない限り、またはさもなければ使用されるコンテキスト内で理解されない限り、いくつかの特徴、要素、および/またはステップを、いくつかの実施形態は含むが、他の実施形態は含まないことを伝えるものと概して意図される。したがって、そのような条件付き文言は、特徴、要素、および/またはステップが1つまたは複数の実施形態のために何らかの方法で必要とされること、あるいは、1つまたは複数の実施形態が、ユーザ入力またはプロンプティングを用いてまたは用いずに、これらの特徴、要素、および/またはステップがいずれかの特定の実施形態に含まれるかまたはその特定の実施形態において実施されるべきであるかどうかを判断するための論理を必ず含むことを暗示するものと概して意図されない。
【0302】
「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」という句などの連結的文言は、別段に明記されていない限り、項目、用語などがX、Y、またはZのいずれかであり得ることを伝えるために概して使用されるコンテキストとともに本来なら理解される。したがって、そのような連結的文言は、いくつかの実施形態が、Xの少なくとも1つと、Yの少なくとも1つと、Zの少なくとも1つとの存在を必要とすることを暗示するものと概して意図されない。
【0303】
本明細書で使用する「近似的に」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語など、本明細書で使用する程度の文言は、依然として所望の機能を実施するかまたは所望の結果を達成する述べられた値、量、または特性に近い値、量、または特性を表す。例えば、「近似的に」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語は、述べられた量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、および0.01%未満以内である量を指し得る。別の例として、いくつかの実施形態では、「概して並列な」および「実質的に並列な」という用語は、正確に並列から15度、10度、5度、3度、1度、0.1度以下などだけ逸脱する値、量、または特性を指す。
【0304】
本開示の範囲は、このセクションまたは本明細書の他の場所における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されるものと意図されず、このセクションまたは本明細書の他の場所で提示されるかあるいは将来において提示される特許請求の範囲によって定義され得る。特許請求の範囲の文言は、特許請求の範囲において採用された文言に基づいて広く解釈され、本明細書においてまたは出願の審査過程中に記載される実施例に限定されるものではなく、それらの実施例は非排他的と解釈されるべきである。