(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記境界画素に少なくとも部分的に境界を付ける前記画素壁が、前記応力解放特徴を含み、前記応力解放特徴が、空間を、前記画素壁内に備える、請求項1に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
前記画素壁が、第1の材料を実質的に備え、前記応力解放特徴が、前記第1の材料とは異なる第2の材料を備える、請求項1に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
前記応力解放特徴が、前記画素壁の少なくとも一部においてまっすぐになるように、前記画素壁と前記疎水層との間の前記せん断応力に応答して変形する、請求項1に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
【発明を実施するための形態】
【0005】
概要
エレクトロウェッティングディスプレイは、境界画素とフィールド画素とを備える画素のアレイを含む。本明細書で使用する境界画素は、画素のアレイの縁上に配置された画素であり、エレクトロウェッティングディスプレイの外縁に隣接する。画素のアレイの境界画素以外の画素は、フィールド画素である。個別の画素は、たとえば、フォトレジスト材料から作られた画素壁によって囲まれている。画素壁は、油を、個別の画素内に保持する。エレクトロウェッティングディスプレイの製造工程中、画素壁材料(たとえば、フォトレジスト材料)は、疎水性フッ素重合体層上に堆積させられる。この材料の疎水性のために、画素壁材料は、通常、それに付着しない。製造工程は、したがって、フッ素重合体層が親水性であるように、フッ素重合体層を改質する。このような表面改質は、たとえば、反応性イオンエッチング(RIE:reactive ion etching)またはプラズマエッチングまたはUVオゾン処理を使用して実行され得る。したがって、画素材料は、画素壁構造を処理することができるように、改質フッ素重合体層に付着する。しかしながら、画素壁材料の堆積後、改質フッ素重合体層の親水特性は、もはや望ましくない。したがって、改質フッ素重合体層の疎水特性を回復させる必要があり、それは、高温での熱リフロー(reflow)を使用して達成され得る。
【0006】
残念ながら、このリフローステップは、高温からの冷却後の画素壁材料(たとえば、フォトレジスト)の収縮(たとえば、架橋結合及び高密度化及び/または熱収縮)につながり得る。この収縮は、フォトレジスト層内に応力を引き起こし、画素壁内のひび割れ、及び/または下位基板に対する画素壁の移動として現れ得る。このような収縮は、フォトレジスト材料の量に比例することがある。特定の実施形態では、収縮は、下位基板上のフォトレジスト材料の被覆領域に比例する。たとえば、(たとえば、熱収縮または熱膨張によって引き起こされる)せん断応力が、フォトレジスト層と下位基板との間の接着を圧倒する(overwhelm)場合、構造は、剥離することがある。せん断応力が、接着がそのままであるように、比較的小さい場合、画素壁は、ひび割れ、または曲がることがある。比較的柔らかなフッ素重合体面上に堆積しているフォトレジストは、応力がフォトレジスト材料の変形につながり得るという主な理由であり得る。たとえば、高温では、フッ素重合体層は、塑性的に変形可能であり(たとえば、液体様の性質を有し)、したがって、フッ素重合体層上の構造は、応力を減少させるために移動することができ、それによって、下位層に対する画素壁構造のレジストレーションに悪影響を与える。
【0007】
UV照射量を変更することによって、及び/またはフォトレジストの硬化条件を変更することによってなどで、製造工程を変更することは、熱リフローステップによって導入される応力を減らすことができる。しかし、応力は、完全には除去されない可能性が高い。したがって、本明細書で説明する実施形態は、そのような応力を減少させ、そのような応力の活性ディスプレイ画素への影響を緩和する、製造工程と構造とを含む。加えて、これらの製造工程及び構造は、さまざまな特性を有する異なるフォトレジスト材料からの広範囲な選択を使用することを可能にする。
【0008】
いくつかの実施形態では、画素壁及び/または表示領域の外縁は、画素壁と画素との変形につながり得る応力を緩和する構造的特徴を含む。特に、画素壁は、画素壁材料と下位の疎水層との間のせん断応力の、画素のアレイの位置への影響を減少させるように構成された、構造的特徴または部分を含むことができる。たとえば、そのような構造的特徴を、フォトレジスト層をパターン化ために使用されるマスク内に特定のパターンを含むことによって、製造工程の中に導入することができる。可能性のある実装形態の中で、画素壁のそのような構造的特徴は、湾曲と、屈曲と、ばね形状(たとえば、サーペンタイン)構造と、比較的薄い部分と、空間と、画素表示領域の外縁と画素壁との間の隙間と、ジグザグ形の壁交点模様と、画素壁と外縁との間の角度を付けた接続と、を含むことができる。画素壁内の湾曲と屈曲とを、たとえば、応力に応答してまっすぐになるような形にし、またはそのように構成することができる。言い換えると、製造工程による応力を予期して、画素壁を「事前に屈曲しておく」ことができ、後で、画素壁は、所望の直線形状にまっすぐになる。いくつかの実装形態は、フィールド画素中の応力を緩和することにより向けられており、一方で、他の実装形態は、外縁の近くのエッジ画素中の応力を緩和し、それによって、応力のフィールド画素への影響を緩和することにより向けられている。応力を緩和する構造的特徴を含むことは、多数の利点を提供することができ、それらは、エレクトロウェッティングディスプレイ構造の変形を減少させ、その品質を改善すること、製造歩合を改善し、フォトレジスト特性から実質的に独立した比較的信頼性のある製造工程条件を可能にすること、などである。以降、応力を緩和する構造的特徴を、応力解放特徴と呼ぶ。エレクトロウェッティングディスプレイ構造に向けられているが、本明細書で説明する実施形態は、また、多数の、半導体構造、半導体パッケージング、マイクロ流体構造、または、たとえば、フォトレジスト層を伴う微細構造のうちの任意のものにおける応力または応力の影響を緩和することができる。
【0009】
例示的な構造及びプロセス
図1は、いくつかの実施形態による、エレクトロウェッティングデバイス100の断面図である。誘電体バリア層102は、基板104上に形成されている。疎水層106は、疎水層106と基板104との間の分離を維持する誘電体バリア層102上に形成されている。このような分離は、とりわけ、疎水層106を通して発生する電気分解を防ぐことができる。いくつかの実装形態では、疎水層106は、デラウエア州ウィルミントン市に拠点を置くDuPontによって生産されるAF1600などの、フッ素重合体を備えることができる。画素壁108は、(
図2などの平面図で見ることができる)パターン模様画素格子を、疎水層106上に形成する。画素壁108は、エポキシベースのネガティブフォトレジストであるSU−8などの、フォトレジスト材料を備える。パターン模様画素格子は、フィールド画素と境界画素とから成る画素アレイ(たとえば、表示領域)を形成する、行と列とを備える。たとえば、画素は、約50〜500ミクロンの範囲の幅と長さとを有することができる。たとえば、約1〜10ミクロンの範囲の厚さを有することができる油膜110は、疎水層106を覆う。油膜110は、パターン模様画素格子の画素壁108によって分割されている。外縁112は、画素壁108と同じ材料を備えることができる。電解質114は、油膜110とパターン模様画素格子の画素壁108とを覆う。カバープレート116は、電解質114を覆い、エッジ密封材118は、電解質114を、画素アレイ上に保持する。油膜110と個別の画素の(たとえば、誘電体バリア層102と疎水層106とを備える)誘電体バリア層スタックとの間に印加された電圧Vは、個別の画素の透過率または反射率を制御することができる。パターン模様画素格子の画素壁108の行または列のうちの1つまたは複数は、たとえば、以下に説明する、パターン模様画素格子と疎水層106との間のせん断応力を減少させる、(
図2などの平面図でみることができる)実質的に非線形の部分を備えることができる応力解放特徴を含む。
【0010】
図2は、いくつかの実施形態による、エレクトロウェッティングデバイスの部分200の平面図である。たとえば、エレクトロウェッティングデバイスは、
図1に例示したものと同じまたは類似であってよい。部分200は、多数のフィールド画素202と境界画素204と、角画素206とを含む。これらの画素は、外縁208によって囲まれている。画素壁210は、個別のフィールド画素202を囲んでいる。画素壁210は、実質的に線形である。一方で、個別の境界画素204を部分的に囲む画素壁212は、応力解放特徴を含み、実質的に非線形であり得る。たとえば、画素壁212は、圧縮特性または膨張特性を有するように、サーペンタイン形状を有する。画素壁212は、フィールド画素202の画素壁210から外縁208の縁214まで伸びる。下位基板216は、フッ素重合体層218で覆われている。
【0011】
いくつかの実施形態では、応力解放特徴は、
図2に示した、サーペンタイン形状またはばね様形状の画素壁部分の代わりに、湾曲した画素壁または予め屈曲させた画素壁を含む。たとえば、画素壁を、予め屈曲した形状または湾曲した形状を有するように製造することができる。リフロー製造工程中に収縮すると、またはそれを経験した後に、画素壁は、実質的な線形にまっすぐになることができる。たとえば、4.0ミクロンの事前屈曲を有する画素壁は、収縮の後に、約2.0ミクロンの屈曲を有する画素壁を形成するようにまっすぐになることができる。
【0012】
図2は、画素壁210、212と外縁208とを形成するフォトレジスト材料の収縮によって誘発される力を示す、いくつかのブロック矢印を含む。上記で説明した通り、そのような収縮は、堆積と、画素壁210、212と外縁208との熱架橋との後に、フッ素重合体層218を疎水性にする、熱リフロー工程から生じ得る。画素壁と外縁とのフォトレジスト材料は、下位基板216と上を覆っているフッ素重合体層218とに対して収縮する。このような収縮は、画素領域への方向の力F
Gにつながる。力F
Gは、反対方向の力F
Rによって無効にされる。力F
Rの大きさは、外縁208を形成するフォトレジスト材料の被覆領域に、少なくとも部分的に基づく。一方で、力F
Gの大きさは、画素壁210と画素壁212とを形成するフォトレジスト材料の被覆領域に、少なくとも部分的に基づく。外縁208を形成するフォトレジスト材料の被覆領域は、画素壁210と画素壁212とを形成するフォトレジスト材料の被覆領域よりも著しく大きい。したがって、F
Rは、通常、力F
Gよりも大きい。これらの2つの不均衡な力は、エレクトロウェッティングデバイス構造の不安定な物理的状態につながる。結果として、2つの力F
GおよびF
Rは、構造の望ましくない変形が発生した後でのみ、均衡を取り、安定した物理的状態になる。
【0013】
図2に例示した通り、境界画素壁212が実質的に非線形形状である(たとえば、圧縮特性、伸縮特性、及び/またはばね様特性を有するようにサーペンタイン形状を有する)場合では、そのような変形は、主に境界画素壁212で発生する。結果として、フィールド画素202及びフィールド画素壁210は、著しい変形から救われる。対照的に、境界画素壁212が実質的に線形で曲げられない(たとえば、ばね様特性を欠いている)(例示しない)場合では、フィールド画素202、境界画素204、及びそれらの各画素壁は、不均衡な力F
GとF
Rとによって、著しく変形され得る。
【0014】
いくつかの実装形態では、境界画素204は、機能画素ではない。言い換えると、境界画素204は、表示画素として動作することができない。したがって、境界画素204は、油または上を覆う電解質を含む必要がない(境界画素204は、それにもかかわらず、フィールド画素202も満たす製造工程の同じ部分からの油と電解質とで満たされ得る)。したがって、境界画素204は、一般に、力F
GとF
Rとから生じる変形を少なくとも部分的に吸収する画素壁を有する物理的バッファとして動作する。
【0015】
図3は、さまざまな実施形態による、エレクトロウェッティングデバイス100などの、エレクトロウェッティングデバイスを製造するためのプロセス300のフロー図である。プロセス300は、底面基板302から開始することができ、底面基板302は、たとえば、インジウムスズ酸化物(ITO)で覆われた、透明なガラス物質を備えることができる。バリア層及びフッ素重合体層は、堆積ステップ304で形成される。表面処理ステップ306を使用して、元々は疎水性のフッ素重合体層を親水性に変質して、フォトレジスト層がフッ素重合体層に接着できるようにする。表面処理の後、画素壁形成ステップ308で、フォトレジストを、フッ素重合体層上に(たとえば、スピンコーティングによって)堆積させることができ、画素壁形成ステップ308は、エレクトロウェッティングデバイスの表示領域の画素を囲む画素壁と外縁とを作る。マスキングパターンを使用して、特定の形状の画素壁をフォトレジスト層から形成する。たとえば、マスキングパターンは、ばね様の画素壁構造などの応力解放特徴を有する画素壁と、外縁と画素壁との間の隙間と、ジグザグ形の壁交点模様と、事前屈曲画素壁部分と、画素壁が局所的に画素壁の他の部分よりも著しく狭い画素壁内のくぼみと、を作る部分を含むことができる。
【0016】
画素壁と外縁との形成の後に、熱リフローは、フッ素重合体層の疎水性質を再確立し、画素壁材料を架橋する。上記で説明した通り、このリフローステップは応力につながり、それを、応力解放特徴を含む画素壁によって緩和することができる。これらの特徴を、画素壁形成ステップ308で使用されるマスキングパターンによって作ることができる。
【0017】
充填ステップ310は、密封材を外縁の部分の上に配置することと、(たとえば、画素壁によって形成された)画素の窪みを油で充填することと、油と画素壁とを電解質で覆うことと、構造を覆い、油と電解質とを封入するために、上面基板312を配置することと、を伴う。
【0018】
図4は、いくつかの実施形態による、エレクトロウェッティングデバイスの部分400の平面図である。たとえば、エレクトロウェッティングデバイスは、
図1に例示したエレクトロウェッティングデバイス100と同じまたは類似であってよい。部分400は、多数のフィールド画素402と、境界領域404とを含む。フィールド画素402及び境界領域404は、外縁406によって囲まれている。境界領域404は、それがなければフィールド画素402の部分を外縁406の部分に接続することになる、画素壁のオープン領域空間を備える。画素壁408は、個別のフィールド画素402を囲んでいる。実質的には線形である画素壁408は、外縁406から物理的に分断されている。この構造は、
図2に例示した構造と対照をなし、
図2に例示した構造は、たとえば、フィールド画素壁210を外縁208に物理的に連結するサーペンタイン形画素壁212を含む。
【0019】
図4は、画素壁408と外縁406とを形成するフォトレジスト材料の収縮によって誘発される力を示す、いくつかのブロック矢印を含む。リフロープロセス中、外縁406のフォトレジスト材料が収縮し、画素領域から離れていく方向の力F
Rにつながる。反対方向の力F
Gは、フィールド画素402の画素壁408の収縮から生成される。力F
Rは、外縁406を形成するフォトレジスト材料の被覆領域に、少なくとも部分的に基づく。一方で、力F
Gは、画素壁408を形成するフォトレジスト材料の被覆領域に、少なくとも部分的に基づく。外縁406を形成するフォトレジスト材料の被覆領域は、画素壁408を形成するフォトレジスト材料の被覆領域よりも著しく大きい。したがって、力F
Rは、力F
Gよりも大きい。これらの2つの不均衡な力は、境界領域404によって提供されるオープン領域によって物理的に分断されている。したがって、力F
Rは、外縁406を、フィールド画素402から離れるように、フィールド画素を変形させずに、引っぱることができる。その一方で、力F
Gは、境界領域に隣接するフィールド画素402を、内側に引っ張ることができる。これは、フィールド画素402の変形につながり得る。幸運なことに、力F
Gは比較的弱く、したがって、そのような変形は、比較的小さい(たとえば、フィールド画素402に実質的に影響を与えない)。
【0020】
境界領域404は、画素として機能しないが、油及び/またはそれを覆う電解質を含むことができ、それらは、フィールド画素を油と電解質とで満たす製造工程中に配置される。境界領域404は、一般に、境界領域404において力F
Gと力F
Rとの連結がないために、物理バッファとして動作することができる。
【0021】
図5は、さまざまな実施形態による、エレクトロウェッティングデバイスの部分500の平面図である。たとえば、エレクトロウェッティングデバイスは、
図1に例示したエレクトロウェッティングデバイス100と同じまたは同様であってよい。部分500は、外縁506によって囲まれた、多数のフィールド画素502と境界画素504とを含む。画素壁508は、個別のフィールド画素502を囲んでいる。実質的に線形である画素壁508は、外縁506から、隙間510によって、物理的に分断されている。この構造は、
図4に例示した構造と対照をなし、
図4に例示した構造も外縁から物理的に分断されたフィールド画素を含むが、境界画素はない。
【0022】
図5は、画素壁508と外縁506とを形成するフォトレジスト材料の熱収縮によって誘発される力を示す、いくつかのブロック矢印を含む。リフロープロセス中、外縁506のフォトレジスト材料が収縮し、画素領域から離れていく方向の力F
Rにつながる。反対方向の力F
Gは、フィールド画素502の画素壁508の収縮から生成される。力F
Rは、外縁506を形成するフォトレジスト材料の被覆領域に、少なくとも部分的に基づく。一方で、力F
Gは、画素壁508を形成するフォトレジスト材料の被覆領域に、少なくとも部分的に基づく。外縁506を形成するフォトレジスト材料の被覆領域は、画素壁508を形成するフォトレジスト材料の被覆領域よりも、著しく大きい。したがって、力F
Rは、力F
Gよりも大きい。これらの2つ不均衡な力は、隙間510を有する画素壁を含む境界画素504によって物理的に分断されている。したがって、力F
Rは、外縁506を、フィールド画素502から離れるように、フィールド画素を変形させずに、引っ張ることができる。一方で、力F
Gは、境界画素504を内側に引っ張ることができる。これは、境界画素504の近くでのフィールド画素502の変形につながり得る。幸運なことに力F
Gは比較的弱く、したがって、そのような変形は、比較的小さい。
【0023】
境界画素504は、画素として機能していないが、油及び/またはそれを覆う電解質を含むことができ、それらは、フィールド画素を油と電解質とで満たす製造工程中に配置される。境界画素504は、一般に、力F
Gと力F
Rとから生じる変形を少なくとも部分的に吸収する画素壁を有する物理バッファとして機能する。
【0024】
図6A〜
図6Dは、さまざまな実施形態による、応力解放特徴を含む画素領域の平面図である。上記で説明した応力解放特徴は、一般に、画素の画素壁の部分の屈曲または回転によって応力を減少させる。応力解放特徴は、また、画素壁の要素または画素壁の交点を含み、それらは、画素壁または交点のいくつかの部分を比較的柔軟にし、したがって、収縮から生じる印加力のもとで伸長できるようにすることによって、製造される。たとえば、製造工程は、フォトレジスト層を、画素壁をフォトレジスト層から形成するために使用されるマスキングパターンの部分において、露出不足にすることを含むことができる。結果として生じる画素壁のこれらの部分は、結果的に、画素壁の他の部分よりも固くなく、応力下で伸長し易い特徴を含むことができる。このような特徴は、比較的薄い壁部分、穴、などを含む。いくつかの実装形態では、上記で説明した露出不足ステップは、このような特徴を製造することを伴う必要はない。たとえば、マスキングパターンは、これらの壁構造及び/または穴を、パターン内に含むことができる。さらに他の実装形態では、画素壁を、画素壁の部分によって変化する材料から製造することができる。たとえば、画素壁は、第1のフォトレジストを実質的に備えることができ、一方で、応力解放特徴を含む画素壁の比較的小さな部分は、第2のフォトレジスト材料を備えることができる。
【0025】
図6Aは、交点604Aで交わる画素壁602Aによって囲まれた、画素600Aを含む画素アレイの部分を示している。画素壁602Aは、薄壁部606Aを備える応力解放特徴を含む。たとえば、薄壁部606Aは、約5ミクロンの長さであってよいが、特許請求の主題は、それほど限定されていない。別の実施例では、薄壁部606Aは、画素壁の残りの部分よりも約10%から約90%薄くてよい。
図6Bは、画素アレイを製造するプロセスにおけるリフローステップの後の、画素600Aを含む画素アレイの部分を示している。したがって、画素壁602Aは、応力により軸方向に伸長しており、伸長薄壁部606Bを生じている。そのような伸長は、画素アレイ中の応力を解放するのに役立つ。
【0026】
図6Cは、交点604Cで交わる画素壁602Cによって囲まれた、画素600Cを含む画素アレイの部分を示している。画素壁交点604Cは、穴606Cを備える応力解放特徴を含む。
図6Dは、画素アレイを製造するプロセスにおけるリフローステップの後の、画素600Cを含む画素アレイの部分を示している。したがって、画素壁602Cは、応力による力を交点604Cから外側に与え、交点604Cにおいて比較的薄い壁によって囲まれた、より大きな穴606Dとなる。
【0027】
図7は、いくつかの実施形態による、エレクトロウェッティングデバイスの画素アレイ部700の平面図である。たとえば、エレクトロウェッティングデバイスは、
図1に例示したエレクトロウェッティングデバイス100と同じまたは同様であってよい。部分700は、画素壁704によって個別に囲まれた、多数のフィールド画素702を含む。画素壁交点は、C形画素壁構造706を備える応力解放特徴を備え、それは、収縮力または膨張力であるFを課した際に変形し得る。C形画素壁構造706のそのような変形は、これらの力の少なくとも一部を吸収し、画素702の変形を防ぐ。
図7のブロック矢印は、任意の方向に作用することができる、そのような力のいくつかの実施例を表している。壁交点上のそのような力の特定の方向及び大きさは、エレクトロウェッティングデバイスの画素アレイ内の壁交点の位置に、少なくとも部分的に依存し得る。そのような力は、C形画素壁構造706を、それを1つの軸方向に圧縮し、その一方で、それを別の軸方向に膨張させることによって、変形させ得る。他の状況では、そのような力は、C形画素壁構造706を、それを2以上の軸方向に圧縮し、またはそれを2以上の軸方向に膨張させることによって、変形させ得る。言い換えると、特定のC形画素壁構造が画素アレイに対してどこに位置しているかということと、どのような熱膨張力または熱収縮力がその位置に存在しているかということと、に少なくとも部分的に依存して、特定のC形画素壁構造は、任意の数の圧縮力または膨張力を経験し得る。そのような場合では、C形画素壁構造706は、これらの力の少なくとも一部を吸収するように変形して、画素702の応力と変形とを緩和することができる。
【0028】
図8は、いくつかの実施形態による、エレクトロウェッティングデバイスの画素アレイ部800の平面図である。たとえば、エレクトロウェッティングデバイスは、
図1に例示したエレクトロウェッティングデバイス100と同じまたは同様であってよい。部分800は、画素壁804によって個別に囲まれた、多数のフィールド画素802を含む。画素壁交点は、熱収縮力または熱膨張力であるFを課した際に変形し得るジグザグ壁構造806を備える応力解放特徴を含む。ジグザグ壁構造806のそのような変形は、これらの力の少なくとも一部を吸収し、画素802の変形を防ぐ。
図8のブロック矢印は、任意の方向に作用し得るそのような力のうちのいくつかの実施例を表している。壁交点上のそのような力の特定の方向及び大きさは、エレクトロウェッティングデバイスの画素アレイ中の壁交点の位置に、少なくとも部分的に依存し得る。そのような力は、ジグザグ壁構造806を、それを1つの軸方向に圧縮し、その一方で、それを別の軸方向に膨張させることによって、変形させ得る。別の状況では、そのような力は、ジグザグ壁構造806を、それを2以上の軸方向に圧縮し、または、それを2以上の軸方向に膨張させることによって、変形させ得る。言い換えると、特定のジグザグ壁構造が画素アレイに対してどこに位置しているかということと、どのような熱膨張力または熱収縮力がその位置に存在しているかということと、に少なくとも部分的に依存して、特定のジグザグ壁構造は、任意の数の圧縮力または膨張力を経験し得る。そのような場合では、ジグザグ壁構造806は、これらの力の少なくとも一部を吸収するように変形して、画素802の応力と変形とを緩和することができる。
【0029】
別の実施形態では、C形またはジグザグ形に加えて、画素壁交点は、多数の形状のうちの任意のものを有することができる。たとえば、
図9は、さまざまな実施形態による、画素アレイの画素壁交点または他の部分において具体化され得る、画素壁部のさまざまな形状の平面図である。
【0030】
図10は、さまざまな実施形態による、エレクトロウェッティングデバイスを製造するプロセス1000を示している。たとえば、エレクトロウェッティングデバイスは、
図1に例示したエレクトロウェッティングデバイス100と同じまたは同様であってよく、以下の説明において参照される。ブロック1002では、誘電体バリア層102が、(たとえば、スパッタリングによって)基板104上に形成される。ブロック1004では、疎水層106が、たとえば、スピンコーティングによって、誘電体バリア層102上に形成され、疎水層106と基板104との間の分離を維持する。ブロック1006では、フォトレジスト材料を備えるパターン模様画素格子を形成する壁が、疎水層106上に形成される。パターン模様画素格子は、フィールド画素と境界画素とを形成する、画素壁の行と列とを備える。ブロック1008では、油膜110が、疎水層上に、充填処理を使用して配置される。油膜110は、画素から画素へ連続していないが、その代わりに、パターン模様画素格子によって分割されている。ブロック1010では、電解質114が、油膜110上とパターン模様画素格子上とに配置される。いくつかの実装形態では、パターン模様画素格子の画素壁の行または列のうちの1つまたは複数は、パターン模様画素格子と疎水層との間のせん断応力を減少させる、1つまたは複数の応力解放特徴を含む。たとえば、1つの種類の応力解放特徴は、境界画素領域内に配置され得るサーペンタイン形のばねを備える。別の実施形態では、パターン模様画素格子の画素壁の行または列のうちの1つまたは複数は、ジグザグ壁交点を備える別の種類の応力解放特徴を含んで、パターン模様画素格子と疎水層との間のせん断応力を減少させる。これらの交点は、フィールド画素領域内に配置される。さらに別の実装形態では、パターン模様画素格子の画素壁の行または列のうちの1つまたは複数は、C形壁交点または事前屈曲画素壁を備えるさらに別の種類の応力解放特徴を、フィールド画素領域内に含む。
【0031】
結論
主題を、構造的特徴及び/または方法論的動作に固有の言語で説明したが、添付の特許請求の範囲に定める主題が、必ずしも、説明した具体的な特徴または動作に限定されない、ということを理解すべきである。むしろ、具体的な特徴及び動作は、特許請求の範囲を実装する例示的な形態として開示されている。
【0032】
当業者は、上記の説明に対する実質的に無制限の数の変形が可能であり、実施例及び添付図面が、単に、実装形態の1つまたは複数の実施例を例示するためのものである、ということを理解する。
【0033】
特許請求の主題から逸脱せずに、さまざまな他の変更を行うことができ、同等物に置き換えることができる、ということを当業者は理解する。加えて、多くの変更を行って、本明細書で説明した主要概念から逸脱せずに、特定の状況を、特許請求の主題の教示に適応させることができる。したがって、特許請求の主題が、開示した特定の実施形態に限定されないが、そのような特許請求の主題が、また、添付の特許請求の範囲とその同等物の範囲内に含まれるすべての実施形態を含むことができる、ということが意図されている。
【0034】
上記の詳細な説明では、多数の具体的な詳細を明記して、特許請求の主題の完全な理解を提供した。しかしながら、当業者は、特許請求の主題を、これらの具体的な詳細なしに実践できる、ということを理解すべきである。他の場合では、当業者によって知られている方法、装置、またはシステムは、特許請求の主題を不明瞭にしないように、詳細を説明していない。
【0035】
本明細書を通して、「一実施形態」または「実施形態」への言及は、特定の実施形態に関連して説明した特定の機能、構造、または特徴を、特許請求の主題の少なくとも1つの実施形態の中に含むことができる、ということを意味することができる。したがって、本明細書を通したさまざまな場所における「一実施形態では」または「実施形態」という表現の出現は、必ずしも、説明したものと同じ実施形態または任意の1つの特定の実施形態を指すことを意図しない。さらに、説明した特定の機能、構造、または特徴を、1つまたは複数の実施形態において、さまざまな方法で組み合わせることができる、ということを理解すべきである。一般的には、もちろん、これら及び他の問題は、用法の特定の文脈により変化し得る。したがって、明細書の特定の文脈またはこれらの用語の用法は、その文脈に対してなされる推測に関して有益な助言を提供することができる。
【0036】
条項
第1条
疎水層と、
前記疎水層上に形成された画素のアレイであって、画素の前記アレイの個別の画素を分割する、画素壁の行と列とを備え、前記画素壁が、前記画素壁と前記疎水層との間のせん断応力の、画素の前記アレイの前記位置への影響を減少させるように構成された部分を含む、画素のアレイと、
前記疎水層を覆う油膜と、
前記油膜と画素の前記アレイとを覆う電解質と、
を備えるエレクトロウェッティングディスプレイ。
【0037】
第2条
せん断応力の前記影響を減少させるように構成された前記部分が、前記せん断応力に応答してまっすぐになるように構成された、1つまたは複数の屈曲または湾曲を備える、第1条に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
【0038】
第3条
前記画素壁の前記行と前記列との交点が、せん断応力の前記影響を減少させるように構成された前記部分を含む、第2条に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
【0039】
第4条
疎水層と、
前記疎水層上に形成された画素壁であって、フィールド画素と境界画素とを画定し、前記フィールド画素と前記境界画素との各々が、前記画素壁によって少なくとも部分的に境界をつけられ、前記画素壁の部分が、前記画素壁と前記疎水層との間のせん断応力の、前記フィールド画素と前記境界画素との位置への影響を減少させる応力解放特徴を含む、画素壁と、
前記疎水層を覆う油膜であって、画素壁格子によって分割されている、油膜と、
を備える、エレクトロウェッティングディスプレイ。
【0040】
第5条
前記境界画素に少なくとも部分的に境界を付ける前記画素壁が、前記応力解放特徴を含み、前記応力解放特徴が、空間を、前記画素壁内に備える、第4条に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
【0041】
第6条
前記応力解放特徴が、前記1つまたは複数の壁の湾曲部分を備える、第5条に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
【0042】
第7条
前記フィールド画素に少なくとも部分的に境界を付ける前記画素壁が、前記応力解放特徴を含む、第4条に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
【0043】
第8条
前記応力解放特徴が、ジグザグ壁交点を備える、第7条に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
【0044】
第9条
前記応力解放特徴が、C形壁交点を備える、第7条に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
【0045】
第10条
前記応力解放特徴が、前記画素壁の交点内に配置された穴を備える、第4条に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
【0046】
第11条
前記応力解放特徴が、前記画素壁の比較的薄い領域を備える、第4条に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
【0047】
第12条
前記画素壁が、第1の材料を実質的に備え、前記応力解放特徴が、前記第1の材料とは異なる第2の材料を備える、第4条に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
【0048】
第13条
前記応力解放特徴が、前記画素壁の少なくとも一部においてまっすぐになるように、前記画素壁と前記疎水層との間の前記せん断応力に応答して変形する、第4条に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
【0049】
第14条
前記境界画素が、光スイッチングのために機能しない、第4条に記載のエレクトロウェッティングディスプレイ。
【0050】
第15条
エレクトロウェッティングディスプレイを製造するための方法であって、
誘電体バリア層を基板上に形成することと、
疎水層を前記誘電体バリア層上に形成することと、
画素壁を前記疎水層上に形成することであって、前記画素壁が、前記画素壁と前記疎水層との間のせん断応力の、フィールド画素と境界画素との位置への影響を減少させる応力解放特徴を含む、形成することと、
油膜を前記疎水層上に配置することと、
電解質を、前記油膜上とパターン模様画素格子上とに配置することと、
を備える、方法。
【0051】
第16条
前記画素壁を形成することが、
フォトレジスト層を覆うマスクパターンを使用することであって、前記マスクパターンが、応力減少特徴の画像を含む、使用すること、を備える、第15条に記載の方法。
【0052】
第17条
前記画素壁を形成することが、
フォトレジスト層を覆うマスクパターンを使用することと、
前記応力減少特徴の画像を形成するために、前記フォトレジスト層を露出不足にすることであって、前記応力減少特徴が、前記画素壁の比較的薄い部分を含む、露出不足にすることと、
を備える、第16条に記載の方法。
【0053】
第18条
前記応力解放特徴が、前記画素壁の交点に配置された穴を備える、第15条に記載の方法。
【0054】
第19条
応力減少特徴が、前記画素壁の交点を備え、前記交点がジグザグ形である、第15条に記載の方法。
【0055】
第20条
応力減少特徴が、前記画素壁の交点を備え、前記交点がC形壁交点である、第15条に記載の方法。